バリア液晶装置及び立体画像表示装置
【課題】 縦ストライプと横ストライプを切り替え可能とし、かつ、外部から入射する電磁ノイズや静電気を遮蔽する。
【解決手段】 バリア液晶パネル2を構成する基板5の表面に、第一バリア画素D1と第二バリア画素D2が縦方向に交互に配列され、第一バリア画素D1と第三バリア画素D3が横方向に交互に配列されている。液晶層8を介して基板5と対向する対向基板6には、表示領域の全面を覆う対向電極4が形成されている。第三バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を、第一バリア画素と第二バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧を印加する駆動信号を供給して縦ストライプのバリア表示を行う。あるいは、第二バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を、第一バリア画素と第三バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧を印加する駆動信号を供給して横ストライプのバリア表示を行う。
【解決手段】 バリア液晶パネル2を構成する基板5の表面に、第一バリア画素D1と第二バリア画素D2が縦方向に交互に配列され、第一バリア画素D1と第三バリア画素D3が横方向に交互に配列されている。液晶層8を介して基板5と対向する対向基板6には、表示領域の全面を覆う対向電極4が形成されている。第三バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を、第一バリア画素と第二バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧を印加する駆動信号を供給して縦ストライプのバリア表示を行う。あるいは、第二バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を、第一バリア画素と第三バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧を印加する駆動信号を供給して横ストライプのバリア表示を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルに表示された画像を立体的に見るためのバリア液晶装置及びこれを用いた立体画像表示装置に関する。特に、表示パネルを回転させて縦画面と横画面の表示に対応可能なバリア液晶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示画像を立体的に見る方式として、裸眼方式と眼鏡を着用する方式がある。眼鏡を着用する方式としてヘッドマウントディスプレイや偏光メガネを用いた方式が実用化されている。しかし、携帯機器等の表示画像を見るときに、眼鏡等を着用するのは不便である。その点、裸眼方式はそのような不便さはなく、モバイル用途の表示装置に適している。
【0003】
裸眼方式として視差バリア方式が知られている。視差バリア方式は、表示パネルの表面又は裏面にバリアパネルを設置する。表示パネルは、その表示画面の縦ラインごとに左画像と右画像を表示する。バリアパネルは、表示パネルの縦ラインのピッチにほぼ合った縦ストライプの遮光マスクである。即ち、観察者がバリアパネルを通して表示パネルを見ると、例えば、右眼では表示パネルの奇数番目の縦ラインは見えるが、偶数番目の縦ラインはバリアパネルで遮蔽されて見えない。一方、左眼では表示パネルの偶数番目の縦ラインは見えるが奇数番目の縦ラインはバリアパネルで遮蔽されて見えない。そして、表示パネルの縦ラインに一ラインごとに左眼用の左画像と右眼用の右画像を表示させることにより、観察者は裸眼で1つの表示パネルから左右の画像を同時に見ることができ、立体的な画像として認識することができる。
【0004】
近年の携帯機器では、表示パネルを回転可能として縦長(ポートレートタイプ)でも横長(ランドスケープタイプ)でも観察できるようになっている。しかし、視差バリア方式では表示パネルにバリアパネルが固定されているため、表示パネルを回転させるとバリアパネルの縦ストライプも回転してしまい、左右の眼の視差を利用した立体画像を見ることができない。そこで、ストライプの方向を切り替え可能とし、表示パネルが回転しても縦方向のストライプが表示できるバリア液晶パネルが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
図10は特許文献1に開示されたバリア液晶パネル90の断面図である。第1基板91と第2基板92の間に液晶93が封入されている。第1基板と第2基板の内表面(液晶93側の表面)に形成された電極の形状を、それぞれ図11(a)、(b)に模式的に示す。図11(a)に示すように、第1基板91にはx方向に細長い帯状の第1電極94と第2電極96がかみ合うように形成されている。また、複数の第1電極94は第1連結電極95により電気的に接続されている。これを、第1電極セット81と称す。同様に、複数の第2電極96は第2連結電極96により電気的に接続されている。これを、第2電極セット82と称す。したがって、第1電極セット81と第2電極セット82の電極は櫛歯状である。一方、図11(b)に示すように、第2基板92にはy方向に細長い帯状の第3電極98と第4電極99がかみ合うように形成されている。また、複数の第3電極98は第3連結電極により電気的に接続されている。これを、第3電極セット83と称す。また、複数の第4電極99は第4連結電極により電気的に接続されている。これを、第4電極セット84と称す。第3電極セット83と第4電極セット84の電極も櫛歯状である。
【0006】
バリア液晶パネル90は電圧無印加時には不透明状態を維持する。即ち、バリア液晶パネル90はノーマリブラック状態に構成されている。図11(b)に示すように、第2基板92の第4電極セット84のみに交番電圧を印加する。そして、第1基板91の第1電極セット81と第2電極セット82をGNDに接続することにより、縦方向にストライプ状の透過領域が形成される。
【0007】
バリア液晶パネル90を表示パネルの上に設置する。右眼で見える表示画素列に右画像を、左眼で見える表示画素列に左画像を表示させることにより、立体画像が認識できる。この表示パネルを90°回転させて横向きとした時は、第1基板91の第1電極セット81のみに交番電圧を印加し、第2基板92の第3電極セット83と第4電極セット84をGNDに接続する。これにより、やはり縦方向にストライプ状の透過領域が形成される。表示パネルの右眼で見える表示画素列に右画像を、左眼で見える表示画素列に左画像を表示させることにより、立体画像が認識される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−243710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のバリア液晶パネル90は、第1基板91と第2基板92のいずれにも電極間に隙間が形成されている。例えば、第1基板91の第1電極セット81と第2電極セット82には間隙が存在する。また、第2基板92の第3電極セット83と第4電極セット84にも間隙が存在する。そのため、外界からバリア液晶パネル90を通して表示パネルに電磁ノイズや静電気が侵入し、内部素子やTFT(薄膜トランジスタ)の動作が阻害されたり、破壊されたりする。そこで、本発明は、外界からの電磁ノイズや静電気に対する保護機能を備えたバリア表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のバリア表示装置は、第一バリア画素と第二バリア画素が縦方向に交互に配置されるとともに、第一バリア画素と第三バリア画素が横方向に交互に配置された基板と、第一バリア画素と第二バリア画素と第三バリア画素のすべてのバリア画素と対向するように対向電極が形成された対向基板と、基板と対向基板を所定の間隙を持って接合するシール材と、この間隙に封入した液晶層と、第一バリア画素、第二バリア画素、第三バリア画素及び対向電極に駆動信号を供給する駆動部を備えている。駆動部は、第三バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を供給し、第一バリア画素と第二バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加されるような駆動信号を供給して縦ストライプのバリア表示を行う。あるいは、第二バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を供給し、第一バリア画素と第三バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加されるような駆動信号を供給して横ストライプのバリア表示を行う。このようにして、縦方向のストライプと横方向のストライプを切り替えてバリア表示することができる。
【0011】
ここで、第三バリア画素と対向電極に供給する同一の駆動信号、あるいは、第二バリア画素と対向電極に供給する同一の駆動信号を一定電圧とした。また、この一定電圧をGNDの電位とした。
【0012】
また、縦ストライプのバリア表示の場合に、第一バリア画素に供給する駆動信号と第二バリア画素に供給する駆動信号を互いの極性が反対の交番電圧とした。また、横ストライプのバリア表示の場合に、第一バリア画素に供給する駆動信号と第三バリア画素に供給する駆動信号を、互いの極性が反対の交番電圧とした。
【0013】
また、対向基板の観察者側にタッチパネルを配置することとした。このとき、対向基板の上面にタッチパネルを構成する検出用電極を形成することとした。
【0014】
さらに、本発明の立体表示装置は、右目用の画像と左目用の画像を同時に表示する表示パネル観察者側に、上述したいずれかの構成のバリア液晶装置を配置することとした。
【発明の効果】
【0015】
本発明のバリア表示装置によれば、対向基板に表示領域の全面を覆うようにベタ形状の対向電極を形成したにもかかわらず、縦方向のストライプと横方向のストライプを切り替えてバリア表示することができる。そのため、表示面に入射する電磁ノイズや静電気の遮断と、バリアストライプの方向を可変にすることが、ともに可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1のバリア液晶装置の説明図である。
