説明

トナーの製造方法及び表面改質装置

【課題】 トナーの高球形化度を保持し微粉分級効率の高く、装置内処理温度の上昇しないトナーの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 表面改質及び分級を同時処理する工程が、円筒状の回分式の表面改質装置を用いて行なわれ、該表面改質装置は、本体ケーシング30、投入部37、分級手段35、微粉排出部45、表面改質手段32,33及び第一の空間47と第二の空間48に仕切る案内手段36、並びに排出部40を有し、該案内手段が少なくとも円筒状の仕切り部材を有し、該円筒状仕切り部材の上部が円筒状仕切り部材の内周円方向の接線方向に先端を向けた複数のルーバーより構成されており、該円筒状仕切り部材の全長高さをL0、該分散ルーバー部分の高さをL1とした場合、L1/L0が0.1から0.5であって、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返すことにより、所定粒径以下の微粉が除かれた、表面改質処理粒子を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷の如き画像形成装置に用いられるトナーの製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にトナーの製造方法は粉砕法による場合と重合法による場合が挙げられる。粉砕法により製造されるトナーは、現状、重合法に比して製造コストが低いという利点があり、現在においても広く複写機、プリンター等に使用されている。粉砕法でトナーを製造する場合を概説すると、まず結着樹脂、着色剤等を所定量混合し、溶融混練、冷却、粉砕、分級後、流動性向上剤を添加してトナーを製造している。
【0003】
近年複写装置等には、高画質化、省エネルギー化及び環境対応等の要求が課されている。これに対して、トナーは、高転写効率を達成し排トナー軽減に結びつけるべく球形化の方向に技術コンセプトが移行してきている。粉砕法によりこの様な技術コンセプトを達成する為には、機械式粉砕法による方法(例えば、特許文献1参照)、熱風による方法(例えば特許文献2参照)等が挙げられる。しかし、機械式衝撃力による方法では十分な球形化が達成できず、また、熱風による方法は、トナーにワックスを含有させた場合においては、ワックスの溶融が開始することでトナー表面へのワックスのしみ出しが生じトナー粒子表面性状を制御することが困難となり品質安定性の観点より課題が残る。これに対して、高性能の表面処理及び微粉除去も可能な装置が提案されてきている(特許文献3参照)。しかし、本装置の課題としては、特に高球形化度を保持した場合、微粉除去効率いわゆる分級収率が低下する傾向にある。また更なる高球形化に対する要望より該装置の球形化処理部材の高速回転での使用が行なわれるが、この様な場合、装置内部の温度が(以降、排気温度と称す。)トナー品質に影響を与える温度域(50℃以上)まで上昇することより、安定生産性、品質安定性の観点より、その改善が望まれている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−85741号公報
【特許文献2】特開2000−29241号公報
【特許文献3】特開2002−233787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、トナー粒子の高球形化度を保持し分級収率の高いトナーの製造方法及び装置を提供することにある。
【0006】
本発明の目的は、表面改質装置の排気温度を低下することが可能な製造方法及び装置を提供することにある。
【0007】
本発明の目的は、画像カブリの生じ難いトナーを効率良く製造する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有する組成物を溶融混練し、得られた混練物を冷却固化し、冷却固化物を微粉砕して微粉砕物を得る工程及び得られた微粉砕物を表面改質と分級を同時処理したトナー粒子を得る工程を有するトナーの製造方法において、
該表面改質及び分級を同時処理する工程が、円筒状の回分式の表面改質装置を用いて行なわれ、
該表面改質装置は、円筒形状の本体ケーシング、該微粉砕物を本体ケーシング内に投入する投入部、該本体ケーシング内に投入された微粉砕物から所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、該分級手段によって除去された微粉を本体ケーシング外に排出する微粉排出部、該微粉が除去された被処理粒子を機械式衝撃力を用いて表面処理する為の該分級手段の回転方向と同方向に回転する表面改質手段及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を該分級手段へ導入される前の第一の空間と該分級手段により微粉を分級除去された粒子を該表面処理手段へ導入するための第二の空間に仕切る案内手段、並びに該分級手段によって所定粒径以下の微粉が除去され、且つ該表面改質手段によって表面改質処理が行なわれた被処理粒子を表面改質粒子として本体ケーシング外に排出する排出部を有し、
