説明

トイレ用リモコン及びトイレ機器

【課題】リモコンをトイレルーム内の左右のいずれの壁に設置した場合に、リモコンとトイレ機器の受信アンテナとの間に人体等の電波障害物が存在しても、リモコンからの電波の受信感度が同等になるトイレ用リモコン及びトイレ機器を提供する。
【解決手段】左用アンテナ部7aは主として左方向に電波を発信し、右用アンテナ部7bは主として右方向に電波を発信する。このため、リモコン1と受信アンテナとの間に人体等の障害物が存在していても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。位相回路12によって、左右のアンテナ部7a,7bで発信電波の位相を異ならせている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレルームに設置されるトイレ用リモコンに係り、特にアンテナから信号電波を発信するようにした電波リモコンに関する。
【0002】
また、本発明は、電波リモコンからの電波を受信するアンテナを有したトイレ機器に関する。
【背景技術】
【0003】
[電波リモコン]
電波リモコンによってトイレ用温水洗浄装置を操作するよう構成することが特開2005−90062号に記載されている。この特開2005−90062号には、受信アンテナを左右対称に設置することについての記載はない。なお、本明細書において、左右とはトイレルーム内の便器を利用する姿勢の人にとっての左右をいう。
[受信アンテナを有したトイレ機器]
特開2000−33052号には、トイレ利用者が所持するIDカードからの電波を、暖房便座のヒータを受信アンテナとして用いて受信する個人認識手段付きトイレ装置が記載されている。
【特許文献1】特開2005−90062号
【特許文献2】特開2000−33052号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレ用リモコンの電波強度は、電波法の規制強度以下とする必要がある。そのため、リモコンをトイレの左側の壁に設置した場合、受信アンテナがトイレの右側に配置されているときには、人体が障害となり、通信不良となるおそれがある。
【0005】
なお、上記特開2005−90062号の電波リモコンには、電波を左右2方向に発信することは開示されていない。
【0006】
本発明は、リモコンをトイレルーム内の左右のいずれの壁に設置した場合に、リモコンとトイレ機器の受信アンテナとの間に人体等の電波障害物が存在しても、リモコンからの電波の受信感度が同等になるトイレ用リモコン及びトイレ機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1のトイレ用リモコンは、トイレルームに設置され、アンテナによってトイレ機器操作用の電波を発信するトイレ用リモコンにおいて、該リモコンの左方と右方の2方向へ略対称に電波を発信するように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2のトイレ用リモコンは、請求項1において、左方向へ電波を発信する左用アンテナと、右方向へ電波を発信する右用アンテナとを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3のトイレ用リモコンは、請求項2において、左用アンテナの後方に電波を左方向に反射する左用反射体が設けられ、右用アンテナの後方に電波を右方向に反射させる右用反射体が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4のトイレ用リモコンは、請求項2又は3において、左用アンテナからの電波と右用アンテナからの電波とで位相を異ならせるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5のトイレ用リモコンは、請求項1において、前記アンテナは左方向から右方向にかけて連続して電波を発信するものであり、該アンテナからリモコンの正面方向に発信に向かう電波出力を低下させる手段を設け、これにより左方向と右方向との2方向へ電波を発信するようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項6のトイレ用リモコンは、請求項5において、該手段は電波の反射体であることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7のトイレ用リモコンは、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記リモコンは、ケースと、該ケース内に配置されたアンテナと、該アンテナに電気信号を与える機器とを