説明

バルブ

【課題】小流量から微小流量まで、流通/遮断時に流体のカットオフをシャープに行う、省電力で高精度のバルブを提供する。
【解決手段】電磁石6の流通/遮断パルスを、空気が封入された制御室部5の、移動式バルブ4の制御ヘッド4−aにモールドした永久磁石4−eにより、バルブの吸引/反発動作は抵抗が殆どなく高速で移動を行う。移動式バルブ内部の流入口4−cから流出口4−dに流通する液体は、遮断パルスによるバルブのスライドで、流出口4−dとシリンダ側面の流出穴3−bがクローズし、流路は遮断される。ほぼ同時に流入口4−cが閉口し、バルブも閉じる。遮断パルスオフ後、永久磁石4−eと電磁石の芯は吸引状態を保持し、遮断状態を維持する。電磁石6に流通パルスを出力すると、反発力を受けた移動式バルブ4は流入槽内2−bの永久磁石4−fが外側の磁性体10と吸引状態になり、パルスオフ後も吸引を継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は管内を流通する液体を目的により遮断したり通過させたりする装置に用いるバルブであり、時間制御や外部センサー制御等の方法により、極微量から一定量まで微小誤差で流通(オン)/遮断(オフ)が可能な、流量を制御することのできるバルブ及びバルブの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在のバルブは主にソレノイド(コイル)とプランジャー(稼動鉄片),スプリングによる流路の直接開閉構造が主であるため、プランジャー室と液体流通室の分断に困難を要し、オン動作とオフ動作において液体を跳ね飛ばし、誤差が大きく精度が悪い。
プランジャーのオン動作において発熱があり、長時間のオン動作ではさらに発熱し、温度上昇により動作が鈍化する傾向にある。スプリングの耐久性も問題点であった。
さらにオン,オフ動作速度が約20ms(平均)と高速とはいえず、シャープに流量をオンオフすることが困難であるという問題点があった。速度や精度を追及すると外形も大きく高価になる。医療や化学薬品,ケミカルを使う場合に困難を要する。さらにプランジャーを使用するため小型化が困難である。特許文献1に一部類似する電磁バルブが開示されている。
特許文献1は電磁石を2個使用し、バルブ(プランジャー)に丸長の電磁石1個使用している。
流入口1個に対して流出口が2個であり、必ずどちらか一方に流出するが、2個の電磁石に通電がない場合、永久磁石はヨーク1,2の中間に位置し、流出口A,Bの両方に流出する。さらに動作はプランジャーと同じ為、動作が俊敏にならない。特許文献1は流入路の液圧によりプラスチックケースが横方向に抑えられ、移動時の立上りが鈍くなる可能性を有し、さらに2個の電磁石は常時給電が必要で、発熱も大きくなり動作の鈍化が生じる要因の一つになる。また形状も小さくできない。この構造では遮断時に流体のカットオフがシャープに行なえず、流量誤差が大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-138932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は流量制御における動作速度、発熱、遮断誤差という問題点を解消し、且つ、カットオフがシャープで確実な閉塞状態を維持し、発熱を抑えた省エネルギーに特に優れたバルブを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の請求項1に係る流体遮断バルブは、流入口を備えた入路槽部、流出口を備えたシリンダー部と制御室部からなるハウジングケースとハウジングケース内に設置された移動式バルブと、移動式バルブを作動させる電磁石で構成されたバルブであって、
ハウジングケースは、
1.制御室部は電磁石のオンオフにより移動式バルブの移動を可能とする空間部を有し、移動式バルブの制御ヘッドが突出しており、
