説明

データ補償システム

【課題】映像の動きに対応してフレーム補償映像とライン補償映像とを切り換え、鮮明な映像が得られるように映像データの補償を行うデータ補償システムを得る。
【解決手段】 映像データ101の欠落を検知すると動き検知部15を用いて映像データ101の動き量を検知し、この検知結果に対応する切り換え信号104を出力する欠落検知部14と、欠落検知部14からの切り換え信号104に応じて接続切り換えを行ってライン補償部13から出力される補償データ103、またはフレーム補償部12から出力される補償データ102を、映像データ105としてモニタ17へ出力する映像切り換え部16とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばMotion−Joint Photographic Experts Group(以下、M−JPEGと記載する)の映像データ等の伝送に用いるデータ補償システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像出力装置から出力された映像データを表示するとき、当該映像データをモニタ等へ直接伝送すると、映像データの伝送時に外部からノイズが混入して当該映像データに欠落が生じることがある。映像データを取り扱うシステムもしくは装置等では、このような欠落データを補償するためにライン補償やフレーム補償を行っている。
前述のような欠落データの補償を行うものとして、入力スイッチの投入により静止画ソフト再生モードとテープの走行を停止させてメモリの出力だけを用いるスチルモードが選択されたとき、通常はライン補間とされているドロップアウト補間をフレーム補間に切り換えるビデオ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−199497号公報(第2,3頁、図1,2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の映像データを取り扱うシステムは以上のように構成されているので、映像出力装置から出力された映像データを直接モニタへ入力するものでは、映像データを伝送する際にノイズなどが混入すると本来の映像データと異なるデータがそのままモニタへ入力され、モニタ上でノイズが発生して鮮明な映像を表示することができなくなるという課題があった。
また、入力スイッチの投入によって静止画ソフトを再生するときにドロップアウト補間をライン補間からフレーム補間に切り換えるものは、映像の動きに対応させて最適な補償処理に自動で切り換えることができず、鮮明な映像を得ることが難しいという課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、映像の動きに対応してフレーム補償映像とライン補償映像とを切り換え、鮮明な映像が得られるように映像データの補償を行うデータ補償システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るデータ補償システムは、映像データの欠落を検知して検知結果に対応する切り換え信号を出力する欠落検知部と、欠落検知部からの切り換え信号に応じて接続切り換えを行ってライン補償部またはフレーム補償部から出力される補償データをモニタへ出力する映像切り換え部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、欠落検知部が欠落を検知した映像データに対応した切り換え信号を映像切り換え部へ出力してライン補償部または前記フレーム補償部から出力される補償データをモニタへ出力するようにしたので、
映像データ中の被写体の動きに応じて最適な補償データに自動で切り換えることが可能となり、鮮明な出力映像を得ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるデータ補償システムの構成を示すブロック図である。図示したデータ補償システム1は、映像出力装置11からの映像データ101を入力する、フレーム補償部12、ライン補償部13、欠落検知部14、及び、映像切り換え部16を備えたもので、欠落検出部14には動き検出部15が備えられ、映像切り換え部16にはモニタ17が接続されている。
映像出力装置11は、モニタ17が映像を表示することができる様式の映像データ101を出力するもので、前述のようにフレーム補償部12、ライン補償部13、欠落検知部14、及び、映像切り換え部16と接続されている。フレーム補償部12は、映像データ101の欠落を含むフレームに対して、1フレーム前の映像データを用いてフレーム補間を行って補償データ102を作成する機能を備え、当該補償データ102を映像切り換え部16へ出力するように接続されている。ライン補償部13は、映像データ101の同一フレーム内において欠落部分の前後のデータを用いてライン補間を行って補償データ103を作成する機能を備え、補償データ103を映像切り換え部16へ出力するように接続されている。
【0009】
