説明

トラメテス属の抽出物を用いた皮膚処置用組成物および方法

少なくとも1つのトラメテス属抽出物と少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む皮膚処置用組成物、および皮膚を美白し、皮膚を改善するために処置し、あるいはまだらな色素沈着、皮膚の斑点形成、もしくはシミなどの色素沈着を伴う皮膚疾患、または湿疹、酒さ、過剰角質化などの他の皮膚疾患を治療する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚を改善するために処置する方法および組成物の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
化粧品会社は常に、皮膚に有益な性質をもたらす新たな成分を探している。植物抽出物は、化粧品に用いられることがよく知られている。植物の抽出物は、皮膚に極めて有益な、多数の異なる種類の有機化合物を含んでいる。伝統的な漢方医学や薬草学などの特定の学問分野は、様々な皮膚および身体の病気を治療するために天然の植物抽出物を用いる原則に基づいている。
【0003】
しかし、このような植物抽出物は皮膚に有益であり得るが、製剤化する場合には厄介な問題が伴う。かかる抽出物は製剤を「茶色化」させることがある。すなわち、植物抽出物は空気中で酸化する成分を含み、製剤を商業的に許容できない褐色または茶色の色調に変化させることがある。他の場合、かかる抽出物は不安定で、望ましい目的の利益を提供するにはもはや有効ではない様々な副成分へと分解することがある。このため、要求の厳しい消費者が求める美しさを提供する商業的に許容可能な化粧品の製剤化は至難の業である。
【0004】
特に菌類の抽出物は、化粧品に使用するために求められることが多い。かかる抽出物は、多くの皮膚に有益な特性を有している。例えば、トラメテス属から得られる菌類は、その医薬特性が知られている。世慣れたアウトドア好きの人々は、森でハイキングしているときに、トラメテス・ベルシコロル(Trametes Versicolor)(カワラタケとも呼ばれる)から摘んだ菌の一片を、ガムのように噛むことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トラメテス属の抽出物は、認識されているその医薬特性に加えて、皮膚に適用したときに有益な特性も有することが発見されている。例えば、トラメテス属の抽出物は、チロシナーゼを阻害することによって、または皮膚の色素沈着の原因となる、そうでなければまだらな色素沈着(例えば、シミもしくは皮膚の斑点に見られる)の出現を高める他の機構に作用することによって皮膚を美白もしくは明色化する特定の副成分を含んでいる。また、トラメテス属抽出物は優れた保湿剤でもあり、一部の種は、脂性肌の人の過剰な皮脂の吸収にも有用であり得る。しかし、トラメテス属の抽出物は製剤化が困難である可能性があり、また化粧品の消費者は、製品の美しさや安定性に関しては要求が高いため、化粧品製剤中でのトラメテス属の抽出物の安定性と有効性を保持し、美的に快い商業的に許容可能な化粧品を与え得る特定の化粧品用基本製剤を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
トラメテス属の抽出物を、合成ポリマー増粘剤を含む組成物中に組み込むと、美的に快い、安定した化粧品製剤が得られることが見出された。
【0007】
本発明の目的は、少なくとも1つのトラメテス属抽出物と少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む、局所用の化粧用組成物または医薬組成物を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、少なくとも1つのトラメテス属抽出物と少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む、局所用の化粧用エマルション組成物または医薬エマルション組成物を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、少なくとも1つのトラメテス属抽出物と少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む局所用の化粧用組成物または医薬組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚を改善するために処置する方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、皮膚を美白するために十分な量の少なくとも1つのトラメテス属抽出物と、少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む局所用の化粧用組成物または医薬組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚を美白する方法を提供することである。
【0011】
発明の要約
本発明は、少なくとも1つのトラメテス属抽出物と、少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む、局所用の化粧用組成物または医薬組成物を含む。
【0012】
本発明はまた、少なくとも1つのトラメテス属抽出物と、少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む、局所用の化粧用エマルション組成物または医薬エマルション組成物も含む。
【0013】
本発明はまた、少なくとも1つのトラメテス属抽出物と少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む局所用の化粧用組成物または医薬組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚を改善するために処置する方法も含む。
【0014】
本発明はまた、少なくとも1つのトラメテス属抽出物と少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む局所用の化粧用組成物または医薬組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚を美白する方法も含む。
【0015】
本発明はまた、少なくとも1つのトラメテス属抽出物と少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む局所用の化粧用組成物または医薬組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚のまだらな色素沈着、シミ、斑状の色素沈着、酒さ、または他の色素沈着疾患を治療する方法も含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
本発明の組成物は、無水、エマルション、溶液、懸濁液、またはゲルの形態であってよい。水性の場合、この組成物は、約0.1〜99%、好ましくは約0.5〜90%、さらに好ましくは約1〜85%の水を含み得る。エマルション剤形態の場合、これらの量の水に加えて、上記の組成物は、約0.1〜99%、好ましくは約0.5〜95%、さらに好ましくは約1〜90%の油を含み得る。本明細書中に記載の%は全て、他に指示がない限り、重量%である。
【0017】
I.トラメテス属の抽出物
本発明の組成物は、トラメテス(以前はコリオルスとして知られる)属の菌の少なくとも1つの抽出物を含む。トラメテス属に属する多様な種の例としては、トラメテス・ベルシコロル(Trametes Versicolor)、トラメテス・プベスセンス(Trametes Pubescens)、トラメテス・ヒルスタ(Trametes Hirsuta)、トラメテス・オクラセア(Trametes Ochracea)、トラメテス・エレガンス(Trametes Elegans)、トラメテス・コリクローサ(Trametes Colliculosa)、トラメテス・ギボサ(Trametes Gibbosa)、トラメテス・パルストリス(Trametes Palustris)、トラメテス・ビローサ(Trametes Villosa)、トラメテス・スアベオレンス(Trametes Suaveolens)、トラメテス・セルビナ(Trametes Cervina)、トラメテス・シングラタ(Trametes Cingulata)などが挙げられる。特に好ましいのは、トラメテス・ベルシコロルの抽出物である。この抽出物は、アルカノール(エタノール、プロパノール)、水、またはベンジルアルコール、低級酢酸アルキルなどの他の揮発性有機溶媒等の溶媒を用いた菌類の単純抽出によって得られる。別法として、上記の菌類をすりつぶしまたは微粉砕し、水に希釈し、多様な孔径を有するふるいで濾して、好適な抽出物を作製することができる。この抽出物は、凍結乾燥形態またはみじん切り形態であってもよい。抽出物は、フィンランドのVTT Technical Research Center、特にVTT Biotechnology Culture Collection, Vuorimiehentle(フィンランド)などの様々な供給業者から購入することもできる。トラメテス属の抽出物は、本組成物中に約0.00001〜40%、好ましくは約0.00005〜35%、さらに好ましくは約0.0001〜30%含まれ得る。
【0018】
II.増粘合成ポリマー
増粘合成ポリマーは、トラメテス属の抽出物を含む製剤を安定化させ、皮膚への活性成分の送達を増加させる製剤安定化ポリマーである。「増粘」という用語は、合成ポリマーが、本発明の組成物の粘度を増加させることを意味する。この粘度増加は非揺変性であってもよいし、または揺変性であってもよい。揺変性の場合、組成物の粘度は、静止状態では大きくなり、せん断力を受けると低下する。「合成」という用語は、ポリマーが合成されるものであり、天然に存在するものではないことを意味する。増粘合成ポリマーは、有機モノマーもしくはシリコーンモノマーで構成されていてよく、またはこれらの組み合わせでもよく、さらに膜形成特性を有し得る。本発明の組成物が水を含む場合、または油相中にある場合、水相に可溶化もしくは分散し得る。本発明の組成物が無水である場合、増粘合成ポリマーは、組成物の油相中に見出すことができる。このポリマーは、本組成物中に約0.001〜80%、好ましくは約0.005〜75%、さらに好ましくは約0.01〜65%含まれ得る。好適な増粘合成ポリマーとしては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる。
【0019】
A. 有機モノマー由来のポリマーおよびコポリマー
本発明の組成物中で用いるのに好適な増粘合成ポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらの単純エステル(例えば、直鎖もしくは分枝アルキル鎖の形であり得る、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、22もしくは24個の炭素原子を有するアルコールから形成されるエステル)などの有機基のホモポリマーまたはコポリマーを含み得る。例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペンチル、オクチル、ノニル、デカ、ドデカ、セチル、ラウリル、ステアリル、ベヘニル、メタクリレートまたはアクリレートのモノマー(例えばメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸ラウリルなど)が挙げられる。
【0020】
好適な増粘ポリマーは、アクリルアミドのホモポリマー、またはアクリルアミドとその単純アルキル誘導体(例えば、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミドなど)の1つ以上とのコポリマーのいずれかであり得る。この場合、このポリマーはアクリルアミドコポリマーと呼ばれる。アクリルアミドモノマーも、さらに複雑な増粘合成ポリマーの成分を形成し得る。
【0021】
アクリロイルジメチルタウレートモノマーも、増粘合成ポリマーの成分を形成することができる。
【0022】
増粘膜形成ポリマーは、ビニル、アセテート、またはビニルピロリドンのモノマーも含み得る。
【0023】
有機系増粘合成ポリマーは、4〜22個の炭素原子を有する、飽和または不飽和の脂肪カルボン酸などの多様な種類の有機部分も含むことができる。共重合させ得る飽和脂肪カルボン酸の例としては、酪酸(C4)、カプロン酸(C6)、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、またはベヘン酸(C22)が挙げられる。本明細書中に記載の他のモノマーと共重合し得る不飽和脂肪酸の例としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、αリノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、またはエルカ酸もしくはドコサヘキサエン酸が挙げられる。アジピン酸、イタコン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸(subaric)、アザレイン酸、セバシン酸などの、2〜30個の炭素原子を有するジカルボン酸も好適である。
【0024】
本明細書中に記載の他のモノマーと、またはそれら自身と重合し得るアルキレンオキシドの例としては、1〜30個の炭素原子のアルキル基を有し、繰り返しアルキレンオキシド単位が約2〜500であるアルキレンオキシド;例えば、ラウレス2-500(記号表示2-500は、繰り返しエチレンオキシド部分の数を示す)、セテス2-500、ステアレス2-500、パルメス2-500、ベヘネス2-500などが挙げられる。重合し得る有機基の他の例としては、αヒドロキシ酸もしくはこれらの誘導体(クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、イタコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸など、またはこれらのケトン誘導体(グルコノラクトン、ラクトンなど)が挙げられる。
【0025】
増粘合成ポリマーは、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムなどのアルカリ塩またはアルカリ土類金属塩で中和することができる。
【0026】
