説明

ナビゲーション装置及び再生方法

【課題】 メモリを使って誘導経路を表示すると共に、オーディオディスク媒体を再生しているときに、誘導経路から外れて媒体を交換しなければならなくなっても、音声をできるだけ途切れることなく再生すること及びメモリの容量も小さくすることが可能な「ナビゲーション装置及び再生方法」を提供する。
【解決手段】 データメモリ14に格納された経路データと地図データのうち、案内済みで不要となったデータを順次消去すると共に、消去された空き領域に、ディスク再生部12によりオーディオデータ記録媒体11bから再生されたオーディオデータを順次格納し、格納したオーディオデータを読み出して出力することにより、地図データを再度読み出すために、オーディオデータ記録媒体11bが排出されても、データメモリ14からオーディオデータを途切れることなく出力することができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及び再生方法に関し、特に、ディスク再生装置によって再生されるディスクから地図データ及び地図データ以外のデータを読み出すナビゲーション装置及び再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到達できるようにした車載用のナビゲーション装置は、自立航法センサやGPS(Global Positioning System)受信機などを用いて自車両の現在位置を検出し、その近傍の地図データをDVD−ROMやCD−ROMなどの記録媒体から読み出して、地図画面を表示する。そして、自車両の移動により現在位置が変化するに従って、地図画面上で車両位置マークを移動したり、車両位置マークを地図画面上の所定箇所に固定してその近傍の地図データをスクロールしたりすることにより、自車両が現在どこを走行しているのかを一目で分かるようにしている。
【0003】
前述したナビゲーション装置の中には、地図データを記録した記録媒体に替えて、音楽用や映像用、ゲーム用など他の用途の記録媒体をディスク再生部に装着することで、これらの記録媒体の再生を行うことができるようになっているものが存在する。
【0004】
しかしながら、この種のナビゲーション装置は、ナビゲーション機能を使用している状態では、地図データを記録した記録媒体に常時アクセスして必要な地図データを読み出すようにしているため、地図データを記録した記録媒体以外の記録媒体を再生することができないという問題があった。
【0005】
そこで、地図データを記録した地図ディスクから地図データを読み出し、目的地までの推奨経路を探索して、推奨経路とこの推奨経路に沿った部分との数枚の地図データを経路地図メモリに格納した後に、オーディオデータを記録したオーディオディスクからオーディオデータを読み出す技術が知られている(例えば特許文献1など)。
【特許文献1】特許第2663003号明細書
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のナビゲーション装置では、自車両が推奨経路から外れてしまった場合に、地図データを記録した地図ディスクから再度地図データを読み出さなければならないので、オーディオディスクからの再生を一時中断してオーディオディスクから地図ディスクへと記録媒体を交換しなければならず、オーディオディスクから再生される音声が途切れてしまうという問題があった。
【0007】
また、特許文献1に記載のナビゲーション装置とは逆に、オーディオデータを記録したオーディオディスクからオーディオデータを読み出し、これをオーディオメモリに格納した後に、地図データを記録した地図ディスクを再生する技術がある。しかしながら、この技術では、オーディオデータの全てをオーディオメモリに格納しなければならないので、オーディオメモリが莫大な容量を必要としてしまうという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、目的地までの誘導経路を表す経路データ及び誘導経路に沿った所定の範囲の地図データをメモリに格納し、メモリ上のデータを使って走行案内をしている一方で、ディスク媒体から地図データ以外のデータを再生している場合に、自車両が誘導経路から外れてしまい地図ディスク媒体から地図データを再度読み出す必要が生じたときでも、地図データ以外のデータの再生を出来るだけ中断することなく、ディスクを交換して新たな経路データと地図データとをメモリに格納できるようにすることを目的とする。また、メモリの容量をできるだけ小さくできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明では、目的地までの誘導経路が設定された場合に、その誘導経路を表す経路データと誘導経路に沿った所定の範囲の地図データを地図データ記録媒体から読み出してデータ記憶部に格納し、この格納したデータを使って走行案内をする。そして、案内済みで不要となった誘導経路に該当する部分の経路データと地図データとをデータ記憶部から順次消去する。一方、データ記録媒体が再生部に挿入されて、データ記録媒体が再生部により再生された場合には、データ記録媒体から再生された地図データ以外のデータを、データ記憶部の経路データと地図データとが消去された空き領域に格納し、この領域から地図データ以外のデータを読み出して出力するようにしている。
【発明の効果】
【0010】
上記のように構成した本発明によれば、データ記録媒体を再生して地図データ以外のデータを出力しているときに、地図データ記録媒体から地図データを再度読み出す必要が生じた際に、データ記録媒体を再生部から排出して、地図データ記録媒体を再生部に挿入しても、地図データ以外のデータがデータ記憶部から出力され続けるので、地図データ以外のデータが途切れることなく出力され、その間に新たな経路データと地図データとをデータ記憶部に再度格納することができる。従って、ユーザは、データの出力が途切れることによる不快感を感じることがなくなる。また、不要となったデータを消去することによって確保した空き領域に地図データ以外のデータが格納されるので、データ記憶部の領域を有効に活用することができ、その容量を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明による一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるナビゲーション装置1の構成例を示すブロック図である。
