データ処理装置、X線装置及びデータ処理方法
【課題】X線撮影に要する時間の短縮と被検体に対するX線被曝量の低減を可能としたX線診断装置及びX線撮影方法を提供する。
【解決手段】被検体Kの観察方向を算出する画像処理装置10であって、被検体Kの三次元データ45を保管する画像記憶部14、三次元データ45を、これに対応する二次元画像48で表示するモニタ36と、モニタ36で表示された二次元画像48上で特定の座標に関する座標情報を指定する操作部13と、二次元画像48上で指定された座標情報に基づいて、これに対応する前記三次元データにおける座標情報を特定する演算部15と、三次元データ上の座標情報に基づき、前記X線撮像装置30の撮影方向を算出する演算部15と、を備えた。
【解決手段】被検体Kの観察方向を算出する画像処理装置10であって、被検体Kの三次元データ45を保管する画像記憶部14、三次元データ45を、これに対応する二次元画像48で表示するモニタ36と、モニタ36で表示された二次元画像48上で特定の座標に関する座標情報を指定する操作部13と、二次元画像48上で指定された座標情報に基づいて、これに対応する前記三次元データにおける座標情報を特定する演算部15と、三次元データ上の座標情報に基づき、前記X線撮像装置30の撮影方向を算出する演算部15と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法に関し、特にするものである。
【背景技術】
【0002】
X線診断装置やMRI装置、あるいはX線CT装置などを用いた医用画像診断技術は、1970年代のコンピュータ技術の発展に伴って急速な進歩を遂げ、今日の医療において必要不可欠なものとなっている。
【0003】
X線診断は、近年ではカテーテル手技の発展に伴い循環器分野を中心に進歩を遂げている。循環器領域におけるX線診断は心血管系をはじめ、全身の動静脈の診断を対象としており、血管内に造影剤を注入した状態でX線透過像を撮影する場合が多い。循環器診断用のX線診断装置は、通常、X線発生部とX線検出部、これらを保持する保持機構と、寝台(天板)及び信号処理部を備えている。そして、保持機構はCアームあるいはΩアームが用いられ、天板片持ち方式の寝台と組み合わせることによって患者(以下では、被検体と呼ぶ)に対して最適な位置や角度からのX線撮影を可能にしている。
【0004】
X線診断装置のX線検出部として用いられる検出器は、従来はX線フィルムやI.I.(イメージ・インテンシファイア)が使用されてきた。このI.I.を用いたX線撮影方法では、X線発生部のX線管から発生したX線によって被検体を照射し、このとき被検体を透過して得られるX線の画像情報は、I.I.において光学画像に変換され、更に、この光学画像はX線TVカメラによって撮影され電気信号に変換される。そして、電気信号に変換されたX線画像情報はA/D変換後、モニタに表示される。このため、I.I.を用いた撮影方法は、フィルム方式では不可能であったリアルタイム撮影を可能とし、また、デジタル信号で画像データの収集ができるため、種々の画像処理を可能とした。また、前記I.I.に替わるものとして、近年、2次元配列のX線平面検出器(以下、平面検出器と呼ぶ。)が注目を集め、その一部は既に実用化の段階に入っている。
【0005】
従来のCアームを有したX線診断装置において、所望の撮影方向を設定するための撮影系の操作は、操作卓に設けられたハンドルの移動によって行なわれてきた。例えば、冠状動脈撮影のためのCアーム傾斜角度(Working−angle)の設定では、(1)診断対象の血管に対して他の血管が重ならずに撮影が可能なこと、(2)狭窄部等の患部が存在する血管の走行に対してX線が垂直に照射されること、(3)屈曲部が観察し易い方向にX線が照射されること、などが要求されるが、このような要求に対して医師や検査技士(以下では、操作者と呼ぶ。)は、Cアーム傾斜角度を変えながら被検体に対して試行錯誤的にX線撮影を繰り返して行ない、得られた透視画像データをモニタ上で観測することによって最適なX線撮影方向の設定を行なってきた。
【0006】
一方、被検体に対して3次元画像データを予め収集し、得られた3次元画像データに基づいてX線撮影方向を設定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、操作者は、装置の表示部に表示される被検体の3次元画像を所定方向に回転しながら観察することによって最適な撮影方向の設定を行なう。そして、設定された最適撮影方向に基づいてCアームの傾斜角度を設定してX線撮影を行なう。また、標準臓器モデルを回転させると、これに応じてX線装置のアームが回転し、角度が調整される技術が提供されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、モデル上の点をクリックにより指定するとこれに応じたX線装置の回動の最適円弧を示す技術が提供されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】米国特許第6424731号明細書(第1−4頁、第1−2図)
【特許文献2】特願2003−132658号公報
【特許文献3】特願2005−207688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
血管などの患部に対して最適な撮影方向を設定する際、十分な解剖学的知識あるいは豊富な経験を有していない操作者によってCアーム傾斜角度の設定が試行錯誤的に行なわれた場合、被検体に対してX線照射が多数回繰り返されるため、最終的な撮影方向が設定されるまでに多くの時間を要し、被検体に対するX線被曝量が増大する原因となる。また、予め被検体の3次元画像データを収集する必要があるため、X線撮影全体に要する時間と被検体に対するX線被曝量の問題は依然として解決されていない。この他、上記技術においては、例えば多方向からの画像を得るために最適方向決定までに時間を要し、モデルを使用するため実際の個人差のある患者への適用が困難であり、投影されたデータを用いるためにForeshorteningが解決できないなどの事情がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は予め得られた画像データを用いて最適な撮影方向を設定することによって、X線撮影に要する時間の短縮と被検体に対するX線被曝量の低減を可能としたX線診断装置及びX線撮影方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態に係るデータ処理装置は、被検体の観察方向を算出するデータ処理装置であって、前記被検体の三次元データを保管する保管手段と、前記被検体の三次元データを、該三次元データに対応する二次元画像で表示する二次元画像表示手段と、前記表示手段で表示された前記二次元画像上で特定の座標に関する座標情報を指定する指定手段と、前記二次元画像上で指定された前記座標情報に基づいて、これに対応する前記三次元データにおける座標情報を特定する手段と、前記三次元上の座標情報に基づき、前記X線撮像手段の撮影方向を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の一形態に係るX線装置は、前記データ処理装置と、前記被検体に対してX線を照射するX線発生手段と、前記X線発生手段から照射されたX線を検出するX線検出手段と、前記X線発生手段と前記X線検出手段を移動する移動手段と、算出された前記角度情報に基づいて前記移動手段の移動を制御する移動制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の一形態に係るデータ処理方法は、被検体の観察方向を算出するデータ処理方法であって、前記被検体の三次元データを、該三次元データに対応する二次元画像で表示する工程と、前記表示された前記二次元画像上で特定の座標に関する座標情報が指定される工程と、前記二次元画像上で指定された前記座標情報に基づいて、前記三次元データにおける座標情報を特定する工程と、前記三次元上の座標情報に基づき、前記X線撮像手段の撮影方向を算出する工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、X線撮影に要する時間の短縮と被検体に対するX線被曝量の低減を可能としたX線診断装置及びX線撮影方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るX線システム1の構成を示すブロック図である。X線システム1(X線装置)は、画像処理装置10、CT装置20、X線撮像装置30を備えて構成される。
【0014】
図1に示す画像表示装置(データ処理装置)10は、CTボリュームデータ取得部11と、システム制御部12と、操作部13(指定手段)と、画像記憶部14(保管手段)と、演算部15(算出手段)と、画像作成部16と、記憶部17と、表示制御部19と、支持器制御部22と、投影画像取得部21と、を有して構成される。なお、この画像処理装置10と、これによって制御されるX線撮像装置30によりX線システム1が構成される。
【0015】
前記CTボリュームデータ取得部11は、CT装置20より所望の三次元データとしてのCTボリュームデータを取得するためのものである。システム制御部12は、このX線システム1全体の制御動作を司るものである。操作部13は、画面上で特定箇所をクリックするための操作や、画像の選択等を行うためのものでコントロールパネル等により構成される。
【0016】
画像記憶部14は、三次元ボリュームデータ45やX線撮像画像を記憶する記憶手段である。また、演算部15は、特定された位置に基づいて最適方向を演算する等、各種演算を行うためのものである。画像作成部16は、画像記憶部14と共に後述するモニタ36に表示すべく画像を作成する機能を有する。記憶部17は、後述するX線撮像装置30のX線投影方向の情報等の各種情報を記憶するためのものである。
【0017】
表示制御部19は、前記画像記憶部14及び画像作成部16で作成された3D画像の断面画像や二次元画像等の各種画像をモニタ36に表示するものである。支持器制御部22は、後述するX線撮像装置30のCアーム33の位置、角度を制御するためのものである。また、投影画像取得部21は、後述するX線検出器35からの投影画像データを取得する手段である。
【0018】
X線撮像装置30は、患者(被検体)Kを載置する寝台31と、架台32と、この架台32に支持されて図示A軸を中心に図示矢印R方向に回動可能なCアーム33と、このCアーム33の一方の端部に設けられたX線源34と、Cアーム33の他方の端部に設けられたX線検出器35と、生成された画像を表示するモニタ36(二次元画像表示手段、三次元画像表示手段)とを備えて構成される。表示手段としてのモニタ36は三次元のボリュームデータや二次元のCPR画像等の各種画像や情報を表示するものである。
【0019】
寝台31は、鉛直方向及び水平方向に移動可能となっており、これにより患者Kは、X線源34とX線検出器35との間に適当に配置される。
【0020】
Cアーム33は、X線源34及びX線検出器35を対向配置させて、これらを保持する構造になっている。X線源34は、図示されないが、患者Kに対しX線を照射するX線管球と、当該X線管球から照射されたX線をコリメートするコリメータとを有している。一方、X線検出器35は、例えばI.I.(イメージ・インテンシファイア)と光学系とによって構成されており、I.I.によって患者Kを透過したX線情報を光学情報に変換し、光学系によってこの光学情報を光学レンズで集光する。尚、I.I.以外の検出装置としてX線平面検出器を用いても良い。
【0021】
モニタ36は、表示制御部19を介して出力されたボリューム画像や二次元画像等の各種情報を画面上に表示するものである。
【0022】
次に、図2のフローチャートを参照して、本発明の第1の実施形態に於ける画像表示装置のシステム制御部12における制御手順及び各装置の動作について説明する。
【0023】
ここでは、二次元の画像として、CTのstretchedCPR画像を用いる。このCTのsstretchedCPR画像では、Foreshortening無く血管が抽出され、かつ、表示されている二次元画像の画素位置が三次元画像のボリュームデータの画素位置と一対一で対応しているという特徴がある。
【0024】
二次元で表現されたCTのstretchedCPR画像でピクセル座標をクリックすると、そのピクセルはボクセルと一対一で対応しているため、三次元座標を求めることができる。三点の三次元座標が求められると空間に面を定義することができる。この面に垂直な方向を最適観察角度として出力する。なお、ここでは特に、ピクセルは、二次元座標における各画素のことを示すとともに、ボクセルは、三次元画像における各データのことを示す。
