説明

データミラー型クラスタシステム及びその運用方法

【課題】 記憶装置再同期時における現用系のコンピュータ装置にかかる負荷を、通常運転時の負荷までに軽減させるデータミラー型クラスタシステムを提供する。
【解決手段】 通常は現用系と待機系のコンピュータ装置1、2のミラーリング領域112,212内のデータをミラーリングする。コンピュータ装置2の停止中にミラーリング領域112に新規データが書き込まれると、該データ及びその書き込み記録をミラーリング領域112と差分データ蓄積用コンピュータ装置3の差分データ蓄積領域312に保存する。コンピュータ装置2が復旧すると、差分データ蓄積領域312に蓄積されたデータをミラーリング領域222へ反映する。ミラーリング再開前は、ミラーリング領域112へ新たに書き込まれるデータとその記録を差分データ蓄積領域322に書き込む。差分データ蓄積領域322に書き込まれたデータを全てミラーリング領域222へ反映させた後で、ミラーリング領域112,212間のミラーリングを再開させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データミラー型クラスタシステム及びその運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クラスタシステムでは、業務用のアプリケーションが起動しているコンピュータ装置を現用系、現用系のコンピュータ装置が停止した場合や現用系で起動しているアプリケーションが停止した場合に業務を引き継ぐコンピュータ装置を待機系と呼ぶ。
【0003】
データミラー型のクラスタシステムでは、現用系のコンピュータ装置の記憶装置にデータが書き込まれると、直ちに待機系のコンピュータ装置の記憶装置にも同じ内容が書き込まれる。
【0004】
このように、常に現用系及び待機系のコンピュータ装置の記憶装置内のデータが互いに同じとなるようにミラーリングを行っている。
【0005】
ところが、待機系のコンピュータ装置が停止した場合には、現用系の記憶装置のみに新しいデータが書き込まれるため、待機系の記憶装置と現用系の記憶装置に保存されているデータに差分が生じてしまう。
【0006】
従来のデータミラー型のクラスタシステムでは、待機系のコンピュータ装置が停止している間に行われた新規の書き込みを、現用系の記憶装置に記録しておき、待機系のコンピュータ装置が復旧した後で待機系の記憶装置に反映させ、両コンピュータ装置の記憶装置内のデータの一致を図る(これを再同期と呼ぶ)。
【0007】
また、再同期処理が終わり、両記憶装置内のデータが一致した時、現用系と待機系の記憶装置のミラーリングを再開させる。
【0008】
なお、データミラー型のクラスタシステムについては、例えば、特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2005−293315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のデータミラー型のクラスタシステムでは、現用系の記憶装置への書き込みのプロセスと、該プロセスの記録を取るプロセスと、待機系のコンピュータ装置が停止している間に現用系のコンピュータ装置に蓄積された記憶装置への書き込みの記録を待機系の記憶装置に反映するプロセスと、が現用系のコンピュータ装置において並列的に進行するため、現用系のコンピュータ装置の負荷が大きい。
【0010】
このため、現用系で起動しているアプリケーションおよび記憶装置へのアクセスを生じるプロセスの処理速度が、記憶装置内のデータ再同期時においては、通常運転時のそれと比べて遅くなるという問題が生じる。
【0011】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、記憶装置再同期時における現用系のコンピュータ装置にかかる負荷を、通常運転時の負荷にまで軽減させることが可能なデータミラー型クラスタシステム及びその運用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明のデータミラー型クラスタシステムは、現用系のコンピュータ装置と、前記現用系のコンピュータ装置に障害が発生した場合に前記現用系コンピュータ装置の業務を引き継ぐ待機系のコンピュータ装置と、を備え、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置に生じたデータの変更を前記待機系のコンピュータ装置が備える記憶装置に反映するミラーリングが通常時に行われるデータミラー型クラタシステムにおいて、前記待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置にデータの変更が生じた場合に、該変更されたデータを記憶保持する差分データ蓄積用コンピュータ装置を更に備え、前記待機系のコンピュータ装置が障害から復旧した場合には、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置に保持されたデータを、前記待機系のコンピュータ装置の記憶装置に反映させるようにしたことを特徴としている。
【0013】
