説明

バッテリーパック

【課題】端子間の短絡を回避するようなバッテリーパックを提供する。
【解決手段】一側から延びた第1電極端子及び第2電極端子を備え、第1電極端子は露出面と非露出面とを備える、バッテリーセル;第1電極端子の非露出面と対向するように備えられ、かつ第1電極端子を収容する第1端子ガイドユニットを備える第1ケースと、バッテリーセルを介して第1ケースと結合する第2ケースと、を備えるケース;を備えるバッテリーパック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、充電の不可能な一次電池とは異なって、充放電の可能な電池をいい、携帯電話、PDA、ノート型パソコンなどの小型先端電子機器分野だけでなく、エネルギー保存システムに至るまで広く使われている。
【0003】
二次電池の組立て及び運搬時に、端子に導体が接触して正極と負極とが短絡される場合には、二次電池が発熱または発火するなどの大事故が発生する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、端子間の短絡を回避するようなバッテリーパックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、一側から延びた第1電極端子及び第2電極端子を備え、前記第1電極端子は露出面と非露出面とを備える、バッテリーセル;前記第1電極端子の非露出面と対向するように備えられ、かつ前記第1電極端子を収容する第1端子ガイドユニットを備える第1ケースと、前記バッテリーセルを介して前記第1ケースと結合する第2ケースと、を備えるケース;を備える。
【0006】
本発明の他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、第2ケースは、第2電極端子を収容する第2端子ガイドユニットを備え、前記第2電極端子は、露出面と非露出面とを備え、前記第2電極端子の非露出面が前記第2端子ガイドユニットと対向するように備えられる。
【0007】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第1端子ガイドユニット及び前記第2端子ガイドユニットは、互いに反対側に向かう。
【0008】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第1端子ガイドユニットは、前記第1端子ガイドユニットの端部から延び、前記第1電極端子の露出方向に沿って突出し、前記第1電極端子の厚さと同一か、またはそれより大きい高さを持つ突出部を備え、前記突出部は、前記第1端子ガイドユニットの端部のうち前記第2電極端子と近い端部に配される。
【0009】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第1端子ガイドユニットは、第1端子ガイドユニットの端部から延び、前記第1電極端子の露出方向に沿って突出し、前記第1電極端子の厚さと同一か、またはそれより大きい高さを持つ第2突出部をさらに備え、前記第2突出部は、前記第1端子ガイドユニットの端部のうち前記第2電極端子から遠い端部に配される。
【0010】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第1ケースの前記第2端子ガイドユニットは、第1クッション部を収容するための収容面を備え、前記第1クッション部は絶縁性の素材を含み、前記第1クッション部は、前記第1電極端子の非露出面と対向して接触するように備えられる。
【0011】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第2ケースの前記第2端子ガイドユニットは、第2クッション部を収容するための収容面を備え、前記第2クッション部は絶縁性の素材を含み、前記第2クッション部は、前記第2電極端子の非露出面と対向して接触するように備えられる。
【0012】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックは、熱を吸収及び放出する導電性素材を含み、前記第1電極端子の露出面と結合する第1導電性プレートをさらに備える。
【0013】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックは、熱を吸収及び放出する導電性素材を含み、前記第2電極端子の露出面と結合する第2導電性プレートをさらに備える。
【0014】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、第1クッション部は、耐熱性及び弾性を持つ素材を含む。
【0015】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第2クッション部は、耐熱性及び弾性を持つ素材を含む。
【0016】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第1クッション部は、シリコンで構成される。
【0017】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第2クッション部は、シリコンで構成される。
【0018】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、第1導電性プレートは、銅を含む。
