説明

ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物

【課題】ノイズ抑制効果に優れたノイズ抑制シートを与えることのできるノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物を提供すること。
【解決手段】アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a1)および/またはアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位(a2)60〜95重量%、(メタ)アクリロニトリル単量体単位(b)4〜37重量%、ならびに、親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)0.01〜6重量%を有するアクリルゴムと、磁性粉末とを含有するノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリルゴムおよび磁性粉末を含有するノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物に係り、さらに詳しくは、ノイズ抑制効果に優れたノイズ抑制シートを与えるノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯情報端末などのデジタル電子機器をはじめ高周波を利用する電子機器類の普及が進んでいる。これらの機器は、小型化・高性能化が求められ、内部の電子部品は高密度実装がなされている。このため、電磁波を放射するICなどの電磁波放射部品が組み込まれた電子機器においては、電磁波ノイズによる電磁波障害や干渉の抑制が課題となっている。
【0003】
一方、近年、RFID(Radio Frequency IDentification)などの電磁波を用いて通信する無線識別システムが知られている。このような無線識別システムは、電磁波を利用するものであり、そのため、無線識別システムにおいては、検知範囲外への電磁波の漏洩を低減することが求められている。
【0004】
これに対して、このような電子機器や無線識別システムにおける、電磁波障害や電磁波の漏洩を抑制するために、磁性粉末をゴムまたは合成樹脂等の結着剤中に混合させた組成物をシート状に成形加工して得た種々のノイズ抑制シートが提案されている。
【0005】
たとえば、特許文献1には、アクリルゴムのマトリクス中に、軟磁性材料の粉末を分散させてなる電磁波吸収体において、難燃剤ないし難燃助剤として、メラミンおよびメラミン誘導体の一方または両方を含むハロゲンフリーな難燃性電磁波吸収体が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の電磁波吸収体を用いて得られる電磁波吸収シートでは、難燃性についての特定がなされているのみで、磁性粉末の充填率向上の検討については行われていない。電磁波ノイズを抑制するノイズ抑制効果向上のためには、磁性粉末の充填率性の高いゴムマトリクスが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−243879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ノイズ抑制効果に優れたノイズ抑制シートを与えることのできるノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、このようなノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物をシート状に成形し、ノイズ抑制シートを提供することも目的とする。さらに、本発明は、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物に架橋剤を添加してなるノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物、およびこれをシート状に成形し、架橋することにより得られるノイズ抑制シートを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物を構成するアクリルゴムとして、アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a1)および/またはアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位(a2)、(メタ)アクリロニトリル単量体単位(b)に加えて、親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)を所定量含有するアクリルゴムを用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明によれば、アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a1)および/またはアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位(a2)60〜95重量%、(メタ)アクリロニトリル単量体単位(b)4〜37重量%、ならびに、親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)0.01〜6重量%を有するアクリルゴムと、磁性粉末とを含有するノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物が提供される。
本発明のノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物においては、好ましくは、前記親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)が、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体単位である。
【0010】
また、本発明によれば、上記ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物と、架橋剤とを含有してなるノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、上記ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物をシート状に成形してなるノイズ抑制シートが提供される。さらには、上記ノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物をシート状に成形し、架橋してなるノイズ抑制シートも提供される。
