データ通信端末、データ通信方法、データ通信プログラム及び記録媒体
【課題】IP通信における通信速度をユーザが設定する必要がなく、プログラムを簡素化でき、必要なメモリ量を削減できるデータ通信端末、データ通信方法、データ通信プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】IPネットワーク接続可能な接続手段と、音声コーデック種別から使用可能帯域を判定する判定手段と、音声接続に続いて接続するデータ通信接続における使用帯域を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、音声接続で使用する音声コーデック種別からデータ通信で使用可能なネットワーク帯域を判断して、データ通信の使用帯域を制御する。例えば、着呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御手段はネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようにデジタル識別信号のデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信する。
【解決手段】IPネットワーク接続可能な接続手段と、音声コーデック種別から使用可能帯域を判定する判定手段と、音声接続に続いて接続するデータ通信接続における使用帯域を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、音声接続で使用する音声コーデック種別からデータ通信で使用可能なネットワーク帯域を判断して、データ通信の使用帯域を制御する。例えば、着呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御手段はネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようにデジタル識別信号のデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPネットワークによって通信を行う場合のデータ通信端末、データ通信方法、データ通信プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、IPネットワーク通信を行う際に、通信宛先とネットワーク帯域を登録可能にして、ユーザが変更することにより、狭帯域のネットワークでも他の通信に悪影響を与えないようにする方法が記載されている。
【特許文献1】特開2005−269014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
企業内ネットワークには特定の事業所間が狭帯域(128Kbps)のネットワークで結ばれているケースがある。このような環境下でのIP電話通信は、例えば音声コーデックG.711(使用帯域:64Kbps)ではなく、多くの場合、使用帯域が狭いG.729(使用帯域:8Kbps)が採用されている。音声通信と同様に、データのパケット通信もIP電話やデータ通信に影響を与えないように通信速度を9600bpsなど低速で送る必要があるが、現状では、すべての通信に対して通信速度を遅くする設定をする必要がある。また、ネットワーク使用状況(ネットワークの空き状況)によっては、速い通信速度で通信できる場合にも、遅い通信速度のままであり、通信速度を速くする対応ができていない。
【0004】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、IP通信における通信速度をユーザが設定する必要がなく、プログラムを簡素化でき、必要なメモリ量を削減できるデータ通信端末、データ通信方法、データ通信プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明のデータ通信端末は、IPネットワーク接続可能な接続手段と、音声コーデック種別から使用可能帯域を判定する判定手段と、音声接続に続いて接続するデータ通信接続における使用帯域を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、音声接続で使用する音声コーデック種別からデータ通信で使用可能なネットワーク帯域を判断して、データ通信の使用帯域を制御することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、着呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御手段はネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようにデジタル識別信号のデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、発呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御手段はネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようデジタル命令信号のデータ信号速度を設定して画像データパケット送出を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、通信エラーを検出したとき、通信速度を遅くすることを促すエラー通知を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、宛先が設定可能となっており、通信エラーが発生した場合、設定されている宛先毎のパラメータ内の通信速度パラメータを遅くすることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、宛先が設定可能となっていると共に宛作への通信回数がカウントされており、正常通信が決められた回数に達したとき、現在の通信速度より速い通信速度を宛先ごとに蓄積されている通信パラメータに書き込んで次回の通信を前記速い通信速度によって行うことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項5記載のデータ通信端末であって、宛先ごとに通信パラメータが変更可能となっており、発呼側宛先FAX番号の事業所番号またはIPアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断すると共に、発呼宛先のネットワークアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断し、通信エラーが発生した宛先と同じネットワーク内の宛先のとき、設定されている宛先毎の個別パラメータ内の速度パラメータを遅く設定することを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項6記載のデータ通信端末であって、発呼側端末がITU−T勧告T.38IAFであり、この発呼側端末に接続される着呼側端末がITU−T勧告T.38ゲートウエイ経由のアナログFAXのとき、通信速度を早くする上限速度をアナログFAXが宣言した通信速度として、デジタル命令信号のデータ信号速度に設定し着呼側端末に送信することを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、発呼側端末が特定ネットワークからの発呼であることを判断したとき、前記制御手段は当該特定ネットワークに対し、設定されている通信速度で通信するようにデジタル識別信号にデータ信号速度を設定して、発呼側端末に送信して通信帯域を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項10記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、発呼側端末から着呼したとき、前記制御手段は登録した宛先情報と同一宛先が存在し、当該宛先からの通信に通信エラー履歴の通信速度が記憶されているとき、デジタル識別信号に通信速度が遅くなるデータ信号速度を設定し、相手機に送信することを特徴とする。
【0015】
請求項11記載の発明のデータ通信方法は、IPネットワーク接続する接続ステップと、音声コーデック種別から使用可能帯域を判定する判定ステップと、音声接続に続いて接続するデータ通信接続における使用帯域を制御する制御ステップとを有し、前記制御ステップでは、音声接続で使用する音声コーデック種別からデータ通信で使用可能なネットワーク帯域を判断して、データ通信の使用帯域を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、着呼側端末における判定ステップでは、使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御ステップではネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようにデジタル識別信号のデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信することを特徴とする。
【0017】
請求項13記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、発呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御ステップではネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようデジタル命令信号のデータ信号速度を設定して画像データパケット送出を制御することを特徴とする。
【0018】
請求項14記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、通信エラーを検出したとき、通信速度を遅くすることを促すエラー通知を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項15記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、宛先毎に通信パラメータが設定可能となっており、通信エラーが発生した場合、設定されている宛先毎のパラメータ内の通信速度パラメータを遅くすることを特徴とする。
【0020】
請求項16記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、宛先毎に通信パラメータが設定可能となっていると共に宛作への通信回数がカウントされており、正常通信が決められた回数に達したとき、現在の通信速度より速い通信速度を宛先ごとに蓄積されている通信パラメータに書き込んで次回の通信を前記速い通信速度によって行うことを特徴とする。
【0021】
請求項17記載の発明は、請求項15記載のデータ通信端末であって、宛先ごとに通信パラメータが変更可能となっており、発呼側宛先FAX番号の事業所番号またはIPアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断すると共に、発呼宛先のネットワークアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断し、通信エラーが発生した宛先と同じネットワーク内の宛先のとき、設定されている宛先毎の個別パラメータ内の速度パラメータを遅く設定することを特徴とする。
【0022】
