説明

ハロゲン置換芳香環含有ポリシロキサン

【課題】 ポリシロキサンはSi−O結合に起因する高透明性及び高耐熱性を活かし、更に高屈折率を示す臭素化又は塩素化ベンゼンを有機基として持った加水分解性シランを提供する。
【解決手段】 下記一般式(1):
【化1】


〔式(1)中、Rは式(2):
【化2】


(式(2)中、R〜Rは臭素原子、塩素原子、水素原子、又は1価の有機基である。)で表され、Rは1価の有機基であり、R及びRはそれぞれSi−C結合でケイ素原子と結合している。Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。aは1〜2の整数を、bは0〜1の整数を、a+bは1〜2の整数を示す。〕で示される加水分解性シランであり、その加水分解物、又はその加水分解縮合物を用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高屈折率を有するケイ素化合物に関し、さらに詳述すると臭素または塩素を含有する芳香環を含有する高屈折率ケイ素化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子に使用するフォトダイオードの埋め込み材料やマイクロレンズ材料にはデバイスの作製工程に対する耐熱性やデバイスとして使用するための高透明性が求められている。
最近ではデバイスの更なる高精細化達成の為、画素数を増加させる動向が見られる。しかし、画素数が増加すると一画素あたりの面積の縮小によりフォトダイオード上へ入射する光量は減少してしまう。ゆえに光の取り込み効率を上げるため、マイクロレンズ材料やフォトダイオードの埋め込み材には上記特性に加えて高屈折率性が求められている。
高屈折率材料として臭素化ベンゼンを用いる感光性材料が記載されている(特許文献1参照)。
ポリシロキサンはSi−O結合に起因する高透明性及び高耐熱性を活かし、電子デバイス、特に固体撮像素子の一部材として利用するために研究開発がなされている。ポリシロキサンをデバイスに組み込む際はスピンコート法などのウェットプロセスにより、任意の基材上に被膜する工程を経るため、ポリシロキサンワニスとすることが必須である。しかしながら、シロキサン結合に由来する屈折率はおよそn=1.4程度であり、高屈折率を有するポリシロキサンは現在のところ非常に限られている。
ハロゲン化芳香族基を有するポリシロキサンを用いた感光性樹脂組成物が記載されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−239925
【特許文献2】特開2002−308990
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願発明はポリシロキサンはSi−O結合に起因する高透明性及び高耐熱性を活かし、更に高屈折率を示す臭素化又は塩素化ベンゼンを有機基として持った加水分解性シランを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願発明は第1観点として、下記一般式(1):
【0005】
【化1】

【0006】
〔式(1)中、Rは式(2):
【0007】
【化2】

【0008】
(式(2)中、R〜Rは臭素原子、塩素原子、水素原子、又は1価の有機基であって、該有機基はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はその組み合わせであり、Rは分岐を有していても良い炭素数3〜10のアルキレン基であり、R〜Rのうち少なくとも3つは臭素原子又は塩素原子である。)で表され、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はそれらの組み合わせである。R及びRはそれぞれSi−C結合でケイ素原子と結合している。Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。aは1〜2の整数を、bは0〜1の整数を、a+bは1〜2の整数を示す。〕で示される加水分解性シラン、
第2観点として、上記式(1)においてR〜Rのうち少なくとも3つが臭素原子であり、Rがプロピレン基又はイソプロピレン基である第1観点に記載の加水分解性シラン、
第3観点として、第1観点又は第2観点に記載された化合物から得られた加水分解物、又はその加水分解縮合物、
第4観点として、上記式(1)と、更に下記式(3):
【0009】
【化3】

【0010】
(式中R10はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R11はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。)及び式(4):
【0011】
【化4】

