説明

トレンチ型コンデンサ及びその製造方法

【課題】外部から熱が印加されても変形し難いトレンチ型コンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】トレンチ型コンデンサ1は、基板2上に、下部電極3(第1電極)、誘電体層4、上部電極5(第2電極)、絶縁層6、及びパッド電極7a,7bがこの順に積層されたものである。下部電極3には、トレンチTが複数形成されており、その内壁面を含む下部電極3の上面を覆うように、薄膜状の誘電体層4が形成されている。また、上部電極5は、トレンチTの内部空間を充填するように、誘電体層4上に厚膜状に形成されている。このように、下部電極3の凹部であるトレンチT内に、凸状の上部電極5が嵌合するように構成されているので、構造強度が高められ、これにより、熱応力が印加されても、トレンチ型コンデンサ1の変形や破壊を確実に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレンチ型コンデンサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサ(又はキャパシタ)には種々のタイプのものがあり、小型化及び高容量化が可能なものとして、例えば、高誘電率材料で形成された誘電体層と内部電極とが積層されてなる積層型コンデンサが実用化されている。しかし、電子機器の小型化に伴い、電子部品の更なる小型化及び高密度実装が求められているのに対し、コンデンサは、静電容量が電極面積に比例するという特性を有しているため、特に低背型コンデンサとして積層型コンデンサを用いた場合、更なる高容量化は困難である。そこで、低背型コンデンサでも、静電容量を高く維持しつつ小型化を達成する方式として、例えば特許文献1には、基板にトレンチを設けて電極表面積を増大させ、これにより高容量化を企図したトレンチ型コンデンサが提案されている。
【特許文献1】特開平6−325970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の各図に記載されているような形状(トレンチ溝が空洞状態で開口している形状)の金属基体を有するトレンチ型コンデンサでは、金属基体と誘電体膜として使用するセラミックの熱膨張係数が互いに異なるため、ハンダ実装(リフロー)時の加熱による熱応力により、トレンチ型コンデンサ全体の変形(反り)や場合によっては破壊が生じてしまうおそれがある。こうなると、誘電体膜の特性が変動してしまい、トレンチ型コンデンサに対して所望される性能を達成することができなくなってしまう。
【0004】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、外部から熱が印加されても変形等し難いトレンチ型コンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明によるトレンチ型コンデンサは、トレンチが形成された第1電極と、第1電極上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成されており、かつ、トレンチの内部空間を充填するように設けられた第2電極とを備える。
【0006】
このようい構成されたトレンチ型コンデンサにおいては、誘電体層が形成された第1電極のトレンチの内部空間が第2電極で充填されているので、トレンチの内部空間が空洞状態で開放されている従来形状のトレンチ型コンデンサに比して、強固な構造を有しており、これにより、熱応力に起因する変形や破壊が極めて生じ難くなる。すなわち、凹状に形成された第1電極と、その凹部に言わば嵌合するように凸状に形成された第2電極によって、薄膜状の誘電体層が挟持された構造が形成されているので、外部から熱応力が印加されても、材料の熱膨張係数の相違に起因する変形が抑制される。また、トレンチの内部空間が空洞状態で開放されている従来構造に比して、例えば、トレンチの側壁に印加される圧縮力のような機械的応力に対する耐性も高められるので、外部からの衝撃に起因する変形や破壊をも抑止することができる。
【0007】
