ディスプレイ装置への複数のユーザアクセスのための独特のユーザ識別及び認証
医療機器、データ、又は記録への認証されたアクセスを提供するユーザインターフェース(20、20´、20″、20’’’)は、選択的にユーザオプションを示すダイナミックディスプレイ(30、30’’’)を有する。ダイナミックディスプレイに位置を合わせられたタッチスクリーン・オーバーレイ(40)は、ダイナミックディスプレイの上の、中の、又は隣接するタッチ位置を識別する。指紋読取器(50、50´、50″、50’’’)は、タッチスクリーン・オーバーレイによって起動され、タッチ位置で指紋を取得する。ユーザ認証、アクセス制御及びロギングは、指紋の識別及び認証に基づいて実行される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、医療技術に関する。それは、タッチスクリーンによって動作する医療機器への安全性及び制御されたアクセスの提供の際に特定の用途を見出し、特にそのような用途に関して記載される。更に一般的には、それは、内科的治療機器、医療監視機器、医療データ記憶システム、医療記録システムなどに関して安全性及びアクセス制御を提供する際に用途を見出す。また更に、それは、一般的にタッチスクリーンディスプレイを有する電子機器へ安全性及びアクセス制御を提供する際に用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
医療機器、データ、及び記録は、アクセスの際、その間、及びその後に厳密な制御を必要とする重大な機密保持問題を与える。第1に、患者を監視又は治療する際に用いられる医療機器へのアクセスを求めるユーザは、一意的に識別され、認証されなければならない。第2に、患者を監視及び治療する際に用いられる医療機器は、資格を与えられ、認証された医療関係者によってのみ操作されるべきである。最後に、医療装置は、当該装置の作動及びその作動に責任があるユーザを調べることが可能であるように、監査制御メカニズムを実施すべきである。しかし、多くの医療装置は、少しのアクセス制御も提供しない。例えば、患者への静脈内輸液の送達を制御するために用いられる、あちこちに存在する静脈内輸液流量制御装置は、通常、患者の部屋が患者の家族及び友人、病棟勤務員、及び医療資格のない他者の出入りが可能であったとしても、アクセス制御を有さない。
【0003】
アクセスを制限するために、幾つかの医療機器は、使用する前の手順としてログを必要とする。このアプローチは、幾らかの安全性を提供する。しかし、ユーザがログオンしている間に装置の傍を離れる場合には、誰でも装置にアクセスすることができる。また、医療装置を用いる医療手順は、全員が医療装置を操作する資格を与えられているわけではない医療関係者のチームによって行われることがある。この問題の変形として、何人かのチームメンバーは、機器を用いて特定の機能を実行することを認められているが、他の機能については認められていないことがある。それにも関わらず、いずれかの認定ユーザがログオンすると、そのチームの全てのメンバーは、ログオンしたユーザに認められた同じアクセス権限により医療装置へのアクセスを有する。更に、医療装置におけるユーザ操作は、チームに直接的には関与していないユーザに関連することもある。また更に、ある重大な医療環境において、医師又は他の権限のある医療関係者が、機器を用いる前に冗長なログイン手順を行う必要があることは望ましくない。例えば、緊急治療室の医師が、完全に冠状動脈の動きが止まった患者へ除細動器を適用する前にログインを有することは望まれない。
【0004】
医療機器へのアクセスを制限するための他のアプローチは、例えば、信頼されるポケット識別装置など、個人識別装置の使用である。この装置は、権限のある医療関係者により持ち運ばれる。識別装置は、無線領域に運び入れられる場合に医療装置と無線で接続し、医療機器へのアクセスを認証する。このアプローチは、冗長な手動のログイン手順が含まれないので、重大な医療状況で有利となりうる。しかし、識別装置は、医療装置の近くにいる複数の人物の間の区別をすることができない。即ち、実際には、医療装置の無線領域内のいずれかの権限のある人物の存在は、その人物が実際に装置を使用することを認められているか否かに関わらず、周辺の全ての人の装置へのアクセスを可能にする。
【0005】
同様のアクセスの懸念事項は、医療データ及び記録に関して生ずる。患者記録は機密である。従って、それらの記録へのアクセスは、権限のある病院関係者に制限されるべきである。単に記録データベースのアクセス端末へログインすることをユーザに要求することは、問題がある。これは、その人物がログアウトすることなく不注意に端末から離れることがあるためである。ログイン・セッションに関するプログラムされたタイムアウトは、このような懸念事項を小さくはするが、取り除かない。更に、重大な医療状況で冗長なログイン手順を行うことは不可能であり得る。例えば、緊急治療室の医師は、患者の症状報告、患者の血液型などの患者情報にアクセスするために冗長なログイン手順を行うべきではない。これは、速やかな診断を行って、迅速な治療を提供する際に重大な意味を持つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題は、医療行為を妨げることなくアクセスユーザを認証する有効な使いやすい方法を実施することが困難であるため、医療機器を操作するためにタッチスクリーンを用いる場合に一層問題となる。タッチスクリーンディスプレイの直接的な性質により、医療装置にアクセスするユーザの独特の認証は、多数の臨床医が医療装置の周りに集まって、ほぼ同時に同じセッションへアクセスを有するところのチーム環境で、特に挑戦的である。
【0007】
以下は、前出の制限その他を解決する改善された装置及び方法について検討する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様に従って、ユーザ識別及び、医療機器、データ又は記録へアクセスするユーザの認証を提供するユーザインターフェースが開示される。ダイナミックディスプレイは、ユーザオプションを選択的に示す。前記ダイナミックディスプレイに位置を合わせられたタッチスクリーン・オーバーレイは、前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又は隣接するタッチ位置を識別する。指紋読取器は、前記タッチスクリーン・オーバーレイによって始動され、前記タッチ位置で指紋を取得する。その場合に、前記指紋は、一意的なユーザ識別子に安全に関連付けられる。
【0009】
他の態様に従って、ユーザ識別及び、医療機器、データ、又は記憶のユーザアクセスの認証のためのユーザインターフェース方法が提供される。ユーザオプションは、ダイナミックディスプレイ上に選択的に示される。タッチ位置は、前記ダイナミックディスプレイの上で、中で、又はその隣で識別される。前記タッチ位置の識別に応答して、指紋は前記タッチ位置で取得される。その場合に、前記指紋は、一意的なユーザ識別子に安全に関連付けられる。
【0010】
更なる他の態様に従って、電子装置のユーザアクセスのユーザ識別及び認証を提供するためのユーザインターフェースが開示される。ダイナミックディスプレイは、ユーザオプションを選択的に示す。前記ダイナミックディスプレイに位置を合わせられたタッチスクリーン・オーバーレイは、前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又は隣接するタッチ位置を識別する。指紋読取器は、前記タッチスクリーン・オーバーレイによって始動され、前記タッチ位置で指紋を取得する。その場合に、前記指紋は、一意的なユーザ識別子に安全に関連付けられる。
【発明の効果】
【0011】
1つの利点は、冗長且つ時間を要する手動のログイン処理を必要とせずに、医療機器、データ、又は記録へのユーザアクセスの一意的なユーザ識別及び認証を提供することにある。
【0012】
他の利点は、医療機器、医療記録端末などのアイテムへの夫々及び全てのアクセスに関してユーザを確認することにある。
【0013】
他の利点は、医療機器、データ、又は記録への同時アクセスを有する一群のユーザの夫々の使用が一意的に区別されうるように、独特のユーザ識別子を提供することにある。
【0014】
他の利点は、タッチスクリーンディスプレイ上のどこからも自動的に指紋を取得することにある。
【0015】
他の利点は、冗長且つ時間を要する手動のログイン処理を必要とせずに、医療機器、データ、又は記録へのユーザ識別に基づくアクセスを提供することである。
【0016】
他の利点は、医療機器、データ、又は記録などのアイテムへの夫々及び全てのアクセスにおいてユーザ識別を記録することにある。
【0017】
更なる他の利点は、ユーザインターフェースディスプレイの複数の機能への個々の、更には、随意的に区別された認証アクセスを提供することにある。
【0018】
多数の更なる利点及び効果は、好ましい実施例の以下の詳細な記載を読むことで、当業者には明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置で、且つ、様々な処理動作及び処理動作の配置で具体化することができる。図面は、好ましい実施例を表す目的のためだけに用いられるものであり、本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【0020】
図1を参照すると、患者10は、医療システム16に無線で結合された医療プローブ14を用いて、例えば、バイタルサインの監視、静脈内輸液の送達などの治療を受ける。他の実施例では、無線結合は、結合ケーブルによって置換される。医療システム16は、権限のある医療関係者24とインターフェース接続する能力を有するダイナミックディスプレイ及びタッチスクリーン入力を備えたユーザインターフェース20を有する。権限のある医療関係者24は、例えば医師である。例えば、やはり近くにいる病棟勤務員など、権限のない者は、ユーザインターフェース20の指紋認証部によって、命令を実行することを阻まれる。
【0021】
図2A、2B及び2Cを参照すると、ユーザインターフェース20は、ダイナミックディスプレイ30を有する。ダイナミックディスプレイ30は、表される実施例では、画素34に分けられた光透過型液晶ディスプレイ(LCD)32と、バックライト36とを有する。LCD画素34の不透明度は、光出力を制御するよう選択的に制御される。カラーディスプレイに関しては、画素34は、RGBカラー画素セルを定めるよう配置されたカラーフィルタを有する。典型的なダイナミックディスプレイでは、画素は、高解像度ディスプレイを提供するように、表されるよりも小さい。表されるLCDディスプレイ32は、一例であり、他の実施例では、ダイナミックディスプレイはプラズマディスプレイ又は他の薄型ディスプレイである。
