トンネル拡幅工法及びトンネル拡幅装置
【課題】 拡幅機を簡素な構造にできるとともに、拡幅の施工作業性が良く、工期の短縮及び工費の節減が図れ、しかも大断面の拡幅が可能で、躯体構造の自由度及び安定性が高く、セグメントの軽構造化も図れるようにする。
【解決手段】 カッタ4・5を有する掘削用の前胴3Aと、プレライニング用の後胴3Bとで拡幅機3を構成し、前胴をそのカッタで地山を掘削してシールド掘進機1の本体胴部2内から張り出させ、その掘削箇所に地山安定化用の充填材を充填しながら前胴をシールド掘進機の本体胴部内に引き戻す。その後、前胴と後胴とを組み合わせて、シールド掘進機の本体胴部内から充填材による安定化領域に押し出し、前胴と後胴とを組み合わた拡幅機をシールド掘進機の掘進と同時に掘進させて拡幅機の断面形状に掘削し、そこに後胴からセグメント又はコンクリートによるプレライニング7を施工する。
【解決手段】 カッタ4・5を有する掘削用の前胴3Aと、プレライニング用の後胴3Bとで拡幅機3を構成し、前胴をそのカッタで地山を掘削してシールド掘進機1の本体胴部2内から張り出させ、その掘削箇所に地山安定化用の充填材を充填しながら前胴をシールド掘進機の本体胴部内に引き戻す。その後、前胴と後胴とを組み合わせて、シールド掘進機の本体胴部内から充填材による安定化領域に押し出し、前胴と後胴とを組み合わた拡幅機をシールド掘進機の掘進と同時に掘進させて拡幅機の断面形状に掘削し、そこに後胴からセグメント又はコンクリートによるプレライニング7を施工する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドトンネル工法において、非常駐車帯などの部分的な拡幅箇所を施工するトンネル拡幅工法及びトンネル拡幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1(特開2005−60989号公報)、特許文献2(特開2004−316407号公報)、特許文献3(特開2004−270226号公報)、特許文献4(特開2002−70484号公報)にそれぞれ次のような技術が開示されている。
【0003】
<特許文献1>
シールド掘進機のスキンプレートの側方部に側壁カッタヘッドを配し、側壁カッタヘッドをシールド掘進機の掘進方向とは略直角方向に往復動可能に配置する。側壁カッタヘッドを通常はスキンプレート内に収納し、側壁カッタヘッドが拡幅開始位置に到達したときには、シールド掘削機の掘進を停止して、側壁カッタヘッドをスキンプレートから突出させて側壁部に穴を掘削する。穴の掘削終了後は、シールド掘削機を所定量掘進させて掘進を停止させ、再び同位置において穴の掘削を行う。これを繰り返すことで拡幅溝の掘削を行う。
【0004】
<特許文献2>
メイントンネルのための通常のセグメントを組み立てるメインセグメント組立装置を備えたメインシールドと、断面三日月形状の筒体である拡幅セグメントを組み立てる拡幅部材組立装置を備えた拡幅シールドとを備え、拡幅シールドは、メインシールドの径方向内側に位置する非作動位置と、一部がメインシールドよりも径方向外側に位置する作動位置との間を移動できるように、メインシールドに対して径方向に往復移動可能に設けられている。拡幅シールドの前面には、拡幅カッタが装着され、拡幅シールドをメインシールドの径方向外側に突出させた状態で拡幅カッタにて拡幅部を掘削する。
また、特許文献2には、拡幅カッタを球状の揺動体にてメインシールドに対し揺動可能とした例も開示されている。
【0005】
<特許文献3>
シールド掘削機の外殻に、その開口部をヒンジ結合により開閉するように羽根部を装着し、この羽根部の外表面に排土手段を設け、拡幅を行うときには、周辺土砂を軟化してから羽根部を開いた状態とし、揺動式カッタで拡幅部を掘削しながら、羽根部の外表面の排土手段で掘削土砂を排出する。
【0006】
<特許文献4>
シールド掘削機のシールド本体が、主カッタヘッドを前面に有する固定胴と可動内筒とからなり、可動内筒は、固定胴の側部に平行移動するように配置された拡幅内胴と、この拡幅内胴の外周において揺動可能な揺動外胴とで構成される。シールド本体の前部に装着された主カッタヘッドに切欠き部が形成されており、この切欠き部から、主カッタヘッドより小さい副カッタヘッドが主カッタヘッドによる掘削部外周側に突出できるように揺動アームで揺動するようになっている。そして、この副カッタヘッドで拡幅部を掘削し、拡幅内胴を拡幅方向へ移動させてシールド本体自体も拡幅させる。
【0007】
しかし、これらいずれの場合も、拡幅を行う拡幅機の構造が複雑で、高価になるとともに、拡幅部の施工作業性が悪く、また拡幅部のセグメントが重構造となる。
【特許文献1】特開2005−60989号公報