備えてなり、該アンテナは該機器よりも外周側に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項8のトイレ用リモコンは、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記リモコンは、ケースと、該ケース内に配置されたアンテナと、該アンテナに電気信号を与えるための回路を搭載した回路基板を備えており、前記アンテナは該回路基板よりも前方に配置されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項9のトイレ用リモコンは、請求項1ないし8のいずれか1項において、電波発信方向を下向き方向としたアンテナを更に備えていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項10のトイレ機器は、暖房便座を有するトイレ機器であって、電波リモコンからの電波を受信するアンテナを有するトイレ機器において、該暖房便座のヒータが受信アンテナとして用いられていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項11のトイレ機器は、暖房便座を有するトイレ機器であって、電波リモコンからの電波を受信するアンテナを有するトイレ機器において、該暖房便座のヒータの熱を均熱化するための伝熱用金属箔が受信アンテナとして用いられていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項12のトイレ機器は、便蓋を有するトイレ機器であって、電波リモコンからの電波を受信するアンテナを有するトイレ機器において、該便蓋に左右対称に該受信アンテナが設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項13のトイレ機器は、便器の左右両側に左右対称に設けられた音響スピーカを有するトイレ機器であって、電波リモコンからの電波を受信するアンテナを有するトイレ機器において、各音響スピーカのコイルが受信アンテナとして用いられていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項14のトイレ機器は、便器の後部上面に設置される上面部材と、該上面部材に上下方向回動自在に取り付けられた便座又は便蓋よりなる回動体とを備え、該回動体は、その左右から後方にアームが突設され、前記上面部材の前部には、各アーム間に配置される前方膨出部が設けられており、該アームは該前方膨出部の側面部分に軸支され、該回動体が起立した場合該回動体は該前方膨出部の上方に位置するトイレ機器において、トイレ用リモコンからの電波を受信する受信アンテナが該前方膨出部内に左右対称に設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項15のトイレ機器は、便器の後部上面に設置される上面部材と、該上面部材に上下方向回動自在に取り付けられた便座又は便蓋よりなる回動体とを備え、該回動体は、その左右から後方にアームが突設され、前記上面部材の前部には、各アーム間に配置される前方膨出部が設けられており、該アームは該前方膨出部に軸支されているトイレ機器において、該回動体の外周の左右の両側面にそれぞれトイレ用リモコンからの電波を受信する受信アンテナが設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明(請求項1〜9)のトイレ用リモコンによると、リモコンが左右2方向に電波を発信するので、リモコンを左右いずれの壁に設置しても、またリモコンと受信アンテナとの間に人体等の障害物が存在しても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0023】
このトイレ用リモコンの一態様では、左用アンテナと右用アンテナとを設けることにより、確実に2方向に電波を発信することができる。
【0024】
この場合、左用アンテナ及び右用アンテナの後方に、それぞれ、左方向反射用の左用反射体と、右方向反射用の右用反射体を設けることにより、電波の指向性を向上させることができる。
【0025】
また、左用アンテナと右用アンテナとで位相を異ならせることにより、トイレルーム内における電波強度の平準化を図ることができる。
【0026】
本発明のトイレ用リモコンの別の一態様では、アンテナとして左方向から右方向まで連続して電波を発信するものを用い、該アンテナから正面方向に向かう電波出力を低下させる手段(例えば反射体)を設けてもよい。このようにすれば、アンテナを1個だけ設けることが可能となる。
【0027】
