説明

ビーム管理装置及びこれを備えたレーダ装置並びにビーム管理方法及びプログラム

【課題】 特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加した場合でも、他のAPAAの捜索性能を保ちながら、追尾目標に対する追尾ビームの照射頻度を維持する。
【解決手段】 ビーム管理装置10は、予め定められた捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールaを記憶する基本照射スケジュール記憶手段11と、APAAに割り当てられた追尾目標bを入力する追尾目標入力手段12と、割り当てられた追尾目標bの数が増加し、予め定められた追尾ビームの数を越えた場合に、捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を追尾ビームの照射に利用するように照射スケジュールcを算出する照射スケジュール算出手段13と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアクティブ・フェーズド・アレー・アンテナ(以下「APAA:Active Phased Array Antenna」という。)を備えるレーダ装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
同期型レーダ装置は、複数のAPAAを備え、所定の領域に対して周期的に照射する捜索ビーム、及び、特定の追尾目標に対して周期的に照射する追尾ビームを、各APAAから同時に照射することにより、複数目標の発見及び追尾を実施する。
【0003】
特許文献1には、APAAのビーム制御装置が開示されている。このビーム制御装置は、捜索シーケンス制御装置から入力する各捜索ビームに対して時間エネルギの過不足状況に応じて指示される最大探知距離を満たすために必要なビームパラメータを算出する探知距離選定型捜索ビームパラメータ算出器と、スケジューリング処理器にて単位時間内にビーム照射可能であると判定された捜索ビームを参照して捜索フレームタイムを求め、規定値と比較してその差分を求めるフレームタイムモニタと、フレームタイムモニタから入力する規定捜索フレームタイムと実フレームタイムとの差分から最大探知距離を選定し捜索ビームパラメータ算出器に送出する最大探知距離選定装置とを備えている。
【0004】
特許文献2には、レーダ装置に用いられるビーム管理方法が開示されている。そのレーダ装置は、複数のAPAAを近接して配し、各APAAから目標の捜索用及び追尾用のビームをそれぞれ照射することにより、複数目標の捜索及び追尾を実施する。そのビーム管理方法は、次のようなものである。目標捜索のためのビーム照射は、各APAAとも同一のパルス繰返し周期、送信パルス幅及び送信タイミングを用いる。目標追尾のためのビーム照射は、各APAAの追尾目標を同一のパルス繰返し周期種毎にグルーピングした後、各APAAのビームを同時に照射する。このとき、それぞれのパルス繰返し周期グループ内での最大距離の追尾目標を基準にして各APAAでの追尾目標の距離によって、各APAAの目標追尾用のビーム送信時間と追尾目標から反射信号を受信する受信時間とが相互に重ならないように、上記最大距離の追尾目標を追尾しているAPAAに対する各APAAの送信タイミングの遅れ時間を計算する。
【0005】
特許文献3には、特許文献2に記載の技術を改良した、APAAのビーム制御装置が開示されている。このビーム制御装置は、パルス繰返し周期の共通化による時間資源の消費のみではなく、ヒット数の共通化による時間資源の消費を考慮して同時ビーム照射する目標の組み合わせを選定することにより、無駄時間を抑え、追尾可能目標数を極力劣化させないようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−213653号公報(要約等)
【特許文献2】特許第2576249号公報(請求項1等)
【特許文献3】特開2006−258482号公報(要約等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、同期型レーダ装置は、所定の領域を周期的に照射する必要があるため、追尾ビームの照射に利用できる時間が制限されている。そのため、特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加し、追尾ビームの時間が不足した場合、追尾ビームの照射頻度が低下するという課題があった。
【0008】
一方、同期型でないレーザ装置、すなわち単一のAPAA又は干渉が発生しない複数のAPAAによって構成されるレーダ装置では、追尾目標が増加し、規定されている追尾ビームの時間が不足する場合、追尾ビームの照射頻度が低下する、という課題を解決するために様々な研究がなされている。特許文献1には、追尾目標の数に応じて捜索ビーム及び追尾ビームに利用する時間を調整することにより、上記課題に対処する技術が開示されている。しかし、同期型レーダ装置では、APAA間で電波干渉が発生してしまうことにより、各APAAが独立して捜索ビーム及び追尾ビームに利用する時間を決定することができないため、特許文献1の技術を利用することはできない。
【0009】
同期型レーダ装置において、規定されている追尾ビームの時間が不足しないよう、追尾ビームを有効活用するため、各APAAに割り当てられた追尾目標を追尾ビームの諸元に基づいてグループ化し、グループの目標に対して各APAAから同時に追尾ビームを照射する技術が、特許文献2及び特許文献3に開示されている。