本発明の組成物の粘度を高め、安定化させるために、広範囲の増粘有機ポリマーを使用し得る。他の具体例としては、限定するものではないが、Clariant Corporationにより商標名Aristoflexとして販売されているポリマーが挙げられ、これにはAristoflex AVC(アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/VPコポリマー);Aristoflex AVC-1;Aristoflex HMB(アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/メタクリル酸ベヘネス-25架橋ポリマー);Aristoflex SNC(アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/メタクリル酸ステアレス-8コポリマー)などが含まれる。使用し得る市販ポリマーの他の例としては、Lamberti SpAにより商標名Viscolamとして販売されているものが挙げられ、これにはViscolam BMC25(アクリレート/メタクリル酸ベヘネス-25コポリマー);Viscolam MAC7(アクリレートコポリマー);Viscolam AT64(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、鉱物油、およびラウレス-8の混合物);Viscolam AT 64P(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、ポリデセンおよびラウレス-8の混合物);Viscolam AT 100P(ポリアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム、水素化ポリデセン、およびトリデセス-10の混合物);ならびにViscolam C(アクリレートコポリマーとステアレス-20との混合物)などが含まれる。また、SEPPICにより商標名Simulgelとして販売されているポリマー、例えばSimulgel 600(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー);Simugel 800(ポリアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー);Simulgel A(ポリアクリル酸アンモニウム、イソヘキサデカン、およびPEG-40ヒマシ油の混合物);Simulgel EG(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、イソヘキサデカン、およびポリソルベート-80の混合物);Simulgel EG(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、イソヘキサデカン、およびポリソルベート-80の混合物);Simulgel EPG(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、ポリイソブテン、およびカプリリル/カプリルグルコシドの混合物);Simulgel FL(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、イソヘキサデカン、およびポリソルベート 60の混合物);Simulgel I-S 100(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、イソヘキサデカン、およびポリソルベート60の混合物);ならびにSimulgel NS(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、スクアラン、およびポリソルベート-60の混合物)も好適である。また、Carbopolの名称で販売されている合成増粘ポリマー、例えば、ポリアクリル酸のINCI名を有するCarbopol 907;カルボマーのINCI名を有するCarbopol 910;ポリアクリレート-1架橋ポリマーのINCI名を有するCarbopol Aqua CCポリマー;アクリレートコポリマーのINCI名を有するCarbopol SF-1ポリマー;アクリレート/アクリル酸C10-30アルキル架橋ポリマーのINCI名を有するCarbopol EDT 2020ポリマー;Carbopol EDT 2050ポリマー、ならびに全てカルボマーのINCI名を有する、Carbomer 940、Carbomer 941、Carbomer 954、Carbomer 980、Carbomer 2984、Carbomer 5984、Carbomer 934P、Ultrez 10、およびCarbomer 981;全てアクリレート/アクリル酸C10-30アルキル架橋ポリマーのINCI名を有するCarbopol 1342、Carbopol 1382、Ultrez 20、およびUltrex 21なども好適である。他のポリマーとしては、Finetexにより商標名Octacareとして販売されているポリマー、またはSensientにより商標名Covacrylとして販売されているポリマー、例えば、全てポリアクリル酸ナトリウムのINCI名を有するOctacare RM 100およびCovacryl ACもしくはAD5;アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマーのINCI名を有するOctacare RM 110;いずれもポリアクリル酸ナトリウムのINCI名を有するOctacare X100もしくはX110が挙げられる。また、Sensient Corporationにより商標名Covacrylとして販売されている類似の種類のポリマー、例えばポリアクリル酸アンモニウムのINCI名を有するCovacryl VIPも好適である。
【0027】
B. シリコーン系増粘合成ポリマー
1. 非乳化シリコーンエラストマー
また、トラメテス属含有組成物用の製剤安定化増粘合成ポリマーとして、様々な種類のシリコーンエラストマーも好適である。このようなシリコーンエラストマーとしては、一般的に、白金金属触媒の存在下、SiH含有ジオルガノシロキサンと、末端オレフィン不飽和を有するオルガノポリシロキサンまたはαωジエン炭化水素とを反応させることによる付加反応硬化によって形成されるものが挙げられる。このようなエラストマーはまた、ヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンとSiH含有ジオルガノポリシロキサンまたはαωジエンの間の脱水素反応による、有機スズ化合物の存在下での縮合硬化オルガノポリシロキサン組成物;またはヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンと加水分解性オルガノシロキサンの間の縮合反応を用いた、有機スズ化合物またはチタン酸エステルの存在下での縮合硬化オルガノポリシロキサン組成物;有機過酸化物触媒の存在下で熱硬化する過酸化物硬化オルガノポリシロキサン組成物など、他の反応方法によって形成することもできる。
【0028】
好適であり得るエラストマーの一種は、各分子またはαωジエンにつき少なくとも2個の低級アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン;および各分子につき少なくとも2個のシリコーン結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン;および白金型触媒を付加反応硬化することにより製造される。ビニルなどの低級アルケニル基は分子内のいずれの位置に存在してもよいが、一方または双方の分子末端が末端オレフィン不飽和であることが好ましい。この成分の分子構造は、直鎖、分枝直鎖、環状または網状であり得る。これらのオルガノポリシロキサンは、メチルビニルシロキサン、メチルビニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサンおよびジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン−メチル(3,3,-トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマー、デカジエン、オクタジエン、ヘプタジエン、ヘキサジエン、ペンタジエンまたはテトラジエンまたはトリジエンで例示される。
【0029】
硬化は、本明細書中に記載の触媒を用いた触媒作用下でシロキサンまたはαωジエンを用いた、ジメチルメチル水素シロキサンのケイ素結合水素原子の付加反応によって進行する。架橋度の高い構造を形成するには、メチル水素シロキサンは、架橋剤としての機能を最適化するために各分子につき少なくとも2個のケイ素結合水素原子を含まなければならない。
【0030】
ケイ素結合水素原子とアルケニル基の付加反応に用いられる触媒は、アルコールまたはケトンに溶ける可能性がある塩化白金酸(この溶液を所望により熟成させる)、塩化白金酸−オレフィン複合体、塩化白金酸−アルケニルシロキサン複合体、塩化白金酸−ジケトン複合体、白金黒、および担体に支持された白金により具体的に例示される。
【0031】
本発明の組成物において増粘合成ポリマーとして用いるのに好適なシリコーンエラストマーは、粉末型、あるいは例えば、水、揮発性もしくは不揮発性シリコーン、またはパラフィン系炭化水素もしくはエステルなどのシリコーン相溶性ビヒクルといった溶媒中の分散物または可溶化物であり得る。シリコーンエラストマー粉末の例としては、ビニルジメチコン/メチコンシレスキオキサン架橋ポリマー(Shin-EtsuのKSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104、KSP-105など)、フルオロアルキル基を含むハイブリッドシリコーン粉末(フルオロ−シリコーンエラストマーであるShin-EtsuのKSP-200など)およびフェニル基を含むハイブリッドシリコーン粉末(フェニル置換シリコーンエラストマーであるShin-EtsuのKSP-300など);およびDow ComingのDC9506が挙げられる。シリコーン相溶性ビヒクル中のシリコーンエラストマー粉末分散物としては、Dow Corning Corporation(商標名9040または9041として)、GE Silicones(商標名SFE839として)またはShin-Etsu Silicones(商標名KSG-15、16、18として)を含む様々な供給者により供給されているジメチコン/ビニルジメチコン架橋ポリマーが挙げられる。KSG-15のCTFA名はシクロペンタシロキサン/ジメチコン/ビニルジメチコン架橋ポリマーである。KSG-18のINCI名はフェニルトリメチコン/ジメチコン/フェニルビニルジメチコン架橋ポリマーである。シリコーンエラストマーはまた、Grant Industriesから商標名Gransilとして購入することもできる。また、Shin-Etsuにより商標名KSG-31、KSG-32、KSG-41、KSG-42、KSG-43およびKSG-44として供給される、ラウリルジメチコン/ビニルジメチコン架橋ポリマーなどの、長鎖アルキル置換を有するシリコーンエラストマーも好適である。本発明で有用な架橋オルガノポリシロキサンエラストマーおよびその製造方法は、1990年11月13日に発行されたSakutaらの米国特許第4,970,252号、1998年6月2日に発行されたKilgourらの米国特許第5,760,116号、1997年8月5日に発行されたSchulz, Jrらの米国特許第5,654,362号およびPola Kasei Kogyo KKに発行された日本国特許出願JP61-18708号にさらに記載されている(これらはそれぞれ参照によりそのまま本明細書に組み入れられる)。
【0032】
2. 乳化シリコーンエラストマー
また、増粘合成ポリマーとして、乳化エラストマーと呼ばれることも多い、様々な種類の架橋シリコーン界面活性剤も好適である。これらは通常、シリコーンエラストマーが、ポリオキシアルキレン化基のような親水性部分を少なくとも1つ含む点を除き、上記の「シリコーンエラストマー」の項に記載のとおりに製造される。典型的には、これらのポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、少なくとも1個のケイ素結合水素を含むジオルガノポリシロキサンと、少なくとも2個のエチレン不飽和基を含むポリオキシアルキレンとの架橋付加反応によって得られる架橋オルガノポリシロキサンである。少なくとも1つの実施形態において、ポリオキシアルキレン化架橋オルガノポリシロキサンは、例えば米国特許第5,236,986号および米国特許第5,412,004号、米国特許第5,837,793号ならびに米国特許第5,811,487号(これらの内容は参照により本明細書に組み入れられる)に記載のとおり、所望により白金触媒の存在下で、それぞれがケイ素に結合している少なくとも2個の水素を含むジオルガノポリシロキサンと、少なくとも2個のエチレン不飽和基を含むポリオキシアルキレンとの架橋付加反応によって得られる。
【0033】
本発明の少なくとも1つの実施形態において使用し得るポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーとしては、Shin-Etsu Siliconesにより、KSG-21、KSG-20、KSG-30、KSG-31、KSG-32、KSG-33;KSG-210(ジメチコン中に分散させたジメチコン/PEG-10/15架橋ポリマー);KSG-310(PEG-15ラウリルジメチコン架橋ポリマー);KSG-320(イソドデカン中に分散させたPEG-15ラウリルジメチコン架橋ポリマー);KSG-330(トリエチルヘキサノイン中に分散させたPEG-15ラウリルジメチコン架橋ポリマー)、KSG-340(PEG-10ラウリルジメチコン架橋ポリマーと、PEG-15ラウリルジメチコン架橋ポリマーとの混合物)の名称で販売されているシリコーンエラストマーが挙げられる。
【0034】
また、PCT/WO 2004/024798に開示されているようなポリグリセロール化シリコーンエラストマーも好ましく、この文献は参照によりそのまま本明細書に組み入れられる。このようなエラストマーとして、KSG-710(ジメチコン中に分散させたジメチコン/ポリグリセリン-3架橋ポリマー);または、Shin-Etsuの商標名KSG-810、KSG-820、KSG-830、もしくはKSG-840として販売されている、イソドデカン、ジメチコン、トリエチルヘキサノインのような多様な溶媒に分散させたラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3架橋ポリマーなどの、Shin-EtsuのKSGシリーズが挙げられる。また、Dow Corningにより、商標名9010およびDC9011として販売されているシリコーンも好ましい。
【0035】
1つの好ましい架橋シリコーンエラストマー乳化剤は、ジメチコン/PEG-10/15架橋ポリマーである。
【0036】
本組成物は、限定するものではないが、本明細書中に記載の他の成分を含み得る。
【0037】
III. 他の成分
A. 油
本発明の組成物が、エマルション形態または無水形態である場合、この組成物は通常、油相を含む。好適な油としては、シリコーン、エステル、植物油、合成油、限定するものではないが、本明細書中に記載の油が挙げられる。この油は、揮発性であっても不揮発性であってもよく、室温で注流可能な液体の形態である。「揮発性」という用語は、この油が、測定可能な蒸気圧、または20℃で少なくとも水銀約2mmの蒸気圧を有することを意味する。「不揮発性」という用語は、この油の蒸気圧が20℃において水銀約2mm未満であることを意味する。
【0038】
1. 揮発性油
(a) 揮発性シリコーン
本発明の組成物において使用し得る好適な揮発性油は、一般に、25℃で約0.5〜5センチストークの粘度を有し、直鎖シリコーン、環状シリコーン、分枝シリコーン、パラフィン系炭化水素またはそれらの混合物を含む。
【0039】
環状シリコーンは、一般式:
【化1】

