ハチ毒を有効成分とする創傷又は火傷治療用組成物
【課題】創傷、炎症及び火傷などにより損傷された皮膚細胞の再生を促進することができ、しわ及び老化防止に優れたハチ毒を有効成分とする創傷又は火傷治療用組成物と、2次感染原因菌に対する抗菌効果が優れるという性質を利用してハチ毒を含有する軟膏剤、ドレッシング剤、パッチ剤又は化粧品とを提供する。
【解決手段】創傷又は火傷治療用組成物はハチ毒を有効成分として含有することを特徴とする。
【解決手段】創傷又は火傷治療用組成物はハチ毒を有効成分として含有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハチ毒を有効成分とする創傷又は火傷治療用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の外傷や火傷後の正常な創傷治癒過程は、止血段階、炎症段階、増殖段階及び創傷収縮段階を経るが、各段階で正常な均衡が起こらない場合、創傷治癒が遅くなったり、創傷治癒後に傷跡が残ったりしてしまう。創傷治癒の各過程には、炎症細胞、角質細胞及び線維芽細胞などから分泌される様々な種類の成長因子又はサイトカインが作用して、創傷治癒に関与する。即ち、創傷治癒過程では、創傷部位の炎症細胞が分泌する媒介体の信号によりマクロファージが創傷部位に集まり、サイトカインなどを分泌すると、創傷部位で線維芽細胞などの移動と増殖を進行させながら、損傷された創傷部位の真皮層が基質を形成して、創傷部位が治癒される。反面、2次感染などにより炎症細胞などの異常増殖がある創傷には、TNF−α及びインターロイキン−8など様々な種類の炎症誘導性サイトカインなどが分泌されながら、角質層形成細胞などの増殖速度を低下させ、瘢痕形成のおそれが生じる。従って、瘢痕の矯正は、皮膚再生と合せて非常に重要な問題である。このような瘢痕の矯正又は大きさを減少させるための努力は継続的に行われており、特に、免疫学、結合組織の生化学及び細胞の成長因子などに対する理解及び発達と共に、最近相当な研究が進められているが、皮膚再生において瘢痕をなくす方法は未だ見つかっていない。
【0003】
更に、皮膚火傷は、重度の浮腫を誘発して、血管の透過性増加により血管内の静水圧が低下して虚血性損傷を引き起こすだけでなく、火傷した皮膚組織は部分層火傷及び全層火傷の場合、植皮術を施行しなければならないという困難も伴う。皮膚の火傷には、熱により細胞が破壊され、組織が壊死した熱損傷による全身的な熱液力学的、代謝的、栄養学的及び免疫学的な観点で措置が必要であるため、様々な合成医薬品及び天然材料を成分とする治療剤が使用される。火傷が重度の場合は、無菌バセリンガーゼで傷を覆い、2次感染を防ぐためにペニシリン及びサルファ剤などを用いる抗生剤療法を長期間適用するのが一般的であるが、回復後にも外形上及び機能上、重度の後遺症が残るのが問題である。
【0004】
更に、創傷若しくは火傷治療又は手術後の創傷感染は、最も多い合併症であり、回復期間を遅延させるだけでなく、死亡率が高い敗血症などの重度の合併症を招き、個人や国家間で莫大な経済的人的損失をもたらす。最も良い対策は予防であり、治療前後に無菌操作をし、免疫能力を増加させたり、抗生剤を投与したりすることである。しかし、最近、抗生剤の過信による既存抗生剤の乱用によって抗生剤の耐性菌が出現するため、未だに皮膚の創傷、火傷及び手術後の合併症の多い原因として細菌感染が占めている。
【0005】
マヌカハニーを含有する創傷治療用ドレッシングの場合、皮膚細胞の再生効果が非常に優れてはいるものの、瘢痕形成を減少させることができる効能は持っていない。また、蜂蜜の特性上、粘つきがあるため、患部に着用する時に不快感を与えることとなる。何よりも創傷による粘液が発生すると、酸度により蜂蜜の薬効が減少し、また、軟膏及びドレッシングなどの医薬品を製造する際に、ガンマ線及び高圧滅菌過程以降の薬効に対する安定性が確保されないという問題がある。
【0006】
一般に国内産(韓国)のミツバチ(Apis mellifera)のハチ毒は、電気衝撃法を利用したハチ毒採集装置を利用してミツバチの被害なく、純粋なハチ毒のみを多量に採取し、異物を除去した後、凍結乾燥して錠剤のハチ毒を得ることができる。このようにして得られたハチ毒は、多様な成分が複合的に構成されており、二重ペプチドが抗炎症と抗菌作用、強力な鎮痛作用及び免疫増強などの役割を担う。ハチ毒は、グラム陰性菌及び陽性菌に対して抗菌作用を見せるが、特に、グラム陽性菌に対して抗菌作用がより強いことが知られている。ハチ毒に対する大部分の薬理作用は全体の毒成分及び単一主要成分群の活性に起因する。このようなハチ毒の成分及び効能は次のように知られている。
【0007】
第1に免疫系疾患の治療であり、大部分の免疫性疾患の治療にハチ毒は効果を見せ、これは、ハチ毒が哺乳動物の免疫系を刺激して疾病と成功裏に戦うことができるようにする。ハチ毒の主なる2種類の免疫作用は、有機体の生体系を刺激し、生体の防御力を増加させる。
【0008】
第2に抗炎症作用であり、ハチ毒の主成分が炎症抑制に非常に有効に作用する。特に、関節炎において、メリチンとアパミンとを注入した場合、著しく浮腫が抑制される。タンパク酵素抑制剤及びアドラピン処理の場合も、浮腫が15〜40%抑制される。
【0009】
第3に神経毒効果である。蜂に刺されると痛みと炎症を誘発し、この誘発物質は、哺乳動物においては回避反応、即ち、鎮痛剤を開発するのに効果的に使用される。特に、ハチ毒の中のアパミンが鎮痛作用を有しており、各種神経痛、関節炎及びリウマチ性関節炎、痛風並びに筋肉痛などに鎮痛作用が強く、治療効果も高い。
【0010】
第4に溶血作用であり、ハチ毒の作用のうち最も優れた作用の一つが溶血作用である。メリチン及びホスホリパーゼなどの作用により、打撲症及び内出血などの溢血を吸収及び排泄させ、組織に新しい血液と酸素及び栄養とを供給して治療と溶血とを行う。
【0011】
第5に血管拡張作用であり、ヒスタミン性物質の作用により、毛細血管、小動脈、小静脈、特に内臓血管を拡張させるのに効果が大きい。従って、冷え性、凍傷及び筋肉痛などの疾患を治療する。
【0012】
第6に血圧降下作用であり、ヒスタミン性物質の作用により、血圧を下げる強力な作用をする。特に、2億5千万分の1の濃度でも血圧降下作用があり、本態性高血圧などの治療に卓越な効果がある。
【0013】
第7に自律神経調節作用である。人体はストレスを受け続けると、交感神経及び副交感神経の自律神経の乱調が起こり、これが多くの病気の原因となる。この自律神経を正常化するのに必要な物資であるカテコールアミンとアセチルコリンとがハチ毒の中に含有されており、この物質は脳細胞伝達物質であるため、心身症、更年期障害及びストレス性疾患の治療に効果的である。
【0014】
