データ配信システム及び方法、ゲートウェイ装置
【課題】 省電力状態において通信状態により自動復帰するゲートウェイ装置において、マルチキャストデータの送受信を行っても省電力状態を継続可能とする。
【解決手段】 省電力状態において、L2SW102がマルチキャストデータの受信要求を受信すると、CPU106は、マルチキャストデータをCPU106を経由せずにサーバからTVへ送信するようにL2SW102の設定を行い、受信要求をL2SW102を介してサーバへ転送する。L2SW102は、サーバからマルチキャストデータを受信すると、マルチキャストデータをCPU106を経由せずにTVへ送信することにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信する。
【解決手段】 省電力状態において、L2SW102がマルチキャストデータの受信要求を受信すると、CPU106は、マルチキャストデータをCPU106を経由せずにサーバからTVへ送信するようにL2SW102の設定を行い、受信要求をL2SW102を介してサーバへ転送する。L2SW102は、サーバからマルチキャストデータを受信すると、マルチキャストデータをCPU106を経由せずにTVへ送信することにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ配信システム及び方法、ゲートウェイ装置に係る。本発明は、特に、データの送受信量を監視することによりデータ流量が少ない場合は省電力状態、多い場合は通常の状態へと移行する機能を持ち、ブロードバンドのネットワークを介して地上デジタル放送やBS/CSデジタル放送やビデオオンデマンド(VOD)、インターネットプロトコル(IP)放送等のマルチキャストのデータを送受信可能なホームゲートウェイ装置等のゲートウェイ装置、及び、ゲートウェイ装置を備えたデータ配信システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンドネットワークの普及により、PCやネットワーク接続TV(IPTV)、STB(セットトップボックス)等をクライアント端末とした、ネットワークを介した映像や音楽等のコンテンツ配信サービスが拡大している。
【0003】
見たい時に見たい番組を楽しめるVODサービスや、放送局が放送電波の代わりにインターネットを通じて放送番組を配信するIP放送など、放送電波ではなくネットワークを通じて映像コンテンツを配信するサービス形態が本格化している。これに対応してテレビやレコーダ等の受信機もネットワーク機能を搭載し、映像コンテンツをデータパケットとして受信し再生する機能を搭載するようになってきており、例えば、2003年より開始された地上デジタル放送は、電話回線またはインターネットによる通信機能を必ずといってよいほど備えている。
【0004】
インターネットプロトコルの通信方式には、ネットワーク機器が1対1でIPパケットを送受信するユニキャストと、1台の機器から複数の機器に同じIPパケットを同時に送り届けるマルチキャストがあり、通常の通信では殆どがユニキャスト方式で行われている。
【0005】
しかし、ユニキャストは複数の相手にパケットを送る場合、送る相手機器の台数分のパケットを用意して同時送信又は同報しなくてはならない。IP放送は、各家庭のTVで同時に同じ映像番組を視聴する為、送る相手の数が該当番組を視聴する各家庭のTV総数という膨大な数になり、ユニキャストでのコンテンツ配信はサーバの負担が無限に増えて不可能な為、マルチキャスト通信が使用されている。
【0006】
また、中継装置の省電力機能として、特許文献1にて、省電力モードへの移行及び通常動作モードへの復帰を外部インタフェースの状態により自動で行うことにより、通信機器に対する初期設定のみで簡単に省電力モードを実現できることについて開示されている。
また、特許文献2は、映像受信装置及びマルチキャスト配信コンテンツ受信制御方法について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−141426号公報
【特許文献2】特開2009−17064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の特許文献1で開示されている、省電力機能を有した中継装置において、中継装置が省電力状態の場合に一般ユーザがネットワーク網を介してTV放送データ等の特定のマルチキャストデータを受信すると、中継装置はデータ流量の監視により省電力状態を管理している為、データ流量が多いことを検出するので、通常の状態に戻ってしまい、消費電力が上がってしまう。
本発明は、以上の点に鑑み、省電力状態において通信状態により自動復帰するホームゲートウェイ(HGW)装置等のゲートウェイ装置において、マルチキャストデータの受信及び/又は送信を行っても省電力状態を継続可能とするゲートウェイ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述の課題を解決するために、省電力状態においてもTV放送データ等の特定のマルチキャストデータをHGW装置等のゲートウェイ装置が受信した際、その特定のマルチキャストデータのみ流量監視をせずデータを受信及び/又は送信することにより、消費電力を削減することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の解決手段によると、
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置と、マルチキャストデータを送信するサーバと、前記受信装置からの前記受信要求に従い前記サーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置とを備えた、データ配信システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたデータ配信システムが提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置と、マルチキャストデータを送信するサーバと、前記受信装置からの前記受信要求に従い前記サーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置とを備えた、データ配信システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備えた、前記データ配信システムにおけるデータ配信方法であって、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたデータ配信方法が提供される。
本発明の第3の解決手段によると、
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置からの前記受信要求に従い、マルチキャストデータを送信するサーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置において、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたゲートウェイ装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えばTVを視聴している際、TV放送用のマルチキャストデータを流量監視しないことにより、HGW装置等のゲートウェイ装置の省電力状態を保つことができ、消費電力を削減することができる。例えば、ゲートウェイ装置1台あたり0.1Wの消費電力を削減することができ、全体で10万kWの電力の削減効果が見込める。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係わるシステム構成図を示す。
【図2】本発明におけるネットワーク網を介してRTP等を利用したデータの転送を行う際のフレームについて説明した図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるホームゲートウェイのブロック構成図を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態のホームゲートウェイ装置の通常状態及び省電力状態における各種装置の状態を示す表である。
【図5】本発明の実施の形態の省電力状態のフロー図である。
【図6】本発明及び本実施の形態の実施前の関連技術におけるホームゲートウェイ装置内L2SW及びCPUのデータ送受信の流れを示す図である。
【図7】本発明及び本実施の形態の実施前の関連技術におけるデータ受信時のシーケンス図である。
【図8】本発明の実施の形態の省電力状態のシーケンス図である。
【図9】本発明の実施の形態のホームゲートウェイ装置内のL2SW及びCPUのデータ送受信の流れを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態のWANポート部からデータを受信する際のL2SWの制御フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術範囲を限定するものではない。