請求項18記載の発明は、請求項16記載のデータ通信端末であって、発呼側端末がITU−T勧告T.38IAFに準拠しており、この発呼側端末に接続される着呼側端末がITU−T勧告T.38に準拠したゲートウエイ経由のアナログFAXのとき、通信速度を早くする上限速度をアナログFAXが宣言した通信速度として、デジタル命令信号のデータ信号速度に設定し着呼側端末に送信することを特徴とする。
【0023】
請求項19記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、発呼側端末が特定ネットワークからの発呼であることを判断したとき、前記制御ステップでは当該特定ネットワークに対し、設定されている通信速度で通信するようにデジタル識別信号にデータ信号速度を設定して、発呼側端末に送信して通信帯域を制御することを特徴とする。
【0024】
請求項20記載の発明は、請求項11記載のデータ通信端末であって、発呼側端末から着呼したとき、前記制御ステップでは登録した宛先情報と同一宛先が存在し、当該宛先からの通信に通信エラー履歴の通信速度が記憶されているとき、デジタル識別信号に通信速度が遅くなるデータ信号速度を設定し、相手機に送信することを特徴とする。
【0025】
請求項21記載の発明のデータ通信プログラムは、コンピュータに、請求項11〜20記載のいずれか1項記載の各ステップを実行させるためのプログラムである。
【0026】
請求項22記載の発明の記録媒体は、請求項21記載のデータ通信プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、データ通信に先んじて行われる音声通信で使用する音声コーデック種別によりデータ通信で使用可能な帯域を判断できるため、宛先毎の通信速度情報が不要となり、ユーザに設定操作を要求する必要がなく、通信端末におけるソフトウエアの簡素化及びメモリ削減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の構成を示すブロック図である。制御手段としてのCPU1、ROM2、RAM3、EEPROM4、LAN通信制御部5、画像処理部6、プロッター部7、スキャナー部8、操作表示部9がデータバス10によって接続されている。以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0029】
(第1実施形態)
図2は、本発明が適用されるデータ通信システムを示す。本社と工場Aとは、広帯域である音声コーデックG.711(使用帯域64Kbbs)の音声チャネルにより接続される。また、本社と工場Bとは、音声コーデックG.729(使用帯域8Kbbs)により接続される。本社と支社Aは、100Mbpsの帯域で接続され、本社と支社Bとは128Kbpsの帯域で接続されている。
【0030】
図3は、この実施形態におけるフローチャートを示す。上記システムにおいて、ステップS11では音声呼接続が行われ、これにより音声通信が行われる(ステップS12)。その後、T.38呼接続し(ステップS13)、音声コーデックからFAXの通信速度を決定する(ステップS14)。その後、T.38通信が行われる(ステップS15)。
【0031】
上記において、データ通信端末は、ITU−T勧告T.38に準拠した通信(以下、ITU−T勧告T.38通信と称す。)の中で、SIP(RFC3261)、またはITU−T勧告H.323で音声を接続する手段と、その通信で使用する音声コーデック種別に基づいて音声通信に続いて接続するITU−T勧告T.38通信の通信速度を決定する手段とを有することにより図2の通信システムを適用できる。
【0032】
この実施形態において、工場Bと接続するときはG.729 (使用帯域8Kbps)を使用するが、このように圧縮率が高い音声コーデックを使用するときは、音声コーデック種別によりITU−T勧告T.38通信の通信速度を判断する手段を用いてITU−T勧告T.38通信の通信速度を7.2Kbpsで通信する。
【0033】
このような実施形態によれば、データ通信に先んじて行なわれる音声通信で使用する音声コーデック種別によりデータ通信で使用可能な帯域を判断できるため、宛先毎に通信速度情報を有する必要がない。これにより、ユーザに設定操作をさせる必要がなく、通信端末ソフトウエアの簡略化とメモリ削減になる。
【0034】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態のシーケンス図、図5はフローチャートである。図5において、音声呼接続した後(ステップS21)、音声通信をし(ステップS22)、T.38呼接続を行い(ステップS23)、音声コーデックからFAXの通信速度を決定する(ステップS24)。ステップS25では、機器設定の受信モデム種別と、音声コーデック種別の通信速度とを比較する。その結果、機器設定の通信モデム種別が大きい場合(ステップS25/Yes)には、音声コーデックの使用帯域より遅い受信モデム種別をDISにセットする(ステップS26)。機器設定の通信モデム種別が小さい場合(ステップS25/No)には、機器設定の受信モデム種別をDISにセットする(ステップS27)。ステップS26及び27の処理を行った後、T.38通信を行う(ステップS28)。
【0035】
図4において、ITU−T勧告T.38通信の中でT.38接続の前フェーズで行なわれる呼接続(1)−音声接続で使用する音声コーデックの使用帯域が10Kbpsであるとき、ITU−T勧告T.38端末同士がデジタル識別信号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度が例えば14.4Kbpsのとき、ITU−T勧告T.38通信の使用帯域も10Kbps以下となるようにデジタル識別信号のデータ通信速度をV.29に設定し、発呼側端末にデジタル識別信号を送信する。
【0036】
またITU−T勧告T.38接続の前フェーズで行なわれるの呼接続(1)−音声接続で使用する音声コーデックの使用帯域が20Kbpsであるとき、ITU−T勧告T.38端末同士がデジタル識別信号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度が例えば14.4Kbpsの場合、また、14.4Kbpsの帯域でITU−T勧告T.38通信をするようにデジタル識別信号のデータ通信速度をV.17に設定し、発呼側端末にデジタル識別信号を送信する。
【0037】
このような実施形態では、着側端末においてデータ通信に先んじて行なわれる音声通信にて使用する音声コーデック種別により通信速度を決め、デジタル識別信号にデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信することにより通信速度を制御している。このため、発呼側端末のネットワーク帯域制御機能の有無に関わらず通信で使用する帯域をコントロールすることができる。
【0038】
(第3実施形態)
図6及び図7は、本発明の第3実施形態を示す。図7のフローチャートにおいて、音声呼接続した後(ステップS31)、音声通信を行う(ステップS32)。その後、T.38呼接続を行い(ステップS33)、音声コーデックからFAXの通信速度を決定する(ステップS34)。ステップS35では、機器設定の受信モデム種別と、音声コーデック種別の通信速度とを比較する。その結果、機器設定の通信モデム種別が大きい場合(ステップS35/Yes)には、音声コーデックの使用帯域より遅い受信モデム種別をDCSにセットする(ステップS36)。機器設定の通信モデム種別が小さい場合(ステップS35/No)には、機器設定の受信モデム種別をDCSにセットする(ステップS37)。ステップS36及び37の処理を行った後、T.38通信を行う(ステップS38)。
【0039】
図6において、ITU−T勧告T.38通信の中でT.38接続の前フェーズで行なわれるの呼接続(1)−音声接続で使用する音声コーデックの使用帯域が10Kbpsであるとき、ITU−T勧告T.38端末同士がデジタル識別信号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度が例えば14.4Kbpsの場合、ITU−T勧告T.38通信の使用帯域も10Kbps以下となるようにデジタル命令信号のデータ通信速度を9600bpsに設定し、着呼側端末にデジタル命令信号を送信する。またはITU−T勧告T.38接続の前フェーズで行なわれるの呼接続(1)−音声接続で使用する音声コーデックの使用帯域が20Kbpsであるとき、ITU−T勧告T.38端末同士がデジタル識別信号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度が例えば14.4Kbpsの場合、また、14.4Kbpsの帯域でITU−T勧告T.38通信をするようにデジタル命令信号のデータ通信速度を14.4Kbpsに設定し、着呼側端末に送信する。
【0040】
このような実施形態では、発呼側端末においてデータ通信に先んじて行なわれる音声通信で使用する音声コーデック種別により通信速度を決め、デジタル命令信号にデータ信号速度を設定して、着呼側端末に送信する。このことにより、通信速度を制御しているため、着呼側端末の帯域制御機能の有無に関わらず、通信で使用する帯域をコントロールすることができる。
【0041】
(第4実施形態)
図9のフローチャートにおいて、音声呼接続した後(ステップS41)、音声通信をし(ステップS42)、T.38呼接続を行い(ステップS43)、T.38通信を行う(ステップS44)。ステップS45では、このT.38通信における通信エラーが発生するか否かを判定している。通信エラーが発生した場合(ステップS45/Yes)、通信速度を遅くする警告レポートを出力し(ステップS46)、通信エラーが発生しなかった場合(ステップS45/No)には終了する。図8は、この警告レポートの一例を示し、警告レポートは操作パネルの表示部に可視表示される。
【0042】
具体的には、ITU−T勧告T.38通信で通信エラー検出した場合、使用帯域を越えるITU−T勧告T.38通信を行った可能性があることをユーザに警告するために、ITU−T勧告T.38通信の通信速度を下げることを促すためのエラーを、図8に示すように、操作パネル上に表示する。
【0043】
このような実施形態では、通信エラーが発生したとき、通信エラー通知をするため、ユーザに対して通信エラー原因が通信速度であることを告知でき、短時間の正常通信にすることができる。
【0044】
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態のフローチャートを示す。音声呼接続した後(ステップS51)、音声通信をし(ステップS52)、T.38呼接続を行い(ステップS53)、T.38通信を行う(ステップS54)。ステップS55では、このT.38通信における通信エラーが発生するか否かを判定している。通信エラーが発生した場合(ステップS55/Yes)、通信速度パラメータが現在の差通信速度以上か否かを判定する(ステップS56)。そして、現在の通信速度以上の場合通信エラーが発生した場合(ステップS57/Yes)には、宛先別の速度パラメータをより遅く書き換える(ステップS57)。通信エラーが発生しなかった場合(ステップS55/No)、及び現在の通信速度以上でない(ステップS56/No)は終了する。
【0045】
この実施形態においては、宛先と通信速度を情報管理する図10の宛先別パラメータをメモリ上に備える。又、宛先・通信速度情報を記憶・変更できる機能を備えている。そして、宛先8−234−5678に発呼するときは、宛先別パラメータの通信速度を使用してITU−T勧告T.38通信をする。この通信中に通信エラーが発生したときは、使用帯域を越えるITU−T勧告T.38通信を行ったということで宛先別パラメータの通信速度を14400bpsから12000bpsに速度パラメータを自動的に書き換える。
