説明

ネットワークシステムおよび通信制御方法

【課題】移動端末装置が備える撮像装置により画像を撮像するための指示操作を行うだけで、撮像した画像が予め定められたサーバ装置へ送信され、この画像をサーバ装置において管理することが可能なネットワークシステム、および該ネットワークシステムにおいて実行される通信制御方法を提供すること。
【解決手段】移動端末装置が、画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像した画像を前記サーバ装置へ送信する画像送信手段とを備え、前記撮像装置により画像を撮像するための指示操作に基づいて、前記画像を前記撮像手段が撮像し、撮像した前記画像を予め定められた前記サーバ装置へ前記画像送信手段が送信し、サーバ装置が、前記移動端末装置から送信された前記画像を受信する画像受信手段と、前記画像受信手段によって受信した前記画像をサーバ装置側メモリに蓄積する画像蓄積手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置付き移動端末装置とサーバ装置とを備えたネットワークシステム、および該ネットワークシステムにおいて実行される通信制御方法に関する。
特に、移動端末装置が備えている撮像装置を操作するだけで大容量の撮像画像をサーバ装置へ分割通信するネットワークシステムおよび通信制御方法、移動端末装置が備えている撮像装置を操作するだけで通信可能な状態になってから一括して撮像画像をサーバ装置へ通信するネットワークシステムおよび通信制御方法、および移動端末装置が備えている撮像装置を操作するだけで読み込まれた特殊コードに対応するアプリケーションプログラムがサーバ装置において実行されるネットワークシステムおよび通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の通信機能を有する移動端末装置に、デジタルカメラに代表される撮像装置を備えることにより、撮像した画像を指定した他の移動端末装置あるいはサーバ装置等に送信することが可能となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、電子メールによる会議開催通知の送受信により会議の予約、出欠確認およびスケジュール登録等を行う、電子メールと連動した会議情報管理システムも開発されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2000−244673号公報
【特許文献2】特開2005−70933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、移動端末装置が備える撮像装置で撮像した画像を、指定した他の移動端末装置に送信するためには、画像を撮像する操作、撮像した画像を電子メールに添付する操作、電子メールを送信する送信先を指定する操作、電子メールを送信するための操作等が必要であり、移動端末装置の操作が煩雑になるという問題点があった。
【0005】
また、電子メールによる会議開催通知の送受信により会議の予約、出欠確認およびスケジュール登録等を行うシステムにおいても、電子メールを作成する操作、電子メールを送信する送信先を指定する操作、電子メールを送信するための操作等が必要であり、移動端末装置(ユーザ端末)の操作が煩雑になるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、移動端末装置が備える撮像装置により画像を撮像するための指示操作を行うだけで、撮像した画像が予め定められたサーバ装置へ送信され、この画像をサーバ装置において管理することが可能なネットワークシステム、および該ネットワークシステムにおいて実行される通信制御方法を提供することを第1の目的とする。
【0007】
また、本発明は、移動端末装置が備える撮像装置により画像を撮像するための指示操作を行うだけで、特殊コードが読み取られ、読み取られた特殊コードが送信用コードに変換され、変換された送信用コードがサーバ装置へ送信され、この送信用コードに基づいて、対応するアプリケーションプログラムがサーバ装置で実行されることが可能なネットワークシステム、および該ネットワークシステムにおいて実行される通信制御方法を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明のネットワークシステムは、撮像装置付き移動端末装置とサーバ装置とを備えたネットワークシステムであって、前記移動端末装置が、画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像した画像を前記サーバ装置へ送信する画像送信手段とを備え、前記撮像装置により画像を撮像するための指示操作に基づいて、前記画像を前記撮像手段が撮像し、撮像した前記画像を予め定められた前記サーバ装置へ前記画像送信手段が送信し、前記サーバ装置が、前記移動端末装置から送信された前記画像を受信する画像受信手段と、前記