説明

ドーパミンD3受容体についてのモジュレーターとして有用なスピロ化合物

本発明は、式(I)で示される化合物またはその塩(ここで、A、XおよびR4は本明細書で定義されている)、それらの製造方法、これらの製造方法で使用される中間体、それらを含有する医薬組成物、および、ドーパミンD3受容体のモジュレーターとして、例えば、薬物依存症を治療するため、抗精神病薬として、強迫スペクトル障害、早漏症を治療するため、または認知を増強するための、治療におけるそれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、それらの製造方法、これらの方法において使用される中間体、それらを含有する医薬組成物、およびドーパミンD3受容体のモジュレーターとしてのそれらの治療における使用に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
ドーパミン受容体、特にドーパミンD3受容体に対して親和性を有する新規なクラスの化合物が見出された。これらの化合物は、D3受容体の調節が有益である疾病の治療において可能性を有する。
【0003】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中、
Aは、P、P1、P2およびP3からなる群において選択される置換であり(ここで、
Pは、
【化2】

であり、
P1は、
【化3】

であり、
P2は、
【化4】

であり、
P3は、
【化5】

である);
pは、0〜4の範囲の整数であり;
4は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルコキシ、C1-4アルカノイル、SF5および5または6員単環式ヘテロアリール基からなる群において選択され;pが2〜4の範囲の整数である場合、各R4は、同一であっても異なっていてもよく;
2は、水素またはC1-4アルキルであり;
qは、3、4または5であり;
nは、0、1または2であり;
Xは、−CR13−または−O−であり;
1は、水素、C1-4アルキルおよびフッ素からなる群において選択され;
3は、水素、C1-4アルキルおよびフッ素からなる群において選択され;
5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびNR'R''からなる群において選択されるか;またはR5は、フェニル基、5〜14員複素環基であり;かかるフェニルまたは複素環基は、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびSF5からなる群から選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
6は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびNR'R''からなる群において選択されるか;またはR6は、フェニル基、5〜14員複素環基であり、かかるフェニルまたは複素環基は、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびSF5からなる群から選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
7は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびNR'R''からなる群において選択されるか;またはR7は、フェニル基、5〜14員複素環基であり;かかるフェニルまたは複素環基は、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびSF5からなる群から選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
8は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびNR'R''からなる群において選択されるか;またはR8は、フェニル基、5〜14員複素環基であり;かかるフェニルまたは複素環基は、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびSF5からなる群から選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
9は、水素、フェニル基、ヘテロサイクリル基、5または6員単環式ヘテロアリール基、および8〜11員ヘテロアリール二環の基からなる群において選択され、これらの基はいずれも、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびC1-4アルカノイルからなる群から選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
10は、C1-4アルキルであり;
11は、水素またはC1-4アルキルであり;
R'は、H、C1-4アルキルまたはC1-4アルカノイルであり;
R''は、R'であると定義され;
R'およびR''は、相互に連結している窒素原子と一緒になって、5、6員飽和または不飽和複素環を形成してもよく;
ここで、R5、R6、R7およびR8は、同時には水素以外ではなく;R2基の1個だけは水素と異なっていてよく、または、nが0である場合、Xは、基−CR13−である]
で示される化合物またはその塩を提供する。
【0004】
本明細書で用いられる場合、「C1-4アルキル」なる用語は、一の基としてまたは基の一部として、炭素原子1〜4個を含有する直鎖または分枝鎖アルキル基をいう;かかる基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルが挙げられる。
【0005】
本明細書で用いられる場合、「C3-7シクロアルキル基」なる用語は、炭素原子3〜7個を含有する単環式非芳香族炭化水素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを意味し;不飽和シクロアルキルとしては、シクロペンチルおよびシクロヘキセニルならびに同類のものが挙げられる。
【0006】
本明細書で用いられる場合、「C1-4アルコキシ基」なる用語は、直鎖または分枝鎖アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロパ−2−オキシ、ブトキシ、ブタ−2−オキシまたはメチルプロパ−2−オキシならびに同類のものであり得る。
【0007】
本明細書で用いられる場合、「C1-4アルカノイル基」なる用語は、直鎖または分枝鎖アルカノイル基、例えば、アセチル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、i−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニルまたはt−ブチルカルボニルおよび同類のものであり得る。
【0008】
本明細書で用いられる場合、「ハロゲン」なる用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子をいう。
【0009】
本明細書で用いられる場合、「ハロC1-4アルキル」なる用語は、1個またはそれ以上の炭素原子を有しており、少なくとも1個の水素原子がハロゲンと置き換えられているアルキル基、例えば、トリフルオロメチル基および同類のものを意味する。
【0010】
本明細書で用いられる場合、「ハロC1-4アルコキシ」なる用語は、少なくとも1個のハロゲン(好ましくは、フッ素)で置換されている上記定義のC1-4アルコキシ、例えば、OCHF2またはOCF3であり得る。
【0011】
本明細書で用いられる場合、「アリール」なる用語は、フェニル、ビフェニルまたはナフチルのような芳香族炭素環基を意味する。
【0012】
本明細書で用いられる場合、「5、6員単環式ヘテロアリール」なる用語は、5個または6個の構成メンバーからなり、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含有する、単環式芳香族複素環を意味する。
【0013】
代表的な5、6員単環式ヘテロアリール基としては、フリル、チオフェニル、ピロリル、ピリジル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリルおよびテトラゾリルが挙げられる(しかし、これらに限定されない)。
【0014】
本明細書で用いられる場合、「8,11員二環式ヘテロアリール」なる用語は、8〜11個の構成メンバーからなり、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含有する、二環式芳香族複素環を意味する。
【0015】
代表的な8〜11員二環式ヘテロアリール基としては、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソインドリル、アザインドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニルおよびフタラジニルが挙げられる(しかし、これらに限定されない)。
【0016】
5〜14員複素環なる用語は、飽和、不飽和または芳香族であり、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する(ここで、窒素および硫黄ヘテロ原子は、酸化されていてもよく窒素ヘテロ原子は、4級化されていてもよい)、5〜7員単環式または7〜14員多環式複素環を意味し、上記複素環のいずれかがベンゼン環と縮合する二環式環、ならびに三環式(およびそれ以上)複素環を包含する。複素環は、ヘテロ原子を介して結合されても炭素原子を介して結合されてもよい。複素環としては、上記定義のヘテロアリールが挙げられる。かくして、上記芳香族ヘテロアリールに加えて、複素環としては、モルホリニル、ピロリジロニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、および同類のものも挙げられる(しかし、これらに限定されない)。
【0017】
これらの基はどれも、好適な位置で分子の残部と結合し得る。
【0018】
本明細書中で使用される場合、「塩」なる用語は、無機または有機酸または塩基から調製される本発明の化合物のいずれかの塩、第四アンモニウム塩および内部形成塩をいう。医薬上許容される塩は、親化合物よりも大きな水溶性を有するために、医学用途に特に適する。かかる塩は、明らかに、生理学上許容されるアニオンまたはカチオンを有さなければならない。適当には、本発明の化合物の医薬上許容される塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸のような無機酸、および酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、カンファー硫酸、イソチオン酸、粘液酸、ゲンチシン酸、イソニコチン酸、糖酸、グルクロン酸、フロ酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモン酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ステアリン酸、スルフィン酸、アルギン酸、ガラクツロン酸およびアリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸)のような有機酸と共に形成される酸付加塩;アルカリ金属およびアルカリ土類金属、およびN,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(N−メチルグルカミン)、リジンおよびプロカインのような有機塩基と共に形成される塩基付加塩;ならびに内部形成塩が挙げられる。医薬上許容されないアニオンまたはカチオンを有する塩は、医薬上許容される塩の調製のための有用な中間体として、および/または非治療的用途、例えば、イン・ビトロの状況における用途で、本発明の範囲内にある。
【0019】
本発明の化合物には、1当量またはそれ以上の酸と酸付加塩を形成できるものがある。本発明は、その範囲内に、全ての可能な化学量論的および非化学量論的形態を包含する。
【0020】
医薬上許容される塩は、式(I)で示される化合物の他の塩(他の医薬上許容される塩を包含する)から、常法を用いて調製されてもよい。
【0021】
有機化学分野における技術者には当然のことながら、多くの有機化合物は、それらが反応する、またはそれらが沈澱もしくは結晶化する溶媒と錯体を形成することができる。これらの錯体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との錯体は、「水和物」として知られている。本発明の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内である。式(I)で示される化合物は、結晶化または適当な溶媒の蒸発によって、溶媒分子と共に容易に単離されて、対応する溶媒和物を生じうる。
【0022】
さらに、プロドラッグもまた、本発明の中に包含される。本明細書中で使用される場合、「プロドラッグ」なる用語は、例えば血中での加水分解により、体内で医学的効果を有するその活性形態に変換する化合物を意味する。医薬上許容されるプロドラッグは、T. Higuchi and V. Stella, Prodrugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series, Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987、およびD. Fleisher, S. Ramon and H. Barbra “Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs”, Advanced Drug Delivery Reviews (1996) 19(2) 115-130(出典明示によりその全体として本明細書の一部を構成する)において記載されている。
【0023】
プロドラッグは、かかるプロドラッグを患者に投与したときに、構造(I)で示される化合物をイン・ビボで放出するいずれかの共有結合した担体である。プロドラッグは、一般に、官能基を修飾することによって調製され、かかる修飾は、ルーチン的操作またはイン・ビボによって開裂して親化合物を生じるようなものである。プロドラッグは、例えば、ヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基が、患者へ投与されると開裂して該ヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基を形成するいずれかの基に結合している本発明の化合物を包含する。かくして、プロドラッグの代表例としては(限定するものではないが)、式(I)で示される化合物のアルコール、スルフヒドリルおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体を包含する。さらに、カルボン酸(−COOH)の場合、メチルエステル、エチルエステルなどのエステルを用いてもよい。エステルは、それ自体で活性であってもよく、および/または人体内のイン・ビボ条件下で加水分解性であってもよい。適当な医薬上許容されるイン・ビボ加水分解性エステル基は、人体内で容易に分解して親酸またはその塩を残すものを包含する。
【0024】
さらにまた、構造(I)の化合物または塩の結晶形態には、多形として存在できるものがあり、それらは本発明に包含される。
【0025】
以下、本発明のいずれかの態様で定義される式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される塩、溶媒和物およびプロドラッグ(化学的過程における中間体を除く)を「本発明の化合物」という。
【0026】
当業者には、本発明の化合物の調製において、分子中の1個またはそれ以上の感受性基を保護して望ましくない副反応を防ぐことが必要および/または望ましいことは明らかであろう。本発明に従って使用するのに適当な保護基は、当業者によく知られており、従来の方式で使用されうる。例えば、“Protective groups in organic synthesis” by T.W. Greene and P.G.M. Wuts (John Wiley & sons 1991)または“Protecting Groups” by P.J. Kocienski (Georg Thieme Verlag 1994)を参照のこと。適当なアミノ保護基の例としては、アシル型保護基(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル)、芳香族ウレタン型保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換Cbz)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)およびアルキル型保護基(例えば、ベンジル、トリチル、クロロトリチル)が挙げられる。適当な酸素保護基の例としては、例えば、トリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルのようなアルキルシリル基;テトラヒドロピラニルまたはtert−ブチルのようなアルキルエーテル;またはアセテートのようなエステルが挙げられる。
【0027】
本発明は、また、同位体標識した化合物を包含し、それは、1個またはそれ以上の原子が、天然において通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換わっているという事実を除き、式(I)および以下において挙げたものと同一である。本発明の化合物およびその医薬上許容される塩中に組み込むことのできる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体、例えば、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iが挙げられる。
【0028】
上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物およびその医薬上許容されない塩は、本発明の範囲内である。本発明の同位体標識した化合物、例えば、3H、14Cのような放射性同位体が組み込まれた化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、3Hおよび炭素−14、すなわち、14C同位体は、調製が容易で、検出が可能なので、特に好ましい。11Cおよび18F同位体は、PET(陽電子放射型断層撮影法)において特に有用であり、125I同位体は、SPECT(単一光子放射型コンピューター断層撮影法)において特に有用であり、全て、脳画像診断において有用である。さらに、ジュウテリウム、すなわち、2Hのようなより重い同位体での置換により、より大きな代謝安定性、例えば、イン・ビボ半減期の増加または必要投与量の減少に由来するある種の治療上の利益を得ることができ、したがって、ある状況下では好ましいこともある。本発明の同位体標識した化合物およびその医薬上許容されない塩は、一般に、下記のスキームおよび/または実施例に記載される手法を実施することによって、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いることによって調製することができる。
【0029】
本発明に包含される基/置換基には、異性体として存在できるものがある。本発明は、その範囲内に、ラセミ体、エナンチオマー、およびその混合物を包含するかかる異性体の全てを包含する。
【0030】
当然のことながら、式(I)で示される化合物は、下記式において*印によって示される位置で、少なくとも1個の不斉中心を有する:
【化6】

