説明

ビーム照射装置

【課題】目標領域におけるレーザ光の走査位置を精度良く検出できるビーム照射装置を提供する。
【解決手段】ビーム走査用のミラー113に伴って回動する透明体200を配する。この透明体200にサーボ光を照射し、透明体200によって屈折されたサーボ光をPSD308にて受光する。PSD308の受光光量に応じた出力(SUM出力)を生成し、この出力が基準値(Vref)に一致するよう、半導体レーザ303の出力を制御する。このように制御することで、透明体200が回動しても、PSD308の受光光量は略一定となり、PSD出力に含まれる誤差を抑制できる。また、PSD308の受光光量が極端に低下した場合、SUM出力の替わりにモニター用PD303aの出力をサーボ光の出力制御に用いる。これにより、半導体レーザ303に過電流が流れることを防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標領域にレーザ光を照射するビーム照射装置に関し、特に、目標領域にレーザ光を照射したときの反射光をもとに、目標領域内における障害物の有無や障害物までの距離を検出する、いわゆるレーザレーダに搭載されるビーム照射装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、走行時の安全性を高めるために、走行方向前方にレーザ光を照射し、その反射光の状態から、目標領域内における障害物の有無や障害物までの距離を検出するレーザレーダが、家庭用乗用車等に搭載されている。一般に、レーザレーダは、レーザ光を目標領域内でスキャンさせ、各スキャン位置における反射光の有無から、各スキャン位置における障害物の有無を検出し、さらに、各スキャン位置におけるレーザ光の照射タイミングから反射光の受光タイミングまでの所要時間をもとに、そのスキャン位置における障害物までの距離を検出するものである。
【0003】
レーザレーダの検出精度を高めるには、レーザ光を目標領域内において適正にスキャンさせる必要があり、また、レーザ光の各スキャン位置を適正に検出する必要がある。これまで、レーザ光のスキャン機構として、ポリゴンミラーを用いるスキャン機構と、走査用レンズを2次元駆動するレンズ駆動タイプのスキャン機構(たとえば、以下の特許文献1参照)が知られている。
【0004】
また、出願人は、先に特願2006−121762号を出願し、ミラー回動タイプのスキャン機構を提案した。このスキャン機構では、ミラーが2軸駆動可能に支持され、コイルとマグネット間の電磁駆動力によって、ミラーが各駆動軸を軸として回動される。レーザ光は、ミラーに斜め方向から入射され、ミラーが各駆動軸を軸として2次元駆動されることにより、ミラーによるレーザ光の反射光が、目標領域内において、2次元方向に走査される。
【0005】
このスキャン機構では、目標領域におけるレーザ光のスキャン位置がミラーの回動位置に一対一に対応する。よって、レーザ光のスキャン位置はミラーの回動位置を検出することにより検出できる。ここで、ミラーの回動位置は、たとえば、ミラーに伴って回動する別部材の回動位置を検出することにより検出することができる。
【0006】
図9は、このように別部材の回動位置を検出する際の構成例を示す図である。同図(a)は、別部材として平行平板状の透光性部材を用いる場合の構成例、同図(b)は、別部材としてミラー部材を用いる場合の構成例である。
【0007】
同図(a)において、601は半導体レーザ、602は透光性部材、603は光検出器(PSD:Position Sensing Device)である。半導体レーザ601から出射されたレーザ光は、レーザ光軸に対し傾いて配置された透光性部材602によって屈折され、光検出器603に受光される。ここで、透光性部材602が矢印のように回動すると、レーザ光の光路が図中の点線のように変化し、光検出器603上におけるレーザ光の受光位置が変化する。よって、光検出器603にて検出されるレーザ光の受光位置によって、透光性部材602の回動位置を検出することができる。
【0008】
同図(b)において、611は半導体レーザ、612はミラー部材、613は光検出器(PSD)である。半導体レーザ611から出射されたレーザ光は、レーザ光軸に対し傾いて配置されたミラー部材612によって反射され、光検出器613に受光される。ここで、ミラー部材612が矢印のように回動すると、レーザ光の光路が図中の点線のように変化し、光検出器613上におけるレーザ光の受光位置が変化する。よって、光検出器613にて検出されるレーザ光の受光位置によって、ミラー部材612の回動位置を検出することができる。
【0009】
ここで、ミラー部材612が、同図(b)にように角度αだけ回動すると、ミラー部材612によって反射された後のレーザ光の振り角は2αとなる。このため、光検出器613の受光面を大きくする必要がある。これに対し、同図(a)のように透光性部材602を用いると、透光性部材602を回動させても、これを透過した後のレーザ光の振れ幅はそれほど大きくならない。よって、同図(b)の場合に比べ、光検出器603の受光面をかなり小さくすることができ、光検出器に掛かるコストを抑制することができる。