【0010】
しかし、これらの技術では、捜索に利用する時間は一定不変であるため、更なる性能改善の余地がある。また、同期型レーダでは、全てのAPAAで同時にビーム照射を行うためAPAA間の電波干渉に考慮して、上記課題を解決しなくてはならない。
【0011】
そこで、本発明の目的は、特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加した場合でも、他のAPAAの捜索性能を保ちながら、追尾目標に対する追尾ビームの照射頻度を維持し得る、レーダ装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るビーム管理装置は、
捜索ビーム及び追尾ビームを照射する複数のAPAAに対して、前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる照射スケジュールを算出するビーム管理装置において、
予め定められた前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールを記憶する基本照射スケジュール記憶手段と、
前記APAAに割り当てられた追尾目標を入力する追尾目標入力手段と、
割り当てられた前記追尾目標の数が増加し、予め定められた前記追尾ビームの数を越えた場合に、前記捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する照射スケジュール算出手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るレーダ装置は、
捜索ビーム及び追尾ビームを照射し、目標からの反射信号を受信する複数のAPAAと、
これらのAPAAを送信信号に従って駆動し、前記APAAが受信した反射信号に基づいて受信信号を生成する送受信部と、
この送受信部が生成した前記受信信号に基づき追尾目標を前記APAAに割り当てる受信処理部と、
本発明に係るビーム管理装置としてのスケジューラと、
このスケジューラで算出された前記照射スケジュールに基づき前記APAAの位相データを算出して前記送受信部へ前記送信信号として出力するビームパラメータ算出部と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明に係るビーム管理方法は、
捜索ビーム及び追尾ビームを照射する複数のAPAAに対して、前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる照射スケジュールを算出するビーム管理方法において、
予め定められた前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールを記憶しておき、
前記APAAに割り当てられた追尾目標を入力し、
割り当てられた前記追尾目標の数が増加し、予め定められた前記追尾ビームの数を越えた場合に、前記捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明に係るビーム管理プログラムは、
捜索ビーム及び追尾ビームを照射する複数のAPAAに対して、前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる照射スケジュールを算出するためのビーム管理プログラムにおいて、
予め定められた前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールを記憶する基本照射スケジュール記憶手段と、
前記APAAに割り当てられた追尾目標を入力する追尾目標入力手段と、
割り当てられた前記追尾目標の数が増加し、予め定められた前記追尾ビームの数を越えた場合に、前記捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する照射スケジュール算出手段と、
をコンピュータに機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加した場合でも、他のAPAAの捜索性能を保ちながら、追尾目標に対する追尾ビームの照射頻度を維持することができる。その理由は、特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加し、追尾ビームの照射頻度を維持することが難しくなっても、特定のAPAAの捜索ビームの探索時間を短縮することにより、余剰時間を追尾ビームの照射に利用することができるためである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1[1]は本発明に係るビーム管理装置の一実施形態を示すブロック図であり、図1[2]は本発明に係るビーム管理方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図2】本発明に係るビーム管理プログラムの一実施形態におけるコンピュータを示すブロック図である。
【図3】本発明に係るレーダ装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】図3のレーダ装置におけるAPAAの基本照射スケジュールを示す図表である。
【図5】図3のレーダ装置における各ビームを示すタイミング図であり、図5[1]は補助追尾ビーム、図5[2]は捜索ビーム、図5[3]は捜索ビーム(パルス数半減)である。
【図6】図3のレーダ装置におけるスケジューラの動作を示すフロー図である。