【0031】
本発明の一の実施態様では、式(I)'で示される化合物は、式(I)で示される化合物の立体化学異性体に対応すると定められており、不斉中心*で下記式に示される配置に富んでいる:
【化7】

[式中、A、p、q、n、X、R4およびR2は、式(I)で示される化合物について上記で定義したとおりである]。
【0032】
本発明の別の実施態様では、式(I)''で示される化合物は、式(I)で示される化合物の立体化学異性体に対応すると定められており、不斉中心*で下記式に示される配置に富んでいる:
【化8】

[式中、A、p、q、n、X、R4およびR2は、式(I)で示される化合物について上記で定義したとおりである]。
【0033】
本発明との関連では、式(I)'または(I)''において示される絶対配置に富んでいる立体化学異性体は一の実施態様において少なくとも90%e.e.(エナンチオマー過剰率)に対応することが意図される。別の実施態様では、該異性体は、少なくとも95%e.e.に対応する。別の実施態様では、該異性体は、少なくとも99%e.e.に対応する。
【0034】
式(I)で示される化合物に含まれる基には、1またはそれ以上の互変異性体形態で存在するものがある。本発明は、その範囲内に、混合物を包含するかかる互変異性体形態の全てを包含する。
【0035】
当業者とって当然のことながら、式(I)で示される化合物における基(P1a)、すなわち、R11が水素である式(P1)で示される基は、下記のように互変異性体形態(P1a')および(P1a'')で存在することができる:
【化9】

両方の互変異性体は、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0036】
一の実施態様では、R2は水素である。
【0037】
一の実施態様では、qは、3、4または5である。別の実施態様では、qは、3または4である。さらなる実施態様では、qは3である。
【0038】
一の実施態様では、pは0、1または2である。別の実施態様では、pは1である。
【0039】
一の実施態様では、Xは、−CR13−または−O−である。別の実施態様では、Xは、−CR13−である。さらなる実施態様では、Xは、−O−である。
【0040】
一の実施態様では、R1は、水素、フッ素またはメチルである。別の実施態様では、R1は水素である。
【0041】
一の実施態様では、R3は、水素、フッ素またはメチルである。別の実施態様では、R1は水素である。
【0042】
一の実施態様では、nは、1または2である。別の実施態様では、nは1である。さらなる実施態様では、nは2である。
【0043】
一の実施態様では、R4は、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシである。別の実施態様では、R4は、水素、臭素、フッ素、塩素またはメトキシである。
【0044】
一の実施態様では、Aは、基P、P1、P2またはP3である。別の実施態様では、Aは、基P1またはP3である。さらなる実施態様では、Aは、基P1である。さらなる実施態様では、Aは、基P3である。
【0045】
一の実施態様では、R8は水素である。
【0046】
一の実施態様では、R7は、水素、C1-4アルキルまたは5、6員単環式ヘテロアリール基である。別の実施態様では、R7は、水素、メチルまたはチオフェニルである。
【0047】
一の実施態様では、R6は、水素、ハロゲンまたはC1-4アルキルである。
【0048】
一の実施態様では、R5は、水素、ハロゲンまたはC1-4アルキルである。
【0049】
一の実施態様では、R11は水素である。
【0050】
一の実施態様では、R10はメチルである。
【0051】
一の実施態様では、R9は、置換されていてもよい5または6員単環式ヘテロアリール基である。別の実施態様では、R9は、置換されていてもよいオキサゾリルまたは置換されていてもよいチアゾリルである。
【0052】
一の実施態様では、式(IA):
【化10】

(式中、R1、R2、R3、R4、p、q、n、R7、R11およびR8は、式(I)について定義したとおりである)
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0053】
式(IA)において、一の実施態様では、qは、3、4または5であり、R2は水素であり、pは、0、1または2であり、R1は、水素、フッ素またはメチルであり、R3は、水素、フッ素またはメチルであり、nは、1または2であり、R4は、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシであり、R8は水素であり、R7は、水素、C1-4アルキルまたは5、6員単環式ヘテロアリール基であり、R11は水素である。
【0054】
一の実施態様では、式(IB):
【化11】

(式中、R1、R2、R3、R4、R9、R10、p、q、n、R7、R11およびR8は、式(I)について定義したとおりである)
で示される化合物またはその塩が提供される。
【0055】
式(IB)において、一の実施態様では、qは、3または4であり、R2は水素であり、pは0、1または2であり、R1は水素、フッ素またはメチルであり、R3は水素、フッ素またはメチルであり、nは1または2であり、R4は、ハロゲン、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシであり、R9は、置換されていてもよい5または6員単環式ヘテロアリール基であり、R10はメチルである。
【0056】
本発明の化合物の例としては、以下のものが挙げられる:
5−ブロモ−1'−(3−{[3−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン];
6−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩;
1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−6−(メチルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩;
4−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩;
1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−5−(メチルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩;
1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−7−(メチルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩;
6−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩;
7−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩;
またはその塩。
【0057】
別の実施態様では、本発明の化合物の例としては、以下のものが挙げられる:
5−ブロモ−1'−(3−{[3−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン];
5−(5−(3−(5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
5−(5−(3−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
5−(5−(3−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
5−(5−(3−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
5−(5−(3−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
1−(4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)ブチル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン;
1−(4−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)ブチル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン;
1−(3−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン・塩酸塩;
1−(3−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン;
1−[3−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1'H−スピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピル]−5−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン;
1−[4−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1'H−スピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)ブチル]−5−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン;
1−[5−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1'H,2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)ペンチル]−5−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン;
6−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン];
4−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン];
6−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン];
7−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン];
1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−7−(メチルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン];
1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−6−(メチルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン];
1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−5−(メチルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン];
1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,3'−ピロリジン];
5−(5−(3−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
5−(5−(3−(6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
またはその塩。
【0058】
本発明の化合物には、PCT国際公開WO 2005/080382に記載されている手法のいくつかに従って調製することができるものがある。
【0059】
本発明はまた、上記で定義した式(I)で示される化合物またはその塩の製造方法であって、
a)式(II):
【化12】

(式中、R4、X、pおよびnは、式(I)について定義したとおりである)
で示される化合物を式(III):
【化13】

(式中、R2、Aおよびqは、式(I)について定義したとおりであり、Xは、脱離基である)
で示される化合物と反応させる工程;
または
b)上記で定義した式(II)で示される化合物を式(IV):
【化14】

(式中、R2、Aおよびqは、式(I)について定義したとおりである)
で示される化合物と反応させる工程;
およびその後、工程(a)または工程(b)について任意に
(i)いずれもの保護基を除去する工程;および/または
(ii)塩を形成する工程;および/または
(iii)式(I)で示される化合物またはその塩を式(I)'で示される別の化合物またはその塩に変換する工程
を含む方法を提供する。
【0060】
工程(a)は、第3アミンの形成のための慣用方法を使用して行うことができる。脱離基Xは、塩素のようなハロゲンであり得る。別法として、Xは、C1-4アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ)、C1-4アルキルスルホニルオキシまたはハロC1-4アルキルスルホニルオキシ(例えば、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)のようなスルホニルオキシ基;またはアリールスルホニルオキシ(ここで、アリールは置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5または6員芳香族複素環基、または置換されていてもよい二環の基、例えば、置換されていてもよいフェニルであり、ここで、いずれの場合も、任意の置換基は、1個またはそれ以上のC1-2アルキル基である);例えば、パラトルエンスルホニルオキシであり得る。Xがハロゲンである場合、該反応は、好適な温度で、例えば60℃で、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中にて、ヨウ化ナトリウムのようなヨウ化物源の存在下、炭酸カリウムのような塩基を用いて行うことができる。
【0061】
工程(b)は、還元アミノ化による第3アミンの形成のための慣用方法を用いて行うことができる。例えば、R2が水素である式(IV)で示される化合物について、該反応は、0℃で、1,2−ジクロロエタンのような好適な溶媒中にて、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いて行うことができる。
【0062】
式(II)で示される化合物は、市販されているか、または、下記合成スキームに従って製造することができる:
【化15】

ここで、X、R4、pおよびnは、式(I)について定義したとおりであり、ここで、
工程aは、水を除去しながら式(XIX)で示される化合物をシアノ酢酸エチルと縮合して式(XX)で示される化合物を得ることを意味する;
工程bは、適当な溶媒(例えば、エタノール)中にて式(XX)で示される化合物をシアン化カリウムと反応させ、次いで、高温(例えば、65℃)で加熱して式(XXI)で示される化合物を得ることを意味する;
工程cは、高温(例えば、125℃)にて式(XXI)で示される化合物を氷酢酸および硫酸と反応させて式(XXII)で示される環化化合物を得ることを意味する;
工程dは、好適な溶媒(例えば、THF)中にて加熱還流させながら式(XXII)で示されるイミドを適当な還元剤(例えば、BH3・THF)で還元して式(II)で示される化合物を得ることを意味する。
【0063】
式(XIX)で示される化合物は、市販されているか、または文献で周知の方法により製造することができる。
【0064】
式(IIIa)で示される化合物、すなわち、Aが基Pである上記にて定義した式(III)で示される化合物自体は、式(V):
【化16】

[式中、R6、R7およびR8は式(I)について定義したとおりである]
で示される化合物を式(VI):
L(CHR2)qX (VI)
[式中、R2およびqは、式(I)について定義したとおりであり、Xは、式(III)で示される化合物について上記で定義したとおりであり、Lは脱離基である]
で示される化合物と反応させることにより製造することができる。
【0065】
脱離基Lは、塩素のようなハロゲンであり得る。別法として、Lは、C1-4アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ)、C1-4アルキルスルホニルオキシまたはハロC1-4アルキルスルホニルオキシ(例えば、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)のようなスルホニルオキシ基;またはアリールスルホニルオキシ(ここで、アリールは、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよい5または6員芳香族複素環基、または置換されていてもよい二環の基、例えば、置換されていてもよいフェニルであり、ここで、いずれの場合も、任意の置換基は、1個またはそれ以上のC1-2アルキル基である);例えば、パラトルエンスルホニルオキシであり得る。Lがハロゲンである場合、該反応は、好適な温度(例えば、60℃)で、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中、ヨウ化ナトリウムのようなヨウ化物源の存在下にて炭酸カリウムのような塩基を使用して行うことができる。
【0066】
式(IVa)で示される化合物、すなわち、Aが基Pである上記で定義した式(IV)で示される化合物自体は、以下の工程により製造することができる:
f)式(V):
【化17】