【特許文献1】特開平11−83988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記図9(a)の構成において、半導体レーザ601は、通常、出射パワーが一定となるよう制御される。一般に、このパワー制御は、レーザパッケージ内にあるモニター用PD(Photo Detector)からの出力をもとに行われる。すなわち、モニター用PDからの出力が予め決められた大きさとなるよう、半導体レーザ601の出射パワーが制御される。
【0011】
しかしながら、上記のように透光性部材602を回動させる場合には、その回動に伴って、透光性部材602のレーザ光入射面および出射面にて反射される光の割合が変化する。このため、半導体レーザ601の出射パワーが一定であると、光検出器603にて受光されるレーザ光の光量が透光性部材602の回動に伴って変化し、これにより、光検出器603から出力される位置検出信号に誤差が生じるようになる。この誤差は、目標領域におけるレーザ光の走査位置の検出精度に影響する。
【0012】
本発明は、かかる問題を解消するためになされたものであり、目標領域におけるレーザ光の走査位置を精度良く検出できるビーム照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るビーム照射装置は、所定方向に回動されることによりレーザ光の進行方向を変化させる光学素子と、前記光学素子を前記方向に回動させるアクチュエータと、前記アクチュエータに配され前記光学素子の回動に伴って回動する光屈折素子と、前記光屈折素子にサーボ光を照射するサーボ光源と、前記光屈折素子によって屈折された前記サーボ光を受光してその受光位置に応じた信号を出力する第1の光検出器と、前記サーボ光源の出射パワーを調整するパワー調整回路とを備える。ここで、前記パワー調整回路は、前記第1の光検出器からの出力信号に基づいて、前記第1の光検出器における前記サーボ光の受光光量が一定となるように前記出射パワーを調整する第1の調整系と、前記第1の光検出器からの出力信号の異常を判定する異常判定部と、前記異常が判定されたとき、前記第1の光検出器からの出力信号とは別の参照信号に基づいて、前記出射パワーを調整する第2の調整系とを備える。
【0014】
本発明によれば、前記第1の光検出器におけるサーボ光の受光光量が一定となるようにサーボ光源の出射パワーが調整されるため、光学素子の変位に伴って光屈折素子が変位し、これに応じて光屈折素子の光入射面および光出射面にて反射される光の割合が変化しても、光検出器に導かれるサーボ光の光量が略一定に保たれる。よって、前記第1の光検出器から出力される位置検出信号の誤差を抑制することができ、目標領域におけるレーザ光の走査位置を精度良く検出することができる。
【0015】
なお、本発明に係る構成では、何らかの原因で、前記第1の光検出器におけるサーボ光の受光光量が極端に減少することが起こり得る。この場合、第1の調整系によって出射パワーの調整を行うと、前記サーボ光源に過電流が流れ、前記サーボ光源が破壊されてしまう惧れがある。
【0016】
この問題を解決するために、本発明では、前記第1の光検出器からの出力信号の異常を判定する異常判定部が配されている。そして、この異常判定部において異常と判定されれば、前記第1の光検出器からの出力信号とは別の参照信号に基づいて、前記出射パワーが調整され、前記サーボ光源に過電流が流れるのが回避される。
【0017】
本発明において、前記第1の調整系は、前記第1の光検出器における前記サーボ光の総受光光量に応じた信号を生成する演算回路を備える構成とすることができ、この場合、第1の調整系は、当該演算回路にて生成された信号に基づいて前記出射パワーを調整する。
【0018】
また、本発明において、前記第2の調整系は、前記サーボ光の出射光量をモニターする第2の光検出器を備える構成とすることができ、前記参照信号は、前記第2の光検出器からの出力信号とすることができる。ここで、サーボ光源が半導体レーザである場合、半導体レーザ内に装備されているモニター用PD(Photo-Detector)を前記第2の光検出器として用いることができる。この場合、第2の光検出器を別に配する必要がないため、部品点数の削減と構成の簡素化を図ることができる。
【0019】
さらに、本発明のビーム照射装置は、前記サーボ光源に対する過電流を抑制する過電流保護素子をさらに備える構成とすることができる。こうすると、第1の調整系による調整が行われている場合、あるいは、第2の調整系による調整に切り替えられている場合に、何らかの要因によってサーボ光源に過電流が供給されようとしても、過電流保護素子によって、前記サーボ光源に過電流が流れるのを防止することができる。これにより、過電流によるサーボ用光源の損傷ないし破壊をより徹底して回避することができる。
【0020】
本発明において、前記光屈折素子は平板形状の透光性部材とすることができ、前記光学素子はミラーとすることができる。
【0021】
さらに、本発明において、前記アクチュエータは、前記光学素子を第1の方向に回動可能に支持する第1の支持部と、前記第1の支持部を前記第1の方向とは異なる第2の方向に回動可能に支持する第2の支持部と、前記第1の支持部と前記第2の支持部を前記第1の方向および前記第2の方向に駆動する電磁駆動部とを有する構成とすることができる。
【0022】
