ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム
【課題】利用者によって入力された地点の名称の読みに応じて、適切な案内を行うことができる、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、地点の名称の読みの入力を受け付ける入力部10と、地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて格納する案内設定DB62と、入力部10により受け付けられた読みに対応する案内設定情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、入力部10により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする案内制御部51とを備える。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、地点の名称の読みの入力を受け付ける入力部10と、地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて格納する案内設定DB62と、入力部10により受け付けられた読みに対応する案内設定情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、入力部10により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする案内制御部51とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行経路を案内するナビゲーション装置が用いられている。このナビゲーション装置は、例えば利用者により入力手段を介して地名が入力されると、当該入力された地名に対応する地点を目的地として走行経路の探索を行う。
【0003】
ところで、地名を表す漢字列の読みが複数ある場合や、地名を表すアルファベット列の読みが複数ある場合に、利用者がその地名を仮名文字列で入力しようとして、誤った読みの仮名文字列を入力してしまう可能性があった。例えば、漢字で「白金」と表される地名の正しい読みが「しろかね」であるのに対して、誤った読みである「しろがね」と利用者が入力してしまう可能性があった。これに対して、利用者が誤った読みで地名を入力した場合であっても、利用者が意図する地名として認識可能な音声認識装置が提案されている。この音声認識装置では、音声入力部を介して入力された音声波形を解析して仮名文字列データに変換し、その仮名文字列データを、認識辞書部に記憶されている辞書データと照合する。その結果、一致度合の高いデータがあればその仮名文字列データを認識結果とし、一致度合の高いデータがなければ、仮名文字列データを漢字文字列データに変換し、その漢字文字列データを、認識辞書部に記憶されている辞書データと照合する。その結果、一致度合の高いデータがあればその漢字文字列データを認識結果とする(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−282491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、誤った読みで地点の名称を入力した利用者は、当該地点自体や当該地点の周辺地域に関する十分な知識(いわゆる「土地勘」)を有していない可能性がある。しかしながら、上述の如き従来の装置は、利用者が誤った読みで地点の名称を入力した場合に、その利用者が意図する地点の正しい名称を自動的に認識して、その地点に関する案内を行うものに過ぎなかった。従って、利用者が誤った読みで地点の名称を入力した場合には、当該利用者が当該地点に関するいわゆる土地勘を有していない可能性があるにも関わらず、そのことを考慮した適切な案内を行うことができなかった。すなわち従来の装置では、利用者によって入力された読みが正しいか否かに関わらず、その読みに対応する地点に関する画一的な案内を行うに過ぎないため、例えば、その地点に関する土地勘のない利用者にとっては案内に含まれる情報の内容が不十分であったり、その地点に関する土地勘のある利用者にとっては案内に含まれる情報の内容が過剰であったりする可能性があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者によって入力された地点の名称の読みに応じて、適切な案内を行うことができる、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のナビゲーション装置は、地点の名称の読みの入力を受け付ける入力手段と、地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて格納する案内設定情報格納手段と、前記入力手段により受け付けられた読みに対応する前記案内設定情報を前記案内設定情報格納手段から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、当該入力手段により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする案内制御手段と、を備える。
【0008】
また、請求項2に記載のナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に応じた前記設定を特定する前記案内設定情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記案内設定情報により特定される前記設定に対応する前記知識の水準が低くなるように、相互に関連付けて格納する。
【0009】
また、請求項3に記載のナビゲーション装置は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記案内設定情報は、当該案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する適用範囲情報を含み、前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記大きさを特定する前記適用範囲情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記適用範囲情報により特定される前記大きさが大きくなるように、相互に関連付けて格納する。
【0010】
また、請求項4に記載のナビゲーション装置は、請求項2又は3に記載のナビゲーション装置において、前記案内設定情報は、前記地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する詳細度情報を含み、前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記詳細度を特定する前記詳細度情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記詳細度情報により特定される前記詳細度が高くなるように、相互に関連付けて格納する。
【0011】
また、請求項5に記載のナビゲーション装置は、請求項2から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、前記案内設定情報は、前記地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する補正情報を含み、前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記補正の程度を特定する前記補正情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記補正情報により特定される前記補正の程度が前記予想所要時間を長くする方向に大きくなるように、相互に関連付けて格納する。
【0012】
また、請求項6に記載のナビゲーション方法は、地点の名称の読みの入力を受け付ける入力ステップと、地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて記憶手段に格納する案内設定情報格納ステップと、前記入力ステップで受け付けられた読みに対応する前記案内設定情報を前記記憶手段から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、当該入力ステップで受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする案内制御ステップと、を含む。
【0013】
また、請求項7に記載のナビゲーションプログラムは、請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載のナビゲーション装置、請求項6に記載のナビゲーション方法、及び請求項7に記載のナビゲーションプログラムによれば、案内制御手段は、入力手段により受け付けられた読みに対応する案内設定情報を案内設定情報格納手段から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、当該入力手段により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をするので、利用者によって入力された地点の名称の読みに応じて、その地点に関する利用者の土地勘に応じた適切な案内を行うことができる。
【0015】
また、請求項2に記載のナビゲーション装置によれば、案内設定情報格納手段は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に応じた設定を特定する案内設定情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する案内設定情報により特定される設定に対応する知識の水準が低くなるように、相互に関連付けて格納するので、入力手段により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた案内を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程一層内容の充実した案内を行うことで、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準に応じた十分な内容の案内を行うことができる。
【0016】
また、請求項3に記載のナビゲーション装置によれば、案内設定情報格納手段は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する適用範囲情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する適用範囲情報により特定される適用範囲の大きさが大きくなるように、相互に関連付けて格納するので、入力手段により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた範囲に案内設定を適用することができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点に関する案内設定の適用範囲を大きさを大きくすることで、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準に応じた十分な大きさの範囲で案内を行うことができる。
【0017】
また、請求項4に記載のナビゲーション装置によれば、案内設定情報格納手段は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する詳細度情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する詳細度情報により特定される詳細度が高くなるように、相互に関連付けて格納するので、入力手段により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた詳細度の情報を含む案内を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を高くすることで、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準に応じた十分な詳細度の案内を行うことができる。
【0018】
また、請求項5に記載のナビゲーション装置によれば、案内設定情報格納手段は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する補正情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する補正情報により特定される補正の程度が予想所要時間を長くする方向に大きくなるように、相互に関連付けて格納するので、入力手段により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた程度の補正を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点までの予想所要時間を長くする方向に補正の程度を大きくすることで、当該地点及びその周辺地域に関する知識が不足しているために運転が慎重となる利用者に対しても、その利用者の知識水準に応じた適切な予想所要時間を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。
【図2】案内設定DBに格納されている情報を例示した表である。
【図3】案内制御処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】案内制御処理の具体例を示すフローチャートである。
【図5】案内を表示するディスプレイを例示した図であり、図5(a)は入力部を介して入力された読みに対応する地点に関する案内を行わない場合を示した図、図5(b)は入力部を介して入力された読みに対応する地点に関する簡易情報を含む案内を行う場合を示した図、図5(c)は入力部を介して入力された読みに対応する地点に関する詳細情報を含む案内を行う場合を示した図である。
【図6】案内を表示するディスプレイを例示した図であり、図6(a)は通常の平均車速に基づき算出した予想所要時間を案内する場合を示した図、図6(b)は予想所要時間を長くする方向に補正して案内する場合を示した図、図6(c)は予想所要時間を図6(b)の場合よりも更に長くする方向に補正して案内する場合を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、以下の説明ではナビゲーション装置が車両に搭載されている場合を例として説明する。
【0021】
(構成)
最初に、実施の形態に係るナビゲーション装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、入力部10、現在位置検出処理部20、ディスプレイ30、スピーカ40、制御部50、及びデータ記録部60を備えている。
【0022】
(構成−入力部)
入力部10は、地点の名称の読みを含む各種情報の入力を受け付ける入力手段である。ここで「地点の名称」には、例えば地図上の任意の地点の名称(例えば市区町村の名称、字名、山名や湖名等の地理的名称等)や、施設の名称等が含まれる。また、「地点の名称」には、例えば漢字で表記された地点の名称や(例えば市区町村の名称等)、アルファベットで表記された地点の名称(例えば「AAAストアー」のようにアルファベットを含む施設名等)が含まれるものとする。入力部10の具体的な構成は任意で、例えば、ディスプレイ30の前面に設けたタッチパネル、押しボタン、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいは、音声入力を受け付けるマイクの如き音声認識手段を用いて入力部10を構成することができる。
【0023】
