説明

ナビゲーション装置及びプログラム

【課題】エネルギー供給施設に立ち寄った後の走行を考慮してエネルギー供給施設を適切に案内可能なナビゲーション装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】ガソリンスタンドを検索し(S101)、設定された目的地への経路に関する経路情報を取得する(S102)。取得された経路情報に基づき、検索されたガソリンスタンドのうち、フルサービスのガソリンスタンドまたはセルフサービスのガソリンスタンドを選択し(S103、S104、S105)、選択されたガソリンスタンドに関する情報を出力する(S106)。これにより、ガソリンスタンドに立ち寄った後の走行を考慮して、適切なガソリンスタンドを案内することができるので、ユーザの利便性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設、例えばガソリンスタンド、を検索し、検索された施設を案内するナビゲーション装置が知られている。例えば特許文献1では、ユーザが、入力操作部を通じて表示されたサービスステーション利用目的情報(以下、「サービスステーション」を「SS」という。)の項目から所望の項目を選択する。そして車載端末とセンタシステムとが通信を行うことにより、センタシステムから車載端末にSS検索結果が供給され、ユーザが入力操作部を通じてSS検索結果として表示されたSS店舗情報のうちから所望のSS店舗情報を選択する旨の入力操作を行うと、選択されたSS店舗を目的地として設定して経路を探索する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−241943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで例えば、高速道路を走行する前や長距離走行の前には、燃料の補給の際に、併せてタイヤの空気圧等の点検を行ってから走行することが安全性の面および燃費の面から好ましい。しかしながら、特許文献1では、車両がサービスステーションに立ち寄った後、どのような走行を行うのか(例えば、近所に買い物に行く、旅行に出かける、等)を考慮したサービスステーションの案内は行われていなかった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エネルギー供給施設に立ち寄った後の走行を考慮したエネルギー供給施設を適切に案内可能なナビゲーション装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のナビゲーション装置は、車両の走行に要するエネルギー源を供給するエネルギー供給施設を検索するエネルギー供給施設検索手段と、設定された目的地への経路に関する経路情報を取得する経路情報取得手段と、エネルギー供給施設検索手段により検索されたエネルギー供給施設のうち、車両へのエネルギー源の供給をエネルギー供給施設に所属するスタッフが行うフルサービス施設、または、車両へのエネルギー源の供給を車両の乗員が行うセルフサービス施設のいずれかを経路情報に基づいて選択する選択手段と、選択手段により選択されたエネルギー供給施設の情報を出力する情報出力手段と、を備える。これにより、エネルギー供給施設に立ち寄った後の走行を考慮した適切なエネルギー供給施設を案内可能であるので、ユーザの利便性が向上する。
【0006】
ところで、フルサービス施設では、例えばタイヤの空気圧チェック等の比較的簡単な点検をサービスとして実施していることが多い。そこで、請求項2に記載の選択手段は、経路に高速走行又は定常走行が予想される特定走行区間が含まれる場合、フルサービス施設を選択する。また、請求項3に記載の選択手段は、特定走行区間が所定距離以上である場合、フルサービス施設を選択する。これにより、高速走行又は定常走行を行う前に、エネルギー供給施設としてフルサービス施設を案内可能であり、エネルギー源の補給の際に併せて点検を促すことにより、その後の走行における安全性や燃費の向上が期待される。
【0007】
請求項4に記載の発明の選択手段は、目的地までの距離が所定距離以上である場合、フルサービス施設を選択する。これにより、長距離走行の前に、エネルギー供給施設としてフルサービス施設を案内可能であり、エネルギー源の補給の際に併せて点検を促すことにより、その後の走行における安全性や燃費の向上が期待される。
【0008】
請求項5に記載の発明では、経路情報は、目的地の施設の種別を示す施設種別情報を含む。選択手段は、施設種別情報に基づき、エネルギー供給施設に所属するスタッフによるエネルギー源の供給をユーザが所望すると推定される場合、フルサービス施設を選択する。これにより、ユーザがスタッフによるエネルギー源の供給を所望する場合には、フルサービス施設を案内可能であるので、ユーザの利便性が向上する。
【0009】