第8に抗菌作用であり、抗細菌及び抗真菌作用が非常に優れており、ウイルス性腫瘍などにも効果的である。特に、歯周炎、扁桃腺炎、麦粒腫及び化膿性疾患に対して治療効果が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明の発明者は、ハチ毒の優れた抗菌力に着眼して、これを有効成分とする新しい創傷又は火傷治療用組成物を開発することで、本発明を完成するに至った。従って、本発明の目的は、創傷、炎症又は火傷などにより損傷された皮膚細胞の再生を促進し、抗炎効果及び2次感染原因菌に対する抗菌効果が優れた治療用組成物を提供することにある。
【0016】
更に、本発明の別の目的は、前記のような組成物を利用して軟膏剤、ドレッシング剤、パッチ剤又は化粧品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、ハチ毒を有効成分として含む創傷又は火傷治療用組成物をその特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
ハチ毒は創傷、炎症又は火傷などにより損傷された皮膚の創傷部位が悪化しない治療のために、皮膚細胞の再生を促進し、ここに必要なコラーゲンの合成と皮膚細胞増殖の成長因子である表皮成長因子(EGF)と血管内皮成長因子(VEGF)との発現を促進し、紫外線照射により損傷された皮膚細胞で、光老化誘発主要因子であるマトリクス・メタロプロテアーゼ(MMP)−1とMMP−3との発現を抑制することで、しわ及び老化防止に優れ、治療後に残る瘢痕を減らすことができるという効果がある。更に、2次感染原因菌に対する抗菌効果が優れているという性質を利用して、ハチ毒を含有する軟膏剤、ドレッシング剤、パッチ剤及び化粧品を開発することができる。
【0019】
従って、本発明の治療用組成物は、重度の火傷と各種皮膚創傷又は各種皮膚疾患及び外傷とにより苦痛を受ける患者の治療だけでなく、ハチ毒の高付加価値用途の開発による養蜂農家の所得増大に寄与するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】市販のハチ毒と本発明の製造例で製造されたハチ毒との主要成分を比較するグラフである。
【図2】製造例で製造したハチ毒を含有するアルギン酸ドレッシングを示す写真である。
【図3】皮膚細胞であるHDFに人為的に傷をつけた後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合の細胞再生効果を示すグラフである。
【図4】皮膚細胞であるHDFに人為的に傷をつけた後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合のコラーゲン生成効果を示すグラフである。
【図5】皮膚細胞であるHDFに人為的に傷をつけた後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合の細胞成長因子であるEGFの生成効果を示すグラフである。
【図6】皮膚細胞であるHDFに人為的に傷をつけた後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合の細胞成長因子であるVEGFの生成効果を示すグラフである。
【図7】皮膚細胞であるHDFに紫外線照射(UVA、UVB)による火傷後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合の細胞再生効果を示すグラフである。
【図8】皮膚細胞であるHDFに紫外線照射(UVA、UVB)による火傷後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合のコラーゲン生成効果を示すグラフである。
【図9】皮膚細胞であるHDFに紫外線照射(UVB)による火傷後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合の老化及びしわ生成因子であるMMP−1とMMP−3との抑制効果を示すグラフである。
【図10】皮膚細胞であるHDFに創傷又は紫外線照射(UVB)の前及び後において、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合と無処理細胞との形態を示す図である。
【図11】(a)〜(e)はハチ毒の成分を液体クロマトグラフィ分析をした結果を示し、(a)は採取直後のハチ毒、(b)は100℃で12時間湯煎した後のハチ毒、(c)及び(d)はpH2及びpH9に調節したハチ毒、(e)はガンマ線照射(3kGy)後のハチ毒を分析した結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、ハチ毒を有効成分とする創傷又は火傷治療用組成物に関する。
【0022】
以下、前記創傷又は火傷治療用組成物の成分について更に説明する。
【0023】
本発明の創傷又は火傷治療用組成物は、抗炎症作用、神経毒作用、溶血作用、血管拡張作用、血圧降下作用及び自律神経調節作用などが優れており、免疫系疾患治療効果があると知られているハチ毒を有効成分として含む。全体組成物に対して、ハチ毒を有効成分として0.001%(w/v)〜10%(w/v)を使用することが好ましい。万一、0.001%(w/v)未満である場合、ハチ毒による効果を奏しがたく、10%(w/v)を超える場合は、細胞毒性のような問題が発生し得るため、前記の範囲が好ましい。
【0024】
本発明の創傷又は火傷治療用組成物は、患部への塗布及び前記ハチ毒の吸収を助けるために、ゲルマトリクスのような生吸収性材料である微粒子又は繊維を更に含むことで、治療の効率性を増大させることができる。このようなゲルマトリクスとしては、ゲル化が可能な通常の材料が全て使用可能であり、そのうちアルギン酸塩及びヒアルロン酸などが最も好ましい。
【0025】
本発明に治療用組成物は、皮膚外用剤形態で投与され、具体的に、ペースト、クリーム、ゲル、パウダー、スプレー、溶液、乳濁液及び懸濁液などの液剤、軟膏剤、ドレッシング剤及びパッチ剤などの剤形で投与可能である。
【0026】
剤形がペースト、クリーム又はゲルである場合は、担体成分として動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルク又は酸化亜鉛などが利用できる。剤形がパウダー又はスプレーである場合は、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケート又はポリアミドパウダーが利用できる。特にスプレーである場合は、追加的にクロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタン又はジメチルエーテルのような推進剤を含むことができる。剤形が溶液又は乳濁液である場合は、担体成分として溶媒、溶解化剤又は乳濁化剤が利用されて、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコール又はソルビタンの脂肪酸エステルがある。剤形が懸濁液である場合は、担体成分として水、エタノール又はプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天又はトラガカントなどが利用できる。このような剤形は、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤及び防腐剤などを追加的に含むことができる。
