ナビゲーション装置、方法及びプログラム
【課題】 ユーザ個性及び状況に応じてナビゲーション方式を変更するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態のナビゲーション装置は、行動認識部、第1推定部、第2推定部、ユーザ状況推定部、ユーザ個性推定部及びナビゲーション方式決定部を備える。行動認識部は、1以上のセンサを用いてユーザの行動を認識する。第1推定部は、第1期間のユーザの行動を記録した現在行動履歴に基づいて、現在行動傾向を推定する。第2推定部は、前記第1期間より長い第2期間のユーザの行動を記録した通常行動履歴に基づいて、通常行動傾向を推定する。ユーザ状況推定部は、前記現在行動傾向に基づいて、ユーザの状況及びその確信度を推定する。ユーザ個性推定部は、前記通常行動傾向に基づいて、ユーザの個性及びその確信度を推定する。ナビゲーション方式決定部は、前記ユーザの個性及び個性の確信度を比較することにより、ナビゲーション方式を決定する。
【解決手段】 一実施形態のナビゲーション装置は、行動認識部、第1推定部、第2推定部、ユーザ状況推定部、ユーザ個性推定部及びナビゲーション方式決定部を備える。行動認識部は、1以上のセンサを用いてユーザの行動を認識する。第1推定部は、第1期間のユーザの行動を記録した現在行動履歴に基づいて、現在行動傾向を推定する。第2推定部は、前記第1期間より長い第2期間のユーザの行動を記録した通常行動履歴に基づいて、通常行動傾向を推定する。ユーザ状況推定部は、前記現在行動傾向に基づいて、ユーザの状況及びその確信度を推定する。ユーザ個性推定部は、前記通常行動傾向に基づいて、ユーザの個性及びその確信度を推定する。ナビゲーション方式決定部は、前記ユーザの個性及び個性の確信度を比較することにより、ナビゲーション方式を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ユーザの個性及び状況に応じてナビゲーション方式を変更するナビゲーション装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの個性に合わせたナビゲーションを行うことは、ユーザの利便性向上のため並びに高齢者及び障害者向け対応のために重要であり、予め設定されたユーザの個性に従ってナビゲーション方式を変更するナビゲーション装置がある。
【0003】
このようなナビゲーション装置においては、ユーザの状況も考慮したナビゲーションを実現できることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3697454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ナビゲーションに必要なユーザ個性は多岐にわたり、さらに、ユーザの状況は変化するので、ナビゲーションに必要な全ての情報を予め設定することは困難とされる。
【0006】
本開示は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ユーザの個性及び状況を自動的に推定し、推定したユーザ個性及び状況に応じてナビゲーション方式を変更するナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るナビゲーション装置は、行動認識部、第1記録部、第1推定部、第2記録部、第2推定部、ユーザ状況推定部、ユーザ個性推定部及びナビゲーション方式決定部を備える。行動認識部は、1以上のセンサにより観測されたデータを含む観測情報に基づいて、ユーザの行動を認識する。第1記録部は、第1期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した現在行動履歴を保持する。第1推定部は、前記現在行動履歴に基づいて、前記第1期間における前記ユーザの行動傾向を示す現在行動傾向を推定する。第2記録部は、前記第1期間より長い第2期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した通常行動履歴を保持する。第2推定部は、前記通常行動履歴に基づいて、前記第2期間における前記ユーザの行動傾向を示す通常行動傾向を推定する。ユーザ状況推定部は、前記現在行動傾向を前記通常行動傾向と比較することにより、前記ユーザの状況を推定し、当該ユーザの状況の確からしさを示す第1確信度を設定する。ユーザ個性推定部は、前記通常行動傾向を、他のユーザの行動の傾向を示す一般ユーザ行動傾向と比較することにより、前記ユーザの個性を推定し、当該ユーザの個性の確からしさを示す第2確信度を設定する。ナビゲーション方式決定部は、前記第1確信度を前記第2確信度と比較することにより、ナビゲーション方式を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態に係るナビゲーション装置を概略的に示すブロック図。
【図2】図1に示した現在行動傾向記録部に記録されている現在行動履歴及び現在行動傾向の一例を示す図。
【図3】図1に示した通常行動傾向記録部に記録されている通常行動履歴及び通常行動傾向の一例を示す図。
【図4】図1に示した一般ユーザ行動傾向テーブルに記録されている一般ユーザ行動履歴及び一般ユーザ行動傾向の一例を示す図。
【図5】図1のナビゲーション装置の動作の一例を示すフローチャート。
【図6】図1に示した行動認識部がユーザの行動を認識する方法の一例を説明するための図。
【図7】ユーザ状況及びユーザ個性を推定する方法の一例を説明するための図。
【図8】図1に示した生体センサにより得られる情報の一例を示す図。
【図9】図1に示した加速度センサにより得られる情報の一例を示す図。
【図10】混雑度属性及び女性専用車属性の情報を含む車両情報の一例を示す図。
【図11】図10の車両情報を用いて得られる情報の一例を示す図。
【図12】図10の車両情報を用いて得られる情報の他の例を示す図。
【図13】図1に示したナビゲーション部が保持するナビゲーション方式のリストの一例を示す図。
【図14】図13に示したナビゲーション方式によるナビゲーション形態を示す図。
【図15】複数の案内経路情報をユーザに提示する方法を説明するための図。
【図16】複数の案内経路情報をユーザに提示する方法を説明するための図。
【図17】複数の案内経路情報をユーザに提示する方法を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、必要に応じて図面を参照しながら、一実施形態に係るナビゲーション装置、方法及びプログラムを説明する。本実施形態では、ナビゲーション装置を、例えば携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末(即ち、コンピュータ装置)に適用した例を説明する。本実施形態のナビゲーション装置は、この携帯端末を持つユーザに対してナビゲーションを行うものである。携帯端末は、制御部、記憶部、通信制御部、表示部及び入力部を備え、これらはバスにより互いに通信可能に接続されている。制御部は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、携帯端末内の各部を制御する。記憶部は、各種データ及び各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)及びRAM等から構成される。通信制御部は、基地局との通信を制御する。表示部は、制御部の制御に従い情報を表示する。入力部は、操作キー及び操作ボタンから構成され、ユーザの指示入力を受け付ける。
【0010】
図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置を概略的に示している。このナビゲーション装置は、図1に示されるように、検出部110、行動認識部120、現在行動傾向記録部130、現在行動傾向推定部135、ユーザ状況推定部140、通常行動傾向記録部150、通常行動傾向推定部155、ユーザ個性推定部160、一般ユーザ行動傾向テーブル170、ナビゲーション方式決定部180及びナビゲーション部190を備える。
【0011】