以上、ナビゲーション装置の発明として説明してきたが、次に示すようなプログラムの発明として実現することもできる。
すなわち、車両の走行に要するエネルギー源を供給するエネルギー供給施設を検索するエネルギー供給施設検索手段と、設定された目的地への経路に関する経路情報を取得する経路情報取得手段と、エネルギー供給施設検索手段により検索されたエネルギー供給施設のうち、車両へのエネルギー源の供給をエネルギー供給施設に所属するスタッフが行うフルサービス施設、または、車両へのエネルギー源の供給を車両の乗員が行うセルフサービス施設のいずれかを経路情報に基づいて選択する選択手段と、選択手段により選択されたエネルギー供給施設の情報を出力する情報出力手段と、を備えるプログラムである。このようなプログラムを実行することで、上述のナビゲーション装置と同様の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態による施設情報データベースを説明する説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるガソリンスタンド検索処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態によるガソリンスタンド検索処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第3実施形態によるガソリンスタンド検索処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明によるナビゲーション装置を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるナビゲーション装置としての車載器1の全体構成を示すブロック図である。車載器1は、制御部10を中心に構成されており、制御部10に接続される位置検出器20、地図データ記憶部30、操作スイッチ群40、描画部60、音声出力部70等を備えている。
【0012】
制御部10は、通常のコンピュータとして構成されている。制御部10の内部には、CPU、ROM、I/O、および、これらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。
位置検出器20は、いずれも周知の地磁気センサ21、ジャイロスコープ22、距離センサ23、および、衛星からの電波を受信するGPS(Global Position
ing System)受信機24等を有している。これらのセンサ21〜24は、各々が性質の異なる誤差を持っているため、相互に補完しながら使用される。
【0013】
地図データ記憶部30は、例えばハードディスク装置(HDD)として実現される記憶装置である。なお、本実施形態ではHDDを用いたが、DVD−ROMや、メモリカード等の他の媒体を用いても差し支えない。地図データ記憶部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データおよび経路を探索するための地図データを記憶している。
【0014】
地図データには、道路上に設定されたノードを示すノードデータ、ノード同士の連結を示すリンクデータ等が含まれる。リンクデータには、道路種別情報が含まれる。道路種別情報は、例えば高速道路、バイパス道路、一般道路等のように、道路を複数の種別に区分した際の種別に関する情報である。本実施形態では、それぞれのリンク対して、高速道路、バイパス道路、一般道路のいずれかであることを示す情報が対応づけて記憶されている。
また地図データには、施設に関する施設情報が含まれる。施設情報は、具体的には施設を特定するIDと関連付けられて記憶されているPOI(Point Of Interest)情報である。POI情報には、施設名称、施設ID、位置座標、種別(ジャンル)を示す情報などが含まれる。
【0015】
ここで、図2に基づいて施設情報データベースについて説明する。施設情報データベースには、施設名称、施設ID、当該施設の位置座標、および施設の種別を示す情報が関連付けて記憶されている。なお、図2においては、施設の種別が「ガソリンスタンド」である施設について例示している。また、施設の種別が「ガソリンスタンド」である施設については、フルサービスのガソリンスタンドであることを示すフルフラグ、または、セルフサービスのガソリンスタンドであることを示すセルフルラグが関連付けて記憶されている。
【0016】
例えば、フルサービスのガソリンスタンドであるP社A店については、施設名称「P社A店」、施設ID「0001」、位置座標(x1,y1)が関連付けて記憶されている。また、P社A店はフルサービスのガソリンスタンドであるので、フルフラグがセットされている。
また例えば、セルフサービスのガソリンスタンドであるQ社B店については、施設名称「Q社B店」、施設ID「0002」、位置座標(x2,y2)が関連付けて記憶されている。また、Q社B店はセルフサービスのガソリンスタンドであるので、セルフフラグがセットされている。
