説明

バリア層と共に粘弾性層を含む複合物品

第1及び第2の樹脂マトリックスを含む繊維強化樹脂マトリックスの第1及び第2の層と、i)少なくとも1つの粘弾性層と、ii)少なくとも1つのバリア層と、を含む、繊維強化樹脂マトリックスの第1の層と第2の層との間に位置決めされ、第1及び第2の樹脂マトリックスに結合されている粘弾性構造体と、を含む、繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体が提供される。いくつかの実施形態において、粘弾性構造体は、少なくとも1つの粘弾性層と組成が異なる少なくとも2つのバリア層を含み、少なくとも2つのバリア層は、前記第1及び第2の樹脂マトリックスに結合されている。いくつかの実施形態において、1つ以上のバリア層は有機溶媒に対して実質的に不透過性、及び/又は水に対して実質的に不透過性、及び/又はガスに対して実質的に不透過性であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2008年12月15日出願の米国特許仮出願第61/122637号の利益を主張するものであり、その開示の全内容を参照により本明細書に援用する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、繊維強化樹脂マトリックス又は繊維強化プラスチック(FRP)マトリックス複合材料積層体などの複合物品に関し、この複合物品は、繊維強化樹脂マトリックスの層の間に位置決めされ、かつこれらに結合されている粘弾性構造体を含み、この粘弾性構造体は、少なくとも1つの粘弾性層と少なくとも1つのバリア層とを含む。
【背景技術】
【0003】
繊維強化樹脂マトリックス又は繊維強化プラスチック(FRP)マトリックス複合材料積層体(「複合材料」)の利用は、これらが軽量、高強度及び剛性であることから、航空宇宙産業、自動車産業及びその他の輸送産業における種々の用途に広く受入れられている。繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体の工業用途への導入の最大の推進要因は、軽量化による利益及び性能強化である。航空機胴体部分及び翼構造体などの様々な航空機構成要素は、グラスファイバ及び炭素繊維強化複合材料から製造されている。強硬で軽量な材料、又は部品の圧密化が有益である航空機、風力発電機、自動車、スポーツ用品、家具、バス、トラック、ボート、列車の車両及び他の用途の多くの部品を製造するために、複合材料が使用されている。ほとんどの場合、繊維は、炭素、ガラス、セラミックス、又はアラミドで作製され、樹脂マトリックスは、有機熱硬化性又は熱可塑性材料である。これらの部品は、典型的には、真空下及び/又は加圧下で、20℃〜180℃、場合により最大230℃、及び場合により最大360℃の温度で製造される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要約すると、本開示は、第1及び第2の樹脂マトリックスを含む繊維強化樹脂マトリックスの第1及び第2の層と、i)少なくとも1つの粘弾性層と、ii)少なくとも1つのバリア層と、を含む、繊維強化樹脂マトリックスの第1の層と第2の層との間に位置決めされ、第1及び第2の樹脂マトリックスに結合されている粘弾性構造体と、を含む、繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体を提供する。いくつかの実施形態において、粘弾性層及びバリア層は同一の層であってもよい。いくつかの実施形態において、粘弾性構造体は、粘弾性層でもありバリア層でもある単一層を含む。いくつかの実施形態において、粘弾性構造体は、粘弾性層でもありバリア層でもある単一層である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの粘弾性層の組成は少なくとも1つのバリア層と異なる。いくつかの実施形態において、粘弾性層とバリア層とは同一の層であってもよく、又は異なる層であってもよい。いくつかの実施形態において、粘弾性構造体は、少なくとも1つの粘弾性層と組成が異なる少なくとも2つのバリア層を含み、少なくとも2つのバリア層は前記第1及び第2の樹脂マトリックスに結合されている。いくつかの実施形態において、1つ以上のバリア層は有機溶媒に対して実質的に不透過性、及び/又は水に対して実質的に不透過性、及び/又はガスに対して実質的に不透過性であってもよい。いくつかの実施形態において、粘弾性層は、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも1.0のピーク減衰比(Tanδ)を有してもよい。いくつかの実施形態において、粘弾性構造体は、樹脂マトリックスの組成と異なる組成を有する少なくとも1つの硬化接着剤層を更に含む。いくつかの実施形態において、繊維強化樹脂マトリックスの1つ以上の層は、少なくとも1つのコア層を更に含み、このコア層は、発泡体、木、又はハニカム構造体を任意に含んでもよい。
【0005】
別の態様において、本開示は、繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体の製造方法を提供し、該方法は、第1及び第2の硬化性樹脂マトリックスを含む第1及び第2の硬化性繊維強化樹脂マトリックスを提供する工程と、少なくとも1つの粘弾性層と、少なくとも1つのバリア層と、を含む粘弾性構造体を提供する工程と、積層体の所望の形状と逆の形状を有するツールを提供する工程と、ツールの中に、第1の硬化性繊維強化樹脂マトリックス、粘弾性構造体、及び第2の硬化性繊維強化樹脂マトリックスをこの順序でレイアップする工程と、硬化性樹脂マトリックスを硬化して繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体を製造する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、粘弾性層及びバリア層は同一の層であってもよい。いくつかの実施形態において、粘弾性構造体は、粘弾性層でもありバリア層でもある単一層を含む。いくつかの実施形態において、粘弾性構造体は、粘弾性層でもありバリア層でもある単一層である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの粘弾性層の組成は少なくとも1つのバリア層と異なる。いくつかの実施形態において、粘弾性層とバリア層とは同一の層であってもよく、又は異なる層であってもよい。いくつかの実施形態において、粘弾性構造体は、少なくとも1つの粘弾性層と組成が異なる少なくとも2つのバリア層を含み、少なくとも2つのバリア層は前記第1及び第2の樹脂マトリックスに結合されている。いくつかの実施形態において、1つ以上のバリア層は、有機溶媒に対して実質的に不透過性、及び/又は水に対して実質的に不透過性、及び/又はガスに対して実質的に不透過性であってもよい。いくつかの実施形態において、粘弾性層は、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも1.0のピーク減衰比(Tanδ)を有してもよい。いくつかの実施形態において、粘弾性構造体は、樹脂マトリックスの組成と異なる組成を有する少なくとも1つの硬化接着剤層を更に含む。いくつかの実施形態において、繊維強化樹脂マトリックスの1つ以上の層は、少なくとも1つのコア層を更に含み、このコア層は、発泡体、木、又はハニカム構造体を任意に含んでもよい。
【0006】