【特許文献2】特開2004−316407号公報
【特許文献3】特開2004−270226号公報
【特許文献4】特開2002−70484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、拡幅機を簡素な構造にできるとともに、拡幅の施工作業性が良く、工期の短縮及び工費の節減が図れ、しかも大断面の拡幅が可能で、躯体構造の自由度及び安定性が高く、セグメントの軽構造化も図れるトンネル拡幅工法及びトンネル拡幅装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のトンネル拡幅工法は、カッタを有する掘削用の前胴と、プレライニング用の後胴とで拡幅機を構成し、前胴をそのカッタで地山を掘削してシールド掘進機の本体胴部内から張り出させ、その掘削箇所に地山安定化用の充填材を充填しながら前胴をシールド掘進機の本体胴部内に引き戻した後、前胴と後胴とを組み合わせて、シールド掘進機の本体胴部内から充填材による安定化領域に押し出し、前胴と後胴とを組み合わた拡幅機をシールド掘進機の掘進と同時に掘進させて拡幅機の断面形状に掘削し、そこに後胴からセグメント又はコンクリートによるプレライニングを施工する。
【0010】
拡幅機の断面形態として、その前胴及び後胴を中空断面となる断面円弧状とすれば、前胴にて断面円弧状にスリット掘削し、そのスリットに後胴から断面円弧状のプレライニングを施工できる。この場合、中空断面となる断面円弧状とした拡幅機を複数のブロックに分割すると、その組み合わせ個数によってプレライニングの大きさを可変できる。
【0011】
別な断面形態として、前胴及び後胴を中空断面ではない円弧状外形として、前胴にて円弧形の全断面を掘削し、そこに、後胴から断面円弧状のプレライニングを施工してもよい。
【0012】
拡幅機の前胴の外周面に設けられた張り出し用カッタで該前胴の張り出しを行い、前胴の前面に設けられた掘進用カッタで拡幅機を掘進させることができる。
【0013】
本発明のトンネル拡幅装置は、掘削用の前胴と、プレライニング用の後胴とで拡幅機が構成され、これら前胴及び後胴は、シールド掘進機の本体胴部に対して張り出し・収納自在となっており、前胴には、その前面に掘進用のカッタ、外側面に張り出し用のカッタが設けられ、後胴は、プレライニングのためのコンクート打設又はセグメント組立が可能となっている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、拡幅機の前胴を、そのカッタで地山を掘削してシールド掘進機の本体胴部から張り出し、これを再び本体胴部へ引き戻しながら充填材を充填して地山安定化を図ってから、前胴と後胴とを組み合わせて充填材の充填領域に押し出し、前胴と後胴とを組み合わた拡幅機をシールド掘進機の掘進と同時に掘進させて拡幅機の断面形状に掘削し、そこに後胴からセグメント又はコンクリートによるプレライニングを施工するので、シールド掘進と同時に拡幅部のための先受け工を施工でき、工期短縮が図れる。
【0015】
拡幅機は、その前胴の側面に張り出し用カッタ、前面に掘進用カッタを備えていて、後胴からプレライニングを施工できればよく、単純な構造であるので、安価となる。
【0016】
拡幅機をシールド掘進機の本体胴部内に回収できるので、一路線に数箇所の非常駐車帯を施工する場合も、工費を低く抑えることができる。
【0017】
請求項2及び請求項7の発明のように、拡幅機の前胴にて断面円弧状にスリット掘削し、そのスリットに後胴から断面円弧状のプレライニングを施工し、又は、請求項3及び請求項8の発明のように、前胴にて円弧形の全断面を掘削し、そこに、後胴から断面円弧状のプレライニングを施工することで拡幅部のための先受け工を施工するので、大断面の拡幅が可能で、躯体構造の自由度及び安定性が高く、セグメントの軽構造化も図れる。
【0018】
請求項5の発明のように、中空断面となる断面円弧状とした拡幅機を複数のブロックに分割し、その組み合わせ個数を変えると、プレライニングの大きさを任意に変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1に示すように、シールド掘進機1は、その本体胴部2内に収納できる拡幅機3を備えている。拡幅機3は、分離及び結合可能な前胴3Aと後胴3Bとで構成され、これら前胴3A及び後胴3Bは、本体胴部2の側面から張り出すことができるように、シールド掘進機1に対しその半径線に沿って個別に平行移動可能となっている。
【0021】
実施例1の拡幅機3は、前胴3A及び後胴3Bが中空断面となる断面円弧状、つまり断面C状となっている。前胴3Aの外周面には張り出し用カッタ4、前胴3Aの前面には掘進用カッタ5が装着されている。
【0022】
