デジタルスチルカメラ
【課題】 画像合成用の複数枚の画像を連続撮影により取得するデジタルスチルカメラにおいて、可能な限りブレのない同一の画像を連続的に撮影できるようにする。
【解決手段】 ボケ味を調整するモードで操作部107から撮影が指示されると、全体制御部108は合焦位置を変化させてCCD102の露光を連続2回行い、ピント状態の異なる2枚の撮影画像を取り込む。全体制御部108はスイッチSPOD,SREM,SGRPの検出信号に基づきカメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別し、カメラ本体が撮影者の手で保持されていると、連続撮影による撮影画像間でブレが生じるおそれがあるので、カメラを固定する旨の警告非表示をLCD表示部106aに行う。
【解決手段】 ボケ味を調整するモードで操作部107から撮影が指示されると、全体制御部108は合焦位置を変化させてCCD102の露光を連続2回行い、ピント状態の異なる2枚の撮影画像を取り込む。全体制御部108はスイッチSPOD,SREM,SGRPの検出信号に基づきカメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別し、カメラ本体が撮影者の手で保持されていると、連続撮影による撮影画像間でブレが生じるおそれがあるので、カメラを固定する旨の警告非表示をLCD表示部106aに行う。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一の被写体に対して少なくとも2回連続撮影を行ない、この連続撮影によって得られた複数枚の撮影画像を所定の画像合成処理で合成して画質を改善したり、映像効果を高めた画像を得ることのできるデジタルスチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルスチルカメラの技術分野においては、連続して撮影した複数枚の撮影画像を所定の画像処理を行なった後、合成することで、各撮影画像よりも画質や映像効果を高めた画像を得ることのできるデジタルスチルカメラが商品化されている。
【0003】例えばビクター社製のデジタルスチルカメラ「GC−X1“PIXSTER”」は、撮像素子を微小変位させて連続して2回撮影を行い、両撮影画像を合成することで解像度の高い撮影画像を得ることができる機能を備えている。また、このデジタルスチルカメラは、被写体の明るい部分と暗い部分とに合わせて2種類の露出制御値を設定し、それらの露出制御値で連続して2回撮影を行い、両撮影画像を合成することで暗い部分から明るい部分まで適切な濃度の撮影画像を得ることができる機能も備えている。
【0004】また、例えば近景にピントの合った撮影画像と遠景にピントの合った撮影画像とを合成して画面全体にピントの合った画像や所望のピント具合の画像を作成する画像合成技術も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、解像度、階調、ボケ味等の画質や映像効果を高めた画像を得るためにこれらの画質の異なる複数枚の撮影画像を合成する画像合成処理では、基本的に各撮影画像の内容は同一の下に、各画素位置毎にこれらの撮影画像のデータを用いて所定の演算処理を行なわれるようになっている。従って、デジタルスチルカメラで画像合成処理用の撮影画像を取得する場合は、被写体及びカメラ本体は静止状態で撮影されることが望ましい。
【0006】しかし、デジタルスチルカメラは携帯機器であるから、通常は撮影者が手でカメラ本体を保持して撮影されることが多く、画像合成処理用の画像を撮影する場合に連続的に露光動作を行なったとすると、図17に示すように各露光動作でのカメラアングルが変化するため、同一の画像を得ることは困難である。
【0007】従って、画像合成処理用の画像を撮影する場合は、できるだけカメラ本体を三脚に固定したり、安定した台の上に載置する等してカメラ本体が変位しないようにすることが望ましい。
【0008】一方、これらとは別に画像合成処理技術の中には、デジタルスチルカメラにおいては、カメラぶれに起因するぶれ画像の撮影を防止するため、指定された露光時間を複数の時間に分割し、分割された各露光時間で複数回、露光動作を繰り返して得られた画像を合成することで、ぶれの少ない画像を得るブレ抑制撮影技術が提案されている。
【0009】しかし、この場合は、カメラ本体を三脚に固定したり、基台に載置されている等の状態でブレ抑制機能を働かせることは不必要に処理を複雑にし、電力も消費するという不都合があるので、必要な場合に限りブレ抑制機能を働かせるという工夫が必要となる。
【0010】本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、連続撮影した画像を合成することで画質や映像効果の高い画像を得ることのできるデジタルスチルカメラにおいて、可能な限りブレのない同一の画像を連続的に撮影するとともに、ブレ抑制撮影技術を効率よく適用することのできるデジタルスチルカメラを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の画像合成処理に用いられる複数枚の撮影画像を取得するための特殊撮影モードを有し、この特殊撮影モードが設定されているとき、同一の被写体に対し少なくとも2回連続して露光動作を行なって複数枚の撮影画像を取得するデジタルスチルカメラにおいて、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別する判別手段と、上記特殊撮影モードでの撮影で上記カメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別されると、警告する警告手段とを備えたものである(請求項1)。
【0012】上記構成よれば、特殊撮影モードにおいては、レリーズが指示されると、撮影手段の露光動作が少なくとも2回連続して行なわれて複数枚の撮影画像が取得される。この撮影の際、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かが判別される。例えばカメラ本体が三脚に取付られているか否かを検出したり、カメラ本体のグリップ部が押圧されているか否かを検出したり、レリーズ操作が遠隔操作で行なわれているか否かを検出することによりカメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かが判別される。
【0013】そして、例えばカメラ本体が三脚に取付られていない、カメラ本体のグリップ部が手で握られている、レリーズ操作が遠隔操作でない(カメラ本体のシャッタボタンによりレリーズ操作される)等の検出結果によりカメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別されると、連続撮影される画像間で画像のぶれが生じるおそれがあることの警告が行なわれる。
【0014】撮影者はこの警告によりカメラ本体を三脚に固定するなどの対策を取ることでぶれの少ない画像合成用の複数枚の撮影画像を得ることができる。
【0015】また、本発明は、設定された露光時間を複数に分割し、分割された露光時間での露光動作によって得られた複数枚の撮影画像を互いに位置合わせして合成することにより、設定された露光時間で露光動作をしたとすると発生したであろう像ぶれを抑制した画像を取得するブレ抑制撮影機能とを備えたデジタルスチルカメラにおいて、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別する判別手段と、上記カメラ本体が撮影者の手で保持されていないと判別されると、上記ブレ抑制撮影機能を動作させないようにする機能抑止手段とを備えたものである(請求項2)。
【0016】上記構成よれば、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かが判別され、カメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別されると、ブレ抑制撮影機能を動作させることで、続撮影される画像間の画像のぶれが抑制される。また、カメラ本体が撮影者の手で保持されていないと判別されると、ブレ抑制撮影機能の動作が禁止され、固定撮影時に不必要にブレ抑制撮影機能を動作させることがない。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るデジタルスチルカメラのカメラ本体の正面図、図2は同デジタルスチルカメラに内蔵された主要部材の配置を示す上面図、図3は、三脚取付部の構造を示す面、図4は、同デジタルスチルカメラに内蔵された主要部材の配置を示す右側面図、図5は同デジタルスチルカメラの背面図である。
【0018】デジタルスチルカメラ1は、カメラ本体2とこのカメラ本体2の正面略中央に着脱可能に装着されるズームレンズからなる交換レンズ3とからなる一眼レフレックスカメラで構成されている。カメラ本体2は、正面略中央に交換レンズ3が装着されるマウント部201が設けられ、正面左端部にグリップ部202が設けられている。
【0019】グリップ部202の表面部にはグリップが手で握られたことを検出するセンサ211が設けられている。このセンサ211にはグリップ部に加わるる圧力を検出する、例えば圧電素子や加圧伝導シートや感圧ポリマ等の素子を用いた圧力センサが用いられている。この圧力センサ211からの検出信号はカメラ本体2が撮影者の手で握られているか否かの判別に利用される。
【0020】また、グリップ部202の内部には電池収納室203とカード収納室204とが設けられ、電池収納室203には4本の単3形乾電池E1〜E4(カメラの電源電池)が収納され、カード収納室204には撮影画像の画像データを記録するためのメモリカードMCが着脱可能に収納されるようになっている。
【0021】マウント部201の左上部には赤外線リモートコントローラ(図略)からの赤外線信号を受信するリモコン受信部211が設けられている。赤外線リモートコントローラ(以下、赤外線リモコンと略称する。)は、デジタルスチルカメラ1の撮影に関する操作を無線により遠隔操作するものである。例えばデジタルスチルカメラ1を三脚の固定したり、台の上に載置した状態で撮影者が被写体に加わり、赤外線リモコンを操作することで撮影者自身を含めて撮影を行なうことができる。
【0022】なお、赤外線リモコンによりデジタルスチルカメラ1の遠隔操作を行なうときは、デジタルスチルカメラ1の撮影モードを赤外線リモコンによる撮影モード(以下、リモコンモードという。)に設定する必要があり、そのリモコンモードの設定は、カメラ本体2に設けられた図略の切換スイッチにより設定されるようになっている。なお、後述するLCD表示部207にメニュー画面を表示させてリモコンモードを設定するようにしてもよい。
【0023】また、マウント部201の下部には装着された交換レンズ3との電気的接続を行なうための複数個の接点STと機械的接続を行なうための2個のカプラーCP1,CP2とが設けられている。電気的な接点STは、交換レンズ3に内蔵されたレンズROM301(図3参照)から当該レンズに関する固有の情報(開放F値や焦点距離等の情報)をカメラ本体2内の全体制御部(図6参照)に読み出したり、交換レンズ3内のズーム用レンズの位置やフォーカス用レンズの位置の情報を全体制御部に出力するためのものである。カプラーCP1,CP2はカメラ本体2内に設けられたズーム用レンズ駆動用のモータZM(図3参照)の駆動力とフォーカス用レンズ駆動用のモータFM(図3参照)の駆動力とを交換レンズ3側に伝達するためのものである。
【0024】カメラ本体2の底面の適所にはカメラ本体2を三脚に固定するための三脚取付部213が設けられている。この三脚取付部213は雌ネジ213aが形成された孔からなり、孔の奥側には金属、導電樹脂等の導電部材からなる円形の薄板213bが上下動可能に設けられ、更にその奥(図3では下側)に三脚が取り付けられたことを検出するスイッチの接点213c,213dが設けられている。
【0025】三脚の先端に設けられた接続用の雄ネジを三脚取付部213の孔にねじ込んでカメラ本体2が三脚に取り付けられると、雄ネジの先端によって薄板213bが図3の点線で示すように孔の奥側に押し込まれ、接点213c,213dに接触する。これにより接点213c,213dが導通してスイッチがオンになり、カメラ本体2が三脚に取り付けられていることが検出される。
【0026】マウント部201に交換レンズ3が装着されたときの当該レンズ3の光軸L上であってカメラ本体2内の適所にカラー撮像素子205が配設されている。カラー撮像素子205(以下、CCD205という。)は、図6に示すようにCCD(Charge-Coupled Device)からなるエリアセンサ205Aの各画素の表面に、R(赤),G(緑),B(青)のカラーフィルタ205Bが市松模様状に貼り付けられた、いわゆるベイヤー方式と呼ばれる単板式カラーエリアセンサで構成され、例えば1600×1200=192万個の画素数を有している。
【0027】なお、図6に示すようにエリアセンサのi行j列目の画素位置を(i,j)(i=1,2,…n、j=1,2,…m)とし、n=1600、m=1200とすると、R,G,Bの各カラーフィルタは、R;(2h+1,2k+1)
G;(2h+2,2k+1),(2h+1,2k+2)
B;(2h+2,2k+2)
但し、h=0,1,2,…n/2(=800)、k=0,1,2,…m/2(=600)の画素位置に配置されている。
【0028】カメラ本体2のグリップ部202の上面にはシャッタボタン206が設けられている。シャッタボタン206の半押し操作と全押し操作とは後述するスイッチS1,S2により検出されるようになっている。スイッチS1がオンになると(シャッタボタン206が半押しされると)、被写体の静止画を撮影するための準備動作(露出制御値の設定や焦点調節等の準備動作)が行なわれ、スイッチS2がオンになると(シャッタボタン206が全押しされると)、撮影動作(CCD205を露光し、その露光によって得られた画像信号に所定の画像処理を行なってメモリカードMCに記録する一連の動作)が行なわれる。
【0029】カメラ本体2の上面の略中央には電子ビューファインダ4(EVF;Electronic View Finder)とポップアップタイプのフラッシュ5とが設けられている。電子ビューファインダ4はカラー撮像素子205で撮影された被写体のモニタ画像(撮影待機状態においてカラー撮像素子205により動画撮影された被写体の画像)を表示するカラー液晶表示デバイスからなる表示部401(以下、LCD表示部401という。)とこのカラー液晶表示デバイスに表示されたモニタ画像をファインダ窓403の外側に導く接眼レンズ402とを備えている。
【0030】撮影待機状態では電子ビューファインダ4に被写体のモニタ画像(動画像)が表示されるので、撮影者はファインダ窓403を覗くことによってモニタ画像により被写体を視認することができる。
【0031】カメラ本体2の背面の略中央にはカラー液晶表示デバイスからなる表示部207(以下、LCD表示部207という。)が設けられている。LCD表示部207は、記録モードにおいてAE(Automatic Exposure)モードや撮影モードや撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示したり、再生モードにおいてメモリカードMCに記録された撮影画像を再生表示するものである。
【0032】AEモードには少なくともプログラムモード、シャッタ優先モード、絞り優先モードが含まれる。露出制御値は予め設定された複数のプログラム線図のいずれか1つを用いて設定されるようになっており、プログラムモードでは標準的なプログラム線図を用いて露出制御値が設定され、シャッタ優先モードでは絞り値よりシャッタ速度(露光時間)を優先するようなプログラム線図を用いて露出制御値が設定され、絞り優先モードではシャッタ速度より絞り値を優先するようなプログラム線図を用いて露出制御値が設定される。
【0033】また、撮影モードには露光動作の制御方法に関するモードとブレ抑制に関するモードとが含まれる。
【0034】露光動作の制御方法に関するモードには、1回のシャッタ操作で1回の露光動作を行い、その撮影によって得られた撮影画像をメモリカードMCに記録するモード(以下、通常撮影モードという。)と1回のシャッタ操作で撮影条件を変えて、若しくは撮影条件を変えないで連続して2回撮影を行ない、その撮影によって得られた2枚の撮影画像をそれぞれメモリカードMCに記録するモード(以下、特殊撮影モードという。)とが含まれる。特殊撮影モードで連続して撮影された2枚の撮影画像は、後述するコンピュータ等からなる画像処理装置で所定の画像処理を行い、合成して元の撮影画像よりも画質や映像効果の高い画像を得るために用いられるものである。
【0035】なお、本実施形態ではカメラ本体では画像合成処理を行なわないようにしているが、カメラ本体で画像合成処理を行ってその合成画像をメモリカードMCに記録するようにしてもよい。また、本実施形態では特殊撮影モードでの連続撮影回数を2回としているが、撮影回数はこれに限定されるものではなく、3回以上であってもよい。
【0036】特殊撮影モードには少なくとも「ボケ味調整モード」と「階調調整モード」とが含まれる。ボケ味調整モードとは、画像処理で主被写体(例えば人物等)に対して焦点を合せた撮影画像Aと主被写体の背景に焦点を合わせた撮影画像Bとを合成することにより所望のボケ具合を有する画像を得るために、1回のシャッタ操作で合焦位置を変化させて連続して2回の撮影動作を行い、撮影画像Aと撮影画像Bとを得るモードである。
【0037】階調調整モードとは、画像処理で主被写体に対して露出を合せた撮影画像Aと主被写体の背景に露出を合わせた撮影画像Bとを合成することにより、例えば画面全体に適正な濃度分布を有する画像や主被写体と背景とのコントラストを意図的に大きくし、創作性の強い画像を得るために、1回のシャッタ操作で露出条件を変化させて連続して2回の撮影動作を行い、撮影画像Aと撮影画像Bとを得るモードである。
【0038】特殊撮影モードでの撮影では、1回目の撮影画像と2回目の撮影画像とは後で画像合成されるため、可能な限り一致していることが望まく、像ぶれが生じるような撮影条件では不適切な合成画像の作成を防止するため、強制的に撮影を禁止する、あるいは警告を発することが望ましい。