(構成−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部20は、ナビゲーション装置1が取り付けられた車両の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在位置検出処理部20は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0024】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ30は、制御部50の制御に基づいて各種情報を表示する表示手段である。なお、このディスプレイ30の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0025】
(構成−スピーカ)
スピーカ40は、制御部50の制御に基づいて各種の音声を出力する音声出力手段である。スピーカ40より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0026】
(構成−制御部)
制御部50は、ナビゲーション装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態に係るナビゲーションプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介してナビゲーション装置1にインストールされることで、制御部50の各部を実質的に構成する。
【0027】
この制御部50は、機能概念的に、案内制御部51を備えている。案内制御部51は、地点に関する案内を所定の設定に基づいて行うための制御をする案内制御手段である。ここで、「地点に関する案内」には、例えばその地点自体についての案内(例えばその地点の位置情報や観光案内等)の他、その地点の周辺施設情報、その地点までの経路案内、その地点までの予想所要時間、その地点への到着予想時刻等、各種の案内が含まれる。この制御部50によって実行される処理の詳細については後述する。
【0028】
(構成−データ記録部)
データ記録部60は、ナビゲーション装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)の如き磁気的記録媒体を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、フラッシュメモリの如き半導体型記憶媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0029】
このデータ記録部60は、地図情報データベース61(以下、データベースをDBと略記する)、及び案内設定DB62を備えている。
【0030】
地図情報DB61は、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、施設データ(各施設の位置、各施設の種別、各施設に関する案内情報等)、地名データ(都道府県や市区町村等の地名、各地名に対応する位置、各地名に関する案内情報等)、地形データ、地図をディスプレイ30に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。
【0031】
案内設定DB62は、地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて格納する案内設定情報格納手段である。図2は、案内設定DB62に格納されている情報を例示した表である。図2に示すように、案内設定DB62には、項目「地点の名称」、「案内設定」、「正しい読み」、及び「誤った読み」に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。さらに案内設定DB62には、地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報が格納されている。項目「地点の名称」に対応して格納される情報は、地点の名称を特定する情報である(図2では「東海町(宮崎)」「弟子屈(北海道)」等)。項目「案内設定」に対応して格納される情報は、地点に関する案内を行う際の設定の項目を特定する情報である(図2では「設定の適用範囲」「予想所要時間の補正の程度」等)。項目「正しい読み」に対応して格納される情報は、項目「地点の名称」に対応して格納されている情報に基づき特定される各地点の名称の正しい読みを特定する情報である(図2では「東海町(宮崎)」について「とうみまち」等)。項目「誤った読み」に対応して格納される情報は、項目「地点の名称」に対応して格納されている情報に基づき特定される各地点の名称の誤った読みを特定する情報であり、各読みの誤り度合に対応付けて格納される(図2では「東海町(宮崎)」について、「誤り度合1」の誤った読みが「とうみちょう」、及び「誤り度合1」よりも誤り度合が高いことを示す「誤り度合2」の誤った読みが「とうかいちょう」等)。
【0032】
また、地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報が、項目「案内設定」に対応して格納されている情報に基づき特定される案内設定の項目毎に、項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている。この案内設定情報は、案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する適用範囲情報、地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する補正情報、及び地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する詳細度情報を含む。この内、案内設定の項目「設定の適用範囲」について項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納される情報は、適用範囲情報である(図2では、項目「正しい読み」に対応して「適用なし」、項目「誤った読み」のうち「誤り度合1」に対応して「地点が属する市区町村」、「誤り度合2」に対応して「地点が属する都道府県」)。また、案内設定の項目「予想所要時間の補正の程度」について項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納される情報は、補正情報である(図2では、項目「正しい読み」に対応して「補正なし」、項目「誤った読み」のうち「誤り度合1」に対応して「通常平均車速−5km/h」、「誤り度合2」に対応して「通常平均車速−10km/h」)。また、案内設定の項目「詳細度」について項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納される情報は、詳細度情報である(図2では、項目「正しい読み」に対応して「地点案内なし」、項目「誤った読み」のうち「誤り度合1」に対応して「簡易情報案内」、「誤り度合2」に対応して「詳細情報案内」)。
【0033】
(処理−案内制御処理)
次に、このように構成されたナビゲーション装置1によって実行される案内制御処理について説明する。図3は、案内制御処理の概要を示したフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この案内制御処理は、例えば、ナビゲーション装置1に電源が投入され、地点の名称の読みの入力画面を表示すべき旨の指示入力が入力部10を介して行われた場合に起動される。
【0034】
図3に示すように、案内制御処理が開始されると、案内制御部51は、入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられるまで待機する(SA1、No)。
【0035】
入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられた場合(SA1、Yes)、案内制御部51は案内設定DB62を参照し、入力部10を介して入力された読みに一致する読みを検索する(SA2)。すなわち、案内制御部51は、案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの内、入力部10を介して入力された読みに一致する読みを検索する。
【0036】
続いて案内制御部51は、SA2の検索の結果、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがあったか否かを判定する(SA3)。その結果、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがなかった場合(SA3、No)、すなわち案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの中には入力部10を介して入力された読みに一致する読みがなかった場合、案内制御部51はSA1に戻り、入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられるまで待機する(SA1、No)。
【0037】
一方、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがあった場合(SA3、Yes)、すなわち案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの中に、入力部10により受け付けられた読みに一致する読みがあった場合、案内制御部51は、入力部10により受け付けられた読みに対応する案内設定情報を案内設定DB62から取得する(SA4)。そして案内制御部は、案内設定DB62から取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、入力部10により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする(SA5)。SA5の処理の後、制御部は案内制御処理を終了する。
【0038】
続いて、図3に示した案内制御処理の具体例について詳細に説明する。図4は案内制御処理の具体例を示したフローチャートである。図4に示すように、案内制御処理が開始されると、案内制御部51は、入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられるまで待機する(SB1、No)。例えば、50音入力画面がディスプレイ30により表示されている場合において、タッチパネルを介して任意の仮名文字列が入力され、当該入力の確定操作が行われた場合に、案内制御部51は入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられたと判定する。
【0039】
入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられた場合(SB1、Yes)、案内制御部51は案内設定DB62を参照し、入力部10を介して入力された読みに一致する読みを検索する(SB2)。すなわち、案内制御部51は、案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの内、入力部10を介して入力された読みに一致する読みを検索する。
【0040】
続いて案内制御部51は、SB2の検索の結果、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがあったか否かを判定する(SB3)。その結果、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがなかった場合(SB3、No)、すなわち案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの中には入力部10を介して入力された読みに一致する読みがなかった場合、例えば利用者の入力ミス等により地点の名称と無関係の仮名文字列が入力されたものとし、案内制御部51はSB1に戻り、入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられるまで待機する(SB1、No)。この場合、案内制御部51が、入力された読みに対応する地点の名称を特定する情報が案内設定DB62に格納されていない旨を示すエラーメッセージを、ディスプレイ30やスピーカ40を介して出力させるようにしてもよい。
【0041】
一方、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがあった場合(SB3、Yes)、すなわち案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの中に、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがあった場合、案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正しい読みか否か、及び、誤った読みである場合にはその誤り度合を特定する(SB4)。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みに対応する情報が、案内設定DB62の項目「正しい読み」又は「誤った読み」の何れの項目に対応して格納されているのかを特定し、当該情報が案内設定DB62の項目「誤った読み」に対応して格納されている場合には、当該情報に対応する誤り度合を特定する。例えば入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2の例では、案内制御部51は、当該読みは「誤った読み」であり、その誤り度合は「誤り度合1」であると特定する。
【0042】
図4に戻り、案内制御部51は、SB4の特定結果に対応する適用範囲情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した適用範囲情報に基づき、案内設定DB62に格納されている案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する(SB5)。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正しい読みか否か、及び、誤った読みである場合にはその誤り度合に対応する適用範囲情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した適用範囲情報に基づき、案内設定の適用範囲の大きさを特定する。
【0043】
例えば入力部10を介して入力された読みが「せんそうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは正しい読みであるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する適用範囲情報に基づき、案内制御部51は、案内設定の適用範囲の大きさは「適用なし」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正確な読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有しているものとし、当該知識水準に応じた案内の設定として、当該地点に関する特別な案内を行う必要はない旨(すなわち当該地点に関する特別な案内を適用すべき範囲はない旨)を特定する。
【0044】
また、入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合1」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する適用範囲情報に基づき、案内制御部51は、案内設定の適用範囲の大きさは「地点が属する市区町村」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが一部誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有していないものとし、当該知識水準に応じた案内の設定として、誤った読み「せんぞうじ」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都台東区を当該地点に関する案内設定の適用範囲として特定する。なお、案内制御部51は、例えば地図情報DB61に格納されている地名データに基づき、読みに対応する地点が属する市区町村を特定する。
【0045】
