説明

フィルムの積層体およびそれの製造方法および製造装置

【課題】熱可塑性ポリマー材料よりなるフィルムの可撓性積層体およびそれを製造するための方法および装置の提供。
【解決手段】熱可塑性ポリマー材料のフィルムの柔軟な積層体は実質的に溝付きの層Aと実質的に平な層Bとよりなり、Aの波頭頂部でBと接触し互いに接合されている。溝の波長は好ましくは3mmより多くない。Aの厚さが一般に非接合領域においても接合された領域内と同じであるかまたはAが溝の方向に対して平行に延びる第一の中実状態の薄くなった領域を示し、各接合域が主として上記の第一の薄くなった域内に位置しており、そしてそれによって上記の第一の薄くなった各域が、厚みが第一の薄くなった域内のAの最も薄い厚みとそれに隣接する非接合域内のAの最も厚い厚みとの間の平均である位置によって境界を画すると解される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的に高い降伏強さおよび極限引張強さが要求される用途分野のために熱可塑性ポリマー材料よりなるフィルムの可撓性積層体およびそれを製造するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かゝる用途分野の例には、ターポリン、ポンドライナー(pondliners)、ジオテキスタイル、耐候性ラミネート、温室用フィルム、工業用袋、キャリヤー袋および自立性小袋がある。
【0003】
経済的理由で、熱可塑性プラスチック材料で作製された柔軟性フィルムの厚みまたは平方メーター重量を減らすことがますます要求されている。極限は一部は、必要とされる強度特性によってそして一部は必要とされる自己支持性能、即ちバンド固定を考慮した剛性によって設定される。これらの要求は主として熱可塑性ポリマー組成物の選択的開発によってそして強度に関する限りは二軸配向によってもまたは一般に一軸のまたは釣り合いのとれていない二軸配向を示す各フィルムの交差積層によって対処されてきた。
【0004】
強度の観点での本質的節約はかゝる配向および/または交差積層法によって達成できる。
【0005】
それ故に例えば、工業用袋は最も適した品質の押出成形されたポリエチレンフィルムから製造され、25kgのポリエチレン顆粒の包装用のものは標準の強度要求を満足するために0.12〜0.15mmの厚さを一般に有していなければならないが、この厚さは最適に配向されそして交差積層されたポリエチレン製フィルムを使用することによって約0.07mmに薄くすることができる。しかしながらこの交差積層体を公知の方法で製造した場合には、フィルムから袋を製造するための幾種かの入手可能な機械および袋に充填するための幾種からの入手可能な機械は、この様に薄いフィルムを用いて適当に加工できる。
【0006】
配向および交差積層によって得られる改善された強度特性の他にその幾何学的構造のおかげでもこの点で著しい改善を示す交差積層体が本発明者の出願であるヨーロッパ特許出願公開(A)0624426号明細書に記載されている。
【0007】
これは、積層体の片側または両側の曲がった波頭頂部が他の場所よりも厚くなった僅かに波うった形状の交差積層体であり、これらの厚い曲がった波頭頂部の間の材料が一般にまっすぐになっている。(上記ヨーロッパ特許出願公開明細書の図1および2参照)この構造は特別な条件のもとで溝筋付きローラーの幾つかのセットの間で延伸することによって得られる。この延伸は横方向の配向も与える。最終製品の開示された波長は2.2〜3.1mmである。
【0008】
上記ヨーロッパ特許出願公開明細書に従う交差積層体は1995年以来、高分子量高密度ポリエチレン(HMWHDPE)および約90gm-2のフィルム重量を有する線状の低密度ポリエチレン(LLDPE)の組合せよりなる工業用袋の製造のために工業的に製造されてきた。僅かに波うった形状は厚くなった波頭頂部との組合せで、かゝる比較的に薄いフィルムを用いて袋製造機の性能にとって非常に重要であることが実証されている、フィルムの一つの方向に剛性を付与する。しかしながらこのフィルムは強度要求を満足する70gm-2の寸法で加工するのに適していない。
【0009】
更にフィルム表面の波形を付けた特徴が(しばしば必要とされる様な)特別に細かい印刷を不可能としそして積み重ねた時に、この積み重ねの層が通常行われる様に十字交差配列で袋を積み上げた時にこの充填された袋同士の間の摩擦をある程度減らす。
【0010】
他の例としては配向したポリエチレンフィルムの70gm-2で製造された(例えば穀類の保護のための)農業用ターポリンは、目標基準を適用した場合には、押出成形被覆された織物タープで作製された100gm-2ターポリンの十分に適合する代用品になるだろう。しかしながら実際には農業用ターポリンへの平均的顧客は相当に“取扱”および外見を基本として選択しそしてその薄ぺらさのために、物質感に不足があると判断して70gm-2ターポリンを拒絶するでしょう。
【0011】
剛性は勿論、充填物を適当に導入することによって増加させることができるが(本発明は追加的選択枝としてこれを包含する)、これは穴あけの費用および耐引裂伝播性、特に衝撃作用のもとで多かれ少なかれ常に存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、印象および一般的な二次元構造の様な見栄えという積層体の特徴を犠牲にすることなく、更に穴あけおよび耐引裂伝播性に実質的に害を及ぼすことなくおよび所望の場合には積層体の少なくとも片側での良好な印刷性を提供し、物質感を加えそして少なくとも一つの方向においてフィルムの積層体の剛性を改善することである。
【0013】
本発明の裏の基本思想は、剛性を(少なくとも1つの方向において)構造的に増加させるにもかかわらず上記の条件を未だ満足し得る積層体を得るために、熱可塑性フィルムの積層体に段ボールの原理を適用するが、溝構造が極めて繊細に造られる様に適用することである。
【0014】
熱可塑性フィルムに段ボールの原理を適用すること自体においては新規ではないが、特許文献、即ち米国特許第4132581号明細書、第6欄、66行に開示された非常に繊細な溝構造は1フィート当たり50+/−3個の溝(約6.0mmの波長に相当する)を有する。これより小さい波長は,第一の接合プロセスが支持されそしてベルトによって運搬される一列の沢山のシール棒を使用して行われる上記の特許に開示された方法によって達成できることは断固として疑わざるを得ない。シーラー棒は移動方向(機械方向)に対して横切っており、溝付けもこの方向に対して直角をななる。
【0015】
上記米国特許の方法の使用は板材の製造について説明しており、溝層の厚さは約0.004〜0.025インチ(0.10〜0.625mm)であることが記載されている。実施例においてはそれは0.018インチ(0.45mm)である。パネルまたは板を製造するために熱可塑性フィルムに段ボール原理を使用することを説明する他の特許は米国特許(A)第3682736号明細書、米国特許(A)第3833440号明細書、米国特許(A)第3837973号明細書、ヨーロッパ特許出願公開(A)第0325780号明細書および国際特許出願公開(A)第94/05498号明細書にある。
【0016】
日本の特開平02−052732号には、一方の側が紙に接合された平らな熱可塑性フィルムに接合されている波形を付けた熱可塑性フィルムよりなる積層体が開示されている。(この紙および平らなシートは最初に接合され、次いで波形を付したフィルムが加えられる。)この場合にも機械方向に対して直角をなす溝が平らな部分に押し付けられそして間隔を置いて接着的に封じられ、その結果沢山の気密な小胞が形成される。この製品の記載された用途はクッション材料、防音材料、熱および湿気を防止する材料および壁の装飾材料である。波形を付けたシートおよび平らなシートの厚さは記載されていないが、溝の波長も小胞の長さも記載されていないが、寸法は積層体の用途次第で選択できることが記載されている。しかしながら波長が如何なる場合にも上述の米国特許(A)第4132581号に記載された最も短いもの(即ち約6mm)よりも短くないとと理解せざるを得ない。この判断の理由の一つは、装飾を除いてこのものは記載された目的にとって有利でなく、他の理由は、開示された装置が極めて浅くそして特に無駄な溝を造ること以外に、比較的に狭い波長(即ち、ギア型ローラーの比較的小さいピッチ)で加工することができないからである。これは、熱可塑性フィルムが弾力がありそして図面に提示することによって暗示される様にこの方法で使用される雰囲気温度で透明に加工できないという事実のためである。ピッチが溝付けおよび積層を行うギア型ローター上に小さい場合には、波形を付けたフィルムが溝形成を行う場所から接合を行う場所まで通過する間に成形用および積層用ローターの溝を“飛び出し”てしまうでしょう。上記特許明細書にはローラーの溝に正常な状態で溝を維持する如何なる手段も記載されていない。
【0017】
段ボールを製造するための慣用のコルゲーターにおいては、溝中の溝付けされた紙を保持するためにトラックまたはシールドが設けられている。外界温度においてこれは紙をより容易に恒久的に成形することを可能とする。
【0018】
