説明

ピックアンドプレース装置

【課題】 製品に損傷を与えることなくプレース動作を行うことができ、しかも製品を安定して移動させることができるピックアンドプレース装置を提供する。
【解決手段】 ピックアンドプレース装置1を、回動軸2と、円弧部分16と垂直部分17a、17bとを有する案内部15が配設され、回動軸2に直交して立設支持される板状体3と、回動軸2に固着される回動アーム25と回転対偶で連結され、水平姿勢を維持しながら回動運動を行うキャリア4と、左右方向へスライド移動自在に、かつ弾性部材38を介装して左右いずれかの所定方向に付勢された状態で、キャリア4に係着されるとともに、案内部15に係合するカムフォロア36が接続された従動ブロック5と、把持手段6と、を備え、従動ブロック5を介して、案内部15に対して所定方向に向かう押圧力Pを作用させながら、カムフォロア36を、案内部15に沿って往復移動させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピック動作とプレース動作の繰り返しにより、製品を移動するためのピックアンドプレース装置に関し、特に製品を包装箱に箱詰めする際等に好適に用いられるピックアンドプレース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動組立機等の分野では、部品等を把持して持ち上げ、別の場所に降ろして組み付け作業等を行うピックアンドプレース装置が知られているが、このようなピックアンドプレース装置は、化粧品や医薬品、食品等の各種製品を包装箱に箱詰めする工程で用いられることもある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−127084号公報
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される如くアームロボット型のピックアンドプレース装置では、製品を持ち上げて水平移動したのちに降ろす、という複数動作を合成していることから、動作時間がかかり、装置も複雑化・大型化する傾向にある。
【0005】
これに対して、図7に示すように、駆動モータを介して正逆方向に回動する回動軸80と、回動軸80に連動する把持手段83とを設け、把持手段83が把持した製品84を円弧状軌跡81に沿って移動させるようにしたピックアンドプレース装置が知られている。このような回動軸の回動を把持手段の円弧運動に変換する円弧運動型のピックアンドプレース装置によれば、動作時間を短縮することができるとともに、装置の簡略化やコストダウンを図ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、上記円弧運動型のピックアンドプレース装置では、図7に示すように、プレース動作を行うとき、製品84の底面を包装箱85の入り口に位置させ、把持を解除したのちに、製品84を自由落下させて包装箱85に収容することになるため、製品84の材質や落下距離等によっては、製品84に大きな損傷を与えるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、従来の円弧運動型のピックアンドプレース装置における改善を図ったものであり、製品に損傷を与えることなくプレース動作を行うことができ、しかも製品を安定して移動させることができるピックアンドプレース装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載のピックアンドプレース装置は、ピック動作とプレース動作の繰り返しにより、製品を移動するためのピックアンドプレース装置であって、前後方向に延在して設けられる回動軸と、円弧部分と、該円弧部分の両端から連続する垂直部分と、を有する案内部が配設され、該回動軸に直交して立設支持される板状体と、該回動軸に固着される回動アームと回転対偶で連結され、水平姿勢を維持しながら、該板状体に平行する鉛直面で回動運動を行うキャリアと、左右方向へスライド移動自在に、かつ弾性部材を介装して左右いずれかの所定方向に付勢された状態で、該キャリアに係着されるとともに、該案内部に係合するカムフォロアが接続された従動ブロックと、該従動ブロックに吊設され、製品を把持する把持手段と、を備え、該キャリアの回動運動にしたがい、該従動ブロックを介して該カムフォロアにより、該案内部に対して該所定方向に向かう押圧力を作用させながら、該カムフォロアを、該案内部に沿って往復移動させるようになされたことを要旨とする。
【0009】
また、請求項2に記載のピックアンドプレース装置は、請求項1に記載の構成において、該回動軸を中心とする固定プーリと、該キャリアを固着し、該回動アームの先端に回動可能に軸着される回動プーリと、該固定プーリおよび該回動プーリの間に配設されるタイミングベルトと、を備えたことを要旨とする。
