説明

ドライ・オフセット印刷プロセス用の改良型の網掛け法

【課題】ドライ・オフセット印刷機を利用して円筒形の製品上に印刷されるハイエンドのグラフィックス用の、ファイルの作成、リッピング、および印刷版作製の方法を提供する。
【解決手段】元の顧客提供ファイルを受け取り(10)、画像およびページ・ジオメトリが、業界標準であるCMYKから、RGBの色空間に変換される(20)。次いで、この新規のRGB画像を変換して、インキ密度が最大で、下色除去がない状態のCMYKに戻す(30)。次に、RGB色空間を、最大のグレー成分置換で変換して、CMYKに戻す(40)。第1の変換から得られた各色を、第2の変換のブラックと組み合わせる(50)。次いで、色修正が必要であるとみなされると(60)、画像に対して色修正が実行されて、画像およびページ・ジオメトリ内の全ての色が、3色(1つの原色、1つの原色の補色、およびブラック)を最大限用いて確実に作成されるようにする(70)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ドライ・オフセット印刷に関する。より詳細には、本発明は、ドライ・オフセット印刷プロセス用の改良された網掛け法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライ・オフセット印刷プロセス(「レターセット印刷」および「間接凸版印刷」と呼ばれることもある)は、凸版印刷とオフセット印刷の特性を組み合わせたオフセット印刷プロセスである。ドライ・オフセット印刷は、ラバー・ブランケットを使用して印刷版から容器の表面に画像を転写する点でオフセット印刷に似ている。凸版印刷の場合と同様に、使用される印刷版は、印刷版の表面上に隆起した画像領域を有する。インキは、一連のローラを介して印刷版の隆起した表面に分配される。
【0003】
印刷版は、画像をラバー・ブランケットに転写し、ブランケットは、1つまたは複数(すなわち、最大10個)の色版シリンダーから写し取った多色コピー全体を、単一の動作で容器に印刷する。このオフセット・システムの「ドライ」という表記は、水性インキの不適合性を使用して、印刷版すなわち基板の表面を「湿す」ことによってインキ転写を防ぐオフセット・システムと区別する働きをする。
【0004】
ドライ・オフセット印刷は、多色線画原稿、ハーフトーン、およびフル・プロセスのデザインを、あらかじめ形成されたプラスチック部品など、円形または円筒形の3次元の製品に、高速大量印刷するのにもっとも効率的な方法を提供する。ドライ・オフセット印刷は、主に、テーパの付いたカップ、浴槽および桶、飲料缶、ならびにチューブ、瓶、およびそれらそれぞれの密封装置(すなわち、キャップおよび蓋)などの製品への印刷に使用される。
【0005】
オフセット印刷で使用される色は、通常、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(慣例的に「CMYK」と示される)である。これら4色それぞれの比率を変えることにより、オフセット印刷で使用される事実上全ての色を作成する。Pantone(登録商標)システムなど、印刷物の購入者が色を見ることができるようにするカラー・マッチング・システムがある。その色のコードをオフセット印刷機のコンピュータに入力することが可能であり、コンピュータは、使用する各色の比率を計算する。本明細書では、Pantoneカラー・マッチング・システムについて具体的な言及を行っているが、本発明の方法は他の色空間システムでも利用できることが、印刷の当業者には明らかになろう。
【0006】
プロセス中、インキは、インキ壺から、1組のローラを介して、表面上に隆起した画像領域を有する凸版印刷版に転写される。作業で使用されるそれぞれの色は、別個の印刷版を有する。各印刷版からのインキは、共通のラバー・ブランケットに転写される。各印刷版の色は、その前の色の上に転写される。たとえば、4色印刷の作業(たとえば、イエロー、レッド、ブルー、およびブラック)の場合は、最初にイエローのインキが印刷版からラバー・ブランケットに転写される。次いで、ブランケットが前進してレッドの印刷版などからインキを受け取る。最後の色であるブラックがブランケット上のその他の色の上に転写されると、ブランケットはこれらの色の全てを同時に円形容器の印刷面に転写し、ここで、インキは紫外線ランプまたはオーブンのいずれかで硬化または乾燥される。
【0007】
全ての色は、共通ブランケット上で重なり合うように湿潤状態で転写される。これにより、(1)印刷コントラストの低下、および(2)インキの汚染という2つの主要な問題が生じる。印刷コントラストの低下により、画像は、単調で、濁りがあり、光り輝く明るい色を欠いているように見える。インキの汚染は、凸版がその前の色のブランケットから、ある量のインキを拾い上げることによって起こる。これにより、色の汚染がインキ・ローラを介してインキ壺に移動して戻り、連続運転している間に、色相を変え、インキの純度を低下させる。
【0008】
現行のスクリーニング技術では4つの共通の印刷角度を利用している。これらの角度は一般に、45°、75°、90°(または0°)、および105°(または15°)であり、あるいは、フレキソ印刷の場合には、これらの同じ角度は7.5°だけオフセットされる。それぞれの色には互いに異なる角度が割り当てられており、その結果、4色全てが製品上に転写される場合は、モアレなどの目障りなパターン(図2参照)は生じない。しかし、依然として、一般にロゼット・パターンと呼ばれるモアレほど目障りではないパターンがある(図3参照)。それぞれの色が4つの角度のうちの1つの角度でスクリーニングされる場合、ロゼットは、互いにオーバラップする様々な色のドットで円を表示する。この問題は、5色以上の(4色を超える)色が必要な場合にはさらに悪化する。この色付きドットのオーバラップは、インキ汚染の原因である。ライン・スクリーン線数が粗いほど、ロゼット・パターンは目につくようになる。85ラインのスクリーン(すなわち、1平方インチあたり85ドット)は、ドライ・オフセット印刷では珍しいことではないが、著しいロゼット・パターンを表示し、繊細な画像のディテールを大幅に失うことになる。サイズが可変で形状が不規則なドットのランダム・パターンである周波数変調(FM)ストキャスティック・スクリーニングも試みられてきたが、有効ではない。モアレおよびロゼット・パターンが少なくなり、より細かいディテールまで見えるようになってきたが、インキの汚染および印刷のコントラストは非常に劣悪なままである。微細なストキャスティック・ドットもまた、連続運転している間の印刷の一貫性を制御することを事実上不可能にしている。