【0019】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、第2導電性プレートは、銅を含む。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、第2端子ガイドユニットは、前記第2端子ガイドユニットの端部から延び、前記第2電極端子の露出方向に沿って突出し、前記第2電極端子の厚さと同一か、またはそれより大きい高さを持つ突出部を備え、前記突出部は、前記第2端子ガイドユニットの端部のうち前記第1電極端子と近い端部に配される。
【0021】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、第2端子ガイドユニットは、前記第2端子ガイドユニットの端部から延び、前記第2電極端子の露出方向に沿って突出し、前記第2電極端子の厚さと同一か、またはそれより大きい高さを持つ第2突出部を備え、前記第2突出部は、前記第2端子ガイドユニットの端部のうち前記第1電極端子から遠い端部に配される。
【0022】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第1導電性プレートは、前記第1端子ガイドユニットとネジ結合する。
【0023】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第2導電性プレートは、前記第2端子ガイドユニットとネジ結合する。
【0024】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックにおいて、前記第1ケースと前記第2ケースとは、同じ形状である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックの分解斜視図であって、バッテリーセルを省略して第1ケース及び第2ケースのみを示す斜視図である。
【図4】図3のバッテリーパックの組立て過程を一部抜粋して概略的に示す斜視図である。
【図5】図3のバッテリーパックの組立て過程を一部抜粋して概略的に示す斜視図である。
【図6】図3のバッテリーパックの組立て過程を一部抜粋して概略的に示す斜視図である。
【図7】図3のバッテリーパックの組立て過程を一部抜粋して概略的に示す斜視図である。
【図8】図3のバッテリーパックの組立て過程を一部抜粋して概略的に示す斜視図である。
【図9】図3のバッテリーパックの組立て過程を一部抜粋して概略的に示す斜視図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックを概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付した図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明らかになる。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現でき、但し、本実施形態は本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものあり、本発明は請求項の範ちゅうにより定義されるだけである。一方、本明細書で使われる用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で単数型は、文章で特に言及しない限り複数型も含む。明細書で使われる“含む”及び“備える”は、言及された構成要素、段階、動作及び/または素子において、一つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除しない。第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使われるが、構成要素は用語により限定されてはならない。用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。以下では、理解を助けるために、同じ部材については同じ部材番号を使用する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックを概略的に示す斜視図であり、図2は、図1の分解斜視図である。
【0028】
図面を参考にすれば、バッテリーパックは、バッテリーセル100及びバッテリーセル100を収容するケース200を備え、ケース200は、バッテリーセル100を中心として両側に配される第1ケース210と第2ケース220とを備える。
【0029】
バッテリーセル100は、正極端子110と負極端子120とで構成された一対の電極端子を備える。電極端子110、120は、バッテリーセル100の一側方向D3に沿って引き出され、電極端子110、120は所定の幅を持つ。バッテリーセル100は、2次電池であって充放電の可能なニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、リチウム−イオン電池、リチウムポリマー電池などでありうる。
【0030】
ケース200はバッテリーセル100を収容し、正極端子110と負極端子120とが露出される面が互いに反対方向に向かうように電極端子110、120を引き出すことができる。このために、ケース200は、バッテリーセル100を介して互いに結合できる第1ケース210と第2ケース220とを備える。ケース200は、電気絶縁性素材で形成できる。
