ピストン点検ゲージ
【課題】ピストンリングの合口の計測、ガス逃がし溝深さの計測、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測を一つの用具又は治具で計測する。
【解決手段】本尺10の一端部にピストンリング4の合口寸法を計測するための物指し11をT字状になるように軸支し、前記本尺10の外側に本尺の長手方向にスライド可能な副尺12を嵌合し、該副尺の反物指し側にピストンリング溝34とピストンリング4の隙間35およびピストンリング4のガス逃がし溝9の深さを計測するための計測棒13を設けた。
【解決手段】本尺10の一端部にピストンリング4の合口寸法を計測するための物指し11をT字状になるように軸支し、前記本尺10の外側に本尺の長手方向にスライド可能な副尺12を嵌合し、該副尺の反物指し側にピストンリング溝34とピストンリング4の隙間35およびピストンリング4のガス逃がし溝9の深さを計測するための計測棒13を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ直径が概ね400mm以上の内燃機関、例えば、シリンダ直径が概ね400mm以上のクロスヘッド型ディーゼル機関のピストンに用いられているピストンリングの合口の計測、ガス逃がし溝深さの計測、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測に使用するピストン点検ゲージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型ディーゼル機関は、機関の状態を観察しながら、適宜、整備して運転される。整備の際には、摩耗した部品の交換などを行う。このため、部品の摩耗状態を計測して、摩耗が限界に達する時期を知らねばならない。
【0003】
ピストンおよびピストンリングの関する計測すべき項目は、次の箇所である。(a)ピストンリングの半径方向の摩耗、(b)ピストンに設けられたピストンリング溝の上下方向の摩耗(ここで、上下方向とは、シリンダライナの中心軸に沿った方向である。)、ピストンリングの半径方向の摩耗が限界に達した場合は、ピストンリングを交換する。また、ピストンリング溝の摩耗が限界に達した場合は、ピストンリング溝の表面のコーティングを補修する。
【0004】
シリンダ直径が概ね400mm以上のクロスヘッド型ディーゼル機関のピストンを抜き出して整備する間隔は、通常、ピストンリングの摩耗、若しくは、ピストンリング溝の摩耗によって決まる。これらの摩耗が限界に達した場合は、ピストンを抜き出して部品交換、あるいは補修を行う。ピストンを抜き出して計測するには、多くの手間がかかるので、通常は、ピストンを抜き出さずに、以下の方法によってピストンリングの状態を観察する。
【0005】
シリンダライナーに掃気ポートを持つ大型の2サイクル機関は、機関をゆっくりと回転させ、ピストンリングを掃気ポートの部分に合わせると、機関を分解しなくてもシリンダの外部からピストンリングを観察することができる。通常、大型の2サイクル機関は、シリンダライナの外側が掃気溜めとなっているが、機関が大型であるために、人が掃気溜めに入ることが可能である。
【0006】
点検の際は、掃気溜めの蓋を開いて人が中に入り、機関をゆっくりと回転させてピストンリングを掃気ポートに合わせる。この結果、掃気ポートをピストンリングの覗き窓として使用することができる。この状態で、ピストンリング合口、あるいはガス逃がし溝を計測してピストンリング摩耗を算出する。また、ピストンリングとピストンリング溝の間の隙間を計測することによってピストンリング溝摩耗を算出する。
【0007】
尚、通常、ピストンリング溝の摩耗は、主として、ピストンリング溝の下面側に発生する。摩耗したピストンリングは、通常、再使用せず、破棄される。ピストンのピストンリング溝は、通常、メッキが施されているので、摩耗した場合は、再メッキを行って補修する。これらの補修は、定期整備の際に、ピストンを抜き出して行う。
【0008】
従来、ピストンリングの合口の計測は、合口が掃気ポートから観察できるときに、物指しによって計測し、ガス逃がし溝深さの計測は、ノギスによって計測し、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測は、隙間ゲージによって計測していたので、物指しと、ノギスと、隙間ゲージの3種類の計測用具を持参して計測を実施しなければならない。
【0009】
また、ピストンリングとピストンリング溝の隙間を計測する隙間ゲージは、予め、決まった厚さに加工された金属板であり、これがピストンリングとピストンリング溝の隙間に入るか入らないかで計測を行う。この場合、様々な厚さの金属板をピストンリングとピストンリング溝の隙間に差し込んで試行錯誤によって隙間を計測するので、時間が余分にかかる。
【0010】
ピストンリングの合口の計測のためには、掃気ポートに入るような短い物指しを作り、これを合口に当てて計測する。しかし、掃気ポートは、狭いので、手で物指しを当てることができないため、物指しに柄を付けなければ当てられない。また、掃気ポートは、シリンダライナの半径に対して角度を持っていることが多いので、合口が掃気ポートの隅の方にある場合、通常の矩形の物指しでは、計測できないことがある。
