ネットワーク監視装置、ネットワーク監視方法
【課題】階層化されたネットワークを構成するネットワークエレメントから送信されるエラー情報のうち、実際にエラーが発生した可能性が高いと思われるエラー情報を管理者が発見しやすいように出力する。
【解決手段】階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークのネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報と、ネットワークエレメントから受信した複数のエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報とを比較して、エラー情報を送信した複数のネットワークエレメントのうち最上位の階層のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を検出して出力する。
【解決手段】階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークのネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報と、ネットワークエレメントから受信した複数のエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報とを比較して、エラー情報を送信した複数のネットワークエレメントのうち最上位の階層のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を検出して出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階層構造の通信ネットワークを構成する複数のネットワークエレメントのそれぞれの状態を監視するネットワーク監視装置、ネットワーク監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IP(Internet Protocol)ネットワークを構成するスイッチやルータ、ホストといったネットワーク機器、コンピュータ装置などのネットワークエレメントと遠隔から通信を行い、ネットワークエレメントの状態を監視するように構成されたネットワークシステムが利用されている。
【0003】
例えば、図11は、ルータ401と、その配下に接続されるルータA402、ルータE409と、その配下にそれぞれ接続されるルータB403、ルータC404、・・・と、その配下にそれぞれ接続されるサーバA406、サーバB407、・・・などのネットワークエレメントにより構成されるIPネットワークを監視するネットワークシステムを示す図である。ネットワーク監視装置500は、例えば5分間隔でネットワークエレメントにICMP(Internet Control Message Protocol)やSNMP(Simple Network Management Protocol)に基づいて、定期的に情報取得のための要求を送信する。ネットワークエレメントは、このような情報取得要求を受信した際に何らかの異常が発生していれば、異常が発生したことを示すエラー情報を応答として送信する。ネットワーク監視装置500は、受信したエラー情報をエラーリストとして記憶して蓄積する。また、ネットワーク監視装置500が取得するエラー情報には、情報取得要求に対する応答として送信されるエラー情報の他に、情報取得要求に対してネットワークエレメントが応答せずタイムアウトした場合のエラー情報や、ネットワークエレメントが、自身に異常が発生した場合に自発的に送信して自身の変化を通知するSNMPトラップと呼ばれるエラー情報がある。ネットワーク監視装置500に接続されたクライアント端末600は、ネットワーク監視装置500に記憶されたエラーリストを読み出して表示する。これにより、ネットワークシステムの管理者は、クライアント端末600に表示されるエラーリストを見ることで、ネットワークを構成するネットワークエレメントに発生した異常を知ることができ、故障の早期発見と復旧等の適切な処置を行うことができる。
【0004】
特許文献1には、複数のコンピュータ機器を監視する監視装置にエラーが送信される際、保守試験中に人為的に発生したエラーをマスクして送信することにより、エラーを受信する監視装置を監視する監視者が、保守試験等により人為的に発生したエラーに基づいて復旧処置等を行うことを防ぐ技術が提案されている。
【特許文献1】特開平4−213246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような通信プロトコルによりネットワークエレメントの状態を監視する際、特に監視対象のネットワークエレメントの数が大量になると、エラー発生時に大量のエラー情報がネットワーク監視装置に蓄積され、ネットワークエレメントの異常に対する迅速な対応を効率よく行うことが困難となる場合がある。
【0006】
例えば、図11において、ネットワーク監視装置500がそれぞれのネットワークエレメントにPingコマンドによるICMPパケットのポーリングを行う場合を考える。例えば、ネットワーク監視装置500から送信されたICMPパケットが、ルータA402によって通信到達性がないと判定されエラー情報が応答された場合、ルータA402の配下に接続されたルータB403、ルータC404、ルータD405、サーバA406、サーバB407、サーバC408などのネットワークエレメントに向けたICMPパケットに対してもエラー情報が応答される。このため、エラーが発生しているのはルータA402のみである場合にも、その配下に接続されたネットワークエレメント全てからネットワーク監視装置500にエラー情報が送信され、大量のエラー情報が記憶されることとなる。
【0007】
このとき、ネットワーク監視装置500に送信される大量のエラー情報のうちルータA402以外からのエラー情報は、実質的にそのネットワークエレメントにエラーが発生したか否かに関わらず送信されてしまうため、管理者にとってはノイズとなる場合がある。このため、エラーの発生したネットワークエレメントを効率よく特定できなかったり、エラーの発生していないネットワークエレメントに不要な復旧処置を行ったりすることがあり、発生したエラーに対する迅速な対応を効率よく行うことが困難となる。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、階層化されたネットワークを構成するネットワークエレメントから送信されるエラー情報のうち、実際にエラーが発生した可能性が高いと思われるエラー情報を管理者が発見しやすいように出力するネットワーク監視装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークのネットワークエレメントを監視し、ネットワークエレメントから送信されるエラー情報を受信するネットワーク監視装置であって、複数のネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報が記憶されるネットワークエレメント情報記憶部と、複数のネットワークエレメントから受信した複数のエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報と、ネットワークエレメント情報記憶部に記憶されたネットワークエレメント情報とを比較して、複数のエラー情報の送信元のネットワークエレメントのうち階層において最上位となるエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報を検出する最上位ネットワークエレメント検出部と、最上位ネットワークエレメント検出部が検出した最上位のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を出力するエラー出力部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、複数のネットワークエレメントのうち、工事中のネットワークエレメントの識別情報が記憶される工事ネットワークエレメント識別情報記憶部と、エラー出力部は、最上位ネットワークエレメント情報検出部が検出した最上位のネットワークエレメントの識別情報が、工事ネットワークエレメント記憶部に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合、最上位のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を出力しないことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