説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびナビゲーションプログラム

【課題】運転への集中を阻害せずに、ユーザの状況に応じた文章を作成して外部装置に送信する。
【解決手段】表示装置の表示画面における地図上に移動体(例えば、車両)の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置10が、コメント作成情報を記憶するコメント作成情報記憶部F4を備え、コメント作成条件が成立したと判定されたときに、コメント作成情報を参照してコメント作成条件に対応付けされている基本文章を特定し、移動体の現在状況(例えば、コメント作成条件判定情報など)を確認し、特定された基本文章に設けられている空欄に挿入する空欄挿入語を確認した現在状況に応じて決定し、特定された基本文章の空欄に決定された空欄挿入語を挿入して移動体の現在状況を含むコメントを作成し、作成されたコメントを表示画面61Aに表示し、送信指示に応じて、作成されたコメントを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他者とのコミュニケーション手段を備えたナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両などの運転中に携帯電話などの通信機器により通話やメールを行うことによって事故が起きる可能性が高まることが問題視されている。そのため、車両運転中にユーザの注意が車両の運転以外に向かわないようにするための装置が提案されている。
【0003】
例えば、このような装置として、メールの着信を通知するカーナビゲーション装置において、
自車両の走行速度に関する情報を取得し、自車両の走行速度が所定の値より大きいときにメールの着信通知を禁止するものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−001533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、運転中にも電話やメールなどを行ないたいという要望をもつユーザは多い。また、近年では自分の現在の状況や心情、思いつきなどを短い文章にしてインターネット上で公開し、他者とのコミュニケーションを図ることに注目が集まってきている。そのため、運転中でも安全に、現状を表す文章(コメント)を外部装置に送信できるようにすることが課題となってきた。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決すべく、運転への集中を阻害せずに、ユーザの状況に応じた文章を作成して外部装置に送信することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーション装置は、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、コメント作成条件と、該コメント作成条件が成立した際に用いられる基本文章とが対応付けされたコメント作成情報を記憶するコメント作成情報記憶手段と、前記コメント作成条件が成立したか否かを判定する条件判定手段と、該条件判定手段によって前記コメント作成条件が成立したと判定されたときに、前記コメント作成情報を参照して当該コメント作成条件に対応付けされている基本文章を特定する基本文章特定手段と、前記移動体の現在状況を確認し、前記基本文章特定手段によって特定された基本文章に設けられている空欄に挿入する空欄挿入語を当該確認した現在状況に応じて決定する挿入語決定手段と、前記基本文章特定手段によって特定された基本文章の空欄に前記挿入語決定手段によって決定された空欄挿入語を挿入して前記移動体の現在状況を含むコメントを作成するコメント作成手段と、該コメント作成手段によって作成されたコメントを前記表示画面に表示するコメント表示手段と、送信指示に応じて、前記コメント作成手段によって作成されたコメントを送信するコメント送信手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
上記の構成としたことで、運転への集中を阻害せずに、ユーザの状況に応じた文章を作成して外部装置に送信することができるようになる。
【0009】
前記コメント表示手段によって表示されたコメントの文体の変更指示を受け付ける文体変更指示受付手段を含み、前記コメント表示手段は、前記文体変更指示受付手段により文体変更指示が受け付けられたことに応じて、前記文体変更指示を受けたコメントについて文体が変更された文体変更コメントであって、前記文体変更指示を受けたコメントと同様に前記移動体の現在状況を含む当該文体変更コメントを前記表示画面に表示する構成とされていてもよい。
【0010】
前記コメント表示手段は、文体変更指示を受けたコメントにおけるコメント内の使用語句が変更された文体変更コメント、及び文体変更指示を受けたコメントの文調が変更された文体変更コメントのうち少なくとも何れか一方を表示する構成とされていてもよい。
【0011】
前記挿入語決定手段は、前記移動体の現在状況として、現在位置、現在位置の周辺に存在する周辺施設、目的地の到達予測時間、及び経由地の通過予測時間のうち何れか1つ以上を確認する構成とされていてもよい。
【0012】
前記基本文章特定手段は、前記条件判定手段によって前記コメント作成条件が成立したと判定される毎に基本文章を特定し、前記コメント作成手段は、前記基本文章特定手段によって基本文章が特定される毎にコメントを作成し、前記コメント表示手段は、前記コメント作成手段によって作成された複数のコメントを選択可能に表示する構成とされていてもよい。
【0013】
前記コメント表示手段は、前記コメント作成手段により同一の基本文章について新たにコメントが作成された場合には、新たに作成されたコメントを表示する構成とされていてもよい。
【0014】
