説明

ビシクロ置換ピラゾロン−アゾ誘導体の塩、その製造方法及びその使用

一般式(I)で表されるビシクロ置換ピラゾロン−アゾ誘導体の製薬学的に許容される塩、その製造方法、それを含有する医薬組成物、及び治療薬としての、特にトロンボポエチン(TPO)模倣薬及びトロンボポエチン受容体アゴニストとしてのその使用に関する。一般式(I)の置換基の定義は、明細書において定義されたものと同一である。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ビシクロ置換ピラゾロン−アゾ誘導体の製薬学的に許容される塩、その製造方法、それを含有する医薬組成物、及び治療薬としての、特にトロンボポエチン(TPO)模倣薬及びトロンボポエチン受容体アゴニストとしてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
トロンボポエチン(TPO)は、巨核球増殖分化因子(MGDF)、血小板新生刺激因子(TSF)、c−骨髄増殖性白血病リガンド(c‑Mpl)、mplリガンド又はメガポエチンとも呼ばれ、血小板の産生を制御することが報告された糖タンパク質である(Wendling F., et al., Biotherapy 10 (4): 269-277 (1998);Kuter D.J., et al., The Oncologist 1: 98-106 (1996);Metcalf, Nature 369: 519-520 (1994) を参照)。
【0003】
TPOの活性は、一定の環境下で、TPO受容体(Mplとも呼ばれる)にTPOが結合して生じる。TPO受容体はクローン化され、そのアミノ酸配列が記述されている(Vigon, et
al., Proc. Nat. Acad. Sci., 89: 5640-5644 (1992) を参照)。
【0004】
TPOは332個のアミノ酸からなるグリコシル化ポリペプチドであり、巨核球形成の制御や、血小板が骨髄巨核球から産生されるプロセスに重要な役割を果たしている(Kuter, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 11104-11108 (1994);Barley, et al., Cell 77: 1117-1124 (1994);Kaushansky,
et al., Nature 369: 568-571 (1994);Wendling, et al.,
Nature 369: 571-574 (1994):及びSauvage, et al., Nature
369: 533-538 (1994) を参照)。TPOは肝臓で産生されるが、主に骨髄で機能する。骨髄でTPOは、幹細胞から巨核球前駆細胞への分化を促進し、また巨核球の増殖及び倍数体化を促進し、最終的には体の血小板循環に入る。またTPOは、血小板減少症を引き起こす状況において、また血小板数、血小板サイズ及び移植動物の血小板への同位体取り込みの増加を含む多くの研究において、主要な調節因子である(Metcalf, Nature 369: 519-520 (1994)を参照)。特にTPOは、いくつかの経路を介して、巨核球形成に影響を与えると考えられている:(1)TPOは巨核球の大きさと数を増加させる;(2)TPOは、DNA含量、倍数性の型及び巨核球数を増加させる;(3)TPOは巨核球の核内分裂を増加させる;(4)TPOは成熟巨核球数を増加させる;(5)TPOは、前駆細胞の割合、アセチルコリンエステラーゼ陽性小細胞数及び骨髄細胞数を増加させる。
【0005】
血小板は血液凝固に必要である。血小板数が非常に少ない場合、患者は重篤な出血による死の危険にさらされる。したがってTPOは、様々な血液学的疾患、例えば、主として血小板欠損に起因する疾患の診断と治療の両方に用いられる。同様にTPOは、血小板減少性疾患、特に癌またはリンパ腫の治療のための化学療法、放射線療法又は骨髄移植により生じる血小板減少性疾患の治療に有益である可能性がある。
【0006】
血小板減少症を患う患者の血小板レベルの回復が遅いことは深刻な問題であるので、TPO模倣薬として作用することにより血小板減少症を治療する化合物を提供することが望まれる。これらのペプチドはTPO受容体(TPO-R)に結合し、活性化するように設計されていたが、天然型TPOへの配列相同性はなかった。近年、多数の活性低分子TPO模倣薬が報告され、これには環状ポリアミン誘導体(国際公開第2000/28987号パンフレット(特許文献1))、チアゾール−2−イル-ベンズアミド類(国際公開第2001/07423号パンフレット(特許文献2)、同第2001/53267号パンフレット(特許文献3))、アゾ−アリール誘導体(国際公開第2000/35446号パンフレット(特許文献4)、同第2001/17349号パンフレット(特許文献5))、2−アリール−ナフトイミダゾール(国際公開第2001/39773号パンフレット(特許文献6)、同第2001/53267号パンフレット(特許文献7))及びセミカルバゾン誘導体(国際公開第2001/34585号パンフレット(特許文献8))が含まれる。細胞に基づく系において、これらの分子のすべてが、細胞膜上のTPO受容体の存在に依存するシグナル伝達経路を活性化することができる。ある種の化合物は、TPO受容体そのものに直接作用することができる。この系統の最も好ましい化合物のいくつかは、TPO反応性のヒト細胞株の増殖と分化を促進し、また濃度が100 nM未満である培養ヒト骨髄中のTPOを刺激することが見いだされた。
【0007】
グラクソ・スミスクライン社に譲渡されたいくつかの特許には、トロンボポエチン類縁体であり、優れた活性を有するエルトロンボパグ(eltrombopag)が記述されている(国際公開第2003/098992号パンフレット(特許文献9)、同第2001/089457号パンフレット(特許文献10))。
【0008】
本発明は、より効果のあるTPO模倣薬及びTPO受容体アゴニストである一連のビシクロ置換ピラゾロン−アゾ誘導体の製薬学的に許容される塩を提供する。
【0009】
本発明の出願人が2009年1月4日に提出した国際出願PCT/CN2009/000001には、新規ビシクロ置換ピラゾロン−アゾ誘導体並びにトロンボポエチン(TPO)模倣薬及びトロンボポエチン受容体アゴニストとしてのその使用について記述された。その国際出願中の6個の実施例(実施例1、実施例9、実施例15、実施例28、実施例43及び実施例52)では、それぞれ下記の化合物が提供された:すなわち、2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸、5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸、5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸、4−(2−ヒドロキシ−3−[N'−(3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]ビフェニル−フラン−2−カルボン酸、5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸、及び4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸、並びにこれらのエステルである。これらの化合物は試験に供され、TPO受容体アゴニストとして優れた活性を示した。したがってこの国際出願は、その全記載内容を本明細書の記載として援用する。しかしながら国際出願PCT/CN2009/000001は、これらの化合物の製薬学的に許容される塩について記述していなかった。
【0010】
本発明の発明者らは、ビシクロ置換ピラゾロン−アゾ誘導体の遊離酸型は、通常の溶媒にはほとんど溶解せず、そのため医薬投与型の製造において不利であり、生体内での生物学的利用率を制限していることを見いだした。ビシクロ置換ピラゾロン−アゾ誘導体の新しい型を開発し、その溶解性及び薬物動態学的な吸収を改善して、通常の製剤製造に使用することができるようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2000/28987号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2001/07423号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2001/53267号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2000/35446号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2001/17349号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2001/39773号パンフレット
【特許文献7】国際公開第2001/53267号パンフレット
【特許文献8】国際公開第2001/34585号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2003/098992号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2001/089457号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
先行技術に不足するところを克服するため、本発明は、新規ビシクロ置換ピラゾロン−アゾ誘導体の製薬学的に許容される塩、その製造方法、それを含有する医薬組成物、及び治療薬としての、特にトロンボポエチン(TPO)模倣薬及びトロンボポエチン受容体アゴニストとしてのその使用を提供する。この塩は、血小板減少症の治療に対する優れた活性、改善された溶解性、優れた生体内活性、より望ましい生物学的利用率及びより低い毒性を示し、血小板減少症治療薬の製造における良い候補である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
「本発明の化合物」及び「本発明の塩」は互換的であり、この両方とも、式(I)で表されるビシクロ置換ピラゾロン−アゾ誘導体の製薬学的に許容される塩である。
【化1】

式中、
Hetは、フェニル基、フリル基及びチエニル基からなる群より選ばれ;
、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれ;
nは0、1又は2であり;
塩は塩基付加塩である。
【0014】
さらに本発明は、式(IA)で表される化合物の塩に関する。
【化2】

式中、
Hetは、フェニル基、フリル基及びチエニル基からなる群より選ばれ;
、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれ;
Mは、金属イオン、アンモニウムイオン及び塩基性アミノ酸からなる群より選ばれ;
mは1又は2であり、
nは0、1又は2であり;
塩は塩基付加塩である。
【0015】
「遊離酸」の用語は、式(I)で表されるビシクロ置換ピラゾロン−アゾ誘導体を指す。
等価物は式(I)で表される化合物の互変異性体を指し、当業者には周知である。式(I)で表される化合物の互変異性体には、下記の式(II)及び式(III)が含まれるが、これらに限定されない:
【化3】

【0016】
式(I)で表される化合物のすべての互変異性体は本発明の範囲に含まれ、これらのすべての互変異性体は、式(I)で表される化合物の定義に包含される。
【0017】
本発明における「製薬学的に許容される塩」の用語は、製薬的に無毒性の塩基付加塩を指す。塩とは、式(I)で表される化合物と適切な塩基との間で形成される塩である。適切な塩基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、塩基性アミノ酸、アミン又は第4級アンモニウムなどであり、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルギニン塩、リジン塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩、ピペラジン塩、ジベンジルエチレンジアミン塩、メグルミン塩、トロメタミン塩、テトラメチル第4級アンモニウム塩、テトラエチル第4級アンモニウム塩及びコリン塩が含まれ、好ましくは、ジエチルアミン塩、エタノールアミン塩、コリン塩、ピペラジン塩、メグルミン塩及びトロメタミン塩であり、最も好ましくはエタノールアミン塩である。
【0018】
本発明の式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩は、好ましくは表1に記載の塩であるが、これらに限定されない。