(式中、n=3〜6)
のものである。
【0040】
本発明において直鎖揮発性シリコーンは一般式:
【化2】

(式中、n=0、1、2、3、4または5、好ましくは、0、1、2、3または4)
を有する。
【0041】
分枝揮発性シリコーンは、一般に、式:
【化3】

(式中、RはC1-4アルキル、好ましくはメチル)
のものである。
【0042】
直鎖および環状揮発性シリコーンは、Dow Corning CorporationおよびGeneral Electricなどの様々な商業供給者から入手することができる。Dow Corning揮発性シリコーンは、商標名Dow Corning 244、245、344および200流体として販売されている。これらの流体はオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどを含む。また、ヘキサメチルジシロキサン(粘度0.65センチストーク(略号cst))、オクタメチルトリシロキサン(1.0cst)、デカメチルテトラシロキサン(1.5cst)、ドデカメチルペンタシロキサン(2cst)およびそれらの混合物などの直鎖揮発性シリコーンも好適である。
【0043】
好適な分枝揮発性シリコーンとしては、メチルトリメチコン、エチルトリメチコン、プロピルトリメチコン、ブチルトリメチコンなどが挙げられる。メチルトリメチコンは、Shin-Etsu Siliconesから商標名TMF 1.5として購入可能であり、25℃で1.5センチストークの粘度を有する。
【0044】
(b) 揮発性パラフィン系炭化水素
また、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の炭素原子、より好ましくは8〜16個の炭素原子を有する様々な直鎖または分枝鎖パラフィン系炭化水素も揮発性油として好適である。好適な炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカンおよび米国特許第3,439,088号および同第3,818,105号(双方とも参照によりそのまま本明細書に組み入れられる)に開示されているようなC8-20イソパラフィンが挙げられる。
【0045】
好ましい揮発性パラフィン系炭化水素は70〜225、好ましくは160〜190の分子量と、30〜320、好ましくは60〜260℃の範囲の沸点と、25℃で約10cst未満の粘度を有する。このようなパラフィン系炭化水素はEXXONから商標名ISOPARSとして、また、Permethyl Corporationから入手可能である。好適なC12イソパラフィンはPermethyl Corporationにより商標名Permethyl 99Aとして製造されている。イソヘキサデカン(商標名Permethyl R)などの市販の様々なC16イソパラフィンも好適である。
【0046】
2.不揮発性油
様々な不揮発性油も、本発明の化粧用組成物に用いるのに好適である。不揮発性油は一般に25℃で約5〜10センチストークを超える粘度を有し、粘度範囲は25℃で約1,000,000センチポアズまでである。不揮発性油の例としては、限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。
【0047】
(a) エステル
好適なエステルはモノ−、ジ−、およびトリエステルである。本組成物はこの群から選択される1以上のエステルまたはそれらの混合物を含み得る。
【0048】
(i)モノエステル
モノエステルは、式R-COOH(式中、Rは2〜45個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和アルキル、またはフェニルである)を有するモノカルボン酸と、式R-OH(式中、Rは2〜30個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和アルキル、またはフェニルである)を有するアルコールとの反応により形成されるエステルと定義される。このアルコールと酸はいずれも1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてよい。この酸またはアルコールのいずれか一方または双方は「脂肪」酸またはアルコールであってよく、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和型の約6〜30個の炭素原子、より好ましくは12、14、16、18または22個の炭素原子を有してよい。本発明の組成物で使用可能なモノエステル油の例としては、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸ヘキサデシル、パルミチン酸セチル、ネオペンタン酸イソステアリル、ヘプタン酸ステアリル、イソノナン酸イソステアリル、乳酸ステアリル、オクタン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリルおよびイソノナン酸イソノニルなどが挙げられる。
【0049】
(ii)ジエステル
好適なジエステルは、ジカルボン酸と、少なくとも2個の置換ヒドロキシル基を有する脂肪族もしくは芳香族アルコールまたは脂肪族もしくは芳香族アルコールと、モノカルボン酸との反応生成物である。ジカルボン酸は2〜30個の炭素原子を含んでよく、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和型であり得る。ジカルボン酸は1以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい。脂肪族または芳香族アルコールもまた2〜30個の炭素原子を含んでよく、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和型であり得る。好ましくは、酸またはアルコールの1つ以上が脂肪酸または脂肪アルコールであり、すなわち、12〜22個の炭素原子を含む。ジカルボン酸はまたαヒドロキシ酸でもあり得る。エステルはダイマーまたはトリマー型であり得る。本発明の組成物で使用可能なジエステル油の例としては、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、セバシン酸ジブチル、ジリノール酸ジセテアリルダイマー、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジイソセチル、アジピン酸ジイソノニル、ジリノール酸ジイソステアリルダイマー、フマル酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルおよびリンゴ酸ジオクチルなどが挙げられる。
【0050】
(iii)トリエステル
好適なトリエステルは、トリカルボン酸と脂肪族もしくは芳香族アルコールとの反応生成物、あるいはまた、3つ以上の置換ヒドロキシル基を有する脂肪族もしくは芳香族アルコールとモノカルボン酸との反応生成物を含む。上記のモノおよびジエステルの場合と同様に、この酸およびアルコールは2〜30個の炭素原子を含み、飽和または不飽和型、直鎖または分枝鎖であってよく、1つ以上のヒドロキシル基で置換されていてよい。好ましくは、酸またはアルコールの1つ以上が12〜22個の炭素原子を含む脂肪酸またはアルコールである。トリエステルの例としては、アラキドン酸、クエン酸またはベヘン酸のエステル、例えば、トリアラキジン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリイソステアリル、クエン酸トリC12-13アルキル、トリカプリリン、クエン酸トリカプリリル、ベヘン酸トリデシル、クエン酸トリオクチルドデシル、ベヘン酸トリデシル;またはココア酸トリデシルおよびイソノナン酸トリデシルなどが挙げられる。
【0051】
本組成物で用いるのに好適なエステルは、the C.T.F.A. Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, Eleventh Edition, 2006(参照によりそのまま本明細書に組み入れられる)の2679〜2688頁にさらに記載されている。
【0052】
3.炭化水素油
本組成物に1種類以上の不揮発性炭化水素油を組み込むことが望ましい場合がある。好適な不揮発性炭化水素油としては、パラフィン系炭化水素およびオレフィン、好ましくは、約20個を超える炭素原子を有するものが挙げられる。このような炭化水素油の例としては、C24-28オレフィン、C30-45オレフィン、C20-40イソパラフィン、水素化ポリイソブテン、ポリイソブテン、ポリデセン、水素化ポリデセン、鉱物油、ペンタヒドロスクアレン、スクアレン、スクアランおよびそれらの混合物が挙げられる。1つの好ましい実施形態では、このような炭化水素は約300〜1000ダルトンの分子量を有する。
【0053】
4.脂肪酸のグリセリルエステル
脂肪酸の合成もしくは天然グリセリルエステル、またはトリグリセリドも本組成物に用いるのに好適である。植物源と動物源の双方が使用可能である。このような油の例としては、ヒマシ油、ラノリン油、C10-18トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/トリグリセリド、スィートアーモンド油、杏仁油、ゴマ油、ナガミノアマナズナ(camelina sativa)油、タマヌシード油(tamanu seed oil)、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、インキオイル、オリーブ油、パーム油、イリーペバター、ナタネ油、ダイズ油、グレープシードオイル、ヒマワリ種実油およびクルミ油などが挙げられる。
【0054】
また、合成または半合成グリセリルエステル、例えば、改質された天然油脂である脂肪酸モノ−、ジ−およびトリグリセリド、例えば、グリセリンなどのポリオールのモノ−、ジ−またはトリエステルも好適である。1例としては、脂肪(C12-22)カルボン酸を1以上の繰り返しグリセリル基と反応させる。ステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ポリグリセリル-3、イソステアリン酸ポリグリセリル-4、リシノール酸ポリグリセリル-6、ジオレイン酸グリセリル、ジイソテアリン酸グリセリル、テトライソステアリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、ジステアリン酸ジグリセリル、リノール酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、PEGヒマシ油、PEGオレイン酸グリセリル、PEGステアリン酸グリセリルおよびPEG牛脂脂肪酸グリセリルなど。
【0055】
5.不揮発性シリコーン
不揮発性シリコーン油もまた、水溶性および不水溶性のいずれも、本組成物に用いるのに好適である。このようなシリコーンは好ましくは、25℃で約10〜800,000cst、好ましくは20〜200,000cstの粘度を有する。好適な不水溶性シリコーンとしては、アモジメチコンなどのアミン官能性シリコーン;ビスフェニルヘキサメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコン、フェニルトリメチコンまたはポリフェニルメチルシロキサンなどのフェニル置換シリコーン;ジメチコン、セチルジメチコンなどのC2-30アルキル基で置換されたジメチコンが挙げられる。
【0056】
不揮発性シリコーンは下記の一般式:
【化4】

