説明

トリアゾール抗真菌剤

C6S7またはS6C7橋状結合を有する新しいトリアゾール抗真菌剤を開示する。このようなトリアゾールにより、製剤化、バイオアベイラビリティおよび活性の点に関して、既存の抗真菌薬の代替薬が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗真菌剤に関する。より詳しくは、本発明は新しいトリアゾール化合物に関する。
(関連出願の参照)
【0002】
本出願は、発明の名称が“Novel Triazole Antifungal Agents”(「新規なトリアゾール抗真菌剤」)であり、2008年9月8日に出願された米国特許仮出願第61/191,339号、および発明の名称が“Novel Triazole Antifungal Agents”(「新規なトリアゾール抗真菌剤」)であり、2008年11月20日に出願された米国特許仮出願第61/199,821号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
化学構造1は、抗真菌剤イトラコナゾールの化学構造を示す。また、これは、4−[4−[4−[4−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ]フェニル]ピペラジン−1−イル]フェニル]−2−(1−メチルプロピル)−2,4−ジヒドロ−1,2,4−トリアゾル−3−オンおよび/または4−4−[4−(4−[(3R,5R)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イルメチル)テトラヒドロ−3−フラニル]メトキシフェニル)−ピペラジノ]フェニル−1−[(1S,2S)−1−エチル−2−ヒドロキシプロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾル−5−オン(本明細書におけるIUPAC名はすべて、ChemDraw(登録商標)(バージョンUltra 10,CambridgeSoft,Cambridge,MA,USA)によるものである)の化学名でも知られている。
【化1】

化学構造1:イトラコナゾール
【0004】
米国特許第5,039,676号には、イトラコナゾールのジフルオロフェニルおよびテトラヒドロフラン置換誘導体が開示されている。米国特許第5,403,937号には、4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−sec−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オンのいくつかの誘導体、例えば、ポサコナゾールとして知られる誘導体(これは、(N−)42位にsec−ブチルのヒドロキシヘキサニル置換を有する)が開示されている。
【0005】
すべてのアゾール抗真菌剤の場合と同様、イトラコナゾールおよびポサコナゾールは、主に、シトクロムP450 14a−デメチラーゼ(P45014DM)の阻害によって奏功する。この酵素は、ラノステロールからエルゴステロールに至るステロール生合成経路のものである[Sheehan,D.J.,Hitchcock,C.A.,およびSibley,C.M.,Clin.Microbiol.Rev.1999,12:40−79]。ラノステロール14α−デメチラーゼ(P45014DM、CYP51)は、連続する三つの一原子酸素添加反応によるラノステロールの14−メチル基(C−32)の除去を触媒するシトクロムP450スーパーファミリーの一つである。この反応の最初の二つは、慣用的なシトクロムP450ヒドロキシル化であり、ラノステロールの14−ヒドロキシメチル誘導体および14−カルボキシアルデヒド誘導体が生成される[Trzaskos,J.M.,Fischer,R.T.,Favata,M.F.,J.Biol.Chem.1986,261,16937−16942、Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.,Sato,Y.,J.Biol.Chem.1987,い,1239−1243]。最後の工程では、14−アルデヒド基がギ酸として脱離されると同時に、Δ14,15二重結合が導入される[Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.,Sato,Y.,J.Biol.Chem.1989,264,18502−18505、Fischer,R.T.,Trzaskos,J.M.,Magolda,R.L.,Ko,S.S.,Brosz,C.S.,Larsen,B.,J.Biol.Chem.1991,266,6124−6132、Shyadehi,A.Z.,Lamb,D.C,Kelly,S.L.,Kelly,D.E.,Schunck,W.−H.,Wright,J.N.,Corina,D.,Akhtar,M,J.Biol.Chem.1996,271,12445−12450]。P45014DMは、真菌界、高等植物界および動物界などの種々の界に存在し、同じ代謝的役割を有しており(すなわち、ラノステロール、オブツシホリオール、ジヒドロラノステロール、および28−メチレン−24,25−ジヒドロラノステロールなどのステロール前駆物質の14−メチル基の除去)[Lamb,D.C.,Kelly,D.E.,Kelly,S.L.,FEBS Lett.1998,425,263−265]、また、真核生物に広く分布し、本質的に同じ代謝的役割を有する唯一の既知のP450である[Aoyama,Y.、Noshiro,M.,Gotoh,O.,Imaoka,S.,Funae,Y.,Kurosawa,N.,Horiuchi,T.,Yoshida,Y.,J.Biochem.1996,119,926−933、Yoshida,Y.,Noshiro,M.,Aoyama,Y.,Kawamoto,T.,Horiuchi,T.,Gotoh,O.,J.Biochem.1997,122,1122−1128]。
【0006】
酵母および真菌では、P45014DMは、真菌の生存能の必須要件であるエルゴステロール生合成に参与している[Lamb,D.C.,Kelly,D.E.,Venkateswarlu,K.,Manning,N.J.,Bligh,H.F.,Schunck,W.H.,Kelly,S.L.,Biochemistry 1999,38,8733−8738]。P45014DMのアミノ酸配列は、間接法によって基質特異性に関して、高等植物[Cabello−Hurtado,F.,Taton,M.,Forthoffer,N.,Kahn,R.、Bak,S.,Rahier,A.& Werck−Reichhart,D.,Eur.J.Biochem.1999,262,435−446]、細菌[Bellamine,A.,Mangla,A.T.,Nes,W.D.& Waterman,M.R.,Proc.Natl.Acad.Sci U.S.A.1999,96,8937−8942]、真菌[Lai,M.H.& Kirsh,D.R.,Nucleic Acid Res.1989,17,804、Van Nistelrooy,J.G.M.,van der Brink,J.M.,van Kan,J.A.L.,van Gorcom,R.F.M.& de Waard,M.A.,Mol.Gen.Genet.1996,250,725−733]、および哺乳動物[Nitahara,Y.,Aoyama,Y.,Horiuchi,T.,Noshiro,M.& Yoshida,Y.,J.Biochem.1999,126,927−933、Stromstedt,M.,Rozman,D.& Waterman,M.R.,Arch.Biochem.Biophys.1996,329,73−81]について特性評価されている。構造−機能の解析は厳密に研究されていない。重要な基質および/または阻害薬結合残基(例えば、ヘム結合残基)が示され得る部位特異的変異誘発データは得られていない。また、酸化還元パートナータンパク質との相互作用および/または電子伝達における関与は不明である。
【0007】
アゾール抗真菌薬のファーマコフォアモデルは、最初に、一例としてミコナゾールを用いて提案された[Talele,T.T & Kulkarni V.M.,J.Chem.Inf.Compnt.Sci.1999,39,204−210]。同様のモデルがイトラコナゾールに適用され得、この場合、ファーマコフォアは、ともに1,3−ジオキソランのC5に結合されたトリアゾール環とハロゲン化フェニル環からなる。どちらの場合も、ファーマコフォアは、P45014DMの活性部位内の疎水性空洞と相互作用する。基質のOH基と、P45014DMの主鎖のカルボニル基およびアミノ基ならびに側鎖のヒドロキシル基との間に形成される水素結合は、該基質を活性部位内で正しい方向に向けるために必須であることが示唆されている[Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.,Sato,Y.,Biochim.Biophys.Acta,1989,1006,209−213、Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.,Sato Y.,Biochim.Biophys.Acta,1989,1001,196−200、Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.,Sato Y.,Biochim.Biophys.Acta,1991,1081,262−266、Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.& Sato,Y.,Biochim.Biophys.Acta,1992,1122,251−255]。したがって、このような抗真菌薬におけるヒドロキシル基は、真菌P45014DMタンパク質との相互作用に必須の構造であった。妥当な一般的コンホメーションフレームワークについて、ファーマコフォアの良好な幾何構造的フィットおよび得られた生体活性コンホメーションと該コンホメーションの最小エネルギーとのエネルギー差の値が議論された。
【0008】
P450BM3との相同性に基づいたサッカロマイセス・セレヴィシエのP45014DMの三次元分子モデルを用いた研究が報告された[Lewis,D.F.V.,Wiseman,A & Tarbit,M.H.,J.Enzyme Inhibit.1999,14,175−192]。ケトコナゾールのハロゲン化フェニル環は、該モデルにおいて、ラノステロールの17−アルキル側鎖と同じ疎水性空洞を占めていることが示唆された。S378は、基質の3−ヒドロキシ基と相互作用することが確認され、17−アルキル側鎖は同じ疎水性空洞の深部に存在した。
【0009】
ほとんどのアゾール抗真菌薬は、真菌P45014DMタンパク質の活性部位において同様のドッキング様式を有するハロゲン化フェニル基を含む。阻害薬と相互作用する活性部位残基は、基質と相互作用するものと同じである、すなわち、阻害薬のハロゲン化フェニル基は、基質の17−アルキル鎖と同じ疎水性結合裂溝と相互作用性である。疎水性裂溝は狭いため、フェニル基に隣接する空間は限られている。したがって、塩素原子より大きい嵩高い置換基は、おそらく、有意な立体衝突および低結合親和性をもたらす[Klopman,G.& Ptchelintsev,D.,J.Comput.−Aided Mol.Des.1993,7,349−362、Asai,K.,Tsuchimori,N.,Okonogi,K.,Perfect,J.R.,Gotoh,O.& Yoshida,Y.,Antimicrob.Agents Chemother.1999,43,1163−1169]。
【0010】
イトラコナゾール、ケトコナゾール、プラミコナゾール(臨床開発中)、およびポサコナゾールの側鎖は非常に長く、一方、フルコナゾール、イサブコナゾール(現在、フェーズIII臨床試験中)およびボリコナゾールの側鎖はかなり短いが、これらはすべて高い抗真菌活性を示した。その理由は、これらがすべて同じファーマコフォアを有し、ファーマコフォアの空間的配向が非常に類似しているためである。このような阻害薬の側鎖が抗真菌活性の決定因子でなくても、該側鎖は、一部の不要な副作用を回避するため、および/または薬物動態学的および薬力学的挙動を改善するための分子全体の物理化学的特性の調整に重要な役割を果たす。イトラコナゾール、ケトコナゾール、プラミコナゾール、およびポサコナゾールの側鎖は長すぎて活性部位に適合しない。しかしながら、該阻害薬の長い側鎖は、基質アクセスチャネル内の残基と相互作用する。特に、イトラコナゾールおよびポサコナゾールでは、側鎖の末端アルキル基が基質アクセスチャネルの入口に達し、疎水性残基と相互作用する[Talele,T.T.& Kulkarni V.M.,J.Chem.Inf.Comput.Sci.1999,39,204−210]。
【0011】
また、芳香族環と他のファーマコフォア間の距離と向きは、アゾール抗真菌薬が異なると異なり、化合物の物理化学的特性に影響を及ぼし得る。例えば、ボリコナゾールでは、C2とC3のキラリティーが抗真菌活性に重要である。スキームIIに示す化合物は、その他の立体異性体よりも有意に高い活性を示す。[Tasaka,A.,Kitazaki,T.,Tsuchimori,N.,Matsushita,Y.,Hayashi,R.,Okonogi,K.& Itoh,K.,Chem.Pharm.Bull.1997,45,321−326、Rotstein,D.M.,Kertesz,D.J.,Walker,K.A.M.& Swinney,D.C.,J.Med.Chem.1992,35,2818−2825]。
【化2】