【0046】
このような実施形態では、通信エラーが発生したとき、宛先と通信速度を蓄積・管理する宛先別パラメータの通信速度を自動的に遅くなるよう書き換えることにより、次回の同じ宛先の通信を自動的に正常通信にすることができる。
【0047】
(第6実施形態)
図13は、本発明の第6実施形態のフローチャートを示す。音声呼接続した後(ステップS61)、音声通信を行い(ステップS62)、T.38呼接続を行い(ステップS63)、T.38通信を行う(ステップS64)。ステップS65では、このT.38通信における通信エラーが発生するか否かを判定している。通信エラーが発生した場合(ステップS65/Yes)、宛先別の速度パラメータをより遅く書き換え(ステップS66)、ステップS61に戻る。
【0048】
通信エラーが発生していない場合(ステップS65/No)には、同一送信速度での連続通信回数のカウントをアップさせる(ステップS67)。その後、同一速度で連続5回正常通信したか否かを判定する(ステップS68)。連続5回正常通信した場合(ステップS68/Yes)には、ステップS69に移行して、宛先別の速度パラメータを1段階速くする。そうでない場合(ステップS65/No)には処理を終了する。
【0049】
この実施形態では、宛先と通信速度と同一速度の連続正常通信回数の3情報について、宛先をキーとして管理する図10の宛先別パラメータをメモリ上に備えている。そして、宛先別パラメータの通信速度を使用してITU−T勧告T.38通信を開始するが、同一速度で正常通信が5回連続した場合、1ランク速い通信速度でITU−T勧告T.38通信が行えるように宛先別パラメータの9600bpsを12000bpsに書き換え、次のITU−T勧告T.38通信から速い通信速度で行う。
【0050】
このような実施形態では、同じ宛先に対して連続して一定の通信回数の正常通信が続いたとき、宛先と通信速度を蓄積・管理する宛先別パラメータを書き換えることにより、自動的に通信速度を速くするため通信時間を短縮することができる。
【0051】
(第7実施形態)
図14は、本発明の第7実施形態のフローチャートを示す。音声呼接続した後(ステップS71)、音声通信を行い(ステップS72)、T.38呼接続を行い(ステップS73)、T.38通信を行う(ステップS74)。ステップS75では、このT.38通信における通信エラーが発生するか否かを判定している。
【0052】
通信エラーが発生した場合(ステップS75/Yes)、相手機器の内線番号の中の事業所番号を取り出す(ステップS76)。そして、自機のアドレス帳を検索する(ステップS77)。事業所番号が一致し、且つ通信速度パラメータが現在の通信速度以上か否かを判定し(ステップS78)、これらがYESの場合(ステップS78/Yes)、宛先別の速度パラメータをより遅く書き換える(ステップS79)。そして、最後のアドレス帳内の宛先か否かを判断し(ステップS80)、YESの場合(ステップS78/Yes)には処理を終了し、NOの場合(ステップS78/No)にはステップS77に戻る。通信エラーが発生しなかった場合(ステップS75/No)には終了する。
【0053】
この実施形態では、宛先と通信速度について宛先をキーとして蓄積・管理する図15の宛先別パラメータをメモリ内に備え、宛先別パラメータの通信速度を使用してITU−T勧告T.38通信を開始する。そして通信エラーが発生したとき、使用帯域を越えるT.38通信を行ったという判断の基に、宛先別パラメータの通信速度をエラーが発生した14400bps通信速度をより遅くなるようにパラメータを自動的に12000bps書き換える。
【0054】
そして、宛先別パラメータの宛先情報で宛先電話番号の予め設定で決められた先頭の数桁の事業所番号が一致するものは、同じネットワーク内の端末と判断できる宛先別パラメータ内の全ての宛先に対して自動的に通信速度パラメータを1ランク遅くなるように書き換える。すなわち、図15及び図16に示すように、宛先情報における電話番号の番号計画が8−○○○−××××となっている場合、○○○が一致すれば同一事業所と判断するものである。ここで、○○○は事業所番号、××××は各内線番号である。
【0055】
このような実施形態では、宛先情報から同じネットワーク内の端末と判断できる全宛先の通信速度パラメータを自動的に1ランク遅くなるように通信速度パラメータを書き換えるため、同じネットワーク内の宛先に対して通信エラー回数を減らすことができる。
【0056】
(第8実施形態)
図17は、本発明の第8の実施形態のフローチャートを示す。音声呼接続した後(ステップS81)、音声通信を行い(ステップS82)、T.38呼接続を行う(ステップS83)。ステップS84では、音声通信の使用帯域より速い通信速度を設定する。ステップS85では、T.38GWとアナログFAXのDISモデム種別より速い速度か否かを判定する。速い速度の場合(ステップS85/Yes)には、T.38GWをアナログFAXのDISモデム種別の通信種別の通信速度に設定し(ステップS86)、ステップS87に移行する。ステップS85でNOの場合(ステップS85/No)、そのままステップS87に移行する。
【0057】
ステップS87では、T.38通信を行う。このT.38通信においては、通信エラーが発生するか否かを判定している(ステップS88)。通信エラーが発生した場合(ステップS88/Yes)には、通信速度パラメータが現在の通信速度以上か否かを判定する(ステップS89)。YESの場合(ステップS89/Yes)には、宛先別の速度パラメータをより遅く書き換える(ステップS90)。ステップS90の後、ステップS81に戻る。通信速度パラメータが現在の通信速度以上でない場合(ステップS89/No)、及び通信エラーが発生しなかった場合(ステップS88/No)は終了する。
【0058】
ITU−T勧告T.38端末間である場合、デジタル識別信号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度以上で画像データ送信することができるが、着呼側端末がITU−T勧告T.38ゲートウエイ経由のアナログFAXである場合、一般的な狭帯域のネットワーク環境では通信エラーになる可能性が高い。この実施形態では、宛先別パラメータの通信速度より速い通信する場合あっても、デジタル識別信号/デジタル命令信号交換で決定した通信速度以下の通信速度としてネットワーク帯域を制御する。
【0059】
このような実施形態では、ITU−T勧告T.38 端末であれば、アナログFAXと接続するゲートウエイ端末とITU−T勧告T.38IAFが通信するときであっても、デジタル識別番号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度より速い通信速度で送信できるが、ネッワーク帯域の制限がある場合は、デジタル識別番号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度を上限として、通信速度設定をすることにより通信エラー回数を減らすことができる。個々で、「IAF」は、Internet Aware FAXであり、ネットワークに直接接続するITU−T勧告T.38端末を指す。
【0060】
(第9実施形態)
図18は、本発明の第9実施形態のフローチャートである。音声呼接続した後(ステップS91)、音声通信を行い(ステップS92)、T.38呼接続を行う(ステップS93)。ステップS94では、記録済みのネットワーク宛先からの着信か否かを判定し、そうでない場合(ステップS94/No)には、ステップS96にジャンプする。記録済みのネットワーク宛先からの着信の場合(ステップS94/Yes)には、ステップS95に移行し、記録済みのネットワーク宛先に速度のパラメータ登録がされているか否かを判定する。
【0061】
速度のパラメータ登録がされていない場合(ステップS95/No)には、ステップS96に移行し、自機の設定値からDISのモデム種別を設定する。パラメータ登録がなされている場合(ステップS95/Yes)には、ステップS97に移行し、特定ネットワーク宛先毎に設定されている速度パラメータからDISのモデム種別を設定する。以上のステップS96及びS97の処理の後、T.38通信を行う(ステップS98)。
【0062】
この実施形態では、内線番号とIPアドレスの両方が記憶できる宛先と通信速度を情報として管理する図15の宛先別パラメータを備え、発呼側の内線番号とIPアドレスの両方を記録できる宛先情報と、ネットワーク帯域上の通信可能な通信速度情報を端末内に有している。そして、該当する宛先から着信を受信した場合は、この宛先別パラメータテーブルを検索する。発呼側宛先情報が内線番号の場合であって、内線番号の構成要素である事業所番号が宛先別パラメータの1つと一致している場合は同一ネットワーク内からの発呼と判断する。一方、発呼側宛先情報がIPアドレスの場合であって、ネットワークアドレスが宛先別パラメータの1つと一致している場合には同一ネットワークの発呼先と判断し、宛先別パラメータの速度情報に合致したデジタル識別信号を送信することによりネットワーク帯域を制御する。
【0063】
このような実施形態では、発呼側端末から着信を受けたとき、発呼側の宛先情報を取得してメモリ内に備えた内線番号とIPアドレスの両方が登録できる宛先項目と通信速度を情報として管理する宛先別パラメータを検索し、同一のネットワーク内の宛先であると判断できる場合、その宛先情報に対応した通信速度をデジタル識別信号のデータ信号速度に設定して発呼側に送るため、発呼側端末の機能・設定に依存することなく通信エラーの発生を低減することができる。
【0064】
(第10実施形態)
図19は本発明の第10実施形態のフローチャートである。音声呼接続した後(ステップS101)、音声通信を行い(ステップS102)、T.38呼接続を行う(ステップS103)。ステップS104では、宛先情報にエラーとそのときの通信速度履歴が存在するか否かを判定する。存在しない場合(ステップS104/No)には、ステップS105に移行し、自機の設定値からDISのモデム種別を設定する。ステップS104で存在している場合(ステップS104/Yes)には、特定ネットワーク宛先毎に設定されている速度パラメータからより通信速度が遅くなるようにDISのモデム種別を設定する(ステップS106)。ステップS105及び106の処理の後、T.38通信を行う(ステップS107)。
【0065】
図20は、この実施形態に用いるパラメータの一例を示す。図20は、内線番号とIPアドレスの両方が記憶できる宛先情報と通信エラー時の通信速度を情報として管理する宛先別パラメータであり、このパラメータを備えることにより、着信応答した場合、発呼側端末から送られてくる発呼側内線番号またはIPアドレスを取得する。そして、該当する宛先から着信を受信した場合は、この情報テーブルを検索する。発呼側宛先情報が内線番号の場合は、内線番号の構成要素である事業所番号が宛先別パラメータの1つと一致している場合は同一ネットワーク内からの発呼と判断する。発呼側宛先情報がIPアドレスの場合は、ネットワークアドレスが宛先別パラメータの1つと一致している場合に同一ネットワークの発呼先と判断し、該当する宛先の通信エラー時の速度情報と比較して遅いデータ信号速度をデジタル識別信号に設定し送信することによりネットワーク帯域を制御する。
【0066】