本発明の実施の形態では、テレビ放送用マルチキャストフレーム(又は、マルチキャストデータ)を例に説明するが、本発明は、その他のマルチキャストフレーム(又は、マルチキャストデータ)にも適用可能である。マルチキャストデータとしては、例えば、地上デジタル放送、BS/CSデジタル放送、ビデオオンデマンド(VOD)、インターネットプロトコル(IP)放送等の各種のデータがある。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態におけるシステム構成図を示すものである。TV(5)はデジタル放送等のTV放送を受信する機能を有し、受信したいチャネルを要求する機能を有する。STB(セットトップボックス)(2)は、HGW装置(1)へ受信したいTV番組を要求しHGW装置(1)より送信されたTV番組のデータを受信する機能を有し、その受信したデータをTV(5)へ送信する手段である。HGW装置(1)からSTB(2)へデータを送受信する方法としては、有線を利用してのデータ送受信と無線機能を利用してのデータ送受信の方法がある。
【0014】
HGW装置(1)は、STB(2)より要求されたTV番組をネットワーク網(3)を介してTV放送用サーバ(4)よりマルチキャストデータとして送信されているデータを受信する手段であり、また、後述の図3に示す省電力状態及び通常状態に切替えることができる機能を有する。
【0015】
図2は、本発明におけるインターネットを介してRTP(Real time Transport Protocol)等を利用したデータの転送を行う際のフレームについて説明した図になる。なお、データの送信方法はRTPに限られず、他の規格であってもよい。このフレームは、マルチキャストでのデータ伝送の一般的なデータフレーム構成になっており、データ領域内にTV放送データがカプセル化している。このフレームは、例えば、ネットワーク網(3)からHGW装置(1)にTV放送データが送信される際のデータフォーマットになる。
【0016】
TV放送データの構成は、TS(transport stream)ヘッダ(401)、Packet start code prefix(402)、Stream id(403)、パケット長(404)、PES(Packetized Elementary Stream)データ領域(405)を含む。TSヘッダ(401)には、パケット識別子が含まれ、どの番組のパケットかどうかを識別することができる。Packet start code prefix(402)は、PESの始まりを示す識別コードになる。Stream id(403)は、データ領域の内容識別に使用し、例えば現在流れているデータがMPEG2であるなどと識別する。パケット長(404)は、PESデータ領域の長さを示す。PESデータ領域(405)には、圧縮されたTV放送データが入る。また、今回PESおよびTSパケットを利用した方法を用いているが他の規格であってもよい。
【0017】
図3は、本発明の実施の形態におけるホームゲートウェイのブロック構成図である。HGW装置(1)は、WANポート(101)、L2SW(102)、CPU(106)、LANポート部(110)、LED機能部(111)、無線LAN機能部(112)を有する。
WANポート(101)は、WAN(Wide Area Network)とデータを送受信するインターフェース部になり、例としてネットワーク網(3)とデータの送受信を行う。
LANポート(110)は、LAN(Local Area Network)機器とデータを有線にて送受信するLANインタフェース部になり、例としてSTB(2)とのデータ送受信を行う。
無線LAN機能部(112)は、LANポート(110)と同様にLAN機器とデータの送受信行うインタフェースになるが有線ではなく無線にてデータの送受信を行う。
LED機能部(111)は、HGW装置(1)の状態等の各種表示を行うものである。例としてHGW装置(1)起動中には「POWER」のLEDが点灯状態になり、WANポート部(101)が接続状態の場合、「WAN」のLEDが点灯及び点滅を行い、また、省電力状態では全てのLEDが消灯するように構成することができる。なお、LEDに限らず適宜の表示手段による表示機能部として構成することができる。
【0018】
L2SW(102)は、ネットワーク制御部(103)を有し、WANポート部(101)より受信したデータをCPU(106)へ送信を行う事や、逆にCPU(106)から受信したデータをWANポート部(101)へ送信する機能を有し、同様にLANポート部(110)から送受信したデータも同様の処理を行う機能を有する。なお、L2に限らず適宜のレイヤーのスイッチ部に適用することができる。
【0019】
また、ネットワーク制御部(103)は、マルチキャスト検出部(104)を有し、マルチキャスト検出部(104)は、受信したデータが特定のマルチキャストデータ(今回の実施例としてTV放送データ)かどうかの検出を行う。省電力状態において、CPU(106)からTV放送データのみ直接LANポート部(110)へ転送するように指示を出すことにより、ネットワーク制御部(103)はマルチキャスト検出部(104)にてTV放送データが検出された場合、直接LANポート部(110)へ送信を行う。
【0020】
CPU(106)は、モード制御部(107)、機能制御部(108)、データ制御部(109)、流量監視部(105)を有する。モード制御部(107)は、HGW装置(1)の状態を通常状態及び省電力状態の状態設定及び状態切替等の制御を行う。機能制御部(108)は、LED機能部(111)の制御を行う機能及び無線LAN機能部(112)の制御を行う機能を有し、省電力状態においては、L2SW(102)へTV放送データのみCPU(106)を通さず直接LANポート部(110)へ送信するように指示を出す機能を有する。データ制御部(109)は、L2SW(102)より受信したデータのプロトコル処理を行う機能を有する。
【0021】
流量監視部(105)は、L2SW(102)からCPU(106)へ送信されているデータの流量を監視する機能を有しており、HGW装置(1)が省電力状態の場合、流量がある一定の値(例えば、500Kbps)以上ある場合、CPU(106)のモード制御部(107)へ通知する機能を有する。
【0022】
図4は、本発明の実施の形態のHGW装置の通常状態及び省電力状態における各種装置の状態を示す表である。
通常状態S101では、CPU(106)は通常状態、LED機能部(111)は、HGW装置(1)の状態において点灯及び点滅を行っている。無線LAN機能部(112)も起動状態にありデータの送受信が可能となっている。WANポート部(101)およびLANポート部(110)のリンク速度は、高速(省電力状態より速いある一定の速度)(例えば、1G)を最大とするリンク状態になっている。
省電力状態S102では、CPU(106)は省電力状態になっており、ある一定のデータ流量(例えば、500Kbps)のデータのみ疎通を可能としており、それ以上の流量のデータを受信すると通常状態へ復帰してしまう。LED機能部(111)は、HGW装置(1)の状態に係わらず常時消灯状態になる。無線LAN機能部(112)はスリープ状態になりデータの送受信は不可になる。
WANポート部(101)及びLANポート部(110)のリンク速度は、低速(通常状態より遅いある一定の速度)(例えば、10M)でリンク固定になる。現状又は従来では、TVを視聴するとある一定のデータ流量(例えば、500Kbps)以上のデータが流れることになり、省電力状態から通常状態へ復帰することになる。
【0023】
図5に、本発明の実施の形態の省電力状態のフロー図を示す。
CPU(106)(例えば、モード制御部(107)及び/又は機能制御部(108))は、流量監視部(105)により、データの送信量及び/又は受信量を監視することにより、データ流量が少ない場合は省電力状態、多い場合は通常の状態へと移行する。なお、初期設定やマニュアルによる設定で、省電力状態に設定することもできる。
CPU(106)が省電力状態に設定されていると(S201)、ステップS202に示すように図4の省電力状態S102の機能の制限を行う。省電力状態の場合、CPU(106)は、流量監視部(105)によりデータ流量の監視(S203)を行い、データ流量がある一定値(例えば、500Kbps)以上のデータが送受信されたかどうかを監視する(S204)。
データ流量がある一定値(例えば、500Kbps)以上のデータを送受信した場合、CPU(106)は、通常状態へのモード移行を行う(S206)。また、データ流量がある一定値(例えば、500Kbps)以下の場合、CPU(106)は、省電力状態を継続し(S205)、ステップS203へと戻り、流量の監視を続ける。
【0024】
図6は、本発明及び本実施の形態の実施前の関連技術におけるHGW装置(1)内のL2SW(102)及びCPU(106)のデータ送受信の流れを示す図である。図6に示すHGW装置(1)は、一例としてLANポートを4つ、WANポートを1つ持つ構成を示している。L2SW(102)は、Port0(1021)からPort6(1027)を持ち、それぞれPortVIDが設定してある。また、ポートVLAN機能により、WANポート部(101)として使用するポートPort4(1025)、Port5(1026)と、LANポート部(110)として使用するPort0(1021)、Port1(1022)、Port2(1023)、Port3(1024)、Port6(1027)をポートVLANにより分離している。