欠落検知部14は、入力した映像データ101の動き量を算出して予め設定されている動き量に関する閾値よりも大きいか否かを判定する動き検知部15を備えている。また、欠落検知部14は、入力した映像データ101の欠落を検知し、動き検知部15の判定結果に応じた切り換え信号104を作成する機能を備え、切り換え信号104を映像切り換え部16へ出力するように接続されている。映像切り換え部16は、入力した切り換え信号104に基づいて、映像出力装置11からの映像データ101と、フレーム補償部12からの補償データ102と、ライン補償部13からの補償データ103とを切り換える機能を備え、切り換え出力として映像データ105をモニタ17へ出力するように接続されている。モニタ17は、入力した映像データ105を用いて映像を表示する表示装置である。
【0010】
次に動作について説明する。
映像出力装置11は、前述のようにモニタ17が映像表示可能な映像データ101を出力する。出力された映像データ101に外部等からノイズが混入すると、当該ノイズが含まれている映像データ101を入力した欠落検知部14は、このデータが映像出力装置11から出力される通常のデータとは異なるもの、換言すると映像に欠落部分を有する映像データであることを検知する。この検知動作は、例えば映像出力装置11からの映像データ101がM−JPEG等に則ったデータであるときには、Cyclic Redundancy Check(以下、CRCと記載する)によって行われる。欠落検知部14が例えばCRCによって欠落を検知したとき、欠落検知部14の動き検知部15は、当該欠落を検知した映像データ101が示す映像の動き量を算出し、予め設定されている動き量に関する閾値よりも大きいか否かを判定し、判定結果を示す切り換え信号104を作成して映像切り換え部16へ出力する。
【0011】
映像切り換え部16は、前述の算出した動き量が閾値よりも大きいと判定した旨を示す切り換え信号104を入力したときには、当該切り換え信号104が示す判定結果に基づいてライン補償部13からの補償データ103をモニタ17へ出力するように切り換え処理を行う。また、前述の算出した動き量が閾値よりも小さいと判定した旨を示す切り換え信号104を入力したときには、この切り換え信号104に基づいてフレーム補償部12からの補償データ102をモニタ17へ出力するように切り換え処理を行う。
また、欠落検知部14にて映像データ101の欠落が検知されなかったときには、当該欠落検知部14は切り換えを示す切り換え信号104を出力しない。切り換えを示す切り換え信号104を入力していない映像切り換え部16は、映像出力装置11からの映像データ101をモニタ17へ出力する。
データ補償システム1は、概ね上記のように動作する。
【0012】
図2は、実施の形態1によるデータ補償システムの処理動作を示すフローチャートである。図2を用いてデータ補償システム1の詳細動作を説明する。
映像出力装置11の映像データ出力開始を当該データ補償システム1の処理動作のスタートとし、欠落検知部14が、映像出力装置11から入力した映像データ101に欠落が生じているか否かを判定する(ステップST101)。ステップST101の過程において映像データ101に欠落が無いと判定したとき、欠落検知部14は切り換えを指示する切り換え信号104を出力せず、このような切り換え信号104を入力していない映像切り換え部16は映像出力装置11から入力している映像データ101を図1に示した映像データ105としてモニタ17へ出力する(ステップST102)。なお、上記のように有意を示す切り換え信号104を入力していない映像切り換え部16は、映像出力装置11から入力した映像データ101をそのままモニタ17へ出力する状態を維持している。
ステップST102の過程を実行した後、シーケンスはステップST101の過程に戻り、前述の各過程の処理を繰り返す。
【0013】
前述のステップST101の過程において、欠落検知部14が映像データ101に欠落が生じていると判定したとき、欠落検知部14の動き検知部15は、欠落が生じていると判定した映像データ101の動き量を、例えば当該データが示す画素の変化量から算出する(ステップST103)。このように映像データ101の動き量を求めた後、ステップST104の過程に移行する。
欠落検知部14は、予め設定されている動き量に関する閾値とステップST103の過程で動き検知部15が求めた動き量とを比較する(ステップST104)。映像データ101から算出した動き量が上記の閾値よりも大きいと判定したときには、ステップST105の過程に移行し、上記の判定結果に基づく切り換え信号104、詳しくは、ライン補償部13からの補償データ103を出力するように切り換える旨を表した切り換え信号104を作成し、この切り換え信号104を映像切り換え部16へ出力して切り換え動作を制御する(ステップST105)。なお、ステップST104の過程で行われる、算出した動き量と閾値との比較処理、ステップST105ならびに後述するステップST106の過程で行われる、判定結果に基づく切り換え信号104の作成を、動き検知部15が行うようにしてもよい。