化学構造2:ボリコナゾール
【0012】
ボリコナゾールでは、C3に結合しているメチル基がファーマコフォアとして選択された。C2に結合している酸素原子は、このおよび他のトリアゾールアルコール(フルコナゾールおよびイサブコナゾールなど)に関しては、抗真菌活性に好都合であると示唆されている。このような化合物は、抗真菌性化学療法剤における有望なリード部分の相当部分を構成する。このような薬剤は、一般的に、C2位にヒドロキシ基を有しない第1世代製剤よりも強力であり、耐容性た良好であり、代謝的により安定である[Bartroli,J.,Turmo,E.,Alguero,M.,Boncompte,E.,Vericat,M.L.,Conte,L.,Ramis,J.,Merlos,M.,Garcia−Rafanell,J.& Forn,J.,J.Med.Chem.1998,41,1855−1868]。
【0013】
プラミコナゾールは、イトラコナゾールに構造的に非常に類似した新しく開発された抗真菌薬である。これは、皮膚の皮膚糸状菌および酵母感染の処置に対して高い潜在性を有すると主張されている。しかしながら、プラミコナゾールがその親薬剤(イトラコナゾール)よりも活性であるかどうかはわかっていない。インビトロでの実験結果により、プラミコナゾールの低速の酵素媒介性消失が示されている。また、プラミコナゾールがより強力な活性代謝産物に変換されるかどうかを調べるための健常志願者のヒト血液試料での臨床試験において、経口投与後、血液試料中に活性代謝産物の存在はみられなかった[Ausma J.,Pennick G.,Bohets H.,van de velde V.,Borgers M.& Fothergill A.,Acta dermato−venereologica 2007,87,22−26]。
【0014】
免疫抑制状態のヒト患者に重度の真菌感染が多いこと、および現在使用されている抗真菌剤の制限を考慮すると、新しい改善された処置用薬剤および組成物を開発することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第5,039,676号
【特許文献2】米国特許第5,403,937号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Sheehan,D.J.,Hitchcock,C.A.,およびSibley,C.M.,Clin.Microbiol.Rev.1999,12:40−79
【非特許文献2】Trzaskos,J.M.,Fischer,R.T.,Favata,M.F.,J.Biol.Chem.1986,261,16937−16942
【非特許文献3】Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.,Sato,Y.,J.Biol.Chem.1987,262,1239−1243
【非特許文献4】Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.,Sato,Y.,J.Biol.Chem.1989,264,18502−18505
【非特許文献5】Fischer,R.T.,Trzaskos,J.M.,Magolda,R.L.,Ko,S.S.,Brosz,C.S.,Larsen,B.,J.Biol.Chem.1991,266,6124−6132
【非特許文献6】Shyadehi,A.Z.,Lamb,D.C,Kelly,S.L.,Kelly,D.E.,Schunck,W.−H.,Wright,J.N.,Corina,D.,Akhtar,M,J.Biol.Chem.1996,271,12445−12450
【非特許文献7】Lamb,D.C.,Kelly,D.E.,Kelly,S.L.,FEBS Lett.1998,425,263−265
【非特許文献8】Aoyama,Y.、Noshiro,M.,Gotoh,O.,Imaoka,S.,Funae,Y.,Kurosawa,N.,Horiuchi,T.,Yoshida,Y.,J.Biochem.1996,119,926−933
【非特許文献9】Yoshida,Y.,Noshiro,M.,Aoyama,Y.,Kawamoto,T.,Horiuchi,T.,Gotoh,O.,J.Biochem.1997,122,1122−1128
【非特許文献10】Lamb,D.C.,Kelly,D.E.,Venkateswarlu,K.,Manning,N.J.,Bligh,H.F.,Schunck,W.H.,Kelly,S.L.,Biochemistry 1999,38,8733−8738
【非特許文献11】Cabello−Hurtado,F.,Taton,M.,Forthoffer,N.,Kahn,R.、Bak,S.,Rahier,A.& Werck−Reichhart,D.,Eur.J.Biochem.1999,262,435−446
【非特許文献12】Bellamine,A.,Mangla,A.T.,Nes,W.D.& Waterman,M.R.,Proc.Natl.Acad.Sci U.S.A.1999,96,8937−8942
【非特許文献13】Lai,M.H.& Kirsh,D.R.,Nucleic Acid Res.1989,17,804
【非特許文献14】Van Nistelrooy,J.G.M.,van der Brink,J.M.,van Kan,J.A.L.,van Gorcom,R.F.M.& de Waard,M.A.,Mol.Gen.Genet.1996,250,725−733
【非特許文献15】Nitahara,Y.,Aoyama,Y.,Horiuchi,T.,Noshiro,M.& Yoshida,Y.,J.Biochem.1999,126,927−933
【非特許文献16】Stromstedt,M.,Rozman,D.& Waterman,M.R.,Arch.Biochem.Biophys.1996,329,73−81
【非特許文献17】Talele,T.T & Kulkarni V.M.,J.Chem.Inf.Compnt.Sci.1999,39,204−210
【非特許文献18】Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.,Sato,Y.,Biochim.Biophys.Acta,1989,1006,209−213
【非特許文献19】Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.,Sato Y.,Biochim.Biophys.Acta,1989,1001,196−200
【非特許文献20】Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.,Sato Y.,Biochim.Biophys.Acta,1991,1081,262−266
【非特許文献21】Aoyama,Y.,Yoshida,Y.,Sonoda,Y.& Sato,Y.,Biochim.Biophys.Acta,1992,1122,251−255
【非特許文献22】Lewis,D.F.V.,Wiseman,A & Tarbit,M.H.,J.Enzyme Inhibit.1999,14,175−192
【非特許文献23】Klopman,G.& Ptchelintsev,D.,J.Comput.−Aided Mol.Des.1993,7,349−362
【非特許文献24】Asai,K.,Tsuchimori,N.,Okonogi,K.,Perfect,J.R.,Gotoh,O.& Yoshida,Y.,Antimicrob.Agents Chemother.1999,43,1163−1169
【非特許文献25】Talele,T.T.& Kulkarni V.M.,J.Chem.Inf.Comput.Sci.1999,39,204−210
【非特許文献26】Tasaka,A.,Kitazaki,T.,Tsuchimori,N.,Matsushita,Y.,Hayashi,R.,Okonogi,K.& Itoh,K.,Chem.Pharm.Bull.1997,45,321−326
【非特許文献27】Rotstein,D.M.,Kertesz,D.J.,Walker,K.A.M.& Swinney,D.C.,J.Med.Chem.1992,35,2818−2825
【非特許文献28】Bartroli,J.,Turmo,E.,Alguero,M.,Boncompte,E.,Vericat,M.L.,Conte,L.,Ramis,J.,Merlos,M.,Garcia−Rafanell,J.& Forn,J.,J.Med.Chem.1998,41,1855−1868
【非特許文献29】Ausma J.,Pennick G.,Bohets H.,van de velde V.,Borgers M.& Fothergill A.,Acta dermato−venereologica 2007,87,22−26
【発明の概要】
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
【課題を解決するための手段】
【0019】
C6S7またはS6C7橋状結合を有する新しいトリアゾール抗真菌剤を開示する。このようなトリアゾールにより、製剤化、バイオアベイラビリティおよび活性の点に関して、既存の抗真菌薬の代替薬が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、詳細説明とともに本発明の一つ以上の実施形態を例示し、本発明の原理および実施の説明を補助するものである。
【図1】図1は、静脈内投与後のポサコナゾールおよびエクアコナゾール製剤の薬物動態学的プロフィールを示す。
【図2】図2は、経口投与後のポサコナゾールおよびエクアコナゾール製剤の薬物動態学的プロフィールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
本明細書において、新規なトリアゾール抗真菌剤に関連する本発明の実施形態を記載する。当業者には、以下の本発明の詳細な説明が単なる例示であり、なんら限定を意図しないことが認識されよう。次に、本発明の実施について詳細に記載する。
【0022】
イトラコナゾールと比較すると、ポサコナゾールは、特にアスペルギルス属において、ステロールのC14脱メチル化の有意により強力な阻害薬であると言われている[Munayyer,H.,K.J.Shaw,R.S.Hare,B.Salisbury,L.Heimark,B.Pramanik,& J.R.Greene.1996.“SCH 56592 is a potent inhibitor of sterol C14 demethylation in fungi.” 第36回抗菌剤と化学療法に関する学際学会]。フッ素置換基は塩素よりも嵩高さが小さく、立体障害が少なく、結合親和性が高く、ファーマコフォアと側鎖間の1,3−ジオキソラン連結部は、おそらく、分子内のテトラヒドロフランよりも、P45014DMの活性部位との相互作用に好都合である。C6−O7橋状結合は両分子において同じである。
【0023】
本発明は、新しい抗真菌薬の設計において真菌のP45014DMに対する選択性を改善するために考慮されるべき、このような薬剤の幾何構造的に好都合な物理化学的特性を伴う拡張型ファーマコフォアを作製するためのC6位とO7位の改変を含む。特に、S6−C7およびC6−S7橋状結合を使用する。イオウと炭素の電気陰性度の差は非常に小さいため、S−C結合はC−O結合よりも極性が低く、水素結合を形成しない。したがって、抗真菌剤のファーマコフォアとP45014DMの活性部位間の疎水性相互作用を妨害しない。
【0024】
本発明は、拡張型ファーマコフォアを有し、抗真菌活性の物理化学的特性が改善され、かつヒトおよび動物の真菌感染の医療処置に有用な新規なトリアゾール誘導体に関し、本明細書では、これをエクアコナゾールと称することがあり得る。本発明は、一般構造:
【化3】

