説明

ビスカルバゾールモノマー及びポリマー

本発明は次の式Iの化合物を提供する。式中、R、R及びRは各々独立にC−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、R及びRは各々独立に水素、C−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、a、b及びdは各々独立に0又は1〜3の整数である。本発明はまた、式Iの化合物から誘導されたポリマーを提供する。ポリマーはポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエーテルケトン又はポリエーテルスルホンであり得る。本発明の化合物及びポリマーは発光デバイスに用いる。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、二官能性であるビスカルバゾール単位を含む化合物に関する。本発明はまた、ビスカルバゾール単位を含むモノマー(単量体)及びそれに由来するポリマー、デンドリマー及びハイパーブランチ材料に関する。
【背景技術】
【0002】
バイアス電圧が印加されると発光する薄膜材料を利用する有機発光デバイス(OLED=organic light emitting device)は、1形態のフラットパネルディスプレイ技術として益々普及すると予想される。その理由は、OLEDが、携帯電話、個人用情報機器(PDA)、コンピュータディスプレイ、車両用情報ディスプレイ、テレビモニター、並びに一般照明用の光源など様々な用途に使用できる可能性があるからである。明るい色、広い視野角、速い動画像ビデオとの相性、広い温度範囲、薄く順応性の形状、少ない必要電力、そして低コストな製造方法の可能性などから、OLEDは将来陰極線管(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)に代わる技術とみなされている。発光効率が高いことから、OLEDは、ある種の用途では白熱電球に、またおそらくは蛍光管に取って代わる可能性ももっているとみなされている。
【0003】
フルカラーOLEDを開発する取り組みとして、ホスト分子から発光性のゲスト分子へエネルギー移送する方法がある。これを実現するには、ホストの三重項エネルギー状態がゲスト分子より高くなければならない。カルバゾール誘導体が、金属含有発光性ゲスト分子の存在下でホスト分子として良好に機能する徴候を示している。この場合ポリ(N−ビニルカルバゾール)がしばしば用いられる。しかし、ポリ(N−ビニルカルバゾール)を用いるデバイスの量子効率はまだ60〜80%程度の範囲にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】

【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0116622号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0003183号明細書
【非特許文献】
【0005】

【非特許文献1】Brunner et al. “Carbazole Compounds as Host Materials for Triplet Emitters in Organic Light-Emitting Diodes: Tuning the HOMO Level without Influencing the Triplet Energy in Small Molecules”, Journal of American Chemical Society, Volume 126, No. 19, pp. 6035-6042 (2004)
【非特許文献2】Burnell et al., “Synthesis and Electrooptical Properties of Copolymers Derived from Phenol-Functionalized Telechelic Oligofluorenes”, Macromolecules, Volume 38, pp. 10667 (2005)
【非特許文献3】Klapars et al. “A General and Efficient Copper Catalyst for the Amidation of Aryl Halides and the N-Arylation of Nitrogen Heterocycles”, Journal of American Chemical Society, Volume 123, pp. 7727-7729 (2001)
【非特許文献4】Koene et al. “Asymmetric Triaryldiamines as Thermally Stable Hole Transporting Layers for Organic Light-Emitting Devices”, Chemistry of Materials, Volume 10, pp. 2235-2250 (1998)
【非特許文献5】Louie et al. “The Largest Discrete Oligo(m-aniline). An Exponential Growth Strategy Using Palladium-Catalyzed Amination of Aryl Sulfonates”, Macromolecules, Volume 31, pp. 6737-6739 (1998)
【非特許文献6】Yang et al. “Highly Efficient Single-layer Polymer Electrophosphorescent Devices”, Advanced Materials, Volume 16, No. 2, pp. 160-166 (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、当業界では、分子が赤、緑及び青発光性錯体のホストとなる可能性を維持しながら、デバイス量子効率の改良されたOLEDを開発することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様では、本発明は次の式Iの化合物を提供する。
【0008】
【化1】

【0009】
式中、R、R、R、R、R及びRは各々独立にC−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、R及びRは各々独立に水素、C−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、
a及びeは各々独立に0又は1〜4の整数であり、
b、c、d及びfは各々独立に0又は1〜3の整数である。
【0010】
別の態様では、本発明は次の式IIで表される構造単位を含むポリマーを提供する。
【0011】
【化2】

【0012】
式中、R、R、R、R、R及びRは各々独立にC−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、R及びRは各々独立に水素、C−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、
a及びeは各々独立に0又は1〜4の整数であり、
b、c、d及びfは各々独立に0又は1〜3の整数である。
【0013】
他の態様では、本発明は、少なくとも1つの電極、少なくとも1つの正孔注入層、及び少なくとも1つの発光層を備え、前記発光層が式IIで表される構造単位を含むポリマーを含有する、発光デバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の上記その他の特徴、態様及び効果を一層良く理解できるように、以下に添付の図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。図面において、同じ符号は同一部品を示す。
【図1】実施例5及び比較例5のサンプルの発光スペクトルを示す図である。
【図2】ビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)の存在下及び不在下でのリン光色素の三重項励起状態からの減衰プロファイルを示す図である。
【図3】例示OLEDデバイスの量子効率(cd/A)及び電力効率(lm/w)をバイアス電圧(V)の関数としてプロットした図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の態様では、本発明は式Iのビスカルバゾール単位を含む化合物を提供する。式Iの化合物は一般にビスカルバゾール化合物とみなすことができる。場合によっては、3,6,3’及び6’位は酸化カップリング反応を受けやすく、これらの位置の1つ又は2つ以上を保護するのが有利なこともある。したがって、ある実施形態では、R及びRはt−ブチル基であるが、他の実施形態では、R及びRはトリアリールシリル基、特にトリフェニルシリル、又はトリアルキルシリル基であり、またさらに他の実施形態では、R及びRはジフェニルホスフィンオキシド又はジフェニルホスフィンスルフィド基である。ビスカルバゾールを6,6’位で置換するのに様々な基を使用でき、そのような基としてメチル、エチル、メトキシ、トリル、メチルシクロヘキシル及びハロメチルが挙げられるが、これらに限らない。特定の態様では、本発明は、式Iにおいてb、c、d及びfがすべて0であるモノマー、即ち、次式のモノマー(単量体)を提供する。
【0016】
【化3】