検出部110は、1以上のセンサ、例えば、加速度センサ112、測位センサ114及び生体センサ116等を含み、これらのセンサ112、114、116により観測された各種データを含む観測情報を出力する。検出部110の各センサは、携帯端末に設けられているセンサであってもよく、ナビゲーション装置用に用意されたセンサであってもよい。
【0012】
加速度センサ112は、携帯端末に作用する加速度を検出して加速度情報を出力する。加速度センサ112は、互いに直交する3つの検出軸の各々の方向に対する加速度を計測する3軸加速度センサであってもよく、互いに直交する2つの検出軸の各々の方向に対する加速度を計測する2軸加速度センサであってもよい。
【0013】
測位センサ114は、携帯端末の絶対位置(緯度及び経度)を取得して位置情報を出力する。一例として、測位センサ114は、GPS(Global Positioning System)衛星からGPS情報を受信し、GPS情報から緯度及び経度を算出するGPS受信器である。
【0014】
生体センサ116は、携帯端末を携帯しているユーザの心拍数、脈拍数、血圧等を検出して生体情報を出力する。
【0015】
行動認識部120は、検出部110からの観測情報(例えば、加速度情報、位置情報及び生体情報等)に基づいてユーザの行動を認識する。行動認識部120が認識する行動としては、例えば、移動方法、歩行ペース、心拍数の変化等がある。一例として、移動方法には、階段を歩行したことを示す階段歩行、エレベータに乗ったことを示すエレベータ乗車、エスカレータに乗ったことを示すエスカレータ乗車等が含まれる。
【0016】
現在行動傾向記録部(第1記録部ともいう)130は、所定期間(例えばその日一日)に行動認識部120により認識された行動の履歴(現在行動履歴)を記録する。現在行動傾向推定部(第1推定部ともいう)135は、現在行動傾向記録部130に記録されている現在行動履歴に基づいて、現在行動傾向を推定する。現在行動傾向は、短期間のユーザの行動傾向を表す。現在行動傾向推定部135により推定された現在行動傾向は、現在行動傾向記録部130に記録される。
【0017】
なお、現在行動傾向記録部130は、当日の行動の履歴を記録する例に限らず、1日より長い若しくは短い期間の行動の記録を記録してもよい。
【0018】
通常行動傾向記録部(第2記録部ともいう)150は、現在行動傾向記録部130よりも長い所定期間(例えば1ヵ月間)に行動認識部120により認識された行動の履歴(通常行動履歴)を記録する。通常行動傾向推定部(第2推定部ともいう)155は、通常行動傾向記録部150に記録されている通常行動履歴に基づいて、通常行動傾向を推定する。通常行動履歴は、長期間のユーザの行動傾向を表す。通常行動傾向推定部155により推定された通常行動傾向は、通常行動傾向記録部150に記録される。
【0019】
なお、通常行動傾向記録部150は、1ヵ月間の行動の履歴を記録する例に限らず、1ヵ月より長い若しくは短い期間の行動の履歴を記録してもよい。
【0020】
一般ユーザ行動傾向テーブル170には、一般的なユーザの行動の履歴(一般ユーザ行動履歴)が記録されており、さらに、一般ユーザ行動履歴から求められた一般ユーザ行動傾向が記録されている。
【0021】
これらの現在行動傾向、通常行動傾向及び一般ユーザ行動傾向の各々は、階床(フロア)間の移動の際にエレベータ及びエスカレータ等の昇降機器に乗った割合を示す昇降機器利用比率、階段を徒歩で移動した前後での心拍数の増加度等の種々のデータを含む。
【0022】
ユーザ状況推定部140は、現在行動傾向を通常行動傾向と比較してユーザ状況を推定し、このユーザ状況の確信度を設定する。ユーザ個性推定部160は、通常行動傾向を一般ユーザ行動傾向と比較して、ユーザ個性(personality)を推定し、このユーザ個性の確信度を設定する。このように、ユーザ状況は、ユーザの短期的な行動傾向から推定され、ユーザ個性は、ユーザの長期的な行動傾向から推定される。
【0023】
ナビゲーション方式決定部180は、ユーザ状況の確信度とユーザ個性の確信度との比較に基づいて、ナビゲーション方式を決定する。ナビゲーション方式としては、例えば、階段を積極的に利用するルートを提示する「階段利用」、エレベータ及びエスカレータ等の昇降機器を積極的に利用するルートを提示する「昇降機器利用」等がある。
【0024】
ナビゲーション部190は、ナビゲーション方式決定部180で決定されたナビゲーション方式に従って、出発位置から目的位置までのルート(案内経路)を決定し、決定したルートをユーザに提示するために表示部に表示させる。出発位置及び目的位置は、例えば、ユーザが入力部を操作することにより指定される。
【0025】
本実施形態では、行動認識部120は、階段歩行、エレベータ乗車及びエスカレータ乗車を検出する例を説明する。この例では、現在行動履歴、通常行動履歴及び一般ユーザ行動傾向テーブルは、夫々図2、図3及び図4に示すように、階段歩行が認識された回数、エレベータ乗車が認識された回数及びエスカレータ乗車が認識された回数を保持する。図2、図3及び図4では、夫々、現在行動傾向、通常行動傾向及び一般ユーザ行動傾向として、昇降機器利用比率が算出されている。昇降機器利用比率は、エスカレータ乗車及びエレベータ乗車が認識された合計回数を、階段歩行、エレベータ乗車及びエスカレータ乗車が認識された合計回数(総昇降回数)で割ることで求められる。
【0026】
図2の現在行動履歴では、階段の利用回数が3、エスカレータの利用回数が1、エレベータの利用回数が1であり、昇降機利用比率は40%と算出されている。図3の通常行動履歴では、階段の利用回数が660、エスカレータの利用回数が60、エレベータの利用回数が12であり、昇降機利用比率は10%と算出されている。
【0027】
図4の一般ユーザ行動傾向テーブル170には、現在行動傾向記録部130及び通常行動傾向記録部150と同様の形態で、一般的なユーザに関する昇降機器利用比率が記述されている。図4では、階段の利用回数が4580、エスカレータの利用回数が1855、エレベータの利用回数が252であり、昇降機利用比率は32%と算出されている。一般ユーザ行動傾向テーブル170は、本実施形態に係るナビゲーション装置を使用する全てのユーザのデータを統合して作成してもよく、他の統計データから概算される平均的な一定期間内の利用回数及び昇降機器利用比率であってもよい。
【0028】
なお、現在行動傾向、通常行動傾向及び一般ユーザ行動傾向は、昇降機利用比率に限らず、階段、エスカレータ及びエレベータの各々の利用比率を含んでもよく、上の階床に移動する場合と下の階床に移動する場合に分けて算出された昇降機利用比率であってもよい。
【0029】
次に、図5を参照して、本実施形態のナビゲーション装置の動作の一例を説明する。
図5のステップS501では、行動認識部120は、検出部110の少なくとも1つのセンサを使用して、ユーザの行動を認識する。本実施形態では、行動認識部120は、加速度センサ112からの加速度情報に基づいて、階段歩行、エレベータ乗車及びエスカレータ乗車を検出する。具体的には、移動方法毎に加速度センサが検出した加速度の時系列パターンが予め用意され、行動認識部120は、これらのパターンと加速度センサからの加速度情報(加速度パターン)とを比較し、最も類似するパターンを持つ移動方法をユーザの行動として認識する。
【0030】
なお、行動認識部120は、加速度センサ112に限らず、測位センサ114を使用して階段歩行、エレベータ乗車及びエスカレータ乗車を検出してもよい。測位センサ114を使用する場合、例えば、列車が目的駅に到着してユーザが列車から降りると、行動認識部120は、この目的駅に関する駅構内図(マップ)を取得する。駅構内図は、携帯端末の記憶部に予め格納されていてもよく、通信制御部を介して取得してもよい。駅構内図は、例えば、図6に示すように、駅プラットホーム601上の階段602、エスカレータ603及びエレベータ604の位置を保持している。駅構内図では、駅プラットホーム601上の階段602、エスカレータ603及びエレベータ604の位置は、特定の基準位置(例えば駅の入り口)からの相対的な位置で表現される。行動認識部120は、相対位置を絶対位置に変換し、測位センサ114からの位置情報とのマッチングを行い、ユーザが階段、エレベータ及びエスカレータのいずれを利用したかを検出する。