【0012】
(式中R12はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R13はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。)からなる群から選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせ、それら組み合わせた加水分解性シランの加水分解物、又はそれら組み合わせた加水分解縮合物、
第5観点として、上記式(1)と上記式(3)〔但し、式(1)のR〜Rのうち少なくとも3つが臭素原子であり、且つRがプロピレン基又はイソプロピレン基である。〕からなる群から選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせ、それら組み合わせた加水分解性シランの加水分解物、又はそれら組み合わせた加水分解縮合物、
第6観点として、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの組み合わせから作成された膜を備える電子デバイス、
第7観点として、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの組み合わせから作成された膜を備えた電荷結合素子(CCD)又は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)からなる固体撮像素子、
第8観点として、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの組み合わせから作成された膜をカラーフィルター上の平坦化層として備えた固体撮像素子、及び
第9観点として、第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの組み合わせから作成された膜をマイクロレンズ上の平坦化層又はコンフォーマル層として備えた固体撮像素子である。
【発明の効果】
【0013】
本願発明は少なくとも3つの臭素原子又は塩素原子で置換された芳香環を少なくとも一つ以上有する有機基を含む加水分解性シラン、その加水分解物、又はその加水分解縮合物である。それらから得られるポリシロキサン組成物を含む被膜形成組成物は、高透明性及び高耐熱性を維持しつつ高屈折率の被膜を形成することができる。
【0014】
芳香環、例えばベンゼン環へのハロゲン原子の置換基は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素の順で屈折率が高くなる。一方、炭素原子とハロゲン原子の光に対する安定性は、炭素−フッ素、炭素−塩素、炭素−臭素、炭素−ヨウ素の順に低くなっていく。従って、本願発明では耐光性が高く且つ屈折率が高い材料としてベンゼン−臭素、ベンゼン−塩素の結合、特にベンゼン−臭素の結合を有する有機基を含むポリシロキサン材料を用いることが好ましい。この様な有機基を有する加水分解性シランを提供し、その加水分解性シランの加水分解縮合物を含む被膜形成組成物による被膜は高透明性、高耐熱性及び高屈折率を有する膜とすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本願発明は式(1)で示される加水分解性シランであり、その加水分解物、又はその加水分解縮合物とすることができる。加水分解縮合物はポリシロキサンである。
【0016】
式(1)においてRは式(2)で示される有機基が用いられる。
式(2)のR〜Rは臭素原子、塩素原子、水素原子、又は1価の有機基であって、該有機基はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はその組み合わせであり、Rは分岐を有していても良い炭素数3〜10のアルキレン基であり、R〜Rのうち少なくとも3つは臭素原子又は塩素原子である。
また式(1)のRは、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、アルコキシ基若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はそれらの組み合わせである。R及びRはそれぞれSi−C結合でケイ素原子と結合している。
【0017】
アルキル基としては炭素数1〜10のアルキルが挙げられ、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、1−メチル−シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、1,2−ジメチル−n−プロピル、2,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−n−プロピル、シクロペンチル、1−メチル−シクロブチル、2−メチル−シクロブチル、3−メチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロプロピル、2,3−ジメチル−シクロプロピル、1−エチル−シクロプロピル、2−エチル−シクロプロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、3−メチル−n−ペンチル、4−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1,2−ジメチル−n−ブチル、1,3−ジメチル−n−ブチル、2,2−ジメチル−n−ブチル、2,3−ジメチル−n−ブチル、3,3−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、2−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2−トリメチル−n−プロピル、1−エチル−1−メチル−n−プロピル、1−エチル−2−メチル−n−プロピル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロペンチル、2−メチル−シクロペンチル、3−メチル−シクロペンチル、1−エチル−シクロブチル、2−エチル−シクロブチル、3−エチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロブチル、1,3−ジメチル−シクロブチル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2,3−ジメチル−シクロブチル、2,4−ジメチル−シクロブチル、3,3−ジメチル−シクロブチル、1−n−プロピル−シクロプロピル、2−n−プロピル−シクロプロピル、1−イソプロピル−シクロプロピル、2−イソプロピル−シクロプロピル、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル等が挙げられる。
【0018】
アルキレン基としては炭素数3〜10のアルキレン基が挙げられ、例えばn−プロピレン、イソプロピレン、シクロプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、s−ブチレン、t−ブチレン、シクロブチレン、1−メチルブチレン、1−メチル−シクロプロピレン、2−メチル−シクロプロピレン、n−ペンチレン、1−メチル−n−ブチレン、2−メチル−n−ブチレン、3−メチル−n−ブチレン、1,1−ジメチル−n−プロピレン、1,2−ジメチル−n−プロピレン、2,2−ジメチル−n−プロピレン、1−エチル−n−プロピレン、シクロペンチレン、1−メチル−シクロブチレン、2−メチル−シクロブチレン、3−メチル−シクロブチレン、1,2−ジメチル−シクロプロピレン、2,3−ジメチル−シクロプロピレン、1−エチル−シクロプロピレン、2−エチル−シクロプロピレン、n−ヘキシレン、1−メチル−n−ペンチレン、2−メチル−n−ペンチレン、3−メチル−n−ペンチレン、4−メチル−n−ペンチレン、1,1−ジメチル−n−ブチレン、1,2−ジメチル−n−ブチレン、1,3−ジメチル−n−ブチレン、2,2−ジメチル−n−ブチレン、2,3−ジメチル−n−ブチレン、3,3−ジメチル−n−ブチレン、1−エチル−n−ブチレン、2−エチル−n−ブチレン、1,1,2−トリメチル−n−プロピレン、1,2,2−トリメチル−n−プロピレン、1−エチル−1−メチル−n−プロピレン、1−エチル−2−メチル−n−プロピレン、シクロヘキシレン、1−メチル−シクロペンチレン、2−メチル−シクロペンチレン、3−メチル−シクロペンチレン、1−エチル−シクロブチレン、2−エチル−シクロブチレン、3−エチル−シクロブチレン、1,2−ジメチル−シクロブチレン、1,3−ジメチル−シクロブチレン、2,2−ジメチル−シクロブチレン、2,3−ジメチル−シクロブチレン、2,4−ジメチル−シクロブチレン、3,3−ジメチル−シクロブチレン、1−n−プロピル−シクロプロピレン、2−n−プロピル−シクロプロピレン、1−イソプロピル−シクロプロピレン、2−イソプロピル−シクロプロピレン、1,2,2−トリメチル−シクロプロピレン、1,2,3−トリメチル−シクロプロピレン、2,2,3−トリメチル−シクロプロピレン、1−エチル−2−メチル−シクロプロピレン、2−エチル−1−メチル−シクロプロピレン、2−エチル−2−メチル−シクロプロピレン及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピレン等が挙げられる。上記アルキレン基としては好ましくは炭素数3〜5のアルキレン基を選択することができる。