なお、本明細書中では「ノイズ抑制シート用」としているが、必ずしもシート用に限るものではなく、テープやチューブ、ケーブルなど(シートと同様にフィルム等の薄物で実現する)他の形態で用いられるノイズ抑制体を含むものであり、他の形態への適用を妨げるものではない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ノイズ抑制効果に優れたノイズ抑制シートを与えることのできるノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物、およびこれをシート状に成形することにより得られ、透磁率が高く、ノイズ抑制効果に優れたノイズ抑制シートを提供することができる。また、上記ノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物をシート状に成形し、架橋することにより得られ、透磁率が高く、ノイズ抑制効果に優れたノイズ抑制シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(a)及び図1(b)はノイズ抑制シートの近傍電磁界における特性評価系を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物
本発明のノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物は、アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a1)および/またはアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位(a2)60〜95重量%、(メタ)アクリロニトリル単量体単位(b)4〜37重量%、ならびに、親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)0.01〜6重量%を有するアクリルゴムと、磁性粉末とを含有するアクリルゴムの組成物である。
まず、本発明のノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物に含有されるアクリルゴムについて説明する。
【0014】
アクリルゴム
アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a1)を形成するためのアクリル酸アルキルエステル単量体としては、特に限定されないが、アルキル基の炭素数が1〜12の範囲のものが好ましく、1〜10の範囲のものがより好ましく、1〜8の範囲のものがさらに好ましい。アルキル基を構成する炭素数が多すぎると、アクリルゴムと磁性粉末との間の分散性が低下し、得られるノイズ抑制シートの機械特性が低下するおそれがある。
【0015】
このようなアクリル酸アルキルエステル単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸2−メチルペンチル、アクリル酸2−プロピルペンチル、アクリル酸3−エチルペンチル、アクリル酸3−プロピルペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸3−プロピルヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸2−メチルヘプチル、アクリル酸3−エチルヘプチル、アクリル酸4−メチルヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−メチルオクチル、アクリル酸3−エチルオクチル、アクリル酸4−メチルオクチルなどが挙げられる。これらは1種単独でも、または複数組み合わせて用いても良い。これらのなかでも、アクリル酸エチルが好ましい。
【0016】
アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位(a2)を形成するためのアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、特に限定されないが、アルコキシアルキル基の炭素数が2〜12の範囲のものが好ましく、2〜10の範囲のものがより好ましく、2〜8の範囲のものがさらに好ましい。また、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6の範囲、より好ましくは1〜5の範囲、さらに好ましくは1〜4の範囲である。アルコキシアルキル基の炭素数が多すぎると、アクリルゴムと磁性粉末との間の分散性が低下し、得られるノイズ抑制シートの機械特性が低下するおそれがある。
【0017】
このようなアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体の具体例としては、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸1−エトキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸1−メトキシプロピル、アクリル酸2−エトキシプロピル、アクリル酸1−メトキシブチル、アクリル酸2−イソブトキシブチル、アクリル酸1−エトキシペンチル、アクリル酸2−メトキシペンチル、アクリル酸3−プロポキシペンチル、アクリル酸1−プロポキシヘキシル、アクリル酸2−エトキシヘキシル、アクリル酸3−メトキシヘキシルなどが挙げられる。これらは1種単独でも、または複数種組み合わせて用いても良い。これらのなかでも、アクリル酸2−メトキシエチルが好ましい。
【0018】
なお、本発明で用いるアクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a1)およびアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位(a2)のうち、少なくとも一方を含有するものであれば良いが、アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a1)を少なくとも含有するものであることが好ましい。
【0019】