該案内手段が少なくとも円筒状の仕切り部材を有し、該円筒状仕切り部材の上部が円筒状仕切り部材の内周円方向の接線方向に先端を向けた複数のルーバーより構成されており、該円筒状仕切り部材の全長高さをL0、該分散ルーバー部分の高さをL1とした場合、L1/L0が0.1から0.5であって、該微粉砕物は第一の空間に導入され、該微粉砕物が旋回流により旋回しつつ、該案内手段の上部に設けられている、該本体ケーシングの内周円方向の接線方向に先端を向けた複数のルーバー間を通って該分級手段に送られ、該分級手段により所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返すことにより、所定粒径以下の微粉が除かれた、表面改質処理粒子を得ることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0009】
更に、より好適に達成する本発明として、該表面改質装置は該分級手段及び該排出部を保持する上蓋ケーシングを有し、前記案内手段の上端部分が前記上蓋ケーシング下面と密着していることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0010】
また、本発明は、トナーの製造に用いられ、粒子の分級と球形化処理を同時に行なう回分式の表面改質装置であって、
円筒形状の本体ケーシング、前記微粉砕物を本体ケーシング内に投入する投入部、前記本体ケーシング内に投入された微粉砕物から所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、該分級手段によって除去された微粉を本体ケーシング外に排出する微粉排出部、前記微粉が除去された被処理粒子を機械式衝撃力を用いて表面処理する為の前記分級手段の回転方向と同方向に回転する表面改質手段、前記分級手段と前記表面処理手段との間に設けられた第一及び第二の空間であって、前記被処理粒子を前記分級手段へ導入するための第一の空間及び前記被処理粒子を表面改質手段に導入するための第二の空間、前記第一の空間と第二の空間とを仕切る案内手段、並びに前記分級手段によって所定粒径以下の微粉が除去され、且つ前記表面改質手段によって表面改質処理が行なわれた被処理粒子を表面改質粒子として本体ケーシング外に排出する排出部を有し、
該案内手段が少なくとも円筒状の仕切り部材を有し、該円筒状仕切り部材の上部が該円筒状仕切り部材の内円周円方向の接線方向に先端を向けた複数のルーバーより構成されており、該円筒状仕切り部材の全長高さをL0、該分散ルーバー部分の高さをL1とした場合、L1/L0が0.1から0.5であることを特徴とする表面改質装置に関する。
【0011】
更に、より好適に達成する本発明として、前記表面改質装置は前記分級手段及び前記排出部を保持する上蓋ケーシングを有し、前記案内手段の上端部分が前記上蓋ケーシング下面と密着していることを特徴とする表面改質装置に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガイドリングの上部をルーバー構成にすることにより、装置内の粉塵濃度低下及び均一化が達成されることにより、良好な分級収率が確保することが可能となり、更に槽内温度の低下が可能となり、分散ローターの高回転化による高球形化への実現に繋がっている。更に、電子写真特性からすれば、かぶりの少ない良好な画像を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、本発明の製造方法に使用される表面改質装置に関して概説する。
【0014】
本発明の表面改質装置は、分級と表面改質処理を同時に行う回分式の装置であり、円筒形状の本体ケーシング、前記微粉砕物を本体ケーシング内に投入する投入部、前記本体ケーシング内に投入された微粉砕物から所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に除去して被処理粒子を得るための所定方向に回転する分級手段、該分級手段によって除去された微粉を本体ケーシング外に排出する微粉排出部、前記微粉が除去された被処理粒子を機械式衝撃力を用いて表面改質処理するための、前記分級手段の回転方向と同方向に回転する表面改質手段、前記分級手段と前記表面処理手段との間に設けられた第一及び第二の空間であって、前記被処理粒子を前記分級手段へ導入するための第一の空間及び前記被処理粒子を表面改質手段に導入するための第二の空間、前記第一の空間と第二の空間とを仕切る案内手段、並びに前記分級手段によって所定粒径以下の微粉が除去され、且つ前記表面改質手段によって表面改質処理が行われた被処理粒子を表面改質粒子として本体ケーシング外に排出する排出部、を有する。
【0015】
図1は、本発明に使用される表面改質装置の好適な一例を示す概略断面図である。また、図2は本発明における案内手段の外観図、図3は本発明における案内手段の側面図、図4は本発明における案内手段のルーバー部の水平断面図である。
【0016】