改変された形の同様のトラックまたはシールドは、トラックまたはシールドに対する摩擦がポリマーの加熱によって速やかに過密を生じさせるので、製造条件のもとで熱可塑性フィルムを使用することができない。
【0019】
ローラーの溝中に紙の溝を保持する、即ち、溝の中に加圧下に制御して保持する改善された摩擦なしの方法が米国特許(A)第6139938号明細書から公知である(図9および10および第7欄、第25〜34行参照)。この米国特許明細書は、特に小さい波長の段ボール積層体について専ら論じているが、熱可塑性フィルムよりなる波形を付けた構造物の製造については記載されていない。しかしながら溝に保持する改善された方法は実際にはフィルムの厚みに依存して熱可塑性フィルム中に繊細な溝を適用することができるであろう。このことは本発明の開発との関係で判った。しかしながら上述の通り、上記の特開平公報は溝中に溝の形で保持するためのいかなる対策も開示していない。
【0020】
本発明の課題である特に繊細な溝構造“微細な溝”の開発は段ボールの原理をこの明細書の冒頭に記載した分野の様な全く異なる用途分野に適用することであった。
【0021】
これは非常に細かいピッチで溝筋付きローラーをベースとする新しい種類の機械装置を開発することを含む。例から判る様に、90gm-2の波長の“微小溝を付けた”2層積層体(各層は約45gm-2)は実際には工業的に実施することができる方法によって1.0mmに小さくすることができ、そして溝を横切る平らな層の収縮の後にそれどころか0.8mmにまで小さくなった。特に収縮を更に使用することによって、恐らく例えば約0.5mmにまで更に小さくすることができる。記載された2×45gm-2は、積層体を平らに圧縮した場合には約0.074mm(2 ×0. 037mm)の平均厚さに相当する。
【0022】
本発明はこれに近い値に圧縮された平坦物の厚みに限定されないが、全く一般的に言えば、ほぼ約0.3mmまたはそれ以下である平均厚さの圧縮された状態の微小溝付き積層体を含んでいてもよい。0.03mmまたはそれどころか更に薄くまで厚みを薄くすることは特別の目的のためにされ得る。
【0023】
本発明は配向したフィルムの交差積層体との関係で使用することに限定されない。色々な目的のために強度特性の色々な組合せが必要とされる。交差積層体は公知の通り、幾つかの強度特性のカテゴリーの適切な組合せで製造できるが、多くの目的にとって別の種類の強度の積層体が、製造工程の費用も考慮した場合には有利であり得るし、本発明は以下に説明する通り、かゝる別の強度の積層体においても有用であり得る。
【0024】
3mmまたはそれ以下の波長を作製することによって積層体は板材料のその特徴を失うが、柔軟性フィルムの様な外観、取扱性および曲げ特性をもたらす(実施例参照)。単層で造られているが更に長い波長である積層体に比べて改善された穿刺特性を与える。何故ならば前者の場合には穿刺に対しての耐久性において各相が協力するのでなく個々に破裂する傾向が大きいからである。
【0025】
“微小溝を付けた”積層体も、平坦な側に繊細な印刷を受けることができそして波形を付けた側にはきめの粗い印刷を受けることができる。
【0026】
同じ組成および同じ面積重量の、波形を付けてない積層体に比較して、一つの方向での剛性が増加しているためにおよび体積が増加しているためにより頑丈に感じられる。
【0027】
交差積層体の場合には、異なる層において異なる方向に裂け目が進行することを許容するので、層間の弱い接合または強力な接合または線状結合がより改善された引裂伝播性をもたらす。波形を付けた一つの層を有する交差積層体は線状結合されているので、波長が短いか長いかに関わりなしに、改善された引裂伝播性を示すが、“微小溝を付け”は非常に短い伝播の後に裂けるのを止める。勿論、これが最も良い場合の長所である。
【0028】
良く整理するためには、既に文献において“微小溝を付けた”積層体、ただし溝を付けた層が少なくとも熱可塑性フィルムまたは熱可塑性フィルムでない材料よりなる積層体が既に説明されていたことに触れておく。
【0029】
上述した米国特許(A)第56139938号明細書には、その対象として、通常の段ボールの様に中間に波形を付けた紙をそして両側に平らな紙を有する3層の紙積層体が開示されているが、1.67〜2.00mmの波長に相当する1メートル当たり500〜600の溝を有している。この目的は印刷性の改善である。
【0030】
特開平7−2510004号公報は、平らな熱可塑性合成繊維シートが主として活性炭繊維よりなる波形を付けたシートに熱的に接合された吸収用製品に関する。この波形の波長は2.5〜20mmである。
【0031】
特開平8−299385号公報は溝を付した不織布を熱可塑性フィルムでもよい平坦なシートまたはフィルムの片側に接合されて構成された吸収用積層体に関する。これらの2枚の層の間には水吸収性材料が組み合わされている。波長は3〜50mmであると請求項に記載されており、更に小さいと吸収材料にとって十分な空間がないことが記載されている。この製品はおむつおよび類似の製品である。
【0032】
更に正確に表現すると本発明は、少なくとも1枚のモノフィルム成形されたまたはマルチフィルム成形された層(A)と他のモノフィルム成形されたまたはマルチフィルム成形された層(B)よりなり、これら両者が主として熱可塑性ポリマー材料よりなり、それにより少なくともAが冷間配向性材料よりなり、そしてAが波うった溝形状を有するがBは波うっておらずそしてBはその片側で接合域においてAの片側の波頭頂部に接着結合されている積層体に関する。この積層体の特徴は、上記形状の波長が3mmより大きくないことである。冷間配向性材料をAにおいて用いることがこの生成物の強度にとって重要である。更に、接着結合が一つのラミネート層によってなされており、その結果AおよびBの主要部分が溶融することが積層プロセスの間に回避することができそしてAの厚さが一般に非接合領域においても、接合された領域内と同じであるかまたは各接合域が主として上記の第一の薄くなった域内に位置する様にAが第一に溝の方向に対して平行に延びる中実状態の薄くなった領域を提示する。これらの薄くなった各域は、後述する通り、別の薄くなった域も存在するので“第一の薄くなった域”と称する。
【0033】
本発明において、非接合域内のAの実質的薄さは接合域のAの厚みと比較した時に、勿論、堅い方向において接合に対する抵抗にマイナスの影響を示すであろう(しかしこうして溝を付けた積層体を作製するのが一般に容易である)。これに比べて耐屈曲性は増加し、各結合域がこれらの薄くなった域の一つの中に主としてある場合には層Aの平均の厚みに関係する。薄くなった域も後で説明する通り製造方法を容易にする。溶融状態で延伸により薄くすることが抗張力を低減するが、中実状態で延伸することにより薄くすることが延伸が行われる方向での抗張力を増加させることを記す。
【0034】
層AおよびBよりなる様な積層体が確認されたが、各“層”は1枚以上のフィルム、一般に押出成形されたフィルムで構成されていてもよいし、各押出成形されたフィルムは数枚の同時押出成形された“層”で構成されていてもよいし、通常そうである。接合が通常行われる“ラミネート層”は一般に同時押出成形された層であるが、しかしながらそれは慣用の押出成形積層法で適用される薄いフィルムでもよい。
【0035】
3mmの波長の上限が段ボール材料から本発明の製品を区別するために最適な値として選択されたが、一般には2.5mm以内、好ましくは2mm以内、特に好ましくは1.5mm以内の波長を守ることが一般に有利である。既に記載しそして実施例に示した様に、本発明者はそれを1.0mmにすることができそして積層後に収縮を使用するとそれどころか0.8mmにすることができた。
【0036】
冒頭から明らかな通り、本発明は強力なフィルムのために主として使用される。これはあらゆる方向において常に平均的な良好な強度を必要としていない;即ちそれに比べて、例えば袋に比べて関心のまとが耐パンク性および耐引裂伝播性と一緒に一つの方向における強度にあるべき場合がある。例としては90%のLDPEと10%のLLDPEとのブレンドから造られている0.160mmの膜厚を有する慣用の工業用袋は一般にその縦方向において20Ncm-1の降伏力、即ち12.5Mpaの降伏張力を示しそしてその横方向において16Ncm-1の降伏力、即ち10.0Mpaの降伏張力を示す。
【0037】
本発明者によって開発されそして上記のヨーロッパ特許出願公開第0624126号明細書に従って製造された、ヒートシーリング可能な袋のための平均0.086mmの厚さの交差積層されたフィルムは、その最も強い方向において20Ncm-1の降伏力、即ち23Mpaの降伏張力を示しそしてそれの最も弱い方向において17Ncm-1の降伏力、即ち20Mpaの降伏張力を示す。
【0038】
本発明の重視点が強靱性、感触および外観にあるにも係わらず、本発明は原則として、比較的に強い強度が要求される用途のための柔軟性のある積層体に関するものであるので、積層体の最も強い方向における積層体の降伏張力は一般に15MPaより小さくなく、好ましくは25MPaより小さくてはならない。対応して極限抗張力は通例には上に示した値の約2倍またはそれ以上である。ここで交差区域(mm2 )は、エアースペースを含まない固体材料だけをベースとしており、これは層Aが薄くなった域を持つことを考慮して平均である。