本発明で用いるアクリルゴム中における、アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a1)およびアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位(a2)の合計の含有割合は、全単量体単位中、60〜95重量%であり、好ましくは65〜89重量%であり、より好ましくは70〜88重量%である。アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a1)およびアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位(a2)の含有割合が少なすぎると、柔軟性が損なわれる傾向にある。一方、多すぎると、 アクリルゴムと磁性粉末との間の分散性が低下し、得られるノイズ抑制シートの機械特性が低下する傾向にある。
【0020】
(メタ)アクリロニトリル単量体単位(b)を形成するための(メタ)アクリロニトリル単量体は、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルであり、これらのなかでも、アクリロニトリルが好ましい。
【0021】
本発明で用いるアクリルゴム中における、(メタ)アクリロニトリル単量体単位(b)の含有割合は、全単量体単位中、4〜37重量%であり、好ましくは5〜30重量%であり、より好ましくは6〜25重量%である。(メタ)アクリロニトリル単量体単位(b)の含有割合が少なすぎると、アクリルゴムと磁性粉末との間の分散性が低下し、得られるノイズ抑制シートの機械特性が低下する傾向にある。一方、多すぎると、柔軟性が損なわれる傾向にある。
【0022】
親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)を形成するための単量体としては、重合性のエチレン性不飽和基と親水性官能基を有するものであれば何でも良く、特に限定されないが、親水性官能基として、エポキシ基、水酸基またはスルホン酸基を含有するエチレン性不飽和単量体などが挙げられ、これらのなかでも、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体が好ましい。
【0023】
エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体の具体例としては、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、オクテニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、2−エポキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルベンジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは1種単独でも、または複数種組み合わせて用いても良い。これらのなかでも、アリルグリシジルエーテル、およびグリシジルメタクリレートがより好ましい。
【0024】
本発明で用いるアクリルゴム中における、親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)の含有割合は、全単量体単位中、0.01〜6重量%であり、好ましくは0.02〜5重量%であり、より好ましくは0.5〜4重量%である。アクリルゴム中に、親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)を含有させることにより、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物中における、磁性粉末の含有割合を増加させることができ、得られるノイズ抑制シートを、透磁率が高く、ノイズ抑制効果に優れたものとすることができる。親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)の含有割合が少なすぎると、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物中における磁性粉末の含有割合を高く設定することが困難となり、結果として、ノイズ抑制効果が低下する傾向にある。一方、多すぎると、アクリルゴム同士の凝集力が強くなり、ノイズ抑制効果が低下する傾向にある。
【0025】
本発明で用いるアクリルゴムには、必要に応じて、上述の各単量体と共重合可能な単量体の単位を含有していても良い。このような共重合可能な単量体としては、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体、芳香族ビニル単量体、アクリロイルオキシ基を2個以上有する単量体(多官能アクリル単量体)、その他のオレフィン系単量体などが挙げられる。
【0026】
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸単量体としては、フマル酸やマレイン酸などのブテンジオン酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノn−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルおよびマレイン酸モノn−ブチルなどのブテンジオン酸モノ鎖状アルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘキセニル、マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシルおよびマレイン酸モノシクロヘキセニルなどの脂環構造を有するブテンジオン酸モノ環状アルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチルおよびイタコン酸モノブチルなどのイタコン酸モノエステル;などが挙げられる。
【0027】
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルベンジルクロライド、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
多官能アクリル単量体としては、エチレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル、プロピレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステルなどが挙げられる。
その他のオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等が挙げられる。
【0028】
本発明で用いるアクリルゴム中における、共重合可能な単量体の単位の含有割合は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
【0029】
