説明

ナビゲーション装置、操作音出力方法

【課題】操作音を動的に変化させ、様々な情報をユーザに伝える。
【解決手段】ナビゲーション装置1において、記憶部190は、所定の設定条件(例えば、所定の速度範囲)ごとに操作音を関連付けた設定条件情報53を有する。パラメータ取得部170は、所定のパラメータ(例えば、車速)を所定の周期で取得する。操作音設定部180は、取得されたパラメータと合致する設定条件を有する設定条件情報53を特定する。そして、特定した設定条件情報53の操作音を操作音として設定する。操作音出力部160は、入力受付部150を介してユーザの操作を検知すると、設定された操作音を音声出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、およびナビゲーション装置における操作音出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載されるナビゲーション装置がある(例えば、特許文献1)。このようなナビゲーション装置は、例えば、タッチパネルを備える表示装置に表示された地図や操作ボタンなどがユーザによりタッチされた場合、スピーカなどの音声出力装置から所定の音声を出力する。このような音声は、操作音やビープ音などと呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−85939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなナビゲーション装置において、操作音は、予め固定的に設定されており、ユーザの操作の度に毎回同じ音声が出力される。すなわち、操作音は、動的に変化しない。
【0005】
そのため、操作音は、ユーザにとって単調に感じられ、面白味に欠けるものとなっている。また、このような単調な操作音では、ユーザの注意を喚起する機能が低下する。
【0006】
そこで、本発明は、操作音を動的に変化させ、様々な情報をユーザに伝えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明の一態様は、地図情報を用いて経路誘導を行うナビゲーション装置であって、ユーザによって操作される操作手段と、ユーザによる前記操作手段の操作を検出する入力受付手段と、所定の条件に応じて前記操作手段の操作音を設定する操作音設定手段と、前記操作手段の操作が検出されると、前記操作音設定手段によって設定された操作音を出力する操作音出力手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
ここで、上記のナビゲーション装置であって、所定のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、所定の設定条件と操作音を関連付けた複数の設定条件情報を記憶する記憶手段と、を有し、前記操作音設定手段は、取得したパラメータと合致する設定条件を有する設定条件情報を特定し、設定された操作音を、特定した設定条件に関連付けられた操作音に変更する、ことを特徴としていてもよい。
【0009】
また、上記のナビゲーション装置であって、前記パラメータは、車速を示す情報であり、前記設定条件は、所定の速度範囲を示す情報である、ことを特徴としていてもよい。
【0010】
また、上記のナビゲーション装置であって、前記パラメータは、前記操作手段の操作の回数を示す情報であり、前記設定条件は、所定の回数の範囲を示す情報である、ことを特徴としていてもよい。
【0011】
また、上記のナビゲーション装置であって、前記パラメータは、道路の混雑度、天候、日時、推奨経路上のカーブ数、目的地までの距離、現在地周辺の状況、目的地の特性、燃料の残量のいずれかを示す情報であり、前記設定条件は、前記パラメータのそれぞれ対応する所定の、道路の混雑度、天候、道路の混雑度、天候、日時、推奨経路上のカーブ数、目的地までの距離、現在地周辺の状況、目的地の特性、燃料の残量のいずれかを示す情報である、ことを特徴としていてもよい。
【0012】
上記の課題を解決するための本発明の他の態様は、ユーザによって操作される操作手段を有し、地図情報を用いて経路誘導を行うナビゲーション装置における操作音出力方法であって、前記ナビゲーション装置は、ユーザによる前記操作手段の操作を検出する入力受付ステップと、所定の条件に応じて前記操作手段の操作音を設定する操作音設定ステップと、前記操作手段の操作が検出されると、前記操作音設定ステップによって設定された操作音を出力する操作音出力ステップと、を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、所定の条件に応じて操作音を変更することにより、様々な情報をユーザに伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図。
【図2】地図情報のデータ構造の例を説明するための図。
【図3】操作音情報のデータ構造の例を説明するための図。
【図4】設定条件情報のデータ構造の例を説明するための図(その1)。
【図5】設定条件情報のデータ構造の例を説明するための図(その2)。
【図6】ナビゲーション装置の機能構成を示すブロック図。