【0019】
本発明は、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩の製造方法に関し、下記のステップを含んでなる:
(a)本発明の遊離酸(式(I)で表される化合物)を有機溶媒に溶解又は懸濁するステップ。ここで有機溶媒は、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル及びテトラヒドロフランからなる群より選ばれ、好ましくはテトラヒドロフランである;
(b)上記混合物に塩基を撹拌しながら添加するステップ。ここで塩基は、有機塩基又は無機塩基であり、例えばアルカリ金属水酸化物若しくはアルカリ土類金属水酸化物、又は塩基性アミノ酸、アミン若しくは第4級アンモニウムなどである;
(c)式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩を得るステップ。
ここで上記無機塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれるアルカリ金属水酸化物が含まれ;上記塩基性アミノ酸は、リジン及びアルギニンからなる群より選ばれ;上記アミンは、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ピペラジン、ジベンジルエチレンジアミン、メグルミン及びトロメタミンからなる群より選ばれ;並びに上記第4級アンモニウムは、テトラメチル第4級アンモニウム、テトラエチル第4級アンモニウム及び水酸化コリンからなる群より選ばれ、好ましくは、ジエチルアミン、エタノールアミン、水酸化コリン、ピペラジン、メグルミン及びトロメタミンであり、より好ましくは、エタノールアミン、水酸化コリン、メグルミン及びトロメタミンであり、最も好ましくは、エタノールアミンである。
【0020】
上記ステップ(b)において、遊離酸と、アルカリ金属水酸化物、塩基性アミノ酸、アミン及び第4級アンモニウムとの当量比は、好ましくは1:5〜5:1であり、より好ましくは1:1〜1:3であり、最も好ましくは1:1〜1:2である。
【0021】
上記ステップ(c)において、塩の分離には、反応混合物からの直接濾過、反応混合物からの濃縮及び有機溶媒からの再結晶が含まれる。塩は、真空乾燥又は高温空気乾燥などの条件下で乾燥することができる。
【0022】
塩形成反応は、通常、冷却、室温又は加熱条件下で行うことができる。しかしながら、反応温度が塩形成に関係していることに注目すべきであることは、当業者には周知である。本発明における反応温度の範囲は、室温から反応溶媒の沸点までであり、好ましくは0〜40℃である。当業者であれば、塩形成反応の最も好ましい反応温度を、従来技術により容易に決定することができる。
【0023】
本発明は、トロンボポエチン受容体アゴニストの製造における式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0024】
本発明は、血小板減少症治療薬の製造における式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩の使用に関し、前記治療薬は、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキン並びにサイトカイン受容体アゴニスト及びアンタゴニスト、可溶性受容体、受容体アゴニスト及びアンタゴニスト抗体、並びに前記薬物と同一の機序を有する1種以上のペプチド及び低分子化合物からなる群より選ばれる薬物と同時投与される。
【0025】
本発明は、血小板減少症治療薬としての使用のための、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩に関し、前記治療薬は、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキン並びにサイトカイン受容体アゴニスト及びアンタゴニスト、可溶性受容体、受容体アゴニスト及びアンタゴニスト抗体、並びに前記薬物と同一の機序を有する1種以上のペプチド及び低分子化合物からなる群より選ばれる薬物と同時投与され、また前記治療薬は、経口投与剤の形態又は非経口投与剤の形態にある。
【0026】
本発明は、血小板減少症治療法に関し、当該治療法は、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩の治療的有効量を、当該治療法を必要とする患者に投与するステップを含んでなり、前記製薬学的に許容される塩は、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキン並びにサイトカイン受容体アゴニスト及びアンタゴニスト、可溶性受容体、受容体アゴニスト及びアンタゴニスト抗体、並びに前記薬物と同一の機序を有する1種以上のペプチド及び低分子化合物からなる群より選ばれる薬物と同時投与され、また前記製薬学的に許容される塩は、経口投与剤の形態又は非経口投与剤の形態にある。
【0027】
本発明は、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩の治療的有効量及び製薬学的に許容される担体又は希釈剤を含んでなる医薬組成物に関し、当該組成物は、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキン及びサイトカイン受容体アゴニストからなる群より選ばれる薬物と同時投与される。また本発明は、血小板減少症治療薬の製造における前記組成物の使用に関し、前記同時投与には、同時に又は連続的に本発明の薬物を使用することを含む。
【0028】
本発明は、式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩の治療的有効量及び製薬学的に許容される担体又は希釈剤を含んでなる医薬組成物の製造方法に関し、当該方法は、式(I)で表される化合物と製薬学的に許容される担体又は希釈剤とを混合するステップを含む。
【0029】
前記医薬組成物の製造過程において、薬物を、簡便に扱える適切な形態に調製することが重要である。これには、市販製剤の観点のみならず、活性化合物を含有する製剤投与形の製造の観点もある。
【0030】
他の態様において、医薬組成物の製造過程においては、被験者への投与後に、信頼性及び再現性があり、一定の薬物血漿濃度曲線を提供することが重要である。
【0031】
他の重要な要素として、有効成分の化学的耐久性、固体安定性及び保存期間がある。組成物を含む薬物は、望ましくは、化学組成、密度、吸湿性及び溶解性などの物理的及び化学的特性が明らかに変化することなく、比較的長期間保存される。
また可能な限り、化学的に純粋な薬物を提供することも重要である。
一般的に、薬物が安定した結晶型などの安定形で取得できる場合、薬物は下記の利点を提供することができる:すなわち、便利な治療、適切な薬物剤形及び確かな溶解性であり、このことは当業者には周知である。
【0032】
上記した製剤投与単位における有効成分の有効量は、無毒性の、好ましくは全重量の0.001〜100 mg/kgの範囲から、より好ましくは0.001〜50 mg/kgの範囲から選ばれる。TPO模倣薬が必要な患者を治療する場合、選択された投与量が、好ましくは経口的に又は非経口的に投与される。好ましい非経口型には、局所、直腸及び経皮投与型、注射並びに持続点滴が含まれる。ヒトに対する経口投与単位は、好ましくは0.05〜3500 mgの有効成分であり、より好ましくは0.5〜1000 mgの有効成分である。経口投与はより低用量であるものが好ましい。しかしながら高用量での非経口投与も、患者に対して安全で簡便であれば用いることができる。上記の投与量は、遊離酸として表される有効成分の望ましい量と関連している。
【0033】
当業者であれば、有効成分の個々の投与の最適の含量と間隔は、治療すべき状態の性質と程度、投与形態、投与経路及び投与部位、並びに治療すべき特定の患者に依存し、またそのような最適条件は、通常の技術により確定することができるということを理解することができる。また当業者であれば、治療の最適な経過、すなわち、規定された日数に対する1日当たりの有効成分の投与回数は、治療判定検査の従来の経過に基づき確認することができるということを理解することができる。
【0034】
本発明の化合物は、経口的に又は非経口的に投与することができ、当該化合物は、異なる投与経路に応じて錠剤、丸薬、粉末及び顆粒に調剤することができる。上記の固体剤形において、有効成分は少なくとも1種の不活性希釈剤を用いて混合される。通常の操作に従えば、経口剤形は、不活性希釈剤に加えて、潤滑剤、流動促進剤及び抗酸化剤などの他の材料も含有する。カプセル剤、錠剤及び丸薬にする場合、剤形は緩衝剤を含有する。錠剤及び丸薬は、徐放性剤形とすることができる。
【0035】
非水系エマルジョンを使用することができるが、本発明の非経口剤形は滅菌水溶液を含有し、またこの剤形は、例えば免疫賦活剤、防腐剤、湿潤剤、浸透剤、緩衝剤、乳化剤及び分散剤も含有する。滅菌過程では細菌保持フィルターを使用することができ、滅菌剤が、照射滅菌又は加熱滅菌される組成物に添加される。
【発明の効果】
【0036】
遊離酸と比較して、本発明の塩は下記の利点を有する:
(1)本発明の塩は、水、メタノール、0.1%塩酸などの通常の溶媒に容易に溶解し、また通常の剤形の製造に適合する。エタノールアミン塩の溶解性は、0.1%塩酸中で明らかに改善している。
(2)本発明の塩は、溶解性が向上している。
(3)本発明の塩は、試験管内(インビトロ)で優れた生物活性を有する。
(4)本発明の塩は、生体内(インビボ)で優れた薬物動態学的特性、優れた吸収性、高い生物学的利用率及び優れた薬物動態学的曲線を示す。エタノールアミン塩、コリン塩、ピペラジン塩、メグルミン塩及びトロメタミン塩は優れた薬物動態学的特性を示す。好ましくはエタノールアミン塩である。
(5)本発明の塩の製造方法は、高収率、高純度、迅速、簡便及び低コストという利点を有する。エタノールアミン塩、コリン塩、ジエチルアミン塩及びピペラジン塩は製造経路においてより利点があり、直接結晶化することができる。
【0037】
遊離酸と比較して、本発明の塩は、溶解性、安定性、インビトロ生物活性及び薬物動態において優れた特性を有する。ジエチルアミン塩、エタノールアミン塩、コリン塩、ピペラジン塩、メグルミン塩及びトロメタミン塩が好ましく、エタノールアミン塩、コリン塩、メグルミン塩及びトロメタミン塩がより好ましく、エタノールアミン塩が最も好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0038】
特に明記しない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される下記の用語は、以下に記載される意味を持つ。
「エタノールアミン」の用語は、「2−アミノエタノール」を指す。
「コリン」の用語は、「(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアミン」を指す。
「メグルミン」の用語は、「N−メチル−D−メグルミン」を指す。
「医薬組成物」の用語は、本明細書に記載された化合物の1種以上の製薬学的に許容される塩又はそのプロドラッグと、生理学的に/薬剤的に許容される担体などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物の目的は、生物体への化合物の投与を容易にすることである。
「安定性」の用語は、化学安定性及び固体安定性を指す。
「化学安定性」の用語は、単離形又は製薬学的に許容される担体若しくは希釈剤と混合した剤形(例えば、錠剤、カプセル剤などの経口剤)を含む本発明の化合物の、化学的劣化又は化学分解がほとんどない標準条件における保存を指す。
「固体安定性」の用語は、単離された固形又は製薬学的に許容される固形状の担体若しくは希釈剤と混合した剤形(例えば、錠剤、カプセル剤などの経口剤)を含む本発明の化合物の、固体状態変換(例えば、結晶化、再結晶化、固体相転移、水和、溶媒和又は溶媒除去)がほとんどない標準条件における保存を指す。
「標準条件における保存」の用語の例として、温度範囲が−80℃〜+50℃(好ましくは0℃〜40℃、より好ましくは15℃〜30℃などの室温)、圧力範囲が0.1パスカル〜2パスカル(好ましくは大気圧)、相対湿度範囲が5%〜95%(好ましくは10%〜60%)及び/又は450ルクス紫外/可視光長期曝露(6ヵ月又はそれ以上)が挙げられる。
「非経口投与」の用語には、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、鼻腔内投与、直腸内投与又は腹腔内投与が含まれる。好ましくは経口投与である。
医薬品の「吸湿性」の用語は、ある温度及び湿度において、物質が水を吸収することのできる能力又は程度についての特性を指す。試験試料は、薬剤品質管理基準を満たす固体成分である。薬剤包装及び保存条件は、上記例示の結果を指すことがある。
【0039】
開示化合物の合成法
本発明の目的を達成するため、本発明では下記の技術的な解決方法を適用する:
式(I)で表される化合物の合成法は、2009年1月4日に提出された国際出願PCT/CN2009/000001の実施例1、実施例9、実施例15、実施例28、実施例43及び実施例52を参照する。この国際出願は、その全記載内容を本明細書の記載として援用する。
【0040】
式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩の製造方法であって、下記のステップを含んでなる方法:
(a)本発明の遊離酸(式(I)で表される化合物)を有機溶媒に溶解又は懸濁するステップであって、前記有機溶媒がメタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル及びテトラヒドロフランからなる群より選ばれ、好ましくはテトラヒドロフランであるステップ;
(b)上記混合物に塩基を撹拌しながら添加するステップであって、前記塩基がアルカリ金属水酸化物若しくはアルカリ土類金属水酸化物、又は塩基性アミノ酸、アミン若しくは第4級アンモニウムなどの有機塩基又は無機塩基であるステップ;
(c)式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩を得るステップ、
ここで上記無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選ばれるアルカリ金属水酸化物を含み;上記アミノ及び第4級アンモニウムは、テトラメチル第4級アンモニウム、テトラエチル第4級アンモニウム、エタノールアミン、水酸化コリン、リジン、アルギニン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジベンジルエチレンジアミン、メグルミン、ピペラジン及びトロメタミンからなる群より選ばれ;好ましくは、ジエチルアミン、エタノールアミン、ピペラジン、水酸化コリン、メグルミン及びトロメタミンであり、より好ましくは、エタノールアミン、水酸化コリン、メグルミン及びトロメタミンであり、最も好ましくは、エタノールアミンである。
【0041】
上記ステップ(b)において、遊離酸と塩基との当量比は、好ましくは1:5〜5:1であり、より好ましくは1:1〜1:3であり、最も好ましくは1:1〜1:2である。
【0042】
上記ステップ(c)において、塩の分離には、反応混合物からの直接濾過、反応混合物からの濃縮及び有機溶媒からの再結晶が含まれる。塩は、真空乾燥又は高温空気乾燥などの条件下で乾燥することができる。
【0043】
上記の塩形成反応は、通常、冷却、室温又は加熱条件下で行われる。しかしながら、反応温度が塩形成に関係していることに注目すべきであることは、当業者には周知である。本発明における反応温度の範囲は、室温から反応溶媒の沸点までであり、好ましくは0〜40℃である。当業者であれば、塩形成反応の最も好ましい反応温度を、従来技術により容易に決定することができる。
【0044】
本発明は以下の実施例によりさらに記述されるが、これは本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0045】
すべての化合物の構造は、核磁気共鳴(1H NMR)又は質量分析(MS)により同定した。
NMRは、ブルカー(Bruker) AVANCE-400スペクトロメータにより測定した。使用した溶媒は、重メタノール(CD3OD)、重クロロホルム(CDCl3)及び重ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)であり、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を使用し、ケミカルシフトはppm(10-6)として記録した。
MSは、FINNIGAN LCQ Ad(ESI)質量分析計(サーモ(Therm)、モデル:Finnigan LCQ advantage MAX)により測定した。
EC50は、ノボスター(NovoStar)ELIASA(酵素結合免疫測定法)(BMG社、ドイツ)により測定した。
薄層シリカゲルは、煙台黄海(Yantai Huanghai)HSGF254又は青島(Qingdao)GF254シリカゲルプレートを指す。薄層クロマトグラフィー(TLC)で使用したプレートの厚さ0.15〜0.2 mmであり、精製に使用したプレートは厚さ0.4〜0.5 mmであった。
カラムクロマトグラフィーには、通常、煙台黄海200〜300メッシュ・シリカゲルを担体として使用した。
HPLCは、アジレント(Agilent)1200DAD高速液体クロマトグラフィースペクトロメータ(Sunfire C18 150×4.6 mmクロマトグラフィーカラム)及びウォーターズ(Waters)2695-2996高速液体{こうあつ えきたい}クロマトグラフィースペクトロメータ(Gimini C18 150×4.6 mmクロマトグラフィーカラム)により測定した。
加圧化での水素添加反応は、Parr 3916EKX水素添加スペクトロメータ及びQL水素発生器を用いて行った。マイクロ波反応はCEM Discover-S 908860マイクロ波反応器を用いて行った。
水素添加反応において、通常、反応系は真空とした後水素を充填し、この操作を3回繰り返した。
本発明の既知の出発物質は、当該技術の従来の合成法によって調製することができ、又は、ABCR社、Acros Organics社、Aldrich Chemical社、Accela ChemBio社又はDari chemical社から購入することができる。
【0046】
特に明記しない限り、下記の反応は窒素雰囲気下に置いた。
「窒素雰囲気」の用語は、反応フラスコに1 Lの窒素バルーンが装着されていることを指す。
「水素雰囲気」の用語は、反応フラスコに1 Lの水素バルーンが装着されていることを指す。
特に明記しない限り、下記の反応で使用された溶液は水溶液を指す。
「TLC」の用語は、薄層クロマトグラフィーを指す。
「HPLC」の用語は、高速液体クロマトグラフィーを指す。
HPLC試験条件:実行時間:30分、カラム温度:30℃、PDA:230 nm、移動相:アセトニトリル:水(0.1%トリフルオロ酢酸)=25:75、流速:1.0 mL/分。
クロマトグラフィーカラム:C18、150×4.6 mm
Gemini。
【実施例1】
【0047】
(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
【化4】