本発明のトイレ用リモコンでは、アンテナに電気信号を与える機器よりも外周側にアンテナを設けてもよい。このようにすれば、アンテナの立体角が大きくなり、人体などの障害物の影響を避け易くなる。
【0028】
また、本発明のトイレ用リモコンでは、アンテナをリモコン内の回路基板よりも前方に配置するのが好ましい。これにより、回路基板上の電子部品によって電波が遮断されることが防止される。
【0029】
本発明のトイレ用リモコンでは、下向き方向に電波を発信するアンテナを設けてもよい。これにより、受信アンテナがトイレルーム内の低位置に設けられている場合でも、電波の受信感度の低下を防止することができる。
【0030】
本発明(請求項10)のトイレ機器では、暖房便座のヒータを受信アンテナとして利用している。この暖房便座のヒータは左右対称に設けられているから、電波リモコンを左右のいずれの壁に設置しても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0031】
本発明(請求項11)のトイレ機器では、暖房便座の伝熱用金属箔(例えばアルミ箔)を受信アンテナとして利用している。この伝熱用金属箔は左右対称に設けられているから電波リモコンを左右のいずれの壁に設置しても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0032】
本発明(請求項12)のトイレ機器では、便蓋に受信アンテナが左右対称に設けられているから電波リモコンを左右のいずれの壁に設置しても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0033】
本発明(請求項13)のトイレ機器では、便器の両側に左右対称に設けられた音響スピーカのコイルを受信アンテナとして利用している。このコイルが左右対称に設けられているから電波リモコンを左右のいずれの壁に設置しても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0034】
本発明(請求項14)のトイレ機器では、受信アンテナが前方膨出部内に左右対称に設けられている。この前方膨出部は左右対称であり、受信アンテナが左右対称に設けられているから電波リモコンを左右のいずれの壁に設置しても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0035】
本発明(請求項15)のトイレ機器では、便座又は便蓋の左右の各側面にそれぞれ受信アンテナが設けられている。受信アンテナが左右対称に設けられているから電波リモコンを左右のいずれの壁に設置しても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第1図は第1の実施の形態に係るトイレ用リモコンの構成図であり、(a)図はリモコンの正面図、(b)図は(a)図のB−B線断面図、(c),(d)図は(b)図のC−C線、D−D線断面図である。第2図はこのトイレ用リモコンの動作説明図である。
【0037】
このトイレ用リモコン1は、合成樹脂製の方形の薄箱状のケース2内に回路基板4、アンテナ7,8等を配置したものである。
【0038】
リモコン1の正面には、指で押されて後退するスイッチ部3が設けられている。回路基板4には、各種電子回路部品5のほか、スイッチ部3に対峙するスイッチ6が搭載されている。
【0039】
アンテナ7,8はいずれも回路基板4の前方に配置されている。アンテナ7はケース2の内周に沿って延在している。アンテナ7のうち、ケース2の左右の両側辺に沿って上下方向に延在する部分が左用アンテナ部7a,右用アンテナ部7bとなっている。アンテナ7のうち、ケース2の下辺に沿う部分7cに対し処理回路10、送信回路11を介して電気信号が与えられる。この部分7cには、アンテナの左右で位相を異ならせるための位相回路12が設けられている。アンテナ7の上辺部7dは左用アンテナ部7aに連なり、上辺部7eは右用アンテナ部7bに連なっている。これらの上辺部7d,7eの先端同士は下方に垂下し、且つ互いに所定距離だけ離隔している。
【0040】
アンテナ8はコ字形に延在しており、ケース2の下辺に沿う部分が下方への電波発信部8aとなっており、上辺部分が上方への電波発信部8bとなっている。これらを結ぶ上下方向部8cに位相回路13が設けられ、電波発信部8a,8bで発信電波の位相を異ならせるようにしている。この上下方向部8cに処理回路10が送信回路11を介して接続されている。
【0041】
このように構成されたトイレ用リモコン1においては、第2図の通り、左用アンテナ部7aは主として左方向に電波を発信し、右用アンテナ部7bは主として右方向に電波を発信する。このため、リモコン1をトイレルーム内の左右のどちらの壁に設置しても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。なお、第2図(a),(b)はリモコン1の模式的な水平断面図である。