このような実施形態では、発呼側端末から着信を受けたとき、発呼側の宛先情報を取得してメモリ内に備えた内線番号とIPアドレスの両方が登録できる宛先項目と通信速度を情報として管理する宛先別パラメータを検索し、同一のネットワーク内の宛先であると判断できる場合、その宛先情報に対応した通信エラー履歴(通信速度)を基に、通信エラーが発生したときの通信速度より遅くなるようにデジタル識別信号のデータ信号速度に設定して発呼側に送るため、発呼側端末の機能・設定に依存することなく通信エラーの発生を低減することができる。
【0067】
本発明のデータ通信プログラムは、以上のフローチャートをコンピュータに実行させるプログラムである。本発明の記録媒体は、このデータ通信プログラムをコンピュータが読み取り可能に記録された記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態が適用されるシステムを示す図である。
【図3】第1実施形態のフローチャートである。
【図4】第2実施形態の制御作動を示すシーケンス図である。
【図5】第2実施形態のフローチャートである。
【図6】第3実施形態の制御作動を示すシーケンス図である。
【図7】第3実施形態のフローチャートである。
【図8】警告レポートの一例を示す図である。
【図9】第4実施形態のフローチャートである。
【図10】宛先別パラメータを示す図である。
【図11】第5実施形態のフローチャートである。
【図12】同一ネットワーク内の宛先別パラメータを示す図である。
【図13】第6実施形態のフローチャートである。
【図14】第7実施形態のフローチャートである。
【図15】宛先別パラメータを示す図である。
【図16】システムを示す図である。
【図17】第8実施形態のフローチャートである。
【図18】第9実施形態のフローチャートである。
【図19】第10実施形態のフローチャートである。
【図20】通信エラー履歴を示す通信別パラメータの図である。
【図21】IPネットワークを用いた通信システムの図である。
【符号の説明】
【0069】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 EEPROM
5 LAN通信制御部
6 画像処理部
7 プロッター部
8 スキャナー部
9 操作表示部
10 データバス
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPネットワークによって通信を行う場合のデータ通信端末、データ通信方法、データ通信プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、IPネットワーク通信を行う際に、通信宛先とネットワーク帯域を登録可能にして、ユーザが変更することにより、狭帯域のネットワークでも他の通信に悪影響を与えないようにする方法が記載されている。
【特許文献1】特開2005−269014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
企業内ネットワークには特定の事業所間が狭帯域(128Kbps)のネットワークで結ばれているケースがある。このような環境下でのIP電話通信は、例えば音声コーデックG.711(使用帯域:64Kbps)ではなく、多くの場合、使用帯域が狭いG.729(使用帯域:8Kbps)が採用されている。音声通信と同様に、データのパケット通信もIP電話やデータ通信に影響を与えないように通信速度を9600bpsなど低速で送る必要があるが、現状では、すべての通信に対して通信速度を遅くする設定をする必要がある。また、ネットワーク使用状況(ネットワークの空き状況)によっては、速い通信速度で通信できる場合にも、遅い通信速度のままであり、通信速度を速くする対応ができていない。
【0004】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、IP通信における通信速度をユーザが設定する必要がなく、プログラムを簡素化でき、必要なメモリ量を削減できるデータ通信端末、データ通信方法、データ通信プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明のデータ通信端末は、IPネットワーク接続可能な接続手段と、音声コーデック種別から使用可能帯域を判定する判定手段と、音声接続に続いて接続するデータ通信接続における使用帯域を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、音声接続で使用する音声コーデック種別からデータ通信で使用可能なネットワーク帯域を判断して、データ通信の使用帯域を制御することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、着呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御手段はネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようにデジタル識別信号のデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、発呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御手段はネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようデジタル命令信号のデータ信号速度を設定して画像データパケット送出を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、通信エラーを検出したとき、通信速度を遅くすることを促すエラー通知を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、宛先が設定可能となっており、通信エラーが発生した場合、設定されている宛先毎のパラメータ内の通信速度パラメータを遅くすることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、宛先が設定可能となっていると共に宛作への通信回数がカウントされており、正常通信が決められた回数に達したとき、現在の通信速度より速い通信速度を宛先ごとに蓄積されている通信パラメータに書き込んで次回の通信を前記速い通信速度によって行うことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項5記載のデータ通信端末であって、宛先ごとに通信パラメータが変更可能となっており、発呼側宛先FAX番号の事業所番号またはIPアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断すると共に、発呼宛先のネットワークアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断し、通信エラーが発生した宛先と同じネットワーク内の宛先のとき、設定されている宛先毎の個別パラメータ内の速度パラメータを遅く設定することを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項6記載のデータ通信端末であって、発呼側端末がITU−T勧告T.38IAFであり、この発呼側端末に接続される着呼側端末がITU−T勧告T.38ゲートウエイ経由のアナログFAXのとき、通信速度を早くする上限速度をアナログFAXが宣言した通信速度として、デジタル命令信号のデータ信号速度に設定し着呼側端末に送信することを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、発呼側端末が特定ネットワークからの発呼であることを判断したとき、前記制御手段は当該特定ネットワークに対し、設定されている通信速度で通信するようにデジタル識別信号にデータ信号速度を設定して、発呼側端末に送信して通信帯域を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項10記載の発明は、請求項1記載のデータ通信端末であって、発呼側端末から着呼したとき、前記制御手段は登録した宛先情報と同一宛先が存在し、当該宛先からの通信に通信エラー履歴の通信速度が記憶されているとき、デジタル識別信号に通信速度が遅くなるデータ信号速度を設定し、相手機に送信することを特徴とする。
【0015】
請求項11記載の発明のデータ通信方法は、IPネットワーク接続する接続ステップと、音声コーデック種別から使用可能帯域を判定する判定ステップと、音声接続に続いて接続するデータ通信接続における使用帯域を制御する制御ステップとを有し、前記制御ステップでは、音声接続で使用する音声コーデック種別からデータ通信で使用可能なネットワーク帯域を判断して、データ通信の使用帯域を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、着呼側端末における判定ステップでは、使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御ステップではネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようにデジタル識別信号のデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信することを特徴とする。
【0017】
請求項13記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、発呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御ステップではネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようデジタル命令信号のデータ信号速度を設定して画像データパケット送出を制御することを特徴とする。
【0018】
請求項14記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、通信エラーを検出したとき、通信速度を遅くすることを促すエラー通知を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項15記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、宛先毎に通信パラメータが設定可能となっており、通信エラーが発生した場合、設定されている宛先毎のパラメータ内の通信速度パラメータを遅くすることを特徴とする。
【0020】
請求項16記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、宛先毎に通信パラメータが設定可能となっていると共に宛作への通信回数がカウントされており、正常通信が決められた回数に達したとき、現在の通信速度より速い通信速度を宛先ごとに蓄積されている通信パラメータに書き込んで次回の通信を前記速い通信速度によって行うことを特徴とする。
【0021】
請求項17記載の発明は、請求項15記載のデータ通信端末であって、宛先ごとに通信パラメータが変更可能となっており、発呼側宛先FAX番号の事業所番号またはIPアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断すると共に、発呼宛先のネットワークアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断し、通信エラーが発生した宛先と同じネットワーク内の宛先のとき、設定されている宛先毎の個別パラメータ内の速度パラメータを遅く設定することを特徴とする。