図1に示す回分式表面改質装置は、円筒形状の本体ケーシング30;本体ケーシングの上部に開閉可能なよう設置された天板43;微粉排出部である微粉排出ケーシング44;冷却水或いは不凍液を通水できる冷却ジャケット31;表面改質手段としての、本体ケーシング30内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク33を複数個(回転バランスを考慮して、偶数個が好ましい)有し、所定方向(通常装置上面から見て反時計方向)に高速で回転する円盤状の回転体である分散ローター32;分散ローター32の周囲に一定間隔を保持して固定配置された、表面に多数の溝が設けられている固定体としてのライナー34(尚ライナー表面上の溝は、なくても構わない);表面改質処理された原料粒子を所定粒径に分級し、所定粒径以下の微粉を連続的に除去するための分散ローター32の回転方向と同方向に回転する分級手段としての分級ローター35;分級ローター35により除去された微粉を装置外(即ち本体ケーシング30外)に排出するために本体ケーシング30の側面に形成された微粉排出部としての微粉排出口45;更に、本体ケーシング30内に冷風を導入するための冷風導入口46;原料粒子を導入するために本体ケーシング30の側面に形成された投入部としての、原料投入口37及び原料供給口39;表面改質処理後の粉体(即ち表面改質粒子)を本体ケーシング30外に排出するための排出部としての、製品排出口40及び製品抜取口42;更に、表面改質時間を自在に調整できるように、原料投入口37と原料供給口39との間に設置された開閉可能な原料供給弁38、及び製品排出口40と製品抜取口42との間に設置された製品排出弁41を有する。
【0017】
上記表面改質装置は、更に、天板43に対して垂直な軸を有する円筒状の案内手段としてのガイドリング36を本体ケーシング30内に有している。このガイドリング36は、その上端が通常天板から所定距離離間して設けられており(通常20〜50mm程度)、分級ローター36の少なくとも一部がその円筒に覆われた状態で設置されている。また、ガイドリング36の下端は、分散ローター32の円盤部又は角形ディスク33から所定距離離間して設けられる。このガイドリング36によって装置内において分級ローター35と分散ローター32−ライナー34との間の空間が、円筒の外側の第一の空間47と、円筒の内側の第二の空間48とに二分される。ここで、第一の空間47は被処理粒子を分級ローター35へ導入するための空間であり、第二の空間48は被処理粒子を分散ローターに導入するための空間である。また、分散ローター32上に複数個設置された角型のディスク33と、ライナー34との間隙部分が表面改質ゾーン49であり、分級ローター35及び該ローター周辺部分が分級ゾーン50である。
【0018】
原料供給口39より装置内に供給された微粉砕物は、ブロアー(図示せず)による吸引風量、分散ローター32の回転、及び分級ローター35の回転により形成される旋回流により、ガイドリングの外側の空間(即ち第一の空間47)を旋回しながら、ガイドリングの上端と天板との離間部分を通って分級ローター35近傍の分級ゾーン50に到達して分級処理が行われる。なお、ここで装置内に形成される旋回流の向きは分散ローター32及び分級ローター35の回転方向と同じであるので、本形態では装置上面よりみて反時計方向となる。
【0019】
分級手段によって除去されるべき微粉は、分級ローター35のスリット(図示せず)より吸引され微粉排出口45を経由して除去される。微粉除去後の被処理粒子は第二の空間48を経由して分散ローター32近傍の表面改質ゾーン49に至り、分散ローター32に具備されるハンマーと本体ケーシングに具備されたライナー34によって表面改質処理が行われる。表面改質が行われた被処理粒子は、先述したガイドリング36に沿って旋回しながら再び分級ローター35近傍に到達し、同様の処理が繰り返される。所定の時間処理を行った後排出弁41を開き、所定粒径以下の微粉が除かれた表面改質粒子を得ることができる。
【0020】
本発明者らは鋭意検討の結果、ガイドリングを構成する仕切り部材(図2)の上部をルーバー構成とすることで分級収率の向上及び装置の排気温度低下を達成できることを見出した。
【0021】
即ち、該案内手段が少なくとも円筒状の仕切り部材を有し、該円筒状仕切り部材の上部が円筒状仕切り部材の内周円方向の接線方向に先端を向けた複数のルーバーより構成されており該円筒状仕切り部材の全長高さをL0、該分散ルーバー部分の高さをL1とした場合、L1/L0が0.1から0.5の場合である。
【0022】
ここで、本発明の作用効果を以下に述べる。
【0023】
本発明に係わる表面改質装置の第一の空間に導入された微粉砕物は、分級ローター近傍に到達する場合、推測であるが、十分粉同士の凝集が解かれた微分散状態ではなく、塊状の状態で分級ローター近傍に到達し、分級が行なわれ、分級後のものは、分散ローターに送られ表面改質が行なわれ、一定の処理が繰り返される。つまり表面改質装置内の第一の空間及び第二の空間の各部分の粉塵濃度密度が不均一な状態であると考えられる。この様な状態である為に定常的な分級及び表面処理が行なうことが困難となる為に、分級精度の低下、及び分散処理における一時的な負荷の上昇から引き起こされ発熱することで槽内温度上昇が生ずると考えている。これに対して本発明であるガイドリング上部をルーバー構成にすることによって、粉がルーバー部を通過する際に粉の微分散が促進され装置内の第一の空間及び第二の空間の各部分の粉塵濃度密度が均一となり、定常的な分級及び表面処理が可能となり、分級収率の向上及び槽内温度低下が達成されていると考えている。本発明に係わるルーバー部分が筒状仕切り部材の上部に占める範囲は、該円筒状仕切り部材の全長高さをL0、該分散ルーバー部分の高さをL1とした場合、L1/L0が0.1から0.5の場合である。0.1より小さい場合は十分な分散効果をえることができず、0.5より大きい場合は第一の空間から分級ローターに到達できない粉が生ずる可能性があり、好適な分級及び循環処理ができなくなり好ましくない。