【0025】
図2に示すように、先ず、術前にCT装置20で撮像、際構成されたCTボリュームデータ取得部11によって取得されたCTボリュームデータから、対象となる血管のstretchedCPR画像が作成される。
【0026】
具体的には、まずステップ(ST)1において、図1に示されるCT装置20から、図3に示すようなボリュームデータ45が得られる。このボリュームデータ45から、血管46部分が抽出される(ST2)。抽出された血管抽出画像47を図4に示す。
【0027】
なお、本技術は、狭窄、瘤、完全閉塞、分岐部に用いられることが多く、その血管の形状は、後に示すように分岐している場合や途切れている場合等があるが、これらの場合については別の実施形態で後述する。ここでは図5に示すような所定形状で連続して延びているものを一例として説明する。
【0028】
次いで、図5に示すような対象となる血管46のstretchedCPR画像48が作成され(ST3)、2次元の血管stretchedCPR画像48となる。この血管のstretchedCPR画像がモニタ36に表示される(ST4)。
【0029】
なお、CPR画像には3種類あるが、ここでは、もしくstretchedCPR画像を用いることとするが、StraightenedCPR画像でも良い。両者とも、血管の長さが保たれていることと、図6に示すように、画素が三次元座標と一対一で対応することが特徴である。
【0030】
次いで、例えばオペレータが操作部13をクリック動作等で操作することにより、モニタ36に表示された血管stretchedCPR画像上における指定点が指定される(ST5)。ここでは、例えば、図5に示されるように、オペレータがCPR画像上で見たい部分である病変(たとえば狭窄)の近傍三箇所をクリックすることにより、血管stretchedCPR画像48上にてある3点a,b,cが指定される。このクリックは、操作部13内のマウスやキーボード、或いはタッチパネル等によって行われる。
【0031】
このように、二次元における3点が特定されると、図6に示すように、この1ピクセルがボリュームデータにおける1ボクセルに対応しているため、演算部15において、stretchedCPR画像上の3点がそれぞれ三次元の座標に変換され、3つの三次元3つの座標が特定される(ST6)。
【0032】
図7に示すように、血管stretchedCPR画像48上の3点は、それぞれ3次元座標を有しているので、この三点を通る次元空間内の平面は一意に定めることができる。演算部15にて、得られた3つの三次元座標に基づいて、この三点を通る平面P1の式を算出する(ST7)。
【0033】
ついで、演算部15において、この平面P1の垂線N1を算出する(ST8)。この垂線N1の方向が3点が最も広がって見える方向である。この垂線N1の方向としては180度反する2方向が算出されるが、このうち1方向は、X線撮像装置30の機械的制約によっては回転できない方向である。したがって、この垂線N1の方向と、X線撮像装置30におけるCアーム33の回動可能な範囲などのX線撮像装置30に関する情報とに基づいて、垂線N1の方向を満たすとともに装置の回動可能範囲内であるという条件を満たす角度が最適観察角度として算出される(ST9)。
【0034】
得られた最適観察角度について、座標系が変換される(ST10)。一般に、ボリュームデータは、X,Y,Zといった3次元座標系が用いられることが多い。一方、X線システムで慣用的に用いられている座標系は、図8乃至図10に示されるように、支持器中心をゼロとした、LAO・RAO、CRA・CAU系で表現されることが多い。両者の関係はボリュームデータ中心と支持器中心をゼロと仮定することにより、一意に変換することができる。これにより、求められた最適観察角度は、LAO・RAO、CRA・CAU系で表現することができる。
【0035】
図11に示すように、得られた最適観察角度を、数字としてモニタ36に出力し、表示する(ST11)。例えば、「CRA 0度、LAO 30度」等のように表示される。さらに、これと同時にモニタに表示された三次元画像をこの最適方向に対応する方向に回転して表示される(ST12)。すなわち、画像作成部16にて回転されたCT投影画像が作成され、当該方向から見た血管のCT投影画像46がモニタ36に表示される。
【0036】
ついで、決定された最適方向に関する情報が、支持器制御部22に送られる(ST13)。さらに、それと共に、最適方向に関する情報が、記憶部17に一時記憶される(ST14)。
【0037】
そして、支持器制御部22により、記憶部17に記憶された角度に従って、支持器制御部22を介してCアーム33が制御され、最適方向に位置するように回転する(ST15)。
【0038】
本実施形態に係るデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法によれば以下のような効果を奏する。すなわち、CT画像等を用いて撮影対象部位に対する最適な撮影方向を予め設定することで、X線撮影に要する時間の短縮と被検体に対するX線被曝量の低減が可能となる。例えば、オペレータが見たい血管上の病変部(閉塞、狭窄、分岐)をクリックするだけで予め得た画像に基づいてX線装置の最適方向を算出することができる。
【0039】
特に、CT画像を用いたことにより、血管のみ抽出した三次元画像を作成できる。さらに、CT画像を用いたことにより、完全閉塞血管など造影剤が鮮明に入り難い血管までも可視化できるので、より適正な角度を算出することができる。
【0040】
また、CPR画像は狭窄の観察やステント長さの概算を知るのに頻繁に用いられているため、このCPR画像においてみたい病変部(閉塞、狭窄、分岐)が指定されると、病変部をインターベンション治療するのに適した最適観察角度を簡単に求めることができるという効果も得られる。
【0041】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図12及び図13を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST25乃至ST27以外は第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0042】
本実施形態では、図12に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図13に示すように、オペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の1箇所がクリックされて指定されることにより1つの点dが指定される(ST25)。
【0043】
なお、ボリュームデータは、血管中心座標が抽出済みのボリュームデータが用いられる。実際の臨床場面では、CT撮像後に操作者が血管芯線46aをトレースしているので、その血管芯線46aのデータをそのまま用いればよい。
【0044】
この場合に、既に抽出されている血管芯線46aに基づき、この指定された1点dから、血管芯線46aに沿って所定距離離れた両側の点e,fの座標をそれぞれ特定し(ST26)、これら2点e,fと指定された1点dとが通る平面P1が算出される(ST27)。この他は、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0045】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0046】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図14及び図15を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST35乃至ST37以外は第1及び第2実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0047】
本実施形態では、図14に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図15に示すように、オペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の2箇所がクリックされて指定されることにより2つの点g,hが指定される(ST35)。
【0048】
この場合に、既に抽出されている血管芯線46aに基づき、血管芯線46aに沿い、かつ、指定された2箇所の中間点iの座標を特定し(ST36)、これら中間の1点iと指定された2点g、hとが通る平面P1が算出される(ST37)。この他は、上記第1及び第2実施形態と同様の処理が行われる。
【0049】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1及び第2実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0050】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図16乃至図18を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST45乃至ST47以外は第1乃至第3実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0051】
本実施形態では、図16に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図17に示すように、オペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の4箇所がクリックされて指定されることにより4つの点j,k,l,mが指定され(ST45)、これら4点j,k,l,mの座標が特定される(ST46)。
【0052】
この場合には、平面が一意に定まらないため、図18に示すように、4点からの距離の和が最小となる平面を逐次計算して推定し、この距離の和が最小となる平面が平面P1として算出、特定される(ST47)。この他は、上記第1乃至第3実施形態と同様の処理が行われる。
【0053】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第3実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0054】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図19及び図20を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST55乃至ST57以外は第1乃至第4実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0055】
本実施形態では、図19に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図20に示すように、オペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の領域nがドラッグ等で指定されることによりこの領域n内の多数の点が指定され(ST55)、これらの多数の座標が特定される(ST56)。
【0056】
この場合には、平面が一意に定まらないため、上記第4実施形態と同様に図18に示すように、各点からの距離の和が最小となる平面を逐次計算して推定し、この距離の和が最小となる平面が平面P1として算出、特定される(ST57)。この他は、上記第1乃至第4実施形態と同様の処理が行われる。
【0057】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第4実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0058】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図21を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST61乃至ST63以外は第1乃至第5実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0059】