【図7】操作音の変更を行う処理の流れを示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態が適用されたナビゲーション装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【0017】
ナビゲーション装置1は、車両などに搭載され、地図情報、経路情報、渋滞情報などの交通情報を表示してユーザを誘導するナビゲーション処理を行うための装置である。
【0018】
もちろん、ナビゲーション装置1は、車両に備え付けられたものでなくてもよく、例えば、持ち運び可能なPND(Personal Navigation Device)などであってもよい。また、車内LAN(Local Area Network)、CAN(Controller Area Network)などの車内通信回線を介して他の車載機器やセンサなどの車両機器と通信を行ってもよい。
【0019】
ナビゲーション装置1は、演算処理部10、表示装置20、入力装置30(タッチパネル31、ダイヤルスイッチ32)、音声入出力装置40(スピーカ41、マイクロフォン42)、記憶装置50、車速センサ60、ジャイロセンサ62、GPS(Global Positioning System)受信装置64、FM多重放送受信装置66、ビーコン受信装置68を有する。
【0020】
もちろん、ナビゲーション装置1は、上記の構成に限られず、例えば、地上デジタル放送用のチューナーや、携帯電話回線やインターネットなどの通信ネットワークと接続する通信装置を有していてもよい。
【0021】
演算処理部10は、上記の各装置を制御し、様々な処理を行う中心的ユニットである。演算処理部10は、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)11と、実行するプログラムや必要なデータを格納するRAM(Random Access Memory)12やROM(Read Only Memory)13などのメモリと、他の装置を通信により制御するためのインタフェース(I/F)14とが、信号線15により接続されて構成される。
【0022】
演算処理部10は、例えば、車速センサ60、ジャイロセンサ62、GPS受信装置64から出力される情報を用いて現在地を算出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図情報を記憶装置50から読み出す。
【0023】
また、演算処理部10は、読み出した地図情報をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねて表示装置20へ表示する。また、地図情報を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を算出して、表示装置20へ表示する。
【0024】
また、演算処理部10は、例えば、スピーカ41を介してユーザを誘導するための音声や操作音を出力する。また、マイクロフォン42や入力装置30を介してユーザの要求を受け付け、要求に対応する処理を実行する。
【0025】
また、演算処理部10は、例えば、FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して、情報センターから交通情報などを受信して表示装置20へ表示する。
【0026】
表示装置20は、演算処理部10で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。表示装置20は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0027】
入力装置30は、ユーザの指示をユーザの操作により受け付けるためのユニットである。入力装置30は、タッチパネル31と、ダイヤルスイッチ32と、その他のハードスイッチ(図示せず)であるスクロールキー、縮尺変更キー、キーボードなどで構成される。
【0028】
タッチパネル31は、表示装置20の表示面に貼られた透過性のある操作パネルである。タッチパネル31は、表示装置20に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して演算処理部10に出力する。タッチパネル31は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0029】
ダイヤルスイッチ32は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部10に出力する。演算処理部10では、パルス信号の数から、ダイヤルスイッチ32の回転角度を求める。
【0030】
音声入出力装置40は、音声出力装置としてスピーカ41と、音声入力装置としてマイクロフォン42とを備える。スピーカ41は、演算処理部10で生成された音声信号を出力する。マイクロフォン42は、ユーザその他の搭乗者から発せられた音声などの、ナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0031】