【0039】
ここに記載した降伏張力は500%/分の延伸速度での引張り試験に関する。これらはひずみ/応力グラフからもたらされる。これらのグラフはフックの法則に従って直線的に始まるが、変形が未だ弾性があるので通常では線形から速やかに導き出せる。原則として降伏張力は変形が不変になる張力であるべきであるが、速度に依存する臨界値は実際に測定することが不可能である。降伏張力を実際に測定しそして本発明の関係において測定されたものを考慮するやり方は以下の通りである:
張力が相対的に極大に達した場合には、連続的延伸下に一定のままであるかまたは減少し、後者は破断が発生するまで再び増加し、緒力の相対的局ヂは降伏張力であることを考慮される。サンプルはこの点で破断されてもよく、その時、降伏張力は極限抗張力に等しい。しかしながら張力が連続的延伸と共に増加し続けるが、百分率延伸当たりの張力において更に多く低減し、その時にひずみ/応力−曲線および特に直線になった後に、延伸のフックの法則部分を表す線と交差する様に後方に外挿される。2つの線の間での交差の時に張力が定義された降伏張力である。
【0040】
本発明の一つの実施態様は、層Aがポリマー材料の選択によってまたは混入される充填物によってまたは配向によって非接合域内で波うち方向に平行に、上に説明した様に測定した時に、30Nmm-2より小さく、好ましくは50Nmm-2より小さくそして更に好ましくは75Nmm-2より小さい(層Aだけの横断面)平均降伏張力を示すことを特徴とする。
【0041】
既に記載した通り、Aは好ましくは各領域において中実状態で薄くなっており(“薄くなった領域”)および各結合域は最初の薄くなった域内に主として位置している。これらの域は、Aの薄さが最初の薄くなった域内の最も薄い厚さと隣接する非結合域内の最も厚い厚さとの間の平均である位置によって境界を画くすると理解すべきである。
【0042】
本発明の別の重要な実施態様は、非結合域内でそしてこの薄くなった域の外側にあるAが、かゝる域が(上記の通り境界を画されて)存在する場合には、収縮試験で証明される様に波打ちの方向に対して平衡方向または波打ち濃厚に対して近い方向に主として分子配向しているということを特徴としている。かゝる試験が一般に使用されている。この関係では、波打ちの方向に垂直のAの配向成分はあらゆる方向において降伏張力に寄与していないが、あらゆる他の強度特性に寄与し得る。
【0043】
それぞれの最初の薄くなった域の範囲の有利な境界(好ましくは一つの方向での剛性を気体して)は請求項12に規定しており、これらの域の有利な厚さは請求項21に規定している。
【0044】
薄くなった最初の域の他に、隣接する最初の薄くなった域の各対の間の第二の中実状態の薄くなった域(以下では第二の薄くなった域と言う)を有しているのが非常に有益であり得る。これらの第二の薄くなった域は、第一のものよりも幅が狭く(好ましくは交互にできるだけ狭いのが有利であり、その結果この域内のAの厚さができるだけ薄く)そして結合した域と反対側でAの頂点に位置している。これらは“蝶番”として作用しそしてこれらが狭くかつ、Aの横断面が滑らかな波打ちの代わりにジグザグになっているので剛性を改善するのに十分な程狭くかつ深くなっており(図3との関係で更に説明する通り)そしてAおBがそれによて三角構造を形成する。これらは以下に説明する製造方法を実質的に容易にする。
【0045】
第一および第二の薄くなった域に起因する剛性の向上(Aの平均的厚さに関連する改善)に加えて各域のセットは衝撃作用に対する抵抗を一般に改善し、即ちこれらは一般に衝撃強度、耐衝撃破裂性および耐衝撃引裂伝播性を向上させる。これは、延伸(またはAが既に延伸され得ている場合には更なる延伸)があるので、この延伸は衝撃作用のもとで伝播する傾向があり、それによって第一および第二の薄くなった域が衝撃吸収材として作用し得る。
【0046】
一般に隣接する結合域を含めた各溝の波長は溝内のAの最大厚さの50倍より長くあるべきでなく、好ましくは40倍より長くなく、更に好ましくは30倍より長くない。一つの例としては、Aの最大厚さが以下の操作例における様に0.037mmである場合には、記載される値はそれぞれ1.85mm、1.48mmおよび1.11mmに相当する。
【0047】
強度目的に相応して層を通例の通り互いに“積層”するために、それぞれの結合域の幅は一般に波長の15%より少なくあるべきでなく、好ましくは20%より少なくなく、更に好ましくは30%より少なくあるべきでなくそして溝を実質的な効果を達成するためには、2つの互いに隣接する域の間で測定した時のAの各接合域の幅は相応する直線距離よりも10%より多く長く、好ましくは20%より多く長い。これは溝の深さの目安である。
【0048】
多くの目的にとって、例えばあらゆる方向への曲げに対する剛性の改善を望む場合には、請求項15に規定した様にBと反対にあるAの側に波打っていない単一層をなすまたは多層をなすフィルムCがあってもよい。
【0049】
袋の縦波のある外側面は上記の通り欠点がある。即ち充填された袋の印刷および積み重ねに関して欠点がある。しかしながら波打った面の特別な凹凸が用途、例えばマット上での用途において非常に有益でありうる製品もある。かゝる製品にとって、請求項16に規定した様に波打っていない単一層をなすまたは多層をなすフィルム(B)の2つの反対側に積層した2つの波打った単一または多層化した層(A)および(B)が有利でありうる。
【0050】
フィルムA,B,CおよびDは通常にはポリオレフィンよりなり、押出成型を含めた方法によって通常は製造される。これは一般に、ラミネート層および場合によってはヒードシール層がフィルムの主要物体と接合される同時押出成型法である。
【0051】
溝の少なくとも幾らかは縦方向に間隔をおいて平らにされていてもよくそして好ましくは平らにされた場所で各溝の全幅を横切って結合されて、溝が一列の狭い閉じられた細長いポケットを形成している。互いに隣接する沢山の溝または全ての溝の平らにされた部分は好ましくは溝の縦方向を横切る一連のラインを形成する。これは波形積層体をテキスタイルの様に見せたり感じさせることができるし、嵩張りおよび生地の感じを失うことなく、曲がらない方向でない方向においては更に柔軟性をもたせる。平らにすることは曲げに対して優先的な場所を造り出すのに使用することもできる。
【0052】
生成物の種々の実施態様および特別な用途について更なる説明を、方法の説明の後に行なう。
【0053】
本発明の積層体の上記の特徴の通りに、溝を形成するための溝筋付きローラーの使用下におよび加熱および加圧によって積層のための溝筋付きローラー(ある場合には同じ溝筋付きローラーであってもよい)の使用下で行なう製造法は、積層体を製造するローラー上の区分が最大3mmである。本発明の新規方法を請求項36に規定した通りである。この方法を実施するのに適する新規の装置は請求項65に規定されている。
【0054】
この装置は積層波板の慣用の製法における様に機械方向に対して一般に直角に溝を形成するかまたは機械方向に対して一般に平行に変更することができる。これを以下に明記する。
【0055】
一般に結合は、弱体化を避けるために(同時押出成形によってまたは押出積層技術によって製造された)積層を貫いて達成しそして一般に方法段階をAの域の著しい薄さを避けるために変更するかまたは溝付けローラーの一つのセットの間での中実状態での延伸を上記の“第一の薄くなった域”を製造するために変更し、その際に積層のための溝付けローラーは、結合の各域が種として第一の薄くなった域内に位置する様になる。
【0056】
生成物の説明において上述した“第二の薄くなった域”は、第一の薄くなった域を形成する溝付けローラーが適切に配置された溝付けローラーの別のセットの間で延伸すことによって形成することができる。
【0057】
第一と第二の薄くなった域の生成物の性質の意味での長所は既に説明した。この方法を実施するためには第一の薄くなったラインを速度の増加を可能としそしてそれ故に経済性を向上させる。結合させるべき層A中の領域がより薄くされそしてそれ故に結合させる、会えに熱の適用の間の少ない加熱時間しか必要としない。更に第一の薄くなった域および特に第一と第二の薄くなった域の組合せは、層A中で“ヒンジ”として作用することによって加工にとって大変に助けられ得る。積層のための溝付けローラーがその軸と一般に平行する溝を持つ装置の種類において、これらの“ヒンジ”が、細かい溝中に比較的に重いA層すら誘導することを可能とする。溝が環状または螺旋状であるがいずれの場合にもローラー軸にほぼ直角である装置の種類においては、“ヒンジ”が溝を付けたローラーから溝を付けたローラーに層Aを通す間、該層Aを“進路に”保持する助けをし、他の作業においては“ヒンジ”が、溝を同時に横方向延伸下に形成する溝筋付きローラーの前のセットまたはセット群の作用で、溝付き積層ローラーの作用を調製する助けをする。
【0058】
柔軟なフィルムとしての用途のために本発明を正常に使用するのには、波かしらの上に積層を生じさせる溝筋付きローラー上の区分が3mmより大きくないことが重要であるが、一般にそれが2.5mmより大きくなく、好ましくは1.5mmより大きくなくすることが有利である。