【0024】
より好ましい態様としては、前記案内手段の上端部分が天板内面と密着していることを
特徴とする場合である。この場合は分級ローターに到達する粉全てがルーバーを到達することになり装置内部における粉の微分散及び均一分散がより効果的に達成され、本発明の目的をより好適に達成することが可能になる。
【0025】
ガイドリングの仕様としては、上部をルーバー構成にできるよう、上部ルーバー部分と下部のガイドリング部分が分割可能な構成にすることが、上部ルーバー部分の構成(個々のルーバー間の隙間幅及びルーバー枚数、ルーバー角度、ルーバー部分の高さ等)を適宜選択し最適な条件出しをする際非常に便宜である。個々のルーバー間の隙間幅は通常、等間隔で設定することが好ましく、その個々のルーバー間の隙間幅は5mmから40mmの範囲で設定することが好ましく、より好ましくは7mmから25mmの範囲である。個々のルーバー間の隙間幅が5mmより狭い場合は、粉がルーバー間をスムーズに通過することが困難となることがあり、個々のルーバー間の隙間幅が40mmより広い場合は十分な分散効果を得ることが困難となることがある。ルーバーの枚数はルーバー間の隙間幅との関係で適宜決められる。
【0026】
更に、本発明の製造方法は該微粉砕物の粒度分布において重量平均粒径D4が3.5〜7.5μmであり、4.0μm以下が80個数%以下であり、比重が1.0g/cm3〜1.5g/cm3のものを分級表面処理する場合により好適に使用できる。本発明は、本装置における分散性の最適化を狙ったものであり、より凝集性が高いトナーを使用した場合に本発明の作用効果が顕在化する傾向にあるからである。
【0027】
ところで、本発明の製造方法で得られるトナーは、表面が改質されている為、得られた改質粒子に関して以下説明する。
【0028】
表面改質粒子の表面改質の度合を示すものとして、本発明においては平均円形度をその指標とすることができる。
【0029】
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度を下式により求め、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
【0030】
【数1】

【0031】
測定方法としては、ノニオン型界面活性剤約0.1mgを溶解している水10mlにトナー約5mgを分散させ分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜20000個/μlとして、前記装置によりトナーの円形度を測定する。
【0032】
本発明における「平均円形度」とは、表面改質粒子の凹凸の度合の指標であり、トナーが完全な球形の場合1.000を示し、トナー形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
【0033】
また、本発明の評価基準として超微粉量を調査した。画像かぶりとの相関関係が見られるからである。
【0034】
超微粉量はFPIA−1000により測定された粒度分布より3.0μm以下の個数%により判断する。15%以下であることが画像評価におけるかぶりのレベルを良好に維持していくには必要である。
【0035】
本発明のトナー製造方法によれば、該表面改質工程で得られた粒子の平均円形度は、該表面改質工程に導入された微粉砕品の平均円形度よりも0.01乃至0.05大きくすることができる。これは、上述した通り、該表面改質装置の表面改質時間を任意にコントロールすることにより、トナーの表面形状を任意にコントロールすることができるためである。通常本装置を用いることにより通常0.935〜0.980までの円形度のトナーを任意に得ることができる。転写効率及び中抜け向上の観点からは円形度を0.940以上を保持することが好ましい。
【0036】
トナーの粒度分布は、種々の方法によって測定できるが、本発明においては、次の測定装置を用いて行った。
【0037】
即ち、測定装置としては、コールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いた。アパチャーとして100μmアパチャーを用い、トナーの体積,個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係る体積分布から求める重量基準の重量平均粒径を求めた。
【0038】