【0012】
図1において、11aは地図表示や経路探索などに必要な各種の地図データを記録しているDVD−ROM等のディスク状の地図データ記録媒体である。また、11bは地図データ以外のデータ、例えばオーディオデータを記録したCD−ROM等のディスク状のオーディオデータ記録媒体(特許請求の範囲のデータ記録媒体に該当する)である。なお、ここでは地図データ記録媒体としてDVD−ROMを挙げているが、CD−ROMなどの他の記録媒体を用いても良い。また、地図データ以外のデータの例としてオーディオデータを挙げているが、ビデオデータなどの他のデータを用いても良い。その場合、ビデオデータを記録する記録媒体は、DVD−ROM等であっても良い。
【0013】
12はディスク再生部であり(特許請求の範囲の再生部に該当する)、記録媒体11a,11bから地図データやオーディオデータを読み出す。また、ディスク再生部12は、記録媒体を挿入するための挿入スロットが一つ、記録媒体を載置するためのトレイを一つ備えており、地図データ記録媒体11a又はオーディオデータ記録媒体11bの何れか一方を挿入して再生することができる。
【0014】
13は車両の現在位置を測定する位置測定装置であり、自立航法センサ、GPS(Global Positioning System)受信機、位置計算用CPU等で構成されている。自立航法センサは、所定走行距離毎に1個のパルスを出力して車両の移動距離を検出する車速センサ(距離センサ)と、車両の回転角度(移動方位)を検出する振動ジャイロ等の角速度センサ(相対方位センサ)とを含む。位置計算用CPUは、これらの車速センサ及び角速度センサからの出力によって車両の相対位置及び方位を計算する。
【0015】
位置計算用CPUは、自立航法センサから出力される自車の相対的な位置及び方位のデータに基づいて、絶対的な自車位置(推定車両位置)及び車両方位を計算する。また、GPS受信機は、複数のGPS衛星から送られてくる電波をGPSアンテナで受信して、3次元測位処理或いは2次元測位処理を行って車両の絶対位置及び方位を計算する(車両方位は、現時点における自車位置と1サンプリング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)。
【0016】
14はデータメモリであり(特許請求の範囲のデータ記憶部に該当する)、初期領域として、ディスク再生部12によって地図データ記録媒体11aから読み出された地図データや経路探索によって求められた誘導経路を表す経路データを一時的に格納するための地図データ記憶領域14aと、ディスク再生部12によってオーディオデータ記録媒体11bから読み出されたオーディオデータを一時的に格納するためのオーディオデータ記憶領域14bとを備えている。なお、これらのデータ記憶領域14a,14bは、初期状態として用意されているものであって、地図データや経路データとオーディオデータとがそれぞれの領域に固定的に格納されているものではない。この点の詳細については後述する。
【0017】
前述したディスク再生部12は、地図データ記録媒体11aが挿入されているときに、位置測定装置13より得られる車両現在位置の情報に基づいて、その車両現在位置を含む所定範囲の地図データを地図データ記録媒体11aから読み出す。そして、読み出した地図データを用いて後述するCPU17により誘導経路が設定された場合には、ディスク再生部12は、車両現在位置から目的地までの誘導経路に沿った所定範囲の地図データを地図データ記録媒体11aから読み出す。CPU17により設定された誘導経路の経路データと、ディスク再生部12により読み出された所定範囲の地図データとは、初期状態ではデータメモリ14の地図データ記憶領域14aに格納される。初期状態の地図データ記憶領域14aとしては、誘導経路のデータを所定の距離まで記憶できるだけの容量が用意されている。
【0018】
また、ディスク再生部12は、オーディオデータ記録媒体11bが挿入された状態で、後述するリモコン15の操作などによって、オーディオデータの読み出しが指示されると、オーディオデータ記録媒体11bからオーディオデータを読み出す。ディスク再生部12により読み出されたオーディオデータは、初期状態ではオーディオデータ記憶領域14bに格納される。初期状態のオーディオデータ記憶領域14bとしては、所定時間分のオーディオデータを記憶できるだけの容量が用意されている。所定時間分を超えるオーディオデータについては、地図データ記憶領域14aからデータを消去することによって確保した空き領域に順次格納する(これについての詳細は後述する)。
【0019】
15はリモートコントローラ(リモコン)であり、ユーザがナビゲーション装置1に対して各種の情報(例えば、経路誘導の目的地)を設定したり、各種の操作(例えば、オーディオデータの再生操作、メニュー選択操作、拡大/縮小操作、手動地図スクロール、文字入力等)を行ったりするための各種操作子(ボタンやジョイスティック等)を備えている。16はリモコンインタフェースであり、リモコン15からその操作状態に応じた赤外線信号を受信する。
【0020】
17はプロセッサ(CPU)であり、ナビゲーション装置1の全体を制御する。また、18はROMであり、各種プログラム(誘導経路探索処理プログラム、地図表示プログラム、オーディオ再生プログラム等)を記憶する。19はRAMであり、各種処理の過程で得られるデータや、各種処理の結果得られるデータを一時的に格納する。
【0021】
