説明

ピッキング作業用台車

【課題】作業者の意図に反してスライダが前後方向にスライドしてしまう恐れを解消でき、かつ作業負担を軽減できるピッキング作業用台車を提供することを目的とする。
【解決手段】スライダは、コンテナを載置して前後方向にスライドする薄い箱状のスライダ本体26と、スライダ本体26を案内する左右一対の案内レール24とを備え、案内レール24の内側面に、スライダ本体26の前後方向のスライド停止位置に対応して凹部(係止孔)32を設ける。スライダ本体26に、取っ手28が連結されるロッド固定部材34と、凹部32に嵌る回転ローラ35と、回転ローラ35を凹部32側に押圧する押圧手段37を設け、回転ローラ35が押圧手段37により凹部32に嵌った状態で、取っ手28が上方へ傾くようにロッド固定部材34と回転ローラ35間にロッド38を張設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納棚からピッキングした商品を、台車に載置した仕分け先(例えば、店舗)別のコンテナに仕分けるピッキング作業用台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の上記ピッキング作業用台車には、ピッキングした商品を台車に載置したコンテナへ投入するとき、その投入方向を台車の正面からとする台車がある。
このような商品の投入方向を正面としたピッキング作業用台車の一例が、特許文献1に開示されている。
【0003】
この特許文献1に開示されているピッキング作業用台車(ピッキング台車)は、コンテナが台車本体の左右方向(台車の走行方向とは直角な方向)に並べて載置されるコンテナ載置用棚を、台車本体に上下2段に設け、上段のコンテナ載置用棚を、下段のコンテナ載置用棚の手前側の上方が開放されるよう下段のコンテナ載置用棚より奥側(作業者より遠い側)へずらして配置し、また上段のコンテナ載置用棚の手前側(作業者に近い側)を下方へ傾斜させている。またコントロールボックスが下段のコンテナ載置用棚の手前側に配置され、ピッキングデータをこのコントロールボックス内の画面(パソコン画面)に表示させている。
【0004】
この構成により、コントロールボックス内のパソコン画面に表示されるピッキングデータにしたがって商品のピッキング作業が実行され、このときピッキング作業用台車のコンテナ載置用棚はコンテナが左右方向に並べて載置され、且つ上段のコンテナ載置用棚の手前側を下方へ傾斜させていることにより、作業者は上下の各コンテナの先方まで手が届き、台車本体の側面に回り込まなくても商品をコンテナへ投入でき、また上段のコンテナ載置用棚は下段のコンテナ載置用棚の手前側の上方が開放されるよう、下段のコンテナ載置用棚より奥側へずらして配置されているため、下段のコンテナへの商品の収納も容易に可能となっている。
【0005】
しかし、このように商品の投入方向を正面とした従来のピッキング作業用台車では、コンテナのサイズが大きいとコンテナをコンテナ載置用棚に載せづらいという問題があり、また下段のコンテナ載置用棚に載置されたコンテナへ投入する商品が大きいと、上段のコンテナ載置用棚が邪魔になって投入しづらいという問題がある。さらに投入する商品が大きく、数量が多い場合は荷繰り作業(整頓作業)をする必要があるが、特に上段のコンテナを荷繰り作業するには背伸びして作業する必要があり、荷繰り作業がしづらく作業者が疲労するという問題がある。またコントロールボックスが商品の投入に邪魔になるという問題があり、この問題を解決するため、上段のコンテナ載置用棚のさらに上方位置にコントロールボックスを移設すると、今度はピッキング情報が見づらくなるという問題が発生する。
【0006】
また下段のコンテナの上端と、上段のコンテナ載置部または載置用棚の下端との間に上下方向に、下段のコンテナへの商品の投入のために所定の隙間(クリアランス)を設ける必要があるが、このクリアランスのために、上段のコンテナ載置部(または載置用棚)の位置が高くなるため、上段のコンテナ載置部(または載置用棚)からピッキング作業が終了し商品で重くなったコンテナを降ろす作業は重労働となり、作業者に負担を強いていた。
【0007】
以上のような問題を解決するために、すなわち下段のコンテナ載置部と上段のコンテナ載置部のクリアランスを少なくでき、上段のコンテナ載置部の位置が高すぎず、下段のコンテナ載置部の位置が低すぎずとすることができ作業性を向上できるようにするために、上段のコンテナ載置部をスライドテーブル方式として、上段のコンテナ載置部に載置されたコンテナを前後にスライド可能とする構成が考えられる。この構成によれば、上段のコンテナに商品を投入するときは、上段のコンテナを手前側(作業者側)にスライドさせて商品を投入しやすくでき、また下段のコンテナに商品を投入するときは、上段のコンテナを奥側にスライドさせて下段のコンテナの上方を開放して下段のコンテナへ商品を投入しやすくできることにより、上記クリアランスを少なくでき、上段のコンテナ載置部の位置が高すぎず、下段のコンテナ載置部の位置が低すぎずとすることが可能となる。
【0008】
なお、スライドテーブルの一般的な構造は、例えば特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開2000−255433号公報