別の態様において、本開示は、少なくとも1つのバリア層に結合されている少なくとも1つの粘弾性層を含む粘弾性構造体を提供し、少なくとも1つのバリア層の組成は少なくとも1つの粘弾性層と異なる。いくつかの実施形態において、粘弾性構造体は、粘弾性層に結合されている少なくとも2つのバリア層を含み、典型的には、粘弾性層をバリア層の間に挟む。いくつかの実施形態において、1つ以上のバリア層は、有機溶媒に対して実質的に不透過性、及び/又は水に対して実質的に不透過性、及び/又はガスに対して実質的に不透過性であってもよい。いくつかの実施形態において、粘弾性層は、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも1.0のピーク減衰比(Tanδ)を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】以下の実施例に記載の比較用複合物品の概略的描写。
【図2】以下の実施例に記載の、本開示による粘弾性構造体を含む複合物品の概略的描写。
【図3】以下の実施例に記載の、本開示による粘弾性構造体を含む複合物品の概略的描写。
【図4】以下の実施例に記載の、本開示による粘弾性構造体を含む複合物品の概略的描写。
【図5】以下の実施例に記載の、本開示による粘弾性構造体を含む複合物品の概略的描写。
【図6】以下の実施例に記載の、本開示による粘弾性構造体を含む複合物品の概略的描写。
【発明を実施するための形態】
【0008】
繊維強化樹脂マトリックス又は繊維強化プラスチック(FRP)マトリックス複合材料積層体(「複合材料」)は、これらが軽量、高強度及び剛性であることから、航空宇宙産業、自動車産業及びその他の輸送産業における種々の用途に広く受入れられている。振動減衰及び騒音低減を含むことができる目的上、複合部材の中間層として粘弾性層が含まれ得る。
【0009】
本開示は、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの粘弾性層と、粘弾性層と複合材料のマトリックスとの間に位置決めされる少なくとも1つのバリア層とを含む少なくとも1つの中間粘弾性構造体を有する複合物品を提供する。より典型的には、粘弾性構造体は、少なくとも2つのバリア層を含み、それらの少なくとも1つは、粘弾性層の各面と複合材料のマトリックスとの間にある。いくつかの実施形態において、追加の粘弾性層及びバリア層が、物品内で交互配置される。
【0010】
代替実施形態において、本開示は、粘弾性層の間に位置決めされる少なくとも1つのバリア層を有する少なくとも2つの中間粘弾性層を含む粘弾性構造体を含む複合物品を提供する。いくつかの実施形態において、追加の粘弾性層及びバリア層が、物品内で交互配置される。
【0011】
粘弾性層
任意の好適な粘弾性材料を使用して粘弾性層を作製することができる。有用であり得る材料には、米国特許出願公開第2008/0139722号に開示のものを挙げることができ、当該出願の開示は参照により本明細書に組み込まれる。有用であり得る材料には、3M Company(St.Paul,Minnesota,USA)から入手可能な3M(商標)Ultra−Pure Viscoelastic Damping Polymer 242、3M(商標)Viscoelastic Damping Polymer Type 830、3M(商標)Viscoelastic Damping Polymer 110、VHB(商標)Adhesive Transfer Tapes 9469及び300MPを挙げることができる。いくつかの実施形態において、有用であり得る粘弾性層は、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも0.20のピーク減衰比(Tanδ)を有し得る。いくつかの実施形態において、有用であり得る粘弾性層は、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも0.30のピーク減衰比(Tanδ)を有し得る。いくつかの実施形態において、有用であり得る粘弾性層は、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも0.40のピーク減衰比(Tanδ)を有し得る。いくつかの実施形態において、有用であり得る粘弾性層は、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも0.60のピーク減衰比(Tanδ)を有し得る。いくつかの実施形態において、有用であり得る粘弾性層は、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも0.80のピーク減衰比(Tanδ)を有し得る。いくつかの実施形態において、有用であり得る粘弾性層は、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも1.0のピーク減衰比(Tanδ)を有し得る。
【0012】
バリア層
任意の好適なバリア層を使用してよい。いくつかの実施形態において、ポリマーバリア層は、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、ポリイミド、ポリブタジエン、エラストマー、エポキシ、フルオロポリマー、ポリカーボネート、これらの混合物から選択され得る。典型的には、ポリマーバリア層は、20℃〜180℃の温度で過度の流動又は質の低下なしに真空下及び/又は加圧下で硬化又は形成される部品を製造するのに使用することができる材料の層である。いくつかの実施形態では、ポリマーバリア層は完全に硬化される。いくつかの実施形態では、ポリマーバリア層は部分的に硬化され、典型的には少なくとも50%硬化され、より典型的には少なくとも60%硬化され、より典型的には少なくとも70%硬化され、より典型的には少なくとも80%硬化され、及びより典型的には少なくとも90%硬化される。いくつかの実施形態では、ポリマーバリア層は熱可塑性である。各バリア層は、典型的には、10ミル(0.254mm)未満、より典型的には6ミル(0.152mm)未満、より典型的には4ミル(0.102mm)未満、より典型的には3ミル(0.0762mm)未満、より典型的には2ミル(0.0508mm)未満、より典型的には1ミル(0.0254mm)未満、いくつかの実施形態では、0.75ミル(0.0191mm)未満、いくつかの実施形態では、0.60ミル(0.0152mm)未満、いくつかの実施形態では、0.50ミル(0.0127mm)未満、いくつかの実施形態では、0.25ミル(0.0063mm)未満、いくつかの実施形態では、0.10ミル(0.00254mm)未満、いくつかの実施形態では、0.05ミル(0.0013mm)未満、及びいくつかの実施形態では、0.01ミル(0.000254mm)未満の厚さを有する。各バリア層は、典型的には、少なくとも0.001ミル(0.0000254mm)の厚さを有する。典型的には、バリア層は、ガスに対して実質的に不透過性である。より典型的には、バリア層は、このバリア層がその一部分である複合材料の製造プロセスを通じて、ガスに対して実質的に不透過性であり続ける。いくつかの実施形態において、ガスに対して実質的に不透過性とは、35cm−mm/m/day/atm(350cm−mm/m/day/MPa)未満の酸素透過性を有することを意味する。典型的には、バリア層は水分に対して実質的に不透過性である。より典型的には、バリア層は、このバリア層がその一部分である複合材料の製造プロセスを通じて、水分に対して実質的に不透過性であり続ける。いくつかの実施形態において、水分に対して実質的に不透過性とは、30gm/m/day未満の湿気透過速度を有することを意味する。典型的には、バリア層は有機溶媒に対して実質的に不透過性である。より典型的には、バリア層は、このバリア層がその一部分である複合材料の製造プロセスを通じて、有機溶媒に対して実質的に不透過性であり続ける。いくつかの実施形態において、このような有機溶媒には、燃料、航空燃料、潤滑剤、油圧油等を挙げることができる。