[式中、RおよびR’はそれぞれ独立にC1-30直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和のアルキル、フェニルまたはアリール、トリアルキルシロキシであり、xおよびyはそれぞれ独立に0〜1,000,000であり(ただし、xまたはyのいずれか少なくとも1つが存在する)、Aはアルキルシロキシエンドキャップ単位である。]
を有し得る。Aがメチルシロキシエンドキャップ単位、特に、トリメチルシロキシであり、RおよびR’がそれぞれ独立にC1-30直鎖もしくは分枝鎖のアルキル、フェニルまたはトリメチルシロキシ、より好ましくは、C1-22アルキル、フェニルまたはトリメチルシロキシ、最も好ましくは、メチル、フェニルまたはトリメチルシロキシであり、結果として得られるシリコーンがジメチコン、フェニルジメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコンまたはトリメチルシロキシフェニルジメチコンである場合が好ましい。他の例としては、セチルジメチコンなどのアルキルジメチコンが挙げられ、ここで少なくとも1つのRは脂肪アルキル(C12、C14、C16、C18、C20またはC22)であり、他のRはメチルであり、Aはトリメチルシロキシエンドキャップ単位である(ただし、このようなアルキルジメチコンは室温で注流可能な液体である)。フェニルトリメチコンはDow Corning Corporationから商標名556 Fluidとして購入することができる。トリメチルシロキシフェニルジメチコンはWacker-Chemieから商標名PDM-1000として購入することができる。セチルジメチコンは液体シリコーンワックスとも呼ばれ、Dow CorningからFluid 2502として、またはDeGussa Care & Surface Specialtiesから商標名Abil Wax 9801もしくは9814として購入することができる。
【0057】
6.フッ素化油
様々な種類のフッ素化油、限定するものではないが、フッ素化シリコーン、フッ素化エステルまたはペルフルオロポリエーテルなども本組成物に用いるのに好適であり得る。特に、トリメチルシリルエンドキャップ型フルオロシリコーン油、ポリトリフルオロプロピルメチルシロキサン、および米国特許第5,118,496号(参照により本明細書に組み入れられる)に開示されているものなどの類似のシリコーンといったフルオロシリコーンが好適である。ペルフルオロポリエーテルとしては、米国特許第5,183,589号、同第4,803,067号、同第5,183,588号(これらは全て参照により本明細書に組み入れられる)に開示されているものが挙げられ、Montefluosから商標名Fomblinとして市販されている。
【0058】
B.界面活性剤
本組成物に含まれ得る粒子または他の成分の分散を助け、あるいは本組成物がエマルション形態である場合にエマルションを安定化させるために、本組成物に1以上の界面活性剤を含めることが望ましい場合がある。この界面活性剤は、シリコーンまたは有機物であってよい。本組成物に含まれる場合、この界面活性剤は、全組成物の約0.001〜30重量%、好ましくは約0.005〜25重量%、さらに好ましくは約0.1〜20重量%であり得る。
【0059】
1.シリコーン界面活性剤
好適なシリコーン界面活性剤としては、例えば親水基と親油基を含むなど、両親媒性の特性を有する直鎖ポリオルガノシロキサンポリマーが挙げられる。これらのシリコーン界面活性剤は室温で液体または固体であり得る。
【0060】
(a)ジメチコンコポリオールまたはアルキルジメチコンコポリオール
使用可能なシリコーン界面活性剤の一種は、一般的にジメチコンコポリオールまたはアルキルジメチコンコポリオールと呼ばれる。この界面活性剤は、約2〜18の親水性/親油性バランス(HLB)を有する油中水型または水中油型いずれかの界面活性剤である。好ましくは、シリコーン界面活性剤は、約2〜12、好ましくは約2〜10、最も好ましくは約4〜6のHLBを有する非イオン性界面活性剤である。「親水基」という用語は、オルガノシロキサンポリマー主鎖上で置換した場合に、そのポリマーの置換部分に親水性の特性を付与する基を意味する。親水性を付与する基の例としては、ヒドロキシ−ポリエチレンオキシ、ヒドロキシル、カルボキシレートおよびそれらの混合物が挙げられる。「親油基」という用語は、オルガノシロキサンポリマー主鎖上で置換した場合に、そのポリマーの置換部分に親油性の特性を付与する有機基を意味する。親油性を付与する有機基の例としては、C1-40直鎖もしくは分枝鎖アルキル、フルオロ、アリール、アリールオキシ、C1-40ヒドロカルビルアシル、ヒドロキシ−ポリプロピレンオキシまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0061】
好適なシリコーン界面活性剤の一種は、一般式:
【化5】

