説明

パーキンソン病治療医薬組成物

医薬的に許容できる担体と、パーキンソン病患者に対症効果または神経保護効果、またはそれら両方の効果を有する化合物から選ばれた2つの有効薬剤を、モル比率で1:1から1:100の範囲で含む固定投薬量組合せでなるパーキンソン病治療医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、即放性、徐放性、または即放性と徐放性の両方に配合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は神経変性疾患の分野であり、特に、パーキンソン病治療の組成物および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は、黒質緻密部における慢性および進行性ドーパミン作動性神経の脱落で特徴付けられ、ジスキネシア、安静時振戦、筋強剛、および歩行障害を含む運動障害となる神経変性である。
【0003】
パーキンソン病の医学的な治療は、黒質神経の神経変性プロセスを止める、遅くする、範囲を小さくする、あるいは出来る限り小さくすること(神経保護療法)と、生化学的な不均衡をなくすこと(対症療法)を指向している。パーキンソン病の対症療法の主要な方向は、ドーパミン合成を増加させ、あるいはドーパミン受容体の活動とプレシナプス部位からのドーパミン放出を刺激し、プレシナプス受容体とドーパミン異化作用によるドーパミン再取込みを阻害することである。
【0004】
パーキンソン病の医薬治療で最も信頼できる方法は、レボドパ(levodopa)などDOPA含有物によるものである。レボドパは、一般に、レボドパの半減期を延ばす作用があるカルビドパ(carbidopa)と組合わせて投与される。しかしながら、これら薬剤の効能は、黒質部内で進行する神経の変性によって時間とともに減少していく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、パーキンソン病の治療に使用され、あるいは提案されている公知の薬剤を、それらの薬剤が患者の状態を改善するに、より有効となるようにした配合を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、本発明は、パーキンソン病治療の医薬組成物に関するものであり、パーキンソン患者に対症効果または神経保護効果、またはそれら両方から選ばれた2つの異なる効果のある薬剤をモル比で1:1から1:100の範囲にする固定投薬量組合わせである。
【0007】
別の態様では、本発明は、パーキンソン病の治療方法を提供するものであり、必要としている患者に、本発明の薬剤組合わせでなる医薬組成物を投与することからなっている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(A)〜(C)は、パーキンソン薬剤およびその薬剤の組合わせが、血清を含まない培地で誘導されたPC12細胞のアポトーシスに及ぼす神経保護効果を、細胞の生存率(%)で測定して示している。 (A):(1)飢餓;(2)ロピニロール(ropinirole)200mM;(3)ロピニロール100mM;(4)ラサジリン(rasagiline)50mM;(5)ラサジリン100mM;(6)ロピニロール200mMとラサジリン50mMの組合わせ;(7)ロピニロール100mMとラサジリン10mMの組合わせ; (B):(1)飢餓;(2)プラミペキソール(pramipexole)200mM;(3)プラミペキソール100mM;(4)セレジリン(selegiline)50mM;(5)セレジリン10mM;(6)プラミペキソール200mMとセレジリン50mMの組合わせ;(7)プラミペキソール100mMとセレジリン10mMの組合わせ; (C):(1)飢餓;(2)ロピニロール200mM;(3)ロピニロール100mM;(4)セレジリン50mM;(5)セレジリン10mM;(6)ロピニロール200mMとセレジリン50mMの組合わせ;(7)ロピニロール100mMとセレジリン10mMの組合わせ;
【0009】
【図2】(A)〜(D)は、パーキンソン薬剤およびその組合わせが、MPP+で誘導されたPC12細胞アポトーシスに及ぼす神経保護効果を、細胞の生存率(%)を測定して示している。(A)〜(C)は、神経保護効果を、コントロールの細胞生存率(%)で測定した結果であり、(D)は、毒性割合(%)として測定した結果である。 (A):(1)MPP+、250mM;(2)ロピニロール400mM;(3)ロピニロール200mM;(4)ロピニロール100mM;(5)ラサジリン100mM;(6)ラサジリン50mM;(7)ラサジリン10μM;(8)ロピニロール400μMとラサジリン100μMの組合わせ;(9)ロピニロール200μMとラサジリン50μMの組合わせ;(10)ロピニロール100μMとラサジリン10μMの組合わせ; (B)(1)MPP+、250mM;(2)ロピニロール400mM;(3)ロピニロール200mM;(4)セレジリン100mM;(5)セレジリン50mM;(6)ロピニロール400μMとセレジリン100μMの組合わせ;(7)ロピニロール200μMとセレジリン50μMの組合わせ; (C)(1)MPP+、250mM;(2)プラミペキソール400mM;(3)ラサジリン100mM;(4)セレジリン100mM;(5)プラミペキソール400μMとラサジリン100μMの組合わせ;(6)プラミペキソール400μMとセレジリン100μMの組合わせ; (D)(1)MPP+、500mM;(2)プラミペキソール400mM;(3)ラサジリン400mM;(4)プラミペキソール200μMとラサジリン200μMの組合わせ;(5)コントロール;
【0010】
【図3】(A)〜(C)は、MPTP処理マウスの自発運動能に及ぼす薬剤組合わせの有用な効果を、実験5日目(A〜B)及び11日目(C)に、ロータロッドの落下潜伏時間(A)、ロータロッドの距離(B)〜(C)で測定した結果で示す。 (1)コントロール;(2)MPTP;(3)ラサジリン0.1mg/kg;(4)プラミペキソール1mg/kg;(5)(3)と(4)の組合わせ;
【0011】
【図4】MPTP処理マウスのドーパミンレベルに及ぼす薬剤組合わせの有用効果を示している。 (1)処理なしマウス;(2)MPTP;(3)ラサジリン0.05mg/kg;(4)プラミペキソール0.5mg/kg;(5)(3)と(4)の組合わせ;(6)ラサジリン0.1mg/kg;(7)プラミペキソール1mg/kg;(8)(6)と(7)の組合わせ; DAはドーパミンである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1つの態様で本発明は、パーキンソン病患者を、2つの異なる有効薬剤を用いて組合わせた処理に関するものである。
2つの異なる作用機構、例えば、一方が神経保護効果で、他方が脳内のドーパミン合成を増加させる対症効果を有する2つの薬剤を用いての組合わせた処理は、相乗効果的有用治療の価値を生む非常によい機会である。さらに、抗アポトーシス作用または抗酸化ストレス作用を有する薬剤は、抗コリンエステラーゼ阻害薬またはNMDAアンタゴニストと組合わせると有益である。
【0013】
本発明のこの態様の合理的背景には、2つの組合わせ成分の比率が正確に合わせられなければならず、2つの成分が、好ましくは最適の薬物動態学的な効能と効果、および患者の服薬に都合がいいように単回投与形態に配合されていることである。