本発明のデータミラー型クラスタシステムにおいては、前記現用系のコンピュータ装置は、前記待機系のコンピュータ装置での障害発生を検出すると、ミラーリングを停止させ、前記待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置にデータの変更が生じた場合には、前記現用系のコンピュータ装置は、該変更されたデータを前記差分データ蓄積用コンピュータ装置に送信し、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置は、前記現用系のコンピュータ装置から前記変更されたデータを受信すると、該データを当該前記差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置に記憶保持することが好ましい。
【0014】
本発明のデータミラー型クラスタシステムにおいては、前記現用系のコンピュータ装置は、前記待機系のコンピュータ装置が障害から復旧したことを検出すると、その旨を前記差分データ蓄積用コンピュータ装置に通知し、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置は、前記待機系のコンピュータ装置が障害から復旧した旨の通知を受けると、前記現用系のコンピュータ装置から受信し当該差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置に記憶保持している前記データを、前記待機系のコンピュータ装置に送信し、前記待機系のコンピュータ装置は、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置から前記データを受信すると、該データを当該待機系のコンピュータ装置の記憶装置に保存することが好ましい。
【0015】
本発明のデータミラー型クラスタシステムにおいては、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置は、前記待機系のコンピュータ装置の障害からの復旧後、前記待機系の記憶装置の記憶内容が前記現用系の記憶装置の記憶内容と同一となったことを検出すると、その旨を前記現用系のコンピュータ装置に通知し、該通知を受けた現用系のコンピュータ装置は、ミラーリングを再開させることが好ましい。
【0016】
本発明のデータミラー型クラスタシステムにおいては、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置は、前記待機系のコンピュータ装置の障害からの復旧後、前記待機系の記憶装置の記憶内容が前記現用系の記憶装置の記憶内容と同一となったことを検出すると、前記待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置において変更され当該差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置にも記憶保持されているデータを、消去することが好ましい。
【0017】
本発明のデータミラー型クラスタシステムにおいては、通常時においては、前記現用系のコンピュータ装置の記憶装置にデータの変更が生じると、該現用系のコンピュータ装置は該データに関する書き込み記録も併せて当該記憶装置に保存する一方で、該データ及び該書き込み記録を、前記待機系のコンピュータ装置に送信して該待機系のコンピュータ装置の記憶装置に保存させることにより、ミラーリングを行わせ、前記待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置にデータの変更が生じた場合には、前記現用系のコンピュータ装置は、該変更されたデータ及びその書き込み記録を、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置に送信して該差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置に記憶保持させ、前記待機系のコンピュータ装置が障害から復旧した場合には、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置は、該差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置に保存されているデータ及びその書き込み記録を、前記待機系のコンピュータ装置に送信し、前記待機系のコンピュータ装置は、このうち書き込み記録を当該待機系のコンピュータ装置の記憶装置に保存するとともに、該書き込み記録に基づいて、該書き込み記録と対応するデータを所定の記憶領域に保存することが好ましい。
【0018】