【図7】図3のレーダ装置におけるスケジューラの動作を示す図表であり、図7[1]は基本照射スケジュールであり、図7[2]は算出された照射スケジュールである。
【図8】図3のレーダ装置におけるスケジューラの動作を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。図1[1]は、本発明に係るビーム管理装置の一実施形態を示すブロック図である。図1[2]は、本発明に係るビーム管理方法の一実施形態を示すフロー図である。図3は、本発明に係るビーム管理プログラムの一実施形態におけるコンピュータを示すブロック図である。以下、本実施形態のビーム管理装置、ビーム管理方法及びビーム管理プログラムについて、これらの図面に基づき説明する。
【0019】
本実施形態のビーム管理装置10は、捜索ビーム及び追尾ビームを照射する複数のAPAAに対して、捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる照射スケジュールcを算出するものである。ビーム管理装置10は、予め定められた捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールaを記憶する基本照射スケジュール記憶手段11と、APAAに割り当てられた追尾目標bを入力する追尾目標入力手段12と、割り当てられた追尾目標bの数が増加し、予め定められた追尾ビームの数を越えた場合に、捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を追尾ビームの照射に利用するように照射スケジュールcを算出する照射スケジュール算出手段13と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
ビーム管理装置10によれば、特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加した場合でも、他のAPAAの捜索性能を保ちながら、追尾目標に対する追尾ビームの照射頻度を維持することができる。その理由は、特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加し、追尾ビームの照射頻度を維持することが難しくなっても、特定のAPAAの捜索ビームの探索時間を短縮することにより、余剰時間を追尾ビームの照射に利用することができるためである。
【0021】
例えば、照射スケジュール算出手段13は、捜索ビームの諸元を調整することにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の追尾ビームの照射に利用するように照射スケジュールを算出する、としてもよい。更に具体的な一例を述べれば、照射スケジュール算出手段13は、捜索ビームのパルス数を減らすことにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を捜索ビームとパルス幅及びパルス繰り返し周期が同じ追尾ビームの照射に利用するように照射スケジュールを算出する。
【0022】
このとき、ビーム管理装置10によれば、特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加した場合、他のAPAAの捜索性能を保ちながら、追尾目標に対する追尾ビームの照射頻度を維持することができる。その理由は、特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加し、追尾ビームの照射頻度を維持することが難しくなっても、特定のAPAAの捜索ビームの諸元を調整することで探索時間を短縮し、余剰時間を他のAPAAの捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の追尾ビームの照射に利用することができるためである。
【0023】
本実施形態のビーム管理方法は、ビーム管理装置10の動作を方法の発明として捉えたものであり、次のステップからなる。予め定められた捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールaを記憶しておく(ステップ21)。APAAに割り当てられた追尾目標bを入力する(ステップ21)。割り当てられた追尾目標bの数が増加し、予め定められた追尾ビームの数を越えた場合に、捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を追尾ビームの照射に利用するように照射スケジュールcを算出する(ステップ23)。
【0024】
このとき、ステップ23において、捜索ビームの諸元を調整することにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の追尾ビームの照射に利用するように照射スケジュールcを算出する、としてもよい。更に具体的な一例を述べれば、ステップ23において、捜索ビームのパルス数を減らすことにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を捜索ビームとパルス幅及びパルス繰り返し周期が同じ追尾ビームの照射に利用するように照射スケジュールcを算出する。
【0025】
