ドットマトリクス表示装置の透明電極基板および表示装置
【課題】フレキシブルな表示装置に使用する透明電極基板において、十分な表面抵抗および光透過率を有するが、破断が生じにくい透明電極を実現する。
【解決手段】ドットマトリクス表示装置の透明電極基板であって、透明基板21と、透明基板上に平行に配置された複数の帯状電極と、を備え、帯状電極は、交互に連結された異なる材料の複数種類の島状電極22,23を備える。
【解決手段】ドットマトリクス表示装置の透明電極基板であって、透明基板21と、透明基板上に平行に配置された複数の帯状電極と、を備え、帯状電極は、交互に連結された異なる材料の複数種類の島状電極22,23を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットマトリクス表示装置に使用する透明電極基板およびそれを有する表示装置に関し、特に曲げに強い電極構造を有する透明電極基板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子のようなドットマトリクス型表示素子(パネル)が、テレビ受像機やコンピュータシステムのモニタとして広く使用されている。ドットマトリクス型表示素子には、パッシブ型とアクティブ型がある。パッシブ型のドットマトリクス型表示素子は、平行に配列された複数の第1の帯状電極(スキャンライン)と、スキャンラインと垂直に交差するように配置された複数の第2の帯状電極(セグメントライン)とを有し、複数のスキャンラインと複数のセグメントラインの交差部に画素が形成される。表示する画像の書込みは、スキャンラインに順次スキャンパルスを印加し、スキャンパルスの印加に同期して複数のセグメントラインに1ライン分のデータを出力することにより行われる。ドットマトリクス型表示素子には、CRT、PDP、EL、液晶表示素子など各種の方式があるが、特に液晶表示素子が広く使用されている。
【0003】
近年、電源を切っても表示内容を保持できる書換え可能な表示デバイスとして、各企業および大学などにおいて、電子ペーパーの開発が盛んに進められている。電子ペーパーは、電源を切ってもメモリ表示可能な超低消費電力と、目に優しく、見ていても疲れない反射型の表示と紙のような可撓性があるフレキシブルで薄型の表示体を目指して研究が進められている。電子ペーパーの応用先としては、電子ブック、電子新聞、電子ポスターなどが考えられている。
【0004】
電子ペーパーの表示方式として、電気泳動方式、電子粉流体方式、ツイストボール方式、液晶表示ディスプレイ、有機EL表示ディスプレイなど各種の表示方式が提案されている。電気泳動方式は、帯電粒子を液体で移動させる方式である。電子粉流体方式は、帯電トナーを気体中で移動させる方式である。ツイストボール方式は、二色に色分けされた帯電粒子を回転させる方式である。有機EL表示素子(有機エレクトロ・ルミネッセンス表示デバイス)は、有機材料からなる複数の薄膜を陰極と陽極で挟み込んだ構造の自発光型のディスプレイである。有機EL表示素子は、メモリ性が無いため、電子ペーパーの分類に入れない場合もある。液晶表示装置は、液晶層をそれぞれ画素電極と対向電極で挟み込んだ構造を有する非自発光型のディスプレイである。
【0005】
液晶ディスプレイによる電子ペーパーは、液晶層の干渉反射を利用した双安定性のある選択反射型のコレステリック液晶を用いて研究・開発が進められている。コレステリック液晶は、カライラルネマティック液晶とも称されることがあり、ネマティック液晶にキラル性の添加剤(カイラル材)を比較的多く(数十%)添加することにより、ネマティック液晶の分子がらせん状のコレステリック相を形成する液晶である。ここで、双安定性とは、液晶が2つの異なった配向状態で安定性を示す性質であり、コレステリック液晶は、プレーナ状態とフォーカルコニック状態という2つの安定状態が電界除去後にも長時間保持される性質を有している。コレステリック液晶では、プレーナ状態で入射光が干渉反射され、フォーカルコニック状態では入射光が透過する。このため、液晶層にコレステリック液晶を用いた液晶パネルでは、液晶層での入射光の選択反射により光の明暗を表示できるため、偏光板が不要となる。コレステリック液晶は、半永久的な表示保持(メモリ性)や鮮やかなカラー表示、高コントラスト、高解像度といった優れた特徴を有している。
【0006】
以上説明したように、各種電子ペーパーが開発され、電子ペーパーの定義も各種あるが、ここでは可撓性(フレキシブル)基板を用いた曲がるディスプレイで、TFTを用いないパッシブマトリクスディスプレイが対象である。以下の説明では、コレステリック液晶を用いたフレキシブルなパッシブ型液晶表示装置を例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
特許文献1はコレステリック液晶表示装置の構成を記載している。本出願において、特許文献1の記載内容は参照され、コレステリック液晶表示装置の構成および動作についての説明は省略する。
【0008】
図1は、従来のコレステリック液晶を用いたフレキシブルなパッシブマトリクス型表示装置の一例の構成を示す図である。上基板(フィルム)1と下基板(フィルム)2を、その上に形成された電極層3と4が対向するように所定の間隔で貼り合わされる(サンドイッチされる)。上フィルム1と下フィルム2を所定間隔で貼り合わせるために、スペーサと呼ばれる所定の直径を有する粒体が貼り合わせ面に散布されるが、ここでは図示を省略している。上フィルム1と下フィルム2の間に液晶層6が形成される。電極層3と4は、平行に配置された複数の透明電極11、12を有し、透明電極11、12の交差部分に画素が形成される。透明電極11、12は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などの無機透明電極材料で形成されるのが一般的である。
【0009】
複数の透明電極11、12は、フィルムの一方に引き出され、その上に設けられた電極端子13、14が、ドライバ回路を搭載したフレキシブル回路基板(FPC)と接続される。図1の(A)では、下フィルム2の透明表示電極12と接続されるFPC7が示されている。FPC7は、ACF(Anisotropic Conductive Film)などを使用した接続層8により、電極端子14に接続される。貼り合わせ部分の周囲にはシール部材5が設けられ、液晶を封止する。
【0010】
カラー液晶表示装置の場合には、反射波長の異なる3枚のパネルが積層され、裏面に光吸収層が形成される。透明表示電極11、12間に電圧が印加されると、液晶の配列が変化し、特定の波長帯が双安定的に反射あるいは透過する。透過した光は裏面の光吸収層で吸収されるので黒表示になる。
【0011】
図2は透明電極における断線の発生を説明する図である。図2の(A)および(B)に示すように、フィルム1、2を折り曲げることにより、透明電極11、12に断線15が発生する。断線は表示不良となるので、そのフィルム基板は不良品となり、歩留まりを低下させる。
【0012】
上下フィルム1、2は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PSF、PC(ポリカーボネート)、PEN(ポリエチレン)フィルムである。
【0013】
フィルム基板は、一般にロール・ツー・ロール・プロセスにより電極パターンが形成される。このプロセスでは、フィルムが回転するローラ上をあるテンションで搬送され、フォトプロセスにより電極パターンが形成される。この工程中に、ロールから受けるテンション、熱、あるいは機械的接触により電極に断線が発生することがある。また、電極形成後、ロールを表示装置の寸法に切断し、液晶を電極間に注入し、さらにはACFなどにより電極端子にFPCを接続するが、その圧着などの工程を通して機械的歪、熱的歪を受け断線が発生することもある。また、表示装置はフレキシブルであり、折り曲げられることが特徴であるが、表示装置を折り曲げると一定の曲率半径以下でも断線が発生することがある。断線は補修できないため、致命的な欠陥になる。特に、フレキシブル表示装置では、表示領域外の電極端子接続部でFPCの配線が引き回され、その部分が曲げられるため、ストレスが発生して断線が発生しやすいという問題がある。さらに、フレキシブル表示装置の用途である携帯電話においては、表示装置は、角に丸みのある筐体を包み込むことが可能なフレキシブル性が要求されている。このような小さな曲率半径では、表示部の周辺で断線が発生しやすくなる。