【0027】
本発明の創傷又は火傷治療用組成物の適合した投与量は、製剤化方法、投与方式、投与時間、投与経路並びに患者の年齢、体重、性別、症状、食餌、排泄速度及び反応感応性のような要因により多様に処方され得る。本発明の薬剤学的組成物の投与量は、好ましくは1日当り0.1mg/kg(体重)〜1mg/kg(体重)である。
【0028】
本発明によるハチ毒は、薬理効果及び抗菌作用が優れているため、創傷又は火傷による皮膚細胞の再生を早くし、2次感染による炎症及び細菌感染による瘢痕の形成を減らすことができる軟膏剤、ドレッシング剤及びパッチ剤などを開発して、創傷及び火傷により苦痛を受ける患者及び動物の治療に使用することができる。
【0029】
本発明による化粧品組成物は、光老化誘発主要因子であるマトリクス・メタロプロテアーゼ(MMP)−1及びMMP−3の発現を抑制することで、しわ及び老化防止に優れ、コラーゲンの合成と皮膚細胞増殖の成長因子であるEGFとVEGFとの発現を促進することで、優れた品質の化粧品を製造することができる。
【0030】
一方、本発明はハチ毒を有効成分として含むしわ改善又は紫外線遮断用化粧量を含む。前記ハチ毒は、化粧品分野で通常的に使用される基剤、補助剤及び添加剤を使用して液体又は固体形態に製造できる。液体又は固体形態の化粧品としては例えば、化粧水、クリーム剤、ローション剤及び入浴剤などの形態を含むことができるが、これに限定されない。化粧品分野で通常的に使用される基剤、補助剤及び添加剤は特別に限定せず、例えば、水、アルコール、プロピレングリコール、ステアリン酸、グリセロール、セチルアルコール及び流動パラフィンなどを含むことができる。
【0031】
以下、本発明を実施例を通じて更に詳しく説明する。しかし、本発明の権利範囲がこれら実施例により限定されるわけではなく、また、全ての資料はSAS(SAS enterprise guide 3.0)のDuncan’s t-testを利用して分散分析を実施した。
【実施例】
【0032】
製造例1:ハチ毒の製造
国内産(韓国)のミツバチ(Apis mellifera)を電気衝撃法を利用したハチ毒採集装置(CHUNGJIN TECH、韓国)を利用して、ミツバチの被害なく純粋なハチ毒のみを多量に採取して、異物を除去した後、凍結乾燥して精製ハチ毒を得た。精製されたハチ毒は、液体クロマトグラフィ(AKTA explorer、アマシャムファルマシアバイオテック、米国)を使用して、ハチ毒標準品であるシグマ産ミツバチ毒、メリチン、アパミン及びホスホリパーゼと比較して確認した。本発明で製造されたハチ毒(B)は市販のハチ毒(A)と比較すると、ハチ毒の主要成分であるメリチン(M)、アパミン(A)及びホスホリパーゼA2(PA2)の成分がほぼ同一であることを図1を通して確認することができた。
【0033】
製造例2:ドレッシング剤の製造
前記製造例1で得られたハチ毒0.1gとアルギン酸塩1gとを均一に混合し、蒸留水5mLを入れてよく混ぜた後、60℃の温度のホットプレート上で透明になるまでよく混ぜ、ガラス板に移してガラス棒を利用して薄く広げた。このとき、ハチ毒とアルギン酸塩及び水の比率は治療しようとする創傷又は火傷部位と状態とによって調節が可能であり、ドレッシングの大きさ、厚さ及び空隙などはどのような形態にでも製造可能である。また、アルギン酸塩の代わりに、ヒアルロン酸などのような通常のゲルマトリクス材料を使用できる。このように製造された創傷又は火傷治療用ドレッシングは図2の通りである。
【0034】
製造例3:軟膏剤の製造
前記ハチ毒を有効成分として利用して次のような組成で軟膏剤を製造した。
(組成)
ハチ毒1.0重量部、蜜ろう10重量部、ポリソルベート60 5.0重量部、PEG60硬化ヒマシ油2.0重量部、セスキオレイン酸ソルビタン0.5重量部、バセリン5.0重量部、流動パラフィン10.0重量部。
【0035】
製造例4:パッチ剤の製造
前記ハチ毒を有効成分として利用して次のような組成でパッチ剤を製造した。
(組成)
ハチ毒1.2重量部、ヘキシレングリコール20.0重量部、ジエキルアミン0.7重量部、ポリアクリル酸1.0重量部、亜硫酸ナトリウム0.1重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1.0重量部、ポリヒドロキシエチレンセチルステアリルエーテル1.0重量部、粘性のパラフィンオイル2.5重量部、カプリル酸エステル/カプリン酸エステル2.5重量部、ポリエチレングリコール400 3.0重量部、脱イオン水100重量部。
【0036】
製造例5:化粧品の製造
前記ハチ毒を有効成分として利用して次のような組成でエッセンスを製造した。
(組成)
有効成分1mg、グリセリン3.0mg、EDTA0.05mg、ベンゾフェノン−9 0.04mg、カルボキシビニルポリマー0.2mg、トリエタノールアミン0.18mg、オクチルドデセス−25 0.6mg、グリセリルモノステアレート1.0mg、防腐剤0.01mg、香料0.01mg、精製水適量。
【0037】
実施例1:皮膚創傷モデルでの再生率及び成長因子の発現量試験
細胞培養100mmディッシュに1次培養皮膚細胞であるHDF(Human Dermal Fibroblast)細胞が80%増殖したとき、滅菌された爪楊枝を利用して10mmの幅で細胞に傷をつけ、ハチ毒を0.01μg/mL〜10μg/mL注入した後、細胞の再生を確認した。
【0038】
このとき、細胞の増殖を測定する方法は特別に限定しないが、MTT(メチルチアゾール−2−イル−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)分析方法とディフ・クイック染色(Diff quic stain)を利用して細胞染色をした後、顕微鏡で確認した。また、コラーゲン合成量についてコラーゲン分析キットを用いて分析し、そして細胞増殖に関与する成長因子である表皮成長因子(EGF)と血管内皮成長因子(VEGF)との発現量について酵素結合免疫吸収分析法(ELISA)キットを用いて分析し、その結果は図3〜図6の通りである。
【0039】
観察の結果、ハチ毒からなる創傷又は火傷治療用組成物で処理した場合、細胞再生が促進され、コラーゲンの精製量が増加したことが分かる。更に、皮膚細胞成長因子であるEGFとVEGF生成量が各々2倍以上増加したことを確認することができた。一方、細胞の形態的な形においても正常的に成長した。
【0040】
実施例2:皮膚火傷モデルでの再生率試験
1次培養皮膚細胞であるHDFに紫外線を照射して皮膚火傷を誘導した。具体的に、皮膚火傷としわの生成の原因であるUVA(320nm〜380nm)(630mL/cm2)を使用して、細胞培養100mmディッシュにHDF細胞が80%増殖したときに30分間照射した。その後、新しい培地と共にハチ毒0.01μg/mL〜10μg/mLを注入し、細胞再生率、コラーゲン合成量並びに光老化誘発主要因子であるMMP−1及びMMP−3の発現量を確認し、その結果は図7〜図9の通りであった。このとき、細胞増殖効果の測定は実施例1と同じように実施した。