【0022】
タッチスクリーン入力機能を提供するために、ユーザインターフェース20は、更に、ユーザインターフェース20に触れた指の位置を示す電気信号を供給するようアナログ抵抗方式、容量方式、弾性表面波(SAW)方式などを用いるタッチスクリーン・オーバーレイ40を有する。タッチスクリーン・オーバーレイ40は、下にあるダイナミックディスプレイ30がタッチスクリーン・オーバーレイ40を通して見られることを可能にするよう実質的に光を透過する。幾つかの実施例では、タッチスクリーン・オーバーレイは、ダイナミックディスプレイ30と一体化されても良い。例えば、LCD32は、通常、正面ガラスと、背面ガラス又はプラスティック基材とを有しており、タッチスクリーン・オーバーレイ40は、正面ガラス又はプラスティック基材に配置されたタッチ・センシティブ・オーバーレイを有することができる。
【0023】
ユーザ識別及び認証を提供するために、ユーザインターフェース20は、また更に、ダイナミックディスプレイ30の後ろに配置された指紋読取器50を有する。図2A及び2Cの指紋読取器50は、実質的にダイナミックディスプレイ30の領域に及ぶ2次元配列で配置された指紋スキャナ52の配列を有する。権限のある医療関係者24がタッチスクリーン・オーバーレイ40に触ると、触れた位置(タッチ位置)が決定されて、指紋スキャナ52の中から対応する下にあるスキャナが、タッチするために用いられた指の指紋を取得する。タッチ位置が2つの指紋スキャナ52の間の境界の近くである場合には、両方の指紋スキャナが状況に応じて用いられ、夫々が指紋の一部を取得する。タッチ位置が、4つの指紋スキャナ52が交わる角の近くである場合には、4つ全ての指紋スキャナが状況に応じて用いられ、夫々が指紋の一部を取得する。
【0024】
図3A及び3Bを参照すると、他のユーザインターフェース20′において、指紋読取器50は、単一の指紋スキャナ52′を有する指紋読取器50′によって置換されている。指紋スキャナ52′は、例えば、超音波振動子ヘッドであっても良い。指紋スキャナ52′は、シャフト54に沿って垂直方向に機械的に移動可能であり、シャフト54は、横軸支持シャフト56、58に沿って水平方向に機械的に移動可能である。従って、指紋スキャナ52′は、ダイナミックディスプレイ30の表面上の実質的にどこでもタッチ位置の下に置かれるよう垂直及び水平に動かされうる。表される機械的移動装置54、56、58は、一例であって、スキャナをタッチ位置へと即座に動かすことができる実質的に如何なる機械的移動装置によっても置換可能である。
【0025】
図4を参照すると、更なる他のユーザインターフェース20″において、指紋読取器50は、電気的に可動な超音波振動子ヘッドを備える単一の指紋スキャナ52″を有する指紋読取器50″によって置換されている。指紋スキャナ52″は、指紋読取器筐体60内でダイナミックディスプレイ30の後ろの定位置に取り付けられており、ダイナミックディスプレイ30上のタッチ位置へプローブビーム62を電気的に導くよう、超音波プローブビーム62の放射及び受光の際に、選択された位相設定を用いる。代替的に、指紋スキャナ52″は、プローブビーム62が機械的にタッチ位置を指し示すことを可能にするジンバルマウントにおいて筐体60内の定位置に取り付けられた方向スキャナである。
【0026】
指紋読取器50、50′、50″は、ダイナミックディスプレイ30を介して指紋を読む。通常、超音波プローブビームは、ダイナミックディスプレイ30を容易に通過して、タッチスクリーン・オーバーレイ40上のタッチ位置で押下する指の指紋を読む。従って、ダイナミックディスプレイ30は、権限のある医療関係者24が特定の医療機能を達成するためにタッチスクリーンに触れるべきディスプレイの領域をその医療関係者24に示す選択ボタン領域に、選択ボタン画像又は他の直感的画像を表示することができる。一般に、ダイナミックディスプレイ30の異なる領域に同時に指定されたこのような選択ボタン領域が複数存在しても良く、ダイナミックディスプレイ30は、夫々の選択ボタン領域の範囲及び夫々の選択ボタン領域の機能を権限のある医療関係者24のために定めるよう、適切に表示するボタン、テキスト、又は他の画像を提供する。
【0027】
例えば、図5Aで、表示スクリーンは、表題「静脈内輸液の送達開始?」を有し、更に、3つの選択ボタン領域71、72、73を有する。選択ボタン領域71における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域71に表示された直感的なラベル「はい」に従って、静脈内輸液の送達を開始する対応する機能を選択する。同様に、選択ボタン領域72における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域72に表示された直感的なラベル「いいえ」に従って、静脈内輸液の送達を開始しない。選択ボタン領域73における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30に、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域73に表示された直感的なラベル「ヘルプ」に従って、図5Aに示される画像をヘルプスクリーンに置き換えさせる。
【0028】
図5Bを参照すると、権限のある医療関係者24が選択ボタン領域71に触れて、静脈内輸液の送達が開始されたとすると、ダイナミックディスプレイ30は、図5Aに示される画像を図5Bに示される画像に置き換えることによって更新する。新しい表示は、現在の静脈流量係数(「流量=15.3ml/hour」)を示す。更に、前の3つの選択ボタン領域71、72、73は、もはや定義されず、代わりに、新しい選択ボタン領域75、76、77が定められる。選択ボタン領域75における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域75に表示される直感的な上矢印に従って、静脈内輸液の送達の流量を増大させる対応する機能を選択する。同様に、選択ボタン領域76における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域76に表示される直感的な下矢印に従って、静脈内輸液の送達の流量を減少させる対応する機能を選択する。ディスプレイ30は、また、選択ボタン領域75、76の外側に沿って文字「F」、「L」、「O」、「W」を垂直に表示して、更に、選択ボタン領域75、76の目的を権限のある医療関係者24に示す。選択ボタン領域77における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域77に表示された直感的なテキスト画像ラベル「中断」に従って、静脈内輸液の送達を中断させる。
【0029】
指紋読取器50、50′、50″は、ダイナミックディスプレイ30を介して指紋を読み取ることができるので、夫々の選択ボタン領域内に選択ボタン領域ラベルを表示することが可能である。しかし、例えば光学指紋スキャナなど、幾つかの指紋読取器は、ダイナミックディスプレイ30を介して動作することができないことがある。従って、このような指紋スキャナを用いる場合には、ディスプレイが指紋の読み取りを妨げうるので、走査の際に選択ボタン領域にテキストを表示することが不可能である。このような場合には、指紋走査は、ユーザが走査を認識しないように、あるいは走査によって動揺させられないように、十分に高速にされるべきである。
【0030】
図6A及び6Bを参照すると、また更なる他のユーザインターフェース20’’’は、変形されたダイナミックディスプレイ30’’’に対して定位置に配置された3つの指紋スキャナ52’’’(そのうちの2つしか図6Aの側面図では見られない。)を備える指紋読取器50’’’を有する。ダイナミックディスプレイ30’’’は、LCD32’’’及びバックライト36’’’が3つの指紋スキャナ52’’’の定位置に合わせられた3つの隙間81、82、83を有する点で、ダイナミックディスプレイ30に対して変形されている。3つの隙間81、82、83は、ダイナミックディスプレイ30’’’に対する位置が隙間81、82、83に固定されるところの3つの選択ボタン領域を定める。指紋読取器50’’’は夫々の隙間81、82、83を介して読み取る。従って、指紋スキャナ52’’’は、それらがバックライト及びLCD画素を介して読み取ることができない形式である場合でさえ動作する。タッチスクリーン・オーバーレイ40は、3つの隙間81、82、83を含む表示領域全体に亘って広がっている。変形例として、タッチスクリーン・オーバーレイは、3つの隙間81、82、83の領域のみを覆うよう限定されても良い。
【0031】
引き続き図6A及び6Bを参照し、更に図7A及び7Bを参照すると、隙間81、82、83は、3つの選択ボタン領域に対応する。図5A及び5Bの選択ボタン領域とは異なり、隙間81、82、83は移動可能ではなく、更に、ダイナミックディスプレイ30’’’が隙間81、82、83上に広がっていないので、隙間81、82、83の外観は静的である。代わりに、ダイナミックディスプレイ30’’’は、隙間81、82、83に隣接するテキスト又はグラフィックスを表示して、隙間81、82、83によって定められる夫々の選択ボタン領域に触れることによって実行される機能が何であるかを権限のある医療関係者24に示す。例えば、図7Aで、表題「静脈内輸液の送達開始?」が図5Aと同じく表示されている。しかし、図7Aでは、静脈内輸液の送達を開始する選択領域に対応する隙間81は、左隣の画像「はい→」によってラベルを付されている。同様に、静脈内輸液の送達を開始しない選択領域に対応する隙間82は、左隣の画像「いいえ→」によってラベルを付されている。最後に、ヘルプスクリーンを提示する選択領域に対応する隙間83は、上に隣接する画像「ヘルプ」によってラベルを付されている。
【0032】