[式中、R6、R7およびR8は、式(I)について定義したとおりである]
で示される化合物を式(VIII):
MCR2(CHR2)q-1X (VIII)
[式中、R2およびqは、式(I)について定義したとおりであり、Xは、式(III)で示される化合物について上記で定義したとおりであり、Mは、適当なカルボニル系保護基(例えば、ジメチルアセタールまたはジオキサラン)である]
で示される化合物と反応させる工程;
次いで、
g)保護基を開裂する工程。
【0067】
保護基の開裂は、当業者に公知の適当な条件下で行うことができる。例えば、Mがジメチルアセタールである場合、該開裂は、穏やかな加熱(例えば、60℃)下で、塩酸のジオキサンまたはメタノール中希溶液で処理することにより行うことができる。
【0068】
上記で定義した式(IVa)で示される化合物はまた、以下の工程により製造することができる:
h)上記で定義した式(V):
【化18】

で示される化合物を式(IX):
NCR2(CHR2)q-1X (IX)
[式中、R2およびqは、式(I)について定義したとおりであり、Xは、式(III)で示される化合物について上記で定義したとおりであり、Nは、保護アルコール系官能基(例えば、tert−ブチルジメチルシリル)である]
で示される化合物と反応させる工程、
次いで、
i)当業者に公知の適当な条件下で該保護基を開裂する工程、次いで、得られた遊離アルコール系官能基をカルボニル基に酸化する工程。
【0069】
例えば、Nがtert−ブチルジメチルシリル保護基である場合、該開裂は、0℃で1時間、塩酸のジオキサン中1N溶液で処理することにより行うことができる。酸化工程についての適当な条件は、0℃で1時間の溶媒としての乾燥THF中におけるデス−マーチン・ペルヨージナン媒介酸化を含む。
【0070】
式(VI)、(VIII)および(IX)で示される化合物は、市販されているか、または、文献公知の反応により製造することができる。
【0071】
式(V)で示される化合物は、市販されているか、または、文献公知の反応もしくは以下に記載される手法により製造することができる。
【0072】
7およびR8が式(I)について定義したとおりであり、R6がフェニルまたはヘテロアリール基である化合物(Va)を製造するための好適な合成方法は、以下の工程を含む:
m)
【化19】

次いで、工程n):
【化20】

次いで、工程o):
【化21】

次いで、工程p):
【化22】

次いで、工程q):
【化23】

【0073】
工程m)は、硫黄メチル化を意味し、溶媒としての還流エタノール中にてMeIを使用し、R7およびR8が式(I)について定義したとおりである式(XXIV)で示される化合物から出発して行うことができる;
工程n)は、R7およびR8が式(I)について定義したとおりである式(XXV)で示される化合物におけるカルボニル基をハロゲン原子へ変換することを意味し、例えば、還流させながらジオキサン中POCl3を使用することにより行うことができる;
工程o)は、R7およびR8が式(I)について定義したとおりであり、Xがハロゲン、すなわち、塩素またはヨウ素である式(XXVI)で示される化合物を適当なアリールまたはヘテロアリールボロン酸と、パラジウム触媒カップリングさせることを意味する。工程o)は、Suzukyカップリングのための慣用方法を使用して、例えば、nPrOHのような適当な溶媒中にて塩基としてのNa2CO3および適当なアリールボロン酸またはアリールボロン酸エステルの存在下で触媒パラジウム(0)源としてPd(OAc)2を使用して、行うことができる;
工程p)は、R6、R7およびR8が式(I)について定義したとおりである式(XXVII)で示される化合物を、好適な溶媒、すなわち、MeOH中にて例えばオキソンのような適当な酸化試薬によって酸化することを意味する;
工程q)は、例えば、溶媒としてのジオキサン中にて室温でNaOHの希溶液を使用して、R6、R7およびR8が式(I)について定義したとおりである式(XXVIII)で示される化合物のメチルスルホニル基を塩基性加水分解することを意味する。
【0074】
式(XXIV)で示される化合物は、市販されているか、または、文献公知の反応によって製造することができる。
【0075】
式(IIIc)で示される化合物、すなわち、Aが基P2である上記で定義した式(III)で示される化合物自体は、式(X):
【化24】

[式中、R5、R6、R7およびR8は、式(I)で示される化合物について上記で定義したとおりである]
で示される化合物を上記で定義した式(VI):
L(CHR2)qX (VI)
で示される化合物と反応させることにより製造することができる。
【0076】
式(IVc)で示される化合物、すなわち、Aが基P2である上記で定義した式(IV)で示される化合物自体は、以下の工程により製造することができる:
f)上記で定義した式(X):
【化25】

で示される化合物を上記で定義した式(VIII):
MCR2(CHR2)q-1X (VIII)
で示される化合物と反応させる工程、
次いで、
g)保護基を開裂する工程。手法の例については、上記工程g)を参照。
【0077】
上記で定義した式(IVc)で示される化合物はまた、以下の工程により製造することができる:
h)上記で定義した式(X):
【化26】

で示される化合物を上記で定義した式(IX):
NCR2(CHR2)q-1X (IX)
で示される化合物と反応させる工程;
次いで、
i)当業者に公知の適当な条件下で保護基を開裂する工程、次いで、得られた遊離アルコール系官能基をカルボニル基に酸化する工程。手法の例については、上記工程i)を参照。
【0078】
別法として、式(IIIc)'で示される化合物、すなわち、R3が5、6員ヘテロアリールである上記で定義した式(IIIc)は、以下の工程により製造することができる:
j)標準的なアルキル化条件下で式(XXIX):
【化27】

[式中、R6、R7およびR6は、式(I)について定義したとおりである]
で示される化合物を上記で定義した式(VI)で示される化合物と反応させる工程;
次いで、
k)q、R6、R7およびR8が式(I)について定義したとおりであり、R5が5、6員ヘテロアリール基であり、Xが式(VI)で示される化合物について上記で定義したとおりである得られた式(XXX):
【化28】

で示される生成物を適当なヘテロアリールボロン酸またはエステルとカップリングさせる工程。
【0079】
工程k)は、好適には、Suzukyカップリングのための慣用方法を用いて、例えば、nPrOHのような適当な溶媒中にて塩基としてのNa2CO3および好適なヘテロアリールボロン酸またはボロン酸エステルの存在下で触媒パラジウム(0)源としてPd(OAc)2を使用して行うことができる。
【0080】
式(X)および(XIX)で示される化合物は、市販されているか、または文献公知の反応により製造することができる。
【0081】
式(IIId)で示される化合物、すなわち、Aが基P3である上記で定義した式(III)で示される化合物自体は、式(XXIII):
【化29】

[式中、R9およびR10は、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物を上記で定義した式(VI):
L(CHR2)qX (VI)
で示される化合物と反応させることにより製造することができる。
【0082】
式(IIId)で示される化合物の製造のための参考手法はまた、PCT国際公開WO 2005/080382中に見ることができる。
【0083】
式(XIII)で示される化合物は、市販されているか、またはPCT国際公開WO 2005/080382に記載されている手法に従って製造することができる。
【0084】
式(IIIb)で示される化合物、すなわち、Aが基P1である上記で定義した式(III)で示される化合物自体は、式(XXXI):
【化30】

[式中、R7、R11およびR8は、式(I)で示される化合物について上記で定義したとおりである]
で示される化合物を上記で定義した式(VI):
L(CHR2)qX (VI)
で示される化合物と反応させることにより製造することができる。
【0085】
式(IVb)で示される化合物、すなわち、Aが基P1である上記で定義した式(IV)は、
f)上記で定義した式(XXXI):
【化31】

で示される化合物を上記で定義した式(VIII):
MCR2(CHR2)q-1X (VIII)
で示される化合物と反応させて式(XXXV):
【化32】

で示される化合物を得る工程;
次いで、
g)保護基を開裂する工程。手法の例については、上記工程g)を参照。
【0086】
上記で定義した式(IVb)で示される化合物はまた、
h)上記で定義した式(XXXI):
【化33】

で示される化合物を上記で定義した式(IX):
NCR2(CHR2)q-1X (IX)
で示される化合物と反応させて、式(XXXII):
【化34】

で示される化合物を得ること、
次いで、
i)当業者に公知の適当な条件下で保護基を開裂すること、次いで、遊離アルコール系官能基をカルボニル基に酸化すること
によって製造することができる。手法の例については、上記工程i)を参照。
【0087】
式(XXXI)で示される化合物は、市販されているか、または、文献公知の反応または以下に記載の手法により製造することができる。
【0088】
化合物(XXXIa)、すなわち、R8がHであり、R11がHであり、R7がフェニルまたは5、6員単環式ヘテロアリール基である式(XXXI)で示される化合物は、以下の合成スキームに従って製造することができる:
【0089】
【化35】