【0017】
なお、本実施形態においては、ガソリンスタンドに所属するスタッフが給油作業を行う所謂フルサービスのガソリンスタンドが「車両へのエネルギー源の供給をエネルギー供給施設に所属するスタッフが行うフルサービス施設」に対応し、ガソリンスタンドに所属するスタッフが給油作業を行わず、車両の乗員(主に運転者)が給油作業を行う所謂セルフサービスのガソリンスタンドが「車両へのエネルギー源の供給を車両の乗員が行うセルフサービス施設」に対応している。また、ガソリンスタンドが「エネルギー供給施設」に対応しており、一般的にガソリンスタンドで供給される軽油およびガソリン(レギュラー、ハイオク)が「エネルギー源」に対応している。
【0018】
図1に戻り、操作スイッチ群40は、ディスプレイ61と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチやリモコン装置等で構成され、各種入力に使用される。
描画部60には、ディスプレイ61が接続されている。ディスプレイ61は、液晶やCRTを用いたカラーディスプレイである。このディスプレイ61を介して情報表示が行われる。
音声出力部70には、スピーカ71が接続されている。スピーカ71を介して音声による案内が行われる。
【0019】
ところで本実施形態では、経路情報に基づいて適切なガソリンスタンドを案内可能である点に特徴を有している。そこで、図3に示すフローチャートに基づいてガソリンスタンド検索処理を説明する。
【0020】
図3に示すガソリンスタンド検索処理は、予め目的地が設定され、当該目的地への経路が探索された後に実行される処理である。
初めのステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す)では、ガソリンスタンドを検索する。本実施形態では、ユーザが操作スイッチ群40を操作することにより検索が実行され、ここでは目的地への経路に隣接するガソリンスタンドが検索されるものとする。
【0021】
S102では、設定された目的地へ至る経路に関する経路情報を取得する。本実施形態における経路情報には、経路を構成するリンクに対応づけられている道路種別情報が含まれる。
【0022】
S103では、S102で取得した経路情報に基づき、高速走行が予想される特定走行区間が所定距離(例えば、30km)以上であるか否かを判断する。本実施形態では、道路種別が「高速道路」または「バイパス道路」であるリンクが、「高速走行が予想される特定走行区間」であるものとする。特定走行区間が所定距離未満であると判断された場合(S103:NO)、S105へ移行する。特定走行区間が所定距離以上であると判断された場合(S103:YES)、S104へ移行する。
【0023】
高速走行を行う場合、低速走行時と比較してスタンディングウェーブ現象が起こりやすく、バーストしやすい。したがって、高速走行前には、空気圧を確認し、空気圧が低い場合には空気圧を高めてから高速走行を行うことが安全性の面から好ましい。また、高速走行前には、空気圧を高めておくことが燃費の面からも好ましい。
【0024】
ところで、フルサービスのガソリンスタンドでは、給油時に空気圧チェック等の点検を無料で行ってもらえる場合が多い。そこで本実施形態では、高速走行前には、フルサービスのガソリンスタンドを案内することより、給油の際に併せて空気圧チェック等の点検を促す。すなわち、特定走行区間が所定距離以上であると判断された場合(S103:YES)に移行するS104では、S101にて検索されたガソリンスタンドのうち、フルフラグがセットされているフルサービスのガソリンスタンドを選択する。
【0025】
高速走行を行わない場合あるいは高速走行距離が短い場合には、一般的にフルサービスのガソリンスタンドに比べて価格が安いセルフサービスのガソリンスタンドを案内する。すなわち、特定走行区間が所定距離未満であると判断された場合(S103:NO)に移行するS105では、S101にて検索されたガソリンスタンドのうち、セルフフラグがセットされているセルフサービスのガソリンスタンドを選択する。
【0026】
S106では、S104またはS105で選択されたガソリンスタンドをディスプレイ61にリスト表示する。すなわち、S104の後に移行した場合、フルサービスのガソリンスタンドを車両の現在位置から近い順にリスト表示する。また、S105の後に移行した場合、セルフサービスのガソリンスタンドを車両の現在位置から近い順にリスト表示する。そして、ユーザにより操作スイッチ群40を介してガソリンスタンドが選択されると、選択されたガソリンスタンドを経由地として設定し、この経由地への案内を行う。
【0027】