本発明で用いるアクリルゴムのムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは20〜100、より好ましくは30〜70である。ムーニー粘度が小さすぎると、得られるノイズ抑制シートの機械的特性が劣る場合がある。一方、流動性が悪くなる場合があり、結果として、成形加工性が劣る場合があったり、成形が困難となる場合がある。
【0030】
本発明で用いるアクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステル単量体および/またはアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体、(メタ)アクリロニトリル単量体、親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体、ならびに、必要に応じて用いられるこれらと共重合可能な単量体などの単量体混合物を、重合することにより製造することができる。重合法としては、公知の乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法および溶液重合法のいずれをも用いることができるが、重合反応の制御の容易性等から、常圧下での乳化重合法が好ましい。重合反応に際しては、重合反応に用いる全ての単量体全量を、必ずしも反応開始時から用いる必要はなく、共重合反応性比、反応転化率などを考慮して反応時間の全体にわたって連続的または断続的に添加しても良いし、あるいは、反応の途中ないし反応の後半に一括もしくは分割で添加する構成としても良い。
【0031】
なお、本発明のアクリルゴムは、(M)228、COOM(「CO」はカルボニル基を表す)、SOM、SOM、PO、およびPO(Mは水素、アルカリ金属、またはアンモニウム)から選択される少なくとも一種の親水性化合物を含有させることが好ましい。これら親水性化合物を含有させることにより、アクリルゴムと磁性粉末との分散性をより向上させることができる。なお、これら親水性化合物は、アクリルゴムを構成する各単量体単位と反応した状態で、アクリルゴム中に含有されていても良い。これら親水性化合物のなかでも、過硫酸塩である(M)228が好ましく、過硫酸アンモニウム(NH228および過硫酸カリウムK228がより好ましい。
【0032】
本発明のアクリルゴム中における、これらの親水性化合物の含有割合は、アクリルゴム全体を100重量%とした場合に、好ましくは0.01〜6.0重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜4重量%である。これらの親水性化合物の含有割合が少なすぎると、アクリルゴムと磁性粉末との間の分散性の向上効果が得られなくなる傾向にあり、一方、多すぎると、磁性粉末の凝集が起こってしまい、分散性が低下する傾向にある。
【0033】
なお、本発明のアクリルゴムに、上述の(M)228、COOM、SOM,SOM、PO、およびPO(Mは水素、アルカリ金属、またはアンモニウム)から選択される少なくとも一種の親水性化合物を含有させる場合における、添加方法としては特に限定されないが、アクリルゴムを構成する各単量体を重合させる際に、連続的または断続的に、重合系内に添加する方法が好ましい。
【0034】
本発明のノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物中における、アクリルゴムの含有割合は、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物全体100重量部に対して、好ましくは5〜30重量部、より好ましくは7〜25重量部、さらに好ましくは8〜20重量部である。アクリルゴムの含有割合が少なすぎると、得られるノイズ抑制シートの機械的特性が低下する傾向にある。一方、多すぎると、ノイズ抑制シートのノイズ抑制性能が低下する傾向にある。
【0035】
磁性粉末
本発明で用いる磁性粉末としては、特に限定されないが、軟磁性材料から構成される軟磁性粉末が好ましい。このような軟磁性材料から構成される軟磁性粉末としては、特に限定されないが、例えば、磁性ステンレス(Fe−Cr−Al−Si系合金)、センダスト(Fe−Si−Al系合金)、パーマロイ(Fe−Ni系合金)、ケイ素銅(Fe−Cu−Si系合金)、Fe−Si系合金、Fe−Si−B(−Cu−Nb)系合金、Fe−Ni−Cr−Si系合金、Fe−Si−Cr系合金、Fe−Si−Al−Ni−Cr系合金等が挙げられる。このような軟磁性粉末は1種単独でも、または複数種組み合わせて用いても良い。
【0036】
また、本発明で用いる磁性粉末は、扁平形状であることが好ましく、長径が好ましくは1〜200μm、より好ましくは20〜100μmであり、アスペクト比が好ましくは10〜70、より好ましくは20〜60のものを用いることが望ましい。
【0037】
本発明のノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物中における、磁性粉末の含有割合は、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物全体100重量部に対して、好ましくは70〜95重量部、より好ましくは75〜93重量部、さらに好ましくは80〜92重量部である。磁性粉末の含有割合が少なすぎると、得られるノイズ抑制シートのノイズ抑制性能が低下する傾向にある。一方、多すぎると、ノイズ抑制シートの機械的特性が低下する傾向にある。
【0038】
難燃剤
本発明のノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物は、上述したアクリルゴムおよび磁性粉末に加えて、難燃剤を含有していることが好ましい。このような難燃剤としては、たとえば、アンチモン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤、燐系難燃剤、窒素系難燃剤、燐及び窒素双方を含有する難燃剤などの非ハロゲン系の難燃剤が挙げられ、これらのなかでも、燐系難燃剤および窒素系難燃剤が好ましい。
【0039】
ノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物
本発明のノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物は、上記ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物と、架橋剤と、を含有してなるものである。本発明で使用される架橋剤は、本発明で用いるアクリルゴムを架橋できるものであれば良く、特に限定されないが、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤またはアミン系架橋剤などが挙げられ、これらのなかでも、アミン系架橋剤が好ましい。