【0039】このため、本実施形態に係るデジタルスチルカメラ1は、特殊撮影モードにおいて、カメラぶれが生じるおそれのあるカメラ本体2が手持ちされている状態ではそのカメラぶれに起因する像ぶれを抑制するため、撮影を禁止し、且つ、警告表示を行なう。なお、撮影禁止若しくは警告表示のいずれか一方のみを行なうようしてもよい。
【0040】従って、LCD表示部207に、撮影モードのメニュー画面を表示させて通常撮影モード、ボケ味調整モード及び階調調整モードのいずれかのモードが設定され、更に通常撮影モードが選択された場合は、ブレ抑制に関するモードのメニュー画面を表示させて手持ち撮影時においてブレ抑制を行なう、行なわないのいずれかのモードが設定される(図7参照)。
【0041】LCD表示部207の左側には電源スイッチ208が設けられている。この電源スイッチ208は記録モード(写真撮影の機能を果たすモード)及び再生モード(記録画像をLCD表示部207に再生するモード)を切換設定するモード設定スイッチを兼ねている。すなわち、電源スイッチ208は3点スライドスイッチからなり、接点を中央の「OFF」位置に設定すると、電源がオフになり、接点を上方の「REC」位置に設定すると、電源がオンになるとともに記録モードが設定され、接点を下方の「PLAY」位置に設定すると、電源がオンになるとともに再生モードが設定される。
【0042】LCD表示部207の右側上方位置には4連スイッチ209が設けられている。4連スイッチ209は円形の操作ボタンを有し、この操作ボタンにおける上下左右の4方向の押圧操作がそれぞれ検出されるようになっている。4連スイッチ209は多機能化され、例えばLCD表示部207に表示されるメニュー画面で選択された項目を変更したり、インデックス画面で選択された再生対象のコマを変更するための操作スイッチとして機能するとともに、左右方向のスイッチは交換レンズ3のズーム比を変更するためのスイッチとしても機能するようになっている。
【0043】また、4連スイッチ209の下方位置にはLCD表示部207の表示や表示内容に関する操作を行なうためスイッチ群210が設けられている。スイッチ群210には取消スイッチ210a、確定スイッチ210b、メニュースイッチ210c及び表示スイッチ210dが含まれる。
【0044】取消スイッチ210aはメニュー画面で選択された内容を取り消すためのスイッチである。確定スイッチ210bはメニュー画面で選択された内容を確定するためのスイッチである。メニュースイッチ210cはLCD表示部207にメニュー画面を表示させたり、そのメニュー画面の内容を切り換えたりするためのスイッチである。メニュースイッチ210cを押圧する毎にメニュー画面が切り換わる。表示スイッチ210dはLCD表示部207への表示を行なわせたり、その表示を消したりするスイッチである。電源電池E1〜E4の節電を図るため、カメラ起動時はLCD表示部207の表示は行なわれないようになっている。表示スイッチ210dを押圧する毎にLCD表示部207の表示と非表示とが交互に行なわれる。
【0045】図7は、メニュースイッチ210cによりメニュー画面を切換表示して撮影モードを設定する方法の一例を示す図である。
【0046】メニュースイッチ210cが押されると、LCD表示部207に所定のメニュー画面が表示され、メニュースイッチ210cを押す毎にメニュー画面の内容が切り換わる。図7は、メニュー画面が通常撮影モード及び特殊撮影モードを選択するための画面からブレ抑制に関するモードを選択設定するための画面に切り換えられて、撮影モード及びブレ抑制に関するモードが選択設定される様子を示したものである。
【0047】メニュー画面では、例えば複数の項目が配列表示され、現在選択されている項目に選択状態を示す表示(例えばカーソルや反転表示等)が行なわれる。撮影モードのメニュー画面では、LCD表示部207に、図7の上段に示すようなメニュー画面が表示される。このメニュー画面における「通常撮影」の項目は通常撮影モードのことで、銀塩カメラにおける撮影動作と同様の、特殊撮影を行なわないモードである。また「ボケ味調整撮影」及び「階調調整撮影」はそれぞれ特殊撮影モードの中のボケ味調整モードと階調調整モードのことである。
【0048】図7のメニュー画面において、4連スイッチ209の上方向スイッチが押されると、黒三角印のカーソルKの表示位置(すなわち、カーソルKが示す項目)が上方向にサイクリックに移動し、4連スイッチ209の下方向スイッチが押されると、カーソルKが示す項目表示位置が下方向にサイクリックに移動する。そして、スイッチ群210の確定スイッチ210bが押されると、その時カーソルKで指示されている項目(図6では階調調整モード)が撮影モードとして設定される。
【0049】従って、撮影者は撮影モードのメニュー画面において、4連スイッチ209を上下方向に操作して所望の撮影モードを選択し、確定スイッチ210dを操作することでその撮影モードを設定することができる。
【0050】図7の例では、階調調整モードが選択されているので、この状態で更にメニュースイッチ210cが押されると、同図の下段に示すようなブレ抑制に関するモードを選択設定するためのメニュー画面が表示される。このメニュー画面で「手持ち撮影時ブレ抑制処理を行なう」はブレ抑制モードに相当している。
【0051】このメニュー画面で4連スイッチ209を上下方向に操作して所望のモードを選択し、確定スイッチ210dを操作すると、そのモードが設定される。図7の例では、ブレ抑制モードが選択されているので、この状態で確定スイッチ210dが操作されると、そのブレ抑制モードが設定される。
【0052】そして、撮影モードについてモード設定が終了し、メニュースイッチ210cが押されと、次のメニュー画面(例えばAEモード選択画面)若しくは元のメニュー画面(例えばプレビュー画像の表示画面)に表示が切り換えられる。なお、AEモードについても同様の方法で所望のモードを設定することができる。
【0053】また、インデックス画面ではメモリカードMCに記録されている全ての画像から9コマ分のサムネイル画像が配列表示され、現在選択されているコマに選択されている表示(例えば点滅表示や枠表示等)が行なわれる。4連スイッチ209の上下左右の何れかの方向スイッチを押圧すると、メニュー画面やインデックス画面の選択状態を示す表示がその方向の項目やコマに移動する。例えば上方向スイッチを押圧すると、メニュー画面やインデックス画面の選択状態を示す表示が上方向の項目やコマに移動する。そして、何れかのサムネイル画像が選択された状態で確定スイッチ210dが操作されると、そのサムネイル画像のコマが再生される。
【0054】交換レンズ3のズーム操作では、4連スイッチ209の右方向スイッチを押圧すると、交換レンズ3がワイド側に連続的に移動し、4連スイッチ209の左方向スイッチを押圧すると、交換レンズ3のズーム用レンズがテレ側に連続的に移動する。
【0055】図8は、デジタルスチルカメラ1の内部構成を示すブロック構成図である。
【0056】デジタルスチルカメラ1は、主にレンズ101、撮像部102、信号処理部103、発光制御部104、レンズ制御部105、表示部106、操作部107及び全体制御部108で構成されている。
【0057】レンズ101は交換レンズ3に相当するものである。レンズ101はフォーカス用レンズ101a及びズーム用レンズ101bを備え、内部に透過光量を調節するための絞り101cが設けられている。
【0058】撮像部102はレンズ101を通して入射した被写体光像を画像信号(電気画像)に光電変換して取り込むものである。撮像部102にはカラー撮像素子205に相当するCCD102a、このCCD102aの撮像動作を制御するタイミングジェネレータ102b及びタイミングジェネレータ102bの駆動を制御するタイミング制御回路102cが含まれる。
【0059】CCD102aはタイミングジェネレータ102bから入力される駆動制御信号(積分開始信号/積分終了信号)に基づいて被写体光像を所定の時間(露光時間)だけ受光して画像信号(電荷蓄積信号)に変換し、その画像信号をタイミングジェネレータ102bから入力される読出制御信号(水平同期信号、垂直同期信号、転送信号等)を用いて信号処理部103に出力する。このとき、画像信号はR,G,Bの各色成分に分離されて信号処理部103に出力される。すなわち、画素位置(2h+1,2k+1)の各画素で受光された画像信号を順次読み出すことでRの色成分の画像信号が出力され、画素位置(2h+2,2k+1),(2h+1,2k+2)の各画素で受光された画像信号を順次読み出すことでGの色成分の画像信号が出力され、画素位置(2h+2,2k+2)の各画素で受光された画像信号を順次読み出すことでBの色成分の画像信号が出力される。
【0060】タイミングシェネレータ102bはタイミング制御回路102cから入力される制御信号に基づいて駆動制御信号を生成するとともに、基準クロックに基づいて読出制御信号を生成し、CCD102aに出力する。タイミング制御回路102cは撮像部102の撮影動作を制御するものである。タイミング制御回路102cは全体制御部108から入力される制御信号に基づいて撮影制御信号を生成する。この撮影制御信号には記録モードにおいて撮影待機中に被写体の動画像(以下、ライブビュー画像という。)を電子ビューファインダ4にモニタ表示するための撮影の制御信号、シャッタボタン6が操作されて被写体の静止画(以下、記録画像という。)を撮影するための制御信号、基準クロック、CCD102aから出力された画像信号を信号処理部103で信号処理するためのタイミング信号(同期クロック)などが含まれる。このタイミング信号は信号処理部103内の信号処理回路103a及びA/D変換回路103bに入力される。
【0061】信号処理部103はCCD102aから出力される画像信号に所定のアナログ信号処理及びデジタル信号処理を行うものである。画像信号の信号処理は当該画像データを構成する各画素の受光信号毎に行なわれる。以下、説明の便宜上、各画素の受光信号とこれらの集合により撮影画像を構成する画像信号とを区別するため、必要に応じて各画素の受光信号を画素信号(アナログ信号)もしくは画素データ(デジタル信号)という。
【0062】信号処理部103にはアナログ信号処理回路103a、A/D変換回路103b、黒レベル補正回路103c、WB調整回路103d、γ補正回路103e及び画像メモリ103fが含まれる。なお、黒レベル補正回路103c、WB調整回路103d及びγ補正回路103eはデジタル信号処理を行う回路を構成するものである。
【0063】アナログ信号処理回路103aは主にCDS回路(相関二重サンプリング)回路及びAGC(オートゲインコントロール)回路からなり、CCD102aから出力される画素信号のサンプリングノイズの低減と信号レベルの調整を行う。AGC回路におけるゲインコントロールには、絞り101cの絞り値とCCD102aの露光時間とで適性露出が得られなかった場合(例えば非常に低輝度の被写体を撮影する場合等)の撮影画像のレベル不足を補償する場合も含まれる。
【0064】A/D変換回路102bはアナログ信号処理回路103aから出力される各画素信号をデジタルの画素データに変換するものである。A/D変換回路102bは各画素信号を、例えば10ビットの画素データに変換する。
【0065】黒レベル補正回路103cはA/D変換された各画素データの黒レベルを基準の黒レベルに補正するものである。WB調整回路103dは撮影画像のホワイトバランスを調整するものである。WB調整回路103dは全体制御部108から入力されるレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分の画素データのレベルを変換することで撮影画像のホワイトバランスを調整する。なお、レベル変換テーブルの各色成分の変換係数は全体制御部108から撮影画像毎に設定される。γ補正回路103eは画素データのγ特性を補正するものである。γ補正回路103eは予め設定された補正テーブルを用いて各画素データのレベルを補正する。
【0066】画像メモリ103fは信号処理の終了した画像データを一時保存するメモリである。画像メモリ103fは少なくとも2フレーム分の画像データを記憶し得る容量を有している。これは、ボケ味調整モード等の撮影では2回連続して露光が行なわれ、2フレーム分の画像データが取り込まれるから、これらをそれぞれ保存できるようにするためである。なお、1フレーム分の画像データを記憶し得る記憶容量は、例えばCCD102aの画素数を1600×1200=192万とすると、192万個の画素データを記憶し得る容量である。
【0067】発光制御部104は全体制御部108から入力される発光制御信号に基づいてフラッシュ5の発光を制御する。発光制御信号には発光準備の指示、発光タイミング及び発光量とが含まれる。発光制御部104は全体制御部108から発光準備の指示があると、メインコンデンサ(図示していない)を充電して発光可能状態にし、発光タイミング信号に同期してメインコンデンサの蓄積電荷を放電することによりフラッシュ5を発光させる。そして、全体制御部108から入力される発光停止信号に基づいてメインコンデンサの蓄積電荷の放電を停止させる。これによりフラッシュ5は所要の発光量で発光される。
【0068】レンズ制御部105はレンズ101内のフォーカス用レンズ101a、ズーム用レンズ101b及び絞り101cの各部材の駆動を制御するものである。レンズ制御部105は絞り101cの絞り値を制御する絞り制御回路105a、フォーカスモータFMの駆動を制御するフォーカス制御回路105b及びズームモータZMの駆動を制御するズーム制御回路105cを備えている。
【0069】絞り制御回路105aは全体制御部108から入力される絞り値に基づいて絞り101aを駆動し、その開口量を当該絞り値に設定する。フォーカス制御回路105bは全体制御部108から入力されるAF制御信号(例えば駆動パルス数等の制御値)に基づいてフォーカスモータFMの駆動量を駆動し、フォーカス用レンズ101bを焦点位置に設定する。ズーム制御回路105cは全体制御部108から入力されるズーム制御信号(4連スイッチ209の操作情報)に基づいてズームモータZMを駆動し、ズーム用レンズ101bを4連スイッチ209で指定された方向に移動させる。すなわち、ズーム制御回路105cは全体制御部108から4連スイッチ209の右方向の操作情報が入力されると、ズームモータZMを正方向に駆動してズーム用レンズ101bをワイド側に移動させ、4連スイッチ209の左方向の操作情報が入力されると、ズームモータZMを逆方向に駆動してズーム用レンズ101bをテレ側に移動させる。
【0070】表示部106はLCD表示部207への表示と電子ビューファインダ4への表示とを行うものである。表示部106にはLCD表示部207に相当するディスプレイ106a及びVRAM106bと電子ビューファインダ4内のLCD表示部401に相当するディスプレイ106c及びVRAM106dとが含まれる。ディスプレイ106aは、例えば640×480=307200の画素数を有し、ディスプレイ106cは、例えば400×300=120000の画素数を有している。従って、VRAM106bはディスプレイ106aの画素数に対応して略30.7万個の画素データが記憶可能になされ、VRAM106dはディスプレイ106cの画素数に対応して略12万個の画素データが記憶可能になっている。
【0071】撮影待機中ではCCD102aで撮影され、所定の信号処理の後に画像メモリ103fに格納される動画の各フレーム画像のデータが順次、全体制御部108に読み出され、データサイズがディスプレイ106cの表示サイズに調整されて(すなわち、192万画素の画像データが略12万画素の画像データに調整されて)VRAM106dに転送される。これにより被写体のプレビュー画像がディスプレイ106c(LCD表示部401の表示面)にモニタ表示される。また、表示スイッチ210dに操作によりLCD表示部207の表示が指示されると、全体表示部108に読み出された各フレーム画像のデータがディスプレイ106aの表示サイズに調整されて(すなわち、192万画素の画像データが略30.7万画素の画像データに調整されて)VRAM106bに転送され、これにより被写体のプレビュー画像がディスプレイ106a(LCD表示部207の表示面)にもモニタ表示される。
【0072】更にメニュースイッチ210cの操作によりメニュー表示が指示されると、全体制御部108内のROM108aに記憶されたメニュー画面の画像データがVRAM106bに読み出され、これによりディスプレイ106aの表示内容がメニュー画面に切り換えられる。
【0073】再生モードでは全体制御部108によりメモリカードMCに記録された各コマ画像ファイルから撮影画像のサムネイル画像が読み出され、所定のフォーマットに従って配列されてインデックス表示用の画像データが作成され、その画像データがVRAM106bに読み出される。これによりディスプレイ106aにはメモリカードMCに記録された撮影画像の一覧が表示される。そして、4連スイッチ209の操作により再生すべきコマが指定されると、メモリカードMCに記録されたそのコマに対応する画像ファイルに記録された撮影画像の画像データが読み出され、ディスプレイ106aの表示サイズに調整されてVRAM106bに転送される。これにより撮影画像がディスプレイ106a(LCD表示部207の表示面)に再生表示される。
【0074】操作部107はカメラ本体2に設けられた撮影や再生に関する操作部材の操作情報を全体制御部108に入力するものである。操作部107から入力される操作情報にはシャッタボタン206、電源スイッチ208、4連スイッチ209、スイッチ群210等の各操作部材の操作情報が含まれる。
【0075】全体制御部108はデジタルスチルカメラ1の有する撮影機能及び再生機能を集中制御するものである。全体制御部108にはカードインターフエース109を介してメモリカードMCが接続されている。また、赤外線リモコン111から赤外線で入力される信号が赤外線インターフェース110を介して全体制御部108に入力されるようになっている。