次に、本発明の製造工程に関して概説する。本発明に係るトナー粒子を製造するには、例えば、結着樹脂、ワックス、金属塩ないし金属錯体、着色剤としての顔料又は染料、磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化し、固化物を粗粉砕した後、Iミル等のエアー式衝撃粉砕機又は、ターボミル、クリプトロン等の機械式衝撃粉砕機により微粉砕した後、本発明に好適に用いられる回分式の表面処理及び分級を同時に処理する装置を用いることにより所望の粒径のトナー粒子を得ることができる。
【0039】
次に、本発明に係る結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有するトナー粒子の構成素材について説明する。本発明では、従来より知られている種々のトナー粒子材料を特に限定されずに用いることが可能である。
【0040】
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、通常トナーに用いられているあらゆる樹脂を使用することができるが、例としては、以下のようなものが挙げられる。
【0041】
本発明に使用される結着樹脂の種類としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油系樹脂が使用できる。架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0042】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸若しくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;が挙げられる。これらのビニル単量体は、単独若しくは組み合わせて用いられる。
【0043】
ここで架橋剤としては、主として二個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート及び1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を二個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド及びジビニルスルホンのジビニル化合物;及び三個以上のビニル基を有する化合物;が単独若しくは混合物として使用できる。
【0044】
結着樹脂に起因する要素として、トナーの好ましい物性としては、THF可溶分のGPCにより測定される分子量分布において、分子量2,000〜50,000の領域に少なくとも一つピークを有し、分子量1000〜30000の成分が50〜90%存在する場合がより好ましい。
【0045】
本発明においては、定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から次のようなワックス類がトナー粒子の材料として用いられる。前記ワックスとしては、例えばパラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0046】
本発明では、トナー粒子の材料として荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)して用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電量コントロールが可能となり、特に、粒度分布と荷電量とのバランスがさらに安定したトナーを製造することが可能である。
【0047】
トナーを負荷電性に制御するための負荷電制御剤としては、例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類がある。
【0048】
トナーを正荷電性に制御するための正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;がある。
【0049】
これらの荷電制御剤は、単独あるいは二種類以上組み合わせて用いることができる。
【0050】
上述した荷電制御剤は微粒子状として用いることが好ましく、この場合これらの荷電制御剤の個数平均粒径は4μm以下さらには3μm以下が特に好ましい。これらの荷電制御剤をトナー粒子に内添する場合は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、特に0.2〜10質量部トナー粒子に添加することが好ましい。
【0051】
本発明では、トナー粒子の材料として、従来より知られている種々の着色剤を用いることができる。本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としては、カーボンブラックや磁性体、以下に示すイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤の如き有彩色着色剤によって黒色に調色されるように組み合わせたもの等が利用される。
【0052】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191が好適に用いられる。
【0053】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0054】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0055】