以上詳述したように、車載器1では、ガソリンスタンドを検索し(S101)、設定された目的地への経路に関する経路情報を取得する(S102)。そして取得された経路情報に基づき、検索されたガソリンスタンドのうち、フルサービスのガソリンスタンドまたはセルフサービスのガソリンスタンドを選択し(S103〜S105)、選択されたガソリンスタンドに関する情報を出力する(S106)。これにより、ガソリンスタンドに立ち寄った後の走行を考慮して、適切なガソリンスタンドを案内することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0028】
本実施形態では、経路に高速走行が予測される特定走行区間が所定距離以上である場合(S103:YES)、フルサービスのガソリンスタンドを選択する(S104)。フルサービスのガソリンスタンドでは、給油の際に、タイヤの空気圧等の点検をサービスとして実施している場合が多い。そこで、経路に高速走行が予測される特定走行区間が含まれる場合、フルサービスのガソリンスタンドを案内可能であり、給油の際に併せて点検を促すことにより、その後の走行における安全性や燃費の向上が期待される。
【0029】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、上記第1実施形態と同様の構成であり、ガソリンスタンド検索処理のみが異なっている。そこで、ガソリンスタンド検索処理について、図4に基づいて説明する。
図4に示すガソリンスタンド検索処理は、予め目的地が設定され、当該目的地への経路が探索された後に実行される処理である。
【0030】
初めのS201では、ガソリンスタンドを検索する。本実施形態では、ユーザが操作スイッチ群40を操作することにより検索が実行され、ここでは目的地への経路に隣接するガソリンスタンドが検索されるものとする。
S202では、設定された目的地へ至る経路に関する経路情報を取得する。経路情報には、車両の現在位置から設定された目的地へ至る経路上を走行した場合の走行距離に関する走行距離情報が含まれる。
【0031】
S203では、S202で取得した経路情報に含まれる走行距離情報に基づき、目的地までの走行距離が所定距離(例えば、100km)以上であるか否かを判断する。目的地までの走行距離が所定距離未満であると判断された場合(S203:NO)、S205へ移行する。目的地までの走行距離が所定距離以上であると判断された場合(S203:YES)、S204へ移行する。
【0032】
目的地までの距離が長い場合、長時間運転する蓋然性が高い。そこで本実施形態では、安全性および燃費の面から、フルサービスのガソリンスタンドを案内することにより、タイヤの空気圧等の点検を促す。すなわち、目的地までの走行距離が所定距離以上であると判断された場合(S203:YES)に移行するS204では、S201にて検索されたガソリンスタンドのうち、フルフラグがセットされているフルサービスのガソリンスタンドを選択する。
【0033】
目的地までの距離が短い場合、比較的価格が安いセルフサービスのガソリンスタンドを案内する。すなわち、目的地までの走行距離が所定距離未満であると判断された場合(S203:NO)、S201にて検索されたガソリンスタンドのうち、セルフフラグがセットされているセルフサービスのガソリンスタンドを選択する。
【0034】
S206では、S204またはS205で選択されたガソリンスタンドをディスプレイ61にリスト表示する。すなわち、S204の後に移行した場合、フルサービスのガソリンスタンドをリスト表示する。また、S205の後に移行した場合、セルフサービスのガソリンスタンドをリスト表示する。そして、ユーザにより操作スイッチ群40を介してガソリンスタンドが選択されると、選択されたガソリンスタンドを経由地として設定し、この経由地への案内を行う。
【0035】
以上詳述したように、本実施形態では、目的地までの走行距離が所定距離以上である場合(S203:YES)、フルサービスのガソリンスタンドを選択する。これにより、長距離走行の前には、フルサービスのガソリンスタンドを案内可能であり、給油の際に併せて点検を促すことにより、その後の走行における安全性や燃費の向上が期待される。
【0036】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、上記第1実施形態と同様の構成であり、ガソリンスタンド検索処理のみが異なっている。そこで、ガソリンスタンド検索処理について、図5に基づいて説明する。
図5に示すガソリンスタンド検索処理は、予め目的地が設定され、当該目的地への経路が探索された後に実行される処理である。
【0037】
初めのS301では、ガソリンスタンドを検索する。本実施形態では、ユーザが操作スイッチ群40を操作することにより検索が実行され、ここでは目的地への経路に隣接するガソリンスタンドが検索されるものとする。
S302では、設定された目的地に関する目的地情報を経路情報として取得する。目的地情報には、目的地の施設の種別を示す施設種別情報が含まれる。