【0048】
ステップ1
2−ブロモ−6−ニトロ−フェノール
60 mLの濃硫酸を186
mLの水で希釈した溶液を、室温まで冷却した。この溶液に硝酸ナトリウム (79.2 g、0.93 mol) を加えた後、反応温度を25℃以下に保ちながら、2−ブロモ−フェノール1a(60 mL、0.52 mol)を滴下した。この反応混合液を室温で2時間撹拌した。沈殿物を320 mLの酢酸エチルに溶解させた。この混合物を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物2−ブロモ−6−ニトロ−フェノール1b(48.2 g、収率42.8%)を黄色固体として得た。
MS m/z (ESI):218 [M+1]
1H NMR (400 MHz,
CDCl3):δ 11.18 (s, 1H),
8.12-8.15 (m, 1H), 7.89-7.91 (m, 1H), 6.88-7.02 (m, 1H)
【0049】
ステップ2
1−ブロモ−2−メトキシ−3−ニトロ−ベンゼン
2−ブロモ−6−ニトロ−フェノール1b(46.55 g、0.214
mol)を500 mLのアセトンに溶解した後、炭酸カリウム(35.36
g、0.26 moL) 及びヨウ化メタン(20.1 mL、0.32 mol) を加えた。この反応混合物を、70℃で40時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、1300 mLの酢酸エチル及び500 mLの水で希釈した。その水層を酢酸エチル(300 mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を4 M塩酸及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物1−ブロモ−2−メトキシ−3−ニトロ−ベンゼン1c(44.59 g、収率90.0%)を褐色固体として得た。
MS m/z (ESI):234
[M+1]
【0050】
ステップ3
2'−メトキシ−3'−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸
1−ブロモ−2−メトキシ−3−ニトロ−ベンゼン 1c(23.25 g、0.10 mol)、3−カルボキシフェニルホウ酸(19.5 g、117 mol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(8.86 g、7.7 mol)を、100 mLの2 M炭酸ナトリウム溶液及び500 mLの1,4−ジオキサンの混合溶媒に溶解した。この反応混合物を、105℃で43時間加熱還流した。この混合物を減圧濃縮後、300 mLの6 N塩酸及び400 mLの酢酸エチルを加えた。水層を酢酸エチル(200 mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して、標記化合物2'−メトキシ−3'−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸1d(53.93 g)を淡黄色固体として得た。
MS m/z (ESI):272 [M-1]
1H NMR (400 MHz,
CDCl3):δ 8.11 (s, 1H),
8.02 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.90-7.92 (m, 1H), 7.82-7.84 (m, 1H), 7.21-7.75
(m, 1H), 7.63-7.67 (m, 1H), 7.42-7.46 (m, 1H), 3.45 (s, 3H)
【0051】
ステップ4
2'−メトキシ−3'−アミノ−ビフェニル−3−カルボン酸
2'−メトキシ−3'−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸1d(0.48 g、1.74 mmol)を60 mLのエタノールに溶解した後、0.5 gのパラジウム炭素(10%)及びギ酸アンモニウム(1.1 g、 17.4 mmol)を加えた。この反応混合物を80℃で20分間加熱還流した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮し、乾燥させて、標記化合物2'−メトキシ−3'−アミノ−ビフェニル−3−カルボン酸1e
(0.42 g, 収率:93.3%) を白色固体として得た。
MS m/z (ESI):242
[M-1]
【0052】
ステップ5
3'−アミノ−2'−ヒドロキシ−ビフェニル−3−カルボン酸臭化水素酸塩
国際公開第2001/89457号パンフレットに概要が説明された既知の方法を使用する:2'−メトキシ−3'−アミノ−ビフェニル−3−カルボン酸1e(2.5 g、10.3 mmol)を100 mLの臭化水素酸(40%)に溶解した。この反応混合物を、120℃で一晩加熱還流した。混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物3'−アミノ−2'−ヒドロキシ−ビフェニル−3−カルボン酸臭化水素酸塩1f(2.4 g、収率88.8%)をカーキ色固体として得た。
MS m/z (ESI):230
[M+1]
【0053】
ステップ6
インダン−5−イル−ヒドラジン
インダン−5−イルアミン1g(3.59 g、27.0
mmol)を氷−水浴で冷却しながら20 mLの濃塩酸に溶解し、10分間撹拌した。ここに10 mLの亜硝酸ナトリウム溶液(1.86 g、27.0 mmol)を滴下し、この混合物をさらに15分間撹拌して、次の反応に用いた。
塩化第一スズ・二水和物(24.4 g、108.0 mmol)を氷−塩浴で冷却しながら10 mLの濃塩酸に溶解した後、上記混合物を添加した。この反応混合物を室温まで温め、1.5時間反応させた。次に、混合物を氷-水浴で冷却しながら、40%水酸化ナトリウム溶液でpH 9に調節した。この混合物を400 mL酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を減圧濃縮し、乾燥させて、標記化合物インダン−5−イル−ヒドラジン1h(2.05 g、収率51.3%)を赤褐色固体として得た。
MS m/z (ESI):149 [M+1]
【0054】
ステップ7
2−インダン−5−イル−5−メチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
インダン−5−イル−ヒドラジン1h(2.05 g、13.8
mmol)を50 mLの酢酸に溶解した後、アセト酢酸エチル(1.76
mL、13.8 mmol)を加えた。この反応混合物を100℃で一晩加熱した。この混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物2−インダン−5−イル−5−メチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン1i(1.84 g、収率62.3%)を黄色固体として得た。
MS m/z (ESI):215
[M+1]
1H NMR (400 MHz,
CDCl3):δ 7.69 (s, 1H),
7.60 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8 Hz, 1H), 3.44 (s, 2H),
2.90~2.97 (m, 4H), 3.21 (s, 3H), 2.07~2.14 (m, 2H)
【0055】
ステップ8
(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸
3'−アミノ−2'−ヒドロキシ−ビフェニル−3−カルボン酸臭化水素酸塩1f(267 mg、 1.16 mmol)を氷-水浴で冷却しながら、10 mLの1 M塩酸に溶解した後、10
mLの亜硝酸ナトリウム溶液(88 mg、1.28 mmol)及び2−インダン−5−イル−5−メチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン1i(249 mg、1.16
mmol)を滴下した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH 8に調節した後、10 mLのエタノールを加えた。この反応混合物を室温で一晩温めた。この混合物を濾過し、乾燥させ、メタノールから再結晶して、標記化合物(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸1j(60 mg、収率11.4%)を黄色固体として得た。
MS m/z (ESI):453 [M-1]
1H NMR (400 MHz,
DMSO-d6):δ 13.76 (br. s, 1H), 13.03 (br. s,
1H), 9.66 (br.s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.96-7.98 (d, J = 8.1 Hz,
1H), 7.60-7.82 (m, 5H), 7.28-7.30 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.13-7.17 (m,
2H), 2.86-2.93 (m, 4H), 2.34 (s, 3H), 2.03-2.10 (m, 2H)
【0056】
ステップ9
(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸1j(454 mg、1.0
mmol)を16 mLのテトラヒドロフランに溶解した。この反応混合物にエタノールアミン(143 mg、2.35 mmol)を加え、3時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(2 mL×3)で洗浄し、固形物を真空乾燥して、標記化合物(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)1(553 mg、収率96.0%)を暗赤色固体として得た。
MS m/z (ESI):453
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
8.13 (s, 1H), 7.92 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.69 (m, 3H), 7.61 (d, J=8.0
Hz, 1H), 7.45 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.25 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.17 (d,
J=8.0 Hz, 1H), 6.98 (t, J=8.0 Hz, 1H), 3.65 (t, J=5.2 Hz,
4H), 2.95 (m, 4H), 2.86 (t, J=5.2 Hz, 4H), 2.41 (s, 3H),2.12 (m, 2H)
【実施例2】
【0057】
(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸ビス−(ジエチルアミン)
【化5】