本実施形態のビーム管理プログラムは、ビーム管理装置10の各手段としてコンピュータ30を機能させるためのプログラムである。すなわち、本実施形態のビーム管理プログラムは、予め定められた捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールaを記憶する基本照射スケジュール記憶手段11と、APAAに割り当てられた追尾目標bを入力する追尾目標入力手段12と、割り当てられた追尾目標bの数が増加し、予め定められた追尾ビームの数を越えた場合に、捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を追尾ビームの照射に利用するように照射スケジュールcを算出する照射スケジュール算出手段13とを、コンピュータ30に機能させるためのプログラムである。
【0026】
コンピュータ30は、CPU31、ROM32、RAM33、入出力インタフェース34等からなる一般的なものでよい。本プログラム及び基本照射スケジュールaは、予めROM32に書き込まれていてもよいし、外部の記憶装置からRAM33に読み込んでもよい。CPU31は、ROM32又はRAM33から本プログラムを読み込み、解釈し、実行する。本プログラムは、非一時的な記録媒体(non-transitory storage medium)、例えば光ディスク、半導体メモリなどに記録されてもよい。その場合、本プログラムは、その記録媒体からコンピュータ30によって読み出され、コンピュータ30によって実行される。
【0027】
本実施形態のビーム管理方法及びビーム管理プログラムによっても、本実施形態のビーム管理装置と同様の作用及び効果を奏する。
【0028】
図3は、本発明に係るレーダ装置の一実施形態を示すブロック図である。以下、この図面に基づき説明する。
【0029】
本実施形態のレーダ装置100は、捜索ビーム及び追尾ビームを照射し、目標からの反射信号を受信する複数のAPAA101a,101bと、APAA101a,101bを送信信号に従って駆動し、APAA101a,101bが受信した反射信号に基づいて受信信号を生成する送受信部102a,102bと、送受信部102a,102bが生成した受信信号に基づき追尾目標109a〜109eをAPAA101a,101bに割り当てる受信処理部108と、図1[1]に示すビーム管理装置としてのスケジューラ106と、スケジューラ106で算出された照射スケジュールに基づきAPAA101a,101bの位相データを算出して送受信部102a,102bへ送信信号として出力するビームパラメータ算出部107a,107bと、を備えている。
【0030】
ここで、スケジューラ106は、図1[1]に示すビーム管理装置の一例に相当する。受信処理部108は、信号処理部103a,103bと、追尾処理部104と、追尾目標APAA割当処理部105とを有する。ビームパラメータ算出部107a,107b及び受信処理部108は、スケジューラ106とともに、プログラムによってコンピュータに実現させてもよい。以下、レーダ装置100について更に詳しく説明する。
【0031】
本実施形態のレーダ装置100は、APAA101a,101bと、送受信部102a,102bと、信号処理部103a,103bと、追尾処理部104と、追尾目標APAA割当処理部105と、スケジューラ106と、ビームパラメータ算出部107a,107bとを含んで構成される。これらの構成部分は概略つぎのように動作する。
【0032】
APAA101a,101bは、ビームパラメータ算出部107a,107bで算出された位相データをもとにビームを照射し、その反射信号を受信する。送受信部102a,102bは、受信信号を周波数変換及び位相検波する。信号処理部103a,103bは、受信信号に対してAD変換やパルス圧縮処理を行った後に目標検出処理を行い、目標プロットを含む観測情報を出力する。追尾処理部104は、観測情報をもとにGNN(Global Nearest Neighbor)法などで追尾目標と目標プロットとの相関処理を行った後、カルマンフィルタなどの追尾フィルタ処理を行い、追尾目標の位置や速度などの状態を更新する。追尾目標APAA割当処理部105は、追尾目標の状態をもとにAPAA101a,101bのどちらが当該追尾目標に対して追尾ビームを照射すべきかの割当計算を行う。これにより、各APAA101a,101bに、ビームを照射可能な位置に存在する追尾目標が割り当てられる。一つの追尾目標について複数のAPAAが割り当て可能である場合は、割り当てられている追尾目標の少ないAPAAが選択される。
【0033】
スケジューラ106は、APAA101a,101bの追尾目標割当と予め追尾ビーム及び捜索ビームの照射タイミングが入力されている基本照射スケジュールとに従い、APAA101a,101bの照射スケジュールを算出する。照射スケジュールは、各ビームの照射方向やパルス数、パルス幅、パルス繰り返し周期などを情報として含む。スケジューラ106は、APAA101a,101bが所定の捜索領域の捜索を完了する(1スキャン)までのスケジュールを算出し、スケジュールの実行が完了した場合に新しいスケジュールを算出する。ビームパラメータ算出部107a,107bは、照射スケジュールをもとに、それぞれAPAA101a,APAA101bの位相データを算出する。
【0034】
図4は、APAA101a,APAA101bの基本照射スケジュールを示す図表である。図5は、各ビームを示すタイミング図であり、図5[1]は補助追尾ビーム、図5[2]は捜索ビーム、図5[3]は捜索ビーム(パルス数半減)である。図6は、スケジューラ106の動作を示すフロー図である。図7は、スケジューラ106の動作を示す図表であり、図7[1]は基本照射スケジュールであり、図7[2]は算出された照射スケジュールである。図8は、スケジューラ106の動作を示すタイミング図である。以下、図3乃至図8を参照して、スケジューラ106の動作について詳細に説明する。
