説明

デバイス及び電子機器

【課題】信頼性の高いデバイス及び電子機器を提供すること。
【解決手段】基板と、前記基板の第1面に設けられ、第1端子を有する第1機能素子と、前記基板のうち前記第1面とは反対側の第2面に設けられ、前記第1端子に電気的に接続される第2端子を有する第2機能素子とを備える。第1機能素子が基板の第1面に設けられており、第2機能素子が基板の第2面に設けられている、すなわち、第1機能素子と第2機能素子との間に基板が配置されているので、当該基板によって第1機能素子と第2機能素子との間に生じる熱応力を緩和することができる。これにより、信頼性の高いデバイスを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイス及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水晶振動子などの圧電振動子と発振回路を含む半導体装置とが一体的に接合された圧電発信器が知られている。半導体装置は、例えばシリコンなどの半導体基板の両面に端子が形成された構成になっている。半導体基板の一方の面に設けられた端子は圧電振動子に接続される端子であり、半導体基板の他方の面に設けられた端子は外部端子となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−15444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、半導体基板と当該半導体基板上に設けられる端子とが異なる材料によって構成される場合、それぞれ熱膨張率が異なってしまう。このため、圧電発振器が高温下で使用された場合などには、半導体基板と端子との間に熱応力が発生し、当該熱応力によって端子が半導体基板から剥離される虞がある。
【0004】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、信頼性の高いデバイス及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るデバイスは、一の領域内に第1端子を有する第1機能素子と、前記第1端子に電気的に接続される第2端子を有する第2機能素子とを備えるデバイスであって、前記第1端子の平面視外周部の少なくとも一部を覆うように前記第1機能素子の前記一の領域内に設けられた被覆部材を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1機能素子の一の領域内に第1機能素子の平面視外周部の少なくとも一部を覆うように設けられた被覆部材を備えることとしたので、当該被覆部材によって第1端子を押さえることができる。これにより、第1端子が剥離するのを防ぐことができるため、信頼性の高いデバイスを得ることができる。
【0006】
上記のデバイスは、前記第1機能素子は、発振回路を有する回路素子であり、前記第1端子は、前記発振回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1機能素子が発振回路を有する回路素子であり、第1端子が当該発振回路に電気的に接続されていることとしたので、発振回路への信号及び発信回路からの信号の供給が途切れてしまうのを回避することができる。
【0007】
上記のデバイスは、前記第1端子は複数設けられており、前記複数の第1端子について前記被覆部材によって覆われる領域以外の領域の面積がそれぞれ等しいことを特徴とする。
本発明によれば、第1端子は複数設けられており、複数の第1端子について被覆部材によって覆われる領域以外の領域の面積がそれぞれ等しいので、実装時のはんだ量の不釣合いが原因となる凝集力の差によって生じる位置ずれを低減させることができる。
【0008】
上記のデバイスは、前記第1端子は複数設けられており、前記複数の第1端子について前記被覆部材によって覆われる領域以外の領域の位置が前記一の領域の中心について対称になっていることを特徴とする。
本発明によれば、第1端子は複数設けられており、複数の第1端子について被覆部材によって覆われる領域以外の領域の位置が一の領域の中心について対称になっているので、はんだ溶融中第1機能素子の中心部に対して対称的にはんだの凝集力が働き接続の搭載時の位置ずれを低減させることができる。
【0009】
上記のデバイスは、前記被覆部材は、前記一の領域の外周に沿って設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、被覆部材が一の領域の外周に沿って設けられていることとしたので、第1機能素子の外周からの熱応力による第1端子の剥離を効率的に防ぐことが可能となる。
【0010】
上記のデバイスは、前記被覆部材は、前記第1端子の外周部のうち前記一の領域の外周に沿った領域を覆うように設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、被覆部材が第1端子の外周部のうち一の領域の外周に沿った領域を覆うように設けられているので、一の領域において被覆部材によって覆われる領域を最小限に抑えつつ効率的に第1端子の剥離を抑えることができる。