(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸1j(150 mg、0.33
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに溶解し、暗赤色溶液を得た。この溶液にジエチルアミン(48 mg、0.66 mmol)を滴下して紫色溶液を生成させ、2時間撹拌した。この溶液から固形物が沈殿した。この混合物を濾過し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、固形物を真空乾燥して、標記化合物(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸ビス−(ジエチルアミン)2(132 mg、収率66.7%)を赤色固体として得た。
HPLC:99.2%
MS m/z (ESI):452.9
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
8.08(m, 1H), 7.94 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.72 (m, 2H), 7.62 (m, 2H), 7.55
(m, 1H), 7.25 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.14 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.07 (m,
1H), 2.89-2.98 (m, 12H), 2.38 (s, 3H), 2.09-2.14 (m, 2H), 1.34 (m, 12H)
【実施例3】
【0058】
(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸ビス−(ピペラジン)
【化6】

(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸1j(150 mg、0.33
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに溶解し、暗赤色溶液を得た。この反応混合物にピペラジン(57 mg、0.66 mmol)を滴下して紫色溶液を生成させ、2時間撹拌した。この溶液から、沈殿した固形物を濾取した後、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−2'−ヒドロキシ−3'−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−ビフェニル−3−カルボン酸ビス−(ピペラジン)3(130 mg、収率62.8%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:98.5%
MS m/z (ESI):452.8
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
8.10 (s, 1H), 7.92 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.68 (m, 3H), 7.61 (m, 1H), 7.43
(m, 1H), 7.24 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.15 (m, 1H), 7.00 (m, 1H),
2.89-2.95(m, 4H), 2.84 (s, 16H), 2.39 (s, 3H), 2.09-2.12 (m, 2H)
【実施例4】
【0059】
(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
【化7】

【0060】
ステップ1
ジ−tert−ブチル 1−(3,3−ジメチル−1H−インデン−5−イル)ヒドラジン−1,2−ジカルボキシレート
6−ブロモ−1,1−ジメチル−インダン(既知の方法により調製した:国際公開第2005/066115号パンフレット)4a(4.32 g、19.27
mmol)を40 mLのテトラヒドロフランに溶解後、ブチルリチウム(15.67 mL、1.6 M、25.05
mmol)を−78℃で滴下した。この反応混合物を40分間反応させた後、30 mLのジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート(5.32 g、23.12 mmol)を添加した。この反応混合物を−78℃でさらに3時間反応させた。反応混合物に5 mLのメタノールを添加した後、室温まで温め、シリカゲルで濾過した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物ジ−tert−ブチル 1−(3,3−ジメチル−1H−インデン−5−イル)ヒドラジン−1,2−ジカルボキシレート4b(2.70 g、収率37.2%)を黄色固体として得た。
【0061】
ステップ2
2−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−5−メチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
ジ−tert−ブチル
1−(3,3−ジメチル−1H−インデン−5−イル)ヒドラジン−1,2−ジカルボン酸塩4b(2.70 g、7.18
mmol)を100 mLの酢酸に溶解した後、20 mLのトリフルオロ酢酸を添加した。この混合物を室温で2時間反応させた後、アセト酢酸エチル(0.98 g、7.54 mmol)を添加した。次に、この混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。混合物を室温まで冷却し、減圧濃縮して酢酸を除去した。この反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物2−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−5−メチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン4c(1.0 g、収率47.7%)を淡褐色固体として得た。
MS m/z (ESI):243 [M+1]
【0062】
ステップ3
2−(2−メトキシ−3−ニトローフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
1−ブロモ−2−メトキシ−3−ニトロ−ベンゼン 1c(67 g、289
mol)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−bi−1,3,2−ジオキサボロラン(110 g、433 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11.80 g、14.44 mmol)及び酢酸カリウム(71 g、724 mmol)を、600 mLのエーテルシュウ酸ジメチルエーテルに溶解した。この混合物を、17時間加熱還流した。混合物は減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物2−(2−メトキシ−3−ニトローフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン4d(50.5 g、61.9%)を黄色結晶として得た。
【0063】
ステップ4
5−(2−メトキシ−3−ニトローフェニル)フラン−2−カルボン酸
2−(2−メトキシ−3−ニトローフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン4d(10 g、38.85%)、5−ブロモフラン−2−カルボン酸(5.47 g、28.66
mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.07 g、1.79 mmol)及び炭酸ナトリウム(7.60 g、71.66 mmol)を、200 mLの1,4−ジオキサンと30 mLの水との混合溶媒に溶解した。この反応混合液を2.5時間加熱還流した。混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣を150 mLの水で希釈し、1 M塩酸でpH
3に調整した。次に、混合物を濾過し、濾過ケーキを50 mLのn−ヘキサン/酢酸エチル(v/v = 1:1)混合溶媒で洗浄した。残渣を乾燥し、標記化合物5−(2−メトキシ−3−ニトロ−フェニル)フラン−2−カルボン酸4e(4.23 g、収率56.1%)を灰色固体として得た。
MS m/z
(ESI):262 [M-1]
【0064】
ステップ5
5−(3−アミノ−2−メトキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸
5−(2−メトキシ−3−ニトロ−フェニル)フラン−2−カルボン酸4e(4.23 g、16.09
mmol)を125 mLの酢酸エチルに溶解した後、423 mgのパラジウム炭素(10%)及びぎ酸アンモニウム(4.054 g、64.35 mmol)を添加した。この反応混合物を3.5時間加熱還流した。混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物5−(3−アミノ−2−メトキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸4f(2.79 g、収率74.4%)を淡緑色固体として得た。
MS m/z (ESI):232 [M-1]
【0065】
ステップ6
(Z)−5−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸臭化水素酸塩
5−(3−アミノ−2−メトキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸4f(2.79 g、11.97
mmol)を25 mLのジクロロメタンに溶解した後、三臭化ホウ素(23.9 mL、2.0 M)を滴下した。この反応混合物を室温で1時間反応させた。混合物は、5 mLのメタノールを加えた後、減圧濃縮した。残渣を100 mLの酢酸エチルで希釈し、1時間撹拌した。次に、混合物を濾過し、濾過ケーキを乾燥して、標記化合物(Z)−5−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸臭化水素酸塩4g(1.24 g、収率47.2%)を黄色固体として得た。
MS m/z (ESI):218 [M-1]
【0066】
ステップ7
(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸
(Z)−5−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸臭化水素酸塩4g(333 mg、1.1
mmol)を、氷−水浴で冷却しながら塩酸(3.7 mL、1 M)に溶解した後、1.5 mLの亜硝酸ナトリウム溶液(85 mg、1.22 mmol)を滴下した。この混合物を20分間反応させた後、2−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−5−メチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン4c(242 mg、1.0 mmol)、炭酸水素ナトリウム(1.4 g、16.67 mmol)及び3 mLのエタノールを連続的に添加した。この反応混合物を室温で一晩反応させた。混合物を濾過し、濾過ケーキに20 mLの水を添加した。この混合物を、濃塩酸でpH 3〜4に調整した。混合物を濾過し、濾過ケーキを乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸4h(190
mg、収率40.3%)を赤色固体として得た。
MS m/z (ESI):470.9 [M-1]
1H NMR (400 MHz,
DMSO-d6):δ 13.74(br. s, 1H), 13.15(br. s, 1H), 9.99(br.
s, 1H), 7.71 (m, 3H), 7.55 (d, J=6.8
Hz, 1H), 7.37 (d, J=3.6 Hz, 1H), 7.20 (m, 2H), 7.15 (m, 1H), 2.86 (t, J=7.2
Hz, 2H), 2.33 (s, 3H), 1.92 (t, J=7.2 Hz, 2H), 1.26 (s, 6H)
【0067】
ステップ8
(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸4h(2.3 g、4.87
mmol)を20 mLのテトラヒドロフランに溶解した。この溶液にエタノールアミン(594 mg、9.75 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)4(2.5 g、収率86.4%)を黒色固体として得た。
MS m/z (ESI):470.8 [M-1]
1H NMR (400 MHz,
CD3OD):δ 7.57 (m, 4H),
7.19 (m, 1H), 7.03 (d, J=3.6 Hz, 1H), 6.95 (d, J=3.6 Hz, 1H),
6.71 (t, J=8.0 Hz, 1H), 3.73 (t, J=5.2 Hz, 4H), 2.98 (m, 4H),
2.88 (t, J=7.2 Hz, 2H), 2.36 (s, 3H), 1.96 (t, J=7.2 Hz, 2H),
1.29 (s, 6H)
【実施例5】
【0068】
(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(ジエチルアミン)
【化8】

(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸4h(150
mg、0.32 mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にジエチルアミン(46 mg、0.63 mmol)を添加して紫色溶液を生成させ、室温で一晩撹拌した。この溶液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、得られた固形物を真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(ジエチルアミン)5(170 mg、収率86.7%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:94.6%
MS m/z (ESI):471.9
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD): δ
7.60(m, 4H), 7.19 (m, 1H), 7.04 (m, 1H), 6.87 (m, 2H), 2.98 (q, J=7.2
Hz, 8H), 2.89 (t, J=7.2 Hz, 2H), 2.36 (s, 3H), 1.96 (t, J=7.2 Hz,
2H), 1.27 (t, J=7.2 Hz, 12H), 1.25 (s, 6H)
【実施例6】
【0069】
(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(ピペラジン)
【化9】

(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸4h(150
mg、0.32 mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にピペラジン(55
mg、0.64 mmol)を添加して紫色溶液を生成させ、室温で一晩撹拌した。この混合物を濾過し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、得られた固形物を真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−(3−{N'−[1−(3,3−ジメチル−インダン−5−イル)−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(ピペラジン)6(158 mg、収率77.1%)を赤色固体として得た。
HPLC:99.28%
MS m/z (ESI):471.8
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
7.64-7.66 (m, 3H), 7.55 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.21(d, J=8.0 Hz,1H),
7.04 (m, 1H), 6.87-6.88 (m, 2H), 3.01 (s, 16H), 2.90 (t, J=7.2 Hz,2H),
2.38 (s, 3H), 1.97 (t, J=7.2 Hz,2H), 1.29 (s, 6H)
【実施例7】
【0070】
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
【化10】