このように切り換え信号104によって制御された映像切り換え部16は、ライン補償部13から入力している補償データ103を図1に示した映像データ105としてモニタ17へ出力する。
【0014】
前述のステップST104の過程において、欠落検知部14は、動き検知部15が映像データ101から算出した動き量が前述の閾値よりも小さいと判定したときには、当該判定結果に基づく切り換え信号104を作成する。即ち、フレーム補償部12からの補償データ102を出力するように切り換える旨を表した切り換え信号104を作成し、この切り換え信号104を映像切り換え部16へ出力して切り換え動作を制御する(ステップST106)。このように制御された映像切り換え部16は、フレーム補償部12から入力している補償データ102を図1に示した映像データ105としてモニタ17へ出力する。
ステップST105の過程、あるいはステップST106の過程を実行した後、シーケンスはステップST101の過程に戻り、前述のように各過程の処理を繰り返す。
【0015】
なお、データ補償システム1の欠落検知部14、フレーム補償部12、ライン補償部13は、当該システムにおいて各々独立して動作し、入力される映像データ101を順次処理して映像切り換え部16へ前述の各データならびに信号を出力している。
また、映像データ101及び補償データ102,103を入力している映像切り換え部16は、前述のように映像データ101、補償データ102、補償データ103を切り換えて映像データ105として出力するとき、入力切り換えによって各々から入力した映像データのフレームを、映像出力装置11から出力された元来の映像データ101のフレーム順序と同様となるように調整している。
【0016】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、映像出力装置11からモニタ17へ伝送される映像データ101の欠落を検知する欠落検知14、及び、欠落検知部14から出力される切り換え信号104に基づいてフレーム補償部12からの補償データ102とライン補償部13からの補償データ103とを切り換えてモニタ17へ出力する映像切り換え部16を備えたので、映像データ101に映り込んでいる被写体の動きに応じて最適な処理を施した補償データに自動で切り換えてモニタ17へ出力することができ、鮮明な映像を表示させることができるという効果がある。
【0017】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2によるデータ補償システムの構成を示すブロック図である。図3に示したデータ補償システム2は、映像出力装置21からの映像データ201を入力する、フレーム補償映像出力部22、ライン補償映像出力部26、及び、動き検知部30を備え、また、フレーム補償映像出力部22からの映像データ204、及びライン補償映像出力部26からの映像データ207を入力し、またさらに動き検知部30からの動き量信号208を入力する映像切り換え部31を備えたもので、映像切り換え部31にはモニタ32が接続されている。
映像出力装置21は、モニタ32が映像を表示することができる様式の映像データ201を出力するもので、前述のようにフレーム補償映像出力部22、ライン補償映像出力部26、及び、動き検知部30と接続されている。
【0018】
フレーム補償映像出力部22は、入力した映像データ201の1フレーム前の映像データ201から補償データ204を作成する機能を有するもので、欠落検知部23、フレーム補償部24、及び、映像切り換え部25を備えて構成されている。欠落検知部23、フレーム補償部24、及び、映像切り換え部25は、映像出力装置21から出力された映像データ201が各々入力されるように接続されている。映像切り換え部25は、前述のように映像データ201を入力すると共に、フレーム補償部24から補償データ203を入力し、また、欠落検知部23から切り換え信号202を入力するように接続されている。またさらに、映像切り換え部25は、フレーム補償映像出力部22の出力データとして前述の映像データ204を映像切り換え部31へ出力するように接続されている。
【0019】
欠落検知部23は、実施の形態1で説明した欠落検知部14と概ね同様な機能を有し、当該欠落検知部14と異なる部分として動き検知部15を備えていない。欠落検知部23は、前述の欠落検知部14と同様な動作処理によって、映像出力装置21から入力した映像データ201の欠落を検知し、検知結果に応じて切り換え信号202を作成するものである。
フレーム補償部24は、実施の形態1で説明したフレーム補償部12と同様な機能を有するもので、入力された映像データ201の欠落を含むフレームに対して、1フレーム前の映像データを用いてフレーム補間を行った補償データ203を作成するものである。
映像切り換え部25は、欠落検知部23から入力した切り換え信号202に基づいて、映像データ201と補償データ203とを切り換えて映像データ204として出力する機能を有するものである。