【特許文献2】実公平4−38735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、スライドテーブル方式を採用すると、ピッキング作業用台車を移動している途中等において、作業者の意図に反してスライドテーブル、あるいはスライドテーブルおよびコンテナが前後にスライドしてしまう恐れがあった。これを解消しようと、スライドテーブルを固定ピンにより固定してしまうと、ピッキング作業時には商品を投入する前に前記固定ピンを抜く操作が必要となり、作業負担となるという問題が発生する。
【0010】
そこで、本発明は、スライドテーブル方式を採用したときにスライドテーブルが前後方向にスライドしてしまう恐れを解消でき、かつ作業負担を軽減できるピッキング作業用台車を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、車体に、物品収納容器が載置される容器載置部を上下複数段に備えたピッキング作業用台車であって、前記容器載置部の少なくとも1つを、前記車体が移動される前後方向へスライド可能に構成し、スライド可能に構成した容器載置部は、前記物品収納容器を載置して、前記前後方向にスライドする枠組状のスライダ本体と、前記スライダ本体を前記前後方向に案内する左右一対の案内レールとを備え、前記スライダ本体に、ピッキング作業者が前記スライダ本体を前後方向にスライドさせる際に掴む取っ手を設け、前記取っ手を、2つの移動位置に移動可能な構成とし、前記取っ手が一方の移動位置に選択されると、前記スライダ本体をスライドできないように固定し、前記取っ手が他方の移動位置に選択されると、前記スライダ本体を前記案内レールに案内されてスライド可能とする前記スライダ本体の固定スライド機構を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、スライダ本体の固定スライド機構により、スライダ本体を前後方向にスライドさせる際に掴んでいる取っ手が、一方の移動位置に移動されると、スライダ本体は移動できないように固定され、スライダ本体が前後方向にスライドしてしまうことを解消される。また取っ手が他方の移動位置に移動されると、スライダ本体は前後方向にスライド可能となり、作業者が固定ピンを抜く作業が不要となる。
【0013】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記スライダ本体の固定スライド機構は、前記案内レールのスライダ本体側の側面に、前記スライダ本体の前後方向のスライド停止位置に対応して設けた係止孔と、前記スライダ本体に設けた、前記係止孔に嵌るストッパと、前記スライダ本体に設けた、前記ストッパを係止孔側に押圧する押圧手段を備え、前記取っ手が一方の移動位置に選択されると、前記押圧手段の押圧力により前記係止孔へ前記ストッパを嵌め、前記取っ手が他方の移動位置に選択されると、前記押圧手段の押圧力に抗して前記係止孔から前記ストッパを外す構成としたことを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、取っ手が一方の移動位置に移動されると、押圧手段の押圧力により係止孔へストッパが嵌り、よってスライダ本体が前後方向にスライドしてしまうことを解消される。また取っ手が他方の移動位置に移動されると、スライダ本体のストッパは、押圧手段の押圧力に抗して係止孔から外れ、よってスライダ本体は前後方向にスライド可能となり、作業者が固定ピンを抜く作業が不要となり、作業性が向上する。
【0015】
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記ストッパをローラにて形成し、前記ローラは前記係止孔以外では、前記案内レールに案内されて回転・移動することを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、ローラ(ストッパ)を係止孔から外してスライダ本体をスライドさせているとき、作業者により取っ手が他方の移動位置に選択されると、、ローラは係止孔側へ移動され案内レールに案内されて回転・移動し、他のスライダ位置の係止孔に嵌ると固定され、スライダ本体の位置が設定される。このように、作業者により取っ手が他方の移動位置に選択されると、ローラは案内レールに案内されて移動して他のスライダ位置の係止孔に嵌る。
【0017】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明であって、前記最下段の容器載置部を、前後方向へスライド可能に構成したことを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、最下段の容器載置部をスライドさせることにより、最下段の容器載置部に載置される物品収納容器の上方を、上段の容器載置部のスライド位置に無関係に自在に開放することが可能となる。
【0019】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明であって、前記各段の容器載置部の前方位置にそれぞれ、ピッキング情報を表示する表示器を配置したことを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、表示器に表示されるピッキング情報により、この表示器に対応する物品収納容器に対して物品の投入作業が実行される。また最下段の容器載置部を除く上方の各段の容器載置部の前方位置にもピッキング情報を表示する表示器が配置されることにより、スライドとして位置が変更になっても、各段の容器載置部に載置される物品収納容器へのピッキング作業が支障なく行える。