スピーカ41とマイクロフォン42とは、車両の所定の部位に、別個に配置されている。もちろん、スピーカ41とマイクロフォン42とは、一体の筐体に収納されていてもよい。また、ナビゲーション装置100は、スピーカ41およびマイクロフォン42を、それぞれ複数備えることができる。
【0032】
記憶装置50には、演算処理部10が各種処理を実行するために必要な、プログラムやデータ、ナビゲーション処理に使用される地図情報、音声認識に使用される音声辞書など(図示せず)が格納される。また、記憶装置50には、操作音に関する情報(図示せず)が格納される。これらの情報は、演算処理部10のCPU11によってRAM12上に読み出されて使用される。記憶装置50は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVD-ROMなどにより構成される。
【0033】
ここで、図2〜5を参照して、地図情報および操作音に関する情報(操作音情報、設定条件情報)について説明する。
【0034】
図2は、地図情報のデータ構造の例を説明するための図である。
【0035】
本図に示すように、地図情報51は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)5111ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ5120を含んでいる。リンクデータ5120は、リンクの識別コード(リンクID)5121ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報5122、リンクを含む道路の種別情報5123、リンクの長さを示すリンク長情報5124、リンク旅行時間5125、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)5126、リンクに含まれる車線の数を示す車線数5127などを含んでいる。リンクの道路種別には、有料道路か否かの情報が格納されている。
【0036】
もちろん、地図情報51の構成は上記に限られない。
【0037】
図3は、操作音情報のデータ構造の例を説明するための図である。
【0038】
本図に示すように、操作音情報52は、操作音を識別するためのコード(操作音ID)5122と操作音の音声データ5212が対応付けられたエントリを有する。本実施形態では、複数の音声データ5212が予め格納される。
【0039】
音声データ5212は、ユーザにより登録されるようにしてもよい。例えば、演算処理部10は、マイクロフォン42を介してユーザの音声を録音し、音声データ5212として操作音情報52に格納することができる。また、演算処理部10は、持ち運び可能な記憶媒体に格納されたオーディオファイルなどを読み込んで音声データ5212として格納するようにしてもよい。また、演算処理部10は、通信装置(図示しない)を介してオーディオファイルなどをネットワークからダウンロードして音声データ5212として格納するようにしてもよい。
【0040】
もちろん、操作音情報52の構成は上記に限られない。
【0041】
図4は、設定条件情報のデータ構造の例を説明するための図である。設定条件情報52は、所定の条件に応じて設定される操作音を特定するための情報である。
【0042】
本図に示すように、設定条件情報53は、設定条件5311と、操作音ID5312とが対応付けられたエントリを複数有する。設定条件5311は、対応付けられた操作音ID5312が示す音声データを操作音として設定するための条件を示す情報である。操作音ID5312は、操作音情報52の操作音ID5211と対応する情報である。
【0043】
ここでは、設定条件5311として、車速(単位:km/h)を用いている。すなわち、所定の速度範囲ごとに異なる操作音が対応付けられている。このような設定条件情報53を用いることにより、速度に応じて操作音が変更されることができる。また、例えば、速度が高い場合ほど、ユーザに危険を感じさせる音声データを関連付けておけば、ユーザに運転の注意を促すことができる。速度が高い場合ほど、操作音の音量を大きくするようにしてもよい。
【0044】
もちろん、設定条件情報53の構成は上記に限られない。
【0045】
例えば、図5では、設定条件5311として、操作回数(単位:回)を用いている。操作回数は、車両の走行中にユーザがナビゲーション装置を操作した回数、例えば、表示装置20に表示された操作ボタンやハードスイッチのタッチ回数である。すなわち、所定の操作回数の範囲ごとに異なる操作音が対応付けられている。このような設定条件情報53を用いることにより、操作回数に応じて操作音が変更されることができる。また、例えば、操作回数が多い場合ほど、ユーザに危険を感じさせる音声データを関連付けておけば、ユーザに運転の注意を促すことができる。操作回数が多い場合ほど、操作音の音量を大きくするようにしてもよい。
【0046】
なお、設定条件情報53は、ユーザにより設定されるようにしてもよい。例えば、演算処理部10が、設定条件と操作音の設定を受け付けるための操作画面を表示装置20に表示し、設定条件と、当該設定条件に対応する操作音の指定を受け付ける。
【0047】
図1に戻って、車速センサ60、ジャイロセンサ62、及び、GPS受信装置64は、移動体(ナビゲーション装置1)の現在位置(自車位置)などを検出するために使用される。