また、本発明のナビゲーション方法は、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション方法であって、コメント作成条件が成立したか否かを判定する条件判定処理と、該条件判定処理にて前記コメント作成条件が成立したと判定されたときに、記コメント作成条件と該コメント作成条件が成立した際に用いられる基本文章とが対応付けされたコメント作成情報を記憶するコメント作成情報記憶手段に記憶された当該コメント作成情報を参照して当該コメント作成条件に対応付けされている基本文章を特定する基本文章特定処理と、前記移動体の現在状況を確認し、前記基本文章特定処理にて特定した基本文章に設けられている空欄に挿入する空欄挿入語を当該確認した現在状況に応じて決定する挿入語決定処理と、前記基本文章特定処理にて特定した基本文章の空欄に前記挿入語決定処理にて決定した空欄挿入語を挿入して前記移動体の現在状況を含むコメントを作成するコメント作成処理と、該コメント作成処理にて作成したコメントを前記表示画面に表示するコメント表示処理と、送信指示に応じて、前記コメント作成処理にて作成したコメントを送信するコメント送信処理とを含むことを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明のナビゲーションプログラムは、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導する処理を実行させるためのナビゲーションプログラムであって、コンピュータに、コメント作成条件が成立したか否かを判定する条件判定処理と、該条件判定処理にて前記コメント作成条件が成立したと判定されたときに、記コメント作成条件と該コメント作成条件が成立した際に用いられる基本文章とが対応付けされたコメント作成情報を記憶するコメント作成情報記憶手段に記憶された当該コメント作成情報を参照して当該コメント作成条件に対応付けされている基本文章を特定する基本文章特定処理と、前記移動体の現在状況を確認し、前記基本文章特定処理にて特定した基本文章に設けられている空欄に挿入する空欄挿入語を当該確認した現在状況に応じて決定する挿入語決定処理と、前記基本文章特定処理にて特定した基本文章の空欄に前記挿入語決定処理にて決定した空欄挿入語を挿入して前記移動体の現在状況を含むコメントを作成するコメント作成処理と、該コメント作成処理にて作成したコメントを前記表示画面に表示するコメント表示処理と、送信指示に応じて、前記コメント作成処理にて作成したコメントを送信するコメント送信処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、運転への集中を阻害せずに、ユーザの状況に応じた文章を作成して外部装置に送信することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るナビゲーションシステの構成の例を示す概略図である。
【図2】本発明に係るナビゲーション端末の構成の例を示すブロック図である。
【図3】POI情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】コメント作成情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図5】送信先情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図6】コメント作成処理の例を示すフローチャートである。
【図7】コメント送信処理の例を示すフローチャートである。
【図8】コメント選択画面の例を示す説明図である。
【図9】送信先選択画面の例を示す説明図である。
【図10】文体変更画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置10を用いたナビゲーションシステム100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ナビゲーションシステム100は、ナビゲーション装置10と、自車位置測位装置50と、出力装置60と、入力装置70と、検出装置(センサ)80と、通信装置90とを含む。
【0020】
自車位置測位装置50は、移動体(以下、「車両」を例に説明する。この「移動体」は、ナビゲーション装置10自体や、このナビゲーション装置10とともに移動する車両や人間などの物体を含む概念である。)の現在位置を測定する装置であり、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて位置を測定するGPSセンサや、初期位置から移動量(距離)を計測する速度センサ、進行(移動)方位を計測するジャイロセンサなどからなる。
【0021】
GPSセンサは、いわゆるGPS受信機と称されるものであり、GPS衛星から放射されるGPS信号を受信してGPS衛星とGPS受信機自身との距離(疑似距離)を測定し、複数の衛星からのGPS信号を同時に受信することによりGPS受信機自身の現在位置(GPS測位解)を算出する。
【0022】
また、自車位置測位装置50は、車両に搭載されており、GPS信号を受信するGPS受信機(アンテナ)の他、受信したGPS信号のデコードなどの処理を行い、ナビゲーション装置10へ出力する信号処理部を備える。
【0023】
出力装置60は、ナビゲーション装置10からの経路誘導情報や案内情報、広告情報など各種の情報を出力する装置であり、例えば画像情報を表示する画像表示装置(ディスプレイ装置、モニタ)61と、音声情報を音声出力する音声出力装置(スピーカ装置)62とを含む。画像表示装置61は、例えば地図情報と車両の現在位置情報とを表示画面上に表示するとともに、目的地までの最適な誘導経路を表示画面上に併せて表示することで、視覚によって移動経路の道順を報知する。また、音声出力装置62は、案内音声情報を音声出力することで、聴覚によって移動経路の道順を報知する。また、音声出力部62は、POI(Point Of Interest)情報や広告情報などが案内音声情報を含む場合に、それらを音声出力することでPOI情報が示す案内対象物に関する情報や広告情報を報知する。
【0024】
入力装置70は、ナビゲーション装置10に対して各種の指示を行うための装置である。本例では、入力装置70は、例えばキーボードや、画像表示装置61の表示画面に表示される操作ボタン(タッチパネル)などによって構成される。
【0025】
検出装置80は、例えば加速度センサによって構成され、ナビゲーションシステム100が搭載された車両の車速を示す車速情報や、車両の振動の大きさを示す振動情報などを検出する。検出装置80により検出される情報は、センサ情報として適宜ナビゲーション装置10に通知される。
