説明

ビルディングオートメーションシステム

【課題】コントローラが、RS−485ケーブルを使用して、ゾーンエンクロージャを介して遠隔のモジュールに接続されるビルディングオートメーションシステムが提供される。
【解決手段】ゾーンエンクロージャから延びるモジュールの分岐は、ゾーンエンクロージャのところで、取外し可能なジャンパによって共に接続される。相異なるプロトコルを使用するモジュールの分岐のセットは、互いに分離される。RS−485ケーブル内の短絡は、分岐をネットワークから切断および再接続することによって決定することができる。ゾーンエンクロージャは、モジュラRS−485コネクタを含むパッチパネルを有する。コントローラからの、また建物を介して他のデータケーブルに沿って引かれたRS−485ケーブルは、パッチパネルの背部でRS−485コネクタに接続される。モジュールは、RS−485ケーブルを介して、パッチパネルの前部でRS−485コネクタに接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ビルディングオートメーションシステム(BAS)がますます注目されている。
【背景技術】
【0002】
ビルディングオートメーションシステムは、コンピュータ化された(インテリジェントな)、電子デバイスのネットワークが建物内の多数の個別システムを監視および制御するシステムである。建物内でインテリジェントな自動化システムを使用することにより、建物内のエネルギーおよび維持費を削減することができ、建物をより安全なものにすることができる。
【発明の概要】
【0003】
複数の個別システムがBAS内で制御される。これらのシステムは、たとえば、暖房、換気、空調システム(HVAC)、照明制御システムなどエネルギー管理システム(EMS)、セキュリティおよびアクセス制御システム(security and access control system/SAC)、ならびに火災、生命、安全システム(fire,life,safety system/FLS)を含む。HVAC、EMS、SAC、FLSを、互いに情報を共用できるように、単一のネットワークに一体化する(一体化BAS)ことが望ましいが、一体化に対して複数の問題がある。たとえば、これらのシステムは、しばしば、互いに通信するために相異なるデータ標準およびプロトコルを使用し、様々なシステムの一体化を困難にする。さらに、様々な製造者によって生産された同じシステム内の機械さえ、通信するために相異なる標準およびプロトコルを使用することがある。したがって、しばしば建築設計者は、特定のシステムに関して限られた一組の会社を、さらにはこれらのシステムのうちの1つのためにデバイスを供給する単一の会社を使用することを強いられる。さらに、一体化BASの設置および維持のコストを削減することは挑戦課題である。というのは、特に、これらの様々なシステムが必ずしも同じケーブル布線を使用しない可能性があるからである。したがって、構造化されたケーブリングネットワークを、建物内で使用されるモジュールすべてのために使用することができない可能性がある。これは、かなりの労働力を必要とする可能性がある他の難点(たとえば、建物内の追加のエリアが占有される新しい機器の設置、または配線内の短絡または開回路など諸問題を突き止めること)に通じる。
【0004】
本発明について、以下の図を参照して詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】一実施形態による一般的なBASの図である。
【図2A】様々なRS−485ケーブル構成の図である。
【図2B】様々なRS−485ケーブル構成の図である。
【図2C】様々なRS−485ケーブル構成の図である。
【図3】一実施形態によるBASの一実施形態の図である。
【図4】ゾーンエンクロージャに接続されたRS−485ケーブルを有するBASの第1の実施形態の図である。
【図5】ゾーンエンクロージャに接続されたRS−485ケーブルを有するBASの第2の実施形態の図である。
【図6】ゾーンエンクロージャに接続されたRS−485ケーブルを有するBASの第3の実施形態の図である。
【図7】ゾーンエンクロージャに接続されたRS−485ケーブルを有するBASの第4の実施形態の図である。
【図8】図8A及びBは、ゾーンエンクロージャ内に配置されたモジュラRS−485ケーブルねじ端子コネクタの一実施形態の図である。
【図9A】ゾーンエンクロージャ内に配置されたモジュラRS−485ケーブルねじ端子コネクタの一実施形態の図である。
【図9B】ゾーンエンクロージャ内に配置されたモジュラRS−485ケーブルねじ端子コネクタの一実施形態の図である。
【図10A】ゾーンエンクロージャ内に配置されたモジュラRS−485ケーブルねじ端子コネクタの一実施形態の図である。
【図10B】ゾーンエンクロージャ内に配置されたモジュラRS−485ケーブルねじ端子コネクタの一実施形態の図である。
【図11】ゾーンエンクロージャ内のパッチパネルおよび接続されたRS−485ケーブルの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
BASの一実施形態100が図1に示されている。コンピュータ102などユーザインターフェースが、ウェブサーバ104と同様に、メインバスまたはケーブル106に接続される。コンピュータ102は、ワークステーション、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、タブレットパーソナルコンピュータ(PC)、または、ユーザからBAS100への情報を受け取り、BAS100からユーザへの情報を提供することができる任意の他の電子デバイスとすることができる。ウェブサーバ104は、ユーザとBAS100の間で通信する際に、通信標準として台頭し始めているインターネットプロトコル(IP)の使用を可能にする。具体的には、ウェブサーバ104は、拡張マークアップ言語(XML)をベースとするウェブサービスの採用を可能にし、建物データの入力および提示、ならびにこのデータの管理および解析を簡単にする。1つまたは複数のマスタコントローラ(MC)108が、メインバス106を介してコンピュータ102およびウェブサーバ104に接続される。マスタコントローラ108は、1つまたは複数のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を含み、これらのPLCは、建物内の様々なモジュール(デバイス)112を制御することが可能である。マスタコントローラ112は、ローカルバスまたはケーブル110を使用してモジュール112に接続される。各マスタコントローラ108は、HVACシステムなど特定のシステムのために、1組のモジュール112を制御することができる。各ローカルのケーブル110ごとのローカルのケーブル110は、同じタイプのケーブルでも相異なるケーブルでもよい。