【0048】
車速センサ60は、車速を算出するために用いる車速データを出力するセンサである。ジャイロセンサ62は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置64は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、移動体の現在位置や進行速度を測定する。
【0049】
上記のようにして検出されたデータは、演算処理部10に送られて、ナビゲーション処理に使用される。もちろん、各種センサは、車内LANやCANを介してナビゲーション装置1と接続されていてもよい。
【0050】
FM多重放送受信装置66は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などや、FM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0051】
ビーコン受信装置68は、ビーコンから送られてくる渋滞情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報などを受信する。
【0052】
次に、図6を参照して、ナビゲーション装置1の機能構成について説明する。図6は、ナビゲーション装置の機能構成を示すブロック図である。
【0053】
本図に示すように、ナビゲーション装置1は、主制御部110、現在地算出部120、経路算出部130、表示処理部140、入力受付部150、操作音出力部160、パラメータ取得部170、操作音設定部180、記憶部190を有する。記憶部190は、地図情報51、操作音情報52、設定条件情報53を有する。
【0054】
主制御部110、現在地算出部120、経路算出部130、表示処理部140、入力受付部150、操作音出力部160、パラメータ取得部170、操作音設定部180は、演算処理部10のCPU11が、記憶装置50やROM13から、所定のプログラムやデータをRAM12上にロードして実行することにより構築される。記憶部190は、記憶装置50やRAM12により構築される。
【0055】
主制御部110は、ナビゲーション装置1の本来の基本動作であるナビゲーション処理(例えば、交通情報の表示、現在位置の表示、経路の表示、経路誘導等)を行う。
【0056】
具体的には、主制御部110は、現在地算出部120が算出した現在地周辺の地図情報を記憶部190から読み出す。そして、読み出した地図情報に現在地情報を重ねて表示するように表示処理部140に指示する。
【0057】
また、主制御部110は、経路算出部130が算出した経路情報がある場合は、その経路を表示するように表示処理部140に指示する。FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して取得した交通情報を表示するようにしてもよい。また、主制御部110は、スピーカ41を用いてユーザを案内する音声を出力する。また、入力受付部150を介して受け付けたユーザの操作に対応する処理を行う。
【0058】
現在地算出部120は、所定の間隔毎(例えば、所定距離毎、所定時間毎)に、車速センサ60、ジャイロセンサ62、GPS受信装置64から出力される情報を用いて現在地を算出する。算出された現在地情報は、主制御部110、経路算出部130などに送られてそれらの処理に使用される。
【0059】
経路算出部130は、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ推奨経路の探索を行う。
【0060】
具体的には、経路算出部130は、まず、入力受付部150を介してユーザにより指定された目的地を取得する。また、現在地算出部120から現在地を取得する。また、地図情報51を記憶部190から読み出す。そして、ダイクストラ法等を用いて、2地点(現在地と目的地)間を結ぶ経路を、所定の地点(ノード)を結ぶ道路(リンク)をリンクコスト(例えば、距離や旅行時間)に換算して、経路上の総コストが他の経路に対して最少となる経路を探索する。
【0061】
なお、FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して取得した交通情報を用いて最適な経路を探索するようにしてもよい。
【0062】
表示処理部140は、他の機能部の指示を受け付け、表示装置20に画面を表示させるための描画コマンドを生成して出力する。例えば、指定されたスケール、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、経由地、目的地、推奨経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。また、ユーザの指示を受け付けるためのメニュー項目や、操作ボタンなどの画像を描画するように描画コマンドを生成する。
【0063】
入力受付部150は、入力装置30を介して入力されたユーザの操作を受け付け、その操作内容を解析して、その操作内容に対応する処理が実行されるように他の機能部を制御する。また、マイクロフォン42を介して入力された音声から、音声認識により対応する操作内容を解析して、その操作内容に対応する処理が実行されるように他の機能部を制御する。