【0014】
【特許文献1】国際公開WO2007/110949A1
【特許文献2】特開2006−210125号公報
【特許文献3】特表2007−507853号公報
【特許文献4】特開2005−019056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
断線の原因を調査すると、主たる原因が2つあることが判明した。1つは、機械的ストレスによってフィルム基板が伸縮し、無機透明電極が破断伸びにまで至るものである。もう1つは、熱膨張によって、フィルムが伸び、無機透明電極に過大なストレスが発生して破断するものである。フィルムの熱収縮が大きい場合も同様に破断し易くなる。このような破断を回避するためには、透明電極の引っ張り強度を増加させ、熱膨張率をフィルムと同程度にすることが必要である。そのため、破断伸びの大きな透明導電性ポリマーやCNT(カーボンナノチューブ)などを使用することが試みられている。しかし、いずれの材料も、従来の無機透明電極に比べて表面抵抗が高く、いまだ実用的な水準には達していない。なお、透明導電性ポリマーやCNTは、透明性を示す光透過率が高い場合は表面抵抗が高く、逆に表面抵抗が小さい場合は光透過率が低いという問題を持っており、光透過率と表面抵抗の両方で無機透明電極に優るものは得られていない。
【0016】
また、ガラス基板の場合には、ガラスのヤング率が大きいことと、無機透明電極との熱膨張率差が小さいため、フィルム基板で生じるような透明電極の破断は生じない。しかし、ガラス基板はフレキシブルでないので使用できない。
【0017】
さらに、電極端子の部分で接続を行うために、端子引き出し電極線幅を小さくする必要があるが、従来の無機透明電極は、表面抵抗が十分に小さくないため細くできなかった。そのため、パネルの周辺部である額縁部が大きくなるという問題があった。
【0018】
以上説明したフレキシブルなパッシブ型表示装置における無機透明電極の問題点およびその原因をまとめると以下の通りである。
【0019】
(1)フィルム基板上の無機透明電極は機械的、熱的に断線し易い。
【0020】
(2)機械的、熱的ストレスは製造工程で不可避的に発生する。
【0021】
(3)表示素子(パネル)完成後も、曲げによるストレスで断線が発生する問題がある。表示面が曲率を持つ場合、および表示面が平坦の場合でも、表示領域外の端子接続部で曲げなどによるストレス断線が発生し易い。
【0022】
(4)無機透明電極の表面抵抗が大きいため、引き出し電極幅を細くできず、額縁部が広くなる。
【0023】
(5)機械的ストレスの原因は、フィルム基板のヤング率が小さいことにある。
【0024】
(6)熱的ストレスはフィルム基板と無機透明電極の熱膨張率の違いにある。
【0025】
(7)上記の(5)および(6)の原因に対する対策として、有機導電ポリマーあるいはCNTを使用することが考えられるが、これらは所定値以下の表面抵抗に対して光透過率が極めて不十分であり、実用的でない。
【0026】
本発明は、上記のような問題点を解決して、フレキシブルなパッシブ型表示装置に使用する透明電極基板において、十分な表面抵抗および光透過率を有するが、破断が生じにくい透明電極を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記目的を実現するため、第1の態様のドットマトリクス表示装置の透明電極基板によれば、透明基板上に平行に配置された複数の帯状電極を、交互に連結された異なる材料の複数種類の島状電極で構成する。
【0028】
上記の構成により、機械的および熱的ストレス、および伸縮によるストレスが発生しても、複数種類の島状電極は短く、島状電極隣接部分でストレスが分散するため、電極破断の発生が緩和され、断線が防止される。
【0029】
この場合の、帯状電極の表面抵抗は、複数種類の島状電極の表面抵抗を合成した、複数種類の島状電極の表面抵抗の中間の値になり、その値は各種類の島状電極の占める割合で決定される。また、帯状電極の光透過率も、画素内の複数種類の島状電極の光透過率を合成した、複数種類の島状電極の光透過率の中間の値になり、その値は画素内で各種類の島状電極の占める割合で決定される。
【0030】
また、第2の態様の表示装置の透明電極基板によれば、透明基板上に、画素部に対応して互いに離れて配置された複数の透明画素電極と、透明基板上に、非画素部に対応して、一列の複数の透明画素電極を接続する金属の補助電極と、を備える。
【0031】
金属の補助電極は、基板の端から端まで伸びるが、金属製であるため電極破断は発生しにくい。一方、各透明画素電極は、短いため上記と同様に、電極破断の発生が緩和される。したがって、断線が防止される。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、光透過率が比較的高く、表面抵抗も比較的小さく、機械的強度が高く、断線しにくい帯状電極が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図3は、第1実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。図3に示すように、第1実施形態の透明電極基板は、フレキシブル透明基板21上に形成された複数本の互いに平行な帯状電極を有する。各帯状電極は、第1透明電極材料による第1透明電極22と、第2透明電極材料による第2透明電極23と、第2透明電極材料による引き出し電極24と、を有し、第1透明電極22と第2透明電極23が交互に連結して配置されている。第1透明電極22は、無機透明電極材料で形成され、例えばITO(インジウム錫酸化物)電極である。一方、第2透明電極23および引き出し電極24は、有機透明電極であり、例えばポリチオフェン系の材料で形成される。引き出し電極24には、金属による端子電極25が設けられる。
【0034】
図4は、第1実施形態の透明電極基板の帯状電極の断面構造を示す図であり、透明基板21上に離れて形成された第1透明電極22に一部が重なるように第2透明電極23が形成される。これにより、端から端まで導電性の帯状電極が形成される。
【0035】
透明電極基板21は、例えばPC(ポリカーボネート)フィルムを使用したが、ほかの可撓性基板、例えばPET、PES、PEN、PSF、COPなどのフィルムを使用することも可能である。
【0036】
第1透明電極22のITO電極を形成する無機透明電極材料は、光透過率が高く、表面抵抗も小さいため、従来から帯状電極の材料として使用されていたが、機械的強度が小さい。ITOは、光透過率95%、表面抵抗30Ω/□、破断伸び約2%である。そのため、帯状電極の端から端までITO電極とすると断線が発生し易いという問題があった。第2透明電極23および引出し電極24の有機透明電極を形成するポリチオフェン系の有機ポリマー電極材料は、機械的強度が強く、光透過率も高いが、表面抵抗が比較的大きい。例えば、ポリチオフェン系の有機ポリマー電極材料である導電性ポリマーPEDOT/PSS(日本アグファゲバルト社製)は、適当な厚みの場合に、光透過率90%、表面抵抗250Ω/□、破断伸び6%である。そのため、帯状電極の端から端まで有機透明電極とすると表面抵抗が大きくなり、実用的でなかった。
【0037】
第1実施形態では、島状の第1透明電極(ITO電極)22と第2透明電極(有機ポリマー電極)23を交互に接続するため、光透過率が比較的高く、表面抵抗も比較的小さく、機械的強度が高い、実用的な帯状電極が形成できる。
【0038】