【0009】
ドライ・オフセット印刷のためのスクリーニングで必要とされる現在知られている技術は、印刷業界で望まれているものとは程遠い。宍倉による米国特許第5,010,814号では、ドライ・オフセット印刷を用いて円筒形容器の外面上にカラー原稿の非オーバラップ網点印刷を行う方法が開示されている。カラー原稿は、3原色(すなわち、シアン、マゼンタおよびイエロー)へと色分離され、ハーフトーンへの変更が実行されて、個々の分離した原色に対して同じ角度で接触スクリーニングを行う効果をもたらす。印刷物の1つの画素は、せいぜい3色で表され、それらは、すなわち3原色のうちの1色、3つの等和色、すなわちシアン/マゼンタ、マゼンタ/イエローおよびイエロー/シアンの混合色のうちの1色、ならびにブラックである。この技術は、ブランケット上のインキの最大化を可能にするものではない。さらに、この技術では、間にすき間なく互いに接する、多くのきわめて小さい円形スライスを利用するので、圧力ゲインの問題、インキの汚染および位置合せの問題が生じ、その結果、望ましくない粒子の粗い見栄えになる。さらにこの技術は、7色(すなわち、C、M、Y、CM、MY、YC、およびKを対象とする)に限定され、ブラックが作成される方式により、本発明と比較して範囲およびディテールが非常に限定される。Edwardsによる米国特許第4,998,962号では、少なくとも2つの印刷版またはその均等物を用いて印刷する方法が開示されており、この方法では、関連する網点が2つの異なる多数のドットのグループに属しており、それらドットのグループのそれぞれが、2つの印刷版のうちの一方を用いて印刷され、また各ドットのグループのそれぞれは、もう一方のグループと交互に配置され、もう一方のグループとは異なる色で印刷され、完全に位置合せした状態で印刷されるときには、ギャップによって分離されている。この技術では、オーバラップするドット間にギャップが生成され、オーバラップ部分を切り取ることによって失われる色が置換されず、見た目に連続階調にならず、ロゼット・パターンが除去されず、使用することができる色の数はきわめて限定されている。
【0010】
知られているさらに別の技術は、対象物の上に複製する最終的な図柄の1つの色に対応する凸版に各ブロックがインキを塗布し、インク・ローラおよび一連の転写ローラを含む、少なくとも1つのインク・ローラ・ブロックと、装飾を施す対象物と接触させて配置することができる中央ブランケットとを備える印刷装置を使用する、ドライ・オフセット印刷プロセスである。適切な粘着性のインキが選択され、インキ・ローラにおいてインキの温度が調整されて、15℃から30℃までの所定温度になる。
【0011】
他の既存の技術では、印刷機に水平または垂直のいずれかの方向で供給される円筒形の対象物上に高速で印刷するためのドライ・オフセット印刷装置を備え、単一ロール・インキ計測システム、プレート・シリンダ、およびブランケットまたは印刷ロールを有する3ローラ・システムを含む。オフセット印刷のロール・ブランケットと同様に、インキ・ロールには、比較的柔らかく滑らかなゴム弾性の表面を備える。ドクター・ブレードは、均一に平坦なインキの薄膜をロール上に調節しながら供給するように、インキ・ロールに対して構成され配向される。印刷機の水平および垂直の両方向で、インキ膜をインキ・ロール上に均等に分配するための手段が提供される。印刷ステーションでスキップが発生したときに、印刷ロール上に過度にインキが堆積するのを防止するための手段も提供される。水平または垂直のいずれかの配向で、円筒形の対象物を高速で印刷機に確実に供給するための回転転写手段が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,010,814号
【特許文献2】米国特許第4,998,962号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の技術では、これまでに提起し説明した問題は解決せず、したがって、上記の問題に対処することのできる、ドライ・オフセット印刷プロセス用の信頼性が高く繰返し可能なスクリーニング法が依然として望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の様々な特徴および利点は、以下の説明で部分的に説明することになり、またはその説明から明らかになってもよく、もしくは本発明の方法を実施することから理解することができる。
【0015】
一般的な一態様では、ドライ・オフセット印刷用の網掛け法には、元の顧客提供ファイルを所望の連続階調の色空間に変換する方法であって、
ファイル・イメージおよびページ・ジオメトリをCMYKからRGBに変換するステップと、
インキ密度が最大で、下色除去(UCR)がない状態で、RGBを変換してCMYKまたはPantone色に戻すステップと、
グレー成分置換(GCR)が最大の状態で、RGBを再度CMYKまたはPantoneに変換するステップと、
第2および第3の変換ステップからの各色を結合するステップとを含む方法が含まれる。
【0016】
他の一般的な態様では、ドライ・オフセット印刷用の網掛け法にはさらに、ステルス・スクリーニングを連続階調の画像に適用するための方法であって、
レタッチ・ソフトを用いて画像を開くステップと、
全ての画像位置が2つの原色とブラックの組合せからなるように、ブラックに対しては45°の印刷角を使用し、非ブラックの色に対しては75°の印刷角を使用して、画像をビットマップに変換するステップと、
2つの原色のうちの第1の原色を、ブラックであるかのように、ただし75°の印刷角を使用して処理するステップと、
