説明

トリプシン様セリンプロテアーゼ阻害剤、ならびにその調製および使用

本発明は、ヒトプラスミンおよび血漿カリクレインの阻害剤として有効であり、また失血の予防に、およびフィブリン接着剤の成分として有用である化合物を提供する。本発明は、さらに、化合物を調製および使用する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化学、セリンプロテアーゼ(特にプラスミンおよび血漿カリクレイン)ならびに止血の分野に関し、また血液凝固カスケードおよび線維素溶解の治療的調節に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスミン(EC3.4.21.7、フィブリノリジン)は、アルギニンまたはリシン残基でのタンパク質切断をもたらすトリプシン様セリンプロテアーゼであり、その主要な基質は、フィブリンおよびフィブロネクチン等の細胞外基質(ECM)タンパク質である。他のプラスミン基質は、基底膜の様々なタンパク質、例えばラミニンおよびIV型コラーゲン、ならびにウロキナーゼおよびマトリクスメタロプロテアーゼのプロフォーム等のチモーゲンを含む。血液中では、プラスミンは、特に線維素溶解を担い、フィブリンを可溶性断片へ切断する。プラスミンは、プラスミノーゲン活性化因子、主にウロキナーゼ、tPA、および血漿カリクレイン(EC3.4.21.34;キニノゲニン、PK)等のセリンプロテアーゼの作用により、その前駆体チモーゲンであるプラスミノーゲンからの切断により活性化される。
【0003】
α−マクログロブリンおよびα−抗プラスミン等の内因性プラスミン阻害剤は、プラスミノーゲン活性化因子の抗凝固作用を調節することにより、線維素溶解の制御において重要な役割を果たす。ある特定の病態(高プラスミン血症)は、プラスミンの異常制御および線維素溶解の自発的活性化を特徴とする。その結果生じる創傷を閉鎖するフィブリンの分解は、フィブリノゲン分解産物の抗凝固特性により悪化し、重篤な止血障害を引き起こす。
【0004】
そのような状態を治療するために、抗線維素溶解薬が臨床的に使用され、一般に使用される薬剤には、合成アミノ置換カルボン酸、例えばp−アミノメチル安息香酸、ε−アミノカプロン酸、およびtrans−4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸(トラネキサム酸)がある。これらの化合物は、プラスミノーゲンのフィブリンへの結合を遮断し、したがってプラスミンの生成を阻害するが、それらはプラスミンの直接的な阻害剤ではなく、既に形成されているプラスミンの活性を阻害することはない。直接的な抗線維素溶解剤は、ウシの肺から得られる58アミノ酸ポリペプチドである、アプロチニン(TRASYLOL(商標)、Bayer AG製、Leverkusen)である。アプロチニンは、1nMの阻害定数でプラスミンを阻害するが、比較的非特異的であり、トリプシン(K=0.1nM)、血漿カリクレイン(K=30nM)、および、より低い程度であるが、他の様々な酵素も効果的に阻害する。
【0005】
アプロチニンは、主に、特に心肺バイパス(CPB)を用いた心臓外科手術における失血の低減のために使用され、術中の輸血の必要性を明確に低下させた(Sodhaら、Expert Rev.Cardiovasc.Ther.、4、151〜160頁、2006)。アプロチニンはまた、他の手術、例えば臓器移植における失血を阻害するために使用されたが、フィブリン接着剤とも併用される。
【0006】
アプロチニンの使用には、いくつかの欠点がある。ウシの臓器から単離されるため、原則的に病原性汚染およびアレルギー反応のリスクが存在する。アナフィラキシーショックのリスクは、アプロチニンの初回投与では比較的低い(<0.1%)が、200日以内に反復投与すると4〜5%に上昇する。ε−アミノカプロン酸またはトラネキサム酸との直接的な比較から、アプロチニンの投与は、副作用の数の増加を誘発することが報告されている(Manganoら、New Engl.J.Med.、354、353〜365頁、2006)。アプロチニンの投与により、透析を必要とする腎臓損傷の症例数が倍増し、対照群と比較して、心筋梗塞および卒中発作の発生率が増加した。無作為化試験における抗線維素溶解薬を使用した血液保全(Blood Conservation Using Antifibrinolytics in a Randomized Trial、BART)試験が、高リスク心臓手術患者における、リシンアナログと比較したアプロチニン使用に関連する死亡率のリスクの増加を示してからは(Fergussonら、New Engl.J.Med.、358、2319〜2331頁、2008)、この薬物は販売中止となった。
【0007】
プラスミンの合成阻害剤は、数多く開示されている。Sanders(SandersおよびSeto、J.Med.Chem.、42、2969〜2976頁、1999)は、プラスミンに対して50μM以上の阻害定数を有する、比較的活性が弱い4−ヘテロシクロヘキサノン誘導体を開示している。Xue(XueおよびSeto、J.Med.Chem.、48、6908〜6917頁、2005)は、2μM以上のIC50値を有するペプチド性シクロヘキサノン誘導体に関して報告しているが、さらなる開発は報告されていない。Okada(Okadaら、Chem.Pharm.Bull.、48、1964〜1972頁、2000;Okadaら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、10、2217〜2221頁、2000)およびTsuda(Tsudaら、Chem.Pharm.Bull.、49、1457〜1463頁、2001)は0.1μM以上のIC50値でプラスミンを阻害する4−アミノメチル−シクロヘキサン酸の誘導体を説明しているが、これらの阻害剤の臨床使用は報告されていない。
【0008】
Sturzebecherらは、セリンプロテアーゼに対して様々な効果を有する一連のN−末端スルホニル化ベンズアミジンペプチド模倣薬を記載している。このクラスに含まれるものは、抗凝固剤および抗血栓剤として有用なXa阻害剤(米国特許第6841701号)、腫瘍抑制因子として有用なウロキナーゼ阻害剤(米国特許出願公開第2005/0176993号、米国特許第6624169号)、抗凝固剤および抗血栓剤として有用な血漿カリクレイン(PK)の阻害剤、第XIa因子および第XIIa因子(米国特許出願公開第2006/0148901号)、ならびに、腫瘍抑制因子として有用なマトリプターゼ阻害剤(米国特許出願公開第2007/0055065号)である。
【0009】
プラスミン活性に影響するいくつかの化合物の阻害定数が、凝固プロテアーゼの阻害に関するいくつかの研究において公開されている。しかしながら、問題となる化合物は、抗血栓剤として検討されており、したがって、低レベルのプラスミン阻害が好ましいものであった。例えば、トロンビン阻害剤メラガトランは、0.7μMのK値でプラスミンを阻害し、構造的に関連する化合物H317/86は、0.22μMの阻害定数を有する(Gustafssonら、Thromb.Haem.、79、110〜118頁、1998)。しかしながら、これらの化合物は両方ともはるかに強くプロテアーゼトロンビンを阻害する(K≦2nM)ため、投与の正味の効果は、凝固の阻害である。例えば心臓外科手術における失血を低減するための凝固促進剤としてのそのような化合物の使用の可能性は、これらの論文のいずれにおいても言及されなかった。
【0010】
上述のように、アプロチニンは、プラスミンだけでなく、血漿カリクレイン(PK)も阻害する。PKは、多機能性トリプシン様セリンプロテアーゼであり、そのいくつかの生理学的基質が知られている。したがって、タンパク質分解切断により、PKは、高分子量キニノーゲンから血管作動性ペプチドブラジキニンを放出することができ、また凝固第XII因子、プロウロキナーゼ、プラスミノーゲンおよびプロMMP3等のチモーゲンを活性化することができる。したがって、PK/キニン系は、多くの病態において、例えば血栓塞栓状態、播種性血管内凝固症候群、敗血症性ショック、アレルギー、胃切除後症候群、関節炎およびARDS(成人呼吸窮迫症候群)において、重要な役割を果たすと考えられる(Tadaら、Biol.Pharm.Bull、24、520〜524頁、2001)。
【0011】
したがって、アプロチニンは、PKに対するその阻害効果により、ペプチドホルモンブラジキニンの放出を阻害し、一方ブラジキニンは、ブラジキニンB2受容体の活性化により様々な効果を有する。内皮細胞からのtPA、NOおよびプロスタサイクリンのブラジキニン誘導放出(Schmaier、J.Clin.Invest.、109、1007〜1009頁、2002)は、線維素溶解、血圧および炎症事象に影響を与える。ブラジキニン放出を阻害することにより、外科手術において副作用として生じ得る全身性炎症プロセスを低減することができることが示唆されている。
【0012】
様々なビスベンズアミジン、例えばペンタミジンおよび関連化合物、ならびにω−アミノ−およびω−グアニジノアルキルカルボン酸のエステルが、マイクロモルのK値を有するPK阻害剤として説明されている(Asgharら、Biochim Biophys Acta、438、250〜264頁、1976;MuramatuおよびFuji、Biochim.Biophys.Acta、242、203〜208頁、1971;MuramatuおよびFuji、Biochim.Biophys.Acta、268、221〜224頁、1972;Ohnoら、Thromb.Res.、19、579〜588頁、1980;Muramatuら、Hoppe−Seyler’s Z.Physiol.Chem.、363、203〜211頁、1982;Satohら、Chem.Pharm.Bull.、33、647〜654頁、1985;Tenoら、Chem.Pharm.Bull.、39、2930〜2936頁、1991)。
【0013】
報告される最初の選択的な競合的PK阻害剤(Okamotoら、Thromb.Res.、Suppl.VIII、131〜141頁、1988)は、アルギニンまたはフェニルアラニンから誘導されたものであり、約1μMのK値でPKを阻害する。競合的PK阻害剤の開発に関するいくつかの論文が、Okadaグループにより公開されており、trans−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル−Phe−4−カルボキシメチルアニリドから誘導される最も活性の高い化合物は、約0.5μMの阻害定数を有する(Okadaら、Biopolymers、51、41〜50頁、1999;Okadaら、2000、Tsudaら、2001)。これらのPK阻害剤の特徴は、それらが比較的高いK値を有することである。
【0014】
Aliagas−Martinらは、米国特許第6472393号において、約1nMの阻害定数を有する有効なPK阻害剤である広範な4−アミジノアニリドを説明している。同様に、Antonssonらは、米国特許第5602253号において、広範なアミジンおよびグアニジンPK阻害剤を説明している。Sturzebecherらは、PK阻害剤として4−アミジノ−および4−グアニジノ−ベンジルアミンを説明しており、そのいくつかは第Xa因子阻害剤であり(米国特許出願公開第2005/0119190号)、いくつかはプラスミンに対する若干の阻害効果を有し(米国特許出願公開第2006/0148901号)、またいくつかはプラスミン/PK二重阻害剤である(PCT公開第2008/049595号)。これらの阻害剤は、本出願に記載の阻害剤に関連しているが、構造的に異なる。
【0015】
Dyax Corp.は、遺伝性血管浮腫における急性発作の治療のための選択的血漿カリクレイン阻害剤、DX−88(エカランチド、Kalbitor(商標))を開発した。エカランチドは、ヒト組織因子経路阻害剤(TFPI)の最初のKunitzドメインに基づくファージ提示技術を利用して同定された組み換え低分子タンパク質である。また、エカランチドは、オンポンプ心臓胸郭部手術中の失血の低減について、第II相臨床試験中である(Lehmann、Expert Opin.Biol.Ther.、8、1187〜1199頁、2008)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第6841701号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0176993号
【特許文献3】米国特許第6624169号
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0148901号
【特許文献5】米国特許出願公開第2007/0055065号
【特許文献6】米国特許第6472393号
【特許文献7】米国特許第5602253号
【特許文献8】米国特許出願公開第2005/0119190号
【特許文献9】PCT公開第2008/049595号
【特許文献10】米国特許第7572769号
【特許文献11】米国特許第6410260号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Sodhaら、Expert Rev.Cardiovasc.Ther.、4、151〜160頁、2006
【非特許文献2】Manganoら、New Engl.J.Med.、354、353〜365頁、2006
【非特許文献3】Fergussonら、New Engl.J.Med.、358、2319〜2331頁、2008
【非特許文献4】SandersおよびSeto、J.Med.Chem.、42、2969〜2976頁、1999
【非特許文献5】XueおよびSeto、J.Med.Chem.、48、6908〜6917頁、2005
【非特許文献6】Okadaら、Chem.Pharm.Bull.、48、1964〜1972頁、2000
【非特許文献7】Okadaら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、10、2217〜2221頁、2000
【非特許文献8】Tsudaら、Chem.Pharm.Bull.、49、1457〜1463頁、2001
【非特許文献9】Gustafssonら、Thromb.Haem.、79、110〜118頁、1998
【非特許文献10】Tadaら、Biol.Pharm.Bull、24、520〜524頁、2001
【非特許文献11】Schmaier、J.Clin.Invest.、109、1007〜1009頁、2002
【非特許文献12】Asgharら、Biochim Biophys Acta、438、250〜264頁、1976
【非特許文献13】MuramatuおよびFuji、Biochim.Biophys.Acta、242、203〜208頁、1971
【非特許文献14】MuramatuおよびFuji、Biochim.Biophys.Acta、268、221〜224頁、1972
【非特許文献15】Ohnoら、Thromb.Res.、19、579〜588頁、1980
【非特許文献16】Muramatuら、Hoppe−Seyler’s Z.Physiol.Chem.、363、203〜211頁、1982
【非特許文献17】Satohら、Chem.Pharm.Bull.、33、647〜654頁、1985
【非特許文献18】Tenoら、Chem.Pharm.Bull.、39、2930〜2936頁、1991
【非特許文献19】Okamotoら、Thromb.Res.、Suppl.VIII、131〜141頁、1988
【非特許文献20】Okadaら、Biopolymers、51、41〜50頁、1999
【非特許文献21】Okadaら、2000、Tsudaら、2001
【非特許文献22】Lehmann、Expert Opin.Biol.Ther.、8、1187〜1199頁、2008
【非特許文献23】Schweinitzら、J.Biol.Chem.、279:33613〜33622頁(2004)
【非特許文献24】Sierra、J.Biomater.Appl.、7:309〜352頁(1993)
【非特許文献25】Sturzebecherら、J.Med.Chem.、40、3091〜3099頁(1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
プラスミンおよび血漿カリクレインを高い活性および特異性で可逆的および競合的に阻害する、治療用途に好適な低分子量物質が依然として必要とされており、本発明はそのような化合物を提供する。したがって、本発明の化合物は、様々な状況において、特に心肺バイパスを用いた手術、臓器移植、および他の大きな外科的介入の間およびその後に、止血を調節および/または維持する上で好適である。本発明の化合物はまた、血漿カリクレインの阻害剤として、キニン放出を低下させ、それによりキニン媒介炎症反応および内皮細胞からのtPAのキニン誘導放出の両方を抑制すると予測される。後者の効果は、線維素溶解の下方制御の追加的メカニズムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
一般式I
【0020】
【化1】