【0010】
また、請求項3に記載のピックアンドプレース装置は、請求項1または2に記載の構成において、該垂直部における該カムフォロアの降下に伴って、該把持手段を、製品を把持させたまま、製品の底面が包装箱の底板近傍に位置するまで垂直降下させるようになされたことを要旨とする。
【0011】
また、請求項4に記載のピックアンドプレース装置は、請求項3に記載の構成において、該把持手段は、吸着部を備え、製品の上面を着脱自在に把持するものであることを要旨とする。
【0012】
また、請求項5に記載のピックアンドプレース装置は、請求項3または4に記載の構成において、該案内部が、凹溝であることを要旨とする。
【0013】
また、請求項6に記載のピックアンドプレース装置は、請求項5に記載の構成において、該キャリアが、該従動ブロックを貫通する複数段のスライドバーを備え、該弾性部材としてのコイルばねが、該スライドバーに巻回されていることを要旨とする。
【0014】
また、請求項7に記載の供給方法は、ピック動作とプレース動作の繰り返しにより、製品を供給する方法であって、前後方向に延在して設けられる回動軸を回動させるステップと、該回動軸の回動に伴い、該回動軸に固着される回動アームと回転対偶で連結されるキャリアを、水平姿勢を維持しながら、該回動軸に直交する鉛直面で回動運動させるステップと、該キャリアの回動運動にしたがい、左右方向へスライド移動自在に、かつ弾性部材を介装して左右いずれかの所定方向に付勢された状態で、該キャリアに係着される従動ブロックを介して、該従動ブロックに接続されるカムフォロアを、円弧部分と、該円弧部分の両端から連続する垂直部分と、を有する案内部に係合させるとともに、該案内部に対して該所定方向に向かう押圧力を作用させながら、該カムフォロアを、該案内部に沿って往復移動させるステップと、該垂直部における該カムフォロアの降下に伴って、該従動ブロックに吊設される把持手段を、製品を把持させたまま垂直降下させるステップと、を含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ピック動作とプレース動作の繰り返しにより、製品を移動するためのピックアンドプレース装置であって、前後方向に延在して設けられる回動軸と、円弧部分と、該円弧部分の両端から連続する垂直部分と、を有する案内部が配設され、該回動軸に直交して立設支持される板状体と、該回動軸に固着される回動アームと回転対偶で連結され、水平姿勢を維持しながら、該板状体に平行する鉛直面で回動運動を行うキャリアと、左右方向へスライド移動自在に、かつ弾性部材を介装して左右いずれかの所定方向に付勢された状態で、該キャリアに係着されるとともに、該案内部に係合するカムフォロアが接続された従動ブロックと、該従動ブロックに吊設され、製品を把持する把持手段と、を備え、該キャリアの回動運動にしたがい、該従動ブロックを介して該カムフォロアにより、該案内部に対して該所定方向に向かう押圧力を作用させながら、該カムフォロアを、該案内部に沿って往復移動させるようになされたピックアンドプレース装置であるため、製品に損傷を与えることなくプレース動作を行うことができ、しかも製品を安定して移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図5に基づいて説明する。図1は、実施形態に係るピックアンドプレース装置1を示す正面図、図2は、縦断面図である。図3は、キャリア4および従動ブロック5の移動軌跡を示す図、図4は、カムフォロア36の移動軌跡を示す図であり、図5は、プレース動作の状況を示す図である。
【0017】
図1〜図2に示すように、本実施形態に係るピックアンドプレース装置1は、主として回動軸2、板状体3、キャリア4、従動ブロック5、把持手段6を備えて構成されている。
【0018】
回動軸2は、前後方向に延在して設けられ、軸受け10、10’を介して支持台11上に固定されている。回動軸2の後端側は、図示しない駆動モータの出力軸に繋がれており、これによって回動軸2が、正逆回転可能に構成されているものである。
回動軸2の正逆回転は、例えば、端縁に連接棒が回転自在に軸着された円盤体を駆動モータの出力軸に取り付け、円盤体を一方向に回転させるとともに、スライダクランク機構を介して連接棒の先端部を往復直線運動させ、連接棒の先端部と連動する伝達ベルトを用いて回動軸2に正逆方向の回転力を交互に付与することによって行うこともできる。
【0019】