【0059】
層Aとして使用されるフィルムまたはその複数のフィルムは、波打った構造を形成する前におよび第一および第二の薄くなった領域(もしかゝる領域を造る場合には)を造る前に、合成的な主要配向方向が溝の方向となる様に選択される方向にある。これは強い溶融配向によって、または好ましくは、場合によってはまたは追加的に公知の延伸操作によって中実状態で実施することができる。この方法を溝が機械方向と一般に平行となる様に変更する場合には、これは、簡単である一般的な縦方向配向法であり、そしてこの方法を溝が機械方向と一般に直角となる様に変更する場合には、設定することが更に複雑でありそして一般に多大な経費のかゝる装置を必要とする一般的な横方向配向法である。2つの最も近い文献、すなわち米国特許第4132581号明細書および特開平2−052732号明細書のいずれも層Aが溝と一般に平行の方向に配向することを示す開示がないことを記す。これらの2つの刊行物においては溝は横方向で形成されており、そして特別な段階なしにフィルムが押出成形法または注型法で形成されていないので、横方向に配向したフィルムを用いることが考えられる。
【0060】
製品との関係で既に説明した通り、熱可塑性ポリマー材料の層(C)を形成する波のない別のモノフィルムまたはマルチフィルムが、Bの接合と同時にまたはそれの後でAの裏側においてAの波頭頂部と接合されていてもよい。別の有用な可能性はAの成形および用途と同様な仕方で、3mmより大きくない波長を有する波打った溝構造を持つ層(D)を形成する第二のモノフィルムまたはマルチフィルムが製造されそしてDの一方の裏側で該波頭頂部がBの第二の側に、BとAの積層と同時にまたはその後で積層するものである。
【0061】
本発明の最大の応用においては、層を形成するモノ−またはマルチフィルムは主としてポリオレフィンよりなりそして押出成形を含めた方法によって製造されるべきである。更に層を構成するフィルムは、該フィルムの主要部分をいかなる溶融もせずに積層することを可能とする表面層を同時押出成形する共押出法によって通常製造されるべきである。 製品の説明からも明らかな通り、溝の少なくとも幾つかは積層後に平らにすることができる。これは間隔をおいて、好ましくは互いに積層状態で全てのフィルムを接合するのに十分な加熱加圧下に行い、溝は隣接するフィルム材料と核末端で閉じられた狭く延びたポケットを形成する。この平坦化は、溝方向に対して横切って配列された縦方向を有そしてそれぞれに沢山の溝が場合によっては積層体の全幅に及ぶ棒または歯車を用いて実施することができる。
【0062】
第一の薄くなった領域を適切に個別に形成することが、他の溝筋付き延伸ローラーの波頭頂部の温度よりも高い温度が縞を形成することを意図して溝筋付き延伸ローラーの波頭頂部に与えることによっておよび/または調和する溝筋付きローラーの波かしらの曲率半径よりも小さい曲率半径が縞を造る意図で溝筋付き延伸ローラーの波頭頂部を与えることによって少なくとも一部において達成できる。溝とほぼ平行する方向の主な重要な配向および/または層Aの高い弾性率(B)が適切に別個の境界を第一の薄くなった領域に与える効果的な手段でもある。
【0063】
これよりも微細な溝を造る良い方法は収縮を使用することによる純粋な機械的手段によって行うことができる。積層を行う前に層Bを溝の方向になる方向に一般に直角の配向を付与し、そして積層の後でBを溝の方向に対して一般に垂直の方向で収縮に委ねる。
【0064】
既に説明した通り、波打った溝構造は色々な方向に形成することができる。そうしてこれは、互いに噛み合って運転される溝筋付きローラーのセットを通してAを捕らえることにより一般に横配向法のもとで主としてAの縦方向で達成できる。その際にローラーの溝筋は環状でもまたは螺旋状でもよく、ローラー軸と少なくとも60°の角度を形成しる。この角度が約90°にするかまたはこれに少なくとも非常に近くするのが最も実用的である。これは、Aが溝筋付き積層ローラーに対してAの上に波を形成する一つの溝筋付き延伸ローラーから出口に直接的に移動する様に配置することができる。それによってこれらの2つの溝筋付きローラーは互いに近い接近した状態にありそして同じピッチを有しそして軸方向に相互に調整される。この観点でこのピッチはそれぞれのローラーの運転温度で測定すべきである。
【0065】
場合によってはAは、この出口から、Aに波を形成する溝筋付き延伸ローラーの一つから一つまたは一連の加熱された溝筋付き送りローラーの上の溝筋付き積層ローラーに移動することができる。この列の溝筋付きローラーは溝筋付きローラーで出発しそして溝筋付きローラで終了しそして各々がそれの隣または両隣に接近した状態にある。列にある溝筋付きローラーの各々は同じピッチ(個々のローラーの運転温度で測定)を有しそしてその軸位置は互いに調整することができる(図7お8お実施例参照)。
【0066】
溝を環状溝筋を持つローラーによって縦方向に製造した時、一直線の直線距離として測定される層Aの幅はその入口から積層工程まで、取り除かれるべき非常に狭い縁領域での逸脱は別として一定のままである。それ故に湾曲線に沿って測定された層Aのリール幅とBの幅と同じであるAの直線幅との比は横延伸比に一致しそして薄くなった領域の厚みの減少に関連している。
【0067】
しかしながら、既に記載した通り、溝ははっきり横方向でも造られ得る。この実施態様においては、溝とローラー軸との間の約30°の角度が実地において恐らく可能であるほぼ最大値であるが、ローラー軸と平行である溝が最も簡単である。
【0068】
更に、ローラー軸に平行な溝筋を持つ実施態様は請求項56、57、58お59に規定した。溝筋にAを溝付き状態で、溝形成から接合まで保持しそしてAの摩擦研磨を回避するのに適合する手段は、溝筋付きローラーの内側からチャンネルを通して吸引するための装置でもよく(既に記載した様に段ボール製造で知られる方法)または製造またはダンボールにおいて使用される構造から空気潤滑かすることで改変されているトラックまたはシールドを使用することもできる。この手段はトラックまたはシールドを小さいチャンネルで提供されるかまたは好ましくは各ロラックまたはシールドの一部が多孔質の焼結金属で造られておりそして圧縮された空気がチャンネルまたは孔を通して吹き抜けられて溝付き層を流すことができるエアージェット膜を形成する。
【0069】
請求項58および59に記載した細かい調整用手段は多色印刷技術における調整手段に類似している。
【0070】
後記では、色々な層での配向および/または弾性化の色々な選択、特にチャンネルまたは溝によって形成されるポケットの特別な利用および本発明の製品の特別な最終用途を説明する。
【0071】
本発明の重要な実施態様において各非結合域内のおよび第一の薄くされた領域がある場合にはかゝる領域の外側の層Aは主として溝の方向に平行な方向またはそれに近い方向に分子配向していることを既に説明した。
【0072】
層Aがこの様に配向していると、積層体の用途次第で層Bについて色々な有利な選択がある。Bも分子配向しておりそして溝の方向に対して直角の方向へのそれぞれの非結合領域内でのBの配向は、非結合域内の同じ方向でのAの平均配向よりも多いことが非常に重要な選択の一つである。配向の上記の二つの成分はこの場合にも収縮試験によって示される。
【0073】
これは層Bが横方向の配向の最も強い成分を有していることの必要性を意味していない。換言すれば積層体は交差積層体である必要性がない。それ故に層Bは単に、高ブロー比によって比較的に高い横溶融配向が得た高ブロー成形フィルムでもよい。この実施態様は請求項8でも規定している。
【0074】
記載した通り、一つの方向だけに高い降伏張力を必要としているが、高い体破裂性も俳優する場合、例えば袋構造がある。請求項9または請求項10に従う積層体はこのために構成されている。
【0075】
上記から判る通り、本発明は交差積層体の関係で非常に有益であり、すなわちこの積層体は少なくとも2つのフィルムを含み、その各々が主要配向方向を有しそして上記2つの方向が互いに交差する様に積層されている。本発明のこの点を実施する色々なやり方が請求項22〜25の生成物から明らかであり、それらから製造方法も明らかになる。
【0076】