ここで、特許文献1に記載されている従来のトレンチ型コンデンサでは、誘電体層上に形成された上部電極が薄膜状であるため、電極が浮遊インダクタンスを形成してしまい、かつ、直列抵抗も高くなる傾向にある。つまり、コンデンサにとっては不要な寄生成分であるESL(等価直列インダクタンス)やESR(等価直列抵抗)が増大して素子性能が低下してしまう。これに対し、本発明によるトレンチ型コンデンサでは、そのような従来の薄膜状の電極よりも、第1電極及び第2電極の双方を厚くできる、換言すれば、それらの両方を厚膜状の金属バルクとして形成できるので、かかるESLやESRの増大を抑止することができる。
【0008】
具体的には、第2電極がトレンチの幅より小さい粒径を有する金属粒子からなる構成を例示できる。こうすれば、第1電極に形成されているトレンチの内部空間が金属粒子で緻密に充填される。この場合、金属粒子が球形(真球でなくても構わない)であれば、粒子間の空隙をより小さくできるので好適である。
【0009】
或いは、第2電極がめっき金属からなる構成としてもよい。こうすれば、第1電極に形成されているトレンチの内部空間がめっき金属で緻密に充填される。
【0010】
また、第1電極の主成分と第2電極の主成分が同一であると好適である。このようにすれば、第1電極と第2電極の熱膨張係数が実質的に同等となるので、熱応力による変形が更に一層抑制され、また、電気特性の観点からも好ましい。
【0011】
さらに、第1電極及び/又は第2電極の主成分がニッケル(Ni)又は銅(Cu)であると、導電特性が高められ、かつ、経済性の観点からも有利である。また、第1電極にNiを用いた場合、例えばセラミックからなる誘電体層を高温(例えば、500℃〜700℃)で処理して結晶化させるときの酸化の程度が、銅に比して軽減される。
【0012】
また、本発明によるトレンチ型コンデンサの製造方法は、本発明のトレンチ型コンデンサを有効に製造するための方法であり、トレンチが設けられた第1電極を形成する工程と、第1電極上に誘電体層を形成(成膜)する工程と、トレンチの内部空間を含む誘電体層上に、金属粒子及び液状成分を含むペーストを塗布し、そのペーストから液状成分を除去して第2電極を形成する工程とを含む。なお、このようなペーストの例としては、金属粉体が、適宜の有機又は無機の分散溶媒を含む液状物(ビヒクル)中に分散されたものが挙げられる。
【0013】
或いは、トレンチが設けられた第1電極を形成する工程と、第1電極上に誘電体層を形成(成膜)する工程と、トレンチの内部空間を含む誘電体層上に、金属めっきを施すことにより第2電極を形成する工程とを含む方法であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、誘電体層が形成された第1電極のトレンチの内部空間が第2電極で充填されているので、トレンチが空洞状態で開放されている従来形状のトレンチ型コンデンサよりも構造が格段に強化されており、これにより、外部から熱が印加されても、トレンチ型コンデンサ全体の形状変形や破壊を防止することができる。また、第1電極及び第2電極の双方を十分に厚くすることができるので、コンデンサにとって不要な寄生成分であるESLやESRの増大を抑止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0016】
図1及び図2は、それぞれ、本発明によるトレンチ型コンデンサの好適な一実施形態の概略構造を示す斜視図及び平面図であり、図3は、図2におけるIII−III線に沿う断面図である。
【0017】
トレンチ型コンデンサ1は、基板2上に、下部電極3(第1電極)、誘電体層4、上部電極5(第2電極)、絶縁層6、及びパッド電極7a,7bがこの順に積層されたものである。基板2の材料としては、特に制限されず、金属基板、アルミナ等のセラミックス基板、ガラスセラミックス基板、ガラス基板、サファイア、MgO、SrTiO等の単結晶基板、SiやSiGe等の半導体基板等が挙げられ、化学的且つ熱的に安定であり、かつ、応力発生が少なく表面の平滑性を保持し易いものを用いることが好ましい。なお、基板2は必要に応じて薄くしたり、除去することも可能である。
【0018】