【0014】
ここで使用する用語“固定投薬量組合わせ”は、2つの異なる薬剤を、正確な比率で、つまり所定の投薬量にした一つの投薬量の配合を意味している。複数の薬剤で処理するときに、成分の正確な比率、タイミング、投与および薬物動態学的な態様は、非常に重要な役割を果たす。最適な固定投薬量組合わせを決定するには、効能と効力の結合/相乗効果が重要であるだけでなく、各成分の相対的な薬物動態学的態様と最適な配合が重要である。
【0015】
パーキンソン病の現在行われている単一治療および組合わせ治療に比べて、本発明の組合わせ治療効果が優れているのは、最適の薬物動態学的な特性を与えるユニークな組合わせ比率と配合に基くものであり、1つまたは両方の薬剤の吸収、半減期および拡がりを改善している。
【0016】
この態様によれば、本発明は、医薬的に許容できる担体と、パーキンソン病患者に対症効果または神経保護効果、またはそれら両方の効果を有する化合物から選ばれた2つの有効薬剤をモル比率で1:1から1:100の範囲で含んでいるパーキンソン病治療医薬組成物を提供するものである。
【0017】
対症効果または神経保護効果、またはそれら両方の効果を有する化合物は、次の薬剤の2つ異なるグループから選ばれる。
(1)ドーパミン受容体アゴニスト(DRA)
(2)モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤
(3)レボドパ単独、またはデカルボキシラーゼ阻害剤との組合わせ、および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤との組合わせ
(4)グルタメート受容体アゴニストまたはアンタゴニスト
(5)スピントラッピング剤
(6)抗酸化剤
(7)抗炎症剤
【0018】
1つの実施形態では、有効薬剤のうちの一つが、通常ドーパミンによって刺激される脳内神経中のドーパミン受容体を刺激することができるドーパミン受容体アゴニスト(DRA)である。このアゴニストは、ドーパミン受容体サブタイプ上に選択的に作用することができる。
【0019】
本発明に使用することができるドーパミン受容体アゴニストの例は、限定するものではないが、プラミペキソール、ロピニロール、ピリベディル(piribedil)、リスリド(lisuride)、カベルゴリン(cabergoline)、アポモルフィン(apomorphine)、ロチゴチン(rotigotine)、ブロモクリプチン(bromocriptine)およびペルゴリド(pergolide)がある。
【0020】
好ましい実施形態では、アゴニストは、プラミペキソール、ロピニロール、およびアポモルフィンであり、最も好ましくは、プラミペキソールとロピニロールである。プラミペキソールとアポモルフィンは、対症効果と神経保護効果の両方を有し、ロピニロールは、対症効果を有している。
【0021】
別の実施形態では、2つの有効薬剤のうちの1つが、MAO阻害剤、好ましくは、パーキンソン病の治療薬剤として承認されているラサジリンやセレジリンなどのプロパルギルアミン−タイプMAO−B阻害剤である。
パーキンソン病におけるMAO阻害の主論理的根拠は、線条体ドーパミン作用を高めることで、これにより対症的な運動症状を改善する。MAO阻害剤は、また、その加水分解に関係する酵素であるモノアミンオキシダーゼBを阻害することで、ドーパミンのレベルを高める。さらに、MAO−B阻害剤は、その抗酸化作用と抗アポトーシス作用により、神経保護作用を示す。
【0022】
また別の実施形態で、有効薬剤のうちの1つは、ドーパミンの前駆体であるレボドパ(L−DOPA)であり、これは、ドーパミンができない血液−脳のバリヤーを越えることができる。中枢神経系では、レボドパは、芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ(以下“デカルボキシラーゼ”と記す)によって代謝されてドーパミンとなり、脳内ドーパミンレベルを高めるので、パーキンソン病の対症治療とされる。
【0023】
しかしながら、レボドパは、周辺組織、つまり脳の外部でもドーパミンに変換される。脳周辺でのドーパミン生成を抑えるために、1つの実施形態では、カルビドパやベンセラジド(benserazide)のような周辺デカルボキシラーゼ阻害剤をレボドラと一緒に投与される。また別の実施形態では、トルカポン(tolcapone)やエンタカポン(entacapone)のようなカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤を、レボドパとカルビドパと一緒に投与して、周辺組織でのドーパミン生成を抑えている。カルビドパとCOMT阻害剤は共に、単独でパーキンソン病患者に与えても有用な効果を持たないので、これらは、本発明による有効薬剤とはみなせない。
【0024】
また別の実施形態で、これら2つの有効薬剤のうちの1つは、グルタメート受容体アゴニストまたはアンタゴニストであり、この例は、限定するものではないが、アマンタディン(amantadine)、ミノサイクリン(minocycline)、レマセミド(remacemide)などである。
【0025】
グルタミン作動性の視床下核−淡蒼球経路は、ドータミンが少なくなると極度に活性となり、視床下核および視床下核−淡蒼球からグルタミンが過度に移動して、無動、筋強剛に陥る。グルタメート受容体アンタゴニストによってこの経路を阻害すると、アセチルコリンとドーパミン移動のバランスが回復し、これらの運動症状を逆転させる。パーキンソン病の発病がグルタメートに引き起こされた神経の損傷によるものであり、グルタメートアンタゴニストがパーキンソン病における神経保護作用をしている、と仮定できる。
【0026】
シナプス刺激性アミノ酸神経伝達物質(主に、グルタメートおよびアスパラテート)および他の中枢神経興奮および抑制の神経伝達物質の異常機能は、てんかん、パーキンソン病およびアルツハイマー病を含む一連の神経変性脳障害の発病および進行に関係している。これらには、中枢神経刺激性シナプスで前および/後接合性に作用するN−メチル−d−アスパルテート(NMDA)−、および非NMDAサブタイプグルタメート−受容体アンタゴニスト、および代謝型グルタメート受容体アゴニストおよびアンタゴニストがある。グループIのアンタゴニスト、グループIIおよびIIImGlu受容体のアゴニストは、神経保護的および対症的な性質を示す。NMDA受容体は、興奮毒性における最も害のある要因の1つであるので、この受容体のアンタゴニストは、外傷性脳障害、脳卒中、およびアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病などの神経変性疾患を含む興奮毒性に係る状態の治療に大きな期待がもてる。
【0027】
1つの実施形態では、有効薬剤の1つが、NMDA受容体アンタゴニストである。アマンタディンは、NMDA受容体アンタゴニストおよび抗コリン剤で、対症効果と神経保護効果の両方を有している。
【0028】
ミノサイクリンは、薬効範囲の広いテトラサイクリン系抗生物質の一つであり、神経保護効果を有している。薬効範囲の広いテトラサイクリン系抗生物質であるミノサイクリン、およびレマセミドは、共に神経保護特性を有している。
【0029】