前述のCPU17は、例えば、ROM18に記憶されている誘導経路探索処理プログラムに従って、ディスク再生部12によって地図データ記録媒体11aに格納された地図データを読み出し、この地図データを用いて、現在地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな誘導経路を探索する処理を行う。CPU17が探索した誘導経路を表す経路データは、その誘導経路に沿った所定範囲の地図データと共にデータメモリ14の地図データ記憶領域14aに記憶される。経路データは、現在地から目的地までの各ノードに対応させて、各ノードの位置と、各ノードが交差点か否かを表す交差点識別フラグとを記憶したものである。
【0022】
また、CPU17は、ROM18に記憶されている地図表示プログラムに従って、位置測定装置13から車両現在位置の情報を取得して、現在位置周辺の地図データと経路データとをデータメモリ14から読み出す。そして、読み出した地図データを後述するディスプレイコントローラ20に供給し、経路データを後述する誘導経路発生部23に供給することによって、後述する表示装置27に地図画像を表示させる。この状態で、自車両が誘導経路を進行すると、CPU17は、自車両が通過した部分の誘導経路の経路データ及び誘導経路に沿った地図データを地図データ記憶領域14aから順次消去する。
【0023】
また、CPU17は、ROM18に記憶されているオーディオ再生プログラムに従って、オーディオデータの読み出し指示をディスク再生部12に出力する。CPU17は、データメモリ14のオーディオデータ記憶領域14bと、地図データ記憶領域14aの地図データなどが消去された部分とに、ディスク再生部12により読み出されたオーディオデータを格納する。また、CPU17は、オーディオデータ記憶領域14bよりオーディオデータを読み出して後述するD/A変換部18に供給することによってスピーカ30から音声を外部に出力させる。この状態で、CPU17は、音声出力済みのオーディオデータをデータメモリ14から消去する。
【0024】
前述のディスプレイコントローラ20は、データメモリ14に格納された地図データに基づいて、表示装置27への表示に必要な地図画像データを生成する。21はビデオRAMであり、ディスプレイコントローラ20によって生成された地図画像データを一時的に格納する。すなわち、ディスプレイコントローラ20によって生成された地図画像データはビデオRAM21に一時的に格納され、1画面分の地図画像データが読み出されて画像合成部25に出力される。
【0025】
22はメニュー発生部であり、リモコン15を用いて各種の操作を行う際に必要なメニュー画像を発生して出力する。前述の誘導経路発生部23は、データメモリ14に記憶された経路データを使用して、誘導経路の描画データを発生する。すなわち、地図データメモリ14に記憶された経路データの中から、その時点でビデオRAM21に描画された地図エリアに含まれるものを選択的に読み出し、地図画像に重ねて所定色で太く強調した誘導経路を描画する。
【0026】
24はマーク等発生部であり、マップマッチング処理された後の自車両の位置に表示する車両位置マークや、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア等を表示する各種ランドマーク等を発生して出力する。なお、マップマッチング処理とは、データメモリ14に読み出されている地図データと、位置測定装置13によって測定されたGPS受信機による自車両の位置及び車両方位のデータと、自立航法センサによる推定車両位置及び車両方位のデータとを用いて、自車両の走行位置を地図データの道路上に位置修正する処理のことを言う。
【0027】
前述の画像合成部25は、各種画像を合成して出力する。すなわち、ディスプレイコントローラ20によって読み出された地図画像データに、メニュー発生部22、誘導経路発生部23、マーク等発生部24のそれぞれから出力される各画像データを重ねて画像合成を行い、表示装置27に出力する。これにより、表示装置27の画面上には、画像合成部25から入力した自車両周辺の地図画面が自車両の車両位置マークなどと共に表示される。26はバスであり、前述した各種の機能構成どうしで互いにデータの授受を行うために使用される。
【0028】
前述のD/A変換部28は、データメモリ14から読み出されたオーディオデータをアナログ音声信号に変換する。29はアンプであり、D/A変換部28によって変換されたアナログ音声信号を増幅する。前述のスピーカ30は、アンプ29で増幅されたアナログ音声信号を音声として外部に出力する。
【0029】
次に、本実施形態によるナビゲーション装置1において地図表示をしながらオーディオデータを再生する際のデータメモリ14の状態を説明する。図2は、本実施形態のナビゲーション装置1において地図を表示しながらオーディオデータを再生する際の動作例を示す図である。図3は、本実施形態のナビゲーション装置1において地図データを再度読み込む際の動作例を示す図である。
【0030】
データメモリ14にデータが何も記憶されていない状態(初期の地図データ記憶領域14a及びオーディオデータ記憶領域14bが用意されている状態)で、ディスク再生部12に地図データ記録媒体11aが挿入されると(図2(a)参照)、前述のCPU17は、ROM18に記憶されている誘導経路探索処理プログラムに従って、ディスク再生部12によって地図データ記録媒体11aに格納された地図データを読み出し、この地図データを用いて、現在地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな誘導経路を探索する処理を行う。CPU17が探索した誘導経路のデータは、データメモリ14の地図データ記憶領域14aに記憶される。また、誘導経路に沿った周辺の地図データも地図データ記憶領域14aに記憶される(図2(b)参照)。
【0031】
ここで、リモコン15などに配置されている図示しないイジェクトボタンがユーザにより押下されると、地図データ記録媒体11aがディスク再生部12より排出される(図2(c)参照)。地図データ記録媒体11aがディスク再生部12より排出されても、経路データとその周辺の地図データはデータメモリ14の地図データ記憶領域14aより読み出されるので、自車両の現在位置を含む周辺の地図を誘導経路と共に表示装置27に表示することができる。
【0032】
