説明

ピラゾロナフチリジン誘導体

抗喘息効果およびCOPD予防・治療効果に優れ安全性の高いPDE IV阻害剤の開発。一般式(1)


(式中、Aは水酸基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニルオキシ基、アミノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ低級アルキレン基、低級アルコキシカルボニル低級アルキレン基、低級アルキルスルフォニル基、低級アルキルスルフォニルアミノ基およびウレイド基から成る群から選択される置換基によって置換されてもよいフェニル基、ピリジル基、1−オキシピリジル基またはチエニル基であり、Rは水素もしくは水酸基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基および低級アルコキシカルボニル基から成る群から選択される置換基であり、Rは水素または低級アルキル基であって、mは1から3の整数である)で表される化合物またはその医薬的に許容される塩は、優れたPDE IV阻害作用を有し、安全性が高く、抗喘息剤およびCOPD予防・治療剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ホスホジエステラーゼ(phosphodiesterase;以下、PDEともいう)IV阻害作用を有する新規な縮合ナフチリジン誘導体またはその医薬的に許容される塩およびそれを有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
PDEは、細胞内サイクリックAMP(cAMP)および同サイクリックGMP(cGMP)を加水分解する酵素であり、生体内の各組織、器官に広く分布している。これまでのところ、PDEにはその特性の違いによりタイプI〜VIIの7種類のアイソザイムが知られており、この中で、PDE IVは、気道平滑筋細胞および好中球・好酸球・リンパ球等の炎症細胞に多く存在し、cAMPを選択的に分解する酵素であることが知られている。
これに加え、気道平滑筋細胞におけるcAMP上昇は、同平滑筋を弛緩させ、一方、炎症細胞におけるcAMPの上昇は、好酸球からの細胞障害性蛋白質の遊離を抑制するなど、炎症細胞の活性化を抑制することが知られている。
したがって、気道平滑筋細胞および炎症細胞に多く存在するPDE IVを同アイソザイムに選択的な阻害剤で阻害すれば、これらの細胞でcAMPの上昇がもたらされ、その結果、気道平滑筋弛緩による気管支拡張作用および炎症細胞活性化の抑制による抗炎症作用の発現が期待され、例えば、Barnetteによる文献レビュー(非特許文献1参照)にも見られるように、このようなPDE IV阻害剤は優れた抗喘息剤や慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease,COPDともいう)の治療剤となることが期待される。
これまで、PDE IVの阻害剤としては、キサンチン誘導体のテオフィリンおよびカテコール誘導体のロリプラムなどが知られている。テオフィリンはそのアイソザイム非選択性により様々な組織におけるPDEを阻害し、目的とする気管支拡張作用のほかに、心臓、中枢等へ余分な作用を引き起こしている。また、ロリプラムは、PDE IVに対する選択性は見られるものの、その吸収特性により中枢に移行しやすく、催吐作用など中枢性の副作用を引き起こすという欠点を有している。さらに、多数の製薬会社は、過去10年以上にわたり、喘息治療についてPDE IVの阻害に焦点を合わせており、PDE IVアイソザイムの生物学的研究および同阻害剤の構造活性相関については文献上レビューがなされている。そうした中、典型的な作用物質であるロリプラムのような選択的PDE IV阻害剤の臨床上の有用性は、一般に、その臨床応用を制限する吐き気および嘔吐により妨害されていることが指摘されている(非特許文献2参照)。また、近年、PDEIV阻害剤がCYP2D6、CYP3A4等の薬物代謝酵素を阻害することで様々な副作用が発現することが分かってきており、薬物代謝酵素に影響を及ぼさないPDEIV阻害剤の開発が望まれている。
このような状況から、気管支平滑筋および炎症細胞以外の他の組織・器官における好ましくない副作用を最小限に抑え、抗喘息効果およびCOPDの予防・治療効果に優れた薬剤を開発することを課題として、種々のPDE IV阻害剤の開発が試みられている。
例えば、PDE IVに対する選択性を高めた阻害剤を目標として、ナフタレン誘導体(例えば、特許文献1参照)、カテコールジエーテル誘導体(例えば、特許文献2参照)および2,3−ジ置換ピリジン誘導体(例えば、特許文献3参照)等、種々の化合物が提案されている。さらに、抗喘息剤としてのみならず、より広範囲にわたる疾患の予防・治療剤の開発を目標として、PDE IV阻害作用を示すナフチリジン骨格を有する化合物が提案されている(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10参照)。
一方、ナフチリジンにヘテロ環が縮合した化合物としては、抗炎症作用、免疫調節作用、鎮痛作用および解熱作用を有する化合物(例えば、特許文献11、特許文献12参照)および抗炎症作用、免疫調節作用、気管支拡張作用および養毛作用を有する化合物(例えば、特許文献13、特許文献14参照)が開示されているが、これらにはいずれもPDEIV阻害作用については開示されていない。
【特許文献1】 特表平10−226647号公報
【特許文献2】 特表2001−527508号公報
【特許文献3】 特開2001−354655号公報
【特許文献4】 特開平7−10875号公報
【特許文献5】 国際公開第96/06843号パンフレット
【特許文献6】 特開平11−106385号公報
【特許文献7】 特開2002−138089号公報
【特許文献8】 国際公開第99/02527号パンフレット
【特許文献9】 国際公開第99/38867号パンフレット
【特許文献10】 国際公開第01/42244号パンフレット
【特許文献11】 特開平5−132484号公報
【特許文献12】 特開平6−100561号公報特
【特許文献13】 特開平5−194515号公報
【特許文献14】 特許第3016905号公報
【非特許文献1】 「プログレス イン ドラッグ リサーチ(PROGRESS IN DRUG RESEARCH)」,(米国),53,1999年,p193−229
【非特許文献2】 「ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY)」,(米国),41,1999年,p2268−2277
【発明の開示】
上記で述べた化合物群も上記課題、すなわち気管支平滑筋および炎症細胞以外の他の組織・器官における好ましくない副作用を最小限に抑え、抗喘息効果およびCOPD予防・治療効果に優れた薬剤を開発することを解決する上で未だ充分なものとは言えず、より高いPDE IV阻害作用を示し、かつ安全性に優れた抗喘息剤およびCOPD予防・治療剤の出現が望まれている。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の化合物について検討を重ねてきた。その結果、国際公開第01/42244号に開示のナフチリジン骨格を有する化合物のナフチリジン環の特定の位置にイミダゾール環を縮合させた化合物であるピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン誘導体が従来のPDE IV阻害剤よりも優れた薬理作用を示し、さらに薬理効果発現用量と薬物代謝酵素阻害用量には大きな差が認められることから安全性の面でも従来のPDE IV阻害剤よりも優れている事実を見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下に示すように、ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン誘導体の1位に置換基を有してもよく、さらに3位に1〜3個のメチレン基を介して、置換されてもよいフェニル基、ピリジル基、1−オキシピリジル基およびチエニル基を有する化合物に関するものであり、本発明の実施形態は以下のとおりである。
1)一般式(1)

(式中、Aは水酸基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニルオキシ基、アミノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ低級アルキレン基、低級アルコキシカルボニル低級アルキレン基、低級アルキルスルフォニル基、低級アルキルスルフォニルアミノ基およびウレイド基から成る群から選択される置換基によって置換されてもよいフェニル基、ピリジル基、1−オキシピリジル基またはチエニル基であり、Rは水素もしくは水酸基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基および低級アルコキシカルボニル基から成る群から選択される置換基であり、Rは水素または低級アルキル基であって、mは1から3の整数である)で表される化合物またはその医薬的に許容される塩。
2)Aがフェニル基である上記1)に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
3)Aがピリジル基または1−オキシピリジル基である上記1)に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
4)3−ベンジル−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン、5−フェニル−3−[2−(1−オキシピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン、5−(3−ニトロフェニル)−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(4−フルオロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(4−カルボキシメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(2−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(2−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(2,5−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(4−エトキシカルボニルメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−ベンジル−5−(3−シアノフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−ベンジル−5−(3−ニトロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オンおよび3−ベンジル−5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オンから成る群から選ばれた化合物またはその医薬的に許容される塩。
5)上記1)〜4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
6)上記1)〜4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有するホスホジエステラーゼIV阻害剤。
7)上記1)〜4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有し、ホスホジエステラーゼIVが直接的または間接的に関与する疾患の予防および/または治療のための薬剤。
8)上記1)〜4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有し、慢性気管支喘息およびアトピー性喘息を含む気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、喘息性気管支炎、肺炎性疾患、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および急性呼吸促迫症候群(ARDS)から成る群から選択された呼吸器疾患の予防および/または治療のための薬剤。
9)上記1)〜4)のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有する抗喘息剤。
上記ホスホジエステラーゼIVが直接的または間接的に関与する疾患としては、上記呼吸器疾患のほかに、例えば、以下のような疾患が挙げられる。
(1)アトピー性皮膚炎、結膜炎、じんま疹、後天性免疫不全症候群(AIDS)、ケロイド形成、鼻炎、紅彩毛様体炎、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏、胃炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、消化管潰瘍、食道炎、筋炎、脳炎、重症筋無力症、多発性硬化症、神経炎、肝炎、瘢痕組織形成、増殖性腎炎を含む腎炎、腹膜炎、胸膜炎、強膜炎、強皮症、熱傷等の、炎症性疾患;(2)変形性膝関節症、通風性関節炎、慢性関節リウマチ、悪性リウマチ、乾癬性関節炎等の、全身あるいは局所の関節疾患;(3)再還流障害、対宿主性移植片反応等の、臓器移植等に伴う炎症;(4)尿崩症、尿道炎、尿失禁、膀胱炎、過敏性膀胱、神経因性膀胱、尿毒症、尿細管障害、頻尿、尿閉等の、排尿に関与する疾患;(5)腫瘍壊死因子(TNFαなど)および他のサイトカイン(IL−1,IL−4,IL−6等)の関与する疾患(乾癬、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性菌性敗血症、トキシックショック症候群、腎炎、肝炎、感染(細菌およびウイルス)、循環不全(心不全、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中)等);(6)悪性腫瘍、白血病、増殖性皮膚疾患(角化症および種々の型の皮膚炎)、結合織疾患等の、増殖性疾患;(7)アルツハイマー型病およびパーキンソン氏病等の神経変性疾患に関連する学習・記憶および認識障害、多発性側索硬化症、老年性痴呆症、筋萎縮性側索硬化症、急性脱髄性神経炎、筋ジストロフィー等の、神経機能異常に関連する疾患;(8)躁鬱病、分裂症、不安症、パニック等の、精神機能異常に伴う疾患;(9)心拍動停止、脊髄損傷、間欠性跛行、虚血性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳卒中、頭部外傷等)等の、神経もしくは細胞の保護を必要とする疾患;(10)糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経症、アミロイドーシス、膵炎、甲状腺炎、肥満、前立腺肥大等の、糖尿病をはじめとする内分泌疾患;(11)全身性エリテマトーデス、萎縮性胃炎、甲状腺疾患、糸球体腎炎、精巣炎、副腎疾患、溶血性貧血、卵巣炎等の、自己免疫疾患;(12)高血圧、狭心症、心不全、心筋炎、心外膜炎、心内膜炎、心弁膜炎等の、循環器疾患;(13)血管炎、動脈瘤、血管内膜症、血栓炎、肉芽腫症、脳血管炎、動脈硬化、血管周囲炎、白血球減少症、血小板減少症、サルコイドーシス等の、血管・血液系の疾患;(14)接触性皮膚炎、血清症、薬剤アレルギー、Goodpasture症候群、リンパ腫、リウマチ熱、AIDS、アナフィラキシーショック等の免疫アレルギー反応が関与する疾患;および(15)その他の疾患(緑内障、痙性麻痺、インポテンス、疼痛を伴う疾患(打撲、頭痛等)、頸肩腕症候群、腎症、腎不全、肝不全、肥満、女性不妊症、脱毛症等)からなる群から選ばれる疾患。
【発明の効果】
本発明では、PDE IV阻害剤が提供できる。本発明化合物は、PDE IVに対して優れた阻害作用を示し、気管支平滑筋細胞および炎症性細胞に多く存在するPDE IVを阻害することにより、当該細胞におけるcAMPを上昇させて、気管支平滑筋の弛緩と同時に炎症細胞活性化の抑制を達成することが可能である。さらに、本発明化合物は、従来のPDE IV阻害剤と比較して、薬理効果発現用量と薬物代謝酵素阻害用量には大きな差が認められることから、本発明は、薬理効果に優れ、安全性の高い抗喘息剤およびCOPD予防・治療剤等を提供できる。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容は本明細書の開示に含めて解釈されるべきものである。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明では、PDE IV阻害活性を有する、1位に置換基を有してもよく、さらに3位に1〜3個のメチレン基を介して、置換されてもよいフェニル基、ピリジル基、1−オキシピリジル基およびチエニル基を有するピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン誘導体化合物(1)及びその塩、それの有効量を含有する医薬組成物を提供し、優れた効果を持つ医薬を与える。
上記一般式(1)で表される化合物の定義について、次に詳細に説明する。
上記「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子または臭素原子である。
上記「低級アルキル基」とは、炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはt−ブチル基である。
上記「低級アルコキシ基」とは、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブチル基またはt−ブトキシ基である。
上記「低級アルキルカルボニルオキシ基」とは、炭素原子数2〜5個のアルキルカルボニルオキシ基であり、具体的には、アセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基またはt−ブチルカルボニルオキシ基である。
上記「低級アルコキシカルボニル基」とは、炭素原子数2〜5個のアルコキシカルボニル基であり、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基またはt−ブトキシカルボニル基である。
上記「カルボキシ低級アルキレン基」とは、カルボキシ基と炭素原子数1〜4個の直鎖のアルキレンの組み合わせからなるカルボキシアルキレン基であり、具体的には、カルボキシメチレン基、カルボキシエチレン基、カルボキシトリメチレン基またはカルボキシテトラメチレン基である。
上記「低級アルコキシカルボニル低級アルキレン基」とは、炭素原子数2〜5個のアルコキシカルボニルと炭素原子数1〜4個の直鎖のアルキレンの組み合わせからなるアルコキシカルボニルアルキレン基であり、具体的には、メトキシカルボニルメチレン基、エトキシカルボニルメチレン基、プロポキシカルボニルメチレン基、イソプロポキシカルボニルメチレン基、n−ブトキシカルボニルメチレン基、イソブトキシカルボニルメチレン基、sec−ブトキシカルボニルメチレン基、t−ブトキシカルボニルメチレン基、メトキシカルボニルエチレン基、エトキシカルボニルエチレン基、プロポキシカルボニルエチレン基、イソプロポキシカルボニルエチレン基、n−ブトキシカルボニルエチレン基、イソブトキシカルボニルエチレン基、sec−ブトキシカルボニルエチレン基、t−ブトキシカルボニルエチレン基、メトキシカルボニルトリメチレン基、エトキシカルボニルトリメチレン基、プロポキシカルボニルトリメチレン基、イソプロポキシカルボニルトリメチレン基、n−ブトキシカルボニルトリメチレン基、イソブトキシカルボニルトリメチレン基、sec−ブトキシカルボニルトリメチレン基、t−ブトキシカルボニルトリメチレン基、メトキシカルボニルテトラメチレン基、エトキシカルボニルテトラメチレン基、プロポキシカルボニルテトラメチレン基、イソプロポキシカルボニルテトラメチレン基、n−ブトキシカルボニルテトラメチレン基、イソブトキシカルボニルテトラメチレン基、sec−ブトキシカルボニルテトラメチレン基またはt−ブトキシカルボニルテトラメチレン基である。
上記「低級アルキルスルフォニル基」とは、炭素原子数1〜4個のアルキルスルフォニル基であり、具体的には、メチルスルフォニル基、エチルスルフォニル基、プロピルスルフォニル基、イソプロピルスルフォニル基、n−ブチルスルフォニル基、イソブチルスルフォニル基、sec−ブチルスルフォニル基またはt−ブチルスルフォニル基である。
上記「低級アルキルスルフォニルアミノ基」とは、炭素原子数1〜4個のアルキルスルフォニルアミノ基であり、具体的には、メチルスルフォニルアミノ基、エチルスルフォニルアミノ基、プロピルスルフォニルアミノ基、イソプロピルスルフォニルアミノ基、n−ブチルスルフォニルアミノ基、イソブチルスルフォニルアミノ基、sec−ブチルスルフォニルアミノ基またはt−ブチルスルフォニルアミノ基である。
本発明の具体的な化合物としては以下の化合物が例示される。
5−フェニル−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
1−メチル−5−フェニル−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
5−フェニル−3−[2−(ピリジン−3−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
5−フェニル−3−(ピリジン−3−イル)メチル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
5−フェニル−3−[2−(1−オキシピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
5−(3−ニトロフェニル)−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
5−(3−ニトロフェニル)−3−[2−(1−オキシピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
5−(3−アミノフェニル)−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
3−ベンジル−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
5−フェニル−3−(2−フェニルエチル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(4−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(4−カルボキシフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(2−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(3−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(4−メチルフェニル)エチル〕−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(3−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(2−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(2−チエニルメチル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(3−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(2−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(2,5−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(3,5−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−シアノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−エトキシカルボニルメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−フルオロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−メチルスルフォニルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(2−カルボキシフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(3−カルボキシフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−カルボキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(3−ヒドロキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(2−ヒドロキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−アミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(3−アミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(2−アミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−カルボキシメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−アセトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−[2−(4−メタンスルフォニルアミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−(4−メタンスルフォニルアミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
5−フェニル−3−[2−(2−ウレイドフェニル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−ベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−ベンジル−5−(3−シアノフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−ベンジル−5−(3−カルボキシフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
5−フェニル−3−(3−フェニルプロピル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−ベンジル−5−(3−ニトロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
5−(3−アミノフェニル)−3−ベンジル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−ベンジル−5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
明細書中、「本発明化合物」は、その塩のほか、その水和物およびその溶媒和物、さらには、化合物分子中に存在する官能基から誘導されたもののいかなるプロドラッグ体であってもよく、本発明化合物のプロドラッグ体は、生体内で、代謝により、例えば、加水分解、酸化、還元、トランスエステル化などにより、一般式(1)の化合物などに変換しうるものが含まれ、例えば、エステル、エーテル、アミド、アルコール、アミン誘導物をも包含する意味で使用されている。本発明化合物は、好ましくは、PDE IVに対する極めて特異的な阻害活性を有するものである。
本発明化合物は、2つ以上の互変異性体として存在する場合もあるし、また1個〜複数個の不斉炭素原子を有する場合もあり、これに基づく(R)体、(S)体等の光学異性体、ラセミ体、ジアステレオマー等が存在する。本発明は、これらの異性体の分離されたものをあるいは混合物を全て包含する。上記互変異性体の具体例としては、例えば、次の一般式(1−a)(式中、A,mおよびRは前記と同様)で表される化合物と、次の一般式(1−b)(式中、A,mおよびRは前記と同様)で表される化合物が挙げられる。