また、入力部10を介して入力された読みが「あさくさでら」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合2」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する適用範囲情報に基づき、案内制御部51は、案内設定の適用範囲の大きさは「地点が属する都道府県」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが大きく誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は「誤り度合1」の場合よりも知識を有していないものとし、当該知識水準に応じた案内の設定として、誤った読み「あさくさでら」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都を当該地点に関する案内設定の適用範囲として特定する。
【0046】
このように、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、当該地点に関する案内設定の適用範囲を大きさを大きくし、当該地点及びその周辺地域に関する知識が不足している利用者に対しても十分な案内を提供できるようにしている。
【0047】
図4に戻り、SB5の処理の後、案内制御部51は、SB4の特定結果に対応する補正情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した補正情報に基づき、入力部10を介して入力された読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する(SB6)。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正しい読みか否か、及び、誤った読みである場合にはその誤り度合に対応する補正情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した補正情報に基づき、入力部10を介して入力された読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する。
【0048】
例えば入力部10を介して入力された読みが「せんそうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは正しい読みであるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する補正情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度は「補正なし」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正確な読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有しているものとし、当該地点「浅草寺」までの経路案内における予想所要時間の補正を行う必要はない旨を特定する。
【0049】
また、入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合1」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する補正情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度は「通常平均車速−5km/h」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが一部誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有していないものとし、当該知識水準に対応して、地点「浅草寺」までの経路案内における当該地点までの予想所要時間を算出する際に用いる平均車速を通常の平均車速よりも5km/h遅くすることにより、予想所要時間を長くする必要があるものと特定する。
【0050】
また、入力部10を介して入力された読みが「あさくさでら」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合2」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する補正情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度は「通常平均車速−10km/h」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが大きく誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は「誤り度合1」の場合よりも知識を有していないものとし、当該知識水準に対応して、地点「浅草寺」までの経路案内における当該地点までの予想所要時間を算出する際に用いる平均車速を通常の平均車速よりも10km/h遅くすることにより、予想所要時間を「誤り度合1」の場合よりも更に長くする必要があるものと特定する。
【0051】
このように、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、当該地点までの予想所要時間を長くする方向に補正の程度を大きくし、当該地点及びその周辺地域に関する知識が不足しているために運転が慎重となる利用者に対して適切な予想所要時間を案内できるようにしている。
【0052】
図4に戻り、SB6の処理の後、案内制御部51は、SB4の特定結果に対応する詳細度情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した詳細度情報に基づき、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する(SB7)。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正しい読みか否か、及び、誤った読みである場合にはその誤り度合に対応する詳細度情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した詳細度情報に基づき、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する。
【0053】
例えば入力部10を介して入力された読みが「せんそうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは正しい読みであるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する詳細度情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「地点案内なし」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正確な読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有しているものとし、当該知識水準に応じた案内に含まれる情報の詳細度として、当該地点「浅草寺」に関する特別な案内を行う必要はない旨を特定する。
【0054】
また、入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合1」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する詳細度情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「簡易情報案内」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが一部誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有していないものとし、当該知識水準に対応して、地点「浅草寺」に関する簡易情報を含む案内を行う必要があるものと特定する。
【0055】
また、入力部10を介して入力された読みが「あさくさでら」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合2」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する詳細度情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「詳細情報案内」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが大きく誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は「誤り度合1」の場合よりも知識を有していないものとし、当該知識水準に対応して、地点「浅草寺」に関する詳細情報を含む案内を行う必要があるものと特定する。このように、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、当該地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を高くし、当該地点及びその周辺地域に関する知識が不足している利用者に対しても十分な案内を提供できるようにしている。
【0056】
図4に戻り、SB7の処理の後、案内制御部51は入力部10を介して入力された読みに対応する地点について、SB7で特定した詳細度の情報を地図情報DB61から取得し、当該情報を含む案内をディスプレイ30やスピーカ40から出力させる(SB8)。図5は案内を表示するディスプレイ30を例示した図であり、図5(a)は入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内を行わない場合を示した図、図5(b)は入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する簡易情報を含む案内を行う場合を示した図、図5(c)は入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する詳細情報を含む案内を行う場合を示した図である。
【0057】
例えばSB7で、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「地点案内なし」であると特定された場合、図5(a)に示すように、案内制御部51は当該地点に関する案内をディスプレイ30やスピーカ40から特に出力させず、単に当該地点を中心とする地図をディスプレイ30に表示させる。
【0058】
また、SB7で、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「簡易情報案内」であると特定された場合、図5(b)に示すように、案内制御部51は、当該地点の名称の正しい読みを案内すると共に、当該地点に関する簡易情報を含む案内31(図5(b)では、地点の名称、所在地、及び電話番号を含む案内)をディスプレイ30に表示させる。
【0059】
また、SB7で、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「詳細情報案内」であると特定された場合、図5(c)に示すように、案内制御部51は、当該地点の名称の正しい読みを案内すると共に、当該地点に関する詳細情報を含む案内32(図5(c)では、地点の写真や観光情報を含む案内)をディスプレイ30に表示させる。
【0060】
また、案内制御部51が、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する簡易情報又は詳細情報をディスプレイ30に表示させる際に、当該地点に関する更に詳細な情報(例えば観光案内アプリ等)をネットワークを介してダウンロードするか否かの選択画面を併せてディスプレイ30に表示させるようにしてもよい。また、入力部10を介して入力された読みに対応する地点の周辺に存在する推奨施設についての案内(例えば推奨施設のアイコンを点滅させる等)をディスプレイ30に表示させるようにしてもよい。
【0061】
図4に戻り、SB8の処理の後、案内制御部51は入力部10を介して入力された読みに対応する地点が目的地として設定されたか否かを判定する(SB9)。例えば案内制御部51は、SB4の特定結果に基づき入力部10を介して入力された読みに対応する地点を特定し、当該地点を目的地として設定すべき旨の指示入力が入力部10を介して入力された場合に、当該地点が目的地として設定されたと判定する。
【0062】
その結果、入力部10を介して入力された読みに対応する地点が目的地として設定されなかった場合(SB9、No)、案内制御部51はSB1に戻り、入力部10により新たに地点の名称の読みの入力が受け付けられるまで待機する(SB1、No)。
【0063】
一方、入力部10を介して入力された読みに対応する地点が目的地として設定された場合(SB9、Yes)、案内制御部51は、目的地として設定された地点までの走行経路を探索する(SB10)。案内制御部51は、例えばダイクストラ法等の公知の経路探索手法を用いて走行経路を探索する。
【0064】
続いて案内制御部51は、SB5からSB7の各処理で特定された設定に基づき、ディスプレイ30やスピーカ40により走行経路の案内を出力させる(SB11)。例えば案内制御部51は、当該案内制御部51がSB10で探索した走行経路を地図上に重畳するようにディスプレイ30に表示させると共に、その走行経路を車両が走行した場合における目的地までの予想所要時間を算出し、当該予想所要時間をディスプレイ30に表示させる。図6は案内を表示するディスプレイを例示した図であり、図6(a)は通常の平均車速に基づき算出した予想所要時間を案内する場合を示した図、図6(b)は予想所要時間を長くする方向に補正して案内する場合を示した図、図6(c)は予想所要時間を図6(b)の場合よりも更に長くする方向に補正して案内する場合を示した図である。この予想所要時間の算出に際して、案内制御部51は、当該案内制御部51がSB5で特定した適用範囲内の走行経路における予想所要時間について、当該案内制御部51がSB6で特定した程度の補正を行う。
【0065】
例えば入力部10を介して入力された読みが正しい読み「せんそうじ」であった場合、図2によれば、案内制御部51は案内設定の適用範囲の大きさが「適用なし」であるとSB5で特定する。従って、案内制御部51がSB10で探索した走行経路の全区間について、案内制御部51は補正を行うことなく通常の平均車速に基づき予想所要時間を算出することにより、「浅草寺」までの予想所要時間を算出し、図6(a)に示すように、当該予想所要時間(図6(a)では「1:30」)を含む案内33aをディスプレイ30に表示させる。
【0066】
また、入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2によれば、案内制御部51は誤った読み「せんぞうじ」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都台東区が当該地点に関する案内設定の適用範囲であるとSB5で特定する。また、案内制御部51は誤った読み「せんぞうじ」に対応する地点「浅草寺」までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度は「通常平均車速−5km/h」であるとSB6で特定する。従って案内制御部51は、東京都台東区外の走行経路については通常の平均車速に基づき走行所要時間を算出すると共に、東京都台東区内の走行経路については通常平均車速−5km/hに補正した平均車速に基づき予想所要時間を算出することにより、「浅草寺」までの予想所要時間を算出し、図6(b)に示すように、当該地点「浅草寺」の名称の正しい読み「せんそうじ」及び予想所要時間(図6(b)では「2時間15分」)を含む案内33bをディスプレイ30に表示させる。
【0067】