【図2】実施例1のバリア液晶装置のバリア表示状態を表す模式図である。
【図3】実施例2のバリア液晶装置の説明図である。
【図4】実施例3の立体画像表示装置の説明図である。
【図5】カラー表示パネルの画素とバリア液晶装置のバリアの関係を表す図である。
【図6】実施例4のバリア液晶装置の説明図である。
【図7】実施例1のバリア液晶パネルを通して観察するカラー表示画素を説明する図である。
【図8】実施例4のバリア液晶パネルを通して観察するカラー表示画素を説明する図である。
【図9】実施例5のバリア液晶装置の説明図である。
【図10】従来公知のバリア液晶パネルの断面図である。
【図11】従来公知のバリア液晶パネルの基板に形成された電極形状を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のバリア表示装置は、基板と対向基板の間に液晶層が封入されたバリア液晶パネルと、このバリア液晶パネルを駆動する駆動部を備えている。基板には、その液晶層側の表面に、第一バリア画素と第二バリア画素が縦方向に交互に配置されるとともに、第一バリア画素と第三バリア画素が横方向に交互に配置されている。対向基板は、その液晶層側の表面に、第一バリア画素、第二バリア画素及び第三バリア画素のいずれにも対向するように形成された対向電極を有している。すなわち、対向基板には、表示領域の全面を覆うベタ形状の対向電極が形成されている。
【0018】
駆動部は、第三バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を供給し、第一バリア画素と第二バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加するような駆動波形を供給して縦ストライプのバリア表示を行う。あるいは、第二バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を供給し、第一バリア画素と第三バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加するような駆動信号を供給して横ストライプのバリア表示を行う。このように、駆動部は縦方向のストライプと横方向のストライプを切り替えてバリア表示することができる。ここで、対向基板の対向電極がバリア表示領域の全面を覆うように形成されているので、表示面に入射する電磁ノイズを遮蔽して内部素子の誤動作を防ぎ、同時に静電気による素子破壊が防止できる。
【0019】
また、縦ストライプ時に第三バリア画素と対向電極に供給する同一の駆動信号、あるいは、横ストライプ時に第二バリア画素と対向電極に供給する同一の駆動信号の波形を一定電圧とした。これにより、バリア液晶装置から外部に放射される電磁ノイズが低減する。更に、この定電圧をGND電位とすることにより、外部から侵入する電磁ノイズや外部へ放射する電磁ノイズを遮蔽することができる。
【0020】
また、駆動部は、縦ストライプのバリア表示を行う場合には、第一バリア画素と第二バリア画素に互いに極性が反対の交番電圧を供給し、横ストライプのバリア表示を行う場合には、第一バリア画素と第三バリア画素に互いに極性が反対の交番電圧を供給する。同一平面に形成した隣接するバリア電極に互いに極性が反対の交番電圧が印加されるので、電磁ノイズの発生が抑制される。そのため、近接する表示パネルやタッチパネルに放射される電磁ノイズが減少し、表示パネルやタッチパネルの誤動作を防止する効果がある。
【0021】
更に、複数の第一バリア画素を縦方向に接続する第一連結配線と、複数の第二バリア画素を縦方向に接続する第二連結配線と、複数の第三バリア画素を縦方向に接続する第三連結配線は、縦方向に並列に設置されている。そして、複数の第一バリア画素と第一連結配線で第一バリア電極を、複数の第二バリア画素と第二連結配線で第二バリア電極を、複数の第三バリア画素と第三連結配線で第三バリア電極を構成している。このとき、対向基板には、対向電極と電気的に分離されたジャンパ電極が形成されており、第一バリア電極と第二バリア電極と第三バリア電極のいずれか一つのバリア電極が、シール材に混入された導電材によりジャンパ電極に電気的に接続されている。
【0022】
また、第三連結配線を、縦方向に隣接する第三バリア画素間を斜めに結ぶ配線とした。右眼用の画像と左眼用の画像を異なるラインで同時に表示する表示パネルの観察者側にバリア液晶装置を設けた構成の立体画像表示装置では、表示パネルの一つの画素がR(赤)G(緑)B(青)のサブピクセルから構成される場合に、サブピクセルの間にブラックマスクが設置される。そのため、第三バリア画素電極に電圧を印加して横方向のストライプを表示させたときに、第三連結配線はこのストライプに直交する方向に細いストライプが表示される。そのため、見る角度を少し変化させただけで表示パネルのブラックマスクとバリア表示パネルの細いストライプが重なる場合と重ならない場合が生じ、表示の明るさが大きく変化する。そこで、第三連結配線を斜め方向に形成する。その結果、サブピクセル間のブラックマスクとバリア表示パネルの細いストライプとの間の重なりが見る角度に対して均等化され、立体表示の表示品質が向上する。
以下、本発明に係る実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
(実施例1)
本実施例のバリア液晶装置1を図1に基づいて説明する。図1(a)はバリア液晶パネル2と駆動部9を備えるバリア液晶装置1の断面構成を示す模式図であり、図1(b)は基板5に形成された電極を模式的に示す平面図であり、図1(c)は対向基板6に形成された電極を模式的に示す平面図である。図1(a)に示すように、基板5と対向基板6はそれぞれの電極が対向するようにシール材7により接合されている。基板5と対向基板6の間には液晶層8が設けられ、基板5の表面にはバリア電極Lが、対向基板6の表面には対向電極4が形成されている。駆動部9はバリア電極Lと対向電極4に表示電圧(駆動信号)を供給する。また、基板5の外方に第一偏光板13が、対向基板6の外方に第二偏光板14が配置されている。第一偏光板13と第二偏光板14は電界無印加で透過状態となるノーマリーホワイトに設定している。なお、バリア液晶装置1の下側に配置した第一偏光板13と、表示パネルの上偏光板とを兼用することができる。すなわち、本実施例の構成では、第一偏光板13と下方に設置する表示パネルの偏光板を兼用できる。
【0024】
図1(b)に示すように、基板5には、第一バリア画素D1と第二バリア画素D2が縦方向に交互に配列している。また、第一バリア画素D1と第三バリア画素D3が横方向に交互に配列している。第一連結配線W1は第一バリア画素D1を縦方向に接続している。第二連結配線W2は第二バリア画素D2を縦方向に接続している。第三連結配線W3は第三バリア画素D3を縦方向に接続している。従って、第一連結配線W1と第二連結配線W2と第三連結配線W3は縦方向に並列に配線されている。複数の第一バリア画素D1とこれらを連結する第一連結配線W1で第一バリア電極L1が構成されている。同様に、第二バリア電極L2は複数の第二バリア画素D2とこれらを連結する第二連結配線W2で、第三バリア電極L3は複数の第三バリア画素D3とこれらを連結する第三連結配線W3で構成されている。そして、第一バリア電極L1、第二バリア電極L2、第三バリア電極が繰り返し複数列設けられている。
【0025】
図示するように、複数の第一バリア電極L1は引出電極H1に接続され、引出電極H1は端子電極T1に接続している。すなわち、複数の第一バリア電極L1は引出電極H1を介して端子電極T1に電気的に接続される。同様に、複数の第三バリア電極L3は引出電極H3を介して端子電極T3に電気的に接続される。一方、複数の第二バリア電極L2は基板5上では互いに接続されておらず、対向基板6に設けられたジャンパ電極Jを用いて電気的に接続されている。そして、端子電極T2と左端の第二バリア電極L2は引出電極H2により基板5上で接続されている。
【0026】
図1(c)は対向基板6に形成された電極形状を模式的に示しており、電極形成面からから見た図面ではなく、第二偏光板14側から対向基板6を透視して見える電極形状を示している。図示するように、対向基板6には、表示領域全面にわたって対向電極4が形成され、上辺近傍には対向電極4と電気的に分離するジャンパ電極Jが形成されている。対向基板6の外周にはシール材7が設けられる。シール材7には図示しない導電材、例えば導電粒子が分散されている。ジャンパ電極Jは、シール材7の下に位置するジャンパ端子JTと、シール材7の内側(液晶層8側)に位置するジャンパ連結配線JWから成る。基板5と対向基板6は導電粒子が分散されたシール材7により接合される。基板5上には、引出電極H2がシール材7内でジャンパ端子JTと対向するように形成されている。そのため、シール材7に含まれる導電粒子を介して引出電極H2とジャンパ端子JTは電気的に接続する。各引出電極H2と対向するそれぞれのジャンパ端子JTは、シール材7の内側に位置するジャンパ連結配線JWで接続されている。その結果、端子電極T2とすべての第二バリア電極L2がジャンパ電極Jにより電気的に接続される。同時に、対向電極4と端子電極TCもシール材7に含まれる導電粒子により電気的に接続される。本実施例では対向する電極の面積を大きくするために引出電極H2を用いたが、シール材7の位置まで延在する第二バリア電極L2を用いることもできる。
【0027】
図2は、本実施例のバリア液晶装置1の表示状態を表す図である。図2(a)は第一バリア電極L1と第二バリア電極L2を点灯させた状態を示し、縦ストライプ状のバリアが形成される。図2(b)は第一バリア電極L1と第三バリア電極L3を点灯させた状態を示し、横ストライプ状のバリアが形成される。図2(a)の状態では、駆動部9から端子電極T1と端子電極T2に交番電圧が供給され、端子電極T3と端子電極TCに定電圧が供給される。これにより、第一バリア電極L1と第二バリア電極L2が点灯し、非透過状態となる。その結果、縦方向にストライプ状のバリアが形成される。図2(b)の状態では、駆動部9から端子電極T1と端子電極T3に交番電圧が供給され、端子電極T2と端子電極TCに定電圧が供給される。すると、第一バリア電極L1と第三バリア電極L3が点灯し、非透過状態となる。その結果、横方向にストライプ状のバリアが形成される。バリア液晶パネル2を回転させて縦長の画面で観察するときの立体画像用のバリアとなる。