2つの原色のうちの第2の原色を、連続階調フォーマットで反転させるステップと、
第2の原色を75°の印刷角でビットマッピングするステップと、
第2の原色を再反転し、下に存在するより明るい色をノック・アウトしながら、もっとも明るい色からもっとも暗い色へと各色を積み重ねるステップとを含む方法が含まれる。
【0017】
他の一般的な態様では、ドライ・オフセット印刷用の網掛け法にはさらに、ステルス・スクリーニングを連続階調の画像およびページ・ジオメトリの両方に適用するための方法であって、
ラスタ画像処理装置(RIP)を用いて、所望の解像度でのネガの連続階調8ビット・ファイルとしてページ・ファイルを処理するステップと、
印刷版低減カーブまたはプルーフ・ドット低減カーブを必要とするかどうかを判定し、必要であれば、それらのカーブを適用するステップと、
RIPのパラメータを、所望の同じ解像度でポジの連続階調の8ビット・ファイルに変更し、ページ・ファイルを再処理するステップと、
印刷版低減カーブまたはプルーフ・ドット低減カーブを必要とするかどうかを再度判定し、必要であればそれらを適用するステップとを含む方法が含まれる。
【0018】
他の一般的な態様では、ドライ・オフセット印刷用の網掛け法にはさらに、連続階調の画像のみに適用されるステルス・スクリーニングと、連続階調の画像およびページ・ジオメトリの両方に適用されるステルス・スクリーニングとを組み合わせるための方法であって、
ポジの連続階調の8ビット・ファイルの組合せであるファイルを構築するステップと、
ポジの8ビット白黒連続階調のファイルを、適切なPantone色に着色するステップと、
各色をもっとも明るい色からもっとも暗い色へと階層化するステップと、
全ての色がオーバ・プリント(OP)であり、その他の色のノック・アウト(KO)ではないことを確認するステップと、
ネガの連続階調8ビット・ファイルの組合せであるファイルを構築するステップと、
ネガの8ビット白黒連続階調のファイルを、適切なPantone色に着色するステップと、
各色をもっとも明るい色からもっとも暗い色へと階層化するステップと、
全ての色がオーバ・プリント(OP)であり、その他の色のノック・アウト(KO)ではないことを確認するステップとを含む方法が含まれる。
【0019】
他の一般的な態様では、ドライ・オフセット印刷用の網掛け法にはさらに、印刷版を構成するために使用する最終的なファイルを構築するための方法であって、
Pantone色を組み合わせて、所定の適切な色の対を作成するステップと、
色の対のうち第1の色を75°の角度で印刷しなければならず、色の対のうち第2のステルス色を逆75°の角度を使用して印刷しなければならないものと仮定するステップと、
どの色が75°の角度で印刷されるのか、およびどの色が逆75°の角度で印刷されるステルス色であるとみなされるのかを判定するステップと、
ネガ連続階調の、着色され階層化されたファイルを、ステルス色に対しては逆75°の角度で、またブラックに対しては45°の角度でスクリーニングされたネガの1ビットTiffとして再処理するステップと、
ポジ連続階調の、着色され階層化されたファイルを、非ステルス色に対しては75°の角度で、またブラックに対しては45°の角度でスクリーニングされたポジの1ビットTiffとして再処理するステップと、
スクリーニングされた1ビットTiffネガにあるステルス色を、適切な色に着色するステップと、
スクリーニングされた1ビット・ポジにある非ステルス色およびブラックを、適切な色に着色するステップと、
ポジおよびネガの1ビットのスクリーニングされたファイルを組み合わせて最終ファイルを構成するステップと、
最終ファイルを校正刷りし使用して、印刷版を構成するステップとを含む方法が含まれる。
【0020】
他の態様では、見た目の微細なライン・スクリーン線数を達成しながら、より粗いライン・スクリーン線数の使用を実現する。ライン・スクリーン線数が粗くなると、特に古い機器または高速動作する機器で印刷特性が安定する。
【0021】
さらなる態様は、印刷プロセスで共通の一般的なロゼット・パターンを除去することであり、それにより、粗いライン・スクリーン線数においても、事実上連続階調の見た目を実現する。
【0022】
さらなる態様では、ブランケット上の事実上任意および全ての開口部を汚染されていない純粋なインキで満たし、インキ密度が低い(すなわち、インキの膜厚が低減している)ときでも、製品への色転写を最大化することができる。
【0023】
他の態様では、現行の技術ではこれまで未使用のままになっていたブランケット領域内に網点を配置することで、主にブランケットから製品へのインキ転写が最大化することにより印刷コントラストが大幅に増大する。
【0024】
さらなる態様では、複数のウェット・インキの色を互いの上に印刷して画像に必要となる色調を作成する必要がなく、それにより部分的なインキ転写および色汚染が排除されるので、印刷コントラストおよび色の鮮やかさが増大する。
【0025】
さらなる態様では、必要とされない他の全ての色を置き換える最大範囲のブラックを使用する結果として、印刷コントラストが改善する。このブラックは、原色の色相に陰影のディテールを与えるが、完全に無彩色である。ブラック網点は、ブランケット上全体に印刷され、下に存在するいかなる色もノック・アウトする。
【0026】
さらに他の態様では、既存の従来型ドライ・オフセット印刷プロセスの制約があるため、以前は必要とされていたイラスト・タイプの色またはアートワークを使用する必要がなくなる。この新規な方法では、ドライ・オフセット印刷を使用して、写真タイプのアートワークおよび画像を首尾よく複製することが可能になる。
【0027】
さらに他の態様では、インキの汚染を回避しながら、他の色を用いて白を印刷することができ、それにより、着色されたまたは金属性の、下塗りされた製品の印刷品質に匹敵する印刷品質結果が実現される。
【0028】
さらに、別の態様では、既存のドライ・オフセット印刷プロセスに関連する現行レベルの品質をはるかに超えるドライ・オフセット印刷の結果を達成し、通常はプラスチックの円筒形の容器に利用されているイン・モールド・ラベリング、ヒート・トランスファおよびシュリンク・ラベルのプロセスなど、はるかに高価な印刷プロセスを使用する場合にのみ実現可能な結果に匹敵する結果をもたらす。