【0011】
尚、ピストンを抜き出してシリンダの内径を計測する測定子としては、例えば、特許文献1が知られている。また、現場でピストンリングの合口を測定するノギス、或いは計測器として、特許文献2及び3が知られている。
【0012】
しかし、特許文献2及び3は、いずれも合口を計測することに特化しており、合口以外のガス逃がし溝深さ、或いはピストンリングとピストンリング溝の隙間を測定するには、他の測定器が必要になる。狭い現場で効率的に作業するためには、全てを一つの機具で測定することが望ましい。
【特許文献1】特開平11−248402号公報
【特許文献2】実開平63−203号公報
【特許文献3】実開平63−111603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、ピストンリングの合口の計測、ガス逃がし溝深さの計測、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測を一つの用具又は治具で計測することができるピストン計測ゲージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願の請求項1に係るピストン計測ゲージは、本尺の一端部にピストンリングの合口寸法を計測するための物指しをT字状になるように軸支し、前記本尺の外側に本尺の長手方向にスライド可能な副尺を嵌合し、該副尺の反物指し側にピストンリング溝とピストンリングの隙間およびピストンリングのガス逃がし溝の深さを計測するための計測棒を設けたものである。
【0015】
本願の請求項2に係るピストン計測ゲージは、請求項1において、ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、本尺に回動可能に取り付けたものである。
【0016】
本願の請求項3に係るピストン計測ゲージは、請求項1又は2において、ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、計測面側が反計測面側より大きい台形状に形成したものである。
【0017】
本願の請求項4に係るピストン計測ゲージは、請求項1において、計測棒の先端をテーパー状にしたものである。
【発明の効果】
【0018】
本願の請求項1に係る発明は、本尺の一端部にピストンリングの合口寸法を計測するための物指しをT字状になるように軸支し、前記本尺の外側に本尺の長手方向にスライド可能な副尺を嵌合し、該副尺の反物指し側にピストンリング溝とピストンリングの隙間およびピストンリングのガス逃がし溝の深さを計測するための計測棒を設けたので、一台のゲージでピストンリングの合口長さ、ピストンリング溝とピストンリングの隙間およびピストンリングのガス逃がし溝の深さを計測することができるようになった。このため、ピストンリングの合口長さ、ピストンリング溝とピストンリングの隙間およびピストンリングのガス逃がし溝の深さを精度良く、且つ、容易に計測するできるようになった。
【0019】
本願の請求項2に係る発明は、請求項1において、ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、本尺に回動可能に取り付けたので、合口の位置が人の手の入れ難い箇所にあったとしても、合口に物指しをぴったり当てることができ、容易に合口寸法を計測し得る。
【0020】
本願の請求項3に係る発明は、ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、計測面側が反計測面側より大きい台形状に形成したので、角度を持ったポートの隅の方に合口がある場合でも、物指しを合口に当てることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
【0022】
図1に示すように、シリンダライナ2に掃気ポート3を持つ大型2サイクル機関、例えば、シリンダ直径が概ね400mm以上のクロスヘッド型ディーゼル機関1は、機関をゆっくりと回転させ、ピストンリング4を掃気ポート3の部分に合わせると、シリンダの外部から掃気ポート3を通してピストンリング4を観察することができる。
【0023】
機関が大型である場合、人が掃気溜めに入ることが可能である。点検の際は、掃気溜め蓋を開いて人が中に入り、機関をゆっくりと回転させてピストンリング4を掃気ポート3の部分に合わせて観察、あるいは計測を行う。このとき、掃気ポート3からピストンリング4の合口8(図2(a),(b)参照。)、あるいはガス逃がし溝9(図2(a),(c)参照。)が観察できることがある。符号6はピストン、7は排気バルブを示している。
【0024】
ガス逃がし溝9は、図2(a)に示すように、ピストンリング4の複数箇所個に設けられている。ピストンリング4は、B矢視図(図2(b))のように、ガスタイト合口(合口が重なっていてガスがそこから漏れないようになっている。)となっている。A矢視図(図2(c))に示すように、ガス逃がし溝9は、斜めに切ってあることが多い。
【0025】