化学構造3:エクアコナゾール
(式中、Aは、CHまたはオキシルであり、BまたはCのいずれか一方はCHであり、他方はチオール(イオウ)であり、具体的なR基は表1に示したものである)
を有するいくつかの誘導体を含む。
【0025】
【表1】

【0026】
表1において、「S」は、キラル中心の好ましいコンホメーションを示すが、本発明は、別のコンホメーションも含む。
【0027】
R基は、エクアコナゾールの製剤化、バイオアベイラビリティ、および活性に影響を及ぼし得る。実施例41において後述する抗真菌活性試験に基づくと、表1に示したもののうち、特に好ましいR基はsec−ブチルおよび/または3−イソペンタン−2−オールである。具体的に開示したR基で最も好ましいのはsec−ブチルである。本発明の化合物は、具体的に開示していない他のR基を含むことを意図する。一般的に、このような他のR基は、炭素、酸素、窒素および水素で構成されたものである。その分子量は、好ましくは約58から200、より好ましくは約58から102である。
【0028】
エクアコナゾールは、本明細書に記載のようにして合成した。試験により、これは有意な抗真菌活性を有し、一部の場合では、市販の薬剤の活性を上回ることが示された。
【0029】
エクアコナゾールのS6−C7およびC6−S7橋状結合の化学合成を説明するには、化学反応スキーム1を使用することが有用であるが、該橋状結合の形成は、本明細書において使用する合成方法の最終反応工程ではない。実施例では、化合物Aの四つの具体的な変種型は、化学反応スキーム1の橋状結合形成反応前に完全に合成されるが、化合物Bの変種型の多くは、橋状結合が形成された後まで完全に合成されない。実施例8〜11に、二つの具体的な型の橋状結合の合成を詳細に記載する。これらの各実施例では、化合物Bの前駆物質を化合物Aと反応させて橋状結合を形成する。R基を含むエクアコナゾール分子の末端は、橋状結合が形成された後にのみ完結する。やはり、化学反応スキーム1は、本発明に包含されるエクアコナゾールのバリエーションを概念的に説明するのに有用なツールである。
【化4】

【0030】
【表2】

【0031】
中間化合物Aは、択一的に、テトラヒドロフラン(T)環またはジオキソラン(D)環のいずれかを含むものであり得る。式中のXが−SHである化合物Aのジオキソラン型の合成は、本明細書の実施例1および2に記載している。式中のXが−OHである化合物Aのテトラヒドロフラン型の前駆物質の合成は、実施例3〜5に記載している。実施例7に記載の−SHへの−OHの変換により、式中のXが−SHである化合物Aのテトラヒドロフラン型の合成が完結する。式中のXがCHOHである化合物A(ジオキソラン型またはテトラヒドロフラン型ともに)の前駆物質は市販されている(Fulcrum Scientific,England,UKおよびChemPacific Corporation,Baltimore,MD)。実施例7に記載の−SHへの−OHの変換により、このような変種型の合成が完結する。あるいはまた、変種型を実施例1〜5に記載のようにして調製し、次いで−OHを−CHSHに変換してもよい。
【0032】
実施例8〜11に、各々、四つの変種型の化合物Aのうちの一つから出発し、橋状結合が形成された四つの中間体の合成を記載している。実施例12には、この四つの各中間体の化合物B部分へのトリアゾロン環の付加を記載している。本明細書に具体的に開示したエクアコナゾールの28種の各変種型の合成の最終工程(R基の付加を含む)を実施例13〜40に記載している。
【0033】
エクアコナゾールの四つの主な変種型を以下に示す。これらの変種型は、合成を実施例8〜11に記載した四つの中間体に対応する。構造4〜7の式の表示において、ローマ数字は、表2に基づいた橋状結合構造を示す。「I」は化合物がC6−S7橋状結合を含むことを示し、「II」は化合物がS6−C7橋状結合を含むことを示す。「D」は化合物がジオキソラン環を含むことを示し、「T」は化合物がテトラヒドロフラン環を含むことを示す。「R」は、現時点でまだ特定されていないR基を示す。
【化5】