【0028】
この場合に、端子電極TC、即ち対向電極4には常にGND電位を与えるとよい。これにより外部から電磁ノイズが侵入して反対側に抜けることが無い。つまり、外部からの電磁ノイズを遮蔽することができる。また、静電気が印加された場合には対向電極4から端子電極TCを介して外部に放電させることができる。また、点灯させる二種類のバリア電極に、極性が反対の交番電圧をそれぞれに供給するのが好ましい。すなわち、図2(a)の場合は端子電極T1と端子電極T2に、図2(b)の場合は端子電極T1と端子電極T3に与える表示電圧は互いに極性が反対の交番電圧であり、更に、第一バリア電極L1と第二バリア電極L2、及び第一バリア電極L1と第三バリア電極L3は同一平面上に接近して形成されている。そのため、点灯する二種類のバリア電極から発生する電磁ノイズが相殺される。更に、対向電極4がベタ電極であるから、発生した電磁ノイズを外部に放射させない。これにより、バリア液晶パネル2に近接してタッチパネルや表示パネルを設置しても、電磁ノイズによる誤動作がタッチパネルや表示パネルには発生し難い。
【0029】
なお、第一〜第三バリア電極L1〜L3、及び対向電極4にはITO(インジウム・スズ酸化物)などの透明導電膜を使用した。また、バリア画素Dの配置やバリア電極Lの配列はいろいろなアレンジが可能であり、図面の形態に限定されない。例えば、第一バリア画素D1と第二バリア画素D2は縦方向の数を同数としても良いし、第二バリア画素D2より第一バリア画素D1の数を1個多く形成しても良い。また、右端部にも第三バリア電極L3を設置して、第三バリア電極L3の数を第一、第二バリア電極L1、L2の数より多くしても良い。逆に、左右の最外列に第一バリア電極L1又は第二バリア電極L2を設置して、第一バリア電極L1又は第二バリア電極L2の数を第三バリア電極L3の数より多くしても良い。また、複数の第二バリア電極L2を対向基板6に設けたジャンパ電極Jを介して電気的に接続したが、本発明はこれに限定されない。複数の第二バリア電極L2の間に存在する第一バリア電極L1の連結配線W1の上に絶縁膜を形成し、その上にジャンパ連結配線JWを形成し、引出電極H2を介して端子電極T2に電気的に接続してもよい。
【0030】
(実施例2)
図3は、本実施例のバリア液晶装置1の説明図である。本実施例はバリア液晶パネル2の上部にタッチパネル11を設置した点で実施例1と異なり、それ以外は同様である。従って、実施例1と異なる点について以下に説明する。
【0031】
図3(a)に、バリア液晶パネル2の上にタッチパネル11を設置したタッチパネル付きのバリア液晶装置1の断面を模式的に示す。対向基板6の上面には検出用電極Sが形成され、検出用電極Sの上面に第二偏光板14が設置されている。タッチパネル11は静電容量検出方式であり、検出用電極Sに指が接近することにより容量が変化する。この容量変化を駆動部9に内蔵された検出回路が検出し、指の位置を特定する。ここで、バリア電極Lと検出用電極Sとの間にはベタ電極である対向電極4が存在する。そのため、バリア電極Lやその下部に設置される表示パネルの表示面から電磁ノイズが発生しても、対向電極4により遮蔽される。その結果、タッチパネル11の誤動作が防止される。
【0032】
図3(b)に、タッチパネル11をバリア液晶パネル2と切り離して設置したタッチパネル付きのバリア液晶装置1の断面を模式的に示す。タッチパネル11は、タッチ基板15とその上面に形成された検出用電極Sから成る。タッチパネル11とバリア液晶パネル2が離間しているので、タッチパネル11に指等を接触させてもバリア液晶パネル2が押圧されず、バリア液晶パネル2に表示むらが発生することがない。その他の効果は上記図3(a)の場合と同様である。なお、タッチパネル11は静電容量検出方式に限らず、抵抗検出方式であっても良い。
【0033】
(実施例3)
図4は、本実施例の立体画像表示装置3の説明図である。図4(a)に立体画像表示装置3の断面構成を模式的に示す。図4(b)は立体視の原理を説明するための図である。図4(a)に示すように、立体画像表示装置3は、タッチパネル11と、バリア液晶パネル2と、表示パネルとしての液晶表示パネル16と、これらを駆動する駆動部9を備えている。タッチパネル11は、バリア液晶パネル2の対向基板6の上面に形成した検出用電極Sからなる。バリア液晶パネル2は、基板5と、その上面にシール部7を介して接合した対向基板6と、基板5と対向基板6の間に封入した液晶層8と、基板5と対向基板6の液晶層側に形成したバリア電極Lと対向電極4を備える。
【0034】
液晶表示パネル16は、下基板17と上基板18をシール部22で接合した構成で、下基板17と上基板18の間に液晶層19が封入されている。下基板17と上基板18の液晶層側には画素電極20と共通電極21が形成される。下基板17の各画素電極20には図示しないTFTが接続され、画像信号に応じて各画素に供給する電流を制御する。下基板17の下部、上基板18と基板5の間、及び対向基板6の上部に第一偏光板13、第三偏光板25、及び第二偏光板14を設置し、液晶表示パネル16が表示する表示画像とバリア液晶パネル2が表示するバリアを可視化している。駆動部9は、バリア液晶パネル2に表示電圧を供給し、液晶表示パネル16に画像信号を供給し、タッチパネル11からの検出信号を受信して位置検出を行う。
【0035】
立体画像表示装置3が90°回転されると、駆動部9は、液晶表示パネル16に表示する画像を90°回転させる画像信号の変換処理を行って、変換された画像信号を液晶表示パネル16に供給する。更に、駆動部9は、端子電極T1と端子電極T2に表示電圧を、端子電極T3と端子電極TCに非表示電圧を供給することに代えて、端子電極T1と端子電極T3に表示電圧を、端子電極T2と端子電極TCに非表示電圧を供給することに切り替える。これにより、立体画像表示装置3を90°回転させたときでも正立した立体表示を見ることができる。
【0036】
なお、バリア液晶パネル2の対向電極4は液晶表示パネル16の画素電極20よりも面積が大きく、画素電極20をカバーしている。すなわち、バリア液晶パネル2の対向電極4は液晶表示パネル16の表示領域より大きいベタ電極である。そのため、対向電極4は外部から入射する電磁ノイズや静電気を遮蔽して液晶表示パネル16を保護する機能を有している。同時に、対向電極4は、液晶表示パネル16やバリア電極Lから発生する電磁ノイズを遮蔽してその上に設置されたタッチパネル11を電磁ノイズから保護する機能を有している。
【0037】
液晶表示パネル16として、TN型液晶表示パネルの他にIPS方式やFFS方式などのインプレーン方式の液晶表示パネルを使用することができる。インプレーン方式では対向基板6に共通電極21が形成されないので外部から入射する電磁ノイズや静電気の影響を受けやすい。本発明のバリア液晶パネル2は、外部から入射する電磁ノイズや静電気を遮蔽する機能を有するとともに、バリア液晶パネル2自体から発生する電磁ノイズが小さい。従って、本発明のバリア液晶装置はインプレーン方式の液晶表示パネルと組み合わせて立体画像表示装置を形成するのに好適である。
【0038】
図4(b)は、バリア液晶パネル2を介して表示画像Fを左右の眼で見ている状態を表す。バリア液晶パネル2は表示画像Fを表示する表示パネルの手前側に設置されている。表示画像Fは1ラインごとに右眼画像FRと左眼画像FLが配列されている。これを、バリア液晶パネル2のバリアを通して見ると、右眼では右眼画像FRが見え、左眼では左眼画像FLが見える。これにより、表示画像Fを立体的に認識することができる。
【0039】
図5は、表示パネルとしてカラー表示パネルを用いた立体画像表示装置3を説明するための図であり、バリア液晶パネルを介してカラー表示パネルを表示させた状態を表す。カラー表示パネルは赤サブピクセルRと緑サブピクセルGと青サブピクセルBで一つの画素を構成している。各サブピクセルは黒色マスクBMにより仕切られている。立体画像表示装置4は、通常は図5に示すように横長(ランドスケープタイプ)で使用するものとし、バリア液晶パネルは、第一バリア電極L1と第二バリア電極L2が点灯して縦方向のバリアを表示している。このとき、複数色のサブピクセルは縦方向に異なる色が配列されている。すなわち、各色のサブピクセルの長手方向が横方向になりバリアの方向に対して直交している。
【0040】
仮に、複数色のサブピクセルが横方向に並んで配列されていると、各色のサブピクセルの長手方向が縦方向のバリアと平行になる。そのため、見る方向が横方向に変化すると、バリアが特定色のサブピクセルのみと重なる場合が生じる虞がある。このとき、観察者の視野に入るサブピクセルの大きさが色によって変わることとなり、正しい色で表示画像を視認できなくなる。これに対して、図5に示すように複数色のサブピクセルをバリアと直交する横方向に配列させれば、見る方向が変化してもバリアは全色のサブピクセルと重なるため、色が大きく変化することがない。そのため、正しい色での観察が実現しやすくなる。
【0041】
(実施例4)
本実施例のバリア液晶装置を図6に基づいて説明する。本実施例は、複数の第三バリア画素D3を連結する第三連結配線W3が斜めに形成された点で実施例1と異なっている。それ以外は基本的に実施例1と同様なので、重複する説明は適宜省略する。図6(a)は基板5の表面に形成されたバリア電極Lを模式的に表す平面図であり、図6(b)は第一バリア電極L1と第三バリア電極L3を点灯させた状態を表し、横ストライプ状のバリアが形成される。
【0042】
図6(a)に示すように、基板5には、第一バリア画素D1と第二バリア画素D2が縦方向に交互に配列している。また、第一バリア画素D1と第三バリア画素D3が横方向に交互に配列している。第一連結配線W1は第一バリア画素D1を縦方向に接続し、第二連結配線W2は第二バリア画素D2を縦方向に接続している。第三連結配線W3は隣接する第三バリア画素D3を接続するために設けられた斜め方向の配線である。図6(b)は端子電極T1と端子電極T3に極性が逆な交番電圧を供給し、端子電極T2と端子電極TCにGND電位を供給して横ストライプ状のバリア表示を行っている状態を示す。観察者は図中の領域Rxを通してカラー表示パネルの画素を見ることになる。このとき、左眼は左眼画像を表示する画素を、右眼は右眼画像を表示する画素を観察するようになっている。
【0043】