さらに、本発明化合物は、水和物、エタノール等の溶媒和物や結晶多形の物質として単離することもできる。
本発明は、上記一般式(1)で表されるナフチリジン誘導体の医薬的に許容される塩も含んでおり、このような塩としては、医学上もしくは薬学上からみて使用可能な無毒性ないし低毒性の無機酸および有機酸ならびに無機塩基および有機塩基の塩が挙げられ、具体的には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩等、ならびにアルカリ金属塩(例:ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例:カルシウム塩、マグネシウム塩)およびエチレンジアミン塩等が挙げられる。
本発明の化合物は、種々の方法で製造できるが、一般式(1)の化合物は、例えば下記製造工程ないしその変法に従って製造することができる。

すなわち、一般式(2)(式中、A、mおよびRは前記と同様)で表される化合物と、一般式(3)(式中、Rは前記と同様)で表される化合物、その水和物またはその塩を反応させることにより、一般式(1)で表される本発明化合物を製造することができる。本反応は、溶媒の存在下もしくは非存在下に行うことができ、溶媒の存在下に反応を行う場合は、反応に影響を及ぼさない常用の溶媒が使用可能であり、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸、プロピオン酸、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジフェニルホルムアミド、スルホラン等が挙げられ、好ましくは、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸等があげられる。また、反応温度は、0℃〜200℃程度であり、好ましくは室温〜160℃程度である。さらに、Aにおけるフェニル基、ピリジル基、1−オキシピリジル基またはチエニル基の置換基が水酸基、アセトキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルボキシ低級アルキレン基および低級アルキルスルフォニルアミノ基である化合物の場合は、加水分解、酸化または還元等、通常当業者であれば使用することができる種々の方法により、一般式(1)で表される化合物から製造することができる。また、Rが水酸基、アミノ基またはカルボキシル基である化合物の場合も、通常当業者であれば使用することができる種々の方法により、一般式(1)で表される化合物から製造することができる。
上記製造工程(1)において、一般式(2)で表される化合物は、下記製造工程(II)ないしその変法に従って製造することができる。

すなわち、一般式(4)(式中、Rは前記と同様)で表される化合物と、一般式(5)(式中、A、mは前記と同様)で表される化合物とポリリン酸を反応させることにより、一般式(2)で表される化合物を製造することができる。
さらに、一般式(2)で表される化合物は、下記製造工程(III)ないしその変法に従っても製造することができる。

すなわち、一般式(4)(式中、Rは前記と同様)で表される化合物と、一般式(6)(式中、A、mは前記と同様)で表される化合物を水素化ナトリウムの存在下、反応させることにより、一般式(7)で表される化合物を得、次いでシアン化物としてシアン化リチウム、シアン化ナトリウムまたはシアン化カリウム、塩基としてトリエチルアミン、クラウンエーテルとして15−クラウン−5エーテル、12−クラウン−4エーテルまたは18−クラウン−6エーテルの存在下、トルエン等の溶媒中で反応させることにより一般式(2)で表される化合物を製造することができる。
さらに、上記製造工程(III)は、一般式(6)中、m=1で表される場合、過剰当量の水素化ナトリウム(好ましくは2〜3当量)存在下、反応させることにより、一般式(7)で表される化合物を経由することなく、直接、一般式(4)で表される化合物より一般式(2)で表される化合物を製造することもできる。
製造工程(II)および(III)において、一般式(4)で表される化合物は、公知の方法(特開昭61−246183号またはJ.Med.Chem.,31,2108(1988))ないしその変法により製造可能である。
さらに、一般式(4)で表される化合物は、下記製造工程(IV)ないしその変法に従っても製造することができる。

すなわち、公知の方法(特開平5−194515号)の変法により、―般式(8)から一般式(9)を経て一般式(10)(式中、Rは前記と同様)で表される化合物を得、さらに、水酸化アルカリ金属、水酸化アルカリ土類金属、例えば、水酸化カリウムと反応させることにより一般式(4)で表される化合物を製造することができる。
上記製造工程(IV)において、一般式(8)で表される化合物は、公知の方法(国際公開第01/42244号)ないしその変法により製造可能である。
本発明化合物は、PDE IV阻害剤として有用で、PDE IVが直接的または間接的に関与する疾患の予防または治療剤、特にはPDE IV活性亢進が関与する疾患の予防または治療剤として有用である。本発明の化合物は、具体的には、(1)例えば、慢性気管支喘息およびアトピー性喘息を含む気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、喘息性気管支炎、肺炎性突患、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)等の、呼吸器疾患;(2)例えば、アトピー性皮膚炎、結膜炎、じんま疹、後天性免疫不全症候群(AIDS)、ケロイド形成、鼻炎、紅彩毛様体炎、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏、胃炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、消化管潰瘍、食道炎、筋炎、脳炎、重症筋無力症、多発性硬化症、神経炎、肝炎、瘢痕組織形成、増殖性腎炎を含む腎炎、腹膜炎、胸膜炎、強膜炎、強皮症、熱傷等の、炎症性疾患;(3)例えば、変形性膝関節症、通風性関節炎、慢性関節リウマチ、悪性リウマチ、乾癬性関節炎等の、全身あるいは局所の関節疾患;(4)例えば、再還流障害、対宿主性移植片反応等の、臓器移植等に伴う炎症;(5)例えば、尿崩症、尿道炎、尿失禁、膀胱炎、過敏性膀胱、神経因性膀胱、尿毒症、尿細管障害、頻尿、尿閉等の、排尿に関与する疾患;(6)例えば、腫瘍壊死因子(TNFαなど)および他のサイトカイン(IL−1,IL−4,IL−6等)の関与する疾患(乾癬、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性菌性敗血症、トキシックショック症候群、腎炎、肝炎、感染(細菌およびウイルス)、循環不全(心不全、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中)等);(7)例えば、悪性腫瘍、白血病、増殖性皮膚疾患(角化症および種々の型の皮膚炎)、結合織疾患等の、増殖性疾患;(8)例えば、アルツハイマー型病およびパーキンソン氏病等の神経変性疾患に関連する学習・記憶および認識障害、多発性側索硬化症、老年性痴呆症、筋萎縮性側索硬化症、急性脱髄性神経炎、筋ジストロフィー等の、神経機能異常に関連する疾患;(9)例えば、躁鬱病、分裂症、不安症、パニック等の、精神機能異常に伴う疾患;(10)例えば、心拍動停止、脊髄損傷、間欠性跛行、虚血性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳卒中、頭部外傷等)等の、神経もしくは細胞の保護を必要とする疾患;(11)例えば、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経症、アミロイドーシス、膵炎、甲状腺炎、肥満、前立腺肥大等の、糖尿病をはじめとする内分泌疾患;(12)例えば、全身性エリテマトーデス、萎縮性胃炎、甲状腺疾患、糸球体腎炎、精巣炎、副腎疾患、溶血性貧血、卵巣炎等の、自己免疫疾患;(13)例えば、高血圧、狭心症、心不全、心筋炎、心外膜炎、心内膜炎、心弁膜炎等の、循環器疾患;(14)例えば、血管炎、動脈瘤、血管内膜症、血栓炎、肉芽腫症、脳血管炎、動脈硬化、血管周囲炎、白血球減少症、血小板減少症、サルコイドーシス等の、血管・血液系の疾患;(15)例えば、接触性皮膚炎、血清症、薬剤アレルギー、Goodpasture症候群、リンパ腫、リウマチ熱、AIDS、アナフィラキシーショック等の免疫アレルギー反応が関与する疾患;および(16)その他の疾患(緑内障、痙性麻痺、インポテンス、疼痛を伴う疾患(打撲、頭痛等)、頸肩腕症候群、腎症、腎不全、肝不全、肥満、女性不妊症、脱毛症等)からなる群から選ばれた疾患を予防または治療する薬剤として有用である。上記疾患は、PDE IVが直接的または間接的に関与するとして知られている。
特に本発明の化合物は、i)慢性気管支喘息およびアトピー性喘息を含む気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、喘息性気管支炎、肺炎性疾患、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)等の呼吸器疾患、およびii)アトピー性皮膚炎、結膜炎、じんま疹、後天性免疫不全症候群(AIDS)、ケロイド形成、鼻炎、紅彩毛様体炎、歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏、胃炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、消化管潰瘍、食道炎、筋炎、脳炎(重症筋無力症、多発性硬化症、神経炎)、肝炎、瘢痕組織形成、増殖性腎炎を含む腎炎、腹膜炎、胸膜炎、強膜炎、強皮症および熱傷等の炎症性疾患の予防または治療剤として有用で、とりわけ気管支喘息およびCOPDにおける予防または治療剤として有用である。
また、本発明化合物は従来のPDE IV阻害剤に比べてCYP2D6、CYP3A4等の薬物代謝酵素阻害作用が極めて弱いことが認められている。すなわち、試験例においても後述するが、従来のPDE IV阻害剤は、抗喘息作用等の薬理効果発現用量と薬物代謝酵素阻害用量の差が小さい、もしくは、薬理効果発現用量よりも少ない用量で薬物代謝酵素を阻害することなどから、臨床での使用は制限されることが懸念されるが、本発明化合物における薬物代謝酵素阻害用量は、その薬理効果発現用量に比べてはるかに高く、安全性の面で特に有利である。
かくして、本発明は、上記一般式(1)で表される化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、PDE IV阻害剤、抗喘息剤およびCOPD予防・治療剤を含む。
すなわち、前記したように、PDE IVは生体内において気管平滑筋細胞および炎症細胞に多く存在するが、本発明化合物は、これらの細胞におけるPDE IVを阻害することにより、気管平滑筋弛緩による気管支拡張作用と共に炎症細胞活性化の抑制による抗炎症作用を発揮し、喘息およびCOPDにおいて発生する種々の好ましくない反応・症状の改善に広く有効である。
ここで本発明化合物の作用の1つである抗喘息作用についてさらに詳しく説明する。
すなわち、喘息患者が病因となる抗原を吸入すると、即時型喘息反応、遅発型喘息反応、気道過敏性反応等の一連の反応が惹起されることが知られている。
まず、抗原吸入直後から反応が始まる即時型喘息反応は、抗原抗体反応により肥満細胞から放出されたヒスタミン、ロイコトリエン等の化学伝達物質によってもたらされる典型的な気道平滑筋収縮反応である。次に見られる遅発型喘息反応は、抗原吸入4〜24時間後に起こるが、その病態としては炎症細胞の肺組織への浸潤、気道粘膜の浮腫等が観察される。さらにその後に見られる気道過敏性反応は、抗原吸入1〜14日後に生じる気道反応性の亢進状態であり、ごく軽度の刺激によっても気道が収縮し、重度の気道閉塞が発症する状態となる。
このように、喘息においては抗原吸入直後から種々の反応・症状が見られるが、本発明化合物は、PDE IV阻害作用に基づく気管支拡張作用および抗炎症作用により、これらの各段階の反応・症状に対して、優れた抑制作用・改善作用を発揮することができる。
本発明化合物による治療の対象となる疾患としては、上記の疾患が挙げられ、特に、気管支・気道領域における呼吸機能障害・炎症を伴う疾患が挙げられるが、具体的には、慢性気管支喘息およびアトピー性喘息を含む気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、喘息性気管支炎、肺炎性疾患、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)およびその他の気管支・気道炎症等が挙げられる。
上記の疾患を有する患者に対して、本発明化合物は、単独で、好ましくは薬剤学的に許容される添加物を加えた製剤の形で投与される。その投与経路としては、経口および注射のほか、吸入および経皮などの局所投与による経路が採用される。上記製剤においては、いずれの投与経路による場合も、公知の製剤添加物から選択された成分(以下「製剤成分」ということもある)を適宜使用することができる。具体的な公知の製剤添加物は、例えば、(1)医薬品添加物ハンドブック、丸善(株)、(1989)、(2)医薬品添加物事典、第1版、(株)薬事日報社(1994)、(3)医薬品添加物事典追補、第1版、(株)薬事日報社(1995)および(4)薬剤学、改訂第5版、(株)南江堂(1997)に記載されている成分の中から、投与経路および製剤用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、経口投与による場合、上記添加物としては、経口剤を構成できる製剤成分であって本発明の目的を達成し得るものならばどのようなものでも良いが、通常は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング済など公知の製剤成分が選択される。具体的な経口剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、シロップ剤、ドライシロップ剤などが挙げられる。なお、当該経口剤には、公知の製剤成分を用いて、有効成分として含有する本発明化合物の体内での放出をコントロールした製剤(例:速放性製剤、徐放性製剤)も含まれる。
上記経口剤には腸溶製剤も含まれ、むしろ腸溶製剤にした方が好ましい場合もある。このような腸溶製剤としては、セルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびメチルメタアクリレートーメタアクリル酸共重合体などの腸溶性のコーティング剤を剤皮に含むカプセル製剤等が挙げられる。
また、注射による場合、上記添加物としては、水性注射剤もしくは非水性注射剤を構成できる製剤成分が使用され、通常は溶解剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定剤、保存剤などの公知の製剤成分が使用されるが、さらに投与時に溶解あるいは懸濁して使用するための粉末注射剤を構成する公知の製剤成分であっても良い。
さらに、吸入および経皮などの局所投与による場合、上記添加物としては、溶解補助剤、安定剤、緩衝剤、懸濁化剤、乳化剤、保存剤等の公知の製剤成分が使用される。具体的な吸入剤としては、エアゾール剤が挙げられる。エアゾールの発生法としては、同一密封容器に医薬有効成分と代替フロン等の噴射剤を充填し、スプレーするタイプのものでも、また医薬有効成分と別の容器に充填した二酸化炭素や窒素等の圧縮ガスを用いたネブライザーやアトマイザーのタイプのものでもいずれの形態でもよい。また、具体的な経皮吸収剤としては、軟膏剤、貼付剤、パップ剤等が挙げられる。
上記製剤成分を使用して所望の経口剤、注射剤、吸入剤または経皮吸収剤を得るためには、自体公知の製造法、例えば、第十四改正日木薬局方(日局XIV)記載の製造法ないしこれに適当なモデフィケーションを加えた製造法を採用することができる。
上記本発明薬剤の投与対象は哺乳動物、特にヒトであり、その投与量は、本発明化合物の量に換算した場合、経口剤として使用する場合は、通常0.1〜1,000mg(/日)程度であり、好ましくは0.1〜500mg(/日)程度である。また、注射剤として使用する場合は、通常0.01〜200mg(/日)程度であり、好ましくは0.05〜100mg(/日)程度である。さらに、局所投与剤として使用する場合は、通常0.01〜200mg(/日)程度であり、好ましくは0.05〜100mg(/日)程度である。上記投与経路および投与量を具体的に決定する場面においては、患者の状態(一般的状態、病状、合併症の有無など)、年齢、性別、体重などを考慮してその経路および最適量が決められる。
実施例等
次に、試験例及び製剤例を記載して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。全ての例等は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
【試験例】
次に、一般式(1)で表される本発明化合物の有効性および安全性に関する薬理試験の方法・成績について例示、説明する。
試験例1 PDE IV阻害作用
<方法>
PDE IV活性は、Nicholsonらの方法[Br.J.Pharmacol.,97,889(1989)]に従って測定した。
PDE IVのアイソザイムは、U937培養細胞よりイオン交換クロマトグラフィーにより分離したものを用いた。PDE IVアイソザイムは、エチレングリコールを最終濃度30%となるよう添加して−20℃で保存して用時希釈して使用し、cAMPを基質としての酵素活性を測定した。
H]−cAMP(962 GBq/mmol;アムシャム社製)の25μl(100,000cpm)をPDE IVアイソザイム25μlとともに、下記組成のインキュベーション緩衝液に加え、全量を250μlとした。試験化合物はDMSOに溶解し、最終濃度が1%(2.5μl/管)となるように調製した。
インキュベーション緩衝液の組成(pH7.5):トリス−塩酸(50mM)、塩化マグネシウム(6mM)、ジチオトレイトール(2.5mM)、5−ヌクレオチダーゼ(4μg/ml)、牛血清アルブミン(0.23mg/ml)、cAMP(1μM)
上記試験化合物溶液と緩衝液の混合物を、30℃で20分間インキュベーションした後、陰イオン交換樹脂(AG1−X8、200−400メッシュ、クロライドフォーム;バイオラッド社製)のスラリーを1ml加え、未反応の基質を吸着させることより反応を停止させた。
反応停止後、800×gで10分間遠心分離した後、上清250μlをバイアルに分取し、ACS−II(アムシャム社製のシンチレーター)を5ml加え、[H]−アデノシンの放射活性を液体シンチレーションカウンターにて測定し、PDE IV活性とした。
試験化合物のコントロールに対する阻害%を算出し、50%阻害濃度(IC50)の値をプロビット(Probit)法により求め、その結果を表1に示した。なお、本試験の対照化合物としては、PDE IV阻害剤として既に知られているロリプラム[(−)−4−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリジノン]を用いた。