本実施形態では、図21に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST6までの処理がなされた後、オペレータにより指定された3点が一直線上にあるか否かを判定する(ST61)。このとき一直線上にある場合には、平面が一意に定まらないため、更なる入力を要求する(ST62)。例えば、表示手段にメッセージ等を表示してもう一箇所指定するように促す。
【0060】
この入力要求に応じてオペレータによる再度の指定入力がなされると(ST63)、この追加された点を含めた点を通るように平面P1が算出される(ST7)。再指定は例えば、さらなる一箇所をクリックする等により行われる。
【0061】
この他は、上記第1乃至第5実施形態と同様の処理が行われる。
【0062】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第5実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0063】
なお、この実施形態の変形例として、3点が一直線上であった場合に、指定要求をする代わりに、自動的に後述する第7実施形態のST73〜ST75の処理をすることとしてもよい。
【0064】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図22乃至27を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST71乃至ST7以外は第1乃至第6実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0065】
上記第1乃至第6実施形態においては、最適方向として1つの角度を決定したが、本実施形態においては最適方向候補を算出し、オペレータに提示することで、オペレータによって最終的に最適方向が選択されるというものである。
【0066】
本実施形態では、図22に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図23に示すようにオペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の2つの点o,pがクリック等の操作により指定される(ST71)。ついでST72において、図24に示すように、この二次元画像上の2つの点o,pの座標を三次元座標として特定する。
【0067】
さらに、図25に示すように、この三次元上の2つの座標を通る直線N2を算出する(ST73)。この直線N2に垂直で、o,pの中点を通る直線方向を、最適方向候補とする(S74)。
【0068】
言い換えると、図26に示すように、この直線N2に垂直で、かつ、o,pの中点を通る面P2を仮定しこの平面P2内に視点を置いて見た方向を最適方向候補と定める。
【0069】
ここで、算出された最適方向候補に基づき、この最適方向候補で回転可能とした三次元画像を表示手段により表示する(ST75)。三次元画像を回転可能に提示する表示方法としては、使用する画像はVRやMIP等の画像が最もよく用いられる。画像は回転可能なように表示し、あわせて角度を数字で表示する。この回転の中心は先に述べた直線N2である。
【0070】
この他は、上記第1乃至第6実施形態と同様の処理が行われる。
【0071】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第6実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0072】
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図28及び図29を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST81乃至ST83以外は第7実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0073】
本実施形態では、図28に示されるように、上記第7実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図29に示すように、オペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の一箇所qがクリック操作等で指定され(ST81)、この座標が特定される(ST82)。
【0074】
この場合には、既に抽出されている血管芯線46aを利用し、点qの接線を算出する(ST83)。この算出された接線を直線N2として(ST73)、第7実施形態と同様に処理する。
【0075】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第8実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0076】
[第9実施形態]
次に、本発明の第9実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図30及び図31を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST91及びST92以外は第7実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0077】
本実施形態では、図30に示されるように、上記第7実施形態と同様にST1からST74までの処理がなされ、円弧状の軌跡である最適方向候補が提示されるとともに画像が回転可能に表示された後、さらに、図30及び図31に示すように、最適方向候補のうちで、(0,0)座標に、すなわち、Cranial Caidalが0度に、LAO,RAOが0度に、最も近い角度を算出する(ST91)。この算出された1つの方向を、最適方向として決定する(ST92)。
【0078】
図31に示すように、座標(0,0)に近くするということは最も正面から撮像されるのに近いということである。したがって、正面からの撮像の場合いはX線の被曝が最も小さくなるため、被検体にとって好ましい。したがって、この角度を最適方向とする。
【0079】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第8実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0080】
さらに、この実施形態ではX線の被曝を最小限にすることができるため、被検体にとっても好ましい。
【0081】
[第10実施形態]
次に、本発明の第10実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図32を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST101乃至ST103以外は第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0082】
本実施形態では、図32に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1からST12までの処理がなされ、最適方向が提示されるとともに画像が表示された後、さらに、決定された最適方向に関する情報が、支持器制御部22に送られる(ST101)。これと共に、最適方向に関する情報が、記憶部17に一時記憶される(ST102)。
【0083】
そして、支持器制御部22により、記憶部17に記憶された角度に従って、支持器制御部22を介してCアーム33が制御され、最適方向に位置するように回転する(ST103)。
【0084】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第8実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。なお、ここでは、この実施形態の特徴であるST101乃至103を、第1実施形態に組み合わせた場合について例示したが、これに限られるものではなく、上記第1乃至第9実施形態のいずれに組み合わせてもよい。
【0085】
[第11実施形態]
次に、本発明の第11実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図33及び図34を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST111乃至ST113以外は第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0086】
本実施形態は、例えば図34に示されるように、血管が完全に閉塞している症例(完全閉塞(CTO))の場合に適用される。この場合は、造影剤が閉塞部に流れていかないため、閉塞部は画像化されず、血管芯線46aが途切れた状態となっている。この場合にはオペレータのクリック操作等により、閉塞部分の血管の両端r,sが指定される(ST111)。この場合、血管46の芯線46aが繋がっていないと判断する(ST112)。ついで、指定された両端において、夫々血管芯線の接線l1、l2を算出する(ST113)。この接線r1と接線s1との距離が最短となる中点Mを算出する。これにより得られた中点Mと指定された2点r,sを合わせて3点とし、この3点を通る平面P1を求め、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0087】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。なお、ここでは、この実施形態の特徴であるST111乃至113を、第1実施形態に組み合わせた場合について例示したが、これに限られるものではなく、上記第1乃至第10実施形態のいずれに組み合わせてもよい。
【0088】
[第12実施形態]
次に、本発明の第12実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図35乃至図37を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST121以外は第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0089】
本実施形態は、例えば図35に示されるように、血管が完全に閉塞している症例の場合に適用される。この場合は、造影剤が閉塞部に流れていかないため、閉塞部は画像化されず、血管芯線46aが途切れた状態となっている。この場合には図35及び図37に示すように、オペレータのクリック操作等により、造影端点t1、側副端点t2、及び中間点t3、が指定される(ST121)。これにより得られた3点を通るP1を求め、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。以上により、図37に示すように、病変が最も長く見える最適方向が見つかる。
【0090】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。なお、ここでは、この実施形態の特徴であるST121を、第1実施形態に組み合わせた場合について例示したが、これに限られるものではなく、上記第1乃至第11実施形態のいずれに組み合わせてもよい。
【0091】
[第13実施形態]
次に、本発明の第13実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図38乃至図40を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST131以外は第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0092】
本実施形態は、例えば図38に示されるように、対象となる血管が分岐している場合に適用される。この場合には図38及び図39に示すように、オペレータのクリック操作等により、血管の本幹の2点u1,u2と、分岐部分の1点u3が指定される(ST131)。これにより得られた3点を通るP1を求め、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。以上により、図40に示すように、分岐が最も広く見え、病変が最もよく見える最適方向が見つかる。
【0093】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。なお、ここでは、この実施形態の特徴であるST131を、第1実施形態に組み合わせた場合について例示したが、これに限られるものではなく、上記第1乃至第12実施形態のいずれに組み合わせてもよい。