【0007】
モジュール112は、HVAC、EMS、SAC、FLS、および通信システムからのデバイスを含む。これらのシステム、およびそれらの中のデバイスの例が、下記で提供される。HVACシステムは、建物の内部の温度、湿度、および気流を制御し、居住者が特定の空間内の環境を調整することを可能にする。HVACシステムは、その空間から戻る空気を外部の空気と混合することによって空気を調和するエアハンドリングユニットを含むことができ、所望の内部温度に達するように冷却または加熱を追加する。エアハンドリングユニットは、定風量エアハンドリングユニット(CAV)または可変風量エアハンドリングユニット(VAV)とすることができる。CAVは、ダンパおよび給水弁を開閉し、温度を維持する。VAVは、ダンパを開閉することに加えて、圧力が調整される空気を供給して、CAVより効率的である。
【0008】
EMSシステムのモジュールは、様々なセンサおよびタイマを含む。EMSシステムでは、照明を、光センサまたはタイマを使用して、時刻に基づいてオンおよびオフにすることができる。あるいは、照明を、居住(モーション)センサおよびタイマを使用してオンおよびオフにすることができる。一例では、あるエリア内のライトは、そのエリア内の最後の動きが検知された時間から所定量の時間の間、オンのままであることができる。屋外エリア内、および窓を有する屋内エリア内の光量は、建物外側の自然光の量に応じて調節することができる。また、照明は、特定のアクセスコードを使用して建物に入ったとき、所定の1組のライトおよび環境設定が、特定のエリアについて、かつ特定の時間の間、活動化されるように、SACシステムおよびHVACシステムに結び付けることができる。また、EMSシステムは、交通量の少ない時間の間、または時間外の間、または緊急事態の間、エレベータおよびエスカレータが停止される、または減速されるように機械デバイスを調整することができる。
【0009】
SACシステムのモジュールは、カメラ、センサ、あるいはキーカード、コードパッド、または埋込みRFIDデバイスなどセキュリティアクセスデバイスを含む。SACシステムは、建物の様々なエリアへのアクセスを制御するために、ドアおよびエレベータを監視および制御することができる。アクセスを自動的に記録することができる。エレベータ、事務所、駐車場、通路、および廊下を、有線または無線のビデオカメラを使用して監視することができる。画像は、警備室(security office)内の固定モニタに、または無線で移動ハンドヘルドデバイスに送ることができる。
【0010】
FLSシステムのモジュールは、センサおよび警報を含む。FLSシステムおよびSACシステムは、建物機能を監視し、警報が検出された場合、特定の個人または個人のグループに通知し、予防処置を講じるようにプログラムすることができる。警報は、自然災害または生命にかかわる緊急事態(たとえば、過剰な温度または一酸化炭素レベルまたは煙)など緊急の状況、セキュリティ侵害、あるいは停電、維持問題、または機械故障など状況警報によってトリガすることができる。通知は、コンピュータ、ページャ、または可聴警報を介するものとすることができる。予防処置は、非常口の解錠、煙を抜くために、またはスプリンクラシステムのためにHVACシステムを活動化させること、あるいは事前録音されたメッセージを建物内で放送することを含むことができる。対話型ディスプレイにより、緊急事態の場合に、(エレベータまたは他の指定されたエリアなど)所定のエリア内で、指示、および外界に対するリンクを得ることができる。
【0011】
建物の構造化されたケーブリングシステムにBASを組み込むことにより、材料、および建設プロジェクトの計画のイニシャルコストが増大される可能性があるが、建物の建設費全体を下げることができるほど、建物内の様々な構成要素間にケーブル布線を設ける際に必要とされる時間および労働量を削減することもできる。設置時にかなりの量の時間が節約された場合、これは、建物の占有期間のための追加の時間に変換される可能性がある。
【0012】
上記で示されているように、相異なるBASプロバイダが、知的所有権のある機器、ケーブル、接続、およびトポロジを使用することができる。BASのために開発された1つの標準は、TIA/EIA−862標準である。TIA/EIA−862標準は、市販のBASをサポートするために、ケーブリングトポロジ、アーキテクチャ、設計、設置慣例、試験手順、およびカバレージエリアを指定する。しかし、この標準はこれらのエリアを規定するが、相異なるケーブリングシステムを使用し、様々なBASカテゴリのモジュールを、コントローラ、ならびに高速データ転送を使用するシステムに接続することができる。使用されるケーブルは、たとえば、光ケーブル、カテゴリ5ケーブル、カテゴリ6ケーブル、RS−232ケーブル、およびRS−485ケーブルを含むことができる。使用されるこれらの様々なケーブリングシステムは、別々に据え付けられ、様々な経路を使用して送られる可能性があるが、BAS構造化ケーブル布線は、これらの様々なケーブリングシステムで少ない数の経路を使用することを可能にする。経路の数が少なくなると、ケーブリングコストが削減され、ケーブリングシステムの維持が簡単になる可能性がある。
【0013】