【0011】
上記のデバイスは、前記被覆部材は、平面視で前記第1端子から外れた位置に前記第1機能素子の平面視における方向を示す開口部を有することを特徴とする。
本発明によれば、被覆部材が平面視で第1端子から外れた位置に第1機能素子の平面視における方向を示す開口部を有することとしたので、第1機能素子の平面視での方向を把握することができる。
【0012】
上記のデバイスは、前記第1機能素子は基板の第1面に実装されており、前記第2機能素子は基板の前記第1面とは反対の第2面に実装されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1機能素子が基板の第1面に実装されており、第2機能素子が基板の第1面とは反対の第2面に実装されていることとしたので、第1機能素子と第2機能素子との間の熱応力を基板によって吸収させることができる。これにより、第1機能素子と第2機能素子との間の電気的接続が切断されるのを抑えることができる。
【0013】
本発明に係る電子機器は、上記のデバイスを搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、信頼性の高いデバイスを搭載したので、高品質な電子機器を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る圧電発振器(デバイス)の構成を示す断面図である。
同図に示すように、圧電発振器90は、半導体装置(第1機能素子)5と、圧電振動子(第2機能素子)97とを備えており、半導体装置5と圧電振動子97とが一体化された構成になっている。
【0016】
(半導体装置)
半導体装置5は、半導体基板10、ウエハレベルCSP層30、バンプ37、接続端子(第1端子)54及びレジスト層(被覆部材)60を有している。
半導体基板10は、例えばシリコン等からなる板状部材である。半導体基板10には、当該半導体基板10の表面10a及び裏面10bを貫通する導電部12が設けられている。導電部12は、例えば銅(Cu)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ポリシリコンなどの導電性の高い材料からなる。導電部12によって半導体基板10の表面10a側と裏面10b側とが導通されている。導電部12と半導体基板10との間には不図示の絶縁膜が形成されている。この導電部12については、上記のように半導体基板10を貫通する構成の他、半導体基板10の側面に沿って形成された構成であっても構わない。
【0017】
半導体基板10の表面10a側には、下地層21、電極22、電極23、第1絶縁層24が設けられている。
下地層21は、例えば酸化珪素(SiO)、窒化珪素(Si)等の絶縁性材料によって形成されている。下地層21のうち複数の所定領域のそれぞれ電極22及び23が設けられており、これら電極22及び電極23が設けられた領域以外の領域には第1絶縁層24が設けられている。下地層21のうち導電部12に平面視で重なる部分には開口部が設けられており、下地層21の表面上に導電部12が露出した状態になっている。下地層21の表面には、例えばトランジスタ、メモリ素子を有する集積回路(不図示)が形成されており、この集積回路によって発振回路50が構成されている。発振回路50は、不図示の配線等を介して電極22及び電極23に電気的に接続されている。電極22及び電極23の材料としては、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、あるいは、これらを含む合金等が挙げられる。電極23は下地層21の開口部を覆うように設けられており、電極23の一部が当該開口部に露出している。電極23は、導電部12のうち半導体基板10の表面10a側の端部12aに電気的に接続されている。
【0018】
ウエハレベルCSP層30は、第1絶縁層24上に形成されており、第1配線31、金属膜32、第2絶縁層33、第2配線34及び第3絶縁層を有している。第1配線31は、電極22に電気的に接続されている。金属膜32は、電極23の表面に設けられている。第2絶縁層33は、第1配線31上及び金属膜32上を覆うように設けられている。第2配線34は、第2絶縁層33上に形成されており、第1配線31に電気的に接続されている。第3絶縁層35は、第2配線34上に形成されている。第1配線31の一部が第2絶縁層33に対して露出しており、この露出部分においてランド部36を形成している。ランド部36は、第2配線34に電気的に接続されている。第3絶縁層35は、第2絶縁層33上及び第2配線34上のバンプ37が形成される領域以外の領域を覆うように設けられている。金属膜32の材料としては、Au、TiW、Cu、Cr、Ni、Ti、W、NiV、Al等の金属を使用することができる。また、金属膜32は、これらの金属を積層して形成することも可能である。なお、金属膜(積層構造の場合、少なくとも1層)32は、電極よりも耐腐食性の高い材料、例えばAu、TiW、Crを用いて形成することが好ましい。