すなわち、CPU17は、ROM18に記憶されている地図表示プログラムに従って、位置測定装置13から車両現在位置の情報を取得して、現在位置周辺の地図データを地図データ記憶領域14aから読み出すと共に、誘導経路のデータを地図データ記憶領域14aから読み出す。そして、地図データをディスプレイコントローラ20に供給し、経路データを誘導経路発生部23に供給することにより、誘導経路及び誘導経路に沿った所定範囲の地図を表示装置27に表示する。
【0033】
この状態で、自車両が誘導経路を進行すると、CPU17は、自車両が通過した部分の誘導経路の経路データ及び誘導経路に沿った地図データを地図データ記憶領域14aから順次消去する(図2(d)参照)。
【0034】
その後、ディスク再生部12にオーディオデータ記録媒体11bが挿入され(図2(e)参照)、リモコン15などの操作によってオーディオデータの再生指示が行われると、CPU17は、ROM18に記憶されているオーディオ再生プログラムに従って、以下の制御を行う。CPU17は、ディスク再生部12を制御してオーディオデータ記録媒体11bからオーディオデータを読み出し、データメモリ14のオーディオデータ記憶領域14bと、地図データ記憶領域14aの地図データなどが消去された部分とにオーディオデータを格納する(図2(f)参照)。この時点で格納するオーディオデータは、オーディオ記録媒体11bの最初の部分から空き領域に格納できる分のみである。
【0035】
また、CPU17は、データメモリ14からオーディオデータを読み出してD/A変換部28に出力する。D/A変換部28では、データメモリ14から入力したオーディオデータをアナログ音声信号に変換し、アンプ29に出力する。アンプ29では、D/A変換部28から入力したアナログ音声信号を増幅し、スピーカ30より外部に音声として出力する。ここで、音声出力済みのオーディオデータは、データメモリ14から随時消去される。しかし、スピーカ30から音声を出力している状態でも、ディスク再生部12によりオーディオデータ記録媒体11bから再生された続きのオーディオデータがデータメモリ14に順次蓄積されていく。
【0036】
ここで、オーディオデータ記録媒体11bからデータメモリ14にオーディオデータを格納する速度は、D/A変換部28に出力するためにデータメモリ14からオーディオデータを読み出す速度よりも高速である。これにより、スピーカ30から音声を出力している状態でも、データメモリ14へのオーディオデータの蓄積量は増えていく。そのため、初期状態のオーディオデータ記憶領域14bだけではオーディオデータを格納できなくなるので、地図データ記憶領域14aの空き領域にもオーディオデータを格納する。
【0037】
なお、オーディオデータ記録媒体11bからデータメモリ14にオーディオデータを格納する速度と、D/A変換部28に出力するためにデータメモリ14からオーディオデータを読み出す速度とを等速としても良い。また、オーディオデータ記録媒体11bからデータメモリ14にオーディオデータを格納する速度を、D/A変換部28に出力するためにデータメモリ14からオーディオデータを読み出す速度よりも低速としても良い。ただし、これらの場合には、スピーカ30から音声を出力していない状態で、データメモリ14にオーディオデータを蓄積する時間が余計に必要となる。
【0038】
このような状態で、例えば、自車両が誘導経路を外れた場合、新しい誘導経路を探索する必要が生じる。しかし、データメモリ14に格納されている地図データだけでは新しい誘導経路を探索できないので、地図データ記録媒体11aから地図データを再度読み込まなければならない。
【0039】
そこで、データメモリ14からオーディオデータを読み出して音声を出力している状態で(図3(a)参照)、自車両が誘導経路から外れると、CPU17は、メニュー発生部22を制御して、誘導経路から外れたこと、地図データ記録媒体11aの挿入を促すことのメッセージを含んだ画面を生成し、画像合成部25を介して表示装置27に表示する。このメッセージを見たユーザは、リモコン15に配設された図示しないイジェクトボタンを押下することにより、オーディオデータ記録媒体11bの排出を行う(図3(b)参照)。なお、誘導経路から外れたときにオーディオデータ記録媒体11bをディスク再生部12から自動的に排出するようにしても良い。
【0040】
オーディオデータ記録媒体11bが排出される際に、CPU17は、データメモリ14に格納されているオーディオデータのうち、最後に再生される部分のアドレスと(特許請求の範囲の終端位置情報に該当する)、排出されるオーディオデータ記録媒体11bの識別情報(例えばTOC(Table Of Code)など)を取得し、データメモリ14などに記憶する。
【0041】
オーディオデータ記録媒体11bが排出されると、CPU17は、データメモリ14の地図データ記憶領域14bに格納されている地図データを消去する(図3(c)参照)。そして、CPU17は、ディスク再生部12に地図データ記録媒体11aが挿入されたか否かを調べる。ユーザによって地図データ記録媒体11aがディスク再生部12に挿入されたとCPU17にて判断した場合、CPU17は、ROM18に記憶されている誘導経路探索処理プログラムに従って、ディスク再生部12により地図データ記録媒体11aに格納された地図データを読み出し、この地図データを用いて、現在地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな誘導経路を探索する処理を行う。CPU17が探索した新たな誘導経路のデータは、データメモリ14の地図データ記憶領域14aに記憶される。また、新たな誘導経路に沿った新たな地図データも地図データ記憶領域14aに記憶される(図3(d)参照)。
【0042】