【0035】
スケジューラ106は、追尾目標割当と追尾ビーム及び捜索ビームの照射タイミング並びに一部の諸元が予め設定されている基本照射スケジュールとに従い、APAA101a,101bの照射スケジュールを算出する。
【0036】
図4に、APAA101a,101bの各基本照射スケジュールを示す。捜索ビームのビーム照射方向やパルス数、パルス幅、パルス繰り返し周期といったビーム諸元は予め基本照射スケジュールに定義されており、全ての捜索ビームのパルス数、パルス幅、パルス繰返し周期は等しく設定されている。基本追尾スロットは、割り当てられた追尾目標に対する追尾ビームの照射に利用される時間である。追尾ビームのビーム諸元は、追尾目標に対して最適となるように算出するため、基本照射スケジュールには含めない。追尾ビームによるAPAA101a,101b間の電波干渉を防ぐため、一方のAPAAが追尾ビームを照射している時間は、他のAPAAがビーム照射を行わないよう、スケジュールされている。
【0037】
基本照射スケジュールに予め入力されている基本追尾スロット数では、追尾ビームの照射頻度が維持できなくなると判断した場合、二つの連続した捜索ビームのパルス数を半減することで余剰時間を確保し、その余剰時間に補助追尾スロットを設けることで追尾ビームの照射頻度を維持するように動作する。補助追尾スロットは、基本追尾スロットと同じように、割り当てられた追尾目標に対する追尾ビームの照射に利用される時間である。補助追尾ビームは、捜索ビームと同じビーム諸元に設定するため、他のAPAAから捜索ビームを同時に照射しても電波干渉を起こさない。また、パルス数を半減した捜索ビームについても、パルス幅、パルス繰り返し周期は元々の捜索ビームと同じであるため、他の捜索ビームと同時に照射することが可能である。捜索ビームのパルス数を半減することで、得られる目標信号のSN比が低くなるものの、パルス繰り返し周期が同じであるため最大探知距離は変化しない。
【0038】
図5を参照して、補助追尾ビーム(図5[1])と捜索ビーム(図5[2])とパルス数を半減した捜索ビーム(図5[3])とを同時に照射しても電波干渉を起こさない理由を説明する。図示するように、各ビームは、パルス幅及びパルス繰り返し周期が等しいことにより、送信処理及び受信処理を同期させることが可能である。そのため、これらのビームを同時に照射しても、APAA101a,101b間で電波干渉が発生しない。
【0039】
図6にスケジューラ106の動作のフロー図を示す。スケジューラ106は、APAA101a,101bごとに本動作を実行する。
【0040】
まず、目標の追尾ビーム照射頻度を維持するために、1スキャン分のスケジュールにおいて必要となる必要追尾スロット数を、APAAに割り当てられた追尾目標の数と予め規定されている追尾データレート及びスキャン周期とから算出する(ステップ201)。続いて、基本照射スケジュールに予め入力されている基本追尾スロット数が必要追尾スロット数以上であるか否かを調べる(ステップ202)。これが真である場合は、基本追尾スロットだけで十分に追尾照射頻度を満足できるため、優先度が高い割当追尾目標から、追尾データレートに応じて基本追尾スロットに割り当てていく(ステップ203)。このとき、当該追尾目標に対する追尾ビームのビーム諸元を計算する。
【0041】
一方、ステップ202が偽である場合は、ステップ204に移行する。ステップ204では、前回までのステップ204で選択されていない連続した捜索ビーム2本をランダムに選択する(ステップ204)。続いて、ステップ204で選択された捜索ビームのパルス数を半減させ、捜索ビームの照射に必要な時間を2本の捜索ビームで1本の捜索ビーム分に短縮する(ステップ205)。これにより得た1ビーム分の余剰時間を、補助追尾スロットとする(ステップ206)。続いて、補助追尾スロットと基本追尾スロットとを足した数が必要追尾スロット数以上であるか否かを調べる(ステップ207)。ステップ207が真の場合はステップ203へ移行し、優先度が高い割当追尾目標から、追尾データレートに応じて基本追尾スロット及び補助追尾スロットに割り当てていく。補助追尾スロットに追尾目標が割り当てられた場合は、追尾目標に対する追尾ビームの照射方向を算出するが、パルス数、パルス幅やパルス繰り返し周期などの諸元は捜索ビームと同様の諸元を利用する。
【0042】
ステップ207が偽の場合は、次回のステップ204において選択可能な捜索ビームが残っているか否かを調べ(ステップ208)、真の場合はステップ204へ移行し、偽の場合はステップ203へ移行する。
【0043】
図7にステップ204、205及び206の動作の具体例を示す。図7[1]は基本照射スケジュールである。ステップ204において連続した捜索ビーム(7)及び捜索ビーム(8)が選択され、ステップ205において両捜索ビームの照射時間が合わせて1捜索ビーム分に短縮される。ステップ205において余剰時間に補助追尾スロットが追加されたものが、図7[2]に示す照射スケジュールである。
【0044】
図8にステップ203の動作の具体例を示す。ステップ203では優先度が高い割当追尾目標から、追尾データレートに応じて基本追尾スロット及び補助追尾スロットに割り当てていく。図8において、ある割当追尾目標に対する追尾スロットの割当動作を説明する。まず、基本追尾スロット501に割当が行われる。追尾データレートを考慮すると、次に基本追尾スロット503が割当の候補となるが、基本追尾スロット503には既に優先度の高い追尾目標が割り当てられているため、割り当てることができない。よって、補助追尾スロット504に割当が行われる。この処理を繰り返し、1スキャン分の割当を決定する。