【0021】
(式中、X、R、およびnは、以下に定義される通りである)の化合物が、プラスミンおよび血漿カリクレインの効果的および選択的な阻害剤であることが判明した。したがって、本発明は、式Iの化合物、式Iの化合物を調製するための方法、および式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、式Iの化合物の投与による、患者におけるプラスミンおよび/またはPKを阻害する方法、血液凝固カスケードおよび線維素溶解を治療的に調節する方法、特に患者における失血を予防および治療する方法を提供する。
【0022】
本発明は、さらに、患者におけるプラスミンおよび/またはPKを阻害するための医薬、血液凝固カスケードおよび線維素溶解を治療的に調節するため、特に患者における失血を予防および治療するための医薬の製造におけるこれらの化合物の使用のための方法を提供する。本発明の組成物で治療され得る対象は、過剰線維素溶解状態である、臓器移植を受けている、および心臓外科手術、特に心肺バイパスが関与する外科手術を受けている患者を含むが、これに限定されない。
【0023】
上記の式I中、Xは、H、COH、およびCOR’からなる群から選択され、nは、0から3の範囲であり、Rは、フェニル、ピリジル、テトラゾリル、およびピペリジニルからなる群から選択され、Rは、非置換であってもよく、または以下で詳細に説明されるような1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0024】
本発明はまた、本発明の化合物を含むフィブリン接着剤、およびフィブリン接着剤の製造における本発明の化合物の使用のための方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、下記の式(I)
【0026】
【化2】