【0042】
特に、この実施の形態では、位相回路12によって、左右のアンテナ部7a,7bで発信電波の位相を異ならせており、一方のアンテナ部7a又は7bからの電波強度が強いときに他方のアンテナ7b又は7aからの電波強度は弱いものとなっているので、トイレルーム内の電波強度の平準化を図ることができる。
【0043】
また、この実施の形態では、アンテナ8aが下方に向って電波を発信するので、リモコン1が高位置に設けられたり、受信アンテナが低位置に配置されたりしていても、受信感度の低下が防止される。
【0044】
この実施の形態では、アンテナ7,8が回路基板4よりも前方に設けられているので、アンテナ7,8からの電波が回路基板4で遮断されない。また、アンテナ7,8をケース2の外周側に設けているので、アンテナの立体角が大きい。
【0045】
第3図(a)は別の実施の形態に係るトイレ用リモコン1Aの正面縦断面図、同(b)は同(a)のB−B線断面図である。
【0046】
この実施の形態では、アンテナ14は、ケース2内において該ケース2の外周に沿って配材されており、左右の上下方向の部分が左右のアンテナ部14a,14bとなっている。14cはケース2の下辺部分に沿って延在し、アンテナ部14a,14bにそれぞれ連なる上部14d,14eはケース2の上辺部分に沿って延在している。
【0047】
この実施の形態では、左右のアンテナ部14a,14bの後方にL字形断面形状の反射体15a,15bを設けている。左側の反射体15aはアンテナ14aからの電波を左方向に反射し、右側の反射体15bはアンテナ14bからの電波を右方向に反射する。なお、反射体15a,15bは上部15cを介して一体化され、コ字形状となっている。この上部15cはアンテナ上部14d,14eの背後側に配置されている。
【0048】
この反射体15a,15bを設けたことにより、各アンテナ部14a,14bからの電波の左方向、右方向への電波強度が向上する。
【0049】
第3図のその他の符号は上記実施の形態と同一部分を示している。なお、反射体15a,15bの断面形状はL字形に限定されず、例えば四分円弧状などであってもよい。
【0050】
第4図のトイレ用リモコン1Bは、ケース2内においてセラミックアンテナ17を左右に延在させている。このアンテナ17それ自体は、左方から右方にかけて連続して電波を発信する。このアンテナ17の長手方向の中間部に、正面方向へ向う電波を反射するための反射体18を設けている。これにより、アンテナ17から左方向及び右方向にそれぞれ電波が発信される。なお、第4図(a)はトイレ用リモコン1Bの正面縦断面図、同(b)は同(a)のB−B線断面図である。
【0051】
第5図〜第10図を参照して本発明(請求項10〜15)の実施の形態について説明する。
【0052】
第5図(a)は請求項10の実施の形態に係るトイレ機器としての洋風便器用便座装置の斜視図、同(b)は同(a)のB−B線に沿う便座断面図である。
【0053】
洋風便器20の後部上面にタンクカバー21が設置され、このタンクカバー21内にロータンクや、人体臀部を温水で洗浄するための温水洗浄装置、臀部乾燥用の温風ファン、脱臭装置、各種電気機器の制御回路基板等が設置されている。このタンクカバー21の前面の下辺部にあっては、便器幅方向の中央部分が前方へ膨出した前方膨出部21aとなっている。この前方膨出部21aに対し暖房便座22及び便蓋23が上下方向回動自在に取り付けられている。便座22及び便蓋23の後部の左右両側から後方へそれぞれアーム22a,23aが突設され、各アーム22a,23aが前方膨出部21aの側面に対峙し、支軸によって該前方膨出部21aに回動自在に取り付けられている。
【0054】
暖房便座22内の天井面部分には、熱を均等に暖房便座22の上面に伝達するためのアルミ箔24が貼着され、このアルミ箔24にヒータ25が取り付けられている。ヒータ25は暖房便座22を周回して設けられている。
【0055】
トイレルームの左側の壁面には、電波リモコン40が取り付けられており、この電波リモコン40のスイッチを操作することにより電波リモコン40から電波信号が発信し、暖房便座22や、その他の各電気機器の操作を行うことができる。
【0056】
この実施の形態では、電波リモコン40からの電波をヒータ25が受信するよう構成されている。このヒータ25は、暖房便座22に左右対称に設けられているから、リモコン40が左右のいずれの側の壁面に取り付けられていても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0057】