【0017】
別の態様では、本発明は式IIで表される構造単位を有するポリマー(重合体)を提供する。ポリマーは、式Iのモノマー1種以上をコモノマー1種以上と共重合することにより製造され、こうしてポリカーボネート、コポリカーボネート、ポリアリーレート、コポリアリーレート、コポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、及びこれらの組合せをランダム、ブロックもしくはグラフトコポリマー、又はデンドリマーもしくはハイパーブランチ材料の形態で得る。
【0018】
したがって、ある実施形態では、式Iのモノマーをホスゲンと、又はホスゲン及びビスフェノールと、又はジアリールカーボネート又はビスハロホルメートと共重合してポリカーボネートを製造することができる。ポリカーボネートを形成するモノマーの例には、ジフェニルカーボネート、ビス(メチルサリチル)カーボネート、ビスフェノールAビスクロロホルメート、レゾルシノールビスクロロホルメート及びこれらの組合せがある。例えば、ホスゲン及びビスフェノールAとの共重合により、式IIで表される構造単位に加えて、次式で表される構造単位を含むポリマーを得る。
【0019】
【化4】

【0020】
したがって、特定の実施形態では、得られるポリマーは次式で表される構造単位を含有する。
【0021】
【化5】

【0022】
例えば、式IのモノマーをビスフェノールA及びジフェニルカーボネートと、少量の塩基性触媒、例えば水酸化ナトリウムの存在下で、約150〜300℃の範囲の温度及び減圧下で反応させることができる。
【0023】
他の実施形態では、式Iのモノマーをカルボキシレートエステル、カルボン酸無水物又はカルボン酸ハライドと共重合してポリエステルを生成することができる。ポリエステルの形成に用いることのできるコモノマーの例には、テレフタロイルクロリド、無水テレフタル酸、ナフトール酸二無水物、無水コハク酸、ジメチルオキサレート及びこれらの組合せがある。
【0024】
他の実施形態では、式Iのモノマーを1種以上のジハロアリールスルホンモノマーと共重合してポリエーテルスルホンを生成することができる。ジハロアリールスルホン類には、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、4,4’−ビス((4−クロロフェニル)スルホニル)−1,1−ビフェニル及びこれらの組合せがある。
【0025】
他の実施形態では、式Iのモノマーを1種以上のジハロアリールモノマーと共重合してポリエーテルを生成することができる。ジハロアリールモノマーの例には、1,6−ジクロロベンゼン、4,4’−ジクロロビフェニル、4,4’−ジクロロジフェニルスルフィド、1,6−ジフルオロベンゼン、4,4’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロジフェニルスルフィド及びこれらの組合せがある。例えば、式IのモノマーをデカフルオロビフェニルとN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で、炭酸カリウムなどの塩基の存在下約100〜約250℃の温度で共重合することができる。
【0026】
他の実施形態では、式Iのモノマーをジハロベンゾフェノンモノマーと共重合してポリエーテルケトンを生成することができる。他のジハロベンゾフェノンモノマーには、1,4−ビス(4’−クロロベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4’−フルオロベンゾイル)ベンゼン、1−(4’−クロロベンゾイル−4−(4”−フルオロベンゾイル)ベンゼン及びこれらの組合せがある。例えば、式IのモノマーをビスフェノールAの二ナトリウム塩とともに4,4’−ジクロロベンゾフェノンと、o−ジクロロベンゼン中、約100〜約250℃の温度、ヘキサエチルグアニジニウムクロリドなどの相間移動触媒の存在下で反応させることができる。
【0027】
別の実施形態では、式Iのモノマーをビス(4−クロロフタルイミド)などのビス(ハロフタルイミド)と共重合してポリエーテルイミドを得ることができる。他のビス(ハロフタルイミド)類には、1,3−ビス[N−(4−フルオロフタルイミド)]ベンゼン、1,4−ビス[N−(4−フルオロフタルイミド)]ベンゼン、1,3−ビス[N−(3−フルオロフタルイミド)]ベンゼン、1,4−ビス[N−(3−フルオロフタルイミド)]ベンゼン、4,4’−ビス[N−(4−フルオロフタルイミド)]フェニルエーテル、4,4’−ビス[N−(3−フルオロフタルイミド)]フェニルエーテル、4,4’−ビス[N−(4−クロロフタルイミド)]フェニルエーテル、4,4’−ビス[N−(3−クロロフタルイミド)]フェニルエーテル、1,3−ビス[N−(4−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1,4−ビス[N−(4−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1,3−ビス[N−(3−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1,4−ビス[N−(3−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1−[N−(4−クロロフタルイミド)]−3−[N−(3−クロロフタルイミド)]ベンゼン、1−[N−(4−クロロフタルイミド)]−4−[N−(3−クロロフタルイミド)]ベンゼン及びこれらの組合せがある。
【0028】
本発明のポリマーの製造に有用な反応条件として、極性溶剤及び適当な強度の塩基を用いることが挙げられる。溶剤の例には、クロロホルム、塩化メチレン、o−ジクロロベンゼン、ベラトロール、アニソール及びこれらの組合せがある。塩基の例には、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びこれらの組合せがある。重合反応を行うのに、適当な触媒を用いてもよい。
【0029】
ある実施形態では、重合反応を、室温から選択した溶剤の沸点近くまでの適当な温度で行うことができる。また重合は大気圧、減圧又は過圧いずれで行ってもよい。重合反応は、適当な分子量のポリマーを得るのに必要な時間行う。ポリマーの分子量は、粘度測定、光散乱、浸透圧法など当業者に周知の方法で測定する。ポリマーの分子量は、代表的には、数平均分子量Mn又は重量平均分子量Mwで表示される。平均分子量を求める特に有用な方法はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)であり、これから数平均及び重量平均分子量両方を得ることができる。ポリマーの分子量は特に限定されないが、ある実施形態では、30,000g/モル超えのMwのポリマーが望ましく、他の実施形態では、50,000g/モル超えのMwのポリマーが望ましく、さらに他の実施形態では、80,000g/モル超えのMwのポリマーが望ましい。
【0030】
重合反応は、適当な単官能性反応物質(当業界で「末端封止剤」もしくは「連鎖停止剤」と言うこともある)を添加することにより制御することができる。連鎖停止剤はポリマーの分子量を制限する作用をなす。適当なフェノール系連鎖停止剤には、フェノール及びp−クミルフェノールがある。適当な芳香族ハライド連鎖停止剤には、4−クロロフェニルフェニルスルホン、4−フルオロフェニルフェニルスルホン及び4−クロロフェニルフェニルケトンがある。
【0031】
本発明が提供するポリマーは、発光電気化学セル、受光器、光導電セル、光スイッチ、ディスプレイデバイスなどを含む多種多様な用途に用いることができる。したがって、1つの態様では、本発明は、少なくとも1つの電極、少なくとも1つの正孔注入層、及び少なくとも1つの発光層を備え、前記発光層が式IIで表される構造単位を含むポリマーを含有する、発光デバイスを提供する。
