説明

トラックボール装置

【課題】各種電子機器の入力操作部に搭載され、ボールへの所定操作によって各種入力操作が可能なトラックボール装置に関し、ボール下方に配されたプッシュスイッチから、より明確な節度感触がボールを介して得られるものを提供する。
【解決手段】ポリエーテル系ウレタン樹脂製でJISK7311 JISA80〜99の硬度の高いボール30を用いて構成し、このボール30を介して節度付きのプッシュスイッチ25を作動させるようにしたため、プッシュスイッチ25から得られる節度感触のボール30での吸収が低減でき、プッシュ操作感触がボール30を介して操作する指などに良好に伝達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器の入力操作部に搭載され、ボールへの所定操作によって各種入力操作が可能なトラックボール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種入力操作用として用いられるトラックボール装置は、各種電子機器に多く搭載されるようになってきた。
【0003】
このような従来のトラックボール装置について、図6〜図10を用いて以下に説明する。
【0004】
図6は従来のトラックボール装置の断面図、図7は同要部である機構構成部を分離させた状態の斜視図、図8は同要部である機構構成部の分解斜視図、図9は同上面図、図10は同左側面図である。
【0005】
同図を用いて当該トラックボール装置の要部である機構構成部から説明していく。
【0006】
同図において、1は、略十字状に形成された樹脂製の上ケース、2は、上ケース1の下方に重ねて配置された同じく略十字状に形成された樹脂製の取付台である。
【0007】
上ケース1の上方には、重ねて金属板製のカバー3が配されている。そのカバー3は、図7および図8に示すように、側端部の一方の対向位置から各々垂下する第1脚部3A、またそれと直交する他方の対向位置から各々垂下する第2脚部3Cを有している。その第1脚部3Aの先端部には貫通孔3Bが配設されている。また第2脚部3Cの下端は、側方に延設されたカシメ爪部3Dとして構成されている。
【0008】
そして、そのカバー3における第1脚部3Aの貫通孔3B内に、取付台2の側面部に突設された突起2Aが嵌め込まれると共に、第2脚部3Cのカシメ爪部3Dが取付台2の側面部の段部に係止するようにカシメられることによって上ケース1と取付台2は結合状態となっている。
【0009】
そして、上ケース1の略十字状をなす側方への突出部分の各々には、下方開口の鉤形に形成された鉤状部1Aがそれぞれ一対で設けられている。その鉤状部1Aの下方開口部分が、ローラ保持部1B(図8参照)としてなり、ローラ保持部1Bの各々には、略円柱形状のローラ4が回転可能に収納保持されている。そのローラ4は、上面視で対向する二本ずつの二組が互いに直交する正方形状で四本配されている。各ローラ4の下方部分は、取付台2の上面で回転可能に支持されている。上記各ローラ4の中央部は、凹凸を有する当接部として構成されている。
【0010】
また、各ローラ4の一端部には、図7〜図10に示すように、90°毎にN極とS極が交互に着磁されたリング状の磁石5がそれぞれ各ローラ4と共廻りするように固定されている。そして、その磁石5が、上ケース1および取付台2の十字における窪み部分に位置するように各ローラ4は配置されている。
【0011】
10は、フッ素ゴムからなるボールであり、上ケース1と取付台2とで構成される内部空間内を上下動可能なように配されている。
【0012】
その内部空間における底部を構成する取付台2の十字状中央位置には円形孔2Bが設けられている。その円形孔2B内には、一端側が円形孔2Bの側壁部分に埋設固定された片持ち状の板ばね6の他端側が配されている。その板ばね6の他端側は、下方への突出部6Aを備えた外形円形に形成され、その他端側によって上記ボール10は下方から押し上げられている。
【0013】
一方、上記内部空間を構成する上ケース1は、上方に突出した筒状部を有し、その筒状部における円形に形成された上方孔部1Cは、上面中央位置で、ボール10径よりも少し小さい径で設けられている。そして、上方に板ばね6で付勢されたボール10は、上記上方孔部1Cの端部で上方への位置規制がなされ、その上部部分は、上方孔部1Cから外方に突出している。上記ボール10の配置状態で、ボール10と各ローラ4の当接部との間には、所定間隔が空く設定となっている。
【0014】