【0031】
第1ケース210は、ほぼ長方形であって、バッテリーセル100の一面を包むように配される。第1ケース210は、一面が開放されたフレーム形状でバッテリーセル100のエッジを収容できる。第1ケース210には、後述する第2ケース220との結合のために複数のボス215a、215b、215cとホール216a、216bとを備え、バッテリーセル100の正極端子110を引き出すための第1端子ガイド部211を備える。
【0032】
第1端子ガイド部211は一定の幅を持つほぼ板状型であって、バッテリーセル100の正極端子110を収容するための収容面211aを備える。正極端子110の一面は、第1端子ガイド部211の収容面211aと対向するように配されて外部に露出されず、正極端子110の他面は外部に露出される。以下では、説明の便宜上、第1端子ガイド部211と対向するように配された正極端子110の一面を‘非露出面’といい、他面を‘露出面’という。
【0033】
第1クッション部310は、正極端子110の非露出面と第1端子ガイド部211の収容面211aとの間に備えられる。例えば、正極端子110は数mmの厚さを持つように薄く形成できる。薄い正極端子110に外部から衝撃が加えられれば、所定の剛性を持つ第1端子ガイド部211と接触しつつ裂けるか、またはスクラッチが発生するなどの損傷が起きる恐れがある。第1クッション部310は、所定の弾性を備えて外部に加えられる衝撃を緩和させることができるため、正極端子110の損傷を防止する。このために、第1クッション部310は、シリコンなどの弾性を持つ素材で形成される。一方、第1クッション部310は、電気の導通を目的としないため絶縁性を持ち、正極端子110で発生する熱に耐えるように耐熱性を備える。
【0034】
また、第1クッション部310は、正極端子110の露出面と接触する第1導電性プレート410との接触面積を広げるために、正極端子110を支持する役割を行う。後述するように、第1導電性プレート410は正極端子110の露出面と接触する。伝導の機能以外に放熱を円滑にするために、第1導電性プレート410と正極端子110の露出面との接触面積が広げれば広いほど望ましいが、このために第1クッション部310は、正極端子110を後ろで支持する。第1クッション部310によって正極端子110と第1導電性プレート410との接触面積が増大する。
【0035】
第1導電性プレート410は、正極端子110の露出面と接触するように配される。第1導電性プレート410は電気を導通させ、バッテリーパックが直列または並列に連結される時にコネクタの機能を行う。
【0036】
一方、第1導電性プレート410は、広い幅及び高さを持つ板状型に製作することで熱容量を増大させることができる。熱容量の大きい第1導電性プレート410を通じて正極端子110で発生する熱は、効果的に散逸される。第1導電性プレート410としては、熱伝導率及び電気伝導率が比較的高い銅(Cu)などの金属を使用できる。第1導電性プレート410は、正極端子110の露出面と接触した状態で第1端子ガイド部211とネジ結合される。
【0037】
第2ケース220はほぼ長方形であって、バッテリーセル100の他面を包むように配されて第1ケース210と結合する。第2ケース220も一面が開放されたフレーム形状であって、バッテリーセル100のエッジを収容できる。
【0038】
第2ケース220は、第1ケース210との結合のための複数のボス225a、225bとホール226a、226b、226cとを備える。この時、第2ケース220のボス225a、225bは、第1ケース210のホール216a、216bに対応し、第2ケース220のホール226a、226b、226cは、第1ケース210のボス215a、215b、215cに対応する。ボス215a、215b、215c、225a、225bは、各ケース210、220の内側に向かって突出した柱状である。ホール216a、216b、226a、226b、226cの断面はボス215a、215b、215c、225a、225bの断面と同じ形状であり、ホール216a、216b、226a、226b、226cの深さは、ボス215a、215b、215c、225a、225bの高さと同一か、またはさらに深く形成される。第2ケース220は、バッテリーセル100の負極端子120を一側方向に引き出すための第2端子ガイド部221を備える。
【0039】
第2端子ガイド部221は、一定の幅を備え、バッテリーセル100の負極端子120を収容する収容面221aを備える。負極端子120の一面は、第1端子ガイド部211の収容面221aと対向するように配されて外部に露出されず、負極端子120の他面は外部に露出される。以下では、説明の便宜のために、第2端子ガイド部221と対向するように配された負極端子120の一面を‘非露出面’といい、他面を‘露出面’という。
【0040】
正極端子110を収容するための第1端子ガイド部211の収容面221aはD1方向に向かう一方、負極端子120を収容するための第2端子ガイド部221の収容面221aは−D1の方向であって、互いに反対方向である。これらの端子ガイド部211、221を備える第1及び第2ケース210、220の構造及び結合によって、正極端子110と負極端子120との面は互いに反対方向に露出される。したがって、バッテリーパックの製造過程において、導体が正極端子110及び負極端子120と接触する端子間短絡による事故を回避できる。