【0040】
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄などの硫黄;4,4’−ジチオモルホリンやテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、高分子多硫化物などの有機硫黄化合物;などが挙げられる。
【0041】
有機過酸化物系架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシエステル類;などが挙げられる。
【0042】
アミン系架橋剤としては、ポリアミン系架橋剤又は有機酸のアンモニウム塩が挙げられる。ポリアミン系架橋は、2つ以上のアミノ基を有する化合物、または、架橋時に2つ以上のアミノ基を有する化合物の形態になるもの、であれば特に限定されないが、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素原子が、アミノ基またはヒドラジド構造(−CONHNHで表される構造、COはカルボニル基を表す。)で置換された化合物が好ましい。その具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミンシンナムアルデヒド付加物、ヘキサメチレンジアミンジベンゾエート塩などの脂肪族多価アミン類;2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、4,4’−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)などの芳香族多価アミン類;イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどのヒドラジド構造を2つ以上有する化合物;イソシアヌル酸アンモニウムなどが挙げられる。
有機酸のアンモニウム塩としては、安息香酸アンモニウムが好ましい。
【0043】
本発明のノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物中における、架橋剤の配合量は、アクリルゴム100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部である。架橋剤の配合量が少なすぎると、得られるノイズ抑制シートの機械特性が悪化するおそれがある。一方、多すぎると、架橋物が硬くなりすぎ、弾性が損なわれる可能性がある。
【0044】
また、本発明のノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物には、上述した各成分以外に、ゴム分野において通常使用される配合剤、たとえば、架橋促進剤、架橋助剤、架橋遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、一級アミンなどのスコーチ防止剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、防黴剤、受酸剤、帯電防止剤などを配合することができる。これらの配合剤の配合量は、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量を配合することができる。
【0045】
本発明のノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物には、本発明の効果が阻害されない範囲で、上述したアクリルゴム以外のゴムを配合してもよい。アクリルゴム以外のゴムを配合する場合における、ノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物中の配合量は、アクリルゴム100重量部に対して、好ましくは30重量部以下であり、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
【0046】
本発明のノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物は、上記各成分を混合して調製される。本発明のノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物を調製する方法に限定はないが、たとえば、アクリルゴムを溶解または分散可能な溶剤中に溶解または分散させ、次いで、得られた溶液または分散液に、磁性粉末、架橋剤、必要に応じて添加される難燃剤およびその他の配合剤を添加し、混合することにより調製することができる。なお、本発明のノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物を、溶剤を用いて調製する場合には、溶剤を除去することにより、溶剤を含まないものとしても良いし、あるいは、溶剤を除去せずに溶剤で低粘度化されたものとしても良いが、ノイズ抑制シートに加工する際にシート状とする場合における、加工性の観点から、溶剤を除去せずに溶剤で低粘度化されたものとすることが好ましい。また、アクリルゴムを溶解または分散可能な溶剤としては、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
【0047】
ノイズ抑制シート
本発明のノイズ抑制シートは、上述した本発明のノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物をシート状に成形してなるものである。また、上述した本発明のノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物をシート状に成形し、架橋してなるものである。