【0076】全体制御部108に接続されたスイッチSPODは三脚取付部213に三脚が取り付けられたことを検出するスイッチ、スイッチSREMはリモコンモードが設定されていることを検出するスイッチ、スイッチSGRPはグリップ部202が手で握られていることを検出するスイッチに相当するものである。三脚取付部213に三脚が取り付けられると、スイッチSPODから全体制御部108にオン信号が入力され、リモコンモードが設定されると、スイッチSREMから全体制御部108にオン信号が入力され、グリップ部202が手で握られると、スイッチSRGPから全体制御部108にオン信号が入力される。
【0077】全体制御部108はマイクロコンクピュータからなり、撮影機能及び再生機能における種々の具体的な処理を行なうための処理プログラムや上述の撮像部102、信号処理部103、発光制御部104、レンズ制御部105、表示部106等の駆動を制御するための制御プログラムが記憶されたROM108aと処理プログラム及び制御プログラムに従って種々の演算作業を行なうためのRAM108bを備えている。
【0078】全体制御部108の行なう具体的な処理には、ライブビュー画像を取り込んだり、被写体を撮影する際の露出制御値(CCD102aの露光時間Tv〔Ev値〕と絞り101cの絞り値Av〔EV値〕)を算出する処理(露出制御値演算処理)、記録モードにおいてCCD102aから画像メモリ103fに取り込まれたライブビュー画像を電子ビューファイダ4に表示したり、再生モードにおいてメモリカードMCから画像メモリ103fに読み出した記録画像をLCD表示部207に表示する処理(画像表示処理)、記録モードにおいてCCD102aから画像メモリ103fに取り込まれた撮影画像をカードメモリMCに記録する処理(記録処理)したり、再生モードにおいてメモリカードMCから再生すべき撮影画像を画像メモリ103fに読み出す処理(再生処理)、ボケ味調整モード等の特殊撮影モードにおいて連続して露光動作を行なわせる処理(特殊露光制御処理)、特殊撮影モードでの露光動作及びカメラ本体2が三脚等に固定されているか否かの判別処理等が含まれる。
【0079】露出値演算部108c、表示制御部108d、記録制御部108e、再生制御部108f、特殊露光制御部108g、ブレ抑制処理部108h及びカメラ固定判別部108iは全体制御部108における上述の各処理を機能ブロックで表わしたものである。
【0080】露出値定部108cは露出値演算処理を行なうもので、ライブビュー画像のGの色成分の画像データを用いて被写体の輝度を判定し、その判定結果に基づいて露出制御値を演算する。
【0081】表示制御部108dは画像表示処理を行なうもので、上述の表示部106の表示動作、すなわち、画像メモリ103fに一時保存されている画像データを読み出し、必要に応じて画像サイズを表示先の画像サイズに調整した後、VRAM106cまたはVRAM106dに転送する動作を行なう。
【0082】記録制御部108eは記録処理を行なうものである。記録制御部108eは、通常撮影モードにおいて、シャッタボタン206により撮影が指示されると、撮影指示後に画像メモリ103fに一時記憶された画像データ(静止画の画像データ)をRAM108bに読み出し、例えば2次元DCT変換、ハフマン符号化等のJPEG方式による所定の圧縮処理を行なって記録用の画像データを作成する。また、画像メモリ103fから縦横両方向でそれぞれn画素毎に画素データをRAM108bに読み出すことで、画素数(1600/n)×(1200/n)のサムネイル画像を作成する。例えばn=8の場合、画素数200×150のサムネイル画像が作成される。更に、これらの記録用の画像データに付随して記録される撮影画像に関するタグ情報を作成する。このタグ情報にはレンズ名称、コマ番号、撮影時の焦点距離、撮影時のFナンバー、焦点位置、被写体輝度、ホワイトバランス調整値、撮影モード、圧縮率、撮影日、フラッシュ発光の有無等が含まれる。
【0083】そして、記録制御部108eは圧縮された撮影画像及びサムネイル画像の画像データにタグ情報を添付してEXIF(Exchangeable Image File Format)形式の画像ファイルを作成し、この画像ファイルをメモリカードMCに記録する。
【0084】ボケ味調整モード及び階調調整モードの撮影モードにおいては、撮影画像がA/D変換された後に画像ファイルが作成されてメモリカードMCに記録される。
【0085】これらの撮影モードでは1回のシャッタ操作で2枚の撮影画像A,Bが生じるので、各撮影画像A,Bについて非圧縮のTIFF(Tag Image File Format)形式の画像ファイルが作成されてそれぞれメモリカードMCに記録される。また、撮影画像A,Bはボケ味や階調などの優れた画像を生成するために用いられるので、両画像ファイルのタグ情報には画像合成用の撮影画像であることが認識できる情報が含まれる。また、撮影画像A,Bは画像合成によって画質を改善するためのものであるから、画質の低下要因となる圧縮処理は行なわないで、全画素データがそのまま記録される。
【0086】図9は、メモリカードMCに記録された画像ファイルの構成例を示すものである。
【0087】同図において、「P000001.TIF」、「P000002.TIF」等は画像ファイル名を示している。本実施形態では画像ファイル名を「PX.Y」で表記しており、「PX.Y」の「X」は画像ファイルが作成された順番を示す6桁の番号であり、「Y」は画像データの形式を示す記号である。「Y」に入る記号「TIF」はCCDの画素データをそのまま記録する形式のデータであることを示し、記号「JPG」はJPEG形式で圧縮されたデータであることを示している。
【0088】また、ボケ味調整モード及び階調調整モードでは連続して2枚の撮影画像が取り込まれ、これらの画像データについてそれぞれ画像ファイルが作成されるから、本実施形態では両画像ファイルを1つのホルダに纏めてメモリカードMCに記録するようになっている。従って、「1b」及び「2b」、「1t」等はそれぞれボケ味調整モード及び階調調整モードで撮影された画像ファイルのホルダ名を示している。
【0089】なお、本実施形態ではホルダ名を「Ni」で表記しており、「Ni」の「i」は撮影モードを示す記号(b,t)であり、「N」は各撮影モードにおける撮影順を示す番号である。例えば「1b」はボケ味調整モードで最初に撮影された画像の画像データが格納されたホルダであることを示し、「2b」はボケ味調整モードで2番目に撮影された画像の画像データが格納されたホルダであることを示している。
【0090】従って、図9は、ボケ味調整モードで撮影され、作成された2個のホルダ1b,2bと階調調整モードで撮影され、作成されたホルダ1tと通常撮影モードで撮影され、作成された2個の画像ファイル1n,2nとがホルダPに纏められてメモリカードMCに保存されていることを示している。
【0091】図10は、メモリカードMCへの画像ファイルの記録方法を示す図である。
【0092】メモリカードMCの先頭の記憶領域にはホルダー情報と各ホルダーに属する画像ファイルの情報とを記憶するインデックス領域が設けられ、その後の領域に各画像ファイルがファイル番号Xの順に記憶されている。
【0093】メモリカードMCにおける各画像ファイルの記録領域は3つの領域からなり、上から各領域にタグ情報のデータ、撮影画像のデータ及びサムネイル画像のデータが記憶される。タグ情報データ及びサムネイル画像データのデータサイズは画像ファイルによって変化しないが、撮影画像のデータサイズは圧縮率や撮影モードによって変化する。このため、メモリカードMCの画像ファイルの記憶領域に記憶可能なファイル数は各画像ファイルの撮影画像データのデータサイズによって変化する。
【0094】再生制御部108fはメモリカードMCに記録された撮影画像のLCD表示部207への再生処理を行なうものである。再生制御部108fは、電源スイッチ208により再生モードが設定されると、メモリカードMCに記録された各画像ファイルからサムネイル画像を読み出し、順次、所定のインデックスフォーマットに従ってVRAM106bに記憶する。例えば1ページ当たり、9枚のサムネイル画像が3×3に2次配列されるようにVRAM106bに記憶する。従って、これによりLCD表示部207に9枚の2次元配列されたサムネイル画像がインデックス表示される。
【0095】なお、撮影モードがボケ味調整モード及び階調調整モードである対関係の画像ファイルについては、両画像ファイルに同一のサムネイル画像が記憶されているので、一方の画像ファイルのみからサムネイル画像が読み出される。
【0096】インデックス表示されたサムネイル画像に対して再生すべきコマのサムネイル画像が4連スイッチ209及びスイッチ群210によって指定されると、再生処理部108fは、そのコマに対応する画像ファイルから撮影画像のデータを読み出し、そのコマが通常撮影モードの場合は、データが圧縮されているので、所定の伸長処理を行なった後、画像メモリ103fに記憶し、そのコマが通常撮影モードでない場合は、データは圧縮されていないので、そのまま画像メモリ103fに記憶する。この画像メモリ103fに読み出されたデータは、上述したように表示制御部108dによりデータサイズが調整されてVRAM106bに転送され、これによりLCD表示部207に再生表示される。
【0097】なお、再生すべきコマがボケ味調整モードで撮影されたコマである場合は、ピントの合っている撮影画像(本実施形態では後述するように2回目に撮影された画像)の画像ファイルから撮影画像のデータが読み出され、階調調整モード及び超解像モードで撮影されたコマである場合は、対応する画像ファイルの内、いずれか一方の画像ファイルから撮影画像のデータが読み出される。
【0098】特殊露光制御部108gは、ボケ味調整モード及び階調調整モードが設定されている状態でシャッタボタン6が全押しされたときのCCD102aの露光動作を制御するものである。特殊露光制御部108gは、基本的にS2スイッチがオンになると、画像合成用の画像を取り込むため、連続してCCD102aの露光動作を2回繰り返す。
【0099】図11はボケ味調整モードでの具体的な撮影手順を示すフローチャートである。
【0100】ボケ味調整モードにおいて、シャッタボタン206が半押しされると(#1でYES)、静止画撮影のための準備が行なわれる。すなわち、絞り101cの絞り値が開放絞り値(例えばF=2.8)に設定され(#3)、レンズ101の焦点が∞位置に調節される(#5)。また、CCD102aの露光時間が設定され、ホワイトバランス調整が行なわれる(#7)。
【0101】この状態でシャッタボタン206が全押しされると(#9でYES)、CCD102aをステップ#7で設定された露光時間だけ露光して被写体の静止画像が取り込まれる(#11)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#13)。この撮影画像はレンズ101の焦点を∞位置に調節しているので、画面の広い範囲でピントが合った画像となっている。
【0102】続いて、全体制御部108の表示制御部108dにより画像メモリ103fからRAM108bに画像データが読み出され、データサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に表示される(#15)。この表示処理は撮影直後に撮影画像をモニタできるようにするためのもので、最初の撮影画像が所定の時間(例えば2秒間)だけ表示される。
【0103】最初の撮影画像をモニタ表示しているのは、アフタービュー表示は撮影者が撮影直後に撮影画像の内容を確認し、撮り直しの要否を判断したいという要望を満たすものであるから、撮影者のシャッタ操作の最も近いタイミングで撮影され、しかも最もピント範囲を広くして撮影されている最初の撮影画像を表示させることがアフタービュー表示の目的に適うに考えられるからである。従って、このようなアフタービュー表示との関係を考慮して、最初の撮影では絞り101cの絞り値を開放絞り値にして被写界深度で最も深くするようにしている。
【0104】続いて、レンズ101の焦点が、例えば被写体距離3mに対応する焦点位置に調節され(#17)、更にCCD102aの露光時間が設定されるとともに、ホワイトバランス調整が行なわれる(#19)。
【0105】そして、CCD102aをステップ#19で設定された露光時間だけ露光して被写体の静止画像が取り込まれる(#21)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#23)。この撮影画像はレンズ101の焦点を被写体距離3mに対応する焦点位置に調節しているので、ほぼ画面内の主被写体に対しピントが合っている。
【0106】続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された最初の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、最初の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと最初の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。また、メモリカードMCにボケ味調整モードでの撮影画像に対するホルダが作成され、このホルダ内に最初の撮影画像の画像ファイルが記憶される(#25、図9参照)。
【0107】なお、この撮影画像に対するタグ情報の撮影モードには「ボケ味調整モード1/2」(図10参照)のように、ボケ味調整モードで1回目に撮影されたものであることを示す情報が付与される。
【0108】続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された2回目の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、2回目の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと2回目の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。そして、この画像ファイルはメモリカードMCの最初の撮影画像が格納されたホルダ内に記憶される(#27)。これにより撮影処理は終了し、撮影待機状態(ライブビュー画像の表示状態)に戻る。
【0109】なお、ボケ味調整モードで撮影された2枚目の撮影画像に付いてもタグ情報の撮影モードには「ボケ味調整モード2/2」のように、ボケ味調整モードで撮影されたものであることを示す情報が付与される。このように撮影モードに関する情報をタグ情報に入れているのは、通常撮影モードの撮影画像と識別するとともに、後述するように画像処理装置でこの画像ファイルが選択されたとき、自動的にボケ味調整処理の処理プログラムを起動して直ちにボケ味調整処理ができるようにするためである。
【0110】なお、この実施形態では、最初に遠景側に焦点を合わせた後、2回目に近景側に焦点を合すようにしているが、合焦位置の変更順はこの逆であってもよい。また、カメラ起動後、ボケ味調整モードで撮影が行なわれる場合、カメラ起動時はフォーカス用レンズ101aが∞位置に初期設定されるので、最初の撮影では遠景側に焦点を合わせる方がフォーカス制御の無駄が無く、合理的である。
【0111】また、2回目の撮影では合焦位置をカメラから3mの位置に固定しているが、これはボケ味調整処理により任意のピント状態の合成画像が作成されるので、合成前の撮影画像の合焦位置を正確に決定する必要性が低いこと、フォーカス制御の処理時間を出来るだけ短くして連続撮影を迅速に行なえるようにすることを考慮したものであり、合焦位置としてカメラからの距離を他の距離に固定してもよく、AF処理を行い、正確に主被写体までの距離としてもよい。
【0112】図12は、階調調整モードでの撮影手順を示すフローチャートである。
【0113】階調調整モードにおいて、シャッタボタン206が半押しされると(#31でYES)、静止画撮影のための準備が行なわれる。すなわち、レンズ101の焦点が主被写体に調節されるとともに、ライブビュー画像を用いて露出制御値(Tv,Av)が算出され、ホワイトバランス調整値が設定される(#33)。
【0114】この状態でシャッタボタン206が全押しされると(#35でYES)、ステップ#33で設定されたシャッタスピードTv(EV値)より2段階アンダーのシャッタスピード(Tv−2)が設定され(#37)、このシャッタスピードに相当する露光時間だけCCD102aを露光して被写体の静止画像が取り込まれる(#39)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#41)。この撮影画像はCCD102の露光時間を適正値より短くしているので、全体的に暗い画像となっている。
【0115】続いて、ステップ#33で設定されたシャッタスピードTv(EV値)より2段階オーバーのシャッタスピード(Tv+2)が設定され(#43)、このシャッタスピードに相当する露光時間だけCCD102aを露光して被写体の静止画画像が取り込まれる(#45)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#47)。この撮影画像はCCD102の露光時間を適正値より長くしているので、全体的に明るい画像となっている。
【0116】続いて、全体制御部108の表示制御部108dにより画像メモリ103fから1回目の撮影画像Aの画像データと2回目の撮影画像Bの画像データとがRAM108bに読み出され、両撮影画像の平均濃度を有する画像C(以下、平均濃度画像Cという。)の画像データが作成される(#49)。すなわち、撮影画像Aを構成する画素データをga(i,j)(i=1,2,…n,j=1,2,…m)、撮影画像Bを構成する画素データをgb(i,j)とすると、gc(i,j)={ga(i,j)+gb(i,j)}/2を演算することで平均濃度画像Cの画像データが作成される。
【0117】この画像データはデータサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に表示される(#51)。この表示処理は撮影直後に撮影画像をモニタできるようにするためのもので、平均濃度画像Cの表示は所定の時間(例えば2秒間)だけ行われる。
【0118】なお、階調調整モードでは、モニタ画像として平均濃度画像Cを用いているのは、1回目と2回目の撮影画像の濃度はそれぞれ適正濃度よりそれぞれ−側と+側にずれており、いずれもモニタ表示には適していないからである。また、平均値演算という簡易演算により正規の画像合成処理に近似した処理画像を作成してアフタービュー表示をさせることで、比較的適正な濃度を有する画像を撮影終了後に速やかにモニタ表示させることができるようにしている。