また別の実施形態で、2つの有効薬剤のうちの1つは、限定するものではないが、4−ヒドロキシ−[2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(テムポール(tempol))、a−(4−ピリジル−1−オキシド)−N−ターシャルブチルニトロン(POBN)、またはa−フェニル−ターシャルブチルニトロン(PBN)などのスピントラッピング剤であり、神経保護剤として知られている。
【0030】
また別の実施形態で、2つの有効薬剤のうちの1つは、神経保護効果を有する抗酸化剤であり、限定するものではないが、メラトニン;ビタミンC;ビタミンD;β−カロチン;17β−エストラジオールなどのエストロゲン;ビタミンE、2,4,6−トリメチルフェノール、N−アセチルセロトニン、および5−ヒドロキシインドールなどのフェノール性化合物;およびカンナビノイド;がある。
ステロイド分子群の中では、エストロゲンのみが、酸化的負荷が大きくなることで起こる神経細胞死を抑えることができる。
【0031】
また別の実施形態で、2つの有効薬剤のうちの1つは、非ステロイド抗炎症剤である抗炎症剤であり、これには、限定するものではないが、イブプロフェン(Ibuprofen)、インドメタシン(indomethacin)、ニメスリド(nimesulide)、セレコキシブ(celecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib)、パレコキシブ(parecoxib)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、スリンダク(sulindac);ロフェコキシブ−セレコキシブ、ナブメトン(nabumetone)、ナプロキセン(naproxen)、アスピリン(aspirin)、ケトプロフェン(ketoprofen)、ジクロフェナック(diclofenac)、ピロキシカム(piroxicam)、ジフルニサル(diflunisal)、フェノプロフェン(fenoprofen)、スリンダク(sulindac)、またはメクロフェン(meclofen);またはタンパク質フィコシアニン(protein phycocyanin)(pc);そして限定するものではないがメチルプレドニゾロン(Methylprednisolone)などの抗炎症性ステロイド、がある。
【0032】
好ましい実施形態では、本発明の医薬組成物は、以下のものである。
(1)プラミペキソールと、以下の成分との組合わせ
ラサジリン、セレジリン、ロピニロール、ピリベディル、ブロモクリプチン、ペルゴリド、リスリド、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン
【0033】
(2)ロピニロールと、以下の成分との組合わせ
ラサジリン、セレジリン、ピリベディル、ブロモクリプチン、ペルゴリド、リスリド、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン
【0034】
(3)ピリベディルと、以下の成分との組合わせ
ラサジリン、セレジリン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、リスリド、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン
【0035】
(4)ブロモクリプチンと、以下の成分との組合わせ
ラサジリン、セレジリン、ペルゴリド、リスリド、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン
【0036】
(5)ペルゴリドと、以下の成分との組合わせ
ラサジリン、セレジリン、リスリド、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン
【0037】
(6)リスリドと、以下の成分との組合わせ
セレジリン、ラサジリン、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン
【0038】
(7)カベルゴリンと、以下の成分との組合わせ
ラサジリン、セレジリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン
【0039】
(8)アポモルフィンと、以下の成分との組合わせ
セレジリン、ラサジリン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン
【0040】
(9)ロチゴチンと、以下の成分との組合わせ
ラサジリン、セレジリン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン
【0041】
(10)セレジリンと、以下の成分との組合わせ
レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、ミノサイクリン、またはラサジリン
【0042】
(11)ラサジリンと、以下の成分との組合わせ
レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン
【0043】
(12)アマンタディンと、以下の成分との組合わせ
レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、またはミノサイクリン
【0044】
(13)レボドパと一緒にしたミノサイクリン、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、またはカルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ
【0045】
本発明によると、プラミペキソールとラサジリンまたはセレジリンとの組合わせ、またはロピニロールとラサジリンまたはセレジリンとの組合わせは、これらの化合物を別個に用いたときより、インビトロでMPP+または血清飢餓での神経細胞の生存を改善あるいは維持するにより効果があることが見出された(実施例1参照)。
【0046】
さらに本発明から、プラミペキソールとラサジリンの組合わせは、これら2つの化合物のいずれか一方を単独に投与されたときより、MPTP処理マウスの自発運動能、および黒質におけるドーパミン神経のドーパミンレベルを回復する効果に優れていることが見出された(実施例2参照)。
【0047】
これは、5日間処理したマウス、および11日間処理したマウスの両方で事実である。この発見から、組合わせ治療は、神経保護の作用をして、この結果、ドーパミンアゴニストへのドーパミンシステムの障害を緩和し、正常な感受性となる。
【0048】
組合わせ治療は、また1つのドーパミン薬剤を単独で投与したときに起きる“ドーパミン治療の増大”に対して動物が潜在的にもつ不均衡反応を、回復または均衡をとるように作用しているように見える。従って、好ましい実施形態では、この医薬組成物は、ドーパミン受容体アゴニストをMAO阻害剤と組合わせている。
例えば、医薬組成物は、プラミペキソール、ロピニロール、ピリベディル、リスリド、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、ブロモクリプチン、またはペルゴリドから選ばれたドーパミン受容体アゴニストを、ラサジリンまたはセレジリンなどのプロパルギルアミン−タイプMAO−B阻害剤と組合わせる。