板状体3は、回動軸2に直交し、かつ開口12を介して回動軸2を跨ぐように支持台11上に立設固定されている。板状体3の前面には、案内部としての凹溝15が逆U字状をなして刻設されている。凹溝15は、円弧部分16と、円弧部分16の両端からそれぞれ下方に連続して設けられる垂直部分17a、17bとからなり、一定の幅と深さで連通して設けられている。
【0020】
キャリア4は、左右一対の側壁20a、20bおよび後壁21によって平面コ字型に形成され、開放側を前方に臨ませて配設される。側壁20a、20bの間には、断面円形のスライドバー22a、22bが上下平行に固設されている。
回動軸2には、板状体3前方における適宜の位置に、回動軸2と一体となって回動する回動アーム25が、回動半径方向に直線状をなして固着されており、上記のキャリア4が、この回動アーム25の先端側に回転対偶で連結されることで、水平姿勢を維持しながら、板状体3に平行する鉛直面で回動運動を行うようになされている。
【0021】
より具体的には、ピックアンドプレース装置1では、回動軸2を中心とし、回動軸2の回動には追従しない固定プーリ26と、回動アーム25の先端に取付軸28を介して回動可能に軸着される回動プーリ29とを設け、固定プーリ26および回動プーリ29をタイミングベルト30で連結する構成としている。そして、回動プーリ29の前方には、キャリア4の後壁21が回動プーリ29に対して回動不能に固設されており、回動軸2および回動アーム25が回動しても、キャリア4が、取付軸28廻りを所定の向きに自転し、かつタイミングベルト30によって水平を保たれながら、回動軸2廻りを公転するようになっている。図中31はテンションプーリであり、回動アーム25の中間位置に取り付けられて、タイミングベルト30のたるみを避止する役割を果たしている。
【0022】
従動ブロック5は、キャリア4のスライドバー22a、22bに横貫される直方体形状のブロック片からなり、スライドバー22a、22bに沿って左右方向へ自在にスライド移動できるように、キャリア4の側壁20a、20b間に係着されている。
本実施形態では、スライドバーを上下に2本配設する例を示しているが、この他にスライドバーを3本以上配設する、あるいは前後に配設することもできる。
ただし、スライドバーの本数が多くなり過ぎると、摩擦抵抗等が増大して、従動ブロック5のスムーズなスライド移動ができなくなるおそれがある。また、スライドバーを前後に配設した場合、キャリア4や従動ブロック5の厚みが肥大となり、コンパクト性が保てなくなるおそれがある。このような観点から、上記スライドバー22a、22bによる構成は好ましいものと言える。
【0023】
従動ブロック5の上部は、剛性向上のため断面逆T字状をなし、回動軸2に平行して後方に延びる連結アーム35に接続されており、この連結アーム35の後端には、板状体3の凹溝15内に遊嵌され、凹溝15に沿って摺動するローラ形状のカムフォロア36が軸着されている。
【0024】
また、従動ブロック5と側壁20aとの間におけるスライドバー22aの周りには、弾性部材としてのコイルばね38が弾設されており、従動ブロック5を常時所定方向(本実施形態では右方向)に付勢した状態に保持している。図中39は、従動ブロック5のスライド範囲を制限するストッパである。
コイルばね38の弾性力を適宜調節し、スライドバー22bにも同様にコイルばね38を配設するようにしてもよい。このようにすれば、従動ブロック5の側面全体にバランス良く付勢力を作用させることが可能となる。
【0025】
把持手段6は、従動ブロック5の前面に固定アングル40を介して取り付けられるクランクアーム41の先端に設けられ、従動ブロック5と連係している。把持手段6は、吸着部としての吸着パッド42と、図示しない真空源に接続される可撓性ホース43とを備えており、衝撃に弱いビン製の製品60を着脱自在に吸引把持できるようになっている(図5参照)。このような把持手段6としては、ピックアンドプレースの動作を行い得るものであれば、その他の公知の構成を採用してもよい。
【0026】
なお、図示しないが、把持手段6の下方には、例えば板状体3とは反対方向に延びる搬送手段が適宜配設されている。本実施形態では、把持手段6を介したピック動作とプレース動作の繰り返しによって、上記の製品60を、個装ケース63に間欠的に収容して搬送する包装ラインを構成するものである(図5参照)。
【0027】
次に、ピックアンドプレース装置1の動作について説明する。
上記した通り、キャリア4は、回動軸2の往復回動に伴う回動運動を行い、図3に示す如く回動軸2を中心とする略半円形の軌跡を形成する。図中50は、キャリア4中心部の移動軌跡である。