【発明の効果】
【0021】
本発明のピッキング作業用台車は、スライダ本体の固定スライド機構により、スライダ本体を前後方向にスライドさせる際に掴んでいる取っ手が、一方の移動位置に移動されると、スライダ本体は移動できないように固定されることにより、作業者の意図に反してスライダ本体が前後方向にスライドしてしまう恐れを解消でき、また取っ手が他方の移動位置に移動されると、スライダ本体は前後方向にスライド可能となり、作業者が固定ピンを抜く作業が不要となり、作業性を向上できる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1におけるピッキング作業用台車の側面図、図2は同ピッキング作業用台車の正面図である。
【0023】
図1および図2に示すように、ピッキング作業用台車1は、上下2段(上下複数段の一例)に、コンテナ(物品収納容器の一例)2を載置する容器載置部3A,3Bを備えた台車であり、上段の容器載置部3Aはスライド構造とされ(詳細は後述する)、物品収納棚(図示せず)に沿って作業者Pが台車のハンドル6を使用して押し引き走行させながら、物品収納棚よりコンテナ2へ物品のピッキング作業を行う台車である。なお、ピッキング作業用台車1は、台車全体として、上段の容器載置部3Aがスライドしても重心が安定した構造とされている。以下、ピッキング作業用台車1の走行方向を前後方向X、走行方向と直角な方向を左右方向Yとし、また前後方向Xのうち作業者Pの手前側を前方、反対の奥側を後方とする。
【0024】
図1および図2において、11はピッキング作業用台車1の車体であり、車体11は、下段の容器載置部3Bを形成する水平板状の下部部材12と、下部部材12の上方に位置し上段の容器載置部3Aを形成するスライド13と、スライド13の上方に位置し蓋状で載置台を形成する上部部材14と、これら下部部材12とスライド13と上部部材14の左右方向Yの両端とをそれぞれ、これらの前後方向の中央部分で接続する左右一対の筒状の側部部材15から形成されている。
【0025】
また下部部材12(下段の容器載置部3B)に載置されるコンテナ2の上端とスライダ13(上段の容器載置部3A)の下端との間の上下方向の隙間(クリアランス)gを、コンテナ2とスライダ13が接触しない最小限の寸法としている。
【0026】
上記下部部材12は、前方に左右に2個にコンテナ2をその長手を前後方向Xとして載置でき、後方に、折畳んだコンテナ(空きのコンテナ)2をその短手を前後方向Xとして載置できる大きさに形成され、その下方には、ピッキング作業用台車1を支持し床面7に沿ってピッキング作業用台車1を走行させるために、左右一対の前輪16と左右一対の中間輪17と左右一対の後輪18が回転自在に取付けられ、またバッテリ19が設けられ、その前端には、2個のコンテナ2にそれぞれ対応してピッキング情報を表示するピッキング表示器20が設けられている。
【0027】
また上記スライダ13は、上段の容器載置部3Aを、下段の容器載置部3Bに載置されるコンテナ2の上方位置と下段の容器載置部3Bに載置されるコンテナ2の上方を開放できる位置との間で前後方向へスライド可能に構成されている。
【0028】
また上記上部部材14は、上段の容器載置部3Aに配置されたコンテナ2への物品の投入の妨げとならないように、前方(作業者P側)が広く開放された大きさに限定されており、その上部には、ピッキング作業のデータ等が表示され作業者Pにピッキング作業を指示する端末器21と、コンテナ2へ貼りつけるラベル等を発行するプリンタ22が載置され、また前面の左右両端にそれぞれ前記ハンドル6が取付けられている。
【0029】
また上段の容器載置部3Aに設けられた各ピッキング表示器20と下段の容器載置部3Bに設けられた各ピッキング表示器20(後述する)はそれぞれ端末器21に接続され、ピッキング表示器20に対応するコンテナ2に投入する物品があるとき、端末器21よりピッキング表示器20に投入する物品の数量が表示される。
【0030】
上記スライダ13を、図3〜図7に基づいて詳細に説明する。
スライダ13は、両側の左右一対の側部部材15にそれぞれ水平に固定された案内レール24と、これら左右の案内レール24に案内されて前後方向Xへ移動(スライド)自在な枠組み状のスライダ本体26から構成されている。すなわち、各案内レール24をそれぞれ、図7に示すように、内側面(スライダ本体26側の側面)に前後方向に溝24aを設けた筒体から構成し、スライダ本体26の左右側面の前部と後部に、前記溝24aに沿い案内レール24の内部の底面に案内支持される案内ローラ25を設け、スライダ本体26を前後方向Xへスライド自在としている。
【0031】