【0019】
アリール基としては炭素数6〜40のアリール基が挙げられ、例えばフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロルフェニル基、m−クロルフェニル基、p−クロルフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−シアノフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基及び9−フェナントリル基等が挙げられる。
【0020】
アルケニル基としては炭素数2〜10のアルケニル基であり、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−1−エテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−エチルエテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−n−プロピルエテニル、1−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−エチル−2−プロペニル、2−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1−イソプロピルエテニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、1−n−ブチルエテニル、2−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、2−n−プロピル−2−プロペニル、3−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、3−エチル−3−ブテニル、4−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1−メチル−2−エチル−2−プロペニル、1−s−ブチルエテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、1−イソブチルエテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、2−イソプロピル−2−プロペニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、1−n−プロピル−1−プロペニル、1−n−プロピル−2−プロペニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−t−ブチルエテニル、1−メチル−1−エチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル、1−イソプロピル−1−プロペニル、1−イソプロピル−2−プロペニル、1−メチル−2−シクロペンテニル、1−メチル−3−シクロペンテニル、2−メチル−1−シクロペンテニル、2−メチル−2−シクロペンテニル、2−メチル−3−シクロペンテニル、2−メチル−4−シクロペンテニル、2−メチル−5−シクロペンテニル、2−メチレン−シクロペンチル、3−メチル−1−シクロペンテニル、3−メチル−2−シクロペンテニル、3−メチル−3−シクロペンテニル、3−メチル−4−シクロペンテニル、3−メチル−5−シクロペンテニル、3−メチレン−シクロペンチル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
【0021】
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
エポキシ基を有する有機基としては、グリシドキシメチル、グリシドキシエチル、グリシドキシプロピル、グリシドキシブチル、エポキシシクロヘキシル等が挙げられる。
アクリロイル基を有する有機基としては、アクリロイルメチル、アクリロイルエチル、アクリロイルプロピル等が挙げられる。
メタクリロイル基を有する有機基としては、メタクリロイルメチル、メタクリロイルエチル、メタクリロイルプロピル等が挙げられる。
メルカプト基を有する有機基としては、エチルメルカプト、ブチルメルカプト、ヘキシルメルカプト、オクチルメルカプト等が挙げられる。
シアノ基を有する有機基としては、シアノエチル、シアノプロピル等が挙げられる。
式(1)のRは、アルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基である。
【0022】
アルコキシ基としては炭素数1〜20のアルコキシ基が例示され、直鎖、分岐、環状のアルキル部分を有するアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、1,2−ジメチル−n−プロポキシ、2,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−エチル−n−プロポキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、3−メチル−n−ペンチルオキシ、4−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1,2−ジメチル−n−ブトキシ、1,3−ジメチル−n−ブトキシ、2,2−ジメチル−n−ブトキシ、2,3−ジメチル−n−ブトキシ、3,3−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、2−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、1,2,2,−トリメチル−n−プロポキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ、及び1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ等が挙げられる。
【0023】
アシルオキシ基としては炭素数2〜20のアシルオキシ基が例示され、例えばメチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、s−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、1−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、3−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−n−プロピルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、1−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、2−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、3−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、4−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、3,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1,2,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−2−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ、及びトシルカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0024】
また、加水分解基としてのハロゲン基はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
上記R〜Rのうち少なくとも3つが臭素原子であり、Rがプロピレン基又はイソプロピレン基である式(2)を有する式(1)を用いることができる。
式(1)においてaは1〜2の整数を、bは0〜1の整数を、a+bは1〜2の整数を示す。
【0025】
【化5】