このような拡幅機3を具備したシールド掘進機1による拡幅部の施工手順を説明すると、次のとおりである。
【0023】
図1に示すように、前胴3Aを後胴3Bから分離して前胴3Aの張り出し用カッタ4にて地山を掘削しながら、前胴3Aのみをシールド掘進機1に対して外側へ平行移動させてその本体胴部2から張り出せる。
【0024】
図2に示すように、前胴3Aを本体胴部2内に引き戻しながら、その掘削箇所に地山安定化のために柔らかい充填材(ゲル化泥水など)6を充填する。前胴3Aの張り出しと引き戻しを数回繰り返して、拡幅機3全体を張り出すための充填材6による安定化領域を確保する。
【0025】
図3に示すように、前胴3Aと後胴3Bとを結合させて充填材6による安定化領域内に押し出す。
【0026】
図4に示すように、シールド掘進機1の掘進に合わせて拡幅機3を同時に掘進させるため、前胴3Aの前面の掘進用カッタ5で地山をC形のスリット状に掘削しながら、そこに後胴3Bからプレライニング7を施工する。図5に示すように、施工された断面C形のプレライニング7がシールドトンネル8の拡幅部の先受け工となる。
【0027】
プレライニングの施工法としては、前胴3Aの掘進用カッタ5でC形のスリット状に掘削しながら、図7及び図8に示すように後胴3Bからその後方にコンクリートを打設して、コンクリートによるプレライニングとする。この他、C形のスリット状に掘削しながら、シールド掘進機1の本体胴部2内から後胴3Bの後方にセグメントを送り出して、セグメントによるプレライニングとする方法もある。
【0028】
プレライニング完了後、結合している前胴3A及び後胴3Bをシールド掘進機1に対して内側に平行移動させてその本体胴部2内に回収する。
【0029】
図6は、プレライニング完了後、シールドトンネル8の一部のセグメントを撤去してプレライニング7の内側を掘削した後、プレライニング7の内面に沿ってセグメント9を組み立て、シールドトンネル8のセグメント10と連続した拡幅部を含む躯体全体の構築を完成させた状態である。
【0030】
張り出し用カッタ4及び掘進用カッタ5としては、図7及び図8に示すように、ローラカッタ群11を前胴3Aの円弧に沿って複数列配置し、シールド掘進機1の本体胴部2内でモータ12により回転させれば、これらローラカッタ群11にて張り出し用カッタ4と掘進用カッタ5とを兼用できる。この他、張り出し用カッタ4及び掘進用カッタ5をそれぞれ大小の円形回転カッタで構成したり、揺動式カッタで構成することもできる。
【0031】
前胴3A及び後胴3Bで構成される拡幅機3を、図9及び図10に示すように、複数のブロックに分割し、ブロックを継ぎ足すことができるようにすれば、大断面の拡幅が可能であるとともに、その断面の大きさを可変できる。
【実施例2】
【0032】
上述した実施例1では、拡幅機3を中空断面となる断面円弧状、つまり断面C状として断面C形のプレライニング7を施工したが、実施例2では、図11に示すように、前胴3A及び後胴3Bで構成される拡幅機3を中空断面ではない円弧状外形として、前胴3Aにて円弧形の全断面を掘削する。
【0033】
すなわち、図11に示すように、前胴3Aを後胴3Bから分離して前胴3Aの張り出し用カッタ4にて地山を掘削しながら、前胴3Aのみをシールド掘進機1に対して外側へ平行移動させてその本体胴部2から張り出せる。
【0034】
図12に示すように、前胴3Aを本体胴部2内に引き戻しながら、その掘削箇所に地山安定化のために柔らかい充填材(ゲル化泥水など)6を充填する。前胴3Aの張り出しと引き戻しを数回繰り返して、拡幅機3全体を張り出すための充填材6による安定化領域を確保する。
【0035】
図13に示すように、前胴3Aと後胴3Bとを結合させて充填材6による安定化領域内に押し出す。
【0036】
図14に示すように、シールド掘進機1の掘進に合わせて拡幅機3を同時に掘進させるため、前胴3Aの前面の掘進用カッタ5で地山を外形円弧形の全断面について掘削しながら、そこに後胴3Bからセグメント13を組み立ててプレライニングを施工する。
【0037】
図15に示すように、セグメント13で施工された断面C形のプレライニングがそのままシールドトンネル8のセグメント10と連続した拡幅部となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1の施工手順において、拡幅機の前胴をシールド掘進機の本体胴部から張り出す状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図2】前胴をシールド掘進機内に引き込みながら充填材を充填する状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図3】前胴と後胴を組み合わせた拡幅機を充填材による安定化領域に押し出す状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図4】シールド掘進機の掘進と同時に拡幅機を掘進させてコンクリートによるプレライニングを施工する状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。。