これらの着色剤は、単独又は混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。本発明において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性を考慮して選択される。これらの有彩色着色剤は、結着樹脂100質量部に対し総量で1〜20質量部トナー粒子中に含有される。
【0056】
さらに、流動性、転写性等の向上のために該トナー粒子に公知の無機微粉末等の外添剤を外添混合し、本発明で提示した篩工程を経ることによりトナーを得ることができる。
【実施例】
【0057】
以下、具体的なトナーの製造方法、実施例及び比較例をもって本発明を具体的に説明する。
【0058】
<実施例1>
・不飽和ポリエステル樹脂 100質量部
・銅フタロシアニン顔料 4質量部
(C.I.Pigment Blue15:3)
・パラフィンワックス 6質量部
(最大吸熱ピーク73℃)
・荷電制御剤(サリチル酸金属錯体E−88(オリエント化学社製)) 2質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度110℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製造用の粗砕物を得た。
【0059】
得られたトナー原料粗砕物を、ジェットエアーを利用したI−DS5型粉砕機(日本ニューマッチック製)で粉砕し微粉砕物を得た。微粉砕物の粒度はD4が6.8μm、4.0μm以下の個数が55%、ものであった。微粉砕物を図2に示したガイドリング(L0=330mm、L1=65mm)(図3参照)を装着した表面改質装置を用いて表面改質及び分級を行なった。天板内面とガイドリング上端との間隔は35mmとした。ルーバーは24枚のものを使用した(図4参照)。運転条件としては、入気温度−20℃、処理量75kg/hr、分級ローター回転数6500rpm(分級ローターの外径240mm、先端周速は81m/sec)、分散ローター5300rpm(分散ローターの外径400mm、先端周速は111m/sec)、1サイクル時間46sec(投入時間:8sec、処理時間30sec、排出時間8sec)、風量21m3/minで24分運転を行った。24分時の装置内部の温度を示す指標として微粉排出口での流出気体の温度(以下排気温度と称す。)をモニターした。排気温度は45℃であり、粒径で7.6μm、4.0μm以下の個数が11%のトナー粒子を得た。分級収率は65%であった。分級収率は、((得られた分級品総量)÷(投入した微粉砕物総量))×100より求めた。
【0060】
トナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ1.2質量部外添混合し、トナーを得た。このトナー5質量部に対し、アクリルコートされたフェライトキャリア95質量部添加して現像剤を作製した。この現像剤を用いて、キヤノン製フルカラー複写機CLC1000改造機(定着ユニットのオイル塗布機構を取り外した)を用いて低温/低湿環境下(15℃、10%)で画出し評価を行ったところ、10,000枚耐久においてかぶりレベル(〇:良好レベル、×:悪いレベル、△:許容レベル、○△:○と△の中間レベル、△×:△と×の中間レベル)を調査した。結果を表1に示す。
【0061】
<実施例2>
ガイドリングのL1の値が100mmである以外は実施例1と同様にしてトナーを作製し、画出し評価を行った。結果を表1に示す。
【0062】
<実施例3>
ガイドリングのL1の値が100mm、L0の値が365mmにし密閉系にする以外実施例1と同様にしてトナーを作製し、画出し評価を行った。結果を表1に示す。
【0063】
<実施例4>
ガイドリングのL1の値が100mm、L0の値が365mm(密閉系)であり、分散ローターの回転数を5800rpmにする以外は実施例1と同様にしてトナーを作製し、画出し評価を行った。結果を表1に示す。
【0064】
<実施例5>
ガイドリングのL1の値が130mm、以外は実施例3と同様にしてトナーを作製し、画出し評価を行った。結果を表1に示す。
【0065】
<参考例>
ルーバー部分を有しないガイドリングを使用する以外実施例と同様にしてトナーを作製し、画出し評価を行った。結果を表1に示す。
【0066】
<比較例1>
分散ローターの回転数を5800rpmにする以外は比較例1と同様にしてトナーを作製し、画出し評価を行った。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の表面改質工程において使用される表面改質装置の概略的断面図である。
【図2】本発明の表面改質工程において使用される表面改質装置を構成する仕切り部材の外観図である。
【図3】本発明の表面改質工程において使用される表面改質装置を構成する仕切り部材の側面図である。
【図4】本発明の表面改質工程において使用される表面改質装置を構成する仕切り部材の上部断面図である。
【符号の説明】
【0069】
30:本体ケーシング
31:冷却ジャケット
32:分散ローター