【0019】
バンプ37は、ウエハレベルCSP層30の第2配線34上に設けられた外部端子であり、例えばハンダボールなどからなる。このバンプ37は、外部基板Pに電気的に接続されるようになっている。バンプ37は、第1配線31及び第2配線34を介して電極22に電気的に接続されている。
【0020】
接続端子54は、半導体基板10の裏面10bに複数設けられている。各接続端子54の平面視での面積はほぼ等しくなっている。各接続端子54は導電部12のうち半導体基板10の裏面10b側の端部12bに接続されており、導電部12によって電極23と接続端子54とが電気的に接続されている。これら両端子の対向領域の大きさは略同一に形成されている。この接続端子54は、図1に示すように、断面視で図中左右方向の中央部が図中左右方向の端部に対して凹んだ凹形状(凹面形状)に形成されている。
【0021】
レジスト層60は、半導体基板10の裏面10b上に設けられている。このレジスト層60は、半導体基板10の裏面10bの略全面を覆うと共に、接続端子54の平面視外周部を覆うように配置されている。図2は、半導体基板10の裏面10bの平面構成を示す図である。同図に示すように、各接続端子54の外周部54a全体にレジスト層60が重なっている。各接続端子54の外周部54aは、レジスト層60によって半導体基板10の裏面10b側へ押圧されている。各接続端子54について、レジスト層60に対して露出している領域54b及び54cの面積は等しくなっている。この領域54bと領域54cとは、半導体基板10上において平面視での中心位置Qに対して対象になっている。
【0022】
(圧電振動子)
圧電振動子97は、水晶振動子91、支持基板92、封止部材93、引出電極94及び接続端子(第2端子)3を有しており、平面視で半導体装置5に重なる位置に配置されている。
【0023】
水晶振動子91は、支持基板92によって保持されている。支持基板92は、ガラスや石英等で形成された板状部材である。封止部材93は例えばガラスや石英等などからなり、当該支持基板92及び水晶振動子91を封止している。支持基板92の内面92aと封止部材93の内面93aとで囲まれた内部空間95が形成されており、当該内部空間95は略密閉(気密封止)された状態になっている。引出電極94は、封止部材93のうち半導体装置5に対向する面に複数設けられている。接続端子3は、各引出電極94の先端部に設けられている。この接続端子3と半導体装置5の接続端子54との間にはハンダ部7が形成されており、当該ハンダ部7によって接続端子3と接続端子54とが電気的に接続されている。
【0024】
圧電振動子97と半導体装置5との間には充填部材96が設けられている。充填部材96は、例えばエポキシ樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料によって構成されており、圧電振動子97と半導体装置5との間を封止している。当該封止部材96を設けることにより、水分などの不純物が圧電振動子97と半導体装置5との間に浸入しにくくなっている。
【0025】
図2は、半導体装置5を半導体基板10側(図1中の上側)から見た平面図である。
図2及び図3に示すように、圧電振動子97における接続端子3と、半導体装置5における接続端子54とがそれぞれ間隔をあけて複数、平面視で重なる位置で接続されている。接続端子3及び接続端子54の対向領域の大きさは略同一に形成されている。
【0026】
次に、図4から図8を参照して、圧電発振器90の製造方法について説明する。本実施形態においては、半導体装置5の製造についてシリコン基板100上に複数同時に一括して形成される手法を採用するが、簡単のため以下の各図においては1つの半導体装置5を形成する場合が示されている。
【0027】
図4(a)に示すように、まず半導体基板10上にウエハレベルCSP層30を形成する。半導体基板10の表面(能動面)10a上に下地層21を形成し、下地層21上に電極22及び電極23を形成する。電極22及び電極23を形成後、当該電極22及び電極23上には、第1絶縁層24を形成し、周知のフォトリソグラフィ法及びエッチング法によって電極22及び電極23を覆う絶縁材料を除去する。電極23を覆う絶縁材料は必ずしも除去しなくても良い。
【0028】
絶縁材料を除去した後、電極22を含む第1絶縁層24上に第1配線31を形成し、電極23の表面に金属膜32を形成する。第1配線31の形成方法としては、例えば、TiW、Cuの順にスパッタ法により形成した後、Cuをめっき法で形成することにより行われる。
【0029】
金属膜32の形成後、第1配線31及び金属膜32を覆うように第2絶縁層33を形成し、周知のフォトリソグラフィ法により、第2絶縁層33の一部を除去し、第1配線31の一部を露出させてランド部36を形成する。ランド部36の形成後、当該ランド部36に接続するように第2絶縁層33上に第2配線34を形成し、第2絶縁層33上及び第2配線34上のバンプ37が形成される領域以外の領域を覆うように第3絶縁層35を設ける。このように、ウエハレベルCSP層30が形成される。