一般に、2種類の島状の電極を直列に接続した場合の直列複合電極の複合抵抗は、次の式で与えられる。
【0039】
複合表面抵抗=(第1透明電極の表面抵抗×第1透明電極の占有長さ比率)
+(第2透明電極の表面抵抗×第2透明電極の占有長さ比率)
例えば、ITO電極の表面抵抗を30Ω/□、占有長さ比率を80%、有機ポリマー電極の表面抵抗を250Ω/□、占有長さ比率を20%とすると、直列複合電極の複合表面抵抗は74Ω/□となり、実用上問題のない表面抵抗値となる。
【0040】
また、直列複合電極の実質光透過率は、第1透明電極(ITO電極)22と第2透明電極(有機ポリマー電極)23の中間の光透過率となり、有機ポリマー電極単体の場合の透過率より高くなる。
【0041】
また、有機ポリマー電極はもともと機械的強度が高いが、ITO電極も島状に形成されているため、長さが短く、ストレスがほかの島状電極との接続部で吸収されて緩和されるので、機械的強度が高くなる。したがって、直列複合電極は、全体としてITO電極より機械的強度が高くなる。
【0042】
図5は、第1実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。図5の(A)に示すように、PCフィルム21の表面にITO層31を蒸着する。図5の(B)に示すように、その上にレジスト層32を塗布する。マスクによるフォトプロセスおよび現像プロセスを行い、図5の(C)に示すように、レジスト層32’をITO電極の島形状にする。ここでは、ITO電極の長さは、画素ピッチの2倍とした。そして、エッチングプロセスとレジスト層32’の剥離プロセスを行い、図5の(D)に示すように、島状のITO電極31’が形成される。次に、図5の(E)に示すように、グラビア印刷法により、PEDOT/PSS33を島状に、島状ITO電極の間隙に塗布して乾燥する。
【0043】
以上のようにして、有機導電電極(導電性ポリマー)と無機透明電極(ITO)の島状交互パターンの帯状電極が得られた。この帯状電極の光透過率は92%、複合表面抵抗は140Ω/□であり、導電性ポリマー単体による電極に比べて性能が向上した。また、島状にしたことにより、引張り強度および曲げ強度は無機透明電極(ITO)単体に比べて30%向上した。
【0044】
なお、有機透明電極と無機透明電極のパターンは、必ずしも画素ピッチとする必要はなく、所望の光透過率、表面抵抗、機械的強度に応じて、図6の(A)から(D)に示すように、ピッチおよび比率を変えることが可能である。したがって、第1実施形態において、第1透明電極22を有機ポリマー電極と、第2透明電極23をITO電極とすることも可能である。ただし、製造プロセスは、図5のように、ITO電極を先に形成する。さらに、表示部以外の引き出し電極24は、光透過率は低いが機械的強度が強い導電性ポリマーで形成することが望ましい。
【0045】
以上、第1実施形態を説明したが、ITOの代わりに、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などのほかの無機透明電極材料を使用することが可能である。また、グラビア印刷で導電性ポリマーを塗布したが、導電性ポリマーとしてUV硬化型のポリマー(信越ポリマー(株)製)を用いて、フォトプロセスによりパターニングすることも可能である。
【0046】
また、第2透明電極23および引き出し電極24として、CNT(カーボンナノチューブ)を使用することも可能である。適当な溶媒に懸濁させたCNT溶液をグラビア印刷法によりITO電極(またはIZO電極)の間隙に塗布した後乾燥する。CNTは、適当な厚みの場合に、透過率90%、表面抵抗100Ω/□、破断伸び10%の特性のものが得られた。このような島状のCNTとITO電極(またはIZO電極)を組み合わせた帯状電極では、光透過率は92%、複合表面抵抗は65Ω/□であり、導電性ポリマー単体による電極に比べて性能が向上した。また、島状にしたことにより、引張り強度および曲げ強度は無機透明電極(ITO、IZO)単体に比べて30%向上した。
【0047】
以上のように、第1透明電極、第2透明電極および引き出し電極を形成する材料は、各種組み合わせることが可能である。なお、3種以上の透明電極を順番に繰り返し、3種類以上の材料を組み合わせることも可能である。
【0048】
図7は、第2実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。図7に示すように、第2実施形態の透明電極基板は、第1実施形態の透明電極基板と類似の構成を有するが、第2透明電極23および引き出し電極24に対応する第2電極27および引き出し電極28が銅(Cu)で形成され、第2電極27の幅が狭いことが、第1実施形態と異なる。第2電極27は、Cuは光に対して不透明なので、画素間の部分(パターンギャップ部)に対応して設けられる。第1透明電極26は、第1実施形態と同様に、無機透明導電材料のITO電極で形成される。Cuによる第2電極は0.3μmの厚さで、表面抵抗0.06Ω/□、破断伸び12%のものが得られる。引き出し電極28にはボンディング圧に耐えられるようにさらに金属の端子電極25が設けられる。
【0049】
図8は、第2実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。図8の(A)から(D)のPCフィルム21の表面にITO電極パターン31’を形成するまでのプロセスは、第1実施形態のプロセスと同じである。図8の(E)に示すように、PCフィルム21の表面およびITO電極パターン31’上の全面にCu層33を蒸着する。そして、(B)および(C)と同様にレジストを塗布して、フォトプロセスにより画素間部分、すなわちITO電極パターン31’の間隙部分のみレジストを残し、その後エッチングおよびレジスト剥離を行い、図8の(F)のようなパターン化されたCu層33’が得られる。
【0050】
このようにして得られた帯状電極は、光透過率95%、複合表面抵抗30Ω/□であり、島状にしたことにより、引張り強度および曲げ強度は無機透明電極(ITO、IZO)単体に比べて約20%向上した。また、引き出し電極28をCuで形成することにより、パネル周辺部の曲げ耐性は少なくとも数倍に向上した。さらに、Cu層は光に対して不透明なので、画素間部を遮光してパネルのコントラストを向上する。
【0051】
なお、第2透明電極27および引き出し電極28を、スパッタ法で形成することも、Cuの選択メッキ法で形成することも可能である。なお、第2透明電極27および引き出し電極28を、Cu以外のAu、Cr、Ni、Alなどで形成することも可能であり、第1透明電極をIZO電極とすることも、さらにCNTとすることも可能である。
【0052】
図9は、第3実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。図9に示すように、第3実施形態の透明電極基板は、画素部分に対応して設けられた島状の複数の第1透明電極41と、1列の第1透明電極41の上辺部に接触するように伸びる細い補助配線42と、補助配線42の一方の端に設けられた引き出し電極43と、が設けられる。引き出し電極43上には、金属による端子電極44が設けられる。第1透明電極41は、ITOなどの無機透明材料で形成される。補助配線42および引き出し電極43はCuなどの金属で形成される。第3実施形態の透明電極基板の製造プロセスは、図8に示した第2実施形態と同じである。
【0053】
第3実施形態では、第1透明電極41が島状になっているので、引張り強度および曲げ強度は無機透明電極(ITO、IZO)単体に比べて約20%向上した。また、細い補助配線42であるが、金属製であるため、帯状電極の実質的な表面抵抗は2Ω/□程度であり、実用上の問題はない。
【0054】
なお、第3実施形態において、第1透明電極41を導電性ポリマーあるいはCNTで形成することも可能である。
【0055】