、最上位ネットワークエレメント検出部は、複数のネットワークエレメントから受信した複数のエラー情報のうち、処理対象とするエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報に対応付けられた上の階層のネットワークエレメントの識別情報をネットワークエレメント情報から読み出し、上の階層のネットワークエレメントを送信元とするエラー情報を受信したか否かを判定する上位ネットワークエレメント検索処理を行い、受信していないと判定した場合、エラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報を最上位のネットワークエレメントの識別情報として検出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、最上位ネットワークエレメント検出部は、上位ネットワークエレメント検索処理において、上の階層のネットワークエレメントを送信元とするエラー情報を受信したと判定した場合、処理対象とするエラー情報にチェックを付与し、他のエラー情報を処理対象とする際、他のエラー情報にチェックが付与されているか否かを判定し、付与されていると判定した場合、他のエラー情報は最上位ネットワークエレメントを送信元とするエラー情報ではないとして他のエラー情報を処理対象とすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークのネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報が記憶されるネットワークエレメント情報記憶部を備え、ネットワークエレメントから送信されるエラー情報を受信するネットワーク監視装置によるネットワーク監視方法であって、複数のネットワークエレメントから受信した複数のエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報と、ネットワークエレメント情報記憶部に記憶されたネットワークエレメント情報とを比較して、エラー情報を送信した複数のネットワークエレメントのうち階層において最上位となるネットワークエレメントの識別情報を検出するステップと、検出した最上位のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を出力するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークのネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報と、ネットワークエレメントから受信した複数のエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報とを比較して、エラー情報を送信した複数のネットワークエレメントのうち最上位の階層のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を検出して出力するようにしたので、階層化された通信ネットワークを構成するネットワークエレメントから送信された複数のエラー情報のうち、発生したエラーの原因となっている可能性の高い最上位階層のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を出力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるネットワークシステム1の概要を示す図である。本実施形態によるネットワークシステム1は、ルータ101と、その配下に接続されるルータA102、ルータE109と、その配下にそれぞれ接続されるルータB103、ルータC104、・・・と、その配下にそれぞれ接続されるサーバA106、サーバB107、・・・などをネットワークエレメントとした階層構造で構成されるIPネットワーク(a)と、それぞれのネットワークエレメントを監視するネットワーク監視装置200と、ネットワーク監視装置200に接続されたクライアント端末300とを備えている。以下、上述のネットワークエレメントのそれぞれを個別に特定しない場合には、NE(ネットワークエレメント)100と表記して説明する。ここで、IPネットワーク(a)におけるNE100の階層構造において、ネットワーク監視装置200に近いルータ101が上位であり、サーバA106、サーバB107、サーバC108、サーバD113、サーバE114、サーバF115が下位である。
【0016】
複数台のNE100は、IPネットワーク(a)を構成するスイッチやルータ、ホストサーバといったネットワーク機器、コンピュータ装置などのネットワークエレメントである。NE100は、ネットワーク監視装置200から送信されるSNMPやICMPに基づく情報取得要求を受信し、応答する。ここで、NE100は、自身にエラーが発生している場合には、受信する情報取得要求に対してエラー情報を送信する。エラー情報には、NE100自身の識別情報やエラー内容などの情報が含まれる。NE100の識別情報は、例えば、IPアドレスである。また、ネットワーク監視装置200が取得するエラー情報には、情報取得要求に対する応答として送信されるエラー情報の他に、情報取得要求に対してNE100が応答せず、応答がタイムアウトした場合のエラー情報や、NE100が、自身に異常が発生した場合に自発的に送信し、自身の変化を通知するSNMPトラップと呼ばれるエラー情報がある。
【0017】
ネットワーク監視装置200は、監視対象として定められたNE100に情報取得要求のポーリングを行い、NE100の状態を監視するコンピュータ装置である。ネットワーク監視装置200は、監視対象のNE100に送信した情報取得要求に対してエラー情報を受信すると、受信したエラー情報をエラーリストとして記憶して蓄積する。図2は、ネットワーク監視装置200の詳細な構成を示す図である。ネットワーク監視装置200は、ポーリング実行部210と、エラーリスト生成部220と、NE情報記憶部230と、工事リスト記憶部240と、NGリスト生成部250と、NGリスト送信部260とを備えている。
【0018】
ポーリング実行部210は、予め定められた時間間隔で、自身の監視対象として予め定められたNE100にICMPやSNMPに基づく情報取得要求を送信してポーリングを行い、送信した情報取得要求に対する応答を受信する。ここで、ポーリングを行う時間間隔は、例えば5分周期である。
【0019】
エラーリスト生成部220は、ポーリング実行部210がNE100に送信した情報取得要求に対する応答としてエラー情報を受信した場合、ポーリング実行部210が受信したエラー情報を自身の記憶領域に蓄積し、複数のエラー情報が含まれるエラーリストを生成する。図3は、エラーリスト生成部220が生成するエラーリストに含まれるエラー情報のデータ例を示す図である。エラーリストに含まれるエラー情報には、エラー送信元のNE100の識別情報や、エラー内容などの情報が含まれる。図3には、ポーリング実行部210からの情報取得要求の応答として、ルータE109と、ルータD105と、ルータC104と、ルータB103と、ルータA102とからエラー情報が検出され、生成されたエラーリストの例が示されている。
【0020】
図2に戻り、NE情報記憶部230には、IPネットワーク(a)を構成する各NE100のそれぞれの識別情報と、そのNE100に隣接する他のNE100の情報が対応付けられたNE情報が記憶される。図4は、NE情報記憶部230に記憶されるNE情報のデータ例を示す図である。NE情報には、NE識別情報に対応付けて、IPアドレスと、IF(インタフェース)リストと、隣接NE情報などの情報が含まれる。NE識別情報は、ネットワーク監視装置200の監視対象でありIPネットワーク(a)を構成するNE100を識別する情報である。IPアドレスは、対応するNE100のIPアドレスを示す情報である。
【0021】
NE情報に含まれるIFリストは、対応するNE100がルータ等であり他のNE100へ接続するインタフェースを有する場合、そのインタフェースごとのIPアドレスを示す情報である。図4の例では、ルータA102は、IF1と、IF2と、IF3との3つのインタフェースを有し、それぞれのIPアドレスが「10.1.1.1」、「10.1.1.2」、「10.1.1.3」であることが示されている。隣接NE情報は、インタフェースに接続された他のNE100の識別情報を示す情報である。図4の例では、IF1(10.1.1.1)にはルータB(10.1.1.30)が接続されており、IF2(10.1.1.2)にはルータC(10.1.1.40)が接続されており、IF3には他のNE100が接続されていないことを示す「END」が対応付けられていることが示される。図5は、図4に示されたルータA102の接続状態の概念を示す図である。図5に示されるように、ルータA102のIPアドレスは「192.168.X.X」であり、IF1、IF2、IF3の3つのインタフェースを備えている。IF1のIPアドレスは「10.1.1.1」であり、ルータB103が接続されている。