【0030】
ウエハレベルCSP層30の形成後、図4(a)に二点鎖線で示す接着層150を介して、ガラスウエハからなる支持部材200に半導体基板10の表面10a側を支持させる。支持部材200としては、例えばシリコン基板100と略同じ大きさの部材を用いるようにする。接着層150としては、熱硬化性接着剤や光硬化性接着剤等の硬化性接着剤を使用するのが望ましい。
【0031】
半導体基板10を支持部材200に貼り付けた後、砥石等の研削部材を用いて裏面10b側から半導体基板10を研削(バックグラインド)し、例えば100μm程度の厚みまで薄厚化する。スピンエッチング、又はドライポリッシュ等によって基板表面に形成される破砕層を取り除く。基板の薄厚化する方法として、CMP(化学的機械的研磨)を用いることも可能である。
【0032】
半導体基板10を所定の厚みに研削した後、図4(b)に示すように、半導体基板10の裏面10bにフォトレジスト40を形成し、当該フォトレジスト40をマスクとしてドライエッチングによって電極23に対応した半導体基板10及び下地層21を除去する。下地層21の除去後、図4(c)に示すように、半導体基板10の裏面10bから、表面10aに設けられた電極23の裏面が露出するまでエッチングを行い、溝11を形成する。
【0033】
溝11の形成後、図5(a)に示すように半導体基板10の裏面10b及び溝11の内壁に裏面絶縁層14及び絶縁膜13を形成する。絶縁膜13形成後、電極23の裏面部分に設けられた絶縁膜13をドライエッチングあるいはレーザ加工を行い、この部分の絶縁膜13を除去する。図5(b)に示すように、溝11の側壁のみに絶縁膜13が設けられた状態となる。溝11内の絶縁膜13を除去後、たとえば、スパッタ法によりパリア層としてTiW、TiN、Tiを成膜後、後の電気化学プレーティング(ECP)のシード層としてCuを成膜する。その後、電気化学プレーティング法によって溝11の内部にめっき処理を施し、溝11の内側に導電性材料を配置して導電部12を形成し、導電部12の下端部と露出した電極23とを電極23の裏面で電気的に接続する。
【0034】
導電部12を形成後、半導体基板10の裏面10bに接続端子54をめっき法で形成する。図5(c)に示すように、接続端子54と導電部12とが電気的に接続された状態になる。接続端子54をめっき法で形成することにより、中央部が縁部に対して凹んだ凹形状に形成されることになる。接続端子54の対向領域の幅が300μm〜1mmであれば、凹み量は10〜20μmとなる。
【0035】
接続端子54の形成後、図6(a)に示すように、半導体基板10の裏面10b側にレジスト層60を形成する。半導体基板10の裏面10b全体にレジスト層を塗布し、パターニングによって接続端子54の外周部54a及び半導体基板10の裏面10bを除く部分のレジスト(接続端子54の中央部のレジスト)を除去する。レジスト層60の形成後、図6(b)に示すように、当該接続端子54上に、例えば鉛フリーはんだからなるハンダ7を搭載する。このハンダ7は、例えば厚さ10〜20μmで形成される。
【0036】
この後、半導体基板10の裏面10bに対してダイシングテープを貼り付け、一方、半導体装置10の能動面10aに貼り付けられている支持部材200および支持部材200を保持している接着層を取り除く。その後、図7に示すように、ダイシング装置110によってシリコンウエハ(基板)10を半導体装置5毎にダイシング(切断)し、個片化する。このような工程により、図1に示す半導体装置5が製造される。
【0037】
一方、圧電振動子97においては、大判のガラスウエハ(支持基板92の集合体)250上に複数の水晶振動子91を形成し、各水晶振動子91を封止基板93によって気密封止する。水晶振動子91の封止後、封止部材93上に水晶振動子91に接続された引出電極94を形成する。引き出し電極94の形成後、半導体基板10の接続端子54と略同一の大きさとなるように引出電極94の先端に接続端子3をパターニング形成する。
【0038】
接続端子3の形成後、図6に示すように、ガラスウエハ250上の接続端子3に、印刷、スピンコーティングあるいはディスペンス等によりフラックスまたはソルダーペーストを供給し、半導体装置5の接続端子54が接続端子3と対向するように個片化された半導体装置5をガラスウエハ250上に搭載する。この段階ではガラスウエハ250及び半導体装置5に対する加熱は行わず、フラックスまたはソルダーペーストの粘着力で半導体装置5をガラスウエハ250に保持させる。半導体装置5の搭載後、リフロー炉やホットプレート等の加熱手段により、ガラスウエハ250を加熱する。このとき、加熱温度は、ハンダ7が充分に溶解(溶融)する温度であり、例えば240℃以上が望ましい。
【0039】