画像受信手段によって受信した前記画像をサーバ装置側メモリに蓄積する画像蓄積手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のネットワークシステムは、前記移動端末装置が、前記撮像手段によって撮像した前記画像を所定サイズ以下の分割画像に分割する画像分割手段とをさらに備え、前記画像送信手段が、前記画像分割手段によって分割された前記分割画像を前記サーバ装置へ送信し、前記画像受信手段が、前記移動端末装置から送信された前記分割画像を受信し、前記サーバ装置が、前記画像受信手段によって受信した前記分割画像を復元する画像復元手段とをさらに備え、前記画像蓄積手段が、前記画像復元手段によって復元した前記画像を蓄積することが望ましい。
【0010】
また、本発明のネットワークシステムは、前記移動端末装置が、所定の情報に基づいて、前記撮像手段によって撮像した画像を端末内蔵メモリに格納する画像格納手段とをさらに備え、再送の指示に基づいて、前記端末内蔵メモリに格納された前記画像を前記画像送信手段が一括して送信し、一括して送信した前記画像を前記端末内蔵メモリから削除することが望ましい。
【0011】
また、本発明のネットワークシステムは、前記所定の情報が、他の移動端末と通信可能なサービスエリアの圏外であることを示す情報であることが望ましい。
また、本発明のネットワークシステムは、前記他の移動端末と通信可能なサービスエリアの圏内であることを示す情報に基づいて、前記再送の指示が行われることが望ましい。
【0012】
また、本発明のネットワークシステムは、前記所定の情報が、特定の指示操作に基づく情報であることが望ましい。
また、本発明の一態様によれば、本発明の通信制御方法は、撮像装置付き移動端末装置とサーバ装置とを備えたネットワークシステムにおいて実行される通信制御方法であって、前記撮像装置により画像を撮像するための指示操作に基づいて、前記移動端末装置が、画像を撮像し、撮像した前記画像を予め定めた前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ装置が、前記移動端末装置から送信された前記画像を受信し、受信した前記画像をサーバ装置側メモリに蓄積することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の通信制御方法は、前記移動端末装置が、撮像した前記画像を所定サイズ以下の分割画像に分割し、前記送信においては、分割された前記分割画像を前記サーバ装置へ送信し、前記受信においては、送信された前記分割画像を受信し、前記サーバ装置が、受信した前記分割画像を復元し、前記蓄積においては、復元した前記画像を蓄積することが望ましい。
【0014】
また、本発明の通信制御方法は、前記移動端末装置が、所定の情報に基づいて、撮像した画像を端末内蔵メモリに格納し、再送の指示に基づいて、前記端末内蔵メモリに格納された前記画像を一括して送信し、一括して送信した前記画像を前記端末内蔵メモリから削除することが望ましい。
【0015】
また、本発明の通信制御方法は、前記所定の情報が、他の移動端末と通信可能なサービスエリアの圏外であることを示す情報であることが望ましい。
また、本発明の通信制御方法は、前記他の移動端末と通信可能なサービスエリアの圏内であることを示す情報に基づいて、前記再送の指示が行われることが望ましい。
【0016】
また、本発明の通信制御方法は、前記所定の情報が、特定の指示操作に基づく情報であることが望ましい。
また、本発明の一態様によれば、本発明のネットワークシステムは、撮像装置付き移動端末装置とサーバ装置とを備えたネットワークシステムであって、前記移動端末装置が、前記サーバ装置で起動するアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーション識別情報を含むアプリケーション情報が符号化された特殊コードを読み取る特殊コード読取手段と、前記特殊コード読取手段によって読み取った特殊コードを送信用コードに変換するコード変換手段と、前記コード変換手段によって変換した送信用コードを前記サーバ装置へ送信する送信手段とを備え、前記撮像装置により画像を撮像するための指示操作に基づいて、前記特殊コードを前記特殊コード手段が読み取り、読み取られた前記特殊コードを前記コード変換手段が前記送信用コードに変換し、変換された前記送信用コードを前記送信手段が前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ装置が、前記移動端末装置から送信された前記送信用コードを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した送信用コードを解析するコード解析手段と、前記コード解析手段によって解析した前記アプリケーション識別情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のネットワークシステムは、前記アプリケーション情報が、時刻情報、場所情報または物事の内容を示す事柄情報を含み、前記送信手段が、前記送信用コードとともに前記移動端末装置を特定するための端末識別情報を送信し、前記アプリケーションプログラムが、前記時刻情報、前記場所情報または前記事柄情報と前記端末識別情報とに基づいて、予め前記移動端末装置に対応付けられている者のスケジュールを管理するスケジュール管理プログラムであることが望ましい。
