説明

ネットワーク中継システム及びネットワーク中継装置

【課題】 付近の精密機器などの誤動作をおこさずに、保守対照機器が設置された作業現場とサービスセンタとの間のネットワーク確立を可能とするネットワーク中継システム及びネットワーク中継装置を提供する。
【解決手段】 複数個のネットワーク中継装置1からなり、保守作業場所設置機器21を、公衆網5を介してサービスセンタのサーバ装置4と接続するネットワーク中継システムであって、ネットワーク中継装置1は、それぞれLANなどの有線通信及び微弱電波による無線通信の通信インターフェースを有しており、保守作業場所設置機器21との送受信を有線通信で行い、ネットワーク中継装置1間の送受信を微弱電波による無線通信で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク中継システム及びネットワーク中継装置であり、特に保守作業場所に設置された機器を、公衆網を介してサービスセンタのサーバ装置と接続するネットワーク中継システムに関する。
【背景技術】
【0002】
保守対象機器が設置された作業現場には、ほとんどの場合、サービスセンタとの間にネットワークが確立されていない。携帯電話を使うことによりネットワークを確立できるが、携帯電話の電波が精密機器に誤動作を起こす等問題があり、使用できなかった。そのため、赤外線を利用することが提案されている(特許文献1参照)が、複数の通信インターフェースを有する中継装置を複数個使用することは考慮していない。
【特許文献1】特開2000−324569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の問題を解決するものであり、付近の精密機器などの誤動作をおこさずに、保守対象機器が設置された作業現場とサービスセンタとの間のネットワーク確立を可能とするネットワーク中継システム及びネットワーク中継装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、複数個のネットワーク中継装置からなり、保守作業場所設置機器を、公衆網を介してサービスセンタのサーバ装置と接続するネットワーク中継システムであって、前記ネットワーク中継装置は、それぞれLANなどの有線通信及び微弱電波による無線通信の通信インターフェースを有しており、前記保守作業場所設置機器との送受信を有線通信で行い、ネットワーク中継装置間の送受信を微弱電波による無線通信で行うネットワーク中継システムである。
【0005】
また、本発明は、複数個のネットワーク中継装置からなり、保守作業場所設置機器を、公衆網を介してサービスセンタのサーバ装置と接続するネットワーク中継システムであって、前記ネットワーク中継装置は、それぞれLANなどの有線通信、微弱電波による無線通信及び赤外線などの光通信の通信インターフェースを有しており、前記保守作業場所設置機器との送受信を有線通信で行い、ネットワーク中継装置間の送受信を微弱電波による無線通信又は光通信で行うネットワーク中継システムである。
【0006】
そして、本発明は、前記ネットワーク中継装置は、携帯電話の通信インターフェースを有しており、前記サービスセンタのサーバ装置との送受信を携帯電話で行うネットワーク中継システムである。
【0007】
更に、本発明は、保守作業場所設置機器を、公衆網を介してサービスセンタのサーバ装置と接続する際に使用するネットワーク中継装置であって、LANなどの有線通信、微弱電波による無線通信、赤外線などの光通信及び携帯電話の通信インターフェースを有するネットワーク中継装置である。
【0008】
また、本発明は、電波シールド用キャップを取付けた微弱無線通信用アンテナを有するネットワーク中継装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、付近の精密機器などの誤動作をおこさずに、保守対象機器が設置された作業現場とサービスセンタとの間のネットワーク確立を可能とするシステムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のネットワーク中継システム及びネットワーク中継装置の実施例について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0011】