【0031】
ステップS502では、行動認識部120により認識された行動が現在行動傾向記録部130及び通常行動傾向記録部150に蓄積され、現在行動傾向及び通常行動傾向が更新され、即ち、再計算される。
【0032】
ステップS503では、ユーザ個性推定部160は、通常行動傾向と一般ユーザ行動傾向を比較してユーザ個性を推定し、推定したユーザ個性の確信度を設定する。図3の通常行動傾向と図4の一般ユーザ行動傾向を比較した場合、このユーザは一般ユーザと比較して昇降機器利用比率が低いので、ユーザ個性は「階段利用優先」と推定される。図7に示すように、一般ユーザ行動傾向を基準値として、通常行動傾向が基準値から所定値以上離れている場合に、ユーザ個性が推定される。
【0033】
ユーザ個性の確信度は、推定されたユーザ個性の確からしさを示す。本実施形態では、ユーザ個性の確信度は、通常行動傾向、又は通常行動傾向と基準値との差に応じて設定される。例えば、通常行動傾向としてのエレベータ利用比率が約1である場合、ユーザが車椅子利用者であると推定される。この場合、後述するステップS505において、階床間の移動にはエレベータを必ず利用するルートを提示する「車椅子利用」というナビゲーション方式が選択されるように、「エレベータ利用優先」というユーザ個性の確信度が最大値に設定される。
【0034】
ステップS504では、ユーザ状況推定部140は、現在行動傾向と通常行動傾向を比較してユーザ状況を推定し、推定したユーザ状況の確信度を設定する。ステップS504では、図7に示すように、通常行動傾向を基準値として、現在行動傾向が基準値から所定値以上離れている場合に、ユーザ状況が推定される。図2の現在行動傾向と図3の通常行動傾向を比較した場合、このユーザは、今日は通常と比べて昇降機器利用比率が高いので、「昇降機器利用優先」というユーザ状況が推定される。
【0035】
ステップS503でユーザ個性が「階段利用優先」と推定されたにもかかわらず、ステップS504でユーザ状況が「昇降機器利用優先」と推定された理由としては、今日は体調が優れない、或いは、大きな荷物を持っている等の理由により階段を徒歩で移動することが困難であることが考えられる。
【0036】
ユーザ状況の確信度は、推定されたユーザ状況の確からしさを示す。本実施形態では、ユーザ状況の確信度は、現在行動履歴のデータ数(例えば総昇降回数)に応じて設定される。例えば朝など、現在行動履歴のデータ数が少ない場合、現在行動履歴から推定された現在行動傾向は、ユーザの行動傾向を正確に反映しているとはいえない。従って、後述するステップS505において、通常行動傾向に応じたナビゲーション方式が選択されるように、現在行動履歴のデータ数が少ない場合には現在行動傾向の確信度は小さい値に設定される。現在行動履歴のデータ数が多い場合、その日の行動傾向を強く反映していると考えられるので、現在行動傾向の確信度は大きな値に設定される。
【0037】
ステップS505では、ナビゲーション方式決定部180は、ユーザ個性の確信度及びユーザ状況の確信度を比較して、確信度の高い方に応じたナビゲーション方式を決定し、決定したナビゲーション方式をナビゲーション部190に通知する。ナビゲーション部190は、通知されたナビゲーション方式に従ったナビゲーションを実行する。
【0038】
なお、ナビゲーション方式決定部180は、確信度の比較を行わずに、ユーザ個性よりユーザ状況を優先してナビゲーション方式を決定してもよい。確信度の比較を行わない場合、ステップS503及びS504において確信度の設定は省略することができる。この場合、ユーザ個性が「階段利用優先」であり且つユーザ状況が「昇降機器利用優先」であれば、ナビゲーション方式決定部180は、「昇降機器利用優先」のユーザ状況に応じた「昇降機器利用」というナビゲーション方式を決定する。また、例えば朝のように、ユーザ状況が推定されていない場合、ナビゲーション方式決定部180は、ユーザ特性に応じてナビゲーション方式を決定する。
【0039】
ステップS506に示されるように、ユーザが目的地に到着するなどしてナビゲーションが終了するまで、ステップS501からステップS505までが繰り返される。
【0040】
このようにして、図1のナビゲーション装置は、ユーザに関するデータを予め入力する必要がなく、ユーザの個性及び状況を自動的に識別してユーザに適合したナビゲーションを実行することができる。
【0041】
なお、現在行動傾向記録部130及び通常行動傾向記録部150に記録される行動履歴及び行動傾向、並びに、これらから推定されるユーザ状況及びユーザ個性は、上述したような異なる階床への移動(昇降)に関する行動に限定されない。
【0042】
一例では、疲労度及び酩酊度に関するユーザ状況が推定されてもよい。疲労度は、図8に示すように、生体センサ116を用いてユーザが階段を徒歩で移動した前後での心拍数の増加度を計測することにより推定することができる。或いは、疲労度は、図9に示すように、加速度センサ112でユーザの歩行ペースを測定し、通常の歩行ペースと比較することにより推定してもよい。酩酊度は、所定間隔で歩行ペースを測定して歩行ペースのばらつきを検出することにより推定することができる。疲労度又は酩酊度が高いと判断された場合、タクシー等の高額だが身体に負担の低い交通手段を優先的に利用する「疲労」又は「酩酊」というナビゲーション方式が選択される。
【0043】
他の例では、女性専用車両への乗車を好む特性がユーザ個性として推定されてもよい。この場合、図11に示すように、女性専用車両の利用頻度が行動傾向として推定される。女性専用車両の利用頻度は、女性専用車両に乗った回数を電車に乗った回数で割ることで求められる。女性専用車両への乗車は、ユーザが電車に乗った時刻に取得した位置情報によりユーザが乗った車両の車両番号を識別し、ユーザが電車に乗った時間帯及び識別した車両番号と図10に示すような車両情報とを照合することで、判別することができる。同様の方法で、図12に示すように混雑度の低い車両の利用頻度を求めて、混雑度の低い車両を好む特性がユーザ個性として推定されてもよい。
【0044】
さらに、地図情報と観測情報を組み合わせて用いることで推定可能なユーザ個性としては、車椅子利用特性及び弱視特性がある。車椅子利用特性は、車椅子用車両への乗車行動から推定することができ、弱視特性は、非タッチパネル券売機の利用行動から推定することができる。さらにまた、列車の運行情報と観測情報を組み合わせて用いることで、始発の列車を好む特性、ラッシュ時を避ける特性、余裕を持った行動を好む特性をユーザ個性として推定することができる。
【0045】
図13及び図14は、本実施形態のナビゲーション装置に用意されているナビゲーション方式のリストの一例を示す。ナビゲーション方式決定部180は、ユーザ状況の確信度及びユーザ個性の確信度に基づいて、ナビゲーション方式のリストから1又は複数のナビゲーション方式を選択する。
【0046】
「車椅子利用」のナビゲーション方式は、エレベータを利用するルートを提示するナビゲーション方式である。「車椅子利用」のナビゲーション方式は、「エレベータ利用優先」のユーザ個性に設定された確信度が大きい場合に選択される。「歩行困難」のナビゲーション方式は、エレベータ及びエスカレータ等の昇降機器を利用するルートを提示するナビゲーション方式である。「歩行困難」のナビゲーション方式は、「昇降機器利用優先」のユーザ個性に設定された確信度が大きい場合に選択される。
【0047】
「重い荷物持ち」のナビゲーション方式は、昇降機器を利用するルートを優先的に提示するナビゲーション方式である。「重い荷物持ち」のナビゲーション方式は、ユーザ個性が「階段利用優先」であり且つユーザ状況が「昇降機器利用優先」であり、さらに、ユーザ状況の確信度がユーザ個性の確信度より大きい場合に、選択される。
【0048】
「疲労」のナビゲーション方式は、昇降機器を利用するルートを優先的に提示するナビゲーション方式である。「疲労」のナビゲーション方式は、ユーザの疲労度が高いと推定された場合に選択される。「酩酊」のナビゲーション方式は、タクシーを利用するルートを優先的に提示するナビゲーション方式である。「酩酊」のナビゲーション方式は、ユーザの酩酊度が高いと推定された場合に選択される。