【0090】
工程(r)は、式(XXXIII)で示される化合物(市販されている、ここで、Rxは、メチル、ベンジルまたはt−ブチル基である)をフェニルまたはヘテロアリールボロン酸またはエステルとカップリングさせて、Kがハロゲン、すなわち、臭素またはヨウ素である式(XXXIV)で示される化合物を得ることを意味する。Kがボロン酸である場合、工程(r)は、フェニルまたはヘテロアリールハロゲン誘導体、すなわち、ブロモまたはヨード誘導体とのカップリングを意味する。
【0091】
工程(s)は、ジRx保護基を開裂して化合物(XXXIa)を得ることを意味する。メチルまたはt−ブチル保護基の開裂のための標準的な条件は、酸性条件である;ベンジルの除去のための好適な条件は、ジクロロメタン中でのMe3SiIの使用を含む。
【0092】
工程(r)は、好適には、Suzukyカップリングのための慣用方法を使用して、例えば、nPrOHのような適当な溶媒中にて塩基としてのNa2CO3および好適なアリールボロン酸またはアリールボロン酸エステルの存在下で触媒パラジウム(0)源としてPd(OAc)2を使用して行うことができる。
【0093】
工程(s)は、典型的には、0℃で1時間、溶媒として塩酸のジオキサン中4N溶液を使用することにより行うことができる。
【0094】
式(IVd)で示される化合物、すなわち、Aが基P1であり、R11がC1-4アルキルである上記で定義した式(IVb)で示される化合物はまた、標準的なアルキル化条件下にて、式(XXXVa)で示される化合物、すなわち、R11が水素である上記で定義した式(XXV)で示される化合物を式R11Iで示される適当なヨウ化アルキルと反応させることにより製造することができる。例えば、該反応は、DMF中にてK2CO3の存在下で行うことができる。アルキル化工程に次いで、保護基が開裂されなければならない。手法の例については、上記工程g)を参照。
【0095】
式(I)で示される化合物とその塩との間の相互変換反応は、当該技術分野で周知の方法を使用して行うことができる。例えば、
(i)1個またはそれ以上のR4をアルコキシ(例えば、メトキシ)からヒドロキシへ変換すること;
(ii)1個またはそれ以上のR4をヒドロキシからスルホニルオキシ(例えば、アルキルスルホニルオキシまたはハロアルキルスルホニルオキシ、例えば、メタンスルホニルオキシまたはアルキルスルホニルオキシまたはトリフルオロメタンスルホニルオキシ)へ変換すること、
(iii)1個またはそれ以上のR4をハロゲンまたはパーフルオロアルキルスルホニルオキシからシアノへ変換すること;
および、任意に、その後、式(I)の塩を形成すること
を包含する。
【0096】
式(I)で示される化合物またはその塩の特定のエナンチオマーまたはジアステレオ異性体が必要な場合、これは、例えば、慣用方法を使用して対応するエナンチオマーまたはジアステレオ異性体混合物の分割によって得ることができる。
【0097】
かくして、例えば、該化合物の特定のエナンチオマーまたはジアステレオ異性体は、キラルクロマトグラフィー法、例えば、キラルHPLCまたはSFCを使用して対応するエナンチオマーまたはジアステレオ異性体混合物から得ることができる。
【0098】
別法として、一般式(I)で示される化合物またはその塩の特定のエナンチオマーまたはジアステレオ異性体は、本明細書に記載する一般的な方法のいずれかを使用して適当な光学活性中間体から合成することができる。
【0099】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩は、ドーパミン受容体(特に、D3受容体)に対するアフィニティーを示すことが見出され、かかる受容体の調節を必要とする病態(例えば、精神病的疾病)の治療に有用であることが期待される。
【0100】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の多くは、また、ドーパミンD2受容体よりもD3受容体に対して大きなアフィニティーを有することが見出された。現在利用可能な抗精神病薬(神経弛緩薬)の治療効果は、一般に、D2受容体の遮断によって発揮されると考えられるが、このメカニズムはまた、多くの神経弛緩薬に伴う望ましくない錐体外路副作用(eps)の原因であるとも考えられる。最近特徴付けられたドーパミンD3受容体の遮断が有意なepsを伴うことなく有益な抗精神病活性をもたらしうることが示唆された(例えば、Sokoloff et al, Nature, 1990; 347: 146 151;およびSchwartz et al, Clinical Neuropharmacology, Vol 16, No.4, 295-314, 1993)。一の実施態様では、ドーパミンD2受容体よりもD3受容体に対して高い(例えば、10倍以上または100倍以上高い)アフィニティーを有する式(I)で示される化合物またはその塩が提供される(かかるアフィニティーは、標準的な方法を用いて測定することができる(本明細書参照))。
【0101】
本発明の化合物は、好適には、D3受容体の選択的モジュレーターとして使用されうる。
【0102】
3受容体の局在性から、該化合物が、D3受容体の関与が示唆された物質乱用の治療に対する有用性も有することが考えられる(例えば、Levant, 1997, Pharmacol. Rev., 49, 231-252参照)。かかる物質乱用の例としては、アルコール、コカイン、ヘロインおよびニコチン乱用が挙げられる。該化合物によって治療されうる他の病態は、物質関連障害、パーキンソン病、神経弛緩薬誘発性パーキンソン症候群および遅発性ジスキネジアのような運動障害;鬱病;不安症、アルツハイマー病のような記憶障害を包含する認識障害、性的機能不全、睡眠障害、嘔吐、健忘症、攻撃、眩暈、認知症、概日リズム障害および胃運動障害、例えば、IBSが挙げられる。
【0103】
広範囲に及ぶ精神障害および神経精神障害が強迫障害に関連するようであり、強迫(OC)スペクトル障害と呼ばれる関連する障害のファミリーを形成する。本発明の化合物は、身体醜形障害およびハイパーコンドリアシス(hyperchondriasis)のような身体表現性障害、病的飢餓、拒食症、過食症、性的倒錯および非倒錯性性的中毒、シデナム舞踏病、斜頚、自閉障害、強迫性買い溜め、およびトゥーレット症候群を包含する運動障害を包含する強迫スペクトル障害の治療に用いられ得る。本明細書中で使用される場合、「強迫スペクトル障害」なる語は、強迫障害を包含することが意図される。
【0104】
本発明の化合物は、また、早漏症の治療に有用である。
【0105】
本明細書中で使用される適応症を記載する用語は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th Edition, published by the American Psychiatric Association(DSM−IV)および/またはInternational Classification of Diseases, 10th Edition(ICD−10)において分類されている。本明細書に記載する障害の様々な亜型は、本発明の部分として企図されるものである。以下に列挙する疾患の後の括弧内の番号は、DSM−IVにおける分類番号を意味する。
【0106】
「精神障害」なる用語は、
亜型である、妄想型(295.30)、解体型(295.10)、緊張型(295.20)、鑑別不能型(295.90)および残遺型(295.60)を含む統合失調症;統合失調症様障害(295.40);亜型である双極型およびうつ病型を含む統合失調感情障害(295.70);亜型である色情型、誇大型、嫉妬型、被害型、身体型、混合型、および特定不能型を含む妄想性障害(297.1);短期精神病性障害(298.8);共有精神病性障害(297.3);妄想を伴う亜型および幻覚を伴う亜型を含む一般身体疾患を示す精神病性障害;妄想を伴う亜型(293.81)および幻覚を伴う亜型(293.82)を含む物質誘発性精神病性障害;および特定不能の精神病性障害(298.9)
を包含する。
【0107】
「物質関連障害」なる用語は、
物質依存、物質渇望および物質乱用のような物質使用障害;物質中毒、物質離脱、物質誘発性せん妄、物質誘発性持続性認知症、物質誘発性持続性健忘性障害、物質誘発性精神病性障害、物質誘発性気分障害、物質誘発性不安障害、物質誘発性性機能不全、物質誘発性睡眠障害および幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)のような物質誘発性障害;アルコール依存(303.90)、アルコール乱用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱(291.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘発性持続性認知症、アルコール誘発性持続性健忘性障害、アルコール誘発性精神病性障害、アルコール誘発性気分障害、アルコール誘発性不安障害、アルコール誘発性性機能不全、アルコール誘発性睡眠障害および特定不能のアルコール関連障害(291.9)のようなアルコール関連障害;アンフェタミン依存(304.40)、アンフェタミン乱用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘発性精神病性障害、アンフェタミン誘発性気分障害、アンフェタミン誘発性不安障害、アンフェタミン誘発性性機能不全、アンフェタミン誘発性睡眠障害および特定不能のアンフェタミン関連障害(292.9)のようなアンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害;カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘発性不安障害、カフェイン誘発性睡眠障害および特定不能のカフェイン関連障害(292.9)のようなカフェイン関連障害;大麻依存(304.30)、大麻乱用(305.20)、大麻中毒(292.89)、大麻中毒せん妄、大麻誘発性精神病性障害、大麻誘発性不安障害および特定不能の大麻関連障害(292.9)のような大麻関連障害;コカイン依存(304.20)、コカイン乱用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン誘発性精神病性障害、コカイン誘発性気分障害、コカイン誘発性不安障害、コカイン誘発性性機能不全、コカイン誘発性睡眠障害および特定不能のコカイン関連障害(292.9)のようなコカイン関連障害;幻覚剤依存(304.50)、幻覚剤乱用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒せん妄、幻覚剤誘発性精神病性障害、幻覚剤誘発性気分障害、幻覚剤誘発性不安障害および特定不能の幻覚剤関連障害(292.9)のような幻覚剤関連障害;吸入剤依存(304.60)、吸入剤乱用(305.90)、吸入剤中毒(292.89)、吸入剤中毒せん妄、吸入剤誘発性持続性認知症、吸入剤誘発性精神病性障害、吸入剤誘発性気分障害、吸入剤誘発性不安障害、および特定不能の吸入剤関連障害(292.9)のような吸入剤関連障害;ニコチン依存(305.1)、ニコチン離脱(292.0)および特定不能のニコチン関連障害(292.9)のようなニコチンに関連する障害;オピオイド依存(304.00)、オピオイド乱用(305.50)、オピオイド中毒(292.89)、オピオイド離脱(292.0)、オピオイド中毒せん妄、オピオイド誘発性精神病性障害、オピオイド誘発性気分障害、オピオイド誘発性性機能不全、オピオイド誘発性睡眠障害および特定不能のオピオイド関連障害(292.9)のようなオピオイド関連障害;フェンシクリジン依存(304.60)、フェンシクリジン乱用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘発性精神病性障害、フェンシクリジン誘発性気分障害、フェンシクリジン誘発性不安障害および特定不能のフェンシクリジン関連障害(292.9)のようなフェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害;鎮静剤、催眠剤または抗不安薬依存(304.10)、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬乱用(305.40)、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬中毒(292.89)、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬離脱(292.0)、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬中毒せん妄、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬離脱せん妄、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬持続性認知症、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬持続性健忘性障害、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬誘発性精神病性障害、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬誘発性気分障害、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬誘発性不安障害、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬誘発性性機能不全、鎮静剤、催眠剤または抗不安薬誘発性睡眠障害および特定不能の鎮静剤、催眠剤または抗不安薬関連障害(292.9)のような鎮静剤、催眠剤または抗不安薬関連障害;多物質依存(304.80)のような多物質関連障害;ならびに、タンパク質同化ステロイド、硝酸塩吸入剤、および亜酸化窒素のような他の(または不明の)物質関連障害を含めた、物質関連障害
を包含する。
【0108】
本発明の化合物は、認識障害の治療に有用でありうる。
【0109】
「認知障害」なる用語は、統合失調症、双極性障害、鬱病、認識障害に関連する他の精神障害および精神病的状態、例えば、アルツハイマー病のような他の疾患における認識障害を包含する。
【0110】
したがって、さらなる態様では、本発明は、ドーパミン受容体(特にドーパミンD3受容体)の調節が利益をもたらす病態を治療する方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)に、本発明の化合物の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0111】
本明細書中で使用される場合、「調節」なる用語は、特に、阻害/拮抗(構成的に活性な受容体系において逆作動にも移行しうる)をいう。
【0112】
一の具体例では、病態は、物質関連障害、精神病的障害、強迫スペクトル障害または早漏症である。
【0113】
本発明は、また、治療において使用するための本発明の化合物を提供する。
【0114】
本発明は、また、ドーパミン受容体(特に、ドーパミンD3受容体)の調節が利益をもたらす哺乳動物における病態の治療において使用するための本発明の化合物を提供する。