図10は、第4実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。図10に示すように、第4実施形態の透明電極基板は、第3実施形態において、第1透明電極41の間に補助配線42から伸びる第2補助配線45を設けた構成を有する。第2補助配線45は隣接する第1透明電極41の左右辺部に接触する。言い換えれば、第4実施形態の透明電極基板は、第2実施形態において、第1透明電極41の上辺部に接触するように伸びる細い補助配線42を設けた構成を有する。第4実施形態の透明電極基板の製造プロセスは、図8に示した第2実施例と同じである。
【0056】
第4実施形態でも、第2および第3実施形態と同様に、光透過率、複合表面抵抗、引張り強度および曲げ強度は無機透明電極を向上でき、さらに、Cu層で画素間部を遮光するのでパネルのコントラストを向上する。
【0057】
図11の(A)は、第4実施形態の透明電極基板の断面図である。図8で説明した第2実施形態の構造と同じであるので説明は省略する。
【0058】
図11の(B)は、第4実施形態の変形例の透明電極基板を使用したパネルの断面構造を示す図である。図11の(B)に示すように、第4実施形態の変形例の透明電極基板は、補助配線42および第2補助配線45の厚みが、液晶層6の厚さ(液晶ギャップ)と同じ厚さ、例えば5μmである。このような厚い金属層46は、メッキ法などで容易に形成できる。この厚い壁状の金属層46は、液晶層6のスペーサとして機能し、液晶ギャップの厚さを一定に保持する。したがって、微小粒体であるスペーサを散布する必要はない。ただし、厚い壁状の金属層46が対向基板51の対向電極52に接触するのを防止するため、厚い壁状の金属層46の上部には絶縁性の膜47を形成する必要がある。このような絶縁性の膜47の形成は、絶縁膜あるいは配向膜の形成に広く一般に使用されているプロセスが使用できるので、プロセス上の負担とならない。また、上下の透明電極基板(フィルム基板)21,51を接合することが必要であり、その場合には厚い壁状の金属層46の上部に絶縁性の粘着層を形成するようにしてもよい。
【0059】
図12は、第5実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。図12に示すように、第5実施形態の透明電極基板は、図10に示した第4実施形態において、補助配線42および第2補助配線45の上に絶縁性の壁状スペーサ47を形成した構造を有する。一般に金属層は接着性が低いため、接合機能のある壁状スペーサ48を設けることが好ましい。この構成により、上下の透明電極基板の接合性が向上する。なお、表示範囲以外では壁構造48は無くてもよい。
【0060】
図13は、第5実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。第1透明電極41を形成するまでのプロセスは、図8の(A)から(D)で説明した第1実施形態のプロセスと同じである。第1透明電極41を形成した後、図13の(A)に示すように、PCフィルム21の表面およびITO電極パターン31’上の全面にCu層43,45を蒸着する。そして、壁状スペーサ47用レジストを塗布して、フォトプロセスおよび現像により壁状スペーサ47の部分を生成する(図13の(B))。その後、壁状スペーサ47の部分をマスクとしてエッチングを行い、図13の(C)のようなパターン化されたCu層43’、45’が得られる。以上のように、壁状スペーサ47の部分をマスクとしてエッチングを行うので、Cu層43,45のパターン化のためのマスク作成プロセスを省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、従来のコレステリック液晶を用いたフレキシブルなパッシブマトリクス型表示装置の一例の構成を示す図である。
【図2】図2は、透明表示電極における断線の発生を説明する図である。
【図3】図3は、第1実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。
【図4】図4は、第1実施形態の透明電極基板の帯状電極の断面構造を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態の透明電極基板の第1透明電極(有機導電電極)と第2透明電極(無機透明電極)のパターンの変形例を示す図である。
【図7】図7は、第2実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。
【図8】図8は、第2実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。
【図9】図9は、第3実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。
【図10】図10は、第4実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。
【図11】図11は、第4実施形態の変形例の透明電極基板の1本の帯状電極の断面構造を示す図である。
【図12】図12は、第5実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。
【図13】図13は、第5実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 上基板(フィルム)
2 下基板(フィルム)
3 上側電極層
4 下側電極層
5 シール部材
6 液晶層
7 FPC
11 上側透明表示電極
12 下側透明表示電極
21 透明電極基板
22 第1透明電極(無機透明電極)
23 第2透明電極(有機透明電極)
24 引き出し電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドットマトリクス表示装置に使用する透明電極基板およびそれを有する表示装置に関し、特に曲げに強い電極構造を有する透明電極基板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子のようなドットマトリクス型表示素子(パネル)が、テレビ受像機やコンピュータシステムのモニタとして広く使用されている。ドットマトリクス型表示素子には、パッシブ型とアクティブ型がある。パッシブ型のドットマトリクス型表示素子は、平行に配列された複数の第1の帯状電極(スキャンライン)と、スキャンラインと垂直に交差するように配置された複数の第2の帯状電極(セグメントライン)とを有し、複数のスキャンラインと複数のセグメントラインの交差部に画素が形成される。表示する画像の書込みは、スキャンラインに順次スキャンパルスを印加し、スキャンパルスの印加に同期して複数のセグメントラインに1ライン分のデータを出力することにより行われる。ドットマトリクス型表示素子には、CRT、PDP、EL、液晶表示素子など各種の方式があるが、特に液晶表示素子が広く使用されている。
【0003】
近年、電源を切っても表示内容を保持できる書換え可能な表示デバイスとして、各企業および大学などにおいて、電子ペーパーの開発が盛んに進められている。電子ペーパーは、電源を切ってもメモリ表示可能な超低消費電力と、目に優しく、見ていても疲れない反射型の表示と紙のような可撓性があるフレキシブルで薄型の表示体を目指して研究が進められている。電子ペーパーの応用先としては、電子ブック、電子新聞、電子ポスターなどが考えられている。
【0004】
電子ペーパーの表示方式として、電気泳動方式、電子粉流体方式、ツイストボール方式、液晶表示ディスプレイ、有機EL表示ディスプレイなど各種の表示方式が提案されている。電気泳動方式は、帯電粒子を液体で移動させる方式である。電子粉流体方式は、帯電トナーを気体中で移動させる方式である。ツイストボール方式は、二色に色分けされた帯電粒子を回転させる方式である。有機EL表示素子(有機エレクトロ・ルミネッセンス表示デバイス)は、有機材料からなる複数の薄膜を陰極と陽極で挟み込んだ構造の自発光型のディスプレイである。有機EL表示素子は、メモリ性が無いため、電子ペーパーの分類に入れない場合もある。液晶表示装置は、液晶層をそれぞれ画素電極と対向電極で挟み込んだ構造を有する非自発光型のディスプレイである。