交差積層の適する方法および装置はヨーロッパ特許出願公開(A)第0624126号明細書、主としてその導入部の情報を本発明者の先願である英国特許出願公開(A)第1526722号明細書の内容と組み合わせることによって達成することができる。それ故に、本願の図面の図4を引用して、BおよびCは各々、Bの主要配向方向がCの主要配向方向と十字交差することによって主要配向方向を表す、積層体を含めたフィルムでもよい。これらの方向の一つは機械方向と平行であってもよく、もう一方はそれに直交しているかまたは両方が0℃より大きい角度または90°より小さい角度、機械方向と好ましくは20°〜70°、特に好ましくは25°〜65°の角度をなしてもよい。この配置では波打つAは曲げに対して剛性があるが、同時にBとCとの間に位置が変えられた結合を達成するので耐引裂伝播性についても有力である積層体がもたらされる。例えば上述の英国特許出願公開(A)第1526722号明細書から、交差積層によって得ることのできる優れた耐引裂伝播性が、引裂が交差積層体の異なる層における異なる方向に沿って発現し得るので、高過ぎない結合強度を有することに依存していることが公知である。他方、交差積層体は使用する間に、例えば上記特許明細書に記載する様に、偶発的な剥離傾向があるべきでないので、所々のまたは線状での強い結合と残りの部分の弱い結合との組合せを使用することができる。しかしながら波打ったAを通しての交差積層されたBとCの“割り当てられた”結合が高い耐引裂伝播性と適切な結合強度とのより良好な組合せを、特にフィルムAの弾性係数EがBおよびCの両方の弾性係数Eよりも小さい時、好ましくは少なくとも1.5倍、特に好ましくは少なくとも2倍である時に提供し得る。更に溝が間隔をおいて平らにされておりそして全幅にわたって交差結合して、溝を狭く閉鎖されたポケットの列を形成してもよい。かゝる平らにする目的は上述した。
【0077】
上の説明において、フィルムBおよびCにおける“主要配向方向”を説明してある。層BおよびCの各々が、一般に同時押出成形された表面層を持つモノ−フィルムである場合には、これは単一軸のまたは不釣り合いな二軸配向である。しかしながらフィルムBおよびCの各々はそれら自身が交差積層体、一般に2層交差積層体であってもよい。
【0078】
これを説明するために、Bは例えば同じ組成の、同じ厚さのおよび同じ配向の2枚の層で構成されていてもよいが、一方は機械方向に対して+30°で配向しそしてもう一方は−30°で配向する。これは機械方向に従う主要配向方向をもたらす。同様にCは2つの同じそうで構成されていてもよく、その一方は+60°で配向しそしてもう一方は−60°で配向している。その時、合成的な配向方向は機械方向に対して直角である。
【0079】
フィルムにおける一軸または不均一な配向は、ヨーロッパ特許出願公開(A)第0624126号明細書および英国特許出願公開(A)第1526722号明細書(両方とも前記した)に記載される様に、主に縦方向を有するチューブ状フィルムを螺旋状に切断して得ることができ、ヨーロッパ特許出願公開(A)第0426702号明細書に詳細に記載されている。後者は一軸のまたは機械方向に対して直角をなす、すなわち押出ダイスを出るチューブ状フィルムをなじり、次いで計算された角度で螺旋状に切断することによって得られる強く不均一な溶融配向を得る方法を開示している。本発明における交差積層の他の実施態様は請求項22に記載してある。“合成的な主要配向方向”は上に説明したのと同じ意味を有する。
【0080】
この積層体を溝の方向に対して一般に直角にヒートシールすることで袋を製造するのに使用すべき場合には、およびかゝるヒートシールを高い衝撃剥離力に委ねる場合には、積層体は好ましくは請求項61に記載されているように構成するべきである。その時、溝付きの柔らかいA−フィルムはヒートシールのために内側を形成でき、そして剛性のある滑らかなB−フィルムを袋の外側を形成することができる。
【0081】
別の観点(“カプセル化/配管化”)から本発明は、種々の実施的目的のために積層体の内部空洞を場合によっては適当な穿孔と組合せて液体または空気の流れの導入可能化するかまたは粒子、繊維、フィラメントまたは液体の状態の充填材料をカプセルに包みこむのに利用する沢山の実施態様を包含する。後者は例えば柔軟性のある積層体中に包みこまれる物品を保存することができる。これらの種々の実施態様は請求項27〜30、34および35の物品から明らかである。これらの物品を製造する方法は請求項48〜51から明らかでありそしてその方法を実施するのに適する装置は請求項88および89に規定してある。
【0082】
細かい通路または“ポケット”が“覆い隠し(bury)”保存するのに使用される本発明の実施態様はフィルムの状態で押出成形されるべきポリマーとかゝる材を混合する通例の方法にわたる明らかな長所を有している。一つの長所は保存剤の濃度を更に高くすることができることであり、他の長所には保存剤を押出成形温度に耐えることが必要がないことがある。保存剤は保存すべき対象に単に移動によって到達することができるし、また該保存剤が固体である場合には十分に細かい穿孔または孔を通して徐々に蒸発し拡散し得る。
【0083】
包装物の内側にある小さな袋中に保存剤を含有させることも通例的なことである。この保護方法に比較して本発明は保存剤を充填材の充填領域にほぼ均一に拡散することができるという長所を有している。
請求項30に記載したフィルター材料は多くの潜在的用途、例えばジオテキスタイルとしての(請求項34および35)、また化学工業における水処理の場合および気相用マスクに用途がある。
【0084】
形式的に請求項1に従属する請求項62の水保護積層体を含めたこれらのフィルター材料に関連する各請求項は3mmよりも幾らか大きい波長を持つ類似の製品も重要な用途を有しそして発明性ある新規の製品を示唆していると理解するべきである。それ故に本発明の別の観点においては、層(A)を形成する少なくとも1つのモノフィルムまたはマルチフィルムおよび層(B)を形成する別のモノフィルムまたはマルチフィルムよりなり、これら両者が主として熱可塑性ポリマー材料よりなる積層体であって、少なくともAが冷間配向性材料よりなり、Aが波うった溝構造を有し、他方Bは波うっておらず、そして一方の側でBは接合を積層用層を通して達成しているAの第一の側の波頭頂部に接合領域で接合しており、そしてAの厚みが結合した領域内にあるのと、非結合域内においても同じであるかまたはAが溝方向に平行に延びる第一の中実状態の薄くなった領域(以下、第一の薄くなった域という)を見せ、各結合域が主として第一の薄くなった域内に位置する、上記積層体を提供する。この積層体は耐湿性があるが空気透過性である。この積層体はレインコートおよび防水シートを造るのに有用である。添加材を溝に導入する別の用途も以下に記載する。
【0085】
本発明の別の重要な用途は袋および自立性小袋がある。この関係では請求項31、32および33の製品を引用する。
【0086】
本発明の全ての用途にとって非常に興味が持てかつ耐摩耗性の印刷を、積層前にAおよび/またはBを積層たいの内側になる表面に印刷を付した場合に得ることができ、この方法は非接合域に対して一般的な印刷に制限するするように、溝形成および積層工程で記録された状態にある。耐久性ある印刷は溝または積層体のテキスタイル様外観を強調するテクスト、装飾パターンまたは簡単なラインを形成できる。特殊な装飾効果は、印刷を金属的外観または青貝様効果を提供する場合に達成できる。
【0087】
今度は、本発明を図面を引用して更に詳細に説明する。
【0088】
図1、2、3、4および5は、小さな溝のある層Aまたは層AとD、および水平の層Bまたは層BとCよりなる本発明の積層体の4種類の異なる構造を断面図で図示している。これらの構造の各々における溝は、溝形成および積層装置の機械方向に関して縦方向または横方向に伸びている。
【0089】
図6は、これらの層自身がどの様にフィルムが積層され得るかおよびこれらのフィルムが同時押出成形によって造られる様にどの様に多層化され得るかを図で説明している。この図は結合および積層を容易にすることを助成している。
【0090】
図7は図2に示した生成物の製造においてAの小さな溝の形成からAとBとの積層までの核段階を示す主なスケッチであり、色々な段階がフィルムAおよびBの断面図およびローラーの軸からローラーの表面までの断面図によって示している。
【0091】
図8はフィルムBに向かい合うフィルムAに対して平らなフィルムCを積層する手段の追加した図7に相応する機械ラインのスケッチである。
【0092】
図9a、9bおよび9cは、請求項22に示した様に構成された交差積層体を図で示すスケッチである。
【0093】
図10a、9bおよび9cは、溝に対して平行する区分および未接合域の中間を表しており、層Aと層Bの間に形成された溝またはポケットがミニ容器としてまたは空気または水の流れを導くために使用されている本発明の用途を示している。すなわち図10aでは保護材のためのミニ容器として、図10bでは濾過のためにおよび図10cでは気候保護のために使用されている。
【0094】
図11では積層前に溝中に粒子状材料を充填するための充填装置が追加されおよび積層後に横方向シーリング部を形成するためのシーリング装置が追加されて、そしてそれによって粒子状材料のミニ容器として役立つ密閉されたポケットが形成される図8の積層場所の変形を示しいる。
【0095】
図12は横溝を有しそして“第一”および“第二”の薄くなった域(これの説明は規定してきた通りである)を有する積層体を製造するための方法を示すフローシートである。
【0096】
図13は横溝を形成するための溝付き積層ローラーを説明しており、その際に吸気口は溝に層を導くのに使用されそして減圧がそれをそこに留めるために使用される。
【0097】