【0115】
本発明は、また、ドーパミン受容体(特に、ドーパミンD3受容体)の調節が利益をもたらす哺乳動物における病態の治療のための医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
【0116】
一の具体例では、本発明の化合物は、精神病、例えば、統合失調症の治療において、物質乱用の治療において、強迫スペクトル障害の治療において、早漏症の治療において使用される。
【0117】
また、精神病的状態、哺乳動物における物質乱用、強迫スペクトル障害、および早漏症の治療のための医薬の製造における本発明の化合物の使用が提供される。
【0118】
また、精神病的状態(例えば、統合失調症)、物質乱用、強迫スペクトル障害、および哺乳動物における早漏症の治療のための本発明の化合物が提供される。
【0119】
また、哺乳動物における活性な治療物質として使用するための、例えば、本明細書に記載の病態のいずれかの治療において使用するための本発明の化合物が提供される。
【0120】
「治療」なる用語は、関連する病態によって適宜、予防を包含する。
【0121】
医薬における使用のために、本発明の化合物は、通常、標準的な医薬組成物として投与される。したがって、本発明は、さらなる態様では、本発明の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、本明細書中に記載の病態のいずれかの治療において有用であり得る。
【0122】
本発明の化合物は、いずれかの好都合な方法によって、例えば、経口、非経口(例えば、静脈内)、頬側投与、舌下投与、経鼻投与、経直腸投与または経皮投与によって投与されてもよく、それに応じて適応させた医薬組成物であってもよい。
【0123】
経口投与時に活性な本発明の化合物は、液体または固体、例えば、シロップ剤、懸濁剤または乳剤、錠剤、カプセル剤およびロゼンジ剤として処方することができる。
【0124】
液体処方は、一般に、適当な液体担体、例えば、水、エタノールまたはグリセリンのような水性溶媒、またはポリエチレングリコールまたは油のような非水性溶媒中における該化合物または医薬上許容される塩の懸濁液または溶液からなる。該処方は、また、懸濁化剤、保存料、フレーバー剤または着色料を含有していてもよい。
【0125】
錠剤形態の組成物は、固形処方の調製にルーチン的に使用されるいずれか適当な医薬担体を用いて調製することができる。かかる担体の例としては、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、シュークロースおよびセルロースが挙げられる。
【0126】
カプセル形態の組成物は、ルーチン的なカプセル化手法を用いて調製できる。例えば、活性成分を含有するペレットを標準的な担体を用いて調製することができ、次いで、ハードゼラチンカプセル中に充填することができる;別法では、いずれか適当な医薬担体、例えば、水性ガム、セルロース、珪酸塩または油を用いて分散液または懸濁液を調製することができ、次いで、該分散液または懸濁液をソフトゼラチンカプセル中に充填することができる。
【0127】
0119
典型的な非経口組成物は、滅菌水性担体または非経口的に許容される油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生油、またはゴマ油中における該化合物または医薬上許容される塩の溶液または懸濁液からなる。別法として、該溶液を凍結乾燥し、次いで、投与直前に好適な溶媒で復元することができる。
【0128】
経鼻投与のための組成物は、好都合には、エアゾール剤、滴剤、ゲル剤および散剤として処方してもよい。エアゾール製剤は、典型的には、医薬上許容される水性または非水性溶媒中の活性物質の溶液または微粒子懸濁液を含み、通常、噴霧装置で使用するためのカートリッジまたはリフィルの形態をとることができる密閉容器中の滅菌形態で単回投与量または複数回投与量で提供される。別法として、密閉容器は、容器の内容物が空になるとすぐに廃棄することが意図される単回投与鼻吸入器または計量バルブを装着したエアゾールディスペンサーのような単一の投薬装置であってもよい。投薬形態がエアゾールディスペンサーを含む場合、それは、圧縮空気のような圧縮ガスまたはフルオロクロロ炭化水素のような有機噴霧剤であり得る噴霧剤を含有するであろう。エアゾール投薬形態は、また、ポンプ噴霧器の形態をとることもできる。
【0129】
頬側または舌下投与に好適な組成物としては、活性成分が砂糖およびアカシア、トラガカント、またはゼラチンおよびグリセリンのような担体と共に処方される錠剤、ロゼンジ剤およびトローチ剤(pastille)が挙げられる。
【0130】
経直腸投与用組成物は、好都合には、カカオ脂のような慣用の坐剤基剤を含有する坐剤の形態である。
【0131】
経皮投与に好適な組成物としては、軟膏剤、ゲル剤およびパッチ剤が挙げられる。
【0132】
一の実施態様では、該組成物は、錠剤、カプセル剤またはアンプル剤のような単位投与形態である。
【0133】
経口投与のための各投薬単位は、遊離塩基として計算された本発明の化合物を、例えば、1〜250mg含有する(非経口投与の場合、例えば、0.1〜25mgを含有する)。
【0134】
本発明の化合物は、通常、例えば、遊離塩基として計算された式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の1mg〜500mg、例えば、10mg〜400mg、例えば、10〜250mgの経口投与量、または0.1mg〜100mg、例えば、0.1mg〜50mg、例えば、1〜25mgの静脈内、皮下または筋内投与量で、該化合物を1日1〜4回投与する1日投与計画(成人患者用)において投与されるであろう。好適には、該化合物は、持続的療法の期間、例えば、1週間またはそれ以上投与されるであろう。
【0135】
生物学的試験方法
本発明の化合物の機能的能力は、下記のGTPSシンチレーション近接アッセイ(GTPS−SPA)によって測定できる。該研究に使用される細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
細胞系統
CHO D2
CHO D3
bacmam G0 Gタンパク質(Biocat no 97886)を形質導入したドーパミンCHO D3(Biocat no 1060)
【0136】
全工程は4℃で実施する。以下のとおり細胞膜を調製する。細胞ペレットを10容量の50mM HEPES、1mM EDTA pH7.4(KOHを用いる)中に再懸濁する。
バッファー(50mM HEPES、1mMロイペプチン、25μg/mlバシトラシン、1mM EDTA、1mM PMSF、2μMペプスタチンA)(後者の2つの試薬は、エタノール中、各々、フレッシュ×100および×500ストックとして加える)200ml中、細胞をガラスワーリングブレンダー内で、2×15秒バーストによってホモジナイズする。最初のバーストの後5分間、および最後のバーストの後10〜40分間、ブレンダーを氷中に突っ込んで、泡を消散させる。次いで、該材料を500gで20分間スピンし、上清を48,000gで36分間スピンする。ペレットを上記と同じバッファー(但し、PMSFおよびペプスタチンAを含まない)中に再懸濁する。次いで、該材料を0.6mmの針中に通し、所望の容量にし(通常、元の細胞ペレットの4倍容量)、アリコート化し、−80℃で冷凍保存する。
【0137】
試験薬物の最終的な最大濃度は、該アッセイにおいて3μMであり、100%DMSO中における11点段階希釈曲線1:4をBiomek FXを用いて行う。全アッセイ容量(TAV)中1%(0.5μl)の試験薬物を固形白色Greinerポリプロピレン384ウェルアッセイプレートに加える。50%TAV(25μl)の予め結合させた(室温で60分間)膜5μg/ウェル、ならびに20mM HEPES(pH7.4、100mM NaCl、10mM MgCl)、60μg/mlサポニンおよび30μM GDP中におけるコムギ胚芽凝集素ポリスチレンシンチレーション近接アッセイビーズ(RPNQ0260、Amersham)0.25mg/ウェルを加える。第3の添加は、バッファー(アゴニスト様式)またはアッセイバッファー中で調製されたEC80最終アッセイ濃度のアゴニスト、キネロラン(Quinelorane)(アンタゴニスト様式)のいずれかの20%TAV(10μl)添加である。該アッセイは、最終濃度0.38nMのGTP[35S](37MBq/ml、1160Ci/mmol、Amersham)の29%TAV(15μl)の添加によって開始される。全ての添加後、アッセイプレートを1,000rpmで1分間スピンダウンする。最終アッセイカクテル(45.5μl)を室温でインキュベートして3〜6時間平衡化した後、ViewLuxTM(613/55フィルター)ルミネセンス撮像装置にて5分/プレートで読み取る。
【0138】
基底値を超える試験薬物の効果は、試験薬物のfpKi値をもたらし、それは、Cheng&Prusoff式: fKi=IC50 / 1+ ([A] / EC50) [式中:[A]は、アッセイ中におけるアゴニストキネロランの濃度であり、EC50は、同じ実験において得られたキネロランEC50値であり、fpKiは、−logfKiであると定義される]を用いて、「アンタゴニスト様式」実験によって得られたIC50から計算される。
pKi結果は、正確には約0.3〜0.5であると見積もられるにすぎない。
【0139】
本発明の文脈において、機能的pKi(fKiの負の対数に相当するfpKi)は、機能的Ki(fKi)の代わりに用いられ、式(I)で示される化合物およびその塩は、典型的には、約6.5〜9.0からなるD3受容体に対するfpKiを示す。
【発明を実施するための形態】
【0140】
以下の非限定的実施例により本発明をさらに説明する。
【0141】
下記の手法において、典型的には、各出発物質の後に、調製例または実施例の番号を付与する。これは、単に熟練した化学者の手助けとなるよう提供するものである。出発物質は、必ずしも、引用されているバッチから調製されなくてもよい。
【0142】
「同様」または「類似」の手法の使用に言及する場合、当業者に明らかなように、かかる手法は、軽微な変更、例えば、反応温度、試薬/溶媒の量、反応時間、後処理条件またはクロマトグラフィー精製条件の変更を含んでいてもよい。
【0143】
温度は全て、℃を示す。
【0144】
中間体および実施例では、特記しない限り、以下のとおりである:
プロトン磁気共鳴(NMR)スペクトルは、300または400MHzでBruker Avance II装置にて記録され得、化学シフトは、内部標準として残留溶媒系を使用してppm(δ)で表される。分裂パターンは、s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;b、幅広として記載される。NMRスペクトルは、25〜90℃の範囲の温度で記録され得る;2つ以上の配座異性体が検出される場合には、最も豊富なものについての化学シフトを記載する。
【0145】
マススペクトル(MS)は、ES(+)およびES(−)イオン化様式で操作するイオントラップFinnigan MS LCQにて測定され得る。
【0146】
LCMSは、ES(+)およびES(−)イオン化様式を操作する、Shimadzu lcms 2010またはAgilent LC/MSD 1100 Seriesの四重極質量分析計にて測定され得る。
【0147】
(GC−MS)は、EIイオン源(カラム:DB−5、キャリヤーガス:He)を装着したShimadzu 2010 GCMSにて測定され得る。
【0148】
LC/MS − ES(+): YMC ODS(50×2.0mm、5μm)(移動相:2.5分間で90%[水+0.1%TFA]および10%[CH3CN+0.1%TFA]から20%[水+0.1%TFA]および80%[CH3CN+0.1%TFA]まで、最後に、これらの条件下で0.5分間;T=50℃;流量=1.0mL/分)にて分析を行うことができる;
LC/MS − ES(−): YMC ODS(50×2.0mm、5μm)(移動相: 3分間で90%[水+0.1%TFA]および10%[CH3CN+0.1%TFA]から20%[水+0.1%TFA]および80%[CH3CN+0.1%TFA]まで、最後に、これらの条件下で2分間;T=50℃;流量=1.0mL/分)にて分析を行うことができる。
【0149】
HPLC(ウォーク−アップ)は、PDA検出器を装着したShimadzu 20AB HPLC(カラム:YMC ODS 50×4.6mm、5cm)にて測定され得る。
移動相:6分間で90%[水+0.1%TFA]および10%[CH3CN+0.1%TFA]から20%[水+0.1%TFA]および80%[CH3CN+0.1%TFA]まで、最後に、これらの条件下で2分間;T=40℃;流量=3.0mL/分。
【0150】
T.L.C.(またはTLC)とは、0.25mmシリカゲルプレート(60F−254 China National Medicines)上での薄層クロマトグラフィーをいい、UV光で可視化される。
【0151】
P−TLCとは、分取薄層クロマトグラフィーをいう。
【0152】
精密濾過装置を使用することによって行われる相分離について:WhatmanまたはAlltechによるポリプロピレンフリットを装着した相分離カートリッジ。SCX手段:VarianによるSCX−カートリッジ(負荷0.75mmol/g)。
【0153】
溶液は、無水硫酸ナトリウムで乾燥できる。
【0154】
分取HPLC(P−HPLC)は、以下の方法により、YMC C18 5.0μmカラム(250mm×20mm)を装着したGilson装置にて行うことができる:
A: TFA(0.1%)/CH3CN 30%〜60%勾配液で流速14ml/分にて20分間にわたって溶離。
【0155】
分取HPLC(P−HPLC)は、以下の方法により、Shiseido UG80 C18 5.0μmカラム(100mm×20mm)を装着したGilson装置にて行うことができる:
B: TFA(0.1%)/CH3CN 30%〜60%勾配液で流速18ml/分にて12分間にわたって溶離。
塩化メチレンおよびDMFは、水素化カルシウムにて再蒸留することができ、テトラヒドロフランはナトリウムにて再蒸留することができる。
【0156】
本明細書では、以下の略語を使用する: PE=石油エーテル、EA=酢酸エチル、NaI=ヨウ化ナトリウム、THF=テトラヒドロフラン、HCl=塩酸塩、K2CO3=炭酸カリウム、NaOH=水酸化ナトリウム、DCM=ジクロロメタン、Et3N=トリエチルアミン、MeOH(またはCH3OH)=メタノール、Et2O=ジエチルエーテル、KCN=シアン化カリウム、TLC=薄層クロマトグラフィー、Boc2O=ジ炭酸ジtert−ブチル、NMP=1−メチル−2−ピロリジノン、FC=フラッシュクロマトグラフィー、NaHCO3=重炭酸ナトリウム、AcOH=酢酸、AcNH4=酢酸アンモニウム、P:E=石油エーテル:酢酸エチル、PPA=ポリリン酸、DMAP=N,N−ジメチル−4−アミノピリジン。
【0157】
調製例1: (2E/Z)−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)(シアノ)エタン酸エチル(調製例1)
【化36】