【0018】
また、本発明のネットワークシステムは、前記特殊コードが、異なる光学特性を有する単元モジュールが二次元に配列された二次元バーコードであることが望ましい。
また、本発明の一態様によれば、本発明の通信制御方法は、撮像装置付き移動端末装置とサーバ装置とを備えたネットワークシステムにおいて実行される通信制御方法であって、前記撮像装置により画像を撮像するための指示操作に基づいて、前記移動端末装置が、前記サーバ装置で起動するアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーション識別情報を含むアプリケーション情報が符号化された特殊コードを読み取り、読み取った前記特殊コードを送信用コードに変換し、変換した前記送信用コードを前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ装置が、前記移動端末装置から送信された前記送信用コードを受信し、受信した前記送信用コードを解析し、解析した前記アプリケーション識別情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムを実行することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の通信制御方法は、前記移動端末装置が、時刻情報、場所情報または物事の内容を示す事柄情報を含む前記アプリケーション情報が符号化された前記特殊コードを読み取り、前記送信用コードとともに前記移動端末装置を特定するための端末識別情報を送信し、前記サーバ装置が、前記アプリケーションプログラムとして、前記時刻情報、前記場所情報または前記事柄情報と前記端末識別情報とに基づいて、予め前記移動端末装置に対応付けられている者のスケジュールを管理するスケジュール管理プログラムを実行することが望ましい。
【0020】
また、本発明の通信制御方法は、前記特殊コードが、異なる光学特性を有する単元モジュールが二次元に配列された二次元バーコードであることが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、移動端末装置が備える撮像装置により画像を撮像するための指示操作を行うという簡単な操作だけで、撮像した画像が予め定められたサーバ装置へ送信され、この画像をサーバ装置において管理することが可能になる。
【0022】
また、本発明によれば、移動端末装置が備える撮像装置により画像を撮像するための指示操作を行うという簡単な操作だけで、撮像した特殊コードが送信用コードに変換されてサーバ装置へ送信され、この送信用コードに基づいて、対応するアプリケーションプログラムがサーバ装置で実行することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明を適用した実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用したネットワークシステムの全体概要を示す図である。
図1において、ネットワークシステム3は、デジタルカメラ付き携帯電話等の撮像装置付き移動端末装置1とサーバ装置2とが、インターネットや通信回線網等のネットワーク4を介して接続されており、互いに通信可能な機能を備えている。通常、サーバ装置2は、社内LAN等のLAN5等を介してパーソナルコンピュータ等のPC端末装置6と接続されている。
【0024】
図2は、本発明を適用した移動端末装置の機能ブロック図である。
図2において、移動端末装置1は例えば携帯電話であって、デジタルカメラ等の撮像装置7と、他の携帯電話やサーバ装置2等と通信可能な通信手段8を備えている他、画像分割手段13、端末内蔵メモリ14、画像格納手段15、特殊コード読み取り手段16、コード変換手段17を備えている。また、撮像装置7は撮像手段11を備え、通信手段8は送信手段18および画像送信手段12を備えている。
【0025】
撮像手段11は、シャッターボタンを押すことにより画像を撮像する。画像送信手段12は、ネットワーク4を介して前記撮像手段11によって撮像した画像を前記サーバ装置2へ送信する。これらの撮像手段11による撮像および画像送信手段による送信は、前記撮像装置7により画像を撮像するための指示操作であるシャッターボタンの押下に基づいて、前記画像を前記撮像手段11が撮像し、撮像した前記画像を予め定められた前記サーバ装置2へ前記画像送信手段12が送信する。
【0026】