【図5】プレライング完成状態を示す簡略断面図である。
【図6】プレライング完成後、シールドトンネルのセグメントと連続した拡幅部を含む躯体全体の構築を完成させた状態の簡略断面図である。
【図7】拡幅機の前胴のカッタと後胴からのコンクリート打設を示す簡略断面図である。
【図8】図7とは異なる方向の簡略断面図である。
【図9】前胴とシールド掘進機の本体胴部の簡略断面図である。
【図10】拡幅機3を複数のブロックに分割し、ブロックを継ぎ足すことでプレライニングの断面の大きさを可変できることを示す簡略断面図である。
【図11】本発明の実施例2の施工手順において、拡幅機の前胴をシールド掘進機の本体胴部から張り出す状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図12】前胴をシールド掘進機内に引き込みながら充填材を充填する状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図13】前胴と後胴を組み合わせた拡幅機を充填材による安定化領域に押し出す状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図14】シールド掘進機の掘進と同時に拡幅機を掘進させてコンクリートによるプレライニングを施工する状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図15】シールドトンネルのセグメントと連続した拡幅部の完成状態を示す簡略断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 シールド掘進機
2 本体胴部
3 拡幅機
3A 前胴
3B 後胴
4 張り出し用カッタ
5 掘進用カッタ
6 充填材
7 プレライニング
8 シールドトンネル
9・10・13 セグメント
11 ローラカッタ群
12 モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドトンネル工法において、非常駐車帯などの部分的な拡幅箇所を施工するトンネル拡幅工法及びトンネル拡幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1(特開2005−60989号公報)、特許文献2(特開2004−316407号公報)、特許文献3(特開2004−270226号公報)、特許文献4(特開2002−70484号公報)にそれぞれ次のような技術が開示されている。
【0003】
<特許文献1>
シールド掘進機のスキンプレートの側方部に側壁カッタヘッドを配し、側壁カッタヘッドをシールド掘進機の掘進方向とは略直角方向に往復動可能に配置する。側壁カッタヘッドを通常はスキンプレート内に収納し、側壁カッタヘッドが拡幅開始位置に到達したときには、シールド掘削機の掘進を停止して、側壁カッタヘッドをスキンプレートから突出させて側壁部に穴を掘削する。穴の掘削終了後は、シールド掘削機を所定量掘進させて掘進を停止させ、再び同位置において穴の掘削を行う。これを繰り返すことで拡幅溝の掘削を行う。
【0004】
<特許文献2>
メイントンネルのための通常のセグメントを組み立てるメインセグメント組立装置を備えたメインシールドと、断面三日月形状の筒体である拡幅セグメントを組み立てる拡幅部材組立装置を備えた拡幅シールドとを備え、拡幅シールドは、メインシールドの径方向内側に位置する非作動位置と、一部がメインシールドよりも径方向外側に位置する作動位置との間を移動できるように、メインシールドに対して径方向に往復移動可能に設けられている。拡幅シールドの前面には、拡幅カッタが装着され、拡幅シールドをメインシールドの径方向外側に突出させた状態で拡幅カッタにて拡幅部を掘削する。
また、特許文献2には、拡幅カッタを球状の揺動体にてメインシールドに対し揺動可能とした例も開示されている。
【0005】
<特許文献3>
シールド掘削機の外殻に、その開口部をヒンジ結合により開閉するように羽根部を装着し、この羽根部の外表面に排土手段を設け、拡幅を行うときには、周辺土砂を軟化してから羽根部を開いた状態とし、揺動式カッタで拡幅部を掘削しながら、羽根部の外表面の排土手段で掘削土砂を排出する。
【0006】
<特許文献4>