【0049】
「女性」のナビゲーション方式は、女性専用車両を利用するルートを優先的に提示するナビゲーション方式である。「女性」のナビゲーション方式は、女性専用車両の利用頻度が高い場合に選択される。「早歩き」のナビゲーション方式では、歩行時の所要時間を短く調整して目的位置までの所要時間が提示される。「早歩き」のナビゲーション方式は、歩行ペースが速いと推定された場合に選択される。「すいている車両好み」というナビゲーション方式は、混雑度の低い車両に誘導するルートを提示するナビゲーション方式である。「すいている車両好み」というナビゲーション方式は、ユーザ個性が混雑度の低い車両を好む特性と推定された場合に選択される。
【0050】
次に、図15、図16及び図17を参照して、「早歩き」、「疲労」及び「酩酊」の3つのナビゲーション方式が選択された場合に、ユーザに案内経路(ルート)情報を提示する方法の一例を説明する。複数のナビゲーション方式が選択された場合、ナビゲーション部190は、各ナビゲーション方式が選択される要因となったユーザ状況又はユーザ個性の確信度を比較し、確信度が高い順序で各ナビゲーション方式に従って決定されたルートを提示する。
【0051】
案内経路情報は、図15、図16及び図17に示すように、例えばタブ(又はトグルボタン)形式で表示される。図15、図16及び図17では、地図上に駅プラットホームの概略図が重ねて表示されている。なお、階段の下及びエスカレータの下の2箇所に改札口がある。図15に示されるように、「早歩き」のタブが最初から選択された状態で表示されており、階段を経由してバス停に至るルートが表示されている。ユーザが「疲労」のタブを選択すると、「疲労」のナビゲーション方式に従って決定されたルートが表示される。「疲労」のナビゲーション方式では、図16に示すように、エスカレータを経由してバス停に至るルートが表示される。また、「酩酊」のタブが選択されると、「酩酊」のナビゲーション方式に従って決定されたルートが表示される。「酩酊」のナビゲーション方式では、図17に示すように、エスカレータを経由してタクシー乗り場に至るルートが表示される。
【0052】
以上のように、本実施形態に係るナビゲーション装置は、ユーザ個性の情報を入力することなく、ユーザの多様な個性及び状況を自動的に判断し、ユーザの個性及び状況に適合したナビゲーションを行うことができる。
【0053】
上述したように、本実施形態が適用される携帯機器は、制御部(CPU)、記憶部(ROM及びRAM)、通信制御部、入力部及び表示部を備えている。RAMは、現在行動履歴、現在行動傾向、通常行動履歴、通常行動傾向及び一般ユーザ行動傾向テーブル170等を記憶する。ROMは、上述した一連の処理を実行させるための制御プログラムを保持し、この制御プログラムがCPUに読み込まれてナビゲーション装置が動作される。また、RAMは、制御プログラムの実行に伴って生じる種々のデータを記憶することができる。携帯機器は、通信制御部によってインターネット等の通信ネットワークに通信可能に接続され、一般ユーザ行動傾向テーブル170が定期的に更新される。
【0054】
本実施形態の携帯機器で実行される制御プログラムは、ROMに予め格納される例に限らず、インターネット等の通信ネットワーク経由でダウンロードすることによって提供されてもよい。また、制御プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納して提供することも可能である。記憶媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなど、制御プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
110…検出部、112…加速度センサ、114…測位センサ、116…生体センサ、120…行動認識部、130…現在行動傾向記録部、135…現在行動傾向推定部、140…ユーザ状況推定部、150…通常行動傾向記録部、155…通常行動傾向推定部、160…ユーザ個性推定部、170…一般ユーザ行動傾向テーブル、180…ナビゲーション方式決定部、190…ナビゲーション部。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ユーザの個性及び状況に応じてナビゲーション方式を変更するナビゲーション装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの個性に合わせたナビゲーションを行うことは、ユーザの利便性向上のため並びに高齢者及び障害者向け対応のために重要であり、予め設定されたユーザの個性に従ってナビゲーション方式を変更するナビゲーション装置がある。
【0003】
このようなナビゲーション装置においては、ユーザの状況も考慮したナビゲーションを実現できることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3697454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ナビゲーションに必要なユーザ個性は多岐にわたり、さらに、ユーザの状況は変化するので、ナビゲーションに必要な全ての情報を予め設定することは困難とされる。
【0006】
本開示は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ユーザの個性及び状況を自動的に推定し、推定したユーザ個性及び状況に応じてナビゲーション方式を変更するナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るナビゲーション装置は、行動認識部、第1記録部、第1推定部、第2記録部、第2推定部、ユーザ状況推定部、ユーザ個性推定部及びナビゲーション方式決定部を備える。行動認識部は、1以上のセンサにより観測されたデータを含む観測情報に基づいて、ユーザの行動を認識する。第1記録部は、第1期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した現在行動履歴を保持する。第1推定部は、前記現在行動履歴に基づいて、前記第1期間における前記ユーザの行動傾向を示す現在行動傾向を推定する。第2記録部は、前記第1期間より長い第2期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した通常行動履歴を保持する。第2推定部は、前記通常行動履歴に基づいて、前記第2期間における前記ユーザの行動傾向を示す通常行動傾向を推定する。ユーザ状況推定部は、前記現在行動傾向を前記通常行動傾向と比較することにより、前記ユーザの状況を推定し、当該ユーザの状況の確からしさを示す第1確信度を設定する。ユーザ個性推定部は、前記通常行動傾向を、他のユーザの行動の傾向を示す一般ユーザ行動傾向と比較することにより、前記ユーザの個性を推定し、当該ユーザの個性の確からしさを示す第2確信度を設定する。ナビゲーション方式決定部は、前記第1確信度を前記第2確信度と比較することにより、ナビゲーション方式を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態に係るナビゲーション装置を概略的に示すブロック図。
【図2】図1に示した現在行動傾向記録部に記録されている現在行動履歴及び現在行動傾向の一例を示す図。
【図3】図1に示した通常行動傾向記録部に記録されている通常行動履歴及び通常行動傾向の一例を示す図。
【図4】図1に示した一般ユーザ行動傾向テーブルに記録されている一般ユーザ行動履歴及び一般ユーザ行動傾向の一例を示す図。
【図5】図1のナビゲーション装置の動作の一例を示すフローチャート。
【図6】図1に示した行動認識部がユーザの行動を認識する方法の一例を説明するための図。
【図7】ユーザ状況及びユーザ個性を推定する方法の一例を説明するための図。
【図8】図1に示した生体センサにより得られる情報の一例を示す図。
【図9】図1に示した加速度センサにより得られる情報の一例を示す図。
【図10】混雑度属性及び女性専用車属性の情報を含む車両情報の一例を示す図。
【図11】図10の車両情報を用いて得られる情報の一例を示す図。