たとえば、パーソナルコンピュータとコンピュータ周辺装置の間など、比較的短い接続には、RS−232ケーブルまたはUSBケーブルが主に使用される。(カテゴリ5ケーブルおよびカテゴリ6ケーブルなど)ツイストペアケーブル、または光ケーブルは、イーサネット(登録商標)通信、コンピュータネットワーク通信、またはビデオ入力など、高速通信に適している。RS−485ケーブルは、1983年以来広く使用されている標準である、RS−485標準(TIA/EIA−485−A)を使用する。一実施形態では、RS−485ケーブルは、BASカテゴリのモジュールを接続するために使用される。より詳細には、RS−485は、複数の送信器および受信器がケーブル上に常駐することを可能にする半2重ネットワークである。任意の所与の時間に1つの送信器しか活動状態になることができないが、任意の通信プロトコルを使用することができる。RS−485伝送ラインは、ワイア上の電圧間の差がデータを規定する、すなわち一方の極性が論理ハイ(1)であり、反対の極性が論理ロー(0)であるツイストペアである。有効な動作のためには、電圧間の差が少なくとも0.2ボルトでなければならず、+12Vと−7ボルトの間の印加電圧を使用することができる。RS−485ケーブルは、長さ1524m(5000フィート)まで、10Mbpsまでのビットレートのネットワークをサポートすることができ、これらにより、RS−485ケーブルは、BASを大抵の建物全体にわたってケーブルで結ぶのに有用なものとなる。しかし、RS−485ケーブルの長さが増大するにつれて、信号の伝播遅延ならびに反射問題により、ケーブルに沿ったデータ転送速度が減少する。
【0014】
いくつかのRS−485ケーブル構成をネットワーク内で使用することができ、結果は異なる。様々な構成の例が、図2A〜2Cに示されており、下記でより詳細に述べる。RS−485標準は、リピータを使用することなしに、最大32単位負荷を接続することを可能にする。1つのモジュールは、1単位負荷未満とすることができ、したがって、より多数のモジュールを、リピータなしでネットワーク内に設けることができる(現在、最大は256モジュール)。ネットワーク内のモジュールの数は、リピータを使用することによってさらに増やすことができるが、リピータを使用することにより、それに伴って信号伝播遅延が増大し、RS−485ケーブルに沿ってデータ転送速度が減少する。また、RS−485ケーブルは、ツイストペアと共に専用の接地線を含むことができる。接地線は、RS−485ケーブルによって接続されたモジュールの局所接地の参照を可能にする。局所アースを使用してもよいが、ノイズがより多いものであり、ネットワークを間欠的な障害に対して、より弱いものにする。さらに、ネットワークの長さおよびトポロジ、ならびに好ましいデータ速度に応じて、RS−485ケーブルを終端することができる。同様に、TIA/EIA−485−A標準で必要とされていないが、RS−485ケーブルをシールドすることができる。ツイストペアのワイアは、(伝送ラインが送信器によって能動的に駆動されていないとき)アイドル状態のバイアスをかけることができ、その場合、データが伝送ライン上で送られず、一方のワイアがハイにプルされ、他方のワイアがローにプルされる。
【0015】
「ホームラン(home run)」構成では、RS−485ケーブルは、中央分配点(たとえば、ハブ、PBX、または他のコントローラ)から所定の宛先(たとえば、モジュール)に接続されてもよい。BAS内で使用することができるRS−485ケーブル構成の例が、図2A〜2Cに示されている。他の電子回路およびケーブルがBASシステム内に存在する可能性があるが、見やすくするために示されていない。図2Aは、スタブ204を有するバックボーン202(MC〜モジュール1)を含むRS−485ケーブル構成200を示す。図のように、マスタコントローラ(MC)206は、複数のモジュール208に接続する。このマルチドロップ構成200では、RS−485ケーブルが、バックボーン202に沿った複数の点でタップされる。マルチドロップ構成を生み出すために、ケーブル布線は、バックボーン202に沿った複数の点で、タップ点でスプライスされる。
【0016】
図2Bは、下流のモジュール208が上流のモジュール208に直接リンクされているデイジーチェーン構成220を示す。したがって、モジュール208すべてがマスタコントローラ206に接続されるのではなく、最も上流のモジュール208だけがマスタコントローラ206に接続される。この構成では、RS−485ケーブル204は、各モジュール208のところで終端され、スプライスされる。
【0017】
図2Cに示されているネットワーク230は、複数の分岐214が存在するデイジーチェーン構成を含む。図2Cの分岐ネットワーク構成230では、ネットワーク230が、分岐を含む木を形成するように「スタブ形成(stubbed)」される。図2Bの構成と同様に、マスタコントローラ206は、RS−485ケーブル204を介して1つのモジュール208に直接接続される。各下流のモジュール208は、ネットワーク230が分岐するまで上流のモジュール208に直接リンクされる。したがって、各分岐214のルートにあるモジュール208は、複数の(2つ以上の)下流のモジュール208に接続される。図示されていないが、複数の分岐214およびルートのモジュール208が存在することができる。
【0018】
スター構成など他のRS−485ケーブル構成もまた、可能である。スター構成では、複数のデバイスが、互いに接続されることなしに、単一の点(たとえば、マスタコントローラ)に接続される。そのような構成では、マスタコントローラ内の送信器が、多数の終端されたノードに送信する。蓄積された終端負荷は、急速にネットワークに、望ましくない状態にまで負荷をかけ、データ通信を不確実なものにするおそれがある。同様に、図2Cに示されている分岐ネットワークでは、終端需要(termination demand)が増大することにより、負荷が増大する。分岐構成でもスター構成でも、適切な注意が払われない場合、配線および信号反射問題が発生するおそれがある。したがって、図2Aおよび図2Bの構成の方が、ネットワークを設計するとき、少なくともこれらの理由で、必ずではないが概して、より望ましい。
【0019】