化学構造4:エクアコナゾール 式I(D)−R
【化6】

化学構造5:エクアコナゾール 式II(D)−R
【化7】

化学構造6:エクアコナゾール 式I(T)−R
【化8】

化学構造7:エクアコナゾール 式II(T)−R
【0034】
エクアコナゾールを調製するために使用される出発物質化合物は市販されている。一部の合成工程では、慣用的なプロセスまたは公開された方法(米国特許第4,916,134号、同第5,039,676号および同第5,116,844(これらは引用により本明細書に組み込まれる)に記載のもの)を使用した。もちろん、本明細書に記載の新規な化合物を創出するために修正が必要であった。
【0035】
一般的には、化合物Aの中間体物質(I−D)の合成は、2,4−ジ−ジフルオロアセトフェノンと2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールから出発した。反応は、ベンゼン−1−ブタノール媒体中で、触媒量のp−トルエンスルホン酸の存在下での水の共沸除去を伴って行なった。単離せずに、形成されたケタールを30℃で臭素化し、ブロモケタールとした。ピリジン中でのブロモケタールのベンゾイル化により、エステルをシス/トランス混合物として得、シス形態は該混合物から、EtOHからの結晶化によって単離され得る。純粋なトランス異性体は、反応体液の液体クロマトグラフィーによって得られ得る。乾燥DMA中でのブロモケタールとトリアゾールとのカップリングにより、2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルベンゾエートを得た。このエステルをNaOH含有ジオキサン−水媒体とともに還流することにより、式中のXが−OHである化合物Aの前駆物質にケン化した。この前駆物質をさらに変換して、式中のXが−Sまたは−CHSのいずれかである化合物を形成してもよい。
【0036】
表2に示した反応性基XとYを用いた橋状結合形成を記載しているが、他の合成方法も可能である。例えば、式Iの化合物における橋状結合は、式中のXが−CHBrであり、Yが−SHである反応によって構築され得る。同様に、式IIの化合物における橋状結合は、式中のXが−Brであり、Yが−CHSHである反応によって構築され得る。
【0037】
本発明の新規なトリアゾール抗真菌剤は、哺乳動物の真菌感染の処置に有用である。処置または予防対象の感染に応じて、該抗真菌剤は、経口液剤、経口カプセル剤、局所または静脈内(IV)投与によって投与され得る。
【0038】
本発明の抗真菌剤は、典型的には、当該技術分野で知られた1種類以上の薬学的に許容され得る担体を用いて製剤化される。好ましい様式では、該薬剤はリポソームに製剤化される。該薬剤を、米国特許第6,958,160号(これは引用により本明細書に組み込まれる)に記載の自発形成性リポソームとして製剤化してもよい。該‘160号特許に記載のオキシル結合に加え、DAG−PEG脂質は、グリセロール主鎖とPEG鎖間に、表3に示すようなさまざまな化学結合を有するものであり得る。好ましいジアシルグリセロール−ポリエチレングリコール(DAG−PEG)脂質としては、PEG−12−N−GDO、PEG−12−N−GDM、PEG−12−N−GDLO、PEG−12−N−GDP、PEG−12−Ac−GDO、PEG−12−Ac−GDMまたはその任意の組合せが挙げられる。GDOはジオレイン酸グリセロールを意味し、GDMはジミリスチン酸グリセロールを意味し、GDLOはジリノール酸グリセロールを意味し、GDLはジラウリン酸グリセロールを意味し、GDPはジパルミチン酸グリセロールを意味する。PEGの後の数値は、PEG鎖内のサブユニットの数を意味する。例えば、PEG−12は、12個のサブユニットを有するPEG鎖をいう。PEG−12−N−GDOのNなどの記載は、PEG鎖をグリセロール主鎖に連結する表3のリンカーをいう。自発形成性リポソームとしての該薬剤の製剤化により、投与がIV経路による場合でのバイオアベイラビリティの増大がもたらされる。
【0039】
表3:リンカー
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【表3−4】

【0040】
化学構造3に示すエクアコナゾールのR基がヒドロキシル基を含む場合(Rが、3−イソブタン−2−オールまたは3−イソペンタン−2−オールである場合など)、本明細書に記載の基本的発明から逸脱することなく、該ヒドロキシル基をエステル、エーテル、または生体分解性の塩に変換することが可能である。かかる場合において、該誘導体は、投与後にヒドロキシル形態に生体変換され得るものである。
【0041】
本発明の目的は、哺乳動物の真菌感染の有効な予防および処置のための新しい薬剤を提供することである。本発明のさらなる目的は、かかる予防および処置のための医薬用製剤を提供することである。本発明のさらなる目的は、哺乳動物の真菌感染の処置方法を提供することである。
【0042】
一態様において、本発明は、化学構造3に示す式で表わされる化合物であって、式中、Aは、CHまたはオキシルであり、BとCの一方はチオールであり、他方はCHであり、Rは、sec−ブチル、イソペンタニル、イソプロピル、2−イソプロプリオノ−1−ニトリル、3−イソブタン−2−オール、3−イソペンタン−2−オール、および2−イソブト−1−エンからなる群より選択される化合物を含む。また、本発明は、このような化合物のエステルも含み、このとき、Rは、3−イソブタン−2−オール、3−イソペンタン−2−オールからなる群より選択される。かかるエステルはインビボでOHに変換可能なものであり、それにより元の化合物が形成される。また、本発明は、該化合物の薬学的に許容され得る塩も含み、このとき、Rは、3−イソブタン−2−オールまたは3−イソペンタン−2−オールのいずれかである。エステルの場合と同様、かかる塩はインビボでOHに変換可能なものである。
【0043】
別の態様では、本発明は、抗真菌有効量の化学構造3に示す化合物を、その薬学的に許容され得る担体とともに含む、真菌感染を処置または予防するための医薬組成物である。薬学的に許容され得る担体はDAG−PEGであり得る。DAG−PEGは、PEG−12 GDO、PEG−12 GDM、PEG−23 GDP、PEG−12 GDSおよびPEG−23 GDSからなる群より選択され得る。一般的に、本特許の本明細書および他の箇所における好ましいDAG−PEGとしては、PEG鎖とグリセロール主鎖間に任意の型の化学結合(具体的に示したもの、または示していないものいずれであれ)を有するものが挙げられる。
【0044】
別の態様では、本発明は、かかる処置または予防に充分な抗真菌有効量の化学構造3に示す化合物を投与することを含む、哺乳動物の真菌感染の処置および/または予防方法である。該方法では、経口カプセル剤、経口液剤、局所用溶液、および静脈内懸濁剤からなる群より選択される手段が使用され得る。
【0045】
本発明における好ましい化合物は、熱安定性であるとともに、一般に使用されている医薬用賦形剤と物理的および化学的に適合性のものであるが、適正に製剤化されずに投与された場合は、動物においてもたらされるバイオアベイラビリティが低く、可変的となる水不溶性のトリアゾール化合物である。バイオアベイラビリティを向上させるため、および食効を低減させるために、ジアシルグリセロール−ポリエチレングリコールを用いたリポソーム製剤を開発した。したがって、別の態様において、本発明は、化学構造3に示す化合物を、DAG−PEGおよびリポソームを形成するための水溶液と合わせることを含む、真菌感染症を処置または予防するための医薬組成物の作製方法を含む。DAG−PEGは、PEG−12 GDO、PEG−12 GDM、PEG−23 GDP、PEG−12 GDSおよびPEG−23 GDSからなる群より選択され得る。
【0046】
また別の態様では、本発明は、化学構造3に示す式で表わされる化合物であって、式中、Aは、CHまたはオキシルであり、BとCの一方はチオールであり、他方はCHであり、Rは、約200以下の分子量を有する化合物を含む。この態様は、該化合物のエステルおよび薬学的に許容され得る塩を包含し、このとき、RはOH基を含むものである。また、この態様は、薬学的に許容され得る担体を用いて製剤化された該化合物も包含する。薬学的に許容され得る担体はDAG−PEGであり得る。DAG−PEGは、PEG−12 GDO、PEG−12 GDM、PEG−23 GDP、PEG−12 GDSおよびPEG−23 GDSからなる群より選択され得る。
【0047】
実施例1
2−(ブロモメチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(エチルチオ)−1,3−ジオキソランの合成
【0048】
1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−エタノン(1.0mol)のn−ブタノール(240mL)攪拌溶液に、1.2モルの臭素を室温で滴下した。室温で1時間攪拌後、反応混合物を、逐次、1.2モルの3−エチルスルファニル−プロパン−1,2−ジオール、540mLの無水ベンゼンおよび0.03モルのp−トルエンスルホン酸一水和物に仕込んだ。得られた混合物を、水分離装置を2時間使用しながら一晩還流下で攪拌した。溶媒を真空下でエバポレートした後、残渣をジクロロメタンに溶解させた。この溶液を希水酸化ナトリウム溶液で、続いて水で3回洗浄した。NaSO上で乾燥させた後、得られた混合物を濾過し、エバポレートした。残渣を蒸留し、2−(ブロモメチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(エチルチオ)−1,3−ジオキソラン(化学構造8)を、化学構造8に示す無色の油状物(約80%)として得た。
【化9】