【図12】図10の車両情報を用いて得られる情報の他の例を示す図。
【図13】図1に示したナビゲーション部が保持するナビゲーション方式のリストの一例を示す図。
【図14】図13に示したナビゲーション方式によるナビゲーション形態を示す図。
【図15】複数の案内経路情報をユーザに提示する方法を説明するための図。
【図16】複数の案内経路情報をユーザに提示する方法を説明するための図。
【図17】複数の案内経路情報をユーザに提示する方法を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、必要に応じて図面を参照しながら、一実施形態に係るナビゲーション装置、方法及びプログラムを説明する。本実施形態では、ナビゲーション装置を、例えば携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末(即ち、コンピュータ装置)に適用した例を説明する。本実施形態のナビゲーション装置は、この携帯端末を持つユーザに対してナビゲーションを行うものである。携帯端末は、制御部、記憶部、通信制御部、表示部及び入力部を備え、これらはバスにより互いに通信可能に接続されている。制御部は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、携帯端末内の各部を制御する。記憶部は、各種データ及び各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)及びRAM等から構成される。通信制御部は、基地局との通信を制御する。表示部は、制御部の制御に従い情報を表示する。入力部は、操作キー及び操作ボタンから構成され、ユーザの指示入力を受け付ける。
【0010】
図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置を概略的に示している。このナビゲーション装置は、図1に示されるように、検出部110、行動認識部120、現在行動傾向記録部130、現在行動傾向推定部135、ユーザ状況推定部140、通常行動傾向記録部150、通常行動傾向推定部155、ユーザ個性推定部160、一般ユーザ行動傾向テーブル170、ナビゲーション方式決定部180及びナビゲーション部190を備える。
【0011】
検出部110は、1以上のセンサ、例えば、加速度センサ112、測位センサ114及び生体センサ116等を含み、これらのセンサ112、114、116により観測された各種データを含む観測情報を出力する。検出部110の各センサは、携帯端末に設けられているセンサであってもよく、ナビゲーション装置用に用意されたセンサであってもよい。
【0012】
加速度センサ112は、携帯端末に作用する加速度を検出して加速度情報を出力する。加速度センサ112は、互いに直交する3つの検出軸の各々の方向に対する加速度を計測する3軸加速度センサであってもよく、互いに直交する2つの検出軸の各々の方向に対する加速度を計測する2軸加速度センサであってもよい。
【0013】
測位センサ114は、携帯端末の絶対位置(緯度及び経度)を取得して位置情報を出力する。一例として、測位センサ114は、GPS(Global Positioning System)衛星からGPS情報を受信し、GPS情報から緯度及び経度を算出するGPS受信器である。
【0014】
生体センサ116は、携帯端末を携帯しているユーザの心拍数、脈拍数、血圧等を検出して生体情報を出力する。
【0015】
行動認識部120は、検出部110からの観測情報(例えば、加速度情報、位置情報及び生体情報等)に基づいてユーザの行動を認識する。行動認識部120が認識する行動としては、例えば、移動方法、歩行ペース、心拍数の変化等がある。一例として、移動方法には、階段を歩行したことを示す階段歩行、エレベータに乗ったことを示すエレベータ乗車、エスカレータに乗ったことを示すエスカレータ乗車等が含まれる。
【0016】
現在行動傾向記録部(第1記録部ともいう)130は、所定期間(例えばその日一日)に行動認識部120により認識された行動の履歴(現在行動履歴)を記録する。現在行動傾向推定部(第1推定部ともいう)135は、現在行動傾向記録部130に記録されている現在行動履歴に基づいて、現在行動傾向を推定する。現在行動傾向は、短期間のユーザの行動傾向を表す。現在行動傾向推定部135により推定された現在行動傾向は、現在行動傾向記録部130に記録される。
【0017】
なお、現在行動傾向記録部130は、当日の行動の履歴を記録する例に限らず、1日より長い若しくは短い期間の行動の記録を記録してもよい。
【0018】
通常行動傾向記録部(第2記録部ともいう)150は、現在行動傾向記録部130よりも長い所定期間(例えば1ヵ月間)に行動認識部120により認識された行動の履歴(通常行動履歴)を記録する。通常行動傾向推定部(第2推定部ともいう)155は、通常行動傾向記録部150に記録されている通常行動履歴に基づいて、通常行動傾向を推定する。通常行動履歴は、長期間のユーザの行動傾向を表す。通常行動傾向推定部155により推定された通常行動傾向は、通常行動傾向記録部150に記録される。
【0019】
なお、通常行動傾向記録部150は、1ヵ月間の行動の履歴を記録する例に限らず、1ヵ月より長い若しくは短い期間の行動の履歴を記録してもよい。
【0020】
一般ユーザ行動傾向テーブル170には、一般的なユーザの行動の履歴(一般ユーザ行動履歴)が記録されており、さらに、一般ユーザ行動履歴から求められた一般ユーザ行動傾向が記録されている。
【0021】
これらの現在行動傾向、通常行動傾向及び一般ユーザ行動傾向の各々は、階床(フロア)間の移動の際にエレベータ及びエスカレータ等の昇降機器に乗った割合を示す昇降機器利用比率、階段を徒歩で移動した前後での心拍数の増加度等の種々のデータを含む。
【0022】
ユーザ状況推定部140は、現在行動傾向を通常行動傾向と比較してユーザ状況を推定し、このユーザ状況の確信度を設定する。ユーザ個性推定部160は、通常行動傾向を一般ユーザ行動傾向と比較して、ユーザ個性(personality)を推定し、このユーザ個性の確信度を設定する。このように、ユーザ状況は、ユーザの短期的な行動傾向から推定され、ユーザ個性は、ユーザの長期的な行動傾向から推定される。
【0023】
ナビゲーション方式決定部180は、ユーザ状況の確信度とユーザ個性の確信度との比較に基づいて、ナビゲーション方式を決定する。ナビゲーション方式としては、例えば、階段を積極的に利用するルートを提示する「階段利用」、エレベータ及びエスカレータ等の昇降機器を積極的に利用するルートを提示する「昇降機器利用」等がある。
【0024】
ナビゲーション部190は、ナビゲーション方式決定部180で決定されたナビゲーション方式に従って、出発位置から目的位置までのルート(案内経路)を決定し、決定したルートをユーザに提示するために表示部に表示させる。出発位置及び目的位置は、例えば、ユーザが入力部を操作することにより指定される。
【0025】
本実施形態では、行動認識部120は、階段歩行、エレベータ乗車及びエスカレータ乗車を検出する例を説明する。この例では、現在行動履歴、通常行動履歴及び一般ユーザ行動傾向テーブルは、夫々図2、図3及び図4に示すように、階段歩行が認識された回数、エレベータ乗車が認識された回数及びエスカレータ乗車が認識された回数を保持する。図2、図3及び図4では、夫々、現在行動傾向、通常行動傾向及び一般ユーザ行動傾向として、昇降機器利用比率が算出されている。昇降機器利用比率は、エスカレータ乗車及びエレベータ乗車が認識された合計回数を、階段歩行、エレベータ乗車及びエスカレータ乗車が認識された合計回数(総昇降回数)で割ることで求められる。
【0026】
図2の現在行動履歴では、階段の利用回数が3、エスカレータの利用回数が1、エレベータの利用回数が1であり、昇降機利用比率は40%と算出されている。図3の通常行動履歴では、階段の利用回数が660、エスカレータの利用回数が60、エレベータの利用回数が12であり、昇降機利用比率は10%と算出されている。
【0027】