【0041】
第2クッション部320は、負極端子120の非露出面と第2端子ガイド部221の収容面221aとの間に備えられて、負極端子120の損傷を防止し、負極端子120の露出面と第2導電性プレート420との接触面積を増大させるために負極端子120を支持する。第2クッション部320も第1クッション部310と同様に、耐熱シリコンなどの絶縁性、耐熱性及び弾性を持つ素材を含むことができる。
【0042】
第2導電性プレート420は、負極端子120の露出面と接触するように配される。第2導電性プレート420は、負極端子120と同じ幅及び高さを持つように形成して熱容量を増大させる。負極端子120で発生した熱は、第2導電性プレート420を通じて効果的に散逸される。第2導電性プレート420も、第1導電性プレート410と同様に、熱伝導率及び電気伝導率の比較的高い銅(Cu)などの金属を使用できる。第2導電性プレート420は、ネジを利用して第2端子ガイド部221と結合できる。
【0043】
本実施形態では、第1及び第2ケース210、220の中心部分が開放されたフレーム形状である場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1ケース210と第2ケース220との中心部分が開放されずに閉鎖された面であるか、または複数の孔の開いた状態でありうる。
【0044】
一方、本実施形態では、バッテリーパックを直列または並列に連結するためのコネクタとして導電性プレート410、420が組立てられる場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、クリップ状のコネクタを利用するか、またはワイヤーなどを利用して直列または並列連結してもよい。
【0045】
図3は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックであって、説明の便宜のためにバッテリーセル100を省略し、第1及び第2ケース210、220のみを示す斜視図である。
【0046】
本実施形態によるバッテリーパックも、正極端子110と負極端子120との一対の電極端子110、120を備えるバッテリーセル100を備え、バッテリーセル100の構成は、図1及び図2を参考にして説明したバッテリーセル100と同一である。
【0047】
一方、バッテリーセル100を介して第1ケース210と第2ケース220とが互いに結合でき、各ケース210、220は、それぞれ端子ガイド部211、221を備えて、電極端子110、120が互いに異なる方向に向かうように露出させる点も、前述した実施形態と同一である。そして、各電極端子110、120に対してクッション部310、320と導電性プレート410、420とが備えられる点も、前述した実施形態と同一である。
【0048】
ただし、本実施形態では、端子ガイド部211、221に突出部219、229がさらに備えられた点、及び第1ケース210と第2ケース220との相互結合のためのボス215a、215b、225a、226bとホール216a、216b、226a、226bとの配置状態で差がある。以下では、説明の便宜のために差異点を中心に説明する。
【0049】
まず、端子ガイド部211、221に形成された突出部219、229を説明する。
【0050】
端子ガイド部211、221は、電極端子110、120を収容する収容面211a、221aを備え、収容面211a、221aの両側には突出部219、229が形成される。突出部219、229は、電極端子110、120の露出方向に沿って突出しており、突出部219、229の高さは、電極端子110、120の厚さとクッション部310、320の厚さとの和と同一か、またはさらに高く形成される。
【0051】
突出部219、229は、電極端子110、120及び/または導電性プレート410、420を側面から保護して、電極端子110、120と導電性プレート410、420とが導体により短絡される事故を回避する。図1及び図2を参考にして前述したように、端子ガイド部211、222は、正極端子110の露出面と負極端子120の露出面とが互いに反対方向になるように電極端子110、120を引き出すため、短絡による事故を回避できる。これに加えて、突出部219、229を備えるため、短絡による事故をさらに効果的に回避できる。突出部219、229は絶縁性素材を含む。例えば、突出部219、229は、別途に製作された後で端子ガイド部221、222に固定されるか、または第1及び第2ケース210、220と同じ素材で射出成形される。
【0052】
本実施形態では、突出部219、229が端子ガイド部211、221の両側にいずれも備えられた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、端子ガイド部211、221の一側のみに形成される。
【0053】
次いで、ボス215a、215b、225a、226bとホール216a、216b、226a、226bとの配置状態を説明する。
【0054】
図3を参考にすれば、本実施形態による第1ケース210と第2ケース220とは同じ形状である。例えば、同じ金型を利用して形成された2個のケースのうち一つが第1ケース210であり、残りの一つが第2ケース220でありうる。