【0032】
有機発光デバイスは代表的には多数の層を含み、このような層には、最も簡単な場合、アノード層、対応するカソード層及びこれらのアノードとカソード間に配置された有機エレクトロルミネセント(EL)層が含まれる。電圧バイアスを両電極間にかけると、電子がカソードからEL層中に注入され、一方電子がEL層から取り出される(「正孔」がアノードからEL層に「注入」される)。発光が起こるのは、EL層内で正孔と電子が結合して一重項又は三重項励起子(エキシトン)を形成する際で、そして一重項励起子が放射失活により環境にエネルギーを移送するにつれて発光が起こる。
【0033】
アノード、カソード及び発光材料以外に有機発光デバイス内に存在しうる他の構成要素には、正孔注入層、電子注入層及び電子輸送層がある。電子輸送層がカソードと接触している必要はなく、多くの場合、電子輸送層は効率よい正孔輸送手段ではなく、したがって正孔がカソードに向かって移動するのを阻止する役目を果たす。電子輸送層を有する有機発光デバイスの作動中、電子輸送層内に存在する電荷キャリヤ(即ち、正孔及び電子)の大部分は電子であり、発光は電子輸送層内に存在する正孔と電子の再結合によって起こりうる。有機発光デバイス内に存在しうる他の構成要素には、正孔輸送層、正孔輸送兼発光層及び電子輸送兼発光層がある。
【0034】
式Iの化合物は三重項エネルギー状態を有し、この状態は、高効率なデバイスをもたらすので、有機発光デバイス(OLED)などの用途に有用である。さらに、これらの化合物の三重項エネルギーは十分に高く、デバイスに用いるゲスト色素の三重項エネルギーより大きく、したがってホスト分子として作用しうる。本発明の化合物は、有機発光デバイスにおいて正孔輸送層に用いるのに特に適切である。1実施形態では、本発明は、前記化合物を有機発光デバイスの正孔輸送層の構成成分として含有する有機発光デバイスに関する。
【0035】
有機エレクトロルミネセント(EL)層は、デバイスの作動時に、電子及び正孔両方を有意な濃度で含有し、励起子形成及び発光にふさわしい位置を提供する、有機発光デバイス内の層である。正孔注入層は、アノードからOLEDの内部層への正孔の注入を促進する、アノードと接触した層であり、電子注入層は、カソードからOLED内への電子の注入を促進する、カソードと接触した層であり、そして電子輸送層は、カソードから電荷再結合位置への電子の伝導を容易にする層である。電子輸送層はカソードと接触している必要はなく、多くの場合、電子輸送層は効率よい正孔輸送手段ではなく、したがって正孔がカソードに向かって移動するのを阻止する役目を果たす。電子輸送層を有する有機発光デバイスの作動中、電子輸送層内に存在する電荷キャリヤ(即ち、正孔及び電子)の大部分は電子であり、発光は電子輸送層内に存在する正孔と電子の再結合によって起こりうる。正孔輸送層は、OLEDの作動中に、アノードから電荷再結合位置への正孔の伝導を容易にする層であり、アノードと接触している必要はない。正孔輸送兼発光層は、OLEDの作動中に、電荷再結合位置への正孔の伝導を容易にする層であり、その層において、電荷キャリヤの大部分が正孔であり、発光は残留電子との再結合を介してだけでなく、デバイス内のどこかの電荷再結合区域からのエネルギーの輸送を介しても生起する。電子輸送兼発光層は、OLEDの作動中に、電荷再結合位置への電子の伝導を容易にする層であり、その層において、電荷キャリヤの大部分が電子であり、発光は残留正孔との再結合を介してだけでなく、デバイス内のどこかの電荷再結合区域からのエネルギーの輸送を介しても生起する。
【0036】
アノードとして用いるのに適当な材料には、四点プローブ法で測定して、バルク導電率が約100Ω/□以上である材料がある。インジウム錫オキサイド(ITO)がアノードとしてよく用いられるが、それは光透過に対してほぼ透明であり、電気活性な有機層から発せられた光が抜け出るのを容易にするからである。アノード層として用いることのできる他の材料には、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、インジウム亜鉛オキサイド、亜鉛インジウム錫オキサイド、酸化アンチモン及びこれらの混合物がある。
【0037】
カソードとして用いるのに適当な材料には、負の電荷キャリヤ(電子)をOLEDの内部層に注入することができる0価の金属がある。カソード20として用いるのに適当な種々の0価の金属には、K、Li、Na、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、Au、In、Sn、Zn、Zr、Sc、Y、ランタノイド系列の元素、これらの合金及びこれらの混合物が挙げられる。カソード層として用いるのに適当な合金には、Ag−Mg、Al−Li、In−Mg、Al−Ca及びAl−Au合金がある。非合金層状構造、例えばカルシウムなどの金属もしくはLiFなどの金属フッ化物の薄い層をアルミニウム、銀などの0価金属の比較的厚い層で覆った構造もカソードに用いることができる。特に、カソードを単一の0価金属、中でもアルミニウム金属で構成することができる。
【0038】
本発明の発光デバイスは、正孔注入層に式IVのポリマーを含有する。本ポリマーは、H.C.Stark社から登録商標BAYTRONにて市販されているポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びAirProducts社から市販されているチエノ[3,4b]チオフェン(TT)モノマーに由来するポリマーなどの従来から用いられている材料の代わりに、或いはそれに加えて用いることができる。特に、本ポリマーをPEDOTとブレンドして正孔注入層を形成することができる。
【0039】
正孔輸送層に用いるのに適当な材料には、米国特許第6,023,371号に開示されているような、1,1−ビス((ジ−4−トリルアミノ)フェニル)シクロヘキサン、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−エチルフェニル)−(1,1’−(3,3’−ジメチル)ビフェニル)−4,4’−ジアミン、テトラキス−(3−メチルフェニル)−N,N,N’,N’−2,5−フェニレンジアミン、フェニル−4−N,N−ジフェニルアミノスチレン、p−(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、トリフェニルアミン、1−フェニル−3−(p−(ジエチルアミノ)スチリル)−5−(p−(ジエチルアミノ)フェニル)ピラゾリン、1,2−トランス−ビス(9H−カルバゾール−9−イル)シクロブタン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン、銅フタロシアニン、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ジアリールジアミン、テトラフェニルジアミン、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、及びポリチオフェンが挙げられる。
【0040】
電子輸送層として用いるのに適当な材料には、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)、トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq3)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,1−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2−(4−ビスフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール、1,3,4−オキサジアゾール含有ポリマー、1,3,4−トリアゾール含有ポリマー、キノキサリン含有ポリマー及びシアノPPVが挙げられる。