図1〜5に関しては、上述においておよび請求項において記載する波長がxとzとの直線距離であることを、明瞭にするために記載しておかなければならない。この距離は好ましくは3mmまたはそれ以下でありそして実施例から明らかな通り本発明者は0.8mm程に小さく造ることも可能であるが、これは得ることができおよび有用である極限の最低限界である必要がない。米国特許第5441691(Dobrin等) は通例の環状形態のふくらみを持つエンボス加工フィルム (被ヒート結合されていない積層体) を開示しており、0.8mmより更に狭い中心から中心までの間隔を有しているが、この特許のふくらみ部はフィルムの主要部よりも薄く引き延ばされている。
【0098】
図1において層Aの厚み一般に層を横切る厚さである。溝を横断する場合、(薄くなった領域を脇に形成することなく)図12に示した方法によって達成できるが、層Aの厚みについて見て、波長をどの程度に狭くすることができるかの実地で重要な限界がある。 溝の形成のために溝を機械方向と平行にする場合には、積層を図8に示す様に一般に実施するのが有利である。このことは互いに噛み合う溝筋付きローラー間で横方向の延伸があることおよび溝付けの程度が延伸の程度に相応することを意味する。フィルムを非常に細かい溝筋付きローラーの間で延伸する場合には、延伸の全部または主要部が溝の頂点およびその近くに局所化する強い傾向がある。これは、予めの工程で横方向に延伸されたフィルムを使用いそしてそのフィルムをローラーの温度よりも高い温度でローラーに供給することによって困難ではあるが回避することができる。
【0099】
しかしながら図2〜6に示した積層構造物においては溝筋付きローラー延伸で得られる厚みの相違が製品の性質にとって重要である程度に利用されてきた。延伸するための溝筋付きローラー、すなわち積層のための溝筋付きローラーとそれらの間の溝付き送りローラー相互間を正確に記録することによって、各結合域を主に薄くなった域内にあるように配置される。図3から判る通り、結合の各域のための薄くなった域の2つの群、すなわち接合域に当たる一連の広い域(“第一の薄くなった域”)の群(6)および“第二の薄くなった域”と称される短い域の群(101)があり得る。
【0100】
層Bに接合される基部で層Aを薄くすることによって、Aの厚みが堅い方でのそれの剛性への寄与が重要でない場所で最小にされる。“蝶番”として作用する狭い“第二の薄くなった域”を導入することによって、図3に示すように断面が殆ど三角形になる。これは、剛性が更に向上されることを意味している。これらの薄くなった域は、衝撃的作用のもとで破裂されるよりもむしろ延伸する傾向を材料中に導入する。
【0101】
このコンセプトを明らかにするために、各第一の薄くなった域(6)は規定によると、矢印によって示す様な層A(または層D)の厚みが最も薄い厚みと隣接する被接合域の最も厚い厚みとの間での平均である場所(102)によって境を画している。
【0102】
図2〜5に示す様な“第一の薄くなった域”を持つ構造および図3に示す様な“第一および第二の牛久なった域”の両方を持つ構造は横方向に溝を造る機械で製造することもできる。これは後で説明する。
【0103】
図6において層AおよびBの両方はそれら自身、積層体、例えば請求項22における様な交差積層体であり、各層が製造されるそれぞれのフィルムを同時押出成形される。それ故にAおよびBはAをBに積層する前に積層法によってそれぞれ形成される(“予備積層”)。層(1)はAを造る2枚の同時押出成形フィルムの各々主要層であり、そして層(2)はBを造る2枚の共押出成形フィルムにおける主要層である。層(1)および(2)は例えば高密度ポリエチレン(好ましくはHMWHDPE)またはアイソ−またはシンジオタクチック−ポリプロピレン(PP)またはこれらのポリマーの1種類とより柔軟性のあるポリマーとのブレンド、例えばHMWHDPE、LLDPEでよりっていてもよい。剛性がミニ溝を付けた積層体の最も有利な性質である場合には、HMWHDPEシートまたはPPシートを選択するが、もし引裂または破裂性が重要でありおよび/または卓越したヒートシール性が重要である場合には、上記のブレンドがより適している。
【0104】
層(3)がそれら機能を有する同時押出成形された表面層であり、完成されたミニ溝付けされた積層体のヒートシール性を向上させおよび/またはその機能的性質を変更している。層(4)は同時押出成形された2つの機能を有する表面層である(“ラミネート層”)。すなわち、a)予備積層を容易にする機能およびb)接合強度を制御する機能(交差積層体においては結合が強過ぎるべきでなく、もしそうでないと引裂伝播強度が損なわれる)。
【0105】
同様に層(5)は、A全体とB全体との積層を容易にしそしてAとBとの間の結合強度を制御する同時押出成形された表面層である。
【0106】
図7および図8に関しては図2に示した構造を、薄くなるべきラインに沿ってのみ加熱する溝付き予備加熱ローラー(6a)上を最初にフィルム(A)を通し、次いで溝付き延伸ローラー(7)上を通し、更に溝筋付きローラーおよび溝安定化ローラー(9)上をおよび最後に溝付き積層ローラー(10)およびゴム被覆する対ローラー(11)上を通し、他方フィルム(B)は滑らかなローラー(12)および(11)の上を通すことによって形成することができる。全てのローラーの溝は環状であり、その結果溝が機械方向で形成される。Bが横方向に配向しそしてそれ故に横収縮する傾向を有している場合には、ローラー(12)および(11)は末端(図示してない)を保持するために好ましくは装置、例えばベルトで供給される。これらのローラーの全てが温度制御されたローラーであり、その際にローラー(9)、(10)、(11)および(12)は積層温度に制御されており、ローラー(6a)および(8)は幾分か低い温度にそしてローラー(7)は約20〜30℃の温度に制御されている。(B)の予備加熱のために別のローラーがあってもよい。) 適当な同時押出成形された表面層を選択することによって(図6の(5)参照)、積層温度は(A)および(B)の主要層の溶融温度より遥かに下に維持する。ローラー(7)と(8)との間の横方向延伸する間の(A)中の域(6)の温度は好ましくは更に低く、例えば約50〜70℃の範囲内にありそして(A)の残りは記載したローラー温度からも判る通り、更に低く、例えば約室温である。もし(A)および(B)中の主要層がHDPEシートまたはHDPEとLLDPEとのブレンドシートである場合には、積層温度は好ましくは約80℃〜110℃の間で選択し、そしてエチレンの適当なシートまたはエチレンのブレンドコポリマーよりなる同時押出成形された各ラミネート層をこの温度で積層製造する様に選択する。
【0107】
ローラー(8)上の波頭頂部が非常に小さな曲率半径、例えば約0.05mmまたは極めて狭い“溝間平坦部”を有している。予備加熱する機能を持つローラー(6a)の波頭頂部はフィルムに依存して、円筒状に近いかまたはほぼ円筒状であるかあるいは僅かな幅の溝間平坦部を有している。ローラー(7)と(9)の波頭頂部は、これら波頭頂部での横方向延伸を避けるために、比較的大きな曲率半径または比較的広い溝間平坦部を有している。溝の大きさの適当な値は実施例において後記で説明する。
【0108】
異なる溝筋付きローラーでの異なる温度は、全てが室温である状態に比較して異なる熱膨張の原因となり、そして運転の間に互いに正確に適合させなければならないので、このことを溝筋付きローラーが組立られる時に考慮しなければならない。(10cmの長いスチール製ローラー・セグメントを10℃加熱することがこのセグメントを薬0.11mmの膨張を引き起こす。)値については実施例で再び言及する。
【0109】
ローラー(7)、(8)および(10)が駆動され、た方ローラー(6a)、(9)、(11)および(12)はアイドリングしてもよい。
【0110】
判っている通り、領域(6)のAの薄膜化はAの主要部分の溶融範囲より実質的に下の温度での横方向配向によって殆ど完全に行なわれる。それ故にこの薄膜化はAの横方向強度のいかなる減退をもたらすことがなく、反対にこの強度の向上を一般にもたらすであろう。非結合域での層AがAの選択された平方メータ重量が許容されるのと同じ厚さになりそして溝はできるだけ高くなるという意図する結果をもって、ローラー(8)での横方向延伸の後に“第一の薄くされた領域”の幅は好ましくは(親指で計った結果として)波長の半分を超えるべきでないが、延伸の程度は一般に事実上うることができるのと同様に高くあるべきであり、他方“第一の薄くなった領域”相互間の横方向延伸の程度は一般に事実上うることができるのと同様に低くあるべきである。
【0111】
第一の薄くされた領域および結合領域が殆ど同じ幅で一致することを達成する実際適法法は以下の通りである:積層ローラー(10)上の比較的に平らな波頭頂部を第一の薄くされた領域の選択された幅よりも僅かに広くしそして温度および速度を、第一の薄くされた領域(6)が材料がBと積層される温度に加熱し、他方各領域(6)相互の間の熱いA層が積層を行なうことができる温度に達しない様に、互いに調整する。
【0112】
請求項6におけるように縦方向に配向したA−層を使用することがAにおいて“ネック・ダウン(neck down)”する傾向を付与し,そしてAを横方向に延伸した時に薄い縦線を形成する。それ故に縦方向に配向したA層は強く薄くされた領域(6)と該領域相互の間の薄くされていない層Aとの間に明瞭な区別を与える可能性を高めるであろう。