また、前記光屈折素子は、前記光学素子を回動する回動軸に装着することができる。こうすると、光学素子の挙動を光屈折素子にダイレクトに反映させることができるため、光屈折素子における回動位置の検出結果から、目標領域におけるレーザ光のスキャン位置を高精度に検出することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のとおり、本発明によれば、目標領域におけるレーザ光の走査位置を精度良く検出できるビーム照射装置を提供することができる。併せて、本発明によれば、過電流によるサーボ光源の損傷ないし破壊を抑制することができる。
【0024】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1に、本実施の形態に係るミラーアクチュエータ100の構成を示す。なお、同図(a)はミラーアクチュエータ100の分解斜視図、同図(b)はアセンブル状態にあるミラーアクチュエータ100の斜視図である。
【0026】
同図(a)において、110は、ミラーホルダである。ミラーホルダ110には、端部に抜け止めを有する支軸111と、端部に受け部112aを有する支軸112が形成されている。受け部112aには透明体200の厚みと略同じ寸法の凹部が配され、この凹部に透明体200の上部が装着される。さらに、ミラーホルダ110の前面には平板状のミラー113が装着されており、背面にはコイル114が装着されている。なお、コイル114は、方形状に巻回されている。
【0027】
支軸112には、上記の如く、受け部112aを介して平行平板状の透明体200が装着される。ここで、透明体200は、2つの平面がミラー113の鏡面に平行となるようにして支軸112に装着される。
【0028】
120は、ミラーホルダ110を支軸111、112を軸として回動可能に支持する可動枠である。可動枠120には、ミラーホルダ110を収容するための開口121が形成されており、また、ミラーホルダ110の支軸111、112と係合する溝122、123が形成されている。さらに、可動枠120の側面には、端部に抜け止めを有する支軸124、125が形成され、背面には、コイル126が装着されている。コイル126は、方形状に巻回されている。
【0029】
130は、支軸124、125を軸として可動枠120を回動可能に支持する固定枠である。固定枠130には、可動枠120を収容するための凹部131が形成され、また、可動枠120の支軸124、125と係合する溝132、133が形成されている。さらに、固定枠130の内面には、コイル114に磁界を印加するマグネット134と、コイル126に磁界を印加するマグネット135が装着されている。なお、溝132、133は、それぞれ固定枠130の前面から上下2つのマグネット135間の隙間内まで延びている。
【0030】
140は、ミラーホルダ110の支軸111、112が可動枠120の溝122、123から脱落しないよう、支軸111、112を前方から押さえる押さえ板である。また、141は、可動枠120の支軸124、125が固定枠130の溝132、133から脱落しないよう、支軸124、125を前方から押さえる押さえ板である。
【0031】
ミラーアクチュエータ100をアセンブルする際には、ミラーホルダ110の支軸111、112を可動枠120の溝122、123に係合させ、さらに、支軸111、112の前面を押さえるようにして、押さえ板140を可動枠120の前面に装着する。これにより、ミラーホルダ110が、可動枠120によって、回動可能に支持される。
【0032】
このようにしてミラーホルダ110を可動枠120に装着した後、可動枠120の支軸124、125を固定枠130の溝132、133に係合させ、さらに、支軸132、133の前面を押さえるようにして、押さえ板141を固定枠130の前面に装着する。これにより、可動枠120が、回動可能に固定枠130に装着され、ミラーアクチュエータ100のアセンブルが完了する。
【0033】
ミラーホルダ110が可動枠120に対し支軸111、112を軸として回動すると、これに伴ってミラー113が回動する。また、可動枠120が固定枠130に対し支軸124、125を軸として回動すると、これに伴ってミラーホルダ110が回動し、ミラーホルダ110と一体的にミラー113が回動する。このように、ミラーホルダ110は、互いに直交する支軸111、112と支軸124、125によって、2次元方向に回動可能に支持され、ミラーホルダ110の回動に伴って、ミラー113が2次元方向に回動する。このとき、支軸112に装着された透明体200も、ミラー113の回動に伴って回動する。
【0034】
なお、同図(b)に示すアセンブル状態において、2つのマグネット134は、コイル114に電流を印加することにより、ミラーホルダ110に支軸111、112を軸とする回動力が生じるよう配置および極性が調整されている。したがって、コイル114に電流を印加すると、コイル114に生じる電磁駆動力によって、ミラーホルダ110が、支軸111、112を軸として回動する。
【0035】
また、同図(b)に示すアセンブル状態において、2つのマグネット135は、コイル126に電流を印加することにより、可動枠120に支軸124、125を軸とする回動力が生じるよう配置および極性が調整されている。したがって、コイル126に電流を印加すると、コイル126に生じる電磁駆動力によって、可動枠120が、支軸124、125を軸として回動し、これに伴って、透明体200が回動する。
【0036】