下部電極3は、例えば、Ni、Ti、Cu、Au、Pt、Ag、Sn、Cr、Co等の単体金属、又は、これらを含む合金等の複合金属が挙げられる。また、下部電極3には、図3において図示手前から紙面奥側へ延在するトレンチTが複数形成されている。誘電体層4は、それらのトレンチTの内壁を含む下部電極3の上面を覆うように形成された薄膜からなり、膜の材料は特に制限されず、例えば、Al23、PbTiO3(PZT)、BaTiO3、ZrO2、HfO2、Bi4Ti412、SrBi2Ta29、SiO2等の高誘電体セラミック材料を用いることができる。
【0019】
さらに、上部電極5は、下部電極3同様、例えば、Ni、Cu、Au、Pt、Ag、Sn、Cr、Co等の単体金属、又は、これらを含む合金等の複合金属から構成されており、トレンチTの内部空間を充填するように、かつ、下部電極3と同等の厚さを有するように、誘電体層4上に形成されている。このように、凸部を有する上部電極5が、凹部である下部電極3のトレンチTに嵌合するように積層されることにより、薄膜状の誘電体層4が、厚膜状の金属バルク(バルク導体)である下部電極3及び上部電極5で挟持された構造が画成されている。
【0020】
また、上部電極5上に形成された絶縁層6の材質も特に制限されず、例えば、Al23、SiO2、SiN等の無機物、ポリイミド、エポキシ等の樹脂等を列挙することができる。その上層として形成されているパッド電極7a,7bのうち、パッド電極7aは、上部電極5の上面に接続するように形成されており、パッド電極7bは、上部電極5に穿設された開口部5a内に露出した下部電極3の上面に接続するように設けられている。これらパッド電極7a,7bの材料も特に制限されず、下部電極3及び上部電極5と同様に、Ni、Cu、Au、Pt、Ag、Sn、Cr、Co等の単体金属、又は、これらを含む合金等の複合金属が挙げられる。
【0021】
このような構成を有するトレンチ型コンデンサ1を製造する方法の一例について、以下に説明する。
【0022】
まず、基板2を準備し、その表面を例えばCMP法で研磨して平坦化する。次に、基板2上に、フォトリソグラフィとめっきにより、下部電極3を形成する。より具体的には、例えば、まず、基板2面上に、シード層として膜厚0.01〜1μm程度の下地導体層を、スパッタリング又は無電解めっきにて形成する。次いで、その上に、フォトレジストを成膜し、それをフォトリソグラフィによって、下部電極3に形成するトレンチTのパターンに対応した選択めっき用のマスクレジストにパターニングする。それから、そのマスクレジストをめっきマスクとして下地導体層が露呈している部分に、選択的に電気(電解)めっきを施し、下部電極3形成用の電気めっき導体層を所望の厚さとなるまで電着形成する。次いで、マスクレジストを除去した後、電気めっき導体層が形成されていない部分の下地導体層をエッチングにより除去することにより、下部電極3とトレンチTを得る。
【0023】
次に、トレンチTの内壁を含む下部電極3上に、スパッタリング、CVDまたは溶液法により厚さ0.01〜1μm程度の誘電体層4を形成する。下部電極3とパッド電極7bの電気的な接続を担保する開口部5aは、フォトレジストにより開口部5aのみを露出させた後、誘電体層をウェットエッチング、イオンミリング、反応性イオンエッチング(RIE)糖の方法で除去することにより形成することができる。
【0024】
次いで、トレンチTの内部空間を含む誘電体層4上に、例えば、CuやNiの金属を含む金属ナノペーストを真空印刷法によって印刷塗布する。この金属ナノペーストは、ナノメートルオーダー(例えば5〜10nm程度)の外径を有する微小金属粒子が、例えば、水等の極性溶液及びアルコールを含むビヒクル中に分散されたものであり、トレンチT内に充填容易なように、かつ、ビヒクル除去後にトレンチ内に不都合な容積の空隙が生じないように、金属粒子の濃度が適宜調整されたものである。
【0025】
このときの真空印刷においては、例えば、金属ナノペースト自体を、必要に応じて一旦減圧することにより脱泡処理し、その所定の減圧下で金属ナノペーストの一部量を基板2上に塗布する。それから、必要に応じて一旦大気圧程度に加圧した後、更に減圧してから、金属ナノペーストの残量を塗布し、再び大気圧程度に復圧した後、所定時間、所定温度で加熱(焼成)して金属ナノペースト中のビヒクルを揮散させ、これにより、金属層へと硬化させて上部電極5を形成する。この際の加熱温度は、例えば、金属ナノペーストに含まれる水やアルコール等のビヒクルが除去できる温度であればよく、通常、100℃前後〜150℃程度の低温でよい。また、開口部5a上の上部電極5は、ナノペーストを塗布する際に開口部5aをマスキングするか、或いは、上部電極を全面に形成した後にフォトリソグラフィとエッチングによって除去することで形成することができる。