【0026】
【化6】

【0027】
【化7】

【0028】
【化8】

【0029】
上記式(1)の加水分解性シランは、例えば下記に示す工程で作成することができる。
まず、式(5):
【0030】
【化9】

【0031】
(式中、R14〜R18は式(2)で定義したR〜Rと同一である。)と式(6):
【0032】
【化10】

【0033】
(式中X塩素又は臭素を示し、R19は炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基を示す。)との反応によって下記式(7)が得られる。このときの溶剤は特に限定はされないが、例えばエタノールやメタノール等のアルコール系の溶剤中で−70℃〜200℃の温度、例えば溶剤のリフラックス温度で行うことができる。反応温度は1〜100時間によって行われる。また炭酸カリウム等の触媒を用いることによって反応を促進させることができる。
【0034】
上記R19に用いられる炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基は、上述のRで示した炭素数3〜10のアルキレン基に加え、メチレン、エチレン等のアルキレン基を例示することができる。
この反応物式(7)の構造は以下に示す。
【0035】
【化11】

【0036】
(式中、R14〜R18は式(2)で定義したR〜Rと同一であり、R19は上記と同一である。)
上記式(7)と下記式(8):
【0037】
【化12】

【0038】
(式中R20はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、式(1)で定義したものと同一のものである。dは1又は2の整数を示す。)で示す化合物と触媒を用いて反応させて得ることができる。この反応では式(7)のビニル基に式(8)のシランが付加反応する。ビニル基のα位又はβ位にシリコン原子が反応しα体又はβ体が生成するが、本願発明ではα体、β体、又は両者の混合物を用いることができる。
触媒としては特に限定はされないが、例えば1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体、(ビシクロ[2,2,1]へプタ−2,5−ジエン)ロジウムクロライドダイマー,トリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウムクロライド,ベンゼンジクロロルテニウムダイマー等が挙げられる。溶剤としては特に限定はされないが、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等の溶剤を用いて、−70℃〜200℃の温度、例えば室温(約20℃)で反応させることができる。反応時間は1〜100時間によって行われる。
【0039】
そして、式(8)でR20がハロゲンで有る場合に、得られた化合物(即ち式(1)のハロゲン化物)は室温でピリジン触媒の存在下にメタノール中で反応させて式(1)のメトキシ体を得ることができる。
【0040】
式(3)において、R10はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R11はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。これらの有機基は上記例示したものと同一のものを用いることができる。
【0041】
式(4)において、式中R12はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R11はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。これらの有機基は上記例示したものと同一のものを用いることができる。
アリーレン基としては、置換又は未置換のフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、及びアントリレン基が挙げられる。置換基としては上記有機基を用いることができる。
【0042】
上記式(3)の加水分解性シランは例えば以下に例示される。
テトラメトキシシラン、テトラクロルシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、αーグリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3、3、3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0043】
また式(4)の加水分解性シランは例えばメチレンビストリメトキシシラン、メチレンビストリクロロシラン、メチレンビストリアセトキシシラン、エチレンビストリエトキシシラン、エチレンビストリクロロシラン、エチレンビストリアセトキシシラン、プロピレンビストリエトキシシラン、ブチレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリメトキシシラン、フェニレンビストリエトキシシラン、フェニレンビスメチルジエトキシシラン、フェニレンビスメチルジメトキシシラン、ナフチレンビストリメトキシシラン、ビストリメトキシジシラン、ビストリエトキシジシラン、ビスエチルジエトキシジシラン、ビスメチルジメトキシジシラン等が挙げられる。
【0044】
式(1)の加水分解性シランと、式(3)及び式(4)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせで用いる場合には、その混合割合は式(1)の加水分解性シランの1モルに対して、式(3)及び式(4)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランを0.01〜10モルの割合で用いることが好ましい。
上記加水分解性シランの中でも式(1)と式(3)の組み合わせを選ぶことができ、上記式(1)のaが1であり、且つbが0の加水分解性シランと、上記式(3)のaが0〜2の整数となる加水分解性シランとの組み合わせが好ましい。
【0045】
式(3)及び式(4)で示される加水分解性シランは、市販品を用いることができる。
式(1)の加水分解性シラン、又は式(1)と式(3)及び式(4)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせを加水分解し、その加水分解物を縮合した加水分解縮合物(ポリシロキサン)は重量平均分子量1000〜1000000、又は1000〜100000の縮合物を得ることができる。これらの分子量はGPC分析によるポリスチレン換算で得られる分子量である。
【0046】
ポリシロキサンを合成する際の触媒の種類は、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