本発明のデータミラー型クラスタシステムの運用方法は、現用系のコンピュータ装置と、前記現用系のコンピュータ装置に障害が発生した場合に前記現用系コンピュータ装置の業務を引き継ぐ待機系のコンピュータ装置と、を備え、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置に生じたデータの変更を前記待機系のコンピュータ装置が備える記憶装置に反映するミラーリングが通常時に行われるデータミラー型クラタシステムを運用する方法において、前記待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置にデータの変更が生じた場合には、該変更されたデータを、前記現用系及び前記待機系のコンピュータ装置とは別の差分データ蓄積用コンピュータ装置に記憶保持させる第1の過程と、前記待機系のコンピュータ装置が障害から復旧した場合に、前記第1の過程により前記差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置に保持されたデータを、前記待機系のコンピュータ装置の記憶装置に反映させる第2の過程と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間中に現用系のコンピュータ装置の記憶装置に新規に書き込まれたデータを、待機系のコンピュータ装置が復旧した際に該待機系のコンピュータ装置の記憶装置に反映させる処理(再同期処理)を、差分データ蓄積用コンピュータ装置と待機系のコンピュータ装置の協働によりに行うので、再同期処理の際に現用系のコンピュータ装置にかかる負荷を、通常運転時の負荷にまで軽減させることができる。また、このように再同期処理の際に現用系のコンピュータ装置にかかる負荷を軽減させることにより、再同期処理を高速化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
【0021】
図1は実施形態に係るデータミラー型クラスタシステム100を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係るデータミラー型クラスタシステム100は、一方が現用系で他方が待機系となる2台のコンピュータ装置1,2と、1台の差分データ蓄積用コンピュータ装置3と、から構成される。
【0023】
なお、現用系のコンピュータ装置は、業務用のアプリケーションが起動しているコンピュータ装置である。
【0024】
また、待機系のコンピュータ装置は、現用系のコンピュータ装置に障害が発生した場合(現用系のコンピュータ装置が停止した場合や現用系のコンピュータ装置において起動しているアプリケーションが停止した場合)に業務を引き継ぐコンピュータ装置である。
【0025】
3台のコンピュータ装置1,2,3はそれぞれネットワーク9に接続されており、互いにネットワーク9を介しての通信が可能である。
【0026】
コンピュータ装置1は、記憶装置11を備えている。記憶装置11内には、OS領域111、ミラーリング領域112があり、クラスタ構築用ソフトウェア113、業務用ソフトウェア114がインストールされている。
【0027】
同様に、コンピュータ装置2は、記憶装置21を備えている。記憶装置21内には、OS領域211、ミラーリング領域212があり、クラスタ構築用ソフトウェア213、業務用ソフトウェア214がインストールされている。
【0028】
差分データ蓄積用コンピュータ装置3は、記憶装置31を備えている。記憶装置31内には、OS領域311、差分データ蓄積領域312があり、差分データ管理用ソフトウェア313がインストールされている。
【0029】
業務用ソフトウェア114,214は、コンピュータ装置1,2がそれぞれ通常業務を実行するためのプログラムである。
【0030】
クラスタ構築用ソフトウェア113,213は、ミラーリング領域112,212の記憶内容を互いに同一とさせる処理などをコンピュータ装置1,2が実行するためのプログラムである。
【0031】
OS領域111、211、311には、それぞれOSのプログラムが格納されている。
【0032】
ミラーリング領域112、212は、通常時には、クラスタ構築用ソフトウェア113,213のプログラムに従った処理をコンピュータ装置1,2が行うことにより、すなわち通常のミラーリング動作が実行されることにより、互いに同一の記憶内容とされる。
【0033】
また、差分データ管理用ソフトウェア313は、コンピュータ装置1,2のうち待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に現用系のコンピュータ装置のミラーリング領域(ミラーリング領域112又は212)にデータの変更が生じた場合に該データの変更に関する情報を差分データ蓄積領域312に蓄積させる処理や、差分データ蓄積領域312に蓄積された情報を待機系のコンピュータ装置が復旧した後で待機系のコンピュータ装置のミラーリング領域に反映させる処理などをコンピュータ装置3が実行するためのプログラムである。
【0034】
現用系のコンピュータ装置1と待機系のコンピュータ装置2とは、正常動作時には、例えば、正常動作している旨を示す正常動作信号を第1の所定時間T1毎に互いに送信し合っており、この正常動作信号を第2の所定時間T2(T1<T2)毎に他方のコンピュータ装置から受信する期間は、クラスタ構築用ソフトウェア113に従った処理により、他方のコンピュータ装置が正常動作していると認識する。また、正常動作信号を第2の所定時間T2毎に他方のコンピュータ装置から受信できない場合には、クラスタ構築用ソフトウェア113、213に従った処理により、他方のコンピュータ装置に障害が発生したと認識する。更に、コンピュータ装置1,2は、他方のコンピュータ装置に障害が発生したと認識した後、再び、他方のコンピュータ装置から正常動作信号を受け取るようになると、他方のコンピュータ装置が障害から復旧したことを、クラスタ構築用ソフトウェア113、213に従った処理により認識する。