【0026】
こうして形成した上部電極5の上面、及び、開口部5aの内側壁に、絶縁層6を成膜する。その後、パッド電極7aが形成される部位をエッチングによって除去し、その部位にパッド電極7aをパターニング形成し、また、下部電極3が露呈している開口部5a内及びその周囲の絶縁層6上にパッド電極7bをパターニング形成する。
【0027】
ここで、図4は、下部電極3としてトレンチTの幅及びピッチがともに約2μmであるNiめっき電極を形成し、上部電極5としてCuナノペーストから形成したCu電極を設けたトレンチ型コンデンサ1の実施例の断面の一部を示す写真である。図示より、下部電極3に形成されたトレンチが上部電極5で緻密に充填された構造が形成されていることが確認された。
【0028】
このように構成された本発明によるトレンチ型コンデンサ1及びその製造方法によれば、誘電体層4が形成された下部電極3のトレンチTの内部空間が上部電極5で充填されているので、トレンチの内部空間が空洞状態で開放されている従来形状のトレンチ型コンデンサに比して、格段に強固な構造を有しており、これにより、外部からの熱応力に起因するトレンチ型コンデンサ1の変形や破壊を確実に防止することができる。換言すれば、凹状に形成された下部電極3と、その凹部(トレンチT)に嵌合するように凸状に形成された上部電極5によって、薄膜の誘電体層4が挟持された構造を有しているので、熱応力が印加されても、それら下部電極3及び上部電極5と誘電体層4の熱膨張係数の相違に起因する変形を十分に抑止できる。
【0029】
しかも、トレンチTの内部空間が空洞状態で開放されている従来構造に比して、例えば、トレンチTの側壁方向から印加される圧縮力のような機械的応力に対しても十分な耐性を有するので、外部からの衝撃に起因するトレンチ型コンデンサ1の変形や破壊をも抑止することができる。
【0030】
また、トレンチ型コンデンサ1では、下部電極3及び上部電極5が厚膜状の金属バルクとして形成されており、従来に比して双方の膜厚が十分に厚くされているので、ESLやESRの増大を抑止することができる。このとき、下部電極3及び/又は上部電極5をCu等の低抵抗の金属材料で形成すれば、ESLやESRを更に抑制することができる。
【0031】
さらに、上部電極5が、金属ナノペーストの塗布により形成されるので、トレンチT内へ金属微粒子を供給し易く、その結果、トレンチTの内部空間を金属で確実にかつ十分に(緻密に)充填することができ、トレンチ型コンデンサ1の構造強度を一層高めることができるとともに、ESL及びESRの更なる低減を図ることができる。さらにまた、上部電極5を形成するための金属ナノペーストの分散溶媒が、水やアルコール等の低沸点溶媒の場合、それらを揮散させて金属層へと硬化させる加熱温度を100℃前後〜150℃程度の低温とすることができるので、上部電極5を形成する際に、下層に印加される熱応力が低減され、これにより、トレンチ型コンデンサ1の変形を更に一層抑制することができる。また、かかる低温での処理により、金属ナノペーストの金属微粒子は焼結していない状態で存在し、このように金属微粒子間の焼結現象が生じなければ応力発生が最も低減されるので極めて好ましい。これに対し、従来の焼き付け電極に使われるAgペースト等は金属粒子が焼結しているので不可避的に不都合な応力が発生し得る。この点において、本発明は極めて有用である。
【0032】
またさらに、下部電極3の主成分と上部電極5の主成分を同一金属材料とすれば、下部電極3と上部電極5の熱膨張係数を実質的に同等にすることができるので、熱応力に起因するトレンチ型コンデンサ1の変形を更に一層抑制できる。さらにまた、下部電極3及び/又は上部電極5の主成分をNi又はCuにした場合、導電特性が高められ、かつ、経済性の観点からより好ましい。加えて、下部電極3にNiを用いた場合、セラミックからなる誘電体層4を高温(例えば、500℃〜700℃)で処理して結晶化させるときの酸化の程度が、Cuに比して軽減されるので、かかる誘電体層4を用いる場合に有利である。
【0033】