【0045】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、同期型APAAレーダ装置において特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加した場合でも、他のAPAAの捜索性能を保ちながら、追尾目標に対する追尾ビームの照射頻度を維持することができる。その理由は、特定のAPAAに割り当てられた追尾目標が増加し、追尾ビームの照射頻度を維持することが難しくなった場合、特定のAPAAの捜索ビームの諸元を調整することで探索時間を短縮し、その余剰時間を、APAAの捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の補助追尾ビームを照射することに利用できるためである。
【0046】
以上のように、本実施形態のレーダ装置は、近接した複数のAPAAを備え、各APAAで同時にビームを照射し、複数の目標の捜索及び追尾を行うレーダ装置(同期型APAAレーダ装置)において、各APAAにおいては、割り当てられた追尾目標数に応じて捜索ビームの諸元を調整することで探索時間を短縮し、余剰時間を捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の追尾ビームの照射に利用することを特徴とする。同期型APAAレーダ装置の各APAAにおいては、割り当てられた追尾目標数が増加し、規定の追尾ビーム(基本追尾ビーム)だけでは必要な追尾ビーム照射頻度を満たせなくなった場合、捜索ビームの諸元を調整することで探索時間を短縮し、余剰時間を捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の追尾ビーム(補助追尾ビーム)の照射に利用することでビーム照射頻度を維持する。
【0047】
上記実施形態では二つのAPAAを備える同期型APAAレーダ装置について記述したが、これをN個のAPAAに拡張することは容易である(Nは3以上の整数である。)。
【0048】
上記実装形態では追尾データレートを固定値として扱っているが、追尾目標の諸元に応じて追尾データレートを算出することで、より効果的なビームの照射が可能になる。例えば遠方の追尾目標を追尾するためには低い追尾データレートで十分であるが、近距離の追尾目標を追尾するためには高い追尾データレートが望ましい。この場合、必要追尾スロット数は、スキャン周期を各追尾目標の追尾データレートで割った値を合計した値となる。
【0049】
上記実装形態では捜索ビームのパルス数を半減させて生じた余剰時間を補助追尾スロットに割り当てているが、パルス数は任意に調整可能である。例えば3つの連続した捜索ビームを選択し、パルス数を3分の1にして余剰時間を更に多く確保することができる。
【0050】
上記実装形態ではパルス数を半減する捜索ビームをランダムに選択しているが、目標の出現率が高い領域を照射する捜索ビームなどは選択対象から外すことで、実質的に目標の探知性能をほとんど低下させないで補助追尾ビームを追加することができる。
【0051】
上記実装形態では1スキャンごとに、パルス数を半減する捜索ビームをランダムに決定しているが、前回のスキャンにおけるパルス数削減の履歴を記憶しておき、同じ領域を照射する捜索ビームが選択されないようにすることで、捜索性能を均一化することができる。
【0052】
上記実装形態では基本追尾スロット及び補助追尾スロットを区別せずに追尾目標を割り当てているが、追尾目標のRCS(Radar Cross Section)を推定し、補助追尾ビームでは十分なSN比が得られないと予想される追尾目標については優先的に基本追尾スロットを割り当てることで、より追尾精度を高くすることができる。
【0053】
以上、上記実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。
【0054】
上記の実施形態の一部又は全部は以下の付記のようにも記載され得るが、本発明は以下の構成に限定されるものではない。
【0055】
[付記1]捜索ビーム及び追尾ビームを照射する複数のAPAAに対して、前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる照射スケジュールを算出するビーム管理装置において、
予め定められた前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールを記憶する基本照射スケジュール記憶手段と、
前記APAAに割り当てられた追尾目標を入力する追尾目標入力手段と、
割り当てられた前記追尾目標の数が増加し、予め定められた前記追尾ビームの数を越えた場合に、前記捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する照射スケジュール算出手段と、
を備えたことを特徴とするビーム管理装置。
【0056】
[付記2]付記1記載のビーム管理装置において、
前記照射スケジュール算出手段は、
前記捜索ビームの諸元を調整することにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理装置。
【0057】