【0027】
(式中、Xは、H、COH、およびCOR’からなる群から選択され、nは、0から3の範囲であり、Rは、フェニル、ピリジル、テトラゾリル、またはピペリジニルである)を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩を提供する。R部分は、非置換であってもよく、またはハロゲン、R’、OR’、SR’、S=(O)R’、S(=O)R’、S(=O)NHR’、S(=O)2NR’、CN、NH、NHR’、NR’、NHS(=O)R’、NHC(=O)R’、NHC(=O)OR’、NHC(=O)NHR’、NHC(=O)NR’、C(=O)R’、C(=O)CHOR’、COR’、C(=O)NHR’、またはC(=O)NR’の1つまたは複数で置換されていてもよく、Rがピリジルである場合、Rは、ピリジンN−オキシドであってもよい。上述の化合物の全てにおいて、各R’は、独立して、C〜C分岐もしくは非分岐低級アルキルまたはCFである。本明細書において使用される場合、「フェニル」、「ピリジル」、テトラゾリル、および「ピペリジニル」という用語は、非置換であると具体的に特定されない限り、非置換系および置換系の両方を指す。
【0028】
好ましい実施形態において、nは、2または3である。Rは、好ましくは、フェニル、4−ピリジル、または4ピペリジニルである。特に好ましいのは、Rが、非置換フェニル、非置換4−ピリジル、非置換4−ピリジルN−オキシド、1−アセチル−4−ピペリジニル、1−テトラゾリル、1−イソプロピオニル−4−ピペリジニル、または1−シクロプロパンカルボニル−4−ピペリジニルである化合物である。
【0029】
別の好ましい実施形態において、nは、0であり、Rは、非置換フェニルである。他の実施形態において、nは、2または3であり、Rは、4−ピペリジニルであり、ピペリジニルの窒素は、C(=O)R’、C(=O)CHOR’、COR’、C(=O)NHR’およびC(=O)NR’からなる群から選択される置換基を有する。
【0030】
本発明の化合物の代表例を表1に記載する。
【0031】
【表1】


【0032】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、好ましくは、薬学的な塩の形成に有用であることが知られている任意の酸の添加により形成される。塩形成に好ましい酸は、HCl、HBr、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、およびp−トルエンスルホン酸を含む。
【0033】
芳香環またはヘテロ芳香環R上の置換基は、F、Cl、Br、I、CF、R’、フェニル、OH、OR’、OCF、COH、COR’、CONHR’、CONR’、NH、NHR’、NR’、NHSO’、NR’SOR’、NO、SOR’、SOR’、SONH2、SONHR’、SONR’、CN、OCOR’、OCONHR’、OCONR’、NHCOR’、NHCOR’、NHCONHR’、NHCONR’、NHCOR’、NR’COR’、NR’CONHR’、およびNR’CONR’(式中、各R’は、独立して、C〜C分岐または非分岐低級アルキル、およびシクロアルキルである)の1つまたは複数を含むが、これらに限定されない。
【0034】
一般式Iの化合物は、アミジノ基でN保護されている4−アミジノベンジルアミンへのアミノ酸の逐次的カップリングにより調製され得る。当技術分野において知られている任意の好適なN保護基をアミジノ基において使用することができることが理解される。アミジノ基に好適なN保護基は、1,2,4−オキサジアゾール−5−オン、N−Boc、N−Cbz、N−ベンジルオキシ、およびN−アセトキシを含むが、これらに限定されない。1,2,4−オキサジアゾール−5−オン、N−ベンジルオキシおよびN−アセトキシアミジノ基は、対応するニトリルから容易に調製されるため望ましい。
【0035】
本発明の化合物は、いくつかの手法で調製され得る。好ましい合成手法は、予め合成された成分間のアミドおよびスルホンアミド結合の形成を含む。参照することにより本明細書にその全体が組み込まれるPCT公開第2008/049595号に記載の方法および手順が、本発明の化合物の合成に容易に適合され得る。
【0036】
本明細書において使用される場合、所与の酸「から誘導される活性化カルボン酸」という表現は、ペプチド合成の技術分野において周知のように、活性エステル、混合無水物、およびハロゲン化アシルを含むがこれらに限定されない、アミンに対して反応性であるカルボン酸の誘導体を指す。好適な例は、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、O−アシル化イソ尿素、ペンタクロロ−およびペンタフルオロ−フェニルエステル、塩化アシル、ならびに炭酸モノエステルとの混合無水物を含むが、これらに限定されない。好ましい活性化カルボン酸は、クロロギ酸イソブチル、またはN−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステルとの反応により得られる混合無水物である。
【0037】
第1の代表的合成において、Schweinitzら、J.Biol.Chem.、279:33613〜33622頁(2004)への補足に記載される方法により、アミジノ保護4−(アミノメチル)−ベンズアミジン、例えば4−(アミノメチル)−N−アセトキシベンズアミジン(i)が、市販の4−シアノベンジルアミン(昭和電工株式会社製、日本)から得られる。代替のアミジノ保護4−(メチルアミノ)ベンズアミジンは、以下に記載のような(ii)、(iii)、または(iv)を含む。この材料は、化合物A
【0038】
【化3】

【0039】
(式中、Pは、アミノ保護基であり、X、n、およびRは、上述の通りである)から誘導される活性化カルボン酸でN−アシル化される。Pは、Fmoc、Alloc、Boc、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、4−ニトロベンジルオキシカルボニル(4−NO−Cbz)、トリフルオロアセチル、トリチル、およびベンズヒドリルを含むがこれらに限定されない、当技術分野において知られている任意のアミノ保護基であってもよい。BocおよびCbz基が好ましい。アシル化後、アミノ保護基Pの切断およびベンズアミジンからの保護基の切断が、任意の順番で行われる。Pがベンジルオキシカルボニルまたはベンズヒドリル基である場合、両方の保護基は、単一の水素化分解ステップにおいて除去され得る。小規模で、好ましくは阻害剤の最終精製が分取逆相HPLCにより行われる。より大量の調製物は、当技術分野において慣例的であるように、化合物またはその好適に結晶化した塩の再結晶により精製される。
【0040】
第2の代表的合成は、4−(アミノメチル)−N−アセトキシベンズアミジン(i)(または、代替として、(ii)、(iii)、もしくは(iv))の、化合物B
【0041】
【化4】

【0042】
(式中、PおよびPは、アミノ保護基であり、nおよびRは、上述の通りである)から誘導される活性化カルボン酸によるアシル化を含む。この場合も、PおよびPは、Fmoc、Alloc、Boc、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、4−ニトロベンジルオキシカルボニル(4−NO−Cbz)、トリフルオロアセチル、トリチル、およびベンズヒドリルを含むがこれらに限定されない、当技術分野において知られている任意のアミノ保護基であってもよい。しかしながら、このスキームにおいて、PおよびPは、好ましくは、PがPに影響することなく切断され得るように直交している。
【0043】
アシル化後、アミノ保護基Pは切断され、得られる脱保護α−アミノ基は、式C:
【0044】
【化5】

【0045】
(式中、X’は、脱離基、好ましくはClであり、Xは、上に定義された通りである)のスルホニル化剤によりスルホニル化される。スルホニル化後、アミノ保護基Pおよびベンズアミジン上の保護基は、同時にまたは任意の順番で上述のように切断される。
【0046】
第3の好ましい合成手法は、4−(アミノメチル)−N−アセトキシベンズアミジン(i)(または、代替として、(ii)、(iii)、もしくは(iv))の、化合物D
【0047】
【化6】

【0048】
(式中、PおよびPは、上述のようなアミノ保護基である)から誘導される活性化カルボン酸によるアシル化を含む。
【0049】
この場合も、PおよびPは、好ましくは、PがPに影響することなく切断され得るように直交している。アシル化後、アミノ保護基Pが切断され、以下に示すE等の中間体を生成する。
【0050】
【化7】

【0051】
このようにして、本発明はまた、上述の出発材料(ii)〜(v)を使用して、Eに類似した化合物、例えば、
【0052】
【化8】

【0053】
(式中、Pは、上述のようなアミノ保護基である)を提供する。
【0054】
次いで、中間体Eは、化合物F
【0055】
【化9】

【0056】
(式中、X、n、およびRは、上に定義された通りである)から誘導される活性化カルボン酸誘導体でアシル化される。Pおよびアミジン保護基の除去により、上述のように、構造Iの化合物が得られる。
【0057】
第4の方法は、N−アシル化アミジノ保護4−(アミノメチル)ベンズアミジン、例えば構造E
【0058】
【化10】

【0059】
の、構造G
【0060】
【化11】

【0061】
(式中、P、P、nおよびRは、上に定義された通りである)から誘導される活性化カルボン酸によるアシル化を含む。
【0062】
本発明は、下記の例:
【0063】
【化12】

【0064】
(式中、PおよびPは、独立して、Hまたはアミノ保護基、例えばBoc、Fmoc、Cbz、およびトリフルオロアセチルであり、Rは、H、メチル、エチル、t−ブチル、またはベンジルであってもよい)を含むがこれらに限定されない、様々な式Gの化合物およびその前駆体を提供する。好ましくは、PおよびPは、PがPの存在下で除去され得るように直交している。中間体として特に有用であるのは、式
【0065】
【化13】