画像分割手段13は、前記撮像手段11によって撮像した前記画像のサイズが大きい場合、例えば50kバイト以上である場合、前記画像を50kバイト以下の分割画像に分割する。この場合、前記画像送信手段12は、前記画像分割手段13によって分割された前記分割画像を前記サーバ装置2へ送信する。
【0027】
また、画像を直ぐに送信しない場合、あるいは移動端末装置1が通信可能なサービスエリアの圏外にあるために送信できないような場合、画像格納手段15は、送信しないことを示す指示操作や圏外であることを示す情報に基づいて、前記撮像手段11によって撮像した画像を端末内蔵メモリ14に格納する。その後、他の移動端末と通信可能なサービスエリアの圏内であることを示す情報を受信する等の再送の指示に基づいて、前記端末内蔵メモリ14に格納された前記画像を前記画像送信手段12が一括して送信し、一括して送信した前記画像を前記端末内蔵メモリ14から削除する。
【0028】
特殊コード読取手段16は、前記サーバ装置2で起動するアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーション識別情報を含むアプリケーション情報が符号化された特殊コードを読み取る。ここで、アプリケーション情報には、時刻情報、場所情報または物事の内容を示す事柄情報を含むことがある。また、特殊コードとは、例えば異なる光学特性を有する単元モジュールが二次元に配列された二次元バーコード等である。
【0029】
コード変換手段17は、前記特殊コード読取手段16によって読み取った特殊コードを送信用コードに変換する。そして、送信手段18は、前記コード変換手段17によって変換した送信用コードを前記サーバ装置2へ送信する。これら特殊コード読取手段16による読み取り、コード変換手段17による変換および送信手段18による送信は、前記撮像装置7により画像を撮像するための指示操作であるシャッターボタンの押下に基づいて、前記特殊コードを前記特殊コード手段16が読み取り、読み取られた前記特殊コードを前記コード変換手段17が前記送信用コードに変換し、変換された前記送信用コードを予め定められた前記サーバ装置2へ前記送信手段18が送信する。また、前記送信手段18は、前記送信用コードとともに前記移動端末装置1を特定するための端末識別情報を送信する。
【0030】
図3は、本発明を適用したサーバ装置に機能ブロック図である。
図3において、サーバ装置2は、移動端末装置1と通信可能な通信手段9と、少なくとも内蔵メモリ10Aあるいは外部メモリ10Bとしてのサーバ側メモリ10を備えている他、画像蓄積手段22、画像復元手段23、コード解析手段25、実行手段26を備えている。また、通信手段9は、画像受信手段21および受信手段24を備えている。
【0031】
画像受信手段21は、前記移動端末装置1から送信された前記画像を受信する。なお、移動端末装置1から送信されてきた画像が分割画像である場合、前記画像受信手段21は、前記移動端末装置1から送信された前記分割画像を受信する。そして、画像復元手段23は、前記画像受信手段21によって受信した前記分割画像を元通りの画像に復元する。
【0032】
画像蓄積手段22は、前記画像受信手段21によって受信した前記画像を内蔵メモリ10Aあるいは外部メモリ10Bのサーバ装置側メモリ10に蓄積するが、受信した画像が分割画像である場合には、前記画像復元手段23によって復元した前記画像を蓄積する。
【0033】
また、受信手段24は、前記移動端末装置1から送信された前記送信用コードを受信する。コード解析手段25は、前記受信手段24によって受信した送信用コードを解析する。そして、実行手段26は、前記コード解析手段25によって解析した前記アプリケーション識別情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムを実行する。例えば、アプリケーションプログラムには、前記時刻情報、前記場所情報または前記事柄情報と前記端末識別情報とに基づいて、予め前記移動端末装置1に対応付けられている者のスケジュールを管理するスケジュール管理プログラムがある。
【0034】
次に、上述したような撮像装置付き移動端末装置とサーバ装置とを備えたネットワークシステムにおいて実行される通信制御方法について、フローチャート等を用いて説明する。
【0035】
図4は、移動端末装置において実行される画像送信処理の流れを示すフローチャートである。
移動端末装置1は、まず、ステップS401において、前記撮像装置7により画像を撮像するための指示操作に基づいて、画像を撮像する。そして、ステップS402において、撮像した画像を直ぐに送信する即送モードであるか後から送信する後送モードであるのかを判断する。ここでの判断基準としては、直ぐに送信せずに後から送信する指示がなされている場合には後送モードとなり、また移動端末装置1が通信可能なサービスエリアの圏外にあるために送信できないような場合にも後送モードとなる。逆に、撮像後直ぐに送信する指示がなされている場合であって移動端末装置1が通信可能なサービスエリアの圏内にある場合は、即送モードとなる。