2.入路槽部は側面に流入口を備え、移動式バルブの遮断ヘッドと、液体をプールする流入槽を有し、且つ磁性体を有する底部を一体とした構造であり、
3.シリンダー部は中央部に空間があり、該空間に移動式バルブが挿入されており、
空間の側面に流出口があり、
4.移動式バルブは円柱の電磁石側に制御ヘッド、入路槽部側に遮断ヘッドを有し、制御ヘッド及び 遮断ヘッドが中央部より5〜30φ大きく、制御ヘッドの電磁石側に樹脂でモールドした永久 磁石が取付けてあり、制御室部側の永久磁石を電磁石の作動によりスライドする構造であり、入路槽部側に0.1〜10mmの流入口、内部に0.1〜10mmの流通路、空間の側面側に0.1〜10mmの流出口を有し、流入口・流通路・流出口が連通しており、
5.電磁石は制御室部に隣接しており、移動式バルブの制御ヘッドに取付けた永久磁石との吸引と反発により、移動式バルブをスライドさせる
ことにより流量制御をおこなうものである。
【0006】
バルブのサイズにより、流入口、流出口の穴径と位置は変わり、流量と遮断誤差も変わる。ハウジングケースのサイズは、外形3φ〜100φで長さ15〜120mmの樹脂、又は非磁性体金属を用いて作成し、電磁石も外形3φ〜100φで長さ5〜80mmとし、用途により組合せを選択し、最大外形100φで長さ200mmまで製作可能とする。制御室部の移動式バルブの動作空間部はバルブ制御ヘッドのサイズにより大きさが異なり、永久磁石と電磁石の隔離壁も磁力の強さにより、厚みが異なる。入路槽部は流入口を構造により側面又は中心底部に備えることとし、移動式バルブの遮断ヘッドの大きさにより、流入槽と磁性体取付穴のサイズも異なる。
制御室部は移動式バルブの移動を制御する空間に有する、永久磁石を備えた制御ヘッドを瞬時に移動する為、空間部には空気又は不活性ガスを封入し、移動抵抗を小さくすると同時に、制御ヘッドに装備した永久磁石と電磁石の芯が、サイズにより0.3〜8.0kgの吸引力が得られる隙間とし、壁にはりつかないこととし、且つ移動式バルブの移動による空間部の空気の量に変化がないものとする。
入路槽部は液体が流入する流入口と、液体をプールする流入槽を備え、バルブのサイズにより、流入口と流入槽の大きさは異なり、流入口は仕様により側面又は底面中心に設定されるものとし、流通状態を維持する遮断ヘッドと吸引する磁性体は、流入口の仕様により底部の流入路を妨げない位置に取付られる。
シリンダー部は中央部に空間があり、該空間に移動式バルブが挿入されており、空間の側面に流出口が設定されている。バルブのサイズにより基本構造に変更はないが、中央部の空間と空間の側面にある流出口の穴径と穴位置は変更になり、流通/遮断を行う流量と遮断時の誤差が変わる。シリンダー部はサイズと磁力の大きさにより長さが変わる。
移動式バルブのサイズはバルブのサイズと流量により異なるが外部センサーにより遮断や流通を行う場合、液体の遮断誤差が小さく、漏洩がなく閉塞を完全に行うことが重要な為、高速移動と遮断時の高い吸引力維持が要求され、制御ヘッドに取付られた永久磁石の吸引力と電磁石の芯の隙間が大切である。又、流通時の移動式バルブの状態維持は遮断ヘッドに取付た永久磁石と底部の磁性体で行われる。同サイズのバルブにおいて移動式バルブの流通路の穴径を変えることで流量の変更が可能であり、制御ヘッド及び遮断ヘッドが中央部より5〜30φ大きいのは、永久磁石の取り付けと閉塞を完全に行うためである。流通路は入路槽部側に0.1〜30mmの流入口、内部に0.1〜30mmの流通路、空間の側面側に0.1〜30mmの流出口を有し、流入口・流通路・流出口が連通している。
移動式バルブの流入口は遮断ヘッドと円柱の境界より1〜5mmの円柱の側面に流入口を設け、円柱の中心の流通パイプを通過し、さらに円柱のセンターから2〜5mm制御ヘッド側に設けた流出口と接続した構造とし、液体の流通を妨げないように0.5〜2mm程度の深さの溝が刻まれ、シリンダ側面の流出穴に接続する。さらにスライドにより流体を遮断するため液体の跳ねや垂が極めて少ない。