【0113】
理論的には、結合は加圧下で達成されるので結合領域でのB層の幾らかの薄膜化が必ず生じるが、この薄膜化はプラスの効果を示さず、好ましくは20%を超えるべきでない。ラミネート層の存在のために(図6の(5)参照)、B層のかゝる薄膜化は無視してもよい。
【0114】
図8には積層ローラー10および11を離れるミニ溝化された積層体は(B/A)と印が付けれている。この図面において鋼鉄性ローラー(13)から来る波打っていない単層−または多層フィルムCを用いて慣用の方法で積層を進めている。この積層は滑らかな鋼鉄製ローラー(14)と(15)との間で行なわれ、それの少なくともローラー(14)は好都合な積層温度に加熱されそして駆動されている。波打ったフィルムAはブロアー(16)からの熱風によって少なくともその自由な波頭頂部の所で積層温度に加熱されている。ローラー(14)および (15)は、積層するのに十分に小さいが過度の平坦化を避けるのに十分に大きい間隔、例えば0.2〜0.6mmの間を互いに維持されている。A、BおよびCが非常に薄い、例えば0.03〜0.10mmの厚さの範囲ないのフィルム(Aについては波打っていない状態に関する)である場合には、かゝる慣用の積層は波打ったAのバタツキのために非常に困難であるが、溝はBとの結合によって固められるのでAとCとの積層は特に困難がない。
【0115】
積層ローラー(14)と(15)を離れる積層体はB/A/Cと記してある。これを例えば(記載していない)空気により冷却し、そして波打っているにも係わらず一般に十分に柔軟製のある材料なので巻き取るかまたははじいてドサッと落とすかまたは直接的に特定の長さに切断する。
【0116】
第5図に示した積層体を製造するための一つの選択枝は、図2に示したA/B積層体を製造しそしてこれをローラー(9)を離れる溝付き層Dとローラー(11)および(10)上で積層する。これには、A/B積層体を製造するローラーとローラー(11)との間での正確に調整する必要がある。そのとき2つの互いに独立する方法でA/B1積層体およびD/B2積層体を製造し、これら両者を押出積層法においてB1をB2と接合する。
【0117】
ある変形では、図7および8に示したラインを“第二の薄くなった領域”を持つ図3の積層体を製造するためにも使用できる。この目的のためにはローラー(6a)はローラー(7)と同じ表面プロフィルおよび同じ低い温度を持つべきであり、そしてローラー(8)と同じ表面プロフィルを持つローラーと僅かに噛み合う状態で先行させるべきであり、そのローラーはローラー(8)と同じ比較的高い温度を有しているべきである。
【0118】
図9a、9bおよび9cに示したミニ溝のある“マルチ交差積層体”では、Aが“予備積層”によって製造される2つの同時押出成型されたフィルム(1a)および(1b)は十字交差方向で配向しており、これらは矢印(1aa)および(1bb)と符号を付した様に縦方向(溝方向)と45°より小さい角度をなしている。これはAについて、溝方向と平衡するA’と記した矢印で示す合成的な主要配向方向を与える。同様に,Bが“予備積層”によって作られる2つの同時押出成型されたフィルム(2a)および(2b)は、十字交差方向で配向しており、これらは矢印(2aa)および(2bb)と符号を付した様に溝方向と45°より大きい角度をなしている。これは溝方向と直角のB’と記した矢印で示す合成的な主要配向方向を与える。
【0119】
記載されている通り、層Aの溝を貫く縦方向区域を示す図10aにおいて、層Aは平らにされそして間隔(103)をおいて層Bにシールされてポケットまたは“ミニ容器”を形成しそしてこれらミニ容器に積層体の使用目的、例えば充填されるかまたは層Bで覆われる物質の保護のあめに粒子状物質(104)が充填される。多くの選択の一つとして該粒子は酸素補足剤であってもよい。物質の作用を向上させるために、溝は充填された製品に対して側部に細孔を与えてもよい。この物質は例えば結晶水を有するCaCl2 の様な防火剤であてもよいしまたは積層体の嵩密度を高めるために微細な砂であってもよい。
【0120】
以下に説明する図11は、層Bと積層する前に層Aの溝の中に粒子状物質をどの様に供給できるかおよびこれらの横方向シールを決して本質的に汚染することなく、溝が積層後に横方向シーリングによってどの様に閉じてポケットとするかを示している。
【0121】
溝付き熱可塑性フィルムと身のなし熱可性フィルムとの間に充填物を含有する積層体は特開平7−276547号公報(Hino Masahito)から公知である。しかしながらこの場合には充填材料が (吸収のために) 連続した多孔質シートであり、中断なく溝から溝に延びており、その結果溝と溝なしフィルムとの間に直接的な結合がない。熱可塑性フィルムの一枚は最初にこの多孔質の( 例えば繊維で形成された) シートの上に直接的に押出成型され、次いで2枚を一緒に、熱可塑性フィルムがまだ溶融している間にギヤ付きローラーの間で溝付き形状を与え、そして最後に第二の熱可塑性フィルムを溝付け組立部品に直接的に押出成型して多孔質のシートと接合する。これによって結合は必然的に非常に弱く、そして機械的性質が本発明の製品のそれと全く相違しているに違いない。溝の波長が記載されていない。
【0122】
図10bに示す液体またはガス流のための工業的フィルター材料において、各溝中にストランドまたはヤーンを挿入し(図11の説明に関連して、どの様にそれを行なうかを説明する)そして溝付き層Aと溝のない層Bとによって形成される各チャンネルの両端は一連の穿孔、即ち層A中の(106)と層B中の(107)が設けられている。これらの列が示す通り、交互に移しかえて、積層体の一方の面から他方の面に通る液体またはガスが移しかえに相応する距離にわたってチャンネルに従って強制される。ヤーンとチャンネルとの間の適合性はA積層工程の後でのおよび/またはBの収縮によって改善され得る。
【0123】
図10aに示したポケット構造は、層Aおよび層Bが交互に交換される孔を持つ場合には、濾過の目的に使用することもできる。次いで粒子状物質(104)は例えば活性炭またはイオン交換樹脂または簡単な濾過の目的のに十分にためには微細な砂で構成されていてもよい。この場合にも収縮による出口(passage) の締めつけが有利であるかまたは重要でさえある。
【0124】
かゝるフィルター材料を使用する実際的な例には、有毒な物質の吸収を含めた濾過システムおよびイオン交換法がある。これら両方の場合には積層体が、それを通過する流れを横切りゆっくりと進む長いウエブの形を有していてもよい。
【0125】
他の実際的用途には例えば道路構造物のためのジオテキスタイルの代替物がある。かゝるテキスタイルは水が浸透するが細かな粒子を抑制することを可能としなければならない。本発明の積層体、例えばポケットに細かい砂が充填されたものはこの用途に適している。
【0126】
かゝる濾過目的のためには、高い耐破裂性がしばしば必要とされ、そして次にこの積層体は配向した交差積層フィルムよりなるのが有利である。
【0127】
濾過目的のためには、波長が3mmを超えるべきでないという条件は、通例のターポリン用途のための積層体の場合の様に外観および取扱が一次的な関係がないのでしばしばあまり重要ではない。
【0128】
耐候性積層体は図10cに、ポケット構造も持つ例えばレインコートのために示されている、それによって層Aは(103)の位置で横断シールによって層Bにヒートシールされているが、ポケットには粒子状物質が存在していない。濾過のための積層体の様に、ポケットの各ラインは交換される系に穿孔が与えられているが、ここではAの穿孔の群(109)およびBの同様な群(110)として示されそしてこれらの群は互いに移動される。この図においては層Aが雨が降る側にありそして人、動物または積層体が保護すべきものは層Bの側に存在する。(これは逆であってもよい)矢印(108)で示される側が上を向いていることも考えられる。穿孔(109)はポケットの底にあるので、重力のためにポケットの底だけが雨水で満たされ得るが、他方、一般に水は穿孔(110)に達していない。もう一方においては、孔の群(109)と(110)との間を自由に空気および蒸気が通過する。この製品においても波長は3mmを幾らか超える程度でもよい。
【0129】
図11に示す、図8の機械ラインの改変は、AとBとの間に形成されるチャンネルに粒子状物質(104)が充填するようにされている。この充填はここでは非常に図式的に示されている。粉末(104)はホッパー(111)から取り出され、調整可能な震盪装置(図示してない)によって管理されている。溝付き積層ローラー(10)の上側で溝付き層A中に落とされる。規則的な時間間隔でホッパー(111)は粉末(104)で充填される。これのための手段は記載してない。ローラー(10)上の層Aへ粉末(104)を加える他の慣用の系も場合によっては選択してもよい。
【0130】
ローラー(10)は振動させられ(図示していない)て、粉末を高い領域、即ちAが(10)と(11)の間のニップにおいてAがBと会う時に結合領域になる領域から“チャンネル”になるより低い領域に移送する。
【0131】