ガス逃がし溝9の機能は、ここからガスを意図的に逃がし、ピストンリングの差圧を制御することである。ピストンリングのシール性が良いと、ピストンリング上下の差圧が高くなり、その結果、ピストンリングは、強い力でシリンダライナに押し付けられる。このため、ピストンリングの摩耗が増大する。わざわざ合口をタイトにしながら、一方で、ガスを逃がす目的は、次の二つである。
【0026】
(A)通常の合口は摩耗によって広がるので、摩耗によりガスの漏れ量も増えてしまう。
(B)合口の一箇所からガスを漏らすと、高温のガスがその下のピストンリングの合口の直下を加熱し、局部的に高温となるため、ピストンリングが痛む。ガスの漏れる箇所を分散することにより、直下のピストンリングの温度を均一化でき、損傷を少なくすることができる。
【0027】
先ず、ピストンリングの半径方向の摩耗量を合口寸法から求める方法について説明する。
【0028】
掃気ポート3からピストンリング4の合口8が観察できる場合、合口8の寸法を計測する。この結果、次の方法によってピストンリング4の半径方向の摩耗を知ることができる。
【0029】
今、
L0:新品のシリンダライナに新品のピストンリングを装着したときの合口寸法(mm )
L1:計測された合口寸法(mm)
R0:シリンダライナの新品時の半径(mm)
R1:シリンダライナの計測時のピストンリングが接触している部分の半径(mm)
T0:ピストンリングの新品時の半径方向厚み(mm)
T1:ピストンリングの計測時の半径方向厚み(mm)
とすると、ピストンリング4の半径方向摩耗量Wr(mm)は、次式で示される。
Wr=T1−T0
【0030】
また、シリンダライナ2の半径方向摩耗量W1(mm)は、次の式で示される。
W1=R1−R0
【0031】
合口寸法の変化L1−L0は、ピストンリング4およびシリンダライナ2の半径方向の摩耗量と、次の関係がある。
L1−L0=2π(Wr+W1)
【0032】
上記L0は、計算値から求められる。通常、掃気ポート3の部分では、シリンダライナ2の摩耗量は小さく、無視することができるので、W1を無視し、
L1−L0=2πWr
と考えることができる。
【0033】
従って、ピストンリング4の半径方向摩耗量Wrは、「掃気ポート部分における」L1を知ることにより、以下のように求められる。
Wr=(L1−L0)/2π
【0034】
なお、厳密に云えば、L1,L0は、円周方向に沿った長さ(弧)となるが、合口寸法は、シリンダ半径に比べて小さいので、円周方向に沿った長さ(弧)と、計測された合口寸法の長さ(弦)は、ほぼ等しいと見做すことができる。
【0035】
次に、ピストンリングの半径方向の摩耗量をガス逃がし溝深さから求める方法を説明する。
【0036】
掃気ポート3からガス逃がし溝9が観察できる場合、図4に示すように、ガス逃がし溝9の深さg0を計測することによってピストンリング4の半径方向の摩耗Wrを求めることができる。ガス逃がし溝9は、ピストンリング4が摩耗するにしたがって浅くなる。ガス逃がし溝深さの変化(「g0−g1」)がピストンリング4の半径方向の摩耗量Wrに相当する。図4において、新品時のガス逃がし溝の深さg0および摩耗後のガス逃がし溝深さg1を知ることによってピストンリングの半径方向の摩耗量Wrを求めることができる。
【0037】
更に、ピストンリング溝の摩耗量を求める方法を説明する。
【0038】
ピストンリング溝34の摩耗量は、図5に示すように、ピストンリング溝34とピストンリング4の間の隙間を計測することによって求められる。
【0039】
今、
H0:新品時のピストンリング溝の高さ(mm)
H1:計測時のピストンリング溝の高さ(mm)
h0:新品時のピストンリングの高さ(mm)
h1:計測時のピストンリングの高さ(mm)
とすると、新品のピストンリング溝に新品時のピストンリングを装着した場合の隙間d0(mm)は、次式で示される。
d0=H0−h0
【0040】
また、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測値d1(mm)は、次式で示される。
d1=H1−h1
【0041】
更に、ピストンリング溝34の上下方向寸法と、ピストンリング4の上下方向寸法に対するピストンリング溝摩耗およびピストンリング上下方向摩耗の関係は、ピストンリング4の上下方向の摩耗量をWb(mm)、ピストンリング溝34の上下方向の摩耗量をWgとすると、次式で示される。
d1−d0=Wb+Wg
【0042】
大型2サイクル機関においては、ピストンリングの上下方向の摩耗量Wbは、通常、小さいので、これを無視し、
d1−d0=Wg
と考えることができる。
【0043】
従って、ピストンリング溝の上下方向の摩耗量Wgは、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測値d1により、以下の式で求められる。
Wg=d1−d0
【0044】
次に、合口の計測、ガス逃がし溝深さの計測、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測をひとつの要具で実施できるように一体化したピストン点検ゲージを説明する。
【0045】