【0022】
図2に戻り、工事リスト記憶部240には、IPネットワーク(a)を構成するNE100のうち、工事中のNE100の識別情報のリストが記憶される。図6は、工事リスト記憶部240に記憶される工事リストのデータ例を示す図である。工事リストに含まれる識別情報のNE100は、保守試験やソフトウェアの更新等を実施しており工事中であるため人為的にネットワークが切断されていたり、試験のためのエラー情報を送信したりすることがある。このため、工事リストに含まれるNE100から送信されるエラー情報は不意のエラーにより発生したものでなく、クライアント端末300によってNE100を監視する管理者にエラーの発生を通知する必要性は低いと考えられる。ここで、工事リスト記憶部240に記憶される工事リストは、予め記憶されていても良いし、管理者から入力される操作情報に応じて識別情報の追加、削除などが行われ記憶されるようにしても良い。
【0023】
図2に戻り、NGリスト生成部250は、NE情報記憶部230に記憶されたNE情報と、工事リスト記憶部240に記憶された工事リストと基づいて、エラーリスト生成部220が生成したエラーリストに含まれるエラー情報のうち、実際にエラーが発生した可能性が高いと思われるエラー情報を予め定められた条件に基づいて抽出したNGリストを生成する。例えば、NGリスト生成部250は、エラーリスト生成部220が生成したエラーリストに含まれるエラー情報のエラー送信元と、NE情報記憶部230に記憶されたNE情報とを読み出して、エラー情報のエラー送信元の上位のNE100を検出する。
【0024】
ここで、互いに隣接する複数のNE100からエラー情報が送信されエラーリストに記憶されている場合、IPネットワーク(a)の階層においてその最上位となるNE100が、その複数のエラー情報の原因となるエラーであると考えられる。よって、NGリスト生成部250は、エラーリストに含まれる複数のエラー情報のうち最上位のNE100から送信されたエラー情報を抽出してNGリストを生成する。
【0025】
また、NGリスト生成部250は、抽出したエラー情報のうち、工事リストに含まれるNE100から送信されたエラー情報を削除する。工事中であることが予め判明しているNE100から送信されたエラー情報に対しては、クライアント端末300によってNE100を遠隔から監視する管理者が早急に対応を行う必要性は低いと考えられるからである。例えば、図7は、図3に示されるエラーリストと、図4に示されるNE情報と、図6に示される工事リストとに基づいてNGリスト生成部250が生成するNGリストの例を示す図である。ここでは、図3に示されるエラーリストと図4に示されるNE情報とから、ルータAとルータEとが最上位のNE100として抽出され、工事リストによってルータEが削除されて、エラーの発生した可能性が高いNE100としてルータAが示されたNGリストが生成されている。
【0026】
NGリスト送信部260は、NGリスト生成部250が生成したNGリストを要求に応じて送信する。本実施形態では、NGリスト送信部260はウェブサービスの機能を備えており、クライアント端末300との間でHTTP(HyperText Transfer Protocol)などによる通信を行い、クライアント端末300から受信する送信要求に応じたNGリストをクライアント端末300に送信する。
【0027】
図1に戻り、クライアント端末300は、監視対象のNE100のうち、エラー情報が送信されたNE100の識別情報を表示するコンピュータ端末である。例えば、クライアント端末300は、ウェブブラウザを備えており、ネットワーク監視装置200と通信を行って、ネットワーク監視装置200から送信されるNGリストを自身が備えるディスプレイに出力する。図8は、クライアント端末300のディスプレイに出力される異常通知監視画面の例を示す図である。異常通知監視画面には、例えば、NE100に異常が発生した発生日時、異常通知に含まれる異常通知メッセージ、異常通知を送信したNE100のIPアドレスなどが表示される。また、この他に、NE100のホスト名などが表示されるようにしても良い。
【0028】
次に、図9を参照して、ネットワークシステム1がNGリストを生成する動作例を説明する。まず、ネットワーク監視装置200のポーリング実行部210は、IPネットワーク(a)を構成する各NE100に、情報取得要求を送信する。ネットワーク監視装置200のエラーリスト生成部220は、ポーリング実行部210が送信した情報取得要求の応答として受信したエラー情報が含まれるエラーリストを生成する(ステップS1)。
【0029】
NGリスト生成部250は、エラーリスト生成部220が生成したエラーリストから、処理対象とするエラー情報を一件読み出す(ステップS2)。ここで、本実施形態では、以下に示すステップS4からステップS6の検索処理を行ったエラー情報にはチェックを付与することとする。例えば、図10に示されるように、エラーリストに含まれるエラー情報のそれぞれにチェックフラグを付与し、初期状態では「0」とする。そして、エラー情報の検索処理を行った場合、そのエラー情報に付与したチェックフラグを「1」にする。これにより、既に検索処理を行ったエラー情報に対して重複して検索処理を行うことを防ぎ、処理時間を削減することができる。
【0030】
図9に戻り、NGリスト生成部250は、ステップS2において処理対象として読み出したエラー情報のチェックフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS3)。ここで、NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報のチェックフラグが「1」であると判定すれば(ステップS3:YES)、ステップS10に進む。一方、NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報のチェックフラグが「0」であると判定すれば(ステップS3:NO)、処理対象のエラー情報のエラー送信元に対応するNE識別情報が工事リスト記憶部240に記憶された工事リストに含まれるか否かを判定する(ステップS4)。
【0031】
NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報のエラー送信元に対応するNE識別情報が工事リストに含まれると判定すると(ステップS4:YES)、ステップS10に進む。一方、NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報のエラー送信元に対応するNE識別情報が工事リストに含まれないと判定すると(ステップS4:NO)、NE情報記憶部230に記憶されたNE情報を参照して、処理対象のエラー情報の送信元であるNE100の上位NEが存在するか否かを判定する(ステップS5)。
【0032】
NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報の送信元であるNE100の上位NEが存在しないと判定すると(ステップS5:NO)、ステップS9に進む。一方、NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報の送信元であるNE100の上位NEが存在すると判定すると(ステップS5:YES)、その上位NEがエラーリストに含まれているか否かを判定する(ステップS6)。
【0033】
NGリスト生成部250が、処理対象のNE100の上位NEがエラーリストに含まれていないと判定すると(ステップS6:NO)、ステップS9に進む。この場合、処理対象のNEの上位のNEではエラー情報が発生していないと考えられるため、NGリスト生成部250は、処理対象のNEに対応するエラー情報をNGリストとして記憶し、蓄積する(ステップS9)。そして、NGリスト生成部250は、エラーリストに含まれる全てのエラー情報について検索処理を行ったか否かを判定する(ステップS10)。
【0034】