【0041】
発光層に用いるのに適当な材料には、エレクトロルミネセント(EL)ポリマー、例えばポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)及びその共重合体、例えばF8−TFBがある。
【0042】
1態様では、式IIの構造単位を含むポリマーが正孔捕集層の一部を形成し、一方別の態様では、式IIの構造単位を含むポリマーが正孔注入層の一部を形成することができる。したがって、1態様では、本発明は、式IIの構造単位を含むポリマーを含有するより効率の良い有機発光デバイスを提供する。
【0043】
定義
ここで用いる用語「芳香族基」は、1つ以上の芳香族部を含む、1価以上の原子の配列をいう。1つ以上の芳香族部を含む1価以上の原子の配列は、ヘテロ原子例えば窒素、硫黄、セレン、ケイ素及び酸素を含んでも、炭素と水素だけで構成されてもよい。ここで用いる用語「芳香族基」は、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、フェニレン及びビフェニル基を含むが、これらに限らない。上述のように、芳香族基は1つ以上の芳香族部を含む。芳香族部は、常に4n+2個の「非局在化」電子を有する環状構造(nは1以上の整数を示す)であり、例えばフェニル基(n=1)、チエニル基(n=1)、フラニル基(n=1)、ナフチル基(n=2)、アズレニル基(n=2)、アントラセニル基(n=3)などがある。芳香族基は、非芳香族成分を含んでもよい。例えば、ベンジル基は、フェニル環(芳香族部)及びメチレン基(非芳香族成分)を含む芳香族基である。同様に、テトラヒドロナフチル基は、芳香族部(C)が非芳香族成分−(CH−に縮合した芳香族基である。便宜上、用語「芳香族基」は、広い範囲の官能基、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロ芳香族基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えばエステル、アミドなどのカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などを包含するものと定義する。例えば、4−メチルフェニル基はメチル基を有するC芳香族基であり、この場合のメチル基はアルキル基に属する官能基である。同様に、2−ニトロフェニル基はニトロ基を有するC芳香族基であり、この場合のニトロ基は官能基である。芳香族基としては、ハロゲン化芳香族基、例えば4−トリフルオロメチルフェニル、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−フェニ−1−イルオキシ)(即ち−OPhC(CF3 )2 PhO−)、4−クロロメチルフェニ−1−イル、3−トリフルオロビニル−2−チエニル、3−トリクロロメチルフェニ−1−イル(即ち3−CCl3 Ph−)、4−(3−ブロモプロパ−1−イル)フェニ−1−イル(即ち4−BrCH2 CH2 CH2 Ph−)などが挙げられる。芳香族基のさらなる例としては、4−アリルオキシフェニ−1−オキシ、4−アミノフェニ−1−イル(即ち4−H2 NPh−)、3−アミノカルボニルフェニ−1−イル(即ちNH2 COPh−)、4−ベンゾイルフェニ−1−イル、ジシアノメチリデンビス(4−フェニ−1−イルオキシ)(即ち−OPhC(CN)2 PhO−)、3−メチルフェニ−1−イル、メチレンビス(4−フェニ−1−イルオキシ)(即ち−OPhCH2 PhO−)、2−エチルフェニ−1−イル、フェニルエテニル、3−ホルミル−2−チエニル、2−ヘキシル−5−フラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(4−フェニ−1−イルオキシ)(即ち−OPh(CH2 )6 PhO−)、4−ヒドロキシメチルフェニ−1−イル(即ち4−HOCH2 Ph−)、4−メルカプトメチルフェニ−1−イル(即ち4−HSCH2 Ph−)、4−メチルチオフェニ−1−イル(即ち4−CH3 SPh−)、3−メトキシフェニ−1−イル、2−メトキシカルボニルフェニ−1−イルオキシ(例えばメチルサリチル)、2−ニトロメチルフェニ−1−イル(即ち2−NO2 CH2 Ph)、3−トリメチルシリルフェニ−1−イル、4−t−ブチルジメチルシリルフェニ−1−イル、4−ビニルフェニ−1−イル、ビニリデンビス(フェニル)などが挙げられる。用語「C3 −C1 0 芳香族基」は、炭素原子数が3以上10以下の芳香族基を含む。芳香族基1−イミダゾリル(C3 H2 N2 −)はC3 芳香族基の代表例である。ベンジル基(C7 H7 −)はC7 芳香族基の代表例である。
【0044】
ここで用いる用語「脂環式基」は、環状であるが芳香族でない原子の配列を含む1価以上の基をいう。ここで定義する「脂環式基」は芳香族部を含まない。「脂環式基」は1つ以上の非環状成分を含んでもよい。例えば、シクロヘキシルメチル基(C6 H1 1 CH2 −)は、シクロヘキシル環(環状であるが芳香族でない原子の配列)及びメチレン基(非環状成分)を含む脂環式基である。脂環式基は、ヘテロ原子例えば窒素、硫黄、セレン、ケイ素及び酸素を含んでも、炭素と水素だけで構成されてもよい。便宜上、用語「脂環式基」は、広い範囲の官能基、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えばエステル、アミドなどのカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などを包含するものと定義する。例えば、4−メチルシクロペンタ−1−イル基はメチル基を有するC脂環式基であり、この場合のメチル基はアルキル基に属する官能基である。同様に、2−ニトロシクロブタ−1−イル基はニトロ基を有するC脂環式基であり、この場合のニトロ基は官能基である。脂環式基は1つ以上のハロゲン原子を含んでもよく、含まれるハロゲン原子は同じでも異なってもよい。ハロゲン原子には、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素がある。1つ以上のハロゲン原子を有する脂環式基には、2−トリフルオロメチルシクロヘキサ−1−イル、4−ブロモジフルオロメチルシクロオクタ−1−イル、2−クロロジフルオロメチルシクロヘキサ−1−イル、ヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2−ビス(4−シクロヘキサ−4−イル)(即ち−OC6 H1 0 C(CF3 )2 C6 H1 0 −)、2−クロロメチルシクロヘキサ−1−イル、3−ジフルオロメチレンシクロヘキサ−1−イル、4−トリクロロメチルシクロヘキサ−1−イルオキシ、4−ブロモジクロロメチルシクロヘキサ−1−イルチオ、2−ブロモエチルシクロペンタ−1−イル、2−ブロモプロピルシクロヘキサ−1−イルオキシ(即ちCHCHBrCH10O−)などがある。