本発明のノイズ抑制シートの製造方法は特に限定されないが、たとえば、以下の方法により製造することができる。すなわち、まず、溶剤で低粘度化されたノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物、または、ノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物を用い、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物、または、ノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物をシート状に成形する。次いで、シート状に成形したノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物、または、ノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物から溶剤を除去し、加熱すること等でシート形状を固定化することにより製造することができる。または、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。加熱成形温度、または、架橋温度は、通常、130〜220℃、好ましくは140〜200℃であり、加熱成形時間、または、架橋時間は、通常、30秒〜5時間、好ましくは1分〜2.5時間である。なお、シート成形のための加熱、または、架橋反応のための加熱を、溶剤の除去を行う前から開始し、加熱により溶剤を除去しても良い。また、一度架橋した後に、架橋物の内部まで確実に架橋させるために、時間をかけて加熱する後架橋を行ってもよい。後架橋は、加熱方法、架橋温度、形状などにより異なるが、好ましくは1〜48時間行う。加熱方法、加熱温度は適宜選択すればよい。このように、本発明のアクリルゴム組成物、または、架橋性アクリルゴム組成物を用いれば、従前と同様に加熱成形処理、または、架橋処理を行うことにより、耐熱性に優れた未架橋物、または、架橋物を得ることが可能である。
【0048】
また、加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの成形、架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
【0049】
このようにして得られる本発明のノイズ抑制シートは、透磁率が高く、優れたノイズ抑制効果を有するものである。そのため、本発明のノイズ抑制シートは、このような特性を活かし、不要輻射対策、内部干渉対策、RFID通信品質改善、ESD対策、SAR対策などに好適に用いられる。
【実施例】
【0050】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。また、試験、評価は下記によった。
【0051】
ムーニー粘度(ポリマー・ムーニー)
アクリルゴムのムーニー粘度(コンパウンド・ムーニー)は、JIS K6300−1に従って測定した(単位は(ML1+4、100℃))。
【0052】
比重
厚さ0.3mmとしたノイズ抑制シートを用いて、ノイズ抑制シートの比重を、成形・架橋してから168時間後に測定した。なお、比重が大きいほど、磁性粉末の充填率性が高いゴムマトリクスとなっている。
【0053】
近傍電磁界の透過レベル、結合レベル
図1(a)及び図1(b)はノイズ抑制シートの近傍電磁界における特性評価系を示す。図1(a)は、透過レベル(dB)を測定するための評価系であり、図1(b)は、結合レベル(dB)を測定するための評価系である。各々の場合とも、電磁界波源用発振器及び電磁界強度測定器(受信用素子)には、ループ径2mm以下の電磁界送信用微小ループアンテナ,電磁界受信用微小ループアンテナを用いている。透過レベル及び結合レベルの測定にはネットワークアナライザを使用した。
なお、透過レベル(dB)の値が大きいほど透磁率が高く、結合レベル(dB)の値が大きいほど、ノイズ抑制効果に優れる。
【0054】
過硫酸アンモニウム量の測定
JIS−K6233−1の酸素燃焼フラスコ法を用いて測定を行った。すなわち、試験片を精秤してろ紙に包んで1.5%過酸化水素水10mlを入れた酸素燃焼フラスコ(白金バスケット付 500ml)のバスケットに取り付け、フラスコ内の空気を酸素で置換する。次に白金バスケットに取り付けたろ紙の先端に着火し、フラスコ内に入れ,洩れないよう手で固定して試料を完全燃焼させる。さらに、酸素燃焼フラスコを激しく振盪して、内部の白煙が消えるまで放置し、蒸留水約20ml追加して振盪後、吸収液を100mlビーカーに移す。次いで、ビーカーを電熱ヒーターに載せ、煮沸し過酸化水素を揮散させ、残った液のSO2−濃度をイオンクロマト分析計(TOSOH IC−2001)にて測定し、試験片のSO2−含有量を算出する。次に、該算出値から、過硫酸アンモニウム含有割合を計算により求める。
【0055】
実施例1
まず、アクリル酸エチル85重量部、アクリロニトリル11重量部、およびグリシジルメタクリレート4重量部を混合することにより、単量体混合物を調製した。
次いで、温度計、攪拌装置、窒素導入管および減圧装置を備えた重合反応器に、上記にて調製した単量体混合物10重量部、水200重量部、およびラウリル硫酸ナトリウム3重量部を仕込んだ。そして、減圧による脱気および窒素置換をくり返して酸素を十分除去した後、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.002重量部、クメンハイドロパーオキシド0.01重量部、硫酸第一鉄0.002重量部、およびt−ドデシルメルカプタン0.05重量部を加えて常圧、常温下で乳化重合反応を開始させた。重合反応開始後、直ちに上記にて準備した単量体混合物90重量部および、過硫酸アンモニウム2重量部を水15重量部に溶かした水溶液を、5時間かけて重合反応器に滴下した。滴下終了後、重合転化率が95%に達するまで約60分間撹拌を継続することにより、アクリルゴムのラテックスを得た。次いで、得られたアクリルゴムのラテックスを塩化カルシウム水溶液で凝固させ、水洗、乾燥することによりアクリルゴム(A1)を得た。得られたアクリルゴム(A1)のH−NMRによる共重合体組成は、アクリル酸エチル単位85重量%、アクリロニトリル単位11重量%、グリシジルメタクリレート単位4重量%であり、また、SO2−換算で求めた過硫酸アンモニウムの含有割合は、アクリルゴム全体100重量%に対して、1.1重量%であった。また、得られたアクリルゴム(A1)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は61.5であった
【0056】
次いで、上記にて得られたアクリルゴム(A1)100重量部を、トルエン900重量部に溶解することで、アクリルゴム(A1)のトルエン溶液を調製した。そして、アクリルゴム(A1)のトルエン溶液1000重量部に、磁性粉末(センダスト(Fe−Si−Al)系合金、長径45μm、アスペクト比50)550重量部を混合し、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物を調製した。
【0057】