電磁石は制御室部に隣接しており、バルブのサイズと移動式バルブの制御ヘッドに取付けた永久磁石の吸引力により電磁石のサイズを決め、さらにパルスドライブの吸引と反発により、移動式バルブをスライドさせるため、制御ヘッドに取付けた永久磁石と電磁石の芯の距離は、反発パルスによる移動式バルブが流通動作と状態維持が十分であり、且つ遮断パルスによる応答が俊敏であるように設定する。
【0007】
樹脂は主にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用しケミカル等の化学薬品に対応するが、ABS樹脂、ポリスチレン(PS)、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジュラコン等、その他の材質も該当することはいうまでもない。金属はアルミニュームが一般的であるが、用途により他の磁性体を含む金属も使用対象とする。
使用する外部センサーはフォト(光)センサーが主であるが、液体や検出方法によりタッチスイッチや静電スイッチ、他も用いる。
永久磁石は丸型を使用し直径1〜12mmで、厚さ1〜5mmを用いて、吸着力が0.03kg〜3kgのネオジム磁石N−40(市販品)が使用可能とするが、外形100mmのバルブを制作する場合は丸型で20〜50φ、厚さ5〜10mmで、吸着力が5〜25kgを移動式バルブの外側両面に使用する。電磁石の電流パルスは移動式バルブの吸引力を考慮して5〜1,000msのパルス幅を必要とする流体の種類は液体、気体が主であるが、粘度の大きい液体や気体は移動式バルブの遮断口近辺に付着しやすく、遮断時の閉塞が不十分になるため不向きであり、さらに遮断時間が長い場合は凝固する可能性がある液体にも不向きであるが、透明度に関しては問題になることはない。
【0008】
入路槽部側の移動式バルブの遮断ヘッドのシリンダー側及び制御室部側の制御ヘッドのシリンダー側に弾性体を有することとし、遮断時の閉塞をより強固にし維持する。
【0009】
遮断ヘッドの入路槽部側に樹脂でモールドした永久磁石を取付けた、移動式バルブを有することとし、入路槽部の底部に取付た磁性体と流入状態の維持を継続する。
【0010】
流出路側に設けた流量センサーにより流量制御を行うことが可能なバルブであり主に使用するセンサーは赤外線(IR)センサーであり、LED可視光線(OP)とフォトトランジスタの組合せを使用したオプトセンサー他がある。
【0011】
この発明のバルブの制御方法は、パルス制御による電磁石と両端に永久磁石を取付た移動式バルブと流入槽の外側に取付た磁性体(純鉄又は永久磁石,他)と位置センサーで構成し、吸引移動又は反発移動は電磁石と移動式バルブの永久磁石が直接実行するステップと、電磁石の芯と移動式バルブの永久磁石の吸引と入路槽の底部に取付た磁性体(永久磁石又は純鉄,他)と移動式バルブの永久磁石の吸引は、パルス消滅後の動作維持ステップである。小型仕様は電磁石の実行ステップは電磁石に電流方向を変えて5〜50msの制御パルスを出力し、移動式バルブのオン(流通)/オフ(遮断)動作を行う。形状や流量が大きなバルブは、電磁石の仕様が異なるため、パルス幅の時間も最大300ms〜1000ms必要になる。外部赤外線センサーによりバルブのオン(流通)/オフ(遮断)動作を行う場合は赤外線センサーが光を受光している時が流通状態でバルブオン(流通)とし、光が遮断されるとバルブオフ(遮断)とする。
【発明の効果】
【0012】
形状の小型化が可能なため、高速動作によるバルブ移動が可能で、且つスライド動作により流体の流通/遮断を行う為、流体のカットオフをシャープに行い、さらにバルブ移動をパルスドライブ方式で行う為、省電力で高精度の流量制御が可能なバルブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のバルブの実施形態を示す遮断時の断面図又は概略構成図