いくつかの実施形態では、有機溶媒に対して実質的に不透過性とは、21℃及び1気圧(101.3kPa)で溶媒に7日間曝露した後に10%未満の重量増加又は損失を呈することを意味する。いくつかの実施形態では、有機溶媒に対して実質的に不透過性とは、21℃及び1気圧(101.3kPa)で塩化メチレンに7日間曝露した後に10%未満の重量増加又は損失を呈することを意味する。いくつかの実施形態では、有機溶媒に対して実質的に不透過性とは、21℃及び1気圧(101.3kPa)でベンジルアルコールに7日間曝露した後に10%未満の重量増加又は損失を呈することを意味する。いくつかの実施形態では、有機溶媒に対して実質的に不透過性とは、21℃及び1気圧(101.3kPa)でガソリンに7日間曝露した後に10%未満の重量増加又は損失を呈することを意味する。いくつかの実施形態において、バリア層は非導電性である。より典型的には、バリア層は、このバリア層がその一部分である複合材料の製造プロセスを通じて、非導電性であり続ける。バリア層は、任意に、難燃成分又は添加剤を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、バリア層は、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、及びDuPont Films(Buffalo,NY)から入手可能なKapton(商標)などのポリイミドフィルムといった材料を含んでもよい。バリア層は透明及び無色であってもよく、用途に応じて、顔料又は染料などの着色剤を含んでもよい。バリア層は、これらの材料の合金であってもよく、任意に、難燃成分又はその他の添加剤、例えば、Alberdingk Boley GmbH.(Krefeld,Germany)からU933として入手可能な、紫外線吸収剤を含むポリウレタン/ポリカーボネートブレンド樹脂を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、バリア層は、フッ素化ポリマーなどの材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バリア層は過フッ素化フルオロポリマーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、バリア層は、フッ化ビニリデン(VDF)から誘導される相互重合(interpolymerized)単位を含み得るポリマーなどの非過フッ素化フルオロポリマーを含んでもよい。そのような材料は、典型的には、VDFから誘導される相互重合単位(これらは、ホモポリマー、若しくはヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、2−クロロペンタフルオロプロペン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロジアリルエーテル、パーフルオロ−1,3−ブタジエンなどの他のエチレン系不飽和モノマー、及び/又はその他の過ハロゲン化モノマーとのコポリマーであってよい)、並びに更に1つ以上の水素含有及び/又は非フッ素化オレフィン系不飽和モノマーから誘導される相互重合単位を、少なくとも約3重量%含む。このようなフッ素含有モノマーは、フッ素非含有の末端不飽和オレフィン系コモノマー(例えばエチレン又はプロピレン)と共重合させることもできる。有用なオレフィン系不飽和モノマーとしては、1−ヒドロペンタフルオロプロペン、2−ヒドロペンタフルオロプロペン等などのアルキレンモノマーを挙げることができる。このようなフルオロポリマーには、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデンターポリマー、及びヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデンコポリマーを挙げることができる。有用であり得る市販のフルオロポリマー材料には、例えば、Dyneon LLC(Oakdale,MN)から入手可能なTHV 200、THV 400、及びTHV 500フルオロポリマー、Solvay PolymersInc.(Houston,TX)から入手可能なSOLEF 11010及びSOLEF 11008、Arkema Inc.(Philadelphia,PA)から入手可能なKYNAR(登録商標)及びKYNAR FLEX(登録商標)PVDF、並びにDuPont Films(Buffalo,NY)から入手可能なTEFZEL LZ300フルオロポリマーを挙げることができる。この種類の更なる市販のフルオロエラストマー材料としては、例えば、Dyneon LLC(Oakdale,MN)から入手可能なFC−2145、FC−2178、FC−2210X、FC−2211、FC−2230、及びSolvay Polymers Inc.(Houston,TX)から入手可能なTechnoflon(登録商標)フルオロエラストマーが挙げられる。その他の有用なフッ素化ポリマーとしては、非過フッ素化ポリマーを挙げることができ、DuPont Films(Buffalo,NY)から入手可能なTEDLAR TAWl5AHSなどのポリ(フッ化ビニル)を挙げることができる。フルオロポリマーのブレンドも、本開示のバリア層を作製するのに使用することができる。この種類の市販のフルオロポリマー材料としては、例えば、Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha(Tokyo,JAPAN)からDX Filmとして入手可能なポリフッ化ビニリデン合金フィルムが挙げられる。2つの異なる種類の非過フッ素化フルオロポリマーのブレンドは、非過フッ素化フルオロポリマーと過フッ素化フルオロポリマーとのブレンドと同様に有用であり得る。更に、フルオロポリマーと非フルオロポリマー(例えば、ポリウレタン及びポリエチレンなど)のブレンドを使用することも可能である。
【0015】
本開示で使用されるバリア層は、キャスト法及び押出法を含み得る任意の好適な方法によって製造することができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、バリア層は透明及び無色であってもよく、又は用途に応じて、顔料又は染料などの着色剤を含んでもよい。典型的には、着色剤は、米国特許第5,132,164号に開示されているもののような無機顔料である。いくつかの実施形態において、顔料を1つ以上の非フッ素化ポリマーに混入してもよく、これを1つ以上のフッ素化ポリマーとブレンドすることができる。いくつかの実施形態において、バリア層は、既存のアップリケ又は塗料の色の系統に仕上げ及び/又は色を一致させることができる。
【0017】
所望により、面の少なくとも1つは、隣接する層が結合できるように処理することができる。このような処理方法としてはコロナ処理が挙げられ、特に、米国特許第5,972,176号(Kirkら)に開示されるような、窒素と、水素、アンモニア、及びそれらの混合物からなる群より選択される約0.1〜約10体積%の添加ガスとを含む雰囲気におけるコロナ放電が挙げられる。別の有用な処理方法としては、ナトリウムナフタレニドを使用する化学エッチングが挙げられる。このような処理方法は、Polymer Interface and Adhesion,Souheng Wu,Ed.,Marcel Dekker,Inc.,NY and Basel,pp.279〜336(1982)、及びEncyclopedia of Polymer Science and Engineering,Second Edition,Supplemental Volume,John Wiley & Sons,pp.674〜689(1989)に開示されている。別の有用な処理方法は、Acton Industries,Inc.(Pittston,PA)で利用可能なFLUOROETCH法である。フルオロポリマーの表面改質に有用なその他の処理としては、米国特許第6,630,047号(Jingら)及び同第6,685,793号(Jing)に開示されているもののような、フルオロポリマーの存在下で光吸収性の電子供与体を化学線に曝露する方法が挙げられる。その他の処理方法としては、プライマーなどの材料の使用が挙げられる。これらは、前述の表面処理法の代わりに使用したり併用したりすることができる。有用なプライマーの一例は、ADHESION PROMOTER #86A(液体プライマー、Minnesota Mining and Manufacturing Company(St.Paul,MN)から入手可能)である。