【0066】
(式中、Pは、H、ベンジルオキシカルボニル、または4−ニトロベンジルオキシカルボニルであり、Rは、H、メチル、エチル、t−ブチル、またはベンジルである)の化合物である。
【0067】
化合物Eの構造Gから誘導される活性化酸でのアシル化により、構造H等の中間体が得られる。
【0068】
【化14】

【0069】
次いで、好ましくはPと直交しているアミノ保護基Pが、中間体Hから切断され、得られる脱保護α−アミノ基は、上述のような式Cのスルホニル化剤でスルホニル化される。スルホニル化後、アミノ保護基P、R上の任意の保護基、およびベンズアミジン上の保護基は、同時にまたは任意の順番で上述のように切断される。
【0070】
本発明の追加的実施形態において、上記調製法のいずれも、アミジン官能基の代替の保護基を使用して行うことができる。好適な保護基は、置換および非置換N−ベンジルオキシ、N−ベンゾイルオキシおよびN−ベンジルオキシカルボニル基、ならびに1,2,4−オキサジアゾール−5−オンヘテロ環を含むがこれらに限定されず、これらは、以下に示す(ii)〜(v)等の代替の出発材料で(i)を置換することにより容易に導入される。
【0071】
【化15】

【0072】
本発明の化合物は、血液凝固カスケードおよび線維素溶解の治療的調節に有用である。本明細書において使用される場合、「治療的調節」は、凝固促進および抗凝固活性の両方、ならびに先天的な止血または線維素溶解活性のin vivo安定化または促進を含む。特に、化合物は、失血の予防または治療に有用である。そのような治療を必要とする患者は、手術(特に、心肺バイパスが関与する心臓手術等の手術)を受けている患者、および後天性または先天性の止血または線維素溶解異常に罹患した患者を含む。
【0073】
本発明はまた、1種または複数種の薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせて、1種または複数種の本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。そのような賦形剤は、充填剤、結合剤、潤滑剤、保存料、水、緩衝剤、および崩壊剤を含むがこれらに限定されない。組成物は、経口投与用に調合された固体もしくは液体、または非経口投与に好適な溶液もしくは懸濁液の形態であってもよい。特に、非経口投与に好適な緩衝生理食塩水とともに、緩衝生理食塩水への再構成に好適な粉末または凍結乾燥組成物が提供される。
【0074】
また、フィブリン接着剤の少なくとも1つの成分内に1種または複数種の式Iの化合物を含むフィブリン接着剤が提供される。フィブリン接着剤のための方法および組成物は、当技術分野において周知であり、Sierra、J.Biomater.Appl.、7:309〜352頁(1993)を参照されたい。フィブリン接着剤は、一般に、第1の成分としてフィブリノゲン、第XIII因子およびアプロチニン、ならびに第2の成分として第XIII因子活性化のためのトロンビンおよび塩化カルシウムを含む、生理学的な2成分接着剤からなる。そのような組成物において、従来技術の材料であるアプロチニンは、本発明の好適なプラスミン阻害剤により増強されるか、または置き換えられる。フィブリン接着剤を調製するための方法および材料は、参照することにより本明細書にその全体が組み込まれる米国特許第7572769号に記載されている。参照することにより本明細書にその全体が組み込まれる米国特許第6410260号に記載のように、フィブリノゲンを含まない組成物もまた調製され得る。
【0075】
本発明はまた、患者における失血を予防するための方法であって、それを必要とする患者に、有効量の少なくとも1種の式Iの化合物を投与するステップを含む方法を提供する。そのような患者は、過剰線維素溶解状態を有する、または臓器移植もしくは心臓外科手術、特に心肺バイパスが関与する手術を受けている個人を含むが、これらに限定されない。好ましくは、化合物(複数種可)は、上述のような医薬組成物の形態で投与される。好適な用量は、特定の化合物、投与経路、治療される状態、および患者の止血状況によって変動することが当業者に理解される。一般に、1mgから500mgの範囲の1日用量が効果的である。有効な投薬レベルは、慣習的であり、十分に当業者の能力の範囲内である用量決定試験により決定され得る。in vivoでの有効濃度を維持するために必要に応じて、投薬は連続的(例えば静脈ラインを介して)であってもよく、または1日1回もしくは複数回単位用量が投与されてもよい。好ましくは、投薬は、失血の予防が望まれる期間、0.01〜10μg/mlの範囲の平均血中レベルを維持するように調整される。
【0076】
本発明は、さらに、それを必要とする患者におけるヒトプラスミンおよび/またはPKを阻害するための方法であって、前記患者に、有効量の1種または複数種の式Iの化合物を投与するステップを含む方法を提供する。効果的な用量は、上述のように決定される。
【0077】
本発明はまた、失血の予防、プラスミンの阻害、および/またはPKの阻害のための医薬の製造、ならびにフィブリン接着剤の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0078】
以下の実施例は、例として示され、本発明を詳細に例示および説明することを意図する。本発明の範囲は、示される実施例に限定されない。
【実施例】
【0079】
分析HPLC
【0080】
【表2】

【0081】
分取HPLC
【0082】
【表3】

【0083】
キラルHPLC
【0084】
【表4】

【0085】
薄層クロマトグラフィー
以下の移動相系(溶媒比は体積比である)を使用して、シリカゲルプレート(シリカゲル60F254、Merck社製、Darmstadt、Germany)上で最終阻害剤の薄膜クロマトグラフィー(TLC)を行った。
n−ブタノール/酢酸/水 4/1/1
n−ブタノール/酢酸/酢酸エチル/水 1/1/1/1
ジクロロメタン/メタノール(DCM/MeOH) 5/1
ベンゼン/アセトン/酢酸(BAE) 27/10/05
石油エーテル(PE)/酢酸エチル(EE) 1/1
質量分析
Esquire HCT ESI−MS(Bruker Daltonics社製)で質量スペクトルを記録した。
略語
4−Amba 4−アミジノベンジルアミド
Ac アセチル
Boc tert−ブチルオキシカルボニル
BSA ウシ血清アルブミン
Bzls ベンジルスルホニル
Cbz ベンジルオキシカルボニル
Cbz(4−NO) (4−ニトロ)ベンジルオキシカルボニル
DCM ジクロロメタン
DGly(Tzlpr) (R)−2−アミノ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ペンタン酸
DGly(4−Pippr) (R)−2−アミノ−5−(ピペリジン−4−イル)ペンタン酸
DGly(4−Pippr) (R)−2−アミノ−5−(ピリジン−4−イル)ペンタン酸
DGly(4−Pyrpren) (R,E)−2−アミノ−5−(ピリジン−4−イル)ペンタ−4−エン酸
DhAla(4−Pip) (R)−2−アミノ−4−(ピペリジン−4−イル)ブタン酸
D/LhAla(4−Pyr) (R,S)−2−アミノ−4−(ピリジン−4−イル)ブタン酸
DPhg (R)−2−アミノ−2−フェニル酢酸
DPpg (R)−2−アミノ−5−フェニルペンタン酸
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
FC フラッシュクロマトグラフィー
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
m−CPBA 3−クロロ過安息香酸
MS 質量分析
NMM N−メチルモルホリン
PyBop ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMS−Cl トリメチルシリルクロリド
前駆体の合成
(E)−メチル2−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−4−(1−ベンジルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)ブタ−2−エノエート
【0086】
【化16】

【0087】
Boc−α−ホスホノグリシントリメチルエステル(20g、67mmol)のTHF(80ml)中の溶液に、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(8ml、64mmol)を−78℃で添加し、20分間撹拌を継続した。2−(4−ベンジルオキシカルボニルピペリジン)−アセトアルデヒド(16g、61mmol)を添加し、混合物を−78℃で1時間および0℃で2時間撹拌した。溶液を酢酸エチルで希釈し、5%KHSO水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、真空下で蒸発させた。シリカゲル60(40〜63μm)およびシクロヘキサン中0〜70%酢酸エチルの勾配を使用したFCにより残渣を精製すると、表題化合物が得られた。
収量:24.7g(93%、白色固体)。
分析HPLC:79.8%B;TLC:R=0.58(PE/EE 1:1);MS計算:432.2、実測455.0(M+Na)
Boc−hAla(4−Pip[Cbz])−OMe
【0088】
【化17】