データメモリ14の地図データ記憶領域14aに新たな経路データと新たな地図データとが格納されると、CPU17は、ROM18に記憶されている地図表示プログラムに従って、その地図データ記憶領域14aに記憶されたデータを使って周辺地図と誘導経路の表示を制御する。従って、その後でイジェクトボタンの操作によってディスク再生部12より地図データ記録媒体11aが排出されても、自車両の周辺地図を誘導経路と共に表示することができる(図3(e)参照)。なお、地図データ記録媒体11aからデータメモリ14に対して地図データの読み込みが完了したときに、その旨を示すメッセージを表示装置27に表示しても良い。また、地図データ記録媒体11aをディスク再生部12より自動的に排出するようにしても良い。
【0043】
ユーザは、リモコン15などのイジェクトボタンを操作してディスク再生部12から地図データ記録媒体11aを排出した後は、新しいオーディオデータ記録媒体11bをディスク再生部12に挿入する(図3(f)参照)。ここで、新しいオーディオデータ記録媒体11bは、特許請求の範囲の新しいデータ記録媒体に該当する。
【0044】
CPU17は、新しいオーディオデータ記録媒体11bの識別情報を取得し、データメモリ14に記憶しておいた識別情報と比較することで、挿入された新しいオーディオデータ記録媒体11bが、一旦排出されたオーディオデータ記録媒体11bと同一であるか否かを判断する。同一ではないと判断された場合には、CPU17は、データメモリ14に格納されているオーディオデータを消去して、挿入された新しいオーディオデータ記録媒体11bに記録されたオーディオデータをディスク再生部12により読み出し、データメモリ14に格納する。
【0045】
一方、同一であると判断された場合には、CPU17は、データメモリ14に記憶しておいたアドレスに基づいて、そのアドレス以降のオーディオデータをオーディオデータ記録媒体11bからディスク再生部12により読み出し、データメモリ14に格納する。ここで、図3(b)から図3(f)に示す動作が行われている間、CPU17は、ROM18に記憶されているオーディオ再生プログラムに従って、データメモリ14に格納されているオーディオデータを読み出して、D/A変換部28に供給することにより、スピーカ30から音声を出力し続けている。
【0046】
次に、本実施形態によるナビゲーション装置1の動作及び再生方法を説明する。図4は、本実施形態によるナビゲーション装置1の動作及び再生方法を示すフローチャートである。本実施形態によるナビゲーション装置1の動作及び再生方法は、図4(a)に示す動作と図4(b)に示す動作とを並行して行っている。
【0047】
まず、CPU17は、ディスク再生部12に地図データ記録媒体11aが挿入されたか否かを調べる(ステップS1)。ディスク再生部12に地図データ記録媒体11aが挿入されないとCPU17にて判断した場合には(ステップS1にてNO)、ステップS1の処理を繰り返す。
【0048】
一方、ディスク再生部12に地図データ記録媒体11aが挿入されたとCPU17にて判断した場合には(ステップS1にてYES)、CPU17は、ROM18に記憶されている誘導経路探索処理プログラムに従って、ディスク再生部12によって地図データ記録媒体11aに格納された地図データを読み出し、この地図データを用いて、位置測定装置13より取得した自車両の現在位置から目的地までを結ぶ最もコストが小さな誘導経路を探索する処理を行う。そして、CPU17は、得られた誘導経路の経路データ及び誘導経路に沿った所定の範囲の地図データをデータメモリ14に格納する(ステップS2)。
【0049】
そして、CPU17は、ROM18に記憶されている地図表示プログラムに従って、位置測定装置13から自車両の現在位置を取得して、現在位置の周辺の地図データ及び経路データをデータメモリ14から読み出す。そして、地図データをディスプレイコントローラ20に供給し、経路データを誘導経路発生部23に供給することにより、誘導経路及び誘導経路に沿った所定の範囲の地図を表示装置27に表示する。また、CPU17は、データメモリ14から読み出した地図データと経路データ(表示済みの部分の地図データと経路データ)をデータメモリ14から順次消去する(ステップS3)。
【0050】
次に、CPU17は、自車両が誘導経路から外れたか否かを調べる(ステップS4)。自車両が誘導経路から外れないとCPU17にて判断した場合には(ステップS4にてNO)、ステップS3の処理に戻り、設定されている誘導経路に従って走行案内を継続する。
【0051】
一方、自車両が誘導経路から外れたとCPU17にて判断した場合には(ステップS4にてYES)、CPU17は、地図データ記録媒体11aがディスク再生部12に挿入されているか否かを調べる(ステップS5)。地図データ記録媒体11aがディスク再生装置12に挿入されているとCPU17にて判断した場合には(ステップS5にてYES)、ステップS2の処理に戻り、新たな誘導経路を探索する。
【0052】
一方、地図データ記録媒体11aがディスク再生装置12に挿入されていないとCPU17にて判断した場合には(ステップS5にてNO)、CPU17は、地図データ記録媒体11aの挿入を要求して(ステップS6)、ステップS1の処理に戻る。具体的には、CPU17は、メニュー発生部22を制御して、地図データ記録媒体11aの挿入を促すメッセージを生成し、画像合成部25を介して表示装置27にメッセージを表示したり、スピーカ30から地図データ記録媒体11aの挿入を促す音声を出力したりする。ここで、オーディオデータ記録媒体11bがディスク再生部12に挿入されている場合には、地図データ記録媒体11aがディスク再生部12に挿入されていない状態となる。
【0053】
このような図4(a)の動作が行われている際に、CPU17は、オーディオデータ記録媒体11bがディスク再生部12に挿入されたか否かを調べる(ステップS11)。オーディオ記録媒体11bがディスク再生部12に挿入されていないとCPU17にて判断した場合には(ステップS11にてNO)、ステップS11の処理を繰り返す。
【0054】
一方、オーディオ記録媒体11bがディスク再生部12に挿入されたとCPU17にて判断した場合には(ステップS11にてYES)、CPU17は、ROM18のオーディオ再生プログラムに従って、ディスク再生部12を制御し、オーディオデータ記録媒体11bからオーディオデータを読み出して、データメモリ14に格納する(ステップS12)。