【0041】
観察の結果、UVAとUVBとにより損傷された皮膚細胞の細胞再生率及びコラーゲンの生成量においてハチ毒の効果が優れていることが分かった。紫外線UVBにより損傷された皮膚細胞に前記治療用組成物を処理してMMP−1とMMP−3との発現抑制されたことを確認した。これにより、紫外線UVA及びUVBの照射による細胞損傷にハチ毒が大きな効果があることが分かった。更に、細胞再生とコラーゲンの合成とが促進され、特にUVBによる光老化促進酵素であるMMP−1とMMP−3との生成を大きく抑制することで、しわ及び老化防止に効果があるだろうと予想される。また、形態学的にも非常に早く正常細胞に成長したことを図10の通り確認できた。
【0042】
実施例3:創傷又は火傷後の2次感染細菌に対する抗菌効果
創傷、火傷及び手術後の治療期間中に容易に感染される代表的な病原菌である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、大腸菌(Escherichia coli)、コアグラーゼブドウ球菌(Coagulase staphylococci)及び大腸菌(Coliform bacilli)に対する抗菌効果を観察するために、ハチ毒の最小発育阻止濃度(MIC)を検定し、その結果は下記[表1]に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
観察の結果、ハチ毒を含有する創傷又は火傷治療用組成物の抗菌効果が確認された。
【0045】
実施例4:温度、酸度及びガンマ線照射による安定性試験
温度による安定性実験
ゲルマトリクスや賦形剤として使用される材料の特性上、加温が必要な場合、温度によるハチ毒の成分及び効果に対する安定性が必要であるため、ハチ毒を50℃〜100℃で1時間〜12時間放置した後、黄色ブドウ球菌成分の変化及び効果を観察し、その結果は下記[表2]の通りである。
【0046】
【表2】
【0047】
観察の結果、100℃でその成分が変化せず、黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果に影響を与えなかった。
【0048】
酸度による安定性実験
重度の創傷及び火傷治療時に発生する粘液などによる酸度変化により、ハチ毒の成分及び薬理効果にどのような影響を及ぼすかを確認するために、ハチ毒の酸度がpH2、5及び9であるときの成分の変化と効果を確認した。
【0049】
【表3】
【0050】
観察の結果、本発明の創傷又は火傷治療用組成物は、酸度の影響を受けないことが分かった。
【0051】
ガンマ線照射による安定性実験
医薬品として使用される全ての素材は滅菌過程を経る。従って、0kGy、3kGy及び5kGyのガンマ線を照射した後、黄色ブドウ球菌の成分変化及び効果を観察し、その結果は下記[表4]の通りである。
【0052】
【表4】
【0053】
観察結果、5kGyで抗菌力が多少減少したが、本発明の創傷又は火傷治療用組成物は、ガンマ線の影響を大きく受けないことが分かった。
【0054】
以上の処理を行ったハチ毒を液体クロマトグラフィにより分析した結果のグラフを図11に示す。
【0055】
実施例5:ハチ毒の毒性試験
ハチ毒に対する毒性を調べるために、ハチ毒0.5mg/kg〜5mg/kgを24匹のネズミに腹腔内投与して、行動観察を24時間した後、生存可否を確認した。その結果、ハチ毒2mg/kg〜3mg/kgを投与したネズミ6匹のうち3匹が生存し、残りの3匹は犠牲になったことが分かった。反面、1mg/kg未満の容量を投与したネズミの場合は全て生存し、行動観察上、薬物を投与しなかったネズミと比較して統計学上有意性のある差は見せなかった。以上の結果を考慮したとき、ネズミにおいて約半数が生存するハチ毒の毒性容量は、2.5mg/kgと判断される。
【0056】
実施例6:ハチ毒の皮膚刺激測定試験
本発明のハチ毒の皮膚刺激程度は、次の方法を使用して測定した。ハチ毒0.01μg/mL〜20μg/mLを含有するパッチ剤を製造し、ネズミ20匹に、1匹当り擦過皮膚2ヶ所と非擦過皮膚2ヶ所として、そのうちの擦過皮膚1ヶ所と非擦過皮膚1ヶ所とに各々パッチ剤1個ずつを1回塗布し、もう1方を無処置対照区として処置を行わなかった。その後、それぞれの部分を基剤で覆い、非刺激性テープでしっかり固定して24時間適用させた。適用終了後には、ぬるま湯を利用して塗布部を軽く洗浄した。試験物質適用終了後、適用のパッチを除去して24時間及び72時間後に紅斑と浮腫形成などの刺激性の可否を観察した。皮膚反応の評価は医薬品などの毒性試験基準を利用して評価し、結果に対する刺激性の程度判定は下記[表5]に示したように、一般的に多く利用されるドレイズ(Draiz)法のPII(1次刺激性指数)の算出方法に伴った。
【0057】
【表5】
【0058】
動物の皮膚に組成物を24時間付着して紅班と浮腫を評価して、PII値で皮膚刺激の程度を数値化して、その値が0の場合を無刺激、2以下の場合を低刺激、2〜5の場合を中刺激、5以上の場合を高刺激と評価して、2以下の値を有する組成物のみが経皮投与用組成物として選択され得る。
【0059】
観察の結果、ハチ毒を0.01μg/mL〜20μg/mL投与したネズミ10匹のPII平均値は2.1であり、ハチ毒を0.01μg/mL〜10μg/mL投与したネズミ10匹の平均PIIの平均値は約0.4であり、10μg/mL未満含有する場合、皮膚に刺激がないと判断される。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上に説明したように、本発明のハチ毒を有効成分として含む創傷又は火傷治療用組成物は細胞再生効果に優れ、しわ及び老化防止に優れているだけでなく、担体、賦形剤又は希釈剤などと混合して軟膏、ドレッシングの皮膚外用剤又は化粧品を提供して、皮膚疾患及び外傷により苦痛を受ける患者の治療に効果的であると期待される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハチ毒を有効成分とする創傷又は火傷治療用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の外傷や火傷後の正常な創傷治癒過程は、止血段階、炎症段階、増殖段階及び創傷収縮段階を経るが、各段階で正常な均衡が起こらない場合、創傷治癒が遅くなったり、創傷治癒後に傷跡が残ったりしてしまう。創傷治癒の各過程には、炎症細胞、角質細胞及び線維芽細胞などから分泌される様々な種類の成長因子又はサイトカインが作用して、創傷治癒に関与する。即ち、創傷治癒過程では、創傷部位の炎症細胞が分泌する媒介体の信号によりマクロファージが創傷部位に集まり、サイトカインなどを分泌すると、創傷部位で線維芽細胞などの移動と増殖を進行させながら、損傷された創傷部位の真皮層が基質を形成して、創傷部位が治癒される。反面、2次感染などにより炎症細胞などの異常増殖がある創傷には、TNF−α及びインターロイキン−8など様々な種類の炎症誘導性サイトカインなどが分泌されながら、角質層形成細胞などの増殖速度を低下させ、瘢痕形成のおそれが生じる。従って、瘢痕の矯正は、皮膚再生と合せて非常に重要な問題である。このような瘢痕の矯正又は大きさを減少させるための努力は継続的に行われており、特に、免疫学、結合組織の生化学及び細胞の成長因子などに対する理解及び発達と共に、最近相当な研究が進められているが、皮膚再生において瘢痕をなくす方法は未だ見つかっていない。