【0049】
特に、医薬組成物は、(1)ラサジリンと組合わせたプラミペキソール、(2)セレジリンと組合わせたプラミペキソール、(3)ラサジリンと組合わせたロピニロール、または(4)セレジリンと組合わせたロピニロール、である。
【0050】
プラミペキソールとラサジリンのモル比率は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、30:1、40:1、50:1、または100:1から選ばれ、プラミペキソールとセレジリンのモル比率は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、30:1、40:1、50:1、または100:1から選ばれ、ロピニロールとセレジリンのモル比率は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、30:1、40:1、50:1、または100:1から選ばれ、ロピニロールとラサジリンのモル比率は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、30:1、40:1、50:1、または100:1から選ばれる。
【0051】
最も好ましい実施形態では、プラミペキソールとラサジリンのモル比率は、1:1と約10:1の間である。このモル比率を有する固定投薬量組合わせは、プラミペキソールが約0.01mgから約45mg、好ましくは約0.1mgから6mgであり、ラサジリンが約0.01mgから約10mg、好ましくは約0.05mgから、約1mgである。この2つの化合物の分子量が非常に近いので、モル比率と重量比率は近く、これら2つの比率は、本発明では互いに取り替え出来る程の関係にある。
【0052】
本発明の医薬組成物は、有効薬剤のそれぞれが、即放性、徐放性、または即放性と徐放性の両方として配合されている2つの有効薬剤の固定投薬量組合わせでなっている。
【0053】
好ましい実施形態では、医薬組成物は、次の固定投薬量でなっている。
(1)徐放性のプラミペキソールと、徐放性のラサジリンまたはセレジリン
(2)徐放性のプラミペキソールと、即放性のラサジリンまたはセレジリン
(3)徐放性と即放性のプラミペキソールと、徐放性と即放性のラサジリンまたはセレジリンで、プラミペキソールの50%以下およびラサジリンまたはセレジリンの50%以下が徐放性
(4)徐放性のロピニロールと、徐放性のラサジリンまたはセレジリン
(5)徐放性のロピニロールと、即放性のラサジリンまたはセレジリン
(6)徐放性のアポモルフィンと、徐放性のレボドパとカルビドパの組合わせ
【0054】
徐放性配合の場合には、プラミペキソールの投薬量が約0.01mgから約45mg、ラサジリンの投薬量が約0.01mgから約10mgであり、つまり、プラミペキソールの投薬量が、0.01、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、 1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、または45mgで、一方、ラサジリンの投薬量が、0.01、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、 0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、3、4、5、6、7、8、9、または10mgで、上に定義したモル比率とする。
【0055】
特に、固定投薬量組合わせにおけるプラミペキソールとラサジリンの投薬量は、特に制限するものではないが、プラミペキソール6mgとラサジリン0.6mg、プラミペキソール4.5mgとラサジリン1.2mg、プラミペキソール3mgとラサジリン0.3mg、プラミペキソール3mgとラサジリン1.2mg、プラミペキソール2mgとラサジリン0.2mg、あるいは、プラミペキソール1.5mgとラサジリン1.2mg、である。
【0056】
本発明の医薬組成物は、適切な形状にすることができ、例えば、有効成分を親水性ポリマーが膨潤して形成されたゲルを通して溶解液(インビトロ)または胃液(インビボ)に接触させることで、可溶性有効成分の放出をコントロールするマトリックス錠剤などの錠剤がある。多くのポリマーが、このようなゲル生成能のあるポリマーとして記載されており、例えば、セルロース誘導体、特に、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、またはメチルヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエーテル類がある。これらエーテル類の種々の商品群には、かなり高い粘性を示すものがある。
【0057】
また、二分子層錠剤も考えられ、この錠剤では、2つまたはそれ以上の顆粒の層を圧縮して、それぞれの層が互いに重なり合り、それぞれの層には異なる有効成分を含んでいる。二分子層錠剤は、それぞれの層またはゾーンの端部が露出するので、サンドイッチ状の外観になっている。
【0058】
この医薬組成物は、さらに、有効成分をマイクロカプセル化して含んでいてもよい。これは、有効成分の小滴を、コーティング材または膜によって囲んで、数ミクロンから数ミリメートルの範囲の粒子としている。
【0059】
ある実施形態では、本発明は、固体で、粒状、顆粒、小粒、ビーズ、あるいはペレットの形状であり、これを混合しカプセルまたは小袋に充填する、あるいは通常の方法で圧縮して錠剤にして、経口投与する医薬組成物を提供する。
【0060】
好ましい実施形態では、2つの薬剤が少なくとも2つの別々の層になった、すなわち、第1薬剤と第2薬剤が、例えば1つまたはそれ以上の崩壊錠でなる中間不活性層で分離された二層または多層錠剤となった錠剤を提供する。
【0061】
別の考えられる配合は、生分解ポリマーに基づくデポシステムである。ポリマーが分解すると、有効成分が徐々に放出される。生分解ポリマーの最も一般的なものは、乳酸、グリコール酸またはこれら2つの分子を組合わせて製造した加水分解性ポリエステル類である。これらのモノマーから製造されたポリマーは、ポリ(D、L−ラクチド)(PLA)、ポリ(グリコリド)(PGA)、およびポリ(D、L−ラクチド−コ−グリコリド)コポリマー(PLG)がある。
【0062】
この医薬組成物の有用な投与形態は、限定するものではないが、固体、半固体、液体システムの口腔内崩壊システムであり、崩壊性または溶解性錠剤、軟または硬カプセル、ゲル、急速分散性剤形、徐分散性剤形、カプセル、フィルム、ウエハ、卵形、顆粒、バッカル/口腔粘膜付着パッチ、粉末、フリーズドライ(凍結乾燥)ウエハ、口腔内の唾液で分解する咀嚼錠、およびこれらの組合わせがある。有用なフィルムは、限定するものではないが、一層フィルムおよび乾燥多層フィルムがある。
【0063】
別の有用な剤形は、例えばポロキサマー407(poloxamer 407)であるリポソームゲル、および有効分を含むリポソーム液などの長期間注入可能システムがある。
【0064】
組成物中の2つの有効薬剤は、1方を即放性、他方を徐放性として、あるいは、投薬量中の10、20、30、40、50、60、70、80、または90%を徐放性とし、残部を即放性とした即放性と徐放性の両方の薬剤を有して、異なる放出パターンにしたペレット剤形(カプセル)に配合できる。
