説明

パターン形成装置、ヘッドユニット装置、ヘッドユニット制御方法

【課題】調整機構及び制御機構を簡素化すると共にパターン形成を高精度かつ効率的に行うことを可能とするパターン形成装置等を提供する。
【解決手段】パターン形成装置1のユニット制御装置2は、複数のヘッドユニット3−1、3−2、…が1つのガントリ19に設けられて構成される。ヘッドユニット3−1、3−2、…は、少なくとも1つの第1ヘッドユニット5を備え、Y軸移動機構17を介して、ガントリ19に取り付けられる。パターン形成装置1のヘッドユニット装置2は、1つの移動軸(スライドレール16等)を複数のヘッドユニット3−1、3−2、…により共用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置におけるカラーフィルタ等のパターンを形成するパターン形成装置等に関する。より詳細には、インクジェット方式等によりパターンを形成するパターン形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上に液晶ディスプレイにおけるカラーフィルタのパターンを形成する方法として、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法等の各種方法がある。
しかしながら、上記の方法はいずれもR(赤)、G(緑)、B(青)の3色について同一工程を繰り返す必要があるので、コスト、歩留まり等の面で問題点がある。
【0003】
そこで、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のインクをインクジェット方式により基板上に吐出して着色層パターンを形成するパターン形成装置が提案されている(例えば、[特許文献1]参照。)。
このインクジェット方式によれば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のパターン形成を一度の工程により行い、製造工程を簡素化することができるので、コストの低減、歩留まりの向上等を図ることができる。
【0004】
図7及び図8は、従来のインクジェット方式のパターン形成装置におけるインクジェットヘッドの配置及び位置決め方法を示す図である。
図7に示すように、塗布幅(Y方向)を拡大するためにインクジェットヘッドを複数配列する場合、千鳥足状に配列する方法が一般的である。この場合、例えば、複数のインクジェットヘッド501は、平行する2つの直線状に交互に配列される。ノズル孔502は、インクジェットヘッド501の左右端部には設けられないので、塗布方向(X方向)から見てノズル孔の全配列において空白部分が生じないようにするために交互に配列される。この従来のパターン形成装置は、各インクジェットヘッド501について、Y方向の調整機構504及びθ方向の調整機構505とを備える。
【0005】
図8に示すように、従来のインクジェット方式のパターン形成装置は、パターン間ピッチが変更された場合、各インクジェットヘッド501をY方向(y1、y2、y3、…)及びθ方向(φ)について調整し、ノズル孔502の位置を塗布対象である基板上の所定のパターン503の位置に調整する。
【0006】
また、近年、基板に用いられるガラスは、厚さが薄くなると共に、生産性を向上させるため、ガラスサイズが大型化しており、例えば、厚さ1mm以下、1500mm×1800mm(G6)、1900mm×2200mm(G7)等のサイズのものが用いられる。
【0007】
【特許文献1】特開2002−361852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、加工対象たる基板の大型化に伴い、塗布幅の拡大、変更に対応するためには、インクジェットヘッドを大規模化したりインクジェットヘッド数を増加する必要があるが、この場合、上記Y方向及びθ方向の調整機構(旋回用及び列方向移動用のアクチュエータ)はインクジェットヘッド毎に個別に設ける必要があるので、調整機構の大規模化あるいは増設等を行う必要が生じてコスト的負担、維持管理負担等が増大するという問題点がある。また、各インクジェットヘッドに対する制御も困難かつ複雑化するという問題点がある。
【0009】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、調整機構及び制御機構を簡素化すると共にパターン形成を高精度かつ効率的に行うことを可能とするパターン形成装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するために第1の発明は、基板に対してヘッドによる加工処理を行い、パターンを形成するパターン形成装置であって、少なくとも1つのヘッドが配置される複数のヘッドユニットと、所定の方向に設けられる軸と、前記ヘッドユニット毎に設けられ前記軸に沿って移動する複数の移動部と、を具備し、前記軸の1つを前記複数のヘッドユニットにより共用することを特徴とするパターン形成装置である。