そして、上記ボール10は、下方向への押し下げ力が加わったときには、ボール10下端で板ばね6を押し下げて上ケース1と取付台2によって構成される内部空間内で上下移動可能となっている。
【0015】
当該トラックボール装置における機構構成部は、以上のように構成され、その機構構成部の下方位置には、配線基板15が配置され、図7や図10に示すように、その配線基板15の上面には磁気センサ20が実装されている。上記磁気センサ20は、各磁石5の配置位置に応じた上下で対向する位置のそれぞれに配されている。この磁気センサ20は、ローラ4の回転時に共廻りする磁石5のN極とS極の磁界変化に反応して所定出力を発生させるものであり、上記磁石5と上記磁気センサ20とでローラ4の回転量検出部が構成されている。
【0016】
また、ボール10の下方位置に対応する磁気センサ20で囲まれる中央位置にあたる配線基板15上には、自力復帰型で節度付きのプッシュスイッチ25が配されている。
【0017】
このプッシュスイッチ25は、スイッチケース内に配された中央固定接点26Aおよび外側固定接点26Bと、中央部下面が中央固定接点26Aに所定間隔を空けて対峙するように、その外周下端が外側固定接点26B上に載せられた上方凸型のドーム状に構成された金属薄板製の可動接点27とからなるスイッチ接点部を備えている。上記可動接点27としては、中央部の反転動作時に節度感触が得られるものとなっている。
【0018】
上記のように当該トラックボール装置は構成されている。次に、当該トラックボール装置の動作について説明する。
【0019】
まず、トラックボール装置を操作していない図6に示す通常状態から、上ケース1の上方孔部1Cより上方に突出したボール10上部を指等で触れてボール10を左方向に回転操作すると、図11に示すように、ボール10が板ばね6の他端側を押し下げ若干下方位置に下がりつつ左側に移動し、上記回転操作方向に対応する同図中の左側のローラ4の当接部とのみ当接して当該左側のローラ4を回転させる。この時、その他のローラ4は回転せず、またプッシュスイッチ25も作動されない。
【0020】
そして、この左側のローラ4の回転に伴い、左側のローラ4に固定された磁石5も共廻りして、当該磁石5に対応する磁気センサ20に、当該磁石5のNまたはS極が交互に接近を繰返す。これにより、磁界変化が発生して、その変化が磁気センサ20で検出されて所定の出力が発生される。
【0021】
同様に、ボール10を右方向や前後方向に回転操作する場合は、上記と同様な動作をなし、所定の磁気センサ20から所定の出力が得られる。
【0022】
また、斜め方向にボール10を回転操作した場合は、ボール10は直交関係で位置する二つのローラ4に当接して両者を回転させ、同様に、二つの磁気センサ20から所定の出力が得られる。
【0023】
次に、図6に示す通常状態からボール10の上部を手や指でプッシュ操作すると、ボール10は、板ばね6の他端側を押し下げつつ取付台2の円形孔2B方向に下がっていく。これに伴い、板ばね6の他端側に設けられた突出部6A下面でプッシュスイッチ25の中央部が下方に押圧される。
【0024】
そして、その押し下げ力が所定の値を超えると、図12に示すように、プッシュスイッチ25の可動接点27が節度感を伴いながら反転動作して、中央固定接点26Aと外側固定接点26B間が可動接点27を介して電気的に接続されたスイッチON状態になる。
【0025】
この後、ボール10に加えた押し下げ力を除くと、プッシュスイッチ25の可動接点27が自らの弾性復元力により元の上方凸型のドーム形状に復元し、プッシュスイッチ25の中央固定接点26Aと外側固定接点26Bとの間は再び電気的OFF状態に戻ると共に、板ばね6の他端側も元の位置に復帰していき、板ばね6の復帰に伴ってボール10は上方に押し戻される。そして、ボール10は、上ケース1の上方孔部1C端部に当接して停止し、元の図6に示す通常状態に戻るものであった。
【0026】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2002−373055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
上記従来のトラックボール装置は、フッ素ゴムで構成されたボール10を押し下げボール10を介してプッシュスイッチ25への操作を行う構成であったため、ボール10が弾性を有するものであると、そのスイッチ操作時において、ボール10の弾性変形によってプッシュスイッチ25の節度感触が吸収され、プッシュ操作時に得られる節度感触が弱くなる。フッ素ゴムのボール10は、高価でその硬さの選定範囲が小さく、その硬さとしてはJISK7311 JISA80程度のものまでが限界であった。また、フッ素ゴムのボール10は、着色性にも制約があると共に、光も透過しないため、見映えや視認性の向上等が図り難いという課題もあった。