[式中、pは0〜40(2、3、4、13、14、15、16、17、18など、間および部分的な範囲の全ての数字を含む範囲)であり、PEは(-C2H4O)a-(-C3H6O)b-Hであり、ここで、aは0〜25であり、bは0〜25であり(ただし、aとbは双方とも同時に0となることはできない)、xおよびyはそれぞれ独立に0〜1,000,000の範囲である(ただし、それらは双方とも同時に0となることはできない)。]
を有する。1つの好ましい実施形態では、x、y、z、aおよびbは、そのポリマーの分子量が約5,000〜約500,000、より好ましくは約10,000〜100,000、最も好ましくはおよそ約50,000となるようなものであり、このポリマーは一般にジメチコンコポリオールと呼ばれる。
【0062】
シリコーン界面活性剤の一種として、pが、長鎖アルキルがセチルまたはラウリルとなるようなものがあり、この界面活性剤は、一般に、それぞれセチルジメチコンコポリオールまたはラウリルジメチコンコポリオールと呼ばれる。
【0063】
場合によっては、ポリマー中の繰り返しエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位の数も明示され、例えば、ジメチコンコポリオールはPEG-15/PPG-10ジメチコン(シロキサン主鎖に15個のエチレングリコール単位および10個のプロピレングリコール単位を含む置換基を有するジメチコンを表す)とも呼ばれる。また、上記の一般構造中のメチル基の1個以上がより長鎖のアルキル(例えば、エチル、プロピル、ブチルなど)またはメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテルおよびブチルエーテルなどのエーテルで置換されていてもよい。
【0064】
シリコーン界面活性剤の例としては、Dow Corningにより販売されている商標名Dow Corning 3225C Formulation Aid(CTFA名はシクロテトラシロキサン(および)シクロペンタシロキサン(および)PEG/PPG-18ジメチコン);または5225C Formulation Aid(CTFA名はシクロペンタシロキサン(および)PEG/PPG-18/18ジメチコン);またはDow Coming 190 Surfactant(CTFA名はPEG/PPG-18/18ジメチコン);またはDow Corning 193 Fluid、Dow Corning 5200(CTFA名はラウリルPEG/PPG-18/18メチコン);またはGoldschmidtにより販売されているAbil EM 90(CTFA名はセチルPEG/PPG-14/14ジメチコン);またはGoldschmidtにより販売されているAbil EM 97(CTFA名はビス−セチルPEG/PPG-14/14ジメチコン);またはAbil WE 09(CTFA名はセチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、混合物はイソステアリン酸ポリグリセリル-4およびラウリン酸ヘキシルも含む);またはShin-Etsu Siliconesにより販売されているKF-6011(CTFA名はPEG-11メチルエーテルジメチコン);Shin-Etsu Siliconesにより販売されているKF-6012(CTFA名はPEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン);またはShin-Etsu Siliconesにより販売されているKF-6013(CTFA名はPEG-9ジメチコン);またはShin-Etsu Siliconesにより販売されているKF-6015(CTFA名はPEG-3ジメチコン);またはShin-Etsu Siliconesにより販売されているKF-6016(CTFA名はPEG-9メチルエーテルジメチコン);またはShin-Etsu Siliconesにより販売されているKF-6017(CTFA名はPEG-10ジメチコン);またはShin-Etsu Siliconesにより販売されているKF-6038(CTFA名はラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)がある。
【0065】
2.有機界面活性剤
(a)有機非イオン性界面活性剤
本組成物は1つ以上の非イオン性有機界面活性剤を含み得る。好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコールとアルキレンオキシド(通常はエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)との反応により形成されるアルコキシル化アルコールまたはエーテルが挙げられる。好ましくは、このアルコールは6〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコールのいずれかである。このような成分の例としては、ステアレス2-100(ステアリルアルコールとエチレンオキシドの反応により形成され、エチレンオキシド単位の数が2〜100である);ベヘネス5-30(ベヘニルアルコールとエチレンオキシドの反応により形成され、繰り返しエチレンオキシド単位の数が5〜30である);セテアレス2-100(セチルアルコールとステアリルアルコールの混合物とエチレンオキシドの反応により形成され、分子中の繰り返しエチレンオキシド単位の数が2〜100である);セテス1-45(セチルアルコールとエチレンオキシドの反応により形成され、繰り返しエチレンオキシド単位の数が1〜45である)などが挙げられる。
【0066】
他のアルコキシル化アルコールは、脂肪酸およびモノ−、ジ−または多価アルコールとアルキレンオキシドとの反応により形成される。例えば、C6-30脂肪カルボン酸および多価アルコール(グルコース、ガラクトースおよびメチルグルコースなどの単糖である)と、アルコキシル化アルコールとの反応生成物。例としては、オレイン酸PEGグリセリル、ステアリン酸PEGグリセリルなどのグリセリル脂肪酸エステル;または繰り返しエチレングリコール単位の数が3〜1000であるジポリヒドロキシステアリン酸PEGなどのPEGポリヒドロキシアルカノートと反応させたポリマーアルキレングリコールが挙げられる。
【0067】
また、非イオン性界面活性剤として、カルボン酸と、アルキレンオキシドまたはポリマーエーテルとの反応により形成されるものも好適である。結果として得られる生成物は、RCOがカルボン酸エステル基であり、Xが水素または低級アルキルであり、nが重合アルコキシ基の数である一般式を有する。ジエステルの場合には、2つのRCO基は同一である必要はない。好ましくは、RはC6-30直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和のアルキルであり、nは1〜100である。
【0068】
モノマー性、ホモポリマー性またはブロックコポリマー性エーテルも非イオン性界面活性剤として好適である。典型的には、このようなエーテルはモノマーアルキレンオキシド、一般にはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの重合によって形成される。このようなポリマーエーテルは、RがHまたは低級アルキルであり、nが繰り返しモノマー単位の数で、1〜500である一般式を有する。
【0069】
他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化ソルビタンおよびアルコキシル化ソルビタン誘導体が挙げられる。例えば、ソルビタンのアルコキシル化、特にエトキシル化により、ポリアルコキシル化ソルビタン誘導体が得られる。ポリアルコキシル化ソルビタンのエステル化では、ポリソルベートなどのソルビタンエステルが得られる。例えば、ポリアルコキシル化ソルビタンを、C6-30、好ましくはC12-22脂肪酸でエステル化することができる。このような成分の例としては、ポリソルベート20-85、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタンおよびステアリン酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0070】
ある種の両性、双性イオン性または陽イオン性界面活性剤も本組成物で使用可能である。このような界面活性剤の説明は、米国特許第5,843,193号(参照によりそのまま本明細書に組み入れられる)に示されている。
【0071】
C. 保湿剤
また、本組成物に1以上の保湿剤を含むことが望ましい場合がある。本組成物に含まれる場合、このような保湿剤は全組成物の約0.001〜25%、好ましくは約0.005〜20%、より好ましくは約0.1〜15重量%の範囲であり得る。好適な保湿剤の例としては、モノマー型、または例えばPEG 4-200(4〜200個の繰り返しエチレンオキシド単位を有するポリエチレングリコール)などのポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのようなポリマー型のグリコール;ならびにC1-6アルキレングリコール、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、エチルへキシルグリセリン、トレハロース、トレハロース二水和物などが挙げられる。好ましくは、本発明の組成物で用いられる保湿剤は、C1-6、好ましくはC2-4アルキレングリコールであり、最も詳しくはブチレングリコールである。