図6(b)のように横ストライプ状のバリア表示を行っている立体画像表示装置は、実際には横長(ランドスケープタイプ)から90°回転させて縦長(ポートレートタイプ)で観察されている。このとき、領域Rxを通して観察されるカラー表示パネルの一画素を図7、図8に示す。一画素は、赤色サブピクセルR、緑色サブピクセルG及び青色サブピクセルBから構成されている。各サブピクセルは黒色マスクBMにより囲まれている。図7に実施例1のバリア電極を実施例3に適用した場合を示し、図8に本実施例のバリア電極を実施例3に適用した場合を示す。バリア液晶パネルとカラー表示パネルは重ねて配置されるため、バリア画素Dのピッチとカラー表示パネルの画素ピッチは同一ではない。それぞれのピッチは観察者の位置や見る角度を元に決められる。そのため、前提とする角度で観察する場合には、カラー表示パネルの黒色マスクBMとバリア液晶パネルの連結配線Wが重なって見える。実施例1で示した形状のバリア電極を用いた場合を図7(a)に示す。図示するように、図中の横方向の黒色マスクBMが第一連結配線W1や第三連結配線W3と重なっている。しかしながら、見る角度が少しずれると、画素の位置によって黒色マスクBMと第一連結配線W1及び第三連結配線W3が重ならない。図7(b)にこの状態を示す。このように、見る角度が最適ポイントからズレると、画素の位置によって、図7(a)のように見える画素と、図7(b)のように見える画素の両方を観察することになる。図7(b)の画素は図7(a)の画素より実効面積が小さくなるため、画素の位置に応じて、明るさに違いを感じることになる。そのために、見る方向の変化に応じて表示状態、例えば表示の明るさが大きく変化することになる。一方、本実施例では、第一連結配線W1と黒色マスクBMは実施例1と同様であるが、第三連結配線W3は黒色マスクBMに対して斜め方向を向いている。図8(a)は見る方向がズレていない場合であるが、このときでも画素は第三連結配線W3と重なり、実効面積は小さくなっている。図8(b)は見る方向がズレている場合で、第一連結配線W1も重なっているが実効面積の減少率は図7に比べて小さい。そのために、見る角度が多少ずれても黒色マスクBMと連結配線の重なる面積の変化の割合は図7に分比べて小さい。その結果、実施例1の形状のバリア電極よりも見る方向の変化に対して表示状態の変化を小さくすることができる。
【0044】
なお、図7、図8では各色のサブピクセルを横方向に配列した例を示しているが、各サブピクセルは黒色マスクBMにより囲まれている、各色のサブピクセルを縦方向に配列しても黒色マスクBMと第三連結配線W3の重なる面積は見る角度に対してほとんど変わらず、同様の効果を奏することは明らかである。第三連結配線W3を黒色マスクBMに対して斜めに形成したので、立体画像表示装置3を90°回転させて見る場合に見る方向の変化に対して表示状態の変化を小さくすることができる。
【0045】
(実施例5)
本実施例のバリア液晶装置を図9に基づいて説明する。本実施例は、第四バリア画素D4、第四連結配線W4及びこれに接続する端子電極T4を有する点で実施例1と異なっている。その他の部分は実施例1と同様なので、重複する説明を適宜省略する。
【0046】
図9(a)は基板5の表面に形成されたバリア電極の形状を示す平面模式図である。第四バリア画素D4は第三バリア画素D3と縦方向に交互に配列している。第四連結配線W4は複数の第四バリア画素D4を縦方向に接続している。従って、第四連結配線W4は他の第一〜第三連結配線W1〜W3と縦方向に並列して形成されている。第四連結配線W4は、図示しないジャンパ電極を介して端子電極T4に電気的に接続している。ジャンパ電極は、端子電極T2と同様に対向基板6の内表面に形成され、隣接する第四連結配線W4の間及び端子電極T4の間を電気的に接続する。
【0047】
図9(b)は第一バリア電極L1と第二バリア電極L2を点灯させた状態を示し、縦ストライプ状のバリアが形成される。このとき、端子電極T1と端子電極T2には、互いに極性が反対の交番電圧が駆動部から供給され、端子電極T3、T4、TCにはGND電位が供給される。これにより、第一バリア電極L1と第二バリア電極L2が点灯し、非透過状態となる。第三バリア電極L3と第四バリア電極L4には非表示電圧が印加されるために透過状態を維持する。その結果、縦ストライプ状のバリアが形成される。図9(c)は第三バリア電極L3と第四バリア電極L4を点灯させた状態を示し、縦ストライプ状のバリアが形成される。この状態では、端子電極T3と端子電極T4に互いに極性が反対の交番電圧が供給され、端子電極T1、T2、TCにGND電位が供給される。図9(c)のバリア(縦ストライプ)は、図9(b)のバリアと一列ずれた関係である。例えば、立体画像の凹凸が逆転する「逆視」の場合に、バリアパターンを図9(b)から図9(c)に切り替えることにより正常な立体画像を認識できる。つまり、見る角度に応じてバリアパターンの位置を変更することができる。
【0048】
バリア液晶パネル2を90°回転させた場合も上記と同様にバリアパターンの位置を変更することができる。即ち、端子電極T1、T3に表示電圧を供給し、端子電極T2、T4、TCに非表示電圧を供給してバリアを表示させる場合と、端子電極T2、T4に表示電圧を供給し、端子電極T1、T3、TCに非表示電圧を供給してバリアを表示させる場合とを切り替えればよい。
【0049】
なお、いずれの場合も互いに近接する2つのバリア画素電極に互いに極性が反対の交番電圧からなる表示電圧を印加するので、各交番電圧に基づく電磁ノイズが相殺される。更に、対向基板6には表示パネルの表示領域をカバーするベタ形状の対向電極4が形成されているので、電磁ノイズを上方に放射させず、また外部から入射する電磁ノイズや静電気を遮蔽する。これにより、バリア液晶パネルの上部に設置するタッチパネルや下部に設置する表示パネルを、電磁ノイズによる誤動作や静電気による破壊から保護することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 バリア液晶装置
2 バリア液晶パネル
3 立体画像表示装置
4 対向電極
5 基板
6 対向基板
7 シール材
8 液晶層
9 駆動部
11 タッチパネル
L1 第一バリア電極
L2 第二バリア電極
L3 第三バリア電極
L4 第四バリア電極
D1 第一バリア画素
D2 第二バリア画素
D3 第三バリア画素
D4 第四バリア画素
W1 第一連結配線
W2 第二連結配線
W3 第三連結配線
W4 第四連結配線
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルに表示された画像を立体的に見るためのバリア液晶装置及びこれを用いた立体画像表示装置に関する。特に、表示パネルを回転させて縦画面と横画面の表示に対応可能なバリア液晶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示画像を立体的に見る方式として、裸眼方式と眼鏡を着用する方式がある。眼鏡を着用する方式としてヘッドマウントディスプレイや偏光メガネを用いた方式が実用化されている。しかし、携帯機器等の表示画像を見るときに、眼鏡等を着用するのは不便である。その点、裸眼方式はそのような不便さはなく、モバイル用途の表示装置に適している。
【0003】
裸眼方式として視差バリア方式が知られている。視差バリア方式は、表示パネルの表面又は裏面にバリアパネルを設置する。表示パネルは、その表示画面の縦ラインごとに左画像と右画像を表示する。バリアパネルは、表示パネルの縦ラインのピッチにほぼ合った縦ストライプの遮光マスクである。即ち、観察者がバリアパネルを通して表示パネルを見ると、例えば、右眼では表示パネルの奇数番目の縦ラインは見えるが、偶数番目の縦ラインはバリアパネルで遮蔽されて見えない。一方、左眼では表示パネルの偶数番目の縦ラインは見えるが奇数番目の縦ラインはバリアパネルで遮蔽されて見えない。そして、表示パネルの縦ラインに一ラインごとに左眼用の左画像と右眼用の右画像を表示させることにより、観察者は裸眼で1つの表示パネルから左右の画像を同時に見ることができ、立体的な画像として認識することができる。
【0004】
近年の携帯機器では、表示パネルを回転可能として縦長(ポートレートタイプ)でも横長(ランドスケープタイプ)でも観察できるようになっている。しかし、視差バリア方式では表示パネルにバリアパネルが固定されているため、表示パネルを回転させるとバリアパネルの縦ストライプも回転してしまい、左右の眼の視差を利用した立体画像を見ることができない。そこで、ストライプの方向を切り替え可能とし、表示パネルが回転しても縦方向のストライプが表示できるバリア液晶パネルが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
図10は特許文献1に開示されたバリア液晶パネル90の断面図である。第1基板91と第2基板92の間に液晶93が封入されている。第1基板と第2基板の内表面(液晶93側の表面)に形成された電極の形状を、それぞれ図11(a)、(b)に模式的に示す。図11(a)に示すように、第1基板91にはx方向に細長い帯状の第1電極94と第2電極96がかみ合うように形成されている。また、複数の第1電極94は第1連結電極95により電気的に接続されている。これを、第1電極セット81と称す。同様に、複数の第2電極96は第2連結電極96により電気的に接続されている。これを、第2電極セット82と称す。したがって、第1電極セット81と第2電極セット82の電極は櫛歯状である。一方、図11(b)に示すように、第2基板92にはy方向に細長い帯状の第3電極98と第4電極99がかみ合うように形成されている。また、複数の第3電極98は第3連結電極により電気的に接続されている。これを、第3電極セット83と称す。また、複数の第4電極99は第4連結電極により電気的に接続されている。これを、第4電極セット84と称す。第3電極セット83と第4電極セット84の電極も櫛歯状である。
【0006】
バリア液晶パネル90は電圧無印加時には不透明状態を維持する。即ち、バリア液晶パネル90はノーマリブラック状態に構成されている。図11(b)に示すように、第2基板92の第4電極セット84のみに交番電圧を印加する。そして、第1基板91の第1電極セット81と第2電極セット82をGNDに接続することにより、縦方向にストライプ状の透過領域が形成される。
【0007】