キャリア4の回動運動にしたがって、キャリア4に係着される従動ブロック5も一緒に移動することになるが、従動ブロック5は、凹溝15内を移動するカムフォロア36によって動きを規制される。つまり、カムフォロア36が、図4に示す如くの移動軌跡(図中51はカムフォロア36中心部の移動軌跡を示す)を形成するのに対応して、従動ブロック5も、本来の略半円形の軌跡ではなく、移動軌跡51と同様の形状で、ピック側とプレース側それぞれにおいて回動半径が徐々に減少する方向に制限された逆U字状軌跡を描きながら移動する。
【0028】
このとき従動ブロック5は、図3に示すように、キャリア4上で、介装されるコイルばね38の圧縮量を変化させつつ、左右方向にスライド移動している。従動ブロック5は、このコイルばね38の圧縮量に応じた常時右方向に向かう付勢力Nを受け続けている。
そして、上記付勢力Nは、連結アーム35を介して、カムフォロア36に伝達され、カムフォロア36が、図4に示すように、凹溝15の内周壁面53および外周壁面54に対して、右方向に向かう押圧力Pを作用させながら、凹溝15内を往復移動するものである。押圧力Pは、凹溝15の左半部においては内周壁面53に、凹溝15の右半部においては外周壁面54に作用する。
【0029】
プレース動作について特に説明すると、図5に示すように、カムフォロア36が凹溝15の垂直部分17bに沿って降下するのに伴い、従動ブロック5および従動ブロック5に連設される把持手段6が垂直降下し、把持手段6の吸着パッド42に吸引把持された製品60も、垂直姿勢を保ったまま直線状に降下して、搬送ベルト65上に開蓋状態で載置固定された個装ケース63に上方から挿入される。製品60の底面61が、個装ケース63の底板64近傍(d=5〜10mm程度)に位置するまで降下すると、吸着パッド42の吸引が解除され、製品60を個装ケース63に収容することができるようになっている。吸着パッド42によって、製品60の上面62を着脱自在に把持する構成とすることで、製品60の個装ケース63への挿入や把持手段6の抜脱が非常に容易に行える。
【0030】
このようなピックアンドプレース装置1によれば、製品60の底面61が、個装ケース63の底板64近傍に位置するまで降下したのちに、吸着パッド42の吸引が解除されるため、ビン製の製品60に損傷を与えることなく、個装ケース63に収容することが可能となる。
【0031】
また、カムフォロア36が、凹溝15の内周壁面53および外周壁面54に対して、右方向に向かう押圧力Pを作用させながら、凹溝15内を往復移動することから、特に円弧部分16から垂直部分17b(または17a)に入っていくときの衝撃をきわめて効果的に低減させることができ、製品60のピックアンドプレースを正確に安定して、しかも高速に行うことが可能となる。アームロボット型のピックアンドプレース装置の場合、30個/分程度が処理能力の限界となるが、上記のピックアンドプレース装置1であれば、60〜80個/分の処理能力を発揮し得る。
なお、コイルばね38は、従動ブロック5の左右いずれの側に配置することも可能であるが、特に上記した態様であれば、製品60の移動過程においてピック側からプレース側に向かう押圧力Pが継続的に作用することとなり、途中停止時および再起動時等の慣性による従動ブロック5の揺れを抑止でき、製品60が吸着パッド42から脱離して落下するのを防止できるため、非常に好ましいものとなる。
【0032】
上記実施形態の変形例を図6に示す。この変形例では、所定の湾曲形状をなし、案内部を形成する一対のガイドレール70a、70bが、板状体3に突設配置されている。ガイドレール70a、70bにはそれぞれ、内周壁面73および外周壁面74が設けられ、上記構成のカムフォロア36が、内周壁面73および外周壁面74に対して、上記と同様の押圧力Pを作用させながら、逆U字状の移動軌跡51を形成するようになされている。
【0033】
以上の実施形態の記述は、本発明をこれに限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更等が可能である。例えば、キャリア4や従動ブロック5の形状・大きさ等は適宜変更して用いることができる。また、回動軸2の前端側に駆動モータを配置するようにしてもよい。
上記の実施形態では、製品60を個装ケース63に間欠的に収容する例を示したが、本発明は、このような形態に限らず、把持手段6を円弧部分16の両端側において垂直に上下させることが有効となり得る様々な工程に適用できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、製品に損傷を与えることなくプレース動作を行うことができ、しかも製品を安定して移動させることができるピックアンドプレース装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施形態に係るピックアンドプレース装置を示す正面図である。