【0055】
第1ケース210に形成されたボス215a、215bとホール216a、216bとは、第1ケース210の長手方向に沿う軸を中心として左右対称になるように形成される。すなわち、第1ケース210の左側上端にボス215aが形成されているならば、右側上端にはホール216aが形成されており、左側下端にホール216bが形成されているならば、右側下端にはボス215bが形成されている。
【0056】
第2ケース220は第1ケース210と同じ形状であるため、第2ケース220に形成されたボス225a、225bとホール226a、226bとも、第2ケース220の長手方向に沿う軸を中心として左右対称になるように形成できる。すなわち、第2ケース220の左側上端にボス225aが形成されているならば、右側上端にはホール226aが形成されており、左側下端にホール226bが形成されているならば、右側下端にはボス225bが形成されている。第1ケース210と第2ケース220とが同じ射出成形物であるため、第2ケース220のボス225a、225bとホール226a、226bとは、第1ケース210のボス215a、215bとホール216a、216bと実質的に同一である。
【0057】
バッテリーセル100を介して、第1ケース210の内側面と第2ケース220の内側面とが対向するように配されるので、第1ケース210と第2ケース220とは左右が反転された状態でありうる。すなわち、第1ケース210の左右が反転された状態が、第2ケース220でありうる。左右が反転された第1ケース210と第2ケース220との配置によって、第1端子ガイド部211の収容面211aと第2端子ガイド部221の収容面221aとが露出される方向が反対方向になる。また、ボス215a、215b、225a、226bとホール216a、216b、226a、226bとは、互いに対応する位置に配されて、第1ケース210と第2ケース220とが互いに結合する。
【0058】
図3を参考にすれば、第1ケース210と第2ケース220とは、それぞれハーフボス217a、227aとハーフホール217b、227bとを備える。第1ケース210に形成されたハーフボス217aとハーフホール217bを説明すれば、ハーフボス217aは、ボス215a、215bを半分に分けた形状であり、ハーフホール217bは、ハーフボス217aの断面と同じ形状であって、ハーフボス217aの高さと同じ深さに形成されるか、またはさらに深く形成される。例えば、ハーフボス217aは、その断面が半円の柱状であり、ハーフホール217bは、その断面が半円のホールでありうる。第2ケース220に形成されたハーフボス227aとハーフホール227bも、第1ケース210に形成されたハーフボス217a及びハーフホール217bと同じ形状でありうる。
【0059】
本実施形態でハーフボス217a、227aとハーフホール217b、227bとの断面が半円である場合を説明したが、ハーフボス217a、227aとハーフホール217b、227bとの断面が一致するならば、その具体的な形態を制限しない。
【0060】
第1ケース210と第2ケース220とが左右の反転された状態に配されるので、第1ケース210のハーフボス217aと第2ケース220のハーフホール227bとが互いに対応し、第1ケース210のハーフホール217bと第2ケース220のハーフボス227aとが互いに対応するので、これらが挿入の方式を通じて結合できる。
【0061】
第1ケース210と第2ケース220とが同じ金型を利用して射出されるように、ハーフボス217a、227aとハーフホール217b、227bとは、各ケース210、220の中心を過ぎて長手方向に沿って平行な軸線上に位置できる。例えば、軸を基準としてその一側にハーフホール217b、227bが形成され、他側にはハーフボス217a、227aが形成される。
【0062】
図4ないし図9は、図3を参考にして説明した本発明のバッテリーパックの組立て過程による状態を示す斜視図であって、端子ガイド部211、221が備えられた側を抜粋して示す。
【0063】
図4を参考にすれば、第1端子ガイド部211が備えられた第1ケース210を配する。第1端子ガイド部211の収容面211aは、正極端子110を収容するのに十分なサイズであり、収容面211aの両側に突出部219が備えられる。
【0064】
図5を参考にすれば、第1端子ガイド部211の収容面211aに先ず第1クッション部310を配する。第1クッション部310が載置されるように、収容面211aには若干の段差が形成される。第1クッション部310は、例えば、耐熱接着剤を利用して第1端子ガイド部211に固定される。
【0065】
図6を参考にすれば、第1ケース210にバッテリーセル100を位置させる。この時、正極端子110が第1ケース210に載置される。第1ケース210には正極端子110に対する第1端子ガイド部211のみ備えられるので、負極端子120は第1ケース210と接触しない状態である。
【0066】
図7を参考にすれば、第1導電性プレート410は、正極端子110の露出面上に配する。この時、第1クッション部310が正極端子110を支持しているため、正極端子110と第1導電性プレート410との接触面が増大し、第1導電性プレート410の熱容量が大きくなるように成形して、正極端子110で発生した熱を、伝導性プレートを通じて有効に散逸させることができる。