図7Bを参照すると、権限のある医療関係者24が隙間81に触れて、静脈内輸液の送達が開始されたとすると、ダイナミックディスプレイ30’’’は、図7Aに示される画像を図7Bに示される画像に置き換えることによって更新する。新しい表示は、現在の静脈流量係数(「流量=15.3ml/hour」)を示し、更に引き続き、選択ボタン領域として隙間81、82、83を用いる。しかし、これらの隙間は、異なった関連機能と、異なった隣接ラベルとを有する。従って、隙間81は、流量増大の機能を示す上に隣接する上矢印によってラベルを付されており、一方、隙間82は、流量減少の機能を示す下に隣接する下矢印によってラベルを付されている。ディスプレイ30’’’は、また、隙間81、82の外側に沿って文字「F」、「L」、「O」、「W」を垂直に表示して、更に、隙間81、82に対応する選択ボタン領域の目的を権限のある医療関係者24に示す。隙間83は、隙間83の選択ボタン領域が静脈内輸液の送達を中断することを示すテキスト画像「中断」により、図7Bにおいてラベルを付されている。
【0033】
隙間81、82、83は、ダイナミックディスプレイ30’’’内に位置付けられた開口部である。他の考えられる実施例では、ディスプレイは開口部を有さず、指紋読取器は、例えばダイナミックディスプレイの外周に隣接する、ダイナミックディスプレイの領域の外側に置かれた選択ボタンにおいて指紋を取得する。このような考えられる実施例では、ダイナミックディスプレイは、ディスプレイ周囲の選択ボタン領域を指し示す矢印又は他のインジケータを示す。隙間又は周囲選択ボタン領域はダイナミックディスプレイ機能を有さないが、望ましくは、それらは成形され、彩色され、あるいは、ボタン又は他の直感的なセレクタを示すよう形成される。
【0034】
ダイナミックディスプレイ30、30’’’と、タッチスクリーン・オーバーレイ40と、指紋読取器50、50′、50″、50’’’とを夫々備えるユーザインターフェース20、20′、20″、20’’’の幾つかの実施例について記載してきたが、関連する電子データ処理について記載する。この処理は、指接触(タッチ)を介してユーザ入力を受け取るためにユーザインターフェース20、20′、20″、20’’’を用い、また、ユーザを識別するために指紋読取器50、50′、50″、50’’’を用いる。
【0035】
図8を参照すると、ユーザインターフェース20は、ダイナミックディスプレイ30と、タッチスクリーン・オーバーレイ40と、指紋読取器50とを有する。(図8は、例となるユーザインターフェース20に関して記載されるが、図8において括弧内の参照番号によって示されるように、ユーザインターフェース20が他の例となるユーザインターフェース20′、20″、20’’’のいずれかによって置換されうることは明らかである。)ユーザインターフェース20は、指紋読取器50を制御する指紋読取処理モジュール90を更に有する。
【0036】
機密保護ソフトウェア92は、指紋に基づいて認証を実行する。医療ソフトウェア100は、権限のある医療関係者24の制御下で、1又はそれ以上の選択された医療手順を実行し、ユーザインターフェース20及び機密保護ソフトウェア92を用いて、権限のある医療関係者24との認証されたインターフェース接続を提供する。幾つかの実施例で、ソフトウェア92、100は、図1に表される単一の医療装置としてユーザインターフェース20と一体化される処理装置で実行される。他の実施例で、医療ソフトウェアプログラム100は、又は機密保護ソフトウェア92及び医療ソフトウェア100の両方は、物理ケーブル、無線接続などによってユーザインターフェース20と接続される別々に収容された処理装置で実行される。医療ソフトウェア100は、ダイナミックディスプレイに、例えば、図5A、5B、7A又は7Bに示された表示のうちの1つのような、適切なユーザインターフェーススクリーンを示させる表示発生器102を有する。誰かがタッチスクリーン・オーバーレイ40に触れると、ユーザインターフェース20の指紋読取器制御装置90及び医療ソフトウェア100の機能セレクタ104によって受信される電気信号が生成される。
【0037】
医療ソフトウェアプログラム100で、指接触によって引き起こされた電気信号は、機能セレクタ104に、どの機能がタッチスクリーン・オーバーレイ40によって示されたタッチ位置に対応するかを決定するよう機能データベース106にアクセスさせる。通常、機能データベース106は、夫々の選択ボタン領域に対応する機能の識別とともに、ダイナミックディスプレイ30に表示される選択ボタン領域を定めるスクリーン範囲を有する。例えば、x座標方向のxmin及びxmaxによって及び横断するy座標方向のymin及びymaxによって境界を示された長方形の選択ボタン領域が与えられるとすると、タッチ位置(x,y)は、2つの条件xmin≦x≦xmax及びymin≦y≦ymaxが両方とも満足される場合に、長方形の選択ボタン領域内にある。そうであるならば、次に、長方形の選択ボタン領域に対応する機能は、機能セレクタ104によって機能データベース106から取り出される。
【0038】
ユーザインターフェース20で、指接触によって引き起こされた電気信号は、指紋読取器制御装置90にタッチ位置にある指紋を取得させる。指紋スキャナ52の格子を用いる指紋読取器50の場合に、これは、タッチ位置の下にある1又はそれ以上の指紋スキャナ52による指紋取得を伴う。指紋読取器50′の場合には、指紋読取器制御装置90は、機械的移動装置54、56、58に指紋スキャナ52′の位置をタッチ位置に合わせさせて、指紋スキャナ52′に指紋を取得させる。指紋読取器50″の場合には、指紋読取器制御装置90は、指紋スキャナ52″にプローブビームの位置をタッチ位置に合わせさせて、次に、指紋スキャナ52″にタッチ位置に向けられたプローブビームを用いて指紋取得させる。指紋読取器50’’’の場合には、指紋読取器制御装置90は、タッチ位置に下にある指紋スキャナ52’’’に指紋を取得させる。しかし、指紋読取器50’’’の場合には、タッチ位置が定位置の指紋スキャナ52’’’のいずれにも対応しないことがあり、この場合には指紋は取得されない。
【0039】
(もしあれば)取得された指紋は、最初に、暗号ハッシングモジュール94によって暗号ハッシングをなされ、ハッシング指紋メモリ108に記憶される。認証装置110は、指紋データベース112へアクセスして、ハッシングをなされた指紋を識別するよう試みる。指紋データベース112は、ハッシングをなされたユーザの指紋の組と、それらの対応する一意的な英数字の符号識別子とを有する。指紋データベースの内容は、安全な手段によって予め満たされており、安全に管理され、用いられ、保持されるべきである。留意すべきは、指紋データベースは、医療装置に存在しても良く、あるいは、医療装置によって遠くから安全にアクセスされても良い。通常、ハッシングをなされた指紋は英数字の符号であり、認証装置110は、識別することを試みる際に、指紋データベース112に格納された対応する指紋ハッシングと、取得されたハッシングをなされた指紋とを比較する。スクリーンに触れた人物が、例えば権限のある医療関係者24のような認定ユーザである場合には、権限のある人物の指紋ハッシュの表示が指紋データベース112に存在し、故に、整合が確立される。認証装置はユーザの一意的な識別子を出力する。この識別子は、他の英数字符号に存する。他方で、スクリーンに触れた人物が、例えば病棟勤務員26のような未認定ユーザである場合には、その指紋はデータベース112には存在せず、故に整合は確立されない。
【0040】
機密保護ソフトウェア92のアクセス制御装置114は、スクリーンに触れた人物が認定ユーザであるかどうかを決定する。幾つかの実施例で、この決定は、単に認証装置110が、取得されたハッシングをなされた指紋を、指紋データベース112内のハッシングをなされた指紋と一致させることができるかどうかに基づいて行われる。このアプローチは直接的であるが、異なる認証レベル又は特徴を有するユーザには適さない。例えば、図5Bのスクリーンを考えると、医師のみが静脈内輸液の流量を変化することができる(これは、患者の処方の変化を意味するからである。)が、病棟勤務員は緊急の場合に静脈内輸液の送達を停止させるよう中断ボタンを作動させることができることが望ましい。
【0041】
このような異なった認証レベルに適応するために、機能実行部120は、選択された機能を実行する許可を求める。アクセス制御装置114はアクセス権データベース116を参照する。アクセス権データベース116は、夫々のユーザ固有の識別子に関する認証クラスと、どの認証クラスがその機能を行使することを認められているかを示す夫々の機能に関する認証情報とを有する。アクセス制御装置114は、認定ユーザが選択された機能へのアクセス権を有するかどうかを検査するためにアクセス権データベース116を参照する。アクセス権が確認されると、アクセス制御装置114は、選択された機能が実行可能であることを機能実行部120に通知する。このようにして、例えば、図5Bの流量選択ボタン領域75、76は、認証情報が権限のある医師クラスに限定されるところの流量調整機能に関連付けられうる。一方、図5Bの中断選択ボタン領域77は、認証情報が、如何なる認証クラスの人物も中断機能を作動させることを可能にするところの中断機能に関連付けられる。
【0042】
アクセス制御装置114が、機能を実行することを認められた認定ユーザに伴うユーザ固有の識別子を識別することを条件として、機能実行部120は、タッチ位置によって選択された機能を実行する。他方で、取得されたハッシングをなされた指紋が、識別されない場合、あるいは、選択された機能を実行することを認められないユーザに対応する場合、タッチは無視され、随意的に、ポップアップメッセージが、その機能を実行するためのアクセス権限がないことをユーザに通知する。
【0043】
随意的に、ログファイル122は、機能を実行させた認定ユーザの指紋認証に基づく識別とともに、夫々の実行された機能の記録を保持する。幾つかの実施例で、認定ユーザの一意的なユーザ識別子は、実行された機能の識別子とともに、ログファイル122に保存される。他の実施例では、取得された暗号ハッシングをなされた指紋は、後に誰が機能を実行したかに関する疑問があった場合に証拠として用いられるように、実行された機能の識別子と、随意的に実効時間及び幾つかの他のログ情報とに暗号で結合されて、ログファイル122に保存される。
【0044】
信頼ある動作を確実にするために、指紋取得は、タッチスクリーン・オーバーレイ40における指接触の標準的な接触時間よりも高速であるべきである。タッチスクリーン上での指の典型的な接触時間(τ)は、
【数1】