化学構造8
【0049】
実施例2
2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−チオールの合成
【0050】
1,2,4−トリアゾール(0.5mol)、水酸化ナトリウム溶液(50%,35.2mL)、トルエン(250mL)およびジメチルスルホキシド(250mL)の混合物を、カール・フィッシャー水分含有量0.4%未満まで(カール・フィッシャー滴定による)共沸蒸留することにより、トリアゾールナトリウムをインサイチュで調製した。この溶液を25℃まで冷却し、次いで、2−(ブロモメチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(エチルチオ)−1,3−ジオキソラン(化学構造8,1.8mol)の無水トルエン溶液を添加した。温度を75℃まで上昇させ、反応完結まで(TLCによってモニタリング)その温度で保持した。次いで反応混合物を35℃まで冷却し、希水酸化ナトリウム水溶液により、温度が45℃以下に維持されるようにゆっくりクエンチした。得られた混合物を25〜35℃まで冷却した後、水とトルエンを添加した。相を分離した後、水相をトルエンで3から5回洗浄した。合わせた有機相を70℃の最高温度下で濃縮した。得られた残渣をナトリウムメトキシド(ほぼ8mol)をジメチルホルムアミド(300mL)で処理することにより、チオエステル(1mol)のエチル基を除去した。反応混合物を窒素下で一晩、120℃にて攪拌した。室温まで冷却後、定常攪拌下でヨウ化メチル(5mol)を添加することにより、反応液をクエンチした。次いで、混合物を水(350mL)に注入し、tert−ブチルメチルエーテル(100mL×3)で抽出した。有機相を飽和硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、濃縮した。残渣を加温トルエンに溶解させ、希塩酸水溶液で2回まで洗浄した。析出物の濾過およびイソプロパノール/イソプロピルエーテル(8/2,v/v)による結晶化後、Xが−SHである化学構造AのD形を約65%収率で得た(化学構造9)。
【化10】

2−((1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−チオール
化学構造9
【0051】
実施例3
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−エチルテトラヒドロフラン−3−オールの合成
【0052】
ジフェニルジセレニド(1mmol)を0℃のCHCl(8mL)に溶解させ、次いで、トリフルオロメタンスルホン酸銀(1mmol)を添加した。10分後、1−(ブト−1−エン−2−イル)−2,4−ジフルオロベンゼン(2.5mmol)とグリコール酸イソプロピル(1.2mmol)を−78℃で添加した。反応温度を、30分かけて−50℃までゆっくり昇温させた。得られた白色懸濁液を1時間攪拌し、次いで水(30mL)でクエンチした。混合物をセライトに通して濾過し、CHCl(3×15mL)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥させ、濃縮した。粗製エステルをフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液として軽質石油エーテル/ジクロロメタン 80:20〜60:40)。このエステル(1mmol)をトルエン(8mL)に溶解させ、−78℃にて1.1当量のジイソブチルアルミニウムヒドリド(トルエン中1.5M)で処理した(N下)。N下で3時間攪拌後、20mLの7%HCl水溶液を添加し、混合物を室温で3時間連続攪拌した。次いで、反応混合物をCHCl(3x15mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、減圧濃縮した。残渣(アルデヒド)をさらに精製せずに使用した。アルデヒド(0.26g,0.5mmol)のトルエン(5mL)溶液に、トリブチルスタナン(0.27mL,1mmol)を一度に添加した後、触媒量のアゾビスイソブチロニトリルを添加した。反応混合物をN下で2時間還流した。反応の進行をTLCによってモニタリングした。溶媒を減圧除去した。粗製混合物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液として軽質石油エーテル/ジエチルエーテル70:30〜55:45)。所望の化学構造10を収率57%〜65%で得た。
【化11】

5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−エチルテトラヒドロフラン−3−オール
化学構造10
【0053】
実施例4
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−プロピルテトラヒドロフラン−3−イルベンゼンスルホネートの合成
【0054】
実施例3の5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−エチルテトラヒドロフラン−3−オール(1.5モル)の溶液を、トルエンとの共沸により乾燥させ、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)と合わせた。反応温度を25℃以下に維持しながら、塩化p−クロロベンゼンスルホニル(1.4モル)のトルエン溶液(約140mL)を仕込んだ。反応が完結したら、次いで、反応温度を25℃以下に維持しながら、反応液を希水酸化ナトリウム溶液とゆっくり合わせた。冷テトラヒドロフラン(ほぼ100mL)を添加し、混合物を、過剰の塩化スルホニルが消費するまで熟成させた。反応液を酸性化してDABCOを除去した後、水での洗浄により過剰の酸を除去した。有機相を希重炭酸ナトリウム水溶液で(中性pHが得られるのに必要なだけ反復)、最後に水で洗浄した。有機相を減圧/真空下で濃縮した。メタノールでの蒸留により残留トルエンを排出した後、残渣を濾過し、冷メタノールで洗浄し、50℃以下で乾燥させた。所望の化学構造11の収率はほぼ80%であった。
【化12】

5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−プロピルテトラヒドロフラン−3−イルベンゼンスルホネート
化学構造11
【0055】
実施例5
5−(2−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)エチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成
【0056】
5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−プロピルテトラヒドロフラン−3−イルベンゼンスルホネート(1.5mol)のアセトニトリル溶液に、ヨウ素(3モル)および三塩基リン酸ナトリウム(0.5モル)とジメチルホルムアミド(約250mL)の混合物を、−30〜−20℃で徐々に添加した。得られた混合物をこの温度で1時間攪拌した後、これを室温までゆっくり昇温させ、5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(2−ヨードエチル)テトラヒドロフラン−3−イルベンゼンスルホネートの形成を完結させた。反応混合物を、5〜22℃の温度下、重亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチした。水相をtert−ブチルメチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を水酸化ナトリウム水溶液で1回、続いて水で2回洗浄した。溶媒を80℃未満のポット温度で減圧除去した。5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(2−ヨードエチル)−テトラヒドロフラン3−イルベンゼンスルホネートを含有する油状残渣をtert−ブチルメチルエーテルに溶解させ、80℃より下で再度減圧濃縮した。これをtert−ブチルメチルエーテルに再溶解させ、この溶液を、さらに精製せずに直接、次の段階に持ち越した。
【0057】
1,2,4−トリアゾール(1.8モル)、水酸化ナトリウム溶液(50%,180mL)、トルエン(約120mL)およびジメチルスルホキシド(120mL)の混合物を、カール・フィッシャー水分含有量0.5%未満まで共沸蒸留することにより、トリアゾールナトリウムをインサイチュで調製した。この溶液を25℃まで冷却し、次いで、5−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(2−ヨードエチル)テトラヒドロフラン−3−イルベンゼンスルホネート(1mol)のtert−ブチルメチルエーテル溶液を添加した。次いで、tert−ブチルメチルエーテルを、105℃の最高ポット温度下での蒸留によって除去し、反応完結までその温度に保持した。反応液を35℃まで冷却し、45℃の最高温度下、希水酸化ナトリウムでクエンチした。クエンチした混合物を35℃まで冷却した後、水とtert−ブチルメチルエーテルを添加した。相を分離した後、水相をtert−ブチルメチルエーテルで数回洗浄した。合わせた有機相を70℃の最高温度下で濃縮した。残渣を高温トルエンで2〜3回抽出した。有機相を濃縮し、真空乾燥させ、所望の生成物12を65〜70%の収率で得た(化学構造12)。
【化13】

【0058】
実施例6
(2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メタノール(化学構造13)および(5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−テトラヒドロフラン−3−イル)メタノール(化学構造14)は市販されている(Fulcrum Scientific,England,UK、ChemPacific Corporation,Baltimore,MD、Beijing Huikang Boyuan Chemical Tech Co.,Ltd.Beijing,China)。これらを購入し、さらに精製せずに実施例7と12でのトリアゾロンの調製に適用した。
【化14】