【0065】
本発明の医薬組成物は、1つ以上の薬学的許容できる賦形剤を含んでいる。例えば、錠剤は、ラクトース、エチルセルロース、微結晶セルロース、ケイ酸化微結晶セルロースなどの少なくとも1つのフィラー、架橋化ポリビニルピロリジノンなどの少なくとも1つの崩壊剤、ポリビニルピリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど少なくとも1つのバインダー、ラウリル硫酸ナトリウムなどの少なくとも1つの界面活性剤、コロイド状二酸化珪素など少なくとも1つの滑剤、ステアリン酸マグネシウムなど少なくとも1つの滑沢剤、を含むことができる。
【0066】
本発明は、さらに、必要としている患者に、上記した本発明の医薬組成物を投与するパーキンソン病の治療方法を提供する。
【0067】
本発明は、さらに、パーキンソン病における神経保護効果または対症効果、またはその両方の効果をもつ化合物から選ばれた2つの有効薬剤を用いてパーキンソン病治療用の医薬組成物を製造することに関する。
【0068】
パーキンソン病の次のモデルは、公知であり、本発明によって使用できるものである。遊離ラジカルによる損傷は、パーキンソン病におけるドーパミン神経死の原因として強く関連している。
老化、ミトコンドリア機能障害、タンパク質凝集、ドーパミン酸化、および鉄過剰と関連する酸化的ストレスは、パーキンソン病の発病に繋がるものと考えられる。
【0069】
ヒトの脳の剖検所見および動物モデルから得た膨大な生化学データは、黒質緻密部における酸化的ストレスの進行プロセスレスが、ドーパミンの作用による神経変性の開始となり得ることを示している。しかし、この酸化的ストレスは、1次的なものであるのか2次的なものであるのかは知られていない。
【0070】
しかしながら、神経毒である6−ヒドロキシドーパミン(6−OHDA)およびMPTP(N−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラハイドロピリジン)によって誘導された酸化的ストレスが、抗酸化作用のある神経保護剤の開発を意図した神経変性のプロセスを調べる動物モデルに使用されてきた。
神経毒MPTPは、脳内で、酵素MAO−Bによりプラスに電荷したMPP+(1−メチル−4−フェニルピリジニウム)に変換され、黒質緻密部においてある種のドーパミン−生成神経を損傷することで、霊長類におけるパーキンソン病の原因になる。これは、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化を抑える機能をして、ATPの枯渇および細胞死を招くことになる。また、カテコールアミンの生成を阻害し、ドーパミンと心筋ノルエピネフリン(cardiac norepinephrine)のレベルを下げ、チロシンヒドロキシラーゼ(tyrosine hydroxylase)を不活性化する。
【0071】
6−OHDAを用いた初期の研究では、この神経毒は、非常に反応性の高い物質であり、自動酸化を受け易く、モノアミンオキシダーゼにより酸化的に脱アミンして過酸化水素と反応性の酸素種(ROS)を発生させることが示されている。この神経毒は、酸化的ストレスを経て神経変性作用を行う。酸化的ストレスの結果、ROSの発生が始まり、次いで脳膜脂質の過酸化が起きる。6−OHDAのような神経毒と類似した内因性毒素が、脳内で形成され、神経変性のプロセスに関与している可能性が、多くの場合に観察されてきた。
【0072】
ミトコンドリア機能障害は、パーキンソン病と関連付けられてきた。特に、パーキンソン病患者の脳、筋肉および血小板中におけるミトコンドリア電子伝達鎖コンプレックスIに、システム的な活動の減少がみられている。
【0073】
一般的な殺虫剤であるロテノン(rotenone)は、ミトコンドリア電子伝達鎖コンプレックスIの高親和性な阻害剤である。パーキンソン病のロテノンモデルは、殺虫剤への暴露や、パーキンソン病の病因中のコンプレックスI機能障害が関与していることで実証されてきた。ロテノンは、脳を経て一様なコンプレックスI阻害を起こすが、ロテノンで処理したラットは、選択的な黒質ドーパミン変性、ユビキチン(ubiquitin)とシヌクレイン(synuclein)ポジティブな黒質封入体の形成、および運動障害などパーキンソン病がもつ多くの特徴を示している。このロテノンモデルは、コンプレックスIの欠損がパーキンソン病の病因になるという潜在的な関連性を実証したが、全身的なコンプレックスI障害が神経毒を招くメカニズムは知られていない。
【0074】
本発明を以下の実施例で説明するが、これによって限定するものではない。
【実施例】
【0075】
材料
細胞:
以下の実験では、ATCCから入手したPC−12褐色細胞腫ラット副腎髄質細胞(ATCC番号:CRL−1721)、およびヒト骨髄神経芽細胞腫SK−N−SH細胞(ATCC番号:HTB−11)を使用している。PC12細胞は、15%のウマ血清、2.5%のウシ血清、グルタミンおよび抗生物質を含むF12K培地〔ギブコ社(Gibco)〕中に維持した。SK−N−SH細胞は、10%のウシ血清、グルタミンおよび抗生物質を含むイーグル最小必須培地〔バイオロジカルインダストリー社(Biological industries)〕で成育させた。両方の細胞ラインは、37℃、5%COで維持した。
【0076】
方法
インビトロ神経保護試験:
神経保護実験として、細胞をポリ−L−リシン〔シグマ社(Sigma)〕コーテングした96ウェル細胞培養プレートに播種(ウェルあたり1または0.5×10細胞)した。プレートに播種後24時に、培地を、ストレッサーの有りまたは無し、テスト薬剤の有りまたは無しの新しい成育培地と交換した。
【0077】
PC12とSK細胞それぞれについて、血清飢餓、またはメチル−4−フェニルピリジニウム(MPP+)を250μMと125μMで、細胞毒性を誘導させた。薬剤を単独あるいは組合わせて種々の濃度で加え、30分してから48または72時間損傷状態にした。神経細胞の損傷は、MTTテスト〔シグマ社(Sigma)〕を用いてミトコンドリアに基づく比色測定で評価した。MTTテストは、MTTが生存細胞により青色のホルマザン結晶に変換することに基いている。
【0078】
5mg/mlのMTT試薬を、各ウェルに入れた(各ウェルで最終1:10に稀釈)。細胞を、37℃、5%COで1時間培養した。過剰のMTTを除き、残ったホルマザン結晶を、50μLのDMSOに溶解し、エリザリーダー(Elisa reader)で定量した。ホルマザンの測定波長を550nm、参照波長を620nmとした。
【0079】
DAと代謝物質のHPLC分析用サンプル調製:
線条体組織サンプルを、オムニインターナショナル社(OMNI International)のオムニチップ均質化キット(OMNI Tip homogenizing kit)(中間速度、5秒間隔で3×10秒)を用いて、氷中、500μLの均質化バッファー(0.1M過塩素酸、0.02%EDTA、および1%EtOH)で均質化した。この均質化物(ホモジネート)を、5分間超音波処理してから、4℃、15,000RPMで遠心分離した。上澄み液を、新しい試験管に移し、HPLCによってドーパミン濃度を分析した。
【0080】
[実施例1]細胞死から護る薬剤組合わせのインビトロ迅速スクリーニング:
2つのインビトロシステムを用いて、ストレスをかけた細胞に対しての薬剤組合わせ効果を評価した。ここでは、ストレッサーのそれぞれについて4つの薬剤組合わせを用いた。2つの薬剤の比率は、比率(1:4と1:10)と曝露時間を変えてみることにより最適化した。テストした薬剤組合わせは、(a)プラミペキソールとラサジリンの組合わせ、(b)プラミペキソールとセレジリンの組合わせ、(c)ラサジリンとロピニロールの組合わせ、そして(d)セレジリンとロピニロールの組合わせである。
【0081】
1.1.神経保護:
本実験の目的は、薬剤組合わせにより、インビトロでの細胞死からの保護能力を特徴づけることにある。
(a)PC12とSKN−SH細胞を、3つの異なったMPP+濃度(125、250および500μM)で、あるいは血清を含まない培地で、48および72時間培養を行った。
(b)上記した種々の薬剤比率での種々の薬剤組合わせをテストした。ここで用いた濃度は、ロピニロールが400μM、200μM、100μM、50μM;ラサジリンが400μM、200μM、100μM、50μM、10μM;プラミペキソールが400μM、200μM、100μM、50μM;セレジリンが100μM、50μM、10μM、1μMである。細胞保護は、MTTによって検知した。
(c)実験は、3回繰り返して再現性を実証した。
【0082】
我々は、神経保護を調べるために2つのインビトロモデル、すなわち血清飢餓〔図1(A)〜(C)〕とMPP+処理細胞〔図2(A)〜(D)〕で行っており、この2つの方策は、PC12細胞にアポトーシスを誘導している。
【0083】
細胞を、アポトーシス誘導と1つのパーキンソン薬剤単独で平行に処理したとき、ロピニロール〔図1(A)、図1(C)、図2(A)、図2(B)〕、ラサジリン〔図1(A)、図2(A)、図2(C)〕、パラミペキソール〔図1(B)、図2(C)〕またはセレジリン〔図1(B)、図1(C)、図2(B)、図2(C)〕のいずれも、神経保護の効果は僅かであった。1つをDRA群からもう1つをMAO阻害剤群から選んだ2つの薬剤を一緒に適用すると、細胞の生存率は増加し、神経保護効果は顕著であった〔図1(C)および図2(A)〜(C)〕。
【0084】
血清を含まない培地誘導のアポトーシスを処理するに使用した組合わせは、ロピニロール200μMとラサジリン50μM、ロピニロール100μMとラサジリン10μM〔図1(A)〕、プラミペキソール200μMとセレジリン50μM、プラミペキソール100μMとセレジリン10μM〔図1(B)〕、ロピニロール200μMとセレジリン50μM、およびロピニロール100μMとセレジリン10μM〔図1(C)〕である。
【0085】
MPP+誘導のアポトーシスを処理するに使用した組合わせは、ロピニロール400μMとラサジリン100μM、ロピニロール200μMとラサジリン50μM、ロピニロール100μMとラサジリン10μM〔図2(A)〕、ロピニロール400μMとセレジリン100μM、ロピニロール200μMとセレジリン50μM〔図2(B)〕、プラミペキソール400μMとラサジリン100μM、プラミペキソール400μMとセレジリン100μM〔図2(C)〕、そしてプラミペキソール200μMとラサジリン200μM〔図2(D)〕である。これらのデータは、組合わせ処理の利点を示している。
【0086】
[実施例2]パーキンソン病モデルにおける薬剤組合わせのインビボ特性:
テストした薬剤を、MPTP投与(5日間毎日)の30分前に2つの異なる量でマウス(1つのグループに10匹)に投与した。コントロール(無処理マウス)として、食塩水を注入しマウスを用いている。マウスは、次の要領で処理した。
【0087】
【表1】

【0088】
処理の効果を、5日目および11日目での運動テスト(ロータロッド、およびオープンフィールド)、および15日目での線条体のドーパミン/ジヒドロキシフェニル酢酸およびホモバニリン酸濃度の測定によって評価した。
【0089】
2.1.自発運動能に及ぼす薬剤組合わせの有用効果:
図3の(A)〜(B)は、実験の5日目でのロータロッドの落下潜伏時間(A)、およびロータロッドの距離(B)によってテストした自発運動能の結果である。
【0090】
MPTPは、自発運動能に約30%の減少を起しているようにみえるが、これは、薬剤の単独でも、組合わせでも回復する。
自発運動能における相違は、ドーパミンレベルのような生化学マーカーのレベルの相違より検知し難い。しかしながら、薬剤組合わせ処理で、ドーパミンレベル効果と関連および一致して、運動テストに顕著な有用な相違傾向が明瞭にみられている(下記を参照)。
【0091】
一般に、人の運動効果は、ドーパミンレベルが80%〜90%近く減少した時点で検知されることに注目する必要がある。これらの効果を定量化するのは非常に難しく、にも拘わらず著しい相違が観察された事実は、この処理の有用な効果が大きいことを意味している。
【0092】
図3の(C)は、11日目でのオープンフィールドでのテストとして行った自発運動能をを示している。11日目は、5日目より長い期間に亘る処理であり、半慢性的であるといえる。ドーパミンアゴニストを用いた慢性処理は、しばしば著しい自発運動能の増加を引き起こした。この過剰運動は、ドーパミンアゴニストの慢性的欠損モデルにおいて予想された反応である。
【0093】
同様の挙動が、我々のオープンフィールドテストでも11日目にみられる。自発運動能は、MPTP処理レベルがゼロであるコントロールよりほぼ2倍高くなっている。
組合わせ投与にの後では、過剰運動が完全になくなっていることは、(1)組合わせの神経保護効果、およびその結果としてドーパミンアゴニストに対するドーパミンシステムの損傷の軽減および正常化、(2)“ドーパミン治療の増加”に応える反応の潜在的な回復/バランスを示唆している。
単独処理した時には、ドーパミンアゴニストの潜在的なアンバランスな運動が減少している。
【0094】
MPTP処理を6日間以上止めていた11日目に、MPTP処理と正常な動物の間の差異が小さくなったことが説明でき、このモデルにおける予測された現象であることが注目される。しかしながら、5日目に観察された自発運動能の正常への回復した効果は、どの薬剤の単独ではみられず、また、11日目に観察された起こり得る副作用の軽減されたことと併せて、ドーパミンアゴニストの作用を小さくしていることが非常に顕著であり、
組合わせ処理の効果と安全性の両面からの有用性を示唆している。
【0095】
2.2.脳ドーパミンレベルに及ぼす組合わせの有用な効果:
図4でみられるように、MPTP処理(カラム2)は、処理なしマウス(カラム1)に比べてドーパミンレベルを70%以上下げている。ラサジリンおよびプラミペキソール単独の低投薬量(それぞれ0.05mg/kg、0.5mg/kg)では、ドーパミンレベルの顕著な回復となっていない(カラム3、4)が、これら2つの低投薬量を組合わせると、ドーパミンレベルの著しい増加となった(カラム5)。同様に、それぞれの成分単独を高投薬量(ラサジリン0.1mg/kg、およびプラミペキソール1mg/kg)(カラム6、7)では、顕著ではあるが少しの増加であり、組合わせると、ドーパミンレベルを正常レベルの80%まで回復させている(カラム8)。各薬剤単独で投薬量を2倍にすると、その効果に非常に小さな増加がある(カラム3と5、および4と6)が、別の薬剤を加えると、2つの異なる薬剤メカニズムに由来しての増加であるめざましい違いが出てくることに注目することは重要である。