【図2】本発明のバルブの実施形態を示す流通時の断面図又は概略構成図
【図3】図1に用いられている移動式バルブの断面図
【図4】本発明の他の実施形態を示す断面図1
【図5】本発明の他の実施形態を示す断面図2
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0014】
本発明は実施例1を図1,図2,図3に基づいて詳細に説明する。
図1は移動式バルブの遮断状態を示す断面図又は構成図であり、図2は移動式バルブの流通状態を示す断面図又は構成図であり、図3は図1、図2に於ける移動式バルブの構造を示す断面図である。図1、2において1は流体を貯蔵するタンクであり、流入路2−aはタンクとバルブを接続する。12は例えば樹脂、またはアルミ等と電磁石で形成されるバルブ本体であり、外形は15φで長さ20mmの樹脂部11(又はアルミ部)と、15φで長さ15mmの電磁石6を使用した。ここでは樹脂としてPTFEを用いている。12はパルス制御装置であり、赤外線センサーやプログラム、又マニュアル等によるオン/オフパルスを電磁石6に出力する。移動式バルブ4は制御ヘッド4−aに5φの厚み1.5mmで吸着力が0.6kgの永久磁石4−eをモールドし、遮断ヘッド4−bには3φの厚み2.0mmで吸着力が0.3kgの永久磁石4−fをモールドした。制御ヘッド4−aは電磁石6の出力パルスにより、遮断動作、遮断動作維持、流通動作を行い、遮断ヘッド4−bは流通動作維持のみを担う。
【0015】
図1において2は樹脂で形成された入路槽部で中央部に流入層2−bが設けられ、側面に流入路2−a(貫通穴)が形成され、底部に磁性体(永久磁石又は、純鉄でも可能)10と磁気センサー7が取付られている。さらに流入層2−bには、移動式バルブの遮断ヘッド4−bが配置されている。
3は樹脂で形成されたシリンダ部で、中央に移動式バルブ4の可動部が配置される空間3−aを設け、側壁に流体を流出する流出穴3−bが設けられている。5は樹脂で形成されたバルブ制御室部で円柱の中央に、移動式バルブ4の制御ヘッド4−aの移動を可能とするバルブ収納室5−a、上部は薄い壁を隔てて電磁石の芯6−aに隣接している。バルブ収納室5−aには空気や不活性ガスを封入し、制御ヘッド4−aの動作抵抗を軽減する。
【0016】
図3の4は樹脂で形成された移動式バルブで、断面図にもとづいて説明する。
移動式バルブ4の断面図はシリンダ3に対する円柱と、円柱より5φ大きい4−a制御ヘッドと3φ大きい4−b遮断ヘッドが設けられ、制御ヘッド4−aの外側に永久磁石4−e,遮断ヘッド4−bの外側に永久磁石4−fがモールドされている。流通路は遮断ヘッド4−bと円柱の境界より2mmの円柱の側面に0.5mmの流入口4−cを設け、円柱の中心に1mmの流通パイプを作成し、接続するが、さらに円柱のセンターから3mm制御ヘッド側に設けた0.5mmの流出口4−dと接続した構造とした。さらに円柱には液体の流通を妨げないように0.5mm程度の深さの溝が刻まれ、シリンダ側面の1mmの流出穴3−bと流通状態時に接続可能な位置に設定されている。
【0017】
次に実施例1におけるバルブの遮断動作について、図1に基づいて説明する。まず移動式バルブ4の遮断動作は、パルス制御装置12から電磁石6へ出力する遮断パルス(吸引)により行う。遮断及び遮断維持状態の場合、パルス制御装置12から電磁石6へ、吸引パルス(遮断)を出力すると、本体上部に設置された電磁石6の極性(N/S)により、制御バルブ収納室5−a内に配置された、制御ヘッド4−aの永久磁石4−eが吸引され、流入路を閉口し、制御パルスがオフした後も遮断状態を維持する。この時制御バルブ4−aと電磁石の芯6−aは、最大0.5mmの隙間で吸引状態を維持する。この隙間は流体を遮断し、且つ閉塞状態を保つに十分な引力を得られる隙間とする。遮断後、移動式バルブの流通路は遮断ヘッド4−bに近い側面の流入口4−cと、移動式バルブ4の真ん中よりやや制御ヘッド4−aよりの流出溝を有する流出口4−dは閉口し、液体の流通は停止する。遮断状態時はスライドしたバルブで流出口を閉口する。