【0059】
実施例7
チオールへのヒドロキシル(X)基の変換の一般手順
【0060】
基質(1モル,化学構造A、スキーム1のD形またはT形)と、ヘキサン/水(1/2,v/v)の溶媒混合物250mLとの混合物を、高圧反応器内に入れた後、0.05molのジコバルトオクタカルボニル(Co(CO)を添加した。一酸化炭素を二回パージした後、反応器に硫化水素(26気圧)と一酸化炭素(48気圧)を仕込んだ。反応混合物を、この圧力下で150℃にて10時間攪拌した。次いで、混合物を室温まで冷却し、圧力をヒュームフード内で注意深く解放した。薄褐色の均一な混合物をビーカー内に注入し、開放空気中で数分間静置した。この時間中、混合物は黒色に変色し、一部析出物が形成された。この粗製生成物をヘキサン(3×50mL)、エーテル(3×50mL)およびエタノール(3×50mL)で洗浄し、洗浄液を反応混合物に添加した。この混合物をセライトで、次いで硫酸マグネシウムで処理し、さらなるエーテル(150mL)を用いて、次いでヘキサン(100mL)を用いて濾過し、濃縮し、油状物を得た。この油状物をガスクロマトグラフィー−質量分析によって分析した。
生成物を分別蒸留またはフラッシュクロマトグラフィーによって単離した。
【0061】
実施例8
1−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノンの合成
【0062】
無水ヨウ化亜鉛(0.5mol)を、1−{4−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−ピペラジン−1−イル}エタン−1−オン(1mol)の無水1,2−ジクロロエタン(350mL)溶液に添加した後、5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−テトラヒドロフラン−3−チオール(1.2mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で40分間、反応が完結するまで攪拌した。反応液を水(10mL)でクエンチした。ジクロロメタン(2×10mL)での抽出後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をシリカゲル(70〜230メッシュ)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液として1:100の酢酸エチル−ヘキサンを使用)、1−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノン(91%)を得た。過剰のチオールは、操作中、所望により1N NaOHでの処理によって洗い流され得る。
【化15】

1−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノン
化学構造15
【0063】
実施例9
1−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノンの合成
【0064】
無水ヨウ化亜鉛(0.5mol)を、1−{4−[4−(ヒドロキシメチル)−フェニル]−ピペラジン−1−イル}エタン−1−オン(1mol)の無水1,2−ジクロロエタン(350mL)溶液に添加した後、2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−チオール(1.2mmol)を添加した。得られた混合物を室温で40分間、反応が完結するまで攪拌した。反応液を水(10mL)でクエンチした。ジクロロメタン(2×10mL)での抽出後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をシリカゲル(70〜230メッシュ)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液として酢酸エチル−ヘキサン(1/1,v/v)を使用)、1−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルオキシ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノン(93%)を得た。過剰のチオールは、操作中、所望により1N NaOHでの処理によって洗い流され得る。
【化16】

1−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノン
化学構造16
【0065】
実施例10
1−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノンの合成
【0066】
無水ヨウ化亜鉛(0.5mol)を、1−アセチル−p−ヒドロキシフェニル−ピペラジン(1mol)の無水1,2−ジクロロエタン(350mL)溶液に添加した後、(5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メタンチオール(1.2mmol)を添加した。得られた混合物を室温で40分間、反応が完結するまで攪拌した。反応液を水(10mL)でクエンチした。ジクロロメタン(2×10mL)での抽出後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下でエバポレートし、残渣をシリカゲル(70〜230メッシュ)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液として酢酸エチル−ヘキサン(1/1,v/v)を使用)、1−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノン(88%)を得た。過剰のチオールは、操作中、所望により1N NaOHでの処理によって洗い流され得る。
【化17】

1−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノン
化学構造17
【0067】
実施例11
1−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノンの合成
【0068】
無水ヨウ化亜鉛(0.5mol)を、1−アセチル−p−ヒドロキシフェニル−ピペラジン(1mol)の無水1,2−ジクロロエタン(350mL)溶液に添加した後、(2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メタンチオール(1.2mmol)を添加した。得られた混合物を室温で40分間、反応が完結するまで攪拌した。反応液を水(10mL)でクエンチした。ジクロロメタン(2×10mL)での抽出後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、次いで溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をシリカゲル(70〜230メッシュ)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液として酢酸エチル−ヘキサン(1/1,v/v)を使用)、1−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノン(90%)を得た。過剰のチオールは、操作中、所望により1N NaOHでの処理によって洗い流され得る。
【化18】

1−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)エタノン
化学構造18
【0069】
実施例12
トリゾロンの合成
【0070】
トリゾロンは、いくつかの方法で調製され得る[Heeres,J.,Backx,L.J.J.およびVan Cutsem,J.、Antimycotic azoles.7.Synthesis and antifungal properties of a series of novel triazol−3−ones、J Med Chem 27(1984)894−900]。一般的には、実施例8〜11で調製した物質を、NaOHの存在下、還流ブタノール中で脱アセチル化し、対応するピペラジン(I)を得た。KCOの存在下、高温DMSO中での(I)と4−クロロニトロベンゼンとの縮合により、ニトロ化学構造(II)を得、これを、エチレングリコール中Pt/Cの存在下、Hで還元し、対応するアニリン(III)を得た。ピリジンの存在下、CHCl中での(IV)とクロロギ酸フェニルとの反応により、カルバミン酸フェニル(V)を得た。
【化19】

【0071】
(V)とヒドラジン反応により、ヒドラジンカルボキサミド(VI)を得た。ホルムアミジンの存在下、高温DMFでの(VI)の環化により、置換トリアゾロン(VII)を得た。
【化20】

【0072】
実施例13
4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−sec−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(D)−R)の合成
【0073】
2−ブロモブタン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(49%)。
【化21】

4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−sec−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造19
【0074】
実施例14
4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(D)−R)の合成
【0075】
3−ブロモペンタン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(54%)。
【化22】

4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造20
【0076】
実施例15
4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(D)−R
の合成
【0077】
2−ブロモプロパン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(54%)。
【化23】

4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造21
【0078】
実施例16
2−(4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)プロパンニトリル(式I(D)−R)の合成
【0079】
2−ブロモプロパンニトリル(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(47%)。
【化24】

2−(4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)プロパンニトリル
化学構造22
【0080】
実施例17
4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(3−ヒドロキシブタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(D)−R)の合成
【0081】
3−ブロモブタン−2−オール(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(47%)。
【化25】

4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(3−ヒドロキシブタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造23
【0082】
実施例18
4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(2−ヒドロキシペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(D)−R)の合成
【0083】
3−ブロモペンタン−2−オール(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル) 1 ,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)。
【化26】

4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(2−ヒドロキシペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造24
【0084】
実施例19
4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ブト−3−エン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(D)−R)の合成
【0085】
3−ブロモブト−1−エン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)。
【化27】

4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ブト−3−エン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造25
【0086】
実施例20
4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−sec−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II(D)−R)の合成
【0087】
2−ブロモブタン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(49%)。
【化28】

4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−sec−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造26
【0088】
実施例21
4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II(D)−R)の合成
【0089】
3−ブロモペンタン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。それから、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(54%)。
【化29】

4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造27
【0090】
実施例22
4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II(D)−R)の合成
【0091】
2−ブロモプロパン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(54%)。
【化30】

4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造28
【0092】
実施例23
2−(4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)プロパンニトリル(式II(D)−R)の合成
【0093】
2−ブロモプロパンニトリル(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(47%)。
【化31】

2−(4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)プロパンニトリル
化学構造29
【0094】
実施例24
4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(3−ヒドロキシブタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II(D)−R)の合成
【0095】
3−ブロモブタン−2−オール(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)。
【化32】

4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(3−ヒドロキシブタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造30
【0096】
実施例25
4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(2−ヒドロキシペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II(D)−R)の合成
【0097】
3−ブロモペンタン−2−オール(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)。
【化33】

4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(2−ヒドロキシペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造31
【0098】
実施例26
4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ブト−3−エン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II(D)−R)の合成
【0099】
3−ブロモブト−1−エン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((2−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)。
【化34】

4−(4−(4−(4−((4−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ブト−3−エン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オンの合成
化学構造32
【0100】
実施例27
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−sec−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(T)−R)の合成
【0101】
2−ブロモブタン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(49%)。
【化35】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−sec−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造33
【0102】
実施例28
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(T)−R)の合成
【0103】
3−ブロモペンタン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(54%)。
【化36】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造34
【0104】
実施例29
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(T)−R)の合成
【0105】
2−ブロモプロパン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(54%)。
【化37】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造35
【0106】
実施例30
2−(4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)プロパンニトリル(式I(T)−R)の合成
【0107】
2−ブロモプロパンニトリル(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(47%)。
【化38】