【0022】
請求項18記載の発明は、請求項16記載のデータ通信端末であって、発呼側端末がITU−T勧告T.38IAFに準拠しており、この発呼側端末に接続される着呼側端末がITU−T勧告T.38に準拠したゲートウエイ経由のアナログFAXのとき、通信速度を早くする上限速度をアナログFAXが宣言した通信速度として、デジタル命令信号のデータ信号速度に設定し着呼側端末に送信することを特徴とする。
【0023】
請求項19記載の発明は、請求項11記載のデータ通信方法であって、発呼側端末が特定ネットワークからの発呼であることを判断したとき、前記制御ステップでは当該特定ネットワークに対し、設定されている通信速度で通信するようにデジタル識別信号にデータ信号速度を設定して、発呼側端末に送信して通信帯域を制御することを特徴とする。
【0024】
請求項20記載の発明は、請求項11記載のデータ通信端末であって、発呼側端末から着呼したとき、前記制御ステップでは登録した宛先情報と同一宛先が存在し、当該宛先からの通信に通信エラー履歴の通信速度が記憶されているとき、デジタル識別信号に通信速度が遅くなるデータ信号速度を設定し、相手機に送信することを特徴とする。
【0025】
請求項21記載の発明のデータ通信プログラムは、コンピュータに、請求項11〜20記載のいずれか1項記載の各ステップを実行させるためのプログラムである。
【0026】
請求項22記載の発明の記録媒体は、請求項21記載のデータ通信プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、データ通信に先んじて行われる音声通信で使用する音声コーデック種別によりデータ通信で使用可能な帯域を判断できるため、宛先毎の通信速度情報が不要となり、ユーザに設定操作を要求する必要がなく、通信端末におけるソフトウエアの簡素化及びメモリ削減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の構成を示すブロック図である。制御手段としてのCPU1、ROM2、RAM3、EEPROM4、LAN通信制御部5、画像処理部6、プロッター部7、スキャナー部8、操作表示部9がデータバス10によって接続されている。以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0029】
(第1実施形態)
図2は、本発明が適用されるデータ通信システムを示す。本社と工場Aとは、広帯域である音声コーデックG.711(使用帯域64Kbbs)の音声チャネルにより接続される。また、本社と工場Bとは、音声コーデックG.729(使用帯域8Kbbs)により接続される。本社と支社Aは、100Mbpsの帯域で接続され、本社と支社Bとは128Kbpsの帯域で接続されている。
【0030】
図3は、この実施形態におけるフローチャートを示す。上記システムにおいて、ステップS11では音声呼接続が行われ、これにより音声通信が行われる(ステップS12)。その後、T.38呼接続し(ステップS13)、音声コーデックからFAXの通信速度を決定する(ステップS14)。その後、T.38通信が行われる(ステップS15)。
【0031】
上記において、データ通信端末は、ITU−T勧告T.38に準拠した通信(以下、ITU−T勧告T.38通信と称す。)の中で、SIP(RFC3261)、またはITU−T勧告H.323で音声を接続する手段と、その通信で使用する音声コーデック種別に基づいて音声通信に続いて接続するITU−T勧告T.38通信の通信速度を決定する手段とを有することにより図2の通信システムを適用できる。
【0032】
この実施形態において、工場Bと接続するときはG.729 (使用帯域8Kbps)を使用するが、このように圧縮率が高い音声コーデックを使用するときは、音声コーデック種別によりITU−T勧告T.38通信の通信速度を判断する手段を用いてITU−T勧告T.38通信の通信速度を7.2Kbpsで通信する。
【0033】
このような実施形態によれば、データ通信に先んじて行なわれる音声通信で使用する音声コーデック種別によりデータ通信で使用可能な帯域を判断できるため、宛先毎に通信速度情報を有する必要がない。これにより、ユーザに設定操作をさせる必要がなく、通信端末ソフトウエアの簡略化とメモリ削減になる。
【0034】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態のシーケンス図、図5はフローチャートである。図5において、音声呼接続した後(ステップS21)、音声通信をし(ステップS22)、T.38呼接続を行い(ステップS23)、音声コーデックからFAXの通信速度を決定する(ステップS24)。ステップS25では、機器設定の受信モデム種別と、音声コーデック種別の通信速度とを比較する。その結果、機器設定の通信モデム種別が大きい場合(ステップS25/Yes)には、音声コーデックの使用帯域より遅い受信モデム種別をDISにセットする(ステップS26)。機器設定の通信モデム種別が小さい場合(ステップS25/No)には、機器設定の受信モデム種別をDISにセットする(ステップS27)。ステップS26及び27の処理を行った後、T.38通信を行う(ステップS28)。
【0035】
図4において、ITU−T勧告T.38通信の中でT.38接続の前フェーズで行なわれる呼接続(1)−音声接続で使用する音声コーデックの使用帯域が10Kbpsであるとき、ITU−T勧告T.38端末同士がデジタル識別信号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度が例えば14.4Kbpsのとき、ITU−T勧告T.38通信の使用帯域も10Kbps以下となるようにデジタル識別信号のデータ通信速度をV.29に設定し、発呼側端末にデジタル識別信号を送信する。
【0036】
またITU−T勧告T.38接続の前フェーズで行なわれるの呼接続(1)−音声接続で使用する音声コーデックの使用帯域が20Kbpsであるとき、ITU−T勧告T.38端末同士がデジタル識別信号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度が例えば14.4Kbpsの場合、また、14.4Kbpsの帯域でITU−T勧告T.38通信をするようにデジタル識別信号のデータ通信速度をV.17に設定し、発呼側端末にデジタル識別信号を送信する。
【0037】
このような実施形態では、着側端末においてデータ通信に先んじて行なわれる音声通信にて使用する音声コーデック種別により通信速度を決め、デジタル識別信号にデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信することにより通信速度を制御している。このため、発呼側端末のネットワーク帯域制御機能の有無に関わらず通信で使用する帯域をコントロールすることができる。
【0038】
(第3実施形態)
図6及び図7は、本発明の第3実施形態を示す。図7のフローチャートにおいて、音声呼接続した後(ステップS31)、音声通信を行う(ステップS32)。その後、T.38呼接続を行い(ステップS33)、音声コーデックからFAXの通信速度を決定する(ステップS34)。ステップS35では、機器設定の受信モデム種別と、音声コーデック種別の通信速度とを比較する。その結果、機器設定の通信モデム種別が大きい場合(ステップS35/Yes)には、音声コーデックの使用帯域より遅い受信モデム種別をDCSにセットする(ステップS36)。機器設定の通信モデム種別が小さい場合(ステップS35/No)には、機器設定の受信モデム種別をDCSにセットする(ステップS37)。ステップS36及び37の処理を行った後、T.38通信を行う(ステップS38)。
【0039】
図6において、ITU−T勧告T.38通信の中でT.38接続の前フェーズで行なわれるの呼接続(1)−音声接続で使用する音声コーデックの使用帯域が10Kbpsであるとき、ITU−T勧告T.38端末同士がデジタル識別信号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度が例えば14.4Kbpsの場合、ITU−T勧告T.38通信の使用帯域も10Kbps以下となるようにデジタル命令信号のデータ通信速度を9600bpsに設定し、着呼側端末にデジタル命令信号を送信する。またはITU−T勧告T.38接続の前フェーズで行なわれるの呼接続(1)−音声接続で使用する音声コーデックの使用帯域が20Kbpsであるとき、ITU−T勧告T.38端末同士がデジタル識別信号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度が例えば14.4Kbpsの場合、また、14.4Kbpsの帯域でITU−T勧告T.38通信をするようにデジタル命令信号のデータ通信速度を14.4Kbpsに設定し、着呼側端末に送信する。
【0040】
このような実施形態では、発呼側端末においてデータ通信に先んじて行なわれる音声通信で使用する音声コーデック種別により通信速度を決め、デジタル命令信号にデータ信号速度を設定して、着呼側端末に送信する。このことにより、通信速度を制御しているため、着呼側端末の帯域制御機能の有無に関わらず、通信で使用する帯域をコントロールすることができる。
【0041】
(第4実施形態)
図9のフローチャートにおいて、音声呼接続した後(ステップS41)、音声通信をし(ステップS42)、T.38呼接続を行い(ステップS43)、T.38通信を行う(ステップS44)。ステップS45では、このT.38通信における通信エラーが発生するか否かを判定している。通信エラーが発生した場合(ステップS45/Yes)、通信速度を遅くする警告レポートを出力し(ステップS46)、通信エラーが発生しなかった場合(ステップS45/No)には終了する。図8は、この警告レポートの一例を示し、警告レポートは操作パネルの表示部に可視表示される。
【0042】
具体的には、ITU−T勧告T.38通信で通信エラー検出した場合、使用帯域を越えるITU−T勧告T.38通信を行った可能性があることをユーザに警告するために、ITU−T勧告T.38通信の通信速度を下げることを促すためのエラーを、図8に示すように、操作パネル上に表示する。
【0043】
このような実施形態では、通信エラーが発生したとき、通信エラー通知をするため、ユーザに対して通信エラー原因が通信速度であることを告知でき、短時間の正常通信にすることができる。
【0044】
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態のフローチャートを示す。音声呼接続した後(ステップS51)、音声通信をし(ステップS52)、T.38呼接続を行い(ステップS53)、T.38通信を行う(ステップS54)。ステップS55では、このT.38通信における通信エラーが発生するか否かを判定している。通信エラーが発生した場合(ステップS55/Yes)、通信速度パラメータが現在の差通信速度以上か否かを判定する(ステップS56)。そして、現在の通信速度以上の場合通信エラーが発生した場合(ステップS57/Yes)には、宛先別の速度パラメータをより遅く書き換える(ステップS57)。通信エラーが発生しなかった場合(ステップS55/No)、及び現在の通信速度以上でない(ステップS56/No)は終了する。
【0045】