【0005】
液晶ディスプレイによる電子ペーパーは、液晶層の干渉反射を利用した双安定性のある選択反射型のコレステリック液晶を用いて研究・開発が進められている。コレステリック液晶は、カライラルネマティック液晶とも称されることがあり、ネマティック液晶にキラル性の添加剤(カイラル材)を比較的多く(数十%)添加することにより、ネマティック液晶の分子がらせん状のコレステリック相を形成する液晶である。ここで、双安定性とは、液晶が2つの異なった配向状態で安定性を示す性質であり、コレステリック液晶は、プレーナ状態とフォーカルコニック状態という2つの安定状態が電界除去後にも長時間保持される性質を有している。コレステリック液晶では、プレーナ状態で入射光が干渉反射され、フォーカルコニック状態では入射光が透過する。このため、液晶層にコレステリック液晶を用いた液晶パネルでは、液晶層での入射光の選択反射により光の明暗を表示できるため、偏光板が不要となる。コレステリック液晶は、半永久的な表示保持(メモリ性)や鮮やかなカラー表示、高コントラスト、高解像度といった優れた特徴を有している。
【0006】
以上説明したように、各種電子ペーパーが開発され、電子ペーパーの定義も各種あるが、ここでは可撓性(フレキシブル)基板を用いた曲がるディスプレイで、TFTを用いないパッシブマトリクスディスプレイが対象である。以下の説明では、コレステリック液晶を用いたフレキシブルなパッシブ型液晶表示装置を例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
特許文献1はコレステリック液晶表示装置の構成を記載している。本出願において、特許文献1の記載内容は参照され、コレステリック液晶表示装置の構成および動作についての説明は省略する。
【0008】
図1は、従来のコレステリック液晶を用いたフレキシブルなパッシブマトリクス型表示装置の一例の構成を示す図である。上基板(フィルム)1と下基板(フィルム)2を、その上に形成された電極層3と4が対向するように所定の間隔で貼り合わされる(サンドイッチされる)。上フィルム1と下フィルム2を所定間隔で貼り合わせるために、スペーサと呼ばれる所定の直径を有する粒体が貼り合わせ面に散布されるが、ここでは図示を省略している。上フィルム1と下フィルム2の間に液晶層6が形成される。電極層3と4は、平行に配置された複数の透明電極11、12を有し、透明電極11、12の交差部分に画素が形成される。透明電極11、12は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などの無機透明電極材料で形成されるのが一般的である。
【0009】
複数の透明電極11、12は、フィルムの一方に引き出され、その上に設けられた電極端子13、14が、ドライバ回路を搭載したフレキシブル回路基板(FPC)と接続される。図1の(A)では、下フィルム2の透明表示電極12と接続されるFPC7が示されている。FPC7は、ACF(Anisotropic Conductive Film)などを使用した接続層8により、電極端子14に接続される。貼り合わせ部分の周囲にはシール部材5が設けられ、液晶を封止する。
【0010】
カラー液晶表示装置の場合には、反射波長の異なる3枚のパネルが積層され、裏面に光吸収層が形成される。透明表示電極11、12間に電圧が印加されると、液晶の配列が変化し、特定の波長帯が双安定的に反射あるいは透過する。透過した光は裏面の光吸収層で吸収されるので黒表示になる。
【0011】
図2は透明電極における断線の発生を説明する図である。図2の(A)および(B)に示すように、フィルム1、2を折り曲げることにより、透明電極11、12に断線15が発生する。断線は表示不良となるので、そのフィルム基板は不良品となり、歩留まりを低下させる。
【0012】
上下フィルム1、2は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PSF、PC(ポリカーボネート)、PEN(ポリエチレン)フィルムである。
【0013】
フィルム基板は、一般にロール・ツー・ロール・プロセスにより電極パターンが形成される。このプロセスでは、フィルムが回転するローラ上をあるテンションで搬送され、フォトプロセスにより電極パターンが形成される。この工程中に、ロールから受けるテンション、熱、あるいは機械的接触により電極に断線が発生することがある。また、電極形成後、ロールを表示装置の寸法に切断し、液晶を電極間に注入し、さらにはACFなどにより電極端子にFPCを接続するが、その圧着などの工程を通して機械的歪、熱的歪を受け断線が発生することもある。また、表示装置はフレキシブルであり、折り曲げられることが特徴であるが、表示装置を折り曲げると一定の曲率半径以下でも断線が発生することがある。断線は補修できないため、致命的な欠陥になる。特に、フレキシブル表示装置では、表示領域外の電極端子接続部でFPCの配線が引き回され、その部分が曲げられるため、ストレスが発生して断線が発生しやすいという問題がある。さらに、フレキシブル表示装置の用途である携帯電話においては、表示装置は、角に丸みのある筐体を包み込むことが可能なフレキシブル性が要求されている。このような小さな曲率半径では、表示部の周辺で断線が発生しやすくなる。
【0014】
【特許文献1】国際公開WO2007/110949A1
【特許文献2】特開2006−210125号公報
【特許文献3】特表2007−507853号公報
【特許文献4】特開2005−019056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
断線の原因を調査すると、主たる原因が2つあることが判明した。1つは、機械的ストレスによってフィルム基板が伸縮し、無機透明電極が破断伸びにまで至るものである。もう1つは、熱膨張によって、フィルムが伸び、無機透明電極に過大なストレスが発生して破断するものである。フィルムの熱収縮が大きい場合も同様に破断し易くなる。このような破断を回避するためには、透明電極の引っ張り強度を増加させ、熱膨張率をフィルムと同程度にすることが必要である。そのため、破断伸びの大きな透明導電性ポリマーやCNT(カーボンナノチューブ)などを使用することが試みられている。しかし、いずれの材料も、従来の無機透明電極に比べて表面抵抗が高く、いまだ実用的な水準には達していない。なお、透明導電性ポリマーやCNTは、透明性を示す光透過率が高い場合は表面抵抗が高く、逆に表面抵抗が小さい場合は光透過率が低いという問題を持っており、光透過率と表面抵抗の両方で無機透明電極に優るものは得られていない。
【0016】
また、ガラス基板の場合には、ガラスのヤング率が大きいことと、無機透明電極との熱膨張率差が小さいため、フィルム基板で生じるような透明電極の破断は生じない。しかし、ガラス基板はフレキシブルでないので使用できない。
【0017】
さらに、電極端子の部分で接続を行うために、端子引き出し電極線幅を小さくする必要があるが、従来の無機透明電極は、表面抵抗が十分に小さくないため細くできなかった。そのため、パネルの周辺部である額縁部が大きくなるという問題があった。
【0018】
以上説明したフレキシブルなパッシブ型表示装置における無機透明電極の問題点およびその原因をまとめると以下の通りである。
【0019】
(1)フィルム基板上の無機透明電極は機械的、熱的に断線し易い。
【0020】
(2)機械的、熱的ストレスは製造工程で不可避的に発生する。
【0021】
(3)表示素子(パネル)完成後も、曲げによるストレスで断線が発生する問題がある。表示面が曲率を持つ場合、および表示面が平坦の場合でも、表示領域外の端子接続部で曲げなどによるストレス断線が発生し易い。
【0022】
(4)無機透明電極の表面抵抗が大きいため、引き出し電極幅を細くできず、額縁部が広くなる。
【0023】