脂環式基のさらなる例としては、4−アリルオキシシクロヘキサ−1−イル、4−アミノシクロヘキサ−1−イル(即ちH2 NC6 H1 0 −)、4−アミノカルボニルシクロペンタ−1−イル(即ちNH2 COC5 H8 −)、4−アセチルオキシシクロヘキサ−1−イル、2,2−ジシアノイソプロピリデンビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(即ち−OC6 H1 0 C(CN)2 C6 H1 0 O−)、3−メチルシクロヘキサ−1−イル、メチレンビス(シクロヘキサ−1−イルオキシ)(即ち−OC6 H1 0 CH2 C6 H1 0 O−)、1−エチルシクロブタ−1−イル、シクロプロピルエテニル、3−ホルミル−2−テトラヒドロフラニル、2−ヘキシル−5−テトラヒドロフラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(即ち−OC6 H1 0 (CH2 )6 C6 H1 0 O−)、4−ヒドロキシメチルシクロヘキサ−1−イル(即ち4−HOCH2 C6 H1 0 −)、4−メルカプトメチルシクロヘキサ−1−イル(即ち4−HSCH2 C6 H1 0 −)、4−メチルチオシクロヘキサ−1−イル(即ち4−CH3 SC6 H1 0 −)、4−メトキシシクロヘキサ−1−イル、2−メトキシカルボニルシクロヘキサ−1−イルオキシ(2−CH3 OCOC6 H1 0 O−)、4−ニトロメチルシクロヘキサ−1−イル(即ちNO2 CH2 C6 H1 0 −)、3−トリメチルシリルシクロヘキサ−1−イル、2−t−ブチルジメチルシリルシクロペンタ−1−イル、4−トリメトキシシリルエチルシクロヘキサ−1−イル(例えば(CH3 O)3 SiCH2 CH2 C6 H1 0 −)、4−ビニルシクロヘキセン−1−イル、ビニリデンビス(シクロヘキシル)などが挙げられる。用語「C3 −C1 0 脂環式基」は、炭素原子数が3以上10以下の脂環式基を含む。脂環式基2−テトラヒドロフラニル(C4 H7 O−)はC4 脂環式基の代表例である。シクロヘキシルメチル基(C6 H1 1 CH2 −)はC7 脂環式基の代表例である。
【0045】
ここで用いる用語「脂肪族基」は、環状でない原子の直鎖状又は枝分れ状配列を含む、1価以上の有機基をいう。脂肪族基は1つ以上の炭素原子を含むと定義される。脂肪族基を構成する原子の配列はヘテロ原子例えば窒素、硫黄、ケイ素、セレン及び酸素を含んでも、炭素と水素だけで構成されてもよい。便宜上、用語「脂肪族基」は、「環状でない原子の直鎖状又は枝分れ状配列」の一部として、広い範囲の官能基、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えばエステル、アミドなどのカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などで置換された有機基を包含すると定義する。例えば、4−メチルペンタ−1−イル基はメチル基を有するC脂肪族基であり、この場合のメチル基はアルキル基に属する官能基である。同様に、4−ニトロブタ−1−イル基はニトロ基を有するC脂肪族基であり、この場合のニトロ基は官能基である。脂肪族基は1つ以上のハロゲン原子を含むハロアルキル基でもよく、含まれるハロゲン原子は同じでも異なってもよい。ハロゲン原子には、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素がある。1つ以上のハロゲン原子を有する脂肪族基には、アルキルハライド類、具体的にはトリフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ヘキサフルオロイソプロピリデン、クロロメチル、ジフルオロビニリデン、トリクロロメチル、ブロモジクロロメチル、ブロモエチル、2−ブロモトリメチレン(例えば−CHCHBrCH−)などが挙げられる。脂肪族基のさらなる例としては、アリル、アミノカルボニル(即ち−CONH2 )、カルボニル、2,2−ジシアノイソプロピリデン(即ち−CH2 C(CN)2 CH2 −)、メチル(即ち−CH3 )、メチレン(即ち−CH2 −)、エチル、エチレン、ホルミル(即ち−CHO)、ヘキシル、ヘキサメチレン、ヒドロキシメチル(即ち−CH2 OH)、メルカプトメチル(即ち−CH2 SH)、メチルチオ(即ち−SCH3 )、メチルチオメチル(即ち−CH2 SCH3 )、メトキシ、メトキシカルボニル(即ちCHOCO−)、ニトロメチル(即ち−CH2 NO2 )、チオカルボニル、トリメチルシリル(即ち(CHSi−)、t−ブチルジメチルシリル、3−トリメトキシシリルプロピル(即ち(CHO)SiCHCHCH−)、ビニル、ビニリデンなどが挙げられる。さらに例えば、C1 −C1 0 脂肪族基は、炭素原子数が1以上10以下の脂肪族基を含む。メチル基(即ちCH3 −)はC脂肪族基の代表例である。デシル基(即ちCH(CH−)はC10脂肪族基の代表例である。
【0046】
本明細書に記載する数値は、低い値から高い値まで1単位ずつの増分で増加するすべての値を含む。但し、任意の低い値と任意の高い値とは2単位以上離れている。例えば、ある成分の量、又は温度、圧力、時間などのプロセス変数の値が、例えば1〜90、好ましくは20〜80、より好ましくは30〜70であると記載する場合、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32などの値が本明細書に明確に列挙されていると考える。1未満の値については、1単位が適宜0.0001、0.001、0.01もしくは0.1であるとみなす。これらは意図していることの例にすぎず、最小値と最大値の間の数値のすべての可能な組合せが同様に本明細書に明確に記載されているとみなすべきである。
【実施例】
【0047】
三重項の測定に用いたポリスチレン(PS)は、重量平均分子量18,700を有するGPC基準品であり、AldrichChemical社(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー所在)から入手した。緑色ホスホレセント(リン光)色素であるトリス(2−(4−トリル)フェニルピリジン)イリジウム[Ir(mppy)]はAmericanDyeSources社(カナダ国)から購入し、そのまま使用した。ガラスはインジウム錫オキサイド(ITO)で予め被覆したもの(AppliedFilms)。ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)はH.C.Starck社(ドイツ国レバークーゼン所在)から購入した。N,N’−ジフェニル−N,N’−(ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)及び2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)をそれぞれ正孔注入材料及び電子注入材料として使用した。TPDもPBDもAlrichから購入し、そのまま使用した。他の薬品及び試薬はすべてAldrichChemical社(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー所在)から入手した。フラッシュクロマトグラフィは、FisherScientific社(100〜200メッシュ)又はAldrich社(60〜350メッシュ)製シリカゲルを用いて、Isco社製充填シリカゲルカラムにて行った。薄層クロマトグラフィは市販の予備被覆ガラスプレート(Analtech、GF、250μm)にて行った。
【0048】
共通の方法
分子量は、PolymerLaboratories製サイズ排除カラム(PLgel5μmMIXED−C、300×7.5mm、40℃保持)を取り付けたPerkinElmer社シリーズ200GPCにて、3.5%(容量)イソプロパノール含有クロロホルムを移動相として用いて、ポリスチレン標準にて測定した。NMRスペクトルはBruker400又はBrukerAdvance500分光計で測定した。
【0049】
合成
ビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)の合成を、スキーム1に示す通りの3工程プロセスで行った。このため、p−ブロモアニソールをカルバゾールに添加し、FeCl触媒を用いてN−(4−メトキシフェニル)カルバゾールのカップリングを行い、最後にメトキシ基を脱保護して,ジヒドロキシ化合物を得た。
【0050】
【化6】