【0018】
粘弾性構造体
本開示による粘弾性構造体は、任意の好適な方法によって作製されてよい。典型的には、1つ以上の粘弾性層及び1つ以上のバリア層は、任意の好適な方法によって接合され、該方法には、ラミネーション、接着剤層の追加による接着剤結合、バリア層又は粘弾性層そのものの粘着性能による接着剤結合等が挙げられる。典型的には、粘弾性構造体の層は、複合物品の製造で使用する前に接合されるが、いくつかの実施形態では、層は複合物品の製造中に接合される。いくつかの実施形態では、単一材料が、バリア層及び粘弾性層の両方として機能してもよい。いくつかのそのような実施形態は、単一層の材料を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、バリア層と粘弾性層とは材料が異なってもよい。
【0019】
一実施形態において、本開示は、少なくとも1つのバリア層が積層される少なくとも1つの粘弾性層、より典型的には少なくとも2つのバリア層の間に積層される少なくとも1つの粘弾性層を含む粘弾性構造体(層状物品)、及び複合部材の製造にこの物品を使用する方法、並びにそのような積層物品で製造される複合部材を提供する。いくつかの実施形態において、層状物品は、単一ポリマーバリア層と単一粘弾性層とを含んでもよい。いくつかの実施形態において、層状物品は、2つのバリア層の間に挟まれた単一粘弾性層を含んでもよい。いくつかの実施形態において、層状物品は、1つを超えるポリマーバリア層を含んでもよい。いくつかの実施形態において、層状物品は、1つを超える粘弾性層を含んでもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、層状物品は充填剤材料を含まない。いくつかの実施形態において、層状物品は無機充填剤材料を含まない。いくつかの実施形態において、層状物品は有機充填剤材料を含まない。いくつかの実施形態において、層状物品は繊維状充填剤材料を含まない。いくつかの実施形態において、層状物品は非繊維状充填剤材料を含まない。いくつかの実施形態において、層状物品は粒子状充填剤材料を含まない。いくつかの実施形態において、層状物品は、織布スクリム又は不織布スクリムなどの任意の繊維状スクリムを含まない。
【0021】
複合物品
本開示による複合物品は、任意の好適な方法によって製造され得る。典型的には、硬化性繊維強化樹脂マトリックスプリプレグが使用されるが、他の実施形態では、複合物品を製造する際に、樹脂マトリックス及び繊維強化材が混合されてもよい。任意の好適な繊維又はマトリックス材料を使用してもよく、これらの多くが当該技術分野において既知である。典型的には、ツールを表す金型又は型枠を使用し、このツールは、積層体の所望の形状と逆の形状を有する。典型的には、1つ以上の硬化性繊維強化樹脂マトリックスをツールの中にレイアップし、続いて粘弾性構造体又はその構成要素をレイアップし、次に1つ以上の追加の(第2の)硬化性繊維強化樹脂マトリックスをレイアップする。その後、このレイアップを当該技術分野において既知の方法で硬化する。
【0022】
いくつかの実施形態において、複合物品は、少なくとも1つのコア層を更に含む。いくつかの実施形態において、コア層は、発泡体、木、又はハニカム構造体を含んでもよい。そのようなコア層は、複合物品の製造の際に、硬化性繊維強化樹脂マトリックス層の間にレイアップされてもよい。いくつかの実施形態において、層状物品はそのようなコア層を含まない。
【0023】
本開示の目的及び利点は以下の実施例によって更に例証されるが、これらの実施例に引用される具体的な物質及び量、並びにその他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0024】
他に言及のない限り、全ての試薬はウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)のAldrich Chemical Coから得た若しくは入手可能であり、又は既知の方法によって合成してもよい。
【0025】
方法
複合部材の一般的なツーリング及びバギング(Bagging)
以下の方法で硬化するために、硬化性エポキシ接着樹脂を有する複合材料の試験片を調製した。2B仕上げの12ゲージステンレス鋼合金304を2ft×2ft(0.610m×0.610m)にトリミングして平坦なツールを作製した。1ミル(0.0254mm)のPTFE非穿孔離形フィルム(Northern Fiber Glass Sales,Inc.からHTF−621として入手可能)をツールに適用し、このフィルムの縁部及び角部に適用された耐熱テープでツールに固定した。材料の各層を、実施例の本文に記載の順序及び配列でツールに適用した。最初に各層をツールに適用し、次にライナーなしで手で相互に重ね合わせ、直径1.5インチ(3.81cm)の木製ローラーを手の圧力を加えながら最上層の上に通過させて各層を前層と共に圧密化した。4層毎に、以下に記載の有孔離形フィルムの層、次に以下に記載の通気層の層で部材及びツールを覆い、部材を、3M製のScotchlite(商標)Vacuum Applicator Model VAL−1の中で完全な真空下で3分間ツールに対して圧縮し、その後に通気層及び有孔離形フィルムを除去し、更なる層をこの部材に追加した。Pilot Silver Markerを使用して部材の露出面上の1つの縁部に沿って一意の名前を適用して、各クーポンに永久的にマーク付けした。Richmond Aircraft ProductsからA5000として入手可能な有孔離形フィルムを皺が寄らないように適用して、クーポンの露出面を完全に覆った。クーポンの2インチ(5.08cm)以内でツールに1つの熱電対を取り付けた。以下に記載のオートクレーブのベッドに非穿孔離形フィルムの層を適用して、ツールが載置されている領域を覆った。ツール及び部材を以下に記載のオートクレーブのベッドに載置し、真空バッグ密封テープの連続ビードを、テープからツールまでの距離が少なくとも3インチ(7.62cm)になるようにオートクレーブのベッドに適用した。真空バッグ密封テープにかからないように、オートクレーブのベッドの上の露出した非穿孔離形フィルムを折曲げる又はトリミングした。不織布ポリエステル10オンス/ヤード(339g/m)フェルト通気層(Richmond Aircraft ProductsからRC−3000−10として入手可能)を、真空バッグ密封テープの四方の2インチ(5.08cm)以内まで延びるように、部材及びツールの上並びにびにオートクレーブのベッド上にオーバーレイした。3ミル(0.0762mm)の高温ナイロンバッグフィルム(bagging film)(Richmond Aircraft ProductsからHS8171として入手可能)を、部材及びツールを覆いかつ真空バッグ密封テープの四方まで又は四方を越えて延びるように、オートクレーブのベッドの上に緩く載置した。少なくとも1つの真空ポート組立体を真空バッグの中の通気層の上に設置し、フィルムを真空バッグ密封テープに押圧して真空バッグをオートクレーブのベッドの全ての縁部に沿って封止させた。