バリア液晶パネル90を表示パネルの上に設置する。右眼で見える表示画素列に右画像を、左眼で見える表示画素列に左画像を表示させることにより、立体画像が認識できる。この表示パネルを90°回転させて横向きとした時は、第1基板91の第1電極セット81のみに交番電圧を印加し、第2基板92の第3電極セット83と第4電極セット84をGNDに接続する。これにより、やはり縦方向にストライプ状の透過領域が形成される。表示パネルの右眼で見える表示画素列に右画像を、左眼で見える表示画素列に左画像を表示させることにより、立体画像が認識される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−243710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のバリア液晶パネル90は、第1基板91と第2基板92のいずれにも電極間に隙間が形成されている。例えば、第1基板91の第1電極セット81と第2電極セット82には間隙が存在する。また、第2基板92の第3電極セット83と第4電極セット84にも間隙が存在する。そのため、外界からバリア液晶パネル90を通して表示パネルに電磁ノイズや静電気が侵入し、内部素子やTFT(薄膜トランジスタ)の動作が阻害されたり、破壊されたりする。そこで、本発明は、外界からの電磁ノイズや静電気に対する保護機能を備えたバリア表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のバリア表示装置は、第一バリア画素と第二バリア画素が縦方向に交互に配置されるとともに、第一バリア画素と第三バリア画素が横方向に交互に配置された基板と、第一バリア画素と第二バリア画素と第三バリア画素のすべてのバリア画素と対向するように対向電極が形成された対向基板と、基板と対向基板を所定の間隙を持って接合するシール材と、この間隙に封入した液晶層と、第一バリア画素、第二バリア画素、第三バリア画素及び対向電極に駆動信号を供給する駆動部を備えている。駆動部は、第三バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を供給し、第一バリア画素と第二バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加されるような駆動信号を供給して縦ストライプのバリア表示を行う。あるいは、第二バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を供給し、第一バリア画素と第三バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加されるような駆動信号を供給して横ストライプのバリア表示を行う。このようにして、縦方向のストライプと横方向のストライプを切り替えてバリア表示することができる。
【0011】
ここで、第三バリア画素と対向電極に供給する同一の駆動信号、あるいは、第二バリア画素と対向電極に供給する同一の駆動信号を一定電圧とした。また、この一定電圧をGNDの電位とした。
【0012】
また、縦ストライプのバリア表示の場合に、第一バリア画素に供給する駆動信号と第二バリア画素に供給する駆動信号を互いの極性が反対の交番電圧とした。また、横ストライプのバリア表示の場合に、第一バリア画素に供給する駆動信号と第三バリア画素に供給する駆動信号を、互いの極性が反対の交番電圧とした。
【0013】
また、対向基板の観察者側にタッチパネルを配置することとした。このとき、対向基板の上面にタッチパネルを構成する検出用電極を形成することとした。
【0014】
さらに、本発明の立体表示装置は、右目用の画像と左目用の画像を同時に表示する表示パネル観察者側に、上述したいずれかの構成のバリア液晶装置を配置することとした。
【発明の効果】
【0015】
本発明のバリア表示装置によれば、対向基板に表示領域の全面を覆うようにベタ形状の対向電極を形成したにもかかわらず、縦方向のストライプと横方向のストライプを切り替えてバリア表示することができる。そのため、表示面に入射する電磁ノイズや静電気の遮断と、バリアストライプの方向を可変にすることが、ともに可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1のバリア液晶装置の説明図である。
【図2】実施例1のバリア液晶装置のバリア表示状態を表す模式図である。
【図3】実施例2のバリア液晶装置の説明図である。
【図4】実施例3の立体画像表示装置の説明図である。
【図5】カラー表示パネルの画素とバリア液晶装置のバリアの関係を表す図である。
【図6】実施例4のバリア液晶装置の説明図である。
【図7】実施例1のバリア液晶パネルを通して観察するカラー表示画素を説明する図である。
【図8】実施例4のバリア液晶パネルを通して観察するカラー表示画素を説明する図である。
【図9】実施例5のバリア液晶装置の説明図である。
【図10】従来公知のバリア液晶パネルの断面図である。
【図11】従来公知のバリア液晶パネルの基板に形成された電極形状を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のバリア表示装置は、基板と対向基板の間に液晶層が封入されたバリア液晶パネルと、このバリア液晶パネルを駆動する駆動部を備えている。基板には、その液晶層側の表面に、第一バリア画素と第二バリア画素が縦方向に交互に配置されるとともに、第一バリア画素と第三バリア画素が横方向に交互に配置されている。対向基板は、その液晶層側の表面に、第一バリア画素、第二バリア画素及び第三バリア画素のいずれにも対向するように形成された対向電極を有している。すなわち、対向基板には、表示領域の全面を覆うベタ形状の対向電極が形成されている。
【0018】
駆動部は、第三バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を供給し、第一バリア画素と第二バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加するような駆動波形を供給して縦ストライプのバリア表示を行う。あるいは、第二バリア画素と対向電極に同一の駆動信号を供給し、第一バリア画素と第三バリア画素に対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加するような駆動信号を供給して横ストライプのバリア表示を行う。このように、駆動部は縦方向のストライプと横方向のストライプを切り替えてバリア表示することができる。ここで、対向基板の対向電極がバリア表示領域の全面を覆うように形成されているので、表示面に入射する電磁ノイズを遮蔽して内部素子の誤動作を防ぎ、同時に静電気による素子破壊が防止できる。
【0019】
また、縦ストライプ時に第三バリア画素と対向電極に供給する同一の駆動信号、あるいは、横ストライプ時に第二バリア画素と対向電極に供給する同一の駆動信号の波形を一定電圧とした。これにより、バリア液晶装置から外部に放射される電磁ノイズが低減する。更に、この定電圧をGND電位とすることにより、外部から侵入する電磁ノイズや外部へ放射する電磁ノイズを遮蔽することができる。
【0020】
また、駆動部は、縦ストライプのバリア表示を行う場合には、第一バリア画素と第二バリア画素に互いに極性が反対の交番電圧を供給し、横ストライプのバリア表示を行う場合には、第一バリア画素と第三バリア画素に互いに極性が反対の交番電圧を供給する。同一平面に形成した隣接するバリア電極に互いに極性が反対の交番電圧が印加されるので、電磁ノイズの発生が抑制される。そのため、近接する表示パネルやタッチパネルに放射される電磁ノイズが減少し、表示パネルやタッチパネルの誤動作を防止する効果がある。
【0021】
更に、複数の第一バリア画素を縦方向に接続する第一連結配線と、複数の第二バリア画素を縦方向に接続する第二連結配線と、複数の第三バリア画素を縦方向に接続する第三連結配線は、縦方向に並列に設置されている。そして、複数の第一バリア画素と第一連結配線で第一バリア電極を、複数の第二バリア画素と第二連結配線で第二バリア電極を、複数の第三バリア画素と第三連結配線で第三バリア電極を構成している。このとき、対向基板には、対向電極と電気的に分離されたジャンパ電極が形成されており、第一バリア電極と第二バリア電極と第三バリア電極のいずれか一つのバリア電極が、シール材に混入された導電材によりジャンパ電極に電気的に接続されている。
【0022】
また、第三連結配線を、縦方向に隣接する第三バリア画素間を斜めに結ぶ配線とした。右眼用の画像と左眼用の画像を異なるラインで同時に表示する表示パネルの観察者側にバリア液晶装置を設けた構成の立体画像表示装置では、表示パネルの一つの画素がR(赤)G(緑)B(青)のサブピクセルから構成される場合に、サブピクセルの間にブラックマスクが設置される。そのため、第三バリア画素電極に電圧を印加して横方向のストライプを表示させたときに、第三連結配線はこのストライプに直交する方向に細いストライプが表示される。そのため、見る角度を少し変化させただけで表示パネルのブラックマスクとバリア表示パネルの細いストライプが重なる場合と重ならない場合が生じ、表示の明るさが大きく変化する。そこで、第三連結配線を斜め方向に形成する。その結果、サブピクセル間のブラックマスクとバリア表示パネルの細いストライプとの間の重なりが見る角度に対して均等化され、立体表示の表示品質が向上する。
以下、本発明に係る実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
(実施例1)
本実施例のバリア液晶装置1を図1に基づいて説明する。図1(a)はバリア液晶パネル2と駆動部9を備えるバリア液晶装置1の断面構成を示す模式図であり、図1(b)は基板5に形成された電極を模式的に示す平面図であり、図1(c)は対向基板6に形成された電極を模式的に示す平面図である。図1(a)に示すように、基板5と対向基板6はそれぞれの電極が対向するようにシール材7により接合されている。基板5と対向基板6の間には液晶層8が設けられ、基板5の表面にはバリア電極Lが、対向基板6の表面には対向電極4が形成されている。駆動部9はバリア電極Lと対向電極4に表示電圧(駆動信号)を供給する。また、基板5の外方に第一偏光板13が、対向基板6の外方に第二偏光板14が配置されている。第一偏光板13と第二偏光板14は電界無印加で透過状態となるノーマリーホワイトに設定している。なお、バリア液晶装置1の下側に配置した第一偏光板13と、表示パネルの上偏光板とを兼用することができる。すなわち、本実施例の構成では、第一偏光板13と下方に設置する表示パネルの偏光板を兼用できる。