(5)機械的ストレスの原因は、フィルム基板のヤング率が小さいことにある。
【0024】
(6)熱的ストレスはフィルム基板と無機透明電極の熱膨張率の違いにある。
【0025】
(7)上記の(5)および(6)の原因に対する対策として、有機導電ポリマーあるいはCNTを使用することが考えられるが、これらは所定値以下の表面抵抗に対して光透過率が極めて不十分であり、実用的でない。
【0026】
本発明は、上記のような問題点を解決して、フレキシブルなパッシブ型表示装置に使用する透明電極基板において、十分な表面抵抗および光透過率を有するが、破断が生じにくい透明電極を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記目的を実現するため、第1の態様のドットマトリクス表示装置の透明電極基板によれば、透明基板上に平行に配置された複数の帯状電極を、交互に連結された異なる材料の複数種類の島状電極で構成する。
【0028】
上記の構成により、機械的および熱的ストレス、および伸縮によるストレスが発生しても、複数種類の島状電極は短く、島状電極隣接部分でストレスが分散するため、電極破断の発生が緩和され、断線が防止される。
【0029】
この場合の、帯状電極の表面抵抗は、複数種類の島状電極の表面抵抗を合成した、複数種類の島状電極の表面抵抗の中間の値になり、その値は各種類の島状電極の占める割合で決定される。また、帯状電極の光透過率も、画素内の複数種類の島状電極の光透過率を合成した、複数種類の島状電極の光透過率の中間の値になり、その値は画素内で各種類の島状電極の占める割合で決定される。
【0030】
また、第2の態様の表示装置の透明電極基板によれば、透明基板上に、画素部に対応して互いに離れて配置された複数の透明画素電極と、透明基板上に、非画素部に対応して、一列の複数の透明画素電極を接続する金属の補助電極と、を備える。
【0031】
金属の補助電極は、基板の端から端まで伸びるが、金属製であるため電極破断は発生しにくい。一方、各透明画素電極は、短いため上記と同様に、電極破断の発生が緩和される。したがって、断線が防止される。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、光透過率が比較的高く、表面抵抗も比較的小さく、機械的強度が高く、断線しにくい帯状電極が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図3は、第1実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。図3に示すように、第1実施形態の透明電極基板は、フレキシブル透明基板21上に形成された複数本の互いに平行な帯状電極を有する。各帯状電極は、第1透明電極材料による第1透明電極22と、第2透明電極材料による第2透明電極23と、第2透明電極材料による引き出し電極24と、を有し、第1透明電極22と第2透明電極23が交互に連結して配置されている。第1透明電極22は、無機透明電極材料で形成され、例えばITO(インジウム錫酸化物)電極である。一方、第2透明電極23および引き出し電極24は、有機透明電極であり、例えばポリチオフェン系の材料で形成される。引き出し電極24には、金属による端子電極25が設けられる。
【0034】
図4は、第1実施形態の透明電極基板の帯状電極の断面構造を示す図であり、透明基板21上に離れて形成された第1透明電極22に一部が重なるように第2透明電極23が形成される。これにより、端から端まで導電性の帯状電極が形成される。
【0035】
透明電極基板21は、例えばPC(ポリカーボネート)フィルムを使用したが、ほかの可撓性基板、例えばPET、PES、PEN、PSF、COPなどのフィルムを使用することも可能である。
【0036】
第1透明電極22のITO電極を形成する無機透明電極材料は、光透過率が高く、表面抵抗も小さいため、従来から帯状電極の材料として使用されていたが、機械的強度が小さい。ITOは、光透過率95%、表面抵抗30Ω/□、破断伸び約2%である。そのため、帯状電極の端から端までITO電極とすると断線が発生し易いという問題があった。第2透明電極23および引出し電極24の有機透明電極を形成するポリチオフェン系の有機ポリマー電極材料は、機械的強度が強く、光透過率も高いが、表面抵抗が比較的大きい。例えば、ポリチオフェン系の有機ポリマー電極材料である導電性ポリマーPEDOT/PSS(日本アグファゲバルト社製)は、適当な厚みの場合に、光透過率90%、表面抵抗250Ω/□、破断伸び6%である。そのため、帯状電極の端から端まで有機透明電極とすると表面抵抗が大きくなり、実用的でなかった。
【0037】
第1実施形態では、島状の第1透明電極(ITO電極)22と第2透明電極(有機ポリマー電極)23を交互に接続するため、光透過率が比較的高く、表面抵抗も比較的小さく、機械的強度が高い、実用的な帯状電極が形成できる。
【0038】
一般に、2種類の島状の電極を直列に接続した場合の直列複合電極の複合抵抗は、次の式で与えられる。
【0039】
複合表面抵抗=(第1透明電極の表面抵抗×第1透明電極の占有長さ比率)
+(第2透明電極の表面抵抗×第2透明電極の占有長さ比率)
例えば、ITO電極の表面抵抗を30Ω/□、占有長さ比率を80%、有機ポリマー電極の表面抵抗を250Ω/□、占有長さ比率を20%とすると、直列複合電極の複合表面抵抗は74Ω/□となり、実用上問題のない表面抵抗値となる。
【0040】
また、直列複合電極の実質光透過率は、第1透明電極(ITO電極)22と第2透明電極(有機ポリマー電極)23の中間の光透過率となり、有機ポリマー電極単体の場合の透過率より高くなる。
【0041】
また、有機ポリマー電極はもともと機械的強度が高いが、ITO電極も島状に形成されているため、長さが短く、ストレスがほかの島状電極との接続部で吸収されて緩和されるので、機械的強度が高くなる。したがって、直列複合電極は、全体としてITO電極より機械的強度が高くなる。
【0042】
図5は、第1実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。図5の(A)に示すように、PCフィルム21の表面にITO層31を蒸着する。図5の(B)に示すように、その上にレジスト層32を塗布する。マスクによるフォトプロセスおよび現像プロセスを行い、図5の(C)に示すように、レジスト層32’をITO電極の島形状にする。ここでは、ITO電極の長さは、画素ピッチの2倍とした。そして、エッチングプロセスとレジスト層32’の剥離プロセスを行い、図5の(D)に示すように、島状のITO電極31’が形成される。次に、図5の(E)に示すように、グラビア印刷法により、PEDOT/PSS33を島状に、島状ITO電極の間隙に塗布して乾燥する。
【0043】
以上のようにして、有機導電電極(導電性ポリマー)と無機透明電極(ITO)の島状交互パターンの帯状電極が得られた。この帯状電極の光透過率は92%、複合表面抵抗は140Ω/□であり、導電性ポリマー単体による電極に比べて性能が向上した。また、島状にしたことにより、引張り強度および曲げ強度は無機透明電極(ITO)単体に比べて30%向上した。
【0044】
なお、有機透明電極と無機透明電極のパターンは、必ずしも画素ピッチとする必要はなく、所望の光透過率、表面抵抗、機械的強度に応じて、図6の(A)から(D)に示すように、ピッチおよび比率を変えることが可能である。したがって、第1実施形態において、第1透明電極22を有機ポリマー電極と、第2透明電極23をITO電極とすることも可能である。ただし、製造プロセスは、図5のように、ITO電極を先に形成する。さらに、表示部以外の引き出し電極24は、光透過率は低いが機械的強度が強い導電性ポリマーで形成することが望ましい。
【0045】