なお、ヒータ25は、そのリード線がヒンジ部分を通してタンクカバー21内に引き込まれているので、このリード線を介して制御回路に受信信号が伝達される。
【0058】
本発明(請求項11)の実施の形態では、アルミ箔24をアンテナとして用いる。このアルミ箔24もヒータ25と同様に暖房便座22を周回し、左右対称に設けられているので、リモコン40を左右のいずれの壁に取り付けても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0059】
なお、アルミ箔で受信した信号は、信号用リード線を介して制御回路に伝達されてもよく、後述の第7図のように結合用コイル27,28を介してタンクカバー21側へ伝達されてもよい。
【0060】
第6図は請求項12の実施の形態を示すものであり、便蓋23に左右対称にアンテナ26が設けられている。この実施の形態では、アンテナ26は、環状に設けられているが、これに限定されない。アンテナ26としては、アンテナ線を便蓋23内に埋設したものが好適であるが、便蓋23に貼り付けたものであってもよい。
【0061】
この場合、第7図の通り、便蓋23のアーム23aの軸支部に大径の1次コイル27を設けると共に、タンクカバー21側にこのコイル27に内嵌する小径の2次コイル28を設け、この結合用コイル27,28を介して信号を制御回路に伝達するようにしてもよい。
【0062】
このアンテナ26も左右対称となっているので、リモコン40を左右のいずれの壁面に取り付けても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0063】
第8図は請求項13の実施の形態を示すものである。この実施の形態ではタンクカバー21の左右両側面にそれぞれ音を通すための小孔31が設けられ、その裏側(タンクカバー21の内部)にスピーカ30がそれぞれ設けられている。スピーカ30は、左右両側にそれぞれ設けられており、左右対称配置となっている。
【0064】
このスピーカ30のコイルがリモコン40からの電波を受信するアンテナとして利用されている。このスピーカ30がタンクカバー21の左右両側に設けられているので、リモコン40を左右のいずれの壁に設置しても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0065】
第9図は請求項14の実施の形態を示すものである。この実施の形態では前方膨出部21a内に左右に延在するようにアンテナ33を設けている。このアンテナ29も左右対称となっているので、リモコン40を左右のいずれの壁面に取り付けても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0066】
第10図は請求項15の実施の形態を示すものである。この実施の形態では、暖房便座22の左右のアーム22aとそれに引き続く便座側辺部の外側の側面に沿って直線状のアンテナ35が設けられている。アンテナ35,35は左右対称配置となっている。この実施の形態でも、リモコン40を左右のいずれの壁に設置しても、リモコンからの電波の受信感度が同じになる。
【0067】
なお、上記リモコン40は、請求項1〜9に係るリモコン1,1A,1Bであってもよい。
【0068】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をも取りうる。例えば、アンテナの形状は図示以外であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施の形態に係るトイレ用リモコン1の構成図である。
【図2】トイレ用リモコン1の動作図である。
【図3】実施の形態に係るトイレ用リモコン1Aの構成図である。
【図4】実施の形態に係るトイレ用リモコン1Bの構成図である。
【図5】実施の形態に係るトイレ機器としての便座装置の構成図である。
【図6】実施の形態に係るトイレ機器としての便座装置の構成図である。
【図7】実施の形態に係るトイレ機器としての便座装置の構成図である。
【図8】実施の形態に係るトイレ機器としての便座装置の構成図である。
【図9】実施の形態に係るトイレ機器としての便座装置の構成図である。
【図10】実施の形態に係るトイレ機器としての便座装置の構成図である。
【符号の説明】
【0070】
1,1A,1B,40 トイレ用リモコン
2 ケース
7,8,14,17 アンテナ
15a,15b,18 反射体
22 暖房便座
23 便蓋
24 アルミ箔
25 ヒータ
26,33,35 アンテナ
30 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレルームに設置され、アンテナによってトイレ機器操作用の電波を発信するトイレ用リモコンにおいて、