加熱後、半導体基板10の表面10a側に形成されたランド36上に、例えば鉛フリーはんだからなるバンプ37を搭載する。バンプ37を設ける際には、はんだボールを第2配線34上に搭載する形態でもよいし、はんだペーストを第2配線34上に印刷する形態や、塗布によって形成されるハンダコートでもよい。なお、バンプ37はウエハレベルCSP層形成後、支持部材200を貼り付けるための接着層160を設ける前に形成してもよい。その場合、接着層150の厚みに関して、形成された端子の高さを覆う程度の厚みに形成することが望ましい。バンプの形成方法としては、はんだボールを搭載、または、はんだペーストを印刷によって供給しリフロー法などの加熱によって形成することができる。その場合、残留するフラックスを除去するために、洗浄することが望ましい。
【0040】
バンプ37を形成後、ガラスウエハ250上の接続端子3と半導体装置5の接続端子54との接合部周辺に残留したフラックスを洗浄することにより除去した後、パッケージ体97と半導体装置5との間を封止樹脂96で封止する。封止後、シリコンウエハ10をダンシングした場合と同様、ガラスウエハ250をダイシング(切断)して分割することにより、図8に示すように複数の圧電発振器90が個片化されて完成する。
【0041】
このように、本実施形態によれば、半導体装置5の半導体基板10の裏面10bに接続端子54の外周部54aを覆うようにレジスト層60が設けられているので、当該レジスト層60によって接続端子54を半導体基板10の方へ押さえることができる。これにより、接続端子54が剥離するのを防ぐことができるため、信頼性の高い圧電発振器90を得ることができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、各接続端子54についてレジスト層60によって覆われる領域54a以外の領域54b及び領域54cの面積がそれぞれ等しいので、実装時のはんだ量の不釣合いが原因となる凝集力の差によって生じる位置ずれを低減させることができる。また、各接続端子54について領域54b及び領域54cの位置が半導体基板10の中心部Qについて対称になっているので、はんだ溶融中半導体基板10の中心部Qに対して対称的にはんだの凝集力が働き接続の位置ずれを低減させることができる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態では、上記の圧電発振器90を搭載した電子機器として、携帯電話を例に挙げて説明する。図9は、携帯電話300の構成を示す斜視図である。
【0044】
圧電発振器90は、例えばプリント配線基板P等に実装された状態で携帯電話300に搭載されている。
この携帯電話300にあっても、圧電発振器90がプリント配線基板Pなどに高精度に実装可能な構造となっているので、この圧電発振器90を備えた電子機器において接合品質が保持され、小型、薄型化が実現された高品質の電子機器を得ることができる。なお、電子機器としては、テレビ等のリモコンやデジタルカメラなど、各種のものを挙げることができる。
【0045】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態では、レジスト層60が接続端子54の外周部54a全体及び半導体基板10のうち2つの接続端子54の間の領域全体を覆う構成であったが、これに限られることは無い。
【0046】
例えば図10に示すように、レジスト層60が半導体基板10の外周に沿って環状に形成された構成であっても構わない。この場合、レジスト層60は、接続端子54の4辺のうち図中上辺54d、図中下辺54f及び半導体基板10の外周側の辺54eを覆うことになる。また、半導体基板10のうち接続端子54の間の領域はほとんどレジスト層60に覆われない構成となる。この構成によれば、レジスト層60が半導体基板10の外周に沿って設けられていることとしたので、半導体装置5の外周からの熱応力による接続端子54の剥離を効率的に防ぐことが可能となる。
【0047】
また、例えば図11に示すように、レジスト層60が各接続端子54の図中上辺54d、図中下辺54f及び半導体基板10の外周側の辺54eに沿って形成される構成であっても構わない。この場合、2つの接続端子54の間の領域にはレジスト層60が設けられない構成となる。このような構成によれば、半導体基板10の裏面10b上でレジスト層60に覆われる領域を最小限に抑えつつ効率的に接続端子54の剥離を抑えることができる。
【0048】
また、上記実施形態では、レジスト層60が半導体基板10のうち2つの接続端子54の間の領域の全面を覆う構成であったが、これに限られることは無い。例えば図12に示すように、レジスト層60のうち2つの接続端子54の間の領域61に開口部60aを設ける構成であっても構わない。この開口部60aは、半導体基板10の平面視での方向を示すものであり、例えば領域61の図中左下に配置された平面視円形の開口部である。半導体基板10の裏面10bを見たときに開口部60aが左下に位置するように基準方向を設定し、把握することができる。開口部の形状は開口部60aのような平面視円形に限られず、例えば開口部60bのように方向を示す矢印形状であっても良い。また、三角形や四角形など、他の形状であっても構わない。
【0049】