シールド掘削機のシールド本体が、主カッタヘッドを前面に有する固定胴と可動内筒とからなり、可動内筒は、固定胴の側部に平行移動するように配置された拡幅内胴と、この拡幅内胴の外周において揺動可能な揺動外胴とで構成される。シールド本体の前部に装着された主カッタヘッドに切欠き部が形成されており、この切欠き部から、主カッタヘッドより小さい副カッタヘッドが主カッタヘッドによる掘削部外周側に突出できるように揺動アームで揺動するようになっている。そして、この副カッタヘッドで拡幅部を掘削し、拡幅内胴を拡幅方向へ移動させてシールド本体自体も拡幅させる。
【0007】
しかし、これらいずれの場合も、拡幅を行う拡幅機の構造が複雑で、高価になるとともに、拡幅部の施工作業性が悪く、また拡幅部のセグメントが重構造となる。
【特許文献1】特開2005−60989号公報
【特許文献2】特開2004−316407号公報
【特許文献3】特開2004−270226号公報
【特許文献4】特開2002−70484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、拡幅機を簡素な構造にできるとともに、拡幅の施工作業性が良く、工期の短縮及び工費の節減が図れ、しかも大断面の拡幅が可能で、躯体構造の自由度及び安定性が高く、セグメントの軽構造化も図れるトンネル拡幅工法及びトンネル拡幅装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のトンネル拡幅工法は、カッタを有する掘削用の前胴と、プレライニング用の後胴とで拡幅機を構成し、前胴をそのカッタで地山を掘削してシールド掘進機の本体胴部内から張り出させ、その掘削箇所に地山安定化用の充填材を充填しながら前胴をシールド掘進機の本体胴部内に引き戻した後、前胴と後胴とを組み合わせて、シールド掘進機の本体胴部内から充填材による安定化領域に押し出し、前胴と後胴とを組み合わた拡幅機をシールド掘進機の掘進と同時に掘進させて拡幅機の断面形状に掘削し、そこに後胴からセグメント又はコンクリートによるプレライニングを施工する。
【0010】
拡幅機の断面形態として、その前胴及び後胴を中空断面となる断面円弧状とすれば、前胴にて断面円弧状にスリット掘削し、そのスリットに後胴から断面円弧状のプレライニングを施工できる。この場合、中空断面となる断面円弧状とした拡幅機を複数のブロックに分割すると、その組み合わせ個数によってプレライニングの大きさを可変できる。
【0011】
別な断面形態として、前胴及び後胴を中空断面ではない円弧状外形として、前胴にて円弧形の全断面を掘削し、そこに、後胴から断面円弧状のプレライニングを施工してもよい。
【0012】
拡幅機の前胴の外周面に設けられた張り出し用カッタで該前胴の張り出しを行い、前胴の前面に設けられた掘進用カッタで拡幅機を掘進させることができる。
【0013】
本発明のトンネル拡幅装置は、掘削用の前胴と、プレライニング用の後胴とで拡幅機が構成され、これら前胴及び後胴は、シールド掘進機の本体胴部に対して張り出し・収納自在となっており、前胴には、その前面に掘進用のカッタ、外側面に張り出し用のカッタが設けられ、後胴は、プレライニングのためのコンクート打設又はセグメント組立が可能となっている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、拡幅機の前胴を、そのカッタで地山を掘削してシールド掘進機の本体胴部から張り出し、これを再び本体胴部へ引き戻しながら充填材を充填して地山安定化を図ってから、前胴と後胴とを組み合わせて充填材の充填領域に押し出し、前胴と後胴とを組み合わた拡幅機をシールド掘進機の掘進と同時に掘進させて拡幅機の断面形状に掘削し、そこに後胴からセグメント又はコンクリートによるプレライニングを施工するので、シールド掘進と同時に拡幅部のための先受け工を施工でき、工期短縮が図れる。
【0015】
拡幅機は、その前胴の側面に張り出し用カッタ、前面に掘進用カッタを備えていて、後胴からプレライニングを施工できればよく、単純な構造であるので、安価となる。
【0016】
拡幅機をシールド掘進機の本体胴部内に回収できるので、一路線に数箇所の非常駐車帯を施工する場合も、工費を低く抑えることができる。
【0017】
請求項2及び請求項7の発明のように、拡幅機の前胴にて断面円弧状にスリット掘削し、そのスリットに後胴から断面円弧状のプレライニングを施工し、又は、請求項3及び請求項8の発明のように、前胴にて円弧形の全断面を掘削し、そこに、後胴から断面円弧状のプレライニングを施工することで拡幅部のための先受け工を施工するので、大断面の拡幅が可能で、躯体構造の自由度及び安定性が高く、セグメントの軽構造化も図れる。
【0018】