図2は、ミラーアクチュエータ100が装着された状態の光学系の構成を示す図である。
【0037】
図2において、500は、光学系を支持するベースである。ベース500には、ミラーアクチュエータ100の設置位置に開口503aが形成され、この開口に透明体200が挿入されるようにして、ミラーアクチュエータ100がベース500上に装着されている。
【0038】
ベース500の上面には、ミラー113にレーザ光を導くための光学系400が装着されている。この光学系400は、レーザ光源401と、ビーム整形用のレンズ402、403からなっている。レーザ光源401は、ベース500の上面に配されたレーザ光源用の基板401aに装着されている。
【0039】
レーザ光源401から出射されたレーザ光は、レンズ402、403によって、それぞれ、水平方向および鉛直方向の収束作用を受ける。レンズ402、403は、目標領域(たとえば、ビーム照射装置のビーム出射口から前方100m程度の位置に設定される)におけるビーム形状が、所定の大きさ(たとえば、縦2m、横1m程度の大きさ)になるよう設計されている。
【0040】
レンズ402は、鉛直方向にレンズ効果があるシリンドリカルレンズであり、レンズ403は、レーザ光を略平行光とするための非球面レンズである。レーザ光源から出射されたビームは、鉛直方向と水平方向で広がり角が異なる。1つ目のレンズ402は、鉛直方向と水平方向におけるレーザ光の広がり角の比率を変える。2つ目のレンズ403は、出射ビームの広がり角(鉛直方向と水平方向の両方)の倍率を変える。
【0041】
レンズ402、403を透過したレーザ光は、ミラーアクチュエータ100のミラー113に入射し、ミラー113によって目標領域に向かって反射される。ミラーアクチュエータ100によってミラー113が2次元駆動されることにより、レーザ光が目標領域内において2次元方向にスキャンされる。
【0042】
ミラーアクチュエータ100は、ミラー113が中立位置にあるときに、レンズ403からのレーザ光がミラー113のミラー面に対し水平方向において45度の入射角で入射するよう配置されている。なお、「中立位置」とは、ミラー面が鉛直方向に対し平行で、且つ、レーザ光がミラー面に対し水平方向において45度の入射角で入射するときのミラー113の位置をいう。
【0043】
ベース500の下面には、回路基板300が配されている。さらに、ベース500の裏面と側面にも回路基板301、302が配されている。
【0044】
図3は、ベース500を裏面側から見たときの一部平面図である。図3には、ベース500の裏側のうちミラーアクチュエータ100が装着された位置近傍の部分が示されている。
【0045】
図示の如く、ベース500の裏側周縁には、壁501、502が形成されており、壁501、502よりも中央側は、壁501、502よりも一段低い平面503となっている。壁501には、半導体レーザ303を装着するための開口が形成されている。この開口に半導体レーザ303を挿入するようにして、半導体レーザ303が装着された回路基板301が壁501の外側面に装着されている。半導体レーザ303のパッケージ内には、半導体レーザ303のレーザ光をモニターするためのモニター用PD303aが設置されている。他方、壁502の近傍には、PSD308が装着された回路基板302が装着されている。
【0046】
ベース500裏側の平面503には、取り付け具307によって集光レンズ304と、アパーチャ305と、ND(ニュートラルデンシティ)フィルタ306が装着されている。さらに、この平面503には開口503aが形成されており、この開口503aを介して、ミラーアクチュエータ100に装着された透明体200がベース500の裏側に突出している。ここで、透明体200は、ミラーアクチュエータ100のミラー113が中立位置にあるときに、2つの平面が、鉛直方向に平行で、且つ、半導体レーザ303の出射光軸に対し45度傾くように位置づけられる。
【0047】
半導体レーザ303から出射されたレーザ光(以下、「サーボ光」という)は、集光レンズ304を透過した後、アパーチャ305によってビーム径が絞られ、さらにNDフィルタ306によって減光される。その後、サーボ光は、透明体200に入射され、透明体200によって屈折作用を受ける。しかる後、透明体200を透過したサーボ光は、PSD308によって受光され、PSD308から、受光位置に応じた位置検出信号が出力される。
【0048】
ここで、サーボ光は、透明体200の入射面200aと出射面200b(同図(b)参照)によって一部が反射される。このときの反射光量は、透明体200の回動位置に応じて変化する。すなわち、目標領域の走査時に、ミラー113が回動し、これに伴い透明体200が回動すると、透明体200の反射率・透過率が角度によって変化するため、透明体200の入射面200aと出射面200bによるサーボ光の反射光量が変化する。このため、半導体レーザ303の出射パワーが一定であると、透明体200の回動によってPSD308における受光量が変化し、これに起因して、PSD308からの位置検出信号に誤差が生じる。
【0049】
本実施の形態では、かかる不都合を回避するために、PSD308におけるサーボ光の受光量が一定となるよう、半導体レーザ303の出射パワーが制御される。このように出射パワーを制御するための構成については、追って、図5および図6を参照して説明する。