【0119】続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された最初の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、最初の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと最初の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。また、メモリカードMCに階調調整モードでの撮影画像に対するホルダが作成され、このホルダ内に最初の撮影画像の画像ファイルが記憶される(#53、図9参照)。
【0120】なお、この撮影画像に対するタグ情報の撮影モードには「階調調整モード1/2」のように、階調調整モードで1回目に撮影されたものであることを示す情報が付与される。
【0121】続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された2回目の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、2回目の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと2回目の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。そして、この画像ファイルはメモリカードMCの最初の撮影画像が格納されたホルダ内に記憶される(#55)。これにより撮影処理は終了し、撮影待機状態(ライブビュー画像の表示状態)に戻る。
【0122】なお、階調調整モードで撮影された2枚目の撮影画像に付いてもタグ情報の撮影モードには「階調調整モード2/2」のように、階調調整モードで撮影されたものであることを示す情報が付与される。
【0123】この実施形態では、適正な露出制御に対して±2段階だけずらした露出値で連続的に2枚の画像を撮影するようにしているが、適正露出値からのずれ量はこれに限定されるものではない。また、プラス/マイナスのずれ量を異なるようにしてもよく、撮影者がずれ量を設定できるようにしても良い。
【0124】図8に戻り、ブレ抑制処理部108hは、上述したように通常撮影モードにおいて、ブレ抑制モードが設定されているとき、設定された露光時間を分割し、その分割露時間で複数回の連続露光を行なってそれぞれ像ブレの少ない画像を取り込みとともに、これらの画像を合成して、設定された露光時間で撮影した場合に得られる撮影画像に相当する画像を得るものである。
【0125】図13は、ブレ抑制モードでの撮影処理を示すフローチャートである。ブレ抑制モードが設定されていると、特殊撮影モードにおける2回の連続撮影は、それぞれ図13に示す撮影処理手順で行なわれる。なお、図13に示すフローチャートでは、露光時間の分割数nを4にしている。
【0126】ブレ抑制モードでは、まず、設定されたシャッタスピードに対応する露光時間tが1/4にされ(#61)、何回目の露光であるかを示すカウンタnの値が「1」に設定される(#63)。そして、CCD102aを露光時間t/4だけ露光して1枚目の被写体の静止画像が取り込まれる。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#65)。
【0127】続いて、4回の露光動作が終了しているか否かが判別される(#67)。今回は1回目であるから、ステップ#69に移行し、カウンタnの値を1だけインクリメントしてステップ#65に戻り、2枚目の被写体の静止画像が取り込まれる。
【0128】以下同様にして露光動作を繰り返し、4枚目の撮影画像が取り込まれると(#67でYES)、ステップ#71に移行し、1枚目の撮影画像と2〜4枚目の撮影画像との間でレジストレーション処理(1枚目の撮影画像に対する位置ずれ量の算出処理)がそれぞれ行なわれる(#71〜#79のループ)。
【0129】レジストレーション処理は、画像合成処理において画面内の同一の図柄を正確に合成するため、合成対象となる2枚の画像の位置を合わせるものである。レジストレーション処理では、例えば一方の撮影画像Aを基準にして他方の撮影画像Bを平行移動しつつ両撮影画像A,Bを照合して、両撮影画像A,Bが一致する撮影画像Bの平行移動量が算出される。一方の撮影画像Aに対する他方の撮影画像Bの一致度は、例えば撮影画像Bの平行移動量を引数とする両撮影画像A,Bのデータのレベル差の絶対値の総和(相関関数)が最小となる平行移動量が撮影画像Bを撮影画像Aに一致させるための移動量(すなわち、位置ずれ量)として算出される。
【0130】ステップ#71では何枚目の撮影画像についてのレジストレーション処理であるかをカウントするためのカウント値mが「2」に設定される。続いて、1枚目の撮影画像G1を基準にして2枚目の撮影画像G2を所定のピッチで平行移動しつつ相関係数rを算出し、その相関係数rが最大となる移動量(X1,Y1)が算出される(#73)。そして、この移動量(X1,Y1)に基づいて2枚目の撮影画像が1枚目の撮影画像と重なるように移動される(#75)。
【0131】続いて、4枚目の撮影画像について1枚目の撮影画像に対する位置合わせが終了しているか否かが判別される(#77)。今回は2枚目の撮影画像であるから、ステップ#79に移行し、カウンタmの値を1だけインクリメントしてステップ#73に戻り、3枚目の撮影画像について位置合わせ処理が行なわれる(#73,75)。
【0132】以下同様にして4枚目の撮影画像についても位置合わせ処理を行ない、全ての撮影画像の位置合わせ処理が終了すると(#77でYES)、ステップ#81に移行し、4枚目の撮影画像の合成処理が行なわれて処理を終了する。この合成処理では、レジストレーション処理後の全ての撮影画像G1,G2,G3,G4の重なる部分について、画素位置(k,h)毎に撮影画像G1の画素データD1(k,h)、撮影画像G2の画素データD3(k,h)、撮影画像G3の画素データD3(k,h)及び撮影画像G4の画素データD4(k,h)を加算して像ブレの抑制された撮影画像の画素データのD0(k,h)=D1(k,h)+D2(k,h)+D3(k,h)+D4(k,h)が算出される。
【0133】図8に戻り、カメラ固定判別部108iは、カメラ本体2が三脚等に固定されているか否かを判別するもので、スイッチSPOD,SREM,SGRPからの入力信号に基づいてカメラ本体2の保持状態を判別する。すなわち、スイッチSPODから三脚のセット信号が入力されている、スイッチSREMからリモートモードの設定信号が入力されている、若しくはスイッチSGRPからグリップ部201の保持検出信号が入力されていると、カメラ本体2は固定されていると判別され、いずれの信号も入力されていないと、カメラ本体2は手で保持されていると判別される。
【0134】次に、本発明に係るカメラ本体2の保持の仕方と撮影モードの設定内容とに基づく特殊撮影モードでの撮影制御について、図14,図15のフローチャートを用いて説明する。
【0135】図14,図15のフローチャートは、撮影モード設定時において、特殊撮影モードにおいては、カメラ本体2が手で保持されているときは、撮影を強制的に禁止してその旨の警告を行なう処理を行うものである。この処理は、記録モードにおいて定期的に行なわれ、レリーズが指示された後の露光動作において、その直前に設定されたフラグに基づいてカメラの動作が制御される。
【0136】まず、撮影モードの設定内容が変更されているか否かが判別され(#91)、撮影モードが変更されていない(#91でNO)、若しくは変更された撮影モードが通常撮影モードである場合(#93でYES)、ステップ#103に移行する。
【0137】一方、撮影モードが特殊撮影モードに変更設定されると(#91でYES,#93でNO)、更にカメラ本体2が三脚に固定されているか否か、グリップ部201が手で握られているか否か、リモコンモードに設定されているか否かが判別される(#95,#97,#99)。
【0138】カメラ本体2が三脚に固定されておらず(#95でNO)、グリップ部201が手で握られており(#97でNO)、リモコンモードが設定されていなければ(#99でNO)、すなわち、撮影者がカメラ本体2を手で保持し、シャッタボタン206の操作で撮影が行なわれると推定されるときは、撮影が禁止されるとともに、図16に示すようにLCD表示部207に撮影禁止モードが設定され、カメラ本体2を固定しないと撮影できない旨の警告表示が行なわれて(#101)、ステップ#91に戻る。なお、図16の例では、LCD表示部207の左下隅に「カメラを固定して下さい」というメッセージを表示させているが、EVF4にも同様の警告表示をするようにしてもよい。
【0139】また、カメラ本体2が三脚に固定されている(#95でYES)、グリップ部201が手で握られていない(#97でYES)、リモコンモードが設定されている(#99でYES)、の何れかであれば、すなわち、カメラ本体2が三脚にセットされていたり、基台に載置されていて固定されていると推定されるときは、撮影を許可して(#103)、ステップ#103に移行する。
【0140】ステップ#103に移行すると、通常撮影時のブレ抑制モードに関する設定が変更されているか否かが判別され、変更されていなければ(#103でNO)、処理を終了する。ブレ抑制モードに関する設定が変更されていれば(#103でYES)、その変更内容が判別され(#105)、手持ち撮影時でもブレ抑制処理を行なわないのであれば、ブレ抑制フラグをリセットして(すなわち、ブレ抑制処理を行なわないようにして)(#113)、処理を終了する。
【0141】一方、ブレ抑制処理を行なうのであれば、カメラ本体2が三脚に固定されているか否か、グリップ部201が手で握られているか否か、リモコンモードに設定されているか否かが判別され(#107,#109,#111)、カメラ本体2が三脚に固定されておらず(#107でNO)、グリップ部201が手で握られており(#109NO)、リモコンモードが設定されていなければ(#111でNO)、すなわち、撮影者がカメラ本体2を手で保持し、シャッタボタン206の操作で撮影が行なわれると推定されるときは、ブレ抑制フラグをセットして(すなわち、ブレ抑制処理を行なうようにして)(#115)、処理を終了する。
【0142】また、カメラ本体2が三脚に固定されている(#107でYES)、グリップ部201が手で握られていない(#109でYES)、リモコンモードが設定されている(#111でYES)、の何れかであれば、すなわち、カメラ本体2が三脚にセットされていたり、基台に載置されていて固定されていると推定されるときは、ブレ抑制機能を動作させないようにブレ抑制処理フラグがリセットされて(#113)、処理を終了する。
【0143】図14,図15のフローチャートによれば、例えばボケ味調整モードに変更設定されると、カメラ本体2が固定されていると推定される場合は、ブレ抑制機能を動作させないでボケ味調整モードでの撮影処理が行なわれ、カメラ本体2が手で保持されていると推定される場合は、ブレ抑制モードが設定されていれば、ブレ抑制機能を動作させてボケ味調整モードでの撮影処理が行なわれ、撮影禁止モードが設定されていれば、ボケ味調整モードでの撮影処理が禁止される(#91〜#101)。一方、通常撮影時においては、カメラ本体2が固定されているときは、ブレ抑制処理は行なわれない。
【0144】上記のように、本実施形態に係るデジタルスチルカメラ1は、カメラ本体2が手で保持されているか否かを判別し、カメラ本体2が手で保持された状態で特殊撮影モードにおける撮影が行なわれるときは、警告するようにしているので、撮影者はその警告によりカメラ本体2を三脚等に固定することで特殊撮影モードでの撮影における像ぶれを未然に防止することができる。
【0145】また、本実施形態に係るデジタルスチルカメラ1は、像ぶれを抑制するためのブレ抑制機能を備えているが、カメラ本体2が三脚等で固定された状態で撮影が行なわれるときは、ブレ抑制機能を動作させないようにしているので、不必要にブレ抑制機能を動作させることの弊害(不必要に処理時間が長く等)を低減することができる。
【0146】なお、カメラ本体2の固定状態によって特殊撮影時の画像処理を変更するようしてもよい。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、所定の画像合成処理に用いられる複数枚の撮影画像を取得するための特殊撮影モードを有し、この特殊撮影モードが設定されているとき、同一の被写体に対し少なくとも2回連続して露光動作を行なって複数枚の撮影画像を取得するデジタルスチルカメラにおいて、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別し、特殊撮影モードでの撮影でカメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別されると、警告するようにしたので、撮影者はこの警告によりカメラ本体を三脚に固定するなどの対策を取ることでブレの少ない画像合成用の複数枚の撮影画像を得ることができる。
【0148】また、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別し、カメラ本体が撮影者の手で保持されていないと判別されると、ブレ抑制撮影機能を動作させないようにしたので、固定撮影時に不必要にブレ抑制撮影機能を動作させることがなく、ブレ抑制撮影機能を動作させることによる撮影処理での処理速度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るデジタルスチルカメラのカメラ本体の正面図である。
【図2】 同デジタルスチルカメラの主要部材の配置を示す図である。
【図3】 三脚取付部の構造を示す図である。
【図4】 同デジタルスチルカメラに内蔵された主要部材の配置を示す右側面図である。
【図5】 同デジタルスチルカメラの背面図である。
【図6】 カラー撮像素子の撮像面の構成を示す図である。
【図7】 撮影モードの選択方法を説明するための図である。
【図8】 デジタルスチルカメラの内部構成を示すブロック図である。
【図9】 メモリカードに記録された画像ファイルの構成例を示す図である。
【図10】 メモリカードへの画像ファイルの記録方法を示す図である。
【図11】 ボケ味調整モードでの撮影手順を示すフローチャートである。
【図12】 階調調整モードでの撮影手順を示すフローチャートである。
【図13】 ブレ抑制モードでの撮影処理を示すフローチャートである。
【図14】 カメラ本体の保持の仕方と撮影モードの設定内容とに基づく特殊撮影モードでの撮影制御の内容を示すフローチャートである。
【図15】 カメラ本体の保持の仕方と撮影モードの設定内容とに基づく特殊撮影モードでの撮影制御の内容を示すフローチャートである。
【図16】 警告表示の一例を示す図である。
【図17】 連続して露光動作をした場合にカメラアングルが変化する様子を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルスチルカメラ
101 レンズ
102 撮像部
103 信号処理部
104 発光制御部
105 レンズ制御部
106 表示部
107 操作部
108 カードI/F
108 全体制御部(機能抑止手段)
108a ROM
108b RAM
108c 露出値演算部
108d 表示制御部
108e 記録制御部
108f 再生制御部
108g 特殊露光制御部
108h ブレ抑制処理部
108i カメラ固定判別部(判別手段)
109 カードインターフェース
110 赤外線インターフェース
111 赤外線リモコン
2 カメラ本体
205 カラー撮像素子
206 シャッタボタン
207 LCD表示部
208 電源スイッチ
209 4連スイッチ
210 スイッチ群
211 圧力センサ(検出手段)
212 リモコン受信部
213 三脚取付部
213a 雌ネジ
213b 導電性薄板
213c,213d 接点
3 交換レンズ
4 電子ビューファインダ
5 フラッシュ
SPOD,SREM,SGRP スイッチ(検出手段)
MC メモリカード
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一の被写体に対して少なくとも2回連続撮影を行ない、この連続撮影によって得られた複数枚の撮影画像を所定の画像合成処理で合成して画質を改善したり、映像効果を高めた画像を得ることのできるデジタルスチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルスチルカメラの技術分野においては、連続して撮影した複数枚の撮影画像を所定の画像処理を行なった後、合成することで、各撮影画像よりも画質や映像効果を高めた画像を得ることのできるデジタルスチルカメラが商品化されている。
【0003】例えばビクター社製のデジタルスチルカメラ「GC−X1“PIXSTER”」は、撮像素子を微小変位させて連続して2回撮影を行い、両撮影画像を合成することで解像度の高い撮影画像を得ることができる機能を備えている。また、このデジタルスチルカメラは、被写体の明るい部分と暗い部分とに合わせて2種類の露出制御値を設定し、それらの露出制御値で連続して2回撮影を行い、両撮影画像を合成することで暗い部分から明るい部分まで適切な濃度の撮影画像を得ることができる機能も備えている。
【0004】また、例えば近景にピントの合った撮影画像と遠景にピントの合った撮影画像とを合成して画面全体にピントの合った画像や所望のピント具合の画像を作成する画像合成技術も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、解像度、階調、ボケ味等の画質や映像効果を高めた画像を得るためにこれらの画質の異なる複数枚の撮影画像を合成する画像合成処理では、基本的に各撮影画像の内容は同一の下に、各画素位置毎にこれらの撮影画像のデータを用いて所定の演算処理を行なわれるようになっている。従って、デジタルスチルカメラで画像合成処理用の撮影画像を取得する場合は、被写体及びカメラ本体は静止状態で撮影されることが望ましい。