【0011】
パターン形成装置は、インクジェット方式等によりカラーフィルタ等を製造する装置である。カラーフィルタは、LCD(液晶ディスプレイパネル)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、有機EL(ElectroLuminescent Display)等の表示装置に用いられる。
ヘッドは、基板等にパターン形成を行う加工処理装置であり、インクジェットヘッド等である。
ヘッドユニットは、1または複数のヘッドが配置されたものである。
【0012】
第1の発明のパターン形成装置では、所定の方向に設けられる1つの軸(スライドレール等)に対して、ヘッドユニットが複数設けられる。各ヘッドユニットは、ヘッドユニット毎に設けられる移動部(スライダ等)を介して、当該1つの軸に沿って移動する。すなわち、パターン形成装置は、複数のヘッドユニットにより1つの軸を共用する。
尚、軸方向移動機構(軸、移動部等)に関しては、スライド機構(スライドレール、スライダ(スライドブッシュ)等)、リニアモータ等を用いることができる。所定の方向は、例えば、塗布幅方向(Y方向)等である。
【0013】
また、各ヘッドユニットを個別に回転させる回転手段を設けてもよい。
回転手段は、回転機構であり、ダイレクトドライブモータ等を用いることができる。
【0014】
第1の発明では、パターン形成装置は、1つの移動軸を複数のヘッドユニットにより共用するので、装置規模を大きくすることなく、位置決め精度等を維持しつつ、塗布幅の拡大、変更等に対応することができ、装置製作費用等のコスト的負担、維持管理負担、調整等に係る労力的負担等を軽減することができる。また、装置の占有スペースの増大を抑制することができる。さらに、複数のヘッドユニットを用いることにより、迅速な処理を図ることができる。従って、調整機構及び制御機構を簡素化すると共にパターン形成を高精度かつ効率的に行うことができる。
【0015】
第2の発明は、基板に対して加工処理を行うヘッドが配置されるヘッドユニットを制御するヘッドユニット装置であって、少なくとも1つのヘッドが配置される複数のヘッドユニットと、所定の方向に設けられる軸と、前記ヘッドユニット毎に設けられ前記軸に沿って移動する複数の移動部と、を具備し、前記軸の1つを前記複数のヘッドユニットにより共用することを特徴とするヘッドユニット装置である。
【0016】
第2の発明は、第1の発明のパターン形成装置におけるヘッドユニットを制御するヘッドユニット装置に関する発明である。
【0017】
第3の発明は、基板に対して加工処理を行うヘッドが配置されるヘッドユニットを制御するヘッドユニット制御方法であって、前記ヘッドユニット毎に設けられる複数の移動部を介して、少なくとも1つのヘッドが配置される複数のヘッドユニットを所定の方向に設けられる軸に沿って移動させる移動ステップと、前記軸の1つを前記複数のヘッドユニットにより共用する共用ステップと、を具備すること特徴とするヘッドユニット制御方法である。
【0018】
第3の発明は、第1の発明及び第2の発明におけるヘッドユニットの制御方法に関する発明である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、調整機構及び制御機構を簡素化すると共にパターン形成を高精度かつ効率的に行うことを可能とするパターン形成装置等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係るパターン形成装置等の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0021】
最初に、図1を参照しながら、本発明の実施の形態に係るパターン形成装置1の構成について説明する。
図1は、パターン形成装置1の概略斜視図である。
尚、θ軸は鉛直方向回転軸を示し、θ方向はその回転方向を示す。Y軸は塗布幅方向を示し、X軸は塗布方向を示し、θ軸、Y軸、X軸は、互いに直角をなす。
【0022】
図1に示すパターン形成装置1は、複数のヘッドユニット3−1、3−2、…、吸着テーブル101、X軸移動ステージ102、θ軸移動ステージ103、アライメントカメラ104等により構成される。
【0023】
パターン形成装置1は、インクジェット方式によりカラーフィルタを製造する装置である。パターン形成装置1は、R(赤)、G(緑)、B(青)の三色の色素を含有するインクをインクジェット方式で光透過性の基板上に吐出し、各インクを乾燥させて着色画素部を形成し、当該基板上にカラーフィルタパターンを形成する。
【0024】
ヘッドユニット装置2は、複数のヘッドユニット3−1、3−2、…等が1つのガントリ19に設けられて構成される。また、複数のヘッドユニット3−1、3−2、…を設けたガントリ19を複数設けるようにしてもよい。
ヘッドユニット3は、インクジェットヘッドを有し、基板に対してインクを吐出してパターン形成を行う。