請求項5の発明のように、中空断面となる断面円弧状とした拡幅機を複数のブロックに分割し、その組み合わせ個数を変えると、プレライニングの大きさを任意に変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1に示すように、シールド掘進機1は、その本体胴部2内に収納できる拡幅機3を備えている。拡幅機3は、分離及び結合可能な前胴3Aと後胴3Bとで構成され、これら前胴3A及び後胴3Bは、本体胴部2の側面から張り出すことができるように、シールド掘進機1に対しその半径線に沿って個別に平行移動可能となっている。
【0021】
実施例1の拡幅機3は、前胴3A及び後胴3Bが中空断面となる断面円弧状、つまり断面C状となっている。前胴3Aの外周面には張り出し用カッタ4、前胴3Aの前面には掘進用カッタ5が装着されている。
【0022】
このような拡幅機3を具備したシールド掘進機1による拡幅部の施工手順を説明すると、次のとおりである。
【0023】
図1に示すように、前胴3Aを後胴3Bから分離して前胴3Aの張り出し用カッタ4にて地山を掘削しながら、前胴3Aのみをシールド掘進機1に対して外側へ平行移動させてその本体胴部2から張り出せる。
【0024】
図2に示すように、前胴3Aを本体胴部2内に引き戻しながら、その掘削箇所に地山安定化のために柔らかい充填材(ゲル化泥水など)6を充填する。前胴3Aの張り出しと引き戻しを数回繰り返して、拡幅機3全体を張り出すための充填材6による安定化領域を確保する。
【0025】
図3に示すように、前胴3Aと後胴3Bとを結合させて充填材6による安定化領域内に押し出す。
【0026】
図4に示すように、シールド掘進機1の掘進に合わせて拡幅機3を同時に掘進させるため、前胴3Aの前面の掘進用カッタ5で地山をC形のスリット状に掘削しながら、そこに後胴3Bからプレライニング7を施工する。図5に示すように、施工された断面C形のプレライニング7がシールドトンネル8の拡幅部の先受け工となる。
【0027】
プレライニングの施工法としては、前胴3Aの掘進用カッタ5でC形のスリット状に掘削しながら、図7及び図8に示すように後胴3Bからその後方にコンクリートを打設して、コンクリートによるプレライニングとする。この他、C形のスリット状に掘削しながら、シールド掘進機1の本体胴部2内から後胴3Bの後方にセグメントを送り出して、セグメントによるプレライニングとする方法もある。
【0028】
プレライニング完了後、結合している前胴3A及び後胴3Bをシールド掘進機1に対して内側に平行移動させてその本体胴部2内に回収する。
【0029】
図6は、プレライニング完了後、シールドトンネル8の一部のセグメントを撤去してプレライニング7の内側を掘削した後、プレライニング7の内面に沿ってセグメント9を組み立て、シールドトンネル8のセグメント10と連続した拡幅部を含む躯体全体の構築を完成させた状態である。
【0030】
張り出し用カッタ4及び掘進用カッタ5としては、図7及び図8に示すように、ローラカッタ群11を前胴3Aの円弧に沿って複数列配置し、シールド掘進機1の本体胴部2内でモータ12により回転させれば、これらローラカッタ群11にて張り出し用カッタ4と掘進用カッタ5とを兼用できる。この他、張り出し用カッタ4及び掘進用カッタ5をそれぞれ大小の円形回転カッタで構成したり、揺動式カッタで構成することもできる。
【0031】
前胴3A及び後胴3Bで構成される拡幅機3を、図9及び図10に示すように、複数のブロックに分割し、ブロックを継ぎ足すことができるようにすれば、大断面の拡幅が可能であるとともに、その断面の大きさを可変できる。
【実施例2】
【0032】
上述した実施例1では、拡幅機3を中空断面となる断面円弧状、つまり断面C状として断面C形のプレライニング7を施工したが、実施例2では、図11に示すように、前胴3A及び後胴3Bで構成される拡幅機3を中空断面ではない円弧状外形として、前胴3Aにて円弧形の全断面を掘削する。
【0033】
すなわち、図11に示すように、前胴3Aを後胴3Bから分離して前胴3Aの張り出し用カッタ4にて地山を掘削しながら、前胴3Aのみをシールド掘進機1に対して外側へ平行移動させてその本体胴部2から張り出せる。
【0034】
図12に示すように、前胴3Aを本体胴部2内に引き戻しながら、その掘削箇所に地山安定化のために柔らかい充填材(ゲル化泥水など)6を充填する。前胴3Aの張り出しと引き戻しを数回繰り返して、拡幅機3全体を張り出すための充填材6による安定化領域を確保する。
【0035】
図13に示すように、前胴3Aと後胴3Bとを結合させて充填材6による安定化領域内に押し出す。
【0036】