この実施形態においては、宛先と通信速度を情報管理する図10の宛先別パラメータをメモリ上に備える。又、宛先・通信速度情報を記憶・変更できる機能を備えている。そして、宛先8−234−5678に発呼するときは、宛先別パラメータの通信速度を使用してITU−T勧告T.38通信をする。この通信中に通信エラーが発生したときは、使用帯域を越えるITU−T勧告T.38通信を行ったということで宛先別パラメータの通信速度を14400bpsから12000bpsに速度パラメータを自動的に書き換える。
【0046】
このような実施形態では、通信エラーが発生したとき、宛先と通信速度を蓄積・管理する宛先別パラメータの通信速度を自動的に遅くなるよう書き換えることにより、次回の同じ宛先の通信を自動的に正常通信にすることができる。
【0047】
(第6実施形態)
図13は、本発明の第6実施形態のフローチャートを示す。音声呼接続した後(ステップS61)、音声通信を行い(ステップS62)、T.38呼接続を行い(ステップS63)、T.38通信を行う(ステップS64)。ステップS65では、このT.38通信における通信エラーが発生するか否かを判定している。通信エラーが発生した場合(ステップS65/Yes)、宛先別の速度パラメータをより遅く書き換え(ステップS66)、ステップS61に戻る。
【0048】
通信エラーが発生していない場合(ステップS65/No)には、同一送信速度での連続通信回数のカウントをアップさせる(ステップS67)。その後、同一速度で連続5回正常通信したか否かを判定する(ステップS68)。連続5回正常通信した場合(ステップS68/Yes)には、ステップS69に移行して、宛先別の速度パラメータを1段階速くする。そうでない場合(ステップS65/No)には処理を終了する。
【0049】
この実施形態では、宛先と通信速度と同一速度の連続正常通信回数の3情報について、宛先をキーとして管理する図10の宛先別パラメータをメモリ上に備えている。そして、宛先別パラメータの通信速度を使用してITU−T勧告T.38通信を開始するが、同一速度で正常通信が5回連続した場合、1ランク速い通信速度でITU−T勧告T.38通信が行えるように宛先別パラメータの9600bpsを12000bpsに書き換え、次のITU−T勧告T.38通信から速い通信速度で行う。
【0050】
このような実施形態では、同じ宛先に対して連続して一定の通信回数の正常通信が続いたとき、宛先と通信速度を蓄積・管理する宛先別パラメータを書き換えることにより、自動的に通信速度を速くするため通信時間を短縮することができる。
【0051】
(第7実施形態)
図14は、本発明の第7実施形態のフローチャートを示す。音声呼接続した後(ステップS71)、音声通信を行い(ステップS72)、T.38呼接続を行い(ステップS73)、T.38通信を行う(ステップS74)。ステップS75では、このT.38通信における通信エラーが発生するか否かを判定している。
【0052】
通信エラーが発生した場合(ステップS75/Yes)、相手機器の内線番号の中の事業所番号を取り出す(ステップS76)。そして、自機のアドレス帳を検索する(ステップS77)。事業所番号が一致し、且つ通信速度パラメータが現在の通信速度以上か否かを判定し(ステップS78)、これらがYESの場合(ステップS78/Yes)、宛先別の速度パラメータをより遅く書き換える(ステップS79)。そして、最後のアドレス帳内の宛先か否かを判断し(ステップS80)、YESの場合(ステップS78/Yes)には処理を終了し、NOの場合(ステップS78/No)にはステップS77に戻る。通信エラーが発生しなかった場合(ステップS75/No)には終了する。
【0053】
この実施形態では、宛先と通信速度について宛先をキーとして蓄積・管理する図15の宛先別パラメータをメモリ内に備え、宛先別パラメータの通信速度を使用してITU−T勧告T.38通信を開始する。そして通信エラーが発生したとき、使用帯域を越えるT.38通信を行ったという判断の基に、宛先別パラメータの通信速度をエラーが発生した14400bps通信速度をより遅くなるようにパラメータを自動的に12000bps書き換える。
【0054】
そして、宛先別パラメータの宛先情報で宛先電話番号の予め設定で決められた先頭の数桁の事業所番号が一致するものは、同じネットワーク内の端末と判断できる宛先別パラメータ内の全ての宛先に対して自動的に通信速度パラメータを1ランク遅くなるように書き換える。すなわち、図15及び図16に示すように、宛先情報における電話番号の番号計画が8−○○○−××××となっている場合、○○○が一致すれば同一事業所と判断するものである。ここで、○○○は事業所番号、××××は各内線番号である。
【0055】
このような実施形態では、宛先情報から同じネットワーク内の端末と判断できる全宛先の通信速度パラメータを自動的に1ランク遅くなるように通信速度パラメータを書き換えるため、同じネットワーク内の宛先に対して通信エラー回数を減らすことができる。
【0056】
(第8実施形態)
図17は、本発明の第8の実施形態のフローチャートを示す。音声呼接続した後(ステップS81)、音声通信を行い(ステップS82)、T.38呼接続を行う(ステップS83)。ステップS84では、音声通信の使用帯域より速い通信速度を設定する。ステップS85では、T.38GWとアナログFAXのDISモデム種別より速い速度か否かを判定する。速い速度の場合(ステップS85/Yes)には、T.38GWをアナログFAXのDISモデム種別の通信種別の通信速度に設定し(ステップS86)、ステップS87に移行する。ステップS85でNOの場合(ステップS85/No)、そのままステップS87に移行する。
【0057】
ステップS87では、T.38通信を行う。このT.38通信においては、通信エラーが発生するか否かを判定している(ステップS88)。通信エラーが発生した場合(ステップS88/Yes)には、通信速度パラメータが現在の通信速度以上か否かを判定する(ステップS89)。YESの場合(ステップS89/Yes)には、宛先別の速度パラメータをより遅く書き換える(ステップS90)。ステップS90の後、ステップS81に戻る。通信速度パラメータが現在の通信速度以上でない場合(ステップS89/No)、及び通信エラーが発生しなかった場合(ステップS88/No)は終了する。
【0058】
ITU−T勧告T.38端末間である場合、デジタル識別信号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度以上で画像データ送信することができるが、着呼側端末がITU−T勧告T.38ゲートウエイ経由のアナログFAXである場合、一般的な狭帯域のネットワーク環境では通信エラーになる可能性が高い。この実施形態では、宛先別パラメータの通信速度より速い通信する場合あっても、デジタル識別信号/デジタル命令信号交換で決定した通信速度以下の通信速度としてネットワーク帯域を制御する。
【0059】
このような実施形態では、ITU−T勧告T.38 端末であれば、アナログFAXと接続するゲートウエイ端末とITU−T勧告T.38IAFが通信するときであっても、デジタル識別番号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度より速い通信速度で送信できるが、ネッワーク帯域の制限がある場合は、デジタル識別番号/デジタル命令信号の交換で決定した通信速度を上限として、通信速度設定をすることにより通信エラー回数を減らすことができる。個々で、「IAF」は、Internet Aware FAXであり、ネットワークに直接接続するITU−T勧告T.38端末を指す。
【0060】
(第9実施形態)
図18は、本発明の第9実施形態のフローチャートである。音声呼接続した後(ステップS91)、音声通信を行い(ステップS92)、T.38呼接続を行う(ステップS93)。ステップS94では、記録済みのネットワーク宛先からの着信か否かを判定し、そうでない場合(ステップS94/No)には、ステップS96にジャンプする。記録済みのネットワーク宛先からの着信の場合(ステップS94/Yes)には、ステップS95に移行し、記録済みのネットワーク宛先に速度のパラメータ登録がされているか否かを判定する。
【0061】
速度のパラメータ登録がされていない場合(ステップS95/No)には、ステップS96に移行し、自機の設定値からDISのモデム種別を設定する。パラメータ登録がなされている場合(ステップS95/Yes)には、ステップS97に移行し、特定ネットワーク宛先毎に設定されている速度パラメータからDISのモデム種別を設定する。以上のステップS96及びS97の処理の後、T.38通信を行う(ステップS98)。
【0062】
この実施形態では、内線番号とIPアドレスの両方が記憶できる宛先と通信速度を情報として管理する図15の宛先別パラメータを備え、発呼側の内線番号とIPアドレスの両方を記録できる宛先情報と、ネットワーク帯域上の通信可能な通信速度情報を端末内に有している。そして、該当する宛先から着信を受信した場合は、この宛先別パラメータテーブルを検索する。発呼側宛先情報が内線番号の場合であって、内線番号の構成要素である事業所番号が宛先別パラメータの1つと一致している場合は同一ネットワーク内からの発呼と判断する。一方、発呼側宛先情報がIPアドレスの場合であって、ネットワークアドレスが宛先別パラメータの1つと一致している場合には同一ネットワークの発呼先と判断し、宛先別パラメータの速度情報に合致したデジタル識別信号を送信することによりネットワーク帯域を制御する。
【0063】
このような実施形態では、発呼側端末から着信を受けたとき、発呼側の宛先情報を取得してメモリ内に備えた内線番号とIPアドレスの両方が登録できる宛先項目と通信速度を情報として管理する宛先別パラメータを検索し、同一のネットワーク内の宛先であると判断できる場合、その宛先情報に対応した通信速度をデジタル識別信号のデータ信号速度に設定して発呼側に送るため、発呼側端末の機能・設定に依存することなく通信エラーの発生を低減することができる。
【0064】
(第10実施形態)
図19は本発明の第10実施形態のフローチャートである。音声呼接続した後(ステップS101)、音声通信を行い(ステップS102)、T.38呼接続を行う(ステップS103)。ステップS104では、宛先情報にエラーとそのときの通信速度履歴が存在するか否かを判定する。存在しない場合(ステップS104/No)には、ステップS105に移行し、自機の設定値からDISのモデム種別を設定する。ステップS104で存在している場合(ステップS104/Yes)には、特定ネットワーク宛先毎に設定されている速度パラメータからより通信速度が遅くなるようにDISのモデム種別を設定する(ステップS106)。ステップS105及び106の処理の後、T.38通信を行う(ステップS107)。
【0065】
図20は、この実施形態に用いるパラメータの一例を示す。図20は、内線番号とIPアドレスの両方が記憶できる宛先情報と通信エラー時の通信速度を情報として管理する宛先別パラメータであり、このパラメータを備えることにより、着信応答した場合、発呼側端末から送られてくる発呼側内線番号またはIPアドレスを取得する。そして、該当する宛先から着信を受信した場合は、この情報テーブルを検索する。発呼側宛先情報が内線番号の場合は、内線番号の構成要素である事業所番号が宛先別パラメータの1つと一致している場合は同一ネットワーク内からの発呼と判断する。発呼側宛先情報がIPアドレスの場合は、ネットワークアドレスが宛先別パラメータの1つと一致している場合に同一ネットワークの発呼先と判断し、該当する宛先の通信エラー時の速度情報と比較して遅いデータ信号速度をデジタル識別信号に設定し送信することによりネットワーク帯域を制御する。