【0035】
次に、コンピュータ装置1を現用系、コンピュータ装置2を待機系とした場合の通常のミラーリングの動作(コンピュータ装置1及び2が正常動作となっている場合の動作)を説明する。
【0036】
図2は現用系のコンピュータ装置1のミラーリング領域112と待機系のコンピュータ装置2のミラーリング領域212の記憶内容を示す図である。
【0037】
ミラーリング領域112、212は、データが保存されるデータ保存領域4と、このデータ保存領域4に対するデータの保存に関する情報である書き込み記録が保存される書き込み記録保存領域5と、をそれぞれ有している。
【0038】
なお、書き込み記録は、例えば、データ保存領域4にあるデータAが保存された場合において、データ保存領域4におけるデータAの格納領域を示す情報と、該データAが保存された時刻を示す情報と、を含む情報である。
【0039】
コンピュータ装置1,2が正常である場合、現用系のコンピュータ装置1のミラーリング領域112と待機系のコンピュータ装置2のミラーリング領域212でミラーリングが行われる。
【0040】
すなわち、図2に示すように、現用系のミラーリング領域112のデータ保存領域4にデータAが書き込まれた場合、即座に待機系のミラーリング領域212のデータ保存領域4にもデータAが書き込まれる。また、データAの書き込み記録aが、ミラーリング領域112,212に保存される。
【0041】
より具体的に説明すると、現用系のコンピュータ装置1において、業務用ソフトウェア114に従った処理により、ミラーリング領域112のデータ保存領域4にデータAが書き込まれると、現用系のコンピュータ装置1は、クラスタ構築用ソフトウェア113に従った処理により、ミラーリング領域112の書き込み記録保存領域5に書き込み記録aを書き込む。
【0042】
続いて、現用系のコンピュータ装置1は、データA及び書き込み記録aを待機系のコンピュータ装置2に送信する。
【0043】
待機系のコンピュータ装置2は、コンピュータ装置1からデータA及び書き込み記録aを受けると、データAをミラーリング領域212のデータ保存領域4に保存する一方で書き込み記録aをミラーリング領域212の書き込み記録保存領域5に保存する処理を、クラスタ構築用ソフトウェア213に従った処理により行う。
【0044】
更に、待機系のコンピュータ装置2は、データA及び書き込み記録aをそれぞれ正しく保存した旨を示す保存完了情報をクラスタ構築用ソフトウェア213に従った処理により現用系のコンピュータ装置1に送信し、この保存完了情報を受信したコンピュータ装置1は、データA及び書き込み記録aに関するミラーリングが正常に行われたことを認識するようにしても良い。この場合、データA、書き込み記録aを送信してから所定時間内に待機系のコンピュータ装置2からの保存完了情報を受信できない場合、コンピュータ装置1はコンピュータ装置2に障害が発生したことを、クラスタ構築用ソフトウェア113に従った処理により認識する。
【0045】
このように、通常時には、現用系及び待機系のコンピュータ装置1,2の協働により、ミラーリング領域112,212の記憶内容を互いに同一にさせるミラーリングが行われる。
【0046】
次に、コンピュータ装置1を現用系、コンピュータ装置2を待機系とし、待機系のコンピュータ装置2が停止した場合の動作を説明する。
【0047】
図3は、図1のデータミラー型クラスタシステム100の動作の流れを示すフローチャートである。
【0048】
先ず、現用系のコンピュータ装置1は、クラスタ構築用ソフトウェア113に従った処理により、待機系のコンピュータ装置2の障害(停止)を検知し、現用系と待機系のミラーリング領域112,212間のミラーリングを停止する(ステップA1)。
【0049】
すなわち、ステップA1では、現用系のコンピュータ装置1は、例えば、待機系のコンピュータ装置2からの正常動作信号が途絶えたこと(或いは、ミラーリング時に待機系のコンピュータ装置2からの保存完了情報を受信できないこと)を検出することに基づき、待機系のコンピュータ装置2における障害発生を検知し、該検知の後においては、ミラーリング領域112に新たにデータが書き込まれても、該データ及びその書き込み記録を待機系のコンピュータ装置2に送信しないようにする。
【0050】
次に、現用系のコンピュータ装置1は、クラスタ構築用ソフトウェア113に従った処理により、現用系のミラーリング領域112に新規書き込みがあったか否かを判定する(ステップA2)。すなわち、待機系のコンピュータ装置2に障害が発生している期間に、現用系のコンピュータ装置1が備える記憶装置11にデータの変更が生じたか否かを判定する。
【0051】
待機系のコンピュータ装置2に障害が発生しミラーリングが停止されている期間中に現用系のミラーリング領域112に新規書き込みがあった場合(ステップA2のイエス)、書き込まれたデータとその書き込み記録を差分データ蓄積用コンピュータ装置3の差分データ蓄積領域312にも保存する(ステップA3)。
【0052】