なお、スライダ本体26は下部部材12(下段の容器載置部3B)の前方に載置されるコンテナ2の上方位置と、この下段の容器載置部3Bのコンテナ2の上方を開放できる位置との間で前後方向へスライド可能とされている。またスライダ本体26は、左右に2個にコンテナ2をその長手を前後方向Xとして載置できる大きさに形成され、その前端には、2個のコンテナ2にそれぞれ対応して上記ピッキング表示器20が設けられ、その中央にはコ字形状の取っ手28が設けられている。なお、スライダ本体26に設けられるピッキング表示器20は、スライダ本体26とともに前後にスライドするために、ピッキング表示器20用の配線も前後に移動することから、ケーブルベア(図示せず)を使用して配線しており、スライドするスライダ本体26に設けたピッキング表示器20に支障なくピッキング情報が伝達されている。
【0032】
またスライダ13には、スライダ本体26が案内レール24上を作業者の意図に反してスライドしないように、例えばスライダ本体26が衝撃によりスライドしないように、前方にスライドさせて停止する所定の前方停止位置と、所定の中間停止位置と、後方にスライドさせて停止する所定の後方停止位置においてそれぞれ、スライダ本体26のスライドをロックできるロック機構(固定スライド機構の一例)31が設けられている。
【0033】
このロック機構31は、
左右の案内レール24の内側面(スライダ本体26側の側面)にそれぞれ、スライダ本体26の前記前方停止位置、前記中間停止位置および前記後方停止位置に対応して設けられた凹部(係止孔の一例)32(図3,図4,図7参照)と、
スライダ本体26の前方の側面に近い内部に、取っ手28の左右の部材28aの幅に合わせて左右方向Yにそれぞれ配置され、前記取っ手28の左右の部材28aの端部に連結された回転軸33aを回転自在に支持する左右一対の回転支持部33(図5参照)と、
前記取っ手28の左右の部材28aの端部上方をそれぞれ回転自在に支持し、後述する第1ロッド38Aの一端が固定される左右一対のロッド固定部材34(図5参照)と、
スライダ本体26の左右の側面にそれぞれ配置され、前記凹部32に嵌る、水平に支持された左右一対の回転ローラ(ストッパの一例)35(図3,図4,図7参照)と、
スライダ本体26内部で、かつ左右一対のロッド固定部材34から前後方向Xに延びる直線と左右一対の回転ローラ35を水平に回転自在に支持する軸受け35Aから左右方向Yに延びる直線との交点位置にそれぞれ配置された、平面視「く」字形状の部材からなる左右一対の第1可動部材36(図3,図4参照)と、
スライダ本体26の左右の側面に近い内部にそれぞれ配置され、回転ローラ35(軸受け35A)を凹部32側へ押す左右一対の押圧手段37(図3,図4参照)と、
各回転ローラ35がそれぞれ押圧手段37により押されて凹部32に嵌った状態で、取っ手28が図6(a)に示すように上方へ傾くように、各第1可動部材36を介して取っ手28のロッド固定部材34と回転ローラ35の軸受け35Aとの間に張られた左右一対のロッド(リンクロッド)38(第1ロッド38Aおよび第2ロッドB)(図3,図4,図5,図6参照)
から構成されている。
【0034】
前記各第1可動部材36は、その中心がスライダ本体26に垂設された軸40により水平姿勢で回転自在に支持され、一端に取っ手28のロッド固定部材34に張られた第1ロッド38Aが固定され、他端に回転ローラ35の軸受け35A(後述する第2可動部材41の一端)に張られたロッド38Bが固定され、取っ手28の作用を回転ローラ35(軸受け35A)に伝達する機能を有している。
【0035】
また前記各押圧手段37は、平面視「く」字形状の第2可動部材41と、一端がスライダ本体26の内部に固定されたバネ体42から形成され、第2可動部材41は、その中心がスライダ本体26に垂設された軸43により水平姿勢で回転自在に支持され、一端に回転ローラ35の軸受け35Aが固定され、他端にバネ体42の他端が固定されている。
【0036】
このように構成されたロック機構31の作用を説明する。
作業者Pにより取っ手28が下方に押されると、図6(b)に示すように、ロッド固定部材34は、長さkだけ手前側(作業者P側)へ引かれ、これにより図3(b)に示すように、押圧手段37の押圧力に抗してロッド38(第1ロッド38Aおよび第2ロッドB)が取っ手28側へ引っ張られることにより、スライダ本体26の回転ローラ(ストッパ)35は凹部32から外れ、よってスライダ本体26は前後方向にスライド可能となる。このように、取っ手28が下方に押されると、ロッド固定部材34を介して押圧手段37の押圧力に抗してロッド38が引っ張られることにより、凹部32から回転ローラ(ストッパ)35が外れる構成とされている。
【0037】
また各回転ローラ(ストッパ)35を凹部32から外してスライダ本体26をスライドさせているとき、取っ手28を下方へ押す力を緩めると、図4(a)に示すように、押圧手段37の押圧力によりロッド38(第1ロッド38Aおよび第2ロッドB)が各回転ローラ35側へ引っ張られることにより、各回転ローラ35は凹部32側へ移動され案内レール24の内側面に案内されて回転・移動し、他のスライダ本体26の停止位置の凹部32に到ると、図4(b)に示すように、この凹部32に嵌って固定され、よってスライダ本体26の位置が設定される。なお、作業者Pが取っ手28から手を離すと、押圧手段37によりロッド38が引っ張られ、回転ローラ(ストッパ)35は凹部32側へ移動され、凹部32と一致すると凹部32に嵌まり、また同時にロッド固定部材34が奥側へ移動して、図6(a)に示すように取っ手28は上方位置へ戻る。このように、回転ローラ35がスライダ本体26の停止位置の凹部32に嵌ると、スライダ本体26が前後にスライドしてしまう恐れが解消される。