【0036】
即送モードであると判断された場合(ステップS402:即送モード)は、ステップS403において、ステップS401で撮像した画像のサイズが所定の値、例えば50kバイト以上であるか否かを判断する。所定の値以上であると判断された場合(ステップS403:YES)は、ステップS404において、画像データの先頭から所定の値(例えば50kバイト)で分割する。
【0037】
そして、ステップS403で所定の値以上ではないと判断された場合(ステップS403:NO)あるいはステップS404で所定の値で分割された場合、ステップS405において、これらの画像を予め定めた前記サーバ装置2へ送信する。送信が行われると、サーバ装置2から受信した旨の応答が返送されてくるので、ステップS406において、この応答が返送されてきたか否かを判断する。応答がなければ(ステップS406:NO)、ステップS407において、再送するかいなを判断し、再送の必要があれば(ステップS407:YES)、ステップS405に戻る。他方、応答があれば(ステップS406:YES)、ステップS408において、ステップS405で送信した画像が最後の画像(分割しない小さな画像であればその画像が最後である)であるのか否かを判断し、最後であれば(ステップS408:YES)本処理を終了し、最後でなければ(ステップS408:NO)ステップS403に戻り、分割した残りの画像についてステップS403以降の処理を繰り返す。
【0038】
また、ステップS402で後送モードであると判断された場合(ステップS402:後送モード)は、ステップS409において、ステップS401で撮像した画像を端末内蔵メモリ14に格納する。その後、移動端末装置1の送信ボタンが押されたり、移動端末装置1が通信可能なサービスエリアの圏内に移動したりすることにより、ステップS410で送信の指示がなされたと判断される(ステップS410:YES)と、ステップS403に戻り、ステップS405で画像の送信が自動的に行われることになる。なお、この場合、前記端末内蔵メモリ14に格納された前記画像は前記端末内蔵メモリ14から削除する。
【0039】
図5は、サーバ装置において実行される画像受信処理の流れを示すフローチャートである。
サーバ装置2は、まず、ステップS501において、前記移動端末装置1から送信された前記画像を受信し、受信が成功した旨の応答を移動端末装置1に返送する。次に、ステップS502において、ステップS501で受信した画像が全てであるのか否か、すなわち分割された画像であれば最後の分割画像を受信したか否かを判断する。
【0040】
全てでなければ(ステップS502:NO)ステップS501に戻り、次の画像を受信する。他方、全て(分割されていない小さな画像であればその画像が全てである)であれば(ステップS502:YES)、ステップS503において、受信した全ての分割画像から元の画像を復元する。そして、ステップS504において、受信した画像、復元した画像をサーバ装置側メモリ10に蓄積する。蓄積する先は内蔵メモリ10Aあるいは外部メモリ10Bの何れでもよい。
【0041】
次に、本ネットワークシステムにおいて実行される他の通信制御方法について、フローチャート等を用いて説明する。
図6は、移動端末装置において実行されるコード送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
移動端末装置1は、まず、ステップS601において、前記撮像装置7により画像を撮像するための指示操作に基づいて、前記サーバ装置2で起動するアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーション識別情報を含むアプリケーション情報が符号化された特殊コードを読み取る。
【0043】
図7は、特殊コードの例を示す図である。
図6のステップS601で読み取る特殊コードは、例えば図7に示したように、異なる光学特性を有する単元モジュールが二次元に配列された二次元バーコードであり、例えば、時刻情報、場所情報または物事の内容を示す事柄情報を含む前記アプリケーション情報が符号化された特殊コードである。
【0044】
そして、図6のステップS602において、ステップS601で読み取った前記特殊コードを送信用コードに変換する。
図8は、送信用コードの例を示す図である。
【0045】
図8に示した送信用コードの例は、図6の左側最上部に示した特殊コードを変換した例であり、「WEB行動掲示板」というアプリケーションプログラムを示す情報、「大崎3F_中央打合卓」という場所を示す情報、「打合15分」という物事の内容および時間(現在時刻からの経過時刻)を示す情報を表す送信用コードである。
【0046】
図6の説明に戻り、ステップS603において、ステップS602で変換した送信用コードを前記サーバ装置2へ送信するが、この際、前記送信用コードとともに前記移動端末装置1を特定するための端末識別情報を送信する。送信が行われると、サーバ装置2から受信した旨の応答が返送されてくるので、ステップS604において、この応答が返送されてきたか否かを判断する。応答がなければ(ステップS604:NO)、ステップS603で送信用コードを再度送信する。他方、応答があれば(ステップS604:YES)、本処理を終了する。