すなわち、ステップA3では、現用系のコンピュータ装置1は、現用系のミラーリング領域112に新規に書き込まれたデータと、その書き込み記録とを、クラスタ構築用ソフトウェア113に従った処理により、差分データ蓄積用コンピュータ装置3に送信する。すると、差分データ蓄積用コンピュータ装置3は、コンピュータ装置1から受信したデータ(現用系のミラーリング領域112に新規に書き込まれたデータと、その書き込み記録)を、差分データ管理用ソフトウェア313に従った処理により、差分データ蓄積領域312に保存する。
【0053】
ここで、ステップA1〜A3の処理について、図4を参照して説明する。
【0054】
図4は現用系のコンピュータ装置1のミラーリング領域112と待機系のコンピュータ装置2のミラーリング領域212と差分データ蓄積用コンピュータ装置3の差分データ蓄積領域312の記憶内容を示す図である。
【0055】
待機系のコンピュータ装置2に障害が発生すると、現用系と待機系のミラーリング領域112,212間のミラーリングが停止する(ステップA1)。このようにミラーリングが停止している期間中に、ミラーリング領域112のデータ保存領域4へデータBが書き込まれると(ステップA2)、コンピュータ装置1はミラーリング領域112の書き込み記録保存領域5にその書き込み記録bを保存する。続いて、コンピュータ装置1は、データB及び書き込み記録bを差分データ蓄積用コンピュータ装置3に送信し、これらデータB及び書き込み記録bを受けた差分データ蓄積用コンピュータ装置3は、差分データ蓄積領域312にデータBとその書き込み記録bを保存する(ステップA3)。
【0056】
また、図3のステップA2にて、現用系のミラーリング領域112に新規書き込みが無かった場合(ステップA2のノー)、またはステップA3終了後、現用系のコンピュータ装置1は、待機系のコンピュータ装置2が復旧したか否か、すなわち、再びコンピュータ装置2から正常動作信号を受信するようになったか否かを、クラスタ構築用ソフトウェア113に従った処理により判定する(ステップA4)。
【0057】
待機系のコンピュータ装置2が復旧していなければ(ステップA4のノー)、ステップA2に戻る。
【0058】
待機系のコンピュータ装置2が復旧していれば(ステップA4のイエス)、現用系のコンピュータ装置1は、待機系のコンピュータ装置2が復旧した旨を、クラスタ構築用ソフトウェア113に従った処理により、差分データ蓄積用コンピュータ装置3に通知する(ステップB1)。
【0059】
この通知を受けるまでは、ステップB2でノーとなり、差分データ蓄積用コンピュータ装置3は、差分データ管理用ソフトウェア313に従った処理により待機中となっている。
【0060】
待機系のコンピュータ装置2が復旧した旨の通知を現用系のコンピュータ装置1から受けると(ステップB2のイエス)、ステップB3に進む。
【0061】
ステップB3では、差分データ蓄積用コンピュータ装置3は、差分データ蓄積領域312にデータが保存されているか否かを、差分データ管理用ソフトウェア313に従った処理により判定する。
【0062】
差分データ蓄積領域312にデータがある場合(ステップB3のイエス)、差分データ蓄積用コンピュータ装置3と待機系のコンピュータ装置2は、協働により、そのデータを待機系のミラーリング領域212に反映させ、差分データ蓄積領域312に保存されているデータと書き込み記録を消去する(ステップB4)。
【0063】
すなわち、ステップB4では、先ず、差分データ蓄積用コンピュータ装置3は、差分データ蓄積領域312に保存されているデータ(現用系のミラーリング領域112に新規に書き込まれたデータと、その書き込み記録)を、差分データ管理用ソフトウェア313に従った処理により待機系のコンピュータ装置2に送信する。続いて、待機系のコンピュータ装置2は、このデータを受信すると、クラスタ構築用ソフトウェア213に従った処理により、該データをミラーリング領域212に保存する(反映させる)とともに、その旨を示す書き込み完了信号を差分データ蓄積用コンピュータ装置3に送信する。続いて、差分データ蓄積用コンピュータ装置3は、待機系のコンピュータ装置2から書き込み完了信号を受信すると、差分データ蓄積領域312に保存されているデータを、差分データ管理用ソフトウェア313に従った処理により消去する。
【0064】
ここで、ステップA4〜B4の処理について、図4及び図5を参照して説明する。
【0065】
図5は現用系のコンピュータ装置1のミラーリング領域112と待機系のコンピュータ装置2のミラーリング領域212と差分データ蓄積用コンピュータ装置3の差分データ蓄積領域312の記憶内容を示す図である。
【0066】
待機系のコンピュータ装置2が復旧すると(ステップA4のイエス)、ステップB1及びB2の処理を経てステップB3に進む。
【0067】
ステップB3では、コンピュータ装置3は、差分データ蓄積領域312におけるデータの有無を判定するが、図4に示すようにデータB(及びその書き込み記録b)が存在する場合(ステップB3のイエス)、コンピュータ装置3はデータB及び書き込み記録bをコンピュータ装置2に送信する。
【0068】