NGリスト生成部250が、エラーリストに含まれる全てのエラー情報について検索処理を行ったと判定すると(ステップS10:YES)、NGリスト送信部260は、NGリスト生成部250が生成したNGリストをクライアント端末300に送信する(ステップS11)。クライアント端末300は、受信したNGリストをディスプレイに表示させる。クライアント端末300によってIPネットワーク(a)を監視する監視者は、クライアント端末300に表示されるエラーリストをみることで、エラー情報を送信したNE100のうち、エラー発生の原因となったNE100から送信されたエラー情報のみを知ることができる。
【0035】
一方、ステップS6において、NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報の送信元であるNE100の上位NEがエラーリストに含まれていると判定すると(ステップS6:YES)、NGリスト生成部250は、エラーリストに含まれる処理対象NEのエラー情報に対応するチェックフラグを「1」とする(ステップS7)。そして、NGリスト生成部250は、ステップS5において処理対象の上位NEと判定したNEを送信元とするエラー情報を、エラーリストから処理対象のエラー情報として読み出し(ステップS8)、ステップS3に戻る。
【0036】
なお、ネットワーク監視装置200の工事リスト記憶部240に記憶された工事リストは、予めクライアント端末300に記憶され、クライアント端末300に表示して管理者に知らせるようにしても良いし、ネットワーク監視装置200からクライアント端末300に送信するようにしても良い。
【0037】
このように、本実施形態によれば、ネットワーク監視装置200は、IPネットワーク(a)が備えるNE100から送信されたエラー情報のうちエラーの原因となった最上位のNE100から送信されたエラー情報のみが含まれるNGリストを、クライアント端末300に送信することができる。これにより、クライアント端末300は、上位NEのエラーに基づいて下位NEの全てから送信されるエラー情報を表示しないようにすることが可能である。これにより、クライアント端末300に表示されるエラー情報によってIPネットワーク(a)の状態監視を行う管理者は、エラーの発生したNE100を効率よく特定し、エラーの発生していないNE100に不要な復旧処置を行ったりすることなく、発生したエラーに対する迅速な対応を効率よく行うことができる。
【0038】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりネットワークの監視を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0039】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態によるネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるネットワーク監視装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態により生成されるエラーリストのデータ例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるNE情報記憶部に記憶されるNE情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態における隣接するNEの概念を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による工事リスト記憶部に記憶される工事リストのデータ例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態により生成されるNGリストのデータ例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によりクライアント端末に表示される監視画面の例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態によるネットワークシステムの動作例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態により生成されるエラーリストにチェックフラグが付与されたデータ例を示す図である。
【図11】従来技術によるネットワークシステムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ネットワークシステム
100 NE
200 ネットワーク監視装置
210 ポーリング実行部
220 エラーリスト生成部
230 NE情報記憶部
240 工事リスト記憶部
250 NGリスト生成部
260 NGリスト送信部
300 クライアント端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、階層構造の通信ネットワークを構成する複数のネットワークエレメントのそれぞれの状態を監視するネットワーク監視装置、ネットワーク監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IP(Internet Protocol)ネットワークを構成するスイッチやルータ、ホストといったネットワーク機器、コンピュータ装置などのネットワークエレメントと遠隔から通信を行い、ネットワークエレメントの状態を監視するように構成されたネットワークシステムが利用されている。
【0003】
例えば、図11は、ルータ401と、その配下に接続されるルータA402、ルータE409と、その配下にそれぞれ接続されるルータB403、ルータC404、・・・と、その配下にそれぞれ接続されるサーバA406、サーバB407、・・・などのネットワークエレメントにより構成されるIPネットワークを監視するネットワークシステムを示す図である。ネットワーク監視装置500は、例えば5分間隔でネットワークエレメントにICMP(Internet Control Message Protocol)やSNMP(Simple Network Management Protocol)に基づいて、定期的に情報取得のための要求を送信する。ネットワークエレメントは、このような情報取得要求を受信した際に何らかの異常が発生していれば、異常が発生したことを示すエラー情報を応答として送信する。ネットワーク監視装置500は、受信したエラー情報をエラーリストとして記憶して蓄積する。また、ネットワーク監視装置500が取得するエラー情報には、情報取得要求に対する応答として送信されるエラー情報の他に、情報取得要求に対してネットワークエレメントが応答せずタイムアウトした場合のエラー情報や、ネットワークエレメントが、自身に異常が発生した場合に自発的に送信して自身の変化を通知するSNMPトラップと呼ばれるエラー情報がある。ネットワーク監視装置500に接続されたクライアント端末600は、ネットワーク監視装置500に記憶されたエラーリストを読み出して表示する。これにより、ネットワークシステムの管理者は、クライアント端末600に表示されるエラーリストを見ることで、ネットワークを構成するネットワークエレメントに発生した異常を知ることができ、故障の早期発見と復旧等の適切な処置を行うことができる。
【0004】
特許文献1には、複数のコンピュータ機器を監視する監視装置にエラーが送信される際、保守試験中に人為的に発生したエラーをマスクして送信することにより、エラーを受信する監視装置を監視する監視者が、保守試験等により人為的に発生したエラーに基づいて復旧処置等を行うことを防ぐ技術が提案されている。
【特許文献1】特開平4−213246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような通信プロトコルによりネットワークエレメントの状態を監視する際、特に監視対象のネットワークエレメントの数が大量になると、エラー発生時に大量のエラー情報がネットワーク監視装置に蓄積され、ネットワークエレメントの異常に対する迅速な対応を効率よく行うことが困難となる場合がある。
【0006】
例えば、図11において、ネットワーク監視装置500がそれぞれのネットワークエレメントにPingコマンドによるICMPパケットのポーリングを行う場合を考える。例えば、ネットワーク監視装置500から送信されたICMPパケットが、ルータA402によって通信到達性がないと判定されエラー情報が応答された場合、ルータA402の配下に接続されたルータB403、ルータC404、ルータD405、サーバA406、サーバB407、サーバC408などのネットワークエレメントに向けたICMPパケットに対してもエラー情報が応答される。このため、エラーが発生しているのはルータA402のみである場合にも、その配下に接続されたネットワークエレメント全てからネットワーク監視装置500にエラー情報が送信され、大量のエラー情報が記憶されることとなる。