実施例1を説明する。本実施例のネットワーク中継システムは、図1に示すように、複数個のネットワーク中継装置からなり、保守対象機器22が設置された場所に設置された保守作業場所設置PC(パソコン)21を、公衆網5を介してサービスセンタのサーバ装置4と接続する。本システムで使用するネットワーク中継装置1は一種類であり、図2に示すように、微弱無線通信用アンテナ11、光通信用送受信口12、LAN接続口13、携帯電話接続用端子14を備えており、微弱電波による無線通信用、光通信用、LAN用、及び携帯電話用の各インターフェースを有している。
【0012】
実施例1のネットワーク中継システムを使用した中継接続方法の一例を説明する。
(11)携帯電話31をネットワーク中継装置(A)1aに接続し、公衆網5を介して、サービスセンタのサーバ装置4にネットワーク接続する。ネットワーク中継装置(A)1aは携帯電話31の電波が精密機器に影響しない場所に設置する。
(12)保守作業場所PC21と有線のケーブル23でネットワーク中継装置(B)1bに接続する。
(13)ネットワーク中継装置(A)1aとネットワーク中継装置(B)1bの間に、複数のネットワーク中継装置1x〜1zを配し、無線通信でネットワーク接続する。複数個のネットワーク中継装置を置くことで、微弱電波でも通信可能範囲を広くできる。
(14)上記(11)〜(13)により、保守作業場所PC21とサービスセンタのサーバ装置4がネットワーク接続されるため、保守作業員は、保守作業場所で、サービスセンタのサーバ装置が格納する最新情報(スケジュール、マニュアル、顧客上納など)を参照できる。
【実施例2】
【0013】
実施例2について、図3を用いて説明する。本実施例のネットワーク中継システムは、実施例1と同様であり、相違している点を説明する。
(21)実施例1の(13)の微弱電波が届かない場所(マシン室など、電磁波シールドで仕切られた部屋が間にある)24では、赤外線などの光通信を利用し、窓25を使用してネットワーク中継装置(X)1xとネットワーク中継装置(Z)1zをネットワーク接続する。
【実施例3】
【0014】
実施例3について、図4を用いて説明する。本実施例のネットワーク中継システムは、実施例1と同様であり、相違している点を説明する。
(31)実施例1の(11)で、保守用回線32がある場合は、ルータ経由でネットワーク中継装置(A)1aに有線のケーブル33で接続する。
【実施例4】
【0015】
実施例4について、図5を用いて説明する。本実施例のネットワーク中継システムは、実施例1〜3の第一の応用例である。
(41)保守対象機器22のケースを開けた状態で作業する場合は、微弱電波の無線が精密機器に影響を与える可能性があるため、実施例1〜3での保守作業場所PC21とネットワーク中継装置(B)1bを接続する有線のケーブル23に長いケーブルを用いて、微弱電波の影響を小さくする。
【実施例5】
【0016】
実施例5について、図6を用いて説明する。本実施例のネットワーク中継システムは、実施例1〜3の第二の応用例である。
(51)実施例4と同様に、保守対象機器22のケースを開けた状態で作業をする場合は、微弱電波の無線が精密機器に影響を与える可能性があるため、実施例1〜3でのネットワーク中継装置(Z)1zとネットワーク中継装置(B)1bの間を微弱電波の出力を特に小さくしてネットワーク接続し、微弱電波の影響を小さくする。
【実施例6】
【0017】
実施例6について、図7を用いて説明する。本実施例のネットワーク中継システムは、実施例1〜3の第三の応用例である。
(61)実施例4と同様に、保守対象機器22のケースを開けた状態で、作業をする場合は、微弱電波の無線が精密機器に影響を与える可能性があるため、実施例1〜3でのネットワーク中継装置(Z)1zとネットワーク中継装置(B)1bの間を微弱電波の出力を切って、赤外線などの光通信を使ってネットワーク接続する。この場合、光通信は精密機器に影響を与えることはない。
【実施例7】
【0018】
実施例7を説明する。本実施例のネットワーク中継装置は、図8に示すように、微弱無線中継通信用アンテナ11に、電波シールドキャップ15を付ける。なお、電波に指向性を付けることにより、微弱電波が精密機器に影響を与えるのを防ぐことができる。
【0019】