【0051】
実施例1 化合物1:9−(4−メトキシフェニル)カルバゾールの合成
方法1
200mlのトルエン中の5.025g(0.03モル)のカルバゾール、7.3g(0.04モル)の4−ブロモアニソール及び12.5g(0.09モル)のKCOの混合物を入れたフラスコを、排気し、アルゴンを導入する工程を3回繰り返し、その後2モル%のPd(OAc)及び0.1gのトリス(t−ブチル)ホスフィンを添加した。混合物をアルゴン中で1週間かきまぜた。2日後に新たなPd(OAc)及びPt(t−Bu)を添加した。混合物を放冷した後、水を加えた。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィ後、白色結晶を得た。
【0052】
方法2
三つ口丸底フラスコに、ブロモアニソール(18.7g、100mmol)、カルバゾール(16.7mg、100mmol)、リン酸カリウム(21g、154mmol)及びヨウ化銅(1g、5mmol)を仕込んだ。ジオキサン(400mL)を添加した後、反応フラスコをNで置換した。ジメチルエチレンジアミン(1g、5mmol)をシリンジから反応フラスコに加えた。その後反応混合物を窒素中95℃に24時間加熱した。次に、溶液を室温まで冷却し、50mLのHOを添加した。反応混合物を塩化メチレンで抽出し、有機相と水性相とを分離した。有機相をさらに50mLの水で2回、50mlのブラインで1回洗い、NaSOで乾燥した。溶剤を真空下で除去し、粗生成物を得た。メタノールから再結晶して、化合物1を17.99gの白色結晶として得た。
1 H NMR (CDCl3 ) d 8.17 (d, 2H), 7.48 (d, 2H), 7.43 (dt, 2H), 7.36 (d, 2H), 7.31 (dt, 2H), 7.14 (d, 2H), 3.96 (s, 3H)
1 3 C NMR (CDCl3): d 159, 141, 130, 129, 126, 123, 120, 120, 115, 110, 56
EI-MS: 273(M+), 258
実施例2 化合物2:ビス(9−(4−メトキシフェニル)カルバゾール−3−イル)の合成
アルゴン雰囲気下、8.03g(29.4mmol)の化合物1を500mLのクロロホルムに溶解した撹拌溶液に、9.67g(59.6mmol)の塩化鉄(III)を一度に添加した。室温で40時間かきまぜた後、250mLの水を加えた。有機層を分離し、250mLの水で3回抽出し、塩基性アルミナのパッドを通して濾過した。次に少量の塩化メチレンを用いてパッドをリンスした。濾液をNaSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。THF/ヘキサンからの再結晶により混合物を精製し、目的の化合物2を白色結晶として収率52%で得た。
1 H NMR (CDCl3): d 8.49 (d, 2H), 8.28 (d, 2H), 7.81 (dd, 2H), 7.54 (d, 4H), 7.47 (d, 2H), 7.46 (dt, 2H), 7.40 (d, 2H), 7.35 (dt, 2H), 7.18 (d, 4H), 3.97 (s, 6H)
1 3 C NMR (CDCl3): d 159, 142, 141, 134, 130, 129, 126, 126, 124, 123, 120, 120, 119, 115, 110, 110, 56
EI-MS (M+): 544
実施例3 化合物3:ビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)の合成
50mL丸底フラスコ内で0.544g(1mmol)の化合物2を15mLの無水CHClに添加し、磁気撹拌バーにてかきまぜた。溶液を窒素雰囲気下氷浴で0℃に冷却した。三臭化ホウ素(2.4mmol、2.4mL、CHCl中1M)をシリンジから溶液に滴下した。フラスコを氷浴から外し、室温で平衡化させた後、1時間かきまぜた。溶液をデカンテーションして、50mLビーカー中の10mLの氷水に注いだ。かきまぜながら30分間の加水分解の後、有機層を2×10mLのCHClで抽出した。有機層を2×15mLの冷水で洗い、過剰なBBrを中和した。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、回転エバポレータを用いて溶剤を蒸発させ、0.46g(90%)の固形物を得た。THF/ヘキサンからの再結晶により0.346gの生成物を得、これを次の重合に用いた。
1 H NMR (CDCl3): d 8.47 (b, 2H), 8.26 (d, 2H), 7.79 (dd, 2H), 7.49 (d, 4H), 7.45 (d, 2H), 7.38 (dt, 2H), 7.33 (d, 2H), 7.10 (d, 4H).
EI-MS (M+): 516
実施例4 ビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)とBPA−ビスクロロホルメートとの重合
窒素雰囲気下、磁気撹拌バーを取り付けた乾燥反応容器に、0.346g(0.6697mmol)の化合物3、即ちビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)、0.237g(0.6697mmol)のBPA−ビスクロロホルメート及び8mLの乾燥塩化メチレンを仕込んだ。得られた白濁溶液を含む容器を氷塩浴に15分間浸漬した後、0.25mL(1.79mmol)の乾燥トリエチルアミンを仕込んだ。かきまぜながら、混合物を0〜5℃に1時間保ち、放置して室温までもどし、さらに1時間かきまぜた。次に混合物を5mLのCHClで希釈し、1.0mLの10%NaHCOを添加し、混合物を10分間かきまぜてから、分液ロートに移した。水性相を捨て、有機相を順次等容量の1N HCl(1回)と水(2回)で洗った。溶液を4mLまで濃縮し、40mLのメタノールにて析出させた。集めたポリマーを10mLのCHClに再溶解し、この溶液を沸騰している1000mLの脱イオン化水にゆっくり添加した。固形分を再び集め、空気乾燥し、12mLの新鮮なCHClに再溶解し、再度メタノールにそそぎ析出させた。得られたポリマーを80℃の真空オーブンにて一晩乾燥した。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)分析により、ポリマーは重量平均分子量Mw=31,500kで、分散度PDI=3.18であった。
【0053】
三重項エネルギーレベルの評価
非冷却R928赤感応性光増倍管を取り付けたPerkinElmerLS55分光蛍光光度計を用いて、三重項エネルギーレベルを測定した。代表的な測定手順では、サンプルをクリーンな実験用乳鉢に入れ、測定前にサンプルを液体窒素に2分以上浸漬して熱平衡を確保した。次にサンプルを光で励起した。初期の20μs励起パルスから遅延した時間まで検出を差し止めるというLS55の遅延捕集特徴を利用して、発光スペクトルを得た。
【0054】