図4の一般ユーザ行動傾向テーブル170には、現在行動傾向記録部130及び通常行動傾向記録部150と同様の形態で、一般的なユーザに関する昇降機器利用比率が記述されている。図4では、階段の利用回数が4580、エスカレータの利用回数が1855、エレベータの利用回数が252であり、昇降機利用比率は32%と算出されている。一般ユーザ行動傾向テーブル170は、本実施形態に係るナビゲーション装置を使用する全てのユーザのデータを統合して作成してもよく、他の統計データから概算される平均的な一定期間内の利用回数及び昇降機器利用比率であってもよい。
【0028】
なお、現在行動傾向、通常行動傾向及び一般ユーザ行動傾向は、昇降機利用比率に限らず、階段、エスカレータ及びエレベータの各々の利用比率を含んでもよく、上の階床に移動する場合と下の階床に移動する場合に分けて算出された昇降機利用比率であってもよい。
【0029】
次に、図5を参照して、本実施形態のナビゲーション装置の動作の一例を説明する。
図5のステップS501では、行動認識部120は、検出部110の少なくとも1つのセンサを使用して、ユーザの行動を認識する。本実施形態では、行動認識部120は、加速度センサ112からの加速度情報に基づいて、階段歩行、エレベータ乗車及びエスカレータ乗車を検出する。具体的には、移動方法毎に加速度センサが検出した加速度の時系列パターンが予め用意され、行動認識部120は、これらのパターンと加速度センサからの加速度情報(加速度パターン)とを比較し、最も類似するパターンを持つ移動方法をユーザの行動として認識する。
【0030】
なお、行動認識部120は、加速度センサ112に限らず、測位センサ114を使用して階段歩行、エレベータ乗車及びエスカレータ乗車を検出してもよい。測位センサ114を使用する場合、例えば、列車が目的駅に到着してユーザが列車から降りると、行動認識部120は、この目的駅に関する駅構内図(マップ)を取得する。駅構内図は、携帯端末の記憶部に予め格納されていてもよく、通信制御部を介して取得してもよい。駅構内図は、例えば、図6に示すように、駅プラットホーム601上の階段602、エスカレータ603及びエレベータ604の位置を保持している。駅構内図では、駅プラットホーム601上の階段602、エスカレータ603及びエレベータ604の位置は、特定の基準位置(例えば駅の入り口)からの相対的な位置で表現される。行動認識部120は、相対位置を絶対位置に変換し、測位センサ114からの位置情報とのマッチングを行い、ユーザが階段、エレベータ及びエスカレータのいずれを利用したかを検出する。
【0031】
ステップS502では、行動認識部120により認識された行動が現在行動傾向記録部130及び通常行動傾向記録部150に蓄積され、現在行動傾向及び通常行動傾向が更新され、即ち、再計算される。
【0032】
ステップS503では、ユーザ個性推定部160は、通常行動傾向と一般ユーザ行動傾向を比較してユーザ個性を推定し、推定したユーザ個性の確信度を設定する。図3の通常行動傾向と図4の一般ユーザ行動傾向を比較した場合、このユーザは一般ユーザと比較して昇降機器利用比率が低いので、ユーザ個性は「階段利用優先」と推定される。図7に示すように、一般ユーザ行動傾向を基準値として、通常行動傾向が基準値から所定値以上離れている場合に、ユーザ個性が推定される。
【0033】
ユーザ個性の確信度は、推定されたユーザ個性の確からしさを示す。本実施形態では、ユーザ個性の確信度は、通常行動傾向、又は通常行動傾向と基準値との差に応じて設定される。例えば、通常行動傾向としてのエレベータ利用比率が約1である場合、ユーザが車椅子利用者であると推定される。この場合、後述するステップS505において、階床間の移動にはエレベータを必ず利用するルートを提示する「車椅子利用」というナビゲーション方式が選択されるように、「エレベータ利用優先」というユーザ個性の確信度が最大値に設定される。
【0034】
ステップS504では、ユーザ状況推定部140は、現在行動傾向と通常行動傾向を比較してユーザ状況を推定し、推定したユーザ状況の確信度を設定する。ステップS504では、図7に示すように、通常行動傾向を基準値として、現在行動傾向が基準値から所定値以上離れている場合に、ユーザ状況が推定される。図2の現在行動傾向と図3の通常行動傾向を比較した場合、このユーザは、今日は通常と比べて昇降機器利用比率が高いので、「昇降機器利用優先」というユーザ状況が推定される。
【0035】
ステップS503でユーザ個性が「階段利用優先」と推定されたにもかかわらず、ステップS504でユーザ状況が「昇降機器利用優先」と推定された理由としては、今日は体調が優れない、或いは、大きな荷物を持っている等の理由により階段を徒歩で移動することが困難であることが考えられる。
【0036】
ユーザ状況の確信度は、推定されたユーザ状況の確からしさを示す。本実施形態では、ユーザ状況の確信度は、現在行動履歴のデータ数(例えば総昇降回数)に応じて設定される。例えば朝など、現在行動履歴のデータ数が少ない場合、現在行動履歴から推定された現在行動傾向は、ユーザの行動傾向を正確に反映しているとはいえない。従って、後述するステップS505において、通常行動傾向に応じたナビゲーション方式が選択されるように、現在行動履歴のデータ数が少ない場合には現在行動傾向の確信度は小さい値に設定される。現在行動履歴のデータ数が多い場合、その日の行動傾向を強く反映していると考えられるので、現在行動傾向の確信度は大きな値に設定される。
【0037】
ステップS505では、ナビゲーション方式決定部180は、ユーザ個性の確信度及びユーザ状況の確信度を比較して、確信度の高い方に応じたナビゲーション方式を決定し、決定したナビゲーション方式をナビゲーション部190に通知する。ナビゲーション部190は、通知されたナビゲーション方式に従ったナビゲーションを実行する。
【0038】
なお、ナビゲーション方式決定部180は、確信度の比較を行わずに、ユーザ個性よりユーザ状況を優先してナビゲーション方式を決定してもよい。確信度の比較を行わない場合、ステップS503及びS504において確信度の設定は省略することができる。この場合、ユーザ個性が「階段利用優先」であり且つユーザ状況が「昇降機器利用優先」であれば、ナビゲーション方式決定部180は、「昇降機器利用優先」のユーザ状況に応じた「昇降機器利用」というナビゲーション方式を決定する。また、例えば朝のように、ユーザ状況が推定されていない場合、ナビゲーション方式決定部180は、ユーザ特性に応じてナビゲーション方式を決定する。
【0039】
ステップS506に示されるように、ユーザが目的地に到着するなどしてナビゲーションが終了するまで、ステップS501からステップS505までが繰り返される。
【0040】
このようにして、図1のナビゲーション装置は、ユーザに関するデータを予め入力する必要がなく、ユーザの個性及び状況を自動的に識別してユーザに適合したナビゲーションを実行することができる。
【0041】
なお、現在行動傾向記録部130及び通常行動傾向記録部150に記録される行動履歴及び行動傾向、並びに、これらから推定されるユーザ状況及びユーザ個性は、上述したような異なる階床への移動(昇降)に関する行動に限定されない。
【0042】
一例では、疲労度及び酩酊度に関するユーザ状況が推定されてもよい。疲労度は、図8に示すように、生体センサ116を用いてユーザが階段を徒歩で移動した前後での心拍数の増加度を計測することにより推定することができる。或いは、疲労度は、図9に示すように、加速度センサ112でユーザの歩行ペースを測定し、通常の歩行ペースと比較することにより推定してもよい。酩酊度は、所定間隔で歩行ペースを測定して歩行ペースのばらつきを検出することにより推定することができる。疲労度又は酩酊度が高いと判断された場合、タクシー等の高額だが身体に負担の低い交通手段を優先的に利用する「疲労」又は「酩酊」というナビゲーション方式が選択される。
【0043】
他の例では、女性専用車両への乗車を好む特性がユーザ個性として推定されてもよい。この場合、図11に示すように、女性専用車両の利用頻度が行動傾向として推定される。女性専用車両の利用頻度は、女性専用車両に乗った回数を電車に乗った回数で割ることで求められる。女性専用車両への乗車は、ユーザが電車に乗った時刻に取得した位置情報によりユーザが乗った車両の車両番号を識別し、ユーザが電車に乗った時間帯及び識別した車両番号と図10に示すような車両情報とを照合することで、判別することができる。同様の方法で、図12に示すように混雑度の低い車両の利用頻度を求めて、混雑度の低い車両を好む特性がユーザ個性として推定されてもよい。