【0026】
通信装置90は、インターネットなどの通信ネットワークに無線あるいは有線によって接続し、通信ネットワークに接続された管理サーバなどの外部の装置と情報の送受信を行うための機能を有する。
【0027】
ナビゲーション装置10は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、PND(Portable Navigation Device)や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成される。ナビゲーション装置10は、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、OS(オペレーティング・システム)、等を有する。CPUは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、ナビゲーション装置10の各構成要素を統制制御し、経路探索処理や経路誘導処理、情報検索処理を含む各種の処理を実行する機能を有する。プログラム記憶部は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、ナビゲーション装置10が使用する各種コンピュータプログラム(ナビゲーションプログラムを含む)を記憶する記憶媒体である。なお、これらの各種の機能は、一般のナビゲーション装置が備える公知の技術によって実現される。
【0028】
図2は、本例におけるナビゲーション装置10の構成例を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、図2に示すように、制御部Cと、経路探索部11と、自車位置情報受付部12と、車速情報受付部13と、検索部14と、POI情報案内部15と、コメント作成部16と、通信処理部17と、記憶部Fとを含む。なお、ナビゲーション装置10を構成する各部は、制御信号やデータ等を伝送するバスBに接続されている。
【0029】
制御部Cは、CPU(中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを具備し、記憶部Fに記憶されたコンピュータプログラム(ナビゲーションプログラム)に従い、ナビゲーション装置10の各構成要素を統制制御し、各種処理を実行するための機能を有する。また、制御部Cは、ナビゲーション装置100を構成する各部との情報の送受信を行う機能を有する。
【0030】
経路探索部11は、出発位置(例えば、現在位置)から目的地までの誘導経路を導出する経路探索処理を行う。経路探索処理では、例えば、車両の乗員(以下、適宜「ユーザ」という。)からの目的地情報の入力を受け付けて、受け付けた目的地情報に基づいて目的地の位置情報を特定し、この目的地を参照して現在位置から目的地までの誘導経路を導出するとともに、導出した誘導経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0031】
自車位置情報受付部12は、車両の現在位置情報を受け付けるための処理を行う。ここで、現在位置は、例えば緯度と経度により示される。本例においては、自車位置測位装置50により測定された現在位置情報を受け付けるものとする。
【0032】
車速情報受付部13は、検出装置80から、車両の移動速度や加速度を示す車速情報を受け付ける。
【0033】
検索部14は、制御部Cが実行する各種処理に応じて、記憶部Fに格納された種々の情報を検索する機能を有する。
【0034】
POI情報案内部15は、検索されたPOI情報や、目的地に設定されたPOI情報に関する情報を出力装置60により出力することでユーザに案内するための機能を有する。また、ユーザが誘導経路に従った移動を望む場合に、誘導経路情報記憶部F1に記憶された誘導経路情報に基づいて経路案内を行なうための処理(例えば、音声案内処理など)を実行する機能を有する。
【0035】
コメント作成部16は、コメント作成情報における基本文章の空欄に空欄挿入語を挿入することにより、車両の現在状況を示すコメントを作成する機能を有する。
【0036】
通信処理部17は、通信装置90により、外部機器との音声通話やデータの送受信などを実行するための通信処理を実行する機能を有する。
【0037】
記憶部Fは、ROMやRAM等で構成され、ナビゲーション装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。本例における記憶部Fは、誘導経路情報記憶部F1と、地図情報記憶部F2と、POI情報記憶部F3と、コメント作成情報記憶部F4と、送信先情報記憶部F5とを含む。
【0038】
誘導経路情報記憶部F1は、経路探索部11が導出した誘導経路を示す誘導経路情報を記憶する記憶媒体である。
【0039】
地図情報記憶部F2は、一定の経度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲(メッシュ)に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。地図情報は、地図情報記憶部F2に記憶されるほか、例えばSDメモリカードと呼ばれるリムーバルメディアとしての補助記憶装置や、CD−ROMやDVD−ROM等に保存することができる。また、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。また、地図情報記憶部F2は、道路情報として、道路をノードとリンクで表して管理し、各道路に関して道路構成ノード情報と道路構成リンク情報とを位置情報と対応付けて記憶する。
【0040】