【0047】
図9は、サーバ装置において実行されるコード受信処理の流れを示すフローチャートである。
サーバ装置2は、まず、ステップS901において、前記移動端末装置1から送信された前記送信用コードを受信し、受信が成功した旨の応答を移動端末装置1に返送する。次に、ステップS902において、ステップS901で受信した前記送信用コードを解析する。
【0048】
そして、ステップS903において、ステップS902で解析した前記アプリケーション識別情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムを実行する。例えば、前記アプリケーションプログラムとして、前記時刻情報、前記場所情報または前記事柄情報と前記端末識別情報とに基づいて、予め前記移動端末装置1に対応付けられている者のスケジュールを管理するスケジュール管理プログラムを実行する。
【0049】
図10は、サーバ装置において実行されるアプリケーションプログラムの例を示す図である。
図10に示されているアプリケーションプログラムの例は、スケジュールを管理するスケジュール管理プログラムであり、移動端末装置1を用いて図7に示したような特殊コードを読み取るだけで、移動端末装置1に対応付けられているユーザのスケジュールを管理、表示することができるようになっている。
【0050】
以上、図面に基づいて本発明を適用したネットワークシステムおよび該ネットワークシステムにおいて実行される通信制御方法についての実施の形態を説明してきたが、上述してきた本発明の実施の形態は、ネットワークシステムを構成する撮像装置付き移動端末装置およびサーバ装置の一機能としてハードウェアまたはDSP(Digital Signal Processor)ボードやCPUボードでのファームウェアもしくはソフトウェアにより実現することができる。
【0051】
また、本発明が適用される撮像装置付き移動端末装置またはサーバ装置は、その機能が実行されるのであれば、上述の実施の形態に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0052】
また、バスに接続されたCPU、ROMやRAMのメモリ、入力装置、出力装置、外部記録装置、媒体駆動装置、ネットワーク接続装置で構成されるシステムでも実現できる。すなわち、前述してきた実施の形態のシステムを実現するソフトェアのプログラムコードを記録したROMやRAMのメモリ、外部記録装置、可搬記録媒体を、画像処理装置に供給し、その画像処理装置のコンピュータがプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0053】
この場合、可搬記録媒体等から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した可搬記録媒体等は本発明を構成することになる。
【0054】
プログラムコードを供給するための可搬記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記録媒体などを用いることができる。
【0055】
また、コンピュータ(情報処理装置)がメモリ上に読み出したプログラムコードを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
【0056】
さらに、可搬型記録媒体から読み出されたプログラムコードやプログラム(データ)提供者から提供されたプログラム(データ)が、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
【0057】
すなわち、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明を適用したネットワークシステムの全体概要を示す図である。
【図2】本発明を適用した移動端末装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明を適用したサーバ装置に機能ブロック図である。
【図4】移動端末装置において実行される画像送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】サーバ装置において実行される画像受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】移動端末装置において実行されるコード送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】特殊コードの例を示す図である。
【図8】送信用コードの例を示す図である。