【0007】
このとき、ネットワーク監視装置500に送信される大量のエラー情報のうちルータA402以外からのエラー情報は、実質的にそのネットワークエレメントにエラーが発生したか否かに関わらず送信されてしまうため、管理者にとってはノイズとなる場合がある。このため、エラーの発生したネットワークエレメントを効率よく特定できなかったり、エラーの発生していないネットワークエレメントに不要な復旧処置を行ったりすることがあり、発生したエラーに対する迅速な対応を効率よく行うことが困難となる。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、階層化されたネットワークを構成するネットワークエレメントから送信されるエラー情報のうち、実際にエラーが発生した可能性が高いと思われるエラー情報を管理者が発見しやすいように出力するネットワーク監視装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークのネットワークエレメントを監視し、ネットワークエレメントから送信されるエラー情報を受信するネットワーク監視装置であって、複数のネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報が記憶されるネットワークエレメント情報記憶部と、複数のネットワークエレメントから受信した複数のエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報と、ネットワークエレメント情報記憶部に記憶されたネットワークエレメント情報とを比較して、複数のエラー情報の送信元のネットワークエレメントのうち階層において最上位となるエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報を検出する最上位ネットワークエレメント検出部と、最上位ネットワークエレメント検出部が検出した最上位のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を出力するエラー出力部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、複数のネットワークエレメントのうち、工事中のネットワークエレメントの識別情報が記憶される工事ネットワークエレメント識別情報記憶部と、エラー出力部は、最上位ネットワークエレメント情報検出部が検出した最上位のネットワークエレメントの識別情報が、工事ネットワークエレメント記憶部に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合、最上位のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を出力しないことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、最上位ネットワークエレメント検出部は、複数のネットワークエレメントから受信した複数のエラー情報のうち、処理対象とするエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報に対応付けられた上の階層のネットワークエレメントの識別情報をネットワークエレメント情報から読み出し、上の階層のネットワークエレメントを送信元とするエラー情報を受信したか否かを判定する上位ネットワークエレメント検索処理を行い、受信していないと判定した場合、エラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報を最上位のネットワークエレメントの識別情報として検出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、最上位ネットワークエレメント検出部は、上位ネットワークエレメント検索処理において、上の階層のネットワークエレメントを送信元とするエラー情報を受信したと判定した場合、処理対象とするエラー情報にチェックを付与し、他のエラー情報を処理対象とする際、他のエラー情報にチェックが付与されているか否かを判定し、付与されていると判定した場合、他のエラー情報は最上位ネットワークエレメントを送信元とするエラー情報ではないとして他のエラー情報を処理対象とすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークのネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報が記憶されるネットワークエレメント情報記憶部を備え、ネットワークエレメントから送信されるエラー情報を受信するネットワーク監視装置によるネットワーク監視方法であって、複数のネットワークエレメントから受信した複数のエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報と、ネットワークエレメント情報記憶部に記憶されたネットワークエレメント情報とを比較して、エラー情報を送信した複数のネットワークエレメントのうち階層において最上位となるネットワークエレメントの識別情報を検出するステップと、検出した最上位のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を出力するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークのネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報と、ネットワークエレメントから受信した複数のエラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報とを比較して、エラー情報を送信した複数のネットワークエレメントのうち最上位の階層のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を検出して出力するようにしたので、階層化された通信ネットワークを構成するネットワークエレメントから送信された複数のエラー情報のうち、発生したエラーの原因となっている可能性の高い最上位階層のネットワークエレメントから送信されたエラー情報を出力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるネットワークシステム1の概要を示す図である。本実施形態によるネットワークシステム1は、ルータ101と、その配下に接続されるルータA102、ルータE109と、その配下にそれぞれ接続されるルータB103、ルータC104、・・・と、その配下にそれぞれ接続されるサーバA106、サーバB107、・・・などをネットワークエレメントとした階層構造で構成されるIPネットワーク(a)と、それぞれのネットワークエレメントを監視するネットワーク監視装置200と、ネットワーク監視装置200に接続されたクライアント端末300とを備えている。以下、上述のネットワークエレメントのそれぞれを個別に特定しない場合には、NE(ネットワークエレメント)100と表記して説明する。ここで、IPネットワーク(a)におけるNE100の階層構造において、ネットワーク監視装置200に近いルータ101が上位であり、サーバA106、サーバB107、サーバC108、サーバD113、サーバE114、サーバF115が下位である。
【0016】
複数台のNE100は、IPネットワーク(a)を構成するスイッチやルータ、ホストサーバといったネットワーク機器、コンピュータ装置などのネットワークエレメントである。NE100は、ネットワーク監視装置200から送信されるSNMPやICMPに基づく情報取得要求を受信し、応答する。ここで、NE100は、自身にエラーが発生している場合には、受信する情報取得要求に対してエラー情報を送信する。エラー情報には、NE100自身の識別情報やエラー内容などの情報が含まれる。NE100の識別情報は、例えば、IPアドレスである。また、ネットワーク監視装置200が取得するエラー情報には、情報取得要求に対する応答として送信されるエラー情報の他に、情報取得要求に対してNE100が応答せず、応答がタイムアウトした場合のエラー情報や、NE100が、自身に異常が発生した場合に自発的に送信し、自身の変化を通知するSNMPトラップと呼ばれるエラー情報がある。
【0017】