【0055】
そして、CPU17は、データメモリ14からオーディオデータを読み出して、D/A変換部28に出力する。D/A変換部28では、データメモリ14から入力したオーディオデータをアナログ音声信号に変換し、アンプ29に出力する。アンプ29では、D/A変換部28から入力したアナログ音声信号を増幅し、スピーカ30より外部に音声として出力する。また、CPU17は、データメモリ14から読み出されたオーディオデータ(出力済みのオーディオデータ)をデータメモリ14から順次消去する(ステップS13)。
【0056】
次に、CPU17は、ROM18の誘導経路探索処理プログラムに従って、自車両が誘導経路から外れたか否かを調べる(ステップS14)。自車両が誘導経路から外れないとCPU17にて判断した場合には(ステップS14にてNO)、ステップS12の処理に戻る。
【0057】
一方、自車両が誘導経路から外れたとCPU17にて判断した場合には(ステップS14にてYES)、CPU17は、オーディオデータ記録媒体11bがディスク再生部12に挿入されているか否かを調べる(ステップS15)。オーディオデータ記録媒体11bがディスク再生部12に挿入されているとCPU17にて判断した場合には(ステップS15にてYES)、ステップS12の処理に戻る。
【0058】
一方、オーディオデータ記録媒体11bがディスク再生部12に挿入されていないとCPU17にて判断した場合には(ステップS15にてNO)、CPU17は、データメモリ14からオーディオデータを読み出してD/A変換部28に出力することにより、スピーカ30より外部に音声を出力する。また、CPU17は、データメモリ14から読み出されたオーディオデータ(出力済みのオーディオデータ)をデータメモリ14から順次消去する(ステップS16)。
【0059】
ここで、新しい誘導経路を探索するためにオーディオデータ記録媒体11bから地図データ記録媒体11aに交換した場合には、オーディオデータ記録媒体11bがディスク再生部12に挿入されていない状態となる。このように、オーディオデータ記録媒体11bがディスク再生部12に挿入されていなくても、ステップS15,ステップS16のループ処理によって、データメモリ14からオーディオデータを読み出して、スピーカ30から出力し続けることができる。その間、図4(a)の動作に従って新しい誘導経路が探索され、再び地図データ記録媒体11aからオーディオデータ記録媒体11bに戻されると、ステップS15の処理からステップS12の処理に戻る。
【0060】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、目的地までの誘導経路を表す経路データと誘導経路に沿った所定の範囲の地図データとをデータメモリ14に格納して、データメモリ14のデータを使って走行案内を行っているときに、案内済みで不要となった誘導経路に該当する部分の経路データと地図データとをデータメモリ14から順次消去すると共に、データメモリ14の地図データ等を消去した空き領域に、ディスク再生部12によりオーディオデータ記録媒体11bから再生されたオーディオデータを格納して、データメモリ14からオーディオデータを読み出して出力するようにしている。
【0061】
これにより、オーディオデータ記録媒体11bを再生してオーディオデータを出力しているときに、地図データ記録媒体11aから地図データ等のデータを再度読み出す必要が生じた際に、オーディオデータ記録媒体11bをディスク再生部12から排出して、地図データ記録媒体11aをディスク再生部12に挿入しても、オーディオデータがデータメモリ14から出力され続けるので、オーディオデータが途切れることなく再生され、その間に新たな経路データと地図データとをデータメモリ14に再度格納することができる。従って、ユーザは、オーディオデータの出力が途切れることによる不快感を感じることがなくなる。また、不要となった地図データ等のデータを消去することによって確保した空き領域にオーディオデータが格納されるので、データメモリ14の領域を有効に活用することができ、その容量を小さくすることができる。
【0062】
なお、本実施形態では、地図データ記録媒体11aから地図データを再度読み出す場合に、オーディオデータ記録媒体11bが排出されたときに、データメモリ14に格納されている経路データと地図データとを消去しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、地図データ記録媒体11aをディスク再生部12に挿入したときに、データメモリ14に格納されている経路データと地図データとを消去するようにしても良い。
【0063】
また、本実施形態では、オーディオデータ記録媒体11bをディスク再生部12から排出する際に、最後に再生される部分のアドレスをデータメモリ14に記憶しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、オーディオデータ記録媒体11bをディスク再生部12から排出する際に、最後に再生されるトラックの番号をデータメモリ14に記憶するようにしても良い。そして、そのトラックに該当するオーディオデータをデータメモリ14から消去し、オーディオデータ記録媒体11bが再度ディスク再生部12に挿入されてオーディオデータを読み出すときに、データメモリ14に記憶したトラック番号から読み出してデータメモリ14に格納する。
【0064】
また、本実施形態では、オーディオデータ記録媒体11bが排出される際に、データメモリ14に格納されているオーディオデータはそのままにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、地図データ記録媒体11aをディスク再生部12に再度挿入して新たな誘導経路を探索した際に、地図データ等を削除することによって確保した空き領域だけでは、新たな経路データと新たな地図データとを格納できないときがある。そのようなときには、データメモリ14に格納されているオーディオデータのうち、最後に再生される部分から遡って、所定の容量分のオーディオデータを消去するようにしても良い。また、削除後に残されるオーディオデータがデータメモリ14の初期状態におけるオーディオデータ記憶領域14bに納まるまで、オーディオデータを削除するようにしても良い。