【0026】
複合部材の高圧硬化
硬化性エポキシ接着樹脂を有する複合材料の試験片を以下の方法で硬化した。「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に従って硬化するために、硬化性エポキシ接着樹脂を有する各複合材料の試験片を調製した。以下に記載のオートクレーブ内の真空システムに真空ポート組立体を取り付け、部材、ツール、離形フィルム、及び通気層を完全な真空下で5分間圧密化した。オートクレーブの中の制御システムに熱電対を取り付けた。次に、制御された温度及び圧力状況下で2つのオートクレーブ(一方はThermal Equipment Corporation製、他方はASC Process Systems製)のうちの一方の中で、以下の圧力及び温度プロファイルを用いて部材を硬化した。オートクレーブ内部の圧力を60psi(413.7kPa)まで上昇させ、オートクレーブ内の圧力が15psi(103.4kPa)に達したときに真空ポート組立体を取り外し、ラギングした熱電対の温度が177℃に達するまで温度を5°F/分(2.5℃/分)で上昇させた。120分間、圧力を60psi(413.7kPa)〜70psi(482.6kPa)に保ち、温度を177℃〜182℃に保った。ラギングした熱電対の温度が44℃に達するまで、5°F/分(2.5℃/分)の制御された速度で温度を低下させた。ラギングした熱電対の温度が66℃に達するまで圧力を60psi(413.7kPa)〜70psi(482.6kPa)に保ち、次にオートクレーブ内の圧力を空気中に排出した。硬化した複合材料の試験片をオートクレーブ、バッグ及びツールから取り出した。
【0027】
複合部材の低圧で1 1/2時間の硬化
硬化性エポキシ接着樹脂を有する複合材料の試験片を以下の方法で硬化した。「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に従って硬化するために、硬化性エポキシ接着樹脂を有する各複合材料の試験片を調製した。以下に記載のオートクレーブ内の真空システムに真空ポート組立体を取り付け、部材、ツール、離形フィルム、及び通気層を完全な真空下で5分間圧密化した。オートクレーブの中の制御システムに熱電対を取り付けた。次に、制御された温度及び圧力状況下で2つのオートクレーブ(一方はThermal Equipment Corporation製、他方はASC Process Systems製)のうちの一方の中で、以下の圧力及び温度プロファイルを用いて部材を硬化した。オートクレーブ内部の圧力を45psi(310.3kPa)まで上昇させ、オートクレーブ内の圧力が15psi(103.4kPa)に達したときに真空ポート組立体を取り外し、ラギングした熱電対の温度が177℃に達するまで温度を5°F/分(2.5℃/分)で上昇させた。90分間、圧力を40psi(275.8kPa)〜50psi(344.7kPa)に保ち、温度を177℃〜182℃に保った。ラギングした熱電対の温度が44℃に達するまで、5°F/分(2.5℃/分)の制御された速度で温度を低下させた。ラギングした熱電対の温度が66℃に達するまで圧力を40psi(275.8kPa)〜50psi(344.7kPa)に保ち、次にオートクレーブ内の圧力を空気中に排出した。硬化した複合材料の試験片をオートクレーブ、バッグ及びツールから取り出した。
【0028】
複合部材の低圧で2時間の硬化
硬化性エポキシ接着樹脂を有する複合材料の試験片を以下の方法で硬化した。「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に従って硬化するために、硬化性エポキシ接着樹脂を有する各複合材料の試験片を調製した。以下に記載のオートクレーブ内の真空システムに真空ポート組立体を取り付け、部材、ツール、離形フィルム、及び通気層を完全な真空下で5分間圧密化した。オートクレーブの中の制御システムに熱電対を取り付けた。次に、制御された温度及び圧力状況下で2つのオートクレーブ(一方はThermal Equipment Corporation製、他方はASC Process Systems製)のうちの一方の中で、以下の圧力及び温度プロファイルを用いて部材を硬化した。オートクレーブ内部の圧力を45psi(310.3kPa)まで上昇させ、オートクレーブ内の圧力が15psi(103.4kPa)に達したときに真空ポート組立体を取り外し、ラギングした熱電対の温度が177℃に達するまで温度を5°F/分(2.5℃/分)で上昇させた。120分間、圧力を40psi(275.8kPa)〜50psi(344.7kPa)に保ち、温度を177℃〜182℃に保った。ラギングした熱電対の温度が44℃に達するまで、5°F/分(2.5℃/分)の制御された速度で温度を低下させた。ラギングした熱電対の温度が66℃に達するまで圧力を40psi(275.8kPa)〜50psi(344.7kPa)に保ち、次にオートクレーブ内の圧力を空気中に排出した。硬化した複合材料の試験片をオートクレーブ、バッグ及びツールから取り出した。
【0029】
一般的な積層法
構造体の層を以下の通りの組み合わせ、順序、及び量で合体させた。積層工程の間に取り外し可能な支持材料を接合面から分離した。これらの層を、周囲条件(22℃;50%の相対湿度)で4インチ(10.16cm)のゴムローラーを使用して、2.5フィート/分(0.762m/分)の速度でGeppert Engineering Inc.のラミネータのニップに送り込んで積層した。
【0030】
中間組立体の実施例:
ポリウレタン/ポリカーボネートバリア層、200
次の方法でポリウレタン/ポリカーボネートバリア層を得た。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、AlberdingkからU933として入手可能な3%の紫外線吸収剤を有する100部の透明なポリウレタン/ポリカーボネート樹脂、及びNeoresins Inc.からNeocryl CX−100として入手可能な1.5部の多官能性アジリジン架橋剤を1リットルの細口瓶に加えた。この溶液を木製の舌圧子を使用して周囲条件(22℃;50%の相対湿度)で3分間撹拌して混合した。次に、最終ポリマー溶液を未処理の2ミル(0.0508mm)の透明なポリエステルフィルムの表面上に注ぎ、ベッド式ナイフ塗布ステーションを使用してコーティングした。ナイフとベッドとの間の間隙を、ポリエステル支持ウェブの厚さより1.5ミル(0.0381mm)大きく設定した。コーティングされた裏材を、Dispatch Oven Company社製の9ft(0.255m)の換気式の再循環オーブン内で55℃で1時間乾燥させた。乾燥後、ポリウレタン/ポリカーボネートフィルムの厚さは約0.5ミル(0.0127mm)であった。透明な紫外線吸収性ポリウレタン/ポリカーボネートフィルムが得られた。
【0031】
フルオロエラストマーバリア層、210
次の方法でフルオロエラストマーバリア層を得た。ポリマー溶液を調製した。より具体的には、Dyneon(商標)から入手可能なDyneon(商標)フルオロエラストマーFC2178(透明なフルオロエラストマー樹脂)1部を1リットルの細口瓶内の4重量部のMEKに加えた。次に、最終ポリマー溶液をシリコーン処理された4ミル(0.102mm)の剥離紙の表面上に注ぎ、ベッド式ナイフ塗布ステーションを使用してコーティングした。ナイフとベッドとの間の間隙を、1ミル(0.0254mm)の乾燥フィルムが得られるように設定した。コーティングされた裏材を、Dispatch Oven Company社製の9ft(0.255m)の換気式の再循環オーブン内で55℃で1時間乾燥させた。透明でUV安定性の液体抵抗性フルオロエラストマーフィルムが得られた。