また、入力部10を介して入力された読みが「あさくさでら」であった場合、上述の「せんぞうじ」よりも誤り度合が高く、浅草寺及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準が低いと考えられることから、案内設定の適用範囲を「せんぞうじ」の場合よりも更に大きくする。すなわち、図2によれば、案内制御部51は誤った読み「あさくさでら」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都が当該地点に関する案内設定の適用範囲であるとSB5で特定する。また、案内制御部51は誤った読み「あさくさでら」に対応する地点「浅草寺」までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度は「通常平均車速−10km/h」であるとSB6で特定する。従って案内制御部51は、東京都外の走行経路については通常の平均車速に基づき走行所要時間を算出すると共に、東京都内の走行経路については通常平均車速−10km/hに補正した平均車速に基づき予想所要時間を算出することにより、「浅草寺」までの予想所要時間を算出し、図6(c)に示すように、当該地点「浅草寺」の名称の正しい読み「せんそうじ」及び予想所要時間(図6(c)では「2時間45分」)を含む案内33cをディスプレイ30に表示させる。さらに、当該地点及びその周辺地域に関する知識水準が特に低いと考えられる利用者向けの情報を案内33cに付加してもよい(図6(c)では「気を付けて運転してください。」)。
【0068】
また、案内制御部51が走行経路の案内をディスプレイ30やスピーカ40から出力させている場合において、案内制御部51がSB5で特定した適用範囲内の地点の名称が入力部10を介して入力された場合には、案内制御部51は、当該入力された名称の地点について、SB7で特定した詳細度の情報を地図情報DB61から取得し、当該情報を含む案内をディスプレイ30やスピーカ40から出力させる。
【0069】
例えば、入力部10を介して入力された読みが「せんそうじ」であった場合、図2によれば、案内制御部51は案内設定の適用範囲の大きさが「適用なし」であるとSB5で特定する。従って案内制御部51は、入力部10を介して入力された任意の地点に関する案内をディスプレイ30やスピーカ40から特に出力させず、例えば単に当該地点を中心とする地図をディスプレイ30に表示させる。
【0070】
また、SB1で入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2によれば、案内制御部51は誤った読み「せんぞうじ」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都台東区が当該地点に関する案内設定の適用範囲であるとSB5で特定する。また、案内制御部51は誤った読み「せんぞうじ」に対応する地点「浅草寺」に関する案内に含まれる情報の詳細度は「簡易情報案内」であるとSB7で特定する。従って案内制御部51は、走行経路の案内中に東京都台東区内の任意の地点の名称(例えば「上野動物園」等)が入力部10を介して入力された場合には、当該入力された名称の地点に関する簡易情報を含む案内をディスプレイ30やスピーカ40から出力させる。
【0071】
また、SB1で入力部10を介して入力された読みが「あさくさでら」であった場合、図2によれば、案内制御部51は誤った読み「あさくさでら」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都が当該地点に関する案内設定の適用範囲であるとSB5で特定する。また、案内制御部51は誤った読み「あさくさでら」に対応する地点「浅草寺」に関する案内に含まれる情報の詳細度は「詳細情報案内」であるとSB7で特定する。従って案内制御部51は、東京都内の任意の地点の名称(例えば「東京タワー」等)が入力部10を介して入力された場合には、当該入力された名称の地点に関する詳細情報を含む案内をディスプレイ30やスピーカ40から出力させる。
【0072】
SB11の処理の後、制御部50は案内制御処理を終了する。
【0073】
(効果)
このように本実施の形態によれば、案内制御部51は、入力部10により受け付けられた読みに対応する案内設定情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、入力部10により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をするので、利用者によって入力された地点の名称の読みに応じて、その地点に関する利用者の土地勘に応じた適切な案内を行うことができる。
【0074】
また、案内設定DB62は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に応じた設定を特定する案内設定情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する案内設定情報により特定される設定に対応する知識の水準が低くなるように、相互に関連付けて格納するので、入力部10により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた案内を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程一層内容の充実した案内を行うことで、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準に応じた十分な内容の案内を行うことができる。
【0075】
特に、案内設定DB62は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する適用範囲情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する適用範囲情報により特定される適用範囲の大きさが大きくなるように、相互に関連付けて格納するので、入力部10により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた範囲に案内設定を適用することができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点に関する案内設定の適用範囲を大きさを大きくすることで、当該地点及びその周辺地域に関す利用者の知識水準に応じた十分な大きさの範囲で案内を行うことができる。
【0076】
また、案内設定DB62は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する詳細度情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する詳細度情報により特定される詳細度が高くなるように、相互に関連付けて格納するので、入力部10により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた詳細度の情報を含む案内を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を高くすることで、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準に応じた十分な詳細度の案内を行うことができる。
【0077】
また、案内設定DB62は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の複数の補正の程度を特定する補正情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する補正情報により特定される補正の程度が予想所要時間を長くする方向に大きくなるように、相互に関連付けて格納するので、入力部10により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた程度の補正を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点までの予想所要時間を長くする方向に補正の程度を大きくすることで、当該地点及びその周辺地域に関する知識が不足しているために運転が慎重となる利用者に対しても、その利用者の知識水準に応じた適切な予想所要時間を案内することができる。
【0078】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0079】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0080】
(案内制御処理について)
上述の実施の形態では、図4のSB11で、SB5からSB7の各処理で特定された設定に基づき、案内制御部51がディスプレイ30やスピーカ40により走行経路の案内を出力させる際、案内制御部51は、当該案内制御部51がSB5で特定した適用範囲内の走行経路における予想所要時間について、当該案内制御部51がSB6で特定した程度の補正を行った上で目的地までの予想所要時間を算出し、当該予想所要時間をディスプレイ30に表示させると説明したが、これと共に、あるいはこれに代えて、他の案内をディスプレイ30やスピーカ40により出力させるようにしてもよい。例えば、案内制御部51が、当該案内制御部51が算出した予想所要時間に基づき目的地への到着予想時刻を算出し、当該算出した到着予想時刻をディスプレイ30やスピーカ40により出力させるようにしてもよい。また、SB1で入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合、案内制御部51がSB5で特定した適用範囲内の走行経路においては、追い越し車線を走行経路として案内しないようにしてもよい。また、SB1で入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合、案内制御部51がネットワークを介して目的地の気象情報を取得し、当該取得した気象情報に基づく注意喚起(例えば目的地において降雪の可能性がある場合、スタッドレスタイヤの装着やチェーンの装備を確認するメッセージ等)をディスプレイ30やスピーカ40により出力させるようにしてもよい。これにより、目的地及びその周辺地域に関する知識が不足している利用者に対して、さらに充実した案内を行うことができる。
【0081】
また、SB1で入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合において、図4のSB11で案内制御部51がディスプレイ30やスピーカ40により走行経路の案内を出力させる際、当該走行経路の目的地から更に他の地点に向かう走行経路の候補を案内制御部51が予め探索しておき、車両が目的地に到着した際に当該探索した走行経路の候補を案内するようにしてもよい。これにより、目的地及びその周辺地域に関する知識が不足している利用者に対して、目的地到着後の行動の参考となる案内を行うことができる。
【0082】
また、図4の案内制御処理におけるSB5の処理を省略してもよい。この場合、例えば、案内設定DB62に格納されている案内設定情報により特定される設定の適用範囲として一定の範囲(例えば地点が属する市区町村等)を予め定めておき、入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合には、その読みの誤り度合に関わらず、案内制御部51が案内設定情報により特定される設定を当該一定の範囲に適用するようにしてもよい。
【0083】
また、図4の案内制御処理におけるSB6又は7の処理を省略してもよい。すなわち例えば、SB6における、入力部10を介して入力された読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度の特定を省略してもよい。この場合、例えば、予想所要時間の補正の程度として一定の程度(例えば「通常平均車速−7km/h」)を予め定めておき、入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合には、その読みの誤り度合に関わらず、案内制御部51がその読みに対応する地点までの予想所要時間を当該一定の程度で補正するようにしてもよい。あるいは、SB7における、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度の特定を省略してもよい。この場合、例えば、情報の詳細度として一定の程度(例えば簡易情報案内)を予め定めておき、入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合には、その読みの誤り度合に関わらず、案内制御部51がその読みに対応する地点に関する簡易情報を含む案内をディスプレイ30やスピーカ40により出力させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 ナビゲーション装置
10 入力部
20 現在位置検出処理部
30 ディスプレイ
31 簡易情報を含む案内
32 詳細情報を含む案内
33a、33b、33c 予想所要時間を含む案内
40 スピーカ
50 制御部
51 案内制御部
60 データ記録部
61 地図情報DB
62 案内設定DB
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行経路を案内するナビゲーション装置が用いられている。このナビゲーション装置は、例えば利用者により入力手段を介して地名が入力されると、当該入力された地名に対応する地点を目的地として走行経路の探索を行う。
【0003】
ところで、地名を表す漢字列の読みが複数ある場合や、地名を表すアルファベット列の読みが複数ある場合に、利用者がその地名を仮名文字列で入力しようとして、誤った読みの仮名文字列を入力してしまう可能性があった。例えば、漢字で「白金」と表される地名の正しい読みが「しろかね」であるのに対して、誤った読みである「しろがね」と利用者が入力してしまう可能性があった。これに対して、利用者が誤った読みで地名を入力した場合であっても、利用者が意図する地名として認識可能な音声認識装置が提案されている。この音声認識装置では、音声入力部を介して入力された音声波形を解析して仮名文字列データに変換し、その仮名文字列データを、認識辞書部に記憶されている辞書データと照合する。その結果、一致度合の高いデータがあればその仮名文字列データを認識結果とし、一致度合の高いデータがなければ、仮名文字列データを漢字文字列データに変換し、その漢字文字列データを、認識辞書部に記憶されている辞書データと照合する。その結果、一致度合の高いデータがあればその漢字文字列データを認識結果とする(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−282491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、誤った読みで地点の名称を入力した利用者は、当該地点自体や当該地点の周辺地域に関する十分な知識(いわゆる「土地勘」)を有していない可能性がある。しかしながら、上述の如き従来の装置は、利用者が誤った読みで地点の名称を入力した場合に、その利用者が意図する地点の正しい名称を自動的に認識して、その地点に関する案内を行うものに過ぎなかった。従って、利用者が誤った読みで地点の名称を入力した場合には、当該利用者が当該地点に関するいわゆる土地勘を有していない可能性があるにも関わらず、そのことを考慮した適切な案内を行うことができなかった。すなわち従来の装置では、利用者によって入力された読みが正しいか否かに関わらず、その読みに対応する地点に関する画一的な案内を行うに過ぎないため、例えば、その地点に関する土地勘のない利用者にとっては案内に含まれる情報の内容が不十分であったり、その地点に関する土地勘のある利用者にとっては案内に含まれる情報の内容が過剰であったりする可能性があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者によって入力された地点の名称の読みに応じて、適切な案内を行うことができる、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のナビゲーション装置は、地点の名称の読みの入力を受け付ける入力手段と、地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて格納する案内設定情報格納手段と、前記入力手段により受け付けられた読みに対応する前記案内設定情報を前記案内設定情報格納手段から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、当該入力手段により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする案内制御手段と、を備える。