【0003】
更に、皮膚火傷は、重度の浮腫を誘発して、血管の透過性増加により血管内の静水圧が低下して虚血性損傷を引き起こすだけでなく、火傷した皮膚組織は部分層火傷及び全層火傷の場合、植皮術を施行しなければならないという困難も伴う。皮膚の火傷には、熱により細胞が破壊され、組織が壊死した熱損傷による全身的な熱液力学的、代謝的、栄養学的及び免疫学的な観点で措置が必要であるため、様々な合成医薬品及び天然材料を成分とする治療剤が使用される。火傷が重度の場合は、無菌バセリンガーゼで傷を覆い、2次感染を防ぐためにペニシリン及びサルファ剤などを用いる抗生剤療法を長期間適用するのが一般的であるが、回復後にも外形上及び機能上、重度の後遺症が残るのが問題である。
【0004】
更に、創傷若しくは火傷治療又は手術後の創傷感染は、最も多い合併症であり、回復期間を遅延させるだけでなく、死亡率が高い敗血症などの重度の合併症を招き、個人や国家間で莫大な経済的人的損失をもたらす。最も良い対策は予防であり、治療前後に無菌操作をし、免疫能力を増加させたり、抗生剤を投与したりすることである。しかし、最近、抗生剤の過信による既存抗生剤の乱用によって抗生剤の耐性菌が出現するため、未だに皮膚の創傷、火傷及び手術後の合併症の多い原因として細菌感染が占めている。
【0005】
マヌカハニーを含有する創傷治療用ドレッシングの場合、皮膚細胞の再生効果が非常に優れてはいるものの、瘢痕形成を減少させることができる効能は持っていない。また、蜂蜜の特性上、粘つきがあるため、患部に着用する時に不快感を与えることとなる。何よりも創傷による粘液が発生すると、酸度により蜂蜜の薬効が減少し、また、軟膏及びドレッシングなどの医薬品を製造する際に、ガンマ線及び高圧滅菌過程以降の薬効に対する安定性が確保されないという問題がある。
【0006】
一般に国内産(韓国)のミツバチ(Apis mellifera)のハチ毒は、電気衝撃法を利用したハチ毒採集装置を利用してミツバチの被害なく、純粋なハチ毒のみを多量に採取し、異物を除去した後、凍結乾燥して錠剤のハチ毒を得ることができる。このようにして得られたハチ毒は、多様な成分が複合的に構成されており、二重ペプチドが抗炎症と抗菌作用、強力な鎮痛作用及び免疫増強などの役割を担う。ハチ毒は、グラム陰性菌及び陽性菌に対して抗菌作用を見せるが、特に、グラム陽性菌に対して抗菌作用がより強いことが知られている。ハチ毒に対する大部分の薬理作用は全体の毒成分及び単一主要成分群の活性に起因する。このようなハチ毒の成分及び効能は次のように知られている。
【0007】
第1に免疫系疾患の治療であり、大部分の免疫性疾患の治療にハチ毒は効果を見せ、これは、ハチ毒が哺乳動物の免疫系を刺激して疾病と成功裏に戦うことができるようにする。ハチ毒の主なる2種類の免疫作用は、有機体の生体系を刺激し、生体の防御力を増加させる。
【0008】
第2に抗炎症作用であり、ハチ毒の主成分が炎症抑制に非常に有効に作用する。特に、関節炎において、メリチンとアパミンとを注入した場合、著しく浮腫が抑制される。タンパク酵素抑制剤及びアドラピン処理の場合も、浮腫が15〜40%抑制される。
【0009】
第3に神経毒効果である。蜂に刺されると痛みと炎症を誘発し、この誘発物質は、哺乳動物においては回避反応、即ち、鎮痛剤を開発するのに効果的に使用される。特に、ハチ毒の中のアパミンが鎮痛作用を有しており、各種神経痛、関節炎及びリウマチ性関節炎、痛風並びに筋肉痛などに鎮痛作用が強く、治療効果も高い。
【0010】
第4に溶血作用であり、ハチ毒の作用のうち最も優れた作用の一つが溶血作用である。メリチン及びホスホリパーゼなどの作用により、打撲症及び内出血などの溢血を吸収及び排泄させ、組織に新しい血液と酸素及び栄養とを供給して治療と溶血とを行う。
【0011】
第5に血管拡張作用であり、ヒスタミン性物質の作用により、毛細血管、小動脈、小静脈、特に内臓血管を拡張させるのに効果が大きい。従って、冷え性、凍傷及び筋肉痛などの疾患を治療する。
【0012】
第6に血圧降下作用であり、ヒスタミン性物質の作用により、血圧を下げる強力な作用をする。特に、2億5千万分の1の濃度でも血圧降下作用があり、本態性高血圧などの治療に卓越な効果がある。
【0013】
第7に自律神経調節作用である。人体はストレスを受け続けると、交感神経及び副交感神経の自律神経の乱調が起こり、これが多くの病気の原因となる。この自律神経を正常化するのに必要な物資であるカテコールアミンとアセチルコリンとがハチ毒の中に含有されており、この物質は脳細胞伝達物質であるため、心身症、更年期障害及びストレス性疾患の治療に効果的である。
【0014】
第8に抗菌作用であり、抗細菌及び抗真菌作用が非常に優れており、ウイルス性腫瘍などにも効果的である。特に、歯周炎、扁桃腺炎、麦粒腫及び化膿性疾患に対して治療効果が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、本発明の発明者は、ハチ毒の優れた抗菌力に着眼して、これを有効成分とする新しい創傷又は火傷治療用組成物を開発することで、本発明を完成するに至った。従って、本発明の目的は、創傷、炎症又は火傷などにより損傷された皮膚細胞の再生を促進し、抗炎効果及び2次感染原因菌に対する抗菌効果が優れた治療用組成物を提供することにある。
【0016】
更に、本発明の別の目的は、前記のような組成物を利用して軟膏剤、ドレッシング剤、パッチ剤又は化粧品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、ハチ毒を有効成分として含む創傷又は火傷治療用組成物をその特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
ハチ毒は創傷、炎症又は火傷などにより損傷された皮膚の創傷部位が悪化しない治療のために、皮膚細胞の再生を促進し、ここに必要なコラーゲンの合成と皮膚細胞増殖の成長因子である表皮成長因子(EGF)と血管内皮成長因子(VEGF)との発現を促進し、紫外線照射により損傷された皮膚細胞で、光老化誘発主要因子であるマトリクス・メタロプロテアーゼ(MMP)−1とMMP−3との発現を抑制することで、しわ及び老化防止に優れ、治療後に残る瘢痕を減らすことができるという効果がある。更に、2次感染原因菌に対する抗菌効果が優れているという性質を利用して、ハチ毒を含有する軟膏剤、ドレッシング剤、パッチ剤及び化粧品を開発することができる。
【0019】