尚、ヘッドユニット装置2、ヘッドユニット3については、後述する。
【0025】
吸着テーブル101は、カラーフィルタパターンを形成する対象となる基板105(ガラス基板、フィルム基板等)を吸着して固定するテーブルである。基板の吸着は、例えば、吸着テーブルと基板との間の空気を減圧、真空にすることにより行われる。この場合、吸着テーブルには、空気を吸引するための小孔(図示しない)が設けられ、吸着の際には当該孔を通じて真空ポンプ(図示しない)等により空気の吸引が行われる。
【0026】
X軸移動ステージ102は、直線移動ステージであり、例えば、ステップモータ、サーボモータ等の制御可能なモータによって所定の軸方向に移動可能に支持される。X軸移動ステージ102は、アライメント部(図示しない)が出力する制御量に基づいて、吸着テーブル101をX軸方向に移動する。
【0027】
尚、Y方向に関しては、吸着テーブル101側に、X軸移動ステージ102と同様の機構を有するY軸移動ステージ(図示しない。)を設けてもよいし、ヘッドユニット3側にY軸移動機構17(スライダ15、スライドレール16等)を設けるようにしてもよい。
【0028】
θ軸移動ステージ103は、回転ステージであり、例えば、ステップモータ、サーボモータ等の制御可能なモータによって所定の回転軸に回転自在に支持される。θ軸移動ステージ103は、アライメント部(図示しない)が出力する制御量に基づいて、吸着テーブル101を回転する。
【0029】
アライメントカメラ104は、吸着テーブル101に吸着固定された基板105のθ方向角度及びXY座標を検出するために、基板105の所定箇所(基板上に形成されるアライメントマーク(図示しない)等)を撮像するカメラである。アライメントカメラ104の撮像画像は、パターン形成装置1のアライメント部(図示しない)に入力される。
尚、アライメントカメラ104は、パターン形成装置1のフレーム(図示しない)に固定支持される。
【0030】
アライメント部(図示しない)は、撮像画像に基づいて基板105のθ方向角度及びXY座標を抽出する処理を行う。アライメント部(図示しない)は、抽出したデータを所定のデータと比較してそれらの偏差を算出し、偏差を小さくするように制御量を演算する。アライメント部(図示しない)は、X軸移動ステージ102、θ軸移動ステージ103、Y軸移動ステージ、Y軸移動機構等に対してそれぞれの制御量を出力して各ステージの位置制御を行う。このように、アライメント部(図示しない)は、アライメントカメラ104の撮像画像に基づいて、基板105が所定のθ方向角度、所定のXY座標となるように制御する。
【0031】
このように、パターン形成装置1は、X軸移動ステージ102、θ軸移動ステージ103、Y軸移動ステージ、Y軸移動機構等により、所定のXY座標、所定のθ方向角度となるように、基板105の位置決めを行う。
【0032】
次に、図2及び図3を参照しながら、ヘッドユニット装置2について説明する。
図2は、ヘッドユニット装置2のX方向正面図である。
図2に示すヘッドユニット装置2は、複数のヘッドユニット3−1、3−2、…が1つのガントリ19に設けられて構成される。
【0033】
ヘッドユニット3−1、3−2、…は、少なくとも1つの第1ヘッドユニット5を備え、Y軸移動機構17(スライダ15、スライドレール16等)を介して、定盤(図示しない)に固定されるガントリ19に取り付けられる。
Y軸移動機構17による位置制御により、ヘッドユニット3−1、3−2、…のY方向の位置調整を行うことができる。
尚、Y軸移動機構17としては、汎用のものを用いることができ、例えば、リニアモータ、LMガイド(THK株式会社製)等を用いることができる。
【0034】
第1ヘッドユニット5は、少なくとも1つのヘッド7(インクジェットヘッド)が板状部材のバー9に設けられて構成される。
第1ヘッドユニット5は、板状部材のベース11に取り付けられる。この場合、1または複数の第1ヘッドユニット5をベース11に取り付けることができる。
ベース11は、回転機構13を介してスライダ15に取り付けられる。。
尚、回転機構13としては、ダイレクトドライブモータ等を用いることができる。
【0035】
図3は、ヘッドユニット装置2のY軸移動機構17の一態様を示す図である。
Y軸移動機構17は、種々の形態を採ることができるが、図3に示すY軸移動機構17は、リニアモータ21等により構成される。
【0036】
リニアモータ21は、コイル23及びマグネットプレート25等から構成される。コイル23は、電流により生じる磁力により、マグネットプレート25に沿って移動する。
コイル23は、スライダ15に設けられ、マグネットプレート25は、スライドレール16に沿って、ガントリ19の側面に配置される。
【0037】
リニアモータ21を駆動させ、スライダ15に設けられるコイル23がマグネットプレート25に沿って移動するのに伴い、ヘッドユニット3は、スライドレール16に沿ってY方向に移動する。