【図9】サーバ装置において実行されるコード受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】サーバ装置において実行されるアプリケーションプログラムの例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 移動端末装置
2 サーバ装置
3 ネットワークシステム
4 ネットワーク
5 LAN
6 PC端末装置
7 撮像装置
8 通信手段
9 通信手段
10 サーバ側メモリ
10A 内蔵メモリ
10B 外部メモリ
11 撮像手段
12 画像送信手段
13 画像分割手段
14 端末内蔵メモリ
15 画像格納手段
16 特殊コード読取手段
17 コード変換手段
18 送信手段
21 画像受信手段
22 画像蓄積手段
23 画像復元手段
24 受信手段
25 コード解析手段
26 実行手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置付き移動端末装置とサーバ装置とを備えたネットワークシステムであって、
前記移動端末装置は、
画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像した画像を前記サーバ装置へ送信する画像送信手段と、
を備え、
前記撮像装置により画像を撮像するための指示操作に基づいて、前記画像を前記撮像手段が撮像し、撮像した前記画像を予め定められた前記サーバ装置へ前記画像送信手段が送信し、
前記サーバ装置は、
前記移動端末装置から送信された前記画像を受信する画像受信手段と、
前記画像受信手段によって受信した前記画像をサーバ装置側メモリに蓄積する画像蓄積手段と、
を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記移動端末装置は、
前記撮像手段によって撮像した前記画像を所定サイズ以下の分割画像に分割する画像分割手段と、
をさらに備え、
前記画像送信手段は、前記画像分割手段によって分割された前記分割画像を前記サーバ装置へ送信し、
前記画像受信手段は、前記移動端末装置から送信された前記分割画像を受信し、
前記サーバ装置は、
前記画像受信手段によって受信した前記分割画像を復元する画像復元手段と、
をさらに備え、
前記画像蓄積手段は、前記画像復元手段によって復元した前記画像を蓄積することを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記移動端末装置は、
所定の情報に基づいて、前記撮像手段によって撮像した画像を端末内蔵メモリに格納する画像格納手段と、
をさらに備え、
再送の指示に基づいて、前記端末内蔵メモリに格納された前記画像を前記画像送信手段が一括して送信し、一括して送信した前記画像を前記端末内蔵メモリから削除することを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記所定の情報は、他の移動端末と通信可能なサービスエリアの圏外であることを示す情報であることを特徴とする請求項3に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記他の移動端末と通信可能なサービスエリアの圏内であることを示す情報に基づいて、前記再送の指示が行われることを特徴とする請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記所定の情報は、特定の指示操作に基づく情報であることを特徴とする請求項3に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
撮像装置付き移動端末装置とサーバ装置とを備えたネットワークシステムにおいて実行される通信制御方法であって、
前記撮像装置により画像を撮像するための指示操作に基づいて、前記移動端末装置が、
画像を撮像し、
撮像した前記画像を予め定めた前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置が、
前記移動端末装置から送信された前記画像を受信し、
受信した前記画像をサーバ装置側メモリに蓄積する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項8】
前記移動端末装置は、
撮像した前記画像を所定サイズ以下の分割画像に分割し、
前記送信においては、分割された前記分割画像を前記サーバ装置へ送信し、
前記受信においては、送信された前記分割画像を受信し、
前記サーバ装置は、
受信した前記分割画像を復元し、
前記蓄積においては、復元した前記画像を蓄積することを特徴とする請求項7に記載の通信制御方法。
【請求項9】
前記移動端末装置は、
所定の情報に基づいて、撮像した画像を端末内蔵メモリに格納し、
再送の指示に基づいて、前記端末内蔵メモリに格納された前記画像を一括して送信し、一括して送信した前記画像を前記端末内蔵メモリから削除することを特徴とする請求項7に記載の通信制御方法。
【請求項10】