コンピュータ装置2は、受信した書き込み記録bを図5に示すようにミラーリング領域212に保存し、この書き込み記録bに基づき、データBを図5に示すようにミラーリング領域212内の所定の記憶領域に保存する(反映させる)。更に、コンピュータ装置2は、反映が終了した旨を示す書き込み完了信号を差分データ蓄積用コンピュータ装置3に送信する。差分データ蓄積用コンピュータ装置3は、コンピュータ装置2から書き込み完了信号を受信すると、差分データ蓄積領域312からデータB及び書き込み記録bを消去する。これにより、図5に示す状態となる。
【0069】
ステップB4に続いては、ステップA2と同様に、現用系のミラーリング領域112に新規書き込みが発生したかどうかを判定する(ステップB5)。
【0070】
新規書き込みがある場合(ステップB5のイエス)、ステップB6に進む。
【0071】
ステップB6では、ステップA3と同様に、ミラーリング領域112へ書き込まれたデータとその書き込み記録を差分データ蓄積領域312にも保存する。
【0072】
ここで、ステップB5〜B6の処理について、図6を参照して説明する。
【0073】
図6は現用系のコンピュータ装置1のミラーリング領域112と待機系のコンピュータ装置2のミラーリング領域212と差分データ蓄積用コンピュータ装置3の差分データ蓄積領域312の記憶内容を示す図である。
【0074】
図6に示すように、図5の状態の後で現用系のミラーリング領域112にデータCの書き込みが発生した場合(ステップB5のイエス)、図4で説明した処理と同様に、データC及びその書き込み記録cは差分データ蓄積領域312に書き込まれる(ステップB6)。
【0075】
新規書き込みが無かった場合(ステップB5のノー)、またはステップB6終了後、ステップB3に戻る。
【0076】
ここで、ステップB6からステップB3に進んだ場合の処理について、図7を参照して説明する。
【0077】
図7は現用系のコンピュータ装置1のミラーリング領域112と待機系のコンピュータ装置2のミラーリング領域212と差分データ蓄積用コンピュータ装置3の差分データ蓄積領域312の記憶内容を示す図である。
【0078】
ステップB6からステップB3に進んだ場合、ステップB3ではイエスとなり、ステップB4に進む。
【0079】
この場合、図4から図5の動作と同様に、差分データ蓄積領域312に保存されていた書き込み記録cを、待機系のミラーリング領域212に保存するとともに、書き込み記録cを元にデータCをミラーリング領域212に書き込む。その後、差分データ蓄積領域312のデータCおよびその書き込み記録cを消去する(図7)。
【0080】
また、ステップB3の判定にて、差分データ蓄積領域312にデータが無い場合(ステップB3のノー)、ステップB7に進み、現用系と待機系のミラーリング領域112,212間でのミラーリングを再開させる。
【0081】
なお、ステップB3の判定にて、差分データ蓄積領域312にデータが無いと判定されることは、待機系のコンピュータ装置2の障害からの復旧後、待機系のコンピュータ装置2の記憶装置21のミラーリング領域212の記憶内容が現用系のコンピュータ装置1の記憶装置11のミラーリング領域112の記憶内容と同一となったことを差分データ蓄積用コンピュータ装置3が検出したことを意味する。
【0082】
ステップB7では、先ず、差分データ蓄積用コンピュータ装置3は、差分データ蓄積領域312にデータが無い旨を示すデータ無し情報を、差分データ管理用ソフトウェア313に従った処理により現用系のコンピュータ装置1に送信する。なお、このデータ無し情報は、待機系のコンピュータ装置2の障害からの復旧後、待機系のコンピュータ装置2の記憶装置21のミラーリング領域212の記憶内容が現用系のコンピュータ装置1の記憶装置11のミラーリング領域112の記憶内容と同一となった旨を示す情報と考えることができる。現用系のコンピュータ装置1は、データ無し情報を受けると、ミラーリングを再開する旨を示す再開情報を、クラスタ構築用ソフトウェア113に従った処理により待機系のコンピュータ装置2に送信する。待機系のコンピュータ装置2は、再開情報を受信すると、クラスタ構築用ソフトウェア213に従った処理により、ミラーリングを再開する。
【0083】
ここで、ステップB3からステップB7にてミラーリングが再開された後の動作について、図8を参照して説明する。
【0084】
図8は現用系のコンピュータ装置1のミラーリング領域112と待機系のコンピュータ装置2のミラーリング領域212と差分データ蓄積用コンピュータ装置3の差分データ蓄積領域312の記憶内容を示す図である。
【0085】
図7の処理の後、現用系のミラーリング領域112への書き込みが無く、差分データ蓄積領域312のデータが全て消去され(ステップB3のノー)、現用系と待機系のミラーリング領域112,212間でのミラーリングを再開された(ステップB7)後で、現用系のミラーリング領域112へ図8に示すようにデータDの書き込みが発生すると、図2の動作と同様に、即座に待機系のミラーリング領域212にも図8に示すようにデータDが書き込まれる。また、データDの書き込み記録dについても、図2の動作と同様に、ミラーリング領域112,212にそれぞれ保存される(図8)。
【0086】