POI情報記憶部F3は、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ラーメン店、ホテル、旅館といった店舗情報、有名な施設を示す施設情報、行楽地を示す行楽地情報といった案内対象物(店舗、施設、行楽地など)を示すPOI情報を記憶する記憶媒体である。図3は、POI情報記憶部F3におけるPOI情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、本例におけるPOI情報は、施設などの案内対象物を一意に特定するためのPOI−IDと、施設などの案内対象物のジャンルと、施設名称と、住所と、緯度・経度と、電話番号と、ランキング(位)と、お勧め時期(時刻)と、紹介記事などが対応付けされた情報である。ここで、本例における「ランキング」は、情報誌などの記事から形態素解析などの公知の技術を用いてジャンルやキーワードを抽出して分類し、そのジャンルやキーワードにより調査分類した人気度合いを示す情報を意味する。なお、「ランキング」は、企業などの情報提供者によるランク付けであってもよいし、複数の一般ユーザによる評価を集計した結果によるランク付けであってもよい。また、「紹介記事」についても同様である。
【0041】
コメント作成情報記憶部F4は、ナビゲーション装置10が、コメント作成処理においてコメントを作成するときに必要となるコメント作成情報を記憶する記憶媒体である。コメント作成情報は、コメント作成条件と、コメント作成条件が成立した際に用いられる基本文章とが対応付けられているものとする。
【0042】
図4は、コメント作成情報記憶部F4におけるコメント作成情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、本例におけるコメント作成情報は、コメント番号(コメントNo)と、基本文章と、表示優先度と、空欄挿入語と、コメント作成条件と、コメント作成フラグとを含む情報である。
【0043】
コメント作成情報においては、コメントNo毎に、1以上の基本文章と、基本文章に対応する表示優先度と、基本文章における所定の箇所(予め基本文章に設けられている空欄部分。図4においては、記号「□」や「○」の部分)に挿入される文字列(あるいは、到達予想時間など、挿入される文字列の基礎となる情報)である空欄挿入語と、コメント作成条件と、コメント作成条件が満たされているか否かの判定を行うか否かを示すコメント作成フラグとが対応づけされている。後述するコメント作成処理において、コメント作成フラグに「1」が設定されたコメント作成条件が満たされたときに、ユーザの状況に応じた空欄挿入語が決定され、基本文章に挿入されることによりコメントが作成される。そして、所定のコメント表示条件(車両が走行を中断したときなど、運転に対する集中が低下しても安全性が確保されるものと推定可能な状況であることを示す条件)が満たされたときに、表示優先度に応じて、作成されたコメントが表示されることとなる。なお、コメント作成フラグに「0」が設定されている場合には、コメント作成条件の充足判定は行なわれない。また、コメント作成条件における施設名称などは、POI情報記憶部F3に記憶されたPOI情報とリンクされて記憶されている構成としてもよい。
【0044】
本例におけるコメント作成条件には、「所定の条件(例えば、「食事」や「家族」などのキーワードを含むこと)を示すPOI情報が車両の現在地から所定範囲内に位置した場合」などPOI情報に関連して定められたものや、「所定の経由地までの推定到着所要時間が予め設定された時間内になったとき」などナビゲーション装置10の機能に関連して定められたものなど、種々の条件が設定可能である。また、ナビゲーションシステム100にカメラ機器との接続があれば、カメラ画像から読み取れる内容を反映するようにしてもよい。また、コメント作成条件に関連する情報の具体例としては、車両の走行履歴(経路、速度)、目的地や目的地までの道のり、情報の検索履歴、現在位置の周辺施設、時間情報、センサ情報、車両状態などが考えられる。
【0045】
本例における基本文章には、空欄挿入語が同一で文体の異なる文章が含まれている。すなわち、図4に示すように、例えば「現在、□の近くにいます。」と「今、□の近くにいます」における「現在」と「今」のように、使用される用語(使用語句)が異なるものが含まれる。また、「□の近くに来たよ。」といったいわゆる口語調のもののように、他の基本文章とは文章の調子(文調)が異なる基本文章が含まれていてもよい。なお、基本文章が長文になりすぎると、ユーザが意図したコメントを作成することが困難となる可能性や、ユーザによるコメント内容の確認に長い時間を要するといった問題が生じる可能性があるので、設定可能な基本文章の文字数を制限する構成としてもよい。また、基本文章に空欄挿入語を挿入したとき(すなわち、作成されたコメント)の文字数が所定数よりも多くなった場合には、コメントを表示しない構成としてもよい。
【0046】
また、空欄挿入語は、コメント作成条件に応じて、設定される条件が定められているものとする。すなわち、例えばコメント作成条件として「主要交差点を通過したとき」が記憶されている場合、空欄挿入語の条件として、例えば「主要交差点の名称」であることが設定される必要がある。これにより、位置情報や地図情報から車両が主要交差点を通過したものと判定されたとき、制御部Cにより、通過した主要交差点の名称が特定され、空欄挿入語として記憶されることとなる。空欄挿入語として記憶される文字列であるか否かの判定は、POI情報を参照することにより行うことができる。また、空欄挿入語の条件設定は予めナビゲーション装置10の提供者やユーザなどによってされるものであり、一度設定された内容を編集することも可能であるものとする。また、空欄挿入語は、1つの基本文章に複数設定可能であるものとする。この場合、基本文章における空欄の位置と空欄挿入語の設定内容とが対応付けられて記憶される構成とすればよい。
【0047】
送信先情報記憶部F5は、作成したコメントを送信する送信先に関する送信先情報を記憶するための記憶媒体である。
【0048】
図5は、送信先情報記憶部F5における送信先情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、送信先情報は、送信先名称と、送信先アドレスとを含む。なお、コメントの送信先としては、個人のメールアドレスだけでなく、WWW(World
Wide Web)上のウェブページの一種である電子掲示板やウェブログ(ブログ)などが考えられる。なお、送信先は、状況、すなわち、コメントの内容、現在位置(行政界、観光地エリアなど)、センサ情報、および利用可能な通信網などに応じて、ナビゲーション装置10の制御部Cが選択する構成としてもよい。
【0049】
なお、本例においては、記憶部Fに記憶された情報、特にコメント作成情報と送信先情報の内容はユーザにより編集可能であることとする。
【0050】