図2A〜2Cに示されている構成のそれぞれの設置時には、ケーブルがマスタコントローラから最も下流のモジュールに設置される(引かれる)経路が、設置前に詳細に計画される。経路設定要件および場所の数により、RS−485ケーブルは、他のデータケーブルとは別々に設置されている。たとえば、高速ケーブル布線を、1カ所から中間の場所に引き、終端することができる可能性がある。最初の場所は、たとえば、コントローラが配置される機器室とすることができ、一方、終点は、接続しようとするモジュールが位置する部屋、またはモジュールを接続しようとする所に近接する中間物(intermediary)が位置するエリアとすることができる。比較すると、RS−485ケーブルは、モジュールに対して直接引かれ、モジュールのところで終端された。換言すれば、RS−485ケーブルは、マスタコントローラから第1の場所(図2Bにおける第1のモジュール、または図2Aにおける第1のモジュールに近接する)に対して直接引かれ、第1の場所でスプライスされ、スプライスされた部分が第1のモジュールのところで終端され、RS−485が第2の場所に対して引かれる、などしており、ついにRS−485ケーブルはスプライスされなくなり、最後のモジュールのところで終端される。一般的な慣例は、RS−485ケーブルを未終端のままにしておく(たとえば、天井または床内に巻いておく)のではなく、モジュールのところで(他のケーブルと同様)RS−485ケーブルを終端することである。また、RS−485ケーブルは、設置者のタイミングの考慮すべき点により、いくつかのエリアを通して速やかに調整し、異なる時間で高速ケーブル布線として引かなければならない可能性がある。したがって、複数のタイプのケーブルを一斉に引くことができる大抵のデータケーブルに比べて、RS−485ケーブルの経路設定は、少なくとも一部には労力の増大により、設置/置換えに比較的多大なコストがかかる可能性がある。
【0020】
信号をモジュールに搬送するために、カテゴリ5ケーブルなど、異なるケーブルを使用することが魅力的に思われるかもしれないが、そのような解決策は、他の問題を引き起こす可能性がある。モジュールにRS−485コネクタの使用が必要となることは珍しくない。したがって、異なるケーブルが使用される場合、現場にいる技術者は、そのケーブルをスプライスし、ケーブル内のワイアを異なるコネクタ内にピン固定することを強いられる可能性がある。これは複雑かつ紛らわしい工程となる可能性があり、短絡が発生する、または誤ったピンが使用されるおそれがある。たとえば、RJ−45は、8本の(非シールド)導体、および24ゲージケーブルを使用し、一方、RS−485は、シールドを有する2本の導体、および22ゲージケーブルを使用する。現場にいる技術者にとって、パンチダウンブロックを使用し、RJ−45ケーブルをRS−485コネクタに接続しようと試みることは、比較的困難である。さらに、一部の製造者の保証が、他のケーブル布線をサポートしない可能性がある。したがって、異なるケーブルを使用することは、BASモジュールの保証を直ちに無効にするおそれがある。
【0021】
図2A〜2Cに示されている構成に戻って参照すると、各構成は、非管理型(unmanaged)ケーブリングシステムとすることもでき、したがって、他のデータケーブルを含む管理型ケーブルシステムから分離することができる。管理型ケーブリングシステムでは、システム内の様々な要素間の接続が記録され監視される。したがって、非管理型ケーブリングシステムは、管理型ケーブリングシステムに比べて、修正およびトラブルシューティングするのが比較的困難である。上述のように、スター型または他のトポロジで容易に構成することができる他のデータケーブルと異なり、RS−485ネットワークは、一般に、バックボーン−スタブ構成、またはデイジーチェーン構成で構成される。バックボーン−スタブ構成およびデイジーチェーン構成は、少なくとも一部には、1つの反射源に対処することが必要とされるだけであり、それにより終端、接地、およびシールディングが適度に簡単になるので、概して好ましいものである。
【0022】
さらに、RS−485ケーブルは、下流のモジュールすべてを接続する。図2A〜2Cの構成のいずれかにおける、ある特定の点で開回路が発生した場合、それより下流のデバイスだけが影響を受ける。これらのモジュールは、システムから除去され、したがって動作しなくなる。したがって、開回路の場所を決定するのが比較的容易である。しかし、RS−485ケーブルは非ツイスト対線を含むので、図2A〜2Cにおいて「X」によって表されているように、ネットワークに沿って何らかの点で対線間の短絡210が発生した場合、ネットワーク全体が短絡するおそれがあり、ネットワーク内で、短絡210がどこで発生しているか正確に決定する方法はない。これは、たとえば、モジュールを追加するためにRS−485ケーブルをスプライスしている間に、またはワイアが工事中に誤って傷つけられた場合に発生することがある。この場合には、RS−485ケーブルを(そのケーブルが永続的に取り付けられていた)各モジュールから取り外すことが必要になる可能性があり、短絡の場所の前でシステムから除去されるRS−485ケーブルが決定される。したがって、短絡が発生した場合、短絡を発見し、RS−485ケーブルを引き出し、ケーブルを修理し、または置き換え、次いでケーブルを再設置するために、多大な労力が必要とされる可能性がある。
【0023】