以上、第1実施形態を説明したが、ITOの代わりに、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などのほかの無機透明電極材料を使用することが可能である。また、グラビア印刷で導電性ポリマーを塗布したが、導電性ポリマーとしてUV硬化型のポリマー(信越ポリマー(株)製)を用いて、フォトプロセスによりパターニングすることも可能である。
【0046】
また、第2透明電極23および引き出し電極24として、CNT(カーボンナノチューブ)を使用することも可能である。適当な溶媒に懸濁させたCNT溶液をグラビア印刷法によりITO電極(またはIZO電極)の間隙に塗布した後乾燥する。CNTは、適当な厚みの場合に、透過率90%、表面抵抗100Ω/□、破断伸び10%の特性のものが得られた。このような島状のCNTとITO電極(またはIZO電極)を組み合わせた帯状電極では、光透過率は92%、複合表面抵抗は65Ω/□であり、導電性ポリマー単体による電極に比べて性能が向上した。また、島状にしたことにより、引張り強度および曲げ強度は無機透明電極(ITO、IZO)単体に比べて30%向上した。
【0047】
以上のように、第1透明電極、第2透明電極および引き出し電極を形成する材料は、各種組み合わせることが可能である。なお、3種以上の透明電極を順番に繰り返し、3種類以上の材料を組み合わせることも可能である。
【0048】
図7は、第2実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。図7に示すように、第2実施形態の透明電極基板は、第1実施形態の透明電極基板と類似の構成を有するが、第2透明電極23および引き出し電極24に対応する第2電極27および引き出し電極28が銅(Cu)で形成され、第2電極27の幅が狭いことが、第1実施形態と異なる。第2電極27は、Cuは光に対して不透明なので、画素間の部分(パターンギャップ部)に対応して設けられる。第1透明電極26は、第1実施形態と同様に、無機透明導電材料のITO電極で形成される。Cuによる第2電極は0.3μmの厚さで、表面抵抗0.06Ω/□、破断伸び12%のものが得られる。引き出し電極28にはボンディング圧に耐えられるようにさらに金属の端子電極25が設けられる。
【0049】
図8は、第2実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。図8の(A)から(D)のPCフィルム21の表面にITO電極パターン31’を形成するまでのプロセスは、第1実施形態のプロセスと同じである。図8の(E)に示すように、PCフィルム21の表面およびITO電極パターン31’上の全面にCu層33を蒸着する。そして、(B)および(C)と同様にレジストを塗布して、フォトプロセスにより画素間部分、すなわちITO電極パターン31’の間隙部分のみレジストを残し、その後エッチングおよびレジスト剥離を行い、図8の(F)のようなパターン化されたCu層33’が得られる。
【0050】
このようにして得られた帯状電極は、光透過率95%、複合表面抵抗30Ω/□であり、島状にしたことにより、引張り強度および曲げ強度は無機透明電極(ITO、IZO)単体に比べて約20%向上した。また、引き出し電極28をCuで形成することにより、パネル周辺部の曲げ耐性は少なくとも数倍に向上した。さらに、Cu層は光に対して不透明なので、画素間部を遮光してパネルのコントラストを向上する。
【0051】
なお、第2透明電極27および引き出し電極28を、スパッタ法で形成することも、Cuの選択メッキ法で形成することも可能である。なお、第2透明電極27および引き出し電極28を、Cu以外のAu、Cr、Ni、Alなどで形成することも可能であり、第1透明電極をIZO電極とすることも、さらにCNTとすることも可能である。
【0052】
図9は、第3実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。図9に示すように、第3実施形態の透明電極基板は、画素部分に対応して設けられた島状の複数の第1透明電極41と、1列の第1透明電極41の上辺部に接触するように伸びる細い補助配線42と、補助配線42の一方の端に設けられた引き出し電極43と、が設けられる。引き出し電極43上には、金属による端子電極44が設けられる。第1透明電極41は、ITOなどの無機透明材料で形成される。補助配線42および引き出し電極43はCuなどの金属で形成される。第3実施形態の透明電極基板の製造プロセスは、図8に示した第2実施形態と同じである。
【0053】
第3実施形態では、第1透明電極41が島状になっているので、引張り強度および曲げ強度は無機透明電極(ITO、IZO)単体に比べて約20%向上した。また、細い補助配線42であるが、金属製であるため、帯状電極の実質的な表面抵抗は2Ω/□程度であり、実用上の問題はない。
【0054】
なお、第3実施形態において、第1透明電極41を導電性ポリマーあるいはCNTで形成することも可能である。
【0055】
図10は、第4実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。図10に示すように、第4実施形態の透明電極基板は、第3実施形態において、第1透明電極41の間に補助配線42から伸びる第2補助配線45を設けた構成を有する。第2補助配線45は隣接する第1透明電極41の左右辺部に接触する。言い換えれば、第4実施形態の透明電極基板は、第2実施形態において、第1透明電極41の上辺部に接触するように伸びる細い補助配線42を設けた構成を有する。第4実施形態の透明電極基板の製造プロセスは、図8に示した第2実施例と同じである。
【0056】
第4実施形態でも、第2および第3実施形態と同様に、光透過率、複合表面抵抗、引張り強度および曲げ強度は無機透明電極を向上でき、さらに、Cu層で画素間部を遮光するのでパネルのコントラストを向上する。
【0057】
図11の(A)は、第4実施形態の透明電極基板の断面図である。図8で説明した第2実施形態の構造と同じであるので説明は省略する。
【0058】
図11の(B)は、第4実施形態の変形例の透明電極基板を使用したパネルの断面構造を示す図である。図11の(B)に示すように、第4実施形態の変形例の透明電極基板は、補助配線42および第2補助配線45の厚みが、液晶層6の厚さ(液晶ギャップ)と同じ厚さ、例えば5μmである。このような厚い金属層46は、メッキ法などで容易に形成できる。この厚い壁状の金属層46は、液晶層6のスペーサとして機能し、液晶ギャップの厚さを一定に保持する。したがって、微小粒体であるスペーサを散布する必要はない。ただし、厚い壁状の金属層46が対向基板51の対向電極52に接触するのを防止するため、厚い壁状の金属層46の上部には絶縁性の膜47を形成する必要がある。このような絶縁性の膜47の形成は、絶縁膜あるいは配向膜の形成に広く一般に使用されているプロセスが使用できるので、プロセス上の負担とならない。また、上下の透明電極基板(フィルム基板)21,51を接合することが必要であり、その場合には厚い壁状の金属層46の上部に絶縁性の粘着層を形成するようにしてもよい。
【0059】
図12は、第5実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。図12に示すように、第5実施形態の透明電極基板は、図10に示した第4実施形態において、補助配線42および第2補助配線45の上に絶縁性の壁状スペーサ47を形成した構造を有する。一般に金属層は接着性が低いため、接合機能のある壁状スペーサ48を設けることが好ましい。この構成により、上下の透明電極基板の接合性が向上する。なお、表示範囲以外では壁構造48は無くてもよい。
【0060】