【0025】
LAN1ポートとWANがリンクしている場合、R101、R102、R103の経路を通りデータの送受信を行う。LANポート1からデータを送信した際のデータの経路について以下に示す。
LAN1からPort0(1021)へデータを送信し、Port0(1021)からネットワーク制御部(103)を介してCPU(106)へデータを送信する。CPU(106)へ送信されたデータは流量監視部(105)を通り流量の監視を行う。また、CPUはプロトコル処理を行いL2SW(102)のPort5へ送信を行う。Port5(1026)からネットワーク制御部(103)、Port4(1025)を介してWAN(101)へデータを送信する。WAN(101)がネットワーク網(3)よりデータを受信した場合、LANポート1からデータを送信した際のデータ経路の逆のR103、R102、R101の経路でWAN(101)から受信したデータが流れる。
【0026】
図7に、本発明及び本実施の形態の実施前の関連技術におけるデータ受信時のシーケンス図を示す。この図7においては、IPv4を前提とし、ネットワーク網(3)からTV放送用サーバではPIM(Protocol Independent Multicast)を用い、ネットワーク網(3)からHGW装置(1)、STB(2)ではIGMP(Internet Management Protocol)を用いている。IPv6の場合はIGMPの代わりにMLD(Multicast Listener Discovery)が用いられる。また、HGW装置(1)は省電力状態になっている。
【0027】
まず、ユーザがTV又はSTB(2)によりチャネルAの受信を要求すると(S301)、STB(2)は、これを受けて、チャネルAのマルチキャストデータを要求する為に、IGMP ReportをHGW装置(1)に送信する(S302)。このIGMP ReportにはチャネルAのTV放送データの送信元アドレスとマルチキャストアドレスの指定も伴っている。
例えば、送信元アドレスは、STB(2)に既に設定されているIPアドレスとなり、また、マルチキャストアドレスは、受信したいチャネル等によりユーザがTV(5)又はSTB(2)に既に設定したものになる。このマルチキャストアドレスを設定することにより受信したいTV番組のマルチキャストデータの受信要求をすることになる。
【0028】
HGW装置(1)は、STB(2)からIGMP Reportを受信すると、これをネットワーク網(3)へ転送する(S303)。これを受けてネットワーク網(3)は、チャネルAのTV放送データを受信中であるならば(S304)、このチャネルAのTV放送データをHGW装置(1)に送信する。HGW装置(1)はネットワーク網(3)から受信したチャネルAのTV放送データをCPU(106)経由でSTB(2)へ送信する(S306)。STB(2)がチャネルAのTV放送データを受信することにより、TV等でチャネルAを視聴することができる。
しかし、CPU(106)経由でマルチキャストデータを送信する為、マルチキャストデータが流量監視部を通過し、ある一定のデータ流量(例えば、500Kbps)以上のデータが流れ通常状態へ移行してしまうことが想定される。現状の省電力状態では、本発明及び本実施の形態の実施前の関連技術のように、一般ユーザが利用する可能が多いと思われるTV視聴等のマルチキャストデータの視聴を行う際は、HGW装置(1)は常に通常状態での利用のみになってしまう。更にHGW装置(1)の省電力化を図る場合、TV視聴等を行っている場合においても、HGW装置(1)の省電力状態を保ちより効率的な消費電力の削減を行う必要がある。実際には、例えば、TV放送が配信されていれば、IGMP ReportをSTB(2)から送信されたとき、その返信でTV放送のデータがSTB(2)まで配信されていく。
なお、チャネルAのTV放送データが流れていない場合、IGMP ReportをSTB(2)から送信されてもTV放送のデータがHGW装置(1)で受信されず、IGMP Reportがタイムアウトになり破棄され、STB(2)及びHGW装置(1)はTV放送を受信しない状態のままになる。
【0029】
図8に、本発明の実施の形態の省電力状態のシーケンス図を示す。図7と同様に、ユーザがTV又はSTB(2)によりチャネルAの受信を要求すると(S401)、STB(2)は、これを受けて、チャネルAのマルチキャストデータを要求する為に、IGMP ReportをHGW装置(1)に送信する(S402)。このIGMP ReportにはチャネルAのTV放送データの送信元アドレスとマルチキャストアドレスの指定も伴っている。
HGW装置(1)は、チャネルAの受信要求の為のIGMP Reportを受信すると、CPU(106)の機能制御部(108)にて、チャネルAのマルチキャストデータをCPU(106)を経由せずにLANポート部(110)へ送信するように、L2SW(102)のネットワーク制御部(103)へ設定を行う。
【0030】
更に、HGW装置(1)は、STB(2)からIGMP Reportを受信すると、これをネットワーク網(3)へ転送する(S403)。ネットワーク網(3)は、これを受けて、チャネルAのTV放送データを受信中であるならば(TV放送用サーバ(4)がチャネルAのTV放送データを放送中であるならば)(S404)、このチャネルAの放送データをHGW装置(1)に送信する。HGW装置(1)は、ネットワーク網(3)から受信したチャネルAの放送データをCPU(106)経由せずにSTB(2)へ送信する(S405)。STB(2)がチャネルAのTV放送データを受信する(S406)ことによりTV等でチャネルAを視聴することができる。TV放送データがCPU(106)を経由しないことにより、流量監視部(105)を通過せずTV放送データを受信しながら省電力状態を保つことができる。
【0031】
図9に、本発明の実施の形態のホームゲートウェイ装置内のL2SW(102)及びCPU(106)のデータ送受信の流れを示す。STB(2)は、LAN1と接続されておりLAN1へチャネルAのTV放送データを受信要求する。LAN1からL2SW(102)のPort0(1021)へ、この受信要求データが送信される。Port0(1021)に送信されたデータは、ネットワーク制御部(103)に送信される。ネットワーク制御部(103)は、受信した受信要求データをCPU(106)へ送信する。CPU(106)に送信されたチェネルAの受信要求データは流量監視部(105)を通過し流量の監視が行われる。チャネルAの受信要求データのデータフレームはある一定のデータ流量(例えば、500Kbps)以下になる為、流量監視部(105)を通過しても省電力状態を継続することができる。また、CPU(106)の機能制御部(108)は、チャネルAのマルチキャストデータをCPU(106)を経由せずにLANポート部(110)へ送信するように、L2SW(102)のネットワーク制御部(103)に設定を行う。
【0032】
CPU(106)は、流量監視部(105)を通過した受信要求データをL2SW(102)へ送信する。CPU(106)よりL2SW(102)へ送信された受信要求データは、Port5(1026)、ネットワーク制御部(103)、Port4(1025)を介してWAN(101)へ送信される。受信要求データの送信の流れは、R201からR202へと流れR203へデータが送信されることになる。
【0033】
WAN(101)は、ネットワーク網(3)経由でTV放送用サーバまたはその配下のルータへチャネルAの受信要求を行い、WAN(101)にはTV放送用サーバより配信されているチャネルAの放送データ(マルチキャストデータ)がネットワーク網(3)経由でWAN(101)に送信される。
【0034】
WAN(101)は、Port4(1025)へチャネルAの放送データを送信させる。Port4に受信されたチャネルAの放送データは、ネットワーク制御部(103)へ送信される。ネットワーク制御部(103)へ送信されたチャネルAの放送データは、ネットワーク制御部(103)内のマルチキャスト検出部(104)へ送信される。マルチキャスト検出部(104)は、受信したデータがマルチキャストデータかどうかを検出する機能を有する。マルチキャスト検出部(104)は、チャネルAの放送データを受信すると、IPアドレスのクラス等により、ユニキャストかマルチキャストかの判定を行う。例えば、マルチキャストのデータはクラスDのIPアドレスになるので、そのクラスDのIPアドレスのものかどうかの判定を行うことができる。CPU(106)の機能制御部(108)より、チャネルAの放送データ(マルチキャストデータ)を受信した場合、CPU(106)を通さず直接LANポート部(110)へ送信する設定を既に行っている為、マルチキャスト検出部(104)の結果により、ネットワーク制御部(103)はPort0(1021)へ放送データを送信する。Port0(1021)は、LAN1へ受信した放送データを送信し、LAN1の配下に接続されているSTB(2)からTV(5)へ放送データを送信することによりユーザは、HGW装置(1)を省電力状態においてもTV視聴を可能とすることができる。