【0067】
第1導電性プレート410は、ネジ700を利用して第1ケース210に固定される。ネジ700は、第1導電性プレート410に形成されたビアホールを通過した後、第1ケース210に形成されたネジ結合溝212と結合する。ネジ結合溝212の内側には、ネジ700と結合するためのネジ山が形成されている。
【0068】
さらに他の実施形態として、第1導電性プレート410ではないクリップ方式で、バッテリーパックの電極の直列または並列連結が行われる。この場合、本過程は省略できる。
【0069】
図8を参考にすれば、バッテリーセル100の上部に第2ケース220を配した後、第1ケース210と第2ケース220とを結合させる。図3を参考にして説明ように、第1及び第2ケース210、220には、ボス215a、215b、225a、226bとホール216a、216b、226a、226b及びハーフボス217a、227aとハーフホール217b、227bとが形成されているため、第1及び第2ケース210、220が互いに結合できる。
【0070】
この時、第2ケース220に備えられた第2端子ガイド部221の収容面221aには、図5を参考にして説明した通りの方式で第2クッション部320が固定された状態である。第1ケース210と第2ケース220との結合によって、負極端子120は、第2ケース220の第2端子ガイド部221に載置される。すなわち、負極端子120は第2クッション部320と接触する。
【0071】
図9を参考にすれば、図8の組立て状態のバッテリーパックをひっくり返した後、第2導電性プレート420が負極端子120の露出面と接触するように配する。第2導電性プレート420も、第1導電性プレート410と同様にネジ900を利用して第2ケース220に固定される。
【0072】
以上で説明した本発明の実施形態によれば、正極端子110と負極端子120とが互いに異なる方向に向かって露出されているため、端子間の短絡による事故を効果的に回避できる。それだけでなく、第1ケース210と第2ケース220とを、同じ金型を利用して射出成形することで、製作コスト及び製作時間が大きく低減される。
【0073】
また、第1ケース210と第2ケース220とは、ボス215a、215b、215c、225a、226bとホール216a、216b、226a、226b、226c及び/またはハーフボス217a、227aとハーフホール217b、227bとを通じて結合されるため、組立てが簡便である。
【0074】
図10は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパックを概略的に示す斜視図である。本実施形態によるバッテリーパックも、正極端子110と負極端子120との一対の電極端子110、120を備えるバッテリーセル100を備え、バッテリーセル100がケース200に収容されている点は、前述したバッテリーパックと同一であるので、以下では、差異点を中心として説明する。
【0075】
図10を参考にすれば、バッテリーセル100の正極端子110は、第1端子ガイド部211によって一面が絶縁されているが、負極端子120はその両面が露出されている。正極端子110の両側には突出部219が備えられて、負極端子120との短絡を防止できる。正極端子219の両側に備えられた突出部219のうち、特に負極端子120側に備えられた突出部219は、正極端子110と負極端子120との間の導体が落ちて短絡が発生することを回避する。
【0076】
たとえ本発明が前記の望ましい実施形態と関連して説明されたとしても、発明の要旨及び範囲から逸脱せずに多様な修正や変形をすることができる。したがって、特許請求の範囲には、本発明の要旨に属する限り、このような修正や変形を含む。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、バッテリーパック関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0078】
100 バッテリーセル
110 正極端子
120 負極端子
200 ケース
210 第1ケース
211 第1端子ガイド部
211a、221a 収容面
212、222 ネジ締結ホール
215a、215b、215c、225a、225b ボス
216a、216b、266a、266b、266c ホール
217a ハーフボス
217b ハーフホール
219、229 突出部
220 第2ケース
221 第2端子ガイド部
310 第1クッション部
320 第2クッション部
410 第1導電性プレート
420 第2導電性プレート
700、900 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側から延びた第1電極端子及び第2電極端子を備え、前記第1電極端子は露出面と非露出面とを備える、バッテリーセル;及び
前記第1電極端子の非露出面と対向するように備えられ、かつ前記第1電極端子を収容する第1端子ガイドユニットを備える第1ケースと、前記バッテリーセルを介して前記第1ケースと結合する第2ケースと、を備えるケース;を備えるバッテリーパック。
【請求項2】