なお、上述したとおり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、上部電極5がめっき金属で形成されていてもよい。この場合、誘電体層4上にスパッタリング又は無電解めっきによって下地金属層を形成した後、電解めっきにより上部電極5構造を成長させることができる。このようにしても、トレンチTの内部空間を金属で緻密に充填することができる。また、下部電極3の形成方法は、めっき以外に、セミアディティブ法、サブトラクティブ法(エッチング法)、ペースト法、リフトオフ法、導電性材料を用いるインクジェット印刷法やスクリーン印刷法等を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明した通り、本発明のトレンチ型コンデンサ及びその製造方法によれば、第1電極に形成されたトレンチの内部空間が第2電極で充填された強固な構造を有しており、これにより、熱応力に起因する変形や破壊を防止できるとともに、第1電極及び第2電極を厚膜状に形成することにより、ESR及びESLを軽減することができるので、トレンチ型コンデンサが搭載された機器、装置、モジュール、システム、デバイス等、特に小型化及び高性能化が要求されるもの、及びそれらの製造に広く且つ有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明によるトレンチ型コンデンサの好適な一実施形態の概略構造を示す斜視図である。
【図2】本発明によるトレンチ型コンデンサの好適な一実施形態の概略構造を示す平面図である。
【図3】図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】下部電極3としてNiめっき電極を形成し、上部電極5としてCuナノペーストから形成したCu電極を設けたトレンチ型コンデンサ1の実施例の断面の一部を示す写真である。
【符号の説明】
【0036】
1…トレンチ型コンデンサ、2…基板、3…下部電極(第1電極)、4…誘電体層、5…上部電極(第2電極)、5a…開口部、6…絶縁層、7a,7b…パッド電極、T…トレンチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレンチが形成された第1電極と、
前記第1電極上に形成された誘電体層と、
前記誘電体層上に形成されており、かつ、前記トレンチの内部空間を充填するように設けられた第2電極と、
を備えるトレンチ型コンデンサ。
【請求項2】
前記第2電極が、前記トレンチの幅より小さい粒径を有する金属粒子から形成されたものである、
請求項1記載のトレンチ型コンデンサ。
【請求項3】
前記金属粒子が、球形をなす、
請求項2記載のトレンチ型コンデンサ。
【請求項4】
前記第2電極が、めっき金属からなる、
請求項1記載のトレンチ型コンデンサ。
【請求項5】
前記第1電極の主成分と前記第2電極の主成分が同一である、
請求項1記載のトレンチ型コンデンサ。
【請求項6】
前記第1電極及び/又は前記第2電極の主成分がニッケル又は銅である、
請求項1記載のトレンチ型コンデンサ。
【請求項7】
トレンチが設けられた第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上に誘電体層を形成する工程と、
前記トレンチの内部空間を含む前記誘電体層上に、金属粒子及び液状成分を含むペーストを塗布し、該ペーストから液状成分を除去して第2電極を形成する工程と、
を含むトレンチ型コンデンサの製造方法。
【請求項8】
トレンチが設けられた第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上に誘電体層を形成する工程と、
前記トレンチの内部空間を含む前記誘電体層上に、金属めっきを施すことにより第2電極を形成する工程と、
を含むトレンチ型コンデンサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−295925(P2009−295925A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150768(P2008−150768)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】