【0028】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、硬いボールの選定が幅広く可能になって、ボールへのプッシュ操作時にプッシュスイッチからのより明確な節度感触が得られると共に、ボールを着色したり光を透過させてボールの視認性等の向上が図れるトラックボール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有する。
【0030】
本発明の請求項1に記載の発明は、操作部となるボールと、上記ボールに対し所定間隔をあけて配置されたローラおよびそのローラの回転量検出部と、上記ボールの下方位置に配され、上記ボールへの押し下げ操作で、上記ボールの下方移動に伴って切り換え操作される節度付きのスイッチとを備え、上記ボールの材質がポリエーテル系ウレタン樹脂で、その硬度がJISK7311 JISA80〜99であるトラックボール装置としたものである。
【0031】
上記ポリエーテル系ウレタン樹脂のボールは、フッ素樹脂よりも硬度が高く、しかも、その着色性は容易で安価に色の変化も可能で、かつ光透過性のものにもできる。ここで、その硬さとしてJISK7311 JISA80〜99の範囲内のものを選定することにより、ボールを介して節度付きスイッチをプッシュ操作した時に、節度感触が明確にボールから操作する指などに伝達されるものにできるという作用を有する。
【0032】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、ボールは、表面粗さが2μm〜100μmに研磨されたものであり、ボールの表面が所定の粗さを有しているため、硬度の高いボールを用いた場合でも、ボールへの回転操作時にボールに当接したローラが確実に安定して同期回転するものにできるという作用を有する。
【0033】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、光透過性のボールを用いると共に、そのボール照光用のLEDが更に付加されたものであり、LEDの光をボールに透過させてLEDの色に応じてボールの視認性を変化させることが可能となるという作用を有する。
【発明の効果】
【0034】
本発明のトラックボール装置は、ポリエーテル系ウレタン樹脂からなるボールを用いて構成するものであるため、ボールの硬さの選定幅が広くなり、その中で高い所定硬度のものを選定することによってプッシュ操作感触が良好に得られるものにできると共に、ボールを着色したり光を透過させてボールの視認性等の向上が図れたものにもできるという効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を用いて説明する。
【0036】
なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0037】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態によるトラックボール装置の断面図、図2は同要部である機構構成部を分離した状態の斜視図、図3は同要部である機構構成部の分解斜視図であり、同図において、30は、ポリエーテル系ウレタン樹脂からなるボールであり、このボール30は、硬度がJISK7311 JISA80〜99の範囲内の硬度で、その表面粗さが2〜100μmの範囲で研磨された光の透過が可能なものを選定している。なお、このボール30の直径は5.5mmである。
【0038】
このボール30は、上ケース1と取付台2とで構成される内部空間内を上下動可能なように配されている。なお、上ケース1と取付台2における各々の形状、また両者が上ケース1の上方に重ねて配された金属板製のカバー3で結合状態になっていること等は従来の場合と同じであるため、その説明は省略する。
【0039】
また、上ケース1の鉤状部1Aで構成されたローラ保持部1Bに、一端部に磁石5が固定された略円柱形状のローラ4が回転可能に収納保持され、四本のローラ4が、上面視正方形に配置されている点、さらに、取付台2の円形孔2B内には、一端側が円形孔2Bの側壁部分に埋設固定された片持ち状の板ばね6の他端側が配され、その他端側は外形円形で下方への突出部6Aを有するものとなされている点も従来の場合と同じである。