したがって、RS−485ケーブル布線が構造化ケーブリングシステムに組み込まれるBAS構成を提供することが望ましい可能性がある。モジュラRS−485コネクタを有するゾーンエンクロージャを使用することにより、システムの柔軟性が増し、RS−485ケーブルシステムに伴う設置費および維持費が削減される可能性がある。ゾーンエンクロージャを有するBASの1つの構成が図3に示されている。この構成300では、制御エリア310内のマスタコントローラ312が、所定のエリア320にサービスを提供するゾーンエンクロージャ(以下、ゾーンエンクロージャと称する)322内に配置された電子機器にデータを送る。データは、ケーブル302を介して搬送される。次いで、各ゾーンエンクロージャ322は、関連付けられたゾーンエンクロージャ322と通信する様々なローカルのモジュール324、326、328に命令を送る。モジュール324、326、328の例は、ドアコントローラ、HVAC機器(たとえば、VAV)、および照明制御デバイスを含むことができる。各エリア320に関連付けられたゾーンエンクロージャ322は、エリア320内の相異なるタイプのモジュール324、326、328に対する接続を、また、モジュール324、326、328と、マスタコントローラ312またはエリア320から遠隔の他の機器との間の接続を実現にする。「遠隔」は、遠隔が使用される文脈に応じて、論じられている特定のデバイスが位置する部屋またはエリアの外の場所を指し、あるいは、デバイスのエンクロージャの外の場所を指すことがある。ホームランケーブル布線がマスタコントローラ312とゾーンエンクロージャ322の間に示されているが、それらの間に中間デバイスが存在してもよい。ゾーンエンクロージャ322は、モジュール324、326、328が配置される部屋内の壁または天井に位置することも、モジュール324、326、328に近接する(また、おそらくはそれらの中心の)異なる部屋またはエリア内にあることもできる。図3では、便宜上、ゾーンエンクロージャ322に対して通信する1組のケーブル302だけが示されている。
【0024】
マスタコントローラ312、ゾーンエンクロージャ322、およびモジュール324、326、328は、RS−485、カテゴリ5、カテゴリ6、および/または光ケーブルを介して通信することができる。したがって、RS−485ケーブルを使用してマスタコントローラをモジュールに直接接続するのではなく、ゾーンエンクロージャが中間終端点として使用される。1つのエリア320だけに注目する例が図4〜7に示されている。これらの構成のそれぞれにおいては、図示されていないが、マスタコントローラは、RS−485ケーブルと他のデータケーブルを共に用いてゾーンエンクロージャに接続する。したがって、RS−485ケーブルは、他のデータケーブルと共に引くことができる。ケーブルすべてが、ゾーンエンクロージャのところで終端される。
【0025】
図4の構成400では、マスタコントローラ402がゾーンエンクロージャ404に接続され、ゾーンエンクロージャ404が、RS−485ケーブル408を使用してVAVなどモジュール406の、単一のデイジーチェーン構成と接続される。図5〜7は、モジュール506、606、706が分岐ネットワーク構成で構成され、RS−485ケーブル508、608、708を使用してローカルのゾーンエンクロージャ504、604、704およびマスタコントローラ502、602、702に接続される実施形態500、600、700を示す。各分岐のルート、すなわちゾーンエンクロージャ504、604、704のところのRS−485ケーブル508、608、708は、ジャンパ512、612、712を用いて他のRS−485ケーブル508、608、708に配線される。ジャンパ512、612、712は、(たとえば、はんだを使用して)永続的に接続することも、容易に取外し可能とすることもできる。各ゾーンエンクロージャ504、604、704または分岐は、たとえば、建物内の異なるフロアまたは特定のエリアに対応する。各モジュール506、606、706は、モジュール506、606、706によるサービスを受ける部屋またはエリアに対応する。
【0026】
図5〜7の構成では、「X」510、610、710によって示されているように、1つまたは複数の分岐が短絡した場合、短絡を有する分岐すべてがゾーンエンクロージャ504、604、704から切断されるまで、それらの分岐をゾーンエンクロージャ504、604、704から、また互いに1つ1つ切断することができる。その時点で、残りの分岐内のモジュール504、604、704は、再び動作するようになる。次いで、他の短絡510、610、710が存在するかどうか判定するために、短絡を含まない、切断された分岐が1つ1つ再接続される。別法として、分岐すべて(または分岐のうち1つを除くすべて)をゾーンエンクロージャ504、604、704から切断し、次いで、他の短絡510、610、710が存在するかどうか判定するために、1つ1つ再接続することができる。同様にして、短絡510、610、710が存在する分岐すべてを決定するために、ジャンパ512、612、712を除去し、置き換えることができる。ゾーンエンクロージャ504、604、704の1つが、別のゾーンエンクロージャ504、604、704とマスタコントローラ502、602、702との間で中間となるように複数のゾーンエンクロージャ504、604、704が配置される場合、マスタコントローラ502、602、702に(物理的にではなく)論理的に最も近接するゾーンエンクロージャ504、604、704に接続された分岐が最初に切断される。これにより、短絡510、610、710を含む分岐すべての識別が可能になり、短絡510、610、710が局限され、それにより短絡510、610、710の正確な場所を決定するための作業量が削減される。また、それに伴って、これにより、短絡510、610、710を有する分岐上のモジュール506、606、706間でケーブル布線508、608、708を置き換える/再度引くための労力の量が削減される。モジュール506、606、706は、デイジーチェーン構成、マルチドロップ構成、または図6に示されているようなそれらの組合せでゾーンエンクロージャ504、604、704に接続されてもよい。
【0027】
図3〜7の構成では、ゾーンエンクロージャによるサービスを受ける特定のエリアに対するデータケーブルはすべて、あるゾーンエンクロージャを使用することによって単一のランで、最初に(たとえば、建物の工事、またはあるエリアに対する機能の追加中に)引くことも、(たとえば、短絡が発生した後で)再度引くこともできる。したがって、初期の設置費、ならびに移動、追加、または変更(MAC)のためのコストを共に削減することができる。1つまたは複数のゾーンエンクロージャを使用することによって、システム全体のトポロジをも、より柔軟にすることができる。
【0028】