ミリ秒である。従って、全部で約100ミリ秒以内に、タッチスクリーン・オーバーレイ40はタッチ位置を識別すべきであり、指紋読取器50、50′、50″、50’’’はタッチ位置で指紋を取得すべきである。タッチスクリーン・オーバーレイ40は、通常、アナログ抵抗方式、容量方式、又は弾性表面波(SAW)方式により電気的に動作する。このような電気的動作は、指紋取得よりもずっと高速である。従って、一般的に、指紋取得時間が標準的な接触時間τよりも短いことを確実にすることは、信頼ある動作のために十分である。1つの十分に高速な指紋読取器は、(中華民国、台湾、新竹、スターテック・エンジニアリング社から市販されている)FingerCheckFC−100である。この指紋読取器は、約33ミリ秒で指紋を取得することができる。例えば指紋読取器50′、50’’’のような、機械的に移動され且つ電気的に稼働する指紋読取器は、位置合わせを含め、約50ミリ秒より少ない取得時間を有することができる。
【0045】
信頼ある動作の他の態様は、高速な遷移を生ずるスクリーン接触の解決である。標準的な接触時間τ〜100ミリ秒よりも短い指紋取得時間に関して、単独のユーザは、あるスクリーン位置から他の位置へ指を動かす際に含まれる遅延に起因して、指紋取得時間が経たないうちに連続した接触をすることは起こり得ない。4人の医療チームに関しては、夫々のチームメンバーに関して毎秒1接触のスクリーンタッチ率を仮定すると、毎秒約4スクリーンタッチの最大率が期待されうる。指紋取得時間が33ミリ秒であるとすると、2人の臨床医が33ミリ秒間隔よりも短時間にスクリーンに触れる可能性は、約1%未満であると推定され、複数ユーザ環境で高い信頼性を提供する。
【0046】
本発明は、好ましい実施例を参照して記載された。明らかに、変形及び代替は、先の詳細な記載を読み、理解することで想到されるであろう。本発明は、全てのこのような変形例及び代替案を含むと理解されるべきであり、これらは添付の特許請求の範囲又はその均等の範囲の適用範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】医療機器へのアクセスのために認証ユーザインターフェースを用いる典型的な医療機器を図式的に示す。
【図2A】ダイナミックディスプレイと、タッチスクリーン・オーバーレイと、指紋スキャナの格子とを有するユーザインターフェースの側面図を示す。
【図2B】図2Aのユーザインターフェースの正面図を示す。
【図2C】指紋スキャナの格子を示すためにダイナミックディスプレイが取り除かれた状態で、図2Aのユーザインターフェースの正面図を示す。
【図3A】ダイナミックディスプレイと、タッチスクリーン・オーバーレイと、機械的に移動される指紋スキャナとを有するユーザインターフェースの側面図を示す。
【図3B】機械的に移動される指紋スキャナを示すためにダイナミックディスプレイが取り除かれた状態で、図3Aのユーザインターフェースの正面図を示す。
【図4】ダイナミックディスプレイと、タッチスクリーン・オーバーレイと、電子可動型指紋スキャナとを有するユーザインターフェースの側面図を示す。
【図5】A及びBは、図2A、2B及び2C、図3A及び3B、又は図4のユーザインターフェースのいずれかにより適切に実施される表示例を示す。
【図6A】ダイナミックディスプレイと、タッチスクリーン・オーバーレイと、複数の定位置指紋スキャナとを有するユーザインターフェースの側面図を示す。
【図6B】図6のユーザインターフェースの正面図を示す。
【図7】A及びBは、図6A及び6Bのユーザインターフェースにより適切に実施される表示例を示す。
【図8】図2A、2B及び2C、図3A及び3B、図4、又は図6A及び6Bのユーザインターフェースの1つを用いる医療システムのシステム構成を図解的に示す。
【技術分野】
【0001】
以下は、医療技術に関する。それは、タッチスクリーンによって動作する医療機器への安全性及び制御されたアクセスの提供の際に特定の用途を見出し、特にそのような用途に関して記載される。更に一般的には、それは、内科的治療機器、医療監視機器、医療データ記憶システム、医療記録システムなどに関して安全性及びアクセス制御を提供する際に用途を見出す。また更に、それは、一般的にタッチスクリーンディスプレイを有する電子機器へ安全性及びアクセス制御を提供する際に用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
医療機器、データ、及び記録は、アクセスの際、その間、及びその後に厳密な制御を必要とする重大な機密保持問題を与える。第1に、患者を監視又は治療する際に用いられる医療機器へのアクセスを求めるユーザは、一意的に識別され、認証されなければならない。第2に、患者を監視及び治療する際に用いられる医療機器は、資格を与えられ、認証された医療関係者によってのみ操作されるべきである。最後に、医療装置は、当該装置の作動及びその作動に責任があるユーザを調べることが可能であるように、監査制御メカニズムを実施すべきである。しかし、多くの医療装置は、少しのアクセス制御も提供しない。例えば、患者への静脈内輸液の送達を制御するために用いられる、あちこちに存在する静脈内輸液流量制御装置は、通常、患者の部屋が患者の家族及び友人、病棟勤務員、及び医療資格のない他者の出入りが可能であったとしても、アクセス制御を有さない。
【0003】
アクセスを制限するために、幾つかの医療機器は、使用する前の手順としてログを必要とする。このアプローチは、幾らかの安全性を提供する。しかし、ユーザがログオンしている間に装置の傍を離れる場合には、誰でも装置にアクセスすることができる。また、医療装置を用いる医療手順は、全員が医療装置を操作する資格を与えられているわけではない医療関係者のチームによって行われることがある。この問題の変形として、何人かのチームメンバーは、機器を用いて特定の機能を実行することを認められているが、他の機能については認められていないことがある。それにも関わらず、いずれかの認定ユーザがログオンすると、そのチームの全てのメンバーは、ログオンしたユーザに認められた同じアクセス権限により医療装置へのアクセスを有する。更に、医療装置におけるユーザ操作は、チームに直接的には関与していないユーザに関連することもある。また更に、ある重大な医療環境において、医師又は他の権限のある医療関係者が、機器を用いる前に冗長なログイン手順を行う必要があることは望ましくない。例えば、緊急治療室の医師が、完全に冠状動脈の動きが止まった患者へ除細動器を適用する前にログインを有することは望まれない。
【0004】
医療機器へのアクセスを制限するための他のアプローチは、例えば、信頼されるポケット識別装置など、個人識別装置の使用である。この装置は、権限のある医療関係者により持ち運ばれる。識別装置は、無線領域に運び入れられる場合に医療装置と無線で接続し、医療機器へのアクセスを認証する。このアプローチは、冗長な手動のログイン手順が含まれないので、重大な医療状況で有利となりうる。しかし、識別装置は、医療装置の近くにいる複数の人物の間の区別をすることができない。即ち、実際には、医療装置の無線領域内のいずれかの権限のある人物の存在は、その人物が実際に装置を使用することを認められているか否かに関わらず、周辺の全ての人の装置へのアクセスを可能にする。
【0005】
同様のアクセスの懸念事項は、医療データ及び記録に関して生ずる。患者記録は機密である。従って、それらの記録へのアクセスは、権限のある病院関係者に制限されるべきである。単に記録データベースのアクセス端末へログインすることをユーザに要求することは、問題がある。これは、その人物がログアウトすることなく不注意に端末から離れることがあるためである。ログイン・セッションに関するプログラムされたタイムアウトは、このような懸念事項を小さくはするが、取り除かない。更に、重大な医療状況で冗長なログイン手順を行うことは不可能であり得る。例えば、緊急治療室の医師は、患者の症状報告、患者の血液型などの患者情報にアクセスするために冗長なログイン手順を行うべきではない。これは、速やかな診断を行って、迅速な治療を提供する際に重大な意味を持つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題は、医療行為を妨げることなくアクセスユーザを認証する有効な使いやすい方法を実施することが困難であるため、医療機器を操作するためにタッチスクリーンを用いる場合に一層問題となる。タッチスクリーンディスプレイの直接的な性質により、医療装置にアクセスするユーザの独特の認証は、多数の臨床医が医療装置の周りに集まって、ほぼ同時に同じセッションへアクセスを有するところのチーム環境で、特に挑戦的である。
【0007】
以下は、前出の制限その他を解決する改善された装置及び方法について検討する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様に従って、ユーザ識別及び、医療機器、データ又は記録へアクセスするユーザの認証を提供するユーザインターフェースが開示される。ダイナミックディスプレイは、ユーザオプションを選択的に示す。前記ダイナミックディスプレイに位置を合わせられたタッチスクリーン・オーバーレイは、前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又は隣接するタッチ位置を識別する。指紋読取器は、前記タッチスクリーン・オーバーレイによって始動され、前記タッチ位置で指紋を取得する。その場合に、前記指紋は、一意的なユーザ識別子に安全に関連付けられる。
【0009】
他の態様に従って、ユーザ識別及び、医療機器、データ、又は記憶のユーザアクセスの認証のためのユーザインターフェース方法が提供される。ユーザオプションは、ダイナミックディスプレイ上に選択的に示される。タッチ位置は、前記ダイナミックディスプレイの上で、中で、又はその隣で識別される。前記タッチ位置の識別に応答して、指紋は前記タッチ位置で取得される。その場合に、前記指紋は、一意的なユーザ識別子に安全に関連付けられる。
【0010】
更なる他の態様に従って、電子装置のユーザアクセスのユーザ識別及び認証を提供するためのユーザインターフェースが開示される。ダイナミックディスプレイは、ユーザオプションを選択的に示す。前記ダイナミックディスプレイに位置を合わせられたタッチスクリーン・オーバーレイは、前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又は隣接するタッチ位置を識別する。指紋読取器は、前記タッチスクリーン・オーバーレイによって始動され、前記タッチ位置で指紋を取得する。その場合に、前記指紋は、一意的なユーザ識別子に安全に関連付けられる。
【発明の効果】
【0011】