<結果>
表1からわかるように、本発明の実施例化合物はPDE IVに対し優れた阻害作用を示すことが認められた。
試験例2 抗原誘発即時型喘息反応抑制作用(抗喘息作用)
<方法>
(1)モルモットの能動感作
ハートレイ系雄性のモルモットに、抗原である卵白アルブミン(1mg)およびアジュバントである不活性化百日咳死菌5×10個を含む生理食塩水(0.5ml)を腹腔内投与し感作した。
感作11〜13日後に、生理食塩水に溶解した卵白アルブミン(1mg/ml)の溶液0.05mlをモルモット側腹部皮内に投与し、皮膚反応によって感作の成立をチェックし、5〜10分後に顕著な赤色反応を呈したモルモットのみを次の気道抵抗測定試験に使用した。
(2)能動感作モルモットにおける気道抵抗の測定
上記(1)で能動感作を行ったモルモット(1群3匹)の気道圧をKonzett−Rossler(コンゼット−レスラー)法[Arch.Exp.Path.Pharmakol.,195,71(1940)]により測定した。
すなわち、感作13日後にモルモットを1晩絶食し、その翌日に生理食塩水で希釈したペントバルビタール液(30mg/1.2ml/kg)を腹腔内投与することにより麻酔した。モルモットは背位固定後、気管を切開し、四方カニューレの一方を挿入した。残りの三方のうち、二方は人工呼吸器(モデル683、ハーバード社製)に接続し、1回換気量10ml/kg、60回/分の割合で人工呼吸を施した。また、残りの一方は、コントロールボックス(RY−111S、日本光電)を接続した気流抵抗管[TV−241T、日本光電(株)製]および差圧トランスジューサー[TP−602T、日本光電(株)製]を介して、呼吸用アンプ[AR−601G、日本光電(株)製]に接続した。
また、左頸動脈に挿入したカテーテルより、血圧は血圧トランスジューサー[TP−300T、日本光電(株)製]を介して血圧測定ユニット[AP641G、日本電気(株)]にて、また、心拍数は血圧の脈波により心拍数ユニット[AT601G、日本光電(株)]に誘導し、熱書記録器[WT−685G、日本光電(株)]に記録した。
安定した気道圧が得られた後、生理食塩水に溶解した卵白アルブミン1mg/mlの溶液を1ml/kgの用量でモルモットの右頸静脈にカニュレーションしたチューブより投与した。抗原投与前、同投与後1、2、3、4、5、11、15および20分における気道圧の振幅を計測することにより、気道圧の時間曲線下面積(AUC)を求め、さらに次の式に従って気道抵抗上昇率(%)を算出した。

試験化合物は、0.5%CMC−Naに懸濁し、抗原投与の60分前に経口ゾンデを用いて0.03〜20mg/2ml/kgの用量で経口投与した。また、コントロール群には、同容量の0.5%CMC−Naのみを投与した。なお、ペントバルビタール麻酔および気管切開の手術は抗原投与の30分前から開始した。
コントロール群に対する各試験化合物投与群の気道抵抗上昇抑制率を下式によって求め、さらにプロビット法によりED50値を求め、表2に示した。なお、本試験の対照化合物としては、ロリプラム、SB207499[シス−4−シアノ−4−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸、J.Med.Chem.,41,821(1998)等に記載]およびロフルミラスト[3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド]を使用した。


<結果>
表2からわかるように、本発明化合物は、抗原誘発即時型喘息反応に対し、優れた抑制作用が認められた。
試験例3 ガラクトサミンおよびリポポリサッカライド(LPS)誘発TNFα産生抑制作用
<方法>
C3H/HeN系マウスに、0.5%CMC−Naに懸濁した試験化合物を0.1〜10mg/kgの用量を経口投与し、1時間後にガラクトサミン800mg/kgおよびLPS 5μg/kgを静脈内投与してTNFα産生誘導を惹起した。ガラクトサミンおよびLPS投与1時間後の血清中のTNFα量をELISA法により測定し、ED50値を求め、表3に示した。なお、本試験の対照化合物としては、ロフルミラストおよびSB207499を使用した。

<結果>
表3からわかるように、実施例9、実施例33の化合物は、TNFα産生に対し、良好な抑制作用が認められた。
試験例4 薬物代謝酵素阻害作用
<方法>
CYP2D6およびCYP3A4に対する阻害作用は、それぞれCYP2D6/AMMCハイスループットインヒビタースクリーニングキットおよびCYP3A4/BFCハイスループットインヒビタースクリーニングキット(何れもBDバイオサイエンス社製)を用いて測定した。すなわち、NADPH産生系、コファクターおよび試験化合物を96穴プレートに分注し、それぞれ蛍光基質であるAMMC(CYP2D6)およびBFC(CYP3A4)を添加し、さらに、それぞれCYP2D6発現系ミクロゾームおよびCYP3A4発現系ミクロゾームを添加、37℃で30分間インキュベーション後、それぞれ蛍光(CYP2D6:励起波長390nm、蛍光波長460nm、CYP3A4:励起波長、409nm、蛍光波長、538nm)を測定することにより、CYP2D6およびCYP3A4に対する酵素阻害作用を測定し、表4に示した。なお、本試験の対照物質としてはロフルミラストを用いた。

<結果>
表4からわかるように、実施例9、実施例33の化合物は、より弱い薬物代謝酵素(CYP2D6およびCYP3A4)阻害作用が認められた。
試験例5 肺好酸球浸潤抑制作用
<方法>
Hartley系モルモットに生理食塩液で調製した1%OVA(卵白アルブミン)を1週間間隔で2回、ネブライザー(アトムメディカル(株)製)を用いて10分間吸入感作した。最終感作の1週間後に、試験化合物の懸濁液を0.03〜3mg/2mL/kgの用量で経口投与し、その1時間後に生理食塩液で調製した2%OVAをネブライザーを用いて5分間吸入させて抗原暴露した。なお、アナフィラキシーショックによる死亡を防ぐためにピリラミン10mg/kgを抗原暴露の30分前に腹腔内投与した。抗原吸入暴露の24時間後に気管支肺胞洗浄液(BALF)を回収し、好酸球数を測定した。

<結果>
実施例9、実施例33の化合物は、肺好酸球浸潤に対し、ロフルミラストよりも強い抑制作用が認められた。
試験例6 肺好中球浸潤抑制作用
<方法>
Hartley系モルモットに試験化合物の懸濁液を0.03〜3mg/2mL/kgの用量で経口投与し、その1時間後に生理食塩液で調製したLPS(リポポリサッカライド)0.1mg/mLをネブライザーを用いて30分間吸入させた。LPS吸入の24時間後に気管支肺胞洗浄液(BALF)を回収し、好中球数を測定した。