データの流れは、LAN1から受信したチャネルAの受信要求の為のデータが、R201からR202、R202からR203へ送信されWANポート部(101)よりネットワーク網(3)へ送信される。一方、チャネルAのTV放送データが、WANポート部(101)より受信され、R204からR205へ、R205からR206へ送信される為、省電力状態のままTV視聴が可能となる。
【0035】
図10は、本発明の実施の形態のWANポート部からTV放送データを受信する際のL2SW(102)の制御フロー図を示している。Port4(1025)は、WANポート部(101)より送信されたデータを受信すると(S501)、Port4(1025)は、受信したデータをネットワーク制御部(103)へデータを送信する。ネットワーク制御部(103)は、受信したデータ(S502)がTV放送データ(マルチキャストデータ)かどうかの判定をマルチキャスト検出部(104)にて行う(S503)。
【0036】
ネットワーク制御部(103)は、受信したデータがTV放送データ(マルチキャストデータ)の場合、CPU(106)が省電力状態の時は、CPU(106)へデータを送信せずに直接LANポート部(110)へ送信するように設定にしている為、ネットワーク制御部(103)は、TV放送データ(マルチキャストデータ)をLANポート部(110)へ送信する(S504)。
【0037】
TV放送データ(マルチキャストデータ)ではないデータをネットワーク制御部(103)が受信した場合、ネットワーク制御部(103)は、CPU(106)へデータを送信する(S505)。
【0038】
この様に、WANポート部(101)から受信したTV放送データ(マルチキャストデータ)をCPU(106)を経由せずに、直接LANポート部(110)へ送信することにより流量監視部を経由することなくデータの送受信が可能となり、TV放送データを受信している状態においてもHGW装置(1)の状態を省電力状態に保つことが可能となり、それにより、消費電力を削減すること(例えば1台あたり0.1W程度)ができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
マルチキャストデータを要求し、それを受信するためのデータやフレーム、プロトコルは、上述に限らず適宜のものを採用することができる。また、本発明は、TV放送データに限らず、各種のデータに適用することができる。
以上では、TVとSTBが独立の構成を例に説明したが、これに限らず、両者は一体型であってもよく、さらに様々な構成の受信装置を採用することができる。また、本発明は、HGW装置以外にも、適宜のゲートウェイ装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1:HGW装置(ホームゲートウェイ)
101:WANポート部
102:L2SW
103:ネットワーク制御部(L2SW)
104:マルチキャスト検出部(L2SW)
105:流量監視部
106:CPU
107:モード制御部(CPU)
108:機能制御部(CPU)
109:データ制御部(CPU)
110:LANポート部
111:LED機能部
112:無線LAN機能部
2:STB(セットトップボックス)
3:インターネット
4:TV放送用サーバ
5:TV(テレビ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ配信システム及び方法、ゲートウェイ装置に係る。本発明は、特に、データの送受信量を監視することによりデータ流量が少ない場合は省電力状態、多い場合は通常の状態へと移行する機能を持ち、ブロードバンドのネットワークを介して地上デジタル放送やBS/CSデジタル放送やビデオオンデマンド(VOD)、インターネットプロトコル(IP)放送等のマルチキャストのデータを送受信可能なホームゲートウェイ装置等のゲートウェイ装置、及び、ゲートウェイ装置を備えたデータ配信システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンドネットワークの普及により、PCやネットワーク接続TV(IPTV)、STB(セットトップボックス)等をクライアント端末とした、ネットワークを介した映像や音楽等のコンテンツ配信サービスが拡大している。
【0003】
見たい時に見たい番組を楽しめるVODサービスや、放送局が放送電波の代わりにインターネットを通じて放送番組を配信するIP放送など、放送電波ではなくネットワークを通じて映像コンテンツを配信するサービス形態が本格化している。これに対応してテレビやレコーダ等の受信機もネットワーク機能を搭載し、映像コンテンツをデータパケットとして受信し再生する機能を搭載するようになってきており、例えば、2003年より開始された地上デジタル放送は、電話回線またはインターネットによる通信機能を必ずといってよいほど備えている。
【0004】
インターネットプロトコルの通信方式には、ネットワーク機器が1対1でIPパケットを送受信するユニキャストと、1台の機器から複数の機器に同じIPパケットを同時に送り届けるマルチキャストがあり、通常の通信では殆どがユニキャスト方式で行われている。
【0005】
しかし、ユニキャストは複数の相手にパケットを送る場合、送る相手機器の台数分のパケットを用意して同時送信又は同報しなくてはならない。IP放送は、各家庭のTVで同時に同じ映像番組を視聴する為、送る相手の数が該当番組を視聴する各家庭のTV総数という膨大な数になり、ユニキャストでのコンテンツ配信はサーバの負担が無限に増えて不可能な為、マルチキャスト通信が使用されている。
【0006】
また、中継装置の省電力機能として、特許文献1にて、省電力モードへの移行及び通常動作モードへの復帰を外部インタフェースの状態により自動で行うことにより、通信機器に対する初期設定のみで簡単に省電力モードを実現できることについて開示されている。
また、特許文献2は、映像受信装置及びマルチキャスト配信コンテンツ受信制御方法について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−141426号公報
【特許文献2】特開2009−17064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の特許文献1で開示されている、省電力機能を有した中継装置において、中継装置が省電力状態の場合に一般ユーザがネットワーク網を介してTV放送データ等の特定のマルチキャストデータを受信すると、中継装置はデータ流量の監視により省電力状態を管理している為、データ流量が多いことを検出するので、通常の状態に戻ってしまい、消費電力が上がってしまう。
本発明は、以上の点に鑑み、省電力状態において通信状態により自動復帰するホームゲートウェイ(HGW)装置等のゲートウェイ装置において、マルチキャストデータの受信及び/又は送信を行っても省電力状態を継続可能とするゲートウェイ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述の課題を解決するために、省電力状態においてもTV放送データ等の特定のマルチキャストデータをHGW装置等のゲートウェイ装置が受信した際、その特定のマルチキャストデータのみ流量監視をせずデータを受信及び/又は送信することにより、消費電力を削減することを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の解決手段によると、
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置と、マルチキャストデータを送信するサーバと、前記受信装置からの前記受信要求に従い前記サーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置とを備えた、データ配信システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたデータ配信システムが提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置と、マルチキャストデータを送信するサーバと、前記受信装置からの前記受信要求に従い前記サーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置とを備えた、データ配信システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備えた、前記データ配信システムにおけるデータ配信方法であって、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたデータ配信方法が提供される。
本発明の第3の解決手段によると、
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置からの前記受信要求に従い、マルチキャストデータを送信するサーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置において、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたゲートウェイ装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えばTVを視聴している際、TV放送用のマルチキャストデータを流量監視しないことにより、HGW装置等のゲートウェイ装置の省電力状態を保つことができ、消費電力を削減することができる。例えば、ゲートウェイ装置1台あたり0.1Wの消費電力を削減することができ、全体で10万kWの電力の削減効果が見込める。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係わるシステム構成図を示す。