【0050】
図4(a)は、PSD308の構成を示す図(側断面図)、図4(b)はPSD308の受光面を示す図である。
【0051】
図4(a)を参照して、PSD308は、N型高抵抗シリコン基板の表面に、受光面と抵抗層を兼ねたP型抵抗層を形成した構造となっている。抵抗層表面には、同図(b)の横方向における光電流を出力するための電極X1、X2と、縦方向における光電流を出力するための電極Y1、Y2(同図(a)では図示省略)が形成されている。また、裏面側には共通電極が形成されている。
【0052】
受光面にレーザ光が照射されると、照射位置に光量に比例した電荷が発生する。この電荷は光電流として抵抗層に到達し、各電極までの距離に逆比例して分割されて、電極X1、X2、Y1、Y2から出力される。ここで、電極X1、X2、Y1、Y2から出力される電流は、レーザ光の照射位置から各電極までの距離に逆比例して分割された大きさを有している。よって、電極X1、X2、Y1、Y2から出力される電流値をもとに、受光面上における光の照射位置を検出することができる。
【0053】
たとえば、図5(a)の位置Pにサーボ光が照射されたとする。この場合、受光面のセンターを基準点とする位置Pの座標(x,y)は、電極X1、X2、Y1、Y2から出力される電流量をそれぞれIx1、Ix2、Iy1、Iy2、X方向およびY方向における電極間の距離をLx、Lyとすると、たとえば、以下の式によって算出される。
【0054】
【数1】

【0055】
図5(b)は、この算出式を実現する演算回路の構成を示す図である。電極X1、X2、Y1、Y2から出力される電流信号Ix1、Ix2、Iy1、Iy2は、アンプ21、22、23、24によって増幅される。そして、加算回路25、27によって、それぞれ、(Ix2 + Ix1)、(Iy2 + Iy1)の演算が行われ、また、減算回路26、28によって、それぞれ、(Ix2 − Ix1)と(Iy2 − Iy1)の演算が行われる。さらに、除算回路29、30によって、それぞれ、式(1)および式(2)の左辺の除算が行われ、この除算回路29、30から、サーボ光の受光位置PにおけるX方向位置(2x/Lx)とY方向位置(2y/Ly)を示す位置検出信号が出力される。
【0056】
かかる算出において、透明体200の回動に伴いPSD308におけるサーボ光の受光量が変化すると、上記式(1)および式(2)の左辺の分母と分子が変化する。原理的には、上記式を用いることで、光量に依存しない位置信号の検出が可能であるが、実際には、I/V変換回路3のゲイン設定や、A/D変換回路4のビット数等の条件によって、光量による位置検出の誤差が生じてしまう。この誤差は、PSD308におけるサーボ光の受光量の変化が小さいほど抑制される。
【0057】
本実施の形態では、上記の如く、PSD308におけるサーボ光の受光量が一定となるよう、半導体レーザ303の出射パワーが制御される。このため、透明体200が回動する際のPSD受光量の変動が抑制され、位置検出信号に含まれる誤差を抑制することができる。
【0058】
具体的には、図5(b)に示すように、アンプ21、22、23、24からの信号が加算回路31によって加算される。加算回路31からの出力は、PSD308の総受光光量に相当する大きさとなる。そして、加算回路31からの出力(SUM出力)が一定の大きさとなるように、半導体レーザ303の出射パワーが制御される。この制御によって、PSD308におけるサーボ光の受光量は、透明体200の回動位置に拘らず略一定となる。
【0059】
図6は、半導体レーザ303の出射パワーを調整するパワー調整回路の構成を示す図である。パワー調整回路は、信号演算回路2と、I/V変換回路3と、スイッチング回路6と、オペアンプ7と、電流調整回路8と、電源回路9を備えている。同図には、便宜上、PSD308からの位置検出信号を処理するための回路(A/D変換回路4、DSP5)が図示されている。なお、図中、1は、サーボ用の光学系であり、上記半導体レーザ303と、透明体200と、PSD308からなっている。
【0060】
信号演算回路2は、上記図5の構成を有する。信号演算回路2から出力されるX出力、Y出力およびSUM出力(図5参照)は、それぞれI/V変換回路3によって電圧信号に変換される。このうち、X出力とY出力は、A/D変換回路4によりデジタル信号に変換され、DSP(Digital Signal Processor)5に入力される。DSP5は、入力されたX出力とY出力をもとに、目標領域におけるレーザ光の走査位置を検出し、ミラーアクチュエータ100の駆動制御や、レーザ光源401の駆動制御等を実行する。
【0061】
I/V変換回路3によって電圧信号に変換されたSUM出力は、スイッチング回路6に入力される。スイッチング回路6は、通常の動作においては、SUM出力をレーザパワー調整用の出力(APC用出力)として出力する。SUM出力が異常となった場合、モニター用PD303aからの出力(モニターPD出力)をAPC用出力として出力する。スイッチング回路6の構成については、追って、図7を参照して説明する。
【0062】