<結果>
実施例9、実施例33の化合物は、肺好中球浸潤に対し、ロフルミラストよりも強い抑制作用が認められた。
試験例7 毒性試験(マウス1週間投与)
<方法>
1群7匹のICRマウスに、試験化合物として、本発明の実施例9の化合物を経口投与し、1週間一般状態観察ならびに体重測定を行った。なお、試験化合物は0.5%CMC−Naに懸濁して、100および300mg/10ml/kgの用量で強制経口投与した。
<結果>
いずれの用量においても、死亡例は見られなく、また体重増加抑制も認められなかった。また、その他の指標についても異常は認められなかった。
試験例8 毒性試験(ラット2週間投与)
<方法>
1群6匹のラットに、試験化合物として、本発明実施例9および実施例33の化合物を経口投与し、2週間一般状態観察ならびに体重測定を行った。なお、試験化合物は0.5%CMC−Naに懸濁して、1,5および25mg/5ml/kgの用量で強制経口投与した。
<結果>
いずれの用量においても、死亡例は見られなく、また顕著な体重増加抑制も認められなかった。また、その他の指標についても明らかな異常は認められなかった。
試験例9 イヌにおける催吐作用
<方法>
ビーグル犬に、0.5%CMC−Naに懸濁した試験化合物を1mg/2mL/kgの用量で経口投与し、嘔吐症状の発現の有無を観察した.
<結果>
実施例9、実施例33の化合物をビーグル犬に経口投与したとき、1mg/kgにおいて嘔吐症状は認められなかった。一方、ロフルミラストの場合、1mg/kgにおいて3例中2例で嘔吐症状が認められたことから、実施例9、実施例33の化合物はロフルミラストよりも催吐作用が弱いことが認められた。
【合成例】
以下に、上記一般式(2)で表される化合物に関する合成例1〜28を記載した。
合成例1
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(ピリジン−4−イル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
(1)国際公開第01/42244号に準じて合成した3−(ピリジン−4−イル)プロピオン酸エチル(17.14g,96mmol)を水酸化ナトリウム水溶液(2N,100ml)中で1時間加熱還流した。冷却後、濃硫酸でpH4〜5とし、析出物をろ別、水洗し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して3−(ピリジン−4−イル)プロピオン酸(10.15g,70%)の結晶を得た。
H NMR(DMSO−d)δ:2.59(2H,t,J=7.6Hz),2.83(2H,t,J=7.6Hz),7.25−7.27(2H,app−d,J=5.9Hz),8.44−8.46(2H,app−d,J=5.9Hz),12.21(1H,br)
(2)特開昭61−246183号に準じて合成した4−ヒドロキシ−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2.0g,8.4mmol)、3−(ピリジン−4−イル)プロピオン酸(19.03g,126mmol,15eq.)とポリリン酸(約100ml)を混合し、150℃で一夜加熱撹拌した。撹拌下、時々冷却しながら水に混合物を注ぎ込み溶液とした。クロロホルムで3回洗浄した水層に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで時々抽出する作業を水層がpH3〜3.5になるまで繰り返した。中和しながら集めた有機層のみを集めて無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残査をフラュシュカラムクロマトグラフィーにより精製し 4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(ピリジン−4−イル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(1.59g,51%)の結晶を得た。mp 206−208℃
H NMR(CDCl)δ:3.06(2H,t,J=7.6Hz),3.67(2H,t,J=7.6Hz),7.20−7.27(3H,m),7.23−7.25(2H,app−d,J=4.3Hz),7.47−7.62(3H,m),8.47−8.49(2H,app−d,J=4.9Hz),8.52−8.58(2H,m)
合成例2
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(ピリジン−3−イル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
(1)3−(ピリジン−3−イル)プロペン酸(10.0g,67mmol)、10%パラジウム−活性炭素(1g)、メタノール(100mL)とエタノール(100mL)の混合物を水素雰囲気下、終夜撹拌した。反応液をろ過後、溶媒を濃縮し、乾燥して3−(ピリジン−3−イル)プロピオン酸(10.2g,定量的)を得た。
H NMR(DMSO−d)δ:2.52(2H,m),2.81(2H,t,J=7.6Hz),7.27−7.31(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.63−7.67(1H,app−dt,J=7.9H,1.7Hz),8.38−8.40(1H,app−dd,J=1.7Hz,4.6Hz),8.44−8.45(1H,app−d,J=1.7Hz)
(2)特開昭61−246183号に準じて合成した4−ヒドロキシ−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(402mg,1.7mmol)、3−(ピリジン−3−イル)プロピオン酸(3.81g,25.2mmol,15eq.)とポリリン酸(10ml)を用い、合成例1と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(ピリジン−3−イル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(283mg,45%)を得た。mp 219−220℃
H NMR(CDCl)δ:3.09(2H,t,J=7.3Hz),3.67(2H,t,J=7.3Hz),7.20−7.37(4H,m),7.50−7.61(3H,m),7.75−7.78(1H,app−d,J=7.6Hz),8.46−8.58(4H,m)
合成例3
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(ピリジン−3−イル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
(1)2−(ピリジン−3−イル)酢酸塩酸塩(13.2g,75.6mmol)をエタノール(100mL)懸濁液に、0.5mol水酸化カリウム/エタノール溶液(150mL)を加えた。十分に撹拌した後、塩化カリウムをろ過し、ろ液を濃縮乾燥して2−(ピリジン−3−イル)酢酸(10.6g,定量的)を得た。
(2)特開昭61−246183号に準じて合成した4−ヒドロキシ−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(712mg,3.0mmol)、2−(ピリジン−3−イル)酢酸(8.23g,60mmol,20eq.)とポリリン酸(10ml)を用い、合成例1と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(ピリジン−3−イル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(203mg,19%)を得た。mp 186−188℃
H NMR(CDCl)δ:4.67(2H,s),7.21−7.29(3H,m),7.53−7.74(5H,m),8.52−8.55(2H,app−d,J=7.9Hz),8.57−8.59(2H,app−dd,J=1.7Hz,4.6Hz)
合成例4
4−ヒドロキシ−1−(3−ニトロフェニル)−3−[1−オキソ−3−(ピリジン−4−イル)プロピル]−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
(1)国際公開第01/42244号に準じて合成した2−(3−ニトロフェニルアミノ)ニコチン酸メチル(5.00g,18.3mmol)に1,2−ジクロロエタン(90ml)を加え80℃に加熱して溶液とした。これに、トリクロロメチルクロロホルメート(別名:ジホスゲン6.7ml,54.9mmol)をゆっくりと約30分かけて滴下した。3時間後、活性炭(150mg)を加えて、30分加熱還流した。ろ過した後、溶媒を留去し、減圧下乾燥して、1−(3−ニトロフェニル)−2H−ピリド[2,3−d][3,1]オキサジン−2,4(1H)ジオンを含む混合物(5.32g,定量的)の結晶を得た。mp 209−212℃(dec.)
H NMR(CDCl)δ:7.33−7.38(1H,app−dd,J=4.9Hz,7.9Hz),7.70−7.74(1H,app−td,J=1.7Hz,7.9Hz),7.75−7.81(1H,app−dt,J=0.7Hz,7.9Hz),8.27−8.28(1H,app−t,J=2.0Hz),8.39−8.43(1H,app−ddd,J=1.7Hz,2.0Hz,7.9Hz),8.51−8.54(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.6Hz),8.50−8.58(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.9Hz)
(2)氷冷下、マロン酸ジエチル(2.99g,18.7mmol)のジメチルアセトアミド(28ml)溶液に、水素化ナトリウム(約60%,933mg,23.3mmol)を加え、水素の発生が終わるまで撹拌し、溶液とした。氷冷下、1−(3−ニトロフェニル)−2H−ピリド[2,3−d][3,1]オキサジン−2,4(1H)ジオンを含む混合物(5.32g)に先に調製した溶液を加えた後、150℃で3時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチルを加え放置し得られた沈殿物をろ取し、酢酸エチルで洗浄した。ろ別した残査を水に溶解し、塩酸でpH1まで酸性とすることで得られた析出物をろ別し、水洗し、乾燥して3−エトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−1−(3−ニトロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(4.42g,(1)からの2工程収率66%)の結晶を得た。mp 309−312℃(dec.)
H NMR(CDCl)δ:1.44(3H,t,J=7.3Hz),4.49(2H,q,J=7.3Hz),7.24−7.29(1H,m),7.60−7.64(1H,app−ddd,J=1.0Hz,2.0Hz,7.9Hz),7.69−7.75(1H,app−t,J=7.9Hz),8.16−8.18(1H,app−t,J=2.0Hz),8.33−8.37(1H,app−ddd,J=1.0Hz,2.0Hz,7.9Hz),8.51(1H,s),8.52−8.54(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.0Hz),14.55(1H,s)
(3)3−エトキシカルボニル−4−ヒドロキシ−1−(3−ニトロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(4.42g,12.4mmol)に水酸化カリウム(2.44g,43.4mmol)の水溶液(18ml)を加え、一夜加熱還流した。活性炭(150mg)を加え10分還流し、ろ過した。得られた溶液を塩酸でpH1まで酸性にし、析出物をろ別し、水洗し、乾燥して4−ヒドロキシ−1−(3−ニトロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(3.52g,定量的)の結晶を得た。mp 293−295℃(dec.)
H NMR(DMSO−d)δ:5.97(1H,s),7.28−7.33(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.78−7.81(2H,m),8.20−8.33(3H,m),8.40−8.43(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.9Hz),12.01(1H,brs)
(4)4−ヒドロキシ−1−(3−ニトロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2.5g,8.83mmol)と合成例1−(1)で製造した3−(ピリジン−4−イル)プロピオン酸(19.87g,131mmol,15eq.)とポリリン酸(約100ml)を混合し、合成例1と同様の操作をして4−ヒドロキシ−1−(3−ニトロフェニル)−3−[1−オキソ−3−(ピリジン−4−イル)プロピル]−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(1.98g,54%)を得た。mp 174−177℃
H NMR(CDCl)δ:3.05(2H,t,J=7.3Hz),3.63(2H,t,J=7.3Hz),7.20−7.22(2H,app−d,J=5.9Hz),7.27−7.31(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.60−7.64(1H,app−ddd,J=1.0Hz,1.6Hz,7.9Hz),7.73−7.78(1H,app−t,J=7.9Hz),8.16−8.18(1H,app−t,J=2.0Hz),8.35−8.39(1H,app−ddd,J=1.0Hz,2.3Hz,8.2Hz),8.47−8.49(2H,app−d,J=5.9Hz),8.52−8.54(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.6Hz),8.55−8.59(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz)
合成例5
4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−2−フェニルエチル)−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
(1)特開昭61−246183号に準じて合成した4−ヒドロキシ−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(1.19g,5.0mmol)と水素化ナトリウム(約60%,200mg,5.0mmol)にDMF(10ml)を加え水素の発生が終了するまで撹拌し溶液とした。次に、フェニルアセチルクロリド(0.8ml,6mmol)を加えた後、50℃で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、析出物をろ別し、水洗し、乾燥して1−フェニル−4−フェニルアセトキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(1.34g,75%)を得た。
mp179−180℃/DMF−H
H NMR(CDCl)δ:4.01(2H,s),6.77(1H,s),7.06(1H,dd,J=4.9Hz,7.9Hz),7.24−7.28(2H,m),7.38−7.60(8H,m),7.63(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.44(1H,dd,J=2.0Hz,4.9Hz)
(2)1−フェニル−4−フェニルアセトキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(1.34g,3.7mmol)、トリエチルアミン(379mg,3.7mmol)、シアン化カリウム(491mg,7.5mmol)、18−クラウン−6(197mg)に乾燥トルエン(35ml)を加え室温で一夜撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、続いて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を集めて無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残査をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−2−フェニルエチル)−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(583mg,44%)の結晶を得た。
mp 169−170℃
H NMR(CDCl)δ:4.64(2H,s),7.21(1H,dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.25−7.38(7H,m),7.49−7.64(3H,m),8.52(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.56(1H,dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
合成例6
4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−3−フェニルプロピル)−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
フェニルアセチルクロリドの代わりに、フェニルプロピオニルクロリドを用い、合成例5と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−3−フェニルプロピル)−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2工程収率,51%)を得た。mp 233−234℃
H NMR(CDCl)δ:3.03(2H,t,J=7.3Hz),3.64(2H,t,J=7.3Hz),7.12−7.26(8H,m),7.46−7.60(3H,m),8.53(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.56(1H,dd,J=2.0Hz,4.9Hz)
合成例7
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(4−ニトロフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
フェニルアセチルクロリドの代わりに、4−ニトロフェニルプロピオニルクロリドを用い、合成例5と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(4−ニトロフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2工程収率,52%)を得た。mp 215−217℃
H NMR(CDCl)δ:3.14(2H,t,J=7.3Hz),3.68(2H,t,J=7.3Hz),7.20−7.25(3H,m),7.39−7.42(2H,app−d,J=8.2Hz),7.47−7.62(3H,m),8.10−8.13(2H,app−d,J=8.6Hz),8.53(1H,dd,J=1.7Hz,7.9Hz),8.57(1H,dd,J=1.6Hz,4.6Hz)
合成例8
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(4−シアノフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
フェニルアセチルクロリドの代わりに、4−シアノフェニルプロピオニルクロリドを用い、合成例5と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(4−シアノフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2工程収率,58%)を得た。mp 248−249℃
H NMR(CDCl)δ:3.09(2H,t,J=7.3Hz),3.65(2H,t,J=7.3Hz),7.20−7.26(3H,m),7.34−7.37(2H,app−d,J=8.2Hz),7.46−7.62(3H,m),7.53−7.56(2H,app−d,J=7.9Hz),8.53(1H,dd,J=1.7Hz,7.9Hz),8.57(1H,dd,J=1.7Hz,4.6Hz)
合成例9
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(3−ニトロフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
フェニルアセチルクロリドの代わりに、3−ニトロフェニルプロピオニルクロリドを用い、合成例5と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(3−ニトロフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2工程収率,27%)を得た。mp 164−166℃
H NMR(CDCl)δ:3.14(2H,t,J=7.3Hz),3.68(2H,t,J=7.3Hz),7.20−7.25(3H,m),7.39−7.45(1H,app−t,J=7.9Hz),7.47−7.61(4H,m),8.01−8.06(1H,m),8.11−8.13(1H,m),8.52−8.55(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.56−8.58(1H,app−dd,2.0Hz,5.0Hz)
合成例10
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(2−ニトロフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
フェニルアセチルクロリドの代わりに、2−ニトロフェニルプロピオニルクロリドを用い、合成例5と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(2−ニトロフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2工程収率,58%)を得た。mp 238−240℃
H NMR(CDCl)δ:3.30(2H,t,J=7.9Hz),3.70(2H,t,J=7.9Hz),7.20−7.25(3H,m),7.31−7.40(2H,m),7.46−7.59(4H,m),7.91−7.93(1H,app−d,J=7.9Hz),8.53−8.58(2H,m)
合成例11
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(2−シアノフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
フェニルアセチルクロリドの代わりに、2−シアノフェニルプロピオニルクロリドを用い、合成例5と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(2−シアノフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2工程収率,52%)を得た。mp 226−227℃
H NMR(CDCl)δ:3.26(2H,t,J=7.3Hz),3.67(2H,t,J=7.3Hz),7.20−7.37(5H,m),7.44−7.61(5H,m),8.53−8.58(2H,m)
合成例12
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(3−シアノフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
フェニルアセチルクロリドの代わりに、3−シアノフェニルプロピオニルクロリドを用い、合成例5と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(3−シアノフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2工程収率,30%)を得た。mp 219−220℃
H NMR(CDCl)δ:3.06(2H,t,J=7.3Hz),3.64(2H,t,J=7.3Hz),7.20−7.25(3H,m),7.32−7.38(1H,t,J=7.6Hz),7.45−7.62(6H,m),8.52−8.55(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.56−8.58(1H,dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
合成例13
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(4−メチルフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
フェニルアセチルクロリドの代わりに、4−メチルフェニルプロピオニルクロリドを用い、合成例5と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(4−メチルフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2工程収率,22%)を得た。mp 232−234℃
H NMR(CDCl)δ:2.29(3H,s),2.99(2H,t,J=7.6Hz),3.62(2H,t,J=7.6Hz),7.03−7.06(2H,app−d,J=7.9Hz),7.11−7.14(2H,app−d,J=7.9Hz),7.18−7.26(3H,m),7.46−7.60(3H,m),8.50−8.56(2H,m)
合成例14
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3−メトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
氷冷下、特開平61−246183号に準じて合成した4−ヒドロキシ−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(504mg,2.12mmol)のDMF溶液(20ml)に水素化ナトリウム(60%,167mg,2.0eq.)を加え水素の発生が終了するまで(30分程度)撹拌し溶液とした。次に、3−メトキシフェニルアセチルクロリド(410mg,2.22mmol,1.05eq.)を加えた後、室温で撹拌した。水を加え、塩酸で酸性にした後、析出物をろ別し、水洗し、乾燥後、溶媒を留去した。得られた残査をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3−メトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(423mg,52%)を得た。
mp 173−174℃
H NMR(CDCl)δ:3.79(3H,s),4.62(2H,s),6.81−6.90(3H,m),7.18−7.29(4H,m),7.49−7.64(3H,m),8.50−8.54(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.55−8.58(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
合成例15
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、4−メトキシフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(55%)を得た。mp 190−191.5℃
H NMR(CDCl)δ:3.80(3H,s),4.58(2H,s),6.80−6.90(2H,m),7.18−7.30(5H,m),7.49−7.63(3H,m),8.49−8.53(1H,app−dd,J=1.9Hz,8.1Hz),8.55−8.57(1H、app−dd,J=1.9Hz,4.9Hz)
合成例16
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2−メトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、2−メトキシフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2−メトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(50%)を得た。mp 203−205℃
H NMR(CDCl)δ:3.78(3H,s),4.61(2H,s),6.90−6.98(2H,m),7.12−7.15(1H,m),7.19−7.23(1H,app−dd,J=4.9Hz,7.6Hz),7.27−7.33(3H,m),7.49−7.64(3H,m),8.51−8.54(1H,app−dd,J=1.9Hz,7.8Hz),8.56−8.58(1H,app−dd,J=1.9Hz,4.9Hz)
合成例17
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2−チエニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、2−チエニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2−チエニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(26%)を得た。mp 197−199℃
H NMR(CDCl)δ:4.86(2H,s),6.98−7.01(2H,m),7.19−7.30(4H,m),7.50−7.64(3H,m),8.51−8.54(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.56−8.58(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
合成例18
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、4−ニトロフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(20%)を得た。mp 223−227℃
H NMR(CDCl)δ:4.74(2H,s),7.21−7.26(1H,dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.26−7.29(2H,m),7.44−7.49(2H,app−d,J=8.6Hz),7.49−7.65(3H,m),8.17−8.22(2H,app−d,J=8.9Hz),8.52−8.55(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.57−8.60(1H,dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
合成例19
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3−ニトロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、3−ニトロフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3−ニトロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(37%)を得た。mp 157−161℃
H NMR(CDCl)δ:4.75(2H,s),7.21−7.26(1H,dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.26−7.40(2H,m),7.48−7.67(5H,m),8.13−8.17(2H,m),8.52−8.55(1H,dd,J=1.7Hz,7.9Hz),8.58−8.60(1H,dd,J=1.7Hz,4.6Hz)
合成例20
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2−ニトロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、2−ニトロフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2−ニトロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(41%)を得た。mp 194−195℃