1つの利点は、冗長且つ時間を要する手動のログイン処理を必要とせずに、医療機器、データ、又は記録へのユーザアクセスの一意的なユーザ識別及び認証を提供することにある。
【0012】
他の利点は、医療機器、医療記録端末などのアイテムへの夫々及び全てのアクセスに関してユーザを確認することにある。
【0013】
他の利点は、医療機器、データ、又は記録への同時アクセスを有する一群のユーザの夫々の使用が一意的に区別されうるように、独特のユーザ識別子を提供することにある。
【0014】
他の利点は、タッチスクリーンディスプレイ上のどこからも自動的に指紋を取得することにある。
【0015】
他の利点は、冗長且つ時間を要する手動のログイン処理を必要とせずに、医療機器、データ、又は記録へのユーザ識別に基づくアクセスを提供することである。
【0016】
他の利点は、医療機器、データ、又は記録などのアイテムへの夫々及び全てのアクセスにおいてユーザ識別を記録することにある。
【0017】
更なる他の利点は、ユーザインターフェースディスプレイの複数の機能への個々の、更には、随意的に区別された認証アクセスを提供することにある。
【0018】
多数の更なる利点及び効果は、好ましい実施例の以下の詳細な記載を読むことで、当業者には明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置で、且つ、様々な処理動作及び処理動作の配置で具体化することができる。図面は、好ましい実施例を表す目的のためだけに用いられるものであり、本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【0020】
図1を参照すると、患者10は、医療システム16に無線で結合された医療プローブ14を用いて、例えば、バイタルサインの監視、静脈内輸液の送達などの治療を受ける。他の実施例では、無線結合は、結合ケーブルによって置換される。医療システム16は、権限のある医療関係者24とインターフェース接続する能力を有するダイナミックディスプレイ及びタッチスクリーン入力を備えたユーザインターフェース20を有する。権限のある医療関係者24は、例えば医師である。例えば、やはり近くにいる病棟勤務員など、権限のない者は、ユーザインターフェース20の指紋認証部によって、命令を実行することを阻まれる。
【0021】
図2A、2B及び2Cを参照すると、ユーザインターフェース20は、ダイナミックディスプレイ30を有する。ダイナミックディスプレイ30は、表される実施例では、画素34に分けられた光透過型液晶ディスプレイ(LCD)32と、バックライト36とを有する。LCD画素34の不透明度は、光出力を制御するよう選択的に制御される。カラーディスプレイに関しては、画素34は、RGBカラー画素セルを定めるよう配置されたカラーフィルタを有する。典型的なダイナミックディスプレイでは、画素は、高解像度ディスプレイを提供するように、表されるよりも小さい。表されるLCDディスプレイ32は、一例であり、他の実施例では、ダイナミックディスプレイはプラズマディスプレイ又は他の薄型ディスプレイである。
【0022】
タッチスクリーン入力機能を提供するために、ユーザインターフェース20は、更に、ユーザインターフェース20に触れた指の位置を示す電気信号を供給するようアナログ抵抗方式、容量方式、弾性表面波(SAW)方式などを用いるタッチスクリーン・オーバーレイ40を有する。タッチスクリーン・オーバーレイ40は、下にあるダイナミックディスプレイ30がタッチスクリーン・オーバーレイ40を通して見られることを可能にするよう実質的に光を透過する。幾つかの実施例では、タッチスクリーン・オーバーレイは、ダイナミックディスプレイ30と一体化されても良い。例えば、LCD32は、通常、正面ガラスと、背面ガラス又はプラスティック基材とを有しており、タッチスクリーン・オーバーレイ40は、正面ガラス又はプラスティック基材に配置されたタッチ・センシティブ・オーバーレイを有することができる。
【0023】
ユーザ識別及び認証を提供するために、ユーザインターフェース20は、また更に、ダイナミックディスプレイ30の後ろに配置された指紋読取器50を有する。図2A及び2Cの指紋読取器50は、実質的にダイナミックディスプレイ30の領域に及ぶ2次元配列で配置された指紋スキャナ52の配列を有する。権限のある医療関係者24がタッチスクリーン・オーバーレイ40に触ると、触れた位置(タッチ位置)が決定されて、指紋スキャナ52の中から対応する下にあるスキャナが、タッチするために用いられた指の指紋を取得する。タッチ位置が2つの指紋スキャナ52の間の境界の近くである場合には、両方の指紋スキャナが状況に応じて用いられ、夫々が指紋の一部を取得する。タッチ位置が、4つの指紋スキャナ52が交わる角の近くである場合には、4つ全ての指紋スキャナが状況に応じて用いられ、夫々が指紋の一部を取得する。
【0024】
図3A及び3Bを参照すると、他のユーザインターフェース20′において、指紋読取器50は、単一の指紋スキャナ52′を有する指紋読取器50′によって置換されている。指紋スキャナ52′は、例えば、超音波振動子ヘッドであっても良い。指紋スキャナ52′は、シャフト54に沿って垂直方向に機械的に移動可能であり、シャフト54は、横軸支持シャフト56、58に沿って水平方向に機械的に移動可能である。従って、指紋スキャナ52′は、ダイナミックディスプレイ30の表面上の実質的にどこでもタッチ位置の下に置かれるよう垂直及び水平に動かされうる。表される機械的移動装置54、56、58は、一例であって、スキャナをタッチ位置へと即座に動かすことができる実質的に如何なる機械的移動装置によっても置換可能である。
【0025】
図4を参照すると、更なる他のユーザインターフェース20″において、指紋読取器50は、電気的に可動な超音波振動子ヘッドを備える単一の指紋スキャナ52″を有する指紋読取器50″によって置換されている。指紋スキャナ52″は、指紋読取器筐体60内でダイナミックディスプレイ30の後ろの定位置に取り付けられており、ダイナミックディスプレイ30上のタッチ位置へプローブビーム62を電気的に導くよう、超音波プローブビーム62の放射及び受光の際に、選択された位相設定を用いる。代替的に、指紋スキャナ52″は、プローブビーム62が機械的にタッチ位置を指し示すことを可能にするジンバルマウントにおいて筐体60内の定位置に取り付けられた方向スキャナである。
【0026】
指紋読取器50、50′、50″は、ダイナミックディスプレイ30を介して指紋を読む。通常、超音波プローブビームは、ダイナミックディスプレイ30を容易に通過して、タッチスクリーン・オーバーレイ40上のタッチ位置で押下する指の指紋を読む。従って、ダイナミックディスプレイ30は、権限のある医療関係者24が特定の医療機能を達成するためにタッチスクリーンに触れるべきディスプレイの領域をその医療関係者24に示す選択ボタン領域に、選択ボタン画像又は他の直感的画像を表示することができる。一般に、ダイナミックディスプレイ30の異なる領域に同時に指定されたこのような選択ボタン領域が複数存在しても良く、ダイナミックディスプレイ30は、夫々の選択ボタン領域の範囲及び夫々の選択ボタン領域の機能を権限のある医療関係者24のために定めるよう、適切に表示するボタン、テキスト、又は他の画像を提供する。
【0027】
例えば、図5Aで、表示スクリーンは、表題「静脈内輸液の送達開始?」を有し、更に、3つの選択ボタン領域71、72、73を有する。選択ボタン領域71における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域71に表示された直感的なラベル「はい」に従って、静脈内輸液の送達を開始する対応する機能を選択する。同様に、選択ボタン領域72における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域72に表示された直感的なラベル「いいえ」に従って、静脈内輸液の送達を開始しない。選択ボタン領域73における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30に、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域73に表示された直感的なラベル「ヘルプ」に従って、図5Aに示される画像をヘルプスクリーンに置き換えさせる。
【0028】
図5Bを参照すると、権限のある医療関係者24が選択ボタン領域71に触れて、静脈内輸液の送達が開始されたとすると、ダイナミックディスプレイ30は、図5Aに示される画像を図5Bに示される画像に置き換えることによって更新する。新しい表示は、現在の静脈流量係数(「流量=15.3ml/hour」)を示す。更に、前の3つの選択ボタン領域71、72、73は、もはや定義されず、代わりに、新しい選択ボタン領域75、76、77が定められる。選択ボタン領域75における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域75に表示される直感的な上矢印に従って、静脈内輸液の送達の流量を増大させる対応する機能を選択する。同様に、選択ボタン領域76における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域76に表示される直感的な下矢印に従って、静脈内輸液の送達の流量を減少させる対応する機能を選択する。ディスプレイ30は、また、選択ボタン領域75、76の外側に沿って文字「F」、「L」、「O」、「W」を垂直に表示して、更に、選択ボタン領域75、76の目的を権限のある医療関係者24に示す。選択ボタン領域77における権限のある医療関係者24によるタッチは、ダイナミックディスプレイ30によって選択ボタン領域77に表示された直感的なテキスト画像ラベル「中断」に従って、静脈内輸液の送達を中断させる。
【0029】
指紋読取器50、50′、50″は、ダイナミックディスプレイ30を介して指紋を読み取ることができるので、夫々の選択ボタン領域内に選択ボタン領域ラベルを表示することが可能である。しかし、例えば光学指紋スキャナなど、幾つかの指紋読取器は、ダイナミックディスプレイ30を介して動作することができないことがある。従って、このような指紋スキャナを用いる場合には、ディスプレイが指紋の読み取りを妨げうるので、走査の際に選択ボタン領域にテキストを表示することが不可能である。このような場合には、指紋走査は、ユーザが走査を認識しないように、あるいは走査によって動揺させられないように、十分に高速にされるべきである。
【0030】