【0072】
本組成物に、キナーゼ阻害活性を有する植物抽出物に加えて、1つ以上の植物抽出物を含むことが望ましい場合がある。その場合、推奨範囲は全組成物の約0.0001〜10重量%、好ましくは約0.0005〜8重量%、より好ましくは約0.001〜5重量%である。好適な植物抽出物には、花、果実、野菜などの植物(草本、根、花、果実、種子)からの抽出物が含まれ、酵母発酵抽出物、パディカ・パボニカ(padica pavonica)抽出物、サーマス・サーモフィルス(thermus thermophilis)発酵抽出物、カメリナ・サティバ(camelina sativa)種実油、ボスウェリア・セラータ(boswellia serrata)抽出物、オリーブ抽出物、シロイヌナズナ抽出物、フサアカシア(acacia dealbata)抽出物、アーケル・サッカリナム(acer saccharinum)(サトウカエデ)、アシドフォルス(acidopholus)、ショウブ属(acorus)、トチノキ属(aesculus)、アガリクス(agaricus)、リューゼツラン(agave)、アグリモニア(agrimonia)、藻類(algae)、アロエ、柑橘類、アブラナ属(brassica)、シナモン、オレンジ、リンゴ、ブルーベリー、クランベリー、モモ、セイヨウナシ、レモン、ライム、エンドウ、海草、カフェイン、緑茶、カモミール、柳の樹皮、クワの実、ローズマリー、ケシなどが挙げられる。さらなる具体例としては、限定するものではないが、カンゾウ(Glycyrrhiza Glabra)、ブラックウィロー(Salix Nigra)、マクロシクスティス・ピリフェラ(Macrocycstis Pyrifera)、リンゴ(Pyrus Malus)、ユキノシタ(Saxifraga Sarmentosa)、ブドウ(Vilis Vinifera)、クロミクワ(Morus Nigra)、コガネバナ(Scutellaria Baicalensis)、ローマカミツレ(Anthemis Nobilis)、クラリセージ(Salvia Sclarea)、レモン(Citrus Medica Limonum)、オタネニンジン(Panax Ginseng)およびそれらの混合物が挙げられる。
【0073】
D.粒子材料
本発明の組成物は、色素、不活性粒子またはそれらの混合物の形で粒子材料を含み得る。これらが本組成物に含まれる場合、推奨範囲は全組成物の約0.1〜75重量%、好ましくは約0.5〜70重量%、さらに好ましくは約0.1〜65重量%である。本組成物が色素と粉末との混合物を含み得る場合には、好適な範囲として、約0.01〜75%の色素と0.1〜75%の粉末が挙げられる(全組成物の重量に対する重量)。
【0074】
1. 粉末
この粒子物質は有色であってもよく、または無色(例えば、白色)の非色素性粉末であってもよい。好適な非色素性粉末としては、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン(titanated mica)、発煙シリカ、球状シリカ、ポリメチルメタクリレート、微粉化テフロン、窒化ホウ素、アクリレートコポリマー、ケイ酸アルミニウム、アルミニウム澱粉オクテニルスクシネート、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、セルロース、チョーク、コーンスターチ、珪藻土、フラー土、グリセリルデンプン、ヘクトライト、水和シリカ、カオリン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、三ケイ酸マグネシウム、マルトデキストリン、モントモリロナイト、微晶質セルロース、米デンプン、シリカ、タルク、雲母、二酸化チタン、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ロジン酸亜鉛、アルミナ、アタパルジャイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、デキストラン、カオリン、ナイロン、シリル化シリカ、シルク粉末、絹雲母、きな粉、酸化錫、水酸化チタン、リン酸三マグネシウム、クルミ殻粉末またはそれらの混合物が挙げられる。上記の粉末はレシチン、アミノ酸、鉱物油、シリコーンまたは様々な他の物質を単独で、または組み合わせて表面処理を施してもよく、これにより粉末表面がコーティングされ、粒子が本質的により親油性となる。
【0075】
2.色素
粒子材料は様々な有機および/または無機色素を含み得る。有機色素は一般に様々な芳香族種であり、例えば、D&CおよびFD&Cブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、レッド、イエローなどと表されるアゾ、インジゴイド、トリフェニルメタン、アントロキノンおよびキサンチン色素が挙げられる。有機色素は一般に、レーキと呼ばれる認証された着色添加物の不溶性金属塩からなる。無機色素としては、酸化鉄、ウルトラマリン、クロム、水酸化クロム色およびそれらの混合物が挙げられる。赤、青、黄、茶、黒の酸化鉄およびそれらの混合物が好適である。
【0076】
E.ビタミンおよび抗酸化剤
本発明の組成物はビタミンおよび/または補酵素、ならびに抗酸化剤を含み得る。この場合、全組成物の0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜8重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%が推奨される。好適なビタミンとしては、アスコルビン酸およびその誘導体、ビタミンB(チアミン、リボフラビン、ピリドキシンおよびパンテノールなど)、ならびに補酵素(ピロリン酸チアミン、フラビンアデニンジヌクレオチド、葉酸、リン酸ピリドキサールおよびテトラヒドロ葉酸など)が挙げられる。また、ビタミンAおよびその誘導体も好適である。例としては、ビタミンAパルミテート、アセテートまたはその他のそのエステル、ならびにβカロテンの形のビタミンAがある。また、ビタミンEおよびその誘導体、例えば、ビタミンEアセテート、ニコチネートまたはその他のそのエステルも好適である。さらに、ビタミンDおよびKも好適である。
【0077】
好適な抗酸化剤は損傷の予防または遅延を助ける成分である。本発明の組成物で用いるのに好適な抗酸化剤の例としては、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ナトリウムエリソルベート、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸プロピル、塩酸システイン、ブチル化ヒドロキシトルエンおよびブチル化ヒドロキシアニソールなどがある。
【0078】
F. ワックス
本組成物は、合成ポリマー増粘剤に加えて、ワックスも含み得る。このようなワックスは、合成、天然、またはシリコーン系であってよい。本組成物に含まれる場合、このワックスは、全組成物の約0.001〜70重量%、好ましくは約0.005〜65重量%、さらに好ましくは約0.01〜50重量%であり得る。好適なワックスとしては、約60〜150℃、さらに好ましくは約65〜100℃の融点を有するワックスが挙げられる。このようなワックスの例としては、フィッシャー・トロプシュ(Fischer-Tropsch)合成により製造されるワックス、例えばポリエチレンワックスもしくは合成ワックス;または様々な植物ワックス、例えばヤマモモ、カンデリラ、オゾケライト、アカシア、蜜蝋、セレシン、セチルエステル、花蝋、柑橘ワックス、カルナウバワックス、ホホバワックス、和蝋、ポリエチレン、微結晶、米ぬか、ラノリンワックス、ミンク、モンタン、ヤマモモ、オウリキュリー、オゾケライト、パーム核ワックス、パラフィン、アボカドワックス、リンゴワックス、シェラックワックス、サルビアワックス、オオムギ麦芽外殻ワックス、ブドウワックス、およびこれらのポリアルキレングリコール誘導体(例えばPEG6-20蜜蝋、もしくはPEG-12カルナウバワックス);または脂肪酸もしくは脂肪アルコールおよびこれらのエステル、例えばヒドロキシステアリン酸(例えば12-ヒドロキシステアリン酸)、トリステアリン、トリベヘニン、オレイン酸、ステアリン酸などが挙げられる。好適なシリコーンワックスとしては、ステアリルジメチコン、ベヘニルジメチコンなどの長鎖アルキルジメチコンが挙げられる。
【0079】
G. 日焼け止め剤
本発明の組成物は、UVAまたはUVB吸収剤であり得る化学的日焼け止め剤も含むことができる。
【0080】
(1) UVA化学的日焼け止め剤
所望により、本組成物は1つ以上のUVA日焼け止め剤を含み得る。「UVA日焼け止め剤」という用語は、約320〜400nmの波長範囲のUV線を遮断する化学化合物を意味する。好ましいUVA日焼け止め剤は、一般式:
【化6】