【0094】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0095】
CTによる血管のボリュームデータを例として説明したが、本発明の撮影対象は血管に限られず、他に、例えば、骨、管腔臓器(小腸、大腸等)、ステントやグラフト等の体内埋め込みデバイス等に適用可能である。また、本発明はCT装置に限られることなく、X線装置、MRI装置、超音波装置等の他の装置で撮像されたデータを用いても良い。
【0096】
更に、本発明は、CTボリュームデータに限られることなく、MRI、PET等、3Dデータであれば何れにも適応が可能である。データの種類としては、例えばcoronary treeや3D angioでも適用可能である。
【0097】
また、最初の画像としてstretchedCPR画像を用いた場合について例示したが、これに限られるものではなく、StraightenedCPRを用いてもよいし、例えば図41に示されるように、MPR画像を用いることもできる。例えば複数枚のMPR画像51,52を用い、1つのMPR画像51で指定された1点51aが、三次元空間50内の1点を与え、別のMPR画像52で指定された1点52aが同じ三次元空間50内の他の1点を与える。こうして対応する三次元空間における2点以上が得られれば前述のCPR画像と同様の手法がそのまま利用できる。さらに、1点だけ指定された場合には上記第2実施形態等と同様に他の点を決定することが可能である。
【0098】
さらに複数の実施形態による決定方法を使い分けるように構成しても良い。例えば、血管芯線46aの形状を判断する工程と、この形状に基づいて第1乃至第10実施形態と、第11実施形態と、第12実施形態と、第13実施形態とにおける最適方向の決定方法を選択する工程とを備え、選択された好ましい決定方法によって最適方向が算出されるようにする。例えば血管芯線が直線状に延びる場合にはその直線が長く見える方向を最適方向とし、指定された部分の血管芯線が分岐している場合には分岐角度が最も広く見える方向を最適方向として決定する。
【0099】
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るX線撮像システムの構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図3】同実施形態におけるボリュームデータの説明図。
【図4】同実施形態における抽出画像の説明図。
【図5】同実施形態における二次元画像の説明図。
【図6】同実施形態における二次元画像とボリュームデータとの座標の対応を示す説明図。
【図7】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図8】同実施形態における座標系の変換方法の説明図。
【図9】同実施形態における座標系の変換方法の説明図。
【図10】同実施形態における座標系の変換方法の説明図。
【図11】同実施形態におけるモニタに投影画像が表示された状態を示す正面図。
【図12】本発明の第2実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図13】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図14】本発明の第3実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図15】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図16】本発明の第4実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図17】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図18】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図19】本発明の第5実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図20】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図21】本発明の第6実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図22】本発明の第7実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図23】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図24】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図25】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図26】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図27】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図28】本発明の第8実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図29】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図30】本発明の第9実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図31】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図32】本発明の第10実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図33】本発明の第11実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図34】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図35】本発明の第12実施形態に於ける動作手順を示す説明図。
【図36】同実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図37】同実施形態に於ける動作手順を示す説明図。
【図38】本発明の第12実施形態に於ける動作手順を示す説明図。
【図39】同実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図40】同実施形態に於ける動作手順を示す説明図。
【図41】本発明の他の実施形態における二次元画像と三次元データとの座標の対応を示す説明図。
【符号の説明】
【0101】
K…被検体、1…X線システム、10…画像処理装置、
11…CTボリュームデータ取得部、12…システム制御部、
13…操作部、14…画像記憶部、15…演算部、16…画像作成部、
17…記憶部、19…表示制御部、20…CT装置、21…投影画像取得部、
22…支持器制御部、30…X線撮像装置、31…寝台、32…架台、
33…Cアーム、34…X線源、35…X線検出器、36…モニタ、
45…三次元ボリュームデータ、46…血管、46…CT投影画像、
46a…血管芯線、47…血管抽出画像、48…CPR画像。
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法に関し、特にするものである。
【背景技術】
【0002】
X線診断装置やMRI装置、あるいはX線CT装置などを用いた医用画像診断技術は、1970年代のコンピュータ技術の発展に伴って急速な進歩を遂げ、今日の医療において必要不可欠なものとなっている。
【0003】
X線診断は、近年ではカテーテル手技の発展に伴い循環器分野を中心に進歩を遂げている。循環器領域におけるX線診断は心血管系をはじめ、全身の動静脈の診断を対象としており、血管内に造影剤を注入した状態でX線透過像を撮影する場合が多い。循環器診断用のX線診断装置は、通常、X線発生部とX線検出部、これらを保持する保持機構と、寝台(天板)及び信号処理部を備えている。そして、保持機構はCアームあるいはΩアームが用いられ、天板片持ち方式の寝台と組み合わせることによって患者(以下では、被検体と呼ぶ)に対して最適な位置や角度からのX線撮影を可能にしている。
【0004】
X線診断装置のX線検出部として用いられる検出器は、従来はX線フィルムやI.I.(イメージ・インテンシファイア)が使用されてきた。このI.I.を用いたX線撮影方法では、X線発生部のX線管から発生したX線によって被検体を照射し、このとき被検体を透過して得られるX線の画像情報は、I.I.において光学画像に変換され、更に、この光学画像はX線TVカメラによって撮影され電気信号に変換される。そして、電気信号に変換されたX線画像情報はA/D変換後、モニタに表示される。このため、I.I.を用いた撮影方法は、フィルム方式では不可能であったリアルタイム撮影を可能とし、また、デジタル信号で画像データの収集ができるため、種々の画像処理を可能とした。また、前記I.I.に替わるものとして、近年、2次元配列のX線平面検出器(以下、平面検出器と呼ぶ。)が注目を集め、その一部は既に実用化の段階に入っている。
【0005】
従来のCアームを有したX線診断装置において、所望の撮影方向を設定するための撮影系の操作は、操作卓に設けられたハンドルの移動によって行なわれてきた。例えば、冠状動脈撮影のためのCアーム傾斜角度(Working−angle)の設定では、(1)診断対象の血管に対して他の血管が重ならずに撮影が可能なこと、(2)狭窄部等の患部が存在する血管の走行に対してX線が垂直に照射されること、(3)屈曲部が観察し易い方向にX線が照射されること、などが要求されるが、このような要求に対して医師や検査技士(以下では、操作者と呼ぶ。)は、Cアーム傾斜角度を変えながら被検体に対して試行錯誤的にX線撮影を繰り返して行ない、得られた透視画像データをモニタ上で観測することによって最適なX線撮影方向の設定を行なってきた。
【0006】
一方、被検体に対して3次元画像データを予め収集し、得られた3次元画像データに基づいてX線撮影方向を設定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、操作者は、装置の表示部に表示される被検体の3次元画像を所定方向に回転しながら観察することによって最適な撮影方向の設定を行なう。そして、設定された最適撮影方向に基づいてCアームの傾斜角度を設定してX線撮影を行なう。また、標準臓器モデルを回転させると、これに応じてX線装置のアームが回転し、角度が調整される技術が提供されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、モデル上の点をクリックにより指定するとこれに応じたX線装置の回動の最適円弧を示す技術が提供されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】米国特許第6424731号明細書(第1−4頁、第1−2図)
【特許文献2】特願2003−132658号公報
【特許文献3】特願2005−207688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