【0066】
このような実施形態では、発呼側端末から着信を受けたとき、発呼側の宛先情報を取得してメモリ内に備えた内線番号とIPアドレスの両方が登録できる宛先項目と通信速度を情報として管理する宛先別パラメータを検索し、同一のネットワーク内の宛先であると判断できる場合、その宛先情報に対応した通信エラー履歴(通信速度)を基に、通信エラーが発生したときの通信速度より遅くなるようにデジタル識別信号のデータ信号速度に設定して発呼側に送るため、発呼側端末の機能・設定に依存することなく通信エラーの発生を低減することができる。
【0067】
本発明のデータ通信プログラムは、以上のフローチャートをコンピュータに実行させるプログラムである。本発明の記録媒体は、このデータ通信プログラムをコンピュータが読み取り可能に記録された記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態が適用されるシステムを示す図である。
【図3】第1実施形態のフローチャートである。
【図4】第2実施形態の制御作動を示すシーケンス図である。
【図5】第2実施形態のフローチャートである。
【図6】第3実施形態の制御作動を示すシーケンス図である。
【図7】第3実施形態のフローチャートである。
【図8】警告レポートの一例を示す図である。
【図9】第4実施形態のフローチャートである。
【図10】宛先別パラメータを示す図である。
【図11】第5実施形態のフローチャートである。
【図12】同一ネットワーク内の宛先別パラメータを示す図である。
【図13】第6実施形態のフローチャートである。
【図14】第7実施形態のフローチャートである。
【図15】宛先別パラメータを示す図である。
【図16】システムを示す図である。
【図17】第8実施形態のフローチャートである。
【図18】第9実施形態のフローチャートである。
【図19】第10実施形態のフローチャートである。
【図20】通信エラー履歴を示す通信別パラメータの図である。
【図21】IPネットワークを用いた通信システムの図である。
【符号の説明】
【0069】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 EEPROM
5 LAN通信制御部
6 画像処理部
7 プロッター部
8 スキャナー部
9 操作表示部
10 データバス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPネットワーク接続可能な接続手段と、音声コーデック種別から使用可能帯域を判定する判定手段と、音声接続に続いて接続するデータ通信接続における使用帯域を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、音声接続で使用する音声コーデック種別からデータ通信で使用可能なネットワーク帯域を判断して、データ通信の使用帯域を制御することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項2】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
着呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御手段はネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようにデジタル識別信号のデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項3】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御手段はネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようデジタル命令信号のデータ信号速度を設定して画像データパケット送出を制御することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項4】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
通信エラーを検出したとき、通信速度を遅くすることを促すエラー通知を行うことを特徴とするデータ通信端末。
【請求項5】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
宛先毎に通信パラメータが設定可能となっており、通信エラーが発生した場合、設定されている宛先毎のパラメータ内の通信速度パラメータを遅くすることを特徴とするデータ通信端末。
【請求項6】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
宛先毎に通信パラメータが設定可能となっていると共に宛作への通信回数がカウントされており、正常通信が決められた回数に達したとき、現在の通信速度より速い通信速度を宛先ごとに蓄積されている通信パラメータに書き込んで次回の通信を前記速い通信速度によって行うことを特徴とするデータ通信端末。
【請求項7】
請求項5記載のデータ通信端末であって、
宛先ごとに通信パラメータが変更可能となっており、発呼側宛先FAX番号の事業所番号またはIPアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断すると共に、発呼宛先のネットワークアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断し、通信エラーが発生した宛先と同じネットワーク内の宛先のとき、設定されている宛先毎の個別パラメータ内の速度パラメータを遅く設定することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項8】
請求項6記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末がITU−T勧告T.38IAFに準拠しており、この発呼側端末に接続される着呼側端末がITU−T勧告T.38に準拠したゲートウエイ経由のアナログFAXのとき、通信速度を早くする上限速度をアナログFAXが宣言した通信速度として、デジタル命令信号のデータ信号速度に設定し着呼側端末に送信することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項9】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末が特定ネットワークからの発呼であることを判断したとき、前記制御手段は当該特定ネットワークに対し、設定されている通信速度で通信するようにデジタル識別信号にデータ信号速度を設定して、発呼側端末に送信して通信帯域を制御することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項10】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末から着呼したとき、前記制御手段は登録した宛先情報と同一宛先が存在し、当該宛先からの通信に通信エラー履歴の通信速度が記憶されているとき、デジタル識別信号に通信速度が遅くなるデータ信号速度を設定し、相手機に送信することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項11】
IPネットワーク接続する接続ステップと、音声コーデック種別から使用可能帯域を判定する判定ステップと、音声接続に続いて接続するデータ通信接続における使用帯域を制御する制御ステップとを有し、前記制御ステップでは、音声接続で使用する音声コーデック種別からデータ通信で使用可能なネットワーク帯域を判断して、データ通信の使用帯域を制御することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項12】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
着呼側端末における判定ステップでは、使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御ステップではネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようにデジタル識別信号のデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項13】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
発呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御ステップではネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようデジタル命令信号のデータ信号速度を設定して画像データパケット送出を制御することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項14】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
通信エラーを検出したとき、通信速度を遅くすることを促すエラー通知を行うことを特徴とするデータ通信方法。
【請求項15】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
宛先毎に通信パラメータが設定可能となっており、通信エラーが発生した場合、設定されている宛先毎のパラメータ内の通信速度パラメータを遅くすることを特徴とするデータ通信方法。
【請求項16】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
宛先毎に通信パラメータが設定可能となっていると共に宛作への通信回数がカウントされており、正常通信が決められた回数に達したとき、現在の通信速度より速い通信速度を宛先ごとに蓄積されている通信パラメータに書き込んで次回の通信を前記速い通信速度によって行うことを特徴とするデータ通信方法。
【請求項17】
請求項15記載のデータ通信端末であって、
宛先ごとに通信パラメータが変更可能となっており、発呼側宛先FAX番号の事業所番号またはIPアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断すると共に、発呼宛先のネットワークアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断し、通信エラーが発生した宛先と同じネットワーク内の宛先のとき、設定されている宛先毎の個別パラメータ内の速度パラメータを遅く設定することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項18】
請求項16記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末がITU−T勧告T.38IAFに準拠しており、この発呼側端末に接続される着呼側端末がITU−T勧告T.38に準拠したゲートウエイ経由のアナログFAXのとき、通信速度を早くする上限速度をアナログFAXが宣言した通信速度として、デジタル命令信号のデータ信号速度に設定し着呼側端末に送信することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項19】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