【0029】
本発明、あるいは本明細書においてステルス・スクリーニングと称されるものでは、ロゼット・パターン、カラー・オーバラッピングおよびインキ汚染が発生せず、ブランケット上でのインキの被覆範囲が最大になる。結果として、この方法では、ライン・スクリーン線数が粗い場合にも、印刷コントラストが改善し、色が強調され、見た目に鮮やかな連続階調の高精細画像になり、印刷の連続運転をしている間、それが一貫している。
【0030】
本発明の上記その他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付特許請求の範囲を参照して、よりよく理解されよう。添付図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の構成部分であり、本発明の各実施形態を説明し、その説明とともに、本発明の原理を説明する働きをする。
【0031】
本発明の好ましい実施形態は、添付図面とともに以下に説明するが、これらの図面は、説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。図において、同じ名称のものは同じ要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ドライ・オフセット・プロセスで印刷するため6色に変換する必要があるCMYKとして通常提供される、比較的複雑なマルチカラーのアートワークの実例を示す写真である。
【0033】
【図2】目障りな(モアレ)スクリーン・パターンの実例を示す写真である。
【0034】
【図3】通常のドライ・オフセット印刷で一般に生じる、望ましくないロゼット・パターンの実例を示す写真である。
【0035】
【図4】同じ位置で示した、本発明のステルス・スクリーニング法を使用する、図3の印刷の実例を示す写真である。
【0036】
【図5】カーブがない場合(左の画像)と負の20%の印刷版カーブ(右の画像)とを比較する、連続階調の画像の実例を示す写真である。
【0037】
【図6A】ビットマップに変換するためのソフトウェアの例でのパラメータの実例を示す写真である。
【0038】
【図6B】ビットマップに変換するためのソフトウェアの例でのパラメータの実例を示す写真である。
【0039】
【図7】連続階調のビットマップに反転する1つまたは複数のステップの実例を示す図である。
【0040】
【図8】オーバ・プリント(左側)とノック・アウト(右側)を比較する実例を示す図である。
【0041】
【図9】ページ・アセンブリのソフトウェアを使用して、B&Wの1ビットを適切な色にカラー化する1つまたは複数のステップの実例を示す図である。
【0042】
【図10】元の顧客提供ファイルを所望の連続階調の色空間に変換するための、例示的なステップを示す流れ図である。
【0043】
【図11】連続階調の画像のみにステルス・スクリーニングを適用する、例示的なステップを示す流れ図である。
【0044】
【図12】連続階調の画像とページ・ジオメトリの両方にステルス・スクリーニングを適用する、例示的なステップを示す流れ図である。
【0045】
【図13】連続階調の画像のみに適用されるステルス・スクリーニングと、連続階調の画像およびページ・ジオメトリの両方に適用されるステルス・スクリーニングとを組み合わせるための、例示的なステップを示す流れ図である。
【0046】
【図14】印刷版を構成するために使用する最終ファイルを構築するための、例示的なステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
各図を通して示すように、本発明は、新規なスクリーニング法、あるいは、本明細書においてステルス(Stealth(商標))スクリーニングまたはステルス(Stealth(商標))プロセスと称される方法を対象とし、この方法は、ドライ・オフセット印刷の品質の限界を再定義する。この独自のスクリーニング法により、印刷機は、粗いライン・スクリーニングを使用するときでも連続階調の結果を達成することができるようになる。この方法では、インキのウェットトラッピングおよび固有の汚染物質が除去され、より多くのインキが基板に供給され、結果として印刷コントラストは比類ないものになり、Pantone色を使用して高忠実度の色分解が実現し、写真品質およびオフセットの結果を達成する。Pantoneマッチング・システム(PMS)は、印刷業界で使用される、所有権を主張できるよく知られた色空間である。本明細書ではPantoneシステムについて述べるが、本発明の1つまたは複数の方法は、他の色空間システムでの使用にも適合可能であることが、印刷の当業者には明らかになろう。
【0048】
一般に「ハーフトーン」は、スクリーニング・プロセスを介する連続階調の画像の複製であり、このプロセスは、画像を、1色当たり0〜100個の様々なサイズで、かつ中心間の間隔が等しいドット、または中心間の間隔が可変で等しいサイズのドットに変換する。
印刷機のようなハーフトーン装置で写真をうまく複製するためには、写真をハーフトーンに変換する必要がある。網点の位置は、近接近している色の数と、ドライ・オフセット印刷プロセスにおいて画像またはグラフィックスを複製するように選択されたインキの色の色相/明度/飽和度とによって計算される。このプロセスは、ドライ・オフセット印刷プロセスにおいて、画像またはグラフィックスの任意の領域を複製するのに2色以上のインキが必要になるときに利用される(図1参照)。本発明の方法を実行するためには、画像およびページ・ジオメトリを処理して1ビットのTiffフォーマットにする能力を備えた、現在利用可能なラスタ画像処理装置(RIP)が必要とされる(たとえば、Adobe Photoshop(商標)ソフトウェア、Esko Backstage(商標)ソフトウェアなど)。RIPは、製造者固有のものではなく、1ビットおよび8ビットのTIFF(タグ付き画像ファイル形式)の処理能力を有するどんな機器でも実行することができる。