図6に示すように、ピストン点検ゲージ50は、本尺10の一端部に物指し11をT字状になるように取り付けている。物指し11は、本尺10に軸支され、本尺10に対して任意の向き及び角度に回動させた状態で固定できるようになっている。図中、15はボルト、16はちょうナットである。
【0046】
物指し11の形状は、矩形状でも差し障りがないが、図のように、台形状にした方が使い易い。そして、計測面側にメートル法に基づく目盛り線17を設けている。物指し11の長さは、掃気ポートに差し込めるような短い長さ(例えば、30〜50mm程度。)とする。この物指し11を合口に当てて合口寸法L1を計測する。その時、本尺10は、物指し11の柄を兼ねる。
【0047】
これにより、合口の位置が人の手の入れ難い箇所にあったとしても、図11に示すように、本尺10を斜めに掃気ポート3に入れ、物指し11を回転させて物指し11が合口8に沿う方向に固定して、合口8に物指し11をぴったり当てることができ、容易に合口寸法を計測し得る。
【0048】
掃気ポート3は、シリンダ中心Oに対して角度を持っている場合がある。図11は、このような場合で、掃気ポート3は、シリンダ半径方向に対して符号39で示した角度を持っている。本ゲージでは、物指し11は、計測する側が広い台形となっているので、角度を持ったポートの隅の方に合口8がある場合でも、物指し11を合口8に当てることが可能である。矩形の物指しの場合は、ポートの壁と物指しとが干渉して物指しを合口に当てられないことがある。
【0049】
更に、本尺10は、その外側に本尺10の長手方向にスライド可能な副尺12を嵌合させている。副尺12は、図8に示すように、反物指し側に角棒状の計測棒としてのデブスバー13を設けている。デブスバー13は、先端18を楔状に加工している。このデブスバー13の先端18をガス逃がし溝9の底部に差し込んだ後、本尺10の端部又は端面19をピストンリング表面に当てることによってガス逃がし溝9の深さを計測する。
【0050】
副尺12の上面には、副尺12の長手方向に沿って設けた開口部20の両側に庇状部21が設けられ、その一方の庇状部21に、ノギスと同様に、本尺10の目盛り線22と合わせることによって本尺10の最小目盛の十分の一から二十分の一までの寸法を読み取ることができるような目盛り線23を設けている。なお、副尺12の側面に締付ねじ(図示せず)を設けて副尺12を本尺10に対して一時的に固定できるようにすると、ゲージの出し入れ時の副尺12のズレを防ぐことができる。
【0051】
更に、デブスバーによるピストンリング溝隙間の計測を説明する。
【0052】
この場合、図10に示すように、デブスバー13をピストンリング溝34とピストンリング4の隙間35に挿入し、デブスバー13が入った深さを読み取ることによってピストンリング4とピストンリング溝34の隙間d1を計測することができる。
【0053】
先ず、図10に示すように、デブスバー13を隙間35内にいっぱい押込む。次に、本尺10の端部又は端面19をピストンリング4の表面に押し当てて副尺の位置をノギスの要領で読み取ることによってデブスバー13が挿入された深さDtを読み取る。この結果、次の式により、隙間d1が求められる。
d1=Dt(a1−a0)/b+a0
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】大型2サイクル機関の要部を示す断面図である。
【図2】(a)図1の大型2サイクル機関の要部の横断面図、(b)図2(a)のB矢視図、(c)図2(a)のA矢視図である。
【図3】合口寸法と摩耗量との関係を示す平面図である。
【図4】図2(a)のC部詳細図である。
【図5】ピストンリング溝の上下方向寸法と、ピストンリングの上下方向寸法に対するピストンリング溝摩耗およびピストンリング上下方向摩耗の関係を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係るピストン点検ゲージの平面図である。
【図7】本発明に係るピストン点検ゲージの側面図である。
【図8】図6のX−X断面図である。
【図9】図6のY−Y断面図である。
【図10】ピストンリング溝隙間計測方法を示す図である。
【図11】合口寸法計測方法を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
4 ピストンリング
9 ガス逃がし溝
10 本尺
11 物指し
12 副尺
13 計測棒
34 ピストンリング溝
35 隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ直径が概ね400mm以上の内燃機関、例えば、シリンダ直径が概ね400mm以上のクロスヘッド型ディーゼル機関のピストンに用いられているピストンリングの合口の計測、ガス逃がし溝深さの計測、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測に使用するピストン点検ゲージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