【0024】
図1(b)に示すように、基板5には、第一バリア画素D1と第二バリア画素D2が縦方向に交互に配列している。また、第一バリア画素D1と第三バリア画素D3が横方向に交互に配列している。第一連結配線W1は第一バリア画素D1を縦方向に接続している。第二連結配線W2は第二バリア画素D2を縦方向に接続している。第三連結配線W3は第三バリア画素D3を縦方向に接続している。従って、第一連結配線W1と第二連結配線W2と第三連結配線W3は縦方向に並列に配線されている。複数の第一バリア画素D1とこれらを連結する第一連結配線W1で第一バリア電極L1が構成されている。同様に、第二バリア電極L2は複数の第二バリア画素D2とこれらを連結する第二連結配線W2で、第三バリア電極L3は複数の第三バリア画素D3とこれらを連結する第三連結配線W3で構成されている。そして、第一バリア電極L1、第二バリア電極L2、第三バリア電極が繰り返し複数列設けられている。
【0025】
図示するように、複数の第一バリア電極L1は引出電極H1に接続され、引出電極H1は端子電極T1に接続している。すなわち、複数の第一バリア電極L1は引出電極H1を介して端子電極T1に電気的に接続される。同様に、複数の第三バリア電極L3は引出電極H3を介して端子電極T3に電気的に接続される。一方、複数の第二バリア電極L2は基板5上では互いに接続されておらず、対向基板6に設けられたジャンパ電極Jを用いて電気的に接続されている。そして、端子電極T2と左端の第二バリア電極L2は引出電極H2により基板5上で接続されている。
【0026】
図1(c)は対向基板6に形成された電極形状を模式的に示しており、電極形成面からから見た図面ではなく、第二偏光板14側から対向基板6を透視して見える電極形状を示している。図示するように、対向基板6には、表示領域全面にわたって対向電極4が形成され、上辺近傍には対向電極4と電気的に分離するジャンパ電極Jが形成されている。対向基板6の外周にはシール材7が設けられる。シール材7には図示しない導電材、例えば導電粒子が分散されている。ジャンパ電極Jは、シール材7の下に位置するジャンパ端子JTと、シール材7の内側(液晶層8側)に位置するジャンパ連結配線JWから成る。基板5と対向基板6は導電粒子が分散されたシール材7により接合される。基板5上には、引出電極H2がシール材7内でジャンパ端子JTと対向するように形成されている。そのため、シール材7に含まれる導電粒子を介して引出電極H2とジャンパ端子JTは電気的に接続する。各引出電極H2と対向するそれぞれのジャンパ端子JTは、シール材7の内側に位置するジャンパ連結配線JWで接続されている。その結果、端子電極T2とすべての第二バリア電極L2がジャンパ電極Jにより電気的に接続される。同時に、対向電極4と端子電極TCもシール材7に含まれる導電粒子により電気的に接続される。本実施例では対向する電極の面積を大きくするために引出電極H2を用いたが、シール材7の位置まで延在する第二バリア電極L2を用いることもできる。
【0027】
図2は、本実施例のバリア液晶装置1の表示状態を表す図である。図2(a)は第一バリア電極L1と第二バリア電極L2を点灯させた状態を示し、縦ストライプ状のバリアが形成される。図2(b)は第一バリア電極L1と第三バリア電極L3を点灯させた状態を示し、横ストライプ状のバリアが形成される。図2(a)の状態では、駆動部9から端子電極T1と端子電極T2に交番電圧が供給され、端子電極T3と端子電極TCに定電圧が供給される。これにより、第一バリア電極L1と第二バリア電極L2が点灯し、非透過状態となる。その結果、縦方向にストライプ状のバリアが形成される。図2(b)の状態では、駆動部9から端子電極T1と端子電極T3に交番電圧が供給され、端子電極T2と端子電極TCに定電圧が供給される。すると、第一バリア電極L1と第三バリア電極L3が点灯し、非透過状態となる。その結果、横方向にストライプ状のバリアが形成される。バリア液晶パネル2を回転させて縦長の画面で観察するときの立体画像用のバリアとなる。
【0028】
この場合に、端子電極TC、即ち対向電極4には常にGND電位を与えるとよい。これにより外部から電磁ノイズが侵入して反対側に抜けることが無い。つまり、外部からの電磁ノイズを遮蔽することができる。また、静電気が印加された場合には対向電極4から端子電極TCを介して外部に放電させることができる。また、点灯させる二種類のバリア電極に、極性が反対の交番電圧をそれぞれに供給するのが好ましい。すなわち、図2(a)の場合は端子電極T1と端子電極T2に、図2(b)の場合は端子電極T1と端子電極T3に与える表示電圧は互いに極性が反対の交番電圧であり、更に、第一バリア電極L1と第二バリア電極L2、及び第一バリア電極L1と第三バリア電極L3は同一平面上に接近して形成されている。そのため、点灯する二種類のバリア電極から発生する電磁ノイズが相殺される。更に、対向電極4がベタ電極であるから、発生した電磁ノイズを外部に放射させない。これにより、バリア液晶パネル2に近接してタッチパネルや表示パネルを設置しても、電磁ノイズによる誤動作がタッチパネルや表示パネルには発生し難い。
【0029】
なお、第一〜第三バリア電極L1〜L3、及び対向電極4にはITO(インジウム・スズ酸化物)などの透明導電膜を使用した。また、バリア画素Dの配置やバリア電極Lの配列はいろいろなアレンジが可能であり、図面の形態に限定されない。例えば、第一バリア画素D1と第二バリア画素D2は縦方向の数を同数としても良いし、第二バリア画素D2より第一バリア画素D1の数を1個多く形成しても良い。また、右端部にも第三バリア電極L3を設置して、第三バリア電極L3の数を第一、第二バリア電極L1、L2の数より多くしても良い。逆に、左右の最外列に第一バリア電極L1又は第二バリア電極L2を設置して、第一バリア電極L1又は第二バリア電極L2の数を第三バリア電極L3の数より多くしても良い。また、複数の第二バリア電極L2を対向基板6に設けたジャンパ電極Jを介して電気的に接続したが、本発明はこれに限定されない。複数の第二バリア電極L2の間に存在する第一バリア電極L1の連結配線W1の上に絶縁膜を形成し、その上にジャンパ連結配線JWを形成し、引出電極H2を介して端子電極T2に電気的に接続してもよい。
【0030】
(実施例2)
図3は、本実施例のバリア液晶装置1の説明図である。本実施例はバリア液晶パネル2の上部にタッチパネル11を設置した点で実施例1と異なり、それ以外は同様である。従って、実施例1と異なる点について以下に説明する。
【0031】
図3(a)に、バリア液晶パネル2の上にタッチパネル11を設置したタッチパネル付きのバリア液晶装置1の断面を模式的に示す。対向基板6の上面には検出用電極Sが形成され、検出用電極Sの上面に第二偏光板14が設置されている。タッチパネル11は静電容量検出方式であり、検出用電極Sに指が接近することにより容量が変化する。この容量変化を駆動部9に内蔵された検出回路が検出し、指の位置を特定する。ここで、バリア電極Lと検出用電極Sとの間にはベタ電極である対向電極4が存在する。そのため、バリア電極Lやその下部に設置される表示パネルの表示面から電磁ノイズが発生しても、対向電極4により遮蔽される。その結果、タッチパネル11の誤動作が防止される。
【0032】
図3(b)に、タッチパネル11をバリア液晶パネル2と切り離して設置したタッチパネル付きのバリア液晶装置1の断面を模式的に示す。タッチパネル11は、タッチ基板15とその上面に形成された検出用電極Sから成る。タッチパネル11とバリア液晶パネル2が離間しているので、タッチパネル11に指等を接触させてもバリア液晶パネル2が押圧されず、バリア液晶パネル2に表示むらが発生することがない。その他の効果は上記図3(a)の場合と同様である。なお、タッチパネル11は静電容量検出方式に限らず、抵抗検出方式であっても良い。
【0033】
(実施例3)
図4は、本実施例の立体画像表示装置3の説明図である。図4(a)に立体画像表示装置3の断面構成を模式的に示す。図4(b)は立体視の原理を説明するための図である。図4(a)に示すように、立体画像表示装置3は、タッチパネル11と、バリア液晶パネル2と、表示パネルとしての液晶表示パネル16と、これらを駆動する駆動部9を備えている。タッチパネル11は、バリア液晶パネル2の対向基板6の上面に形成した検出用電極Sからなる。バリア液晶パネル2は、基板5と、その上面にシール部7を介して接合した対向基板6と、基板5と対向基板6の間に封入した液晶層8と、基板5と対向基板6の液晶層側に形成したバリア電極Lと対向電極4を備える。
【0034】
液晶表示パネル16は、下基板17と上基板18をシール部22で接合した構成で、下基板17と上基板18の間に液晶層19が封入されている。下基板17と上基板18の液晶層側には画素電極20と共通電極21が形成される。下基板17の各画素電極20には図示しないTFTが接続され、画像信号に応じて各画素に供給する電流を制御する。下基板17の下部、上基板18と基板5の間、及び対向基板6の上部に第一偏光板13、第三偏光板25、及び第二偏光板14を設置し、液晶表示パネル16が表示する表示画像とバリア液晶パネル2が表示するバリアを可視化している。駆動部9は、バリア液晶パネル2に表示電圧を供給し、液晶表示パネル16に画像信号を供給し、タッチパネル11からの検出信号を受信して位置検出を行う。
【0035】
立体画像表示装置3が90°回転されると、駆動部9は、液晶表示パネル16に表示する画像を90°回転させる画像信号の変換処理を行って、変換された画像信号を液晶表示パネル16に供給する。更に、駆動部9は、端子電極T1と端子電極T2に表示電圧を、端子電極T3と端子電極TCに非表示電圧を供給することに代えて、端子電極T1と端子電極T3に表示電圧を、端子電極T2と端子電極TCに非表示電圧を供給することに切り替える。これにより、立体画像表示装置3を90°回転させたときでも正立した立体表示を見ることができる。
【0036】
なお、バリア液晶パネル2の対向電極4は液晶表示パネル16の画素電極20よりも面積が大きく、画素電極20をカバーしている。すなわち、バリア液晶パネル2の対向電極4は液晶表示パネル16の表示領域より大きいベタ電極である。そのため、対向電極4は外部から入射する電磁ノイズや静電気を遮蔽して液晶表示パネル16を保護する機能を有している。同時に、対向電極4は、液晶表示パネル16やバリア電極Lから発生する電磁ノイズを遮蔽してその上に設置されたタッチパネル11を電磁ノイズから保護する機能を有している。