加水分解触媒としての金属キレート化合物は、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−イソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−イソプロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−イソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−イソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−イソプロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−イソプロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−イソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−イソプロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−イソプロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−イソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−イソプロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。
【0047】
加水分解触媒としての有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての無機酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
【0048】
加水分解触媒としての有機塩基は、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等を挙げることができる。
無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0049】
アルコキシシリル基、アシロキシシリル基、ハロゲン化シリル基の加水分解には、上記加水分解基の1モル当たり、0.1〜100モル、又は0.1〜10モル、又は1〜5モル、又は2〜3.5モルの水を用いる。
【0050】
また、加水分解基の1モル当たり0.0001〜10モル、好ましくは0.001〜2モルの加水分解触媒を用いることができる。
【0051】
加水分解と縮合を行う際の反応温度は、通常は20℃(室温)から加水分解に用いられる溶剤の常圧下の還流温度の範囲で行われる。
【0052】
加水分解は完全に加水分解を行うことも、または部分加水分解することでも良い。即ち、加水分解縮合物中に加水分解物やモノマーが残存していても良い。
ポリシロキサンを得る方法としては特に限定されないが、例えば、珪素化合物、溶剤及び硝酸の混合物を加熱する方法が挙げられる。具体的には、あらかじめアルコールに硝酸を加えて硝酸のアルコール溶液とした後、当該溶液と珪素化合物を混合し、加熱する方法である。その際、硝酸の量は、珪素化合物が有する全アルコキシ基の1モルに対して0.2〜2モルとすることが一般的である。この方法における加熱は、液温50〜180℃で行うことができ、好ましくは、液の蒸発、揮散等が起こらないように、例えば、密閉容器中の還流下で数十分から十数時間行われる。また、ポリシロキサンの合成は珪素化合物中に溶剤及び蓚酸の混合物を加え反応させる順序でも良く、溶剤及び蓚酸の混合物中に珪素化合物を加えて反応させる順序でも良い。
【0053】
ポリシロキサンを合成する際の反応温度は、均一なポリマーを安定して合成する目的で0〜50℃の反応温度で24〜2000時間反応させても良い。
加水分解に用いられる有機溶剤としては、例えばn−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、イソプロピルベンセン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−イソプロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−イソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−イソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶剤;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶剤;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は1種又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0054】
上記溶剤としては一般的には、加水分解性シランの加水分解物と縮重合反応によりアルコールが生成するため、アルコール類やアルコール類と相溶性の良好な有機溶剤が用いられる。このような有機溶剤の具体例としては、特にメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、n−プロピルアセテート、エチルラクテート、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテル、シクロヘキサノン等が好ましく挙げられる。
【0055】
加水分解性シランを溶剤中で加水分解し、その加水分解物を縮合反応することによって縮合物(ポリシロキサン)が得られ、その縮合物は加水分解溶剤中に溶解しているポリシロキサンワニスとして得られる。
加水分解性シランを縮重合する際には、仕込んだシランのSiO2固形分換算濃度が、1〜50質量%の範囲で加熱することが一般的であり、特に20質量%以下で加熱されることが有効である。このような濃度範囲で任意の濃度を選択することにより、溶解性の低い高分子量体の生成を抑え、均質なポリシロキサン含有溶液を得ることができる。
得られたポリシロキサンワニスは溶剤置換しても良い。具体的には、加水分解と縮合時の溶剤(合成時溶剤)にエタノールを選択した場合、エタノール中でポリシロキサンが得られた後にその合成の際の溶剤と同量の置換用溶剤を加え、エバポレーターなどで共沸させエタノールを留去しても良い。溶剤置換の際の合成時溶剤は共沸して留去するため置換用溶剤よりも沸点が低いことが好ましい。例えば、加水分解と縮合時の溶剤はメタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、置換用溶剤はプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0056】
上記ポリシロキサンワニスの希釈や置換等に用いる溶剤は、加水分解性シランの加水分解と縮重合に用いた溶媒と同じでも良いし別の溶剤でも良い。