血管などの患部に対して最適な撮影方向を設定する際、十分な解剖学的知識あるいは豊富な経験を有していない操作者によってCアーム傾斜角度の設定が試行錯誤的に行なわれた場合、被検体に対してX線照射が多数回繰り返されるため、最終的な撮影方向が設定されるまでに多くの時間を要し、被検体に対するX線被曝量が増大する原因となる。また、予め被検体の3次元画像データを収集する必要があるため、X線撮影全体に要する時間と被検体に対するX線被曝量の問題は依然として解決されていない。この他、上記技術においては、例えば多方向からの画像を得るために最適方向決定までに時間を要し、モデルを使用するため実際の個人差のある患者への適用が困難であり、投影されたデータを用いるためにForeshorteningが解決できないなどの事情がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は予め得られた画像データを用いて最適な撮影方向を設定することによって、X線撮影に要する時間の短縮と被検体に対するX線被曝量の低減を可能としたX線診断装置及びX線撮影方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態に係るデータ処理装置は、被検体の観察方向を算出するデータ処理装置であって、前記被検体の三次元データを保管する保管手段と、前記被検体の三次元データを、該三次元データに対応する二次元画像で表示する二次元画像表示手段と、前記表示手段で表示された前記二次元画像上で特定の座標に関する座標情報を指定する指定手段と、前記二次元画像上で指定された前記座標情報に基づいて、これに対応する前記三次元データにおける座標情報を特定する手段と、前記三次元上の座標情報に基づき、前記X線撮像手段の撮影方向を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の一形態に係るX線装置は、前記データ処理装置と、前記被検体に対してX線を照射するX線発生手段と、前記X線発生手段から照射されたX線を検出するX線検出手段と、前記X線発生手段と前記X線検出手段を移動する移動手段と、算出された前記角度情報に基づいて前記移動手段の移動を制御する移動制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の一形態に係るデータ処理方法は、被検体の観察方向を算出するデータ処理方法であって、前記被検体の三次元データを、該三次元データに対応する二次元画像で表示する工程と、前記表示された前記二次元画像上で特定の座標に関する座標情報が指定される工程と、前記二次元画像上で指定された前記座標情報に基づいて、前記三次元データにおける座標情報を特定する工程と、前記三次元上の座標情報に基づき、前記X線撮像手段の撮影方向を算出する工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、X線撮影に要する時間の短縮と被検体に対するX線被曝量の低減を可能としたX線診断装置及びX線撮影方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るX線システム1の構成を示すブロック図である。X線システム1(X線装置)は、画像処理装置10、CT装置20、X線撮像装置30を備えて構成される。
【0014】
図1に示す画像表示装置(データ処理装置)10は、CTボリュームデータ取得部11と、システム制御部12と、操作部13(指定手段)と、画像記憶部14(保管手段)と、演算部15(算出手段)と、画像作成部16と、記憶部17と、表示制御部19と、支持器制御部22と、投影画像取得部21と、を有して構成される。なお、この画像処理装置10と、これによって制御されるX線撮像装置30によりX線システム1が構成される。
【0015】
前記CTボリュームデータ取得部11は、CT装置20より所望の三次元データとしてのCTボリュームデータを取得するためのものである。システム制御部12は、このX線システム1全体の制御動作を司るものである。操作部13は、画面上で特定箇所をクリックするための操作や、画像の選択等を行うためのものでコントロールパネル等により構成される。
【0016】
画像記憶部14は、三次元ボリュームデータ45やX線撮像画像を記憶する記憶手段である。また、演算部15は、特定された位置に基づいて最適方向を演算する等、各種演算を行うためのものである。画像作成部16は、画像記憶部14と共に後述するモニタ36に表示すべく画像を作成する機能を有する。記憶部17は、後述するX線撮像装置30のX線投影方向の情報等の各種情報を記憶するためのものである。
【0017】
表示制御部19は、前記画像記憶部14及び画像作成部16で作成された3D画像の断面画像や二次元画像等の各種画像をモニタ36に表示するものである。支持器制御部22は、後述するX線撮像装置30のCアーム33の位置、角度を制御するためのものである。また、投影画像取得部21は、後述するX線検出器35からの投影画像データを取得する手段である。
【0018】
X線撮像装置30は、患者(被検体)Kを載置する寝台31と、架台32と、この架台32に支持されて図示A軸を中心に図示矢印R方向に回動可能なCアーム33と、このCアーム33の一方の端部に設けられたX線源34と、Cアーム33の他方の端部に設けられたX線検出器35と、生成された画像を表示するモニタ36(二次元画像表示手段、三次元画像表示手段)とを備えて構成される。表示手段としてのモニタ36は三次元のボリュームデータや二次元のCPR画像等の各種画像や情報を表示するものである。
【0019】
寝台31は、鉛直方向及び水平方向に移動可能となっており、これにより患者Kは、X線源34とX線検出器35との間に適当に配置される。
【0020】
Cアーム33は、X線源34及びX線検出器35を対向配置させて、これらを保持する構造になっている。X線源34は、図示されないが、患者Kに対しX線を照射するX線管球と、当該X線管球から照射されたX線をコリメートするコリメータとを有している。一方、X線検出器35は、例えばI.I.(イメージ・インテンシファイア)と光学系とによって構成されており、I.I.によって患者Kを透過したX線情報を光学情報に変換し、光学系によってこの光学情報を光学レンズで集光する。尚、I.I.以外の検出装置としてX線平面検出器を用いても良い。
【0021】
モニタ36は、表示制御部19を介して出力されたボリューム画像や二次元画像等の各種情報を画面上に表示するものである。
【0022】
次に、図2のフローチャートを参照して、本発明の第1の実施形態に於ける画像表示装置のシステム制御部12における制御手順及び各装置の動作について説明する。
【0023】
ここでは、二次元の画像として、CTのstretchedCPR画像を用いる。このCTのsstretchedCPR画像では、Foreshortening無く血管が抽出され、かつ、表示されている二次元画像の画素位置が三次元画像のボリュームデータの画素位置と一対一で対応しているという特徴がある。
【0024】
二次元で表現されたCTのstretchedCPR画像でピクセル座標をクリックすると、そのピクセルはボクセルと一対一で対応しているため、三次元座標を求めることができる。三点の三次元座標が求められると空間に面を定義することができる。この面に垂直な方向を最適観察角度として出力する。なお、ここでは特に、ピクセルは、二次元座標における各画素のことを示すとともに、ボクセルは、三次元画像における各データのことを示す。
【0025】
図2に示すように、先ず、術前にCT装置20で撮像、際構成されたCTボリュームデータ取得部11によって取得されたCTボリュームデータから、対象となる血管のstretchedCPR画像が作成される。
【0026】
具体的には、まずステップ(ST)1において、図1に示されるCT装置20から、図3に示すようなボリュームデータ45が得られる。このボリュームデータ45から、血管46部分が抽出される(ST2)。抽出された血管抽出画像47を図4に示す。
【0027】
なお、本技術は、狭窄、瘤、完全閉塞、分岐部に用いられることが多く、その血管の形状は、後に示すように分岐している場合や途切れている場合等があるが、これらの場合については別の実施形態で後述する。ここでは図5に示すような所定形状で連続して延びているものを一例として説明する。
【0028】
次いで、図5に示すような対象となる血管46のstretchedCPR画像48が作成され(ST3)、2次元の血管stretchedCPR画像48となる。この血管のstretchedCPR画像がモニタ36に表示される(ST4)。
【0029】
なお、CPR画像には3種類あるが、ここでは、もしくstretchedCPR画像を用いることとするが、StraightenedCPR画像でも良い。両者とも、血管の長さが保たれていることと、図6に示すように、画素が三次元座標と一対一で対応することが特徴である。
【0030】
次いで、例えばオペレータが操作部13をクリック動作等で操作することにより、モニタ36に表示された血管stretchedCPR画像上における指定点が指定される(ST5)。ここでは、例えば、図5に示されるように、オペレータがCPR画像上で見たい部分である病変(たとえば狭窄)の近傍三箇所をクリックすることにより、血管stretchedCPR画像48上にてある3点a,b,cが指定される。このクリックは、操作部13内のマウスやキーボード、或いはタッチパネル等によって行われる。
【0031】
このように、二次元における3点が特定されると、図6に示すように、この1ピクセルがボリュームデータにおける1ボクセルに対応しているため、演算部15において、stretchedCPR画像上の3点がそれぞれ三次元の座標に変換され、3つの三次元3つの座標が特定される(ST6)。
【0032】
図7に示すように、血管stretchedCPR画像48上の3点は、それぞれ3次元座標を有しているので、この三点を通る次元空間内の平面は一意に定めることができる。演算部15にて、得られた3つの三次元座標に基づいて、この三点を通る平面P1の式を算出する(ST7)。
【0033】
ついで、演算部15において、この平面P1の垂線N1を算出する(ST8)。この垂線N1の方向が3点が最も広がって見える方向である。この垂線N1の方向としては180度反する2方向が算出されるが、このうち1方向は、X線撮像装置30の機械的制約によっては回転できない方向である。したがって、この垂線N1の方向と、X線撮像装置30におけるCアーム33の回動可能な範囲などのX線撮像装置30に関する情報とに基づいて、垂線N1の方向を満たすとともに装置の回動可能範囲内であるという条件を満たす角度が最適観察角度として算出される(ST9)。
【0034】
得られた最適観察角度について、座標系が変換される(ST10)。一般に、ボリュームデータは、X,Y,Zといった3次元座標系が用いられることが多い。一方、X線システムで慣用的に用いられている座標系は、図8乃至図10に示されるように、支持器中心をゼロとした、LAO・RAO、CRA・CAU系で表現されることが多い。両者の関係はボリュームデータ中心と支持器中心をゼロと仮定することにより、一意に変換することができる。これにより、求められた最適観察角度は、LAO・RAO、CRA・CAU系で表現することができる。
【0035】
図11に示すように、得られた最適観察角度を、数字としてモニタ36に出力し、表示する(ST11)。例えば、「CRA 0度、LAO 30度」等のように表示される。さらに、これと同時にモニタに表示された三次元画像をこの最適方向に対応する方向に回転して表示される(ST12)。すなわち、画像作成部16にて回転されたCT投影画像が作成され、当該方向から見た血管のCT投影画像46がモニタ36に表示される。
【0036】
ついで、決定された最適方向に関する情報が、支持器制御部22に送られる(ST13)。さらに、それと共に、最適方向に関する情報が、記憶部17に一時記憶される(ST14)。
【0037】
そして、支持器制御部22により、記憶部17に記憶された角度に従って、支持器制御部22を介してCアーム33が制御され、最適方向に位置するように回転する(ST15)。
【0038】
本実施形態に係るデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法によれば以下のような効果を奏する。すなわち、CT画像等を用いて撮影対象部位に対する最適な撮影方向を予め設定することで、X線撮影に要する時間の短縮と被検体に対するX線被曝量の低減が可能となる。例えば、オペレータが見たい血管上の病変部(閉塞、狭窄、分岐)をクリックするだけで予め得た画像に基づいてX線装置の最適方向を算出することができる。
【0039】
特に、CT画像を用いたことにより、血管のみ抽出した三次元画像を作成できる。さらに、CT画像を用いたことにより、完全閉塞血管など造影剤が鮮明に入り難い血管までも可視化できるので、より適正な角度を算出することができる。
【0040】
また、CPR画像は狭窄の観察やステント長さの概算を知るのに頻繁に用いられているため、このCPR画像においてみたい病変部(閉塞、狭窄、分岐)が指定されると、病変部をインターベンション治療するのに適した最適観察角度を簡単に求めることができるという効果も得られる。
【0041】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図12及び図13を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST25乃至ST27以外は第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0042】