従って、本発明の治療用組成物は、重度の火傷と各種皮膚創傷又は各種皮膚疾患及び外傷とにより苦痛を受ける患者の治療だけでなく、ハチ毒の高付加価値用途の開発による養蜂農家の所得増大に寄与するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】市販のハチ毒と本発明の製造例で製造されたハチ毒との主要成分を比較するグラフである。
【図2】製造例で製造したハチ毒を含有するアルギン酸ドレッシングを示す写真である。
【図3】皮膚細胞であるHDFに人為的に傷をつけた後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合の細胞再生効果を示すグラフである。
【図4】皮膚細胞であるHDFに人為的に傷をつけた後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合のコラーゲン生成効果を示すグラフである。
【図5】皮膚細胞であるHDFに人為的に傷をつけた後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合の細胞成長因子であるEGFの生成効果を示すグラフである。
【図6】皮膚細胞であるHDFに人為的に傷をつけた後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合の細胞成長因子であるVEGFの生成効果を示すグラフである。
【図7】皮膚細胞であるHDFに紫外線照射(UVA、UVB)による火傷後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合の細胞再生効果を示すグラフである。
【図8】皮膚細胞であるHDFに紫外線照射(UVA、UVB)による火傷後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合のコラーゲン生成効果を示すグラフである。
【図9】皮膚細胞であるHDFに紫外線照射(UVB)による火傷後、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合の老化及びしわ生成因子であるMMP−1とMMP−3との抑制効果を示すグラフである。
【図10】皮膚細胞であるHDFに創傷又は紫外線照射(UVB)の前及び後において、創傷又は火傷治療用組成物を処理した場合と無処理細胞との形態を示す図である。
【図11】(a)〜(e)はハチ毒の成分を液体クロマトグラフィ分析をした結果を示し、(a)は採取直後のハチ毒、(b)は100℃で12時間湯煎した後のハチ毒、(c)及び(d)はpH2及びpH9に調節したハチ毒、(e)はガンマ線照射(3kGy)後のハチ毒を分析した結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、ハチ毒を有効成分とする創傷又は火傷治療用組成物に関する。
【0022】
以下、前記創傷又は火傷治療用組成物の成分について更に説明する。
【0023】
本発明の創傷又は火傷治療用組成物は、抗炎症作用、神経毒作用、溶血作用、血管拡張作用、血圧降下作用及び自律神経調節作用などが優れており、免疫系疾患治療効果があると知られているハチ毒を有効成分として含む。全体組成物に対して、ハチ毒を有効成分として0.001%(w/v)〜10%(w/v)を使用することが好ましい。万一、0.001%(w/v)未満である場合、ハチ毒による効果を奏しがたく、10%(w/v)を超える場合は、細胞毒性のような問題が発生し得るため、前記の範囲が好ましい。
【0024】
本発明の創傷又は火傷治療用組成物は、患部への塗布及び前記ハチ毒の吸収を助けるために、ゲルマトリクスのような生吸収性材料である微粒子又は繊維を更に含むことで、治療の効率性を増大させることができる。このようなゲルマトリクスとしては、ゲル化が可能な通常の材料が全て使用可能であり、そのうちアルギン酸塩及びヒアルロン酸などが最も好ましい。
【0025】
本発明に治療用組成物は、皮膚外用剤形態で投与され、具体的に、ペースト、クリーム、ゲル、パウダー、スプレー、溶液、乳濁液及び懸濁液などの液剤、軟膏剤、ドレッシング剤及びパッチ剤などの剤形で投与可能である。
【0026】
剤形がペースト、クリーム又はゲルである場合は、担体成分として動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルク又は酸化亜鉛などが利用できる。剤形がパウダー又はスプレーである場合は、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、カルシウムシリケート又はポリアミドパウダーが利用できる。特にスプレーである場合は、追加的にクロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタン又はジメチルエーテルのような推進剤を含むことができる。剤形が溶液又は乳濁液である場合は、担体成分として溶媒、溶解化剤又は乳濁化剤が利用されて、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコールオイル、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコール又はソルビタンの脂肪酸エステルがある。剤形が懸濁液である場合は、担体成分として水、エタノール又はプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天又はトラガカントなどが利用できる。このような剤形は、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤及び防腐剤などを追加的に含むことができる。
【0027】
本発明の創傷又は火傷治療用組成物の適合した投与量は、製剤化方法、投与方式、投与時間、投与経路並びに患者の年齢、体重、性別、症状、食餌、排泄速度及び反応感応性のような要因により多様に処方され得る。本発明の薬剤学的組成物の投与量は、好ましくは1日当り0.1mg/kg(体重)〜1mg/kg(体重)である。
【0028】
本発明によるハチ毒は、薬理効果及び抗菌作用が優れているため、創傷又は火傷による皮膚細胞の再生を早くし、2次感染による炎症及び細菌感染による瘢痕の形成を減らすことができる軟膏剤、ドレッシング剤及びパッチ剤などを開発して、創傷及び火傷により苦痛を受ける患者及び動物の治療に使用することができる。
【0029】
本発明による化粧品組成物は、光老化誘発主要因子であるマトリクス・メタロプロテアーゼ(MMP)−1及びMMP−3の発現を抑制することで、しわ及び老化防止に優れ、コラーゲンの合成と皮膚細胞増殖の成長因子であるEGFとVEGFとの発現を促進することで、優れた品質の化粧品を製造することができる。
【0030】
一方、本発明はハチ毒を有効成分として含むしわ改善又は紫外線遮断用化粧量を含む。前記ハチ毒は、化粧品分野で通常的に使用される基剤、補助剤及び添加剤を使用して液体又は固体形態に製造できる。液体又は固体形態の化粧品としては例えば、化粧水、クリーム剤、ローション剤及び入浴剤などの形態を含むことができるが、これに限定されない。化粧品分野で通常的に使用される基剤、補助剤及び添加剤は特別に限定せず、例えば、水、アルコール、プロピレングリコール、ステアリン酸、グリセロール、セチルアルコール及び流動パラフィンなどを含むことができる。