上記で論じたように、1つまたは複数のモジュラRS−485コネクタをゾーンエンクロージャに追加することによって、RS−485ケーブルを、モジュールのところで直接ではなく、ゾーンエンクロージャのところで終端することができる。迅速なRS−485ケーブル布線の設置または置換えを可能にするために、モジュラRS−485コネクタをBASシステム内に組み込むことが望ましい可能性がある。図8Aおよび図8Bに転じると、モジュラRS−485ケーブルねじ端子コネクタが、ゾーンエンクロージャ用に開発されている。図の実施形態では、ケーブル用のコネクタだけが存在する。すなわち、PCBも他の電子回路もコネクタ内に存在しない。他の実施形態では、モジュラコネクタは、あるタイプのケーブルまたは信号を別のケーブルまたは信号に適合させるなど、所望の任意の目的のために電子回路を含むことができる。
【0029】
図8Aおよび図8B、図9Aおよび図9B、図10Aおよび図10Bに示されているように、コネクタ800は、2つのモジュラユニット、すなわち雄プラグ810および雌プラグ830を含む。図8Aは、プラグ810とプラグ830が分離されているときのコネクタ800を示し、一方、図8Bは、プラグ810とプラグ830が接合されているときのコネクタ800を示す。雄プラグ810は、ハウジング812内にスナップばめされ、その結果、雄プラグ810は、ハウジング812によって保持され、ハウジング812の前面816内の開口814を介してアクセス可能になる。ハウジング812は、実質的にL字形の本体を有し、「L」の短い脚部は、前面816を含み、「L」の長い脚部は、底面818を含む。前面816の延長部820は、ハウジング812の底面818と実質的に平行で、前面816から延びる。ハウジング812は、標準的なPanduit Mini−com(登録商標)製品内に嵌合する。
【0030】
雄プラグ810および雌プラグ830のそれぞれもまた、実質的にL字形の本体を有し、「L」の長い脚部818、838の反対側の「L」の短い脚部816、836の一部分内の穴822内に、ねじ(図示せず)が配置される。雄プラグ810は、「L」の長い脚部818に沿って延びる、かつ雄プラグ810の本体によって囲まれる雄端子824を有する。雄プラグ810および雌プラグ830のそれぞれの背部は、RS−485ケーブルが挿入されるアパーチャ826、846を含む。各開口には、ねじが関連付けられており、これにより、ねじを締めることによって、開口内に挿入されたRS−485ケーブルの特定のワイア(接地、+データ、または−データ)を固定することができる。雄プラグ810および雌プラグ830のところでのRS−485ケーブルの終端は、雄プラグ810がハウジング812内にスナップばめされる前または後に、また雄プラグ810が雌プラグ830と通信する前または後に行うことができる。これらのねじは、18#〜22#(シールド)ケーブルの終端を可能にするようにサイズ設定される業界標準のねじサイズとすることができる。
【0031】
ハウジング812の底面818には、開口832が形成されている。舌部834が開口832内に配置され、ハウジング812の前面816に向けられている。雄プラグ810がハウジング812内に取り付けられたとき、雄プラグ810のL字形本体のねじ部836が、ハウジング812の底面818の開口832内に配置され、その結果、ねじ部836は、舌部834によって接触を受ける。
【0032】
ハウジング812の底面818の内側には、ハウジング812の底面818内の開口832とハウジング812の前面との間に、1対のタブ814が、ハウジング812の中心の周りで対称的に配置される。雄プラグ810がハウジング812内に取り付けられたとき、雄プラグ810は、タブ814と延長部820の間で位置決めされ、雄端子824を囲む雄プラグ810の本体をハウジング812の前面816内の開口814を介して自動的に位置決めする。これはまた、雄端子824を、雌プラグ830の雌端子(図示せず)にとってアクセス可能なものにする。
【0033】
RS−485モジュラコネクタは、ゾーンエンクロージャ内に取り付けることができる。より具体的には、RS−485モジュラコネクタは、ゾーンエンクロージャ内の1つまたは複数の電子機器内に取り付けることができる。図11に示されている例では、ゾーンエンクロージャがパッチパネル1100を含む。図11では、パッチパネル1100の背部1110および前部1130が共に示されている。パッチパネル1100は、1つまたは複数のRS−485モジュラコネクタ1120を有する。コネクタ1120は、コネクタ1120が容易に取外し可能(モジュラ)となり、容易にアクセス可能になるように、パッチパネル1100にスナップばめする、または他の方法でパッチパネル1100内に取り付けることができる。図11では、マスタコントローラ(図示せず)に接続されたRS−485ケーブル1102のワイア1104は、パッチパネル1100の背部1110で、雄プラグ1120の1つのところで終端される。雄プラグ1120内の接点1122は、マスタコントローラからの同じ信号が、接続された他の雄プラグ1120に送られるように、パッチパネル1120内の、1つまたは複数の他の雄プラグ1120内の対応する接点1122に接続されてもよい。コネクタ1120間でジャンパ1106を配線することによって、コネクタ1120同士を電気的に接続することができ、モジュール(図示せず)をセグメント化することができる。モジュールを複数のセグメントに分割することによって、モジュールの個々のグループをネットワークから除去することが可能になることにより、トラブルシューティングを能率的にすることができる。
【0034】