【0038】
なお、取っ手28は、上記ロック機構31の構成により、2つの移動位置、すなわち「下方に押される一方の移動位置」と「上方に戻る他方の移動位置」に移動可能な構成とされている。
【0039】
また上記構成により、ロック機構31は、取っ手28が「上方に戻る他方の移動位置」に移動されると、押圧手段37の押圧力により凹部32へ回転ローラ35を嵌め、スライダ本体26が案内レール24に案内されてスライドできないように固定し、取っ手28が「下方に押される一方の移動位置」に移動されると、押圧手段37の押圧力に抗して凹部32から回転ローラ35を外し、スライダ本体26を案内レール24に案内してスライド可能としている。
【0040】
上記構成によるスライダ13の作用を説明する。
図8(a)に示すように、下部部材12(下段の容器載置部3B)の前方に載置されるコンテナ2の上方位置に、上段の容器載置部3Aのコンテナ2が位置するときに、これら上段のコンテナ2にピッキングされた物品が投入される。そして、下段の容器載置部3Bのコンテナ2に物品を投入するときには、取っ手28を掴んで下方に押して回転ローラ(ストッパ)35を外し、図8(b)に示すように、後方へスライドさせ、下段の容器載置部3Bのコンテナ2へ物品を投入することが可能な空間が開放されると、スライドは回転ローラ35が後方停止位置の凹部32に嵌るまで実行される。そして、下段の容器載置部3Bのコンテナ2へ物品を投入する。またこの状態で、逆に上段の容器載置部3Aのコンテナ2へ物品を投入するときには、取っ手28を掴んで下方に押して回転ローラ(ストッパ)35を外し、図8(a)に示すように、前方へスライドさせ、上段の容器載置部3Aのコンテナ2へ物品を投入することが可能な空間が開放されると、スライドは回転ローラ35が前方停止位置の凹部32に嵌るまで実行される。そして、上段の容器載置部3Aのコンテナ2へ物品を投入する。
【0041】
なお、スライダ31を中間停止位置へ停止させることも可能である。
以下、上記実施の形態1におけるピッキング作業用台車1の作用を説明する。なお、上段の容器載置部3Aと下段の容器載置部3Bには、それぞれ2個のコンテナ2が載置されているものとする。また下部部材12の後方には、空きの複数の折畳んだコンテナ2をその短手を前後方向Xとして載置されているものとする。また各コンテナ2には物品が仕分けられる先(例えば、店舗)が設定され、各店舗からのオーダーにより物品が各コンテナ2へ投入されるものとし、端末器21へピッキングする物品の総量と各コンテナ2へ投入する物品の数量が指定されるものとする。
【0042】
まず、物品収納棚(図示せず)に沿ってピッキング作業用台車1を押し引き走行させながら、端末器21側の指示に基づいて物品収納棚から指定された総量の物品のピッキングを行い、これらピッキングした物品をピッキング表示器20により指示されたコンテナ2へ指示された数量だけ正面から投入して行く。このとき、下段の容器載置部3Bのコンテナ2へ物品を投入するときは、スライダ本体26を後方へスライドさせ、上段の容器載置部3Aのコンテナ2へ物品を投入するときは、スライダ本体26を前方へスライドさせる。なお、ピッキング作業の途中でコンテナ2が満量となり、空きのコンテナ2が必要となったとき、すなわち増箱が必要となったとき、下段の容器載置部3Bの後方に積載している折畳んだ状態の空きコンテナ2を組み立てて使用する。
【0043】
そして各コンテナ2に対して全てのピッキング作業が終了すると、作業者Pは、出荷場または出荷場に連絡するコンベヤ(いずれも図示せず)までピッキング作業用台車1をハンドル6を使用して走行させて移動させ、プリンタ22から発行される店舗を特定するラベルを、ピッキングが終了したコンテナ2へ貼りつけて卸す。続いて折畳んだコンテナ2を開いて、上段の容器載置部3Aおよび下段の容器載置部3Bへ載置して次のピッキング作業に戻る。なお、折畳んだコンテナ2が載置されていることにより、空きのコンテナ2をその置き場所まで取りにいく必要は無い。
【0044】
以上のように本実施の形態1によれば、スライド構造のスライダ本体26(上段の容器載置部3A)をロック機構31を使用することにより所定の前方および後方の停止位置(あるいは所定の中間停止位置)で固定でき、作業者Pの意図に反して、スライダ本体26およびスライダ本体26に載置されるコンテナ2がスライドし、位置が揺れる恐れを防止することができる。またスライダ本体26をスライドするときに作業者Pが掴んでいる取っ手28を下方に操作するだけで、ロッド固定部材34の前方移動により押圧手段37の押圧力に抗してロッド38が取っ手28側に引っ張られ、回転ローラ(ストッパ)35が凹部32から外れることにより、スライダ本体26を前後にスライド可能にでき、よって作業者Pが固定ピンを抜く作業が不要となり、作業性を向上することができる。また作業者Pが取っ手28から手を離すと、押圧手段37によりロッド38が引っ張られ、回転ローラ(ストッパ)35は凹部32側へ移動されて嵌り、よってスライダ本体26が前後方向にスライドしてしまう恐れを解消できる。
【0045】
また本実施の形態1によれば、スライダ本体26のストッパとして回転ローラ35を使用することにより、取っ手28を下方へ押す力を緩めると、スライド中に回転している回転ローラ35が凹部32に自然に嵌ることになり、凹部32の位置を探ってスライドを停止する必要がなくなり、作業性を向上できる。