[式中、R1はH、ORおよびNRRであり、ここで、各Rは独立にH、C1-20直鎖または分枝鎖アルキルであり;R2はHまたはOHであり;R3はH、C1-20直鎖または分枝鎖アルキルである。]
を有するジベンゾイルメタン化合物である。
【0081】
R1がORであり、ここでRがC1-20直鎖または分枝アルキル、好ましくはメチルであり;R2がHであり;またR3がC1-20直鎖または分枝鎖アルキル、より好ましくはブチルである場合が好ましい。
【0082】
この一般式の好適なUVA日焼け止め化合物の例としては、4-メチルジベンゾイルメタン、2-メチルジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチルジベンゾイルメタン、2,4-ジメチルジベンゾイルメタン、2,5-ジメチルジベンゾイルメタン、4,4’ジイソプロピルベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、4,4’-ジイソプロピルベンゾイルメタン、2-メチル-5-イソプロピル-4’-メトキシジベンゾイルメタンおよび2-メチル-5-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンなどが挙げられる。アボベンゾンとも呼ばれる4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンが特に好ましい。アボベンゾンはGivaudan-Roureから商標名Parsol 1789として、また、Merck & Co.から商標名Eusolex 9020として市販されている。
【0083】
他の種類のUVA日焼け止め剤としては、式:
【化7】

を有するテレフタリリデンジカンフルスルホン酸である、商標名MexorylTMとして販売されている日焼け止め剤のエカムスルなどのジカンフルスルホン酸誘導体が挙げられる。
【0084】
本組成物は約0.001〜20重量%、好ましくは0.005〜5重量%、さらに好ましくは約0.005〜3重量%のUVA日焼け止め組成物を含み得る。
【0085】
(2) UVB化学的日焼け止め剤
「UVB日焼け止め剤」という用語は、約290〜320nmの波長範囲のUV線を遮断する化合物を意味する。米国特許第3,215,724号(参照によりそのまま本明細書に組み入れられる)に示されているようなα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリル酸エステルなどの様々なUVB化学的日焼け止め剤が存在する。α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリル酸エステルの1つの特定の例が、2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレートであるオクトクリレンである。特定の場合、本組成物は全組成物の約110重量%以下のオクトクリレンを含み得る。好適な量は約0.001〜10重量%である。オクトクリレンはBASFから商標名Uvinul N-539として購入することができる。
【0086】
他の好適な日焼け止め剤としては、米国特許第3,781,417号(参照によりそのまま本明細書に組み入れられる)に示されているようなベンジリデンカンファー誘導体が挙げられる。このようなベンジリデンカンファー誘導体は、一般式:
【化8】

[式中、Rはp-トリルまたはスチリル、好ましくはスチリルである。]
を有する。Merckにより商標名Eusolex 6300として販売されている脂溶性UVB日焼け止め化合物である4-メチルベンジリデンカンファーが特に好ましい。
【0087】
また、一般式:
【化9】

[式中、RおよびR1はそれぞれ独立にC1-20直鎖または分枝鎖アルキルである。]
を有する桂皮酸誘導体も好適である。Rがメチルであり、R1が分枝鎖C1-10、好ましくはC8アルキルである場合が好ましい。好ましい化合物は、オクトキシネートまたはオクチルメトキシケイ皮酸エステルとも呼ばれるエチルヘキシルメトキシケイ皮酸エステルである。この化合物はGivaudan Corporationから商標名Parsol MCXとして、またはBASFから商標名Uvinul MC80として購入することができる。また、ジエタノールアミンメトキシケイ皮酸エステルをはじめとするこのようなメトキシケイ皮酸エステルのモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン誘導体も好適である。上記の化合物の芳香族エーテル誘導体であるシノキサートも許容される。本組成物に含まれる場合、組成物中に見られるシノキサートは全組成物の約3重量%以下でなければならない。
【0088】
また、UVB日焼け止め剤として、一般式:
【化10】

[式中、R〜R9は、それぞれ独立にH、OH、NaO3S、SO3H、SO3Na、Cl、R''、OR''であり、R''はC1-20直鎖または分枝鎖アルキルである。]
を有する様々なベンゾフェノン誘導体も好適である。このような化合物の例としては、ベンゾフェノン1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11および12が挙げられる。ベンゾフェノン誘導体がベンゾフェノン3(オキシベンゾンとも呼ばれる)、ベンゾフェノン4(スリソベンゾンとも呼ばれる)およびベンゾフェノン5(スリソベンゾンナトリウムとも呼ばれる)などである場合が特に好ましい。ベンゾフェノン3が最も好ましい。
【0089】
また、一般式:
【化11】

[式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立にH、OH、NH2またはC1-20直鎖もしくは分枝鎖アルキルである、]
を有するある種のサリチル酸メンチル誘導体も好適である。R1、R2およびR3がメチルであり、R4がヒドロキシルまたはNH2である場合(この化合物の名称はサリチル酸ホモメンチル(ホモサラートとしても知られる)またはアントラニル酸メンチルである)が特に好ましい。ホモサラートはMerckから商標名Eusolex HMSとして市販され、アントラニル酸メンチルはHaarmann & Reimerから商標名Heliopanとして市販されている。本組成物に含まれる場合、組成物中に見られるホモサラートは全組成物の約15重量%以下でなければならない。
【0090】
様々なアミノ安息香酸誘導体は好適なUVB吸収剤であり、例えば、一般式:
【化12】