H NMR(CDCl)δ:5.02(2H,s),7.21−7.25(1H,dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.30−7.34(3H,m),7.47−7.66(5H,m),8.16−8.20(1H,dd,J=1.3Hz,8.2Hz),8.51−8.54(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.58−8.60(1H,dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
合成例21
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2,5−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、2,5−ジメトキシフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2,5−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(56%)を得た。mp 159−161℃
H NMR(CDCl)δ:3.74(3H,s),3.77(3H,s),4.58(2H,s),6.71−6.84(3H,m),7.19−7.24(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.27−7.33(2H,m),7.49−7.64(3H,m),8.51−8.54(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.56−8.59(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
合成例22
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、3,4−ジメトキシフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(52%)を得た。mp 161−163℃
H NMR(CDCl)δ:3.86(3H,s),3.87(3H,s),4.58(2H,s),6.85(3H,app−s),7.19−7.23(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.25−7.29(2H,m),7.50−7.65(3H,m),8.50−8.57(2H,m)
合成例23
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、3,5−ジメトキシフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(35%)を得た。mp 169.5−171℃
H NMR(CDCl)δ:3.77(6H,s),4.58(2H,s),6.38−6.40(1H,app−t,J=2.3Hz),6.45−6.46(2H,app−d,J=2.3Hz),7.19−7.24(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.25−7.30(3H,m),7.52−7.63(3H,m),8.50−8.54(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.55−8.58(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
合成例24
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2,4−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、2,4−ジメトキシフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2,4−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(19%)を得た。mp 200−202℃
H NMR(CDCl)δ:3.76(3H,s),3.82(3H,s),4.54(2H,s),6.46−6.50(2H,m),7.01−7.04(1H,app−d,J=7.2Hz),7.18−7.23(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.2Hz),7.27−7.33(2H,m),7.49−7.63(3H,m),8.50−8.54(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.55−8.58(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
合成例25
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、4−シアノフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(18%)を得た。mp 227−230℃
H NMR(CDCl)δ:4.69(2H,s),7.21−7.25(1H,dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.25−7.29(2H,m),7.39−7.42(2H,app−d,J=8.2Hz),7.50−7.68(3H,m),7.61−7.64(2H,app−d,J=8.2Hz),8.51−8.55(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.57−8.59(1H,dd,J=1.6Hz,4.6Hz)
合成例26
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−エトキシカルボニルメチルフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、4−エトキシカルボニルメチルフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−エトキシカルボニルメチルフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(22%)を得た。mp 156−158℃
H NMR(CDCl)δ:1.25(3H,t,J=7.3Hz),3.60(2H,s),4.14(2H,q,J=7.3Hz),4.62(2H,s),7.18−7.23(1H,dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.26−7.29(6H,m),7.49−7.64(3H,m),8.50−8.53(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.55−8.57(1H,dd,J=2.0Hz,4.9Hz)
合成例27
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−フルオロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、4−フルオロフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−フルオロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(43%)を得た。mp 185−187℃
H NMR(CDCl)δ:4.61(2H,s),6.70−7.62(2H,app−t,J=8.6Hz),7.19−7.28(5H,m),7.52−7.65(3H,m),8.51−8.57(2H,m)
合成例28
4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−メチルチオフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
3−メトキシフェニルアセチルクロリドの代わりに、4−メチルチオフェニルアセチルクロリドを用い、合成例14と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−メチルチオフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(49%)を得た。mp 177−182℃
H NMR(CDCl)δ:2.47(3H,s),4.60(2H,s),7.19−7.29(7H,m),7.49−7.64(3H,m),8.50−8.53(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.55−8.58(1H,dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
合成例29
1−(3−シアノフェニル)−4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−2−フェニルエチル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
(1)国際公開第01/42244号に準じて合成した2−(3−シアノフェニルアミノ)ニコチン酸メチル(507mg,2.0mmol)にDMF(2ml)と酢酸ブチル(2ml)を加え、80℃で溶解させた。カリウムt−ブトキシド(449mg,4.0mmol)を加え、約130℃で一夜撹拌した。加熱下、溶媒を留去し、放冷後、残査を水に溶解し、キシレンで分液洗浄した。水層に塩酸を加え、酸性とし、析出物をろ別し、水洗し、乾燥して、1−(3−シアノフェニル)−4−ヒドロキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オンを含む混合物(321mg,61%)を得た。mp 287−288(dec.)℃
H NMR(DMSO−d)δ:5.94(1H,s),7.30(1H,dd,J=4.8Hz,7.9Hz),7.64(1H,dt,J=8.1Hz,1.5Hz),7.71(1H,t,J=8.1Hz),7.84−7.86(1H,m),7.91(1H,dt,J=7.4Hz,1.5Hz),8.29(1H,dd,J=1.8Hz,7.7Hz),8.42(1H,dd,J=1.8Hz,4.8Hz)
(2)1−(3−シアノフェニル)−4−ヒドロキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オンを含む混合物(958mg,3.64mmol)のDMF(16ml)懸濁液に水素化ナトリウム(約60%,350mg,8.74mmol,2.4eq.)を加え水素の発生が終了するまで撹拌した。次に、フェニルアセチルクロリド(563mg,3.64mmol,1.0eq.)を加え室温で撹拌した。水を加え塩酸で酸性にした後、析出物をろ別し、水洗した。得られた析出物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し1−(3−シアノフェニル)−4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−2−フェニルエチル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(341mg,25%)を得た。mp 216−218℃
H NMR(CDCl)δ:4.60(2H,s),7.23−7.35(6H,m),7.52−7.60(2H,m),7.70(1H,t,J=7.9Hz),7.80(1H,dt,J=7.9Hz,1.3Hz),8.50−8.52(1H,m),8.54(1H,dd,J=2.0Hz,5.6Hz)
合成例30
4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−4−フェニルブチル)−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
フェニルアセチルクロリドの代わりに、フェニルブチリルクロリドを用い、合成例5と同様に操作し、4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−4−フェニルブチル)−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2工程収率,49%)を得た。mp 200.5−201.5℃
H NMR(CDCl)δ:1.99−2.10(2H,m),2.66−2.72(2H,m),3.34(2H,t,J=7.6Hz),7.12−7.29(8H,m),7.47−7.62(3H,m),8.52(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.55(1H,dd,J=2.0Hz,4.9Hz)
合成例31
1−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン
(1)国際公開第01/42244号に準じて合成した2−(3−フルオロフェニルアミノ)ニコチン酸メチル(4.90g,16.2mmol)の1,2−ジクロロエタン(80ml)溶液に、80℃にてトリクロロメチルクロロホルメート(別名:ジホスゲン5.9ml,48.3mmol)をゆっくりと約30分かけて滴下した。3時間後、活性炭(130mg)を加えて、30分加熱還流した。ろ過した後、溶媒を留去し、残渣をイソプロピールエーテルで洗浄後、乾燥し、1−(3−フルオロフェニル)−2H−ピリド[2,3−d][3,1]オキサジン−2,4(1H)ジオン(3.42g,82%)の結晶を得た。mp 164−166℃
H NMR(CDCl)δ:7.07−7.12(1H,app−td,J=8.4Hz,2.0Hz),7.14−7.17(1H,m),7.22−7.28(1H,m),7.29−7.33(1H,app−dd,J=4.8Hz,7.7Hz),7.51−7.59(1H,app−dt,J=6.1Hz,8.4Hz),8.47−8.51(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.7Hz),8.58−8.60(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.9Hz)
(2)マロン酸ジエチル(1.50g,9.30mmol)のジメチルアセトアミド(14ml)溶液に、水素化ナトリウム(約60%,467mg,11.65mmol)を加え、水素の発生が終わるまで撹拌し、溶液とした。氷冷下、1−(3−フルオロフェニル)−2H−ピリド[2,3−d][3,1]オキサジン−2,4(1H)ジオン(2.36g,9.15mmol)を先に調製した溶液に加えた後、150℃で1時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチルを加え放置し得られた沈殿物をろ取し、酢酸エチルで洗浄した。ろ別した残査を水に溶解し、塩酸でpH1まで酸性とすることで得られた析出物をろ別し、水洗し、乾燥して3−エトキシカルボニル−1−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)(2.66g,88%)の結晶を得た。mp 187−189℃
H NMR(CDCl)δ:1.44(3H,t,J=7.1Hz),4.48(2H,q,J=7.1Hz),6.97−7.02(1H,m),7.03−7.07(1H app−dq,J=7.7Hz,1.0Hz),7.14−7.24(2H,m),7.46−7.55(1H,m),8.47−8.50(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.54−8.56(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.6Hz),14.47(1H,s)
(3)3−エトキシカルボニル−1−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(328mg,1.0mmol)に水酸化カリウム(560mg,10.0mmol)の水溶液(7ml)を加え、一夜加熱還流した。濃塩酸を加えpH1まで酸性にし1時間還流し沈殿物をろ別し、水洗し、乾燥して1−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(194.5mg,76%)の結晶を得た。mp 272℃(dec.)
H NMR(DMSO−d)δ:5.94(1H,s),7.06−7.10(1H,m),7.16−7.21(1H,app−dt,J=9.9Hz,1.8Hz),7.24−7.31(2H,m),7.48−7.57(1H,m),8.25−8.29(1H,app−dd,J=1.8Hz,7.9Hz),8.41−8.43(1H,app−dd,J=1.8Hz,7.9Hz),11.91(1H,s)
【実施例】
以下に実施例を上げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることなく様々な態様を含む。
【実施例1】
5−フェニル−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例1で製造した 4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(ピリジン−4−イル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(50mg,0.13mmol)のエタノール(1ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,20μl,0.50mmol,3.7eq.)を加えて一夜加熱還流した。反応液を室温とした後、析出物をろ取し、乾燥して5−フェニル−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン(40mg,81%)を得た。mp 267−269℃
H NMR(DMSO−d)δ:3.06−3.12(2H,m),3.26−3.33(2H,m),7.23−7.29(4H,m),7.31−7.36(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.41−7.56(3H,m),8.35−8.38(1H,app−dd,J=1.3Hz,4.3Hz),8.43−8.45(2H,app−d,J=5.9Hz),8.47−8.51(1H,app−dd,J=1.7Hz,7.6Hz),14付近(1H,brs)
【実施例2】
1−メチル−5−フェニル−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例1で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(ピリジン−4−イル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(100mg,0.27mmol)のエタノール(2ml)懸濁液にメチルヒドラジン(40μl,0.75mmol,2.8eq.)を加えて室温で撹拌し、溶液とした。30分撹拌した後析出物が出来始めたのを確認し、その後3時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、さらにメチルヒドラジン(40μl,0.75mmol,2.8eq.)を加えて70℃で一夜加熱撹拌した。反応液を室温とした後、析出物をろ取し、乾燥して1−メチル−5−フェニル−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン(94mg,92%)を得た。mp 285−286℃
H NMR(CDCl)δ:3.11−3.17(2H,m),3.35−3.41(2H,m),4.36(3H,s),7.21−7.31(5H,m),7.48−7.65(3H,m),8.36−8.40(1H,app−dd,J=1.7Hz,7.9Hz),8.44−8.48(3H,m)
【実施例3】
5−フェニル−3−[2−(ピリジン−3−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例2で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(ピリジン−3−イル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(50mg,0.14mmol)のエタノール(10ml)懸濁液とヒドラジン一水和物(80%,20μl,0.50mmol,3.7eq.)を用い、実施例1と同様に操作し、5−フェニル−3−[2−(ピリジン−3−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オンを得た(収率78%)。
mp 322℃(dec.)
H NMR(DMSO−d)δ:3.08(2H,t,J=8.3Hz),7.27−7.36(4H,m),7.44−7.55(3H,m),7.61−7.64(1H,app−d,J=7.6Hz),8.36−8.41(3H,m),8.47−8.51(1H,app−dd,J=1.7Hz,7.6Hz)
【実施例4】
5−フェニル−3−(ピリジン−3−イル)メチル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例3で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(ピリジン−3−イル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(16mg,0.045mmol)のエタノール(5ml)懸濁液とヒドラジン一水和物(80%,10μl,0.25mmol,5.5eq.)を用い、実施例1と同様に操作し、5−フェニル−3−(ピリジン−3−イル)メチル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オンを得た(収率76%)。
mp 306℃(dec.)
H NMR(DMSO−d)δ:4.38(2H,s),7.24−7.54(7H,m),7.70−7.73(1H,m),8.36−8.38(1H,app−dd,J=1.7Hz,5.0Hz),8.40−8.42(1H,m),8.49−8.52(1H,app−dd,J=1.7Hz,7.6H),8.56−8.57(1H,app−d,J=2.3Hz)
【実施例5】
5−フェニル−3−[2−(1−オキシピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例1で製造した5−フェニル−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン(100mg,0.27mmol)をクロロホルム(80ml)に溶解し、室温でm−クロロ過安息香酸(mCPBA)(70%,67mg,0.27mmol,1.0eq.)のクロロホルム(1ml)溶液を加えて撹拌した。1時間後mCPBA(70%,31mg,0.13mmol,0.5eq.)のクロロホルム(1ml)溶液を加えてさらに2時間撹拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え撹拌した後、析出物をろ取し、DMFで再結晶し、乾燥して5−フェニル−3−[2−(1−オキシピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン(58mg,55%)を得た。mp 285℃(dec.)/DMF
H NMR(DMSO−d)δ:3.02−3.07(2H,m),3.20−3.26(2H,m),7.22−7.27(5H,m),7.38−7.54(3H,m),8.06−8.08(2H,app−d,J=6.9Hz),8.25−8.27(1H,app−dd,J=1.7Hz,4.6Hz),8.46−8.50(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.6Hz)
【実施例6】
5−(3−ニトロフェニル)−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例4で製造した4−ヒドロキシ−1−(3−ニトロフェニル)−3−[1−オキソ−3−(ピリジン−4−イル)プロピル]−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(416mg,1.0mmol)のエタノール(15ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,180μl,4.5mmol,4.5eq.)を加え実施例1と同様に操作をして5−(3−ニトロフェニル)−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(394mg,96%)を得た。mp 161−165℃
H NMR(DMSO−d)δ:3.06−3.12(2H,m),3.27−3.30(2H,m),7.24−7.26(2H,app−dd,J=1.7Hz,4.6Hz),7.35−7.39(1H,app−dd,J=4.9Hz,7.9Hz),7.83−7.85(2H,m),8.28−8.38(3H,m),8.43−8.45(2H,app−dd,J=1.7Hz,4.3Hz),8.50−8.53(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz)
【実施例7】
5−(3−ニトロフェニル)−3−[2−(1−オキシピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例6で製造した5−(3−ニトロフェニル)−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(300mg,0.73mmol)にクロロホルム(250ml)を加え、加熱することにより溶解させた。室温まで冷却し、溶液であることを確認した後、mCPBA(約70%,269mg,1.09mmol,1.5eq.)のクロロホルム(3ml)溶液を滴下した。1時間後、さらにmCPBA(約70%,90mg,0.37mmol,0.5eq.)のクロロホルム(1ml)溶液を追加し、1.5時間撹拌した。反応懸濁液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え撹拌し、不溶物をろ取した。析出物をDMFで加熱洗浄し、ろ別し、乾燥して5−(3−ニトロフェニル)−3−[2−(1−オキシピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(283mg,91%)を得た。mp 328℃(dec.)
H NMR(DMSO−d)δ:3.06(2H,t,J=7.6Hz),3.27(2H,t,J=7.6Hz),7.22−7.24(2H,app−d,J=6.9Hz),7.35−7.40(1H,app−dd,J=5.3Hz,7.6Hz),7.80−7.87(2H,m),8.07−8.10(2H app−d,J=6.9Hz),8.28−8.38(3H,m),8.50−8.53(2H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz),14.04(1H,br)
【実施例8】
5−(3−アミノフェニル)−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例6で製造した5−(3−ニトロフェニル)−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(150mg,0.36mmol)の濃塩酸(3ml)溶液に、塩化スズ・二水和物(450mg,3倍重量)を加え、室温で一夜撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpH8−9とし、クロロホルムで4回抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残査(約110mg)を得た。残査をDMFで再結晶し、5−(3−アミノフェニル)−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(16.3mg,12%)を得た。
mp 261−263℃/DMF
H NMR(DMSO−d)δ:3.06−3.12(2H,m),3.26−3.29(2H,m),5.18(2H,brs),6.34−6.38(1H,m),6.39−6.41(1H,app−t,J=2.0Hz),6.61−6.65(1H,m),7.10−7.16(1H,app−t,J=7.9Hz),7.24−7.26(2H,app−d,J=5.9Hz),7.30−7.34(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.6Hz),8.39−8.48(4H,m),13.97(1H,br)
【実施例9】
3−ベンジル−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例5で製造した4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−2−フェニルエチル)−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(2.33g,6.54mmol)のDMF(50ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,970μl,24.21mmol,3.7eq.)を加え、その後100−110℃で4時間撹拌した。反応液に水を加えて、結晶を析出させ、放冷後、ろ別、水洗し、乾燥して3−ベンジル−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(1.90g,82%)を得た。mp 305−308℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.36(2H,s),7.15−7.36(8H,m),7.40−7.55(3H,m),8.35(1H,dd,J=1.7Hz,4.6Hz),8.50(1H,dd,J=1.6Hz,7.6Hz)
【実施例10】
5−フェニル−3−(2−フェニルエチル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例6で製造した4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−3−フェニルプロピル)−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(110mg,0.30mmol)のエタノール(6ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,44μl,1.1mmol,3.7eq.)を加え実施例1と同様に操作をして5−フェニル−3−(2−フェニルエチル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(80mg,73%)を得た。mp 248−250℃
H NMR(DMSO−d)δ:3.02−3.08(2H,m),3.23−3.29(2H,m),7.14−7.35(8H,m),7.41−7.56(3H,m),8.36(1H,dd,J=2.0Hz,4.6Hz),8.49(1H,dd,J=1.6Hz,7.6Hz),14(1H,br)
【実施例11】
3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例7で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(4−ニトロフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(104mg,0.25mmol)のDMF(2ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,40μl,1.0mmol,4.0eq.)を加え、実施例9と同様に操作をして3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(100mg,97%)を得た。
mp 260−262℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.17−3.03(4H,m),7.25−7.29(2H,m),7.34(1H,dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.41−7.56(3H,m),7.49−7.52(2H,app−d,J=8.9Hz),8.12−8.16(2H,app−d,J=8.6Hz),8.37(1H,dd,J=1.7Hz,4.6Hz),8.49(1H,dd,J=1.7Hz,7.6Hz),14(1H,br)
【実施例12】