【0020】
ライン補償映像出力部26は、入力した映像データ201の前後の映像データから補償データ207を作成する機能を有するもので、欠落検知部27、ライン補償部28、及び、映像切り換え部29を備えて構成されている。欠落検知部27、ライン補償部28、及び、映像切り換え部29は、映像出力装置21から出力された映像データ201が各々入力されるように接続されている。映像切り換え部29は、前述のように映像データ201を入力すると共に、ライン補償部28から補償データ206を入力し、また、欠落検知部27から切り換え信号205を入力するように接続されている。またさらに、映像切り換え部29は、ライン補償映像出力部26の出力データとして前述の映像データ207を映像切り換え部31へ出力するように接続されている。
【0021】
欠落検知部27は前述の欠落検知部23と同様な機能を有し、入力した映像データ201の欠落を検知し、検知結果に応じて切り換え信号205を作成するものである。
ライン補償部28は、実施の形態1で説明したライン補償部13と同様な機能を有し、入力された映像データ201の同一フレームにおいて、欠落部分の前後のデータを用いてライン補間を行った補償データ206を作成するものである。
映像切り換え部29は、欠落検知部27から入力した切り換え信号205に基づいて、映像データ201と補償データ206とを切り換えて映像データ207として出力する機能を有するものである。
【0022】
動き検知部30は、実施の形態1で説明した動き検知部15と概ね同様な処理機能を有し、映像出力装置21から入力した映像データ201の動き量を算出し、またさらに予め設定されている動き量に関する閾値よりも大きいか否かを判定し、当該判定結果に対応した動き量信号208を作成する機能を備えている。
映像切り換え部31は、動き検知部30から入力した動き量信号208に基づいて、フレーム補償映像出力部22の映像切り換え部25からの補償データ204と、ライン補償映像出力部26の映像切り換え部29からの補償データ207とを切り換える機能を備え、切り換え出力として映像データ209をモニタ32へ出力するように接続されている。モニタ32は、入力した映像データ209を用いて映像を表示する表示装置である。
【0023】
次に動作について説明する。
映像出力装置21は、前述のようにモニタ32が映像表示可能な映像データ201を作成して出力する。フレーム補償映像出力部22の欠落検知部23が映像データ201の欠落を検知していないとき、即ち有意を示す切り換え信号202を出力していないときには、映像切り換え部25は映像出力部21から入力している映像データ201をそのまま映像データ204として出力する状態を維持している。また、ライン補償映像出力部26の欠落検知部27が映像データ201の欠落を検知していないとき、即ち有意を示す切り換え信号205を出力していないときには、映像切り換え部29は映像出力部21から入力している映像データ201をそのまま映像データ207として出力する状態を維持している。
【0024】
映像出力装置21から出力された映像データ201に外部等からノイズが混入すると、当該ノイズが含まれている映像データ201を入力した欠落検知部23,27は、このデータが映像出力装置21から出力される通常のデータとは異なるもの、換言すると映像に欠落部分を有する映像データであることを検知する。このように欠落が検知されると、欠落検知部23から補償データ203へ切り換える旨を示す切り換え信号202が出力され、欠落検知部27からは補償データ206へ切り換える旨を示す切り換え信号205が出力される。
上記の切り換え信号202を入力した映像切り換え部25は、映像データ201から補償データ203へ入力を切り換え、補償データ203を映像データ204として映像切り換え部31へ出力する。また、上記の切り換え信号205を入力した映像切り換え部29は、映像データ201から補償データ206へ入力を切り換え、補償データ206を映像データ207として映像切り換え部31へ出力する。
【0025】
ここで、動き検知部30は、映像出力装置21から入力した映像データ201の動き量を算出して、予め設定されている動き量に関する閾値よりも大きいか否かを判定し、この判定結果を示す動き量信号208を作成して映像切り換え部31へ出力する。
最後に、映像切り換え部31は、動き検知部30から入力した動き量信号208に基づいて接続切り換えを行い、算出した動き量が閾値よりも小さいと判定した旨の動き量信号208を入力したときには映像データ204を入力してモニタ32へ出力するように切り換え、また、算出した動き量が閾値よりも大きいと判定した旨の動き量信号208を入力したときには映像データ207を入力してモニタ32へ出力するように切り換える。
データ補償システム2は、概ね上記のように動作する。
【0026】
図4は、実施の形態2によるデータ補償システムの動作を示すフローチャートである。図4を用いて実施の形態2によるデータ補償システム2の詳細動作を説明する。