[付記3]付記2記載のビーム管理装置において、
前記照射スケジュール算出手段は、
前記捜索ビームのパルス数を減らすことにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームとパルス幅及びパルス繰り返し周期が同じ前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理装置。
【0058】
[付記4]捜索ビーム及び追尾ビームを照射し、目標からの反射信号を受信する複数のAPAAと、
これらのAPAAを送信信号に従って駆動し、前記APAAが受信した反射信号に基づいて受信信号を生成する送受信部と、
この送受信部が生成した前記受信信号に基づき追尾目標を前記APAAに割り当てる受信処理部と、
付記1乃至3のいずれか一つに記載のビーム管理装置としてのスケジューラと、
このスケジューラで算出された前記照射スケジュールに基づき前記APAAの位相データを算出して前記送受信部へ前記送信信号として出力するビームパラメータ算出部と、
を備えたことを特徴とするレーダ装置。
【0059】
[付記5]捜索ビーム及び追尾ビームを照射する複数のAPAAに対して、前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる照射スケジュールを算出するビーム管理方法において、
予め定められた前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールを記憶しておき、
前記APAAに割り当てられた追尾目標を入力し、
割り当てられた前記追尾目標の数が増加し、予め定められた前記追尾ビームの数を越えた場合に、前記捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
を備えたことを特徴とするビーム管理方法。
【0060】
[付記6]付記5記載のビーム管理方法において、
前記照射スケジュールを算出する際に、
前記捜索ビームの諸元を調整することにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理方法。
【0061】
[付記7]付記6記載のビーム管理方法において、
前記照射スケジュールを算出する際に、
前記捜索ビームのパルス数を減らすことにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームとパルス幅及びパルス繰り返し周期が同じ前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理方法。
【0062】
[付記8]捜索ビーム及び追尾ビームを照射する複数のAPAAに対して、前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる照射スケジュールを算出するためのビーム管理プログラムにおいて、
予め定められた前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールを記憶する基本照射スケジュール記憶手段と、
前記APAAに割り当てられた追尾目標を入力する追尾目標入力手段と、
割り当てられた前記追尾目標の数が増加し、予め定められた前記追尾ビームの数を越えた場合に、前記捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する照射スケジュール算出手段と、
をコンピュータに機能させるためのビーム管理プログラム。
【0063】
[付記9]付記8記載のビーム管理プログラムにおいて、
前記照射スケジュール算出手段は、
前記捜索ビームの諸元を調整することにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理プログラム。
【0064】
[付記10]付記9記載のビーム管理プログラムにおいて、
前記照射スケジュール算出手段は、
前記捜索ビームのパルス数を減らすことにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームとパルス幅及びパルス繰り返し周期が同じ前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、移動物体(例えば航空機、衛星、スペースデブリ、車両、船舶など)の追尾を行うレーダ装置などに利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
10 ビーム管理装置
11 基本照射スケジュール記憶手段
12 追尾目標入力手段
13 照射スケジュール算出手段
a 基本照射スケジュール
b 追尾目標
c 照射スケジュール
30 コンピュータ
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 入出力インタフェース
100 レーダ装置
101a,101b APAA
102a,102b 送受信部
103a,103b 信号処理部
104 追尾処理部
105 追尾目標APAA割当処理部
106 スケジューラ(ビーム管理装置)
107a,107b ビームパラメータ算出部
108 受信処理部
109a〜109e 追尾目標

【特許請求の範囲】
【請求項1】
捜索ビーム及び追尾ビームを照射する複数のAPAAに対して、前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる照射スケジュールを算出するビーム管理装置において、