さらに、RS−485コネクタ1120の、複数の分離されたセットを、パッチパネル1100内に設けることができる。分岐内の最初のモジュールは、雌プラグ(図示せず)を使用して、パッチパネルの前部1130に接続されてもよい。コネクタ1120の各セット1124は、図11に示されているように、共に接続されるが、コネクタの他のセットから分離される。そのような構成により、相異なるプロトコル(たとえば、BACnet、LonTalk、またはModbus)を使用する複数のタイプのオートメーションシステムを設置することが可能になる。より具体的には、図11のケーブル1 1102を使用してマスタコントローラと通信するモジュールは、あるプロトコルを使用することができ、一方、ケーブル2 1102を使用して異なるマスタコントローラと通信するモジュールは、異なるプロトコルを使用することができる。図11にはコネクタ1120の2つのセット1124(およびマスタコントローラ)だけが示されているが、任意の数が存在してもよい。これは、同じ機能を有する相異なるモジュールを、単一のパッチパネルと共に使用することができる点で、全体的な設計柔軟性を高める。たとえば、特定のゾーンエンクロージャによるサービスを受けるエリア内でモジュールを追加するとき、様々な製造者からの複数のモジュールを、相異なるプロトコルを使用してコネクタの相異なるセットに接続することによって、それらのモジュールが相異なるプロトコルを使用する場合でさえ、それらのモジュールを使用することができる。これにより、BASが初めに相異なるモジュールに対処するように設計されていなかった場合、別個のケーブル布線を、建物を介して相異なるモジュールに、様々な時に引く費用が回避される。また、RS−485以外のタイプの接続をパッチパネルに設けることもできる。
【0035】
上述のように、ゾーンエンクロージャは、ゾーンエンクロージャによるサービスを受けるモジュールが配置される部屋内の壁または天井に位置することができる。別法として、ゾーンエンクロージャは、ゾーンエンクロージャによるサービスを受けるモジュールに近接する(また、おそらくはそれらの中心の)異なる部屋またはエリア内にあることもできる。ゾーンエンクロージャは、コネクタを係合し、かつコネクタをパッチパネルまたは他の電子回路から外すために、また、たとえば制御室内のマスタコントローラからボックスに走るケーブルを接続または切断するために、技術者にとって容易にアクセス可能なものとすることができる。ゾーンエンクロージャは、他の電子回路または電気機械デバイスに加えて、複数のパッチパネルを含むことができる。ゾーンエンクロージャについて論じられているが、モジュラRS−485コネクタは、ラックまたは壁または天井に取り付けられるエンクロージャなど、別の中間物(各モジュールとコントローラの間に論理的に配置される、モジュール以外のデータ通信場所)内に設けられてもよい。ゾーンエンクロージャまたは他の中間物を使用する、スター構成など代替の構成をも使用することができる。
【0036】
さらに、ねじタイプのコネクタだけが論じられているが、他のタイプのコネクタが使用されてもよい。たとえば、雄プラグおよび雌プラグの一方、または両方が、パンチダウンブロック、ばね荷重端子、または圧着タイプのワイアコネクタを使用することができる。雄プラグと雌プラグは、雌プラグがハウジングと係合されるように交換されてもよい。BAS内の一部のモジュールについて無線ネットワークを使用することができるが、他のモジュールは、電力ケーブル布線を必要とすることがある。したがって、ローカルの電力を使用しないモジュールについては、建物内の導管を介して電力ケーブルを引くことができる。この場合には、RS−485ケーブルをモジュールに引く費用は、無視できるものとなり得る。
【0037】
また、TIA/EIA−862標準およびTIA/EIA−485−A標準だけが論じられているが、他の標準が使用されてもよい。たとえば、台頭しつつある標準の一部は、天井または他の構造内の、使用される、および使用されないケーブルすべてのラベル付けなど、他の要件を有する。
【0038】
上述の、および図面に示されている実施形態は、BAS、ゾーンエンクロージャ、およびRS−485コネクタを実施する多数の方法のうちのいくつかにすぎないことを理解することができる。様々なデバイスの、それぞれの特徴は、特定の目標および/または顧客ニーズに応じて変わる可能性がある。したがって、本発明について、例示的な実施形態と共に述べたが、これらの実施形態は、限定するものではなく、例示的なものとして見るべきである。様々な修正、代替などが、本発明の精神および範囲内で可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラと、
複数のモジュールと、
モジュールと前記コントローラの間に論理的に配置された中間物と、
前記コントローラ、前記中間物、および前記モジュールを接続するRS−485ケーブルと
を備えるビルディングオートメーションシステム(BAS)。
【請求項2】
前記中間物が、前記RS−485ケーブルが接続されるゾーンエンクロージャを含む請求項1に記載のBAS。
【請求項3】
前記中間物が、前記ゾーンエンクロージャ内に配置されたパッチパネルを含み、前記RS−485ケーブルが前記パッチパネルに接続される請求項2に記載のBAS。
【請求項4】
前記中間物が、前記RS−485ケーブルが接続されるモジュラRS−485コネクタを含む請求項1に記載のBAS。
【請求項5】
前記モジュールが分岐内で前記中間物に接続される請求項1に記載のBAS。
【請求項6】
前記分岐を接続するジャンパをさらに備える請求項5に記載のBAS。
【請求項7】
ユーザインターフェースと、
ウェブサーバと、
前記ユーザインターフェース、前記ウェブサーバ、および前記マスタコントローラを接続する第1のバスと
をさらに備える請求項1に記載のBAS。
【請求項8】
前記モジュールが、相異なるプロトコルを使用して通信するように構成されたモジュールのセットを含み、モジュールの相異なるセットが互いに分離される請求項1に記載のBAS。
【請求項9】
前記中間物がRS−485コネクタのセットを含み、モジュールの各セットが、RS−485コネクタの前記セットの、異なるRS−485コネクタに接続される請求項8に記載のBAS。
【請求項10】
前記RS−485コネクタの各セット内のコネクタが、前記セット内に複数のコネクタが存在する場合、共に接続される請求項9に記載のBAS。
【請求項11】
ビルディングオートメーションシステム(BAS)内で通信を確立するための方法であって、
第1のRS−485ケーブルをコントローラに接続するステップと、
複数の第2のRS−485ケーブルを複数のモジュールに接続するステップと、