映像出力装置21の映像データ出力開始を当該データ補償システム2の処理動作のスタートとし、欠落検知部23及び欠落検知部27が、映像データ201に欠落が生じているか否かを判定する(ステップST201)。ステップST201の過程で映像データ201に欠落が無いと判定したときには、ステップST201の過程を繰り返す。
【0027】
ステップST201の過程において、映像データ201に欠落が生じていることを検知したときには、フレーム補償映像出力部22の欠落検知部23から有意を示す切り換え信号202が出力され、またライン補償映像出力部26の欠落検知部27から有意を示す切り換え信号205が出力される。このように各々切り換えを指示する切り換え信号202,205が出力されたとき、ステップST202の過程に移行する。
なお、ステップST201の過程で映像データ201に欠落が無いと判定したときには、前述のように、映像切り換え部25,29は、映像出力装置21からの映像データ201を映像切り換え部31へ出力する状態を維持する。
【0028】
動き検知部30は、映像出力装置21から入力した映像データ201の動き量を実施の形態1で説明した動き検知部15と同様な処理によって算出し、求めた動き量信号208の内容を確認して(ステップST202)、予め設定されている動き量に関する閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップST203)。算出した動き量が上記の閾値よりも大きいと判定したときには、その判定結果に対応する内容の動き量信号208を作成してステップST204の過程に移行し、また、前述の動き量に関する閾値よりも小さいと判定したときには、その判定結果に対応する内容の動き量信号208を作成してステップST205の過程に移行する。
【0029】
前述の算出した動き量よりも閾値が大きいと判定した結果に対応する動き量信号208を入力した映像切り換え部31は、ライン補償映像出力部26からの映像データ207を入力し、これを映像データ209として出力するように切り換える(ステップST204)。このとき、ステップST201の過程において映像切り換え部29がライン補償部28からの補償データ206を出力するように切り換えられているので、この補償データ206がモニタ32へ出力される。このように切り換え接続を行ってステップST206の過程に移行する。
次に、欠落検知部27が映像出力装置21から新たに入力した映像データ201に欠落が生じているか否かを判定する(ステップST206)。ここで、映像データ201から欠落が検知されなかったと判定したときには、欠落検知部27は、例えば切り換え信号205が有意を示さないようにして映像切り換え部29を通常の接続状態に戻し、当該映像データ201をモニタ32へ出力するように切り換え接続させ、前述の欠落が生じていないと判定した映像出力装置21からの映像データ201を出力させて(ステップST207)、ステップST201の過程に移行して前述の各過程における処理を繰り返す。
【0030】
ステップST206の過程において、映像データ201に欠落が生じていると判定したときには、欠落検知部27は有意を示す切り換え信号205を映像切り換え部29へ出力して、映像切り換え部29が補償データ206を出力する状態としておき、ステップST202の過程に移行して前述の各過程の処理を繰り返す。
【0031】
また、前述のステップST203の過程において、算出した動き量が閾値よりも大きくないと判定したときには、当該判定結果に対応する内容の動き量信号208が映像切り換え部31に入力され、この動き量信号208を入力した映像切り換え部31は、フレーム補償映像出力部22からの映像データ204を入力し、これを映像データ209として出力すうように切り換える(ステップST205)。このとき、ステップST201の過程において映像切り換え部25がフレーム補償部24からの補償データ203を出力するように切り換えられているので、この補償データ203がモニタ32へ出力される。このように切り換え接続を行ってステップST208の過程に移行する。
次に、欠落検知部23が映像出力装置21から新たに入力した映像データ201に欠落が生じているか否かを判定する(ステップST208)。ここで、映像データ201から欠落が検知されなかったと判定したときには、欠落検知部23は、例えば切り換え信号202が有意を示さないようにして映像切り換え部25を通常の接続状態に戻し、当該映像データ201をモニタ32へ出力するように切り換え接続させ、前述の欠落が生じていないと判定した映像出力装置21からの映像データ201を出力させて(ステップST209)、ステップST201の過程に移行して前述の各過程における処理を繰り返す。
【0032】
ステップST208の過程において、映像データ201に欠落が生じていると判定したときには、欠落検知部23は有意を示す切り換え信号202を映像切り換え部25へ出力して補償データ203を出力する状態としておき、ステップST202の過程に移行して前述の各過程の処理を繰り返す。