ネットワーク監視装置200は、監視対象として定められたNE100に情報取得要求のポーリングを行い、NE100の状態を監視するコンピュータ装置である。ネットワーク監視装置200は、監視対象のNE100に送信した情報取得要求に対してエラー情報を受信すると、受信したエラー情報をエラーリストとして記憶して蓄積する。図2は、ネットワーク監視装置200の詳細な構成を示す図である。ネットワーク監視装置200は、ポーリング実行部210と、エラーリスト生成部220と、NE情報記憶部230と、工事リスト記憶部240と、NGリスト生成部250と、NGリスト送信部260とを備えている。
【0018】
ポーリング実行部210は、予め定められた時間間隔で、自身の監視対象として予め定められたNE100にICMPやSNMPに基づく情報取得要求を送信してポーリングを行い、送信した情報取得要求に対する応答を受信する。ここで、ポーリングを行う時間間隔は、例えば5分周期である。
【0019】
エラーリスト生成部220は、ポーリング実行部210がNE100に送信した情報取得要求に対する応答としてエラー情報を受信した場合、ポーリング実行部210が受信したエラー情報を自身の記憶領域に蓄積し、複数のエラー情報が含まれるエラーリストを生成する。図3は、エラーリスト生成部220が生成するエラーリストに含まれるエラー情報のデータ例を示す図である。エラーリストに含まれるエラー情報には、エラー送信元のNE100の識別情報や、エラー内容などの情報が含まれる。図3には、ポーリング実行部210からの情報取得要求の応答として、ルータE109と、ルータD105と、ルータC104と、ルータB103と、ルータA102とからエラー情報が検出され、生成されたエラーリストの例が示されている。
【0020】
図2に戻り、NE情報記憶部230には、IPネットワーク(a)を構成する各NE100のそれぞれの識別情報と、そのNE100に隣接する他のNE100の情報が対応付けられたNE情報が記憶される。図4は、NE情報記憶部230に記憶されるNE情報のデータ例を示す図である。NE情報には、NE識別情報に対応付けて、IPアドレスと、IF(インタフェース)リストと、隣接NE情報などの情報が含まれる。NE識別情報は、ネットワーク監視装置200の監視対象でありIPネットワーク(a)を構成するNE100を識別する情報である。IPアドレスは、対応するNE100のIPアドレスを示す情報である。
【0021】
NE情報に含まれるIFリストは、対応するNE100がルータ等であり他のNE100へ接続するインタフェースを有する場合、そのインタフェースごとのIPアドレスを示す情報である。図4の例では、ルータA102は、IF1と、IF2と、IF3との3つのインタフェースを有し、それぞれのIPアドレスが「10.1.1.1」、「10.1.1.2」、「10.1.1.3」であることが示されている。隣接NE情報は、インタフェースに接続された他のNE100の識別情報を示す情報である。図4の例では、IF1(10.1.1.1)にはルータB(10.1.1.30)が接続されており、IF2(10.1.1.2)にはルータC(10.1.1.40)が接続されており、IF3には他のNE100が接続されていないことを示す「END」が対応付けられていることが示される。図5は、図4に示されたルータA102の接続状態の概念を示す図である。図5に示されるように、ルータA102のIPアドレスは「192.168.X.X」であり、IF1、IF2、IF3の3つのインタフェースを備えている。IF1のIPアドレスは「10.1.1.1」であり、ルータB103が接続されている。
【0022】
図2に戻り、工事リスト記憶部240には、IPネットワーク(a)を構成するNE100のうち、工事中のNE100の識別情報のリストが記憶される。図6は、工事リスト記憶部240に記憶される工事リストのデータ例を示す図である。工事リストに含まれる識別情報のNE100は、保守試験やソフトウェアの更新等を実施しており工事中であるため人為的にネットワークが切断されていたり、試験のためのエラー情報を送信したりすることがある。このため、工事リストに含まれるNE100から送信されるエラー情報は不意のエラーにより発生したものでなく、クライアント端末300によってNE100を監視する管理者にエラーの発生を通知する必要性は低いと考えられる。ここで、工事リスト記憶部240に記憶される工事リストは、予め記憶されていても良いし、管理者から入力される操作情報に応じて識別情報の追加、削除などが行われ記憶されるようにしても良い。
【0023】
図2に戻り、NGリスト生成部250は、NE情報記憶部230に記憶されたNE情報と、工事リスト記憶部240に記憶された工事リストと基づいて、エラーリスト生成部220が生成したエラーリストに含まれるエラー情報のうち、実際にエラーが発生した可能性が高いと思われるエラー情報を予め定められた条件に基づいて抽出したNGリストを生成する。例えば、NGリスト生成部250は、エラーリスト生成部220が生成したエラーリストに含まれるエラー情報のエラー送信元と、NE情報記憶部230に記憶されたNE情報とを読み出して、エラー情報のエラー送信元の上位のNE100を検出する。
【0024】
ここで、互いに隣接する複数のNE100からエラー情報が送信されエラーリストに記憶されている場合、IPネットワーク(a)の階層においてその最上位となるNE100が、その複数のエラー情報の原因となるエラーであると考えられる。よって、NGリスト生成部250は、エラーリストに含まれる複数のエラー情報のうち最上位のNE100から送信されたエラー情報を抽出してNGリストを生成する。
【0025】
また、NGリスト生成部250は、抽出したエラー情報のうち、工事リストに含まれるNE100から送信されたエラー情報を削除する。工事中であることが予め判明しているNE100から送信されたエラー情報に対しては、クライアント端末300によってNE100を遠隔から監視する管理者が早急に対応を行う必要性は低いと考えられるからである。例えば、図7は、図3に示されるエラーリストと、図4に示されるNE情報と、図6に示される工事リストとに基づいてNGリスト生成部250が生成するNGリストの例を示す図である。ここでは、図3に示されるエラーリストと図4に示されるNE情報とから、ルータAとルータEとが最上位のNE100として抽出され、工事リストによってルータEが削除されて、エラーの発生した可能性が高いNE100としてルータAが示されたNGリストが生成されている。
【0026】
NGリスト送信部260は、NGリスト生成部250が生成したNGリストを要求に応じて送信する。本実施形態では、NGリスト送信部260はウェブサービスの機能を備えており、クライアント端末300との間でHTTP(HyperText Transfer Protocol)などによる通信を行い、クライアント端末300から受信する送信要求に応じたNGリストをクライアント端末300に送信する。
【0027】
図1に戻り、クライアント端末300は、監視対象のNE100のうち、エラー情報が送信されたNE100の識別情報を表示するコンピュータ端末である。例えば、クライアント端末300は、ウェブブラウザを備えており、ネットワーク監視装置200と通信を行って、ネットワーク監視装置200から送信されるNGリストを自身が備えるディスプレイに出力する。図8は、クライアント端末300のディスプレイに出力される異常通知監視画面の例を示す図である。異常通知監視画面には、例えば、NE100に異常が発生した発生日時、異常通知に含まれる異常通知メッセージ、異常通知を送信したNE100のIPアドレスなどが表示される。また、この他に、NE100のホスト名などが表示されるようにしても良い。
【0028】
次に、図9を参照して、ネットワークシステム1がNGリストを生成する動作例を説明する。まず、ネットワーク監視装置200のポーリング実行部210は、IPネットワーク(a)を構成する各NE100に、情報取得要求を送信する。ネットワーク監視装置200のエラーリスト生成部220は、ポーリング実行部210が送信した情報取得要求の応答として受信したエラー情報が含まれるエラーリストを生成する(ステップS1)。
【0029】
NGリスト生成部250は、エラーリスト生成部220が生成したエラーリストから、処理対象とするエラー情報を一件読み出す(ステップS2)。ここで、本実施形態では、以下に示すステップS4からステップS6の検索処理を行ったエラー情報にはチェックを付与することとする。例えば、図10に示されるように、エラーリストに含まれるエラー情報のそれぞれにチェックフラグを付与し、初期状態では「0」とする。そして、エラー情報の検索処理を行った場合、そのエラー情報に付与したチェックフラグを「1」にする。これにより、既に検索処理を行ったエラー情報に対して重複して検索処理を行うことを防ぎ、処理時間を削減することができる。