図13は、第5実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。第1透明電極41を形成するまでのプロセスは、図8の(A)から(D)で説明した第1実施形態のプロセスと同じである。第1透明電極41を形成した後、図13の(A)に示すように、PCフィルム21の表面およびITO電極パターン31’上の全面にCu層43,45を蒸着する。そして、壁状スペーサ47用レジストを塗布して、フォトプロセスおよび現像により壁状スペーサ47の部分を生成する(図13の(B))。その後、壁状スペーサ47の部分をマスクとしてエッチングを行い、図13の(C)のようなパターン化されたCu層43’、45’が得られる。以上のように、壁状スペーサ47の部分をマスクとしてエッチングを行うので、Cu層43,45のパターン化のためのマスク作成プロセスを省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、従来のコレステリック液晶を用いたフレキシブルなパッシブマトリクス型表示装置の一例の構成を示す図である。
【図2】図2は、透明表示電極における断線の発生を説明する図である。
【図3】図3は、第1実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。
【図4】図4は、第1実施形態の透明電極基板の帯状電極の断面構造を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態の透明電極基板の第1透明電極(有機導電電極)と第2透明電極(無機透明電極)のパターンの変形例を示す図である。
【図7】図7は、第2実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。
【図8】図8は、第2実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。
【図9】図9は、第3実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。
【図10】図10は、第4実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。
【図11】図11は、第4実施形態の変形例の透明電極基板の1本の帯状電極の断面構造を示す図である。
【図12】図12は、第5実施形態のパッシブ型ドットマトリクス表示装置の透明電極基板の上面図である。
【図13】図13は、第5実施形態の透明電極基板の製造プロセスを示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 上基板(フィルム)
2 下基板(フィルム)
3 上側電極層
4 下側電極層
5 シール部材
6 液晶層
7 FPC
11 上側透明表示電極
12 下側透明表示電極
21 透明電極基板
22 第1透明電極(無機透明電極)
23 第2透明電極(有機透明電極)
24 引き出し電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドットマトリクス表示装置の透明電極基板であって、
透明基板と、
前記透明基板上に平行に配置された複数の帯状電極と、を備え、
前記帯状電極は、交互に連結された異なる材料の複数種類の島状電極を備えることを特徴とする透明電極基板。
【請求項2】
前記異なる材料の複数種類の島状電極は、無機透明電極と、有機透明電極と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の透明電極基板。
【請求項3】
前記有機透明電極は、ポリチオフェン系材料で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の透明電極基板。
【請求項4】
前記異なる材料の複数種類の島状電極は、金属電極と透明電極が交互に配列され、前記金属電極は画素領域に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の透明電極基板。
【請求項5】
ドットマトリクス表示装置の透明電極基板であって、
透明基板と、
前記透明基板上に、画素部に対応して互いに離れて配置された複数の透明画素電極と、
前記透明基板上に、前記非画素部に対応して、一列の前記複数の透明画素電極を接続する金属の補助電極と、を備えることを特徴とする透明電極基板。
【請求項6】
前記透明画素電極の3方向が、前記金属の補助電極で取り囲まれることを特徴とする請求項4に記載の透明電極基板。
【請求項7】
透明基板と、前記透明基板上に平行に配置された複数の帯状電極と、を有する透明電極基板を備えた表示装置であって、
前記複数の帯状電極の延在方向と交差する方向に伸びる複数の電極が配置された基板と、
前記基板と前記透明電極基板間に充填された液晶と、を有し
前記帯状電極は、交互に連結された異なる材料の複数種類の島状電極からなることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
透明基板と、前記透明基板上に画素部に対応して互いに離れて配置された複数の透明画素電極と、前記透明基板上に前記非画素部に対応して一列の前記複数の透明画素電極を接続する金属の補助電極と、を有する透明電極基板を備えた表示装置であって、
前記金属の補助電極の延在方向と交差する方向に伸びる複数の電極が配置された基板と、
前記基板と前記透明電極基板間に充填された液晶と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項1】
ドットマトリクス表示装置の透明電極基板であって、
透明基板と、
前記透明基板上に平行に配置された複数の帯状電極と、を備え、
前記帯状電極は、交互に連結された異なる材料の複数種類の島状電極を備えることを特徴とする透明電極基板。
【請求項2】
前記異なる材料の複数種類の島状電極は、無機透明電極と、有機透明電極と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の透明電極基板。
【請求項3】
前記有機透明電極は、ポリチオフェン系材料で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の透明電極基板。
【請求項4】
前記異なる材料の複数種類の島状電極は、金属電極と透明電極が交互に配列され、前記金属電極は画素領域に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の透明電極基板。
【請求項5】
ドットマトリクス表示装置の透明電極基板であって、
透明基板と、
前記透明基板上に、画素部に対応して互いに離れて配置された複数の透明画素電極と、
前記透明基板上に、前記非画素部に対応して、一列の前記複数の透明画素電極を接続する金属の補助電極と、を備えることを特徴とする透明電極基板。
【請求項6】
前記透明画素電極の3方向が、前記金属の補助電極で取り囲まれることを特徴とする請求項4に記載の透明電極基板。
【請求項7】
透明基板と、前記透明基板上に平行に配置された複数の帯状電極と、を有する透明電極基板を備えた表示装置であって、
前記複数の帯状電極の延在方向と交差する方向に伸びる複数の電極が配置された基板と、
前記基板と前記透明電極基板間に充填された液晶と、を有し
前記帯状電極は、交互に連結された異なる材料の複数種類の島状電極からなることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
透明基板と、前記透明基板上に画素部に対応して互いに離れて配置された複数の透明画素電極と、前記透明基板上に前記非画素部に対応して一列の前記複数の透明画素電極を接続する金属の補助電極と、を有する透明電極基板を備えた表示装置であって、
前記金属の補助電極の延在方向と交差する方向に伸びる複数の電極が配置された基板と、
前記基板と前記透明電極基板間に充填された液晶と、を備えることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−211016(P2009−211016A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56898(P2008−56898)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]