スライダ15側には、リニアスケールヘッド27が設けられ、スライドレール16側には、リニアスケール29が設けられる。リニアスケールヘッド27によりリニアスケール29の目盛を読み取ることにより、ヘッドユニット3の移動量等を制御することができる。
【0038】
ヘッドユニット装置2では、リニアモータ21は、多頭化され、1つのマグネットプレート25に対して複数のコイル23が設けられる。また、各コイル23について個別にスライダ15及びヘッドユニット3が構成される。従って、ヘッドユニット装置2の複数のヘッドユニット3−1、3−2、…は、1つの移動軸(スライドレール16等)を共用する。
【0039】
このように、パターン形成装置1のヘッドユニット装置2は、1つの移動軸(スライドレール16等)を複数のヘッドユニット3−1、3−2、…により共用するので、個々のヘッドユニット3の規模を大きくすることなく、位置決め精度等を維持しつつ、複数のヘッドユニット3−1、3−2、…を用いることにより塗布幅の拡大、変更等に対応することができる。
従って、パターン形成装置1のヘッドユニット装置2は、調整機構の大規模化あるいは増設等を行うことなく、加工対象の基板の大型化等に対応することができるので、装置製作費用等のコスト的負担、維持管理負担、調整等に係る労力的負担等を軽減することができる。また、装置の占有スペースの増大を抑制することができる。
尚、ヘッドユニット3を複数設けることに伴い、回転機構13も複数設ける必要があるが、回転機構13の増加による装置構成の全体的な規模は、大きくならない。むしろ、1つのヘッドユニットを複数のヘッドユニット3−1、3−2、…に分散することにより、各ヘッドユニット3−1、3−2、…が支持すべき重量が軽減され、各回転機構13−1、13−2、…の装置構成を簡素化することができる。
【0040】
次に、図4を参照しながら、ヘッドユニット装置2による処理について説明する。
図4は、基板105におけるカラーフィルタ51の面付けを示す図である。
図4に示すように、1枚の基板105に複数枚のカラーフィルタ51を面付けする場合、複数のヘッドユニット3−1、3−2、…で分担してカラーフィルタ51の加工処理を行うことができる。
1枚の基板105に4枚のカラーフィルタ51−1〜カラーフィルタ51−4を面付けする場合、ヘッドユニット装置2のヘッドユニット3−1は、カラーフィルタ51−1、51−2のパターニングを行い、ヘッドユニット装置2のヘッドユニット3−2は、カラーフィルタ51−3、51−4のパターニングを行うことができる。
従って、パターン形成装置1は、複数のヘッドユニット3−1、3−2、…が設けられたヘッドユニット装置2により、パターニングを迅速に行うことができる。
【0041】
次に、図5及び図6を参照しながら、第1ヘッドユニット5の実施形態について説明する。
ヘッドユニット3に設ける第1ヘッドユニット5の数、色等に特段の制限はなく、1つあるいは複数であってもよい。
また、第1ヘッドユニット5に関しては、種々の形態を採ることができる。1つの第1ヘッドユニット5に設けるヘッド7の数、色、配置形態等については、特に限定されない。
【0042】
図5は、第1ヘッドユニット5bの一態様を示す図である。
図5に示す第1ヘッドユニット5bは、複数の第2ヘッドユニット31bを有する。第2ヘッドユニット31bは、スライド機構(図示しないスライドブッシュ、スライドレール35)を介してバー9に取り付けられ、バー9の長尺方向(W方向)を移動可能である。
第2ヘッドユニット31bには、複数のヘッド7が位置決めブロック33を介して隣接配置される。また、当て止め機構37、押し付け機構39を設けて、第2ヘッドユニット31bのW方向についての位置調整を行うこともできる。
【0043】
図6は、第1ヘッドユニット5cの一態様を示す図である。
図6に示す第1ヘッドユニット5cは、1つの第2ヘッドユニット31cを有する。第2ヘッドユニット31cは、スライド機構(図示しないスライドブッシュ、スライドレール35)を介してバー9に取り付けられ、バー9の長尺方向(W方向)を移動可能である。
第2ヘッドユニット31cでは、位置決めブロック33が取り付けられた1つのヘッド7が配置される。また、当て止め機構37、押し付け機構39を設けて、第2ヘッドユニット31cのW方向についての位置調整を行うこともできる。
【0044】
尚、当て止め機構37は、当て止めにより位置調整を行う機構である。当て止め位置の調整に関しては、スペーサとしての位置決めブロックをヘッド装着前に装着して、当て止め機構に設けられる調整機構(マイクロメータ等)により微調整を行うことができる。押し付け機構39は、当て止め手段からの押圧力を受け止める機構であり、例えば、バネ機構等を用いることができる。
また、スライド機構に関しては、例えば、スライドレール、当該スライドレールに着脱可能なスライダ(スライドブッシュ)、サーボモータ及びボールネジ、アクチュエータとしてのシャフト式リニアモータ等を用いることができる。この場合、サーボモータ等、それ自身で、位置決め機能を有しているものは、当て止め手段、押し付け手段は必要ない。