大型ディーゼル機関は、機関の状態を観察しながら、適宜、整備して運転される。整備の際には、摩耗した部品の交換などを行う。このため、部品の摩耗状態を計測して、摩耗が限界に達する時期を知らねばならない。
【0003】
ピストンおよびピストンリングの関する計測すべき項目は、次の箇所である。(a)ピストンリングの半径方向の摩耗、(b)ピストンに設けられたピストンリング溝の上下方向の摩耗(ここで、上下方向とは、シリンダライナの中心軸に沿った方向である。)、ピストンリングの半径方向の摩耗が限界に達した場合は、ピストンリングを交換する。また、ピストンリング溝の摩耗が限界に達した場合は、ピストンリング溝の表面のコーティングを補修する。
【0004】
シリンダ直径が概ね400mm以上のクロスヘッド型ディーゼル機関のピストンを抜き出して整備する間隔は、通常、ピストンリングの摩耗、若しくは、ピストンリング溝の摩耗によって決まる。これらの摩耗が限界に達した場合は、ピストンを抜き出して部品交換、あるいは補修を行う。ピストンを抜き出して計測するには、多くの手間がかかるので、通常は、ピストンを抜き出さずに、以下の方法によってピストンリングの状態を観察する。
【0005】
シリンダライナーに掃気ポートを持つ大型の2サイクル機関は、機関をゆっくりと回転させ、ピストンリングを掃気ポートの部分に合わせると、機関を分解しなくてもシリンダの外部からピストンリングを観察することができる。通常、大型の2サイクル機関は、シリンダライナの外側が掃気溜めとなっているが、機関が大型であるために、人が掃気溜めに入ることが可能である。
【0006】
点検の際は、掃気溜めの蓋を開いて人が中に入り、機関をゆっくりと回転させてピストンリングを掃気ポートに合わせる。この結果、掃気ポートをピストンリングの覗き窓として使用することができる。この状態で、ピストンリング合口、あるいはガス逃がし溝を計測してピストンリング摩耗を算出する。また、ピストンリングとピストンリング溝の間の隙間を計測することによってピストンリング溝摩耗を算出する。
【0007】
尚、通常、ピストンリング溝の摩耗は、主として、ピストンリング溝の下面側に発生する。摩耗したピストンリングは、通常、再使用せず、破棄される。ピストンのピストンリング溝は、通常、メッキが施されているので、摩耗した場合は、再メッキを行って補修する。これらの補修は、定期整備の際に、ピストンを抜き出して行う。
【0008】
従来、ピストンリングの合口の計測は、合口が掃気ポートから観察できるときに、物指しによって計測し、ガス逃がし溝深さの計測は、ノギスによって計測し、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測は、隙間ゲージによって計測していたので、物指しと、ノギスと、隙間ゲージの3種類の計測用具を持参して計測を実施しなければならない。
【0009】
また、ピストンリングとピストンリング溝の隙間を計測する隙間ゲージは、予め、決まった厚さに加工された金属板であり、これがピストンリングとピストンリング溝の隙間に入るか入らないかで計測を行う。この場合、様々な厚さの金属板をピストンリングとピストンリング溝の隙間に差し込んで試行錯誤によって隙間を計測するので、時間が余分にかかる。
【0010】
ピストンリングの合口の計測のためには、掃気ポートに入るような短い物指しを作り、これを合口に当てて計測する。しかし、掃気ポートは、狭いので、手で物指しを当てることができないため、物指しに柄を付けなければ当てられない。また、掃気ポートは、シリンダライナの半径に対して角度を持っていることが多いので、合口が掃気ポートの隅の方にある場合、通常の矩形の物指しでは、計測できないことがある。
【0011】
尚、ピストンを抜き出してシリンダの内径を計測する測定子としては、例えば、特許文献1が知られている。また、現場でピストンリングの合口を測定するノギス、或いは計測器として、特許文献2及び3が知られている。
【0012】
しかし、特許文献2及び3は、いずれも合口を計測することに特化しており、合口以外のガス逃がし溝深さ、或いはピストンリングとピストンリング溝の隙間を測定するには、他の測定器が必要になる。狭い現場で効率的に作業するためには、全てを一つの機具で測定することが望ましい。
【特許文献1】特開平11−248402号公報
【特許文献2】実開平63−203号公報
【特許文献3】実開平63−111603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、ピストンリングの合口の計測、ガス逃がし溝深さの計測、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測を一つの用具又は治具で計測することができるピストン計測ゲージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願の請求項1に係るピストン計測ゲージは、本尺の一端部にピストンリングの合口寸法を計測するための物指しをT字状になるように軸支し、前記本尺の外側に本尺の長手方向にスライド可能な副尺を嵌合し、該副尺の反物指し側にピストンリング溝とピストンリングの隙間およびピストンリングのガス逃がし溝の深さを計測するための計測棒を設けたものである。