【0008】
また、請求項2に記載のナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に応じた前記設定を特定する前記案内設定情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記案内設定情報により特定される前記設定に対応する前記知識の水準が低くなるように、相互に関連付けて格納する。
【0009】
また、請求項3に記載のナビゲーション装置は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記案内設定情報は、当該案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する適用範囲情報を含み、前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記大きさを特定する前記適用範囲情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記適用範囲情報により特定される前記大きさが大きくなるように、相互に関連付けて格納する。
【0010】
また、請求項4に記載のナビゲーション装置は、請求項2又は3に記載のナビゲーション装置において、前記案内設定情報は、前記地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する詳細度情報を含み、前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記詳細度を特定する前記詳細度情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記詳細度情報により特定される前記詳細度が高くなるように、相互に関連付けて格納する。
【0011】
また、請求項5に記載のナビゲーション装置は、請求項2から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、前記案内設定情報は、前記地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する補正情報を含み、前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記補正の程度を特定する前記補正情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記補正情報により特定される前記補正の程度が前記予想所要時間を長くする方向に大きくなるように、相互に関連付けて格納する。
【0012】
また、請求項6に記載のナビゲーション方法は、地点の名称の読みの入力を受け付ける入力ステップと、地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて記憶手段に格納する案内設定情報格納ステップと、前記入力ステップで受け付けられた読みに対応する前記案内設定情報を前記記憶手段から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、当該入力ステップで受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする案内制御ステップと、を含む。
【0013】
また、請求項7に記載のナビゲーションプログラムは、請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載のナビゲーション装置、請求項6に記載のナビゲーション方法、及び請求項7に記載のナビゲーションプログラムによれば、案内制御手段は、入力手段により受け付けられた読みに対応する案内設定情報を案内設定情報格納手段から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、当該入力手段により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をするので、利用者によって入力された地点の名称の読みに応じて、その地点に関する利用者の土地勘に応じた適切な案内を行うことができる。
【0015】
また、請求項2に記載のナビゲーション装置によれば、案内設定情報格納手段は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に応じた設定を特定する案内設定情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する案内設定情報により特定される設定に対応する知識の水準が低くなるように、相互に関連付けて格納するので、入力手段により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた案内を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程一層内容の充実した案内を行うことで、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準に応じた十分な内容の案内を行うことができる。
【0016】
また、請求項3に記載のナビゲーション装置によれば、案内設定情報格納手段は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する適用範囲情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する適用範囲情報により特定される適用範囲の大きさが大きくなるように、相互に関連付けて格納するので、入力手段により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた範囲に案内設定を適用することができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点に関する案内設定の適用範囲を大きさを大きくすることで、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準に応じた十分な大きさの範囲で案内を行うことができる。
【0017】
また、請求項4に記載のナビゲーション装置によれば、案内設定情報格納手段は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する詳細度情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する詳細度情報により特定される詳細度が高くなるように、相互に関連付けて格納するので、入力手段により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた詳細度の情報を含む案内を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を高くすることで、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準に応じた十分な詳細度の案内を行うことができる。
【0018】
また、請求項5に記載のナビゲーション装置によれば、案内設定情報格納手段は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する補正情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する補正情報により特定される補正の程度が予想所要時間を長くする方向に大きくなるように、相互に関連付けて格納するので、入力手段により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた程度の補正を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点までの予想所要時間を長くする方向に補正の程度を大きくすることで、当該地点及びその周辺地域に関する知識が不足しているために運転が慎重となる利用者に対しても、その利用者の知識水準に応じた適切な予想所要時間を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。
【図2】案内設定DBに格納されている情報を例示した表である。
【図3】案内制御処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】案内制御処理の具体例を示すフローチャートである。
【図5】案内を表示するディスプレイを例示した図であり、図5(a)は入力部を介して入力された読みに対応する地点に関する案内を行わない場合を示した図、図5(b)は入力部を介して入力された読みに対応する地点に関する簡易情報を含む案内を行う場合を示した図、図5(c)は入力部を介して入力された読みに対応する地点に関する詳細情報を含む案内を行う場合を示した図である。
【図6】案内を表示するディスプレイを例示した図であり、図6(a)は通常の平均車速に基づき算出した予想所要時間を案内する場合を示した図、図6(b)は予想所要時間を長くする方向に補正して案内する場合を示した図、図6(c)は予想所要時間を図6(b)の場合よりも更に長くする方向に補正して案内する場合を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、以下の説明ではナビゲーション装置が車両に搭載されている場合を例として説明する。
【0021】
(構成)
最初に、実施の形態に係るナビゲーション装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、入力部10、現在位置検出処理部20、ディスプレイ30、スピーカ40、制御部50、及びデータ記録部60を備えている。
【0022】
(構成−入力部)
入力部10は、地点の名称の読みを含む各種情報の入力を受け付ける入力手段である。ここで「地点の名称」には、例えば地図上の任意の地点の名称(例えば市区町村の名称、字名、山名や湖名等の地理的名称等)や、施設の名称等が含まれる。また、「地点の名称」には、例えば漢字で表記された地点の名称や(例えば市区町村の名称等)、アルファベットで表記された地点の名称(例えば「AAAストアー」のようにアルファベットを含む施設名等)が含まれるものとする。入力部10の具体的な構成は任意で、例えば、ディスプレイ30の前面に設けたタッチパネル、押しボタン、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいは、音声入力を受け付けるマイクの如き音声認識手段を用いて入力部10を構成することができる。
【0023】
(構成−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部20は、ナビゲーション装置1が取り付けられた車両の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在位置検出処理部20は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0024】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ30は、制御部50の制御に基づいて各種情報を表示する表示手段である。なお、このディスプレイ30の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0025】
(構成−スピーカ)
スピーカ40は、制御部50の制御に基づいて各種の音声を出力する音声出力手段である。スピーカ40より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0026】
(構成−制御部)
制御部50は、ナビゲーション装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態に係るナビゲーションプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介してナビゲーション装置1にインストールされることで、制御部50の各部を実質的に構成する。
【0027】
この制御部50は、機能概念的に、案内制御部51を備えている。案内制御部51は、地点に関する案内を所定の設定に基づいて行うための制御をする案内制御手段である。ここで、「地点に関する案内」には、例えばその地点自体についての案内(例えばその地点の位置情報や観光案内等)の他、その地点の周辺施設情報、その地点までの経路案内、その地点までの予想所要時間、その地点への到着予想時刻等、各種の案内が含まれる。この制御部50によって実行される処理の詳細については後述する。
【0028】
(構成−データ記録部)
データ記録部60は、ナビゲーション装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)の如き磁気的記録媒体を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、フラッシュメモリの如き半導体型記憶媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0029】
このデータ記録部60は、地図情報データベース61(以下、データベースをDBと略記する)、及び案内設定DB62を備えている。
【0030】
地図情報DB61は、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、施設データ(各施設の位置、各施設の種別、各施設に関する案内情報等)、地名データ(都道府県や市区町村等の地名、各地名に対応する位置、各地名に関する案内情報等)、地形データ、地図をディスプレイ30に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。
【0031】
案内設定DB62は、地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて格納する案内設定情報格納手段である。図2は、案内設定DB62に格納されている情報を例示した表である。図2に示すように、案内設定DB62には、項目「地点の名称」、「案内設定」、「正しい読み」、及び「誤った読み」に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。さらに案内設定DB62には、地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報が格納されている。項目「地点の名称」に対応して格納される情報は、地点の名称を特定する情報である(図2では「東海町(宮崎)」「弟子屈(北海道)」等)。項目「案内設定」に対応して格納される情報は、地点に関する案内を行う際の設定の項目を特定する情報である(図2では「設定の適用範囲」「予想所要時間の補正の程度」等)。項目「正しい読み」に対応して格納される情報は、項目「地点の名称」に対応して格納されている情報に基づき特定される各地点の名称の正しい読みを特定する情報である(図2では「東海町(宮崎)」について「とうみまち」等)。項目「誤った読み」に対応して格納される情報は、項目「地点の名称」に対応して格納されている情報に基づき特定される各地点の名称の誤った読みを特定する情報であり、各読みの誤り度合に対応付けて格納される(図2では「東海町(宮崎)」について、「誤り度合1」の誤った読みが「とうみちょう」、及び「誤り度合1」よりも誤り度合が高いことを示す「誤り度合2」の誤った読みが「とうかいちょう」等)。
【0032】