【0006】しかし、デジタルスチルカメラは携帯機器であるから、通常は撮影者が手でカメラ本体を保持して撮影されることが多く、画像合成処理用の画像を撮影する場合に連続的に露光動作を行なったとすると、図17に示すように各露光動作でのカメラアングルが変化するため、同一の画像を得ることは困難である。
【0007】従って、画像合成処理用の画像を撮影する場合は、できるだけカメラ本体を三脚に固定したり、安定した台の上に載置する等してカメラ本体が変位しないようにすることが望ましい。
【0008】一方、これらとは別に画像合成処理技術の中には、デジタルスチルカメラにおいては、カメラぶれに起因するぶれ画像の撮影を防止するため、指定された露光時間を複数の時間に分割し、分割された各露光時間で複数回、露光動作を繰り返して得られた画像を合成することで、ぶれの少ない画像を得るブレ抑制撮影技術が提案されている。
【0009】しかし、この場合は、カメラ本体を三脚に固定したり、基台に載置されている等の状態でブレ抑制機能を働かせることは不必要に処理を複雑にし、電力も消費するという不都合があるので、必要な場合に限りブレ抑制機能を働かせるという工夫が必要となる。
【0010】本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、連続撮影した画像を合成することで画質や映像効果の高い画像を得ることのできるデジタルスチルカメラにおいて、可能な限りブレのない同一の画像を連続的に撮影するとともに、ブレ抑制撮影技術を効率よく適用することのできるデジタルスチルカメラを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の画像合成処理に用いられる複数枚の撮影画像を取得するための特殊撮影モードを有し、この特殊撮影モードが設定されているとき、同一の被写体に対し少なくとも2回連続して露光動作を行なって複数枚の撮影画像を取得するデジタルスチルカメラにおいて、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別する判別手段と、上記特殊撮影モードでの撮影で上記カメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別されると、警告する警告手段とを備えたものである(請求項1)。
【0012】上記構成よれば、特殊撮影モードにおいては、レリーズが指示されると、撮影手段の露光動作が少なくとも2回連続して行なわれて複数枚の撮影画像が取得される。この撮影の際、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かが判別される。例えばカメラ本体が三脚に取付られているか否かを検出したり、カメラ本体のグリップ部が押圧されているか否かを検出したり、レリーズ操作が遠隔操作で行なわれているか否かを検出することによりカメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かが判別される。
【0013】そして、例えばカメラ本体が三脚に取付られていない、カメラ本体のグリップ部が手で握られている、レリーズ操作が遠隔操作でない(カメラ本体のシャッタボタンによりレリーズ操作される)等の検出結果によりカメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別されると、連続撮影される画像間で画像のぶれが生じるおそれがあることの警告が行なわれる。
【0014】撮影者はこの警告によりカメラ本体を三脚に固定するなどの対策を取ることでぶれの少ない画像合成用の複数枚の撮影画像を得ることができる。
【0015】また、本発明は、設定された露光時間を複数に分割し、分割された露光時間での露光動作によって得られた複数枚の撮影画像を互いに位置合わせして合成することにより、設定された露光時間で露光動作をしたとすると発生したであろう像ぶれを抑制した画像を取得するブレ抑制撮影機能とを備えたデジタルスチルカメラにおいて、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別する判別手段と、上記カメラ本体が撮影者の手で保持されていないと判別されると、上記ブレ抑制撮影機能を動作させないようにする機能抑止手段とを備えたものである(請求項2)。
【0016】上記構成よれば、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かが判別され、カメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別されると、ブレ抑制撮影機能を動作させることで、続撮影される画像間の画像のぶれが抑制される。また、カメラ本体が撮影者の手で保持されていないと判別されると、ブレ抑制撮影機能の動作が禁止され、固定撮影時に不必要にブレ抑制撮影機能を動作させることがない。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るデジタルスチルカメラのカメラ本体の正面図、図2は同デジタルスチルカメラに内蔵された主要部材の配置を示す上面図、図3は、三脚取付部の構造を示す面、図4は、同デジタルスチルカメラに内蔵された主要部材の配置を示す右側面図、図5は同デジタルスチルカメラの背面図である。
【0018】デジタルスチルカメラ1は、カメラ本体2とこのカメラ本体2の正面略中央に着脱可能に装着されるズームレンズからなる交換レンズ3とからなる一眼レフレックスカメラで構成されている。カメラ本体2は、正面略中央に交換レンズ3が装着されるマウント部201が設けられ、正面左端部にグリップ部202が設けられている。
【0019】グリップ部202の表面部にはグリップが手で握られたことを検出するセンサ211が設けられている。このセンサ211にはグリップ部に加わるる圧力を検出する、例えば圧電素子や加圧伝導シートや感圧ポリマ等の素子を用いた圧力センサが用いられている。この圧力センサ211からの検出信号はカメラ本体2が撮影者の手で握られているか否かの判別に利用される。
【0020】また、グリップ部202の内部には電池収納室203とカード収納室204とが設けられ、電池収納室203には4本の単3形乾電池E1〜E4(カメラの電源電池)が収納され、カード収納室204には撮影画像の画像データを記録するためのメモリカードMCが着脱可能に収納されるようになっている。
【0021】マウント部201の左上部には赤外線リモートコントローラ(図略)からの赤外線信号を受信するリモコン受信部211が設けられている。赤外線リモートコントローラ(以下、赤外線リモコンと略称する。)は、デジタルスチルカメラ1の撮影に関する操作を無線により遠隔操作するものである。例えばデジタルスチルカメラ1を三脚の固定したり、台の上に載置した状態で撮影者が被写体に加わり、赤外線リモコンを操作することで撮影者自身を含めて撮影を行なうことができる。
【0022】なお、赤外線リモコンによりデジタルスチルカメラ1の遠隔操作を行なうときは、デジタルスチルカメラ1の撮影モードを赤外線リモコンによる撮影モード(以下、リモコンモードという。)に設定する必要があり、そのリモコンモードの設定は、カメラ本体2に設けられた図略の切換スイッチにより設定されるようになっている。なお、後述するLCD表示部207にメニュー画面を表示させてリモコンモードを設定するようにしてもよい。
【0023】また、マウント部201の下部には装着された交換レンズ3との電気的接続を行なうための複数個の接点STと機械的接続を行なうための2個のカプラーCP1,CP2とが設けられている。電気的な接点STは、交換レンズ3に内蔵されたレンズROM301(図3参照)から当該レンズに関する固有の情報(開放F値や焦点距離等の情報)をカメラ本体2内の全体制御部(図6参照)に読み出したり、交換レンズ3内のズーム用レンズの位置やフォーカス用レンズの位置の情報を全体制御部に出力するためのものである。カプラーCP1,CP2はカメラ本体2内に設けられたズーム用レンズ駆動用のモータZM(図3参照)の駆動力とフォーカス用レンズ駆動用のモータFM(図3参照)の駆動力とを交換レンズ3側に伝達するためのものである。
【0024】カメラ本体2の底面の適所にはカメラ本体2を三脚に固定するための三脚取付部213が設けられている。この三脚取付部213は雌ネジ213aが形成された孔からなり、孔の奥側には金属、導電樹脂等の導電部材からなる円形の薄板213bが上下動可能に設けられ、更にその奥(図3では下側)に三脚が取り付けられたことを検出するスイッチの接点213c,213dが設けられている。
【0025】三脚の先端に設けられた接続用の雄ネジを三脚取付部213の孔にねじ込んでカメラ本体2が三脚に取り付けられると、雄ネジの先端によって薄板213bが図3の点線で示すように孔の奥側に押し込まれ、接点213c,213dに接触する。これにより接点213c,213dが導通してスイッチがオンになり、カメラ本体2が三脚に取り付けられていることが検出される。
【0026】マウント部201に交換レンズ3が装着されたときの当該レンズ3の光軸L上であってカメラ本体2内の適所にカラー撮像素子205が配設されている。カラー撮像素子205(以下、CCD205という。)は、図6に示すようにCCD(Charge-Coupled Device)からなるエリアセンサ205Aの各画素の表面に、R(赤),G(緑),B(青)のカラーフィルタ205Bが市松模様状に貼り付けられた、いわゆるベイヤー方式と呼ばれる単板式カラーエリアセンサで構成され、例えば1600×1200=192万個の画素数を有している。
【0027】なお、図6に示すようにエリアセンサのi行j列目の画素位置を(i,j)(i=1,2,…n、j=1,2,…m)とし、n=1600、m=1200とすると、R,G,Bの各カラーフィルタは、R;(2h+1,2k+1)
G;(2h+2,2k+1),(2h+1,2k+2)
B;(2h+2,2k+2)
但し、h=0,1,2,…n/2(=800)、k=0,1,2,…m/2(=600)の画素位置に配置されている。
【0028】カメラ本体2のグリップ部202の上面にはシャッタボタン206が設けられている。シャッタボタン206の半押し操作と全押し操作とは後述するスイッチS1,S2により検出されるようになっている。スイッチS1がオンになると(シャッタボタン206が半押しされると)、被写体の静止画を撮影するための準備動作(露出制御値の設定や焦点調節等の準備動作)が行なわれ、スイッチS2がオンになると(シャッタボタン206が全押しされると)、撮影動作(CCD205を露光し、その露光によって得られた画像信号に所定の画像処理を行なってメモリカードMCに記録する一連の動作)が行なわれる。
【0029】カメラ本体2の上面の略中央には電子ビューファインダ4(EVF;Electronic View Finder)とポップアップタイプのフラッシュ5とが設けられている。電子ビューファインダ4はカラー撮像素子205で撮影された被写体のモニタ画像(撮影待機状態においてカラー撮像素子205により動画撮影された被写体の画像)を表示するカラー液晶表示デバイスからなる表示部401(以下、LCD表示部401という。)とこのカラー液晶表示デバイスに表示されたモニタ画像をファインダ窓403の外側に導く接眼レンズ402とを備えている。
【0030】撮影待機状態では電子ビューファインダ4に被写体のモニタ画像(動画像)が表示されるので、撮影者はファインダ窓403を覗くことによってモニタ画像により被写体を視認することができる。
【0031】カメラ本体2の背面の略中央にはカラー液晶表示デバイスからなる表示部207(以下、LCD表示部207という。)が設けられている。LCD表示部207は、記録モードにおいてAE(Automatic Exposure)モードや撮影モードや撮影条件等を設定するためのメニュー画面を表示したり、再生モードにおいてメモリカードMCに記録された撮影画像を再生表示するものである。
【0032】AEモードには少なくともプログラムモード、シャッタ優先モード、絞り優先モードが含まれる。露出制御値は予め設定された複数のプログラム線図のいずれか1つを用いて設定されるようになっており、プログラムモードでは標準的なプログラム線図を用いて露出制御値が設定され、シャッタ優先モードでは絞り値よりシャッタ速度(露光時間)を優先するようなプログラム線図を用いて露出制御値が設定され、絞り優先モードではシャッタ速度より絞り値を優先するようなプログラム線図を用いて露出制御値が設定される。
【0033】また、撮影モードには露光動作の制御方法に関するモードとブレ抑制に関するモードとが含まれる。
【0034】露光動作の制御方法に関するモードには、1回のシャッタ操作で1回の露光動作を行い、その撮影によって得られた撮影画像をメモリカードMCに記録するモード(以下、通常撮影モードという。)と1回のシャッタ操作で撮影条件を変えて、若しくは撮影条件を変えないで連続して2回撮影を行ない、その撮影によって得られた2枚の撮影画像をそれぞれメモリカードMCに記録するモード(以下、特殊撮影モードという。)とが含まれる。特殊撮影モードで連続して撮影された2枚の撮影画像は、後述するコンピュータ等からなる画像処理装置で所定の画像処理を行い、合成して元の撮影画像よりも画質や映像効果の高い画像を得るために用いられるものである。
【0035】なお、本実施形態ではカメラ本体では画像合成処理を行なわないようにしているが、カメラ本体で画像合成処理を行ってその合成画像をメモリカードMCに記録するようにしてもよい。また、本実施形態では特殊撮影モードでの連続撮影回数を2回としているが、撮影回数はこれに限定されるものではなく、3回以上であってもよい。
【0036】特殊撮影モードには少なくとも「ボケ味調整モード」と「階調調整モード」とが含まれる。ボケ味調整モードとは、画像処理で主被写体(例えば人物等)に対して焦点を合せた撮影画像Aと主被写体の背景に焦点を合わせた撮影画像Bとを合成することにより所望のボケ具合を有する画像を得るために、1回のシャッタ操作で合焦位置を変化させて連続して2回の撮影動作を行い、撮影画像Aと撮影画像Bとを得るモードである。
【0037】階調調整モードとは、画像処理で主被写体に対して露出を合せた撮影画像Aと主被写体の背景に露出を合わせた撮影画像Bとを合成することにより、例えば画面全体に適正な濃度分布を有する画像や主被写体と背景とのコントラストを意図的に大きくし、創作性の強い画像を得るために、1回のシャッタ操作で露出条件を変化させて連続して2回の撮影動作を行い、撮影画像Aと撮影画像Bとを得るモードである。
【0038】特殊撮影モードでの撮影では、1回目の撮影画像と2回目の撮影画像とは後で画像合成されるため、可能な限り一致していることが望まく、像ぶれが生じるような撮影条件では不適切な合成画像の作成を防止するため、強制的に撮影を禁止する、あるいは警告を発することが望ましい。
【0039】このため、本実施形態に係るデジタルスチルカメラ1は、特殊撮影モードにおいて、カメラぶれが生じるおそれのあるカメラ本体2が手持ちされている状態ではそのカメラぶれに起因する像ぶれを抑制するため、撮影を禁止し、且つ、警告表示を行なう。なお、撮影禁止若しくは警告表示のいずれか一方のみを行なうようしてもよい。
【0040】従って、LCD表示部207に、撮影モードのメニュー画面を表示させて通常撮影モード、ボケ味調整モード及び階調調整モードのいずれかのモードが設定され、更に通常撮影モードが選択された場合は、ブレ抑制に関するモードのメニュー画面を表示させて手持ち撮影時においてブレ抑制を行なう、行なわないのいずれかのモードが設定される(図7参照)。
【0041】LCD表示部207の左側には電源スイッチ208が設けられている。この電源スイッチ208は記録モード(写真撮影の機能を果たすモード)及び再生モード(記録画像をLCD表示部207に再生するモード)を切換設定するモード設定スイッチを兼ねている。すなわち、電源スイッチ208は3点スライドスイッチからなり、接点を中央の「OFF」位置に設定すると、電源がオフになり、接点を上方の「REC」位置に設定すると、電源がオンになるとともに記録モードが設定され、接点を下方の「PLAY」位置に設定すると、電源がオンになるとともに再生モードが設定される。
【0042】LCD表示部207の右側上方位置には4連スイッチ209が設けられている。4連スイッチ209は円形の操作ボタンを有し、この操作ボタンにおける上下左右の4方向の押圧操作がそれぞれ検出されるようになっている。4連スイッチ209は多機能化され、例えばLCD表示部207に表示されるメニュー画面で選択された項目を変更したり、インデックス画面で選択された再生対象のコマを変更するための操作スイッチとして機能するとともに、左右方向のスイッチは交換レンズ3のズーム比を変更するためのスイッチとしても機能するようになっている。
【0043】また、4連スイッチ209の下方位置にはLCD表示部207の表示や表示内容に関する操作を行なうためスイッチ群210が設けられている。スイッチ群210には取消スイッチ210a、確定スイッチ210b、メニュースイッチ210c及び表示スイッチ210dが含まれる。
【0044】取消スイッチ210aはメニュー画面で選択された内容を取り消すためのスイッチである。確定スイッチ210bはメニュー画面で選択された内容を確定するためのスイッチである。メニュースイッチ210cはLCD表示部207にメニュー画面を表示させたり、そのメニュー画面の内容を切り換えたりするためのスイッチである。メニュースイッチ210cを押圧する毎にメニュー画面が切り換わる。表示スイッチ210dはLCD表示部207への表示を行なわせたり、その表示を消したりするスイッチである。電源電池E1〜E4の節電を図るため、カメラ起動時はLCD表示部207の表示は行なわれないようになっている。表示スイッチ210dを押圧する毎にLCD表示部207の表示と非表示とが交互に行なわれる。
【0045】図7は、メニュースイッチ210cによりメニュー画面を切換表示して撮影モードを設定する方法の一例を示す図である。
【0046】メニュースイッチ210cが押されると、LCD表示部207に所定のメニュー画面が表示され、メニュースイッチ210cを押す毎にメニュー画面の内容が切り換わる。図7は、メニュー画面が通常撮影モード及び特殊撮影モードを選択するための画面からブレ抑制に関するモードを選択設定するための画面に切り換えられて、撮影モード及びブレ抑制に関するモードが選択設定される様子を示したものである。