5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(5g、23,69mmol、市販)およびシアノ酢酸エチル(2.95g、27.8mmol)、酢酸アンモニウム(3.65g)および氷酢酸(10.85mL)のベンゼン(24mL)中混合物をディーン・スターク・ウォータートラップを用いて24時間還流した。次いで、該反応混合物に酢酸エチルを添加し、水で洗浄した。粗物質をFC(シクロヘキサン/酢酸エチル(1/0〜85/15))により精製して、未だ不純物を含んでいる生成物を得、これをエタノールから結晶化して、化合物1を異性体混合物として得た(3.1g、収率=43%)。


【0158】
調製例2: 5−ブロモ−1−(シアノメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例2)
【化37】

(2E/Z)−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)(シアノ)エタン酸エチル(調製例1、3.1g、10.15mmol)のエタノール(23mL)中溶液にKCN(1.65g、2.5当量)の水(6mL)中溶液を添加し、該反応混合物を65℃に加温し、約16〜24時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧除去し、粗物質をエーテルおよび水で処理した。エタノールから結晶化して、標記化合物を得た(1.87g、収率=70%)。

【0159】
調製例3: 5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−2'H,5'H−スピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例3)
【化38】

化合物5−ブロモ−1−(シアノメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例2、1.87g)の氷酢酸(4mL)および硫酸水溶液(78%v/v、1.4mL)中混合物を125℃に加温し、1.5時間撹拌した。次いで、酢酸を減圧除去し、残留物を酢酸エチルおよび水で処理した。粗生成物をFC(1/0〜7/3のシクロヘキサン/酢酸エチルで溶離する)により精製して、標記化合物0.4(収率=20%)を得た。

【0160】
調製例4: 5−ブロモ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例4)
【化39】

窒素雰囲気下にて0℃での5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−2'H,5'H−スピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例3、0.4g、1.43mmol)の無水THF(8mL)中撹拌溶液にTHF中BH3・THF錯体(1M、5.7mL)を滴下した。氷浴を外し、反応混合物を室温にし、次いで、6時間還流した。次いで、混合物を0℃に冷却し、ガス発生をモニターしながら塩酸(2M、5mL)を注意深く添加し、次いで、氷浴を外し、反応物を0.5時間撹拌した。次いで、THFを真空除去し、残留物を0℃に冷却し、ジクロロメタンを添加し、pHが約9になるまで撹拌混合物をNaOH(2M)の溶液で処理した。該混合物をさらなるDCMで抽出し、溶媒を真空蒸発させ、粗生成物をFC(1/0〜94/6のDCM/メタノールで溶離する)により精製して、標記化合物を得た(160mg、収率=45%)。

【0161】
調製例5: 2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)−2−シアノ酢酸(E)−エチル(調製例5)
【化40】

5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(150g、0.9mol、市販)およびシアノ酢酸エチル(125g、1.1mol)、酢酸アンモニウム(150g、1.94mmol)および氷酢酸(500mL)のベンゼン(1L)中混合物をディーン・スターク・ウォータートラップにて22時間還流した。
次いで、ベンゼンを部分的に真空除去し、残留物を濾過し、得られた固体をエタノールから結晶化して標記化合物を得た(161g、収率=68%)。

【0162】
調製例6: 5−クロロ−1−(シアノメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例6)
【化41】

2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)−2−シアノ酢酸(E)−エチル(調製例5、100g、0.38mol)のエタノール(800ml)中溶液にKCN(67.5g、1mol)の水(230ml)中溶液を添加し、該反応混合物を65℃に加温し、21時間撹拌した。次いで、溶媒を真空除去した。残留物をエーテルで処理し、有機相を水で洗浄した。溶媒を蒸発させ、得られた粗物質をエタノールからの結晶化により精製して、標記化合物を得た(36g、収率=43.5%)。

【0163】
調製例7: 5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例7)
【化42】

5−クロロ−1−(シアノメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例6、16g、74mmol)の氷酢酸(30ml)および硫酸水溶液(78%v/v、15mL)中混合物を110℃に加温し、1.5時間撹拌した。次いで、酢酸を真空除去し、残留物を酢酸エチルで処理し、有機相を水で洗浄した。溶媒を蒸発させ、得られた粗物質をエタノールからの結晶化により精製して、純粋な標記化合物を得た(4g、収率=23%)。

【0164】
調製例8: 5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例8)
【化43】

窒素雰囲気下にて0℃での5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例7、3g、12.7mmol)の無水THF(20ml)中撹拌溶液にBH3・(CH3)2S錯体のTHF(1M、50ml)を滴下した。氷浴を外し、反応混合物を室温にし、28時間還流した。次いで、混合物を0℃に冷却し、ガス発生をモニターしながら塩酸(2M、30ml)を注意深く添加し、次いで、氷浴を外し、反応物を1時間撹拌した。次いで、THFを真空除去し、残留物を0℃に冷却した。DCMを添加し、pH=13になるまで撹拌混合物をNaOH(2M)で処理した。該混合物をさらなるDCMで抽出し、溶媒を真空蒸発させて、粗標記化合物を得た(3g)。

【0165】
調製例9: 5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(調製例9)
【化44】

粗5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例8、3g、14.5mmol)の無水ジクロロメタン(20ml)中撹拌溶液に、(Boc)2O(3.78g、17.4mmol)、Et3N(5ml、36mmol)およびDMAP(触媒量)を添加し、該混合物を室温で一夜撹拌した。次いで、溶媒を真空除去し、粗生成物をFC(1:20〜1:15の酢酸エチル/PEで溶離)により精製して、標記化合物を得た(0.9g)。

【0166】
調製例10: 5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩(調製例10)
【化45】

5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(調製例9、900mg、2.93mol)のメタノール(10ml)中溶液に、HCl/CH3OH(10ml、メタノール中3M)を添加し、室温で一夜撹拌した。溶媒を真空蒸発させて、標記化合物を得た(500mg、収率=82%)。

【0167】
調製例11: 2−シアノ−2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)酢酸(E)−エチル(調製例11)
【化46】

5−フルオロ−インダン−1−オン(150g、1mol、市販)、およびシアノ酢酸エチル(125g、1.1mol)、酢酸アンモニウム(154g、2mol)および氷酢酸(500ml)のベンゼン(1L)中混合物を、ディーン・スターク・ウォータートラップを用いて16時間還流した。次いで、該反応混合物に酢酸エチルを添加し、水で洗浄した。
粗物質をFC(EA/PE=1/3)により精製して、標記化合物を得、これをエタノールからの結晶化によりさらに精製して、茶色の固定として標記化合物を得た(206g、収率=84.08%)。

【0168】
調製例12: 1−(シアノメチル)−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例12)
【化47】

2−シアノ−2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)酢酸(E)−エチル(調製例11、100g、0.408mol)のエタノール(800ml)中溶液にKCN(67g、1.02mol)の水(240ml)中溶液を添加し、65℃に加温した。該混合物を24時間撹拌した。
溶媒を真空除去した。残留物をエーテルで処理し、有機相を水で洗浄した。溶媒を蒸発させ、得られた粗物質をエタノールからの結晶化により精製して、標記化合物を得た(60g、収率=73.5%)。

【0169】
調製例13: 5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例13)
【化48】

1−(シアノメチル)−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例12、60g、0.3mol)の氷酢酸(170ml)および硫酸水溶液(78%、V/V、58.6ml)中混合物を125℃に加温し、2時間撹拌した。次いで、酢酸を減圧除去し、残留物を酢酸エチルで処理し、有機相を水で洗浄した。溶媒を蒸発させ、得られた粗物質をFC(1/0〜7/3のシクロヘキサン/EAで溶離)により精製して、白色固体として標記化合物を得た(26g、収率=40%)。

【0170】
調製例14: 5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩(調製例14)
【化49】

5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例13、5g、0.0227mol)のTHF(100ml)中溶液を水素化アルミニウムリチウム5gで処理し、16時間加熱還流した。氷浴中にて冷却しながら、H2O 3ml、15%NaOH 5ml、およびH2O 10mlを滴下し、室温で1時間撹拌した。濾過し、濾過ケーキを熱THFで洗浄した後、有機層を合わせ、真空蒸発させ、FC(1/20〜3/20のMeOH/EAで溶離)により精製して、遊離塩基として標記化合物を得(1g、22.93%)、これを過剰のHCl−エーテルの1N溶液で処理して対応する塩酸塩を得た(1.2g)。

【0171】
調製例15: 5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(調製例15)
【化50】

3−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパン酸(10g、46.7mmol、市販)のPPA(100mL)中溶液を70℃で2時間撹拌した。該混合物に水を添加し、EAで2回抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、FCにより精製して、標記化合物6gを得た(収率=66%)。

【0172】
調製例16: 2−(5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)−2−シアノ酢酸(E)−エチル(調製例16)
【化51】

5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(調製例15、12g、61.2mmol)のトルエン(240ml)中溶液にシアノ酢酸エチル(8.3g、73.46mmol)、AcOH(48ml、0.8mol)および酢酸アンモニウム(12g、0.16mol)を添加した。混合物を120℃で12時間撹拌し、TLCによりチェックし、濃縮し、濾過し、水およびエタノールで2回洗浄し、FCにより精製して、標記化合物11gを得た(収率=62%)。

【0173】
調製例17: 5−クロロ−1−(シアノメチル)−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例17)
【化52】

2−(5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)−2−シアノ酢酸(E)−エチル(調製例16、6.02g、24.4mmol)のエタノール(25ml)中溶液にKCN(3.61g、60mmol)の水中溶液を添加した。該混合物を65〜70℃で1日撹拌した。水を添加し、酢酸エチルで2回抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、FCにより精製して、標記化合物を得た(800mg、収率=16%)。

【0174】
調製例18: 5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例18)
【化53】

5−クロロ−1−(シアノメチル)−6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例17、520mg、2.11mmol)のAcOH(5.2ml)中溶液にH2SO4(0.364ml)を添加した。該混合物を200℃で15分間撹拌した。水を添加し、該混合物をEAで2回抽出し、溶媒を蒸発させ、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、標記化合物を得(540mg、収率=96%)、これをさらには精製せずに次工程で使用した。

【0175】
調製例19: 5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例19)
【化54】

5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例18、540mg、2.04mmol)の0℃に冷却したTHF(18ml)中溶液にBH3−THF(8.15ml、8.15mmol、THF中1M)をアルゴン下にて添加した。該混合物を80℃で1日撹拌した。HClの1N溶液を添加し、30分間撹拌し、濃縮してTHFを除去し、CH2Cl2で2回抽出した。有機相を濃縮し、蒸発させ、粗物質をFCにより精製して、標記化合物250mgを得た(収率=51%)。

【0176】
調製例20: 2,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ブロモピリミジン(調製例20)
【化55】

氷浴中にて水素化ナトリウム(31.25g、0.8mol)のトルエン(1500ml)中懸濁液にベンジルアルコール(57.5g、0.53mol)を滴下し、混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、5−ブロモ−2,4−ジクロロピリミジン(50g、0.22mol)のトルエン(100ml)中溶液を滴下した。得られた溶液を一夜撹拌した。濃縮後、残留物を酢酸エチルで再結晶させて、純粋な標記化合物を得た(60g、収率=73.3%)。

【0177】
調製例21: 4−ビス(ベンジルオキシ)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン(調製例21)
【化56】

2,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−ブロモピリミジン(調製例20、60g、0.16mol)、2−チエニルボロン酸(81.7g、0.64mol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(18.5g、0.02mol)、炭酸ナトリウム(34g、0.32mol)の混合物を3回脱気した。次いで、水(600ml)および1,4−ジオキサン(1800ml)を素早く添加した。得られた混合物を脱気し、反応混合物を窒素下で4時間110℃に加熱した。室温に冷却した後、水および酢酸エチルを添加した。水性層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、濃縮した。残留物をカラム(P:E=10:1)により精製して、標記化合物を得た(20g;収率=33%)。

【0178】
調製例22: 5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(調製例22)
【化57】

2,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン(調製例21、20g、53.5mol)の乾燥ジクロロメタン(400ml)中溶液に、ヨードトリメチルシラン(28.8g、0.14mol)を室温で添加した。得られた溶液を3時間撹拌した。次いで、メタノールを添加し、沈殿物を濾過し、固体をメタノールで2回再結晶して、標記化合物7gを得た(収率=67.3%)。

【0179】
調製例23: 1−(4−クロロブチル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(調製例23)
【化58】