【0046】
また本実施の形態1によれば、下段の容器載置部3Bと上段の容器載置部3Aの前方位置にともにピッキング表示器20が配置されることにより、物品収納棚から取り出した物品を、ピッキング表示器20により指示された数量に分けてコンテナ2へ仕分けることができ、また上段の容器載置部3Aの前方位置にピッキング表示器20が配置されることにより、スライドとして位置が変更になっても、上段の容器載置部3Aに載置されるコンテナ2へのピッキング作業を支障なく行うことができる。
【0047】
また本実施の形態1によれば、容器載置部3A,3Bを、ピッキングした物品を投入する際に物品を投入するコンテナ2の上方を開放できるよう構成し、下段の容器載置部3Bに載置されるコンテナ2の上端とスライダ13(上段の容器載置部3A)の下端との間の隙間gを、前記コンテナ2とスライダ13が接触しない最小限の寸法とすることにより、上段の容器載置部3Aの高さ位置を低く抑えることが可能となり、作業者Pは背伸びをすることなく物品の投入あるいは荷繰り作業(整頓作業)を容易に行うことができ、また下段の容器載置部3Bの高さ位置を低すぎない高さとすることが可能となり、作業者Pは腰をかがめることなく物品の投入あるいは荷繰り作業(整頓作業)を容易に行うことができ、その結果、作業者Pの作業効率を改善することができる。また下段の容器載置部3Bと上段の容器載置部3Aはともに水平構造であり、傾斜が無いことから、コンテナ2の荷繰り作業(整頓作業)を容易に行うことができる。また下段の容器載置部3Bの後方には空きのコンテナ2を積載可能なことにより、増箱が必要となったときでも、空きのコンテナ2をその置き場所まで取りにいく必要が無くなり、作業性を向上することができる。
[実施の形態2]
図9は本発明の実施の形態2におけるピッキング作業用台車の斜視図である。
【0048】
上記実施の形態1では、スライダ13の上方に上部部材14を設けて端末器21等を載置しているが、実施の形態2では、図9に示すように、上部部材14および側部部材15のスライダ13より上方部分を無くし(カットし)、案内レール24に代えて案内レール24を兼ねた枠体51を設け、枠体51の前方側(作業者側)に端末器21’を設けてピッキング作業用台車1’を構成している。
【0049】
前記枠体51は、左右および後方の大きさを下部部材12の外周に合わせ、前方の大きさを下部部材12の外周より前方方向に延長された大きさとされており、枠体51の前方部材51aと後方部材51cはスライダ本体26の前後移動のストッパを兼ね、枠体51の左方部材51bと右方部材51dはスライダ本体26の案内レールを兼ねている。また枠体51の前方部材51aの前面左右両端にそれぞれハンドル6が取付けられている。
【0050】
このようなピッキング作業用台車1’の構成により、図1〜図8に示した実施の形態1のピッキング作業用台車1と同様の作用・効果を有するとともに、上部部材14を無くした構成とすることにより、スライダ13(上段の容器載置部3A)に載置されたコンテナ2の上方を完全に開放され、図9(b)に示すように、コンテナ2を後方へスライドさせた状態のときにでもこのスライダ13に載置されたコンテナ2への物品の投入を行うことができ、さらに上段および下段の容器載置部3A,3Bにそれぞれ載置されるコンテナ2への物品の投入を、正面からも側面からも行うことができ、作業性を改善することができる。
【0051】
なお、上記実施の形態1,2では、ロック機構31を、左右一対の回転ローラ35、左右一対の押圧手段37のように左右に配置にされた要素により形成しているが、必ずしも左右に配置する必要はなく、一方のみに設けた回転ローラ35、押圧手段37等の要素により、形成することも可能である。
【0052】
また上記実施の形態1,2では、取っ手28は、ロック機構31の構成により、2つの移動位置、すなわち「上方に傾く一方の移動位置」と「下方に押される他方の移動位置」に移動することが可能な構成とされているが、「下方に傾く一方の移動位置」と「上方に起こされる他方の移動位置」に移動することが可能な構成とすることもでき、さらに、このような上下の位置を取ることに限ることはなく、前後方向Xの前方の移動位置および後方の移動位置、あるいは左右方向Yの左方の移動位置および右方の移動位置を取る構成とすることも可能である。このような移動位置の変化により、回転ローラ35の位置を移動する機構が変更となることはいうまでもない。
【0053】
また上記実施の形態1,2では、スライダ13の凹部32を、左右の案内レール24、または枠体51の左方部材51bおよび右方部材51dの内側面(スライダ本体26側の側面)にそれぞれ、スライダ本体26を前方にスライドさせて停止する所定の前方停止位置と、所定の中間停止位置と、後方にスライドさせて停止する所定の後方停止位置に対応して設けているが、さらに別の任意の位置に凹部32を配置してスライダ本体26の停止位置を増すこともできる。この構成によれば、下段の容器載置部3Bのコンテナ2の開口面の広さを、投入する物品(商品)のサイズに応じて可変することができ、よって予め任意の定位置までスライダ本体26を後方へスライドさせておき、容器載置部3Aまたは3Bに載置されているコンテナ2に、サイズの大きい物品を投入するときやコンテナ2の荷繰り作業(整頓作業)を行うときのみに、スライダ本体26を前後に大きくスライドさせるようにすることにより、スライダ本体26をスライドさせる回数を減らすことができ、作業性を向上させることができる。