以上のような実施形態によれば、待機系のコンピュータ装置2に障害が発生している期間中に現用系のコンピュータ装置1のミラーリング領域112に新規に書き込まれたデータを、待機系のコンピュータ装置2が復旧した際に該コンピュータ装置2のミラーリング領域に反映させる処理(再同期処理)を、差分データ蓄積用コンピュータ装置3と待機系のコンピュータ装置2の協働により行うので、再同期処理の際に現用系のコンピュータ装置1にかかる負荷を、通常運転時の負荷にまで軽減させることができる。また、このように再同期処理の際に現用系のコンピュータ装置1にかかる負荷を軽減させることにより、再同期処理を高速化することができる。
【0087】
よって、現用系のコンピュータ装置1で起動している業務用のアプリケーション(業務用ソフトウェア113に従ったアプリケーション)の処理速度、およびクライアントプロセスへのレスポンスを、再同期処理時においても通常運転時のそれと同等に保つ必要があるクラスタシステムの実現に適用できる。
【0088】
なお、上記の実施形態においては、コンピュータ装置1を現用系、コンピュータ装置2を待機系としているが、コンピュータ装置1が待機系、コンピュータ装置2が現用系であっても同じことである。
【0089】
また、上記の実施形態では、簡単のため、通常時にミラーリングを行うコンピュータ装置がコンピュータ装置1,2の2台だけである例を説明したが、3台以上のコンピュータ装置によりミラーリングを行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施形態に係るデータミラー型クラスタシステムを示すブロック図である。
【図2】現用系及び待機系のコンピュータ装置のミラーリング領域の記憶内容を示す図である。
【図3】データミラー型クラスタシステムの動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】現用系及び待機系のコンピュータ装置のミラーリング領域と差分データ蓄積用コンピュータ装置の差分データ蓄積領域の記憶内容を示す図である。
【図5】現用系及び待機系のコンピュータ装置のミラーリング領域と差分データ蓄積用コンピュータ装置の差分データ蓄積領域の記憶内容を示す図である。
【図6】現用系及び待機系のコンピュータ装置のミラーリング領域と差分データ蓄積用コンピュータ装置の差分データ蓄積領域の記憶内容を示す図である。
【図7】現用系及び待機系のコンピュータ装置のミラーリング領域と差分データ蓄積用コンピュータ装置の差分データ蓄積領域の記憶内容を示す図である。
【図8】現用系及び待機系のコンピュータ装置のミラーリング領域と差分データ蓄積用コンピュータ装置の差分データ蓄積領域の記憶内容を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1,2 コンピュータ装置
11,21,31 記憶装置
111,211,311 OS領域
112,212 ミラーリング領域
113,213 クラスタ構築用ソフトウェア
114,214 業務用ソフトウェア
3 差分データ蓄積用コンピュータ装置
312 差分データ蓄積領域
313 差分データ管理用ソフトウェア
a,b,c,d ミラーリング領域への書き込み記録
A,B,C,D ミラーリング領域に書き込まれたデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現用系のコンピュータ装置と、前記現用系のコンピュータ装置に障害が発生した場合に前記現用系コンピュータ装置の業務を引き継ぐ待機系のコンピュータ装置と、を備え、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置に生じたデータの変更を前記待機系のコンピュータ装置が備える記憶装置に反映するミラーリングが通常時に行われるデータミラー型クラタシステムにおいて、
前記待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置にデータの変更が生じた場合に、該変更されたデータを記憶保持する差分データ蓄積用コンピュータ装置を更に備え、
前記待機系のコンピュータ装置が障害から復旧した場合には、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置に保持されたデータを、前記待機系のコンピュータ装置の記憶装置に反映させるようにしたことを特徴とするデータミラー型クラスタシステム。
【請求項2】
前記現用系のコンピュータ装置は、前記待機系のコンピュータ装置での障害発生を検出すると、ミラーリングを停止させ、
前記待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置にデータの変更が生じた場合には、前記現用系のコンピュータ装置は、該変更されたデータを前記差分データ蓄積用コンピュータ装置に送信し、
前記差分データ蓄積用コンピュータ装置は、前記現用系のコンピュータ装置から前記変更されたデータを受信すると、該データを当該前記差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置に記憶保持することを特徴とする請求項1に記載のデータミラー型クラスタシステム。
【請求項3】