2−(4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)プロパンニトリル
化学構造36
【0108】
実施例31
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(3−ヒドロキシブタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(T)−R)の合成
【0109】
3−ブロモブタン−2−オール(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)。
【化39】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(3−ヒドロキシブタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造37
【0110】
実施例32
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(2−ヒドロキシペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II(T)−R)の合成
【0111】
3−ブロモペンタン−2−オール(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)。
【化40】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(2−ヒドロキシペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造38
【0112】
実施例33
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ブト−3−エン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式I(T)−R)の合成
【0113】
3−ブロモブト−1−エン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの(1.0mol))のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)。
【化41】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イル)メチルチオ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ブト−3−エン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造39
【0114】
実施例34
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−sec−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II(T)−R)の合成
【0115】
2−ブロモブタン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(49%)。
【化42】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(24−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−sec−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造40
【0116】
実施例35
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II−T R)の合成
【0117】
3−ブロモペンタン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(54%)。
【化43】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造41
【0118】
実施例36
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II−T−R)の合成
【0119】
2−ブロモプロパン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(54%)。
【化44】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−イソプロピル−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造42
【0120】
実施例37
2−(4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)プロパンニトリル(式II(T)−R)の合成
【0121】
2−ブロモプロパンニトリル(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(47%)。
【化45】

2−(4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)プロパンニトリル
化学構造43
【0122】
実施例38
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(3−ヒドロキシブタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II−T−R)の合成
【0123】
3−ブロモブタン−2−オール(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)。
【化46】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(3−ヒドロキシブタン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造44
【0124】
実施例39
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(2−ヒドロキシペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II−T−R)の合成
【0125】
3−ブロモペンタン−2−オール(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)。生成物を、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)
【化47】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−2−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(2−ヒドロキシペンタン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造45
【0126】
実施例40
4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ブト−3−エン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(式II−T−R)の合成
【0127】
3−ブロモブト−1−エン(1.2mol)を、KOH粉末(1.3mol)と4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン(これは実施例12で調製したもの)(1.0mol)のDMSO/MgSO(250mL)懸濁液に添加した。反応混合物を14時間攪拌し、次いで水で希釈した。CHClでの抽出およびMgSO上での乾燥後、溶媒を真空下でエバポレートした。粗製生成物を、最初にフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(溶離液としてCHCl/CHOH(98/2)を使用)、トルエン中での再結晶によってさらに精製した(56%)。
【化48】

4−(4−(4−(4−((5−((1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)メチル)−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロフラン−3−イルチオ)メチル)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−1−(ブト−3−エン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−5(4H)−オン
化学構造46
【0128】
実施例41
インビトロ活性試験
【0129】
表4に列挙した生物を、寒天希釈法に従って試験した:各微生物の懸濁液を、105コロニー形成単位(cfu)/mLを含むように調製した。薬物はすべて数滴のDMSOに溶解させ、次いでエタノール−水(1/1,v/v)で希釈し、500μg/mLのストック溶液を作製した。寒天希釈法は、Kimmig寒天(K.A.,Merck)−0.5%グリセロールの培地中で行なった[R.A.Fromtling,G.K.AbruzzoおよびA.Ruiz,Mycopathologia,106(1989)163−166]。薬物の連続希釈物(25〜0.01μg/mL)を含有するKimmig寒天のプレートに10μLの真菌接種材料を接種し、酵母では数日間、糸状真菌では5日間まで25℃でインキュベートした。インキュベーション後、GMMIC(幾何平均最小阻害濃度μg/mL)を調べた。結果を表4に示す。表中、POCZはポサコナゾールを示し、ITRZはイトラコナゾールを示し、FLUZはフルコナゾールを示す[Patterson,T.F.,S.G.Revankar,W.R.Kirkpatrick,O.Dib,A.W.Fothergill,S.W.Redding,D.A.Sutton,およびM.G.Rinaldi,J.Clin.Microbiol.34(1996)1794−1797]。
【0130】
【表4】

【0131】
本発明の化合物を、エルゴステロール生合成を阻害する能力について試験した。96ウェル丸底マイクロタイタープレートにおいて試験を行なった。細胞懸濁液をRPMI−1640培地中で調製し、最終接種材料濃度が0.5×10〜2.5×10細胞/mlになるように調整した。プレートを30℃で48時間インキュベートした後、増殖を評価した。薬物なしの対照と比べて増殖の80%阻害がみとめられる最小濃度を各化合物のMICと規定した[O.N.BreivikおよびJ.L.Owades,Agric.Food Chem.,5(1957)360−363、T.F.Patterson,S.G.Revankar,W.R.Kirkpatrick,O.Dib,A.W.Fothergill,S.W.Redding,D.A.SuttonおよびM.G.Rinaldi,J.Clin.Microbiol,34(1996)1794−1797]。エルゴステロール含量を、細胞の湿潤重量に対する割合として計算した[National Committee for Clinical Laboratory Standards.1997.Reference method for broth dilution antifungal susceptibility testing of yeasts,Approved standard.Document M27−A,National Committee for Clinical Laboratory Standards,Wayne,PA]。
【0132】
【表5】

【0133】
このインビトロ試験では、エクアコナゾールで、さまざまな真菌病原体に対して、ポサコナゾール、イトラコナゾールおよびフルコナゾールと比べて好都合な、または同等の活性が示された。さらに、エクアコナゾールは、エルゴステロール生合成に対して好都合な抗真菌活性を示すことが示された。このインビトロ抗真菌活性に基づき、本発明における好ましい化合物は、I−R(T)および(D)、I−R(D)、I−R(T)および(D)、I−R(T)および(D)、I−R(T)および(D)、I−R(T)および(D)、II−R(T)および(D)、II−R(T)および(D)である。より好ましい化合物は、I−R(T)および(D)、I−R(T)および(D)、I−R(T)および(D)、I−R(T)および(D)、II−R(T)および(D)、II−R(T)および(D)である。特に好ましい化合物は、I−R(T)および(D)、I−R(T)および(D)、II−R(T)および(D)、II−R(T)および(D)である。
【0134】
実施例42:抗真菌性経口液剤
【0135】
エクアコナゾールの経口送達に適した懸濁剤を調製する。DAG−PEGを、混合翼を備えた槽に添加した。薬物物質を、定常混合下で添加した。目視で薬物が脂質中に分散されるまで混合を継続した。水に予め溶解しておいた賦形剤を、充分に混合しながら、この槽にゆっくり添加した。充分均一な溶液が得られるまで混合を継続した。試料の配合を表6に示す。
【0136】
【表6】

【0137】
脂質は、PEG−12−N−GDO、PEG−12−N−GDM、PEG−12−N−GDLO、PEG−12−N−GDP、PEG−12−Ac−GDO、PEG−12−Ac−GDMまたはその任意の組合せであり得る。水酸化ナトリウムは、精製水中10%w/w溶液を調製するために使用される。目標pHは4.0〜7.0の範囲である。NaOH溶液は、必要に応じてpHを調整するために使用される。薬物対脂質の比率は、好ましくは約1対20より大きく、より好ましくは約1対5より大きい。有機酸は、乳酸またはピルビン酸またはグリコール酸であり得るが、乳酸が最も好ましい。有機酸の濃度は、好ましくは1〜10%、より好ましくは約2〜5%の範囲である。
【0138】
実施例43:抗真菌性IV注射用液剤
【0139】
IV液剤は、目標pH範囲を6.5〜7.5にしたこと以外は実施例20のようにして調製した。試料の配合を表7に示す。
【0140】
【表7】