33:角型ディスク
34:ライナー
35:分級ローター
36:ガイドリング
37:原料投入口
38:原料供給弁
39:原料供給口
40:製品排出口
41:製品排出弁
42:製品抜取口
43:天板
44:微粉排出ケーシング
45:微粉排出口
46:冷風導入口
47:第一の空間
48:第二の空間
49:表面改質ゾーン
50:分級ゾーン
51:シール材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有する組成物を溶融混練し、得られた混練物を冷却固化し、冷却固化物を微粉砕して微粉砕物を得る工程及び得られた微粉砕物を表面改質と分級を同時処理したトナー粒子を得る工程を有するトナーの製造方法において、
該表面改質及び分級を同時処理する工程が、円筒状の回分式の表面改質装置を用いて行なわれ、
該表面改質装置は、円筒形状の本体ケーシング、該微粉砕物を本体ケーシング内に投入する投入部、該本体ケーシング内に投入された微粉砕物から所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、該分級手段によって除去された微粉を本体ケーシング外に排出する微粉排出部、該微粉が除去された被処理粒子を機械式衝撃力を用いて表面処理する為の該分級手段の回転方向と同方向に回転する表面改質手段及び該分級手段と該表面処理手段との間の空間を該分級手段へ導入される前の第一の空間と該分級手段により微粉を分級除去された粒子を該表面処理手段へ導入するための第二の空間に仕切る案内手段、並びに該分級手段によって所定粒径以下の微粉が除去され、且つ該表面改質手段によって表面改質処理が行なわれた被処理粒子を表面改質粒子として本体ケーシング外に排出する排出部を有し、
該案内手段が少なくとも円筒状の仕切り部材を有し、該円筒状仕切り部材の上部が円筒状仕切り部材の内周円方向の接線方向に先端を向けた複数のルーバーより構成されており、該円筒状仕切り部材の全長高さをL0、該分散ルーバー部分の高さをL1とした場合、L1/L0が0.1から0.5であって、該微粉砕物は第一の空間に導入され、該微粉砕物が旋回流により旋回しつつ、該案内手段の上部に設けられている該ルーバー間を通って該分級手段に送られ、該分級手段により所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去しながら、第二の空間を経由して、機械式衝撃力を用いる該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、再び第一の空間へ循環させることにより、一定時間分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理を繰り返すことにより、所定粒径以下の微粉が除かれた、表面改質処理粒子を得ることを特徴とするトナーの製造方法。
【請求項2】
該表面改質装置は本体ケーシング上部に開閉可能な天板を有し、前記案内手段の上端部分が前記天板内面と密着していることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
【請求項3】
トナーの製造に用いられ、粒子の分級と球形化処理を同時に行なう回分式の表面改質装置であって、
円筒形状の本体ケーシング、前記微粉砕物を本体ケーシング内に投入する投入部、前記本体ケーシング内に投入された微粉砕物から所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、該分級手段によって除去された微粉を本体ケーシング外に排出する微粉排出部、前記微粉が除去された被処理粒子を機械式衝撃力を用いて表面処理する為の前記分級手段の回転方向と同方向に回転する表面改質手段、前記分級手段と前記表面処理手段との間に設けられた第一及び第二の空間であって、前記被処理粒子を前記分級手段へ導入するための第一の空間及び前記被処理粒子を表面改質手段に導入するための第二の空間、前記第一の空間と第二の空間とを仕切る案内手段、並びに前記分級手段によって所定粒径以下の微粉が除去され、且つ前記表面改質手段によって表面改質処理が行なわれた被処理粒子を表面改質粒子として本体ケーシング外に排出する排出部を有し、
該案内手段が少なくとも円筒状の仕切り部材を有し、該円筒状仕切り部材の上部が該円筒状仕切り部材の内円周円方向の接線方向に先端を向けた複数のルーバーより構成されており該円筒状仕切り部材の全長高さをL0、該分散ルーバー部分の高さをL1とした場合、L1/L0が0.1から0.5であることを特徴とする表面改質装置。
【請求項4】
前記表面改質装置は本体ケーシング上部に開閉可能な天板を有し、前記案内手段の上端部分が天板内面と密着していることを特徴とする請求項3に記載の表面改質装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−7094(P2006−7094A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187650(P2004−187650)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】