【0032】
粘弾性材料(VEM)層の両側にバリア層を有する粘弾性構造体、10
図2を参照すると、粘弾性材料300及びポリウレタン/ポリカーボネートバリア層200を得て、修正された粘弾性構造体10を調製するために使用した。より具体的には、上記「一般的な積層法」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ積層した。最初に、上記「ポリウレタン/ポリカーボネートバリア層」による厚さ1/2ミル(0.0127mm)のバリア層200を、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に1.0を超えるピーク減衰比(Tanδ)を有する、3M Companyから3M(商標)Viscoelastic Damping Polymers Type 830として入手可能な厚さ2ミル(0.0508mm)の粘弾性ダンピングポリマー300の片面に接合した。上記「ポリウレタン/ポリカーボネートバリア層」による別の厚さ1/2ミル(0.0127mm)のバリア層200を、2ミル(0.0508mm)粘弾性ダンピングポリマー300の反対面に接合した。残っているライナー及び支持材料を全て除去して、厚さ3ミル(0.0762mm)の修正された粘弾性構造体10を得た。粘弾性材料300の特徴は、手で簡単に裂くことができ、自立状態でそれ自身を支持することができず、周囲条件(22℃;50%の相対湿度)で非常に粘着性であった。修正された粘弾性構造体10の特徴は、非常に弾性で、自立状態でフィルム状であり、周囲条件(22℃;50%の相対湿度)で粘着性を欠いていた。非粘着性で剛化された粘弾性構造体が得られた。
【0033】
VEM層の両側にフルオロエラストマーバリア層を有する粘弾性構造体、12
図5を参照すると、粘弾性材料300及びフルオロエラストマーバリア層210を得て、修正された粘弾性構造体12を調製するために使用した。より具体的には、上記「一般的な積層法」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ積層した。最初に、上記「ポリウレタン/ポリカーボネートバリア層」による厚さ1ミル(0.0254mm)のバリア層210を、3Mから3M(商標)Viscoelastic Damping Polymers Type 830として入手可能な厚さ2ミル(0.0508mm)の粘弾性ダンピングポリマー300の片面に接合した。上記「ポリウレタン/ポリカーボネートバリア層」による別の厚さ1ミル(0.0127mm)のバリア層210を、2ミル(0.0508mm)の粘弾性ダンピングポリマー300の反対面に接合した。残っているライナー及び支持材料を全て除去して、厚さ4ミル(0.102mm)の修正された粘弾性構造体12を得た。粘弾性材料300の特徴は、手で簡単に裂くことができ、自立状態でそれ自身を支持することができず、周囲条件(22℃;50%の相対湿度)で非常に粘着性であった。修正された粘弾性構造体12の特徴は、非常に弾性で、自立状態でフィルム状であり、周囲条件(22℃;50%の相対湿度)で粘着性を欠いていた。非粘着性で剛化された粘弾性構造体が得られた。
【0034】
VEM層の両側にフルオロポリマーバリア層を有する粘弾性構造体、13
図6を参照すると、粘弾性材料300及びフルオロポリマーバリア層211を得て、修正された粘弾性構造体13を調製するために使用した。より具体的には、上記「一般的な積層法」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ積層した。最初に、厚さ30ミクロンのバリア層ポリフッ化ビニリデン合金フィルム(Denka 211からDX Filmとして入手可能)を、3M 300から3M(商標)Viscoelastic Damping Polymers Type 830として入手可能な2ミル(0.0508mm)の粘弾性ダンピングポリマー300の片面に接合した。Denka 211からDX Filmとして入手可能な別の厚さ30ミクロンのバリア層ポリフッ化ビニリデン合金フィルムを、2ミル(0.0508mm)の粘弾性ダンピングポリマー300の反対面に接合した。残っているライナー及び支持材料を全て除去して、厚さ4ミル(0.102mm)の修正された粘弾性構造体13を得た。粘弾性材料300の特徴は、手で簡単に裂くことができ、自立状態でそれ自身を支持することができず、周囲条件(22℃;50%の相対湿度)で非常に粘着性であった。修正された粘弾性構造体13の特徴は、非常に弾性で、自立状態でフィルム状であり、周囲条件(22℃;50%の相対湿度)で粘着性を欠いていた。非粘着性で剛化された粘弾性構造体が得られた。
【0035】
2つのVEM層の両側及びそれらの間にバリア層を有する粘弾性構造体、11
図3を参照すると、粘弾性材料300、及び粘弾性材料301、並びにポリウレタン/ポリカーボネートバリア層200を得て、多層の修正された粘弾性構造体11を調製するために使用し、各粘弾性材料は、異なる温度で異なる振動数を緩衝するのに適した特性を有していた。より具体的には、上記「一般的な積層法」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ積層した。最初に、上記「ポリウレタン/ポリカーボネートバリア層」による厚さ1/2ミル(0.0127mm)のバリア層200を、3Mから3M(商標)Viscoelastic Damping Polymers Type 830として入手可能な厚さ2ミル(0.0508mm)のダンピングポリマー300の粘弾性フィルムの片面に接合した。上記「ポリウレタン/ポリカーボネートバリア層」による別の厚さ1/2ミル(0.0127mm)のバリア層200を、2ミル(0.0508mm)の粘弾性ダンピングポリマーフィルム300の反対面に接合した。このバリア層200に、3M Companyから3M(商標)Adhesive Transfer Tape 300MPとして入手可能な厚さ2ミル(0.0508mm)の粘弾性アクリルダンピングフィルム301を接合した。上記「ポリウレタン/ポリカーボネートバリア層」による別の厚さ1/2ミル(0.0127mm)のバリア層200を、粘弾性アクリルダンピングフィルム301の反対面に接合した。残っているライナー及び支持材料を全て除去して、厚さ5.5ミル(0.140mm)の多層の修正された粘弾性構造体11を得た。粘弾性材料300及び301の特徴は、手で簡単に裂くことができ、自立状態でそれ自身を支持することができず、周囲条件(22℃;50%の相対湿度)で非常に粘着性であった。修正された粘弾性構造体11の特徴は、非常に弾性で、自立状態でフィルム状であり、周囲条件(22℃;50%の相対湿度)で粘着性を欠いていた。非粘着性で剛化された多層粘弾性構造体が得られた。
【0036】
硬化実施例:
(比較用)繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体50C−VEM層の両側に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を有する
図1を参照すると、エポキシ樹脂含浸炭素繊維テープ及び粘弾性材料を得て、比較用の複合材料の試験片50Cを調製するために使用した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。最初に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維102をツールに適用した。次に、3M Companyから3M(商標)Viscoelastic Damping Polymers Type 830として入手可能な粘弾性ダンピングポリマー300の0.0508mm(2ミル)フィルムを適用した。最後に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性のグラファイト繊維102を適用した。この組立体の硬化性樹脂を上記「複合部材の高圧硬化」に記載の通りに硬化した。