【0141】
脂質は、PEG−12−N−GDO、PEG−12−N−GDM、PEG−12−N−GDLO、PEG−12−N−GDP、PEG−12−Ac−GDO、PEG−12−Ac−GDMまたはその任意の組合せであり得る。水酸化ナトリウムは、精製水中10%w/w溶液を調製するために使用される。目標pHは6.5〜7.0の範囲である。NaOH溶液は、必要に応じてpHを調整するために使用される。
【0142】
実施例44:抗真菌性製剤の薬物動態プロフィールおよびバイオアベイラビリティ
【0143】
静脈内後および経口投与後の両方でのエクアコナゾール製剤の血中レベルを調べるための実験を行なった。また、比較のため、ポサコナゾール製剤も試験した。試験には、三匹の雄マウス(B6D2F1)の群を使用した。典型的には、ボーラスIV注射の0時間、0.08時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、16時間および24時間後に採取したヘパリン加マウス血漿試料に関して、HPLC−MS解析を行なった。経口摂取後、0時間、0.08時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、16時間および24時間の時点で解析を行なった。各薬物のレベルを測定するため、薬物を、まず、試料の前処理によって血漿から単離した。試料中のタンパク質の除去にはアセトニトリルを使用した。次いで、定組成HPLC−MS法を使用し、薬物を潜在的障害物(あれば)から分離した。薬物レベルは、多重反応モニタリング(MRM)様式を伴うMS検出によって測定した。PKデータを、WinNonlinプログラム(ver.5.2,Pharsight)コンパートメントモデル解析を用いて分析した。その結果、本発明における化合物の製剤はポサコナゾールよりも優れたPKプロフィールを有することが示された。
【0144】
図1は、ポサコナゾール製剤のマウスPKプロフィールを示し、(1)5%ジメチルスルホキシドと10%Cremophor(I(T)−Ra−Crem)を含む化合物I(T)−R液剤、(2)5%ジメチルスルホキシドと10%Cremophorを含むポサコナゾール液剤(POCZ)および(3)5%DAG−PEG(GDO−12、1,2−ジオレイル−rac−グリセロール−3−ドデカエチレングリコール)中の式I(T)−Rリポソーム製剤(I(D)−R)である。薬物は静脈内投与し、投与強度を10mg/kgとした。AUCは、I(T)−Ra−Crem、POCZおよびI(T)−Rで、それぞれ、283μg・時/mLおよび193μg・時/mLおよび292μg・時/mLであった。
【0145】
図2は、(1)5%DAG−PEG(GDO−12,1,2−ジオレイル−rac−グリセロール−3−ドデカエチレングリコール)中の化合物I(T)−R、(2)市販品(POZcomm)のポサコナゾール懸濁剤(Noxafil(登録商標),Schering−Plough)および(3)5%DAG−PEG(GDO−12,1,2−ジオレイル−rac−グリセロール−3−ドデカエチレングリコール)中のポサコナゾールリポソーム製剤(POCZ)のマウスPKプロフィールを示す。薬物は経口投与し、投与強度を10mg/kgとした。相対バイオアベイラビリティは、I(T)−R、POZcommおよびPOCZで、それぞれ、59.7%、25.0%および45.1%であった。
【0146】
実施例45:抗真菌性局所クリーム剤
【0147】
DAG−PEG脂質を、翼型混合ブレードを備えたステンレス鋼槽に添加した。薬物物質を、定常混合下で添加した。目視で薬物が脂質中に分散されるまで、混合を60〜65℃の温度で継続した。有機酸、コレステロールおよびグリセリンを、混合しながら添加した。エタノールおよびエチルオキシジグリコールを、混合しながら添加した。最後に、カルボポルETD2020、精製水およびトリエチルアミンを、混合しながら添加した。充分均一なクリーム剤が得られるまで混合を継続した。配合を表8に示す。
【0148】
【表8】

【0149】
脂質は、PEG−12−N−GDO、PEG−12−N−GDM、PEG−12−N−GDLO、PEG−12−N−GDP、PEG−12−Ac−GDO、PEG−12−Ac−GDMまたはその任意の組合せであり得る(実施例21参照)。有機酸は、乳酸またはピルビン酸またはグリコール酸であり得る。水酸化ナトリウムは、必要に応じてpHを調整するために使用される。目標pH範囲は3.5〜7.0とした。
【0150】
実施例46:抗真菌性局所用溶液
【0151】
局所用溶液は、活性物質をまず有機酸とエタノールに溶解させたこと以外は、実施例23のようにして調製した。試料の配合を表9に示す。
【0152】
【表9】

【0153】
脂質は、PEG−12−N−GDO、PEG−12−N−GDM、PEG−12−N−GDLO、PEG−12−N−GDP、PEG−12−Ac−GDO、PEG−12−Ac−GDMまたはその任意の組合せであり得る。有機酸は、乳酸またはピルビン酸またはグリコール酸であり得る(実施例21も参照)。水酸化ナトリウムは、必要に応じてpHを調整するために使用される。目標pH範囲は3.5〜7.0とした。
【0154】
実施例47:抗真菌性カプセル剤
【0155】
試料の配合を表10に示す。エクアコナゾールを、混合翼を備えた適当な槽に仕込んだ。乳酸を穏やかに混合しながら添加し、薬物粉末に研和した。100%の最終バッチ容量のPEG−脂質を、定常混合下で添加した。懸濁液が充分に分散されるまで混合を継続した。ビタミンE TPGS(D−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)を、この槽に、定常混合下でゆっくり添加した。目視でビタミンE TPGSが溶液中に分散されるまで、混合を低速攪拌下で継続した(50〜55℃)。混合物を加温状態で維持し、充填工程に移した。
【0156】
適切な充填装置(例えば、Bosch製GKF1400L)を、必要充填容量に設定した。バッチをカプセルに充填した。バッチは連続的に攪拌した。No.0の青色不透明硬質ゼラチンカプセル殻を目標充填重量550.0mgで使用し、適当なカプセル封入機(例えば、Bosch GKF 2000S Capsule充填機またはCapsugel CFS 1200もしくはPlaneta Capsule Filler)を使用した。カプセル剤を適当な密閉冷却チャンバ容器(0〜−20℃)内に移し、一晩放置してカプセル剤の内容物を固化させた。固化したカプセル剤を適当な研磨剤(例えば、Key Turbo Kleen CP−300 Capsule Polisher)を用いて研摩した。完成したカプセル剤を適当な密閉容器内に移した。
【0157】
【表10】

【0158】
脂質は、PEG−12−N−GDO、PEG−12−N−GDM、PEG−12−N−GDLO、PEG−12−N−GDP、PEG−12−Ac−GDO、PEG−12−Ac−GDMまたはその任意の組合せであり得る。有機酸は、乳酸またはピルビン酸またはグリコール酸であり得る(実施例21も参照)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

(式中、Aは、CHまたはオキシルであり、BとCの一方はチオールであり、他方はCHであり、Rは、sec−ブチル、イソペンタニル、イソプロピル、2−イソプロプリオノ−1−ニトリル、3−イソブタン−2−オール、3−イソペンタン−2−オール、および2−イソブト−1−エンからなる群より選択される)
で表わされる化合物。
【請求項2】
Rが3−イソブタン−2−オール、3−イソペンタン−2−オールからなる群より選択され、インビボでOHに変換可能な、請求項1に記載の化合物のエステル。
【請求項3】
Rが3−イソブタン−2−オール、3−イソペンタン−2−オールからなる群より選択され、インビボでOHに変換可能な、請求項1に記載の化合物の薬学的に許容され得る塩。
【請求項4】
抗真菌有効量の請求項1に記載の化合物を、その薬学的に許容され得る担体とともに含む、真菌感染を処置または予防するための医薬組成物。
【請求項5】
前記薬学的に許容され得る担体がDAG−PEGである、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記DAG−PEGが、PEG−12 GDO、PEG−12 GDM、PEG−23 GDP、PEG−12 GDSおよびPEG−23 GDSからなる群より選択される、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
哺乳動物の真菌感染の処置および/または予防方法であって、かかる処置または予防に充分な抗真菌有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項8】
哺乳動物の真菌感染の処置および/または予防方法であって、かかる処置または予防に充分な抗真菌有効量の請求項5に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項9】
かかる投与に、経口カプセル剤、経口液剤、局所用溶液、および静脈内懸濁剤からなる群より選択される手段が使用される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物を、DAG−PEGおよびリポソームを形成するための水溶液と合わせることを含む、真菌感染症を処置または予防するための医薬組成物の作製方法。
【請求項11】
前記DAG−PEGが、PEG−12 GDO、PEG−12 GDM、PEG−23 GDP、PEG−12 GDSおよびPEG−23 GDSからなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】

【化2】

(式中、Aは、CHまたはオキシルであり、BとCの一方はチオールであり、他方はCHであり、Rは、約200以下の分子量を有する)
で表わされる化合物。
【請求項13】
RがOH基を含む、請求項12に記載の化合物のエステル。
【請求項14】
RがOH基を含む、請求項12に記載の化合物の薬学的に許容され得る塩。
【請求項15】
抗真菌有効量の請求項12に記載の化合物を、その薬学的に許容され得る担体とともに含む、真菌感染を処置または予防するための医薬組成物。
【請求項16】
前記薬学的に許容され得る担体がDAG−PEGである、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記DAG−PEGが、PEG−12 GDO、PEG−12 GDM、PEG−23 GDP、PEG−12 GDSおよびPEG−23 GDSからなる群より選択される、請求項16に記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−502028(P2012−502028A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526053(P2011−526053)
【出願日】平成21年9月5日(2009.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/005012
【国際公開番号】WO2010/027496
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(510184612)
【出願人】(510184601)
【Fターム(参考)】