スイッチング回路6からの出力は、オペアンプ7に入力される。オペアンプ7は、電源回路9から入力される一定レベルの基準電圧Vrefとスイッチング回路6からの出力とを比較し、比較結果に応じた制御信号を電流調整回路8に出力する。ここで、オペアンプ7は、スイッチング回路6からの出力が基準電圧Vrefになるまで制御信号を増加させ、スイッチング回路6からの出力が基準電圧Vrefを超えると、制御信号を低下させる。電流調整回路8は、抵抗とトランジスタから構成され、オペアンプ7から入力される制御信号に比例する大きさの駆動信号を出力する。電流調整回路8から出力された駆動信号は、過電流保護素子10に通され、半導体レーザ303に供給される。過電流保護素子10の動作については、後述する。
【0063】
上記のように、通常動作時には、SUM出力がスイッチング回路6を介してオペアンプ7に入力される。ミラー113の回動に伴って透明体200が回動し、上記透明体200における界面反射によって、PSD308に対するサーボ光の入射光量が減少すると、オペアンプ7に入力されるSUM出力が基準電圧Vrefよりも小さくなり、オペアンプ7から出力される制御信号が増加する。これにより、電流調整回路8から半導体レーザ303に供給される駆動電流が増加し、サーボ光の出射パワーが増加する。他方、透明体200の回動によって、PSD308に対するサーボ光の入射光量が増加すると、オペアンプ7に入力されるSUM出力が基準電圧Vrefよりも大きくなり、オペアンプ7から出力される制御信号が減少する。これにより、電流調整回路8から半導体レーザ303に供給される駆動電流が減少し、サーボ光の出射パワーが減少する。
【0064】
かかるサーボ動作により、半導体レーザ303の出射パワーは、SUM出力が基準電圧Vrefに一致するよう制御されるため、PSD308には、透明体200の回動位置に拘らず、略一定強度のサーボ光が導かれる。
【0065】
しかしながら、何らかの原因で、PSD308に対するサーボ光の入射光量が極端に減少する場合がある。原因としては、光学部品の歪み、汚れ、位置ずれ、あるいは設置時のずれが考えられる。また、アクチュエータ100の暴走によってサーボ光がPSD308に入射しないことも考えられる。この場合、PSD308に対するサーボ光の入射光量が極端に低下するため、電流調整回路8から半導体レーザ303に供給される駆動電流が極端に上昇する。そのため、半導体レーザ303に過電流が流れ、場合によっては、半導体レーザ303が破壊されてしまうこともある。
【0066】
かかる過電流の問題を解消するために、モニター用PD303aおよび過電流保護素子10が利用される。
【0067】
モニターPD出力は、I/V変換回路11によって電圧信号に変換される。スイッチング回路6には、モニターPD出力およびSUM出力が入力される。
【0068】
SUM出力が極端に低下した場合、スイッチング回路6は、SUM出力に替えて、モニターPD出力をオペアンプ7に出力する。モニター用PD303aは、半導体レーザ303のパッケージ内に配置されており、光学部品の不具合の影響を受けにくいため、安定した電圧信号を出力する。したがって、SUM出力の極端な低下の際に、モニターPD出力をオペアンプ7へ供給することにより、電流調整回路8から半導体レーザ303に供給される駆動電流が極端に上昇することを防ぐことができる。
【0069】
この場合、モニターPD出力は、SUM出力の替わりに基準電圧Vrefと比較されるため、SUM出力と同程度のレベルにある必要がある。I/V変換回路11は、モニター用PD303aから出力されたモニターPD出力を電圧に変換するとともにSUM出力と同程度のレベルとなるよう増幅する。
【0070】
なお、このようにモニターPD出力を用いて半導体レーザ303の出力を制御する場合には、上記透明体200における界面反射のために、PSD308に一定強度のサーボ光を導くことができない。しかし、この場合も、その時々の温度条件や半導体レーザ303の劣化状態等に適合するよう調整されたサーボ光がPSD308に導かれるため、SUM出力を用いる場合より精度が劣るものの、PSD308からの出力をもとに、目標領域におけるレーザ光の照射位置を検出可能である。
【0071】
なお、透明体200の表面には、反射防止膜等、界面反射を抑制する手段を配するのが望ましい。こうすると、透明体200の入射面200aと出射面200bにて反射されるサーボ光の割合を抑えることができる。このため、上記のようにモニターPD出力を用いて半導体レーザ303の出力を制御する場合にも、PSD308におけるサーボ光の受光量の変動を小さくすることができ、結果、位置検出信号に含まれる誤差を抑制することができる。
【0072】
過電流保護素子10は、過電流により熱せられると、素子内部の温度が上昇し抵抗値が上昇する素子である。過電流保護素子10は、電流をオフにすると、素子温度が下がり、元の抵抗値に戻るため、ヒューズのように過電流が流れて断線するごとに交換する必要はない。このように過電流保護素子10を配置すると、万一、電流調整回路8から過電流が出力された場合においても、過電流保護素子10の抵抗値が上昇するので、半導体レーザ303に過電流が流れるのを防ぐことができる。また、一度過電流保護がなされた場合にも、電流をオフにすれば、再度過電流保護機能を実現できる。なお、過電流保護素子10としては、たとえば、ポリスイッチ(タイコ・エレクトロニクス・コーポレイションの登録商標)等のポリマーPTC素子を用いることができる。
【0073】
以上のように、スイッチング回路6および過電流保護素子10を配置すると、PSD308に対するサーボ光の入射光量が極端に低下した場合においても、半導体レーザ303に過電流が流れることを防ぐことができる。