【0038】
S303では、S302で取得された目的地情報に含まれる施設種別情報に基づき、ガソリンスタッフに所属するスタッフによる給油をユーザが所望すると推定されるか否かを判断する。例えば、目的地が冠婚葬祭場である場合、ユーザは正装をしていることが予想される。このような場合、自ら給油作業を行うことによって服が汚れることを懸念し、スタッフによる給油を所望すると推定される。また例えば、目的地が病院である場合、ユーザは運転できる程度ではあるものの怪我や病気に罹患していることが予想される。このような場合、ユーザが車両から降りることを嫌い、スタッフによる給油を所望すると推定される。そこで、本実施形態では、目的地の施設の種別が「冠婚葬祭場」または「病院」である場合、「ガソリンスタッフに所属するスタッフによる給油をユーザが所望する」と推定されるものとし、目的地の施設種別が「冠婚葬祭場」および「病院」以外である場合、「ガソリンスタンドに所属するスタッフによる給油をユーザが所望しない」と推定する。ガソリンスタンドに所属するスタッフによる給油をユーザが所望しないと推定された場合(S303:NO)、すなわち目的地の施設種別が「冠婚葬祭場」および「病院」以外である場合、S305へ移行する。ガソリンスタンドに所属するスタッフによる給油をユーザが所望すると推定された場合(S303:YES)、すなわち目的地の施設種別が「冠婚葬祭場」または「病院」である場合、S304へ移行する。なお、本実施形態では、目的地の施設種別が「冠婚葬祭場」または「病院」である場合、「ガソリンスタッフに所属するスタッフによる給油をユーザが所望する」と推定されるものとしたが、出発地の施設の種別が「冠婚葬祭場」または「病院」である場合も同様に、「ガソリンスタッフに所属するスタッフによる給油をユーザが所望する」と推定してもよい。そこで、例えば往路における目的地情報を記憶しておき、復路の経路設定時にこの目的地情報を復路の出発地情報として取得する等して、出発地の施設に関する出発地情報を経路情報として取得し、出発地の施設の種別を示す施設種別情報に基づき、エネルギー供給施設に所属するスタッフによるエネルギー源の供給をユーザが所望すると推定される場合、フルサービス施設を選択するようにしてもよい。
【0039】
ガソリンスタンドに所属するスタッフによる給油をユーザが所望すると推定された場合(S303:YES)に移行するS304では、S301にて検索されたガソリンスタンドのうち、フルフラグがセットされているフルサービスのガソリンスタンドを選択する。
ガソリンスタンドに所属するスタッフによる給油をユーザが所望しないと推定された場合(S303:NO)に移行するS305では、S301にて検索されたガソリンスタンドのうち、セルフフラグがセットされているセルフサービスのガソリンスタンドを選択する。
【0040】
S306では、S304またはS305で選択されたガソリンスタンドをディスプレイ61にリスト表示する。すなわち、S304の後に移行した場合、フルサービスのガソリンスタンドをリスト表示する。また、S305の後に移行した場合、セルフサービスのガソリンスタンドをリスト表示する。そして、ユーザにより操作スイッチ群40を介してガソリンスタンドが選択されると、選択されたガソリンスタンドを経由地として設定し、この経由地への案内を行う。
【0041】
以上詳述したように、本実施形態では、目的地の施設の種別を示す施設種別情報に基づき、スタッフによる給油をユーザが所望すると推定される場合(S303:YES)、フルサービスのガソリンスタンドを選択する。これにより、ユーザがスタッフによる給油を所望する場合には、フルサービスのガソリンスタンドを案内可能であるので、ユーザの利便性が向上する。
【0042】
上記第1実施形態〜第3実施形態では、制御部10が「エネルギー供給施設検索手段」、「経路情報取得手段」、「選択手段」、「情報出力手段」を構成している。また、S101,S201,S301が「エネルギー供給施設検索手段」の機能としての処理に相当し、S102,S202,S302が「経路情報取得手段」の機能としての処理に相当し、S103〜S105,S203〜S205,S303〜S305が「選択手段」の機能としての処理に相当し、S106,S206,S306が「情報出力手段」の機能としての処理に相当する。
【0043】
なお、上記第1実施形態〜第3実施形態におけるS103,S203,S303の判断処理は、組み合わせて実行してもよい。例えば、S103およびS203を組み合わせ、経路情報に基づき、特定走行区間が所定距離以上である場合、または、目的地までの走行距離が所定距離以上である場合、フルサービスのガソリンスタンドを選択し、給油の際に併せて点検を促すことが安全性および燃費の面で好ましい。また例えばS103およびS303を組み合わせ、特定走行区間が所定距離以上である場合、または、施設種別情報に基づきスタッフによる給油を所望すると推定される場合、フルサービスのガソリンスタンドを選択してもよい。また例えば、S203およびS303を組み合わせて、目的地までの走行距離が所定距離以上である場合、または、施設種別情報に基づきスタッフによる給油を所望すると推定される場合、フルサービスのガソリンスタンドを選択してもよい。さらに、S103,S203,S303を全て組み合わせてもよい。