【0031】
以下、本発明を実施例を通じて更に詳しく説明する。しかし、本発明の権利範囲がこれら実施例により限定されるわけではなく、また、全ての資料はSAS(SAS enterprise guide 3.0)のDuncan’s t-testを利用して分散分析を実施した。
【実施例】
【0032】
製造例1:ハチ毒の製造
国内産(韓国)のミツバチ(Apis mellifera)を電気衝撃法を利用したハチ毒採集装置(CHUNGJIN TECH、韓国)を利用して、ミツバチの被害なく純粋なハチ毒のみを多量に採取して、異物を除去した後、凍結乾燥して精製ハチ毒を得た。精製されたハチ毒は、液体クロマトグラフィ(AKTA explorer、アマシャムファルマシアバイオテック、米国)を使用して、ハチ毒標準品であるシグマ産ミツバチ毒、メリチン、アパミン及びホスホリパーゼと比較して確認した。本発明で製造されたハチ毒(B)は市販のハチ毒(A)と比較すると、ハチ毒の主要成分であるメリチン(M)、アパミン(A)及びホスホリパーゼA2(PA2)の成分がほぼ同一であることを図1を通して確認することができた。
【0033】
製造例2:ドレッシング剤の製造
前記製造例1で得られたハチ毒0.1gとアルギン酸塩1gとを均一に混合し、蒸留水5mLを入れてよく混ぜた後、60℃の温度のホットプレート上で透明になるまでよく混ぜ、ガラス板に移してガラス棒を利用して薄く広げた。このとき、ハチ毒とアルギン酸塩及び水の比率は治療しようとする創傷又は火傷部位と状態とによって調節が可能であり、ドレッシングの大きさ、厚さ及び空隙などはどのような形態にでも製造可能である。また、アルギン酸塩の代わりに、ヒアルロン酸などのような通常のゲルマトリクス材料を使用できる。このように製造された創傷又は火傷治療用ドレッシングは図2の通りである。
【0034】
製造例3:軟膏剤の製造
前記ハチ毒を有効成分として利用して次のような組成で軟膏剤を製造した。
(組成)
ハチ毒1.0重量部、蜜ろう10重量部、ポリソルベート60 5.0重量部、PEG60硬化ヒマシ油2.0重量部、セスキオレイン酸ソルビタン0.5重量部、バセリン5.0重量部、流動パラフィン10.0重量部。
【0035】
製造例4:パッチ剤の製造
前記ハチ毒を有効成分として利用して次のような組成でパッチ剤を製造した。
(組成)
ハチ毒1.2重量部、ヘキシレングリコール20.0重量部、ジエキルアミン0.7重量部、ポリアクリル酸1.0重量部、亜硫酸ナトリウム0.1重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1.0重量部、ポリヒドロキシエチレンセチルステアリルエーテル1.0重量部、粘性のパラフィンオイル2.5重量部、カプリル酸エステル/カプリン酸エステル2.5重量部、ポリエチレングリコール400 3.0重量部、脱イオン水100重量部。
【0036】
製造例5:化粧品の製造
前記ハチ毒を有効成分として利用して次のような組成でエッセンスを製造した。
(組成)
有効成分1mg、グリセリン3.0mg、EDTA0.05mg、ベンゾフェノン−9 0.04mg、カルボキシビニルポリマー0.2mg、トリエタノールアミン0.18mg、オクチルドデセス−25 0.6mg、グリセリルモノステアレート1.0mg、防腐剤0.01mg、香料0.01mg、精製水適量。
【0037】
実施例1:皮膚創傷モデルでの再生率及び成長因子の発現量試験
細胞培養100mmディッシュに1次培養皮膚細胞であるHDF(Human Dermal Fibroblast)細胞が80%増殖したとき、滅菌された爪楊枝を利用して10mmの幅で細胞に傷をつけ、ハチ毒を0.01μg/mL〜10μg/mL注入した後、細胞の再生を確認した。
【0038】
このとき、細胞の増殖を測定する方法は特別に限定しないが、MTT(メチルチアゾール−2−イル−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)分析方法とディフ・クイック染色(Diff quic stain)を利用して細胞染色をした後、顕微鏡で確認した。また、コラーゲン合成量についてコラーゲン分析キットを用いて分析し、そして細胞増殖に関与する成長因子である表皮成長因子(EGF)と血管内皮成長因子(VEGF)との発現量について酵素結合免疫吸収分析法(ELISA)キットを用いて分析し、その結果は図3〜図6の通りである。
【0039】
観察の結果、ハチ毒からなる創傷又は火傷治療用組成物で処理した場合、細胞再生が促進され、コラーゲンの精製量が増加したことが分かる。更に、皮膚細胞成長因子であるEGFとVEGF生成量が各々2倍以上増加したことを確認することができた。一方、細胞の形態的な形においても正常的に成長した。
【0040】
実施例2:皮膚火傷モデルでの再生率試験
1次培養皮膚細胞であるHDFに紫外線を照射して皮膚火傷を誘導した。具体的に、皮膚火傷としわの生成の原因であるUVA(320nm〜380nm)(630mL/cm2)を使用して、細胞培養100mmディッシュにHDF細胞が80%増殖したときに30分間照射した。その後、新しい培地と共にハチ毒0.01μg/mL〜10μg/mLを注入し、細胞再生率、コラーゲン合成量並びに光老化誘発主要因子であるMMP−1及びMMP−3の発現量を確認し、その結果は図7〜図9の通りであった。このとき、細胞増殖効果の測定は実施例1と同じように実施した。
【0041】
観察の結果、UVAとUVBとにより損傷された皮膚細胞の細胞再生率及びコラーゲンの生成量においてハチ毒の効果が優れていることが分かった。紫外線UVBにより損傷された皮膚細胞に前記治療用組成物を処理してMMP−1とMMP−3との発現抑制されたことを確認した。これにより、紫外線UVA及びUVBの照射による細胞損傷にハチ毒が大きな効果があることが分かった。更に、細胞再生とコラーゲンの合成とが促進され、特にUVBによる光老化促進酵素であるMMP−1とMMP−3との生成を大きく抑制することで、しわ及び老化防止に効果があるだろうと予想される。また、形態学的にも非常に早く正常細胞に成長したことを図10の通り確認できた。
【0042】
実施例3:創傷又は火傷後の2次感染細菌に対する抗菌効果
創傷、火傷及び手術後の治療期間中に容易に感染される代表的な病原菌である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、大腸菌(Escherichia coli)、コアグラーゼブドウ球菌(Coagulase staphylococci)及び大腸菌(Coliform bacilli)に対する抗菌効果を観察するために、ハチ毒の最小発育阻止濃度(MIC)を検定し、その結果は下記[表1]に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