【0096】
我々の実験モデルでのMPTP負荷マウスにおいてドーパミンレベルを回復するには、ラサリジン単独投与では0.5mg/kgの投薬量が必要であり、一方、プラミペキソール単独では1mg/kg以上(図示してない)の量で投与しなければならないことに注目
すべきである。
【0097】
従って、2つの化合物を組合わせると、それらの投薬量を非常に少なくすることが可能になる。これは、望まない副作用を少なくすることであり、より長い期間に亘って薬剤の効能を可能にすることから、極めて重要である。
【0098】
[実施例3]固定投薬量組合わせ配合のデザイン:
固定投薬量組合わせ(FDC:Fixed Dose Combination)は、組合わせ効果を最大にする最適放出プロフィールができるように設計するものである。特に、例としてラサリジン−プラミペキソールの組合わせでは、2つの成分の薬物動態学的挙動および半減期が非常に異なっている。
【0099】
薬物動態学的(PK)と薬物動態力学的(PD)性状により、ラサジリンは1日に1回、プラミペキソール1日に4回投与される。この組合わせ効果を最大にするために、この配合では、成分が最適速度で分布し吸収されて組合わせ効果が出るような2つの成分の放出プロフィールをもって設計している。
1つの可能性は、ラサジリンが即時に放出され、プラミペキソールがゆっくりと放出されるようにする。その他、成分それぞれを2つのゆっくりとした放出プロフィールで最適にするという選択がある。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬的に許容できる担体と、パーキンソン病患者に対症効果または神経保護効果、またはそれら両方の効果を有する化合物から選ばれた2つの有効薬剤を、モル比率で1:1から1:100の範囲で含んでなることを特徴とするパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項2】
前記した対症効果または神経保護効果、またはそれら両方の効果を有する化合物が、
(1)ドーパミン受容体アゴニスト(DRA)、
(2)モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤、
(3)レボドパ(levodopa)単独、またはレボドパとデカルボキシラーゼ阻害剤および/またはカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤との組合わせ、
(4)グルタメート受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、
(5)スピントラッピング剤、
(6)抗酸化剤、
(7)抗炎症剤、
のグループから異なる2つ薬剤が選ばれることを特徴とする請求項1に記載のパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項3】
(1)前記ドーパミン受容体アゴニストが、プラミペキソール(pramipexole)、ロピニロール(ropinirole)、ピリベディル(piribedil)、リスリド(lisuride)、カベルゴリン(cabergoline)、アポモルフィン(apomorphine)、ロチゴチン(rotigotine)、ブロモクリプチン(bromocriptine)およびペルゴリド(pergolide)であり、
(2)前記MAO阻害剤が、ラサジリン(rasagiline)およびセレジリン(selegiline)を含めたプロパルギルアミン−タイプMAO−B阻害剤であり、
(3)デカルボキシラーゼ阻害剤がカルビドパ(carbidopa)またはベンセラジド(benserazide)であり、前記COMT阻害剤がトルカポン(tolcapone)またはエンタカポン(entacapone)であり、
(4)前記グルタメート受容体アゴニストまたはアンタゴニストが、アマンタディン(amantadine)またはミノサイクリン(minocycline)であり、
(5)前記スピントラッピング剤が、4−ヒドロキシ−[2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(テムポール(tempol))、a−(4−ピリジル−1−オキシド)−N−ターシャルブチルニトロン(POBN)、またはa−フェニル−ターシャルブチルニトロン(PBN)であり、
(6)前記抗酸化剤抗酸化剤が、メラトニン、ビタミンC、ビタミンD、β−カロチン、17β−エストラジオールを含むエストロゲン、ビタミンE、2,4,6−トリメチルフェノール、N−アセチルセロトニン、および5−ヒドロキシインドールを含むフェノール性化合物、およびカンナビノイド(cannabinoids)であり、
(7)前記抗炎症剤が、イブプロフェン(Ibuprofen)、インドメタシン(indomethacin)、ニメスリド(nimesulide)、セレコキシブ(celecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、バルデコキシブ(valdecoxib)、パレコキシブ(parecoxib)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、スリンダク(sulindac)、ロフェコキシブ−セレコキシブ、ナブメトン(nabumetone)、ナプロキセン(naproxen)、アスピリン(aspirin)、ケトプロフェン(ketoprofen)、ジクロフェナック(diclofenac)、ピロキシカム(piroxicam)、ジフルニサル(diflunisal)、フェノプロフェン(fenoprofen)、スリンダク(sulindac)、またはメクロフェン(meclofen)、またはタンパク質フィコシアニン(protein phycocyanin)(pc)、メチルプレドニゾロン(Methylprednisolone)を含む抗炎症性ステロイド、である非ステロイド抗炎症剤である、
ことを特徴とする請求項2に記載のパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項4】
(1)プラミペキソール(pramipexole)と、ラサジリン(rasagiline)、セレジリン(selegiline)、ロピニロール(ropinirole)、ピリベディル(piribedil)、ブロモクリプチン(bromocriptine)、ペルゴリド(pergolide)、リスリド(lisuride)、カベルゴリン(cabergoline)、アポモルフィン(apomorphine)、ロチゴチン(rotigotine)、レボドパ(levodopa)、カルビドパ(carbidopa,)と一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポン(entacapone)と一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポン(entacapone)と一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(2)ロピニロールと、ラサジリン、セレジリン、ピリベディル、ブロモクリプチン、ペルゴリド、リスリド、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