3−[2−(4−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例8で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(4−シアノフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(270mg,0.69mmol)のDMF(5ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,102μl,2.55mmol,3.7eq.)を加え、実施例9と同様に操作をして3−[2−(4−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(243mg,90%)を得た。
mp 267−269℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.12−3.18(2H,m),3.25−3.32(2H,m),7.25−7.29(2H,m),7.33(1H,dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.41−7.44(2H,app−d,J=8.3Hz),7.41−7.56(3H,m),7.72−7.75(2H,app−d,J=8.3Hz),8.37(1H,dd,J=1.3Hz,4.6Hz),8.50(1H,dd,J=1.6Hz,7.6Hz),14(1H,br)
【実施例13】
3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例11で製造した3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(131mg,0.32mmol)をDMF(4ml)とメタノール(4ml)に溶解し、活性炭素−パラジウム(13mg)を加え、水素雰囲気下3.5時間撹拌した。ろ過し、メタノールを留去して得られた溶液に水を加えた。析出物をろ別し、乾燥して3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(113mg,93%)を得た。
mp>310℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:2.82−2.89(2H,m),3.17(2H,br),4.84(2H,brs),6.45−6.48(2H,app−d,J=8.2Hz),6.86−6.89(2H,app−d,J=7.9Hz),7.25−7.29(3H,m),7.41−7.56(3H,m),8.35(1H,br),8.48(1H,dd,J=1.3Hz,7.6Hz),14(1H,br)
【実施例14】
3−[2−(4−カルボキシフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例12で製造した3−[2−(4−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(100mg,0.26mmol)をDMSO(2ml)に溶解し、50%硫酸(2ml)を加え加熱還流を2時間した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−[2−(4−カルボキシフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(107mg,定量的)を得た。
mp 318−320℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.10−3.31(4H,m),7.26−7.55(8H,m),7.83−7.86(2H,app−d,J=8.2Hz),8.36(1H,br),8.49(1H,d,J=6.9Hz),12.82(1H,br),14(1H,br)
【実施例15】
3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例9で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(3−ニトロフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(415mg,1.0mmol)のDMF(10ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,160μl,3.99mmol,4.0eq.)を加え、その後100−110℃で7時間撹拌した。反応液に水を加えて、結晶を析出させ、放冷後、ろ別、水洗し、乾燥して3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(389mg,94%)を得た。
mp 245−247℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.22−3.33(4H,m),7.26−7.28(2H,m),7.31−7.36(1H,app−dd,J=4.6,7.6Hz),7.44−7.59(4H,m),7.67−7.70(1H,app−d,J=7.6Hz),8.05−8.10(2H,m),8.35−8.38(1H,m),8.47−8.50(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.6Hz),14.01(1H,s)
【実施例16】
3−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例10で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(2−ニトロフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(837mg,2.0mmol)のDMF(20ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,350μl,8.74mmol,4.4eq.)を加え、その後100−110℃で一夜撹拌した。反応液に水を加えて、結晶を析出させ、放冷後、ろ別、水洗し、乾燥して3−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(790mg,95%)を得た。
mp 333−335℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.32(4H,m),7.25−7.28(2H,m),7.31−7.36(1H,app−dd,J=4.6,7.6Hz),7.44−7.62(6H,m),7.90−7.93(1H,m),8.36−8.37(1H,m),8.47−8.51(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.6Hz),14.01(1H,s)
【実施例17】
3−[2−(2−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例11で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(2−シアノフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(991mg,2.51mmol)のDMF(25ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,371μl,9.26mmol,3.7eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−[2−(2−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(953mg,97%)を得た。
mp 315.5−316.5℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.2−3.5(4H,m),7.24−7.27(2H,app−d,J=7.9Hz),7.31−7.63(7H,m),7.73−7.75(1H,d,J=7.6Hz),8.36−8.38(1H,m),8.46−8.50(1H,m)
【実施例18】
3−[2−(3−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例12で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(3−シアノフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(495mg,1.25mmol)のDMF(12ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,148μl,3.69mmol,3.0eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−[2−(3−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(456mg,93%)を得た。
mp 219.5−224.5℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.10−3.15(2H,m),3.26−3.29(2H,m),7.26−7.29(2H,m),7.31−7.36(1H,dd,J=4.9Hz,7.6Hz),7.41−7.58(5H,m),7.64−7.70(2H,m),8.35−8.38(1H,dd,J=1.7Hz,4.9Hz),8.47−8.51(1H,dd,J=1.7Hz,7.9Hz),14付近(1H,br)
【実施例19】
3−〔2−(4−メチルフェニル)エチル〕−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例13で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−3−(4−メチルフェニル)プロピル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(362mg,0.94mmol)のDMF(10ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,150μl,3.74mmol,4.0eq.)を加え、その後100−130℃で2時間撹拌した。反応液に水を加えて、結晶を析出させ、放冷後、ろ別、水洗し、乾燥して3−〔2−(4−メチルフェニル)エチル〕−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(335mg,94%)を得た。
mp 264−265℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:2.25(3H,s),2.99(2H,t,J=8.6Hz),3.23(1H,t,J=8.6Hz),7.06−7.13(4H,m),7.26−7.35(3H,m),7.42−7.55(3H,m),8.35−8.37(1H,m),8.47−8.51(1H,app−dd,J=1.7Hz,7.6Hz),13.98(1H,s)
【実施例20】
3−(3−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例14で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3−メトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(50mg,0.13mmol)のDMF(1ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,20μl,0.50mmol,3.8eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−(3−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(41mg,83%)を得た。mp 234−236℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.69(3H,s),4.32(2H,s),6.75−6.78(1H,app−d,J=7.8Hz),6.88−6.93(2H,m),7.16−7.21(1H,app−t,J=7.9Hz),7.25−7.27(2H,m),7.30−7.35(1H,app−dd,J=5.0Hz,7.9Hz),7.44−7.54(3H,m),8.35−8.36(1H,m),8.48−8.51(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz)
【実施例21】
3−(4−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例15で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(50mg,0.13mmol)のDMF(1ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,1ml,24.96mmol,192eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−(4−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(44mg,89%)を得た。
mp 300−302℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.69(3H,s),4.28(2H,s),6.81−6.85(2H,app−d,J=8.6Hz),7.24−7.27(4H,app−d,J=8.6Hz),7.29−7.34(1H,app−dd,J=5.0Hz,7.9Hz),7.41−7.54(3H,m),8.33−8.36(1H,app−dd,J=1.7Hz,5.0Hz),8.47−8.51(1H,app−dd,J=1.7Hz,7.9Hz)
【実施例22】
3−(2−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例16で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2−メトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(121mg,0.31mmol)のDMF(3ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,50μl,1.25mmol,4.0eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−(2−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(111mg,93%)を得た。
mp 276−277℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.80(3H,s),4.31(2H,s),6.78−6.85(1H,m),6.96−7.03(2H,m),7.14−7.34(4H,m),7.42−7.53(3H,m),8.33−8.35(1H,app−dd,J=1.4Hz,4.6Hz),8.49−8.52(1H,app−dd,J=1.4Hz,7.6Hz)
【実施例23】
3−(2−チエニルメチル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例17で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2−チエニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(30mg,0.08mmol)のDMF(1.5ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,30μl,0.75mmol,9.4eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−(2−チエニルメチル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(22mg,72%)を得た。mp 282−284℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ;4.53(3H,s),6.90−6.99(2H,m),7.25−7.55(7H,m),8.39−8.52(2H,m),14.18(1H,s)
【実施例24】
3−(4−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例18で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(304mg,0.76mmol)のDMF(7.5ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,108μl,2.70mmol,3.6eq.)を加え、その後100−110℃で5時間撹拌した。反応液に水を加えて、結晶を析出させ、放冷後、ろ別、水洗し、乾燥して3−(4−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(260mg,86%)を得た。
mp 254−255℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.49(2H,s),7.24−7.27(2H,app−d,J=8.2Hz),7.33−7.37(1H,dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.40−7.54(5H,m),7.57−7.60(2H,app−d,J=8.2Hz),8.14−8.17(2H,app−d,J=7.9Hz),8.37−8.38(1H,d,J=4.9Hz),8.50−8.52(1H,dd,J=7.6Hz)
【実施例25】
3−(3−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例19で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3−ニトロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(568mg,1.42mmol)のDMF(14ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,203μl,5.07mmol,3.6eq.)を加え、実施例24と同様に操作をして3−(3−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(397mg,71%)を得た。mp>320℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.51(2H,s),7.25−7.28(2H,m),7.33−7.37(1H,dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.41−7.63(4H,m),7.79−7.81(1H,d,J=7.9Hz),8.06−8.10(1H,m),8.20(1H,s),8.37−8.39(1H,dd,J=2.0Hz,4.9Hz),8.49−8.53(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),14.2付近(1H,br)
【実施例26】
3−(2−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例20で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2−ニトロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(643mg,1.60mmol)のDMF(16ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,230μl,5.74mmol,3.6eq.)を加え、実施例24と同様に操作をして3−(2−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(541mg,85%)を得た。
mp 318−320℃(dec.)/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.69(2H,s),7.25−7.28(2H,m),7.34−7.38(1H,dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.43−7.55(5H,m),7.63−7.68(1H,td,J=7.6Hz,1.3Hz),7.99−8.02(1H,dd,J=1.3Hz,8.2Hz),8.38−8.40(1H,dd,J=1.7Hz,4.6Hz),8.47−8.51(1H,dd,J=1.7Hz,7.6Hz),14付近(1H,br)
【実施例27】
3−(2,5−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例21で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2,5−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(200mg,0.48mmol)のDMF(5ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,100μl,2.50mmol,5.2eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−(2,5−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(162mg,82%)を得た。
mp 248−250℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.61(3H,s),3.75(3H,s),4.29(2H,s),6.64−6.66(1H,app−d,J=3.0Hz),6.73−6.78(1H,app−dd,J=3.0Hz,8.9Hz),6.88−6.91(1H,app−d,J=8.9Hz),7.24−7.54(6H,m),8.35−8.37(1H,m),8.49−8.52(1H,app−dd,J=1.6Hz,7.6Hz),13.98(1H,s)
【実施例28】
3−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例22で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(200mg,0.48mmol)のDMF(5ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,100μl,2.50mmol,5.2eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−(3,4−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(159mg,80%)を得た。
mp 230−232℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.68(6H,s),4.28(2H,s),6.83(2H,app−s),7.03(1H,app−s),7.25−7.55(6H,m),8.34−8.35(1H,m),8.48−8.50(1H,m),14.08(1H,s)
【実施例29】
3−(3,5−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例23で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(200mg,0.48mmol)のDMF(5ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,100μl,2.50mmol,5.2eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−(3,5−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(179mg,90%)を得た。
mp 258−259℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.68(6H,s),4.27(2H,s),6.31−6.35(2H,m),6.51−6.52(2H,app−d,J=2.0Hz),7.25−7.53(6H,m),8.34−8.36(1H,m),8.48−8.51(1H,m)
【実施例30】
3−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例24で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(2,4−ジメトキシフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(100mg,0.24mmol)のDMF(2ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,50μl,1.25mmol,5.2eq.)を加え、実施例24と同様に操作をして3−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(87mg,87%)を得た。
mp 266−267℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.72(3H,s),3.78(3H,s),4.23(2H,s),6.39−6.43(1H,app−dd,J=2.3Hz,8.3Hz),6.53−6.54(1H,app−d,J=2.3Hz),6.95−6.98(1H,app−d,J=8.3Hz),7.24−7.27(2H,m),7.29−7.34(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.40−7.54(3H,m),8.34−8.35(1H,m),8.48−8.51(1H,app−dd,J=1.7Hz,7.6Hz)
【実施例31】
3−(4−シアノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例25で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(265mg,0.69mmol)のDMF(7ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,82μl,2.05mmol,3.0eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−(4−シアノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(190mg,73%)を得た。
mp 316−318℃(dec.)/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.36−4.54(2H,m),7.85−7.20(10H,m),8.30−8.55(2H,m),14.2付近(1H,br)
【実施例32】
3−(4−エトキシカルボニルメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例26で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−エトキシカルボニルメチルフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(128mg,0.29mmol)のDMF(3ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,34μl,0.87mmol,3.0eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−(4−エトキシカルボニルメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(115mg,91%)を得た。mp 263−264℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d測定温度80℃)δ:1.16(3H,t,J=7.3Hz),3.56(2H,s),4.05(2H,q,J=7.3Hz),4.35(2H,brs),7.13−7.53(10H,m),8.31−8.33(1H,dd,J=1.3Hz,4.6Hz),8.46−8.50(1H,dd,J=1.7Hz,7.6Hz),13.89(1H,br)
【実施例33】
3−(4−フルオロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例27で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−フルオロフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(3.2g,8.5mmol)のDMF(50ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,1.2ml,30mmol,3.5eq.)を加え、その後130℃で2時間撹拌した。反応液に水を加えて、結晶を析出させ、放冷後、ろ別、水洗し、乾燥して3−(4−フルオロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(3.1g,98%)を得た。mp 271−274℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.34(2H,s),7.07−7.13(2H,m),7.25−7.55(8H,m),8.35−8.37(1H,app−dd,J=2.0Hz,5.0Hz),8.48−8.51(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz),14.10(1H,s)
【実施例34】
3−(4−メチルスルフォニルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
(1)合成例28で製造した4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−メチルチオフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(201mg,0.5mmol)をクロロホルム(10ml)に溶解し、氷冷下、mCPBA(123mg,1.0eq.)を加え、1時間撹拌した。その後、反応の進行を確認しながらmCPBA(追加合計285mg,1.5eq.)を加え、さらに1.5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−メチルスルフォニルフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(112mg,52%)を得た。mp 260−262℃
H NMR(CDCl)δ:3.05(3H,s),4.73(2H,s),7.20−7.25(1H,dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.25−7.29(2H,m),7.48−7.64(5H,m),7.88−7.93(2H,app−d,J=8.6Hz),8.51−8.55(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz),8.57−8.59(1H,dd,J=2.0Hz,4.6Hz)
(2)4−ヒドロキシ−3−[1−オキソ−2−(4−メチルスルフォニルフェニル)エチル]−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(101mg,0.23mmol)のDMF(2.5ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,28μl,0.87mmol,3.8eq.)を加え、実施例16と同様に操作をして3−(4−メチルスルフォニルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(72mg,72%)を得た。
mp 311.5−312.5℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.16(3H,s),4.47(2H,s),7.24−7.28(2H,m),7.32−7.37(1H,dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.40−7.55(3H,m),7.57−7.60(2H,app−d,J=8.2Hz),7.82−7.85(2H,app−d,J=8.6Hz),8.36−8.38(1H,dd,J=1.6Hz,4.6Hz),8.49−8.53(1H,dd,J=1.7Hz,7.6Hz),14.2付近(1H,br)