【0040】
そして、上記ボール30は、上記板ばね6の他端側で上方に付勢されて、ボール30径よりも少し小さい上ケース1の上方孔部1Cの端部で、上方への位置規制がなされ、当該規制位置よりも上方のボール30の上部部分は、上方孔部1Cから外方に突出している。その板ばね6での押し上げ力は0.06N程度のばね力設定としている。
【0041】
以上のように本発明のトラックボール装置における機構構成部は構成され、その機構構成部の下方位置に配された配線基板15上には、上記各磁石5の配置位置に応じて、上下で対向する位置のそれぞれに磁気センサ20が実装され、従来同様に、この磁気センサ20と上記磁石5とでローラ4の回転量検出部が構成されている。また、磁気センサ20で囲まれる中央位置にあたる配線基板15上の位置には、自力復帰型で節度付きのプッシュスイッチ25が配され、ボール30の下方位置に対応している。
【0042】
そして、上記プッシュスイッチ25も従来と同じものであり、その構成は、スイッチケース内に配された外側固定接点26B上に可動接点27が載せられ、その下面が中央固定接点26Aと対峙したスイッチ接点部を備えたものである。なお、このプッシュスイッチ25の押圧操作力としては節度感を伴って1.6Nでスイッチングするものを用いている。
【0043】
さらに、磁気センサ20とプッシュスイッチ25との間の配線基板15上の位置には、ボール30を照光するためのLED35が実装されている。
【0044】
次に、以上のように構成された本発明によるトラックボール装置の動作について説明する。
【0045】
まず、トラックボール装置を操作していない図1に示す通常状態から、上ケース1の上方孔部1Cより上方に突出したボール30上部を手や指で触れて、ボール30を左方向に回転操作すると、ボール30が板ばね6の他端側を押し下げ若干下方位置に下がりつつ左側に移動していき、図4に示すように、回転操作方向に対応する左側のローラ4の当接部にボール30が当接する。このとき、ボール30としては硬度が高いものを用いているが、その表面に2〜100μmの粗さを有しているため、その左側のローラ4の当接部に対する安定した摩擦力が得られ、当該左側のローラ4は空すべりすることなく安定して同期回転する。なお、この時、その他のローラ4は回転せず、またプッシュスイッチ25も作動されない。
【0046】
そして、この左側のローラ4の安定した回転に伴い、その一端部に固定された磁石5が共廻りして磁界変化が発生する。この磁界変化が対応する磁気センサ20で検出されて所定の出力が発生されることは従来の場合と同じである。また、同様に、ボール30を右や前後方向に回転操作した場合、さらには斜め方向に回転操作した場合も、所定の磁気センサ20より出力を得ることができるが、何れの場合でも、ボール30は所定の表面粗さを有していることにより、操作方向に対応するローラ4を安定して滑らかな状態で同期回転させることができる。なお、ボール30の表面粗度が100μmより大きいと、ボール30径などにも依存するが、ボール30とローラ4との当接が散発的になって逆にローラ4への回転操作状態の伝達が滑らかに行われず、ローラ4の滑らかな同期回転状態が得られ難い場合もあるので、その表面粗度の設定は適宜行うことが好ましい。
【0047】
次に、図1に示す通常状態からボール30の上部を手や指でプッシュ操作すると、ボール30は、板ばね6の他端側を押し下げていき、板ばね6に設けた突出部6A下面でプッシュスイッチ25の中央部を下方に押す。
【0048】
そして、この押し下げ力が所定の値を超えると、図5に示すように、可動接点27の中央部が節度感を伴いながら反転動作して、可動接点27を介して、中央固定接点26Aと外側固定接点26B間がスイッチングする。このとき、各ローラ4およびLED35は、下方に移動したボール30の外周面に接触しないように配置している。
【0049】
上記プッシュ操作に伴ってプッシュスイッチ25を押圧する際に、ボール30の硬度がJISK7311 JISA80〜99であれば、従来のものよりボール30の弾性変形は発生しにくく、プッシュスイッチ25から得られる節度感触のボール30での吸収が低減できてプッシュ操作感触はボール30を介して操作する指などに良好に伝達されるようにできる。そして、ボール30への押し下げ力を除くと、可動接点27は元の上方凸型のドーム状に復元してスイッチOFF状態に戻り、それに加えて板ばね6が元の形状に復元する力で、ボール30は元の上方位置に押し戻される。
【0050】