図14に示すように、シールド掘進機1の掘進に合わせて拡幅機3を同時に掘進させるため、前胴3Aの前面の掘進用カッタ5で地山を外形円弧形の全断面について掘削しながら、そこに後胴3Bからセグメント13を組み立ててプレライニングを施工する。
【0037】
図15に示すように、セグメント13で施工された断面C形のプレライニングがそのままシールドトンネル8のセグメント10と連続した拡幅部となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1の施工手順において、拡幅機の前胴をシールド掘進機の本体胴部から張り出す状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図2】前胴をシールド掘進機内に引き込みながら充填材を充填する状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図3】前胴と後胴を組み合わせた拡幅機を充填材による安定化領域に押し出す状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図4】シールド掘進機の掘進と同時に拡幅機を掘進させてコンクリートによるプレライニングを施工する状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。。
【図5】プレライング完成状態を示す簡略断面図である。
【図6】プレライング完成後、シールドトンネルのセグメントと連続した拡幅部を含む躯体全体の構築を完成させた状態の簡略断面図である。
【図7】拡幅機の前胴のカッタと後胴からのコンクリート打設を示す簡略断面図である。
【図8】図7とは異なる方向の簡略断面図である。
【図9】前胴とシールド掘進機の本体胴部の簡略断面図である。
【図10】拡幅機3を複数のブロックに分割し、ブロックを継ぎ足すことでプレライニングの断面の大きさを可変できることを示す簡略断面図である。
【図11】本発明の実施例2の施工手順において、拡幅機の前胴をシールド掘進機の本体胴部から張り出す状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図12】前胴をシールド掘進機内に引き込みながら充填材を充填する状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図13】前胴と後胴を組み合わせた拡幅機を充填材による安定化領域に押し出す状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図14】シールド掘進機の掘進と同時に拡幅機を掘進させてコンクリートによるプレライニングを施工する状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図15】シールドトンネルのセグメントと連続した拡幅部の完成状態を示す簡略断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 シールド掘進機
2 本体胴部
3 拡幅機
3A 前胴
3B 後胴
4 張り出し用カッタ
5 掘進用カッタ
6 充填材
7 プレライニング
8 シールドトンネル
9・10・13 セグメント
11 ローラカッタ群
12 モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッタを有する掘削用の前胴と、プレライニング用の後胴とで拡幅機を構成し、前胴をそのカッタで地山を掘削してシールド掘進機の本体胴部内から張り出させ、その掘削箇所に地山安定化用の充填材を充填しながら前胴をシールド掘進機の本体胴部内に引き戻した後、前胴と後胴とを組み合わせて、シールド掘進機の本体胴部内から充填材による安定化領域に押し出し、前胴と後胴とを組み合わた拡幅機をシールド掘進機の掘進と同時に掘進させて拡幅機の断面形状に掘削し、そこに後胴からセグメント又はコンクリートによるプレライニングを施工することを特徴とするトンネル拡幅工法。
【請求項2】
拡幅機の前胴及び後胴を中空断面となる断面円弧状として、前胴にて断面円弧状にスリット掘削し、そのスリットに後胴から断面円弧状のプレライニングを施工することを特徴とする請求項1に記載のトンネル拡幅工法。
【請求項3】
拡幅機の前胴及び後胴を中空断面ではない円弧状外形として、前胴にて円弧形の全断面を掘削し、そこに、後胴から断面円弧状のプレライニングを施工することを特徴とする請求項1に記載のトンネル拡幅工法。
【請求項4】
拡幅機の前胴の外周面に設けられた張り出し用カッタで該前胴の張り出しを行い、前胴の前面に設けられた掘進用カッタで拡幅機を掘進させることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のトンネル拡幅工法。
【請求項5】