【図2】本発明におけるネットワーク網を介してRTP等を利用したデータの転送を行う際のフレームについて説明した図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるホームゲートウェイのブロック構成図を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態のホームゲートウェイ装置の通常状態及び省電力状態における各種装置の状態を示す表である。
【図5】本発明の実施の形態の省電力状態のフロー図である。
【図6】本発明及び本実施の形態の実施前の関連技術におけるホームゲートウェイ装置内L2SW及びCPUのデータ送受信の流れを示す図である。
【図7】本発明及び本実施の形態の実施前の関連技術におけるデータ受信時のシーケンス図である。
【図8】本発明の実施の形態の省電力状態のシーケンス図である。
【図9】本発明の実施の形態のホームゲートウェイ装置内のL2SW及びCPUのデータ送受信の流れを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態のWANポート部からデータを受信する際のL2SWの制御フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術範囲を限定するものではない。
本発明の実施の形態では、テレビ放送用マルチキャストフレーム(又は、マルチキャストデータ)を例に説明するが、本発明は、その他のマルチキャストフレーム(又は、マルチキャストデータ)にも適用可能である。マルチキャストデータとしては、例えば、地上デジタル放送、BS/CSデジタル放送、ビデオオンデマンド(VOD)、インターネットプロトコル(IP)放送等の各種のデータがある。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態におけるシステム構成図を示すものである。TV(5)はデジタル放送等のTV放送を受信する機能を有し、受信したいチャネルを要求する機能を有する。STB(セットトップボックス)(2)は、HGW装置(1)へ受信したいTV番組を要求しHGW装置(1)より送信されたTV番組のデータを受信する機能を有し、その受信したデータをTV(5)へ送信する手段である。HGW装置(1)からSTB(2)へデータを送受信する方法としては、有線を利用してのデータ送受信と無線機能を利用してのデータ送受信の方法がある。
【0014】
HGW装置(1)は、STB(2)より要求されたTV番組をネットワーク網(3)を介してTV放送用サーバ(4)よりマルチキャストデータとして送信されているデータを受信する手段であり、また、後述の図3に示す省電力状態及び通常状態に切替えることができる機能を有する。
【0015】
図2は、本発明におけるインターネットを介してRTP(Real time Transport Protocol)等を利用したデータの転送を行う際のフレームについて説明した図になる。なお、データの送信方法はRTPに限られず、他の規格であってもよい。このフレームは、マルチキャストでのデータ伝送の一般的なデータフレーム構成になっており、データ領域内にTV放送データがカプセル化している。このフレームは、例えば、ネットワーク網(3)からHGW装置(1)にTV放送データが送信される際のデータフォーマットになる。
【0016】
TV放送データの構成は、TS(transport stream)ヘッダ(401)、Packet start code prefix(402)、Stream id(403)、パケット長(404)、PES(Packetized Elementary Stream)データ領域(405)を含む。TSヘッダ(401)には、パケット識別子が含まれ、どの番組のパケットかどうかを識別することができる。Packet start code prefix(402)は、PESの始まりを示す識別コードになる。Stream id(403)は、データ領域の内容識別に使用し、例えば現在流れているデータがMPEG2であるなどと識別する。パケット長(404)は、PESデータ領域の長さを示す。PESデータ領域(405)には、圧縮されたTV放送データが入る。また、今回PESおよびTSパケットを利用した方法を用いているが他の規格であってもよい。
【0017】
図3は、本発明の実施の形態におけるホームゲートウェイのブロック構成図である。HGW装置(1)は、WANポート(101)、L2SW(102)、CPU(106)、LANポート部(110)、LED機能部(111)、無線LAN機能部(112)を有する。
WANポート(101)は、WAN(Wide Area Network)とデータを送受信するインターフェース部になり、例としてネットワーク網(3)とデータの送受信を行う。
LANポート(110)は、LAN(Local Area Network)機器とデータを有線にて送受信するLANインタフェース部になり、例としてSTB(2)とのデータ送受信を行う。
無線LAN機能部(112)は、LANポート(110)と同様にLAN機器とデータの送受信行うインタフェースになるが有線ではなく無線にてデータの送受信を行う。
LED機能部(111)は、HGW装置(1)の状態等の各種表示を行うものである。例としてHGW装置(1)起動中には「POWER」のLEDが点灯状態になり、WANポート部(101)が接続状態の場合、「WAN」のLEDが点灯及び点滅を行い、また、省電力状態では全てのLEDが消灯するように構成することができる。なお、LEDに限らず適宜の表示手段による表示機能部として構成することができる。
【0018】
L2SW(102)は、ネットワーク制御部(103)を有し、WANポート部(101)より受信したデータをCPU(106)へ送信を行う事や、逆にCPU(106)から受信したデータをWANポート部(101)へ送信する機能を有し、同様にLANポート部(110)から送受信したデータも同様の処理を行う機能を有する。なお、L2に限らず適宜のレイヤーのスイッチ部に適用することができる。
【0019】
また、ネットワーク制御部(103)は、マルチキャスト検出部(104)を有し、マルチキャスト検出部(104)は、受信したデータが特定のマルチキャストデータ(今回の実施例としてTV放送データ)かどうかの検出を行う。省電力状態において、CPU(106)からTV放送データのみ直接LANポート部(110)へ転送するように指示を出すことにより、ネットワーク制御部(103)はマルチキャスト検出部(104)にてTV放送データが検出された場合、直接LANポート部(110)へ送信を行う。
【0020】
CPU(106)は、モード制御部(107)、機能制御部(108)、データ制御部(109)、流量監視部(105)を有する。モード制御部(107)は、HGW装置(1)の状態を通常状態及び省電力状態の状態設定及び状態切替等の制御を行う。機能制御部(108)は、LED機能部(111)の制御を行う機能及び無線LAN機能部(112)の制御を行う機能を有し、省電力状態においては、L2SW(102)へTV放送データのみCPU(106)を通さず直接LANポート部(110)へ送信するように指示を出す機能を有する。データ制御部(109)は、L2SW(102)より受信したデータのプロトコル処理を行う機能を有する。
【0021】
流量監視部(105)は、L2SW(102)からCPU(106)へ送信されているデータの流量を監視する機能を有しており、HGW装置(1)が省電力状態の場合、流量がある一定の値(例えば、500Kbps)以上ある場合、CPU(106)のモード制御部(107)へ通知する機能を有する。
【0022】
図4は、本発明の実施の形態のHGW装置の通常状態及び省電力状態における各種装置の状態を示す表である。
通常状態S101では、CPU(106)は通常状態、LED機能部(111)は、HGW装置(1)の状態において点灯及び点滅を行っている。無線LAN機能部(112)も起動状態にありデータの送受信が可能となっている。WANポート部(101)およびLANポート部(110)のリンク速度は、高速(省電力状態より速いある一定の速度)(例えば、1G)を最大とするリンク状態になっている。
省電力状態S102では、CPU(106)は省電力状態になっており、ある一定のデータ流量(例えば、500Kbps)のデータのみ疎通を可能としており、それ以上の流量のデータを受信すると通常状態へ復帰してしまう。LED機能部(111)は、HGW装置(1)の状態に係わらず常時消灯状態になる。無線LAN機能部(112)はスリープ状態になりデータの送受信は不可になる。
WANポート部(101)及びLANポート部(110)のリンク速度は、低速(通常状態より遅いある一定の速度)(例えば、10M)でリンク固定になる。現状又は従来では、TVを視聴するとある一定のデータ流量(例えば、500Kbps)以上のデータが流れることになり、省電力状態から通常状態へ復帰することになる。
【0023】
図5に、本発明の実施の形態の省電力状態のフロー図を示す。