【0037】
繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体51−VEM層の両側にCFRP及びバリア層を有する
図2を参照すると、エポキシ樹脂含浸炭素繊維テープ及び修正された粘弾性構造体を得て、複合材料の試験片51を調製するために使用した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。最初に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維102をツールに適用した。次に、粘弾性材料300の両側にバリア層200を有する厚さ3ミル(0.0762mm)の修正された粘弾性構造体10を適用した。最後に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性のグラファイト繊維102を適用した。この組立体の硬化性樹脂を上記「複合部材の高圧硬化」に記載の通りに硬化した。
【0038】
繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体52−2層のVEMの両側及びそれらの間にCFRP及びバリア層を有する
図3を参照すると、エポキシ樹脂含浸炭素繊維テープ及び多層の修正された粘弾性構造体を得て、複合材料の試験片52を調製するために使用した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。最初に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維102をツールに適用した。次に、2層の粘弾性材料301、300の両側及びこれらの間にバリア層200を有する厚さ5.5ミル(0.140mm)の多層の修正された粘弾性構造体11を適用した。最後に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性のグラファイト繊維102を適用した。この組立体の硬化性樹脂を上記「複合部材の高圧硬化」に記載の通りに硬化した。
【0039】
繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体54−フルオロエラストマーバリア層の両側にCRFPを有する
図4を参照すると、エポキシ樹脂含浸炭素繊維テープ及びフルオロエラストマー材料を得て、複合材料の試験片54を調製するために使用した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。最初に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維102をツールに適用した。次に、上記「フルオロエラストマーバリア層」による厚さ1ミル(0.0254mm)のフルオロエラストマーバリア層210の2枚のフィルムを、全厚さが2ミル(0.0508mm)になるように相互に重ね合わせて適用した。最後に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性のグラファイト繊維102を適用した。この組立体の硬化性樹脂を上記「複合部材の高圧硬化」に記載の通りに硬化した。
【0040】
繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体55−VEM層の両側にCRFP及びフルオロエラストマーバリア層を有する
図5を参照すると、エポキシ樹脂含浸炭素繊維テープ及び修正された粘弾性構造体を得て、複合材料の試験片55を調製するために使用した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。最初に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維102をツールに適用した。次に、粘弾性材料300の両側に、上記「フルオロエラストマーバリア層」による厚さ4ミル(0.102mm)のフルオロ弾性バリア層210を有する修正された粘弾性構造体12を適用した。最後に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性のグラファイト繊維102を適用した。この組立体の硬化性樹脂を上記「複合部材の高圧硬化」に記載の通りに硬化した。
【0041】
繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体56−VEM層の両側にCRFP及びフルオロポリマーバリア層を有する
図6を参照すると、エポキシ樹脂含浸炭素繊維テープ及び修正された粘弾性構造体を得て、複合材料の試験片56を調製するために使用した。より具体的には、上記「複合部材の一般的なツーリング及びバギング」に記載の通りに以下の材料を組み立てかつ調製した。最初に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性グラファイト繊維102をツールに適用した。次に、粘弾性材料300の両側にフルオロポリマーバリア層211を有する厚さ4ミル(0.102mm)の修正された粘弾性構造体13を適用した。最後に、TorayからP2353U 19 152として入手可能な4層のエポキシ樹脂含浸単向性のグラファイト繊維102を適用した。この組立体の硬化性樹脂を上記「複合部材の高圧硬化」に記載の通りに硬化した。
【0042】
評価
硬化後、繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体50C、51、52、54、55、及び56からのクーポンをダイヤモンドソーで17.5mm×6.0mmの試験片にトリミングした。全試料は複合材料レイアップ内に振動減衰層を含んでいた。各試料を、多周波歪み単一片持ちばりモード(multi-frequency strain single cantilever mode)で、TA Instruments Dynamic Mechanical Thermal Analyzer(DMTA)上にて、周波数0.1、1.0、10及び100Hzで、−60℃〜60℃の温度範囲での5℃の増分で試験した。タンデルタ特性を構造体の振動減衰能の尺度として用いた。最大タンデルタ(ピーク減衰比(Tanδ)、又はピークタンデルタ)測定値の結果を表1に報告する。バリア層を有する実施例は、バリア層を有さない比較例50Cを13%〜293%上回るタンデルタの増加を呈した。
【0043】
【表1】

【0044】
本開示の様々な修正及び変更は、本開示の範囲及び原理から逸脱することなく当業者には明白であり、また、本発明は、上記で説明した例示的な実施形態に不当に限定して理解すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体であって、
a)第1の樹脂マトリックスを含む繊維強化樹脂マトリックスの第1の層と、
b)第2の樹脂マトリックスを含む繊維強化樹脂マトリックスの第2の層と、
c)
i)少なくとも1つの粘弾性層と、
ii)少なくとも1つのバリア層と、を含む、前記繊維強化樹脂マトリックスの第1の層と第2の層との間に位置決めされ、前記第1及び第2の樹脂マトリックスに結合されている粘弾性構造体と、
を含み、
前記粘弾性層及びバリア層が同一の層であってもよく、異なる層であってもよい、繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体。
【請求項2】