なお、フレーム補償映像出力部22、ライン補償映像出力部26、ならびに動き検知部30は各々独立して動作している。また、映像切り換え部31は、映像データ204または映像データ207を切り換えてモニタ32へ出力するとき、元来の映像データ201と同様なフレーム順序に調整し、これを映像データ209として出力している。
【0033】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、映像データ201の欠落を検知したときにフレーム補償を行うフレーム補償映像出力部22とライン補償を行うライン補償映像出力部26とを備え、動き検知部30から出力される動き量信号208によって映像切り換え部31を制御してフレーム補償映像出力部22からの映像データ204またはライン補償映像出力部26からの映像データ207をモニタ32へ出力するようにしたので、映像データ201中の被写体の動きに応じて最適な映像出力に自動で切り換えることが可能となり、鮮明な出力映像を取得できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の実施の形態1によるデータ補償システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1によるデータ補償システムの処理動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2によるデータ補償システムの構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態2によるデータ補償システムの処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1,2 データ補償システム、11,21 映像出力装置、12,24 フレーム補償部、13,28 ライン補償部、14,23,27 欠落検知部、15,30 動き検知部、16,25,29,31 映像切り換え部、17,32 モニタ、22 フレーム補償映像出力部、26 ライン補償映像出力部、101,105,201,204,207,209 映像データ、102,103,203,206 補償データ、104,202,205 切り換え信号、208 動き量信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データのライン補償を行うライン補償部と該映像データのフレーム補償を行うフレーム補償部とを備え、前記ライン補償部またはフレーム補償部によって作成された補償データをモニタへ出力するデータ補償システムにおいて、
前記映像データの欠落を検知して検知結果に対応する切り換え信号を出力する欠落検知部と、
前記欠落検知部からの切り換え信号に応じて接続切り換えを行って前記ライン補償部または前記フレーム補償部から出力される補償データを前記モニタへ出力する映像切り換え部と、
を備えることを特徴とするデータ補償システム。
【請求項2】
欠落検知部は、欠落を検知した映像データの映像の動き量を検知する動き検知部を備え、前記動き検知部が検知した動き量を予め設定されている閾値と比較し、前記検知した動き量が閾値よりも大きいときにはライン補償部からの補償データを映像切り換え部から出力させる切り換え信号を作成し、前記検知した動き量が閾値よりも小さいときにはフレーム補償部からの補償データを前記映像切り換え部から出力させる切り換え信号を作成することを特徴とする請求項1記載のデータ補償システム。
【請求項3】
映像データの欠落を検知すると該映像データのフレーム補償を行った映像データを出力するフレーム補償映像出力部と、
映像データの欠落を検知すると該映像データのライン補償を行った映像データを出力するライン補償映像出力部と、
映像データの映像の動き量を検知して検知結果に対応する動き量信号を出力する動き量検知部と、
前記動き検知部からの動き量信号に応じて接続切り換えを行って前記フレーム補償映像出力部からの映像データまたは前記ライン補償映像出力部からの映像データをモニタへ出力する映像切り換え部と、
を備えるデータ補償システム。
【請求項4】
動き検知部は、検知した動き量と予め設定されている閾値とを比較し、前記検知した動き量が閾値よりも大きいときにはライン補償映像出力部からの映像データを映像切り換え部から出力させる動き量信号を作成し、前記検知した動き量が閾値よりも小さいときにはフレーム補償映像出力部からの映像データを映像切り換え部から出力させる動き量信号を作成することを特徴とする請求項3記載のデータ補償システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−232211(P2009−232211A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75839(P2008−75839)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】