実施例5 三重項エネルギー評価のためのビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)含有サンプルの製造
三重項エネルギーレベル用のサンプルを以下のように製造した。10mgのビス[9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル]を1mLの無水THFに溶解した。次に溶液を清浄化した石英基板上にスピンコートした。
【0055】
比較例1 三重項エネルギー評価のためのIr(mppy)含有サンプル
三重項エネルギーレベル用のサンプルを以下のように製造した。1wt%のトリス(2−(4−トリル)フェニルピリジン)イリジウム(Ir(mppy))をポリスチレン(PS)中に含有する混合物を、1wt%Ir(mppy)溶液(10mgのIr(mppy)を1mLのTHFに溶解)0.010mLをPSの1wt%THF溶液1.0mLと混合することにより調製した。この溶液を清浄化した石英基板上にスピンコートした。
【0056】
図1は上記2つのサンプルの発光スペクトルを示す。実施例5のサンプルは比較例1のサンプルより高い三重項エネルギーレベルを有する。具体的には、比較例1のサンプルの第1発光ピークが2.4eVであるのに対して、実施例5のサンプルの第1発光ピークは2.7eVに現れる。
【0057】
化合物3の存在下及び不在下でのIr(mppy)の三重項励起状態の寿命
冷却R928光増倍管を取り付けたEdinburghCD920分光計を用いて、三重項励起状態の寿命を測定した。代表的な手順では、サンプルを真空デュワーに入れ、次いで4×10E−5トルまで減圧した。次にサンプルをパルス式ダイオードレーザー(クラスHIB、390−420nm、最大パワー5mW)で394nmで光励起した。時間分解発光スペクトルを540nmで測定した。
【0058】
実施例6 三重項励起状態の寿命評価のためのビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)含有サンプルの調製
1wt%のIr(mppy)をビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)中に含有する混合物を、1wt%Ir(mppy)溶液(10mgのIr(mppy)を1mLのTHFに溶解)0.010mLをビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)の1wt%THF溶液1.0mLと混合することにより調製した。この溶液を清浄化した石英基板上にスピンコートした。
【0059】
比較例2 三重項励起状態の寿命評価のためのポリスチレン含有サンプルの調製
1wt%のIr(mppy)をポリスチレン中に含有する混合物を、1wt%Ir(mppy)溶液(10mgのIr(mppy)を1mLのTHFに溶解)0.010mLをPSの1wt%THF溶液1.0mLと混合することにより調製した。この溶液を清浄化した石英基板上にスピンコートした。
【0060】
図2は、ビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)の存在下及び不在下でのリン光色素の三重項励起状態の減衰プロファイルを示す。リン光色素は、ビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)に分散させた場合、絶縁性ポリスチレンマトリックスに対して、匹敵する三重項減衰プロファイル(等価な寿命)を有した。このデータは三重項エネルギー測定から得たデータと合致しており、色素[Ir(mppy)]からホスト[PS又はビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)のいずれか]へのエネルギー移送がないことを示唆している。したがって、ビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)は、リン光OLEDにおいてIr(mppy)用のホスト材料として適当である。
【0061】
実施例7 OLEDデバイス作製及び評価
予めインジウム錫オキサイド(ITO)で被覆されたガラスを基板として用いた。UV/オゾン処理したITO基板上にスピンコーティングによりポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(PEDOT:PSS)の層(約65nm)を設層し、次いで空気中180℃で1時間ベークした。N,N’−ジフェニル−N,N’−(ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)及び2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)をそれぞれ正孔注入材料及び電子注入材料として使用した。ビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル):PBD:TPD:Ir(mppy)(61:24:9:6)の混合溶液を、ビス(9−(ヒドロキシフェニル)カルバゾール−3−イル)の1.5wt%クロロベンゼン(CB)溶液1.220mL、PBDの3.0wt%CB溶液0.240mL、TPDの3.0wt%CB溶液0.090mL、及びIr(mppy)の1wt%CB溶液0.18mLを混合することにより調製した。次に混合溶液をPEDOT:PSS上にスピンコートし、70℃で10分間ベークした。圧力2×10E−6トルでの加熱蒸着によりCsF(4nm)/Al(100nm)を設層することで、デバイスの作製を完了した。金属蒸着後に、スライドガラスを用い、光学的接着剤(Norland68、NorlandProducts社(米国ニュージャージ州所在)製)でシールすることにより、デバイスを封止した。
【0062】
OLEDの性能を評価するために、電流−電圧−輝度(I−V−L)特性を測定した。輝度メータ(ミノルタLS−110)で検量したホトダイオードを用いて輝度(単位:カンデラ/平方メートル、cd/m)を測定した。図3から分かるように、最大量子効率(◇表示)は21.9cd/Aであり、最大パワー効率(□表示)は14.2lm/wであった。これは、X.H. Yang, D. Neher, D. Hertel and T.K. Daubler, “Highly efficient single-layer polymer electrophosphorescent devices”, Adv. Mater. Vol 16, pp161-166, 2004に記載されているような現在の技術水準のポリマー形リン光デバイス(27cd/A及び14.1lm/w)に匹敵する。
【0063】
以上、本発明のいくつかの特徴だけを説明し、具体的に示したが、当業者には多数の変更や改変が想起できるであろう。したがって、特許請求の範囲はこのような変更例や改変例もすべて本発明の要旨の範囲内に入るものとして包含すると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式Iの化合物。
【化1】