以上の実施例において、ネットワーク中継装置は、微弱電波の出力を変える機能をもつ。微弱電波の出力を小さく調整や、切ることもできる。微弱電波を切った場合、赤外線などの光通信を使ってネットワーク接続できる。また、微弱電波の受信状態を表示する機能を持つ。実施例1の(13)などのようにネットワーク中継装置を設置する時、この微弱電波の受信状態の表示をみて、ネットワークが途中で切れないように設置できる。そして、ネットワーク中継装置は、バッテリーで動作し、置き場所の制限を受けない。更に、ネットワーク中継装置は、バッテリーの残容量を表示する機能を持つ。バッテリーの残容量に応じて、再充電や電池交換ができ、ネットワーク接続を維持できる。
【0020】
以上実施例で説明したが、本発明の特徴は、以下の通りである。
(81)保守作業場所PCと、サービスセンタ間のネットワークを、精密機器に影響を与えずに構築できるネットワーク中継装置である。
(82)ネットワーク中継装置には、微弱電波による無線通信、および赤外線などの光通信、LANなどの有線通信、携帯電話接続用端子の複数通信インターフェースを持つ。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1のネットワーク中継システムの説明図。
【図2】実施例1におけるネットワーク中継装置の説明図。
【図3】実施例2のネットワーク中継システムの説明図。
【図4】実施例3のネットワーク中継システムの説明図。
【図5】実施例4のネットワーク中継システムの説明図。
【図6】実施例5のネットワーク中継システムの説明図。
【図7】実施例6のネットワーク中継システムの説明図。
【図8】ネットワーク中継装置の変形例の説明図。
【符号の説明】
【0022】
1a〜1z ネットワーク中継装置
11 微弱無線通信用アンテナ
12 光通信用送受信口
13 LAN接続口
14 携帯電話接続用端子
15 電波シールドキャップ
21 保守作業場所PC
22 保守対象機器
23 ネットワークケーブル
24 シールドされた部屋
25 窓
31 携帯電話
32 保守用回線
33 有線ケーブル
4 サービスセンタのサーバ装置
5 公衆網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のネットワーク中継装置からなり、保守作業場所設置機器を、公衆網を介してサービスセンタのサーバ装置と接続するネットワーク中継システムであって、
前記ネットワーク中継装置は、それぞれLANなどの有線通信及び微弱電波による無線通信の通信インターフェースを有しており、前記保守作業場所設置機器との送受信を有線通信で行い、ネットワーク中継装置間の送受信を微弱電波による無線通信で行うことを特徴とするネットワーク中継システム。
【請求項2】
複数個のネットワーク中継装置からなり、保守作業場所設置機器を、公衆網を介してサービスセンタのサーバ装置と接続するネットワーク中継システムであって、
前記ネットワーク中継装置は、それぞれLANなどの有線通信、微弱電波による無線通信及び赤外線などの光通信の通信インターフェースを有しており、前記保守作業場所設置機器との送受信を有線通信で行い、ネットワーク中継装置間の送受信を微弱電波による無線通信又は光通信で行うことを特徴とするネットワーク中継システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のネットワーク中継システムにおいて、
前記ネットワーク中継装置は、携帯電話の通信インターフェースを有しており、前記サービスセンタのサーバ装置との送受信を携帯電話で行うことを特徴とするネットワーク中継システム。
【請求項4】
保守作業場所設置機器を、公衆網を介してサービスセンタのサーバ装置と接続する際に使用するネットワーク中継装置であって、
LANなどの有線通信、微弱電波による無線通信、赤外線などの光通信及び携帯電話の通信インターフェースを有することを特徴とするネットワーク中継装置。
【請求項5】
請求項4記載のネットワーク中継装置において、
電波シールド用キャップを取付けた微弱無線通信用アンテナを有することを特徴とするネットワーク中継装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−217015(P2006−217015A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−24943(P2005−24943)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(000233491)日立電子サービス株式会社 (394)
【Fターム(参考)】