【0071】
ステップ1
(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ヒドラジン
5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル7a(3.68 g,
25.0 mmol)を20 mLの濃塩酸に溶解し、この混合物を氷−水浴で冷却しながら10分間撹拌した。ここに10 mLの亜硝酸ナトリウム溶液(1.72 g、25.0 mmol)を滴下し、この混合物をさらに15分間撹拌して、次の反応に用いた。
塩化第一スズ・二水和物(22.4 g、100 mmol)を氷−塩浴で冷却しながら10 mLの濃塩酸に溶解した後、上記混合物を添加した。この反応混合物を室温まで温め、1.5時間反応させた。次に、混合物を40%水酸化ナトリウム溶液でpH 9に調節した。この混合物を400 mL酢酸エチルで抽出した後、合わせた有機抽出物を減圧濃縮し、乾燥させて、標記化合物(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ヒドラジン7b(2.19 g、収率53.7%)を黄色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 163 [M+1]
【0072】
ステップ2
5−メチル−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン
(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ヒドラジン7b(2.0 g、12.3 mmol)を50 mLの酢酸に溶解した後、アセト酢酸エチル(1.57 mL、12.3 mmol)を加えた。この反応混合物を100℃で一晩加熱した。この混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物5−メチル−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン7c(1.58 g、収率56.2%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI):457
[2M+1]
1H NMR (CDCl3):δ 7.54-7.58 (m, 2H), 7.09
(d, J=8 Hz, 1H), 3.43 (s, 2H), 2.77-2.81 (m, 4H), 2.21 (s, 3H), 1.80-1.83
(m, 4H)
【0073】
ステップ3
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸
(Z)−5−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸臭化水素酸塩4g(292 mg、0.98
mmol)を、氷−水浴で冷却しながら3.3 mLの1 M塩酸に溶解した後、1.3 mLの亜硝酸ナトリウム溶液(74 mg、1.07 mmol)を滴下した。この混合物を20分間反応させた後、5−メチル−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン7c(200 mg、0.88 mmol)を添加した。この混合物を、炭酸水素ナトリウム溶液(1.226 g、14.6 mmol)をまとまった量ずつ添加して、pH 8〜9に調整した。生成した泡は、2 mLのエタノールで消した。反応混合物は室温まで温め、一晩反応させた。この混合物を濾過し、濾過ケーキを20 mLの水に溶解した。よく混合した後、混合液を濃塩酸でpH 3〜4に調整し、濾過し、乾燥させた。粗生成物をHPLCにより精製し、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸7d(160 mg、収率39.8%)を赤色固体として得た。
MS m/z (ESI):457
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6):δ 7.71(d, J=8.4 Hz, 1H), 7.63 (m, 2H), 7.56 (d, J=7.6
Hz, 1H), 7.37 (d, J=3.2 Hz, 1H), 7.22 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.13 (m,
2H), 2.75 (m, 4H), 2.33 (s, 3H),1.76 (m, 4H)
【0074】
ステップ4
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸7d(3.3 g、7.2
mmol)を、15 mLのテトラヒドロフランに溶解した。この反応溶液にエタノールアミン(0.88 g、13 mmol)をゆっくり滴下し、15〜20℃で1.5時間撹拌した。溶液から沈殿した大量の固形物を濾取した後、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(10 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)7(3 g、収率74%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:99.3%
MS m/z (ESI):456.8 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CH3OD):δ7.51 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.44-7.46 (m, 3H), 6.93-6.98
(m, 2H), 6.88 (d, J=3.6 Hz, 1H), 6.67
(t, J=8.0 Hz, 1H), 3.61 (t, J=5.2
Hz, 4H), 2.86 (t, J=5.2 Hz, 4H), 2.65-2.70 (m, 4H), 2.24 (s, 3H), 1.70-1.72 (s, 3H)
【実施例8】
【0075】
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(コリン)
【化11】

(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸7d(100 mg、0.22
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物に45%水酸化コリンメタノール溶液(45 mg、0.44 mmol)を添加して紫色溶液を生成させ、室温で1時間撹拌した。溶液から沈殿した大量の固形物を濾取した後、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(コリン)8(140 mg、収率96.6%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:98.82%
MS m/z (ESI):457.8 [M-1]
1H NMR
(400M Hz, CD3OD):δ7.74
(d, J=8.0 Hz, 1H), 7.60 (m, 3H), 7.08 (m, 3H), 6.91 (t, J=8.0 Hz,
1H), 3.96 (m, 4H), 3.45 (t, J=4.8 Hz, 4H), 3.18 (s, 18H), 2.80 (m, 4H),
2.38 (s, 3H),1.84 (m, 4H)
【実施例9】
【0076】
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(ジエチルアミン)
【化12】

(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸7d(100 mg、0.22
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にジエチルアミン(32 mg、0.44 mmol)を添加して紫色溶液を生成させ、室温で一晩撹拌した。溶液から沈殿した固形物を濾取し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(ジエチルアミン)9(77 mg、収率58.3%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:99.1%
MS m/z (ESI):457.9 [M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
7.59(m, 4H), 7.08 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.04 (d, J=3.6 Hz, 1H), 6.94
(d, J=3.6 Hz, 1H), 6.82 (t, J=8.0 Hz, 1H), 2.99 (q, J=7.2
Hz, 8H), 2.79 (m, 4H), 2.36 (s, 3H), 1.82 (t, J=3.2 Hz, 4H),1.27 (t, J=7.2
Hz, 12H)
【実施例10】
【0077】
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(メグルミン)
【化13】

(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸7d(100 mg、0.22
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にメグルミン(85 mg、0.44 mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。得られた溶液に4 mLのメタノールを添加し、減圧濃縮して、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(メグルミン)10(168 mg、収率90.8%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:97.7%
MS m/z (ESI):457.8 [M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
7.56 (m, 4H), 7.06 (m, 2H), 6.98 (d, J=3.2 Hz, 1H), 6.75 (t, J=7.6
Hz, 1H), 4.08 (m, 2H), 3.81 (m, 2H), 3.77 (m, 2H), 3.63 (m, 6H), 3.11 (m, 4H),
2.76 (m, 4H), 2.64 (s, 6H), 2.33 (s, 3H), 1.79 (m, 4H)
【実施例11】
【0078】
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(ピペラジン)
【化14】

(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸7d(100 mg、0.22
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にピペラジン(37 mg、0.44 mmol)を添加して紫色溶液を生成させ、室温で2時間撹拌した。溶液から沈殿した固形物を濾取し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(ピペラジン)11(120 mg、収率87.6%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:98.8%
MS m/z (ESI):457.8
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
7.59(m, 4H), 7.08 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.04 (d, J=3.2 Hz, 1H), 6.87
(d, J=3.2 Hz, 1H), 6.82 (t, J=8.0 Hz, 1H), 3.00 (s, 16H), 2.78
(m, 4H), 2.36 (s, 3H), 1.81(m, 4H)
【実施例12】
【0079】
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(トロメタモール)
【化15】

(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸7d(100 mg、0.22
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にトロメタモール(53 mg、0.44 mmol)を添加して褐色溶液を生成させ、室温で一晩撹拌した。溶液から沈殿した固形物を濾取し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(トロメタモール)12(142 mg、収率92.8%)を暗色固体として得た。
HPLC:94.0%
MS m/z (ESI):457.8
[M-1]
1H NMR
(400M Hz, CD3OD):δ
7.58(m, 4H), 7.05 (m, 2H), 6.96 (d, J=3.6 Hz, 1H), 6.90 (t, J=8.0
Hz, 1H), 3.65 (s, 12H), 2.76 (m, 4H), 2.33 (s, 3H),1.80 (m, 4H)
【実施例13】
【0080】
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(ジベンジルエチレンジアミン)
【化16】

(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸7d(100 mg、0.22
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にジベンジルエチレンジアミン(104 mg、0.44 mmol)を添加して褐色溶液を生成させ、室温で2時間撹拌した。得られた溶液に4 mLのメタノールを添加し、減圧濃縮して、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(ジベンジルエチレンジアミン)13(167 mg、収率81.8%)を暗色固体として得た。
HPLC: 96.8%
MS m/z (ESI):457.8
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ7.52-7.54
(m, 3H), 7.39 (d, J=7.2 Hz, 1H), 7.24-7.28 (m, 20H), 7.01-7.04 (m, 2H),
6.65-6.72 (m, 1H), 3.89 (s, 8H), 3.01 (s, 8H), 2.73 (m, 4H), 2.32 (s, 3H), 1.78
(m, 4H)
【実施例14】
【0081】
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ジナトリウム塩
【化17】

(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸7d(110 mg、0.24
mmol)を4 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物に1 M水酸化ナトリウム溶液(0.4 mL、0.44 mmol)を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濾過した後、濾液に4 mLのメタノールを添加し、減圧濃縮した。得られた固形物をヘキサンで洗浄し、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ジナトリウム塩14(115 mg、収率81.8%)を暗色固体として得た。
HPLC:96.8%
MS m/z (ESI):457.8
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
7.79(dd, J1=7.6 Hz, J2=1.2 Hz, 1H), 7.52
(m, 3H), 7.18 (d, J=3.6 Hz, 1H), 7.05 (m, 2H), 6.70 (m, 1H), 2.78 (m,
4H), 2.41 (s, 3H),1.82 (m, 4H)
【実施例15】
【0082】
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(L−アルギニン)
【化18】

(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸7d(110 mg、0.22
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にL−アルギニン(76 mg、0.44 mmol)及び2
mLの水を添加し、室温で2時間撹拌した。この反応液を減圧濃縮し、5 mLの酢酸エチルを添加した。溶液から沈殿した固形物を濾取し、濾過ケーキを真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(L−アルギニン)15(168 mg、収率95.5%)を暗色固体として得た。
HPLC:97.5%
MS m/z (ESI):457.9
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
7.59(m, 4H), 7.06 (m, 2H), 6.98 (d, J=3.6 Hz, 1H), 6.92 (t, J=8.0
Hz, 1H), 3.57 (t, J=6.4 Hz, 2H), 3.19 (m, 4H), 2.78 (m, 4H), 2.36 (s,
3H),1.83 (m, 8H), 1.73 (m, 4H)
【実施例16】
【0083】
(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
【化19】

【0084】
ステップ1
(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸
(Z)−5−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸臭化水素酸塩4g(300 mg、1.0
mmol)を、氷−水浴で冷却しながら、塩酸(3.4 mL、1
M)に溶解した後、1.2 mLの亜硝酸ナトリウム溶液(73
mg、1.05 mmol)を滴下した。この混合物を10分間反応させた後、2−インダン−5−イル−5−メチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン1i(193 mg、0.9
mmol)、炭酸水素ナトリウム(1.26 g、15
mmol)及び4.4 mLのエタノールを連続的に添加した。この混合物を室温で25時間反応させた。この混合物を濾過し、濾過ケーキを20 mLの水で洗浄した後、20 mLの水に溶解した。この混合物を氷−水浴で冷却しながら、濃塩酸でpHを5未満に調整し、濾過し、乾燥して、標記化合物(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸16a(287 mg、収率71.8%)を黄色固体として得た。
MS m/z (ESI):443
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6):δ 13.73(br.s, 1H), 9.97 (br. s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.70
(m, 2H), 7.57 (m, 1H), 7.36 (d, J=3.6 Hz, 1H), 7.29 (d, J=8.0 Hz,
1H), 7.22 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.15 (m, 1H), 2.89 (m, 4H), 2.32 (s,
3H),2.03 (m, 2H)
【0085】
ステップ2
(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸16a(1.825 g、4.11
mmol)を20 mLのテトラヒドロフランに溶解した。この反応混合物にエタノールアミン(501 mg、8.22 mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。溶液から沈殿した固形物を濾取し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)16(1.615 g、収率69.4%)を暗赤色固体として得た。
MS m/z (ESI):443
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
7.67(s, 1H), 7.53 (m, 3H), 7.21(d, J=8.0 Hz, 1H), 7.02 (m, 1H), 6.97 (d,
J=3.2 Hz, 1H), 6.70 (m, 1H), 3.70 (m, 4H), 2.92 (m, 4H), 2.88 (m, 4H),
2.35 (s, 3H), 2.08 (m, 2H)
【実施例17】
【0086】
(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸ビス−(ジエチルアミン)
【化20】