【0054】
また上記実施の形態1,2では、ピッキング作業用台車1,1’の側部部材15を固定式としているが、側部部材15を伸縮式とし、下段の容器載置部3Bと上段の容器載置部3Aと上部部材14の高さ位置、あるいは下段の容器載置部3Bと上段の容器載置部3Aの高さ位置を任意の位置に設定できるようにすることもできる。この構成によれば、作業者Pは使用する各種のコンテナ2の高さに合わせて上段の容器載置部3Aと上部部材14の高さ位置、あるいは上段の容器載置部3Aの高さ位置を自在に調整することができ、また作業者は自分の身長に合わせて下段の容器載置部3Bと上段の容器載置部3Aと上部部材14の高さ位置、あるいは下段の容器載置部3Bと上段の容器載置部3Aの高さ位置をそれぞれ自在に調整でき、作業性を向上させることができる。
【0055】
また上記実施の形態1,2では、ピッキング作業用台車1,1’は、上下2段に、コンテナ2を載置する容器載置部3A,3Bを備えた台車としているが、上下2段に限ることはなく、コンテナ2が小型なときなど、さらに多くの段(3段以上)の容器載置部を備えた台車とすることも可能である。このとき、最下段を除く上方の各段の容器載置部はスライド構造とされる。すなわち、最下段または1つ下段の容器載置部に載置されるコンテナ2の上方位置と前記最下段または1つ下段の容器載置部に載置されるコンテナ2の上方を開放できる位置との間で前後方向へスライド可能に構成される。また各段の容器載置部に載置されるコンテナ2の上端と1つ上段の容器載置部の下端との間の上下方向の隙間を、前記コンテナ2と1つ上段の容器載置部が接触しない最小限寸法とされる。
【0056】
また上記実施の形態1,2では、ピッキング作業用台車1,1’は、上下2段に、コンテナ2を載置する容器載置部3A,3Bを備え、各容器載置部3A,3Bを、ピッキングした物品を投入する際にこの物品を投入するコンテナ2の上方を開放できるよう構成するために、上段の容器載置部3A(スライダ13)をスライド構造としている{なお、下段の容器載置部3B(下部部材12)は固定構造(スライド機能を有していない構造)}が、上段の容器載置部3Aを固定構造、下段の容器載置部3Bをスライド構造とすることも可能である。さらに上段の容器載置部3Aと下段の容器載置部3Bをともにスライド構造とすることも可能である。これらの構成においても、各容器載置部3A,3Bは、ピッキングした物品を投入する際にこの物品を投入するコンテナ2の上方を開放できるよう構成されている。
【0057】
すなわち、上段の容器載置部3Aを固定構造とし、下段の容器載置部3Bをスライド構造とするとき、上段の容器載置部3Aにはコンテナ2をその上方を開放される位置に載置し、下段の容器載置部3Bを前後方向へスライドさせて、下段の容器載置部3Bのコンテナ2の上方を開放することにより、ピッキングした物品を投入する際にこの物品を投入するコンテナ2の上方を開放できる。また上段の容器載置部3Aと下段の容器載置部3Bをともにスライド構造とするとき、いずれか、あるいは両方を前後方向へスライドさせ、上段の容器載置部3Aまたは下段の容器載置部3Bのコンテナ2の上方を開放することにより、ピッキングした物品を投入する際にこの物品を投入するコンテナ2の上方を開放できる。また下段(最下段)の容器載置部3Bをスライド構造とすることにより、下段の容器載置部3Bに載置されるコンテナ2の上方を、上段の容器載置部3Aのスライド位置に無関係に自在に開放することが可能となる。このように、容器載置部3A,3Bの少なくとも1つを、前後方向へスライド可能に構成することが可能である。また容器載置部3A,3Bの少なくとも1つを、前後方向へスライド可能に構成しているが、左右方向へスライドさせるように構成することも可能である。
【0058】
また上記実施の形態1,2では、スライダ本体26は左右の2個のコンテナ2をともに積載して前後方向Xへスライドできるように構成されているが、各コンテナ2毎にスライドできるよう、スライダ本体26を2つに分離した構成とすることも可能である。
【0059】
また上記実施の形態1,2では、下段の容器載置部3Bと上段の容器載置部3Aに単にコンテナ2を積載するようにしているが、重量ユニット(センサ)を介してコンテナ2を積載するようにしてもよい。重量ユニットにより載置されたコンテナ2および投入された物品の重量を測定し、一定の重量となると、コンテナ2は満量と判断され、空きのコンテナ2を用意してピッキング作業を続行することになる。
【0060】
また上記実施の形態1,2では、各段の容器載置部3A,3Bをそれぞれ平行に配置している(下段の容器載置部3Bと上段の容器載置部3Aはともに水平構造としている)が、多少の傾斜が容認されることはいうまでもない。また各段の容器載置部3A,3Bをそれぞれ斜めの姿勢で互いに平行に配置することも可能である。また固定側の下段の容器載置部3Bに対して、スライド側の上段の容器載置部3Aを斜め姿勢とすることも可能である。
【0061】
また上記実施の形態1,2では、物品収納容器としてコンテナ2を使用しているが、折畳みが可能な段ボールであってもよい。