5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(調製例22、2.5g、12.9mmol)、1−ブロモ−4−クロロブタン(2.2g、12.9mmol)および炭酸カリウム(1.8g、12.9mmol)のDMF(150ml)中溶液を室温で5時間撹拌した。水を添加し、該溶液を3N塩酸塩でpH=6に調節した。酢酸エチルを添加し、水性層を3回抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、濃縮し、残留物をFC(P:E=3:1)により精製して、標記化合物を得た(800mg、収率=22%)。

【0180】
調製例24: 1−(3−クロロプロピル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(調製例24)
【化59】

5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(調製例22、1g、5.15mmol)、1−ブロモ−3−クロロプロパン(0.81g、5.15mmol)および炭酸カリウム(0.71g、5.15mmol)のDMF(10ml)中混合物を室温で7時間撹拌し、次いで、該混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を蒸発させ、粗物質をFC(溶離液P:E=3:1、1:1)により精製して、標記化合物を得た(300mg、収率=21%)。

【0181】
調製例25: 2,4−ジメチルチアゾール−5−カルボン酸エチル(調製例25)
【化60】

2−クロロアセト酢酸エチル(111.2g、0.68mol)およびチオアセトアミド(40g、0.68mol)のエタノール150ml中混合物を90℃に加熱し、5時間撹拌した。室温に冷却した後、溶媒を真空除去して、標記化合物を得た(105g、収率=83%)。

【0182】
調製例26: 2,4−ジメチルチアゾール−5−カルボヒドラジド(調製例26)
【化61】

エタノール(200mL)中の2,4−ジメチルチアゾール−5−カルボン酸エチル(調製例25、50g、0.27mol)にヒドラジン・水和物(64g、1.08mol)を添加した。該混合物を90℃で一夜撹拌した。室温に冷却した後、溶媒を真空除去して、固体として粗生成物41gを得た。該粗物質をFCにより精製して、純粋な標記化合物23gを得た(収率=50%)。

【0183】
調製例27: 5−(2,4−ジメチルチアゾール−5−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール(調製例27)
【化62】

エタノール(100ml)中の2,4−ジメチルチアゾール−5−カルボヒドラジド(調製例26、23g、0.13mol)にメチルイソチオシアナート(49.1g、0.67mol)を添加した。該混合物を一夜還流した。次いで、エタノールを真空下にて一部除去し、残留物を濾過した。固体を真空乾燥させて、標記化合物14gを得た(収率=46%)。

【0184】
調製例28: 5−(5−(3−クロロプロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール(調製例28)
【化63】

5−(2,4−ジメチルチアゾール−5−イル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール(調製例27、5g、22mmol)をメタノール(15ml)およびアセトン(35ml)の混合物に添加し、次いで、K2CO3(5g、36mmol)および1−ブロモ−3−クロロプロパン(35ml、36mmol)を添加した。該懸濁液を22℃で24時間撹拌した。溶媒の量を減少させ、次いで、酢酸エチル(63ml)を添加し、有機層を水で洗浄し、EAを真空除去し、粗物質をFC(EA/MeOH 15:1)により精製して、純粋な生成物2.5gを得た(収率=37%)。

【0185】
市販のケトン(下記表に示される)から出発して調製例1〜調製例4において上記したものと同様の一連の方法に従って下記スピロアミンを調製した:
【0186】
【表1】

【0187】
調製例38: 2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)−2−シアノ酢酸(E)−エチル(調製例38)
【化64】

6−クロロ−インダン−1−オン(市販、16g、0.1mol)のベンゼン(500ml)中溶液にAcOH(160ml)、CH3COONH4(80g)およびシアノ酢酸エチル(14.4g、0.13mol)を添加した。該混合物を100℃に加熱し、ディーン・スターク・ウォータートラップを用いて一夜撹拌した。残留物をまずFCにより精製し、次いで、エタノールからの結晶化により精製して、標記化合物を得た(16.2g、収率=64.5%)。

【0188】
調製例39: 6−クロロ−1−(シアノメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例39)
【化65】

2−シアノ−2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)酢酸(E)−エチル(調製例38、15.00g、0.06mol)のエタノール(300ml)中溶液をKCN(9.75g、0.15mol)の水(90ml)中溶液で処理した。該混合物を65℃に加温し、16時間撹拌した。
該混合物を真空濃縮して溶媒を除去した。残留物をEA(100ml×3)で抽出した。有機層を合わせ、NaHCO3の飽和溶液、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。粗物質をFC(P:E=10/1)により精製して、標記化合物を得た(4.60g、収率=37.1%)。

【0189】
調製例40: 6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例40)
【化66】

1−(シアノメチル)−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例39、250mg、1.16mmol)、およびAcOH(2.5ml)、H2SO4(78%、0.18ml)の混合物を125℃に加熱した。該混合物を125℃で一夜撹拌した。
該混合物を水でクエンチし、EA(10ml×3)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。有機相を真空濃縮して、標記化合物を得た(250mg、収率=93.9%)。

【0190】
調製例41: 6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例41)
【化67】

6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例40、250mg、1.06mmol)のTHF(10ml)中溶液をBH3・THF(1M、10.6ml、10.6mmol)で処理した。該混合物を加熱還流し、48時間撹拌した。
該混合物を0℃に冷却し、2N HCl(5ml)を添加した。該混合物を室温で1時間撹拌した。該混合物を真空濃縮して、溶媒を除去した。残留物をDCM(10ml)で希釈し、NaOHで処理して、pH=10にした。該混合物をDCM(10ml×3)で抽出した。有機層を飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。有機層を真空濃縮して、標記化合物を得(200mg)、これをさらには精製せずに次工程で使用した。

【0191】
調製例42: 6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(調製例42)
【化68】

6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例41、200mg、0.97mmol)、(Boc)2O(340mg、1.56mmol)、DMAP(10mg)、およびEt3N(300mg、3mmol)のDCM(10ml)中混合物を室温で一夜撹拌した。
該混合物をFC(PE/EA=30/1)により精製して、標記化合物を得た(80mg、収率=27%)。

【0192】
調製例43: 6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩(調製例43)
【化69】

6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(調製例42、2.50g、8.14mmol)のエーテル(50ml)中溶液に塩酸−エーテルの1N溶液(50ml)を添加し、一夜撹拌した。該混合物を無水エーテルにより洗浄した。残留物をDCMに溶解し、濃縮して、標記化合物を得た(1.8g、収率=81.3%)。

【0193】
調製例44: 2−シアノ−2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)酢酸(E)−エチル(調製例44)
【化70】

化合物6−フルオロ−インダン−1−オン(5g、0.03mol)、およびシアノ酢酸エチル(5g、0.05mol)、酢酸アンモニウム(25g、0.33mol)および氷酢酸(50ml)のトルエン(205ml)中混合物を、ディーン・スターク・ウォータートラップを用いて4時間還流した。該混合物を真空濃縮し、残留物を水およびEtOHにより3回洗浄して、標記化合物を得た(8.00g、収率=97.96%)。

【0194】
調製例45: 1−(シアノメチル)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例45)
【化71】

2−シアノ−2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデン)酢酸(E)−エチル(調製例44、7.5g、0.03mol)のエタノール(100ml)中溶液にKCN(4.65g、0.08mol)の水(30ml)中溶液を添加した。該混合物を65℃に加温し、7時間撹拌した。
該混合物を真空濃縮し、EAで抽出した。有機層を蒸発させ、粗生成物をFC(P:E=10/1)により精製して、標記化合物を得た(2.30g、収率=37.57%)。

【0195】
調製例46: 6−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例46)
【化72】

1−(シアノメチル)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−カルボニトリル(調製例45、2g、0.01mol)の氷酢酸(20ml)および硫酸水溶液(78%、V/V、1.4ml)中混合物を125℃に加温し、5時間撹拌した。該混合物を減圧濃縮して、酢酸を除去した。残留物をEAおよび水で処理した。有機相を飽和NaHCO3およびブラインにより洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。有機層を真空濃縮して、標記化合物を得た(2g、収率=91.32%)。

【0196】
調製例47: 6−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例47)
【化73】

0℃で、BH3−THF(36.6ml、36.6mmol)を6−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−2',5'−ジオン(調製例46、2g、9.13mmol)の無水THF(40ml)中溶液に滴下した。氷浴を外した。次いで、反応混合物を一夜加温して還流させた。
該混合物を0℃に冷却した。次いで、該混合物に2M HClを添加した。氷浴を外し、該混合物を室温で0.5時間撹拌した。THFを真空除去した。残留物を0℃に冷却した。該混合物にDCMを添加した。次いで、該混合物を2M NaOHで処理してpH>9にした。該混合物をDCMで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮して、標記化合物を得た(1.6g、収率=87.6%)。

【0197】
調製例48: 1−(3−クロロプロピル)−5−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(調製例48)
【化74】

標記化合物は、欧州特許出願公開EP748800 A2(1996)に記載の方法に従って製造することができる。
【0198】
調製例49: 1−(4−クロロブチル)−5−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(調製例49)
【化75】

標記化合物は、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2006), 16(3), 490-494に記載の方法に従って製造することができる。
【0199】
調製例50: 1−(5−クロロペンチル)−5−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(調製例50)
【化76】

5−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン(市販、0.55g、3.97mmol)を乾燥DMF(15mL)に溶解した。K2CO3(0.548g、3.97mmol)を添加し、該混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、1−ブロモ−5−クロロペンタン(0.526ml、3.97mmol)を添加し、懸濁液を室温で4時間撹拌した。溶媒の量を減少させ、次いで、DCMを添加し、有機層を水で洗浄し、該有機相を蒸発させ、粗物質をFC(DCM/MeOH 98/2−95/5)により精製して、標記化合物0.1gを得た(収率=11%)。

【0200】
実施例1:5−ブロモ−1'−(3−{[3−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩(E1)
【化77】

5−ブロモ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例4、0.04g、0.159mmol)の乾燥DMF(1ml)中溶液に3−[(3−クロロプロピル)チオ]−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール(WO 05/080382に記載の参考製造方法、0.058g、0.213mmol)を添加した。次いで、K2CO3(0.029g)およびNaI(0.028g)を添加し、混合物を80℃で24時間加熱した。次いで、水を添加し、該溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮した。粗生成物を、100/0〜98/のジクロロメタン/メタノールで溶離するシリカSPEカートリッジにより精製して、標記化合物を遊離塩基として0.036g得た。ジクロロメタン(1mL)中のこの物質の溶液にHCl(Et2O中1M)0.073mLを添加し、溶媒を真空蒸発させ、このようにして得られた物質をEt2Oと一緒に粉砕して、標記化合物を僅かに吸湿性のある白色固体として32mg得た。

【0201】
実施例2: 5−(5−(3−(5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール・塩酸塩(E2)
【化78】

5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例19、58mg、0.24mmol)、5−(5−(3−クロロプロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール(調製例28、50mg、0.17mmol)、K2CO3(68.5mg、0.50mmol)およびNaI(24.5mg、0.50mmol)のNMP(1ml)中混合物を70℃に加温し、一夜撹拌した。該混合物をEA(5ml×2)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。有機層を真空濃縮して、粗生成物を得た。粗物質をP−TLCおよびP−HPLCにより精製し、HClのエーテル中1N溶液で処理し、次いで、凍結乾燥させて、標記化合物を得た(10mg、収率=11.98%)。

【0202】
実施例3: 5−(5−(3−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール(E3)
【化79】

5−(5−(3−クロロプロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール(調製例28、70mg、0.23mmol)の乾燥NMP(1ml)中溶液にK2CO3(0.144g、1mmol)を添加し、10分間撹拌し、次いで、5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩(調製例10、88mg、0.36mmol)およびNaI(0.07g)を添加し、65℃で23時間撹拌した。次いで、水を添加し、該溶液を酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮した。粗生成物をP−HPLC(EA/MeOH 80:10で溶離することにより行われるTLC分析)により精製して、標記化合物57mgを得た(収率=52%)。

【0203】
実施例4: 5−(5−(3−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール・塩酸塩(E4)
【化80】