【図2】実施形態に係るピックアンドプレース装置を示す縦断面図である。
【図3】キャリアおよび従動ブロックの移動軌跡を示す図である。
【図4】カムフォロアの移動軌跡を示す図である。
【図5】プレース動作の状況を示す図である。
【図6】変形例を示す斜視図である。
【図7】従来技術を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1 ピックアンドプレース装置
2 回動軸
3 板状体
4 キャリア
5 従動ブロック
6 把持手段
15 凹溝
16 円弧部分
17a、17b 垂直部分
22a、22b スライドバー
25 回動アーム
26 固定プーリ
29 回動プーリ
30 タイミングベルト
38 コイルばね
42 吸着パッド
50 軌跡
51 軌跡
53 内周壁面
54 外周壁面
60 製品
61 底面
62 上面
63 個装ケース
64 底板
N 付勢力
P 押圧力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピック動作とプレース動作の繰り返しにより、製品を移動するためのピックアンドプレース装置であって、
前後方向に延在して設けられる回動軸と、
円弧部分と、該円弧部分の両端から連続する垂直部分と、を有する案内部が配設され、該回動軸に直交して立設支持される板状体と、
該回動軸に固着される回動アームと回転対偶で連結され、水平姿勢を維持しながら、該板状体に平行する鉛直面で回動運動を行うキャリアと、
左右方向へスライド移動自在に、かつ弾性部材を介装して左右いずれかの所定方向に付勢された状態で、該キャリアに係着されるとともに、該案内部に係合するカムフォロアが接続された従動ブロックと、
該従動ブロックに吊設され、製品を把持する把持手段と、を備え、
該キャリアの回動運動にしたがい、該従動ブロックを介して該カムフォロアにより、該案内部に対して該所定方向に向かう押圧力を作用させながら、該カムフォロアを、該案内部に沿って往復移動させるようになされたピックアンドプレース装置。
【請求項2】
該回動軸を中心とする固定プーリと、
該キャリアを固着し、該回動アームの先端に回動可能に軸着される回動プーリと、
該固定プーリおよび該回動プーリの間に配設されるタイミングベルトと、
を備えた請求項1に記載のピックアンドプレース装置。
【請求項3】
該垂直部における該カムフォロアの降下に伴って、該把持手段を、製品を把持させたまま、製品の底面が包装箱の底板近傍に位置するまで垂直降下させるようになされた請求項1または2に記載のピックアンドプレース装置。
【請求項4】
該把持手段は、吸着部を備え、製品の上面を着脱自在に把持するものである請求項3に記載のピックアンドプレース装置。
【請求項5】
該案内部が、凹溝である請求項3または4に記載のピックアンドプレース装置。
【請求項6】
該キャリアが、該従動ブロックを貫通する複数段のスライドバーを備え、
該弾性部材としてのコイルばねが、該スライドバーに巻回されている請求項5に記載のピックアンドプレース装置。
【請求項7】
ピック動作とプレース動作の繰り返しにより、製品を供給する方法であって、
前後方向に延在して設けられる回動軸を回動させるステップと、
該回動軸の回動に伴い、該回動軸に固着される回動アームと回転対偶で連結されるキャリアを、水平姿勢を維持しながら、該回動軸に直交する鉛直面で回動運動させるステップと、
該キャリアの回動運動にしたがい、左右方向へスライド移動自在に、かつ弾性部材を介装して左右いずれかの所定方向に付勢された状態で、該キャリアに係着される従動ブロックを介して、該従動ブロックに接続されるカムフォロアを、円弧部分と、該円弧部分の両端から連続する垂直部分と、を有する案内部に係合させるとともに、該案内部に対して該所定方向に向かう押圧力を作用させながら、該カムフォロアを、該案内部に沿って往復移動させるステップと、
該垂直部における該カムフォロアの降下に伴って、該従動ブロックに吊設される把持手段を、製品を把持させたまま垂直降下させるステップと、を含む供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−248201(P2009−248201A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95305(P2008−95305)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000137904)株式会社ミューチュアル (37)
【Fターム(参考)】