発呼側端末が特定ネットワークからの発呼であることを判断したとき、前記制御ステップでは当該特定ネットワークに対し、設定されている通信速度で通信するようにデジタル識別信号にデータ信号速度を設定して、発呼側端末に送信して通信帯域を制御することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項20】
請求項11記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末から着呼したとき、前記制御ステップでは登録した宛先情報と同一宛先が存在し、当該宛先からの通信に通信エラー履歴の通信速度が記憶されているとき、デジタル識別信号に通信速度が遅くなるデータ信号速度を設定し、相手機に送信することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項21】
コンピュータに、請求項11〜20記載のいずれか1項記載の各ステップを実行させるためのデータ通信プログラム。
【請求項22】
請求項21記載のデータ通信プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項1】
IPネットワーク接続可能な接続手段と、音声コーデック種別から使用可能帯域を判定する判定手段と、音声接続に続いて接続するデータ通信接続における使用帯域を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、音声接続で使用する音声コーデック種別からデータ通信で使用可能なネットワーク帯域を判断して、データ通信の使用帯域を制御することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項2】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
着呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御手段はネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようにデジタル識別信号のデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項3】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御手段はネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようデジタル命令信号のデータ信号速度を設定して画像データパケット送出を制御することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項4】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
通信エラーを検出したとき、通信速度を遅くすることを促すエラー通知を行うことを特徴とするデータ通信端末。
【請求項5】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
宛先毎に通信パラメータが設定可能となっており、通信エラーが発生した場合、設定されている宛先毎のパラメータ内の通信速度パラメータを遅くすることを特徴とするデータ通信端末。
【請求項6】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
宛先毎に通信パラメータが設定可能となっていると共に宛作への通信回数がカウントされており、正常通信が決められた回数に達したとき、現在の通信速度より速い通信速度を宛先ごとに蓄積されている通信パラメータに書き込んで次回の通信を前記速い通信速度によって行うことを特徴とするデータ通信端末。
【請求項7】
請求項5記載のデータ通信端末であって、
宛先ごとに通信パラメータが変更可能となっており、発呼側宛先FAX番号の事業所番号またはIPアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断すると共に、発呼宛先のネットワークアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断し、通信エラーが発生した宛先と同じネットワーク内の宛先のとき、設定されている宛先毎の個別パラメータ内の速度パラメータを遅く設定することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項8】
請求項6記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末がITU−T勧告T.38IAFに準拠しており、この発呼側端末に接続される着呼側端末がITU−T勧告T.38に準拠したゲートウエイ経由のアナログFAXのとき、通信速度を早くする上限速度をアナログFAXが宣言した通信速度として、デジタル命令信号のデータ信号速度に設定し着呼側端末に送信することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項9】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末が特定ネットワークからの発呼であることを判断したとき、前記制御手段は当該特定ネットワークに対し、設定されている通信速度で通信するようにデジタル識別信号にデータ信号速度を設定して、発呼側端末に送信して通信帯域を制御することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項10】
請求項1記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末から着呼したとき、前記制御手段は登録した宛先情報と同一宛先が存在し、当該宛先からの通信に通信エラー履歴の通信速度が記憶されているとき、デジタル識別信号に通信速度が遅くなるデータ信号速度を設定し、相手機に送信することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項11】
IPネットワーク接続する接続ステップと、音声コーデック種別から使用可能帯域を判定する判定ステップと、音声接続に続いて接続するデータ通信接続における使用帯域を制御する制御ステップとを有し、前記制御ステップでは、音声接続で使用する音声コーデック種別からデータ通信で使用可能なネットワーク帯域を判断して、データ通信の使用帯域を制御することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項12】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
着呼側端末における判定ステップでは、使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御ステップではネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようにデジタル識別信号のデータ信号速度を設定して発呼側端末に送信することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項13】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
発呼側端末における判定手段が使用可能なネットワーク帯域を判定し、前記制御ステップではネットワーク帯域よりも小さなネットワーク帯域となるようデジタル命令信号のデータ信号速度を設定して画像データパケット送出を制御することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項14】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
通信エラーを検出したとき、通信速度を遅くすることを促すエラー通知を行うことを特徴とするデータ通信方法。
【請求項15】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
宛先毎に通信パラメータが設定可能となっており、通信エラーが発生した場合、設定されている宛先毎のパラメータ内の通信速度パラメータを遅くすることを特徴とするデータ通信方法。
【請求項16】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
宛先毎に通信パラメータが設定可能となっていると共に宛作への通信回数がカウントされており、正常通信が決められた回数に達したとき、現在の通信速度より速い通信速度を宛先ごとに蓄積されている通信パラメータに書き込んで次回の通信を前記速い通信速度によって行うことを特徴とするデータ通信方法。
【請求項17】
請求項15記載のデータ通信端末であって、
宛先ごとに通信パラメータが変更可能となっており、発呼側宛先FAX番号の事業所番号またはIPアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断すると共に、発呼宛先のネットワークアドレスから同一ネットワークの宛先か否かを判断し、通信エラーが発生した宛先と同じネットワーク内の宛先のとき、設定されている宛先毎の個別パラメータ内の速度パラメータを遅く設定することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項18】
請求項16記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末がITU−T勧告T.38IAFに準拠しており、この発呼側端末に接続される着呼側端末がITU−T勧告T.38に準拠したゲートウエイ経由のアナログFAXのとき、通信速度を早くする上限速度をアナログFAXが宣言した通信速度として、デジタル命令信号のデータ信号速度に設定し着呼側端末に送信することを特徴とするデータ通信端末。
【請求項19】
請求項11記載のデータ通信方法であって、
発呼側端末が特定ネットワークからの発呼であることを判断したとき、前記制御ステップでは当該特定ネットワークに対し、設定されている通信速度で通信するようにデジタル識別信号にデータ信号速度を設定して、発呼側端末に送信して通信帯域を制御することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項20】
請求項11記載のデータ通信端末であって、
発呼側端末から着呼したとき、前記制御ステップでは登録した宛先情報と同一宛先が存在し、当該宛先からの通信に通信エラー履歴の通信速度が記憶されているとき、デジタル識別信号に通信速度が遅くなるデータ信号速度を設定し、相手機に送信することを特徴とするデータ通信方法。
【請求項21】
コンピュータに、請求項11〜20記載のいずれか1項記載の各ステップを実行させるためのデータ通信プログラム。
【請求項22】
請求項21記載のデータ通信プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−228219(P2008−228219A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−67357(P2007−67357)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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