図6A及び6Bを参照すると、また更なる他のユーザインターフェース20’’’は、変形されたダイナミックディスプレイ30’’’に対して定位置に配置された3つの指紋スキャナ52’’’(そのうちの2つしか図6Aの側面図では見られない。)を備える指紋読取器50’’’を有する。ダイナミックディスプレイ30’’’は、LCD32’’’及びバックライト36’’’が3つの指紋スキャナ52’’’の定位置に合わせられた3つの隙間81、82、83を有する点で、ダイナミックディスプレイ30に対して変形されている。3つの隙間81、82、83は、ダイナミックディスプレイ30’’’に対する位置が隙間81、82、83に固定されるところの3つの選択ボタン領域を定める。指紋読取器50’’’は夫々の隙間81、82、83を介して読み取る。従って、指紋スキャナ52’’’は、それらがバックライト及びLCD画素を介して読み取ることができない形式である場合でさえ動作する。タッチスクリーン・オーバーレイ40は、3つの隙間81、82、83を含む表示領域全体に亘って広がっている。変形例として、タッチスクリーン・オーバーレイは、3つの隙間81、82、83の領域のみを覆うよう限定されても良い。
【0031】
引き続き図6A及び6Bを参照し、更に図7A及び7Bを参照すると、隙間81、82、83は、3つの選択ボタン領域に対応する。図5A及び5Bの選択ボタン領域とは異なり、隙間81、82、83は移動可能ではなく、更に、ダイナミックディスプレイ30’’’が隙間81、82、83上に広がっていないので、隙間81、82、83の外観は静的である。代わりに、ダイナミックディスプレイ30’’’は、隙間81、82、83に隣接するテキスト又はグラフィックスを表示して、隙間81、82、83によって定められる夫々の選択ボタン領域に触れることによって実行される機能が何であるかを権限のある医療関係者24に示す。例えば、図7Aで、表題「静脈内輸液の送達開始?」が図5Aと同じく表示されている。しかし、図7Aでは、静脈内輸液の送達を開始する選択領域に対応する隙間81は、左隣の画像「はい→」によってラベルを付されている。同様に、静脈内輸液の送達を開始しない選択領域に対応する隙間82は、左隣の画像「いいえ→」によってラベルを付されている。最後に、ヘルプスクリーンを提示する選択領域に対応する隙間83は、上に隣接する画像「ヘルプ」によってラベルを付されている。
【0032】
図7Bを参照すると、権限のある医療関係者24が隙間81に触れて、静脈内輸液の送達が開始されたとすると、ダイナミックディスプレイ30’’’は、図7Aに示される画像を図7Bに示される画像に置き換えることによって更新する。新しい表示は、現在の静脈流量係数(「流量=15.3ml/hour」)を示し、更に引き続き、選択ボタン領域として隙間81、82、83を用いる。しかし、これらの隙間は、異なった関連機能と、異なった隣接ラベルとを有する。従って、隙間81は、流量増大の機能を示す上に隣接する上矢印によってラベルを付されており、一方、隙間82は、流量減少の機能を示す下に隣接する下矢印によってラベルを付されている。ディスプレイ30’’’は、また、隙間81、82の外側に沿って文字「F」、「L」、「O」、「W」を垂直に表示して、更に、隙間81、82に対応する選択ボタン領域の目的を権限のある医療関係者24に示す。隙間83は、隙間83の選択ボタン領域が静脈内輸液の送達を中断することを示すテキスト画像「中断」により、図7Bにおいてラベルを付されている。
【0033】
隙間81、82、83は、ダイナミックディスプレイ30’’’内に位置付けられた開口部である。他の考えられる実施例では、ディスプレイは開口部を有さず、指紋読取器は、例えばダイナミックディスプレイの外周に隣接する、ダイナミックディスプレイの領域の外側に置かれた選択ボタンにおいて指紋を取得する。このような考えられる実施例では、ダイナミックディスプレイは、ディスプレイ周囲の選択ボタン領域を指し示す矢印又は他のインジケータを示す。隙間又は周囲選択ボタン領域はダイナミックディスプレイ機能を有さないが、望ましくは、それらは成形され、彩色され、あるいは、ボタン又は他の直感的なセレクタを示すよう形成される。
【0034】
ダイナミックディスプレイ30、30’’’と、タッチスクリーン・オーバーレイ40と、指紋読取器50、50′、50″、50’’’とを夫々備えるユーザインターフェース20、20′、20″、20’’’の幾つかの実施例について記載してきたが、関連する電子データ処理について記載する。この処理は、指接触(タッチ)を介してユーザ入力を受け取るためにユーザインターフェース20、20′、20″、20’’’を用い、また、ユーザを識別するために指紋読取器50、50′、50″、50’’’を用いる。
【0035】
図8を参照すると、ユーザインターフェース20は、ダイナミックディスプレイ30と、タッチスクリーン・オーバーレイ40と、指紋読取器50とを有する。(図8は、例となるユーザインターフェース20に関して記載されるが、図8において括弧内の参照番号によって示されるように、ユーザインターフェース20が他の例となるユーザインターフェース20′、20″、20’’’のいずれかによって置換されうることは明らかである。)ユーザインターフェース20は、指紋読取器50を制御する指紋読取処理モジュール90を更に有する。
【0036】
機密保護ソフトウェア92は、指紋に基づいて認証を実行する。医療ソフトウェア100は、権限のある医療関係者24の制御下で、1又はそれ以上の選択された医療手順を実行し、ユーザインターフェース20及び機密保護ソフトウェア92を用いて、権限のある医療関係者24との認証されたインターフェース接続を提供する。幾つかの実施例で、ソフトウェア92、100は、図1に表される単一の医療装置としてユーザインターフェース20と一体化される処理装置で実行される。他の実施例で、医療ソフトウェアプログラム100は、又は機密保護ソフトウェア92及び医療ソフトウェア100の両方は、物理ケーブル、無線接続などによってユーザインターフェース20と接続される別々に収容された処理装置で実行される。医療ソフトウェア100は、ダイナミックディスプレイに、例えば、図5A、5B、7A又は7Bに示された表示のうちの1つのような、適切なユーザインターフェーススクリーンを示させる表示発生器102を有する。誰かがタッチスクリーン・オーバーレイ40に触れると、ユーザインターフェース20の指紋読取器制御装置90及び医療ソフトウェア100の機能セレクタ104によって受信される電気信号が生成される。
【0037】
医療ソフトウェアプログラム100で、指接触によって引き起こされた電気信号は、機能セレクタ104に、どの機能がタッチスクリーン・オーバーレイ40によって示されたタッチ位置に対応するかを決定するよう機能データベース106にアクセスさせる。通常、機能データベース106は、夫々の選択ボタン領域に対応する機能の識別とともに、ダイナミックディスプレイ30に表示される選択ボタン領域を定めるスクリーン範囲を有する。例えば、x座標方向のxmin及びxmaxによって及び横断するy座標方向のymin及びymaxによって境界を示された長方形の選択ボタン領域が与えられるとすると、タッチ位置(x,y)は、2つの条件xmin≦x≦xmax及びymin≦y≦ymaxが両方とも満足される場合に、長方形の選択ボタン領域内にある。そうであるならば、次に、長方形の選択ボタン領域に対応する機能は、機能セレクタ104によって機能データベース106から取り出される。
【0038】
ユーザインターフェース20で、指接触によって引き起こされた電気信号は、指紋読取器制御装置90にタッチ位置にある指紋を取得させる。指紋スキャナ52の格子を用いる指紋読取器50の場合に、これは、タッチ位置の下にある1又はそれ以上の指紋スキャナ52による指紋取得を伴う。指紋読取器50′の場合には、指紋読取器制御装置90は、機械的移動装置54、56、58に指紋スキャナ52′の位置をタッチ位置に合わせさせて、指紋スキャナ52′に指紋を取得させる。指紋読取器50″の場合には、指紋読取器制御装置90は、指紋スキャナ52″にプローブビームの位置をタッチ位置に合わせさせて、次に、指紋スキャナ52″にタッチ位置に向けられたプローブビームを用いて指紋取得させる。指紋読取器50’’’の場合には、指紋読取器制御装置90は、タッチ位置に下にある指紋スキャナ52’’’に指紋を取得させる。しかし、指紋読取器50’’’の場合には、タッチ位置が定位置の指紋スキャナ52’’’のいずれにも対応しないことがあり、この場合には指紋は取得されない。
【0039】
(もしあれば)取得された指紋は、最初に、暗号ハッシングモジュール94によって暗号ハッシングをなされ、ハッシング指紋メモリ108に記憶される。認証装置110は、指紋データベース112へアクセスして、ハッシングをなされた指紋を識別するよう試みる。指紋データベース112は、ハッシングをなされたユーザの指紋の組と、それらの対応する一意的な英数字の符号識別子とを有する。指紋データベースの内容は、安全な手段によって予め満たされており、安全に管理され、用いられ、保持されるべきである。留意すべきは、指紋データベースは、医療装置に存在しても良く、あるいは、医療装置によって遠くから安全にアクセスされても良い。通常、ハッシングをなされた指紋は英数字の符号であり、認証装置110は、識別することを試みる際に、指紋データベース112に格納された対応する指紋ハッシングと、取得されたハッシングをなされた指紋とを比較する。スクリーンに触れた人物が、例えば権限のある医療関係者24のような認定ユーザである場合には、権限のある人物の指紋ハッシュの表示が指紋データベース112に存在し、故に、整合が確立される。認証装置はユーザの一意的な識別子を出力する。この識別子は、他の英数字符号に存する。他方で、スクリーンに触れた人物が、例えば病棟勤務員26のような未認定ユーザである場合には、その指紋はデータベース112には存在せず、故に整合は確立されない。
【0040】
機密保護ソフトウェア92のアクセス制御装置114は、スクリーンに触れた人物が認定ユーザであるかどうかを決定する。幾つかの実施例で、この決定は、単に認証装置110が、取得されたハッシングをなされた指紋を、指紋データベース112内のハッシングをなされた指紋と一致させることができるかどうかに基づいて行われる。このアプローチは直接的であるが、異なる認証レベル又は特徴を有するユーザには適さない。例えば、図5Bのスクリーンを考えると、医師のみが静脈内輸液の流量を変化することができる(これは、患者の処方の変化を意味するからである。)が、病棟勤務員は緊急の場合に静脈内輸液の送達を停止させるよう中断ボタンを作動させることができることが望ましい。