【0044】
さらに、地図情報と観測情報を組み合わせて用いることで推定可能なユーザ個性としては、車椅子利用特性及び弱視特性がある。車椅子利用特性は、車椅子用車両への乗車行動から推定することができ、弱視特性は、非タッチパネル券売機の利用行動から推定することができる。さらにまた、列車の運行情報と観測情報を組み合わせて用いることで、始発の列車を好む特性、ラッシュ時を避ける特性、余裕を持った行動を好む特性をユーザ個性として推定することができる。
【0045】
図13及び図14は、本実施形態のナビゲーション装置に用意されているナビゲーション方式のリストの一例を示す。ナビゲーション方式決定部180は、ユーザ状況の確信度及びユーザ個性の確信度に基づいて、ナビゲーション方式のリストから1又は複数のナビゲーション方式を選択する。
【0046】
「車椅子利用」のナビゲーション方式は、エレベータを利用するルートを提示するナビゲーション方式である。「車椅子利用」のナビゲーション方式は、「エレベータ利用優先」のユーザ個性に設定された確信度が大きい場合に選択される。「歩行困難」のナビゲーション方式は、エレベータ及びエスカレータ等の昇降機器を利用するルートを提示するナビゲーション方式である。「歩行困難」のナビゲーション方式は、「昇降機器利用優先」のユーザ個性に設定された確信度が大きい場合に選択される。
【0047】
「重い荷物持ち」のナビゲーション方式は、昇降機器を利用するルートを優先的に提示するナビゲーション方式である。「重い荷物持ち」のナビゲーション方式は、ユーザ個性が「階段利用優先」であり且つユーザ状況が「昇降機器利用優先」であり、さらに、ユーザ状況の確信度がユーザ個性の確信度より大きい場合に、選択される。
【0048】
「疲労」のナビゲーション方式は、昇降機器を利用するルートを優先的に提示するナビゲーション方式である。「疲労」のナビゲーション方式は、ユーザの疲労度が高いと推定された場合に選択される。「酩酊」のナビゲーション方式は、タクシーを利用するルートを優先的に提示するナビゲーション方式である。「酩酊」のナビゲーション方式は、ユーザの酩酊度が高いと推定された場合に選択される。
【0049】
「女性」のナビゲーション方式は、女性専用車両を利用するルートを優先的に提示するナビゲーション方式である。「女性」のナビゲーション方式は、女性専用車両の利用頻度が高い場合に選択される。「早歩き」のナビゲーション方式では、歩行時の所要時間を短く調整して目的位置までの所要時間が提示される。「早歩き」のナビゲーション方式は、歩行ペースが速いと推定された場合に選択される。「すいている車両好み」というナビゲーション方式は、混雑度の低い車両に誘導するルートを提示するナビゲーション方式である。「すいている車両好み」というナビゲーション方式は、ユーザ個性が混雑度の低い車両を好む特性と推定された場合に選択される。
【0050】
次に、図15、図16及び図17を参照して、「早歩き」、「疲労」及び「酩酊」の3つのナビゲーション方式が選択された場合に、ユーザに案内経路(ルート)情報を提示する方法の一例を説明する。複数のナビゲーション方式が選択された場合、ナビゲーション部190は、各ナビゲーション方式が選択される要因となったユーザ状況又はユーザ個性の確信度を比較し、確信度が高い順序で各ナビゲーション方式に従って決定されたルートを提示する。
【0051】
案内経路情報は、図15、図16及び図17に示すように、例えばタブ(又はトグルボタン)形式で表示される。図15、図16及び図17では、地図上に駅プラットホームの概略図が重ねて表示されている。なお、階段の下及びエスカレータの下の2箇所に改札口がある。図15に示されるように、「早歩き」のタブが最初から選択された状態で表示されており、階段を経由してバス停に至るルートが表示されている。ユーザが「疲労」のタブを選択すると、「疲労」のナビゲーション方式に従って決定されたルートが表示される。「疲労」のナビゲーション方式では、図16に示すように、エスカレータを経由してバス停に至るルートが表示される。また、「酩酊」のタブが選択されると、「酩酊」のナビゲーション方式に従って決定されたルートが表示される。「酩酊」のナビゲーション方式では、図17に示すように、エスカレータを経由してタクシー乗り場に至るルートが表示される。
【0052】
以上のように、本実施形態に係るナビゲーション装置は、ユーザ個性の情報を入力することなく、ユーザの多様な個性及び状況を自動的に判断し、ユーザの個性及び状況に適合したナビゲーションを行うことができる。
【0053】
上述したように、本実施形態が適用される携帯機器は、制御部(CPU)、記憶部(ROM及びRAM)、通信制御部、入力部及び表示部を備えている。RAMは、現在行動履歴、現在行動傾向、通常行動履歴、通常行動傾向及び一般ユーザ行動傾向テーブル170等を記憶する。ROMは、上述した一連の処理を実行させるための制御プログラムを保持し、この制御プログラムがCPUに読み込まれてナビゲーション装置が動作される。また、RAMは、制御プログラムの実行に伴って生じる種々のデータを記憶することができる。携帯機器は、通信制御部によってインターネット等の通信ネットワークに通信可能に接続され、一般ユーザ行動傾向テーブル170が定期的に更新される。
【0054】
本実施形態の携帯機器で実行される制御プログラムは、ROMに予め格納される例に限らず、インターネット等の通信ネットワーク経由でダウンロードすることによって提供されてもよい。また、制御プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納して提供することも可能である。記憶媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなど、制御プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
110…検出部、112…加速度センサ、114…測位センサ、116…生体センサ、120…行動認識部、130…現在行動傾向記録部、135…現在行動傾向推定部、140…ユーザ状況推定部、150…通常行動傾向記録部、155…通常行動傾向推定部、160…ユーザ個性推定部、170…一般ユーザ行動傾向テーブル、180…ナビゲーション方式決定部、190…ナビゲーション部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のセンサにより観測されたデータを含む観測情報に基づいて、ユーザの行動を認識する行動認識部と、
第1期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した現在行動履歴を保持する第1記録部と、
前記現在行動履歴に基づいて、前記第1期間における前記ユーザの行動傾向を示す現在行動傾向を推定する第1推定部と、
前記第1期間より長い第2期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した通常行動履歴を保持する第2記録部と、
前記通常行動履歴に基づいて、前記第2期間における前記ユーザの行動傾向を示す通常行動傾向を推定する第2推定部と、
前記現在行動傾向を前記通常行動傾向と比較することにより、前記ユーザの状況を推定し、当該ユーザの状況の確からしさを示す第1確信度を設定するユーザ状況推定部と、
前記通常行動傾向を、他のユーザの行動の傾向を示す一般ユーザ行動傾向と比較することにより、前記ユーザの個性を推定し、当該ユーザの個性の確からしさを示す第2確信度を設定するユーザ個性推定部と、
前記第1確信度を前記第2確信度と比較することにより、前記ユーザへのナビゲーション方式を決定するナビゲーション方式決定部と、
を具備することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