前記現用系のコンピュータ装置は、前記待機系のコンピュータ装置が障害から復旧したことを検出すると、その旨を前記差分データ蓄積用コンピュータ装置に通知し、
前記差分データ蓄積用コンピュータ装置は、前記待機系のコンピュータ装置が障害から復旧した旨の通知を受けると、前記現用系のコンピュータ装置から受信し当該差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置に記憶保持している前記データを、前記待機系のコンピュータ装置に送信し、
前記待機系のコンピュータ装置は、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置から前記データを受信すると、該データを当該待機系のコンピュータ装置の記憶装置に保存することを特徴とする請求項2に記載のデータミラー型クラスタシステム。
【請求項4】
前記差分データ蓄積用コンピュータ装置は、前記待機系のコンピュータ装置の障害からの復旧後、前記待機系の記憶装置の記憶内容が前記現用系の記憶装置の記憶内容と同一となったことを検出すると、その旨を前記現用系のコンピュータ装置に通知し、該通知を受けた現用系のコンピュータ装置は、ミラーリングを再開させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のデータミラー型クラスタシステム。
【請求項5】
前記差分データ蓄積用コンピュータ装置は、前記待機系のコンピュータ装置の障害からの復旧後、前記待機系の記憶装置の記憶内容が前記現用系の記憶装置の記憶内容と同一となったことを検出すると、前記待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置において変更され当該差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置にも記憶保持されているデータを、消去することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のデータミラー型クラスタシステム。
【請求項6】
通常時においては、前記現用系のコンピュータ装置の記憶装置にデータの変更が生じると、該現用系のコンピュータ装置は該データに関する書き込み記録も併せて当該記憶装置に保存する一方で、該データ及び該書き込み記録を、前記待機系のコンピュータ装置に送信して該待機系のコンピュータ装置の記憶装置に保存させることにより、ミラーリングを行わせ、
前記待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置にデータの変更が生じた場合には、前記現用系のコンピュータ装置は、該変更されたデータ及びその書き込み記録を、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置に送信して該差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置に記憶保持させ、
前記待機系のコンピュータ装置が障害から復旧した場合には、前記差分データ蓄積用コンピュータ装置は、該差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置に保存されているデータ及びその書き込み記録を、前記待機系のコンピュータ装置に送信し、前記待機系のコンピュータ装置は、このうち書き込み記録を当該待機系のコンピュータ装置の記憶装置に保存するとともに、該書き込み記録に基づいて、該書き込み記録と対応するデータを所定の記憶領域に保存することを特徴とする請求項1に記載のデータミラー型クラスタシステム。
【請求項7】
現用系のコンピュータ装置と、前記現用系のコンピュータ装置に障害が発生した場合に前記現用系コンピュータ装置の業務を引き継ぐ待機系のコンピュータ装置と、を備え、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置に生じたデータの変更を前記待機系のコンピュータ装置が備える記憶装置に反映するミラーリングが通常時に行われるデータミラー型クラタシステムを運用する方法において、
前記待機系のコンピュータ装置に障害が発生している期間に、前記現用系のコンピュータ装置が備える記憶装置にデータの変更が生じた場合には、該変更されたデータを、前記現用系及び前記待機系のコンピュータ装置とは別の差分データ蓄積用コンピュータ装置に記憶保持させる第1の過程と、
前記待機系のコンピュータ装置が障害から復旧した場合に、前記第1の過程により前記差分データ蓄積用コンピュータ装置の記憶装置に保持されたデータを、前記待機系のコンピュータ装置の記憶装置に反映させる第2の過程と、
を備えることを特徴とするデータミラー型クラタシステムの運用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−249652(P2007−249652A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72823(P2006−72823)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】