中空断面となる断面円弧状とした拡幅機を複数のブロックに分割し、その組み合わせ個数によってプレライニングの大きさを可変とすることを特徴とする請求項2に記載のトンネル拡幅工法。
【請求項6】
掘削用の前胴と、プレライニング用の後胴とで拡幅機が構成され、これら前胴及び後胴は、シールド掘進機の本体胴部に対して張り出し・収納自在となっており、前胴には、その前面に掘進用のカッタ、外側面に張り出し用のカッタが設けられ、後胴は、プレライニングのためのコンクート打設又はセグメント組立が可能となっていることを特徴とするトンネル拡幅装置。
【請求項7】
拡幅機の前胴及び後胴が中空断面となる断面円弧状で、前胴にて断面円弧状にスリット掘削し、そのスリットに後胴から断面円弧状のプレライニングを施工するようになっていることを特徴とする請求項6に記載のトンネル拡幅装置。
【請求項8】
拡幅機の前胴及び後胴を中空断面ではない円弧状外形で、前胴にて円弧形の全断面を掘削し、そこに、後胴から断面円弧状のプレライニングを施工するようになっていることを特徴とする請求項6に記載のトンネル拡幅装置。
【請求項1】
カッタを有する掘削用の前胴と、プレライニング用の後胴とで拡幅機を構成し、前胴をそのカッタで地山を掘削してシールド掘進機の本体胴部内から張り出させ、その掘削箇所に地山安定化用の充填材を充填しながら前胴をシールド掘進機の本体胴部内に引き戻した後、前胴と後胴とを組み合わせて、シールド掘進機の本体胴部内から充填材による安定化領域に押し出し、前胴と後胴とを組み合わた拡幅機をシールド掘進機の掘進と同時に掘進させて拡幅機の断面形状に掘削し、そこに後胴からセグメント又はコンクリートによるプレライニングを施工することを特徴とするトンネル拡幅工法。
【請求項2】
拡幅機の前胴及び後胴を中空断面となる断面円弧状として、前胴にて断面円弧状にスリット掘削し、そのスリットに後胴から断面円弧状のプレライニングを施工することを特徴とする請求項1に記載のトンネル拡幅工法。
【請求項3】
拡幅機の前胴及び後胴を中空断面ではない円弧状外形として、前胴にて円弧形の全断面を掘削し、そこに、後胴から断面円弧状のプレライニングを施工することを特徴とする請求項1に記載のトンネル拡幅工法。
【請求項4】
拡幅機の前胴の外周面に設けられた張り出し用カッタで該前胴の張り出しを行い、前胴の前面に設けられた掘進用カッタで拡幅機を掘進させることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のトンネル拡幅工法。
【請求項5】
中空断面となる断面円弧状とした拡幅機を複数のブロックに分割し、その組み合わせ個数によってプレライニングの大きさを可変とすることを特徴とする請求項2に記載のトンネル拡幅工法。
【請求項6】
掘削用の前胴と、プレライニング用の後胴とで拡幅機が構成され、これら前胴及び後胴は、シールド掘進機の本体胴部に対して張り出し・収納自在となっており、前胴には、その前面に掘進用のカッタ、外側面に張り出し用のカッタが設けられ、後胴は、プレライニングのためのコンクート打設又はセグメント組立が可能となっていることを特徴とするトンネル拡幅装置。
【請求項7】
拡幅機の前胴及び後胴が中空断面となる断面円弧状で、前胴にて断面円弧状にスリット掘削し、そのスリットに後胴から断面円弧状のプレライニングを施工するようになっていることを特徴とする請求項6に記載のトンネル拡幅装置。
【請求項8】
拡幅機の前胴及び後胴を中空断面ではない円弧状外形で、前胴にて円弧形の全断面を掘削し、そこに、後胴から断面円弧状のプレライニングを施工するようになっていることを特徴とする請求項6に記載のトンネル拡幅装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−46294(P2007−46294A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−230746(P2005−230746)
【出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【出願人】(303057365)株式会社間組 (138)
【出願人】(592093833)青山機工株式会社 (5)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【出願人】(303057365)株式会社間組 (138)
【出願人】(592093833)青山機工株式会社 (5)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】
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