【0015】
本願の請求項2に係るピストン計測ゲージは、請求項1において、ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、本尺に回動可能に取り付けたものである。
【0016】
本願の請求項3に係るピストン計測ゲージは、請求項1又は2において、ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、計測面側が反計測面側より大きい台形状に形成したものである。
【0017】
本願の請求項4に係るピストン計測ゲージは、請求項1において、計測棒の先端をテーパー状にしたものである。
【発明の効果】
【0018】
本願の請求項1に係る発明は、本尺の一端部にピストンリングの合口寸法を計測するための物指しをT字状になるように軸支し、前記本尺の外側に本尺の長手方向にスライド可能な副尺を嵌合し、該副尺の反物指し側にピストンリング溝とピストンリングの隙間およびピストンリングのガス逃がし溝の深さを計測するための計測棒を設けたので、一台のゲージでピストンリングの合口長さ、ピストンリング溝とピストンリングの隙間およびピストンリングのガス逃がし溝の深さを計測することができるようになった。このため、ピストンリングの合口長さ、ピストンリング溝とピストンリングの隙間およびピストンリングのガス逃がし溝の深さを精度良く、且つ、容易に計測するできるようになった。
【0019】
本願の請求項2に係る発明は、請求項1において、ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、本尺に回動可能に取り付けたので、合口の位置が人の手の入れ難い箇所にあったとしても、合口に物指しをぴったり当てることができ、容易に合口寸法を計測し得る。
【0020】
本願の請求項3に係る発明は、ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、計測面側が反計測面側より大きい台形状に形成したので、角度を持ったポートの隅の方に合口がある場合でも、物指しを合口に当てることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
【0022】
図1に示すように、シリンダライナ2に掃気ポート3を持つ大型2サイクル機関、例えば、シリンダ直径が概ね400mm以上のクロスヘッド型ディーゼル機関1は、機関をゆっくりと回転させ、ピストンリング4を掃気ポート3の部分に合わせると、シリンダの外部から掃気ポート3を通してピストンリング4を観察することができる。
【0023】
機関が大型である場合、人が掃気溜めに入ることが可能である。点検の際は、掃気溜め蓋を開いて人が中に入り、機関をゆっくりと回転させてピストンリング4を掃気ポート3の部分に合わせて観察、あるいは計測を行う。このとき、掃気ポート3からピストンリング4の合口8(図2(a),(b)参照。)、あるいはガス逃がし溝9(図2(a),(c)参照。)が観察できることがある。符号6はピストン、7は排気バルブを示している。
【0024】
ガス逃がし溝9は、図2(a)に示すように、ピストンリング4の複数箇所個に設けられている。ピストンリング4は、B矢視図(図2(b))のように、ガスタイト合口(合口が重なっていてガスがそこから漏れないようになっている。)となっている。A矢視図(図2(c))に示すように、ガス逃がし溝9は、斜めに切ってあることが多い。
【0025】
ガス逃がし溝9の機能は、ここからガスを意図的に逃がし、ピストンリングの差圧を制御することである。ピストンリングのシール性が良いと、ピストンリング上下の差圧が高くなり、その結果、ピストンリングは、強い力でシリンダライナに押し付けられる。このため、ピストンリングの摩耗が増大する。わざわざ合口をタイトにしながら、一方で、ガスを逃がす目的は、次の二つである。
【0026】
(A)通常の合口は摩耗によって広がるので、摩耗によりガスの漏れ量も増えてしまう。
(B)合口の一箇所からガスを漏らすと、高温のガスがその下のピストンリングの合口の直下を加熱し、局部的に高温となるため、ピストンリングが痛む。ガスの漏れる箇所を分散することにより、直下のピストンリングの温度を均一化でき、損傷を少なくすることができる。
【0027】
先ず、ピストンリングの半径方向の摩耗量を合口寸法から求める方法について説明する。
【0028】
掃気ポート3からピストンリング4の合口8が観察できる場合、合口8の寸法を計測する。この結果、次の方法によってピストンリング4の半径方向の摩耗を知ることができる。
【0029】
今、
L0:新品のシリンダライナに新品のピストンリングを装着したときの合口寸法(mm )
L1:計測された合口寸法(mm)
R0:シリンダライナの新品時の半径(mm)
R1:シリンダライナの計測時のピストンリングが接触している部分の半径(mm)
T0:ピストンリングの新品時の半径方向厚み(mm)
T1:ピストンリングの計測時の半径方向厚み(mm)
とすると、ピストンリング4の半径方向摩耗量Wr(mm)は、次式で示される。
Wr=T1−T0
【0030】