本実施形態では、図12に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図13に示すように、オペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の1箇所がクリックされて指定されることにより1つの点dが指定される(ST25)。
【0043】
なお、ボリュームデータは、血管中心座標が抽出済みのボリュームデータが用いられる。実際の臨床場面では、CT撮像後に操作者が血管芯線46aをトレースしているので、その血管芯線46aのデータをそのまま用いればよい。
【0044】
この場合に、既に抽出されている血管芯線46aに基づき、この指定された1点dから、血管芯線46aに沿って所定距離離れた両側の点e,fの座標をそれぞれ特定し(ST26)、これら2点e,fと指定された1点dとが通る平面P1が算出される(ST27)。この他は、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0045】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0046】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図14及び図15を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST35乃至ST37以外は第1及び第2実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0047】
本実施形態では、図14に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図15に示すように、オペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の2箇所がクリックされて指定されることにより2つの点g,hが指定される(ST35)。
【0048】
この場合に、既に抽出されている血管芯線46aに基づき、血管芯線46aに沿い、かつ、指定された2箇所の中間点iの座標を特定し(ST36)、これら中間の1点iと指定された2点g、hとが通る平面P1が算出される(ST37)。この他は、上記第1及び第2実施形態と同様の処理が行われる。
【0049】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1及び第2実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0050】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図16乃至図18を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST45乃至ST47以外は第1乃至第3実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0051】
本実施形態では、図16に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図17に示すように、オペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の4箇所がクリックされて指定されることにより4つの点j,k,l,mが指定され(ST45)、これら4点j,k,l,mの座標が特定される(ST46)。
【0052】
この場合には、平面が一意に定まらないため、図18に示すように、4点からの距離の和が最小となる平面を逐次計算して推定し、この距離の和が最小となる平面が平面P1として算出、特定される(ST47)。この他は、上記第1乃至第3実施形態と同様の処理が行われる。
【0053】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第3実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0054】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図19及び図20を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST55乃至ST57以外は第1乃至第4実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0055】
本実施形態では、図19に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図20に示すように、オペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の領域nがドラッグ等で指定されることによりこの領域n内の多数の点が指定され(ST55)、これらの多数の座標が特定される(ST56)。
【0056】
この場合には、平面が一意に定まらないため、上記第4実施形態と同様に図18に示すように、各点からの距離の和が最小となる平面を逐次計算して推定し、この距離の和が最小となる平面が平面P1として算出、特定される(ST57)。この他は、上記第1乃至第4実施形態と同様の処理が行われる。
【0057】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第4実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0058】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図21を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST61乃至ST63以外は第1乃至第5実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0059】
本実施形態では、図21に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST6までの処理がなされた後、オペレータにより指定された3点が一直線上にあるか否かを判定する(ST61)。このとき一直線上にある場合には、平面が一意に定まらないため、更なる入力を要求する(ST62)。例えば、表示手段にメッセージ等を表示してもう一箇所指定するように促す。
【0060】
この入力要求に応じてオペレータによる再度の指定入力がなされると(ST63)、この追加された点を含めた点を通るように平面P1が算出される(ST7)。再指定は例えば、さらなる一箇所をクリックする等により行われる。
【0061】
この他は、上記第1乃至第5実施形態と同様の処理が行われる。
【0062】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第5実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0063】
なお、この実施形態の変形例として、3点が一直線上であった場合に、指定要求をする代わりに、自動的に後述する第7実施形態のST73〜ST75の処理をすることとしてもよい。
【0064】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図22乃至27を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST71乃至ST7以外は第1乃至第6実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0065】
上記第1乃至第6実施形態においては、最適方向として1つの角度を決定したが、本実施形態においては最適方向候補を算出し、オペレータに提示することで、オペレータによって最終的に最適方向が選択されるというものである。
【0066】
本実施形態では、図22に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図23に示すようにオペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の2つの点o,pがクリック等の操作により指定される(ST71)。ついでST72において、図24に示すように、この二次元画像上の2つの点o,pの座標を三次元座標として特定する。
【0067】
さらに、図25に示すように、この三次元上の2つの座標を通る直線N2を算出する(ST73)。この直線N2に垂直で、o,pの中点を通る直線方向を、最適方向候補とする(S74)。
【0068】
言い換えると、図26に示すように、この直線N2に垂直で、かつ、o,pの中点を通る面P2を仮定しこの平面P2内に視点を置いて見た方向を最適方向候補と定める。
【0069】
ここで、算出された最適方向候補に基づき、この最適方向候補で回転可能とした三次元画像を表示手段により表示する(ST75)。三次元画像を回転可能に提示する表示方法としては、使用する画像はVRやMIP等の画像が最もよく用いられる。画像は回転可能なように表示し、あわせて角度を数字で表示する。この回転の中心は先に述べた直線N2である。
【0070】
この他は、上記第1乃至第6実施形態と同様の処理が行われる。
【0071】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第6実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0072】
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図28及び図29を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST81乃至ST83以外は第7実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0073】
本実施形態では、図28に示されるように、上記第7実施形態と同様にST1乃至ST4までの処理がなされた後、例えば図29に示すように、オペレータにより例えば病変(狭窄)近傍の所望の一箇所qがクリック操作等で指定され(ST81)、この座標が特定される(ST82)。
【0074】
この場合には、既に抽出されている血管芯線46aを利用し、点qの接線を算出する(ST83)。この算出された接線を直線N2として(ST73)、第7実施形態と同様に処理する。
【0075】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第8実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0076】
[第9実施形態]
次に、本発明の第9実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図30及び図31を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST91及びST92以外は第7実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0077】
本実施形態では、図30に示されるように、上記第7実施形態と同様にST1からST74までの処理がなされ、円弧状の軌跡である最適方向候補が提示されるとともに画像が回転可能に表示された後、さらに、図30及び図31に示すように、最適方向候補のうちで、(0,0)座標に、すなわち、Cranial Caidalが0度に、LAO,RAOが0度に、最も近い角度を算出する(ST91)。この算出された1つの方向を、最適方向として決定する(ST92)。
【0078】
図31に示すように、座標(0,0)に近くするということは最も正面から撮像されるのに近いということである。したがって、正面からの撮像の場合いはX線の被曝が最も小さくなるため、被検体にとって好ましい。したがって、この角度を最適方向とする。
【0079】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第8実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。
【0080】