このような溶剤の具体例としては、トルエン、p−キシレン、o−キシレン、スチレン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシー2−ブタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、γ−ブチルラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルノーマルブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルケトン、酢酸ノーマルプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ノーマルブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、アリルアルコール、ノーマルプロパノール、2−メチル−2−ブタノール、イソブタノール、ノーマルブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、トリメチレングリコール、1−メトキシー2−ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、イソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノンが挙げられるが、ポリシロキサンワニスの保存安定性から、より好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノン、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、乳酸エチルエステル等が挙げられる。
【0057】
本発明で得られたポリシロキサンワニスにおいては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ポリシロキサン、感光剤、及び溶剤以外にその他の成分、例えばレベリング剤、界面活性剤等の成分が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また二種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリシロキサン)100質量部に対して0.0001〜5質量部、または0.001〜1質量部、または0.01〜0.5質量部である。
本発明では、式(1)の加水分解性シラン、又は式(1)の加水分解性シランと式(3)及び式(4)からなる群より選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせを加水分解し、その加水分解縮合物(ポリシロキサン)を得る。
【0058】
本発明ではポリシロキサンワニスを基材に塗布し熱硬化することで所望の被膜を得ることができる。塗布方法は、公知又は周知の方法を採用できる。例えば、スピンコート法、ディップ法、フローコート法、インクジェット法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、転写印刷法、刷毛塗り、ブレードコート法、エアーナイフコート法等の方法を採用できる。その際に用いる基材は、シリコン、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO、プラスチック、ガラス、セラミックス等からなる基材を挙げることができる。
焼成機器としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレート、オーブン、ファーネスを用いて、適切な雰囲気下、すなわち大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で焼成させればよい。これにより、均一な製膜面を有する被膜を得ることが可能である。
焼成温度は、溶媒を蒸発させる目的では、特に限定されないが、例えば40〜200℃で行うことができる。また、ポリシロキサンの重縮合を熱で促進する目的では特に限定されないが例えば200〜400℃で行うことができる。これらの場合、より高い均一製膜性を発現させたり、基材上で反応を進行させたりする目的で2段階以上の温度変化をつけてもよい。
このようにして得られる本発明の被膜は任意の基材上で形成することができ、電子デバイス、特に固体撮像素子用のフォトダイード上のギャップフィル平坦化材料、カラーフィルター上の平坦化材料、マイクロレンズ上の平坦化若しくはコンフォーマル材料として好適である。膜厚としては10nm〜10μmの範囲とすることが可能であり、電子デバイス用途には50nm〜1μmの範囲で用いることが可能である。
【実施例】
【0059】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で用いた各測定装置は以下のとおりである。
核磁気共鳴スペクトル(以下、NMRと略す)はバリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド製、商品名Varian 400−MRを使用した。
ポリマーの分子量測定(以下、GPCと略す)は昭和電工株式会社製、商品名Shodex GPC−104/101システムを使用した。
【0060】
ガスクロマトグラフ測定(以下、GCと略す)は、島津製作所(株)製、商品名Shimadzu GC−14Bを用い、下記の条件で測定した。
カラム:キャピラリーカラム CBP1−W25−100(25mm×0.53mmφ×1μm)
カラム温度は開始温度50℃から15℃/分で昇温して到達温度290℃(3分)とした。サンプル注入量は1μL、インジェクション温度は240℃、検出器温度は290℃、キャリヤーガスは窒素(流量30mL/min)、検出方法はFID法で行った。
【0061】
屈折率はn&k Technology社製、商品名n&k Analyzer1512RTを用いて測定した。屈折率は全て633nmにおける屈折率を測定した。
[合成例1]
<2,3,4,5−テトラブロモ−6−メチルフェニルアリルエーテルの合成>
3Lの4つ口フラスコにテトラブロモ-o-クレゾール(以下、TBC)212.86g(0.5mol)、エタノール1.8Lを加えて室温にて溶解させた後、炭酸カリウム69.065g(0.5mol)を加え、窒素雰囲気中で50℃までオイルバスにて昇温した。次いで、アリルブロマイド50.2067g(0.415mol)
を加え、15時間還流させた。得られた溶液を熱時ろ過して炭酸カリウムを除去し、ろ液を再結晶させてから再度ろ過し、室温にて真空乾燥させることで白黄色針状結晶の2,3,4,5−テトラブロモ−6−メチルフェニルアリルエーテル(以下、M−1と略す) 55.44g(収率:28%)を得た。
IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、M−1であることが確認された。
IR(cm−1):3050(Arom,νC−H)2970(νC−H),1640(νC=C),1467(νC−H),1240(νC−O−C)
1H−NMR(ppm/CHCl−d):6.103ppm(m,1H)、5.475ppm(dd,1H)、5.312ppm(dd,1H)、4.395ppm(d,2H)、1.559ppm(s,3H)
【0062】
[合成例2]
<2,3,4,5−テトラブロモ−6−メチルフェニル−3−トリメトキシシリルプロピルエーテルの合成>