該リモコンの左方と右方の2方向へ略対称に電波を発信するように構成されていることを特徴とするトイレ用リモコン。
【請求項2】
請求項1において、左方向へ電波を発信する左用アンテナと、右方向へ電波を発信する右用アンテナとを備えたことを特徴とするトイレ用リモコン。
【請求項3】
請求項2において、左用アンテナの後方に電波を左方向に反射する左用反射体が設けられ、右用アンテナの後方に電波を右方向に反射させる右用反射体が設けられていることを特徴とするトイレ用リモコン。
【請求項4】
請求項2又は3において、左用アンテナからの電波と右用アンテナからの電波とで位相を異ならせるようにしたことを特徴とするトイレ用リモコン。
【請求項5】
請求項1において、前記アンテナは左方向から右方向にかけて連続して電波を発信するものであり、
該アンテナからリモコンの正面方向に発信に向かう電波出力を低下させる手段を設け、これにより左方向と右方向との2方向へ電波を発信するようにしたことを特徴とするトイレ用リモコン。
【請求項6】
請求項5において、該手段は電波の反射体であることを特徴とするトイレ用リモコン。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記リモコンは、ケースと、該ケース内に配置されたアンテナと、該アンテナに電気信号を与える機器とを備えてなり、
該アンテナは該機器よりも外周側に設けられていることを特徴とするトイレ用リモコン。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記リモコンは、ケースと、該ケース内に配置されたアンテナと、該アンテナに電気信号を与えるための回路を搭載した回路基板を備えており、前記アンテナは該回路基板よりも前方に配置されていることを特徴とするトイレ用リモコン。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項において、電波発信方向を下向き方向としたアンテナを更に備えていることを特徴とするトイレ用リモコン。
【請求項10】
暖房便座を有するトイレ機器であって、電波リモコンからの電波を受信するアンテナを有するトイレ機器において、該暖房便座のヒータが受信アンテナとして用いられていることを特徴とするトイレ機器。
【請求項11】
暖房便座を有するトイレ機器であって、電波リモコンからの電波を受信するアンテナを有するトイレ機器において、該暖房便座のヒータの熱を均熱化するための伝熱用金属箔が受信アンテナとして用いられていることを特徴とするトイレ機器。
【請求項12】
便蓋を有するトイレ機器であって、電波リモコンからの電波を受信するアンテナを有するトイレ機器において、該便蓋に左右対称に該受信アンテナが設けられていることを特徴とするトイレ機器。
【請求項13】
便器の左右両側に左右対称に設けられた音響スピーカを有するトイレ機器であって、電波リモコンからの電波を受信するアンテナを有するトイレ機器において、各音響スピーカのコイルが受信アンテナとして用いられていることを特徴とするトイレ機器。
【請求項14】
便器の後部上面に設置される上面部材と、該上面部材に上下方向回動自在に取り付けられた便座又は便蓋よりなる回動体とを備え、該回動体は、その左右から後方にアームが突設され、前記上面部材の前部には、各アーム間に配置される前方膨出部が設けられており、
該アームは該前方膨出部の側面部分に軸支され、該回動体が起立した場合該回動体は該前方膨出部の上方に位置するトイレ機器において、
トイレ用リモコンからの電波を受信する受信アンテナが該前方膨出部内に左右対称に設けられていることを特徴とするトイレ機器。
【請求項15】
便器の後部上面に設置される上面部材と、該上面部材に上下方向回動自在に取り付けられた便座又は便蓋よりなる回動体とを備え、該回動体は、その左右から後方にアームが突設され、前記上面部材の前部には、各アーム間に配置される前方膨出部が設けられており、
該アームは該前方膨出部に軸支されているトイレ機器において、
該回動体の外周の左右の両側面にそれぞれトイレ用リモコンからの電波を受信する受信アンテナが設けられていることを特徴とするトイレ機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−211555(P2007−211555A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35348(P2006−35348)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】