さらに、この実施形態ではX線の被曝を最小限にすることができるため、被検体にとっても好ましい。
【0081】
[第10実施形態]
次に、本発明の第10実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図32を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST101乃至ST103以外は第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0082】
本実施形態では、図32に示されるように、上記第1実施形態と同様にST1からST12までの処理がなされ、最適方向が提示されるとともに画像が表示された後、さらに、決定された最適方向に関する情報が、支持器制御部22に送られる(ST101)。これと共に、最適方向に関する情報が、記憶部17に一時記憶される(ST102)。
【0083】
そして、支持器制御部22により、記憶部17に記憶された角度に従って、支持器制御部22を介してCアーム33が制御され、最適方向に位置するように回転する(ST103)。
【0084】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1乃至第8実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。なお、ここでは、この実施形態の特徴であるST101乃至103を、第1実施形態に組み合わせた場合について例示したが、これに限られるものではなく、上記第1乃至第9実施形態のいずれに組み合わせてもよい。
【0085】
[第11実施形態]
次に、本発明の第11実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図33及び図34を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST111乃至ST113以外は第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0086】
本実施形態は、例えば図34に示されるように、血管が完全に閉塞している症例(完全閉塞(CTO))の場合に適用される。この場合は、造影剤が閉塞部に流れていかないため、閉塞部は画像化されず、血管芯線46aが途切れた状態となっている。この場合にはオペレータのクリック操作等により、閉塞部分の血管の両端r,sが指定される(ST111)。この場合、血管46の芯線46aが繋がっていないと判断する(ST112)。ついで、指定された両端において、夫々血管芯線の接線l1、l2を算出する(ST113)。この接線r1と接線s1との距離が最短となる中点Mを算出する。これにより得られた中点Mと指定された2点r,sを合わせて3点とし、この3点を通る平面P1を求め、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0087】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。なお、ここでは、この実施形態の特徴であるST111乃至113を、第1実施形態に組み合わせた場合について例示したが、これに限られるものではなく、上記第1乃至第10実施形態のいずれに組み合わせてもよい。
【0088】
[第12実施形態]
次に、本発明の第12実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図35乃至図37を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST121以外は第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0089】
本実施形態は、例えば図35に示されるように、血管が完全に閉塞している症例の場合に適用される。この場合は、造影剤が閉塞部に流れていかないため、閉塞部は画像化されず、血管芯線46aが途切れた状態となっている。この場合には図35及び図37に示すように、オペレータのクリック操作等により、造影端点t1、側副端点t2、及び中間点t3、が指定される(ST121)。これにより得られた3点を通るP1を求め、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。以上により、図37に示すように、病変が最も長く見える最適方向が見つかる。
【0090】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。なお、ここでは、この実施形態の特徴であるST121を、第1実施形態に組み合わせた場合について例示したが、これに限られるものではなく、上記第1乃至第11実施形態のいずれに組み合わせてもよい。
【0091】
[第13実施形態]
次に、本発明の第13実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法について図38乃至図40を参照して説明する。なお、本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法において、ステップST131以外は第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様であるため説明を省略する。
【0092】
本実施形態は、例えば図38に示されるように、対象となる血管が分岐している場合に適用される。この場合には図38及び図39に示すように、オペレータのクリック操作等により、血管の本幹の2点u1,u2と、分岐部分の1点u3が指定される(ST131)。これにより得られた3点を通るP1を求め、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。以上により、図40に示すように、分岐が最も広く見え、病変が最もよく見える最適方向が見つかる。
【0093】
本実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法においても上記第1実施形態にかかるデータ処理装置、X線装置及びデータ処理方法と同様の効果を得られる。なお、ここでは、この実施形態の特徴であるST131を、第1実施形態に組み合わせた場合について例示したが、これに限られるものではなく、上記第1乃至第12実施形態のいずれに組み合わせてもよい。
【0094】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0095】
CTによる血管のボリュームデータを例として説明したが、本発明の撮影対象は血管に限られず、他に、例えば、骨、管腔臓器(小腸、大腸等)、ステントやグラフト等の体内埋め込みデバイス等に適用可能である。また、本発明はCT装置に限られることなく、X線装置、MRI装置、超音波装置等の他の装置で撮像されたデータを用いても良い。
【0096】
更に、本発明は、CTボリュームデータに限られることなく、MRI、PET等、3Dデータであれば何れにも適応が可能である。データの種類としては、例えばcoronary treeや3D angioでも適用可能である。
【0097】
また、最初の画像としてstretchedCPR画像を用いた場合について例示したが、これに限られるものではなく、StraightenedCPRを用いてもよいし、例えば図41に示されるように、MPR画像を用いることもできる。例えば複数枚のMPR画像51,52を用い、1つのMPR画像51で指定された1点51aが、三次元空間50内の1点を与え、別のMPR画像52で指定された1点52aが同じ三次元空間50内の他の1点を与える。こうして対応する三次元空間における2点以上が得られれば前述のCPR画像と同様の手法がそのまま利用できる。さらに、1点だけ指定された場合には上記第2実施形態等と同様に他の点を決定することが可能である。
【0098】
さらに複数の実施形態による決定方法を使い分けるように構成しても良い。例えば、血管芯線46aの形状を判断する工程と、この形状に基づいて第1乃至第10実施形態と、第11実施形態と、第12実施形態と、第13実施形態とにおける最適方向の決定方法を選択する工程とを備え、選択された好ましい決定方法によって最適方向が算出されるようにする。例えば血管芯線が直線状に延びる場合にはその直線が長く見える方向を最適方向とし、指定された部分の血管芯線が分岐している場合には分岐角度が最も広く見える方向を最適方向として決定する。
【0099】
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るX線撮像システムの構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図3】同実施形態におけるボリュームデータの説明図。
【図4】同実施形態における抽出画像の説明図。
【図5】同実施形態における二次元画像の説明図。
【図6】同実施形態における二次元画像とボリュームデータとの座標の対応を示す説明図。
【図7】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図8】同実施形態における座標系の変換方法の説明図。
【図9】同実施形態における座標系の変換方法の説明図。
【図10】同実施形態における座標系の変換方法の説明図。
【図11】同実施形態におけるモニタに投影画像が表示された状態を示す正面図。
【図12】本発明の第2実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図13】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図14】本発明の第3実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図15】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図16】本発明の第4実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図17】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図18】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図19】本発明の第5実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図20】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図21】本発明の第6実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図22】本発明の第7実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図23】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図24】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図25】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図26】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図27】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図28】本発明の第8実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図29】同実施形態における表示手段の及びその操作手順を示した図。
【図30】本発明の第9実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図31】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図32】本発明の第10実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図33】本発明の第11実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図34】同実施形態における動作手順を示す説明図。
【図35】本発明の第12実施形態に於ける動作手順を示す説明図。