【0018】
図2に基づいて流通及び流通維持状態を説明する。パルス制御装置12から電磁石6へ反発パルスが出力されると、電磁石6に対して制御ヘッド4−a永久磁石14−eは、移動式バルブ4を電磁石6から遠ざけ、流入口を開口する。この時移動式バルブ4の永久磁石24−fは、磁性体10と吸引状態になり制御パルス終了後も、開口状態を維持する。流入槽2−bから移動式バルブ4の内部定流穴4−cから4−dを通過した液体は流出穴3−bへ流通する。その後、流出路8を通過して外部へ出力する。さらに4−aテーパ部分は制御室5とシリンダー3を遮断し、制御室5側のパッキン9は制御室5への流体の浸入を防止する。
制御可能な流量は移動式バルブ4の内部に設けられた穴径4−cと4−dに依存する。流量は流速と内管の面積で決まる為、同じ形状でも内管の面積により用途が大きくなる。
1の液体タンクにつながっている流入口を通過した液体(又は、気体でも可能)は移動式バルブの内径により異なった流量を制御することが可能である。
【0019】
移動式バルブ4は3mm程度の少ない移動により流通と遮断を行う為、高速度でバルブの制御が可能である。さらに移動量が少ないことで、より小型化が実現可能になる。
移動式バルブの遮断方法は移動するバルブ内の液体がスライドにより停止する為、バルブ動作時の液体の跳ねや押出し等の余分な液体の流出が発生しない。
この遮断方法により高精度で極少量の誤差を達成可能にしました。
【0020】
制御室5に空気(又は不活性ガスが好ましい)が封入されている為、電磁石6による移動式バルブ4の移動抵抗が小さく高速動作を実現する。
電磁石6のパルス制御装置12は、各種センサー又はプログラムによりオンオフパルスを出力するが、時間又は各種センサーにより制御されるスライドバルブ4のオフ(遮断)パルスは半導体素子の遅延のみで、高精度で液量の遮断を行います。
【0021】
なお、上記実施例1、では移動式バルブ用いたバルブの構造と動作について説明したが、形状や制御方法はこれに限定するものではない。
【実施例2】
【0022】
本発明の実施例2を図4に基づいて詳細に説明する。
実施例2は液体の流入口と流出口がバルブの中心に設定されたことが実施例1と異なる。
タンク1から流入路2−aを通過した液体は入路槽部2の流入槽2−bにプールする。電磁石6の流通パルスにより、移動式バルブ4が電磁石から遠ざかり、遮断バルブ4−bは開口し、永久磁石4−fは磁性体10と吸引状態になり、状態を維持する。流入槽2−b内の液体は、移動式バルブ4内の流入口4−dから流出口4−cを流通して流出穴3−bから流出路8へ流出する。
又、構造も流入槽カバー14と流出路カバー15が追加されている。外形は25φで長さ50mmと大きくなっているが、動作構造や制御方法は実施例1とほとんど同じであり、移動式バルブや電磁石も同等品が使用可能である。図4は移動式バルブ4の遮断状態を示す断面図又は構成図であり、移動式バルブ4の流通状態は、バルブ4の制御ヘッドが電磁石6から離れた状態を想定し、遮断ヘッド4−bの永久磁石4−fが外部の磁性体10と吸引状態にあることを想定することにより移動式バルブの流入路4−cと流出路4−dは接続され流体は流出路8へ流出する。
【実施例3】
【0023】
本発明の実施例3を図5に基づいて詳細に説明する。
実施例3は液体の流入口と流出口及び移動式バルブがバルブの中心に設定されたため、電磁石と制御ヘッドの永久磁石の中心に穴があいていることと、移動式バルブには制御ヘッドのみであり、実施例1及び2と大きく異なる。この構造はノズルを長くできることが特徴である。
タンク1から流入路2−aを通過した液体は入路槽部22の流入槽22−aにプールする。