そして、上記にて得られたノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物を用いて、基材上に塗布した後に、110℃、10分の条件で乾燥することによりトルエンを除去し、次いで、170℃、20分の条件で加熱することにより、厚さ0.3mmのノイズ抑制シートを作製した。そして、得られたノイズ抑制シートについて、上述の方法に従い、比重および、ノイズ抑制効果の評価を行った。結果を表1に示す。
【0058】
実施例2
アクリルゴムを製造するための単量体混合物として、アクリル酸エチル85重量部、アクリロニトリル13重量部、およびアリルグリシジルエーテル2重量部からなるものを用いた以外は、実施例1と同様にしてアクリルゴム(A2)を調製した(アクリルゴム(A2)の共重合体組成、およびムーニー粘度を表1に示す。)。そして、得られたアクリルゴム(A2)を用いて、架橋剤として安息香酸アンモニウム1.5重量部を混合した以外は、実施例1と同様にしてノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物およびノイズ抑制シートを作製し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0059】
比較例1
アクリルゴムを製造するための単量体混合物として、アクリル酸エチル50重量部およびアクリル酸ブチル50重量部からなるものを用い、また過硫酸アンモニウムを0.05重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、アクリルゴム(A3)を調製した(アクリルゴム(A3)の共重合体組成、およびムーニー粘度を表1に示す。)。そして、得られたアクリルゴム(A3)を用いて、実施例1と同様にして、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物およびノイズ抑制シートを作製し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0060】
比較例2
アクリルゴムを製造するための単量体混合物として、アクリル酸エチル95重量部、アクリロニトリル3重量部、およびアリルグリシジルエーテル2重量部からなるものを用い、また過硫酸アンモニウムを0.05重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、アクリルゴム(A4)を調製した(アクリルゴム(A4)の共重合体組成、およびムーニー粘度を表1に示す。)。そして、得られたアクリルゴム(A4)を用いて、実施例1と同様にして、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物およびノイズ抑制シートを作製し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0061】
比較例3
アクリルゴムを製造するための単量体混合物として、アクリル酸エチル85重量部、アクリロニトリル7重量部およびグリシジルメタクリレート8重量部からなるものを用い、また過硫酸アンモニウムを0.05重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、アクリルゴム(A5)を調製した(アクリルゴム(A5)の共重合体組成、およびムーニー粘度を表1に示す。)。そして、得られたアクリルゴム(A5)を用いて、実施例1と同様にして、ノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物およびノイズ抑制シートを作製し、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
表1に示すように、本発明所定の組成を有するアクリルゴムを使用して得られるノイズ抑制シートは、高い比重を有し、難燃性に優れ、かつ、高い透磁率を有し、優れたノイズ抑制効果を有する結果となった(実施例1,2)。
これに対して、グリシジルメタクリレートやアクリルグリシジルエーテルなどの親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位を含有しないアクリルゴムを用いた場合(比較例1)、(メタ)アクリロニトリル単量体単位(b)の含有量が本発明で規定する範囲より低すぎる場合(比較例2)、親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)の含有量が本発明で規定する範囲より高すぎる場合(比較例3)には、得られるノイズ抑制シートは、比重が小さく、透磁率およびノイズ抑制効果が劣る結果となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a1)および/またはアクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位(a2)60〜95重量%、(メタ)アクリロニトリル単量体単位(b)4〜37重量%、ならびに、親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)0.01〜6重量%を有するアクリルゴムと、磁性粉末とを含有するノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物。
【請求項2】
前記親水性官能基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)が、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体単位である請求項1に記載のノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載のノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物と、架橋剤とを含有してなるノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物。
【請求項4】
請求項1または2に記載のノイズ抑制シート用アクリルゴム組成物をシート状に成形してなるノイズ抑制シート。
【請求項5】
請求項3に記載のノイズ抑制シート用架橋性アクリルゴム組成物をシート状に成形し、架橋してなるノイズ抑制シート。

【図1】
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【公開番号】特開2011−9598(P2011−9598A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153274(P2009−153274)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】