また上記実施の形態1,2では、ピッキング作業用台車1,1’は上下2段にそれぞれ左右2個のコンテナ2を載置できるように構成されているが、左右のコンテナ2の数量を増すことは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態1におけるピッキング作業用台車の側面図である。
【図2】同ピッキング作業用台車の正面図である。
【図3】同ピッキング作業用台車のスライダの図であり、(a)は前方に固定されている状態でのロック機構の平面図、(b)はロックが外れた状態でのロック機構の平面図である。
【図4】同ピッキング作業用台車のスライダの図であり、(a)は後方へ移動されているときのロック機構の平面図、(b)は後方に固定されている状態でのロック機構の平面図である。
【図5】同ピッキング作業用台車のスライダの取っ手の図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
【図6】同ピッキング作業用台車のスライダの取っ手の動作説明図である。
【図7】同ピッキング作業用台車のスライダの図であり、(a)は案内レールと案内ローラの取り合い図、(b)は案内レールと回転ローラの取り合い図である。
【図8】同ピッキング作業用台車の斜視図であり、(a)はスライダを前方へスライドさせた状態の斜視図、(b)はスライダを後方へスライドさせた状態の斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態2におけるピッキング作業用台車の斜視図であり、(a)はスライダを前方へスライドさせた状態の斜視図、(b)はスライダを後方へスライドさせた状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
P 作業者
X 前後方向
Y 左右方向
g 隙間
1,1’ ピッキング作業用台車
2 コンテナ(物品収納容器の一例)
3 容器載置部
11 車体
12 下部部体
13 スライダ
14 上部部材
15 側部部材
20 ピッキング表示器
21,21’ 端末器
22 プリンタ
24 案内レール
26 スライダ本体
28 取っ手
31 ロック機構
32 凹部(係止孔)
33 回転支持部
34 ロッド固定部材
35 回転ローラ(ストッパ)
36 第1可動部材
37 押圧手段
38 ロッド
41 第2可動部材
42 バネ体(押圧手段)
51 枠体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に、物品収納容器が載置される容器載置部を上下複数段に備えたピッキング作業用台車であって、
前記容器載置部の少なくとも1つを、前記車体が移動される前後方向へスライド可能に構成し、
スライド可能に構成した容器載置部は、
前記物品収納容器を載置して、前記前後方向にスライドする枠組状のスライダ本体と、
前記スライダ本体を前記前後方向に案内する左右一対の案内レールと
を備え、
前記スライダ本体に、ピッキング作業者が前記スライダ本体を前後方向にスライドさせる際に掴む取っ手を設け、
前記取っ手を、2つの移動位置に移動可能な構成とし、
前記取っ手が一方の移動位置に選択されると、前記スライダ本体をスライドできないように固定し、前記取っ手が他方の移動位置に選択されると、前記スライダ本体を前記案内レールに案内されてスライド可能とする前記スライダ本体の固定スライド機構を設けたこと
を特徴とするピッキング作業用台車。
【請求項2】
前記スライダ本体の固定スライド機構は、
前記案内レールのスライダ本体側の側面に、前記スライダ本体の前後方向のスライド停止位置に対応して設けた係止孔と、
前記スライダ本体に設けた、前記係止孔に嵌るストッパと、
前記スライダ本体に設けた、前記ストッパを係止孔側に押圧する押圧手段
を備え、
前記取っ手が一方の移動位置に選択されると、前記押圧手段の押圧力により前記係止孔へ前記ストッパを嵌め、前記取っ手が他方の移動位置に選択されると、前記押圧手段の押圧力に抗して前記係止孔から前記ストッパを外す構成としたこと
を特徴とする請求項1に記載のピッキング作業用台車。
【請求項3】
前記ストッパをローラにて形成し、前記ローラは前記係止孔以外では、前記案内レールに案内されて回転・移動すること
を特徴とする請求項2に記載のピッキング作業用台車。
【請求項4】
前記最下段の容器載置部を、前後方向へスライド可能に構成したこと
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のピッキング作業用台車。
【請求項5】
前記各段の容器載置部の前方位置にそれぞれ、ピッキング情報を表示する表示器を配置したこと
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のピッキング作業用台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−29608(P2009−29608A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−198222(P2007−198222)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケーブルベア
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】