[式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立にH、C1-20直鎖または分枝鎖アルキル(1つ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよい)である。]
を有するアミノ安息香酸誘導体が挙げられる。R1がHまたはC1-8直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、R2およびR3がHまたはC1-8直鎖もしくは分枝鎖アルキルである場合が特に好ましい。PABA、エチルヘキシルジメチルPABA(パディメートO)およびエチルジヒドロキシプロピルPABAなどが特に好ましい。本組成物に含まれる場合、組成物中に見られるパディメートOは全組成物の約8重量%以下でなければならない。
【0091】
サリチル酸エステル誘導体も許容されるUVB吸収剤である。このような化合物は、Rが直鎖または分枝鎖アルキルである一般式を有し、モノ−、ジ−またはトリエタノールアミンから形成される、上記の化合物の誘導体を含む。サリチル酸オクチル、サリチル酸TEA、サリチル酸DEAおよびそれらの混合物が特に好ましい。
【0092】
一般に、UVB化学的日焼け止め剤の量は、全組成物の約0.001〜45重量%、好ましくは0.005〜40重量%、さらに好ましくは約0.01〜35重量%の範囲であり得る。
【0093】
所望により、本発明の組成物は、約1〜70、好ましくは約2〜65、最も好ましくは約5〜55の特定のSPF(日光防御指数)値を有するように製剤化することができる。SPF値の算出は当技術分野で周知である。
【0094】
本発明は、本発明の組成物で皮膚を処置することによって皮膚を美白する方法も含む。「皮膚を美白する」という用語は、チロシナーゼの生成を阻害することにより、または皮膚内のメラニン形成の原因となる他の経路を遮断することによって、皮膚におけるメラニン生成を抑制することを意味する。皮膚の美白においては、本発明の組成物を、1日に1回、2回またはそれ以上、好ましくは朝および夜に、デイクリームもしくはナイトクリーム、または顔用の化粧水もしくは美容液の形で皮膚に適用し得る。本組成物は、所望の結果が得られるまで数日にわたって適用される。
【0095】
本発明はまた、本発明の組成物を適用することによって、皮膚を改善するために処置する方法も含む。「皮膚を改善するために処置する」という用語は、乾燥皮膚、皮膚の弛緩、細かい線および皺、赤み、炎症、にきび、または類似の症状などの様々な美容症状を処置することを意味する。この場合、本組成物は、皮膚クリームまたはローション、美容液、化粧水などの形で1日に1回〜4回適用し得る。
【0096】
本発明はまた、本発明の組成物を1日1回以上適用することによって、まだらな皮膚の色素沈着、斑点形成、シミ、または酒さ、過剰角質化、湿疹等の皮膚症状を治療する方法も含む。本組成物は、皮膚クリーム、ローション、化粧水、収斂剤、美容液、洗顔料、またはファンデーション、頬紅などのような着色化粧品の形で適用し得る。
【0097】
本発明を、例示の目的のためにのみ、下記の実施例に関連してさらに説明する。
【実施例】
【0098】
実施例1
トラメテス・ベルシコロル抽出物を、皮膚の美白効果について、様々な他の抽出物と比較した。下記の試験組成物を調製した。
【表1】

【0099】
地域住民から、9人の女性のボランティア(18〜45才で、皮膚タイプI〜II(Fitzpatrick, 1986))を採用した。パネリストは、研究中または開始の2週間前に、健康で、急性または慢性疾患;日焼け、発疹、引っ掻き傷、火傷などの皮膚症状の形跡が見られず;あるいは全身もしくは局所レチノイド、抗ヒスタミン剤または類似の薬剤の非使用者でなければならなかった。パネリストの背中の、試験物質に対応する約4cm2の目立つ場所に印をつけ、未処置のコントロールとしてさらに1つ印をつけた。各パネリストは、それぞれの印を付けた部位にMED(最低有効投与)量のUVBを2回受けた。紫外線源は、UVBおよびUVAを透過させるフィルター(mm UG-5)を付けたXenon Arc Solar Simulator(150ワット)であった。照射の直後、試験物質を2mg/cm2の量で各部位に適用し、10分間乾燥させた。製品による処置を1日1回(日曜日を除く)、18日間続けた。試験部位の比色測定は、Minolta Chromameterを用いて、照射後15日間、1日おきに実施した。
【0100】
この結果は以下の棒グラフに図示され、トラメテス・ベルシコロル抽出物を含む本組成物が、水素化デンプン加水分解物と酵母抽出物、グルコースオキシダーゼ酵素、サリチル酸、および標準的な美白成分であるコウジ酸を含む組成物と比較した場合に、皮膚を明色化するのに最も有効であったことを示している。
【0101】

【0102】
実施例2
顔用および体用の皮膚処置用組成物は、以下のとおり調製した。
【表2】





【0103】
本組成物は、成分を組み合わせてよく混合することによって調製した。
【0104】
本発明は、好適な実施形態に関連して記載されているが、本発明の範囲が記載されている特定の形態に限定されることを意図するものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神および範囲に包含され得る代替、改変、および均等物に及ぶことを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのトラメテス属抽出物と、少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む、皮膚処置用局所組成物。
【請求項2】
抽出物が、トラメテス・ベルシコロル(Trametes Versicolor)、トラメテス・プベスセンス(Trametes Pubescens)、トラメテス・ヒルスタ(Trametes Hirsuta)、トラメテス・オクラセア(Trametes Ochracea)、トラメテス・エレガンス(Trametes Elegans)、トラメテス・コリクローサ(Trametes Colliculosa)、トラメテス・ギボサ(Trametes Gibbosa)、トラメテス・パルストリス(Trametes Palustris)、トラメテス・ビローサ(Trametes Villosa)、トラメテス・スアベオレンス(Trametes Suaveolens)、トラメテス・セルビナ(Trametes Cervina)、トラメテス・シングラタ(Trametes Cingulata)、またはそれらの混合物に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
抽出物が、全組成物の約0.00001〜40重量%で含まれる、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が水性である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
増粘合成ポリマーが、全組成物の約0.001〜80重量%の量で含まれる有機ポリマーである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
有機ポリマーが、アクリル酸、メタアクリル酸またはこれらの単純エステルのホモポリマーまたはコポリマーを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
有機ポリマーがアクリルアミドモノマーを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
有機ポリマーが、アクリロイルジメチルタウレートモノマーを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
増粘合成ポリマーが、アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/VPコポリマー;アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/ベヘネス-25メタクリレート架橋ポリマー;アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/ステアレス-8メタクリレートコポリマー;アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー;アクリレートコポリマー;アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、鉱物油、およびラウレス-8の混合物;アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、ポリデセンおよびラウレス-8の混合物;ポリアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム、水素化ポリデセン、およびトリデセス-10の混合物;アクリレートコポリマーおよびステアレス-20の混合物;アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー;ポリアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー;ポリアクリル酸アンモニウム、イソヘキサデカン、およびPEG-40ヒマシ油の混合物;アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、イソヘキサデカン、およびポリソルベート-80の混合物;アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、イソヘキサデカン、およびポリソルベート-80の混合物;アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、ポリイソブテン、およびカプリリル/カプリルグルコシドの混合物;アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、イソヘキサデカン、およびポリソルベート60の混合物;アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、イソヘキサデカン、およびポリソルベート60の混合物;アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、スクアラン、およびポリソルベート-60の混合物;ポリアクリル酸;カルボマー;ポリアクリレート-1架橋ポリマー;アクリレートコポリマー;アクリレート/アクリル酸C10-30アルキル架橋ポリマー;ポリアクリル酸ナトリウム;アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムコポリマー;ポリアクリル酸アンモニウム;またはそれらの混合物から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
さらにエステル、シリコーン、またはトリグリセリドである油を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項11】
油がシリコーンを含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
さらに1つ以上の植物抽出物を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
さらに非イオン性界面活性剤を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項14】
さらに1つ以上の保湿剤を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項15】
エマルションである、請求項3に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1つのトラメテス属抽出物と少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む局所用の化粧用組成物または医薬組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚を美白する方法。
【請求項17】
少なくとも1つのトラメテス属抽出物と少なくとも1つの増粘合成ポリマーとを含む局所用の化粧用組成物または医薬組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚を改善するために処置する、またはまだらな皮膚の色素沈着、皮膚の斑点形成、もしくはシミの悪影響を回復させるために皮膚を処置する方法。
【請求項18】
組成物を、皮膚クリームもしくはローション、化粧水、洗顔料、美容液、または着色化粧用組成物の形態で1日1回以上適用する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
組成物を、皮膚クリームまたはローションの形態で適用する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
トラメテス属が、メラニン生成を阻害することにより皮膚の美白効果を示す、請求項17に記載の方法。

【公表番号】特表2011−507867(P2011−507867A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539578(P2010−539578)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/084373
【国際公開番号】WO2009/085472
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】