観察の結果、ハチ毒を含有する創傷又は火傷治療用組成物の抗菌効果が確認された。
【0045】
実施例4:温度、酸度及びガンマ線照射による安定性試験
温度による安定性実験
ゲルマトリクスや賦形剤として使用される材料の特性上、加温が必要な場合、温度によるハチ毒の成分及び効果に対する安定性が必要であるため、ハチ毒を50℃〜100℃で1時間〜12時間放置した後、黄色ブドウ球菌成分の変化及び効果を観察し、その結果は下記[表2]の通りである。
【0046】
【表2】
【0047】
観察の結果、100℃でその成分が変化せず、黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果に影響を与えなかった。
【0048】
酸度による安定性実験
重度の創傷及び火傷治療時に発生する粘液などによる酸度変化により、ハチ毒の成分及び薬理効果にどのような影響を及ぼすかを確認するために、ハチ毒の酸度がpH2、5及び9であるときの成分の変化と効果を確認した。
【0049】
【表3】
【0050】
観察の結果、本発明の創傷又は火傷治療用組成物は、酸度の影響を受けないことが分かった。
【0051】
ガンマ線照射による安定性実験
医薬品として使用される全ての素材は滅菌過程を経る。従って、0kGy、3kGy及び5kGyのガンマ線を照射した後、黄色ブドウ球菌の成分変化及び効果を観察し、その結果は下記[表4]の通りである。
【0052】
【表4】
【0053】
観察結果、5kGyで抗菌力が多少減少したが、本発明の創傷又は火傷治療用組成物は、ガンマ線の影響を大きく受けないことが分かった。
【0054】
以上の処理を行ったハチ毒を液体クロマトグラフィにより分析した結果のグラフを図11に示す。
【0055】
実施例5:ハチ毒の毒性試験
ハチ毒に対する毒性を調べるために、ハチ毒0.5mg/kg〜5mg/kgを24匹のネズミに腹腔内投与して、行動観察を24時間した後、生存可否を確認した。その結果、ハチ毒2mg/kg〜3mg/kgを投与したネズミ6匹のうち3匹が生存し、残りの3匹は犠牲になったことが分かった。反面、1mg/kg未満の容量を投与したネズミの場合は全て生存し、行動観察上、薬物を投与しなかったネズミと比較して統計学上有意性のある差は見せなかった。以上の結果を考慮したとき、ネズミにおいて約半数が生存するハチ毒の毒性容量は、2.5mg/kgと判断される。
【0056】
実施例6:ハチ毒の皮膚刺激測定試験
本発明のハチ毒の皮膚刺激程度は、次の方法を使用して測定した。ハチ毒0.01μg/mL〜20μg/mLを含有するパッチ剤を製造し、ネズミ20匹に、1匹当り擦過皮膚2ヶ所と非擦過皮膚2ヶ所として、そのうちの擦過皮膚1ヶ所と非擦過皮膚1ヶ所とに各々パッチ剤1個ずつを1回塗布し、もう1方を無処置対照区として処置を行わなかった。その後、それぞれの部分を基剤で覆い、非刺激性テープでしっかり固定して24時間適用させた。適用終了後には、ぬるま湯を利用して塗布部を軽く洗浄した。試験物質適用終了後、適用のパッチを除去して24時間及び72時間後に紅斑と浮腫形成などの刺激性の可否を観察した。皮膚反応の評価は医薬品などの毒性試験基準を利用して評価し、結果に対する刺激性の程度判定は下記[表5]に示したように、一般的に多く利用されるドレイズ(Draiz)法のPII(1次刺激性指数)の算出方法に伴った。
【0057】
【表5】
【0058】
動物の皮膚に組成物を24時間付着して紅班と浮腫を評価して、PII値で皮膚刺激の程度を数値化して、その値が0の場合を無刺激、2以下の場合を低刺激、2〜5の場合を中刺激、5以上の場合を高刺激と評価して、2以下の値を有する組成物のみが経皮投与用組成物として選択され得る。
【0059】
観察の結果、ハチ毒を0.01μg/mL〜20μg/mL投与したネズミ10匹のPII平均値は2.1であり、ハチ毒を0.01μg/mL〜10μg/mL投与したネズミ10匹の平均PIIの平均値は約0.4であり、10μg/mL未満含有する場合、皮膚に刺激がないと判断される。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上に説明したように、本発明のハチ毒を有効成分として含む創傷又は火傷治療用組成物は細胞再生効果に優れ、しわ及び老化防止に優れているだけでなく、担体、賦形剤又は希釈剤などと混合して軟膏、ドレッシングの皮膚外用剤又は化粧品を提供して、皮膚疾患及び外傷により苦痛を受ける患者の治療に効果的であると期待される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハチ毒を有効成分として含むことを特徴とする創傷又は火傷治療用組成物。
【請求項2】
ドレッシング剤、軟膏剤又はパッチ剤に剤形化することを特徴とする、請求項1に記載の創傷又は火傷治療用組成物。
【請求項3】
ハチ毒を有効成分として含むことを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項4】
ハチ毒を有効成分として含むことを特徴とするしわ改善又は紫外線遮断用化粧品。
【請求項1】
ハチ毒を有効成分として含むことを特徴とする創傷又は火傷治療用組成物。
【請求項2】
ドレッシング剤、軟膏剤又はパッチ剤に剤形化することを特徴とする、請求項1に記載の創傷又は火傷治療用組成物。
【請求項3】
ハチ毒を有効成分として含むことを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項4】
ハチ毒を有効成分として含むことを特徴とするしわ改善又は紫外線遮断用化粧品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−241786(P2010−241786A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218986(P2009−218986)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(599151282)大韓民国農村振興庁 (16)
【氏名又は名称原語表記】RURAL DEVELOPMENT ADMINISTRATION
【住所又は居所原語表記】250 Seodundong,Kwonseongu,Suwon,Gyeongido 441−707,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(599151282)大韓民国農村振興庁 (16)
【氏名又は名称原語表記】RURAL DEVELOPMENT ADMINISTRATION
【住所又は居所原語表記】250 Seodundong,Kwonseongu,Suwon,Gyeongido 441−707,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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