また、地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報が、項目「案内設定」に対応して格納されている情報に基づき特定される案内設定の項目毎に、項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている。この案内設定情報は、案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する適用範囲情報、地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する補正情報、及び地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する詳細度情報を含む。この内、案内設定の項目「設定の適用範囲」について項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納される情報は、適用範囲情報である(図2では、項目「正しい読み」に対応して「適用なし」、項目「誤った読み」のうち「誤り度合1」に対応して「地点が属する市区町村」、「誤り度合2」に対応して「地点が属する都道府県」)。また、案内設定の項目「予想所要時間の補正の程度」について項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納される情報は、補正情報である(図2では、項目「正しい読み」に対応して「補正なし」、項目「誤った読み」のうち「誤り度合1」に対応して「通常平均車速−5km/h」、「誤り度合2」に対応して「通常平均車速−10km/h」)。また、案内設定の項目「詳細度」について項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納される情報は、詳細度情報である(図2では、項目「正しい読み」に対応して「地点案内なし」、項目「誤った読み」のうち「誤り度合1」に対応して「簡易情報案内」、「誤り度合2」に対応して「詳細情報案内」)。
【0033】
(処理−案内制御処理)
次に、このように構成されたナビゲーション装置1によって実行される案内制御処理について説明する。図3は、案内制御処理の概要を示したフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この案内制御処理は、例えば、ナビゲーション装置1に電源が投入され、地点の名称の読みの入力画面を表示すべき旨の指示入力が入力部10を介して行われた場合に起動される。
【0034】
図3に示すように、案内制御処理が開始されると、案内制御部51は、入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられるまで待機する(SA1、No)。
【0035】
入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられた場合(SA1、Yes)、案内制御部51は案内設定DB62を参照し、入力部10を介して入力された読みに一致する読みを検索する(SA2)。すなわち、案内制御部51は、案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの内、入力部10を介して入力された読みに一致する読みを検索する。
【0036】
続いて案内制御部51は、SA2の検索の結果、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがあったか否かを判定する(SA3)。その結果、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがなかった場合(SA3、No)、すなわち案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの中には入力部10を介して入力された読みに一致する読みがなかった場合、案内制御部51はSA1に戻り、入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられるまで待機する(SA1、No)。
【0037】
一方、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがあった場合(SA3、Yes)、すなわち案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの中に、入力部10により受け付けられた読みに一致する読みがあった場合、案内制御部51は、入力部10により受け付けられた読みに対応する案内設定情報を案内設定DB62から取得する(SA4)。そして案内制御部は、案内設定DB62から取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、入力部10により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする(SA5)。SA5の処理の後、制御部は案内制御処理を終了する。
【0038】
続いて、図3に示した案内制御処理の具体例について詳細に説明する。図4は案内制御処理の具体例を示したフローチャートである。図4に示すように、案内制御処理が開始されると、案内制御部51は、入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられるまで待機する(SB1、No)。例えば、50音入力画面がディスプレイ30により表示されている場合において、タッチパネルを介して任意の仮名文字列が入力され、当該入力の確定操作が行われた場合に、案内制御部51は入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられたと判定する。
【0039】
入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられた場合(SB1、Yes)、案内制御部51は案内設定DB62を参照し、入力部10を介して入力された読みに一致する読みを検索する(SB2)。すなわち、案内制御部51は、案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの内、入力部10を介して入力された読みに一致する読みを検索する。
【0040】
続いて案内制御部51は、SB2の検索の結果、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがあったか否かを判定する(SB3)。その結果、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがなかった場合(SB3、No)、すなわち案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの中には入力部10を介して入力された読みに一致する読みがなかった場合、例えば利用者の入力ミス等により地点の名称と無関係の仮名文字列が入力されたものとし、案内制御部51はSB1に戻り、入力部10により地点の名称の読みの入力が受け付けられるまで待機する(SB1、No)。この場合、案内制御部51が、入力された読みに対応する地点の名称を特定する情報が案内設定DB62に格納されていない旨を示すエラーメッセージを、ディスプレイ30やスピーカ40を介して出力させるようにしてもよい。
【0041】
一方、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがあった場合(SB3、Yes)、すなわち案内設定DB62の項目「正しい読み」及び「誤った読み」に対応して格納されている情報に基づき特定される読みの中に、入力部10を介して入力された読みに一致する読みがあった場合、案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正しい読みか否か、及び、誤った読みである場合にはその誤り度合を特定する(SB4)。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みに対応する情報が、案内設定DB62の項目「正しい読み」又は「誤った読み」の何れの項目に対応して格納されているのかを特定し、当該情報が案内設定DB62の項目「誤った読み」に対応して格納されている場合には、当該情報に対応する誤り度合を特定する。例えば入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2の例では、案内制御部51は、当該読みは「誤った読み」であり、その誤り度合は「誤り度合1」であると特定する。
【0042】
図4に戻り、案内制御部51は、SB4の特定結果に対応する適用範囲情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した適用範囲情報に基づき、案内設定DB62に格納されている案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する(SB5)。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正しい読みか否か、及び、誤った読みである場合にはその誤り度合に対応する適用範囲情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した適用範囲情報に基づき、案内設定の適用範囲の大きさを特定する。
【0043】
例えば入力部10を介して入力された読みが「せんそうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは正しい読みであるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する適用範囲情報に基づき、案内制御部51は、案内設定の適用範囲の大きさは「適用なし」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正確な読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有しているものとし、当該知識水準に応じた案内の設定として、当該地点に関する特別な案内を行う必要はない旨(すなわち当該地点に関する特別な案内を適用すべき範囲はない旨)を特定する。
【0044】
また、入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合1」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する適用範囲情報に基づき、案内制御部51は、案内設定の適用範囲の大きさは「地点が属する市区町村」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが一部誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有していないものとし、当該知識水準に応じた案内の設定として、誤った読み「せんぞうじ」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都台東区を当該地点に関する案内設定の適用範囲として特定する。なお、案内制御部51は、例えば地図情報DB61に格納されている地名データに基づき、読みに対応する地点が属する市区町村を特定する。
【0045】
また、入力部10を介して入力された読みが「あさくさでら」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合2」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する適用範囲情報に基づき、案内制御部51は、案内設定の適用範囲の大きさは「地点が属する都道府県」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが大きく誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は「誤り度合1」の場合よりも知識を有していないものとし、当該知識水準に応じた案内の設定として、誤った読み「あさくさでら」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都を当該地点に関する案内設定の適用範囲として特定する。
【0046】
このように、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、当該地点に関する案内設定の適用範囲を大きさを大きくし、当該地点及びその周辺地域に関する知識が不足している利用者に対しても十分な案内を提供できるようにしている。
【0047】
図4に戻り、SB5の処理の後、案内制御部51は、SB4の特定結果に対応する補正情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した補正情報に基づき、入力部10を介して入力された読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する(SB6)。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正しい読みか否か、及び、誤った読みである場合にはその誤り度合に対応する補正情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した補正情報に基づき、入力部10を介して入力された読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する。
【0048】
例えば入力部10を介して入力された読みが「せんそうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは正しい読みであるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する補正情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度は「補正なし」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正確な読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有しているものとし、当該地点「浅草寺」までの経路案内における予想所要時間の補正を行う必要はない旨を特定する。
【0049】
また、入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合1」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する補正情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度は「通常平均車速−5km/h」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが一部誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有していないものとし、当該知識水準に対応して、地点「浅草寺」までの経路案内における当該地点までの予想所要時間を算出する際に用いる平均車速を通常の平均車速よりも5km/h遅くすることにより、予想所要時間を長くする必要があるものと特定する。
【0050】
また、入力部10を介して入力された読みが「あさくさでら」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合2」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する補正情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度は「通常平均車速−10km/h」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが大きく誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は「誤り度合1」の場合よりも知識を有していないものとし、当該知識水準に対応して、地点「浅草寺」までの経路案内における当該地点までの予想所要時間を算出する際に用いる平均車速を通常の平均車速よりも10km/h遅くすることにより、予想所要時間を「誤り度合1」の場合よりも更に長くする必要があるものと特定する。
【0051】