【0065】
また、本実施形態では、案内済みで不要となった経路データと地図データとをデータメモリ14から順次消去するようにしているが、これは必須ではない。例えば、オーディオデータ記録媒体11bからデータメモリ14にオーディオデータを格納する速度と、D/A変換部28に出力するためにデータメモリ14からオーディオデータを読み出す速度とを等速とした場合には、データメモリ14から読み出したオーディオデータを順次消去するだけで充分である。この場合にCPU17は、初期状態において、オーディオデータ記憶領域14bに所定時間分のオーディオデータを格納しておく。そして、CPU17は、データメモリ14から読み出されたオーディオデータをデータメモリ14から順次消去すると共に、その消去によって生じた空き領域に、オーディオデータ記録媒体11bからディスク再生部12により読み出されたオーディオデータを順次格納する。これにより、初期状態で確保したオーディオデータ記憶領域14bのみにオーディオデータを格納することができるので、データメモリ14の容量をより小さくすることができる。
【0066】
また、本実施形態では、再生済みで不要となったオーディオデータをデータメモリ14から順次消去するようにしているが、これは必須ではない。例えば、案内済みで不要となった経路データと地図データとをデータメモリ14から順次消去すると共に、その消去によって生じた空き領域に、オーディオデータ記録媒体11bからディスク再生部12により読み出されたオーディオデータを順次格納するようにしても良い。これにより、オーディオデータがデータメモリ14から消去されないので、地図データ記録媒体11aがディスク再生部12に挿入されている状態でも、オーディオデータの再生を遡って、再生済みのオーディオデータを再度再生することができる。
【0067】
また、本実施形態では、オーディオデータ記録媒体11bからディスク再生部12によって読み出されたオーディオデータをそのままデータメモリ14に格納しているが、これに限定されない。例えば、オーディオデータ記録媒体11bからディスク再生部12によって読み出されたオーディオデータを圧縮してデータメモリ14に格納し、圧縮されたオーディオデータをデータメモリ14から読み出し、伸張して出力するようにしても良い。
【0068】
具体的には、図5に示すように、オーディオデータを圧縮するデータ圧縮部31と、圧縮されたオーディオデータを伸張するデータ伸張部32とを備えるようにしている。このナビゲーション装置1において、CPU17は、ディスク再生部12を制御して、オーディオデータ記録媒体11bからオーディオデータを読み出し、データバス26を介してデータ圧縮部31に出力する。データ圧縮部31では、入力したオーディオデータを圧縮する。CPU17は、データ圧縮部31にて圧縮されたオーディオデータをデータメモリ14に格納する。オーディオデータを再生する場合には、CPU17は、圧縮されたオーディオデータをデータメモリ14から読み出し、データバスを介してデータ伸張部32に出力する。データ伸張部32では、入力したデータを伸張する。CPU17は、データ伸張部32にて伸張されたオーディオデータをD/A変換部28に出力する。これによって、スピーカ30より外部に音声を出力する。これにより、データメモリ14に格納されるオーディオデータが圧縮されるので、データメモリ14を効率良く使用することができる。
【0069】
その他、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、地図データを記録した媒体から地図データを読み出し、データメモリに格納して、データメモリから地図データを読み出して地図画面を表示しながら、他のデータを記録した媒体を再生部にて再生する車載用ナビゲーション装置などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施形態によるナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態のナビゲーション装置において地図を表示しながらオーディオデータを再生する際の動作例を示す図である。
【図3】本実施形態のナビゲーション装置において地図データを再度読み込む際の動作例を示す図である。
【図4】本実施形態によるナビゲーション装置の動作及び再生方法を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態によるナビゲーション装置の変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0072】
1 ナビゲーション装置
11a 地図データ記録媒体
11b オーディオデータ記録媒体
12 ディスク再生部
14 データメモリ
17 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを記録した地図データ記録媒体又は地図データ以外のデータを記録したデータ記録媒体を挿入し、前記地図データ又は前記地図データ以外のデータを再生する再生部と、
目的地までの誘導経路を表す経路データ及び前記誘導経路に沿った所定の範囲の地図データ並びに前記地図データ以外のデータを一時的に格納するためのデータ記憶部と、