【0041】
このような異なった認証レベルに適応するために、機能実行部120は、選択された機能を実行する許可を求める。アクセス制御装置114はアクセス権データベース116を参照する。アクセス権データベース116は、夫々のユーザ固有の識別子に関する認証クラスと、どの認証クラスがその機能を行使することを認められているかを示す夫々の機能に関する認証情報とを有する。アクセス制御装置114は、認定ユーザが選択された機能へのアクセス権を有するかどうかを検査するためにアクセス権データベース116を参照する。アクセス権が確認されると、アクセス制御装置114は、選択された機能が実行可能であることを機能実行部120に通知する。このようにして、例えば、図5Bの流量選択ボタン領域75、76は、認証情報が権限のある医師クラスに限定されるところの流量調整機能に関連付けられうる。一方、図5Bの中断選択ボタン領域77は、認証情報が、如何なる認証クラスの人物も中断機能を作動させることを可能にするところの中断機能に関連付けられる。
【0042】
アクセス制御装置114が、機能を実行することを認められた認定ユーザに伴うユーザ固有の識別子を識別することを条件として、機能実行部120は、タッチ位置によって選択された機能を実行する。他方で、取得されたハッシングをなされた指紋が、識別されない場合、あるいは、選択された機能を実行することを認められないユーザに対応する場合、タッチは無視され、随意的に、ポップアップメッセージが、その機能を実行するためのアクセス権限がないことをユーザに通知する。
【0043】
随意的に、ログファイル122は、機能を実行させた認定ユーザの指紋認証に基づく識別とともに、夫々の実行された機能の記録を保持する。幾つかの実施例で、認定ユーザの一意的なユーザ識別子は、実行された機能の識別子とともに、ログファイル122に保存される。他の実施例では、取得された暗号ハッシングをなされた指紋は、後に誰が機能を実行したかに関する疑問があった場合に証拠として用いられるように、実行された機能の識別子と、随意的に実効時間及び幾つかの他のログ情報とに暗号で結合されて、ログファイル122に保存される。
【0044】
信頼ある動作を確実にするために、指紋取得は、タッチスクリーン・オーバーレイ40における指接触の標準的な接触時間よりも高速であるべきである。タッチスクリーン上での指の典型的な接触時間(τ)は、
【数1】
ミリ秒である。従って、全部で約100ミリ秒以内に、タッチスクリーン・オーバーレイ40はタッチ位置を識別すべきであり、指紋読取器50、50′、50″、50’’’はタッチ位置で指紋を取得すべきである。タッチスクリーン・オーバーレイ40は、通常、アナログ抵抗方式、容量方式、又は弾性表面波(SAW)方式により電気的に動作する。このような電気的動作は、指紋取得よりもずっと高速である。従って、一般的に、指紋取得時間が標準的な接触時間τよりも短いことを確実にすることは、信頼ある動作のために十分である。1つの十分に高速な指紋読取器は、(中華民国、台湾、新竹、スターテック・エンジニアリング社から市販されている)FingerCheckFC−100である。この指紋読取器は、約33ミリ秒で指紋を取得することができる。例えば指紋読取器50′、50’’’のような、機械的に移動され且つ電気的に稼働する指紋読取器は、位置合わせを含め、約50ミリ秒より少ない取得時間を有することができる。
【0045】
信頼ある動作の他の態様は、高速な遷移を生ずるスクリーン接触の解決である。標準的な接触時間τ〜100ミリ秒よりも短い指紋取得時間に関して、単独のユーザは、あるスクリーン位置から他の位置へ指を動かす際に含まれる遅延に起因して、指紋取得時間が経たないうちに連続した接触をすることは起こり得ない。4人の医療チームに関しては、夫々のチームメンバーに関して毎秒1接触のスクリーンタッチ率を仮定すると、毎秒約4スクリーンタッチの最大率が期待されうる。指紋取得時間が33ミリ秒であるとすると、2人の臨床医が33ミリ秒間隔よりも短時間にスクリーンに触れる可能性は、約1%未満であると推定され、複数ユーザ環境で高い信頼性を提供する。
【0046】
本発明は、好ましい実施例を参照して記載された。明らかに、変形及び代替は、先の詳細な記載を読み、理解することで想到されるであろう。本発明は、全てのこのような変形例及び代替案を含むと理解されるべきであり、これらは添付の特許請求の範囲又はその均等の範囲の適用範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】医療機器へのアクセスのために認証ユーザインターフェースを用いる典型的な医療機器を図式的に示す。
【図2A】ダイナミックディスプレイと、タッチスクリーン・オーバーレイと、指紋スキャナの格子とを有するユーザインターフェースの側面図を示す。
【図2B】図2Aのユーザインターフェースの正面図を示す。
【図2C】指紋スキャナの格子を示すためにダイナミックディスプレイが取り除かれた状態で、図2Aのユーザインターフェースの正面図を示す。
【図3A】ダイナミックディスプレイと、タッチスクリーン・オーバーレイと、機械的に移動される指紋スキャナとを有するユーザインターフェースの側面図を示す。
【図3B】機械的に移動される指紋スキャナを示すためにダイナミックディスプレイが取り除かれた状態で、図3Aのユーザインターフェースの正面図を示す。
【図4】ダイナミックディスプレイと、タッチスクリーン・オーバーレイと、電子可動型指紋スキャナとを有するユーザインターフェースの側面図を示す。
【図5】A及びBは、図2A、2B及び2C、図3A及び3B、又は図4のユーザインターフェースのいずれかにより適切に実施される表示例を示す。
【図6A】ダイナミックディスプレイと、タッチスクリーン・オーバーレイと、複数の定位置指紋スキャナとを有するユーザインターフェースの側面図を示す。
【図6B】図6のユーザインターフェースの正面図を示す。
【図7】A及びBは、図6A及び6Bのユーザインターフェースにより適切に実施される表示例を示す。
【図8】図2A、2B及び2C、図3A及び3B、図4、又は図6A及び6Bのユーザインターフェースの1つを用いる医療システムのシステム構成を図解的に示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ識別及び、医療機器、データ又は記録へアクセスするユーザの認証を提供するユーザインターフェースであって:
ユーザオプションを選択的に示すダイナミックディスプレイ;
該ダイナミックディスプレイに位置を合わせられ、前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又は隣接するタッチ位置を識別するタッチスクリーン・オーバーレイ;及び
該タッチスクリーン・オーバーレイによって始動され、前記タッチ位置で指紋を取得する指紋読取器;
を有するユーザインターフェース。
【請求項2】
前記指紋読取器は、前記タッチスクリーン・オーバーレイによって始動されてから100ミリ秒以内に前記指紋を取得する、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項3】
前記ダイナミックディスプレイは、(i)液晶ディスプレイ及び(ii)プラズマディスプレイを含むグループから選択される、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項4】
実行されるべき機能を前記タッチ位置に基づいて識別する機能選択器を更に有する、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項5】
前記機能選択器は、前記機能に関連付けられた選択ボタン領域の上に、中に、又はそれに隣接して位置する前記タッチ位置に基づいて前記機能を識別し、
前記選択ボタン領域は、前記ダイナミックディスプレイの上に、中に、又はそれに隣接してある、請求項4記載のユーザインターフェース。
【請求項6】
前記ダイナミックディスプレイは、前記関連付けられた機能を識別する前記選択ボタン領域において選択ボタン画像を生成する、請求項5記載のユーザインターフェース。
【請求項7】
前記ダイナミックディスプレイは、前記選択ボタン領域及び前記関連付けられた機能を識別する前記選択ボタン領域に隣接する選択ボタン画像を生成し、
前記選択ボタン領域は、(i)前記ダイナミックディスプレイにある隙間及び(ii)前記ダイナミックディスプレイの近くのうちの1つである、請求項5記載のユーザインターフェース。
【請求項8】
認定ユーザの指紋を有する指紋データベース;
該指紋データベースに含まれる指紋と前記取得された指紋を一致させる指紋認証装置;及び
該指紋認証装置が前記取得された指紋を前記指紋データベースに含まれる認定ユーザの指紋と一致させることを少なくとも条件とする認証を指示するアクセス制御装置;
を更に有する、請求項4記載のユーザインターフェース。
【請求項9】
前記アクセス制御装置が認証を指示することを条件とする機能を実行する機能実行器を更に有する、請求項8記載のユーザインターフェース。
【請求項10】
夫々の実行される機能の性能を認めた前記認定ユーザの記録が記憶されるメモリを更に有する、請求項9記載のユーザインターフェース。
【請求項11】
認証クラスに更に夫々関連付けられた認定ユーザの指紋を有する指紋データベース;
該指紋データベースに含まれる指紋と前記取得された指紋を一致させる指紋認証装置;及び
(i)該指紋認証装置が前記取得された指紋を前記データベースに含まれる認定ユーザの指紋と一致させることと、(ii)前記一致した認定ユーザの前記認証クラスが前記識別された機能の認証クラスに適合することとを条件とする認証を指示するアクセス制御装置;
を更に有し、
前記機能は、前記アクセス制御装置が認証を指示することを条件として実行される、請求項4記載のユーザインターフェース。
【請求項12】
前記指紋読取器は、前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又はそれに隣接する指定された選択ボタンにおいて指紋の少なくとも一部を取得するよう夫々配置された複数の指紋スキャナを有する、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項13】
前記複数の指紋スキャナは、実質的に前記ダイナミックディスプレイの領域に広がる2次元配列を定める、請求項12記載のユーザインターフェース。
【請求項14】