【0074】
図7は、スイッチング回路6の構成例を示す図である。SUM出力は、スイッチング回路6内の比較回路41により、閾値Vshと大小比較される。SUM出力が閾値Vshよりも大きいとき、選択回路42は端子42aを選択し、SUM出力をAPC用出力としてオペアンプ7へ出力する。一方、SUM出力が閾値Vshよりも小さいとき、選択回路42は端子42bを選択し、モニターPD出力をAPC用出力としてオペアンプ7へ出力する。
【0075】
かかるスイッチング回路6の動作により、SUM出力が極端に低下した場合においても、オペアンプ7に供給される電圧信号が極端に低下することはなく、結果、半導体レーザ303の損傷を回避することができる。
【0076】
以上、本実施の形態によれば、PSD308におけるサーボ光の受光光量が一定となるよう半導体レーザ303の出射パワーが調整されるため、ミラー113の回動に伴って透明体200が回動し、これに応じて透明体200の光入射面および光出射面にて反射されるサーボ光の割合が変化しても、PSD308に導かれるサーボ光の光量が略一定に保たれる。よって、PSD308から出力される位置検出信号の誤差を抑制することができ、目標領域におけるレーザ光の走査位置を精度良く検出することができる。
【0077】
また、何らかの原因で、PSD308の受光量が極端に低下した場合でも、サーボ光の出射パワーを上記のように制御することによって、半導体レーザ303に過電流が流れることを防ぐことができる。結果、半導体レーザ303の損傷を回避することができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も上記の他に種々の変更が可能である。
【0079】
たとえば、上記実施の形態では、サーボ光用の光源として半導体レーザを用いたが、これに替えて、LED(Light Emitting Diode)を用いることもできる。
【0080】
また、上記実施の形態では、サーボ光を受光する光検出器としてPSDを用いたが、図8に示す如く、光検出器として4分割センサ310を用いることもできる。この場合、サーボ光は、ミラー113が中立位置にあるときに、4分割センサ310の中央位置に照射される。また、ビームスポットのX方向位置とY方向位置は、図示の如く各センサからの出力信号をS1、S2、S3、S4とすると、たとえば次式から求められる。
【0081】
【数2】

【0082】
図8には、この算出式を実現する演算回路の構成が併せて示されている。各センサから出力される信号S1、S2、S3、S4は、アンプ51、52、53、54によって増幅される。そして、加算回路55、56、57、58によって、それぞれ、(S1+S2)、(S3+S4)、(S1+S4)、(S2+S3)の演算が行われ、また、減算回路59、60によって、それぞれ、(S1+S2)−(S3+S4)と(S1+S4)−(S2+S3)の演算が行われる。さらに、加算回路61によって、(S1+S2+S3+S4)の演算が行われる。そして、除算回路62、63によって、それぞれ、式(3)および式(4)の左辺の除算が行われ、この除算回路62、63から、X方向およびY方向におけるサーボ光の受光位置を示す位置検出信号(出力x、y)が出力される。
【0083】
なお、図8に示す如く、光検出器として4分割センサ310を用いる場合には、加算回路61からの出力信号を用いて、サーボ光のパワー調整が行われる。すなわち、加算回路61からの出力信号が、SUM出力として用いられ、図6のI/V変換回路3を介してスイッチング回路6に入力される。この場合も、上記の場合と同様、半導体レーザ303は、4分割センサ310に対するサーボ光の受光光量が略一定となるよう、出射パワーが調整される。これにより、上記と同様、透明体200の回動による位置検出信号の誤差を抑制することができ、目標領域におけるレーザ光の走査位置を精度良く検出することができる。また、何らかの原因で、PSD308の受光量が極端に低下した場合でも、上記と同様、半導体レーザ303の破壊を防ぐことができる。
【0084】
上記実施の形態では、図5に示すように、アンプ21〜24からの出力を加算してSUM出力を生成するようにしたが、たとえば、アンプ21、22からの出力を加算してSUM出力を生成するようにしても良く、あるいは、たとえば、アンプ23、24からの出力を加算してSUM出力を生成するようにしても良い。すなわち、SUM出力は、PSD308におけるサーボ光の受光光量を反映するものであれば良い。
【0085】
また、モニターPD出力を用いて半導体レーザ303のパワー調整を行う場合には、光量変動に応じた位置検出信号の誤差をDSP5において求め、この誤差に基づいて、検出結果を補正することもできる。
【0086】
また、上記実施の形態では、スイッチング回路6においてSUM出力が異常と判定された場合に、モニターPD出力が基準電圧Vrefに収束するよう半導体レーザ303の出力が制御されたが、これに替えて、半導体レーザ303の駆動電流が目標値となるように、半導体レーザ303の出力を制御することもできる。この場合、PSD308には一定強度のサーボ光を導くことができないが、上記と同様、半導体レーザ303の損傷を回避することができる。なお、このときの目標値として、たとえば、SUM出力を用いたパワー制御時(正常動作時)に半導体レーザ303に供給された駆動電流値を用いることができる。たとえば、サーボ光がPSD受光面の中央にある時に半導体レーザ303に供給された駆動電流値を所定時間間隔毎に取得しておき、SUM出力に異常が生じたときには、その直前または数回前に取得された駆動電流値を目標値として半導体レーザ303の出力を制御する。こうすると、そのときの温度条件や半導体レーザ303の劣化状態に略適合するよう半導体レーザ303の出力を調整することができる。