【0037】
液晶表示パネル16として、TN型液晶表示パネルの他にIPS方式やFFS方式などのインプレーン方式の液晶表示パネルを使用することができる。インプレーン方式では対向基板6に共通電極21が形成されないので外部から入射する電磁ノイズや静電気の影響を受けやすい。本発明のバリア液晶パネル2は、外部から入射する電磁ノイズや静電気を遮蔽する機能を有するとともに、バリア液晶パネル2自体から発生する電磁ノイズが小さい。従って、本発明のバリア液晶装置はインプレーン方式の液晶表示パネルと組み合わせて立体画像表示装置を形成するのに好適である。
【0038】
図4(b)は、バリア液晶パネル2を介して表示画像Fを左右の眼で見ている状態を表す。バリア液晶パネル2は表示画像Fを表示する表示パネルの手前側に設置されている。表示画像Fは1ラインごとに右眼画像FRと左眼画像FLが配列されている。これを、バリア液晶パネル2のバリアを通して見ると、右眼では右眼画像FRが見え、左眼では左眼画像FLが見える。これにより、表示画像Fを立体的に認識することができる。
【0039】
図5は、表示パネルとしてカラー表示パネルを用いた立体画像表示装置3を説明するための図であり、バリア液晶パネルを介してカラー表示パネルを表示させた状態を表す。カラー表示パネルは赤サブピクセルRと緑サブピクセルGと青サブピクセルBで一つの画素を構成している。各サブピクセルは黒色マスクBMにより仕切られている。立体画像表示装置4は、通常は図5に示すように横長(ランドスケープタイプ)で使用するものとし、バリア液晶パネルは、第一バリア電極L1と第二バリア電極L2が点灯して縦方向のバリアを表示している。このとき、複数色のサブピクセルは縦方向に異なる色が配列されている。すなわち、各色のサブピクセルの長手方向が横方向になりバリアの方向に対して直交している。
【0040】
仮に、複数色のサブピクセルが横方向に並んで配列されていると、各色のサブピクセルの長手方向が縦方向のバリアと平行になる。そのため、見る方向が横方向に変化すると、バリアが特定色のサブピクセルのみと重なる場合が生じる虞がある。このとき、観察者の視野に入るサブピクセルの大きさが色によって変わることとなり、正しい色で表示画像を視認できなくなる。これに対して、図5に示すように複数色のサブピクセルをバリアと直交する横方向に配列させれば、見る方向が変化してもバリアは全色のサブピクセルと重なるため、色が大きく変化することがない。そのため、正しい色での観察が実現しやすくなる。
【0041】
(実施例4)
本実施例のバリア液晶装置を図6に基づいて説明する。本実施例は、複数の第三バリア画素D3を連結する第三連結配線W3が斜めに形成された点で実施例1と異なっている。それ以外は基本的に実施例1と同様なので、重複する説明は適宜省略する。図6(a)は基板5の表面に形成されたバリア電極Lを模式的に表す平面図であり、図6(b)は第一バリア電極L1と第三バリア電極L3を点灯させた状態を表し、横ストライプ状のバリアが形成される。
【0042】
図6(a)に示すように、基板5には、第一バリア画素D1と第二バリア画素D2が縦方向に交互に配列している。また、第一バリア画素D1と第三バリア画素D3が横方向に交互に配列している。第一連結配線W1は第一バリア画素D1を縦方向に接続し、第二連結配線W2は第二バリア画素D2を縦方向に接続している。第三連結配線W3は隣接する第三バリア画素D3を接続するために設けられた斜め方向の配線である。図6(b)は端子電極T1と端子電極T3に極性が逆な交番電圧を供給し、端子電極T2と端子電極TCにGND電位を供給して横ストライプ状のバリア表示を行っている状態を示す。観察者は図中の領域Rxを通してカラー表示パネルの画素を見ることになる。このとき、左眼は左眼画像を表示する画素を、右眼は右眼画像を表示する画素を観察するようになっている。
【0043】
図6(b)のように横ストライプ状のバリア表示を行っている立体画像表示装置は、実際には横長(ランドスケープタイプ)から90°回転させて縦長(ポートレートタイプ)で観察されている。このとき、領域Rxを通して観察されるカラー表示パネルの一画素を図7、図8に示す。一画素は、赤色サブピクセルR、緑色サブピクセルG及び青色サブピクセルBから構成されている。各サブピクセルは黒色マスクBMにより囲まれている。図7に実施例1のバリア電極を実施例3に適用した場合を示し、図8に本実施例のバリア電極を実施例3に適用した場合を示す。バリア液晶パネルとカラー表示パネルは重ねて配置されるため、バリア画素Dのピッチとカラー表示パネルの画素ピッチは同一ではない。それぞれのピッチは観察者の位置や見る角度を元に決められる。そのため、前提とする角度で観察する場合には、カラー表示パネルの黒色マスクBMとバリア液晶パネルの連結配線Wが重なって見える。実施例1で示した形状のバリア電極を用いた場合を図7(a)に示す。図示するように、図中の横方向の黒色マスクBMが第一連結配線W1や第三連結配線W3と重なっている。しかしながら、見る角度が少しずれると、画素の位置によって黒色マスクBMと第一連結配線W1及び第三連結配線W3が重ならない。図7(b)にこの状態を示す。このように、見る角度が最適ポイントからズレると、画素の位置によって、図7(a)のように見える画素と、図7(b)のように見える画素の両方を観察することになる。図7(b)の画素は図7(a)の画素より実効面積が小さくなるため、画素の位置に応じて、明るさに違いを感じることになる。そのために、見る方向の変化に応じて表示状態、例えば表示の明るさが大きく変化することになる。一方、本実施例では、第一連結配線W1と黒色マスクBMは実施例1と同様であるが、第三連結配線W3は黒色マスクBMに対して斜め方向を向いている。図8(a)は見る方向がズレていない場合であるが、このときでも画素は第三連結配線W3と重なり、実効面積は小さくなっている。図8(b)は見る方向がズレている場合で、第一連結配線W1も重なっているが実効面積の減少率は図7に比べて小さい。そのために、見る角度が多少ずれても黒色マスクBMと連結配線の重なる面積の変化の割合は図7に分比べて小さい。その結果、実施例1の形状のバリア電極よりも見る方向の変化に対して表示状態の変化を小さくすることができる。
【0044】
なお、図7、図8では各色のサブピクセルを横方向に配列した例を示しているが、各サブピクセルは黒色マスクBMにより囲まれている、各色のサブピクセルを縦方向に配列しても黒色マスクBMと第三連結配線W3の重なる面積は見る角度に対してほとんど変わらず、同様の効果を奏することは明らかである。第三連結配線W3を黒色マスクBMに対して斜めに形成したので、立体画像表示装置3を90°回転させて見る場合に見る方向の変化に対して表示状態の変化を小さくすることができる。
【0045】
(実施例5)
本実施例のバリア液晶装置を図9に基づいて説明する。本実施例は、第四バリア画素D4、第四連結配線W4及びこれに接続する端子電極T4を有する点で実施例1と異なっている。その他の部分は実施例1と同様なので、重複する説明を適宜省略する。
【0046】
図9(a)は基板5の表面に形成されたバリア電極の形状を示す平面模式図である。第四バリア画素D4は第三バリア画素D3と縦方向に交互に配列している。第四連結配線W4は複数の第四バリア画素D4を縦方向に接続している。従って、第四連結配線W4は他の第一〜第三連結配線W1〜W3と縦方向に並列して形成されている。第四連結配線W4は、図示しないジャンパ電極を介して端子電極T4に電気的に接続している。ジャンパ電極は、端子電極T2と同様に対向基板6の内表面に形成され、隣接する第四連結配線W4の間及び端子電極T4の間を電気的に接続する。
【0047】
図9(b)は第一バリア電極L1と第二バリア電極L2を点灯させた状態を示し、縦ストライプ状のバリアが形成される。このとき、端子電極T1と端子電極T2には、互いに極性が反対の交番電圧が駆動部から供給され、端子電極T3、T4、TCにはGND電位が供給される。これにより、第一バリア電極L1と第二バリア電極L2が点灯し、非透過状態となる。第三バリア電極L3と第四バリア電極L4には非表示電圧が印加されるために透過状態を維持する。その結果、縦ストライプ状のバリアが形成される。図9(c)は第三バリア電極L3と第四バリア電極L4を点灯させた状態を示し、縦ストライプ状のバリアが形成される。この状態では、端子電極T3と端子電極T4に互いに極性が反対の交番電圧が供給され、端子電極T1、T2、TCにGND電位が供給される。図9(c)のバリア(縦ストライプ)は、図9(b)のバリアと一列ずれた関係である。例えば、立体画像の凹凸が逆転する「逆視」の場合に、バリアパターンを図9(b)から図9(c)に切り替えることにより正常な立体画像を認識できる。つまり、見る角度に応じてバリアパターンの位置を変更することができる。
【0048】
バリア液晶パネル2を90°回転させた場合も上記と同様にバリアパターンの位置を変更することができる。即ち、端子電極T1、T3に表示電圧を供給し、端子電極T2、T4、TCに非表示電圧を供給してバリアを表示させる場合と、端子電極T2、T4に表示電圧を供給し、端子電極T1、T3、TCに非表示電圧を供給してバリアを表示させる場合とを切り替えればよい。
【0049】
なお、いずれの場合も互いに近接する2つのバリア画素電極に互いに極性が反対の交番電圧からなる表示電圧を印加するので、各交番電圧に基づく電磁ノイズが相殺される。更に、対向基板6には表示パネルの表示領域をカバーするベタ形状の対向電極4が形成されているので、電磁ノイズを上方に放射させず、また外部から入射する電磁ノイズや静電気を遮蔽する。これにより、バリア液晶パネルの上部に設置するタッチパネルや下部に設置する表示パネルを、電磁ノイズによる誤動作や静電気による破壊から保護することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 バリア液晶装置
2 バリア液晶パネル
3 立体画像表示装置
4 対向電極
5 基板
6 対向基板
7 シール材
8 液晶層
9 駆動部
11 タッチパネル
L1 第一バリア電極
L2 第二バリア電極
L3 第三バリア電極
L4 第四バリア電極
D1 第一バリア画素
D2 第二バリア画素
D3 第三バリア画素
D4 第四バリア画素
W1 第一連結配線
W2 第二連結配線
W3 第三連結配線