前記指紋読取器は:
指紋スキャナ;及び
前記タッチ位置での前記指紋の取得の前に前記タッチ位置へ前記指紋スキャナを移動する機械的移動装置;
を有する、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項15】
前記指紋読取器は、前記タッチ位置での前記指紋の取得の間に超音波プローブビームを前記タッチ位置に合わせる可動型超音波指紋スキャナを有する、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項16】
ユーザ識別及び、医療機器、データ、又は記憶のユーザアクセスの認証のためのユーザインターフェース方法であって:
ダイナミックディスプレイ上にユーザオプションを選択的に示すステップ;
前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又はそれに隣接するタッチ位置を識別するステップ;及び
前記タッチ位置の識別に応答して、前記タッチ位置で指紋を取得するステップ;
を有するユーザインターフェース方法。
【請求項17】
前記指紋は、100ミリ秒以内に前記タッチ位置で取得される、請求項16記載のユーザインターフェース方法。
【請求項18】
指紋データベース内の記憶された指紋と前記指紋を一致させるよう試みるステップ;及び
前記指紋が前記機能を実行することを認めたユーザに対応する記憶された指紋と一致することを条件として、前記タッチ位置によって選択された機能を実行するステップ;
を更に有する、請求項16記載のユーザインターフェース方法。
【請求項19】
前記指紋の取得は:
複数の指紋スキャナから前記タッチ位置に関連付けられた少なくとも1つの指紋スキャナを選択するステップ;及び
前記少なくとも1つの選択された指紋スキャナにより前記指紋を取得するステップ;
を有する、請求項16記載のユーザインターフェース方法。
【請求項20】
前記指紋の取得は:
機械的に又は電子的に指紋スキャナを前記タッチ位置へ向けるステップ;及び
前記機械的又は電子的に向けられた指紋スキャナにより前記タッチ位置で前記指紋を取得するステップ;
を有する、請求項16記載のユーザインターフェース方法。
【請求項21】
電子装置への認証されたアクセスを提供するためのユーザインターフェースであって:
ユーザオプションを選択的に示すダイナミックディスプレイ;
該ダイナミックディスプレイに位置を合わせられ、前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又は隣接するタッチ位置を識別するタッチスクリーン・オーバーレイ;及び
該タッチスクリーン・オーバーレイによって始動され、前記タッチ位置で指紋を取得する指紋読取器;
を有するユーザインターフェース。
【請求項1】
ユーザ識別及び、医療機器、データ又は記録へアクセスするユーザの認証を提供するユーザインターフェースであって:
ユーザオプションを選択的に示すダイナミックディスプレイ;
該ダイナミックディスプレイに位置を合わせられ、前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又は隣接するタッチ位置を識別するタッチスクリーン・オーバーレイ;及び
該タッチスクリーン・オーバーレイによって始動され、前記タッチ位置で指紋を取得する指紋読取器;
を有するユーザインターフェース。
【請求項2】
前記指紋読取器は、前記タッチスクリーン・オーバーレイによって始動されてから100ミリ秒以内に前記指紋を取得する、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項3】
前記ダイナミックディスプレイは、(i)液晶ディスプレイ及び(ii)プラズマディスプレイを含むグループから選択される、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項4】
実行されるべき機能を前記タッチ位置に基づいて識別する機能選択器を更に有する、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項5】
前記機能選択器は、前記機能に関連付けられた選択ボタン領域の上に、中に、又はそれに隣接して位置する前記タッチ位置に基づいて前記機能を識別し、
前記選択ボタン領域は、前記ダイナミックディスプレイの上に、中に、又はそれに隣接してある、請求項4記載のユーザインターフェース。
【請求項6】
前記ダイナミックディスプレイは、前記関連付けられた機能を識別する前記選択ボタン領域において選択ボタン画像を生成する、請求項5記載のユーザインターフェース。
【請求項7】
前記ダイナミックディスプレイは、前記選択ボタン領域及び前記関連付けられた機能を識別する前記選択ボタン領域に隣接する選択ボタン画像を生成し、
前記選択ボタン領域は、(i)前記ダイナミックディスプレイにある隙間及び(ii)前記ダイナミックディスプレイの近くのうちの1つである、請求項5記載のユーザインターフェース。
【請求項8】
認定ユーザの指紋を有する指紋データベース;
該指紋データベースに含まれる指紋と前記取得された指紋を一致させる指紋認証装置;及び
該指紋認証装置が前記取得された指紋を前記指紋データベースに含まれる認定ユーザの指紋と一致させることを少なくとも条件とする認証を指示するアクセス制御装置;
を更に有する、請求項4記載のユーザインターフェース。
【請求項9】
前記アクセス制御装置が認証を指示することを条件とする機能を実行する機能実行器を更に有する、請求項8記載のユーザインターフェース。
【請求項10】
夫々の実行される機能の性能を認めた前記認定ユーザの記録が記憶されるメモリを更に有する、請求項9記載のユーザインターフェース。
【請求項11】
認証クラスに更に夫々関連付けられた認定ユーザの指紋を有する指紋データベース;
該指紋データベースに含まれる指紋と前記取得された指紋を一致させる指紋認証装置;及び
(i)該指紋認証装置が前記取得された指紋を前記データベースに含まれる認定ユーザの指紋と一致させることと、(ii)前記一致した認定ユーザの前記認証クラスが前記識別された機能の認証クラスに適合することとを条件とする認証を指示するアクセス制御装置;
を更に有し、
前記機能は、前記アクセス制御装置が認証を指示することを条件として実行される、請求項4記載のユーザインターフェース。
【請求項12】
前記指紋読取器は、前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又はそれに隣接する指定された選択ボタンにおいて指紋の少なくとも一部を取得するよう夫々配置された複数の指紋スキャナを有する、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項13】
前記複数の指紋スキャナは、実質的に前記ダイナミックディスプレイの領域に広がる2次元配列を定める、請求項12記載のユーザインターフェース。
【請求項14】
前記指紋読取器は:
指紋スキャナ;及び
前記タッチ位置での前記指紋の取得の前に前記タッチ位置へ前記指紋スキャナを移動する機械的移動装置;
を有する、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項15】
前記指紋読取器は、前記タッチ位置での前記指紋の取得の間に超音波プローブビームを前記タッチ位置に合わせる可動型超音波指紋スキャナを有する、請求項1記載のユーザインターフェース。
【請求項16】
ユーザ識別及び、医療機器、データ、又は記憶のユーザアクセスの認証のためのユーザインターフェース方法であって:
ダイナミックディスプレイ上にユーザオプションを選択的に示すステップ;
前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又はそれに隣接するタッチ位置を識別するステップ;及び
前記タッチ位置の識別に応答して、前記タッチ位置で指紋を取得するステップ;
を有するユーザインターフェース方法。
【請求項17】
前記指紋は、100ミリ秒以内に前記タッチ位置で取得される、請求項16記載のユーザインターフェース方法。
【請求項18】
指紋データベース内の記憶された指紋と前記指紋を一致させるよう試みるステップ;及び
前記指紋が前記機能を実行することを認めたユーザに対応する記憶された指紋と一致することを条件として、前記タッチ位置によって選択された機能を実行するステップ;
を更に有する、請求項16記載のユーザインターフェース方法。
【請求項19】
前記指紋の取得は:
複数の指紋スキャナから前記タッチ位置に関連付けられた少なくとも1つの指紋スキャナを選択するステップ;及び
前記少なくとも1つの選択された指紋スキャナにより前記指紋を取得するステップ;
を有する、請求項16記載のユーザインターフェース方法。
【請求項20】
前記指紋の取得は:
機械的に又は電子的に指紋スキャナを前記タッチ位置へ向けるステップ;及び
前記機械的又は電子的に向けられた指紋スキャナにより前記タッチ位置で前記指紋を取得するステップ;
を有する、請求項16記載のユーザインターフェース方法。
【請求項21】
電子装置への認証されたアクセスを提供するためのユーザインターフェースであって:
ユーザオプションを選択的に示すダイナミックディスプレイ;
該ダイナミックディスプレイに位置を合わせられ、前記ダイナミックディスプレイの上の、中の、又は隣接するタッチ位置を識別するタッチスクリーン・オーバーレイ;及び
該タッチスクリーン・オーバーレイによって始動され、前記タッチ位置で指紋を取得する指紋読取器;
を有するユーザインターフェース。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2008−523460(P2008−523460A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540769(P2007−540769)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053615
【国際公開番号】WO2006/051462
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053615
【国際公開番号】WO2006/051462
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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