(3)ピリベディルと、ラサジリン、セレジリン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、リスリド、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(4)ブロモクリプチンと、ラサジリン、セレジリン、ペルゴリド、リスリド、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(5)ペルゴリドと、ラサジリン、セレジリン、リスリド、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(6)リスリドと、セレジリン、ラサジリン、カベルゴリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(7)カベルゴリンと、ラサジリン、セレジリン、アポモルフィン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(8)アポモルフィンと、セレジリン、ラサジリン、ロチゴチン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(9)ロチゴチンと、ラサジリン、セレジリン、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(10)セレジリンと、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、ミノサイクリン、またはラサジリン、との組合わせ、
(11)ラサジリンと、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、アマンタディン、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(12)アマンタディンと、レボドパ、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、カルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、またはミノサイクリン、との組合わせ、
(13)レボドパと一緒にしたミノサイクリン、カルビドパと一緒にしたレボドパ、カルビドパとエンタカポンと一緒にしたレボドパ、またはカルビドパとトルカポンと一緒にしたレボドパ、
からなることを特徴とする請求項3に記載のパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項5】
ドーパミン受容体アゴニストとMAO阻害剤との固定投薬量組合わせからなることを特徴とする請求項3に記載のパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項6】
(1)ラサジリンと組合わせたプラミペキソール、
(2)セレジリンと組合わせたプラミペキソール、
(3)ラサジリンと組合わせたロピニロール、または
(4)セレジリンと組合わせたロピニロール、
であることを特徴とする請求項5に記載のパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項7】
プラミペキソールとラサジリンのモル比率が、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、30:1、40:1、50:1、または100:1から選ばれ、
プラミペキソールとセレジリンのモル比率が、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、30:1、40:1、50:1、または100:1から選ばれ、
ロピニロールとセレジリンのモル比率が、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、30:1、40:1、50:1、または100:1から選ばれ、
ロピニロールとラサジリンのモル比率が、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、30:1、40:1、50:1、または100:1から選ばれる、
ことを特徴とする請求項5または6に記載のパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項8】
前記プラミペキソールとラサジリンのモル比率は、1:1と約10:1の間であり、固定投薬量組合わせは、プラミペキソールが約0.01mgから約45mg、好ましくは約0.1mgから6mgであり、ラサジリンが約0.01mgから約10mg、好ましくは約0.05mgから、約1mgであるであることを特徴とする請求項7に記載のパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項9】
前記医薬組成物は、2つの有効薬剤の固定投薬量組合わせであり、前記有効薬剤のそれぞれが、即放性、徐放性、または即放性と徐放性の両方に配合されていることを特徴とする請求項1に記載のパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項10】
(1)徐放性のプラミペキソールと、徐放性のラサジリンまたはセレジリン、
(2)徐放性のプラミペキソールと、即放性のラサジリンまたはセレジリン、
(3)徐放性と即放性のプラミペキソールと、徐放性と即放性のラサジリンまたはセレジリン、
(4)徐放性のロピニロールと、徐放性のラサジリンまたはセレジリン、
(5)徐放性のロピニロールと、即放性のラサジリンまたはセレジリン、
(6)徐放性のアポモルフィンと、徐放性のレボドパとカルビドパの組合わせ、
から選ばれる組合わせであることを特徴とする請求項9に記載のパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項11】
前記医薬組成物が、錠剤、カプセル、小袋、口腔内崩壊性フィルム、ウエハ、または長期間注入可能システムの形体であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のパーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項12】
必要としている患者に、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のパーキンソン病治療医薬組成物を投与することを特徴とするパーキンソン病治療方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−522035(P2011−522035A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512269(P2011−512269)
【出願日】平成21年6月7日(2009.6.7)
【国際出願番号】PCT/IL2009/000567
【国際公開番号】WO2009/147681
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(510321387)ファーマ ツゥ ビー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】