次に、本発明のナビゲーション装置10の動作について図面を参照して説明する。なお、本発明に特にかかわらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0051】
図6は、ナビゲーション装置10が実行するコメント作成処理の例を示すフローチャートである。コメント作成処理では、ナビゲーションシステム100が、ユーザの状況に応じたコメントを作成するための動作を実行するための処理が行われる。
【0052】
本例におけるコメント作成処理は、ナビゲーション装置10が起動したことにより自動的に開始される。なお、コメント作成処理は、例えばユーザにより入力装置70に設けられた特定のボタンが押下されること応じて開始・停止される構成としてもよい。
【0053】
コメント作成処理において、制御部Cは、所定の時間間隔(例えば、1分毎や5分毎など)で、現在位置、現在位置の周辺に存在する周辺施設、目的地の到達予測時間、及び経由地の通過予測時間など、コメント作成フラグに「1」が設定されたコメント作成条件が満たされているか否かを判定するために必要な情報(コメント作成条件判定情報)を確認する(ステップS101)。
【0054】
コメント作成条件判定情報を確認すると、制御部Cは、コメント作成条件が満たされているか否かを判定する(ステップS102)。ここで、コメント作成条件が満たされていないと判定すると(ステップS102のN)、制御部Cは、ステップS101に遷移する。一方、コメント作成条件が満たされたと判定すると(ステップS102のY)、制御部Cは、満たされたコメント作成条件に対応する基本文章を特定して、基本文章に設けられている空欄に挿入する空欄挿入語を、現在位置や現在時刻など現在状況に関連する情報(コメント作成条件判定情報を含む)に応じて決定し、記憶する(ステップS103)。
【0055】
空欄挿入語を記憶すると、制御部Cは、コメント作成部16により、コメント作成情報における基本文章の空欄に空欄挿入語を挿入することにより、車両の現在状況を示すコメントを作成する(ステップS104)。
【0056】
コメントを作成すると、制御部Cは、作成したコメントを記憶部Fに記憶する。なお、本例においては、制御部Cは、コメントNo毎にコメントを記憶するものとし、コメントNoが同一のコメントが既に記憶されている場合には、新たに作成したコメントを上書きして記憶(上書き保存)する。作成したコメントを記憶すると、制御部CはステップS101に遷移する。なお、本例においては、コメントが上書き保存されない場合も、現在状況を示すコメントのみを送信候補とするために、コメント作成時から一定時間経過した場合には、制御部Cが記憶部Fからコメントを削除するものとする。
【0057】
コメント作成処理は、ナビゲーション装置10の電源が落とされることにより終了する。
【0058】
次に、ナビゲーション装置10が実行するコメント送信処理について説明する。コメント送信処理では、コメント作成処理により記憶部Fに記憶されたコメントを、送信先情報を用いて外部に送信するための処理が行われる。なお、本発明に特にかかわらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0059】
図7は、本例におけるコメント送信処理の例を示すフローチャートである。本例におけるコメント送信処理は、コメント作成処理により作成されたコメントのうち、送信されていないコメントがあるときに実行されるものとする。
【0060】
コメント送信処理において、先ず、制御部Cは、車速情報受付部13により受け付ける車速情報に基づいて車両が停止状態にあるか否かを判定する(ステップS201)。ここで、車両が停止状態にあると判定すると(ステップS201のY)、制御部Cは、コメント作成情報における表示優先度に応じて画像表示装置61の表示画面61Aにコメント選択画面を表示する(ステップS202)。
【0061】
図8は、コメント選択画面の例を示す説明図である。図8に示すように、コメント選択画面は、コメントを選択可能に表示するコメント表示領域101と、表示画面61Aに表示される画面をコメント選択画面から通常のメニュー画面や経路案内画面などに切り替えるための戻るボタン102と、選択されたコメントの文体を変更するための文体変更ボタン103と、選択されたコメントを送信コメントとして決定する決定ボタン104とを含む。
【0062】
制御部Cは、作成されたコメントをコメント表示領域101に表示する。なお、本例においては、制御部Cは、作成されたコメントのうち、対応する表示優先度に「1」が設定されたものを選択して表示する(図4,8参照)。すなわち、本例におけるコメント表示領域101には、作成されたコメントのうち、各コメントNoに対応するコメントが1つずつ表示されることとなる。
【0063】
コメント選択画面を表示すると、制御部Cは、コメント表示領域101に選択可能に表示したコメント101a,101bの選択を受け付ける(ステップS203)。ここで、コメント101a,101bの選択を受け付けない場合(ステップS203のN)、制御部Cは、車両が移動を開始したか否かを判定する(ステップS204)。ここで、車両が移動を開始したと判定すると(ステップS204のY)、制御部Cは、コメント選択画面を消去して、ステップS201に遷移する。
【0064】
一方、ユーザによる入力装置70の操作に応じてコメントの選択を受け付けたと判定すると(ステップS203のY)、制御部Cは、文体変更ボタン103の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS205)。なお、本例においては、制御部Cは、コメント表示領域101に表示されたコメント101a,101bがユーザにより選択されたことを受け付けると、選択されたコメントを「選択状態」にあるコメントとして一時的に記憶する。また、「選択状態」にあるコメントの選択を受け付けると、制御部Cは、「選択状態」を解除することとする。また、「選択状態」にあるコメントがない場合、制御部Cは、文体変更ボタン103と決定ボタン104の選択を受け付けないこととする。ここでは、コメント101aが選択状態にある場合を例にして説明を行なう。
【0065】