【0045】
以上説明したように、本発明によれば、パターン形成装置のヘッドユニット装置は、1つの移動軸を複数のヘッドユニットにより共用するので、装置規模を大きくすることなく、位置決め精度等を維持しつつ、塗布幅の拡大、変更等に対応することができ、装置製作費用等のコスト的負担、維持管理負担、調整等に係る労力的負担等を軽減することができる。また、装置の占有スペースの増大を抑制することができる。さらに、複数のヘッドユニットを用いることにより、迅速な処理を図ることができる。従って、調整機構及び制御機構を簡素化すると共にパターン形成を高精度かつ効率的に行うことができる。
【0046】
尚、図2等の説明では、回転機構は、スライダとベースとの間に設けられるものとして説明したが、ベースと第1ヘッドユニットとの間に回転機構を設け、第1ヘッドユニット毎に回転位置決め制御を行うようにしてもよい。
また、インクの吐出は、インクジェットヘッドに限られず、例えば、ディスペンサ等を用いることもできる。
また、パターン形成装置のヘッドに関しては、インクジェットヘッドに限られず、レーザ照射ヘッド等、様々な加工装置を適用することができる。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら、本発明にかかるパターン形成装置等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】パターン形成装置1の概略斜視図
【図2】ヘッドユニット装置2のX方向正面図
【図3】ヘッドユニット装置2のY軸移動機構17の一態様を示す図
【図4】基板105におけるカラーフィルタ51の面付けを示す図
【図5】第1ヘッドユニット5bの一態様を示す図
【図6】第1ヘッドユニット5cの一態様を示す図
【図7】従来のインクジェット方式のパターン形成装置におけるインクジェットヘッドの配置及び位置決め方法
【図8】従来のインクジェット方式のパターン形成装置におけるインクジェットヘッドの配置及び位置決め方法
【符号の説明】
【0049】
1………パターン形成装置
2………ヘッドユニット装置
3−1、3−2、………ヘッドユニット
5………第1ヘッドユニット、
7………ヘッド
9………バー
11………ベース
13………回転機構
15………スライダ
16………スライドレール
17………Y軸移動機構
19………ガントリ
21………リニアモータ
23………コイル
25………マグネットプレート
27………リニアスケールヘッド
29………リニアスケール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対してヘッドによる加工処理を行い、パターンを形成するパターン形成装置であって、
少なくとも1つのヘッドが配置される複数のヘッドユニットと、
所定の方向に設けられる軸と、
前記ヘッドユニット毎に設けられ前記軸に沿って移動する複数の移動部と、
を具備し、
前記軸の1つを前記複数のヘッドユニットにより共用することを特徴とするパターン形成装置。
【請求項2】
前記ヘッドユニット毎に設けられ、前記複数のヘッドユニットを個別に回転させる回転手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成装置。
【請求項3】
基板に対して加工処理を行うヘッドが配置されるヘッドユニットを制御するヘッドユニット装置であって、
少なくとも1つのヘッドが配置される複数のヘッドユニットと、
所定の方向に設けられる軸と、
前記ヘッドユニット毎に設けられ前記軸に沿って移動する複数の移動部と、
を具備し、
前記軸の1つを前記複数のヘッドユニットにより共用することを特徴とするヘッドユニット装置。
【請求項4】
前記ヘッドユニット毎に設けられ、前記複数のヘッドユニットを個別に回転させる回転手段を具備することを特徴とする請求項3に記載のヘッドユニット装置。
【請求項5】
基板に対して加工処理を行うヘッドが配置されるヘッドユニットを制御するヘッドユニット制御方法であって、
前記ヘッドユニット毎に設けられる複数の移動部を介して、少なくとも1つのヘッドが配置される複数のヘッドユニットを所定の方向に設けられる軸に沿って移動させる移動ステップと、
前記軸の1つを前記複数のヘッドユニットにより共用する共用ステップと、
を具備すること特徴とするヘッドユニット制御方法。
【請求項6】
前記複数のヘッドユニットを個別に回転させる回転ステップを具備することを特徴とする請求項5に記載のヘッドユニット制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−205005(P2006−205005A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−18226(P2005−18226)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】