【0049】
この場合、特定の優先順位および既存のラスタ画像処理装置の特定のセッティングで、一連のステップが組み合わされる。各処理ステップの一部分のみが使用され、連続階層化ならびに不透明度および透明度が重要である。完了すると、画像およびページ・ジオメトリは、一般に2つの特定の角度のみ(すなわち、より通常の4つの角度ではなく)を有することになり、50%を下回る様々なカラー・ドットのいかなる接触またはオーバラップもなく、50%を上回る様々なカラー・ドットのいかなる接触またはオーバラップもなく、従来の知られている印刷および校正刷りのプロセスで普通見られるいかなるロゼット・パターンも見られない。
【0050】
適切な連続階調空間への初期ファイル変換
【0051】
最初に図10を参照すると、ステップ10で、元の顧客提供ファイルを受け取る。続いて、ステップ20で、画像およびページ・ジオメトリが、業界標準であるシアン/マゼンタ/イエロー/ブラック(CMYK)から、レッド/グリーン/ブルー(RGB)の色空間に変換される。次いで、ステップ30で、この新規のRGB画像を変換して、インキ密度が最大で、下色除去(UCR)がない状態のCMYK(またはPantone色)に戻す。4色(またはそれを超える色数の)印刷では、下色除去(UCR)は、中間色のグレー、暗色の陰影およびブラックに加えられたはずの一定量のイエロー、マゼンタおよびシアンを除去し、色分離プロセス中に、それらをブラック・インキで置き換えるプロセスである。現在のインキ技術では、陰影内の合計のCMYKインキは、暗い陰影に到達した後に付着せず、したがって剥がれ始める。これを防止するために、印刷業者はUCRプロセスを開発した。このプロセスでは、通常は原色(シアン、マゼンタおよびイエロー)を印刷することによって生成されたはずの中間色の陰影が、ブラックで置き換えられる。次に、ステップ40で、RGB色空間を、最大のグレー成分置換(GCR)で変換して、CMYKに戻す。CMY色空間内では、3原色のうちの2色を組み合わせることにより、事実上任意の色相角を実現することができる。普通「グレー化薬剤」と呼ばれる第3の色の目的は、色を暗くし、深みを生成しながら(すなわち、色飽和を低減させ、暗さを増大させる)ディテールを保持するために、色相をグレーの方向に変更することである。しかし、グレー化薬剤はそれ自体の固有の色相を有するので、結果として得られる色の飽和度を変化させるにつれて色相をシフトする傾向がある。同じ色相角を維持しながら所与の色の飽和度を変更するためのもっとも効率的な方式は、鍵となる(ブラック)成分を使用することである。一定量のグレー化薬剤の代わりに一定量のブラックを使用することは、「グレー成分置換」として知られている。次に、ステップ50で、第1の変換(すなわち非UCR)から得られた各色を、第2の変換(すなわち最大GCR)のブラックと組み合わせる。次いで、ステップ60で、色修正が必要であるとみなされると、ステップ70で、画像に対して色修正が実行されて、画像およびページ・ジオメトリ内の全ての色が、3色(1つの原色、1つの原色の補色、およびブラック)を最大限用いて確実に作成されるようにする。このプロセスは、様々な画像操作ソフトウェアのオプションで実行することができる。ステップの数およびプロセスそれ自体は、RGBからCMYKおよび/またはPantone色への変換を扱うソフトウェア能力に応じて、変化することがある。何らかの変換ソフトウェアを用いて、UCR、GCRおよびPantone変換を、2つまたは3つのステップではなく1つのステップで作成することができる。印刷すべき色の数は制限されず、画像またはページ・ジオメトリ内の任意の所与の領域においてオーバラップしている色の数が制限される。元の顧客ファイル内の色相の全域を実現するのに使用される色の選択は、このステルス・プロセスの一部分であるが、ステルス・スクリーニング・プロセスには限定されない。
【0052】
ステルス(Stealth(商標))スクリーニングの連続階調画像のみ(ページ・ジオメトリは対象外)への適用
【0053】
次に、主に図11を参照すると、ステップ100で画像が開かれ、ビットマップ画像を処理し、作成し、またポジからネガおよびネガからポジに画像を反転することができるソフトウェアを使用して、後にステップ135で利用するために複製画像が作成される。このプロセスは、たとえばAdobe Photoshop(商標)を含め、数多くの知られているレタッチ・ソフト製品のいずれにおいても実行することができる。ステップ105で、印刷版のドット・ゲイン低減カーブが必要となるかどうかが判定される。必要であれば、ステップ110で、印刷版カーブ低減(すなわち、印刷中に画像を明るくしてドット・ゲインを補償すること)が適用される。次に、ステップ115で、ブラックに対しては45°の角度を、また原色に対しては75°の角度を使用して、所望の解像度および所望のスクリーン線数で、画素の原色およびブラックがビットマップに変換される(図6Aおよび図6B参照)。ブラックに対しては45°の角度が使用され、その他の原色に対しては75°の角度が使用されるが、完全に30°離れている場合には、前に述べた4つの角度のうちの任意の2つの角度を使用することができる。通常の印刷角度は、全ての色で異なるが、通常は45°、75°、90°(0°)および105°(15°)から構成されて、ロゼット・パターン(図3参照)を生成し、望ましくない潜在的なパターンおよびモアレ・パターン(図2参照)は最小限に抑える。次に、ステップ120で、ビットマッピングの前に、連続形式でステルスの原色の補色が反転される。次に、ステップ125で、同一の解像度、ライン・スクリーン線数、および75°の角度を使用して、反転されたステルスの補色がビットマッピングされる(図6Aおよび図6B参照)。次に、ステップ130で、ステルスの補色のビットマップが再反転される。次いで、ステップ135で、複製画像が開かれ、(チャネル自体ではなく)各色チャネル内の画像が削除される。次に、ステップ140で、ステップ100で得られた複製画像の解像度が、ビットマップの色と同じ解像度(すなわち、1200dpiまたは2400dpi)に変更される。次に、ステップ145で、各ビットマップの色は、複製画像の適切なチャネルにコピーされ(たとえば、イエローからイエロー、レッドからレッドなど)、このプロセスは、事実上無制限とすることができるこれらの色をバランスさせるために、こうしたやり方で継続されるが、ほとんどのドライ・オフセット印刷プロセスでは9色以下である。