【0047】メニュー画面では、例えば複数の項目が配列表示され、現在選択されている項目に選択状態を示す表示(例えばカーソルや反転表示等)が行なわれる。撮影モードのメニュー画面では、LCD表示部207に、図7の上段に示すようなメニュー画面が表示される。このメニュー画面における「通常撮影」の項目は通常撮影モードのことで、銀塩カメラにおける撮影動作と同様の、特殊撮影を行なわないモードである。また「ボケ味調整撮影」及び「階調調整撮影」はそれぞれ特殊撮影モードの中のボケ味調整モードと階調調整モードのことである。
【0048】図7のメニュー画面において、4連スイッチ209の上方向スイッチが押されると、黒三角印のカーソルKの表示位置(すなわち、カーソルKが示す項目)が上方向にサイクリックに移動し、4連スイッチ209の下方向スイッチが押されると、カーソルKが示す項目表示位置が下方向にサイクリックに移動する。そして、スイッチ群210の確定スイッチ210bが押されると、その時カーソルKで指示されている項目(図6では階調調整モード)が撮影モードとして設定される。
【0049】従って、撮影者は撮影モードのメニュー画面において、4連スイッチ209を上下方向に操作して所望の撮影モードを選択し、確定スイッチ210dを操作することでその撮影モードを設定することができる。
【0050】図7の例では、階調調整モードが選択されているので、この状態で更にメニュースイッチ210cが押されると、同図の下段に示すようなブレ抑制に関するモードを選択設定するためのメニュー画面が表示される。このメニュー画面で「手持ち撮影時ブレ抑制処理を行なう」はブレ抑制モードに相当している。
【0051】このメニュー画面で4連スイッチ209を上下方向に操作して所望のモードを選択し、確定スイッチ210dを操作すると、そのモードが設定される。図7の例では、ブレ抑制モードが選択されているので、この状態で確定スイッチ210dが操作されると、そのブレ抑制モードが設定される。
【0052】そして、撮影モードについてモード設定が終了し、メニュースイッチ210cが押されと、次のメニュー画面(例えばAEモード選択画面)若しくは元のメニュー画面(例えばプレビュー画像の表示画面)に表示が切り換えられる。なお、AEモードについても同様の方法で所望のモードを設定することができる。
【0053】また、インデックス画面ではメモリカードMCに記録されている全ての画像から9コマ分のサムネイル画像が配列表示され、現在選択されているコマに選択されている表示(例えば点滅表示や枠表示等)が行なわれる。4連スイッチ209の上下左右の何れかの方向スイッチを押圧すると、メニュー画面やインデックス画面の選択状態を示す表示がその方向の項目やコマに移動する。例えば上方向スイッチを押圧すると、メニュー画面やインデックス画面の選択状態を示す表示が上方向の項目やコマに移動する。そして、何れかのサムネイル画像が選択された状態で確定スイッチ210dが操作されると、そのサムネイル画像のコマが再生される。
【0054】交換レンズ3のズーム操作では、4連スイッチ209の右方向スイッチを押圧すると、交換レンズ3がワイド側に連続的に移動し、4連スイッチ209の左方向スイッチを押圧すると、交換レンズ3のズーム用レンズがテレ側に連続的に移動する。
【0055】図8は、デジタルスチルカメラ1の内部構成を示すブロック構成図である。
【0056】デジタルスチルカメラ1は、主にレンズ101、撮像部102、信号処理部103、発光制御部104、レンズ制御部105、表示部106、操作部107及び全体制御部108で構成されている。
【0057】レンズ101は交換レンズ3に相当するものである。レンズ101はフォーカス用レンズ101a及びズーム用レンズ101bを備え、内部に透過光量を調節するための絞り101cが設けられている。
【0058】撮像部102はレンズ101を通して入射した被写体光像を画像信号(電気画像)に光電変換して取り込むものである。撮像部102にはカラー撮像素子205に相当するCCD102a、このCCD102aの撮像動作を制御するタイミングジェネレータ102b及びタイミングジェネレータ102bの駆動を制御するタイミング制御回路102cが含まれる。
【0059】CCD102aはタイミングジェネレータ102bから入力される駆動制御信号(積分開始信号/積分終了信号)に基づいて被写体光像を所定の時間(露光時間)だけ受光して画像信号(電荷蓄積信号)に変換し、その画像信号をタイミングジェネレータ102bから入力される読出制御信号(水平同期信号、垂直同期信号、転送信号等)を用いて信号処理部103に出力する。このとき、画像信号はR,G,Bの各色成分に分離されて信号処理部103に出力される。すなわち、画素位置(2h+1,2k+1)の各画素で受光された画像信号を順次読み出すことでRの色成分の画像信号が出力され、画素位置(2h+2,2k+1),(2h+1,2k+2)の各画素で受光された画像信号を順次読み出すことでGの色成分の画像信号が出力され、画素位置(2h+2,2k+2)の各画素で受光された画像信号を順次読み出すことでBの色成分の画像信号が出力される。
【0060】タイミングシェネレータ102bはタイミング制御回路102cから入力される制御信号に基づいて駆動制御信号を生成するとともに、基準クロックに基づいて読出制御信号を生成し、CCD102aに出力する。タイミング制御回路102cは撮像部102の撮影動作を制御するものである。タイミング制御回路102cは全体制御部108から入力される制御信号に基づいて撮影制御信号を生成する。この撮影制御信号には記録モードにおいて撮影待機中に被写体の動画像(以下、ライブビュー画像という。)を電子ビューファインダ4にモニタ表示するための撮影の制御信号、シャッタボタン6が操作されて被写体の静止画(以下、記録画像という。)を撮影するための制御信号、基準クロック、CCD102aから出力された画像信号を信号処理部103で信号処理するためのタイミング信号(同期クロック)などが含まれる。このタイミング信号は信号処理部103内の信号処理回路103a及びA/D変換回路103bに入力される。
【0061】信号処理部103はCCD102aから出力される画像信号に所定のアナログ信号処理及びデジタル信号処理を行うものである。画像信号の信号処理は当該画像データを構成する各画素の受光信号毎に行なわれる。以下、説明の便宜上、各画素の受光信号とこれらの集合により撮影画像を構成する画像信号とを区別するため、必要に応じて各画素の受光信号を画素信号(アナログ信号)もしくは画素データ(デジタル信号)という。
【0062】信号処理部103にはアナログ信号処理回路103a、A/D変換回路103b、黒レベル補正回路103c、WB調整回路103d、γ補正回路103e及び画像メモリ103fが含まれる。なお、黒レベル補正回路103c、WB調整回路103d及びγ補正回路103eはデジタル信号処理を行う回路を構成するものである。
【0063】アナログ信号処理回路103aは主にCDS回路(相関二重サンプリング)回路及びAGC(オートゲインコントロール)回路からなり、CCD102aから出力される画素信号のサンプリングノイズの低減と信号レベルの調整を行う。AGC回路におけるゲインコントロールには、絞り101cの絞り値とCCD102aの露光時間とで適性露出が得られなかった場合(例えば非常に低輝度の被写体を撮影する場合等)の撮影画像のレベル不足を補償する場合も含まれる。
【0064】A/D変換回路102bはアナログ信号処理回路103aから出力される各画素信号をデジタルの画素データに変換するものである。A/D変換回路102bは各画素信号を、例えば10ビットの画素データに変換する。
【0065】黒レベル補正回路103cはA/D変換された各画素データの黒レベルを基準の黒レベルに補正するものである。WB調整回路103dは撮影画像のホワイトバランスを調整するものである。WB調整回路103dは全体制御部108から入力されるレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分の画素データのレベルを変換することで撮影画像のホワイトバランスを調整する。なお、レベル変換テーブルの各色成分の変換係数は全体制御部108から撮影画像毎に設定される。γ補正回路103eは画素データのγ特性を補正するものである。γ補正回路103eは予め設定された補正テーブルを用いて各画素データのレベルを補正する。
【0066】画像メモリ103fは信号処理の終了した画像データを一時保存するメモリである。画像メモリ103fは少なくとも2フレーム分の画像データを記憶し得る容量を有している。これは、ボケ味調整モード等の撮影では2回連続して露光が行なわれ、2フレーム分の画像データが取り込まれるから、これらをそれぞれ保存できるようにするためである。なお、1フレーム分の画像データを記憶し得る記憶容量は、例えばCCD102aの画素数を1600×1200=192万とすると、192万個の画素データを記憶し得る容量である。
【0067】発光制御部104は全体制御部108から入力される発光制御信号に基づいてフラッシュ5の発光を制御する。発光制御信号には発光準備の指示、発光タイミング及び発光量とが含まれる。発光制御部104は全体制御部108から発光準備の指示があると、メインコンデンサ(図示していない)を充電して発光可能状態にし、発光タイミング信号に同期してメインコンデンサの蓄積電荷を放電することによりフラッシュ5を発光させる。そして、全体制御部108から入力される発光停止信号に基づいてメインコンデンサの蓄積電荷の放電を停止させる。これによりフラッシュ5は所要の発光量で発光される。
【0068】レンズ制御部105はレンズ101内のフォーカス用レンズ101a、ズーム用レンズ101b及び絞り101cの各部材の駆動を制御するものである。レンズ制御部105は絞り101cの絞り値を制御する絞り制御回路105a、フォーカスモータFMの駆動を制御するフォーカス制御回路105b及びズームモータZMの駆動を制御するズーム制御回路105cを備えている。
【0069】絞り制御回路105aは全体制御部108から入力される絞り値に基づいて絞り101aを駆動し、その開口量を当該絞り値に設定する。フォーカス制御回路105bは全体制御部108から入力されるAF制御信号(例えば駆動パルス数等の制御値)に基づいてフォーカスモータFMの駆動量を駆動し、フォーカス用レンズ101bを焦点位置に設定する。ズーム制御回路105cは全体制御部108から入力されるズーム制御信号(4連スイッチ209の操作情報)に基づいてズームモータZMを駆動し、ズーム用レンズ101bを4連スイッチ209で指定された方向に移動させる。すなわち、ズーム制御回路105cは全体制御部108から4連スイッチ209の右方向の操作情報が入力されると、ズームモータZMを正方向に駆動してズーム用レンズ101bをワイド側に移動させ、4連スイッチ209の左方向の操作情報が入力されると、ズームモータZMを逆方向に駆動してズーム用レンズ101bをテレ側に移動させる。
【0070】表示部106はLCD表示部207への表示と電子ビューファインダ4への表示とを行うものである。表示部106にはLCD表示部207に相当するディスプレイ106a及びVRAM106bと電子ビューファインダ4内のLCD表示部401に相当するディスプレイ106c及びVRAM106dとが含まれる。ディスプレイ106aは、例えば640×480=307200の画素数を有し、ディスプレイ106cは、例えば400×300=120000の画素数を有している。従って、VRAM106bはディスプレイ106aの画素数に対応して略30.7万個の画素データが記憶可能になされ、VRAM106dはディスプレイ106cの画素数に対応して略12万個の画素データが記憶可能になっている。
【0071】撮影待機中ではCCD102aで撮影され、所定の信号処理の後に画像メモリ103fに格納される動画の各フレーム画像のデータが順次、全体制御部108に読み出され、データサイズがディスプレイ106cの表示サイズに調整されて(すなわち、192万画素の画像データが略12万画素の画像データに調整されて)VRAM106dに転送される。これにより被写体のプレビュー画像がディスプレイ106c(LCD表示部401の表示面)にモニタ表示される。また、表示スイッチ210dに操作によりLCD表示部207の表示が指示されると、全体表示部108に読み出された各フレーム画像のデータがディスプレイ106aの表示サイズに調整されて(すなわち、192万画素の画像データが略30.7万画素の画像データに調整されて)VRAM106bに転送され、これにより被写体のプレビュー画像がディスプレイ106a(LCD表示部207の表示面)にもモニタ表示される。
【0072】更にメニュースイッチ210cの操作によりメニュー表示が指示されると、全体制御部108内のROM108aに記憶されたメニュー画面の画像データがVRAM106bに読み出され、これによりディスプレイ106aの表示内容がメニュー画面に切り換えられる。
【0073】再生モードでは全体制御部108によりメモリカードMCに記録された各コマ画像ファイルから撮影画像のサムネイル画像が読み出され、所定のフォーマットに従って配列されてインデックス表示用の画像データが作成され、その画像データがVRAM106bに読み出される。これによりディスプレイ106aにはメモリカードMCに記録された撮影画像の一覧が表示される。そして、4連スイッチ209の操作により再生すべきコマが指定されると、メモリカードMCに記録されたそのコマに対応する画像ファイルに記録された撮影画像の画像データが読み出され、ディスプレイ106aの表示サイズに調整されてVRAM106bに転送される。これにより撮影画像がディスプレイ106a(LCD表示部207の表示面)に再生表示される。
【0074】操作部107はカメラ本体2に設けられた撮影や再生に関する操作部材の操作情報を全体制御部108に入力するものである。操作部107から入力される操作情報にはシャッタボタン206、電源スイッチ208、4連スイッチ209、スイッチ群210等の各操作部材の操作情報が含まれる。
【0075】全体制御部108はデジタルスチルカメラ1の有する撮影機能及び再生機能を集中制御するものである。全体制御部108にはカードインターフエース109を介してメモリカードMCが接続されている。また、赤外線リモコン111から赤外線で入力される信号が赤外線インターフェース110を介して全体制御部108に入力されるようになっている。
【0076】全体制御部108に接続されたスイッチSPODは三脚取付部213に三脚が取り付けられたことを検出するスイッチ、スイッチSREMはリモコンモードが設定されていることを検出するスイッチ、スイッチSGRPはグリップ部202が手で握られていることを検出するスイッチに相当するものである。三脚取付部213に三脚が取り付けられると、スイッチSPODから全体制御部108にオン信号が入力され、リモコンモードが設定されると、スイッチSREMから全体制御部108にオン信号が入力され、グリップ部202が手で握られると、スイッチSRGPから全体制御部108にオン信号が入力される。
【0077】全体制御部108はマイクロコンクピュータからなり、撮影機能及び再生機能における種々の具体的な処理を行なうための処理プログラムや上述の撮像部102、信号処理部103、発光制御部104、レンズ制御部105、表示部106等の駆動を制御するための制御プログラムが記憶されたROM108aと処理プログラム及び制御プログラムに従って種々の演算作業を行なうためのRAM108bを備えている。
【0078】全体制御部108の行なう具体的な処理には、ライブビュー画像を取り込んだり、被写体を撮影する際の露出制御値(CCD102aの露光時間Tv〔Ev値〕と絞り101cの絞り値Av〔EV値〕)を算出する処理(露出制御値演算処理)、記録モードにおいてCCD102aから画像メモリ103fに取り込まれたライブビュー画像を電子ビューファイダ4に表示したり、再生モードにおいてメモリカードMCから画像メモリ103fに読み出した記録画像をLCD表示部207に表示する処理(画像表示処理)、記録モードにおいてCCD102aから画像メモリ103fに取り込まれた撮影画像をカードメモリMCに記録する処理(記録処理)したり、再生モードにおいてメモリカードMCから再生すべき撮影画像を画像メモリ103fに読み出す処理(再生処理)、ボケ味調整モード等の特殊撮影モードにおいて連続して露光動作を行なわせる処理(特殊露光制御処理)、特殊撮影モードでの露光動作及びカメラ本体2が三脚等に固定されているか否かの判別処理等が含まれる。
【0079】露出値演算部108c、表示制御部108d、記録制御部108e、再生制御部108f、特殊露光制御部108g、ブレ抑制処理部108h及びカメラ固定判別部108iは全体制御部108における上述の各処理を機能ブロックで表わしたものである。
【0080】露出値定部108cは露出値演算処理を行なうもので、ライブビュー画像のGの色成分の画像データを用いて被写体の輝度を判定し、その判定結果に基づいて露出制御値を演算する。
【0081】表示制御部108dは画像表示処理を行なうもので、上述の表示部106の表示動作、すなわち、画像メモリ103fに一時保存されている画像データを読み出し、必要に応じて画像サイズを表示先の画像サイズに調整した後、VRAM106cまたはVRAM106dに転送する動作を行なう。
【0082】記録制御部108eは記録処理を行なうものである。記録制御部108eは、通常撮影モードにおいて、シャッタボタン206により撮影が指示されると、撮影指示後に画像メモリ103fに一時記憶された画像データ(静止画の画像データ)をRAM108bに読み出し、例えば2次元DCT変換、ハフマン符号化等のJPEG方式による所定の圧縮処理を行なって記録用の画像データを作成する。また、画像メモリ103fから縦横両方向でそれぞれn画素毎に画素データをRAM108bに読み出すことで、画素数(1600/n)×(1200/n)のサムネイル画像を作成する。例えばn=8の場合、画素数200×150のサムネイル画像が作成される。更に、これらの記録用の画像データに付随して記録される撮影画像に関するタグ情報を作成する。このタグ情報にはレンズ名称、コマ番号、撮影時の焦点距離、撮影時のFナンバー、焦点位置、被写体輝度、ホワイトバランス調整値、撮影モード、圧縮率、撮影日、フラッシュ発光の有無等が含まれる。