【0064】
例えば、ユーザが地図、メニュー項目、操作ボタンなどのタッチ操作を行ったときは、入力受付部150は、設定された操作音を出力するように操作音出力部160に要求する。また、例えば、ユーザが推奨経路の探索を要求したときは、入力受付部150は、目的地の設定を受け付けるための地図情報やダイアログ、ウインドウなどを表示する処理を、経路算出部130に要求する。
【0065】
操作音出力部160は、入力受付部150を介して、地図、メニュー項目、操作ボタンなどのタッチ操作を検知すると、操作音設定部180により設定されている操作音をスピーカ41を介して出力する。
【0066】
パラメータ取得部170は、所定のパラメータを取得する。パラメータは、設定条件情報53の設定条件5311と比較を行うための情報である。
【0067】
例えば、設定条件として車速を用いる場合(図5参照)、パラメータ取得部170は、所定の間隔毎に、車速センサ60から出力されるデータを用いて車速データを算出し、保持する。算出された車速データは、操作音設定部180により用いられる。
【0068】
また、例えば、設定条件として操作回数を用いる場合(図6参照)、パラメータ取得部170は、入力受付部150を介してタッチ操作を検知し、車両が走行中の間、タッチ操作の回数をカウントし、保持する。なお、車両が停止した場合、操作回数を0回にリセットするようにしてもよい。
【0069】
操作音設定部180は、所定の間隔毎に、パラメータ取得部170が保持しているパラメータを取得し、設定条件情報53の各エントリの設定条件5311と比較を行う。そして、合致する設定条件5311を有するエントリを特定し、操作音ID5312を取得する。
【0070】
また、操作音設定部180は、取得した操作音ID5312と一致する操作音ID5211を有するエントリを、操作音情報52の中から特定し、音声データ5212を取得する。そして、当該音声データ5212を、操作音として設定する。このようにして、操作音の変更が行われる。
【0071】
次に、上述のハードウェアおよび機能部により実現される処理について、図7を参照して説明する。
【0072】
図7は、操作音の変更を行う処理の流れを示すフロー図である。本フローは、ナビゲーション装置1の起動後開始される。なお、本フローは、所定の間隔毎(例えば、1秒毎)に実行される。
【0073】
まず、パラメータ取得部170は、所定のパラメータを取得する(S100)。
【0074】
例えば、設定条件として車速が用いられる場合(図5参照)、パラメータ取得部170は、車速センサ60から出力されるデータから車速データを算出し、保持する。また、例えば、設定条件として操作回数が用いられる場合(図6参照)、パラメータ取得部170は、入力受付部150を介してタッチ操作を検知し、タッチ操作の回数をカウントし、保持する。なお、この場合、本フローの周期とは関係なく、回数をカウントするものとする。
【0075】
それから、操作音設定部180は、設定条件の判定を行う(S110)。
【0076】
具体的には、操作音設定部180は、パラメータ取得部170が保持しているパラメータを取得し、設定条件情報53の各エントリの設定条件5311と比較を行う。そして、合致する設定条件5311を有するエントリを特定し、操作音ID5312を取得する。
【0077】
例えば、設定条件として車速が用いられる場合(図5参照)、操作音設定部180は、パラメータ取得部170から車速を取得し、各エントリの所定の速度範囲を示す設定条件5311との比較を行う。そして、取得した車速が含まれる速度範囲を有するエントリを特定し、操作音ID5312を取得する。
【0078】
また、例えば、設定条件として操作回数が用いられる場合(図6参照)、操作音設定部180は、パラメータ取得部170から操作回数を取得し、各エントリの所定の回数範囲を示す設定条件5311との比較を行う。そして、取得した操作回数が含まれる回数範囲を有するエントリを特定し、操作音ID5312を取得する。
【0079】
操作音ID5312を取得すると、操作音設定部180は、取得した操作音ID5312と、現在設定されている操作音の操作音IDとを比較し、操作音の変更が必要か否かを判定する。そして、設定されている操作音を変更する必要があると判定した場合(S110でYES)、S120に進む。一方、変更する必要がないと判定した場合(S110でNO)、S100に戻る。
【0080】
設定されている操作音を変更する必要があると判定した場合(S110でYES)、操作音設定部180は、操作音の変更を行う(S120)。
【0081】
具体的には、S110で特定したエントリの操作音ID5312と一致する操作音ID5211を有するエントリを、操作音情報52の中から特定し、音声データ5212を取得する。そして、当該音声データ5212を、操作音として設定する。
【0082】
以上のようにして、所定の条件に応じて設定音が変更される。また、ユーザに運転の注意を促すことができる。
【0083】
以上、本発明の一実施形態について説明した。本実施形態によれば、操作音を動的に変化させ、様々な情報をユーザに伝えることができる。
【0084】