また、上記実施形態では、半導体装置5の接続端子54と圧電振動子97の接続端子3とがハンダ部7によって直接接続されている構成を説明したが、これに限られることは無い。例えば図13に示すように、半導体装置5と圧電振動子97との間に中継基板70を介挿する構成であっても構わない。また、圧電振動子97は、内部に圧電振動片97aを収容して、蓋体97bにより封止されているパッケージであってもよい。中継基板70は、表面(第1面)70aに接続端子72が、裏面(第2面)70bに接続端子73がそれぞれ設けられており、当該接続端子72及び接続端子73は基板71を貫通する導電部74によって導通された構成になっている。この圧電発振器90は、中継基板70の表面70aに半導体装置5が実装され、中継基板70の裏面70bに圧電振動子97が実装された構成になっている。接続端子72には半導体装置5の接続端子54がハンダ7によって接続され、接続端子73には圧電振動子97の接続端子3がハンダ(図示しない)によって接続されている。半導体装置5の半導体基板10の裏面10bには上記実施形態と同様に接続端子54の外周部を覆うレジスト層60が設けられている。このような構成によれば、半導体装置5と圧電振動子97との間の熱応力を中継基板70によって吸収させることができる。これにより、半導体装置5と圧電振動子97との間の電気的接続が熱応力によって切断されるのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧電発振器の構成を示す断面図。
【図2】本実施形態に係る圧電発振器の一部の構成を示す平面図。
【図3】本実施形態に係る圧電発振器の一部の構成を示す平面図。
【図4】本実施形態に係る圧電発振器の製造過程を示す工程図。
【図5】同、工程図。
【図6】同、工程図。
【図7】同、工程図。
【図8】同、工程図。
【図9】本発明の第2実施形態に係る携帯電話の構成を示す斜視図。
【図10】本発明に係る圧電発振器の他の構成を示す断面図。
【図11】本発明に係る圧電発振器の他の構成を示す断面図。
【図12】本発明に係る圧電発振器の他の構成を示す断面図。
【図13】本発明に係る圧電発振器の他の構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0051】
P…外部基板 3…接続端子(第2端子) 5…半導体装置(第1機能素子) 54…接続端子(第1端子) 60…レジスト層(被覆部材) 90…圧電発振器(デバイス) 97…圧電振動子(第2機能素子) 300…携帯電話(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の領域内に第1端子を有する第1機能素子と、前記第1端子に電気的に接続される第2端子を有する第2機能素子とを備えるデバイスであって、
前記第1端子の平面視外周部の少なくとも一部を覆うように前記第1機能素子の前記一の領域内に設けられた被覆部材を備える
ことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記第1機能素子は、発振回路を有する回路素子であり、
前記第1端子は、前記発振回路に電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1端子は複数設けられており、
前記複数の第1端子について前記被覆部材によって覆われる領域以外の領域の面積がそれぞれ等しい
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1端子は複数設けられており、
前記複数の第1端子について前記被覆部材によって覆われる領域以外の領域の位置が前記一の領域の中心について対称になっている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記被覆部材は、前記一の領域の外周に沿って設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記被覆部材は、前記第1端子の外周部のうち前記一の領域の外周に沿った領域を覆うように設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記被覆部材は、平面視で前記第1端子から外れた位置に前記第1機能素子の平面視における方向を示す開口部を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1機能素子は基板の第1面に実装されており、
前記第2機能素子は基板の前記第1面とは反対の第2面に実装されている
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載のデバイスを搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−88937(P2009−88937A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255245(P2007−255245)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】