第2ケースは、第2電極端子を収容する第2端子ガイドユニットを備え、前記第2電極端子は、露出面と非露出面とを備え、前記第2電極端子の非露出面が前記第2端子ガイドユニットと対向するように備えられる請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記第1端子ガイドユニット及び前記第2端子ガイドユニットは、互いに反対側に向かう請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記第1端子ガイドユニットは、前記第1端子ガイドユニットの端部から延び、前記第1電極端子の露出方向に沿って突出し、前記第1電極端子の厚さと同一か、またはそれより大きい高さを持つ突出部を備え、
前記突出部は、前記第1端子ガイドユニットの端部のうち前記第2電極端子と近い端部に配される請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記第1端子ガイドユニットは、第1端子ガイドユニットの端部から延び、前記第1電極端子の露出方向に沿って突出し、前記第1電極端子の厚さと同一か、またはそれより大きい高さを持つ第2突出部をさらに備え、
前記第2突出部は、前記第1端子ガイドユニットの端部のうち前記第2電極端子から遠い端部に配される請求項4に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記第1ケースの前記第2端子ガイドユニットは、第1クッション部を収容するための収容面を備え、前記第1クッション部は絶縁性の素材を含み、前記第1クッション部は、前記第1電極端子の非露出面と対向して接触するように備えられる請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記第2ケースの前記第2端子ガイドユニットは、第2クッション部を収容するための収容面を備え、前記第2クッション部は絶縁性の素材を含み、前記第2クッション部は、前記第2電極端子の非露出面と対向して接触するように備えられる請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
熱を吸収及び放出する導電性素材を含み、前記第1電極端子の露出面と結合する第1導電性プレートをさらに備える請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
熱を吸収及び放出する導電性素材を含み、前記第2電極端子の露出面と結合する第2導電性プレートをさらに備える請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
第1クッション部は、耐熱性及び弾性を持つ素材を含む請求項6に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記第2クッション部は、耐熱性及び弾性を持つ素材を含む請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記第1クッション部は、シリコンで構成される請求項10に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記第2クッション部は、シリコンで構成される請求項11に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
第1導電性プレートは、銅を含む請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
第2導電性プレートは、銅を含む請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項16】
第2端子ガイドユニットは、前記第2端子ガイドユニットの端部から延び、前記第2電極端子の露出方向に沿って突出し、前記第2電極端子の厚さと同一か、またはそれより大きい高さを持つ突出部を備え、
前記突出部は、前記第2端子ガイドユニットの端部のうち前記第1電極端子と近い端部に配される請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項17】
第2端子ガイドユニットは、前記第2端子ガイドユニットの端部から延び、前記第2電極端子の露出方向に沿って突出し、前記第2電極端子の厚さと同一か、またはそれより大きい高さを持つ第2突出部を備え、
前記第2突出部は、前記第2端子ガイドユニットの端部のうち前記第1電極端子から遠い端部に配される請求項16に記載のバッテリーパック。
【請求項18】
前記第1導電性プレートは、前記第1端子ガイドユニットとネジ結合する請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項19】
前記第2導電性プレートは、前記第2端子ガイドユニットとネジ結合する請求項9に記載のバッテリーパック。
【請求項20】
前記第1ケースと前記第2ケースとは、同じ形状である請求項2に記載のバッテリーパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−142289(P2012−142289A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−129(P2012−129)
【出願日】平成24年1月4日(2012.1.4)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】