また、シリンダライナ2の半径方向摩耗量W1(mm)は、次の式で示される。
W1=R1−R0
【0031】
合口寸法の変化L1−L0は、ピストンリング4およびシリンダライナ2の半径方向の摩耗量と、次の関係がある。
L1−L0=2π(Wr+W1)
【0032】
上記L0は、計算値から求められる。通常、掃気ポート3の部分では、シリンダライナ2の摩耗量は小さく、無視することができるので、W1を無視し、
L1−L0=2πWr
と考えることができる。
【0033】
従って、ピストンリング4の半径方向摩耗量Wrは、「掃気ポート部分における」L1を知ることにより、以下のように求められる。
Wr=(L1−L0)/2π
【0034】
なお、厳密に云えば、L1,L0は、円周方向に沿った長さ(弧)となるが、合口寸法は、シリンダ半径に比べて小さいので、円周方向に沿った長さ(弧)と、計測された合口寸法の長さ(弦)は、ほぼ等しいと見做すことができる。
【0035】
次に、ピストンリングの半径方向の摩耗量をガス逃がし溝深さから求める方法を説明する。
【0036】
掃気ポート3からガス逃がし溝9が観察できる場合、図4に示すように、ガス逃がし溝9の深さg0を計測することによってピストンリング4の半径方向の摩耗Wrを求めることができる。ガス逃がし溝9は、ピストンリング4が摩耗するにしたがって浅くなる。ガス逃がし溝深さの変化(「g0−g1」)がピストンリング4の半径方向の摩耗量Wrに相当する。図4において、新品時のガス逃がし溝の深さg0および摩耗後のガス逃がし溝深さg1を知ることによってピストンリングの半径方向の摩耗量Wrを求めることができる。
【0037】
更に、ピストンリング溝の摩耗量を求める方法を説明する。
【0038】
ピストンリング溝34の摩耗量は、図5に示すように、ピストンリング溝34とピストンリング4の間の隙間を計測することによって求められる。
【0039】
今、
H0:新品時のピストンリング溝の高さ(mm)
H1:計測時のピストンリング溝の高さ(mm)
h0:新品時のピストンリングの高さ(mm)
h1:計測時のピストンリングの高さ(mm)
とすると、新品のピストンリング溝に新品時のピストンリングを装着した場合の隙間d0(mm)は、次式で示される。
d0=H0−h0
【0040】
また、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測値d1(mm)は、次式で示される。
d1=H1−h1
【0041】
更に、ピストンリング溝34の上下方向寸法と、ピストンリング4の上下方向寸法に対するピストンリング溝摩耗およびピストンリング上下方向摩耗の関係は、ピストンリング4の上下方向の摩耗量をWb(mm)、ピストンリング溝34の上下方向の摩耗量をWgとすると、次式で示される。
d1−d0=Wb+Wg
【0042】
大型2サイクル機関においては、ピストンリングの上下方向の摩耗量Wbは、通常、小さいので、これを無視し、
d1−d0=Wg
と考えることができる。
【0043】
従って、ピストンリング溝の上下方向の摩耗量Wgは、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測値d1により、以下の式で求められる。
Wg=d1−d0
【0044】
次に、合口の計測、ガス逃がし溝深さの計測、ピストンリングとピストンリング溝の隙間の計測をひとつの要具で実施できるように一体化したピストン点検ゲージを説明する。
【0045】
図6に示すように、ピストン点検ゲージ50は、本尺10の一端部に物指し11をT字状になるように取り付けている。物指し11は、本尺10に軸支され、本尺10に対して任意の向き及び角度に回動させた状態で固定できるようになっている。図中、15はボルト、16はちょうナットである。
【0046】
物指し11の形状は、矩形状でも差し障りがないが、図のように、台形状にした方が使い易い。そして、計測面側にメートル法に基づく目盛り線17を設けている。物指し11の長さは、掃気ポートに差し込めるような短い長さ(例えば、30〜50mm程度。)とする。この物指し11を合口に当てて合口寸法L1を計測する。その時、本尺10は、物指し11の柄を兼ねる。
【0047】
これにより、合口の位置が人の手の入れ難い箇所にあったとしても、図11に示すように、本尺10を斜めに掃気ポート3に入れ、物指し11を回転させて物指し11が合口8に沿う方向に固定して、合口8に物指し11をぴったり当てることができ、容易に合口寸法を計測し得る。
【0048】
掃気ポート3は、シリンダ中心Oに対して角度を持っている場合がある。図11は、このような場合で、掃気ポート3は、シリンダ半径方向に対して符号39で示した角度を持っている。本ゲージでは、物指し11は、計測する側が広い台形となっているので、角度を持ったポートの隅の方に合口8がある場合でも、物指し11を合口8に当てることが可能である。矩形の物指しの場合は、ポートの壁と物指しとが干渉して物指しを合口に当てられないことがある。
【0049】