【0083】そして、記録制御部108eは圧縮された撮影画像及びサムネイル画像の画像データにタグ情報を添付してEXIF(Exchangeable Image File Format)形式の画像ファイルを作成し、この画像ファイルをメモリカードMCに記録する。
【0084】ボケ味調整モード及び階調調整モードの撮影モードにおいては、撮影画像がA/D変換された後に画像ファイルが作成されてメモリカードMCに記録される。
【0085】これらの撮影モードでは1回のシャッタ操作で2枚の撮影画像A,Bが生じるので、各撮影画像A,Bについて非圧縮のTIFF(Tag Image File Format)形式の画像ファイルが作成されてそれぞれメモリカードMCに記録される。また、撮影画像A,Bはボケ味や階調などの優れた画像を生成するために用いられるので、両画像ファイルのタグ情報には画像合成用の撮影画像であることが認識できる情報が含まれる。また、撮影画像A,Bは画像合成によって画質を改善するためのものであるから、画質の低下要因となる圧縮処理は行なわないで、全画素データがそのまま記録される。
【0086】図9は、メモリカードMCに記録された画像ファイルの構成例を示すものである。
【0087】同図において、「P000001.TIF」、「P000002.TIF」等は画像ファイル名を示している。本実施形態では画像ファイル名を「PX.Y」で表記しており、「PX.Y」の「X」は画像ファイルが作成された順番を示す6桁の番号であり、「Y」は画像データの形式を示す記号である。「Y」に入る記号「TIF」はCCDの画素データをそのまま記録する形式のデータであることを示し、記号「JPG」はJPEG形式で圧縮されたデータであることを示している。
【0088】また、ボケ味調整モード及び階調調整モードでは連続して2枚の撮影画像が取り込まれ、これらの画像データについてそれぞれ画像ファイルが作成されるから、本実施形態では両画像ファイルを1つのホルダに纏めてメモリカードMCに記録するようになっている。従って、「1b」及び「2b」、「1t」等はそれぞれボケ味調整モード及び階調調整モードで撮影された画像ファイルのホルダ名を示している。
【0089】なお、本実施形態ではホルダ名を「Ni」で表記しており、「Ni」の「i」は撮影モードを示す記号(b,t)であり、「N」は各撮影モードにおける撮影順を示す番号である。例えば「1b」はボケ味調整モードで最初に撮影された画像の画像データが格納されたホルダであることを示し、「2b」はボケ味調整モードで2番目に撮影された画像の画像データが格納されたホルダであることを示している。
【0090】従って、図9は、ボケ味調整モードで撮影され、作成された2個のホルダ1b,2bと階調調整モードで撮影され、作成されたホルダ1tと通常撮影モードで撮影され、作成された2個の画像ファイル1n,2nとがホルダPに纏められてメモリカードMCに保存されていることを示している。
【0091】図10は、メモリカードMCへの画像ファイルの記録方法を示す図である。
【0092】メモリカードMCの先頭の記憶領域にはホルダー情報と各ホルダーに属する画像ファイルの情報とを記憶するインデックス領域が設けられ、その後の領域に各画像ファイルがファイル番号Xの順に記憶されている。
【0093】メモリカードMCにおける各画像ファイルの記録領域は3つの領域からなり、上から各領域にタグ情報のデータ、撮影画像のデータ及びサムネイル画像のデータが記憶される。タグ情報データ及びサムネイル画像データのデータサイズは画像ファイルによって変化しないが、撮影画像のデータサイズは圧縮率や撮影モードによって変化する。このため、メモリカードMCの画像ファイルの記憶領域に記憶可能なファイル数は各画像ファイルの撮影画像データのデータサイズによって変化する。
【0094】再生制御部108fはメモリカードMCに記録された撮影画像のLCD表示部207への再生処理を行なうものである。再生制御部108fは、電源スイッチ208により再生モードが設定されると、メモリカードMCに記録された各画像ファイルからサムネイル画像を読み出し、順次、所定のインデックスフォーマットに従ってVRAM106bに記憶する。例えば1ページ当たり、9枚のサムネイル画像が3×3に2次配列されるようにVRAM106bに記憶する。従って、これによりLCD表示部207に9枚の2次元配列されたサムネイル画像がインデックス表示される。
【0095】なお、撮影モードがボケ味調整モード及び階調調整モードである対関係の画像ファイルについては、両画像ファイルに同一のサムネイル画像が記憶されているので、一方の画像ファイルのみからサムネイル画像が読み出される。
【0096】インデックス表示されたサムネイル画像に対して再生すべきコマのサムネイル画像が4連スイッチ209及びスイッチ群210によって指定されると、再生処理部108fは、そのコマに対応する画像ファイルから撮影画像のデータを読み出し、そのコマが通常撮影モードの場合は、データが圧縮されているので、所定の伸長処理を行なった後、画像メモリ103fに記憶し、そのコマが通常撮影モードでない場合は、データは圧縮されていないので、そのまま画像メモリ103fに記憶する。この画像メモリ103fに読み出されたデータは、上述したように表示制御部108dによりデータサイズが調整されてVRAM106bに転送され、これによりLCD表示部207に再生表示される。
【0097】なお、再生すべきコマがボケ味調整モードで撮影されたコマである場合は、ピントの合っている撮影画像(本実施形態では後述するように2回目に撮影された画像)の画像ファイルから撮影画像のデータが読み出され、階調調整モード及び超解像モードで撮影されたコマである場合は、対応する画像ファイルの内、いずれか一方の画像ファイルから撮影画像のデータが読み出される。
【0098】特殊露光制御部108gは、ボケ味調整モード及び階調調整モードが設定されている状態でシャッタボタン6が全押しされたときのCCD102aの露光動作を制御するものである。特殊露光制御部108gは、基本的にS2スイッチがオンになると、画像合成用の画像を取り込むため、連続してCCD102aの露光動作を2回繰り返す。
【0099】図11はボケ味調整モードでの具体的な撮影手順を示すフローチャートである。
【0100】ボケ味調整モードにおいて、シャッタボタン206が半押しされると(#1でYES)、静止画撮影のための準備が行なわれる。すなわち、絞り101cの絞り値が開放絞り値(例えばF=2.8)に設定され(#3)、レンズ101の焦点が∞位置に調節される(#5)。また、CCD102aの露光時間が設定され、ホワイトバランス調整が行なわれる(#7)。
【0101】この状態でシャッタボタン206が全押しされると(#9でYES)、CCD102aをステップ#7で設定された露光時間だけ露光して被写体の静止画像が取り込まれる(#11)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#13)。この撮影画像はレンズ101の焦点を∞位置に調節しているので、画面の広い範囲でピントが合った画像となっている。
【0102】続いて、全体制御部108の表示制御部108dにより画像メモリ103fからRAM108bに画像データが読み出され、データサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に表示される(#15)。この表示処理は撮影直後に撮影画像をモニタできるようにするためのもので、最初の撮影画像が所定の時間(例えば2秒間)だけ表示される。
【0103】最初の撮影画像をモニタ表示しているのは、アフタービュー表示は撮影者が撮影直後に撮影画像の内容を確認し、撮り直しの要否を判断したいという要望を満たすものであるから、撮影者のシャッタ操作の最も近いタイミングで撮影され、しかも最もピント範囲を広くして撮影されている最初の撮影画像を表示させることがアフタービュー表示の目的に適うに考えられるからである。従って、このようなアフタービュー表示との関係を考慮して、最初の撮影では絞り101cの絞り値を開放絞り値にして被写界深度で最も深くするようにしている。
【0104】続いて、レンズ101の焦点が、例えば被写体距離3mに対応する焦点位置に調節され(#17)、更にCCD102aの露光時間が設定されるとともに、ホワイトバランス調整が行なわれる(#19)。
【0105】そして、CCD102aをステップ#19で設定された露光時間だけ露光して被写体の静止画像が取り込まれる(#21)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#23)。この撮影画像はレンズ101の焦点を被写体距離3mに対応する焦点位置に調節しているので、ほぼ画面内の主被写体に対しピントが合っている。
【0106】続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された最初の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、最初の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと最初の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。また、メモリカードMCにボケ味調整モードでの撮影画像に対するホルダが作成され、このホルダ内に最初の撮影画像の画像ファイルが記憶される(#25、図9参照)。
【0107】なお、この撮影画像に対するタグ情報の撮影モードには「ボケ味調整モード1/2」(図10参照)のように、ボケ味調整モードで1回目に撮影されたものであることを示す情報が付与される。
【0108】続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された2回目の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、2回目の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと2回目の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。そして、この画像ファイルはメモリカードMCの最初の撮影画像が格納されたホルダ内に記憶される(#27)。これにより撮影処理は終了し、撮影待機状態(ライブビュー画像の表示状態)に戻る。
【0109】なお、ボケ味調整モードで撮影された2枚目の撮影画像に付いてもタグ情報の撮影モードには「ボケ味調整モード2/2」のように、ボケ味調整モードで撮影されたものであることを示す情報が付与される。このように撮影モードに関する情報をタグ情報に入れているのは、通常撮影モードの撮影画像と識別するとともに、後述するように画像処理装置でこの画像ファイルが選択されたとき、自動的にボケ味調整処理の処理プログラムを起動して直ちにボケ味調整処理ができるようにするためである。
【0110】なお、この実施形態では、最初に遠景側に焦点を合わせた後、2回目に近景側に焦点を合すようにしているが、合焦位置の変更順はこの逆であってもよい。また、カメラ起動後、ボケ味調整モードで撮影が行なわれる場合、カメラ起動時はフォーカス用レンズ101aが∞位置に初期設定されるので、最初の撮影では遠景側に焦点を合わせる方がフォーカス制御の無駄が無く、合理的である。
【0111】また、2回目の撮影では合焦位置をカメラから3mの位置に固定しているが、これはボケ味調整処理により任意のピント状態の合成画像が作成されるので、合成前の撮影画像の合焦位置を正確に決定する必要性が低いこと、フォーカス制御の処理時間を出来るだけ短くして連続撮影を迅速に行なえるようにすることを考慮したものであり、合焦位置としてカメラからの距離を他の距離に固定してもよく、AF処理を行い、正確に主被写体までの距離としてもよい。
【0112】図12は、階調調整モードでの撮影手順を示すフローチャートである。
【0113】階調調整モードにおいて、シャッタボタン206が半押しされると(#31でYES)、静止画撮影のための準備が行なわれる。すなわち、レンズ101の焦点が主被写体に調節されるとともに、ライブビュー画像を用いて露出制御値(Tv,Av)が算出され、ホワイトバランス調整値が設定される(#33)。
【0114】この状態でシャッタボタン206が全押しされると(#35でYES)、ステップ#33で設定されたシャッタスピードTv(EV値)より2段階アンダーのシャッタスピード(Tv−2)が設定され(#37)、このシャッタスピードに相当する露光時間だけCCD102aを露光して被写体の静止画像が取り込まれる(#39)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#41)。この撮影画像はCCD102の露光時間を適正値より短くしているので、全体的に暗い画像となっている。
【0115】続いて、ステップ#33で設定されたシャッタスピードTv(EV値)より2段階オーバーのシャッタスピード(Tv+2)が設定され(#43)、このシャッタスピードに相当する露光時間だけCCD102aを露光して被写体の静止画画像が取り込まれる(#45)。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#47)。この撮影画像はCCD102の露光時間を適正値より長くしているので、全体的に明るい画像となっている。
【0116】続いて、全体制御部108の表示制御部108dにより画像メモリ103fから1回目の撮影画像Aの画像データと2回目の撮影画像Bの画像データとがRAM108bに読み出され、両撮影画像の平均濃度を有する画像C(以下、平均濃度画像Cという。)の画像データが作成される(#49)。すなわち、撮影画像Aを構成する画素データをga(i,j)(i=1,2,…n,j=1,2,…m)、撮影画像Bを構成する画素データをgb(i,j)とすると、gc(i,j)={ga(i,j)+gb(i,j)}/2を演算することで平均濃度画像Cの画像データが作成される。
【0117】この画像データはデータサイズが調整された後、VRAM106bに転送されてLCD表示部207に表示される(#51)。この表示処理は撮影直後に撮影画像をモニタできるようにするためのもので、平均濃度画像Cの表示は所定の時間(例えば2秒間)だけ行われる。
【0118】なお、階調調整モードでは、モニタ画像として平均濃度画像Cを用いているのは、1回目と2回目の撮影画像の濃度はそれぞれ適正濃度よりそれぞれ−側と+側にずれており、いずれもモニタ表示には適していないからである。また、平均値演算という簡易演算により正規の画像合成処理に近似した処理画像を作成してアフタービュー表示をさせることで、比較的適正な濃度を有する画像を撮影終了後に速やかにモニタ表示させることができるようにしている。
【0119】続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された最初の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、最初の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと最初の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。また、メモリカードMCに階調調整モードでの撮影画像に対するホルダが作成され、このホルダ内に最初の撮影画像の画像ファイルが記憶される(#53、図9参照)。
【0120】なお、この撮影画像に対するタグ情報の撮影モードには「階調調整モード1/2」のように、階調調整モードで1回目に撮影されたものであることを示す情報が付与される。
【0121】続いて、全体制御部108の記録制御部108eにより画像メモリ103fに記憶された2回目の撮影画像に対してタグ情報のデータが作成されるとともに、2回目の撮影画像の画像データを用いてサムネイル画像の画像データが作成され、これらのデータと2回目の撮影画像の画像データとから画像ファイルが作成される。そして、この画像ファイルはメモリカードMCの最初の撮影画像が格納されたホルダ内に記憶される(#55)。これにより撮影処理は終了し、撮影待機状態(ライブビュー画像の表示状態)に戻る。
【0122】なお、階調調整モードで撮影された2枚目の撮影画像に付いてもタグ情報の撮影モードには「階調調整モード2/2」のように、階調調整モードで撮影されたものであることを示す情報が付与される。
【0123】この実施形態では、適正な露出制御に対して±2段階だけずらした露出値で連続的に2枚の画像を撮影するようにしているが、適正露出値からのずれ量はこれに限定されるものではない。また、プラス/マイナスのずれ量を異なるようにしてもよく、撮影者がずれ量を設定できるようにしても良い。
【0124】図8に戻り、ブレ抑制処理部108hは、上述したように通常撮影モードにおいて、ブレ抑制モードが設定されているとき、設定された露光時間を分割し、その分割露時間で複数回の連続露光を行なってそれぞれ像ブレの少ない画像を取り込みとともに、これらの画像を合成して、設定された露光時間で撮影した場合に得られる撮影画像に相当する画像を得るものである。
【0125】図13は、ブレ抑制モードでの撮影処理を示すフローチャートである。ブレ抑制モードが設定されていると、特殊撮影モードにおける2回の連続撮影は、それぞれ図13に示す撮影処理手順で行なわれる。なお、図13に示すフローチャートでは、露光時間の分割数nを4にしている。
【0126】ブレ抑制モードでは、まず、設定されたシャッタスピードに対応する露光時間tが1/4にされ(#61)、何回目の露光であるかを示すカウンタnの値が「1」に設定される(#63)。そして、CCD102aを露光時間t/4だけ露光して1枚目の被写体の静止画像が取り込まれる。露光の後、CCD102aから出力される画像信号は信号処理部103で所定のアナログ信号処理、A/D変換及び所定のデジタル信号処理が行なわれて画像メモリ103fに記憶される(#65)。