すなわち、車速や操作回数などの所定の条件に応じて、操作音が変化する。例えば、車速や操作回数が増加するに従って、人間がより危険を感じる操作音を設定するようにすれば、ユーザに、運転中のナビゲーション装置の操作の注意や、運転の注意を促すことができる。
【0085】
以上、本発明について、例示的な実施形態と関連させて記載した。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかであることは明白である。したがって、上に記載の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するものではない。
【0086】
例えば、設定条件として以下(1)〜(7)を設定するようにしてもよい。
【0087】
(1)道路状況:設定条件情報53に、道路の渋滞の混雑度(例えば、渋滞、混雑、順調など)を示す設定条件5311と、設定条件に応じた操作音ID5312を対応付けたエントリを格納する。パラメータ取得部170は、FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して渋滞情報を取得する。操作音設定部180は、取得されたパラメータを用いて設定条件に応じた操作音を設定する。これにより、道路状況に応じて、ユーザに、運転中のナビゲーション装置の操作の注意や、運転の注意を促すことができる。
【0088】
(2)天候:例えば、設定条件情報53に、天候(例えば、強風、雨、雪、晴れ)を示す設定条件5311と、設定条件に応じた操作音ID5312を対応付けたエントリを格納する。パラメータ取得部170は、FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して天候情報を取得する。操作音設定部180は、取得されたパラメータを用いて設定条件に応じた操作音を設定する。これにより、天候に応じて、ユーザに、運転中のナビゲーション装置の操作の注意や、運転の注意を促すことができる。
【0089】
(3)日時:例えば、設定条件情報53に、時間帯(例えば、昼間、夕方、夜などの時間帯)を示す設定条件5311と、設定条件に応じた操作音ID5312を対応付けたエントリを格納する。パラメータ取得部170は、ナビゲーション装置に設定されている時間情報を取得する。操作音設定部180は、取得されたパラメータを用いて設定条件に応じた操作音を設定する。これにより、時間帯に応じて、ユーザに、運転中のナビゲーション装置の操作の注意や、運転の注意を促すことができる。季節に応じて、時間帯を変更するようにしてもよい。
【0090】
(4)推奨経路上のカーブ数:例えば、設定条件情報53に、カーブの数(例えば、現在地から所定距離内に存在する推奨経路上のカーブ数、もしくはカーブ数の範囲)を示す設定条件5311と、設定条件に応じた操作音ID5312を対応付けたエントリを格納する。パラメータ取得部170は、現在地情報と経路情報とを用いてカーブの数を算出する。操作音設定部180は、取得されたパラメータを用いて設定条件に応じた操作音を設定する。これにより、現在地から所定距離内に存在する推奨経路上のカーブの数に応じて、ユーザに、運転中のナビゲーション装置の操作の注意や、運転の注意を促すことができる。
【0091】
(5)目的地までの距離:例えば、設定条件情報53に、現在地から目的地までの距離、もしくは距離の範囲を示す設定条件5311と、設定条件に応じた操作音ID5312を対応付けたエントリを格納する。パラメータ取得部170は、現在地情報と目的地情報等を用いて距離を算出する。操作音設定部180は、取得されたパラメータを用いて設定条件に応じた操作音を設定する。例えば、現在地から目的地までの距離が短くなるほど、ユーザが楽しさを感じる操作音を関連付けておけば、ユーザに対するエンタテイメント性を高めることができる。また、ユーザは、目的地までの距離を直感的に認識することができる。
【0092】
(6)現在地周辺の状況:例えば、設定条件情報53に、現在地周辺の状況(例えば、スキー場、動物園、プールなどの施設や、海、山、川などの地形)を示す設定条件5311と、設定条件に応じた操作音ID5312を対応付けたエントリを格納する。パラメータ取得部170は、地図情報を用いて現在地周辺の状況を特定する。操作音設定部180は、取得されたパラメータを用いて設定条件に応じた操作音を設定する。例えば、現在地周辺の施設や地形に応じて、それらの施設や地形をユーザがイメージ可能な音声データを関連付けておけば、ユーザに対するエンタテイメント性を高めることができる。また、ユーザは、現在地周辺の状況を直感的に認識することができる。
【0093】
もちろん、目的地の特性(例えば、スキー場、動物園、プールなどの施設や、海、山、川などの地形)を設定条件としてもよい。地図情報から特定される目的地の施設や周辺の地形に応じて、それらの施設や地形をユーザがイメージ可能な音声データを関連付けておけば、ユーザに対するエンタテイメント性を高めることができる。また、季節(例えば、春、夏、秋、冬)を設定条件としてもよい。季節(日時)に応じて、それらの季節をユーザがイメージ可能な音声データを関連付けておけば、ユーザに対するエンタテイメント性を高めることができる。
【0094】