(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸16a(150 mg、0.38
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にジエチルアミン(49 mg、0.67 mmol)を滴下して紫色溶液を生成させ、室温で2時間撹拌した。溶液から沈殿した固形物を濾取し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸ビス−(ジエチルアミン)17(163 mg、収率81.9%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:99.18%
MS m/z (ESI):442.7
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
7.71(s, 1H), 7.60 (m, 3H), 7.24 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.04 (d, J=8.0
Hz, 1H), 6.95 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.82 (m, 1H), 3.73 (m, 2H), 2.95 (m,
8H), 2.37 (s, 3H), 2.13 (m, 2H), 1.87 (m, 2H), 1.28 (m, 12H)
【実施例18】
【0087】
(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸ビス−(ピペラジン)
【化21】

(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸16a(150 mg、0.38
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にピペラジン(58 mg、0.68 mmol)を添加して紫色溶液を生成させ、室温で3時間撹拌した。溶液から沈殿した固形物を濾取し、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−5−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−フラン−2−カルボン酸ビス−(ピペラジン)18(185 mg、収率88.9%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:96.52%
MS m/z (ESI):443.2
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ7.73
(s, 1H), 7.61-7.64 (m, 2H), 7.55 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.23 (d, J=8.4
Hz, 1H), 7.05 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.78-6.90 (m, 2H), 3.03 (s, 16H),
2.89-2.95 (m, 4H), 2.35 (s, 3H), 2.12 (t, J=7.2 Hz, 4H)
【実施例19】
【0088】
(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
【化22】

【0089】
ステップ1
4−(3−ニトロ−2−メトキシ−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸
2−(2−メトキシ−3−ニトローフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン4d(0.81 g、2.9 mmol)、4−ブロモ−チオフェン−2−カルボン酸(0.3 g、1.45 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(80 mg、0.073 mmol)及び炭酸ナトリウム(0.31 g、2.9 mmol)を、20 mLの1,4−ジオキサンと10 mLの水との混合溶媒に溶解した。この反応混合液を0.5時間加熱還流した。混合物を、1 N塩酸でpH 3に調整し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物4−(3−ニトロ−2−メトキシ−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸19a(0.54 g)を褐色オイルとして得た。これを次のステップに直接使用した。
MS m/z (ESI):277.6 [M-1]
【0090】
ステップ2
4−(3−アミノ−2−メトキシ−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸
4−(3−ニトロ−2−メトキシ−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸19a(400
mg、1.45 mmol)を30 mLの酢酸エチルに溶解した後、100 mgのパラジウム炭素(10%)及びギ酸アンモニウム(360 mg、5.8 mmol)を加えた。この反応混合物を3時間加熱還流した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮して、標記化合物4−(3−アミノ−2−メトキシ−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸19b(410
mg)を褐色オイルとして得た。
MS m/z (ESI):247.8 [M-1]
【0091】
ステップ3
4−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸臭化水素酸塩
4−(3−アミノ−2−メトキシ−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸19b(360
mg、1.45 mmol)を5 mLのジクロロメタンに溶解した後、三臭化ホウ素(2.8 mL、5.6 mmol)を滴下した。この反応混合物を室温で4.5時間反応させた。反応混合物は、5 mLのメタノールを加え、減圧濃縮した。残渣を10 mLの酢酸エチルで希釈し、0.5時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾過ケーキを乾燥して、標記化合物4−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸臭化水素酸塩19c(80 mg、収率17.5%)を灰色固体として得た。
MS m/z (ESI):236.1 [M+1]
【0092】
ステップ4
(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸
4−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−チオフェン−2−カルボン酸臭化水素酸塩19c(120 mg、0.38 mmol)を、氷−水浴で冷却しながら2.7 mLの1 M塩酸に溶解した後、0.45
mLの亜硝酸ナトリウム溶液(29 mg、0.42 mmol)を滴下した。この混合物を20分間反応させた後、2−インダン−5−イル−5−メチル−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン1i(73 mg、0.34 mmol)を添加した。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH 8に調整した後、2 mLのエタノールを添加した。この反応混合物を室温で一晩反応させた。混合物を濾過し、濾過ケーキに20 mLの水を添加した。この混合物を、濃塩酸でpH 3〜4に調整し、濾過した。次に、濾過ケーキに5 mLの酢酸エチルを添加し、この混合物を1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキを乾燥させ、標記化合物(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸19d(45 mg、収率28.7%)を黄色固体として得た。
MS m/z (ESI):458.8
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6):δ13.79(br. s, 1H), 9.68(br. s, 1H), 8.13(d, J=1.2
Hz, 1H), 8.05(d, J=1.6 Hz, 1H), 7.78(s, 1H), 7.67(m, 2H), 7.32(m, 2H),
7.13 (t, J=8.0 Hz, 1H), 2.87(m, 4H), 2.32(s, 3H), 2.05(m, 2H)
【0093】
ステップ5
(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸19d(1.3 g、2.83
mmol)を40 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にエタノールアミン(344 mg、5.65 mmol)を添加して紫色溶液を生成させ、室温で2時間撹拌した。溶液から沈殿した大量の固形物を濾取した後、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)19(1.513 g、収率92.0%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:98.65%
MS m/z (ESI):458.7
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
7.94 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.55-7.59 (m, 2H), 7.28-7.30 (m, 1H),
7.22 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.83 (t, J=8.0 Hz, 3H), 3.65-3.68 (m, 4H),
2.88-2.92 (m, 8H), 2.38 (s, 3H), 2.06-2.14 (m, 2H)
【実施例20】
【0094】
(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸ビス−(ジエチルアミン)
【化23】

(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸19d(150 mg、0.33
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にジエチルアミン(49 mg、0.66 mmol)を滴下して紫色溶液を生成させ、室温で2時間撹拌した。溶液から沈殿した固形物を濾取した後、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1
mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸ビス−(ジエチルアミン)20(157 mg、収率79.3%)を暗赤色固体として得た。
HPLC:98.98%
MS m/z (ESI):458.8 [M-1]
1H NMR (400 MHz,
CD3OD):δ 7.81(s, 1H),
7.73 (s, 1H), 7.68-7.70 (m, 2H), 7.62 (d, J=8.8 Hz, 1H),
7.22-7.26 (m, 2H), 7.06 (t, J=8.0 Hz, 1H), 3.03 (q, J=7.2 Hz,
8H), 2.90-2.97 (m, 4H), 2.37 (s, 3H), 2.07-2.15 (m, 2H), 1.29 (t, J=7.2
Hz, 12H)
【実施例21】
【0095】
(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸ビス−(ピペラジン)
【化24】

(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸19d(150 mg、0.33
mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にピペラジン(56 mg、0.65 mmol)を添加して紫色溶液を生成させ、室温で2時間撹拌した。溶液から沈殿した固形物を濾取した後、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1
mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−4−{2−ヒドロキシ−3−[N'−(1−インダン−5−イル−3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン)−ヒドラジノ]−フェニル}−チオフェン−2−カルボン酸ビス−(ピペラジン)21(195 mg、収率94.7%)を暗赤色固体として得た。HPLC:98.17%
MS m/z (ESI):458.8
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ7.85
(s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.62 (m, 2H), 7.26 (m, 2H), 6.95
(t, 1H), 2.96 (m, 16H), 2.91 (m, 4H), 2.37 (s, 3H), 2.11 (m, 2H)
【実施例22】
【0096】
(Z)−4−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
【化25】

【0097】
ステップ1
4−ブロモ−フラン−2−カルボン酸
4,5−ジブロモ−フラン−2−カルボン酸22a(5.5 g、20.3 mmol)と18 mLの水酸化アンモニウムとの混合物に63 mLの水を添加した後、亜鉛粉末(1.46 g、22.33 mmol)を添加した。添加終了後、反応混合物を室温で6時間撹拌した。混合物を1 M塩酸でpH 3に調整し、大量の沈殿物を生成させた。混合物を濾過し、濾過ケーキをn−ヘキサン(15 mL×4)で洗浄し、乾燥させて、標記化合物4−ブロモ−フラン−2−カルボン酸22b(3.2 g、収率83.1%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI):188.7 [M-1]
【0098】
ステップ2
4−(3−ニトロ−2−メトキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸
2−(2−メトキシ−3−ニトローフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン4d(4 g、14.34 mmol)、4−ブロモ−フラン−2−カルボン酸22b(2.18 g、11.47 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(829 mg、0.717 mmol)及び炭酸カリウム(3.96 g、28.68 mmol)を、80 mLの1,4−ジオキサンと30
mLの水との混合溶媒に溶解した。この反応混合液を2.5時間加熱還流した。混合物を1 M塩酸でpH 3に調整した後、酢酸エチル(80 mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物は減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物4−(3−ニトロ−2−メトキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸22c(3.42 g、収率90.7%)を褐色オイルとして得た。
MS m/z (ESI):261.8 [M-1]
【0099】
ステップ3
4−(3−アミノ−2−メトキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸
4−(3−ニトロ−2−メトキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸22c(500
mg、1.9 mmol)を15 mLの酢酸エチルに溶解した後、100 mgのパラジウム炭素及びギ酸アンモニウム(429 mg, 7.6 mmol)を加えた。この反応混合物を3時間加熱還流した。混合物を濾過してパラジウム炭素を除去し、減圧濃縮して、標記化合物4−(3−アミノ−2−メトキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸22d(325
mg、収率73.4%)を黄色オイルとして得た。
MS m/z (ESI):231.8 [M-1]
【0100】
ステップ4
4−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸臭化水素酸塩
4−(3−アミノ−2−メトキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸22d(325
mg、1.4 mmol)を5 mLのジクロロメタンに溶解した後、三臭化ホウ素(2.8 mL、5.6 mmol)を滴下した。この反応混合物を室温で4.5時間反応させた。反応混合物は、5 mLのメタノールを加え、減圧濃縮した。残渣を10 mLの酢酸エチルで希釈し、0.5時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾過ケーキを乾燥して、標記化合物4−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸臭化水素酸塩22e(174 mg、収率57.1%)を灰色固体として得た。
MS m/z (ESI):217.7 [M-1]
【0101】
ステップ5
(Z)−4−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸
4−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−フェニル)−フラン−2−カルボン酸臭化水素酸塩22e(170 mg、0.57 mmol)を氷−水浴で冷却しながら塩酸(1.9 mL、1 M)に溶解した後、0.7
mLの亜硝酸ナトリウム溶液(43 mg、0.63 mmol)を滴下した。この混合物を20分間反応させた後、5−メチル−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−2,4−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン7c(116 mg、0.51
mmol)を添加した。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH 8〜9に調整した後、2 mLのエタノールを添加した。この反応混合物を室温で24時間反応させた。混合物を濾過し、濾過ケーキに15 mLの水を添加した。この混合物を、氷−水浴で冷却しながら濃塩酸でpH 2〜3に調整し、濾過した。濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄し、乾燥して、標記化合物(Z)−4−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸22f(13 mg、収率5.5%)を赤色固体として得た。
MS m/z (ESI):456.7
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6):δ 13.75 (br. s, 1H), 13.20 (br. s, 1H), 9.68 (br.
s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.62-7.68 (m, 4H), 7.41-7.43 (m, 1H), 7.11-7.15 (m, 2H),
2.67-2.76 (m, 2H), 2.31 (s, 3H),1.75 (m, 4H)
【0102】
ステップ6
(Z)−4−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)
(Z)−4−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸22f(1.2 g、2.6
mmol)を20 mLのテトラヒドロフランに懸濁し、暗赤色懸濁液を得た。この反応混合物にエタノールアミン(399 mg、6.5 mmol)を添加して紫色溶液を生成させ、室温で6時間撹拌した。溶液から沈殿した大量の固形物を濾取した後、濾過ケーキをテトラヒドロフラン(1 mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標記化合物(Z)−4−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸ビス−(エタノールアミン)22(1.51 g、収率72.8%)を赤色固体として得た。
HPLC:97.16%
MS m/z (ESI):456.7
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ
8.20 (s, 1H), 7.51-7.56 (m, 3H), 7.31-7.35 (m, 2H), 7.07 (d, J=9.2 Hz,
1H), 6.89 (t, J=8.0 Hz, 1H), 3.68-3.71 (m, 4H), 2.90-2.95 (m, 4H),
2.76-2.81 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 1.80-1.85 (m, 4H)
【実施例23】
【0103】
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸コリン
【化26】