CPU(106)(例えば、モード制御部(107)及び/又は機能制御部(108))は、流量監視部(105)により、データの送信量及び/又は受信量を監視することにより、データ流量が少ない場合は省電力状態、多い場合は通常の状態へと移行する。なお、初期設定やマニュアルによる設定で、省電力状態に設定することもできる。
CPU(106)が省電力状態に設定されていると(S201)、ステップS202に示すように図4の省電力状態S102の機能の制限を行う。省電力状態の場合、CPU(106)は、流量監視部(105)によりデータ流量の監視(S203)を行い、データ流量がある一定値(例えば、500Kbps)以上のデータが送受信されたかどうかを監視する(S204)。
データ流量がある一定値(例えば、500Kbps)以上のデータを送受信した場合、CPU(106)は、通常状態へのモード移行を行う(S206)。また、データ流量がある一定値(例えば、500Kbps)以下の場合、CPU(106)は、省電力状態を継続し(S205)、ステップS203へと戻り、流量の監視を続ける。
【0024】
図6は、本発明及び本実施の形態の実施前の関連技術におけるHGW装置(1)内のL2SW(102)及びCPU(106)のデータ送受信の流れを示す図である。図6に示すHGW装置(1)は、一例としてLANポートを4つ、WANポートを1つ持つ構成を示している。L2SW(102)は、Port0(1021)からPort6(1027)を持ち、それぞれPortVIDが設定してある。また、ポートVLAN機能により、WANポート部(101)として使用するポートPort4(1025)、Port5(1026)と、LANポート部(110)として使用するPort0(1021)、Port1(1022)、Port2(1023)、Port3(1024)、Port6(1027)をポートVLANにより分離している。
【0025】
LAN1ポートとWANがリンクしている場合、R101、R102、R103の経路を通りデータの送受信を行う。LANポート1からデータを送信した際のデータの経路について以下に示す。
LAN1からPort0(1021)へデータを送信し、Port0(1021)からネットワーク制御部(103)を介してCPU(106)へデータを送信する。CPU(106)へ送信されたデータは流量監視部(105)を通り流量の監視を行う。また、CPUはプロトコル処理を行いL2SW(102)のPort5へ送信を行う。Port5(1026)からネットワーク制御部(103)、Port4(1025)を介してWAN(101)へデータを送信する。WAN(101)がネットワーク網(3)よりデータを受信した場合、LANポート1からデータを送信した際のデータ経路の逆のR103、R102、R101の経路でWAN(101)から受信したデータが流れる。
【0026】
図7に、本発明及び本実施の形態の実施前の関連技術におけるデータ受信時のシーケンス図を示す。この図7においては、IPv4を前提とし、ネットワーク網(3)からTV放送用サーバではPIM(Protocol Independent Multicast)を用い、ネットワーク網(3)からHGW装置(1)、STB(2)ではIGMP(Internet Management Protocol)を用いている。IPv6の場合はIGMPの代わりにMLD(Multicast Listener Discovery)が用いられる。また、HGW装置(1)は省電力状態になっている。
【0027】
まず、ユーザがTV又はSTB(2)によりチャネルAの受信を要求すると(S301)、STB(2)は、これを受けて、チャネルAのマルチキャストデータを要求する為に、IGMP ReportをHGW装置(1)に送信する(S302)。このIGMP ReportにはチャネルAのTV放送データの送信元アドレスとマルチキャストアドレスの指定も伴っている。
例えば、送信元アドレスは、STB(2)に既に設定されているIPアドレスとなり、また、マルチキャストアドレスは、受信したいチャネル等によりユーザがTV(5)又はSTB(2)に既に設定したものになる。このマルチキャストアドレスを設定することにより受信したいTV番組のマルチキャストデータの受信要求をすることになる。
【0028】
HGW装置(1)は、STB(2)からIGMP Reportを受信すると、これをネットワーク網(3)へ転送する(S303)。これを受けてネットワーク網(3)は、チャネルAのTV放送データを受信中であるならば(S304)、このチャネルAのTV放送データをHGW装置(1)に送信する。HGW装置(1)はネットワーク網(3)から受信したチャネルAのTV放送データをCPU(106)経由でSTB(2)へ送信する(S306)。STB(2)がチャネルAのTV放送データを受信することにより、TV等でチャネルAを視聴することができる。
しかし、CPU(106)経由でマルチキャストデータを送信する為、マルチキャストデータが流量監視部を通過し、ある一定のデータ流量(例えば、500Kbps)以上のデータが流れ通常状態へ移行してしまうことが想定される。現状の省電力状態では、本発明及び本実施の形態の実施前の関連技術のように、一般ユーザが利用する可能が多いと思われるTV視聴等のマルチキャストデータの視聴を行う際は、HGW装置(1)は常に通常状態での利用のみになってしまう。更にHGW装置(1)の省電力化を図る場合、TV視聴等を行っている場合においても、HGW装置(1)の省電力状態を保ちより効率的な消費電力の削減を行う必要がある。実際には、例えば、TV放送が配信されていれば、IGMP ReportをSTB(2)から送信されたとき、その返信でTV放送のデータがSTB(2)まで配信されていく。
なお、チャネルAのTV放送データが流れていない場合、IGMP ReportをSTB(2)から送信されてもTV放送のデータがHGW装置(1)で受信されず、IGMP Reportがタイムアウトになり破棄され、STB(2)及びHGW装置(1)はTV放送を受信しない状態のままになる。
【0029】
図8に、本発明の実施の形態の省電力状態のシーケンス図を示す。図7と同様に、ユーザがTV又はSTB(2)によりチャネルAの受信を要求すると(S401)、STB(2)は、これを受けて、チャネルAのマルチキャストデータを要求する為に、IGMP ReportをHGW装置(1)に送信する(S402)。このIGMP ReportにはチャネルAのTV放送データの送信元アドレスとマルチキャストアドレスの指定も伴っている。
HGW装置(1)は、チャネルAの受信要求の為のIGMP Reportを受信すると、CPU(106)の機能制御部(108)にて、チャネルAのマルチキャストデータをCPU(106)を経由せずにLANポート部(110)へ送信するように、L2SW(102)のネットワーク制御部(103)へ設定を行う。
【0030】
更に、HGW装置(1)は、STB(2)からIGMP Reportを受信すると、これをネットワーク網(3)へ転送する(S403)。ネットワーク網(3)は、これを受けて、チャネルAのTV放送データを受信中であるならば(TV放送用サーバ(4)がチャネルAのTV放送データを放送中であるならば)(S404)、このチャネルAの放送データをHGW装置(1)に送信する。HGW装置(1)は、ネットワーク網(3)から受信したチャネルAの放送データをCPU(106)経由せずにSTB(2)へ送信する(S405)。STB(2)がチャネルAのTV放送データを受信する(S406)ことによりTV等でチャネルAを視聴することができる。TV放送データがCPU(106)を経由しないことにより、流量監視部(105)を通過せずTV放送データを受信しながら省電力状態を保つことができる。
【0031】
図9に、本発明の実施の形態のホームゲートウェイ装置内のL2SW(102)及びCPU(106)のデータ送受信の流れを示す。STB(2)は、LAN1と接続されておりLAN1へチャネルAのTV放送データを受信要求する。LAN1からL2SW(102)のPort0(1021)へ、この受信要求データが送信される。Port0(1021)に送信されたデータは、ネットワーク制御部(103)に送信される。ネットワーク制御部(103)は、受信した受信要求データをCPU(106)へ送信する。CPU(106)に送信されたチェネルAの受信要求データは流量監視部(105)を通過し流量の監視が行われる。チャネルAの受信要求データのデータフレームはある一定のデータ流量(例えば、500Kbps)以下になる為、流量監視部(105)を通過しても省電力状態を継続することができる。また、CPU(106)の機能制御部(108)は、チャネルAのマルチキャストデータをCPU(106)を経由せずにLANポート部(110)へ送信するように、L2SW(102)のネットワーク制御部(103)に設定を行う。
【0032】
CPU(106)は、流量監視部(105)を通過した受信要求データをL2SW(102)へ送信する。CPU(106)よりL2SW(102)へ送信された受信要求データは、Port5(1026)、ネットワーク制御部(103)、Port4(1025)を介してWAN(101)へ送信される。受信要求データの送信の流れは、R201からR202へと流れR203へデータが送信されることになる。
【0033】