流通動作は電磁石26の流通パルスにより、移動式バルブ24が電磁石から遠ざかり、磁性体23−aと吸引状態になり、この状態を維持する。流入口24−cは入路槽22−aで開口し、流出口24−dと接続した流出穴21−aから流出路8へ液体が流出する。
遮断動作は電磁石26が遮断パルスにより、制御ヘッド24−aを吸引すると、流入口24−cは入路槽22−aから電磁石側に移動し、閉口すると同時に流出口24−dも流出路8と切離され流出路8の液体流出が停止する。制御室部25の収納室25−aは空気が封入され、動作抵抗は小さい。
【符号の説明】
【0024】
1 液体タンク
2 入路槽部
2−a 流入路
2−b 流入槽
3 シリンダ部
3−a シリンダー穴
3−b 流出穴
4 移動式バルブ
4−a 制御ヘッド
4−b 遮断ヘッド
4−c 液体入路穴
4−d 液体出路穴
4−e 永久磁石1
4−f 永久磁石2
5 制御室部
5−a 収納室
6 電磁石
6−a 電磁石の芯
7 位置センサー
8 流出路
9 遮断パッキン
10 磁性体/純鉄
11 ハウジングケース
12 本体
13 パルス制御器
14 流入槽カバー
15 流出路カバー
21 ノズル部
21−a 流出穴
22 入路槽部
22−a 入路槽
23 入路槽ベース
23−a 磁性体
24 移動式バルブ
24−a 制御ヘッド
24−b 永久磁石1
24−c 流入口
24−d 流出口
25 制御室部
25−a 収納室
26 電磁石


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口を備えた入路槽部、流出口を備えたシリンダー部と制御室部からなるハウジングケースとハウジングケース内に設置された移動式バルブと、移動式バルブを作動させる電磁石で構成されたバルブであって、ハウジングケースは、
1.制御室部は電磁石のオンオフにより移動式バルブの移動を可能とする空間部を有し、
移動式バルブの制御ヘッドが突出しており、
2.入路槽部は側面に流入口を備え、移動式バルブの遮断ヘッドと、液体をプールする流入槽を有し、且つ磁性体を有する底部を一体とした構造であり、
3.シリンダー部は中央部に空間があり、該空間に移動式バルブが挿入されており、空間の側面に流出口があり、
4.移動式バルブは円柱の電磁石側に制御ヘッド、入路槽部側に遮断ヘッドを有し、制御ヘッド及び遮断ヘッドが中央部より5〜30φ大きく、制御ヘッドの電磁石側に樹脂でモールドした永久磁石が取付けてあり、制御室部側の永久磁石を電磁石の作動によりスライドする構造であり、入路槽部側に0.1〜10mmの流入口、内部に0.1〜10mmの流通路、空間の側面側に0.1〜10mmの流出口を有し、流入口・流通路・流出口が連通しており、
5.電磁石は制御室部に隣接しており、移動式バルブの制御ヘッドに取付けた永久磁石との吸引と反発により、移動式バルブをスライドさせる、
ことにより流量制御をおこなうことを特徴とするバルブ。
【請求項2】
入路槽部側の移動式バルブの遮断ヘッドのシリンダー側及び制御室部側の制御ヘッドのシリンダー側に弾性体を有する移動式バルブであることを特徴とする請求項1記載のバルブ。
【請求項3】
遮断ヘッドの入路槽部側に樹脂でモールドした永久磁石を取付けた、移動式バルブを有することを特徴とする請求項1又は2記載のバルブ。
【請求項4】
流出路側に設けた流量センサーにより流量制御を行うことを特徴とする請求項1〜3に記載のバルブ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−102832(P2012−102832A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253380(P2010−253380)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(710012634)株式会社ユニテックス (1)
【Fターム(参考)】