1以上のコメントが選択状態にあるときに、文体変更ボタン103の選択を受け付けていないと判定すると(ステップS205のN)、制御部Cは、決定ボタン104の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS206)。ここで、決定ボタン104の選択を受け付けていないと判定すると(ステップS206のN)、制御部Cは、コメントの選択状態を解除する要求(コメント選択解除要求)を受け付けたか否かを判定する(ステップS207)。ここで、コメント選択解除要求を受け付けていないと判定すると(ステップS207のN)、制御部Cは、ステップS205に遷移する。
【0066】
一方、コメント選択解除要求を受け付けたと判定すると(ステップS207のY)、制御部Cは、コメントの選択状態を解除して(ステップS208)、ステップS203に遷移する。
【0067】
一方、決定ボタン104の選択を受け付けたと判定すると(ステップS206のY)、制御部Cは、送信先情報記憶部F4を参照して、表示画面61Aに送信先選択画面を表示する(ステップS209)。
【0068】
図9は、送信先選択画面の例を示す説明図である。図9に示すように、送信先選択画面は、送信先表示領域201と、送信ボタン202とを含む。
【0069】
送信先選択画面を表示すると、制御部Cは、送信先表示領域201に表示される送信先名称201a,201bのうちいずれかが選択された状態(選択状態)で送信ボタン202が選択されることを受け付けることにより、選択状態にある送信先名称に応じたアドレスを送信先に決定して、決定ボタン104が選択されたとき(ステップS206のY)に選択状態にあったコメント101a(または、後述する文体変更画面において選択状態にあった変更候補コメント302a、図10参照)を送信し(ステップS210)、ここでの処理を終了する。
【0070】
一方、文体変更ボタン103の選択を受け付けたと判定すると(ステップS205のY)、制御部Cは、表示画面61Aに文体変更画面を表示する(ステップS211)。
【0071】
図10は、文体変更画面の例を示す説明図である。図10に示すように、文体変更画面は、変更対象コメント表示領域301と、変更候補コメント表示領域302と、コメント選択画面に戻るための表示切替ボタン(コメント選択画面ボタン)303と、決定ボタン104とを含む。ここで、変更対象コメント表示領域301には、文体変更ボタン103が選択されたときに選択状態にあったコメントが表示される。また、変更候補コメント表示領域302には、変更対象コメント表示領域301に表示されたコメント同様に車両の現在状況を含む文体の異なるコメント(すなわち、コメントNoが同一で、基本文章が異なる変更候補コメント302a,302b)が表示優先度に従って表示される。
【0072】
文体変更画面を表示すると、制御部Cは、変更候補コメントの選択を受け付ける(ステップS212)。ここで、変更候補コメントの選択を受け付けず(ステップS212のN)、表示切替ボタン303の選択を受け付けると、制御部Cは、表示画面61Aに表示する画面を文体変更画面からコメント選択画面に切り替えて、ステップS205に遷移する。
【0073】
一方、例えば、変更候補コメント302aの選択を受け付けると(ステップS212のY)、制御部Cは、コメント選択画面において選択状態にあったコメント101aの選択状態を解除して、変更候補コメント302aが選択状態にあるものとして一時的に記憶し、対応する表示優先度を変更する(ステップS213)。すなわち、例えば、選択状態が解除されたコメント101aと、新たに選択状態になった変更候補コメント302aとに対応する表示優先度を交換することにより、変更候補コメント302aに対応する表示優先度を「1」にする。なお、選択状態にある変更候補コメント302aの選択を受け付けた場合には、制御部Cは、変更候補コメント302aの選択状態を解除し、コメント101aを選択状態にして表示優先度を変更前に戻し、ステップS212に遷移する。
【0074】
表示優先度を変更すると、制御部Cは、決定ボタン104の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS214)。ここで、決定ボタン104の選択を受け付けたと判定すると(ステップS214のY)、制御部Cは、ステップS209に遷移する。
【0075】
一方、決定ボタン104の選択を受け付けず(ステップS214のN)、表示切替ボタン303の選択を受け付けると、制御部Cは、文体変更画面を消去して、ステップS202に遷移する。なお、このとき制御部Cは、変更候補コメント302aの選択状態を解除するが、表示優先度は変更後のものを採用する。これにより、コメント選択画面におけるコメント101aの内容が変更候補コメント302aの内容に変更されることとなる。
【0076】
なお、制御部Cは、コメント送信処理とは独立して車両の移動判定を行い、車両の移動を検出したことに応じてコメント送信処理を中止する構成としてもよい。また、コメント送信処理の実行中に車両の移動を検出すると、制御部Cは、コメント送信処理を中断し、その後車両の停止を検出したときに、前回中断したステップからコメント送信処理を再開する構成としてもよい。
【0077】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、表示装置の表示画面(例えば、画像表示装置61の表示画面61A)における地図上に移動体(例えば、車両)の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置10が、コメント作成条件と、コメント作成条件が成立した際に用いられる基本文章とが対応付けされたコメント作成情報を記憶するコメント作成情報記憶部F4を備え、コメント作成条件が成立したか否かを判定し、コメント作成条件が成立したと判定されたときに、コメント作成情報を参照してコメント作成条件に対応付けされている基本文章を特定し、移動体の現在状況(例えば、コメント作成条件判定情報など)を確認し、特定された基本文章に設けられている空欄に挿入する空欄挿入語を確認した現在状況に応じて決定し、特定された基本文章の空欄に決定された空欄挿入語を挿入して移動体の現在状況を含むコメントを作成し、作成されたコメントを表示画面61Aに表示し、送信指示(例えば、決定ボタン104の選択)に応じて、作成されたコメントを送信する構成としているので、運転への集中を阻害せずに、ユーザの状況に応じた文章を作成して外部装置に送信することができるようになる。