W4 第四連結配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一バリア画素と第二バリア電極が縦方向に交互に配置されるとともに、前記第一バリア画素と第三バリア画素が横方向に交互に配置された基板と、
前記第一〜第三バリア画素のすべてのバリア画素と対向する対向電極が形成された対向基板と、
前記基板と前記対向基板を所定の間隙を持って接合するシール材と、
前記間隙に封入した液晶層と、
前記第一バリア画素、前記第二バリア画素、前記第三バリア画素及び前記対向電極に駆動信号を供給する駆動部と、を備え、
前記第三バリア画素と前記対向電極に同一の駆動信号を供給し、前記第一バリア画素と前記第二バリア画素に前記対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加されるような駆動信号を供給して縦ストライプのバリア表示を行い、
前記第二バリア画素と前記対向電極に同一の駆動信号を供給し、前記第一バリア画素と前記第三バリア画素に前記対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加されるような駆動信号を供給して横ストライプのバリア表示を行うことを特徴とするバリア液晶装置。
【請求項2】
前記同一の駆動信号が一定電圧であることを特徴とする請求項1に記載のバリア液晶装置。
【請求項3】
前記一定電圧はGNDの電位である請求項2に記載のバリア液晶装置。
【請求項4】
前記駆動部は、
前記縦ストライプのバリア表示のときに、前記第一バリア画素と前記第二バリア画素には互いに極性が反対の交番電圧を供給し、
前記横ストライプのバリア表示のときに、前記第一バリア画素と前記第三バリア画素には互いに極性が反対の交番電圧を供給することを特徴とする請求項2または3に記載のバリア液晶装置。
【請求項5】
複数の前記第一バリア画素を縦方向に接続する第一連結配線と、複数の前記第二バリア画素を縦方向に接続する第二連結配線と、複数の前記第三バリア画素を縦方向に接続する第三連結配線を備え、
前記複数の第一バリア画素と前記第一連結配線で第一バリア電極を、前記複数の第二バリア画素と前記第二連結配線で第二バリア電極を、前記複数の第三バリア画素と前記第三連結配線で第三バリア電極を構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバリア液晶装置。
【請求項6】
前記対向基板は前記対向電極と電気的に分離されたジャンパ電極を備え、前記第一バリア電極と前記第二バリア電極と前記第三バリア電極のいずれか一つのバリア電極が、前記シール材に混入された導電材により前記ジャンパ電極に電気的に接続することを特徴とする請求項5に記載のバリア液晶装置。
【請求項7】
前記第三連結配線は、縦方向に隣接する前記第三バリア画素の間で斜めに配線されたことを特徴とする請求項5または6に記載のバリア液晶装置。
【請求項8】
前記基板は、前記第三バリア画素と縦方向に交互に配列する第四バリア画素を備えることを特徴とする請求項5または6に記載のバリア液晶装置。
【請求項9】
前記対向基板の上面に、タッチパネルを構成する検出用電極が形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のバリア液晶装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載された構成のバリア液晶装置と、右眼用の画像と左眼用の画像を同時に表示する表示パネルを備え、前記表示パネルの観察者側に前記バリア液晶装置が設けられた立体画像表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルの一つの画素は複数色のサブピクセルから構成され、前記複数色のサブピクセルは縦方向に異なる色が配列し、前記異なる色のサブピクセルの間に形成される間隙は横方向に延在することを特徴とする請求項10に記載の立体画像表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルの一つの画素は複数色のサブピクセルから構成され、
前記第三連結配線は、前記複数色のサブピクセルが配列する方向に対して斜めに設置されたことを特徴とする請求項10または11に記載の立体画像表示装置。
【請求項13】
前記基板は、前記第三バリア画素と縦方向に交互に配列する第四バリア画素を備え、
前記駆動部は、前記第一バリア画素と前記第二バリア画素に前記対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加するような駆動波形を供給することと、前記第三バリア画素と前記第四バリア画素に前記対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加するような駆動波形を供給することを切り替えて、表示される縦ストライプの位置を変更することを特徴とする請求項10または11に記載の立体画像表示装置。
【請求項1】
第一バリア画素と第二バリア電極が縦方向に交互に配置されるとともに、前記第一バリア画素と第三バリア画素が横方向に交互に配置された基板と、
前記第一〜第三バリア画素のすべてのバリア画素と対向する対向電極が形成された対向基板と、
前記基板と前記対向基板を所定の間隙を持って接合するシール材と、
前記間隙に封入した液晶層と、
前記第一バリア画素、前記第二バリア画素、前記第三バリア画素及び前記対向電極に駆動信号を供給する駆動部と、を備え、
前記第三バリア画素と前記対向電極に同一の駆動信号を供給し、前記第一バリア画素と前記第二バリア画素に前記対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加されるような駆動信号を供給して縦ストライプのバリア表示を行い、
前記第二バリア画素と前記対向電極に同一の駆動信号を供給し、前記第一バリア画素と前記第三バリア画素に前記対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加されるような駆動信号を供給して横ストライプのバリア表示を行うことを特徴とするバリア液晶装置。
【請求項2】
前記同一の駆動信号が一定電圧であることを特徴とする請求項1に記載のバリア液晶装置。
【請求項3】
前記一定電圧はGNDの電位である請求項2に記載のバリア液晶装置。
【請求項4】
前記駆動部は、
前記縦ストライプのバリア表示のときに、前記第一バリア画素と前記第二バリア画素には互いに極性が反対の交番電圧を供給し、
前記横ストライプのバリア表示のときに、前記第一バリア画素と前記第三バリア画素には互いに極性が反対の交番電圧を供給することを特徴とする請求項2または3に記載のバリア液晶装置。
【請求項5】
複数の前記第一バリア画素を縦方向に接続する第一連結配線と、複数の前記第二バリア画素を縦方向に接続する第二連結配線と、複数の前記第三バリア画素を縦方向に接続する第三連結配線を備え、
前記複数の第一バリア画素と前記第一連結配線で第一バリア電極を、前記複数の第二バリア画素と前記第二連結配線で第二バリア電極を、前記複数の第三バリア画素と前記第三連結配線で第三バリア電極を構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバリア液晶装置。
【請求項6】
前記対向基板は前記対向電極と電気的に分離されたジャンパ電極を備え、前記第一バリア電極と前記第二バリア電極と前記第三バリア電極のいずれか一つのバリア電極が、前記シール材に混入された導電材により前記ジャンパ電極に電気的に接続することを特徴とする請求項5に記載のバリア液晶装置。
【請求項7】
前記第三連結配線は、縦方向に隣接する前記第三バリア画素の間で斜めに配線されたことを特徴とする請求項5または6に記載のバリア液晶装置。
【請求項8】
前記基板は、前記第三バリア画素と縦方向に交互に配列する第四バリア画素を備えることを特徴とする請求項5または6に記載のバリア液晶装置。
【請求項9】
前記対向基板の上面に、タッチパネルを構成する検出用電極が形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のバリア液晶装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載された構成のバリア液晶装置と、右眼用の画像と左眼用の画像を同時に表示する表示パネルを備え、前記表示パネルの観察者側に前記バリア液晶装置が設けられた立体画像表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルの一つの画素は複数色のサブピクセルから構成され、前記複数色のサブピクセルは縦方向に異なる色が配列し、前記異なる色のサブピクセルの間に形成される間隙は横方向に延在することを特徴とする請求項10に記載の立体画像表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルの一つの画素は複数色のサブピクセルから構成され、
前記第三連結配線は、前記複数色のサブピクセルが配列する方向に対して斜めに設置されたことを特徴とする請求項10または11に記載の立体画像表示装置。
【請求項13】
前記基板は、前記第三バリア画素と縦方向に交互に配列する第四バリア画素を備え、
前記駆動部は、前記第一バリア画素と前記第二バリア画素に前記対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加するような駆動波形を供給することと、前記第三バリア画素と前記第四バリア画素に前記対向電極との間の液晶層に実効電圧が印加するような駆動波形を供給することを切り替えて、表示される縦ストライプの位置を変更することを特徴とする請求項10または11に記載の立体画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図4】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図4】
【公開番号】特開2012−159789(P2012−159789A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20839(P2011−20839)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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