このように、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、当該地点までの予想所要時間を長くする方向に補正の程度を大きくし、当該地点及びその周辺地域に関する知識が不足しているために運転が慎重となる利用者に対して適切な予想所要時間を案内できるようにしている。
【0052】
図4に戻り、SB6の処理の後、案内制御部51は、SB4の特定結果に対応する詳細度情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した詳細度情報に基づき、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する(SB7)。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正しい読みか否か、及び、誤った読みである場合にはその誤り度合に対応する詳細度情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した詳細度情報に基づき、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する。
【0053】
例えば入力部10を介して入力された読みが「せんそうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは正しい読みであるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する詳細度情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「地点案内なし」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが正確な読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有しているものとし、当該知識水準に応じた案内に含まれる情報の詳細度として、当該地点「浅草寺」に関する特別な案内を行う必要はない旨を特定する。
【0054】
また、入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合1」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する詳細度情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「簡易情報案内」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが一部誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は十分な水準の知識を有していないものとし、当該知識水準に対応して、地点「浅草寺」に関する簡易情報を含む案内を行う必要があるものと特定する。
【0055】
また、入力部10を介して入力された読みが「あさくさでら」であった場合、図2の例では、当該読みは誤った読みであり、その誤り度合は「誤り度合2」であるとSB4で案内制御部51が特定するので、当該特定結果に対応する詳細度情報に基づき、案内制御部51は、当該読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「詳細情報案内」であると特定する。すなわち案内制御部51は、入力部10を介して入力された読みが大きく誤った読みであることから、当該読みに対応する地点「浅草寺」及びその周辺地域に関して利用者は「誤り度合1」の場合よりも知識を有していないものとし、当該知識水準に対応して、地点「浅草寺」に関する詳細情報を含む案内を行う必要があるものと特定する。このように、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、当該地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を高くし、当該地点及びその周辺地域に関する知識が不足している利用者に対しても十分な案内を提供できるようにしている。
【0056】
図4に戻り、SB7の処理の後、案内制御部51は入力部10を介して入力された読みに対応する地点について、SB7で特定した詳細度の情報を地図情報DB61から取得し、当該情報を含む案内をディスプレイ30やスピーカ40から出力させる(SB8)。図5は案内を表示するディスプレイ30を例示した図であり、図5(a)は入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内を行わない場合を示した図、図5(b)は入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する簡易情報を含む案内を行う場合を示した図、図5(c)は入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する詳細情報を含む案内を行う場合を示した図である。
【0057】
例えばSB7で、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「地点案内なし」であると特定された場合、図5(a)に示すように、案内制御部51は当該地点に関する案内をディスプレイ30やスピーカ40から特に出力させず、単に当該地点を中心とする地図をディスプレイ30に表示させる。
【0058】
また、SB7で、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「簡易情報案内」であると特定された場合、図5(b)に示すように、案内制御部51は、当該地点の名称の正しい読みを案内すると共に、当該地点に関する簡易情報を含む案内31(図5(b)では、地点の名称、所在地、及び電話番号を含む案内)をディスプレイ30に表示させる。
【0059】
また、SB7で、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度は「詳細情報案内」であると特定された場合、図5(c)に示すように、案内制御部51は、当該地点の名称の正しい読みを案内すると共に、当該地点に関する詳細情報を含む案内32(図5(c)では、地点の写真や観光情報を含む案内)をディスプレイ30に表示させる。
【0060】
また、案内制御部51が、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する簡易情報又は詳細情報をディスプレイ30に表示させる際に、当該地点に関する更に詳細な情報(例えば観光案内アプリ等)をネットワークを介してダウンロードするか否かの選択画面を併せてディスプレイ30に表示させるようにしてもよい。また、入力部10を介して入力された読みに対応する地点の周辺に存在する推奨施設についての案内(例えば推奨施設のアイコンを点滅させる等)をディスプレイ30に表示させるようにしてもよい。
【0061】
図4に戻り、SB8の処理の後、案内制御部51は入力部10を介して入力された読みに対応する地点が目的地として設定されたか否かを判定する(SB9)。例えば案内制御部51は、SB4の特定結果に基づき入力部10を介して入力された読みに対応する地点を特定し、当該地点を目的地として設定すべき旨の指示入力が入力部10を介して入力された場合に、当該地点が目的地として設定されたと判定する。
【0062】
その結果、入力部10を介して入力された読みに対応する地点が目的地として設定されなかった場合(SB9、No)、案内制御部51はSB1に戻り、入力部10により新たに地点の名称の読みの入力が受け付けられるまで待機する(SB1、No)。
【0063】
一方、入力部10を介して入力された読みに対応する地点が目的地として設定された場合(SB9、Yes)、案内制御部51は、目的地として設定された地点までの走行経路を探索する(SB10)。案内制御部51は、例えばダイクストラ法等の公知の経路探索手法を用いて走行経路を探索する。
【0064】
続いて案内制御部51は、SB5からSB7の各処理で特定された設定に基づき、ディスプレイ30やスピーカ40により走行経路の案内を出力させる(SB11)。例えば案内制御部51は、当該案内制御部51がSB10で探索した走行経路を地図上に重畳するようにディスプレイ30に表示させると共に、その走行経路を車両が走行した場合における目的地までの予想所要時間を算出し、当該予想所要時間をディスプレイ30に表示させる。図6は案内を表示するディスプレイを例示した図であり、図6(a)は通常の平均車速に基づき算出した予想所要時間を案内する場合を示した図、図6(b)は予想所要時間を長くする方向に補正して案内する場合を示した図、図6(c)は予想所要時間を図6(b)の場合よりも更に長くする方向に補正して案内する場合を示した図である。この予想所要時間の算出に際して、案内制御部51は、当該案内制御部51がSB5で特定した適用範囲内の走行経路における予想所要時間について、当該案内制御部51がSB6で特定した程度の補正を行う。
【0065】
例えば入力部10を介して入力された読みが正しい読み「せんそうじ」であった場合、図2によれば、案内制御部51は案内設定の適用範囲の大きさが「適用なし」であるとSB5で特定する。従って、案内制御部51がSB10で探索した走行経路の全区間について、案内制御部51は補正を行うことなく通常の平均車速に基づき予想所要時間を算出することにより、「浅草寺」までの予想所要時間を算出し、図6(a)に示すように、当該予想所要時間(図6(a)では「1:30」)を含む案内33aをディスプレイ30に表示させる。
【0066】
また、入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2によれば、案内制御部51は誤った読み「せんぞうじ」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都台東区が当該地点に関する案内設定の適用範囲であるとSB5で特定する。また、案内制御部51は誤った読み「せんぞうじ」に対応する地点「浅草寺」までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度は「通常平均車速−5km/h」であるとSB6で特定する。従って案内制御部51は、東京都台東区外の走行経路については通常の平均車速に基づき走行所要時間を算出すると共に、東京都台東区内の走行経路については通常平均車速−5km/hに補正した平均車速に基づき予想所要時間を算出することにより、「浅草寺」までの予想所要時間を算出し、図6(b)に示すように、当該地点「浅草寺」の名称の正しい読み「せんそうじ」及び予想所要時間(図6(b)では「2時間15分」)を含む案内33bをディスプレイ30に表示させる。
【0067】
また、入力部10を介して入力された読みが「あさくさでら」であった場合、上述の「せんぞうじ」よりも誤り度合が高く、浅草寺及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準が低いと考えられることから、案内設定の適用範囲を「せんぞうじ」の場合よりも更に大きくする。すなわち、図2によれば、案内制御部51は誤った読み「あさくさでら」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都が当該地点に関する案内設定の適用範囲であるとSB5で特定する。また、案内制御部51は誤った読み「あさくさでら」に対応する地点「浅草寺」までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度は「通常平均車速−10km/h」であるとSB6で特定する。従って案内制御部51は、東京都外の走行経路については通常の平均車速に基づき走行所要時間を算出すると共に、東京都内の走行経路については通常平均車速−10km/hに補正した平均車速に基づき予想所要時間を算出することにより、「浅草寺」までの予想所要時間を算出し、図6(c)に示すように、当該地点「浅草寺」の名称の正しい読み「せんそうじ」及び予想所要時間(図6(c)では「2時間45分」)を含む案内33cをディスプレイ30に表示させる。さらに、当該地点及びその周辺地域に関する知識水準が特に低いと考えられる利用者向けの情報を案内33cに付加してもよい(図6(c)では「気を付けて運転してください。」)。
【0068】
また、案内制御部51が走行経路の案内をディスプレイ30やスピーカ40から出力させている場合において、案内制御部51がSB5で特定した適用範囲内の地点の名称が入力部10を介して入力された場合には、案内制御部51は、当該入力された名称の地点について、SB7で特定した詳細度の情報を地図情報DB61から取得し、当該情報を含む案内をディスプレイ30やスピーカ40から出力させる。
【0069】
例えば、入力部10を介して入力された読みが「せんそうじ」であった場合、図2によれば、案内制御部51は案内設定の適用範囲の大きさが「適用なし」であるとSB5で特定する。従って案内制御部51は、入力部10を介して入力された任意の地点に関する案内をディスプレイ30やスピーカ40から特に出力させず、例えば単に当該地点を中心とする地図をディスプレイ30に表示させる。
【0070】
また、SB1で入力部10を介して入力された読みが「せんぞうじ」であった場合、図2によれば、案内制御部51は誤った読み「せんぞうじ」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都台東区が当該地点に関する案内設定の適用範囲であるとSB5で特定する。また、案内制御部51は誤った読み「せんぞうじ」に対応する地点「浅草寺」に関する案内に含まれる情報の詳細度は「簡易情報案内」であるとSB7で特定する。従って案内制御部51は、走行経路の案内中に東京都台東区内の任意の地点の名称(例えば「上野動物園」等)が入力部10を介して入力された場合には、当該入力された名称の地点に関する簡易情報を含む案内をディスプレイ30やスピーカ40から出力させる。
【0071】
また、SB1で入力部10を介して入力された読みが「あさくさでら」であった場合、図2によれば、案内制御部51は誤った読み「あさくさでら」に対応する地点「浅草寺」が属する東京都が当該地点に関する案内設定の適用範囲であるとSB5で特定する。また、案内制御部51は誤った読み「あさくさでら」に対応する地点「浅草寺」に関する案内に含まれる情報の詳細度は「詳細情報案内」であるとSB7で特定する。従って案内制御部51は、東京都内の任意の地点の名称(例えば「東京タワー」等)が入力部10を介して入力された場合には、当該入力された名称の地点に関する詳細情報を含む案内をディスプレイ30やスピーカ40から出力させる。
【0072】
SB11の処理の後、制御部50は案内制御処理を終了する。
【0073】
(効果)
このように本実施の形態によれば、案内制御部51は、入力部10により受け付けられた読みに対応する案内設定情報を案内設定DB62から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、入力部10により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をするので、利用者によって入力された地点の名称の読みに応じて、その地点に関する利用者の土地勘に応じた適切な案内を行うことができる。
【0074】
また、案内設定DB62は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に応じた設定を特定する案内設定情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する案内設定情報により特定される設定に対応する知識の水準が低くなるように、相互に関連付けて格納するので、入力部10により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた案内を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程一層内容の充実した案内を行うことで、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準に応じた十分な内容の案内を行うことができる。