予め定められた前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールを記憶する基本照射スケジュール記憶手段と、
前記APAAに割り当てられた追尾目標を入力する追尾目標入力手段と、
割り当てられた前記追尾目標の数が増加し、予め定められた前記追尾ビームの数を越えた場合に、前記捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する照射スケジュール算出手段と、
を備えたことを特徴とするビーム管理装置。
【請求項2】
請求項1記載のビーム管理装置において、
前記照射スケジュール算出手段は、
前記捜索ビームの諸元を調整することにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理装置。
【請求項3】
請求項2記載のビーム管理装置において、
前記照射スケジュール算出手段は、
前記捜索ビームのパルス数を減らすことにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームとパルス幅及びパルス繰り返し周期が同じ前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理装置。
【請求項4】
捜索ビーム及び追尾ビームを照射し、目標からの反射信号を受信する複数のAPAAと、
これらのAPAAを送信信号に従って駆動し、前記APAAが受信した反射信号に基づいて受信信号を生成する送受信部と、
この送受信部が生成した前記受信信号に基づき追尾目標を前記APAAに割り当てる受信処理部と、
請求項1乃至3のいずれか一つに記載のビーム管理装置としてのスケジューラと、
このスケジューラで算出された前記照射スケジュールに基づき前記APAAの位相データを算出して前記送受信部へ前記送信信号として出力するビームパラメータ算出部と、
を備えたことを特徴とするレーダ装置。
【請求項5】
捜索ビーム及び追尾ビームを照射する複数のAPAAに対して、前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる照射スケジュールを算出するビーム管理方法において、
予め定められた前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールを記憶しておき、
前記APAAに割り当てられた追尾目標を入力し、
割り当てられた前記追尾目標の数が増加し、予め定められた前記追尾ビームの数を越えた場合に、前記捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
を備えたことを特徴とするビーム管理方法。
【請求項6】
請求項5記載のビーム管理方法において、
前記照射スケジュールを算出する際に、
前記捜索ビームの諸元を調整することにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理方法。
【請求項7】
請求項6記載のビーム管理方法において、
前記照射スケジュールを算出する際に、
前記捜索ビームのパルス数を減らすことにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームとパルス幅及びパルス繰り返し周期が同じ前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理方法。
【請求項8】
捜索ビーム及び追尾ビームを照射する複数のAPAAに対して、前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる照射スケジュールを算出するためのビーム管理プログラムにおいて、
予め定められた前記捜索ビーム及び追尾ビームの照射タイミングからなる基本照射スケジュールを記憶する基本照射スケジュール記憶手段と、
前記APAAに割り当てられた追尾目標を入力する追尾目標入力手段と、
割り当てられた前記追尾目標の数が増加し、予め定められた前記追尾ビームの数を越えた場合に、前記捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する照射スケジュール算出手段と、
をコンピュータに機能させるためのビーム管理プログラム。
【請求項9】
請求項8記載のビーム管理プログラムにおいて、
前記照射スケジュール算出手段は、
前記捜索ビームの諸元を調整することにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームと電波干渉を起こさない諸元の前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理プログラム。
【請求項10】
請求項9記載のビーム管理プログラムにおいて、
前記照射スケジュール算出手段は、
前記捜索ビームのパルス数を減らすことにより当該捜索ビームの照射に要する時間を短縮し、余った時間を前記捜索ビームとパルス幅及びパルス繰り返し周期が同じ前記追尾ビームの照射に利用するように前記照射スケジュールを算出する、
ことを特徴とするビーム管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−202913(P2012−202913A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69725(P2011−69725)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】