【0087】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施の形態に係るミラーアクチュエータの構成を示す図
【図2】実施の形態に係るビーム照射装置の光学系を示す図
【図3】実施の形態に係るビーム照射装置の光学系を示す図
【図4】実施の形態に係るPSDの構成を示す図
【図5】実施の形態に係る位置検出信号の生成方法を説明する図
【図6】実施の形態に係るパワー調整回路の構成を示す図
【図7】実施の形態に係るスイッチング回路の構成を示す図
【図8】実施の形態に係る光検出器の変更例を示す図
【図9】光屈折素子およびミラーを用いた位置検出方法を説明する図
【符号の説明】
【0089】
2 信号演算回路(パワー調整回路)
3 I/V変換回路(第1の調整系)
6 スイッチング回路(異常判定部)
7 オペアンプ(第1、第2の調整系)
8 電流調整回路(第1、第2の調整系)
10 過電流保護素子
11 I/V変換回路(第2の調整系)
31 加算回路(第1の調整系)
41 比較回路(異常判定部)
42 選択回路(異常判定部)
100 ミラーアクチュエータ
110 ミラーホルダ
112 支軸
113 ミラー(光学素子)
120 可動枠
130 固定枠
200 透明体(光屈折素子)
303 半導体レーザ(サーボ光源)
303a モニター用PD(第2の調整系)
308 PSD(光検出器)
310 4分割センサ(光検出器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標領域においてレーザ光を走査させるビーム照射装置において、
所定方向に回動されることによりレーザ光の進行方向を変化させる光学素子と、
前記光学素子を前記方向に回動させるアクチュエータと、
前記アクチュエータに配され前記光学素子の回動に伴って回動する光屈折素子と、
前記光屈折素子にサーボ光を照射するサーボ光源と、
前記光屈折素子によって屈折された前記サーボ光を受光してその受光位置に応じた信号を出力する第1の光検出器と、
前記サーボ光源の出射パワーを調整するパワー調整回路とを備え、
前記パワー調整回路は;
前記第1の光検出器からの出力信号に基づいて、前記第1の光検出器における前記サーボ光の受光光量が一定となるように前記出射パワーを調整する第1の調整系と、
前記第1の光検出器からの出力信号の異常を判定する異常判定部と、
前記異常が判定されたとき、前記第1の光検出器からの出力信号とは別の参照信号に基づいて、前記出射パワーを調整する第2の調整系とを備える、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の調整系は、前記第1の光検出器における前記サーボ光の総受光光量に応じた信号を生成する演算回路を備え、当該演算回路にて生成された信号に基づいて前記出射パワーを調整する、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記参照信号は、前記サーボ光の出射光量をモニターする第2の光検出器からの出力信号である、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項において、
前記サーボ光源に対する過電流を抑制する過電流保護素子をさらに備える、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項において、
前記光屈折素子は、平板形状の透光性部材である、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項において、
前記光学素子は、ミラーである、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項において、
前記アクチュエータは、
前記光学素子を第1の方向に回動可能に支持する第1の支持部と、
前記第1の支持部を前記第1の方向とは異なる第2の方向に回動可能に支持する第2の支持部と、
前記第1の支持部と前記第2の支持部を前記第1の方向および前記第2の方向に駆動する電磁駆動部とを有する、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項において、
前記光屈折素子は、前記光学素子を回動する回動軸に装着されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−48564(P2010−48564A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210438(P2008−210438)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(504464070)三洋オプテックデザイン株式会社 (315)
【Fターム(参考)】