【0054】
最後に、処理すべき色がそれ以上ないとき、ステップ150で、各色はもっとも明るい色からもっとも暗い色へと重ねられ、全ての色がそれより下層のより明るい色をノック・アウトし、ブラックが最後に重ねられ、先に印刷された全ての色をノック・アウトし、画像を可逆的圧縮形式であるTiff LZW(Lempel−Ziv−Welch:データ圧縮/伸張技法)として保存する。この階層化およびノック・アウトにより、合計インキ密度が100%を超える、考え得るどんなインキ汚染も排除されることになる。この一例を図8で見ることができるが、同図ではグリーンのドットが50%であり、ブルーのドットが70%(合計120%)である。図に示したように、階層化およびノック・アウトの後に、グリーンのドットが切り抜かれてより暗い色であるブルーの開口の内側にうまくはまる。これにより、印刷コントラストが最大になり、インキ汚染が排除される。続いて、ステップ155で、ステップ200での連続階調画像とページ・ジオメトリの両方に、ステルス・スクリーニングを適用するステップに移る。
【0055】
連続階調画像およびページ・ジオメトリへのステルス・スクリーニングの適用
【0056】
ステップ200で、ページ・ファイルは、ラスタ画像処理装置(RIP)を用いて、所望の解像度でのネガの連続階調8ビット・ファイルとして処理される。ラスタ画像処理装置(RIP)は、ラスタ画像(ビットマップとしても知られている)を生成する印刷システムで使用される構成要素である。次いで、このビットマップが、出力するために印刷装置に送られる。入力は、PostScript、Portable Document Format、XPSなどのハイレベル・ページ記述言語でのページ記述でもよく、出力装置よりも解像度が高いまたは低い他のビットマップでもよい。後者の場合、RIPは、平滑化アルゴリズムまたは補間アルゴリズムのいずれかを入力ビットマップに適用して、出力ビットマップを生成する。ラスタ画像処理は、PostScriptファイルなどのベクトル・デジタル情報を高解像度のラスタ画像に変換するプロセスおよび手段である。各色は、ネガの個々の連続階調の白黒画像になる。ステップ205で、印刷版低減カーブまたはプルーフ・ドット・ゲイン・カーブが必要となるかどうかが判定される。ステップ210で、印刷版または校正ドット・ゲインの低減カーブが必要とされる場合(たとえば中間調(20%)であり、20%のドット・ゲイン低減である図5を参照)、この段階でその低減カーブが適用される。次に、ステップ215で、このプロセスが繰り返され、RIPパラメータを、所望の解像度でのポジの連続階調の8ビット・ファイルに変更する。各色は、ポジの個々の連続階調の白黒画像になる。次いで、ステップ220で、低減カーブ要求についての判定が行われ(ステップ205と同じ)、必要である場合には、ステップ225で適切な低減カーブが適用される(ステップ210と同じ)。次に、ステップ230で、この方法は、ステルス・スクリーニング・プロセスを組み合わせるステップに進む。
【0057】
ステルス・スクリーニングの組合せ
【0058】
初めに、ステップ300で、8ビットのポジの組合せであるファイルが構成される。ステップ310で、ポジの8ビット白黒の連続階調のファイルは、適切なPantone色に着色される(図9参照)。次いで、ステップ320で、もっとも明るい色(108イエロー)からもっとも暗い色(ブラック)まで、これらの色が階層化される。ステップ330で、全ての色がオーバ・プリント(OP)であり、その他の色のノック・アウト(KO)ではないことを確認しなければならない。次に、ステップ340で、8ビットの連続階調のネガの組合せであるファイルが構成される。ステップ350で、8ビット白黒連続階調のネガのファイルは、適切なPantone色に着色される。次いで、ステップ360で、もっとも明るい色(108イエロー)からもっとも暗い色(ブラック)まで、これらの色が階層化される。ステップ370で、全ての色がオーバ・プリントであり、その他の色のノック・アウトではないことが確認される。最後に、ステップ380で、ステルス・カラー・プロセスを決定するステップに移る。
【0059】
ステルス・カラーの決定
【0060】
この時点で、どの色を45°の角度でスクリーニングし、どの色を75°の角度でスクリーニングし、次いで、どの色がステルスの逆75°の角度を使用することになるのかを判定することが必要となろう。初めに、ステップ400で、各Pantone色を組み合わせて、Pantone色の対にする。次に、ステップ405で、各色の対のうちの1つのPantone色は、75°の角度で印刷しなければならず、それぞれの対の残りのPantone色(すなわち、原色の補色)は、ステルスの逆75°の角度を使用して印刷しなければならないものと仮定する。次に、ステップ410で、それぞれのPantone色の組合せとともに、この仮定を使用して、各対のうちのどのPantone色を75°の角度で印刷すべきか、および各対のうちのどのPantone色をステルスの逆75°の角度で印刷すべきかを規定する。次に、ステップ415で、ネガ連続階調の、着色され階層化されたファイルは、ステルス色に対しては75°の角度で、またブラックに対しては45°の角度でスクリーニングされたネガの1ビットTiffとして再処理される。次に、ステップ420で、ポジ連続階調の、着色され階層化されたファイルは、非ステルス色に対しては75°の角度で、またブラックに対しては45°の角度でスクリーニングされたポジの1ビットTiffとして再処理される。次に、ステップ425で、スクリーニングされた1ビットTiffネガから得られたステルス色が、適切な色に着色され、ステップ430で、スクリーニングされた1ビットTiffポジから得られた非ステルスおよびブラックの色が、適切な色に着色される。次に、ステップ430で、ポジとネガの1ビットのスクリーニングされたファイルが結合されて、最終ファイルを構築する。最後に、ステップ440で、最終ファイルが校正刷りされ、印刷版を構成するのに使用される。