1Lの4つ口フラスコに合成例1で得たM−1の46.3g(0.1mol)を加えて窒素置換後、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)661mlを加えて室温にて溶解させた。そこへ1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体0.2ml、トリクロロシラン(以下、TCSと略す)27.09g(0.2mol)、を加えて室温にて24時間攪拌し、2,3,4,5−テトラブロモ−6−メチルフェニル−3−トリクロルシリルプロピルエーテルが得られた。さらにメタノール28.836g(0.9mol)、ピリジン71.19gを加えて24時間攪拌した。得られた溶液をろ過し、ろ液の溶媒を留去してから減圧蒸留して薄黄色透明な粘稠液体の2,3,4,5−テトラブロモ−6−メチルフェニル−3−トリメトキシシリルプロピルエーテル(以下、M−2と略す)10.66g(収率:18.2%)を得た。
IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、M−2であることが確認された。
IR(cm−1):3050(Arom,νC−H),2970(νC−H),1467(νC−H),1290(νSi−C),1240(νC−O−C) ,900(νSi−O)
1H−NMR(ppm/CHCl−d):3.837ppm(t,2H)、3.590ppm(s,9H),2.455ppm(s,3H),1.859ppm(tt,2H),0.916ppm(t,2H)
【0063】
[合成例3]
<2,4,6−トリブロモフェニルアリルエーテルの合成>
3Lの4つ口フラスコに2,4,6−トリブロモフェノール165.5g(0.5mol)、エタノール1.8Lを加えて室温にて溶解させた後、炭酸カリウム69.065g(0.5mol)を加え、窒素雰囲気中で50℃までオイルバスにて昇温した。次いで、アリルブロマイド50.2067g(0.415mol)
を加え、15時間還流させた。得られた溶液を熱時ろ過して炭酸カリウムを除去し、ろ液を再結晶させてから再度ろ過し、室温にて真空乾燥させることで白黄色針状結晶の2,4,6−トリブロモフェニルアリルエーテル(以下、M−3と略す) 118.33g(収率:48%)を得た。
IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、M−3であることが確認された。
IR(cm−1):3055(Arom,νC−H),2970(νC−H),1640(νC=C)、1467(νC−H),1240(νC−O−C)
1H−NMR(ppm/CHCl−d): 7.634ppm(s,2H)6.063ppm(m,1H)、5.425ppm(dd,1H)、5.282ppm(dd,1H)、4.685ppm(d,2H)
【0064】
[合成例4]
<2,4,6−トリブロモフェニル−3−トリメトキシシリルプロピルエーテルの合成>
1Lの4つ口フラスコに合成例3で得たM−3の36.9g(0.1mol)を加えて窒素置換後、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)661mlを加えて室温にて溶解させた。そこへ1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体0.2ml、トリクロロシラン(以下、TCSと略す)27.09g(0.2mol)、を加えて室温にて24時間攪拌し、2,4,6−トリブロモフェニル−3−トリクロロシリルプロピルエーテルが得られた。さらにメタノール28.836g(0.9mol)、ピリジン71.19gを加えて24時間攪拌した。得られた溶液をろ過し、ろ液の溶媒を留去してから減圧蒸留して薄黄色透明な粘稠液体の2,4,6−トリブロモフェニル−3−トリメトキシシリルプロピルエーテル(以下、M−4と略す)8.13g(収率:16.5%)を得た。
IR、NMRスペクトルから構造を同定したところ、M−4であることが確認された。
IR(cm−1):3050(Arom,νC−H),2970(νC−H),1467(νC−H),1290(νSi−C),1240(νC−O−C) ,900(νSi−O)
1H−NMR(ppm/CHCl−d):7.631ppm(s,2H),3.953ppm(t,2H),3.621ppm(s,9H),1.911ppm(tt,2H),0.871ppm(t,2H)
【0065】
<重合体の作製>
[合成例5]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、合成例2で得た4.4gのM−2(7.5mmol)、17.6gの脱水エタノール、0.03g(0.3mmol)の硝酸(65wt%水溶液)、0.47g(27mmol)の純水を加え、オイルバス浴で加熱攪拌し、還流を確認後、4時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(PS−1)を得た。GPC測定による分子量はMwが1550、Mnが1431であった。
PS−1をGCで測定したところ、M−2の単量体は検出されなかった。
【0066】
[合成例6]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、合成例4で得た3.7gのM−4
(7.5mmol)、17.6gの脱水エタノール、0.03g(0.3mmol)の硝酸(65wt%水溶液)、0.47g(27mmol)の純水を加え、オイルバス浴で加熱攪拌し、還流を確認後、4時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(PS−2)を得た。GPC測定による分子量はMwが1664、Mnが1471であった。
PS−2をGCで測定したところ、M−4の単量体は検出されなかった。
【0067】
[比較合成例1]
還流管を備えつけた4つ口反応フラスコに、1.5gのフェニルトリメトキシシラン(7.5mmol)、17.6gの脱水エタノール、0.03g(0.3mmol)の硝酸(65wt%水溶液)、0.47g(27mmol)の純水を加え、オイルバス浴で加熱攪拌し、還流を確認後、4時間反応させた。反応終了後、オイルバス浴を除き、23℃まで放冷し、ポリシロキサンワニス(PS−3)を得た。GPC測定による分子量はMwが917、Mnが850であった。
PS−3をGCで測定したところ、フェニルトリメトキシシランの単量体は検出されなかった。
【0068】
<ポリシロキサンワニスの製膜と屈折率の測定>
製膜はスピンコート法によって行い、スピンコート後の焼成で膜厚が500nmとなる条件で製膜した。焼成機器はホットプレートを用い、大気中で120℃2分間の焼成をおこなった。基材には4インチのシリコンウェハを用いた。
[実施例1]
合成例5で得られたPS−1をスピンコート後、120℃で2分間焼成した。得られた膜の屈折率を測定したところn=1.6001であった。
[実施例2]
合成例6で得られたPS−2をスピンコート後、120℃で2分間焼成した。得られた膜の屈折率を測定したところn=1.5917であった。
【0069】
[比較例1]
比較合成例1で得られたPS−3をスピンコート後、120℃で2分間焼成した。得られた膜の屈折率を測定したところn=1.5611であった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本願発明の化合物から得られるポリシロキサンワニスは凹凸部分にも十分に浸透する。また、得られる被膜は屈折率が高く、電子デバイス、特に固体撮像素子の一部材として用いることで光取り出し効率を向上させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】