【図36】同実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図37】同実施形態に於ける動作手順を示す説明図。
【図38】本発明の第12実施形態に於ける動作手順を示す説明図。
【図39】同実施形態に於ける画像表示装置の動作について説明するためのフローチャート。
【図40】同実施形態に於ける動作手順を示す説明図。
【図41】本発明の他の実施形態における二次元画像と三次元データとの座標の対応を示す説明図。
【符号の説明】
【0101】
K…被検体、1…X線システム、10…画像処理装置、
11…CTボリュームデータ取得部、12…システム制御部、
13…操作部、14…画像記憶部、15…演算部、16…画像作成部、
17…記憶部、19…表示制御部、20…CT装置、21…投影画像取得部、
22…支持器制御部、30…X線撮像装置、31…寝台、32…架台、
33…Cアーム、34…X線源、35…X線検出器、36…モニタ、
45…三次元ボリュームデータ、46…血管、46…CT投影画像、
46a…血管芯線、47…血管抽出画像、48…CPR画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の観察方向を算出するデータ処理装置であって、
前記被検体の三次元データを保管する保管手段と、
前記被検体の三次元データを、該三次元データに対応する二次元画像で表示する二次元画像表示手段と、
前記表示手段で表示された前記二次元画像上で特定の座標に関する座標情報を指定する指定手段と、
前記二次元画像上で指定された前記座標情報に基づいて、これに対応する前記三次元データにおける座標情報を特定する手段と、
前記三次元上の座標情報に基づき、前記X線撮像手段の撮影方向を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記三次元データは、X線装置、CT装置、MRI装置、超音波装置、PET装置のいずれかで撮像され、三次元化されたデータであることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記二次元画像表示手段では、前記三次元データのボクセルと対応するピクセルで2次元データとして表示されることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記座標情報は、前記画像上の一つ以上の点、領域または線として指定されることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記算出手段は、前記座標情報に基づいて空間内に面を定義し、その面に垂直な方向を前記撮影方向とすることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記座標情報に基づいて、空間内に直線を定義し、その直線が最も長く見える方向を前記撮影方向することを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記算出手段は、3つの点が指定された場合に、前記平面は前記特定された3点を通る平面であることを特徴とする請求項5記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記算出手段は、4以上の点、線、または領域が指定された場合に、前記平面は、これらのうち3点を通る平面であって、指定された点の距離が最小となる平面であることを特徴とする請求項5記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記算出手段は、2つの点が指定された場合、前記平面は前記2点及びその中間点を通る平面であることを特徴とする請求項5記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記算出手段は、1つの点が指定された場合、前記平面は前記1点及びその前後に所定距離離間した点を通る平面であることを特徴とする請求項5記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記算出手段は、前記二次元画像上における撮像対象が途切れる中断部を有する場合、
前記中断部の両端が指定されるとともに、
前記平面は、前記両端における接線同士の中間と、前記両端の点とを通る平面であることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記算出手段は、前記二次元画像上における撮像対象が分岐する分岐部分を有する際に、前記分岐の角度が最も大きく見える方向を前記撮影方向とすることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項13】
選択情報として撮影対象部位を選択可能であり、前記二次元画像に対して所望の選択情報を入力する入力手段をさらに備え、
前記選択された対象部位が抽出され、前記二次元画像表示手段に表示されることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか記載のデータ処理装置。
【請求項14】
前記算出手段で算出された撮影方向に投影した方向で前記三次元画像を表示する三次元表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか記載のデータ処理装置。
【請求項15】
前記撮影方向は、前記撮影方向及びX線装置の移動条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか記載のデータ処理装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか記載のデータ処理装置と、
前記被検体に対してX線を照射するX線発生手段と、
前記X線発生手段から照射されたX線を検出するX線検出手段と、
前記X線発生手段と前記X線検出手段を移動する移動手段と、
算出された前記角度情報に基づいて前記移動手段の移動を制御する移動制御手段と、を備えたことを特徴とするX線装置。
【請求項17】
被検体の観察方向を算出するデータ処理方法であって、
前記被検体の三次元データを、該三次元データに対応する二次元画像で表示する工程と、
前記表示された前記二次元画像上で特定の座標に関する座標情報が指定される工程と、
前記二次元画像上で指定された前記座標情報に基づいて、前記三次元データにおける座標情報を特定する工程と、
前記三次元上の座標情報に基づき、前記X線撮像手段の撮影方向を算出する工程と、を備えたことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項1】
被検体の観察方向を算出するデータ処理装置であって、
前記被検体の三次元データを保管する保管手段と、
前記被検体の三次元データを、該三次元データに対応する二次元画像で表示する二次元画像表示手段と、
前記表示手段で表示された前記二次元画像上で特定の座標に関する座標情報を指定する指定手段と、
前記二次元画像上で指定された前記座標情報に基づいて、これに対応する前記三次元データにおける座標情報を特定する手段と、
前記三次元上の座標情報に基づき、前記X線撮像手段の撮影方向を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記三次元データは、X線装置、CT装置、MRI装置、超音波装置、PET装置のいずれかで撮像され、三次元化されたデータであることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記二次元画像表示手段では、前記三次元データのボクセルと対応するピクセルで2次元データとして表示されることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記座標情報は、前記画像上の一つ以上の点、領域または線として指定されることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記算出手段は、前記座標情報に基づいて空間内に面を定義し、その面に垂直な方向を前記撮影方向とすることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記座標情報に基づいて、空間内に直線を定義し、その直線が最も長く見える方向を前記撮影方向することを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記算出手段は、3つの点が指定された場合に、前記平面は前記特定された3点を通る平面であることを特徴とする請求項5記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記算出手段は、4以上の点、線、または領域が指定された場合に、前記平面は、これらのうち3点を通る平面であって、指定された点の距離が最小となる平面であることを特徴とする請求項5記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記算出手段は、2つの点が指定された場合、前記平面は前記2点及びその中間点を通る平面であることを特徴とする請求項5記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記算出手段は、1つの点が指定された場合、前記平面は前記1点及びその前後に所定距離離間した点を通る平面であることを特徴とする請求項5記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記算出手段は、前記二次元画像上における撮像対象が途切れる中断部を有する場合、
前記中断部の両端が指定されるとともに、
前記平面は、前記両端における接線同士の中間と、前記両端の点とを通る平面であることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記算出手段は、前記二次元画像上における撮像対象が分岐する分岐部分を有する際に、前記分岐の角度が最も大きく見える方向を前記撮影方向とすることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項13】
選択情報として撮影対象部位を選択可能であり、前記二次元画像に対して所望の選択情報を入力する入力手段をさらに備え、
前記選択された対象部位が抽出され、前記二次元画像表示手段に表示されることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか記載のデータ処理装置。
【請求項14】
前記算出手段で算出された撮影方向に投影した方向で前記三次元画像を表示する三次元表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか記載のデータ処理装置。
【請求項15】
前記撮影方向は、前記撮影方向及びX線装置の移動条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか記載のデータ処理装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか記載のデータ処理装置と、
前記被検体に対してX線を照射するX線発生手段と、
前記X線発生手段から照射されたX線を検出するX線検出手段と、
前記X線発生手段と前記X線検出手段を移動する移動手段と、
算出された前記角度情報に基づいて前記移動手段の移動を制御する移動制御手段と、を備えたことを特徴とするX線装置。
【請求項17】
被検体の観察方向を算出するデータ処理方法であって、
前記被検体の三次元データを、該三次元データに対応する二次元画像で表示する工程と、
前記表示された前記二次元画像上で特定の座標に関する座標情報が指定される工程と、
前記二次元画像上で指定された前記座標情報に基づいて、前記三次元データにおける座標情報を特定する工程と、
前記三次元上の座標情報に基づき、前記X線撮像手段の撮影方向を算出する工程と、を備えたことを特徴とするデータ処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2009−189557(P2009−189557A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33360(P2008−33360)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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