【実施例35】
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例15で製造した3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(216mg,0.52mmol)をDMF(5ml)とメタノール(5ml)に溶解し、活性炭素−パラジウム(22mg)を加え、水素雰囲気下一夜撹拌した。ろ過し、メタノールを留去して得られた溶液に水を加えた。析出物をろ別し、乾燥して3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(189mg,94%)を得た。
mp 229−231℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:2.86−2.89(2H,m),3.18−3.20(2H,m),4.96(2H,s),6.35−6.38(2H,m),6.46(1H,app−s),6.87−6.93(1H,app−t,J=7.8Hz),7.27−7.55(6H,m),8.34−8.38(1H,m),8.48−8.50(1H,m),14.00(1H,s)
【実施例36】
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例16で製造した3−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(420mg,1.0mmol)をDMF(45ml)とメタノール(20ml)に溶解し、活性炭素−パラジウム(45mg)を加え、水素雰囲気下一夜撹拌した。ろ過し、メタノールを留去して得られた溶液に水を加えた。析出物をろ別し、乾燥して3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(364mg,94%)を得た。
mp 289−291℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:2.80−2.89(2H,m),3.09−3.15(2H,m),5.17(2H,s),6.44−6.49(1H,m),6.56−6.59(1H,m),6.88−6.96(2H,m),7.29−7.37(3H,m),7.42−7.56(3H,m),8.37−8.39(1H,m),8.50−8.54(1H,app−dd,J=1.7Hz,7.6Hz),14.02(1H,s)
【実施例37】
3−[2−(2−カルボキシフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例17で製造した3−[2−(2−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(202mg,0.52mmol)をDMSO(20ml)に溶解し、50%硫酸(10ml)を加え一夜加熱還流した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−[2−(2−カルボキシフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(94mg,44%)を得た。
mp 302−308℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.28−3.43(4H,m),7.26−7.55(9H,m),7.79−7.81(1H,d,J=7.6Hz),8.35(1H,br),8.48−8.50(1H,d,J=7,3Hz),12.9付近(1H,br),13.9付近(1H,br)
【実施例38】
3−[2−(3−カルボキシフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例18で製造した3−[2−(3−シアノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(300mg,0.77mmol)をDMSO(30ml)に溶解し、50%硫酸(15ml)を加え一夜加熱還流した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−[2−(3−カルボキシフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(87mg,28%)を得た。
mp 159−161℃/DMF
H NMR(DMSO−d)δ:3.09−3.15(2H,m),3.26−3.29(2H,m),7.26−7.56(8H,m),7.75−7.78(1H,d,J=7.3Hz),7.82(1H,s),8.35−8.37(1H,d,J=3.6Hz),8.47−8.51(1H,dd,J=1.3Hz,7.6Hz),14付近(1H,br)
【実施例39】
3−(4−カルボキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例31で製造した3−(4−シアノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(180mg,0.48mmol)をDMSO(18ml)に溶解し、50%硫酸(10ml)を加え140℃で撹拌した。その後、水(5ml)を加えて加熱還流し、さらに、水(5ml)を加え計3時間加熱還流した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−(4−カルボキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(106mg,56%)を得た。
mp>320℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.42(2H,s),7.25−7.54(8H,m),7.83−7.86(2H,app−d,J=7.9Hz),8.35−8.37(1H,m),8.49−8.52(1H,dd,J=1.3Hz,7.3Hz),12.8付近(1H,br),14.2付近(1H,br)
【実施例40】
3−(3−ヒドロキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例20で製造した3−(3−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(53mg,0.14mmol)を酢酸(2ml)に溶解し、47%臭化水素(1.5ml)を加え一夜加熱還流した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−(3−ヒドロキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(39mg,76%)を得た。mp 276−278℃
H NMR(DMSO−d)δ:4.26(2H,s),6.54−6.58(1H,m),6.72−6.77(2H,m),7.02−7.08(1H,app−t,J=7.9Hz),7.25−7.28(2H,m),7.30−7.35(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.9Hz),7.41−7.55(3H,m),8.34−8.37(1H,app−dd,J=1.7Hz,4.6Hz),8.48−8.52(1H,app−dd,1.6Hz,7.9Hz),9.29(1H,s)
【実施例41】
3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例21で製造した3−(4−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(100mg,0.26mmol)を酢酸(1ml)に溶解し、47%臭化水素(44μl)を加え加熱還流を行い、さらに47%臭化水素(144μl)を加え一夜加熱還流した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(92.1mg,96%)を得た。mp 316−317℃
H NMR(DMSO−d)δ:4.23(2H,s),6.63−6.67(2H,app−d,J=8.6Hz),7.11−7.14(2H,app−d,J=8.6Hz),7.25−7.34(3H,m),7.44−7.55(3H,m),8.34−8.36(1H,m),8.47−8.51(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.6Hz),9.22(1H,s),14.2(1H,s)
【実施例42】
3−(2−ヒドロキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例22で製造した3−(2−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(50mg,0.13mmol)を酢酸(1ml)に溶解し、47%臭化水素(0.5ml)を加え加熱還流を行い、さらに47%臭化水素(1ml)および酢酸(1ml)を加え二日間加熱還流した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−(2−ヒドロキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(31mg,64%)を得た。mp 278−280℃
H NMR(DMSO−d)δ:4.30(2H,s),6.65−6.70(1H,app−t,J=7.9Hz),6.79−6.82(1H,app−d,J=8.3Hz),6.94−7.05(2H,m),7.24−7.27(2H,app−d,J=8.1Hz),7.30−7.35(1H,m),7.40−7.54(3H,m),8.34−8.36(1H,m),8.50−8.52(1H,m)
【実施例43】
3−(4−アミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例24で製造した3−(4−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(200mg,0.50mmol)をDMF(10ml)とメタノール(10ml)に溶解し、活性炭素−パラジウム(20mg)を加え、水素雰囲気下3日間撹拌した。ろ過し、メタノールを留去して得られた溶液に水を加えた。析出物をろ別し、乾燥して3−(4−アミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(120mg,65%)を得た。mp 210−212℃(dec.)/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.16(2H,s),4.89(2H,brs),6.44−6.47(2H,app−d,J=8.2Hz),6.97−7.00(2H,app−d,J=8.6Hz),7.23−7.33(3H,m),7.40−7.55(3H,m),8.32−8.35(1H,dd,J=1.7Hz,4.6Hz),8.46−8.50(1H,dd,J=1.6Hz,7.6Hz),14付近(1H,br)
【実施例44】
3−(3−アミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例25で製造した3−(3−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(273mg,0.69mmol)をDMF(14ml)とメタノール(14ml)に溶解し、活性炭素−パラジウム(27mg)を加え、水素雰囲気下一夜撹拌した。ろ過し、メタノールを留去して得られた溶液に水を加えた。析出物をろ別し、乾燥して3−(3−アミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(220mg,87%)を得た。mp 286.5−288.5℃(dec.)/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.20(2H,s),4.98(2H,s),6.35−6.38(1H,d,J=8.6Hz),6.46−6.49(2H,m),6.86−6.92(1H,t,J=7.9Hz),7.25−7.28(2H,d,J=7.6Hz),7.29−7.34(1H,dd,J=4.9Hz,7.6Hz),7.41−7.54(3H,m),8.34−8.35(1H,d,J=3.3Hz),8.48−8.51(1H,dd,J=1.3Hz,7.6Hz),14付近(1H,brs)
【実施例45】
3−(2−アミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例26で製造した3−(2−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(376mg,0.95mmol)をDMF(20ml)とメタノール(20ml)に溶解し、活性炭素−パラジウム(38mg)を加え、水素雰囲気下一夜撹拌した。ろ過し、メタノールを留去して得られた溶液に水を加えた。析出物をろ別し、乾燥して3−(2−アミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(349mg,100%)を得た。mp>320℃(dec.)/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.17(2H,s),5.19(2H,brs),6.45−6.51(1H,td,J=7.6Hz,1.3Hz),6.57−6.61(1H,dd,J=1.0Hz,7.9Hz),6.87−6.93(1H,td,J=7.6Hz,1.3Hz),7.04−7.08(1H,dd,J=1.3Hz,7.6Hz),7.24−7.28(2H,m),7.31−7.36(1H,dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.41−7.56(3H,m),8.35−8.38(1H,dd,J=1.7Hz,4.6Hz),8.49−8.53(1H,dd,J=1.7Hz,7.6Hz),14付近(1H,brs)
【実施例46】
3−(4−カルボキシメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例32で製造した3−(4−エトキシカルボニルメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(110mg,0.25mmol)を50℃でDMSO(3ml)に溶解し、100℃で50%硫酸(2ml)を加え1時間加熱還流した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−(4−カルボキシメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(96mg,93%)を得た。mp 297−300℃
H NMR(DMSO−d)δ:3.49(2H,s),4.33(2H,brs),7.14−7.34(7H,m),7.40−7.55(3H,m),8.36(1H,br),8.47−8.51(1H,dd,J=1.7Hz,7.6Hz),12.3付近(1H,br),14.11(1H,br)
【実施例47】
3−(4−アセトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例41で製造した3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(192mg,0.52mmol)をDMF(2ml)に溶解し、氷冷下1−アセチルイミダゾール(114mg,1.04mmol,2eq.)のDMF(2ml)溶液を加え、室温で一夜撹拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、析出物をろ別し、乾燥後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し3−(4−アセトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(128mg,60%)を得た。mp 278−282℃
H NMR(DMSO−d)δ:2.23(3H,s),4.36(2H,s),7.01−7.04(2H,app−d,J=8.3Hz),7.26−7.54(8H,m),8.36−8.52(2H,m),14.16(1H,s)
【実施例48】
3−[2−(4−メタンスルフォニルアミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例13で製造した3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(38mg,0.10mmol)をピリジン(2ml)に溶解し、メタンスルホニルクロライド(18.5mg,0.16mmol,1.6eq.)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−[2−(4−メタンスルフォニルアミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(43mg,86%)を得た。mp 284−285℃
H NMR(DMSO−d)δ:2.96(3H,s),3.18−3.26(4H,m),7.15−7.53(10H,m),8.34−8.51(2H,m),8.82(1H,s),13.80(1H,s)
【実施例49】
3−(4−メタンスルフォニルアミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例43で製造した3−(4−アミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(107mg,0.29mmol)をピリジン(2ml)に溶解し、メタンスルホニルクロライド(47mg,0.41mmol,1.4eq.)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、3−(4−メタンスルフォニルアミノベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(84mg,65%)を得た。mp 306−307℃
H NMR(DMSO−d)δ:2.93(3H,s),4.31(2H,s),7.09−7.12(2H,app−d,J=8.3Hz),7.26−2.31(5H,m),7.44−7.54(3H,m),8.35−8.36(1H,m),8.48−8.51(1H,app−dd,2.0Hz,7.9Hz),9.60(1H,s),14.20(1H,s)
【実施例50】
5−フェニル−3−[2−(2−ウレイドフェニル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例36で製造した3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(38mg,0.09mmol)を酢酸(1mL)と水(1mL)の混合溶媒に懸濁させ、室温でシアン酸カリウム(12mg,0.15mmol,1.7eq)を加え、35℃で一夜加熱撹拌した。沈殿をろ別し水で洗浄後、乾燥し5−フェニル−3−[2−(2−ウレイドフェニル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(40mg,94%)を得た。mp 300−305℃
H NMR(DMSO−d)δ:2.91−2.98(2H,m),3.10−3.14(2H,m),5.80(2H,s),6.87−6.92(1H,m),7.09−7.14(1H,m),7.16−7.19(1H,m),7.32−7.35(2H,m),7.38−7.42(1H,app−dd,J=4.6Hz,7.3Hz),7.46−7.57(3H,m),7.93−7.96(1H,app−d,J=8.3Hz),8.23(1H,s),8.42−8.43(1H,m),8.54−8.57(1H,app−dd,1.7Hz,7.9Hz)
【実施例51】
3−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
特開昭61−246183号やJ,Med.Chem.,31,2108(1988)に準じて製造した4−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(1.07g,4.0mmol)のDMF(4ml)懸濁液に水素化ナトリウム(約60%,352mg,8.8mmol,2.2eq.)を加え水素の発生が終了するまで撹拌した。次に、フェニルアセチルクロリド(0.63ml,4.8mmol,1.2eq.)を加え室温で撹拌した。水を加え塩酸で酸性にした後、析出物をろ別し、水洗した。析出物はその後精製することなく、DMF(8mL)に懸濁させヒドラジン一水和物(80%,513μl,12.8mmol,3.2eq.)を加えて100−110℃で2時間撹拌した。反応液に水を加え析出物をろ取し、乾燥し3−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(826mg,54%)を得た。mp>320℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:3.83(3H,s),4.35(2H,s),7.01−7.07(2H,app−d,J=9.1Hz),7.13−7.18(2H,app−d,J=8.9Hz),7.19−7.35(6H,m),8.35(1H,dd,J=1.8Hz,4.8Hz),8.48(1H,dd,J=1.8Hz,7.7Hz),14.07(1H br)
【実施例52】
3−ベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例51で製造した3−ベンジル−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(200mg,0.52mmol)を酢酸(2ml)に溶解し、47%臭化水素(1ml)を加え一夜加熱還流した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−ベンジル−5−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(165mg,86%)を得た。mp>320℃
H NMR(DMSO−d)δ:4.35(2H,s),6.84−6,87(2H,app−d,J=8.6Hz),6.99−7.02(2H,app−d,J=8.6Hz),7.15−7.35(6H,m),8.35−8.37(1H,m),8.47(1H,dd,J=1.8Hz,7.7Hz),9.57(1H,brs),14.08(1H,br)
【実施例53】
3−ベンジル−5−(3−シアノフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例29で製造した1−(3−シアノフェニル)−4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−2−フェニルエチル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(314mg,0.82mmol)のDMF(4ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,132μl,4.12mmol,4.0eq.)を加えて100−110℃で2時間撹拌した。反応液に水を加え析出物をろ取し、水洗し、乾燥して3−ベンジル−5−(3−シアノフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(287mg,92%)を得た。mp 285−287℃(dec.)/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.36(2H,s),7.15−7.38(6H,m),7.71(1H,dt,J=8.2Hz,1.8Hz),7.34(1H,t,J=8.1Hz),7.91−7.95(2H,m),8.36(1H,dd,J=1.6Hz,4.8Hz),8.51(1H,dd,J=1.6Hz,7.7Hz)
【実施例54】
3−ベンジル−5−(3−カルボキシフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
実施例53で製造した3−ベンジル−5−(3−シアノフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(120mg,0.32mmol)をDMSO(15ml)に溶解し、50%硫酸(5ml)を加え加熱還流を2.5時間した。反応液に水を加え、析出物をろ別し、乾燥して3−ベンジル−5−(3−カルボキシフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(73mg,58%)を得た。mp 300−305℃
H NMR(DMSO−d)δ:4.32−4.39(2H,m),7.20−7.35(6H,m),7.55(1H,dt,J=8.4Hz,1.8Hz),7.65(1H,t,J=7.7Hz),7.80(1H,t,J=1.6Hz),8.02(1H,dt,J=7.7Hz,1.5Hz),8.35(1H,br),8.51(1H,d,J=6.3Hz),13.05(1H,br),14.15(1H,br)
【実施例55】
5−フェニル−3−(3−フェニルプロピル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例30で製造した4−ヒドロキシ−3−(1−オキソ−4−フェニルブチル)−1−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(384mg,1.0mmol)のDMF(4ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(80%,160μl,4.0mmol,4.0eq.)を加えて100−110℃で2時間撹拌した。反応液に水を加え析出物をろ取し、水洗し、乾燥して5−フェニル−3−(3−フェニルプロピル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(354mg,93%)を得た。mp 202−203.5℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d)δ:2.04(2H,app−quin.,J=7.6Hz),2.65(2H,t,J=7.6Hz),3.01(2H,t,J=7.9Hz),7.12−7.30(7H,m),7.31(1H,dd,J=4.6Hz,7.6Hz),7.40−7.54(3H,m),8.34(1H,dd,J=2.0Hz,4.9Hz),8.48(1H,dd,J=2.0Hz,7.6Hz),14付近(1H,br)
【実施例56】
3−ベンジル−5−(3−ニトロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例4の(3)で得られた4−ヒドロキシ−1−(3−ニトロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(1.13g,4mmol)のDMF(16ml)懸濁液に水素化ナトリウム(約60%,384mg,9.6mmol,2.4eq.)を加え水素の発生が終了するまで撹拌した。次に、フェニルアセチルクロリド(742mg,4.8mmol,1.2eq.)を加え室温で撹拌した。水を加え塩酸で酸性にした後、析出物をろ別し、水洗した。析出物はその後精製することなく、DMF(16mL)に懸濁させヒドラジン一水和物(80%,448μl,11.2mmol,2.8eq.)を加えて一夜100−110℃で撹拌した。反応液に水を加え析出物をろ取し、乾燥し3−ベンジル−5−(3−ニトロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(714mg,45%)を得た。mp 276−279℃/DMF−H
H NMR(DMSO−d測定温度80℃)δ:4.37(2H,s),7.16−7.34(6H,m),7.73−7.83(2H,m),8.19−8.36(3H,m),8.45−8.52(1H,m),13.95(1H,m)
【実施例57】
5−(3−アミノフェニル)−3−ベンジル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
3−ベンジル−5−(3−ニトロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(98mg,0.25mmol)の濃塩酸(7ml)溶液に、塩化スズ・二水和物(500mg,5倍重量)を加え、室温で1時間半撹拌した。水を加え、炭酸ナトリウムを加えてpH8−9とし、クロロホルムで8回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、5−(3−アミノフェニル)−3−ベンジル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(63mg,70%)を得た。mp 277−279℃
H NMR(DMSO−d)δ:4.34(2H,s),5.16(2H,s),6.32−6.37(2H,m),6.59−6.61(1H,m),7.08−7.34(7H,m),8.36−8.38(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.9Hz),8.44−8.48(1H,app−dd,2.0Hz、7.9Hz),14.09(1H,brs)
【実施例58】
3−ベンジル−5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン
合成例31の(3)で得られた1−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン(512mg,2.0mmol)のDMF(8ml)懸濁液に水素化ナトリウム(約60%,192mg,4.8mmol,2.4eq.)を加え水素の発生が終了するまで撹拌した。次に、フェニルアセチルクロリド(371mg,2.4mmol,1.2eq.)を加え室温で撹拌した。水を加えDMF層をヘキサンで洗浄した後、塩酸で酸性にし、析出物をろ別し、水洗後、DMF(8mL)に懸濁させヒドラジン一水和物(80%,224μl,5.6mmol,2.8eq.)を加えて一夜100−110℃で撹拌した。
反応液に水を加え析出物をろ取し、水で洗浄した後、DMFに溶解させメタノールと水を加えた。析出物をろ取し、水で洗浄後、乾燥して3−ベンジル−5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン(330mg,45%)を得た。mp 298−299℃/DMF−MeOH−H
H NMR(DMSO−d)δ:4.35(2H,s),7.13−7.36(9H,m),7.50−7.59(1H,m),8.35−8.38(1H,app−dd,J=2.0Hz,4.9Hz),8.48−8.51(1H,app−dd,J=2.0Hz,7.9Hz),14.14(1H,brs)
【製剤例】
製剤例1
錠剤1錠中の処方例(全量150mg):本発明化合物30mg、結晶セルロース90mg、トウモロコシデンプン28mg、ステアリン酸マグネシウム2mg
上記処方について日局XIVの製剤総則記載の公知方法に従って錠剤を得た。
製剤例2
カプセル剤1カプセル中の処方例(全量180mg):本発明化合物50mg、乳糖100mg、トウモロコシデンプン28mg、ステアリン酸マグネシウム2mg
上記処方について日局XIVの製剤総則記載の公知方法に従ってカプセル剤を得た。
製剤例3
本発明化合物10mgを生理食塩水3mlに溶解し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整した後、更に生理食塩水を加えて5mlとした。アンプルに分注した後加熱滅菌を行い注射剤を得た。
製剤例4
本発明化合物1g、卵黄レシチン1.2g、α−トコフェロール20mgおよびアスコルビン酸33mgに精製水を加えて全量100mlとし、エアゾール用製剤を製した。
【産業上の利用可能性】
本発明は、PDE IV阻害剤に関する。本発明化合物は、PDE IVに対して優れた阻害作用を示し、気管支平滑筋細胞および炎症性細胞に多く存在するPDE IVを阻害することにより、当該細胞におけるcAMPを上昇させて、気管支平滑筋の弛緩と同時に炎症細胞活性化の抑制を達成することが可能である。さらに、本発明化合物は、従来のPDE IV阻害剤と比較して、薬理効果発現用量と薬物代謝酵素阻害用量には大きな差が認められることから、本発明は、薬理効果に優れ、安全性の高い抗喘息剤およびCOPD予防・治療剤等を提供するものである。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)