【0030】
図9に戻り、NGリスト生成部250は、ステップS2において処理対象として読み出したエラー情報のチェックフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS3)。ここで、NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報のチェックフラグが「1」であると判定すれば(ステップS3:YES)、ステップS10に進む。一方、NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報のチェックフラグが「0」であると判定すれば(ステップS3:NO)、処理対象のエラー情報のエラー送信元に対応するNE識別情報が工事リスト記憶部240に記憶された工事リストに含まれるか否かを判定する(ステップS4)。
【0031】
NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報のエラー送信元に対応するNE識別情報が工事リストに含まれると判定すると(ステップS4:YES)、ステップS10に進む。一方、NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報のエラー送信元に対応するNE識別情報が工事リストに含まれないと判定すると(ステップS4:NO)、NE情報記憶部230に記憶されたNE情報を参照して、処理対象のエラー情報の送信元であるNE100の上位NEが存在するか否かを判定する(ステップS5)。
【0032】
NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報の送信元であるNE100の上位NEが存在しないと判定すると(ステップS5:NO)、ステップS9に進む。一方、NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報の送信元であるNE100の上位NEが存在すると判定すると(ステップS5:YES)、その上位NEがエラーリストに含まれているか否かを判定する(ステップS6)。
【0033】
NGリスト生成部250が、処理対象のNE100の上位NEがエラーリストに含まれていないと判定すると(ステップS6:NO)、ステップS9に進む。この場合、処理対象のNEの上位のNEではエラー情報が発生していないと考えられるため、NGリスト生成部250は、処理対象のNEに対応するエラー情報をNGリストとして記憶し、蓄積する(ステップS9)。そして、NGリスト生成部250は、エラーリストに含まれる全てのエラー情報について検索処理を行ったか否かを判定する(ステップS10)。
【0034】
NGリスト生成部250が、エラーリストに含まれる全てのエラー情報について検索処理を行ったと判定すると(ステップS10:YES)、NGリスト送信部260は、NGリスト生成部250が生成したNGリストをクライアント端末300に送信する(ステップS11)。クライアント端末300は、受信したNGリストをディスプレイに表示させる。クライアント端末300によってIPネットワーク(a)を監視する監視者は、クライアント端末300に表示されるエラーリストをみることで、エラー情報を送信したNE100のうち、エラー発生の原因となったNE100から送信されたエラー情報のみを知ることができる。
【0035】
一方、ステップS6において、NGリスト生成部250が、処理対象のエラー情報の送信元であるNE100の上位NEがエラーリストに含まれていると判定すると(ステップS6:YES)、NGリスト生成部250は、エラーリストに含まれる処理対象NEのエラー情報に対応するチェックフラグを「1」とする(ステップS7)。そして、NGリスト生成部250は、ステップS5において処理対象の上位NEと判定したNEを送信元とするエラー情報を、エラーリストから処理対象のエラー情報として読み出し(ステップS8)、ステップS3に戻る。
【0036】
なお、ネットワーク監視装置200の工事リスト記憶部240に記憶された工事リストは、予めクライアント端末300に記憶され、クライアント端末300に表示して管理者に知らせるようにしても良いし、ネットワーク監視装置200からクライアント端末300に送信するようにしても良い。
【0037】
このように、本実施形態によれば、ネットワーク監視装置200は、IPネットワーク(a)が備えるNE100から送信されたエラー情報のうちエラーの原因となった最上位のNE100から送信されたエラー情報のみが含まれるNGリストを、クライアント端末300に送信することができる。これにより、クライアント端末300は、上位NEのエラーに基づいて下位NEの全てから送信されるエラー情報を表示しないようにすることが可能である。これにより、クライアント端末300に表示されるエラー情報によってIPネットワーク(a)の状態監視を行う管理者は、エラーの発生したNE100を効率よく特定し、エラーの発生していないNE100に不要な復旧処置を行ったりすることなく、発生したエラーに対する迅速な対応を効率よく行うことができる。
【0038】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりネットワークの監視を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0039】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態によるネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるネットワーク監視装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態により生成されるエラーリストのデータ例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるNE情報記憶部に記憶されるNE情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態における隣接するNEの概念を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による工事リスト記憶部に記憶される工事リストのデータ例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態により生成されるNGリストのデータ例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によりクライアント端末に表示される監視画面の例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態によるネットワークシステムの動作例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態により生成されるエラーリストにチェックフラグが付与されたデータ例を示す図である。
【図11】従来技術によるネットワークシステムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ネットワークシステム
100 NE
200 ネットワーク監視装置
210 ポーリング実行部
220 エラーリスト生成部
230 NE情報記憶部
240 工事リスト記憶部
250 NGリスト生成部
260 NGリスト送信部
300 クライアント端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークの前記ネットワークエレメントを監視し、当該ネットワークエレメントから送信されるエラー情報を受信するネットワーク監視装置であって、
前記複数のネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、当該ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報が記憶されるネットワークエレメント情報記憶部と、
前記複数のネットワークエレメントから受信した複数の前記エラー情報の送信元の前記ネットワークエレメントの識別情報と、前記ネットワークエレメント情報記憶部に記憶された前記ネットワークエレメント情報とを比較して、複数の前記エラー情報の送信元の前記ネットワークエレメントのうち前記階層において最上位となる前記エラー情報の送信元の前記ネットワークエレメントの識別情報を検出する最上位ネットワークエレメント検出部と、