〔式(1)中、Rは式(2):
【化2】


(式(2)中、R〜Rは臭素原子、塩素原子、水素原子、又は1価の有機基であって、該有機基はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はその組み合わせであり、Rは分岐を有していても良い炭素数3〜10のアルキレン基であり、R〜Rのうち少なくとも3つは臭素原子又は塩素原子である。)で表され、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、若しくはエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、若しくはシアノ基を有する1価の有機基、又はそれらの組み合わせである。R及びRはそれぞれSi−C結合でケイ素原子と結合している。Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示す。aは1〜2の整数を、bは0〜1の整数を、a+bは1〜2の整数を示す。〕で示される加水分解性シラン。
【請求項2】
上記式(1)においてR〜Rのうち少なくとも3つが臭素原子であり、Rがプロピレン基又はイソプロピレン基である請求項1に記載の加水分解性シラン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された化合物から得られた加水分解物、又はその加水分解縮合物。
【請求項4】
上記式(1)と、更に下記式(3):
【化3】


(式中R10はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R11はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、aは0〜3の整数を示す。)及び式(4):
【化4】


(式中R12はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、リン酸基、アミド基、ニトロ基、アシル基、スルホン基、シアノ基、若しくはそれらの組み合わせを有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R13はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン基を示し、Yはアルキレン基又はアリーレン基を示し、bは0又は1の整数を示し、cは0又は1の整数である。)からなる群から選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせ、それら組み合わせた加水分解性シランの加水分解物、又はそれら組み合わせた加水分解縮合物。
【請求項5】
上記式(1)と上記式(3)〔但し、式(1)のR〜Rのうち少なくとも3つが臭素原子であり、且つRがプロピレン基又はイソプロピレン基である。〕からなる群から選ばれた少なくとも1種の加水分解性シランとの組み合わせ、それら組み合わせた加水分解性シランの加水分解物、又はそれら組み合わせた加水分解縮合物。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの組み合わせから作成された膜を備える電子デバイス。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの組み合わせから作成された膜を備えた電荷結合素子(CCD)又は相補性金属酸化膜半導体(CMOS)からなる固体撮像素子。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの組み合わせから作成された膜をカラーフィルター上の平坦化層として備えた固体撮像素子。
【請求項9】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の加水分解性シラン、その加水分解物、その加水分解縮合物、又はそれらの組み合わせから作成された膜をマイクロレンズ上の平坦化層又はコンフォーマル層として備えた固体撮像素子。

【公開番号】特開2010−100591(P2010−100591A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275512(P2008−275512)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】