【0078】
すなわち、ナビゲーション装置10が、ユーザの現在状況に応じた空欄挿入語を決定して、基本文章に挿入することで文章を作成することができるので、ユーザにとっては、文章を作成することに気を引かれることがなくなり、運転に集中することができるようになる。また、予めユーザによる基本文章などのコメント作成情報の編集を受け付けておくことにより、ユーザの意図に応じたコメントを作成することができるようになる。
【0079】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、表示されたコメントの文体の変更指示を受け付け、文体変更指示が受け付けられたことに応じて、文体変更指示を受けたコメント(例えば、変更対象コメント表示領域301に表示されたコメント)について文体が変更された文体変更コメントであって、文体変更指示を受けたコメントと同様に移動体(例えば、車両)の現在状況を含む文体変更コメント(例えば、変更候補コメント表示領域302に表示されたコメント)を表示画面61Aに表示する構成としているので、ユーザの意図に応じたコメントを送信することができるようになる。
【0080】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10は、文体変更指示を受けたコメント(例えば、変更対象コメント表示領域301に表示されたコメント)におけるコメント内の使用語句が変更された文体変更コメント(例えば、コメント101aに対する変更候補コメント302a)、及び文体変更指示を受けたコメントの文調が変更された文体変更コメント(例えば、コメント101aに対する変更候補コメント302b)のうち少なくとも何れか一方を表示する構成としてもよい。すなわち、各コメントNoに基本文章が必ず2以上対応付けされ、文体変更指示に応じて少なくとも1以上の文体変更コメントを表示するようにすることにより、ユーザの意図に応じたコメントが表示されない可能性を低下させることができるようになる。
【0081】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10は、移動体(例えば、車両)の現在状況として、現在位置、現在位置の周辺に存在する周辺施設、目的地の到達予測時間、及び経由地の通過予測時間のうち何れか1つ以上を確認する構成としてもよい。確認する現在状況にこれらを含ませることにより、作成されるコメントをユーザの現在状況を示すコメントとすることができるようになる。
【0082】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10は、コメント作成条件が成立したと判定される毎に基本文章を特定し、基本文章が特定される毎にコメントを作成し、作成された複数のコメントを選択可能に表示する構成としてもよい。コメントの作成回数に制限を持たせないことにより、ユーザが予測しないコメントを作成する可能性を高めることができ、コメント選択の趣向性を高めることができるようになる。
【0083】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10は、同一の基本文章について新たにコメントが作成された場合には、新たに作成されたコメントを表示する構成としているので、ユーザの現在状況に近いコメントの中から、送信するコメントを選択させることができるようになる。
【0084】
なお、上述した実施の形態では、コメントの送信先をユーザが選択する場合について説明したが、コメント作成情報と送信先情報とが対応づけされて記憶されることにより、ユーザによる送信先の選択を受け付けるステップを省略可能な構成としてもよい。このような構成とすることにより、ユーザがコメントの送信に要する時間を短縮することができるようになる。これは、特に、ユーザがインターネット上の電子掲示板への書き込みだけを目的としている場合など、コメントの送信先が常に特定の相手に限定されている場合に有効である。
【0085】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、制御部Cは、コメント作成処理にて作成されたコメントとコメント送信履歴とを記憶部Fに蓄積し、一度送信されたコメントは再度表示しない構成としてもよい。このような構成とすることにより、車両の運転を終えたユーザがコメント作成情報を参照することにより、運転中に作成されたコメントを確認することができるようになる。すなわち、例えば運転が終了した後、ユーザ自信がコメントを作成するときの参考として、作成されたコメントを提供することができるようになる。また、送信履歴からコメント作成情報における表示優先度を算出する構成とすることができるようになる。
【0086】
また、コメントが作成された時刻とコメントが送信された時刻とを記憶し、最後に送信したコメントよりも後に作成されたコメントがあることをコメント選択画面の表示条件(または、表示優先度の算出条件)とし、コメント表示領域101には、最後に送信したコメントよりも後に作成されたコメントのみを表示する構成としてもよい。このような構成とすることにより、よりリアルタイムなコメントを表示し、送信することができるようになる。
【0087】
また、文体変更画面の表示方法は上述した実施の形態に限定されず(図10参照)、例えばコメント選択画面において、コメント表示領域101に表示されたコメント101aが選択されたことに応じて、対応する変更候補コメントをプルダウン式に表示する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、車両の進路案内を実現するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、情報通信が可能なカーナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【符号の説明】
【0089】
10 ナビゲーション装置
11 経路探索部
12 自車位置情報受付部
13 車速情報受付部
14 検索部
15 POI情報案内部
16 コメント作成部
17 通信処理部
50 自車位置測位装置