5−(5−(3−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール(E3、57mg、0.12mmol)のEt2O(3ml)およびメタノール(0.5ml)中溶液にHCl/エーテル(Et2O中1M)10mlを添加し、該溶媒を真空蒸発させ、Et2Oで処理して、標記化合物50mgを得た(収率=82%)。

【0204】
実施例5: 5−(5−(3−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール(E5)
【化81】

5−(5−(3−クロロプロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール(調製例28、70mg、0.23mmol)の乾燥NMP(1ml)中溶液にK2CO3(0.145g、1.05mmol)を添加し、10分間撹拌した。次いで、5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩(調製例14、88mg、0.39mmol)およびNaI(0.07g、0.47mmol)を添加し、65℃で一夜撹拌した。次いで、水を添加し、溶液を酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4にて乾燥させ、真空濃縮した。粗生成物をP−HPLCにより精製して、標記化合物38mgを得た(収率=36%)。

【0205】
実施例6: 5−(5−(3−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール・塩酸塩(E6)
【化82】

5−(5−(3−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール(調製例18、38mg)のEt2O(3ml)およびメタノール(0.5ml)の混合液中溶液にHCl/エーテル(Et2O中1M)0.1mlを添加し、溶媒を真空蒸発させ、Et2O(5ml)で処理して、標記化合物30mgを得た(収率=73%)。

【0206】
実施例7: 1−(4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)ブチル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン・塩酸塩(E7)
【化83】

1−(4−クロロブチル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(調製例23、50mg、0.18mmol)、5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩(調製例14、50mg、0.26mmol)、炭酸カリウム(108mg、0.78mmol)、ヨウ化ナトリウム(108mg、0.72mmol)およびNMP(1ml)の混合物を70℃で一夜撹拌した。次いで、該混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。EA相を蒸発させ、粗物質を分取TLCにより精製して、標記化合物の遊離塩基を得た(72mg)。該化合物を分取HPLCにより精製し、HCl−エーテルの1N溶液で処理し、凍結乾燥させて、標記化合物を得た(30mg、収率=35%)。

【0207】
実施例8: 1−(4−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)ブチル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン・塩酸塩(E8)
【化84】

1−(4−クロロブチル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(調製例23、50mg、0.18mmol)、5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩(調製例10、66mg、0.27mmol)、炭酸カリウム(112mg、0.81mmol)、ヨウ化ナトリウム(108mg、0.72mmol)およびNMP(1ml)の混合物を70℃で一夜撹拌した。次いで、室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。EA相を蒸発させ、粗物質を分取TLC(EAで溶離することにより行われるTLC分析)により精製して、標記化合物の遊離塩基を得た(72mg)。該化合物を分取HPLCにより精製し、HCl−エーテルの1N溶液で処理し、凍結乾燥させて、標記化合物を得た(51mg、収率=58%)。

【0208】
実施例9: 1−(3−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン・塩酸塩(E9)
【化85】

1−(3−クロロプロピル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(調製例24、50mg、0.18mmol)、5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩(調製例14、52mg、0.27mmol)、炭酸カリウム(112mg、0.81mmol)、ヨウ化ナトリウム(112mg、0.75mmol)およびNMP(1ml)の混合物を70℃で一夜撹拌した。該混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。EA相を蒸発させ、粗物質を分取TLCにより精製して、標記化合物の遊離塩基を得た(60mg)。当該化合物を分取HPLCにより精製し、HCl−エーテルの1N溶液で処理して、標記化合物を得た(6mg、収率=7%)。

【0209】
実施例10: 1−(3−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン・塩酸塩(E10)
【化86】

1−(3−クロロプロピル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(調製例24、50mg、0.18mmol)、5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]・塩酸塩(調製例10、66mg、0.27mmol)、炭酸カリウム(112mg、0.81mmol)、ヨウ化ナトリウム(112mg、0.75mmol)およびNMP(1ml)の混合物を70℃で一夜撹拌した。次いで、室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。EA相を蒸発させ、粗物質を分取TLC(EA/MeOH 10:1で溶離することにより行われるTLC分析)により精製して、標記化合物の遊離塩基を得た(70mg)。該化合物を分取HPLCにより精製し、HCl−エーテルの1N溶液で処理して、標記化合物を得た(9mg、収率=10%)。

【0210】
適当なスピロアミンおよび適当なアルキル化剤(下記表中)から出発してE7において上記した方法と類似の方法を使用して下記表における化合物(E11〜E13)を調製した:
【0211】
【表2】

【0212】
適当なスピロアミン(下記表中)および3−[(3−クロロプロピル)チオ]−4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール(WO 05/080382に記載の参考製造方法)から出発してE1において上記した方法と類似の方法を使用して下記表における化合物(E14〜E21)を調製した:
【0213】
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【表3−4】

【0214】
実施例22: 5−(5−(3−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール・塩酸塩(E22)
【化87】

6−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例43、95mg、0.45mmol)、K2CO3(137mg、1mmol)、NaI(100mg、0.6mmol)、および5−(5−(3−クロロプロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール(調製例28、100mg、0.3mmol)のNMP(2ml)中混合物を70℃に加温した。該混合物を70℃で72時間撹拌した。該混合物をEAで抽出した。有機相を真空濃縮し、粗物質をP−TLC(EA/MeOH 90:10で溶離することにより行われるTLC分析)により精製し、次いで、P−HPLCにより精製した。次いで、該標記化合物の遊離塩基をHCl−エーテルの1N溶液で処理して、標記化合物を得た(13.2mg、収率=8.7%)。

【0215】
実施例23: 5−(5−(3−(6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール・塩酸塩(E23)
【化88】

6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン](調製例47、100mg、0.37mmol)、K2CO3(110mg、0.8mmol)、ヨウ化ナトリウム(80mg、0.53mmol)、および5−(5−(3−クロロプロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール(調製例28、80mg、0.28mmol)のNMP(4ml)中混合物を70℃に加温した。該混合物を70℃で一夜撹拌した。該混合物を水(20ml)で希釈し、EA(10ml)で抽出した。有機層を合わせ、飽和NaHCO3、飽和ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。有機物質を真空蒸発させても粗生成物を得た。該粗生成物をP−TLC(PE/EA 1:1で溶離することにより行われるTLC分析)により精製し、次いで、P−HPLCにより精製した。次いで、該標記化合物の遊離塩基を標記化合物に変換し(1当量の1N HClで処理)、真空乾燥させて、白色固体として所望の生成物を得た(20mg、収率=11.4%)。

【0216】
本明細書にて引用した特許および特許出願を包含するがこれらに限定されない全ての刊行物は、個々の刊行物が十分に記載されているのと同様に参照することにより本明細書の一部を構成することを具体的かつ個別に明示されているのと同様に参照することにより本明細書の一部を構成する。
本発明は、本明細書中に上記される特定の基の全ての組み合わせを包含すると理解されるべきである。
該記載および特許請求の範囲がその一部を形成する本出願は、いずれかの後の出願に関して、優先権の基礎として使用されてもよい。かかる後の出願の特許請求の範囲は、本明細書に記載されるいずれかの特徴または特徴の組み合わせに向けられてもよい。それらは、物質、組成物、方法または使用の請求項の形態を取ってもよく、例示であって、限定するものではないが、添付の特許請求の範囲を包含していてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Aは、P、P1、P2およびP3からなる群において選択される置換基であり(ここで、
Pは、
【化2】

であり、
P1は、
【化3】

であり、
P2は、
【化4】

P3は、
【化5】

である);
pは、0〜4の範囲の整数であり;
4は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルコキシ、C1-4アルカノイル、SF5および5または6員単環式ヘテロアリール基からなる群において選択され;pが2〜4の範囲の整数である場合、各R4は、同一であっても異なっていてもよく;
2は、水素またはC1-4アルキルであり;
qは、3、4または5であり;
nは、0、1または2であり;
Xは、−CR13−または−O−であり;
1は、水素、C1-4アルキルおよびフッ素からなる群において選択され;
3は、水素、C1-4アルキルおよびフッ素からなる群において選択され;
5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびNR'R''からなる群において選択されるか;またはR5は、フェニル基、5〜14員複素環基であり;かかるフェニルまたは複素環基は、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびSF5からなる群から選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
6は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびNR'R''からなる群において選択されるか;またはR6は、フェニル基、5〜14員複素環基であり、かかるフェニルまたは複素環基は、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびSF5からなる群から選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
7は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびNR'R''からなる群において選択されるか;またはR7は、フェニル基、5〜14員複素環基であり;かかるフェニルまたは複素環基は、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびSF5からなる群から選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
8は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびNR'R''からなる群において選択されるか;またはR8は、フェニル基、5〜14員複素環基であり;かかるフェニルまたは複素環基は、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルカノイルおよびSF5からなる群から選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
9は、水素、フェニル基、ヘテロサイクリル基、5または6員単環式ヘテロアリール基、および8〜11員ヘテロアリール二環の基からなる群において選択され、これらの基はいずれも、ハロゲン、シアノ、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびC1-4アルカノイルからなる群から選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
10は、C1-4アルキルであり;
11は、水素またはC1-4アルキルであり;
R'は、H、C1-4アルキルまたはC1-4アルカノイルであり;
R''は、R'であると定義され;
R'およびR''は、相互に連結している窒素原子と一緒になって、5、6員飽和または不飽和複素環を形成してもよく;
ここで、R5、R6、R7およびR8は、同時には水素以外ではなく;ここで、R2基の1個だけは水素と異なっていてよく、また、nが0である場合、Xは基−CR13−である]
で示される化合物またはその塩。
【請求項2】
式(IA):
【化6】

[式中、R1、R2、R3、R4、R9、R10、p、q、n、R7、R11およびR8は、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物である請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
式(IB):
【化7】

[式中、R4およびnは、式(I)で示される化合物について定義されたとおりである]
で示される化合物である請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
以下からなる群において選択される請求項1記載の式(I)で示される化合物:
5−ブロモ−1'−(3−{[3−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン];
5−(5−(3−(5−クロロ−6−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
5−(5−(3−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
5−(5−(3−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
5−(5−(3−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
5−(5−(3−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
1−(4−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)ブチル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン;
1−(4−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)ブチル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン;
1−(3−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン・塩酸塩;
1−(3−(5−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピル)−5−(チオフェン−2−イル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン;
1−[3−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1'H−スピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピル]−5−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン;
1−[4−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1'H−スピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)ブチル]−5−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン;
1−[5−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1'H,2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)ペンチル]−5−メチル−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン;
6−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン];
4−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン];
6−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン];
7−ブロモ−1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン];
1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−7−(メチルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン];
1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−6−(メチルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン];
1'−(3−{[4−メチル−5−(4−メチル−1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−5−(メチルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,3'−ピロリジン];
1,3−オキサゾール−5−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル]チオ}プロピル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,3'−ピロリジン];
5−(5−(3−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
5−(5−(3−(6−クロロ−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,3'−ピロリジン]−1'−イル)プロピルチオ)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,4−ジメチルチアゾール;
およびその塩。
【請求項5】
治療に用いるための請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項6】
ドーパミンD3受容体の調節が有益である哺乳動物における疾病の治療に用いるための請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項7】
精神病もしくは精神病的疾病、物質乱用、早漏症の治療に用いるための請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項8】
ドーパミンD3受容体の調節が有益である哺乳動物における疾病の治療のための薬物の製造における、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
【請求項9】
疾病が精神病または精神病的疾病、物質乱用、または早漏症である、請求項8記載の使用。
【請求項10】
ドーパミンD3受容体の調節が有益である疾病の治療方法であって、該治療を必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)に請求項1〜4いずれか1項記載の化合物の有効量投与することを含む方法。
【請求項11】
疾病が精神病もしくは精神病的疾病、物質乱用または早漏症である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜4いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2009−534442(P2009−534442A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507063(P2009−507063)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054003
【国際公開番号】WO2007/125061
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】