【0061】
ステップ400〜440の一例が以下に続く。実例で示すため、以下の6色、すなわち、Pantone 108イエロー、Pantone 185レッド、Pantone 361グリーン、Pantoneブルー、Pantone 072ダーク・ブルーおよびブラックを使用することにする。選択した色および元の素材に基づいて、以下の仮定を置くことにする。肌色系の色(レッド、オレンジおよびイエロー)を作成するための2つの原色は、108イエローおよび185レッドになる。このことは、これら2つの色のうちの一方が75°の角度でなければならず、他方の原色がステルス逆75°の角度になることを意味する。我々のライト・グリーンを作成するための2つの原色は、108イエローおよび361グリーンになる。したがって、これら2つの色のうちの一方が75°の角度でなければならず、他方の原色がステルス逆75°の角度でなければならないことを意味する。我々のダーク・グリーンを作成することになる2つの原色は、Pantoneブルーおよび361グリーンになる。このことは、これら2つの色のうちの一方が75°の角度でなければならず、他方の色がステルス逆75°の角度でなければならないことを意味する。我々のシアンおよびブルーを作成する2つの原色は、Pantoneブルーおよび072ブルーになる。このことは、これら2つの色のうちの一方が75°の角度でなければならず、他方の色がステルス逆75°の角度でなければならないことを意味する。ブラックは、原色の全てと一緒に使用することになり、45°の角度でスクリーニングされることになる。
【0062】
ネガ連続階調の、着色され階層化されたファイルは、ステルス色(Pantone 108イエローおよびPantoneブルー)について75°の角度でスクリーニングされた、ネガの1ビットTiffとして、再処理する必要がある。ポジ連続階調の、着色され階層化されたファイルは、残りの非ステルス色(185レッド、361グリーン、072ブルーおよびブラック)についてスクリーニングされた、ポジの1ビットTiffとして、再処理する必要がある。ブラックを除く全ての非ステルス色(185レッド、361グリーン、および072ブルー)は、75°の角度でスクリーニングする必要がある。ブラックは、45°の角度でスクリーニングする必要がある。
【0063】
この時点で、ポジとネガの1ビットのスクリーニングされたファイルの組合せから、最終ファイルを構築する必要がある。スクリーニングされた1ビットTiffネガから、ステルス108のPantoneイエローおよびPantoneブルーを取り出し、それらを適切な色に着色する。1ビットのスクリーニングされたポジから、185レッド、361グリーン、072ブルー、およびブラックを取り出し、それらを適切な色に着色する。
【0064】
上記判定基準に基づき、角度およびオーバ・プリントのノック・アウトは、以下のようでなければならない。108イエローは、階層化において第1番目に置かれる色でなければならず、印刷角度は75°のステルス角でなければならない。185レッドは、75°の通常角度での第2番目に置かれる色でなければならず、その下の108イエローをノック・アウトしなければならない。361グリーンは、75°の通常角度での第3番目に置かれる色でなければならず、108イエローおよび185レッドをノック・アウトしなければならない(ファイルが正しく構築された場合、361グリーンの下にはいかなる185レッドも存在してはならないことに留意されたい)。レッドは、グリーンを作成するための原色ではないので、ブラックで置き換えなければならない。第4番目に置かれる色は、75°のステルス角でのPantoneブルーでなければならず、その下の108イエロー、185レッド、および361グリーンをノック・アウトしなければならない(ファイルが正しく構築された場合、Pantoneブルーの下にはいかなるPantone 108イエローおよび185レッドも存在してはならないことに留意されたい)。第5番目に置かれる色は072ブルーでなければならず、75°の通常角度で印刷しなければならず、Pantone 108イエロー、185レッド、361グリーンおよびブルーをノック・アウトする(ファイルが正しく構築された場合、この色の下にはいかなるイエロー/レッド/グリーンも存在してはならないことに留意されたい)。最後に置かれる色はブラックになるはずであり、その下の全ての色をノック・アウトしなければならず、全ての原色の暗色化およびディテールを維持する。
【0065】
ここで、このファイルは、校正刷りおよび/または印刷版作製の準備ができる。印刷版作製プロセスは、レーザ・アブレーション(COレーザ彫刻)であることが推奨され、これにより、ドット・ゲインおよび分離を低減しながら、表面のわずか下にハイライト・ドットを描くことができるようになるが、ステルス(Stealth(商標))の結果を達成することは必須ではない。レーザ除去された印刷版を使用しない場合、何らかの形式のディザリングされた強調表示のドットで最大範囲のブラックがスクリーニングされて、印刷される部分での1%〜3%のドット領域内で潜在的な激しいブレークオフを回避することが推奨される。
【0066】
これまで本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、本発明には様々な修正を加えることができ、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲内に入り得るこうした全ての修正形態を包含するものであることが認識され理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライ・オフセット印刷用の網掛け法であって、
連続階調の画像およびページ・ジオメトリを含む元の顧客提供ファイルを変換して、所望の連続階調の色空間にするステップと、
連続階調の画像のみをスクリーニング・プロセスにかけるステップと、