前記地図データ記録媒体が前記再生部に挿入されて、前記目的地までの誘導経路が設定された場合に、前記経路データ及び前記所定の範囲の地図データを前記データ記憶部に格納し、前記データ記憶部に格納した経路データに基づいて走行案内を行い、案内済みで不要となった誘導経路に該当する部分の経路データ及び地図データを前記データ記憶部から順次消去すると共に、前記データ記録媒体が前記再生部に挿入されて、前記データ記録媒体が前記再生部により再生された場合に、前記データ記憶部の前記経路データ及び前記地図データが消去された空き領域に前記地図データ以外のデータを格納し、この領域から前記地図データ以外のデータを読み出して出力する制御部と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地図データ記録媒体を前記再生部にて再度再生する必要が生じた場合に、前記制御部は、前記再生部より前記データ記録媒体が排出された後も、前記データ記憶部から前記地図データ以外のデータが読み出して出力し続けるように制御することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記地図データ記録媒体を前記再生部にて再度再生する必要が生じた場合に、前記制御部は、前記データ記憶部に格納されている経路データ及び地図データを消去し、この消去によってできた空き領域に、新たに設定された誘導経路を表す新たな経路データ及び新たな誘導経路に沿った所定範囲の新たな地図データを格納することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記経路データ及び前記地図データを消去しても前記新たな経路データ及び前記新たな地図データを格納するための充分な領域が確保できない場合に、前記制御部は、前記データ記憶部に格納されている前記地図データ以外のデータの少なくとも一部を消去することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記地図データ記録媒体を前記再生部にて再度再生する必要が生じた場合に、前記制御部は、前記再生部より排出される前記データ記録媒体の識別情報及び前記データ記憶部に格納された地図データ以外のデータの終端位置情報を取得し、
前記地図データ記録媒体の再生が終了して、前記地図データ記録媒体が前記再生部から排出され、新しいデータ記録媒体が前記再生部に挿入された場合に、前記制御部は、前記新しいデータ記録媒体が、前記地図データ記録媒体が再度再生される前に前記再生部に挿入されていた前記データ記録媒体と同一であるか否かを前記識別情報によって判断し、同一であると判断したときに、前記終端位置情報により特定される位置から前記データ記録媒体を再生するように前記再生部を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記データ記憶部から読み出された前記地図データ以外のデータを前記データ記憶部から順次消去すると共に、前記データ記録媒体が前記再生部に挿入されて、前記データ記録媒体が前記再生部により再生された場合に、前記データ記憶部の前記地図データ以外のデータが消去された空き領域に前記地図データ以外のデータを格納することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
地図データを記録した地図データ記録媒体又は地図データ以外のデータを記録したデータ記録媒体を挿入し、前記地図データ又は前記地図データ以外のデータを再生する再生部と、
目的地までの誘導経路を表す経路データ及び前記誘導経路に沿った所定の範囲の地図データ並びに前記地図データ以外のデータを一時的に格納するためのデータ記憶部と、
前記地図データ記録媒体が前記再生部に挿入されて、前記目的地までの誘導経路が設定された場合に、前記経路データ及び前記所定の範囲の地図データを前記データ記憶部に格納し、前記データ記憶部に格納した経路データに基づいて走行案内を行い、前記データ記録媒体が前記再生部に挿入されて、前記データ記録媒体が前記再生部により再生された場合に、前記地図データ以外のデータを前記データ記憶部に格納し、前記データ記憶部から前記地図データ以外のデータを読み出して出力すると共に、前記データ記憶部から読み出された前記地図データ以外のデータを前記データ記憶部から順次消去して、前記データ記憶部の前記地図データ以外のデータが消去された空き領域に前記地図データ以外のデータを格納する制御部と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
前記地図データ以外のデータを圧縮するデータ圧縮部と、
圧縮された地図データ以外のデータを伸張するデータ伸張部とを備え、
前記データ記憶部が格納する前記地図データ以外のデータは、前記データ圧縮部にて圧縮されたデータであり、
前記制御部は、前記データ記録媒体が前記再生部により再生された場合に、前記地図データ以外のデータを前記データ圧縮部により圧縮し、前記データ記憶部の空き領域に前記圧縮された地図データ以外のデータを格納して、この領域から前記圧縮された地図データ以外のデータを読み出し、前記データ伸張部により伸張して出力することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
誘導経路を表す経路データ及び前記誘導経路に沿った所定の範囲の地図データが一時的に格納されているから前記経路データ及び前記地図データを読み出して、地図を表示する第1のステップと、
前記第1のステップにて読み出された前記経路データ及び地図データを前記データ記憶部から消去する第2のステップと、
前記第1のステップにて前記地図が表示されている場合に、地図データ以外のデータを記録したデータ記録媒体が再生部に挿入されたか否かを制御部にて調べる第3のステップと、
前記第3のステップにて前記データ記録媒体が挿入されたと判断した場合に、前記地図データ以外のデータを前記データ記録媒体から前記再生部により読み出して、前記データ記憶部の中で前記第2のステップにて前記経路データ及び前記地図データを消去してできた空き領域に格納する第4のステップと、
前記第4のステップにて一時的に格納された地図データ以外のデータを前記データ記憶部から読み出して、出力する第5のステップと、
を備えた再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−126104(P2006−126104A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−317523(P2004−317523)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】