23
(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸(1.1 g、2.4 mmol)を、酢酸エチルとエタノールとの混合溶媒(v/v = 12:7)に溶解した後、この反応混合物を40℃に加熱し、15分間撹拌して、マロン色の懸濁液を得た。この反応混合物を、1 Mコリンメタノール溶液(2.4 mL、2.4 mmol)にゆっくりと添加し、固形物を消失させて黒色溶液を得た。この反応溶液に1
mLの水を添加した後、35℃まで冷却して3時間反応させ、その後さらに72時間、室温で撹拌した。沈殿したオレンジ色の固体を濾取し、濾過ケーキを酢酸エチル(5
mL×3)で洗浄し、乾燥させて、標記化合物(Z)−5−(2−ヒドロキシ−3−{N'−[3−メチル−5−オキソ−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−1,5−ジヒドロ−ピラゾール−4−イリデン]−ヒドラジノ}−フェニル)−フラン−2−カルボン酸コリン 23(620 mg、収率46.0%)をオレンジ固体として得た。
MS m/z (ESI):456.7
[M-1]
1H NMR
(400 MHz, CD3OD):δ7.66-7.57
(m, 4H), 7.09-7.04 (m, 3H), 6.92 (d, J=3.6Hz, 1H), 4.03-3.99 (m, 2H), 3.51-3.48
(m, 2H), 3.22 (s, 9H), 2.81-2.75 (m, 4H), 2.33 (s, 3H), 1.83-1.81 (m, 4H)
【実施例24】
【0104】
錠剤組成物
乳糖、結晶セルロース、澱粉グリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム及び実施例7の化合物を、表2に示される割合で混合した後、錠剤に圧縮した。

【実施例25】
【0105】
注射用非経口組成物
実施例7の化合物を投与するための注射剤型は、1.0 mLの生理食塩水中で5.0 mgの前記化合物を撹拌することにより製造する。
【試験例】
【0106】
溶解度の測定
従来の溶解度測定法に従って、実施例化合物及びその塩の溶解性を、3種の異なる系:すなわち水、0.1%塩酸及びメタノールで測定した。
溶解性は下記のとおり特徴付けた:
「極めて溶けやすい」の用語は、1 g(mL)の溶質が1 mL未満の溶媒に溶解することを指す;
「溶けやすい」の用語は、1 g(mL)の溶質が、1 mL〜10 mLの溶媒(溶媒10 mLは含まない)に溶解することを指す;
「溶ける」の用語は、1 g(mL)の溶質が、10 mL〜30 mLの溶媒(溶媒30 mLは含まない)に溶解することを指す;
「やや溶けにくい 」の用語は、1 g(mL)の溶質が、30 mL〜100 mLの溶媒(溶媒100 mLは含まない)に溶解することを指す;
「溶けにくい」の用語は、1 g(mL)の溶質が、100 mL〜1000 mLの溶媒(溶媒1000 mLは含まない)に溶解することを指す;
「極めてわずか溶ける」の用語は、1 g(mL)の溶質が、1000 mL〜10000 mLの溶媒(溶媒10000 mLは含まない)に溶解することを指す;
「ほとんど溶けない又は溶けない」の用語は、1 g(mL)の溶質が、10000 mLの溶媒に完全に溶解するわけではないことを指す。
【0107】
溶解度の結果を表3に示した。

【0108】
表3の結果より、化合物1j(実施例1)、4h(実施例4)、7d(実施例7)、16a(実施例16)及び19d(実施例19)と比較し、 これらの塩の溶解度は、特に水とメタノールで明らかに増加した。特に実施例4及び7の塩は、0.1%塩酸において相対的に優れた溶解性を有していた。これらの2つの塩は極めてわずか溶けるが、その他の塩は、ほとんど溶けない又は溶けなかった。
【0109】
化合物1j、4h、7d、16a及び19dの構造を表4に示した。

【0110】
吸湿性の測定
本発明の化合物の吸湿性は、48時間静置した後測定した。
手順:
(1)栓のついた乾燥ガラス秤量瓶(外径50 mm、高さ15 mm)を、25℃±1℃で恒温乾燥機中(下部に飽和硫酸アンモニウム溶液を置き、湿度は79%であった。)に置き、その翌日、重量(m1)を正確に測定した;
(2)上記秤量瓶に本発明の化合物を入れ広げ、化合物の厚さを大まかに1 mmとし、重量(m2)を正確に測定した;
(3)秤量瓶の栓を開いたままにして、恒温恒湿の上記条件に48時間置いた;
(4)秤量瓶の栓を戻し、重量(m3)を正確に測定した。
重量増加率(%)=(m3−m2)/(m2−m1)×100
吸湿性の程度は下記の通りに定義した:
潮解:十分ま水分を吸収し、液体となる;
高い吸湿性:吸湿性重量増加率が15%未満ではない;
吸湿性:吸湿性重量増加率が15%未満であるが、2%未満ではない;
低い吸湿性:吸湿性重量増加率が2%未満であるが、0.2%未満ではない;
吸湿性なし又はほとんど吸湿性なし:吸湿性重量増加率が0.2%未満である。
【0111】
本発明の化合物について、吸湿性の結果を表5に示した。

【0112】
表5の結果より、実施例7の塩、すなわち化合物7dのビス−(エタノールアミン)塩は吸湿性が低く、湿気の中でも優れた安定性を有しており、カプセル剤又は錠剤の製造中の有効成分の重量変化という潜在的な問題を回避することができ、ガス中で安定であり、また通常の製剤の製造に適しており、かつ長期保管が可能になる。
【0113】
生物アッセイ
試験例1:BAF3-TPOR細胞に対するTPO化合物の増殖促進作用
1.材料と試薬
a)RPMI
1640培養液、粉末、10×1 L、HEPES含有(ギブコ、カタログ番号23400021)
b)ウシ胎児血清(ギブコ、カタログ番号10099-141)
c)ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(ギブコ、カタログ番号15140-122)
d)ジェネテシン(G418)(ギブコ、カタログ番号11811-098)
e)組換えマウスIL-3(ケミコン、カタログ番号IL015)
f)ヒト・トロンボポエチン受容体モノクローナル抗体(TPO)(R&D、カタログ番号MAB1016)
g)DMSO(アプリケム、カタログ番号A3672)
h)QuikChange(登録商標)Multi Site
Directed Mutagenesisキット、10 回分(ストラタジーンST200515)
i)細胞数測定キット−8(同仁化学研究所、カタログ番号CK04-13)
j)BaF3細胞(Union cell culture
center、カタログ番号0095)
k)EX-EGFP-M02(FulenGen カタログ番号EX-
EGFP-M02コントロール)
l)EX-B0010-M02(FulenGen カタログ番号EX-B0010-M02)
【0114】
2.操作
(1)プラスミド構築:Entrez(遺伝子ID:4325, 参照配列(Refseq):NM_005373)からのTPO受容体(TPOR)配列情報に基づき、QuikChange(登録商標)Multi Site Directed
Mutagenesisキット(ストラタジーン)を用いて、EX-B0010-M02プラスミド上に2箇所の変異を導入した。複数部位変異を含むプライマー配列は下記のように設計した:
g491a:5'−gggaacttcagatcagctgggaggagccg−3'
g491a_アンチセンス:5'−cggctcctcccagctgatctgaagttccc−3';
c965t:5'−caggaccatgctagctcccaaggcttcttct−3',
c965t_アンチセンス:5'−agaagaagccttgggagctagcatggtcctg−3'.
大腸菌DH5aコンピテント細胞を変異プラスミドにより形質転換させ、陽性コロニーをアンピシリン選択により取り出した。変異の結果は配列分析により確認した。
(2)BAF3-TPOR安定発現細胞株:機能性ヒトTPORを安定的に過剰発現したBaF3細胞の構築には次の方法を用いた。ヒトTPORとスクリーニング遺伝子ネオマイシンを発現し、変異に成功したEX-B0010-M02プラスミド(25 mg)を、野生型BaF3細胞(1×107)に導入した。このプラスミド導入は、電気パルス発生器(Electro
Square Porator ECM830, BTX Division of Genetronic社、米国)を用いて、250Vで18ミリ秒のエレクトロポレーションにより行った。安定導入細胞BAF3-TPORはG418(ギブコ、米国)により選択した後、10%ウシ胎児血清(ギブコ、米国)、800 ng/mL G418及び5 ng/mL組換えマウスIL-3(ケミコン、米国)を添加した RPMI1640培養液で培養した。
【0115】
3.スクリーニング化合物分析
(1)遠心分離びよる細胞洗浄:適当量の細胞懸濁液を1000 rpmで5分間遠心し、上清は捨てた。10 mLのIL-3不含細胞培養液を加えた後、得られた細胞懸濁液を1000 rpmで5分間遠心し、上清は捨てた。
(2)1 mLのIL-3不含細胞培養液を加え、均等になるように撹拌し、適当量の細胞懸濁液について、希釈後に細胞数を測定した。
(3)細胞数の測定結果にしたがって、100,000細胞/mLの濃度の細胞懸濁液を調整した。
(4)100 µLの細胞懸濁液を96−ウェル培養プレートの各ウェルに移し、並行して3ウェルを置いた。すなわち、ブランク対照群(B)、陰性対照群(N)、TPO陽性対照群(P)及び試験化合物群(S)である。
(5)試験化合物はDMSOに溶解し、10 mMのストック溶液を調製した。次に、ストック溶液をRPMI 1640培養液で希釈し、異なる濃度の一連の試験サンプルとした:30 μM、10 μM、3 μM、1 μM、0.3 μM、0.1 μM、0.03 μM、0.01 μM、0.003 μM及び0.001 μMである。
(6)10 µLの試験サンプルをそれぞれ各ウェルに入れた。陽性対照ウェルには1 µLの組換えヒトTPO(10 μg/mL)を加えた。
(7)プレートは、5%CO2及び37℃のインキュベーター中で24時間インキュベーションした。
(8)インキュベーション後、10 µLのCCK-8溶液を各ウェルに添加し、プレートをインキュベーター中で24時間インキュベーションした。
(9)450 nmのOD(光学濃度)値は、VICTOR3(パーキンエルマー1420-120)プレートリーダーにより測定した。
【0116】
4.分析計算
(1)増殖率は下記のように計算した。
増殖率 =
[(S−B)/(P−B)]×100%
S:試験化合物を含むウェルのOD値
B:ブランク対照ウェルのOD値
P:陽性対照ウェルのOD値
(2)EC50(50%有効濃度)値はオリジン7.0ソフトウェアにより計算した。
【0117】
5.結果