WAN(101)は、ネットワーク網(3)経由でTV放送用サーバまたはその配下のルータへチャネルAの受信要求を行い、WAN(101)にはTV放送用サーバより配信されているチャネルAの放送データ(マルチキャストデータ)がネットワーク網(3)経由でWAN(101)に送信される。
【0034】
WAN(101)は、Port4(1025)へチャネルAの放送データを送信させる。Port4に受信されたチャネルAの放送データは、ネットワーク制御部(103)へ送信される。ネットワーク制御部(103)へ送信されたチャネルAの放送データは、ネットワーク制御部(103)内のマルチキャスト検出部(104)へ送信される。マルチキャスト検出部(104)は、受信したデータがマルチキャストデータかどうかを検出する機能を有する。マルチキャスト検出部(104)は、チャネルAの放送データを受信すると、IPアドレスのクラス等により、ユニキャストかマルチキャストかの判定を行う。例えば、マルチキャストのデータはクラスDのIPアドレスになるので、そのクラスDのIPアドレスのものかどうかの判定を行うことができる。CPU(106)の機能制御部(108)より、チャネルAの放送データ(マルチキャストデータ)を受信した場合、CPU(106)を通さず直接LANポート部(110)へ送信する設定を既に行っている為、マルチキャスト検出部(104)の結果により、ネットワーク制御部(103)はPort0(1021)へ放送データを送信する。Port0(1021)は、LAN1へ受信した放送データを送信し、LAN1の配下に接続されているSTB(2)からTV(5)へ放送データを送信することによりユーザは、HGW装置(1)を省電力状態においてもTV視聴を可能とすることができる。
データの流れは、LAN1から受信したチャネルAの受信要求の為のデータが、R201からR202、R202からR203へ送信されWANポート部(101)よりネットワーク網(3)へ送信される。一方、チャネルAのTV放送データが、WANポート部(101)より受信され、R204からR205へ、R205からR206へ送信される為、省電力状態のままTV視聴が可能となる。
【0035】
図10は、本発明の実施の形態のWANポート部からTV放送データを受信する際のL2SW(102)の制御フロー図を示している。Port4(1025)は、WANポート部(101)より送信されたデータを受信すると(S501)、Port4(1025)は、受信したデータをネットワーク制御部(103)へデータを送信する。ネットワーク制御部(103)は、受信したデータ(S502)がTV放送データ(マルチキャストデータ)かどうかの判定をマルチキャスト検出部(104)にて行う(S503)。
【0036】
ネットワーク制御部(103)は、受信したデータがTV放送データ(マルチキャストデータ)の場合、CPU(106)が省電力状態の時は、CPU(106)へデータを送信せずに直接LANポート部(110)へ送信するように設定にしている為、ネットワーク制御部(103)は、TV放送データ(マルチキャストデータ)をLANポート部(110)へ送信する(S504)。
【0037】
TV放送データ(マルチキャストデータ)ではないデータをネットワーク制御部(103)が受信した場合、ネットワーク制御部(103)は、CPU(106)へデータを送信する(S505)。
【0038】
この様に、WANポート部(101)から受信したTV放送データ(マルチキャストデータ)をCPU(106)を経由せずに、直接LANポート部(110)へ送信することにより流量監視部を経由することなくデータの送受信が可能となり、TV放送データを受信している状態においてもHGW装置(1)の状態を省電力状態に保つことが可能となり、それにより、消費電力を削減すること(例えば1台あたり0.1W程度)ができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
マルチキャストデータを要求し、それを受信するためのデータやフレーム、プロトコルは、上述に限らず適宜のものを採用することができる。また、本発明は、TV放送データに限らず、各種のデータに適用することができる。
以上では、TVとSTBが独立の構成を例に説明したが、これに限らず、両者は一体型であってもよく、さらに様々な構成の受信装置を採用することができる。また、本発明は、HGW装置以外にも、適宜のゲートウェイ装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1:HGW装置(ホームゲートウェイ)
101:WANポート部
102:L2SW
103:ネットワーク制御部(L2SW)
104:マルチキャスト検出部(L2SW)
105:流量監視部
106:CPU
107:モード制御部(CPU)
108:機能制御部(CPU)
109:データ制御部(CPU)
110:LANポート部
111:LED機能部
112:無線LAN機能部
2:STB(セットトップボックス)
3:インターネット
4:TV放送用サーバ
5:TV(テレビ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置と、マルチキャストデータを送信するサーバと、前記受信装置からの前記受信要求に従い前記サーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置とを備えた、データ配信システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたデータ配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ配信システムにおいて、
前記CPUは、
ゲートウェイ装置の状態を通常状態又は省電力状態に切替制御を行う機能を有するモード制御部と、
ゲートウェイ装置の状態を表示する表示機能部と、
通常状態及び省電力状態に従い前記表示機能部の制御を行う機能と、省電力状態においては前記スイッチへマルチキャストデータのみ前記CPUを通さず直接前記受信装置へ送信するように設定する機能を有する機能制御部と、
前記スイッチから前記CPUへ送信されているデータの流量を監視する機能を有し、ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、流量が予め定められた一定値以上あることを前記モード制御部へ通知する機能を有する流量監視部と
を備えたことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のデータ配信システムにおいて、
さらに、
前記サーバと第1のネットワークを介してデータを送受信する第1のポート部と、
前記受信装置と第2のネットワークを介してデータを送受信する第2のポート部と、
を備え、前記第1及び第2のポートが前記スイッチに接続されていることを特徴とするデータ配信システム。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ配信システムにおいて、
通常状態では、前記CPUは通常動作状態となり、前記表示機能部はゲートウェイ装置の状態を示すように点灯及び点滅を行い、前記第1及び第2のポート部のリンク速度は省電力状態より速い予め定められた速度を最大とし、前記流量監視部に前記一定値以下の流量のデータが流れると通常状態から省電力状態へ切り替え、
一方、省電力状態では、前記CPUは省電力状態となり予め定められた一定値以下の流量のデータのみ疎通を可能とし、それ以上の流量のデータを受信すると通常状態へ復帰し、前記表示機能部は、ゲートウェイ装置の状態に係わらず常時消灯状態とし、前記第1及び第2のポート部のリンク速度は通常状態より遅い予め定められた速度で固定とし、前記流量監視部に前記一定値以上の流量のデータが流れると省電力状態から通常状態へ復帰する
ことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のデータ配信システムにおいて、
前記スイッチは、
前記サーバより受信したデータが前記マルチキャストデータかどうかの検出をするマルチキャスト検出部と、
前記CPUの制御により、前記サーバより受信した前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず直接前記受信装置へ送信するように制御するネットワーク制御部と
を備えたことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項6】
請求項5に記載のデータ配信システムにおいて、
前記マルチキャスト検出部は、受信したデータが前記マルチキャストデータかどうかの判定を行い、
前記ネットワーク制御部は、受信したデータが前記マルチキャストデータの場合、前記CPUにより省電力状態が設定されているときは、前記CPUへデータを送信せずに直接ネットワークへ送信する設定に従い、前記マルチキャストデータを前記ネットワークへ送信し、
一方、前記ネットワーク制御部は、受信したデータが前記マルチキャストデータでない場合、前記CPUへ受信したデータを送信する
ことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のデータ配信システムにおいて、
前記受信要求は、前記マルチキャストデータの送信元アドレスと、マルチキャストアドレスを含むことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のデータ配信システムにおいて、