【0075】
特に、案内設定DB62は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する適用範囲情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する適用範囲情報により特定される適用範囲の大きさが大きくなるように、相互に関連付けて格納するので、入力部10により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた範囲に案内設定を適用することができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点に関する案内設定の適用範囲を大きさを大きくすることで、当該地点及びその周辺地域に関す利用者の知識水準に応じた十分な大きさの範囲で案内を行うことができる。
【0076】
また、案内設定DB62は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する詳細度情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する詳細度情報により特定される詳細度が高くなるように、相互に関連付けて格納するので、入力部10により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた詳細度の情報を含む案内を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を高くすることで、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準に応じた十分な詳細度の案内を行うことができる。
【0077】
また、案内設定DB62は、地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の複数の補正の程度を特定する補正情報とを、誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する補正情報により特定される補正の程度が予想所要時間を長くする方向に大きくなるように、相互に関連付けて格納するので、入力部10により受け付けられた読みの誤り度合に応じて、その読みに対応する地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に合わせた程度の補正を行うことができる。すなわち、地点の名称の読みの誤り度合が高いほど当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識水準が低いと考えられることから、地点の名称の読みの誤り度合が高い程当該地点までの予想所要時間を長くする方向に補正の程度を大きくすることで、当該地点及びその周辺地域に関する知識が不足しているために運転が慎重となる利用者に対しても、その利用者の知識水準に応じた適切な予想所要時間を案内することができる。
【0078】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0079】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0080】
(案内制御処理について)
上述の実施の形態では、図4のSB11で、SB5からSB7の各処理で特定された設定に基づき、案内制御部51がディスプレイ30やスピーカ40により走行経路の案内を出力させる際、案内制御部51は、当該案内制御部51がSB5で特定した適用範囲内の走行経路における予想所要時間について、当該案内制御部51がSB6で特定した程度の補正を行った上で目的地までの予想所要時間を算出し、当該予想所要時間をディスプレイ30に表示させると説明したが、これと共に、あるいはこれに代えて、他の案内をディスプレイ30やスピーカ40により出力させるようにしてもよい。例えば、案内制御部51が、当該案内制御部51が算出した予想所要時間に基づき目的地への到着予想時刻を算出し、当該算出した到着予想時刻をディスプレイ30やスピーカ40により出力させるようにしてもよい。また、SB1で入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合、案内制御部51がSB5で特定した適用範囲内の走行経路においては、追い越し車線を走行経路として案内しないようにしてもよい。また、SB1で入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合、案内制御部51がネットワークを介して目的地の気象情報を取得し、当該取得した気象情報に基づく注意喚起(例えば目的地において降雪の可能性がある場合、スタッドレスタイヤの装着やチェーンの装備を確認するメッセージ等)をディスプレイ30やスピーカ40により出力させるようにしてもよい。これにより、目的地及びその周辺地域に関する知識が不足している利用者に対して、さらに充実した案内を行うことができる。
【0081】
また、SB1で入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合において、図4のSB11で案内制御部51がディスプレイ30やスピーカ40により走行経路の案内を出力させる際、当該走行経路の目的地から更に他の地点に向かう走行経路の候補を案内制御部51が予め探索しておき、車両が目的地に到着した際に当該探索した走行経路の候補を案内するようにしてもよい。これにより、目的地及びその周辺地域に関する知識が不足している利用者に対して、目的地到着後の行動の参考となる案内を行うことができる。
【0082】
また、図4の案内制御処理におけるSB5の処理を省略してもよい。この場合、例えば、案内設定DB62に格納されている案内設定情報により特定される設定の適用範囲として一定の範囲(例えば地点が属する市区町村等)を予め定めておき、入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合には、その読みの誤り度合に関わらず、案内制御部51が案内設定情報により特定される設定を当該一定の範囲に適用するようにしてもよい。
【0083】
また、図4の案内制御処理におけるSB6又は7の処理を省略してもよい。すなわち例えば、SB6における、入力部10を介して入力された読みに対応する地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度の特定を省略してもよい。この場合、例えば、予想所要時間の補正の程度として一定の程度(例えば「通常平均車速−7km/h」)を予め定めておき、入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合には、その読みの誤り度合に関わらず、案内制御部51がその読みに対応する地点までの予想所要時間を当該一定の程度で補正するようにしてもよい。あるいは、SB7における、入力部10を介して入力された読みに対応する地点に関する案内に含まれる情報の詳細度の特定を省略してもよい。この場合、例えば、情報の詳細度として一定の程度(例えば簡易情報案内)を予め定めておき、入力部10を介して入力された読みが誤った読みであった場合には、その読みの誤り度合に関わらず、案内制御部51がその読みに対応する地点に関する簡易情報を含む案内をディスプレイ30やスピーカ40により出力させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 ナビゲーション装置
10 入力部
20 現在位置検出処理部
30 ディスプレイ
31 簡易情報を含む案内
32 詳細情報を含む案内
33a、33b、33c 予想所要時間を含む案内
40 スピーカ
50 制御部
51 案内制御部
60 データ記録部
61 地図情報DB
62 案内設定DB
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地点の名称の読みの入力を受け付ける入力手段と、
地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて格納する案内設定情報格納手段と、
前記入力手段により受け付けられた読みに対応する前記案内設定情報を前記案内設定情報格納手段から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、当該入力手段により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする案内制御手段と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に応じた前記設定を特定する前記案内設定情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記案内設定情報により特定される前記設定に対応する前記知識の水準が低くなるように、相互に関連付けて格納する、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記案内設定情報は、当該案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する適用範囲情報を含み、
前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記大きさを特定する前記適用範囲情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記適用範囲情報により特定される前記大きさが大きくなるように、相互に関連付けて格納する、
請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記案内設定情報は、前記地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する詳細度情報を含み、
前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記詳細度を特定する前記詳細度情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記詳細度情報により特定される前記詳細度が高くなるように、相互に関連付けて格納する、
請求項2又は3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記案内設定情報は、前記地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する補正情報を含み、
前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記補正の程度を特定する前記補正情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記補正情報により特定される前記補正の程度が前記予想所要時間を長くする方向に大きくなるように、相互に関連付けて格納する、
請求項2から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
地点の名称の読みの入力を受け付ける入力ステップと、
地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて記憶手段に格納する案内設定情報格納ステップと、
前記入力ステップで受け付けられた読みに対応する前記案内設定情報を前記記憶手段から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、当該入力ステップで受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする案内制御ステップと、
を含むナビゲーション方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させるナビゲーションプログラム。
【請求項1】
地点の名称の読みの入力を受け付ける入力手段と、
地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて格納する案内設定情報格納手段と、
前記入力手段により受け付けられた読みに対応する前記案内設定情報を前記案内設定情報格納手段から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、当該入力手段により受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする案内制御手段と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、当該地点及びその周辺地域に関する利用者の知識の水準に応じた前記設定を特定する前記案内設定情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記案内設定情報により特定される前記設定に対応する前記知識の水準が低くなるように、相互に関連付けて格納する、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記案内設定情報は、当該案内設定情報により特定される設定の適用範囲の大きさを特定する適用範囲情報を含み、
前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記大きさを特定する前記適用範囲情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記適用範囲情報により特定される前記大きさが大きくなるように、相互に関連付けて格納する、
請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記案内設定情報は、前記地点に関する案内に含まれる情報の詳細度を特定する詳細度情報を含み、
前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記詳細度を特定する前記詳細度情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記詳細度情報により特定される前記詳細度が高くなるように、相互に関連付けて格納する、
請求項2又は3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記案内設定情報は、前記地点までの経路案内における当該地点までの予想所要時間の補正の程度を特定する補正情報を含み、
前記案内設定情報格納手段は、前記地点の名称の読みに関する誤り度合と、前記補正の程度を特定する前記補正情報とを、前記誤った読みの誤り度合が高いほど、当該誤った読みに対応する前記補正情報により特定される前記補正の程度が前記予想所要時間を長くする方向に大きくなるように、相互に関連付けて格納する、
請求項2から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
地点の名称の読みの入力を受け付ける入力ステップと、
地点の名称の正しい読み及び誤った読みと、当該地点に関する案内を行う際の設定を特定する案内設定情報とを、相互に関連付けて記憶手段に格納する案内設定情報格納ステップと、
前記入力ステップで受け付けられた読みに対応する前記案内設定情報を前記記憶手段から取得し、当該取得した案内設定情報により特定される設定に基づき、当該入力ステップで受け付けられた読みに対応する地点に関する案内を行うための制御をする案内制御ステップと、
を含むナビゲーション方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させるナビゲーションプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−122853(P2012−122853A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274010(P2010−274010)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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