【0089】
[Rh(COD)(S,S)−Et−duphos)]OTf(167mg、0.231mmol)を、予めアルゴン下に設定された100mlのSchlenkフラスコに入れた。次いで、脱気したメタノール(50ml)を添加し、溶液を5分間撹拌した。化合物3.1(10.0g、23.1mmol)を、1LのSchlenkフラスコに入れ、メタノール(450ml)に溶解し、室温で10分間撹拌した。次いで、基質および触媒溶液の両方を、予めアルゴン下に設定された1Lのステンレススチール製反応器に、カニューレを介して移した。反応器を封止し、アルゴンで3サイクル(1バール/20バール)パージし、最後にアルゴンを水素に置き換えた(4サイクル、1バール/20バール)。反応器圧力を4バールの水素に設定し、撹拌を開始した。18.5時間後、圧力を解放し、溶媒を真空下で蒸発させた。SiOの短いパッドを通して残渣を濾過し(20g;酢酸エチル/n−ヘプタン=1:3)、溶媒を真空下で蒸発させると、表題化合物が得られた。
収量:9.7g(97%)。
分析HPLC:78.1%B TLC:R=0.74(BAE);MS計算:434.2、実測435.0(M+H)
鏡像異性体純度(ee):>99.5%(キラルHPLC)
Boc−hAla(4−Pip−[Cbz])−OH
【0090】
【化18】

【0091】
メチルエステル3.2(1.7g、3.9mmol)のジオキサン(10ml)および1N LiOH水溶液(10ml)中の混合物を、室温で2時間撹拌し、次いで1N HCl水溶液の添加により中和した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を酢酸エチルに溶解し、溶液を5%KHSO水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、真空下で蒸発させると、表題化合物が得られた。
収量:1.65g(97%、白色固体)
分析HPLC:77.1%B、TLC:R=0.4(BAE)、MS計算:420.2、実測419.1(M−H)
Boc−hAla(4−Pip)−OMe
【0092】
【化19】

【0093】
化合物3.2(2.2g、5mmol)のメタノール(350ml)中の溶液に、10%Pd/C(20mg)を室温で窒素下で添加した。窒素を水素に置き換え、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を窒素で洗浄し、Celite(商標)を通して濾過し、溶媒を真空下で蒸発させると、表題化合物が得られた。
収量:1.5g(99.8%、油)
TLC:R=0.49(4:1:1);MS計算:300.2;実測301.0(M+H)
Boc−hAla(4−Pip−[Cbz−4−NO])−OMe
【0094】
【化20】

【0095】
化合物3.4(1.5g、4.9mmol)のTHF(25ml)中の溶液に、4−ニトロベンジルオキシカルボニルクロリド(1.1g、4.9mmol)およびTEA(0.85ml、6mmol)を室温で添加し、TEAの添加により反応物のpHを8〜9に維持しながら、混合物を1.5時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を酢酸エチルに溶解し、5%KHSO水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、真空下で蒸発させると、表題化合物が得られた。
収量:2.35g(100%、油)
分析HPLC:76.7%B;TLC:R=0.89(5:1);MS計算:479.2、実測480.0(M+H)
Boc−hAla(4−Pip−[Cbz−4−NO])−OH
【0096】
【化21】

【0097】
化合物3.3に関して説明した手順に従い、化合物3.5(2.5g、5.2mmol)を表題化合物に変換した。
収量:2.1g(85%)
分析HPLC:73.8%B;TLC:R=0.6(5:1);MS計算:465.2、実測465.9(M+H)
Boc−DGly(4−Pyrpren)−OH
【0098】
【化22】

【0099】
Boc−アリルグリシン(1.65g、7.7mmol)および4−ヨードピリジン(1.38g、6.75mmol)のDMF(40ml)中の溶液に、NaHCO(1.7g、20.5mmol)の水(20ml)中の溶液を添加し、混合物を70℃で10分間インキュベートした。酢酸パラジウム(160mg、0.7mmol)を添加し、混合物を70℃で4時間および室温で一晩撹拌した。触媒を濾過により除去し、溶媒を真空下で蒸発させた。シリカゲル60(40〜63μm)およびDCM中0〜38%メタノールの勾配を使用したFCにより精製すると、表題化合物が得られた。
収量:2.1g(94.6%、黄色固体)。
分析HPLC:36.1%B;TLC:R=0.45(1:1:1:1);MS計算:292.1、実測292.9(M+H)
H−DGly(4−Pyrpr)−OH×AcOH
【0100】
【化23】

【0101】
化合物4.1(5g、17mmol)の90%酢酸(300ml)中の溶液に、Pd/C(500mg)をアルゴン下で添加した。アルゴンを水素に置き換え、混合物を室温で一晩撹拌した。触媒を濾過により除去し、溶媒を真空下で蒸発させた。油状の中間体を酢酸(5ml)中の1N HClに溶解し、室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を少量のメタノールに溶解した。ジエチルエーテルを添加して濾過すると、表題化合物が得られた。
収量:3.8g(83.1%、白色固体)。
TLC:R=0.12(1:1:1:1);MS計算:194.2;実測194.6(M+H)
Boc−DGly(4−Pippr)−OH×AcOH(AW3−34)
【0102】
【化24】

【0103】
化合物4.1(2g、6.8mmol)の90%酢酸(50ml)およびエタノール(100ml)中の溶液に、10%PtO(200mg)をアルゴン下で添加した。アルゴンを水素に置き換え、混合物を室温で一晩撹拌した。触媒を濾過により除去し、溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を少量のメタノールに溶解した。ジエチルエーテルを添加して濾過すると、表題化合物が得られた。
収量:1.5g(62.1%、非晶質固体)
TLC:R=0.43(1:1:1:1);MS計算:300.2;実測301.1(M+H)
H−DGly(4−Pippr[Cbz−4−NO])−OH×HCl
【0104】
【化25】

【0105】
化合物4.3(200mg、0.55mmol)の1N NaOH水溶液(2ml、2mmol)、ジオキサン(8ml)および水(5ml)中の混合物に、4−ニトロベンジルオキシカルボニルクロリド(120mg、0.55mmol)を0℃で撹拌しながら添加した。1M NaOH水溶液の添加により、pHを8〜9に維持した。室温で2時間撹拌を継続した。溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチルと5%KHSO水溶液とに分配した。有機層を5%KHSO水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空下で蒸発させた。油状の中間体を酢酸(5ml)中の1N HClに溶解し、室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を少量のメタノールに溶解した。ジエチルエーテルを添加して濾過すると、表題化合物が得られた。
収量:79mg(41.3%、白色固体)。
分析HPLC:55.0%B;MS計算:379.2、実測380.0(M+H)
H−DGly(Tzlpr)−OH
【0106】
【化26】

【0107】
Cbz−DOrn−OH(1.33g、5mmol)の酢酸(40ml)中の溶液に、アジ化ナトリウム(1.5g、23mmol)およびオルトギ酸トリメチル(9.8ml、90mmol)を添加し、混合物を80℃で2時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣をエタノール(3ml)に溶解した。2N NaOH水溶液を添加し、混合物を室温で15分間撹拌した。2N HCl水溶液の添加により反応混合物のpHを3に調整し、続いて酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空下で蒸発させた。粗中間体をメタノール(75ml)およびエタノール(75ml)に溶解し、続いて10%Pd/C(50mg)をアルゴン下で添加した。アルゴンを水素に置き換え、混合物を室温で一晩撹拌した。触媒を濾過により除去し、水で洗浄した。有機溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を凍結乾燥すると、表題化合物が得られた。
収量:740mg(80%、白色粉末)
MS計算:185.2、実測186.1(M+H)
Boc−DhAla(4−Pip−[Cbz])−OMe
【0108】
【化27】

【0109】
触媒として[Rh(COD)(R,R)−Et−duphos)]OTfを使用して、化合物3.2に関して説明した手順に従い、化合物3.1(10.0g、23.1mmol)から表題化合物を調製した。
収量:9.8g(98%、油)
分析HPLC:78.1%B;TLC:R=0.74(BAE);MS計算:434.2、実測435.0(M+H)
鏡像異性体純度(ee):>99.5%(キラルHPLC)
Boc−DhAla(4−Pip)−OMe
【0110】
【化28】

【0111】
化合物3.4に関して説明した手順に従い、化合物4.6(3.2g、7.3mmol)を表題化合物に変換した。
収量:2g(92%、油)。
TLC:R=0.67(1:1:1:1);MS計算:300.2;実測301.1(M+H)
Boc−DhAla(4−Pip−[Cbz−4−NO])−OMe
【0112】
【化29】

【0113】
化合物3.5に関して説明した手順に従い、化合物4.7(2g、6.7mmol)を表題化合物に変換した。
収量:3.2g(100%)。
分析HPLC:76.5%B;TLC:MS計算:479.2、実測478.6(M−H)
H−DhAla(4−Pip−[Cbz−4−NO])−OMe×HCl
【0114】
【化30】