前記マルチキャストデータは、地上デジタル放送、BS/CSデジタル放送、VOD、IP放送、その他の放送データ又は配信データのいずれかであることを特徴とするデータ配信システム。
【請求項9】
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置と、マルチキャストデータを送信するサーバと、前記受信装置からの前記受信要求に従い前記サーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置とを備えた、データ配信システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備えた、前記データ配信システムにおけるデータ配信方法であって、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたデータ配信方法。
【請求項10】
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置からの前記受信要求に従い、マルチキャストデータを送信するサーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置において、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたゲートウェイ装置。
【請求項1】
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置と、マルチキャストデータを送信するサーバと、前記受信装置からの前記受信要求に従い前記サーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置とを備えた、データ配信システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたデータ配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ配信システムにおいて、
前記CPUは、
ゲートウェイ装置の状態を通常状態又は省電力状態に切替制御を行う機能を有するモード制御部と、
ゲートウェイ装置の状態を表示する表示機能部と、
通常状態及び省電力状態に従い前記表示機能部の制御を行う機能と、省電力状態においては前記スイッチへマルチキャストデータのみ前記CPUを通さず直接前記受信装置へ送信するように設定する機能を有する機能制御部と、
前記スイッチから前記CPUへ送信されているデータの流量を監視する機能を有し、ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、流量が予め定められた一定値以上あることを前記モード制御部へ通知する機能を有する流量監視部と
を備えたことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のデータ配信システムにおいて、
さらに、
前記サーバと第1のネットワークを介してデータを送受信する第1のポート部と、
前記受信装置と第2のネットワークを介してデータを送受信する第2のポート部と、
を備え、前記第1及び第2のポートが前記スイッチに接続されていることを特徴とするデータ配信システム。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ配信システムにおいて、
通常状態では、前記CPUは通常動作状態となり、前記表示機能部はゲートウェイ装置の状態を示すように点灯及び点滅を行い、前記第1及び第2のポート部のリンク速度は省電力状態より速い予め定められた速度を最大とし、前記流量監視部に前記一定値以下の流量のデータが流れると通常状態から省電力状態へ切り替え、
一方、省電力状態では、前記CPUは省電力状態となり予め定められた一定値以下の流量のデータのみ疎通を可能とし、それ以上の流量のデータを受信すると通常状態へ復帰し、前記表示機能部は、ゲートウェイ装置の状態に係わらず常時消灯状態とし、前記第1及び第2のポート部のリンク速度は通常状態より遅い予め定められた速度で固定とし、前記流量監視部に前記一定値以上の流量のデータが流れると省電力状態から通常状態へ復帰する
ことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のデータ配信システムにおいて、
前記スイッチは、
前記サーバより受信したデータが前記マルチキャストデータかどうかの検出をするマルチキャスト検出部と、
前記CPUの制御により、前記サーバより受信した前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず直接前記受信装置へ送信するように制御するネットワーク制御部と
を備えたことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項6】
請求項5に記載のデータ配信システムにおいて、
前記マルチキャスト検出部は、受信したデータが前記マルチキャストデータかどうかの判定を行い、
前記ネットワーク制御部は、受信したデータが前記マルチキャストデータの場合、前記CPUにより省電力状態が設定されているときは、前記CPUへデータを送信せずに直接ネットワークへ送信する設定に従い、前記マルチキャストデータを前記ネットワークへ送信し、
一方、前記ネットワーク制御部は、受信したデータが前記マルチキャストデータでない場合、前記CPUへ受信したデータを送信する
ことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のデータ配信システムにおいて、
前記受信要求は、前記マルチキャストデータの送信元アドレスと、マルチキャストアドレスを含むことを特徴とするデータ配信システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のデータ配信システムにおいて、
前記マルチキャストデータは、地上デジタル放送、BS/CSデジタル放送、VOD、IP放送、その他の放送データ又は配信データのいずれかであることを特徴とするデータ配信システム。
【請求項9】
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置と、マルチキャストデータを送信するサーバと、前記受信装置からの前記受信要求に従い前記サーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置とを備えた、データ配信システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備えた、前記データ配信システムにおけるデータ配信方法であって、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたデータ配信方法。
【請求項10】
マルチキャストデータの受信要求を送信して前記マルチキャストデータを受信するための受信装置からの前記受信要求に従い、マルチキャストデータを送信するサーバからマルチキャストデータを受信して前記受信装置へ配信するゲートウェイ装置において、
データ流量を監視することにより、データ流量が予め定められた一定値より少ない場合は省電力状態、前記一定値より多い場合は通常状態へと移行する制御を行うためのCPUと、
前記サーバより受信したデータが前記一定値より流量の多いマルチキャストデータである場合は、前記マルチキャストデータを前記CPUを介さず前記受信装置へ送信し、及び、前記受信装置及び前記サーバから受信したデータが前記マルチキャストデータ以外のデータである場合、前記CPUを介して、それぞれ前記サーバ及び前記受信装置へ前記データを送信するためのスイッチと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が省電力状態に設定されている場合、
前記スイッチは、前記受信装置から前記マルチキャストデータの受信要求を受信し、
前記CPUは、前記スイッチから前記受信要求を受け、要求された前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記サーバから前記受信装置へ送信するように、前記スイッチの設定を行い、且つ、前記受信要求を、前記スイッチを介して前記サーバへ転送し、
前記スイッチは、前記サーバから前記受信要求に従い前記マルチキャストデータを受信し、前記CPUによる前記設定に従い、前記マルチキャストデータを前記CPUを経由せずに前記受信装置へ送信する
ことにより省電力状態を維持して前記マルチキャストデータを配信するようにしたゲートウェイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−231369(P2012−231369A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99235(P2011−99235)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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