前記第1のRS−485ケーブルおよび前記第2のRS−485ケーブルを中間物に接続するステップと
を含む方法。
【請求項12】
前記中間物が、前記第1および第2のRS−485ケーブルが接続されるゾーンエンクロージャを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記中間物が、前記ゾーンエンクロージャ内に配置されたパッチパネルを含み、前記第1および第2のRS−485ケーブルが前記パッチパネルに接続される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記中間物が、前記第1および第2のRS−485ケーブルが接続されるモジュラRS−485コネクタを含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記モジュールを分岐内で前記中間物に接続するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記分岐を、前記中間物内でジャンパを介して互いに接続するステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のRS−485ケーブル内で短絡が発生し、その結果、前記モジュールのどれも動作しない場合、
前記中間物と、前記中間物から最も遠位の前記分岐内のモジュールとの間でRS−485ケーブル内に短絡を含む分岐すべてが決定されるまで、
前記分岐を前記中間物から切断するステップと、
前記切断された分岐を再接続するステップと
をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記中間物と、前記中間物から最も遠位の前記分岐内のモジュールとの間でRS−485ケーブル内に短絡を含む分岐すべてが決定されるまで、前記分岐が1つ1つ切断される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記中間物と、前記中間物から最も遠位の前記分岐内のモジュールとの間でRS−485ケーブル内に短絡を含む分岐すべてが決定されるまで、前記分岐が1つ1つ再接続される請求項17に記載の方法。
【請求項20】
モジュールの、相異なるセットが互いに分離されるように、相異なるプロトコルを使用して通信するように構成されたモジュールのセット内で前記モジュールをグループ化するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項21】
前記中間物がRS−485コネクタのセットを含み、モジュールの各セットが、RS−485コネクタの前記セットの、異なるRS−485コネクタに接続される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記RS−485コネクタの各セット内の前記コネクタを、前記セット内に複数のコネクタが存在する場合、前記中間物内で取外し可能なジャンパを介して共に接続するステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
モジュラRS−485コネクタにおいて、
実質的にL字形の本体と背部とを有するプラグであって、前記背部が、RS−485ケーブルのワイアを受け取るように構成されたアパーチャを有し、前記プラグ本体が短い脚部と長い脚部とを含む、プラグと、
実質的にL字形の本体を有するハウジングであって、前記ハウジング本体が短い脚部と長い脚部とを含み、前記短い脚部が前記ハウジング本体の前面を含み、前記長い脚部が前記ハウジングの底面を含み、前記底面および前記前面のそれぞれが開口を有する、ハウジングとを備え、
モジュラRS−485コネクタの前記ハウジング内の前記底面内の前記開口が前記プラグを保持し、その結果、前記プラグが、モジュラRS−485の前記ハウジング内の前記前面内の前記開口を介してアクセス可能である、モジュラRS−485コネクタ。
【請求項24】
前記ハウジングが、前記底面と実質的に平行で前記前面から延びる延長部をさらに備える請求項23に記載のコネクタ。
【請求項25】
前記ハウジングが、前記底面の内側にタブをさらに備え、前記タブが、前記前面と前記底面内の前記開口との間に配置され、前記タブが、前記プラグが前記ハウジング内に取り付けられたとき、前記プラグが前記タブと前記延長部の間で位置決めされ、前記プラグの前記本体を前記ハウジングの前記前面内の前記開口内で自動的に位置決めするように構成される請求項24に記載のコネクタ。
【請求項26】
前記ハウジングが、前記ハウジングの中心の周りで対称的に配置される複数のタブを備える請求項25に記載のコネクタ。
【請求項27】
前記ハウジングが、前記底面内の前記開口内に配置された舌部をさらに備え、前記舌部が前記ハウジングの前記前面に向けられ、前記舌部が前記プラグの前記短い脚部と係合する請求項23に記載のコネクタ。
【請求項28】
前記プラグの前記背部がちょうど3つのアパーチャを備える請求項23に記載のコネクタ。
【請求項29】
前記プラグが、前記プラグの前記長い脚部の方向で延びる、かつ前記プラグの前記本体によって囲まれる雄端子を備える請求項23に記載のコネクタ。
【請求項30】
前記プラグの前記短い脚部が、ねじを受け取るように構成された穴を備え、前記穴が、前記プラグ内に挿入された前記RS−485ケーブルの前記ワイアを前記ねじが保持するように位置決めされる請求項23に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−248197(P2012−248197A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−127084(P2012−127084)
【出願日】平成24年6月4日(2012.6.4)
【分割の表示】特願2009−520990(P2009−520990)の分割
【原出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(507202736)パンドウィット・コーポレーション (70)
【Fターム(参考)】