前記粘弾性構造体が、粘弾性層でもありバリア層でもある単一層を含む、請求項1に記載の繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体。
【請求項3】
前記粘弾性構造体が、粘弾性層でもありバリア層でもある単一層である、請求項1に記載の繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体。
【請求項4】
少なくとも1つの粘弾性層の組成が少なくとも1つのバリア層と異なる、請求項1に記載の繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体。
【請求項5】
前記粘弾性構造体が、少なくとも1つの粘弾性層と組成が異なる少なくとも2つのバリア層を含み、前記少なくとも2つのバリア層が前記第1及び第2の樹脂マトリックスに結合されている、請求項4に記載の繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体。
【請求項6】
前記バリア層が、有機溶媒に対して実質的に不透過性である、請求項1に記載の繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体。
【請求項7】
前記バリア層が、水、有機溶媒、及びガスに対して実質的に不透過性である、請求項1に記載の繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体。
【請求項8】
前記粘弾性層の少なくとも1つが、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも1.0のピーク減衰比(Tanδ)を有する、請求項1に記載の繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体。
【請求項9】
前記粘弾性構造体が、前記樹脂マトリックスの組成と異なる組成を有する少なくとも1つの硬化接着剤層を更に含む、請求項1に記載の繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体。
【請求項10】
前記繊維強化樹脂マトリックスの第1及び第2の層の少なくとも一方が、発泡体、木、又はハニカム構造体の少なくとも1つのコア層を更に含む、請求項1に記載の繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体。
【請求項11】
繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体の製造方法であって、
a)第1の硬化性樹脂マトリックスを含む第1の硬化性繊維強化樹脂マトリックスを提供する工程と、
b)第2の硬化性樹脂マトリックスを含む第2の硬化性繊維強化樹脂マトリックスを提供する工程と、
c)
i)少なくとも1つの粘弾性層と、
ii)少なくとも1つのバリア層と、を含む粘弾性構造体を提供する工程であって、
ここで、前記粘弾性層及びバリア層は同一の層であってもよく、異なる層であってもよい、工程と、
d)前記積層体の所望の形状と逆の形状を有するツールを提供する工程と、
e)前記ツールの中に、前記第1の硬化性繊維強化樹脂マトリックス、前記粘弾性構造体、及び前記第2の硬化性繊維強化樹脂マトリックスをこの順序でレイアップする工程と、
f)前記硬化性樹脂マトリックスを硬化して繊維強化樹脂マトリックス複合材料積層体を製造する工程と、
を含む方法。
【請求項12】
前記粘弾性構造体が、粘弾性層でもありバリア層でもある単一層を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記粘弾性構造体が、粘弾性層でもありバリア層でもある単一層である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの粘弾性層の組成が少なくとも1つのバリア層と異なる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記粘弾性構造体が、少なくとも1つの粘弾性層と組成が異なる少なくとも2つのバリア層を含み、前記少なくとも2つのバリア層が前記第1及び第2の樹脂マトリックスに結合される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記バリア層が、有機溶媒に対して実質的に不透過性である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記バリア層が、水、有機溶媒、及びガスに対して実質的に不透過性である、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記粘弾性層の少なくとも1つが、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも1.0のピーク減衰比(Tanδ)を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記粘弾性構造体が、前記樹脂マトリックスの組成と異なる組成を有する少なくとも1つの硬化接着剤層を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記繊維強化樹脂マトリックスの第1及び第2の層の少なくとも一方が、発泡体、木、又はハニカム構造体の少なくとも1つのコア層を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
i)少なくとも1つのバリア層に結合されている少なくとも1つの粘弾性層と、
ii)前記少なくとも1つのバリア層と、
を含む粘弾性構造体であって、
少なくとも1つのバリア層の組成が少なくとも1つの粘弾性層と異なる、粘弾性構造体。
【請求項22】
粘弾性層に結合されている少なくとも2つのバリア層を含む、請求項21に記載の粘弾性構造体。
【請求項23】
前記バリア層が、有機溶媒に対して実質的に不透過性である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記バリア層が、水、有機溶媒、及びガスに対して実質的に不透過性である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記粘弾性層の少なくとも1つが、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも1.0のピーク減衰比(Tanδ)を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記バリア層が、有機溶媒に対して実質的に不透過性である、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記バリア層が、水、有機溶媒、及びガスに対して実質的に不透過性である、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記粘弾性層の少なくとも1つが、10HzでDMTAによってせん断モードで測定した場合に、少なくとも1.0のピーク減衰比(Tanδ)を有する、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−512076(P2012−512076A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542326(P2011−542326)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/067999
【国際公開番号】WO2010/077849
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】