(7)燃料の残量:例えば、設定条件情報53に、ガソリン残量、もしくはガソリン残量の範囲を示す設定条件5311と、設定条件に応じた操作音ID5312を対応付けたエントリを格納する。パラメータ取得部170は、液面センサ等で構成されるセンサからガソリン残量を検知する。操作音設定部180は、取得されたパラメータを用いて設定条件に応じた操作音を設定する。例えば、ガソリンが十分にある場合には、ユーザが多量の液体をイメージ可能な音声データを関連付け、ガソリン残量が少ない場合には、ユーザが液体が枯れる様子をイメージ可能な音声データ(例えば、かすれたような音)を関連付けておけば、ユーザは、ガソリン残量を直感的に認識することができる。なお、燃料は、ガソリンに限られず、軽油、水素、電気エネルギーなどであってもよい。
【0095】
なお、設定条件には、以上に挙げた各種設定条件のうち、いずれか一つが設定されてもよいし、複数の組み合わせが設定されてもよい。例えば、車速と時間帯を組み合わせれば、より細かな状況に応じた操作音の設定をすることができる。
【符号の説明】
【0096】
1:ナビゲーション装置、10:演算処理部、11:CPU、12:RAM、13:ROM、14:I/F、15:信号線、20:表示装置、30:入力装置、31:タッチパネル、32:ダイヤルスイッチ、40:音声入出力装置、41:スピーカ、42:マイクロフォン、50:記憶装置、51:地図情報、52:操作音情報、53:設定条件情報、60:車速センサ、62:ジャイロセンサ、64:GPS受信装置、66:FM多重放送受信装置、68:ビーコン受信装置、
5111:メッシュID、5120:リンクデータ、5121:リンクID、5122:座標情報、5123:種別情報、5124:リンク長情報、5125:リンク旅行時間、5126:接続リンクID、5127:車線数、
5211:操作音ID、5212:音声データ、
5311:設定条件、5312:操作音ID、
110:主制御部、120:現在地算出部、130:経路算出部、140:表示処理部、150:入力受付部、160:操作音出力部、170:パラメータ取得部、180:操作音設定部、190:記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を用いて経路誘導を行うナビゲーション装置であって、
ユーザによって操作される操作手段と、
ユーザによる前記操作手段の操作を検出する入力受付手段と、
所定の条件に応じて前記操作手段の操作音を設定する操作音設定手段と、
前記操作手段の操作が検出されると、前記操作音設定手段によって設定された操作音を出力する操作音出力手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
所定のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
所定の設定条件と操作音を関連付けた複数の設定条件情報を記憶する記憶手段と、を有し、
前記操作音設定手段は、
取得したパラメータと合致する設定条件を有する設定条件情報を特定し、設定された操作音を、特定した設定条件に関連付けられた操作音に変更する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記パラメータは、車速を示す情報であり、
前記設定条件は、所定の速度範囲を示す情報である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のナビゲーション装置であって、
前記パラメータは、前記操作手段の操作の回数を示す情報であり、
前記設定条件は、所定の回数の範囲を示す情報である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記パラメータは、道路の混雑度、天候、日時、推奨経路上のカーブ数、目的地までの距離、現在地周辺の状況、目的地の特性、燃料の残量のいずれかを示す情報であり、
前記設定条件は、前記パラメータのそれぞれ対応する所定の、道路の混雑度、天候、道路の混雑度、天候、日時、推奨経路上のカーブ数、目的地までの距離、現在地周辺の状況、目的地の特性、燃料の残量のいずれかを示す情報である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
ユーザによって操作される操作手段を有し、地図情報を用いて経路誘導を行うナビゲーション装置における操作音出力方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
ユーザによる前記操作手段の操作を検出する入力受付ステップと、
所定の条件に応じて前記操作手段の操作音を設定する操作音設定ステップと、
前記操作手段の操作が検出されると、前記操作音設定ステップによって設定された操作音を出力する操作音出力ステップと、
を行うことを特徴とする操作音出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−271264(P2010−271264A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125150(P2009−125150)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】