前記連続階調の画像と前記ページ・ジオメトリの両方をスクリーニング・プロセスにかけるステップと、
前記連続階調の画像のみに加えられた前記スクリーニングと、前記連続階調の画像と前記ページ・ジオメトリの両方に加えられた前記スクリーニングとを組み合わせるステップと、
前記組み合わせたスクリーニングを使用して、最終ファイルを構成するステップであって、前記最終ファイルは、印刷版を構成するのに有用な形式であるステップとを含む網掛け法。
【請求項2】
前記元の顧客提供ファイルを所望の連続階調の色空間に変換するステップはさらに、
前記ファイルの画像およびページ・ジオメトリを、シアン/マゼンタ/イエロー/ブラック(CMYK)からレッド/グリーン/ブルー(RGB)の色空間に変換するステップと、
インキ密度が最大で、下色除去(UCR)がない状態で、前記RGBを変換してCMYKに戻すステップと、
グレー成分置換(GCR)が最大の状態で、やはり前記RGBをCMYKに変換するステップと、
第2および第3の変換ステップからの前記各色を結合するステップとを含む、請求項1に記載のドライ・オフセット印刷用の網掛け法。
【請求項3】
前記連続階調の画像のみをスクリーニング・プロセスにかける前記ステップはさらに、
レタッチ・ソフトを用いてファイルの画像を開くステップと、
全ての画像位置が2つの原色とブラックの組合せを含むように、ブラックに対しては45°の印刷角を使用し、非ブラックの色に対しては75°の印刷角を使用して、画像をビットマップに変換するステップと、
前記2つの原色のうちの第1の原色を、ブラックであるかのように、ただし75°の印刷角を使用して処理するステップと、
前記2つの原色のうちの第2の原色を、連続階調フォーマットで反転させるステップと、
前記第2の原色を75°の印刷角でビットマッピングするステップと、
前記第2の原色を再反転し、もっとも明るい色からもっとも暗い色へと前記各色を積み重ねるステップとを含む、請求項1に記載のドライ・オフセット印刷用の網掛け法。
【請求項4】
前記連続階調の画像および前記ページ・ジオメトリの両方をスクリーニング・プロセスにかける前記ステップはさらに、
ラスタ画像処理装置(RIP)を用いて、所望の解像度でのネガの連続階調8ビット・ファイルとしてページ・ファイルを処理するステップと、
印刷版低減カーブまたはプルーフ・ドット低減カーブを必要とするかどうかを判定し、必要であれば、前記各低減カーブのうちの少なくとも1つを適用するステップと、
RIPのパラメータを、前記所望の解像度でのポジの連続階調の8ビット・ファイルに変更し、前記変更されたRIPを用いて前記ページ・ファイルを再処理するステップと、
印刷版低減カーブまたはプルーフ・ドット低減カーブを必要とするかどうかを再度判定し、必要であれば、前記各低減カーブのうちの少なくとも1つを適用するステップとを含む、請求項1に記載のドライ・オフセット印刷用の網掛け法。
【請求項5】
前記連続階調の画像のみに加えられる前記スクリーニングと、前記連続階調の画像および前記ページ・ジオメトリの両方に加えられる前記スクリーニングとを組み合わせる前記ステップはさらに、
ポジの連続階調の8ビット・ファイルの組合せであるファイルを構築するステップと、
ポジの8ビット白黒連続階調のファイルを、確定した適切なPantone色に着色するステップと、
前記各色をもっとも明るい色からもっとも暗い色へと階層化するステップと、
全ての色がオーバ・プリント(OP)であり、その他の色のノック・アウト(KO)ではないことを確認するステップと、
ネガの連続階調の8ビット・ファイルの組合せであるファイルを構築するステップと、
ネガの8ビット白黒連続階調のファイルを、前記適切なPantone色に着色するステップと、
前記各色をもっとも明るい色からもっとも暗い色へと階層化するステップと、
全ての色がオーバ・プリント(OP)であり、その他の色のノック・アウト(KO)ではないことを確認するステップとを含む、請求項4に記載のドライ・オフセット印刷用の網掛け法。
【請求項6】
最終ファイルを構成するステップはさらに、
前記Pantone色を組み合わせて、所定の適切な色の対を作成するステップと、
前記色の対のうち第1の色を75°の角度で印刷しなければならず、前記色の対のうち第2の色を逆75°の角度を使用して印刷しなければならないものと仮定するステップと、
どの色が前記75°の角度で印刷されるのか、およびどの色が前記逆75°の角度で印刷されるのかを判定するステップと、
前記ネガ連続階調の、着色され階層化されたファイルを、前記ステルス色であると判定された色に対しては前記逆75°の角度で、またブラックに対しては45°の角度でスクリーニングされたネガの1ビットTiffとして再処理するステップと、
前記ポジ連続階調の、着色され階層化されたファイルを、前記非ステルス色に対しては前記75°の角度で、またブラックに対しては45°の角度でスクリーニングされたポジの1ビットTiffとして再処理するステップと、
前記スクリーニングされた1ビットTiffネガからの前記ステルス色を、所定の適切な色に着色するステップと、
前記スクリーニングされた1ビット・ポジからの前記非ステルス色およびブラックを、所定の適切な色に着色するステップと、
前記ポジおよびネガの1ビットのスクリーニングされたファイルを組み合わせて最終ファイルを構成するステップと、
前記最終ファイルを校正刷りし使用して、印刷版を構成するステップとを含む、請求項5に記載のドライ・オフセット印刷用の網掛け法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−238109(P2011−238109A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−110213(P2010−110213)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(510130734)
【氏名又は名称原語表記】Girard J. Moravcik
【住所又は居所原語表記】6585 Stone Road, Medina, Ohio 44256 USA
【Fターム(参考)】