前記最上位ネットワークエレメント検出部が検出した前記最上位のネットワークエレメントから送信された前記エラー情報を出力するエラー出力部と、
を備えることを特徴とするネットワーク監視装置。
【請求項2】
前記複数のネットワークエレメントのうち、工事中の前記ネットワークエレメントの識別情報が記憶される工事ネットワークエレメント識別情報記憶部と、
前記エラー出力部は、前記最上位ネットワークエレメント情報検出部が検出した前記最上位のネットワークエレメントの識別情報が、前記工事ネットワークエレメント記憶部に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合、前記前記最上位のネットワークエレメントから送信された前記エラー情報を出力しない
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク監視装置。
【請求項3】
前記最上位ネットワークエレメント検出部は、前記複数のネットワークエレメントから受信した複数の前記エラー情報のうち、処理対象とするエラー情報の送信元の前記ネットワークエレメントの識別情報に対応付けられた上の階層のネットワークエレメントの識別情報を前記ネットワークエレメント情報から読み出し、当該上の階層のネットワークエレメントを送信元とする前記エラー情報を受信したか否かを判定する上位ネットワークエレメント検索処理を行い、受信していないと判定した場合、当該エラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報を前記最上位のネットワークエレメントの識別情報として検出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のネットワーク監視装置。
【請求項4】
前記最上位ネットワークエレメント検出部は、前記上位ネットワークエレメント検索処理において、前記上の階層のネットワークエレメントを送信元とする前記エラー情報を受信したと判定した場合、前記処理対象とするエラー情報にチェックを付与し、他の前記エラー情報を処理対象とする際、当該他のエラー情報に前記チェックが付与されているか否かを判定し、付与されていると判定した場合、当該他のエラー情報は前記最上位ネットワークエレメントを送信元とするエラー情報ではないとして他のエラー情報を前記処理対象とする
ことを特徴とする請求項3に記載のネットワーク監視装置。
【請求項5】
階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークの前記ネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、当該ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報が記憶されるネットワークエレメント情報記憶部を備え、前記ネットワークエレメントから送信されるエラー情報を受信するネットワーク監視装置によるネットワーク監視方法であって、
前記複数のネットワークエレメントから受信した複数の前記エラー情報の送信元の前記ネットワークエレメントの識別情報と、前記ネットワークエレメント情報記憶部に記憶された前記ネットワークエレメント情報とを比較して、前記エラー情報を送信した複数の前記ネットワークエレメントのうち前記階層において最上位となるネットワークエレメントの識別情報を検出するステップと、
検出した前記最上位のネットワークエレメントから送信された前記エラー情報を出力するステップと、
を備えることを特徴とするネットワーク監視方法。
【請求項1】
階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークの前記ネットワークエレメントを監視し、当該ネットワークエレメントから送信されるエラー情報を受信するネットワーク監視装置であって、
前記複数のネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、当該ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報が記憶されるネットワークエレメント情報記憶部と、
前記複数のネットワークエレメントから受信した複数の前記エラー情報の送信元の前記ネットワークエレメントの識別情報と、前記ネットワークエレメント情報記憶部に記憶された前記ネットワークエレメント情報とを比較して、複数の前記エラー情報の送信元の前記ネットワークエレメントのうち前記階層において最上位となる前記エラー情報の送信元の前記ネットワークエレメントの識別情報を検出する最上位ネットワークエレメント検出部と、
前記最上位ネットワークエレメント検出部が検出した前記最上位のネットワークエレメントから送信された前記エラー情報を出力するエラー出力部と、
を備えることを特徴とするネットワーク監視装置。
【請求項2】
前記複数のネットワークエレメントのうち、工事中の前記ネットワークエレメントの識別情報が記憶される工事ネットワークエレメント識別情報記憶部と、
前記エラー出力部は、前記最上位ネットワークエレメント情報検出部が検出した前記最上位のネットワークエレメントの識別情報が、前記工事ネットワークエレメント記憶部に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定した場合、前記前記最上位のネットワークエレメントから送信された前記エラー情報を出力しない
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク監視装置。
【請求項3】
前記最上位ネットワークエレメント検出部は、前記複数のネットワークエレメントから受信した複数の前記エラー情報のうち、処理対象とするエラー情報の送信元の前記ネットワークエレメントの識別情報に対応付けられた上の階層のネットワークエレメントの識別情報を前記ネットワークエレメント情報から読み出し、当該上の階層のネットワークエレメントを送信元とする前記エラー情報を受信したか否かを判定する上位ネットワークエレメント検索処理を行い、受信していないと判定した場合、当該エラー情報の送信元のネットワークエレメントの識別情報を前記最上位のネットワークエレメントの識別情報として検出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のネットワーク監視装置。
【請求項4】
前記最上位ネットワークエレメント検出部は、前記上位ネットワークエレメント検索処理において、前記上の階層のネットワークエレメントを送信元とする前記エラー情報を受信したと判定した場合、前記処理対象とするエラー情報にチェックを付与し、他の前記エラー情報を処理対象とする際、当該他のエラー情報に前記チェックが付与されているか否かを判定し、付与されていると判定した場合、当該他のエラー情報は前記最上位ネットワークエレメントを送信元とするエラー情報ではないとして他のエラー情報を前記処理対象とする
ことを特徴とする請求項3に記載のネットワーク監視装置。
【請求項5】
階層化された複数のネットワークエレメントによって構成される通信ネットワークの前記ネットワークエレメントのそれぞれの識別情報と、当該ネットワークエレメントが隣接する他階層のネットワークエレメントの識別情報とが対応付けられた階層構造のネットワークエレメント情報が記憶されるネットワークエレメント情報記憶部を備え、前記ネットワークエレメントから送信されるエラー情報を受信するネットワーク監視装置によるネットワーク監視方法であって、
前記複数のネットワークエレメントから受信した複数の前記エラー情報の送信元の前記ネットワークエレメントの識別情報と、前記ネットワークエレメント情報記憶部に記憶された前記ネットワークエレメント情報とを比較して、前記エラー情報を送信した複数の前記ネットワークエレメントのうち前記階層において最上位となるネットワークエレメントの識別情報を検出するステップと、
検出した前記最上位のネットワークエレメントから送信された前記エラー情報を出力するステップと、
を備えることを特徴とするネットワーク監視方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−86097(P2010−86097A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251986(P2008−251986)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】
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