【0115】
化合物4.8(3.2g、6.7mmol)の酢酸(7ml)中の溶液に、酢酸(15ml)中の1N HClを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で部分的に蒸発させ、続いてジエチルエーテルを添加した。固体を濾過により除去し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させると、表題化合物が得られた。
収量:2.2g(81%、白色固体)。
分析HPLC:52.8%B;MS計算:379.2、実測380.0(M+H)
H−hAla(4−Pip−[Cbz−4−NO])−4−オキサジアゾロン−ベンジルアミド×TFA
【0116】
【化31】

【0117】
化合物3.6(1.7g、3.7mmol)のDMF(10ml)中の溶液に、NMM(0.37ml、3.7mmol)およびクロロギ酸イソブチル(0.48ml、3.7mmol)を−20℃で添加した。混合物を10分間撹拌し、3−[4−(アミノメチル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−オンHCl(1.2g、4.1mmol;CAS1097196−63−8、WO/2009/005076)およびNMM(0.41ml、4.1mmol)を添加した。NMMの添加によりpHを8〜9に維持しながら、混合物を−15℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を酢酸エチルに溶解し、5%KHSO水溶液、飽和NaHCO水溶液およびブラインで連続的に洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた生成物をDCM(5ml)に懸濁させ、TFA(3ml)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で部分的に除去し、続いてジエチルエーテルを添加した。生成物を濾過により除去し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させると、表題化合物が得られた。
収量:1.8g(74%、白色固体)。
分析HPLC:59.2%B;MS計算:538.2、実測539.0(M+H)
化合物5.1に関して説明した手順に従い、表2に列挙される化合物を調製した。
【0118】
【表5】

【0119】
Bzls−DPpg−OH
【0120】
【化32】

【0121】
DPpg(3g、15mmol)の1M NaOH水溶液(15ml、15mmol)、ジオキサン(100ml)および水(30ml)中の混合物に、Bzls−クロリド(4.4g、23mmol)のジオキサン(10ml)および1M NaOH水溶液(25ml、25mmol)中の溶液を、0℃で60分の期間にわたり並行して添加した。1M NaOH水溶液の添加により、pHを8〜9に維持した。混合物を室温で一晩撹拌した。さらなるBzls−クロリド(6g、31mmol)および1M NaOH水溶液(31ml、31mmol)を0℃で少しずつ添加し、1M NaOH水溶液の添加によりpHを8〜9に維持した。TLCによりそれ以上出発材料が検出されなくなるまで撹拌を継続した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を酢酸エチルと5%KHSO水溶液とに分配した。有機層を5%KHSOおよびブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空下で蒸発させると、表題化合物が得られた。
収量:4g(75%、白色固体)。
分析HPLC:69.3%B;MS計算:347.1、実測346.3(M−H)
(3−MeOOC)Bzls−DPpg−OH
【0122】
【化33】

【0123】
DPpg(1.3g、6.7mmol)の乾燥DCM(90ml)中の懸濁液に、TMS−Cl(2ml、15.7mmol)およびDIEA(2.6ml、15mmol)を室温で添加し、混合物を撹拌しながら1時間還流した。透明溶液を0℃に冷却し、(3−MeOOC)Bzls−クロリド(2g、8mmol)およびDIEA(2.6ml)を添加した。混合物を0℃で15分間および室温で1.5時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を半飽和NaHCO水溶液(700ml)に溶解し、続いて酢酸エチルで抽出した。水層をHCl水溶液で酸性化(pH約2〜3)し、酢酸エチルで抽出した。有機層を5%KHSO水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空下で蒸発させると、表題化合物が得られた。
収量:2.4g(88%、非晶質黄色固体)。
分析HPLC:69.2分%B;MS計算:405.1、実測404.3(M−H)
化合物6.1または6.2に関して説明した手順に従い、表3に列挙される化合物を調製した。
【0124】
【表6】

【0125】
Bzls−DhAla(4−Pip[Cbz−4−NO])−OH
【0126】
【化34】

【0127】
化合物4.9(2.2g、5.3mmol)およびDIEA(2ml、11.7mmol)のDMF(40ml)中の溶液に、Bzls−クロリド(1.1g、5.8mmol)を0℃で撹拌しながら添加し、DIEAの添加によりpHを8〜9に維持した。混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を酢酸エチルと5%KHSO水溶液とに分配し、有機層を5%KHSO水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空下で蒸発させた。得られた残渣の主要部分を、化合物6.10の合成に使用した。化合物3.3に関して説明した手順に従い、残渣(100mg)の残りの部分を加水分解すると、表題化合物が得られた。
収量:80mg
分析HPLC:73.9%B;MS計算:519.2、実測520.0(M+H)
Bzls−DhAla(4−Pip)−OMe
【0128】
【化35】

【0129】
化合物3.4に関して説明した手順に従い、1N HCl水溶液(5ml)の存在下で、残渣6.9の主要部分の水素化分解を行った。残渣を少量のメタノールに溶解した。ジエチルエーテルを添加して濾過すると、表題化合物が得られた。
収量:2.3g(>100%、薄赤色固体)。
分析HPLC:39.8%B;MS計算:354.2、実測355.0(M+H)
例えば化合物6.11に関して説明され、以下の表4に要約されるように、粗化合物6.10を酸塩化物、イソシアネートまたは無水物とのさらなる反応に使用した。
Bzls−DhAla(4−Pip[CO−Et])−OH
【0130】
【化36】

【0131】
化合物6.10(100mg、0.21mmol)およびDIEA(0.08ml、0.46mmol)のTHF(5ml)中の溶液に、プロピオニルクロリド(0.02ml、0.23mmol)を0℃で撹拌しながら添加し、DIEAの添加によりpHを8〜9に維持した。混合物を室温で3時間撹拌し、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を酢酸エチルと5%KHSO溶液とに分配した。有機層を5%KHSO水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空下で蒸発させた。化合物3.3に関して説明した手順に従い、粗中間体の加水分解により表題化合物が得られた。
収量:74mg(88%、油)
分析HPLC:59.3%B;MS計算:396.5、実測397.3(M+H)
【0132】
【表7】


【0133】
阻害剤の合成
Bzls−DPpg−hAla(4−Pip)−4−Amba×2TFA
【0134】
【化37】

【0135】
化合物6.1(160mg、0.46mmol)および化合物5.2(280mg、0.46mmol)の乾燥DMF(4ml)中の溶液に、PyBop(265mg、0.5mmol)およびDIEA(220μl、1.2mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で15分間および室温で1.5時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を酢酸エチルに溶解し、5%KHSO水溶液、飽和NaHCO水溶液、およびブラインで連続的に洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空下で蒸発させた。粗中間体を90%酢酸(80ml)に溶解し、10%Pd/C(50mg)を窒素下で添加した。窒素を水素に置き換え、混合物を室温で一晩撹拌した。触媒を濾過により除去し、溶媒を真空下で蒸発させた。酢酸(3ml)中の1N HBrを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。ジエチルエーテルを添加し、粗生成物を濾過により単離し、逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥させると、表題化合物が得られた。
収量:125mg(31%、白色粉末)
分析HPLC:54.7%B;MS計算:646.3、実測647.2(M+H)
Bzls−DGly(4−Pyrpr)−hAla(4−Pip)−4−Amba×3TFA
【0136】
【化38】

【0137】
化合物1.1に関して説明した手順に従い、化合物6.4(260mg、0.56mmol)および化合物5.1(365mg、0.56mmol)のカップリングを行った。飽和NaHCO水溶液による処理および濾過後、粗中間体が得られた。化合物1.1に関して説明した手順に従い水素化分解すると、表題化合物が得られた。
収量:215mg(39%、白色粉末)
分析HPLC:31.6分%B;MS計算:647.3、実測648.1(M+H)
Bzls−DGly(4−Pyrpr[NO])−hAla(4−Pip)−4−Amba×2TFA
【0138】
【化39】

【0139】
上述のように化合物6.4および化合物5.1のカップリングを行った。粗生成物(100mg)のDCM(10ml)中の溶液に、m−CPBA(27mg、0.15mmol)を添加し、混合物を室温で4時間撹拌した。さらなるm−CPBA(15mg、0.075mmol)を添加し、撹拌を1時間継続した。39%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(0.2ml)を添加し、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和NaHCO水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、溶媒を真空下で蒸発させた。1.1に関して説明した手順に従い、保護された中間体を水素化および精製した。粗生成物を濾過により単離し、逆相HPLCにより精製した。凍結乾燥させると、表題化合物が得られた。
収量:7mg
分析HPLC:33.4分%B;MS計算:663.3、実測664.1(M+H)
化合物1.1に関して説明した手順に従い、表5に列挙される化合物を調製した。
【0140】
【表8】