ナビゲーション決定部は、複数のナビゲーション方式を決定し、前記ナビゲーション方式に従って決定された前記ユーザへの案内経路情報の提示順序は、前記第1及び第2確信度に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ユーザ個性推定部は、エレベータ及びエスカレータを含む昇降機器の利用に関するユーザ個性を推定し、前記ユーザ状況推定部は、前記昇降機器の利用に関するユーザ状況を推定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
1以上のセンサにより観測されたデータを含む観測情報に基づいて、ユーザの行動を認識することと、
第1期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した現在行動履歴に基づいて、前記第1期間における前記ユーザの行動傾向を示す現在行動傾向を推定することと、
前記第1期間より長い第2期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した通常行動履歴に基づいて、前記第2期間における前記ユーザの行動傾向を示す通常行動傾向を推定することと、
前記現在行動傾向を前記通常行動傾向と比較することにより、前記ユーザの状況を推定し、当該ユーザの状況の確からしさを示す第1確信度を設定することと、
前記通常行動傾向を、他のユーザの行動の傾向を示す一般ユーザ行動傾向と比較することにより、前記ユーザの個性を推定し、当該ユーザの個性の確からしさを示す第2確信度を設定することと、
前記第1確信度を前記第2確信度と比較することにより、ナビゲーション方式を決定することと、
を具備することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項5】
1以上のセンサを備えるコンピュータに、
前記センサにより観測されたデータを含む観測情報に基づいて、ユーザの行動を認識する機能と、
第1期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した現在行動履歴に基づいて、前記第1期間における前記ユーザの行動傾向を示す現在行動傾向を推定する機能と、
前記第1期間より長い第2期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した通常行動履歴に基づいて、前記第2期間における前記ユーザの行動傾向を示す通常行動傾向を推定する機能と、
前記現在行動傾向を前記通常行動傾向と比較することにより、前記ユーザの状況を推定し、当該ユーザの状況の確からしさを示す第1確信度を設定する機能と、
前記通常行動傾向を、他のユーザの行動の傾向を示す一般ユーザ行動傾向と比較することにより、前記ユーザの個性を推定し、当該ユーザの個性の確からしさを示す第2確信度を設定する機能と、
前記第1確信度を前記第2確信度と比較することにより、ナビゲーション方式を決定する機能と、
を実現させるためのナビゲーションプログラム。
【請求項1】
1以上のセンサにより観測されたデータを含む観測情報に基づいて、ユーザの行動を認識する行動認識部と、
第1期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した現在行動履歴を保持する第1記録部と、
前記現在行動履歴に基づいて、前記第1期間における前記ユーザの行動傾向を示す現在行動傾向を推定する第1推定部と、
前記第1期間より長い第2期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した通常行動履歴を保持する第2記録部と、
前記通常行動履歴に基づいて、前記第2期間における前記ユーザの行動傾向を示す通常行動傾向を推定する第2推定部と、
前記現在行動傾向を前記通常行動傾向と比較することにより、前記ユーザの状況を推定し、当該ユーザの状況の確からしさを示す第1確信度を設定するユーザ状況推定部と、
前記通常行動傾向を、他のユーザの行動の傾向を示す一般ユーザ行動傾向と比較することにより、前記ユーザの個性を推定し、当該ユーザの個性の確からしさを示す第2確信度を設定するユーザ個性推定部と、
前記第1確信度を前記第2確信度と比較することにより、前記ユーザへのナビゲーション方式を決定するナビゲーション方式決定部と、
を具備することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
ナビゲーション決定部は、複数のナビゲーション方式を決定し、前記ナビゲーション方式に従って決定された前記ユーザへの案内経路情報の提示順序は、前記第1及び第2確信度に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ユーザ個性推定部は、エレベータ及びエスカレータを含む昇降機器の利用に関するユーザ個性を推定し、前記ユーザ状況推定部は、前記昇降機器の利用に関するユーザ状況を推定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
1以上のセンサにより観測されたデータを含む観測情報に基づいて、ユーザの行動を認識することと、
第1期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した現在行動履歴に基づいて、前記第1期間における前記ユーザの行動傾向を示す現在行動傾向を推定することと、
前記第1期間より長い第2期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した通常行動履歴に基づいて、前記第2期間における前記ユーザの行動傾向を示す通常行動傾向を推定することと、
前記現在行動傾向を前記通常行動傾向と比較することにより、前記ユーザの状況を推定し、当該ユーザの状況の確からしさを示す第1確信度を設定することと、
前記通常行動傾向を、他のユーザの行動の傾向を示す一般ユーザ行動傾向と比較することにより、前記ユーザの個性を推定し、当該ユーザの個性の確からしさを示す第2確信度を設定することと、
前記第1確信度を前記第2確信度と比較することにより、ナビゲーション方式を決定することと、
を具備することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項5】
1以上のセンサを備えるコンピュータに、
前記センサにより観測されたデータを含む観測情報に基づいて、ユーザの行動を認識する機能と、
第1期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した現在行動履歴に基づいて、前記第1期間における前記ユーザの行動傾向を示す現在行動傾向を推定する機能と、
前記第1期間より長い第2期間に前記行動認識部によって認識された行動を記録した通常行動履歴に基づいて、前記第2期間における前記ユーザの行動傾向を示す通常行動傾向を推定する機能と、
前記現在行動傾向を前記通常行動傾向と比較することにより、前記ユーザの状況を推定し、当該ユーザの状況の確からしさを示す第1確信度を設定する機能と、
前記通常行動傾向を、他のユーザの行動の傾向を示す一般ユーザ行動傾向と比較することにより、前記ユーザの個性を推定し、当該ユーザの個性の確からしさを示す第2確信度を設定する機能と、
前記第1確信度を前記第2確信度と比較することにより、ナビゲーション方式を決定する機能と、
を実現させるためのナビゲーションプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−73105(P2012−73105A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217894(P2010−217894)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省、「高齢者・障がい者チャレンジドのためのユビキタスネットワークロボット技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省、「高齢者・障がい者チャレンジドのためのユビキタスネットワークロボット技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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