60 出力装置
61 画像表示装置
62 音声出力装置
70 入力装置
80 検出装置
90 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、
コメント作成条件と、該コメント作成条件が成立した際に用いられる基本文章とが対応付けされたコメント作成情報を記憶するコメント作成情報記憶手段と、
前記コメント作成条件が成立したか否かを判定する条件判定手段と、
該条件判定手段によって前記コメント作成条件が成立したと判定されたときに、前記コメント作成情報を参照して当該コメント作成条件に対応付けされている基本文章を特定する基本文章特定手段と、
前記移動体の現在状況を確認し、前記基本文章特定手段によって特定された基本文章に設けられている空欄に挿入する空欄挿入語を当該確認した現在状況に応じて決定する挿入語決定手段と、
前記基本文章特定手段によって特定された基本文章の空欄に前記挿入語決定手段によって決定された空欄挿入語を挿入して前記移動体の現在状況を含むコメントを作成するコメント作成手段と、
該コメント作成手段によって作成されたコメントを前記表示画面に表示するコメント表示手段と、
送信指示に応じて、前記コメント作成手段によって作成されたコメントを送信するコメント送信手段とを含む
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記コメント表示手段によって表示されたコメントの文体の変更指示を受け付ける文体変更指示受付手段を含み、
前記コメント表示手段は、前記文体変更指示受付手段により文体変更指示が受け付けられたことに応じて、前記文体変更指示を受けたコメントについて文体が変更された文体変更コメントであって、前記文体変更指示を受けたコメントと同様に前記移動体の現在状況を含む当該文体変更コメントを前記表示画面に表示する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記コメント表示手段は、文体変更指示を受けたコメントにおけるコメント内の使用語句が変更された文体変更コメント、及び文体変更指示を受けたコメントの文調が変更された文体変更コメントのうち少なくとも何れか一方を表示する
請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記挿入語決定手段は、前記移動体の現在状況として、現在位置、現在位置の周辺に存在する周辺施設、目的地の到達予測時間、及び経由地の通過予測時間のうち何れか1つ以上を確認する
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記基本文章特定手段は、前記条件判定手段によって前記コメント作成条件が成立したと判定される毎に基本文章を特定し、
前記コメント作成手段は、前記基本文章特定手段によって基本文章が特定される毎にコメントを作成し、
前記コメント表示手段は、前記コメント作成手段によって作成された複数のコメントを選択可能に表示する
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記コメント表示手段は、前記コメント作成手段により同一の基本文章について新たにコメントが作成された場合には、新たに作成されたコメントを表示する
請求項5記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション方法であって、
コメント作成条件が成立したか否かを判定する条件判定処理と、
該条件判定処理にて前記コメント作成条件が成立したと判定されたときに、記コメント作成条件と該コメント作成条件が成立した際に用いられる基本文章とが対応付けされたコメント作成情報を記憶するコメント作成情報記憶手段に記憶された当該コメント作成情報を参照して当該コメント作成条件に対応付けされている基本文章を特定する基本文章特定処理と、
前記移動体の現在状況を確認し、前記基本文章特定処理にて特定した基本文章に設けられている空欄に挿入する空欄挿入語を当該確認した現在状況に応じて決定する挿入語決定処理と、
前記基本文章特定処理にて特定した基本文章の空欄に前記挿入語決定処理にて決定した空欄挿入語を挿入して前記移動体の現在状況を含むコメントを作成するコメント作成処理と、
該コメント作成処理にて作成したコメントを前記表示画面に表示するコメント表示処理と、
送信指示に応じて、前記コメント作成処理にて作成したコメントを送信するコメント送信処理とを含む
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項8】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導する処理を実行させるためのナビゲーションプログラムであって、
コンピュータに、
コメント作成条件が成立したか否かを判定する条件判定処理と、
該条件判定処理にて前記コメント作成条件が成立したと判定されたときに、記コメント作成条件と該コメント作成条件が成立した際に用いられる基本文章とが対応付けされたコメント作成情報を記憶するコメント作成情報記憶手段に記憶された当該コメント作成情報を参照して当該コメント作成条件に対応付けされている基本文章を特定する基本文章特定処理と、
前記移動体の現在状況を確認し、前記基本文章特定処理にて特定した基本文章に設けられている空欄に挿入する空欄挿入語を当該確認した現在状況に応じて決定する挿入語決定処理と、
前記基本文章特定処理にて特定した基本文章の空欄に前記挿入語決定処理にて決定した空欄挿入語を挿入して前記移動体の現在状況を含むコメントを作成するコメント作成処理と、
該コメント作成処理にて作成したコメントを前記表示画面に表示するコメント表示処理と、
送信指示に応じて、前記コメント作成処理にて作成したコメントを送信するコメント送信処理とを
実行させるためのナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−164065(P2011−164065A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30332(P2010−30332)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】