【0044】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
(ア)エネルギー供給施設
エネルギー供給施設は、車両の走行に要するエネルギー源としてガソリンを供給するガソリンスタンドに限らず、その他のエネルギーを供給する施設であってもよい。例えば、天然ガス、LPG、メタノール、水素等をエネルギー源として供給する所謂「エコステーション」であってもよい。また、電気自動車を充電する充電ステーションであってもよい。
【0045】
(イ)エネルギー供給施設の検索
上記実施形態では、S101、S201、およびS301において、ユーザが操作スイッチ群40を操作することにより経路に隣接するガソリンスタンドを検索したが、経路に隣接するガソリンスタンドに限らず、例えば車両の現在位置周辺のガソリンスタンドを検索してもよい。また、ガソリンスタンドの検索は、ユーザからの入力に基づく検索に限らず、制御部10の内部で自動的に実行してもよい。例えば、ガソリンの残量が所定量(例えば10リットル)を下回ったときに自動的にガソリンスタンド検索を行ってもよい。また例えば、ガソリンの残量と目的地までの走行距離とに基づき、現在のガソリン残量では目的地まで走行できず、給油を要すると判断される場合、自動的にガソリンスタンド検索を行ってもよい。
【0046】
(ウ)特定走行区間
上記第1実施形態では、道路種別が高速道路またはバイパス道路である道路を高速走行が予想される特定走行区間とした。特定走行区間は、経路を構成するリンクの制限速度に基づいて特定してもよい。すなわち、制限速度が所定値(例えば、80km/h)以上である道路を特定走行区間としてもよい。
また、例えば信号が少ない道路では、比較的高速(例えば、50km/h)にて定常走行が可能である。このような定常走行が可能な道路を走行する場合、高速道路等を走行する場合と同様、タイヤの空気圧チェックを行い、空気圧を高めておくことで燃費の向上が期待できる。そこで、単位距離当たりの停止要因の存在個数が一定値以下となる区間を定常走行が予想される特定走行区間としてもよい。これにより、定常走行の前に、フルサービスのガソリンスタンドを選択し、給油の際に併せて点検を促すことにより、その後の走行における安全性や燃費の向上が期待される。停止要因としては、信号および交差点が例示される。交差点に関しては、経路を構成するリンクが優先道路であり、経路に対して交差する道路のみに一時停止が設定されている場合には、停止要因から除外してもよい。
【0047】
上記第1実施形態では、特定走行区間が所定距離以上の場合、フルサービスのガソリンスタンドを選択したが、距離によらず特定走行区間が存在する場合、フルサービスのガソリンスタンドを選択してもよい。
【0048】
(エ)目的地までの距離
上記第2実施形態では、車両の現在位置から設定された目的地へ至る経路上を走行した場合の走行距離が所定距離以上である場合、フルサービスのガソリンスタンドを選択したが、目的地までの距離は、経路上を走行した場合の走行距離、すなわち道なり距離に限らず、車両の現在位置から目的地までの直線距離に基づいて判断してもよい。
【0049】
(オ)経路情報
上記(エ)のように、第2実施形態において目的地までの距離を車両の現在位置から目的地までの直線距離に基づいて判断する場合、目的地へ至る経路が探索されているか否かは問わない。すなわち、「経路情報」は、設定された目的地の位置座標、および、車両の現在位置である現在位置座標と目的地の位置座標とから算出される直線距離に関する情報であってもよい。
同様に、第3実施形態においても、予め目的地への経路が探索されていたが、目的地への経路が探索されていなくてもよい。
【0050】
(カ)検索結果の表示
第1実施形態では、S104にてフルサービスのガソリンスタンドが選択された場合、S106にてフルサービスのガソリンスタンドのみをリスト表示した。また、S105にてセルフサービスのガソリンスタンドが選択された場合、S106にてセルフサービスのガソリンスタンドのみをリスト表示するようにした。
【0051】
ここで、S106にてリスト表示を行うにあたり、S104にてフルサービスのガソリンスタンドが選択された場合、S106にてフルサービスのガソリンスタンドの優先度を高めてリスト表示してもよい。例えば、フルサービスのガソリンスタンドを車両の現在位置から近い順に表示し、その後にセルフサービスのガソリンスタンドを車両の現在位置から近い順に表示してもよい。同様に、S105にてセルフサービスのガソリンスタンドが選択された場合、S106にてセルフサービスのガソリンスタンドの優先度を高めてリスト表示してもよい。