【0141】
ヒトプラスミン(hプラスミン)およびヒト血漿カリクレイン(hPK)に対する阻害定数の測定
個々の酵素に対する阻害効果を、以前に開示された方法(Sturzebecherら、J.Med.Chem.、40、3091〜3099頁(1997))と同様に測定した。ヒトプラスミンおよびヒト血漿カリクレインの阻害を測定するための反応を、以下の混合物中で25℃で行った。
【0142】
200μlのTBS(0.05Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン;0.154M NaCl、2%エタノール、pH8.0)
25μlの基質(プラスミンに対しては4mM、2mMおよび1mMのトシル−Gly−Pro−Lys−pNA=LOXO社製Chromozym PL、PKに対しては3mM、1.5mMおよび1mMのChromogenix社製H−D−Pro−Phe−Arg−pNA=S2302、HOに溶解)
2μLの50%v/vDMSO/水中試験化合物溶液
50μlの酵素溶液(Calbiochem社製プラスミン:0.154M NaCl+0.1%BSA m/v中1.7mU/ml;Enzyme Research Lab.社製血漿カリクレイン:0.154M NaCl+0.1%BSA m/v中62ng/ml)
ゼロ次速度過程に関して、15μlの酢酸(80%v/v)を添加することにより20分後に反応を停止させ、Microplate Reader(Thermo社製Multiscan Ascent(商標))を使用して405nmにおける吸収を測定した。擬1次速度過程の場合、405nmにおける吸光度の変化を連続的に記録することにより、平衡状態での反応速度を測定した。GraFitソフトウェア、バージョン4を使用して、競合的阻害についての反応速度式に従い、パラメータフィッティングによりK値を計算した。K値は、少なくとも3回の測定の平均である。
参照酵素に対する阻害定数の測定
ヒト活性化タンパク質C(h aPC):[0121]〜[0128]に記載の方法により、Enzyme Research Laboratories社製ヒト活性化タンパク質Cを2.2nMで、ならびに基質としてH−D−Lys(Cbo)−Pro−Arg−pNA(Pefachrome PCa)を2mM、1mM、および0.5mMで使用して、ヒトaPCの阻害を測定した。その結果をKi値(ナノモル)として報告する。
【0143】
ヒト尿カリクレイン(h uKK):[0121]〜[0128]に記載の方法により、Lee Biosolutions社製ヒト尿カリクレインを7.5nMで、ならびに基質としてH−D−Val−Leu−Arg−pNA(S−2266)を1mM、0.5mM、および0.25mMで使用して、ヒトuKKの阻害を測定した。その結果をKi値(ナノモル)として報告する。
【0144】
ヒト補体成分1の副成分「s」(h C1s):[0121]〜[0128]に記載の方法により、Calbiochem社製天然ヒト活性化C1s補体成分を29nMで、ならびに基質としてVal−Ser−Arg−pNA(S2314)を8mM、6mM、および4mMで使用して、ヒトC1sの阻害を測定した。その結果をKi値(ナノモル)として報告する。
【0145】
ヒト補体成分1の副成分「r」(h C1r):[0121]〜[0128]に記載の方法により、Calbiochem社製天然ヒト活性化C1r補体成分を100nMで、ならびに基質としてVal−Ser−Arg−pNA(S2314)を16mM、12mM、および8mMで使用して、ヒトC1rの阻害を測定した。その結果をKi値(ナノモル)として報告する。
【0146】
ヒト第IIa因子(h FIIa):[0121]〜[0128]に記載の方法により、Enzyme Research Laboratories社製ヒトα−トロンビンを0.1NIH U/mLで、ならびに基質としてMes−d−Cha−Gly−Arg−pNA(Pefachrome tPA)を2mM、1mM、および0.5mMで使用して、ヒト第FIIaの阻害を測定した。その結果をKi値(ナノモル)として報告する。
【0147】
ヒト第Xa因子(h FXa):[0121]〜[0128]に記載の方法により、Enzyme Research Laboratories社製活性化ヒト第X因子を5mIU/mLで、ならびに基質としてMeOCO−d−Cha−Gly−Arg−pNA(Pefachrome FXa)を2mM、1mM、および0.5mMで使用して、ヒトFXaの阻害を測定した。その結果をKi値(ナノモル)として報告する。
【0148】
ヒト第XIa因子(h FXIa):[0121]〜[0128]に記載の方法により、Enzyme Research Laboratories社製活性化ヒト第XI因子を96ng/mLで、ならびに基質としてH−D−Lys(Cbo)−Pro−Arg−pNA(Pefachrome PCa)を5mM、4mM、および2mMで使用して、ヒトFXIaの阻害を測定した。その結果をKi値(ナノモル)として報告する。
【0149】
ヒト第XIIa因子(h FXIIa):[0121]〜[0128]に記載の方法により、Enzyme Research Laboratories社製活性化ヒトα−第XII因子(活性化ハーゲマン因子)を50mPEU/mLで、ならびに基質としてCHA−Gly−Arg−pNAを2mM、1mM、および0.5mMで使用して、ヒトα−FXIIaの阻害を測定した。その結果をKi値(ナノモル)として報告する。
【0150】
ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子(h t−PA):[0121]〜[0128]に記載の方法により、Boehringer Ingelheim社製組み換えヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子(Actilyse(登録商標))を290U/mLで、ならびに基質としてMes−d−Cha−Gly−Arg−pNA(Pefachrome tPA)を4mM、2mM、および1mMで使用して、ヒトt−PAの阻害を測定した。その結果をKi値(ナノモル)として報告する。
【0151】
本発明の例示的化合物に対する結果を、表6に示す。
【0152】
【表9】






【0153】
追加の参考文献
以下の参考文献は、本発明を提示するために、先行技術の状態を理解する上で役に立つであろう、背景情報を提供する。
【0154】
【表10】


【0155】
本明細書に記載の例および実施形態は、例示のみを目的とするものであること、ならびにそれを考慮した様々な修正または変更が当業者に提案され、本出願および添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれることが理解される。
【0156】
本、雑誌記事、マニュアル、特許出願、特許出願公開および特許を含む
全ての文献、論文および公開資料は、参照することにより本明細書にその全体が明示的に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式
【化1】

(式中、Xは、H、COH、およびCOR’からなる群から選択され、nは、0から3の範囲であり、Rは、フェニル、ピリジル、テトラゾリル、およびピペリジニルからなる群から選択され、Rは、非置換であってもよく、またはハロゲン、R’、OR’、SR’、S=(O)R’、S(=O)R’、S(=O)NHR’、S(=O)2NR’、CN、NH、NHR’、NR’、NHS(=O)R’、NHC(=O)R’、NHC(=O)OR’、NHC(=O)NHR’、NHC(=O)NR’、C(=O)R’、C(=O)CHOR’、COR’、C(=O)NHR’、およびC(=O)NR’からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、Rがピリジルである場合、Rは、ピリジンN−オキシドであってもよく、各R’は、独立して、CFまたはC〜C低級アルキルまたはシクロアルキルである)を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
nが、2または3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが、3である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Rが、フェニル、4−ピリジル、4−ピリジルN−オキシドおよび4−ピペリジニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Rが、フェニル、4−ピリジル、4−ピリジルN−オキシドおよび4−ピペリジニルからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
Rが、フェニル、4−ピリジル、4−ピリジルN−オキシドおよび4−ピペリジニルからなる群から選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
Rが、非置換フェニル、非置換4−ピリジル、非置換4−ピリジルN−オキシドおよび非置換4−ピペリジニルからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項8】
Rが、非置換フェニル、非置換4−ピリジル、非置換4−ピリジルN−オキシドおよび非置換4−ピペリジニルからなる群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
Rが、非置換フェニル、非置換4−ピリジル、非置換4−ピリジルN−オキシドおよび非置換4−ピペリジニルからなる群から選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
nが、0であり、Rが、フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
nが、2または3であり、Rが、4−ピペリジニルであり、前記ピペリジニルの窒素が、C(=O)R’、C(=O)CHOR’、COR’、C(=O)NHR’およびC(=O)NR’からなる群から選択される置換基を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
1種または複数種の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物を含み、1種または複数種の薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含む医薬組成物。
【請求項13】
血液凝固カスケードまたは繊維素溶解を治療的に調節する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の1種または複数種の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項14】
患者における過剰線維素溶解状態を治療するための方法であって、前記患者に、有効量の1種または複数種の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
【請求項15】
患者における失血を制御するための方法であって、前記患者に、有効量の1種または複数種の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項16】
前記患者が、臓器移植または心臓外科手術を受けている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記患者が、心肺バイパスによる外科手術を受けている、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
患者におけるヒトプラスミンおよび/または血漿カリクレインを阻害するための方法であって、前記患者に、有効量の1種または複数種の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項19】
血液凝固カスケードまたは線維素溶解を治療的に調節するための医薬の製造における、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項20】
失血を予防するための医薬の製造における、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
過剰線維素溶解状態を治療するための医薬の製造における、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
臓器移植または心臓外科手術中の失血を予防するための医薬の製造における、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項23】
心肺バイパスによる外科手術中の失血を予防するための医薬の製造における、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項24】
プラスミンおよび/または血漿カリクレインを阻害するための医薬の製造における、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項25】
請求項1から11のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を含む、フィブリン接着剤。
【請求項26】
フィブリン接着剤の製造のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項27】
(a)アミジノ保護4−(メチルアミノ)ベンズアミジンを、式A
【化2】