【0127】続いて、4回の露光動作が終了しているか否かが判別される(#67)。今回は1回目であるから、ステップ#69に移行し、カウンタnの値を1だけインクリメントしてステップ#65に戻り、2枚目の被写体の静止画像が取り込まれる。
【0128】以下同様にして露光動作を繰り返し、4枚目の撮影画像が取り込まれると(#67でYES)、ステップ#71に移行し、1枚目の撮影画像と2〜4枚目の撮影画像との間でレジストレーション処理(1枚目の撮影画像に対する位置ずれ量の算出処理)がそれぞれ行なわれる(#71〜#79のループ)。
【0129】レジストレーション処理は、画像合成処理において画面内の同一の図柄を正確に合成するため、合成対象となる2枚の画像の位置を合わせるものである。レジストレーション処理では、例えば一方の撮影画像Aを基準にして他方の撮影画像Bを平行移動しつつ両撮影画像A,Bを照合して、両撮影画像A,Bが一致する撮影画像Bの平行移動量が算出される。一方の撮影画像Aに対する他方の撮影画像Bの一致度は、例えば撮影画像Bの平行移動量を引数とする両撮影画像A,Bのデータのレベル差の絶対値の総和(相関関数)が最小となる平行移動量が撮影画像Bを撮影画像Aに一致させるための移動量(すなわち、位置ずれ量)として算出される。
【0130】ステップ#71では何枚目の撮影画像についてのレジストレーション処理であるかをカウントするためのカウント値mが「2」に設定される。続いて、1枚目の撮影画像G1を基準にして2枚目の撮影画像G2を所定のピッチで平行移動しつつ相関係数rを算出し、その相関係数rが最大となる移動量(X1,Y1)が算出される(#73)。そして、この移動量(X1,Y1)に基づいて2枚目の撮影画像が1枚目の撮影画像と重なるように移動される(#75)。
【0131】続いて、4枚目の撮影画像について1枚目の撮影画像に対する位置合わせが終了しているか否かが判別される(#77)。今回は2枚目の撮影画像であるから、ステップ#79に移行し、カウンタmの値を1だけインクリメントしてステップ#73に戻り、3枚目の撮影画像について位置合わせ処理が行なわれる(#73,75)。
【0132】以下同様にして4枚目の撮影画像についても位置合わせ処理を行ない、全ての撮影画像の位置合わせ処理が終了すると(#77でYES)、ステップ#81に移行し、4枚目の撮影画像の合成処理が行なわれて処理を終了する。この合成処理では、レジストレーション処理後の全ての撮影画像G1,G2,G3,G4の重なる部分について、画素位置(k,h)毎に撮影画像G1の画素データD1(k,h)、撮影画像G2の画素データD3(k,h)、撮影画像G3の画素データD3(k,h)及び撮影画像G4の画素データD4(k,h)を加算して像ブレの抑制された撮影画像の画素データのD0(k,h)=D1(k,h)+D2(k,h)+D3(k,h)+D4(k,h)が算出される。
【0133】図8に戻り、カメラ固定判別部108iは、カメラ本体2が三脚等に固定されているか否かを判別するもので、スイッチSPOD,SREM,SGRPからの入力信号に基づいてカメラ本体2の保持状態を判別する。すなわち、スイッチSPODから三脚のセット信号が入力されている、スイッチSREMからリモートモードの設定信号が入力されている、若しくはスイッチSGRPからグリップ部201の保持検出信号が入力されていると、カメラ本体2は固定されていると判別され、いずれの信号も入力されていないと、カメラ本体2は手で保持されていると判別される。
【0134】次に、本発明に係るカメラ本体2の保持の仕方と撮影モードの設定内容とに基づく特殊撮影モードでの撮影制御について、図14,図15のフローチャートを用いて説明する。
【0135】図14,図15のフローチャートは、撮影モード設定時において、特殊撮影モードにおいては、カメラ本体2が手で保持されているときは、撮影を強制的に禁止してその旨の警告を行なう処理を行うものである。この処理は、記録モードにおいて定期的に行なわれ、レリーズが指示された後の露光動作において、その直前に設定されたフラグに基づいてカメラの動作が制御される。
【0136】まず、撮影モードの設定内容が変更されているか否かが判別され(#91)、撮影モードが変更されていない(#91でNO)、若しくは変更された撮影モードが通常撮影モードである場合(#93でYES)、ステップ#103に移行する。
【0137】一方、撮影モードが特殊撮影モードに変更設定されると(#91でYES,#93でNO)、更にカメラ本体2が三脚に固定されているか否か、グリップ部201が手で握られているか否か、リモコンモードに設定されているか否かが判別される(#95,#97,#99)。
【0138】カメラ本体2が三脚に固定されておらず(#95でNO)、グリップ部201が手で握られており(#97でNO)、リモコンモードが設定されていなければ(#99でNO)、すなわち、撮影者がカメラ本体2を手で保持し、シャッタボタン206の操作で撮影が行なわれると推定されるときは、撮影が禁止されるとともに、図16に示すようにLCD表示部207に撮影禁止モードが設定され、カメラ本体2を固定しないと撮影できない旨の警告表示が行なわれて(#101)、ステップ#91に戻る。なお、図16の例では、LCD表示部207の左下隅に「カメラを固定して下さい」というメッセージを表示させているが、EVF4にも同様の警告表示をするようにしてもよい。
【0139】また、カメラ本体2が三脚に固定されている(#95でYES)、グリップ部201が手で握られていない(#97でYES)、リモコンモードが設定されている(#99でYES)、の何れかであれば、すなわち、カメラ本体2が三脚にセットされていたり、基台に載置されていて固定されていると推定されるときは、撮影を許可して(#103)、ステップ#103に移行する。
【0140】ステップ#103に移行すると、通常撮影時のブレ抑制モードに関する設定が変更されているか否かが判別され、変更されていなければ(#103でNO)、処理を終了する。ブレ抑制モードに関する設定が変更されていれば(#103でYES)、その変更内容が判別され(#105)、手持ち撮影時でもブレ抑制処理を行なわないのであれば、ブレ抑制フラグをリセットして(すなわち、ブレ抑制処理を行なわないようにして)(#113)、処理を終了する。
【0141】一方、ブレ抑制処理を行なうのであれば、カメラ本体2が三脚に固定されているか否か、グリップ部201が手で握られているか否か、リモコンモードに設定されているか否かが判別され(#107,#109,#111)、カメラ本体2が三脚に固定されておらず(#107でNO)、グリップ部201が手で握られており(#109NO)、リモコンモードが設定されていなければ(#111でNO)、すなわち、撮影者がカメラ本体2を手で保持し、シャッタボタン206の操作で撮影が行なわれると推定されるときは、ブレ抑制フラグをセットして(すなわち、ブレ抑制処理を行なうようにして)(#115)、処理を終了する。
【0142】また、カメラ本体2が三脚に固定されている(#107でYES)、グリップ部201が手で握られていない(#109でYES)、リモコンモードが設定されている(#111でYES)、の何れかであれば、すなわち、カメラ本体2が三脚にセットされていたり、基台に載置されていて固定されていると推定されるときは、ブレ抑制機能を動作させないようにブレ抑制処理フラグがリセットされて(#113)、処理を終了する。
【0143】図14,図15のフローチャートによれば、例えばボケ味調整モードに変更設定されると、カメラ本体2が固定されていると推定される場合は、ブレ抑制機能を動作させないでボケ味調整モードでの撮影処理が行なわれ、カメラ本体2が手で保持されていると推定される場合は、ブレ抑制モードが設定されていれば、ブレ抑制機能を動作させてボケ味調整モードでの撮影処理が行なわれ、撮影禁止モードが設定されていれば、ボケ味調整モードでの撮影処理が禁止される(#91〜#101)。一方、通常撮影時においては、カメラ本体2が固定されているときは、ブレ抑制処理は行なわれない。
【0144】上記のように、本実施形態に係るデジタルスチルカメラ1は、カメラ本体2が手で保持されているか否かを判別し、カメラ本体2が手で保持された状態で特殊撮影モードにおける撮影が行なわれるときは、警告するようにしているので、撮影者はその警告によりカメラ本体2を三脚等に固定することで特殊撮影モードでの撮影における像ぶれを未然に防止することができる。
【0145】また、本実施形態に係るデジタルスチルカメラ1は、像ぶれを抑制するためのブレ抑制機能を備えているが、カメラ本体2が三脚等で固定された状態で撮影が行なわれるときは、ブレ抑制機能を動作させないようにしているので、不必要にブレ抑制機能を動作させることの弊害(不必要に処理時間が長く等)を低減することができる。
【0146】なお、カメラ本体2の固定状態によって特殊撮影時の画像処理を変更するようしてもよい。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、所定の画像合成処理に用いられる複数枚の撮影画像を取得するための特殊撮影モードを有し、この特殊撮影モードが設定されているとき、同一の被写体に対し少なくとも2回連続して露光動作を行なって複数枚の撮影画像を取得するデジタルスチルカメラにおいて、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別し、特殊撮影モードでの撮影でカメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別されると、警告するようにしたので、撮影者はこの警告によりカメラ本体を三脚に固定するなどの対策を取ることでブレの少ない画像合成用の複数枚の撮影画像を得ることができる。
【0148】また、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別し、カメラ本体が撮影者の手で保持されていないと判別されると、ブレ抑制撮影機能を動作させないようにしたので、固定撮影時に不必要にブレ抑制撮影機能を動作させることがなく、ブレ抑制撮影機能を動作させることによる撮影処理での処理速度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るデジタルスチルカメラのカメラ本体の正面図である。
【図2】 同デジタルスチルカメラの主要部材の配置を示す図である。
【図3】 三脚取付部の構造を示す図である。
【図4】 同デジタルスチルカメラに内蔵された主要部材の配置を示す右側面図である。
【図5】 同デジタルスチルカメラの背面図である。
【図6】 カラー撮像素子の撮像面の構成を示す図である。
【図7】 撮影モードの選択方法を説明するための図である。
【図8】 デジタルスチルカメラの内部構成を示すブロック図である。
【図9】 メモリカードに記録された画像ファイルの構成例を示す図である。
【図10】 メモリカードへの画像ファイルの記録方法を示す図である。
【図11】 ボケ味調整モードでの撮影手順を示すフローチャートである。
【図12】 階調調整モードでの撮影手順を示すフローチャートである。
【図13】 ブレ抑制モードでの撮影処理を示すフローチャートである。
【図14】 カメラ本体の保持の仕方と撮影モードの設定内容とに基づく特殊撮影モードでの撮影制御の内容を示すフローチャートである。
【図15】 カメラ本体の保持の仕方と撮影モードの設定内容とに基づく特殊撮影モードでの撮影制御の内容を示すフローチャートである。
【図16】 警告表示の一例を示す図である。
【図17】 連続して露光動作をした場合にカメラアングルが変化する様子を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルスチルカメラ
101 レンズ
102 撮像部
103 信号処理部
104 発光制御部
105 レンズ制御部
106 表示部
107 操作部
108 カードI/F
108 全体制御部(機能抑止手段)
108a ROM
108b RAM
108c 露出値演算部
108d 表示制御部
108e 記録制御部
108f 再生制御部
108g 特殊露光制御部
108h ブレ抑制処理部
108i カメラ固定判別部(判別手段)
109 カードインターフェース
110 赤外線インターフェース
111 赤外線リモコン
2 カメラ本体
205 カラー撮像素子
206 シャッタボタン
207 LCD表示部
208 電源スイッチ
209 4連スイッチ
210 スイッチ群
211 圧力センサ(検出手段)
212 リモコン受信部
213 三脚取付部
213a 雌ネジ
213b 導電性薄板
213c,213d 接点
3 交換レンズ
4 電子ビューファインダ
5 フラッシュ
SPOD,SREM,SGRP スイッチ(検出手段)
MC メモリカード
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の画像合成処理に用いられる複数枚の撮影画像を取得するための特殊撮影モードを有し、この特殊撮影モードが設定されているとき、同一の被写体に対し少なくとも2回連続して露光動作を行なって複数枚の撮影画像を取得するデジタルスチルカメラにおいて、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別する判別手段と、上記特殊撮影モードでの撮影で上記カメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別されると、警告する警告手段とを備えたことを特徴とするデジタルスチルカメラ。
【請求項2】 設定された露光時間を複数に分割し、分割された露光時間での露光動作によって得られた複数枚の撮影画像を互いに位置合わせして合成することにより、設定された露光時間で露光動作をしたとすると発生したであろう像ぶれを抑制した画像を取得するブレ抑制撮影機能とを備えたデジタルスチルカメラにおいて、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別する判別手段と、上記カメラ本体が撮影者の手で保持されていないと判別されると、上記ブレ抑制撮影機能を動作させないようにする機能抑止手段とを備えたことを特徴とするデジタルスチルカメラ。
【請求項3】 上記判別手段は、カメラ本体に三脚が取り付けられていないことを検出する検出手段を備え、この検出手段の検出出力に基づきカメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルスチルカメラ。
【請求項4】 上記判別手段は、カメラ本体のグリップ部が押圧されていることを検出する検出手段を備え、この検出手段の検出出力に基づきカメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルスチルカメラ。
【請求項5】 上記判別手段は、レリーズ操作が遠隔操作で行なわれないことを検出する検出手段を備え、この検出手段の検出出力に基づきカメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルスチルカメラ。
【請求項1】 所定の画像合成処理に用いられる複数枚の撮影画像を取得するための特殊撮影モードを有し、この特殊撮影モードが設定されているとき、同一の被写体に対し少なくとも2回連続して露光動作を行なって複数枚の撮影画像を取得するデジタルスチルカメラにおいて、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別する判別手段と、上記特殊撮影モードでの撮影で上記カメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別されると、警告する警告手段とを備えたことを特徴とするデジタルスチルカメラ。
【請求項2】 設定された露光時間を複数に分割し、分割された露光時間での露光動作によって得られた複数枚の撮影画像を互いに位置合わせして合成することにより、設定された露光時間で露光動作をしたとすると発生したであろう像ぶれを抑制した画像を取得するブレ抑制撮影機能とを備えたデジタルスチルカメラにおいて、カメラ本体が撮影者の手で保持されているか否かを判別する判別手段と、上記カメラ本体が撮影者の手で保持されていないと判別されると、上記ブレ抑制撮影機能を動作させないようにする機能抑止手段とを備えたことを特徴とするデジタルスチルカメラ。
【請求項3】 上記判別手段は、カメラ本体に三脚が取り付けられていないことを検出する検出手段を備え、この検出手段の検出出力に基づきカメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルスチルカメラ。
【請求項4】 上記判別手段は、カメラ本体のグリップ部が押圧されていることを検出する検出手段を備え、この検出手段の検出出力に基づきカメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルスチルカメラ。
【請求項5】 上記判別手段は、レリーズ操作が遠隔操作で行なわれないことを検出する検出手段を備え、この検出手段の検出出力に基づきカメラ本体が撮影者の手で保持されていると判別するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタルスチルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図16】
【図17】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図16】
【図17】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2002−112104(P2002−112104A)
【公開日】平成14年4月12日(2002.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−301354(P2000−301354)
【出願日】平成12年9月29日(2000.9.29)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年4月12日(2002.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年9月29日(2000.9.29)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]