【0118】
試験結果より、遊離酸と比較して本発明の塩は、BAF3-TPOR細胞への増殖促進効果がより強いことが示された。その順序は、本発明の塩>遊離酸>エルトロンボパグであり、本発明の塩はエルトロンボパグより活性が高かった。
【0119】
薬物動態アッセイ
試験例1:ラットにおける本発明の化合物の薬物動態アッセイ
1.目的
本発明の化合物をラットに胃内投与し、異なる時点での血漿薬物濃度をHPLC−UVにより測定した。本発明の化合物の薬物動態挙動はラットで研究し、評価した。
【0120】
2. 手順
(2−1)サンプル
化合物1j、1〜3、4h、4、5、6、7d、7〜15、16a、16〜18、19d、19、20、21、22f、22及び23。
(2−2)実験動物
雌雄半々の24匹の健常成熟SDラットは、SINO-BRITSH
SIPPR/BK LAB.ANIMAL社から購入した。ライセンス番号:SCXK(Shanghai)2003−0002
(2−3)機器
ウォーターズ2695−2996高速液体{こうあつ えきたい}クロマトグラフ、ウォーターズ社、米国。
(2−4)試験化合物の調製
試験化合物は、1%カルボキシメチルセルロースナトリウムで希釈し、使用する前に0.5 mg/mL(遊離酸型として計算)の懸濁液とした。
(2−5)投与
雌雄半々の健常成熟マウスを23群に分けた。一晩絶食させた後、ラットに50.0 mg/kg(遊離酸型として計算)の用量で、また10 mL/kgの量で胃内投与した。
(2−6)サンプル採取
血液サンプル(0.2
mL)を、投与前並びに投与後0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、8.0、11.0、14.0、24.0、36.0及び48.0時間に眼窩から採取した。血液サンプルはヘパリン処理チューブに保存し、3,500 rpmで10分間遠心した。血漿サンプルは分析するまで−20℃で保存した。ラットは、投与後2時間に給餌した。
(2−7)分析方法
投与後種々の時点で得られた50 μLのラット血漿、50 μLの内部標準溶液及び20
μLのメタノールと水との混合溶媒(80:20、v/v)をよく混合した後、100 μLのメタノールを加え、タンパク質を沈殿させた。次に、この混合物を3分間ボルテックスミキサーで混合し、13,500 rpmで10分間遠心した。上清の40 μLをHPLC−UVで分析した。
(2−8)薬物動態パラメータの計算
試験化合物に対して薬物動態コンパートメントモデルが適合し、主要な薬物動態パラメータが算出されたが、Cmax及びtmaxが実際の測定値であった。
【0121】
3.薬物動態パラメータの結果
本発明の化合物の薬物動態パラメータを表7に示した。






【0122】
試験結果より、ラットへの投与後、本発明の塩の薬物動態と生物学的利用率は、遊離酸と比較して明らかに改善された。実施例7の塩、すなわち化合物7dのビス−(エタノールアミン)塩の薬物動態データはより良いものであり、当該塩は優れた薬物動態特性を有した。
【0123】
試験例2:ビーグル犬における本発明の化合物の薬物動態アッセイ
1.目的
実施例7、8、10及び12の化合物をビーグル犬に胃内投与し、異なる時点での血漿薬物濃度をHPLC−UVにより測定した。本発明の化合物の薬物動態挙動はビーグル犬で研究し、評価した。
2. 手順
(2−1)サンプル
実施例7、8、10及び12の化合物。
(2−2)実験動物
12匹の雄性健常成熟ビーグル犬は、Suzhou
Xishan Drug Research and Development社から購入した。ライセンス番号:SCXK(Suzhou)2007−0005
(2−3)機器
アジレント1100高速液体{こうあつ えきたい}クロマトグラフ、アジレント社、米国。
(2−4)試験化合物の調製
試験化合物は、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムで希釈し、使用する前に2.5 mg/mL(遊離酸型として計算)の懸濁液とした。
(2−5)投与
12匹の雄性健常成熟ビーグル犬を4群に分けた。一晩絶食させた後、犬に5.0 mg/kg(遊離酸型として計算)の用量を2 mL/kgの量で胃内投与した。
(2−6)サンプル採取
血液サンプル(1.2
mL)を、投与前並びに投与後0.25、0.5、1.0、1.5、2.0、3.0、5.0、6.0、8.0、12.0、14.0、24.0及び48.0時間に前肢から採取した。血液サンプルはヘパリン処理チューブに保存し、3,500 rpmで10分間遠心した。血漿サンプルは分析するまで−20℃で保存した。ビーグル犬は、投与後2時間に給餌した。
(2−7)分析方法
投与後種々の時点で得られた50 μLのビーグル犬血漿に、20 μLの内部標準溶液及び150 μLのメタノールを添加し、タンパク質を沈殿させた。次に、この混合物を1分間ボルテックスミキサーで混合し、11,000 rpmで5分間遠心した。上清の50 μLをHPLC−UVで分析した。
(2−8)薬物動態パラメータの計算
試験化合物に対して薬物動態コンパートメントモデルが適合し、主要な薬物動態パラメータが算出されたが、Cmax及びtmaxが実際の測定値であった。

【0124】


【0125】
今回の研究における4種の塩のデータは、実施例7の化合物は薬物動態において明らかに優れていることを示す。
【0126】
要約すれば、本発明の化合物の製造は簡便であり、収率も高かった。特に、エタノールアミン塩、コリン塩、ジエチルアミン塩及びピペラジン塩は、直接結晶化することができるため、合成過程における優位性を有する。本発明の塩の溶解性は、遊離酸に比較して、通常の溶媒において明らかに増大した。エタノールアミン塩は吸湿性が少なく、通常の製剤の製造に適しており、また保存も容易である。本発明の塩の生物活性は明らかに改善され、薬物動態もまたラット及びビーグル犬で明らかに改善され、特にエタノールアミン塩において、より優れた薬物動態特性を有する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化27】

〔式中、
Hetは、フェニル基、フリル基及びチエニル基からなる群より選ばれ;
、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれ;
nは0、1又は2であり;
塩は塩基付加塩である。〕
で表される化合物の製薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(IA)で表される化合物の製薬学的に許容される塩であって:
【化28】

〔式中、
Hetは、フェニル基、フリル基及びチエニル基からなる群より選ばれ;
、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子及びアルキル基からなる群より選ばれ;
Mは、金属イオン、アンモニウムイオン及び塩基性アミノ酸からなる群より選ばれ;
mは1又は2であり、
nは0、1又は2であり;
塩は塩基付加塩である。〕
請求項1に記載の製薬学的に許容される塩。
【請求項3】
塩が、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルギニン塩、リジン塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エタノールアミン塩、ピペラジン塩、ジベンジルエチレンジアミン塩、メグルミン塩、トロメタミン塩、テトラメチル第4級アンモニウム塩、テトラエチル第4級アンモニウム塩及びコリン塩からなる群より選ばれ、好ましくは、ジエチルアミン塩、エタノールアミン塩、コリン塩、ピペラジン塩、メグルミン塩及びトロメタミン塩であり、より好ましくは、エタノールアミン塩、コリン塩、メグルミン塩及びトロメタミン塩であり、最も好ましくはエタノールアミン塩である、請求項1又は2に記載の製薬学的に許容される塩。
【請求項4】
【化29】


からなる群より選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製薬学的に許容される塩。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の製薬学的に許容される塩の製造方法であって、下記のステップを含んでなる方法:
(a)式(I)で表される化合物を有機溶媒に溶解又は懸濁するステップであって、前記有機溶媒がメタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル及びテトラヒドロフランからなる群より選ばれ、好ましくはテトラヒドロフランであるステップ;
(b)上記混合物に塩基を撹拌しながら添加するステップ;
(c)式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩を得るステップ。
【請求項6】
塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、リジン、アルギニン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ピペラジン、ジベンジルエチレンジアミン、メグルミン、トロメタミン、テトラメチル第4級アンモニウム、テトラエチル第4級アンモニウム及び水酸化コリンからなる群より選ばれ、好ましくは、ジエチルアミン、エタノールアミン、水酸化コリン、ピペラジン、メグルミン及びトロメタミンであり、より好ましくは、エタノールアミン、水酸化コリン、メグルミン及びトロメタミンであり、最も好ましくは、エタノールアミンである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
式(I)で表される化合物と塩基との当量比が1:5〜5:1であり、好ましくは1:1〜1:3であり、より好ましくは1:1〜1:2である、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の製薬学的に許容される塩の治療的有効量、及び製薬学的に許容される担体又は希釈剤を含んでなる医薬組成物。
【請求項9】
前記組成物が、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキン及びサイトカイン受容体アゴニストからなる群より選ばれる薬物の治療的有効量と同時投与される、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物と、製薬学的に許容される担体又は希釈剤とを混合するステップを含んでなる請求項8に記載の組成物の製造方法。
【請求項11】
トロンボポエチン受容体アゴニストの製造における、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩の使用。
【請求項12】
血小板減少症治療薬の製造における、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩の使用。
【請求項13】
前記治療薬が、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキン並びにサイトカイン受容体アゴニスト及びアンタゴニスト、可溶性受容体、受容体アゴニスト及びアンタゴニスト抗体、並びに前記薬物と同一の機序を有する1種以上のペプチド及び低分子化合物からなる群より選ばれる薬物と同時投与される、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記治療薬が経口投与剤の形態にある、請求項12に記載の使用。
【請求項15】
前記治療薬が非経口投与剤の形態にある、請求項12に記載の使用。
【請求項16】
血小板減少症治療薬としての使用のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩。
【請求項17】
前記治療薬が、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキン並びにサイトカイン受容体アゴニスト及びアンタゴニスト、可溶性受容体、受容体アゴニスト及びアンタゴニスト抗体、並びに前記薬物と同一の機序を有する1種以上のペプチド及び低分子化合物からなる群より選ばれる薬物と同時投与される、請求項16に記載の製薬学的に許容される塩。
【請求項18】
前記治療薬が経口投与剤の形態にある、請求項16に記載の製薬学的に許容される塩。
【請求項19】
前記治療薬が非経口投与剤の形態にある、請求項16に記載の製薬学的に許容される塩。
【請求項20】
血小板減少症治療法であって、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物の製薬学的に許容される塩の治療的有効量を、当該治療法を必要とする患者に投与するステップを含んでなる治療法。
【請求項21】
前記製薬学的に許容される塩が、コロニー刺激因子、サイトカイン、ケモカイン、インターロイキン並びにサイトカイン受容体アゴニスト及びアンタゴニスト、可溶性受容体、受容体アゴニスト及びアンタゴニスト抗体、並びに前記薬物と同一の機序を有する1種以上のペプチド及び低分子化合物からなる群より選ばれる薬物と同時投与される、請求項20に記載の治療法。
【請求項22】
前記製薬学的に許容される塩が経口投与剤の形態にある、請求項20に記載の治療法。
【請求項23】
前記製薬学的に許容される塩が非経口投与剤の形態にある、請求項20に記載の治療法。



【公表番号】特表2012−529442(P2012−529442A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514324(P2012−514324)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【国際出願番号】PCT/CN2010/000760
【国際公開番号】WO2010/142137
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(510166892)ジエンス ヘンルイ メデイシンカンパニー リミテッド (13)
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU HENGRUI MEDICINE CO.,LTD.
【出願人】(508209602)シャンハイ ヘンルイ ファーマスーティカル カンパニー リミテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI HENGRUI PHARMACEUTICAL CO., LTD.
【Fターム(参考)】