更に、本尺10は、その外側に本尺10の長手方向にスライド可能な副尺12を嵌合させている。副尺12は、図8に示すように、反物指し側に角棒状の計測棒としてのデブスバー13を設けている。デブスバー13は、先端18を楔状に加工している。このデブスバー13の先端18をガス逃がし溝9の底部に差し込んだ後、本尺10の端部又は端面19をピストンリング表面に当てることによってガス逃がし溝9の深さを計測する。
【0050】
副尺12の上面には、副尺12の長手方向に沿って設けた開口部20の両側に庇状部21が設けられ、その一方の庇状部21に、ノギスと同様に、本尺10の目盛り線22と合わせることによって本尺10の最小目盛の十分の一から二十分の一までの寸法を読み取ることができるような目盛り線23を設けている。なお、副尺12の側面に締付ねじ(図示せず)を設けて副尺12を本尺10に対して一時的に固定できるようにすると、ゲージの出し入れ時の副尺12のズレを防ぐことができる。
【0051】
更に、デブスバーによるピストンリング溝隙間の計測を説明する。
【0052】
この場合、図10に示すように、デブスバー13をピストンリング溝34とピストンリング4の隙間35に挿入し、デブスバー13が入った深さを読み取ることによってピストンリング4とピストンリング溝34の隙間d1を計測することができる。
【0053】
先ず、図10に示すように、デブスバー13を隙間35内にいっぱい押込む。次に、本尺10の端部又は端面19をピストンリング4の表面に押し当てて副尺の位置をノギスの要領で読み取ることによってデブスバー13が挿入された深さDtを読み取る。この結果、次の式により、隙間d1が求められる。
d1=Dt(a1−a0)/b+a0
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】大型2サイクル機関の要部を示す断面図である。
【図2】(a)図1の大型2サイクル機関の要部の横断面図、(b)図2(a)のB矢視図、(c)図2(a)のA矢視図である。
【図3】合口寸法と摩耗量との関係を示す平面図である。
【図4】図2(a)のC部詳細図である。
【図5】ピストンリング溝の上下方向寸法と、ピストンリングの上下方向寸法に対するピストンリング溝摩耗およびピストンリング上下方向摩耗の関係を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係るピストン点検ゲージの平面図である。
【図7】本発明に係るピストン点検ゲージの側面図である。
【図8】図6のX−X断面図である。
【図9】図6のY−Y断面図である。
【図10】ピストンリング溝隙間計測方法を示す図である。
【図11】合口寸法計測方法を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
4 ピストンリング
9 ガス逃がし溝
10 本尺
11 物指し
12 副尺
13 計測棒
34 ピストンリング溝
35 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本尺の一端部にピストンリングの合口寸法を計測するための物指しをT字状になるように軸支し、前記本尺の外側に本尺の長手方向にスライド可能な副尺を嵌合し、該副尺の反物指し側にピストンリング溝とピストンリングの隙間およびピストンリングのガス逃がし溝の深さを計測するための計測棒を設けて成るピストン点検ゲージ。
【請求項2】
ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、本尺に回動可能に取り付けた請求項1記載のピストン点検ゲージ。
【請求項3】
ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、計測面側が反計測面側より大きい台形状に形成した請求項1又は2記載のピストン点検ゲージ。
【請求項4】
計測棒の先端をテーパー状にした請求項1記載のピストン点検ゲージ。
【請求項1】
本尺の一端部にピストンリングの合口寸法を計測するための物指しをT字状になるように軸支し、前記本尺の外側に本尺の長手方向にスライド可能な副尺を嵌合し、該副尺の反物指し側にピストンリング溝とピストンリングの隙間およびピストンリングのガス逃がし溝の深さを計測するための計測棒を設けて成るピストン点検ゲージ。
【請求項2】
ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、本尺に回動可能に取り付けた請求項1記載のピストン点検ゲージ。
【請求項3】
ピストンリングの合口寸法を計測するための物指しを、計測面側が反計測面側より大きい台形状に形成した請求項1又は2記載のピストン点検ゲージ。
【請求項4】
計測棒の先端をテーパー状にした請求項1記載のピストン点検ゲージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−107375(P2010−107375A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280074(P2008−280074)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】
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