【0052】
また、S106にて選択結果を表示する場合、リスト表示に限らず、地図上のアイコンにて表示してもよい。例えば、S104またはS105で選択されたガソリンスタンドのアイコンを大きくしたり、点滅させたりしてもよい。
このような選択結果の表示については、第2実施形態および第3実施形態においても同様である。
【0053】
(キ)情報出力手段
上記実施形態では、検索結果を描画部60に出力し、ディスプレイ61に表示していた。他の実施形態では、ナビゲーション装置自体において具体的に表示や音声等で案内を行わず、他の装置(例えば、携帯端末)に選択結果に係る情報を出力することのみによって情報出力手段を構成してもよい。
【0054】
(ク)ナビゲーション装置
上記実施形態では、ナビゲーション装置の一例として車載器について説明した。ナビゲーション装置は、携帯電話に代表される携帯端末であってもよい。また、車載器や携帯端末と情報通信を行う情報センタ内の装置がナビゲーション装置を構成してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1:車載器(ナビゲーション装置)、10:制御部(エネルギー供給施設検索手段、経路情報取得手段、選択手段、情報出力手段)、20:位置検出器、21:地磁気センサ、22:ジャイロスコープ、23:距離センサ、24:GPS受信機、30:地図データ記憶部、40:操作スイッチ群、60:描画部、61:ディスプレイ、70:音声出力部、71:スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行に要するエネルギー源を供給するエネルギー供給施設を検索するエネルギー供給施設検索手段と、
設定された目的地への経路に関する経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記エネルギー供給施設検索手段により検索された前記エネルギー供給施設のうち、前記車両へのエネルギー源の供給を前記エネルギー供給施設に所属するスタッフが行うフルサービス施設、または、前記車両へのエネルギー源の供給を前記車両の乗員が行うセルフサービス施設のいずれかを前記経路情報に基づいて選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記エネルギー供給施設の情報を出力する情報出力手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記経路に高速走行又は定常走行が予想される特定走行区間が含まれる場合、前記フルサービス施設を選択することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記特定走行区間が所定距離以上である場合、前記フルサービス施設を選択することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記目的地までの距離が所定距離以上である場合、前記フルサービス施設を選択することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記経路情報は、前記目的地の施設の種別を示す施設種別情報を含み、
前記選択手段は、前記施設種別情報に基づき、前記エネルギー供給施設に所属するスタッフによるエネルギー源の供給をユーザが所望すると推定される場合、前記フルサービス施設を選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
車両の走行に要するエネルギー源を供給するエネルギー供給施設を検索するエネルギー供給施設検索手段と、
設定された目的地への経路に関する経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記エネルギー供給施設検索手段により検索された前記エネルギー供給施設のうち、前記車両へのエネルギー源の供給を前記エネルギー供給施設に所属するスタッフが行うフルサービス施設、または、前記車両へのエネルギー源の供給を前記車両の乗員により行うセルフサービス施設のいずれかを前記経路情報に基づいて選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記エネルギー供給施設の情報を出力する情報出力手段と、
を備えることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−180000(P2011−180000A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45174(P2010−45174)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】