そして、配線基板15上に配されたLED35を点灯すると、光が透過するポリエーテル系ウレタン樹脂からなるボール30は、LED35の色に応じてボール30の視認性等が向上でき、例えば、このトラックボール装置を装着した携帯機器等に装着されている液晶画面の状態とLED35の発光色に意味つけし、視認性の向上と共に操作時の補助手段として活用するようにもできる。
【0051】
このときLED35の配置位置が、取付台2の底面との対向状態で配置されることを考慮し、取付台2自体を光の透過可能な白色系のものなどで形成し、かつ上ケース1を光が透過しない色調で構成し、取付台2を透過した光で、ボール30のみを光らせると見映え等に優れるものとなる。
【0052】
なお、ポリエーテル系ウレタン樹脂からなるボール30は、着色性も良いので、ボール30の色調を変えて容易かつ安価に視認性の向上を図ることもできる。
【0053】
このように当該実施の形態によるトラックボール装置は、硬度がJISK7311 JISA80〜99の範囲で選定されたポリエーテル系ウレタン樹脂製のボール30を用いているため、押圧操作時のプッシュ感触が良好に得られるものにでき、また、そのボール30は、表面粗さが2〜100μmに研磨されたものであるので、回転操作時の動作安定性にも優れたものにできる。
【0054】
また、配線基板15上に配したLED35の光がボール30に透過するようにもできるため、LED35の色に応じてボール30の視認性を変化させたり、ボール30の色調などを変えて見映えに優れるトラックボール装置を実現することができる。
【0055】
なお、上記には、ローラ4の回転検出手段として磁石5と磁気センサ20とで行う構成を例として説明したが、回転検出手段としては、エンコーダや検出スイッチを用いた他の構成のものであってもよく、また、プッシュスイッチ25も上記構成のものに限定されることもない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明にかかるトラックボール装置は、硬度がJISK7311 JISA80〜99のポリエーテル系ウレタン樹脂からなるボールを用いて構成したものであるため、押圧操作時のプッシュ感触が良好に得られ、光を透過させて視認性に優れたものなどにできるという効果を有し、各種電子機器の入力操作部を構成する際などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施の形態によるトラックボール装置の断面図
【図2】同要部である機構構成部を分離した状態の斜視図
【図3】同要部である機構構成部の分解斜視図
【図4】同回転操作状態を示す断面図
【図5】同プッシュ操作状態を示す断面図
【図6】従来のトラックボール装置の断面図
【図7】同要部である機構構成部を分離させた状態の斜視図
【図8】同要部である機構構成部の分解斜視図
【図9】同上面図
【図10】同左側面図
【図11】同回転操作状態を示す断面図
【図12】同プッシュ操作状態を示す断面図
【符号の説明】
【0058】
1 上ケース
1A 鉤状部
1B ローラ保持部
1C 上方孔部
2 取付台
2B 円形孔
3 カバー
4 ローラ
5 磁石
6 板ばね
6A 突出部
15 配線基板
20 磁気センサ
25 プッシュスイッチ
26A 中央固定接点
26B 外側固定接点
27 可動接点
30 ボール
35 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部となるボールと、上記ボールに対し所定間隔をあけて配置されたローラおよびそのローラの回転量検出部と、上記ボールの下方位置に配され、上記ボールへの押し下げ操作で、上記ボールの下方移動に伴って切り換え操作される節度付きのスイッチとを備え、上記ボールの材質がポリエーテル系ウレタン樹脂で、その硬度がJISK7311 JISA80〜99であるトラックボール装置。
【請求項2】
ボールは、表面粗さが2μm〜100μmに研磨されたものである請求項1記載のトラックボール装置。
【請求項3】
光透過性のボールを用いると共に、そのボール照光用のLEDが更に付加された請求項1記載のトラックボール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−133848(P2006−133848A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−318962(P2004−318962)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】