式中、R、R、R、R、R及びRは各々独立にC−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、R及びRは各々独立に水素、C−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、a及びeは各々独立に0又は1〜4の整数であり、b、c、d及びfは各々独立に0又は1〜3の整数である。
【請求項2】
及びRが各々独立に水素、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、t−ブチル、ジフェニルホスフィンオキシド及びジフェニルホスフィンスルフィドからなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
a及びeが0である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
b、c、d及びfが0である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
次式で表される、請求項1記載の化合物。
【化2】

式中、R及びRは各々独立に水素、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、t−ブチル、ジフェニルホスフィンオキシド及びジフェニルホスフィンスルフィドからなる群から選択される。
【請求項6】
次式で表される、請求項1記載の化合物。
【化3】

【請求項7】
次の式IIで表される構造単位を含むポリマー。
【化4】

式中、R、R、R、R、R及びRは各々独立にC−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、R及びRは各々独立に水素、C−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、a及びeは各々独立に0又は1〜4の整数であり、b、c、d及びfは各々独立に0又は1〜3の整数である。
【請求項8】
ポリエステルである、請求項7記載のポリマー。
【請求項9】
ポリエーテルである、請求項7記載のポリマー。
【請求項10】
ポリカーボネートである、請求項7記載のポリマー。
【請求項11】
ポリエステルカーボネートである、請求項7記載のポリマー。
【請求項12】
ポリエーテルイミドである、請求項7記載のポリマー。
【請求項13】
ポリアリールエーテルケトンである、請求項7記載のポリマー。
【請求項14】
ポリアリールエーテルスルホンである、請求項7記載のポリマー。
【請求項15】
及びRが各々独立に水素、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、t−ブチル、ジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルホスフィンスルフィド及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項7記載のポリマー。
【請求項16】
a及びeが0である、請求項7記載のポリマー。
【請求項17】
b、c、d及びfが0である、請求項7記載のポリマー。
【請求項18】
次式で表される、請求項7記載のポリマー。
【化5】

式中、R及びRは各々独立に水素、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、t−ブチル、ジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルホスフィンスルフィド及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【請求項19】
次式で表される、請求項7記載のポリマー。
【化6】

【請求項20】
さらに、次式で表される構造単位を含む、請求項7記載のポリマー。
【化7】

【請求項21】
少なくとも1つの電極、
少なくとも1つの正孔注入層、及び
少なくとも1つの発光層を備え、
前記発光層が次の式IIで表される構造単位を含むポリマーを含有する、発光デバイス。
【化8】

式中、R、R、R、R、R及びRは各々独立にC−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、R及びRは各々独立に水素、C−C20脂肪族基、C−C20芳香族基又はC−C20脂環式基であり、a及びeは各々独立に0又は1〜4の整数であり、b、c、d及びfは各々独立に0又は1〜3の整数である。
【請求項22】
前記ポリマーがポリエステルである、請求項21記載の発光デバイス。
【請求項23】
前記ポリマーがポリエーテルである、請求項21記載の発光デバイス。
【請求項24】
前記ポリマーがポリカーボネートである、請求項21記載の発光デバイス。
【請求項25】
前記ポリマーがポリエーテルイミドである、請求項21記載の発光デバイス。
【請求項26】
前記ポリマーがポリアリールエーテルケトンである、請求項21記載の発光デバイス。
【請求項27】
前記ポリマーがポリアリールエーテルスルホンである、請求項21記載の発光デバイス。
【請求項28】
及びRが各々独立に水素、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、t−ブチル、ジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルホスフィンスルフィド及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項20記載の発光デバイス。
【請求項29】
a及びeが0である、請求項20記載の発光デバイス。
【請求項30】
b、c、d及びfが0である、請求項20記載の発光デバイス。
【請求項31】
前記発光層が次式で表される構造単位を含むポリマーを含有する、請求項20記載の発光デバイス。
【化9】

式中、R及びRは各々独立に水素、トリアリールシリル、トリアルキルシリル、t−ブチル、ジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルホスフィンスルフィド及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【請求項32】
前記発光層が次式で表される構造単位を含むポリマーを含有する、請求項20記載の発光デバイス。
【化10】

【請求項33】
さらに、次式で表される構造単位を含む、請求項20記載の発光デバイス。
【化11】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−513293(P2010−513293A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541455(P2009−541455)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/084912
【国際公開番号】WO2008/076569
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】