(式中、Aは水酸基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルカルボニルオキシ基、アミノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシ低級アルキレン基、低級アルコキシカルボニル低級アルキレン基、低級アルキルスルフォニル基、低級アルキルスルフォニルアミノ基およびウレイド基から成る群から選択される置換基によって置換されてもよいフェニル基、ピリジル基、1−オキシピリジル基またはチエニル基であり、Rは水素もしくは水酸基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、低級アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基および低級アルコキシカルボニル基から成る群から選択される置換基であり、Rは水素または低級アルキル基であって、mは1から3の整数である)で表される化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
Aがフェニル基である請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
Aがピリジル基または1−オキシピリジル基である請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
3−ベンジル−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン、5−フェニル−3−[2−(1−オキシピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン、5−(3−ニトロフェニル)−3−[2−(ピリジン−4−イル)エチル]−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(4−フルオロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]−ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(4−カルボキシメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(2−メトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(2−ニトロベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(2,5−ジメトキシベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−(4−エトキシカルボニルメチルベンジル)−5−フェニル−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−ベンジル−5−(3−シアノフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オン、3−ベンジル−5−(3−ニトロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オンおよび3−ベンジル−5−(3−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[4,3−c][1,8]ナフチリジン−4(5H)−オンから成る群から選ばれた化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有するホスホジエステラーゼIV阻害剤。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有し、ホスホジエステラーゼIVが直接的または間接的に関与する疾患の予防および/または治療のための薬剤。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有し、慢性気管支喘息およびアトピー性喘息を含む気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、喘息性気管支炎、肺炎性疾患、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および急性呼吸促迫症候群(ARDS)から成る群から選択された呼吸器疾患の予防および/または治療のための薬剤。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を有効成分として含有する抗喘息剤。

【国際公開番号】WO2004/041819
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【発行日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−549617(P2004−549617)
【国際出願番号】PCT/JP2003/014119
【国際出願日】平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願人】(000105121)グレラン製薬株式会社 (2)
【Fターム(参考)】