(式中、Pは、アミノ保護基であり、Xは、HまたはCOR’であり、nは、0から3の範囲であり、Rは、フェニル、ピリジル、テトラゾリル、およびピペリジニルからなる群から選択され、Rは、非置換であってもよく、またはハロゲン、R’、OR’、SR’、S=(O)R’、S(=O)R’、S(=O)NHR’、S(=O)2NR’、CN、NH、NHR’、NR’、NHS(=O)R’、NHC(=O)R’、NHC(=O)OR’、NHC(=O)NHR’、NHC(=O)NR’、C(=O)R’、C(=O)CHOR’、COR’、C(=O)NHR’、またはC(=O)NR’からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、Rがピリジルである場合、Rは、ピリジンN−オキシドであってもよく、各R’は、独立して、CFまたはC〜C低級アルキルである)の酸から誘導される活性化カルボン酸でアシル化するステップと、任意の順番で、
(b)アミノ保護基Pを切断するステップと、
(c)ベンズアミジンから保護基を切断するステップと
を含む、請求項1から11のいずれかに記載の化合物を調製するための方法。
【請求項28】
(a)アミジノ保護4−(メチルアミノ)ベンズアミジンを、式B
【化3】

(式中、PおよびPは、互いに直交するアミノ保護基であり、nは、0から3の範囲であり、Rは、フェニル、ピリジル、テトラゾリル、およびピペリジニルからなる群から選択され、Rは、非置換であってもよく、またはハロゲン、R’、OR’、SR’、S=(O)R’、S(=O)R’、S(=O)NHR’、S(=O)NR’、CN、NH、NHR’、NR’、NHS(=O)R’、NHC(=O)R’、NHC(=O)OR’、NHC(=O)NHR’、NHC(=O)NR’、C(=O)R’、C(=O)CHOR’、COR’、C(=O)NHR’、およびC(=O)NR’からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、Rがピリジルである場合、Rは、ピリジンN−オキシドであってもよく、各R’は、独立して、CFまたはC〜C低級アルキルである)の酸から誘導される活性化カルボン酸でアシル化するステップと、
(b)アミノ保護基Pを切断するステップと、
(c)得られる脱保護アミノ基を、式C:
【化4】

(式中、X’は、脱離基であり、Xは、HまたはCOR’である)のスルホニル化剤でスルホニル化するステップと、任意の順番で、
(d)アミノ保護基Pを切断するステップと、
(e)ベンズアミジンから保護基を切断するステップと
を含む、請求項1から11のいずれかに記載の化合物を調製するための方法。
【請求項29】
(a)アミジノ保護4−(メチルアミノ)ベンズアミジンを、式D
【化5】

(式中、PおよびPは、互いに直交するアミノ保護基である)の酸から誘導される活性化カルボン酸でアシル化するステップと、
(b)保護基P2を切断するステップと
を含む、請求項1から11のいずれかに記載の化合物を調製するための方法。
【請求項30】
(c)構造G
【化6】

(式中、Pは、アミノ保護基であり、nは、0から3の範囲であり、Rは、フェニル、ピリジル、テトラゾリル、およびピペリジニルからなる群から選択され、Rは、非置換であってもよく、またはハロゲン、R’、OR’、SR’、S=(O)R’、S(=O)R’、S(=O)NHR’、S(=O)2NR’、CN、NH、NHR’、NR’、NHS(=O)R’、NHC(=O)R’、NHC(=O)OR’、NHC(=O)NHR’、NHC(=O)NR’、C(=O)R’、C(=O)CHOR’、COR’、C(=O)NHR’、またはC(=O)NR’からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、Rがピリジルである場合、Rは、ピリジンN−オキシドであってもよく、各R’は、独立して、CFまたはC〜C低級アルキルである)から誘導される活性化カルボン酸でアシル化するステップと、
(d)アミノ保護基Pを切断するステップと、
(e)得られる脱保護アミノ基を、式C:
【化7】

(式中、X’は、脱離基であり、Xは、HまたはCOR’である)のスルホニル化剤でスルホニル化するステップと、任意の順番で、
(f)アミノ保護基Pを切断するステップと、
(g)ベンズアミジンから保護基を切断するステップと
をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
(c)構造F
【化8】

(式中、nは、0から3の範囲であり、Rは、フェニル、ピリジル、テトラゾリル、およびピペリジニルからなる群から選択され、Rは、非置換であってもよく、またはハロゲン、R’、OR’、SR’、S=(O)R’、S(=O)R’、S(=O)NHR’、S(=O)2NR’、CN、NH、NHR’、NR’、NHS(=O)R’、NHC(=O)R’、NHC(=O)OR’、NHC(=O)NHR’、NHC(=O)NR’、C(=O)R’、C(=O)CHOR’、COR’、C(=O)NHR’、またはC(=O)NR’からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、Rがピリジルである場合、Rは、ピリジンN−オキシドであってもよく、各R’は、独立して、CFまたはC〜C低級アルキルである)から誘導される活性化カルボン酸でアシル化するステップと、任意の順番で、
(d)アミノ保護基Pを切断するステップと、
(e)ベンズアミジンから保護基を切断するステップと
をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
アミジノ保護基が、N−アセトキシ基である、請求項27から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
アミジノ保護基が、1,2,4−オキサジアゾール−5−オン環である、請求項27から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】

【化9】

(式中、Pは、アミノ保護基であり、Xは、HまたはCOR’であり、nは、0から3の範囲であり、Rは、フェニル、ピリジル、テトラゾリル、およびピペリジニルからなる群から選択され、Rは、非置換であってもよく、またはハロゲン、R’、OR’、SR’、S=(O)R’、S(=O)R’、S(=O)NHR’、S(=O)2NR’、CN、NH、NHR’、NR’、NHS(=O)R’、NHC(=O)R’、NHC(=O)OR’、NHC(=O)NHR’、NHC(=O)NR’、C(=O)R’、C(=O)CHOR’、COR’、C(=O)NHR’、またはC(=O)NR’からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、Rがピリジルである場合、Rは、ピリジンN−オキシドであってもよく、各R’は、独立して、CFまたはC〜C低級アルキルである)の化合物。
【請求項35】

【化10】

(式中、PおよびPは、互いに直交するアミノ保護基であり、nは、0から3の範囲であり、Rは、フェニル、ピリジル、テトラゾリル、およびピペリジニルからなる群から選択され、Rは、非置換であってもよく、またはハロゲン、R’、OR’、SR’、S=(O)R’、S(=O)R’、S(=O)NHR’、S(=O)2NR’、CN、NH、NHR’、NR’、NHS(=O)R’、NHC(=O)R’、NHC(=O)OR’、NHC(=O)NHR’、NHC(=O)NR’、C(=O)R’、C(=O)CHOR’、COR’、C(=O)NHR’、およびC(=O)NR’からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、Rがピリジルである場合、Rは、ピリジンN−オキシドであってもよく、各R’は、独立して、CFまたはC〜C低級アルキルである)の化合物。
【請求項36】
【化11】

(式中、Pは、アミノ保護基である)からなる群から選択される化合物。
【請求項37】

【化12】

(式中、Rは、H、ベンジルオキシカルボニル、または4−ニトロベンジルオキシカルボニルであり、Rは、H、メチル、エチル、t−ブチル、およびベンジルからなる群から選択される)の化合物。
【請求項38】

【化13】

(式中、Rは、H、ベンジルオキシカルボニル、または4−ニトロベンジルオキシカルボニルであり、Rは、H、メチル、エチル、t−ブチル、およびベンジルからなる群から選択される)の化合物。
【請求項39】
【化14】

(式中、PおよびPは、それぞれ独立して、Hまたはアミノ保護基であり、Rは、H、メチル、エチル、t−ブチル、およびベンジルからなる群から選択される)からなる群から選択される化合物。

【公表番号】特表2013−518126(P2013−518126A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551305(P2012−551305)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2011/022863
【国際公開番号】WO2011/094496
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(510066363)ザ メディシンズ カンパニー (ライプツィヒ) ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】