前記所定の情報は、他の移動端末と通信可能なサービスエリアの圏外であることを示す情報であることを特徴とする請求項9に記載の通信制御方法。
【請求項11】
前記他の移動端末と通信可能なサービスエリアの圏内であることを示す情報に基づいて、前記再送の指示が行われることを特徴とする請求項10に記載の通信制御方法。
【請求項12】
前記所定の情報は、特定の指示操作に基づく情報であることを特徴とする請求項9に記載の通信制御方法。
【請求項13】
撮像装置付き移動端末装置とサーバ装置とを備えたネットワークシステムであって、
前記移動端末装置は、
前記サーバ装置で起動するアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーション識別情報を含むアプリケーション情報が符号化された特殊コードを読み取る特殊コード読取手段と、
前記特殊コード読取手段によって読み取った特殊コードを送信用コードに変換するコード変換手段と、
前記コード変換手段によって変換した送信用コードを前記サーバ装置へ送信する送信手段と、
を備え、
前記撮像装置により画像を撮像するための指示操作に基づいて、前記特殊コードを前記特殊コード手段が読み取り、読み取られた前記特殊コードを前記コード変換手段が前記送信用コードに変換し、変換された前記送信用コードを前記送信手段が前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置は、
前記移動端末装置から送信された前記送信用コードを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した送信用コードを解析するコード解析手段と、
前記コード解析手段によって解析した前記アプリケーション識別情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムを実行する実行手段と、
を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項14】
前記アプリケーション情報は、時刻情報、場所情報または物事の内容を示す事柄情報を含み、
前記送信手段は、前記送信用コードとともに前記移動端末装置を特定するための端末識別情報を送信し、
前記アプリケーションプログラムは、前記時刻情報、前記場所情報または前記事柄情報と前記端末識別情報とに基づいて、予め前記移動端末装置に対応付けられている者のスケジュールを管理するスケジュール管理プログラムであることを特徴とする請求項13に記載のネットワークシステム。
【請求項15】
前記特殊コードは、異なる光学特性を有する単元モジュールが二次元に配列された二次元バーコードであることを特徴とする請求項13または14に記載のネットワークシステム。
【請求項16】
撮像装置付き移動端末装置とサーバ装置とを備えたネットワークシステムにおいて実行される通信制御方法であって、
前記撮像装置により画像を撮像するための指示操作に基づいて、前記移動端末装置が、
前記サーバ装置で起動するアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーション識別情報を含むアプリケーション情報が符号化された特殊コードを読み取り、
読み取った前記特殊コードを送信用コードに変換し、
変換した前記送信用コードを前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置が、
前記移動端末装置から送信された前記送信用コードを受信し、
受信した前記送信用コードを解析し、
解析した前記アプリケーション識別情報に基づいて、前記アプリケーションプログラムを実行する、
ことを特徴とする通信制御方法。
【請求項17】
前記移動端末装置は、
時刻情報、場所情報または物事の内容を示す事柄情報を含む前記アプリケーション情報が符号化された前記特殊コードを読み取り、
前記送信用コードとともに前記移動端末装置を特定するための端末識別情報を送信し、
前記サーバ装置は、
前記アプリケーションプログラムとして、前記時刻情報、前記場所情報または前記事柄情報と前記端末識別情報とに基づいて、予め前記移動端末装置に対応付けられている者のスケジュールを管理するスケジュール管理プログラムを実行する、
ことを特徴とする請求項16に記載の通信制御方法。
【請求項18】
前記特殊コードは、異なる光学特性を有する単元モジュールが二次元に配列された二次元バーコードであることを特徴とする請求項13または14に記載の通信制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−174105(P2007−174105A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366978(P2005−366978)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000231925)日本コムシス株式会社 (12)
【Fターム(参考)】