積層用ロ−ラー(10)および(11)を離れた時に、チャンネルに粉末(104)を有するA+B積層体は歯車付きローラー(113)(その表面は詳細な部分図で示してある)および一緒に平らにされそして横方向シールを造ることによってチャンネルを閉じるゴム被覆された対ローラー(114)の方に移動する。ローラー(113)は平らでそしてシールされるチャンネル部分から粉末を移動させるために震盪される。
【0132】
ローラー(113)および(114)の両方はシーリングのために必要とされる温度に加熱されそして、積層体はこれらのローラーに入る間に前の温度のためにヒートシールにほぼ適する温度であるので、この第二のヒートシール工程は全工程を減速する理由がない。
【0133】
層Aおよび/または層Bはローラー(10)/(11)の後におよび対のローラー(113)/(114)の前または後にピン付きローアーによって穿孔され得る。相互に交換される複数の一連の穿孔が必要とされ(図10bおよびc参照)および層Aおよび層Bのためのピン付きローラーが適切にコーディネートされている場合にはおよび穿孔が横方向シールに対して固定された関係を有するべき場合には(図10c参照)、ピン付きローラーはローラー(113)とコーディネートされていなければならない。
【0134】
図10aに示した製品を造るためには、ローラー(113)および(114)は省かれるかまたは機能を取り除きそして層A中に粉末を納める代わりに同じ場所で各溝中にヤーンを入れる。各ヤーンは別のリールから取り出される。
【0135】
ローラー(10)/(11)の後の幾つかの段階で層Aおよび/または層Bは横収縮を受け得る。もしこれが層Aだけで行われる場合には、積層体の層A側だけを熱風または1つ以上の熱ローラーによって適当な温度に加熱すれば十分である。もし層Bを収縮に関係させる場合には、それが収縮する間に積層体を末端で保持することが必要である。これは通例の幅出し枠によって行うが、後者は“逆に”作業するようにセットアップして幅を増加させる代わりに徐々に減少させるべきである。
【0136】
この方法は、溝からポケットを造り、これらの溝に粉末を見たしそして適当な穿孔を開けるために利用され、そして縦方向に溝のある積層体との関係で説明した。同様な方法を横方向の溝のある積層体との関係で利用し(かゝる溝お造る一般的な方法は図12から明らかである)そしてその場合に、チャンネルを封鎖してポケットを形成することは環状または螺旋状の溝筋付きローラーを用いて行うことができる。しかしながら工業的に許容できる速度で横溝にヤーンを置くことを実地において考慮しないでもよい。
【0137】
図12のフローシートから判る横方向に溝のある積層体の製造方法は図7お8との関係で説明する方法に一般に類似しており、溝筋付きローラーのプロフィルも、図12の方法のために溝筋が軸方向に伸びているが図7の方法ではこれが環状であることを除いて一般に類似し得る。
【0138】
第1段階:
層Aはローラー(8)のプロフィルに類似するプロフィルを持つ熱ローラーのトリップ上に位置する非常に狭い領域で縦方向に延伸する。冷却されている溝筋付き対ローラーはローラー(7)のプロフィルと同様なプロフィルを有している。
【0139】
第2段階:
延伸された熱い“第二の薄くされた領域”をローラー(7)とプロフィルと同様なプロフィルを持つ溝筋付き冷たいローラーで冷却し、次いで“第一の薄くされた領域”を形成するために、層Aをこの冷たいローラーと、ローラー(8)のプロフィルに類似するプロフィルを持つ熱い溝筋付きローラとの間で縦方向延伸する。延伸はこのローラーのトリップの所に限定される。印刷技術での記録と同様にして第2段階は延伸された領域を場合によッ ては見つける装置を使用して第1段階と一緒に記録する。
【0140】
第3段階:
溝を最初に、ローラー(10)のプロフィルと類似のプロフィルを持つ熱ローラーの溝筋で例えば圧縮空気を使用して形成し、そして溝筋中に例えば図13との関係で全て説明されている通りに減圧の使用下に保持しそして次いで層Aをこの溝筋付きローラーの波頭頂部と加熱されているゴム被覆された対ローラーとの間で層Bと積層される。層Bは予備加熱されている。
【0141】
以下で説明する様に、処理後に相違がある。
【0142】
図13において、非常に狭い横の“第二の薄くされた領域”(101)を最初に提供されそして次に幾らか幅広の横の“第一の薄くされた領域”(6)が提供された層Aを、加熱された積層ローラの溝筋中に1つだけ示されている一連のノゾルからの圧縮空気によって溝筋(115)中に誘導する。記録手段を使用することによって領域(6)または(101)の光学的検出に基づく作業をする時、第一の薄くされた領域(6)が溝筋付きローラーの波頭頂部(118)を被う様に配置する。薄くなった領域の2つのセットはヒンジとして作用し、その結果相当に重い層Aは曲げることができるし、溝を造ることができる。後者はローラーの内側からチャンネル(117)を通して負荷される減圧の使用したに溝筋中での形状を保持する。こうして層Aは溝筋付きローラーとゴム被覆された対ローラーとの間のニップ(図示してない)に対して溝形状にされ、そこで積層が行われる。溝筋での減圧は、それが必要とされる時に層Aがフィルム状に保持されるが、必要とされる場所で放圧できる様に調整される。放出の間減圧を排除するために、溝筋付きローラー内部にバルブ配列がある。
【0143】
実施例:
縦方向に配向した溝付き層Aと横方向に配向した溝なし層Bの2層積層体を図7および8に示す様な構造を持つパイロットプラントで製造するが、AおよびBの積層後に終結した。両方の層は、片側に95〜105℃の融点範囲を持つエチレンコポリマーよりなる薄い層を持つ、HDPEよりなる同時押出成形され冷間延伸された0.037mmの厚さのフィルムよりなる。これはプロセスにおいてラミネート層として使用する。冷間延伸はほぼ室温で約3:1の延伸比で実施しそして次いで熱安定化する(全て慣用の手段による)。しかしこのフィルムは平らなチューブ状形態を有している。このチューブを縦方向に切り、層Aを形成する。
【0144】
横方向に配向したフィルムの連続製造方法は熟知されており、前に記載したが、発明者にとてその説明に従ってかゝるフィルムを製造することは実際には複雑である原因であり、それ故に横方向配向したウエブを形成するためには層Aのフィルムの短い長さは端と端を感圧接着材で接着する。
【0145】
溝筋付きローラーの全ては実際に使用される温度で1,000mmのピッチを有するが、大きい温度差のために延伸/積層工程の間の熱膨張を、これらローラーが下記表の様に20℃で規格化する時には考慮するべきである。表から明らかな通り、ローラー間の最も大きな温度差は85℃であり、これはローラー10cmの長さ当たり約0.10mmの膨張に相当し、他方、ローラーの端から端まで隣接ローラー間の適合における蓄積されたエラーが必要とされる記録を得るために0.15mmより少なく維持しなければならない。
【0146】
以下の表は曲率半径(R)および各溝筋付きローラーの波頭頂部上の“ランド(land)”の長さを示している( 図7 の軸区域参照) 。
【0147】
ローラーNo. 6a 7 8 9 10
────────────────────────────────────────
波頭頂部 ランド R= ランド R= ランド
(mm) 0.4 0.2 0.15 0.15 0.7
────────────────────────────────────────
温度(℃) 70 20 70 105 105
────────────────────────────────────────
ピッチ(mm) 1,0993 1,1000 1,0993 1,0988 1,0988
────────────────────────────────────────
勿論、溝筋から溝筋にそれぞれ見たピッチにおいてかゝる高い正確さを達成することは実質的に不可能であるが、ピッチのエラーが0.05mmよりも多きく累積しないことが重要である。これは、表面部分がセグメントから造られておりそして累積されたエラーがセグメント末端を精密研磨することによっておよび/または薄いシム(ホイル)をセグメント間に挿入することによって最も良好に達成される。実際のパイロット装置においては各ローラー表面の溝筋付き部分の長さは約450mmでありそして3つのセグメントで組み合わされている。工業的機械においてはローラーが約5mまでの長さで造ることができるが、その場合に末端から末端への正確さをレーザー測定でチェックしそして説明される様に調整することが評価される。
【0148】
溝形成のためのベースでありそして“第一の薄くなった領域”(後者はベースとなる、積層体中の溝の波頭頂部でない領域)を形成する横延伸は、ローラー(7)と(8)との間の噛み合いによって行いそしてローラー(8)の波頭頂部上およびその近傍である領域に位置することになる。これは、ローラー(8)が熱くそして比較的に鮮明な波頭頂部を持つが、ローラー(7)は冷たくそしてより丸みのある溝を有する(比較的に高い曲率半径R)からである。この関係においても層Aが機械方向に無軸配向されておりそしてそれ故に“首折れ(neck-down) ”傾向が高くそして横方向延伸した時に鮮明に境界を画する薄くなった領域を形成することが問題とされる。
【0149】
ローラー(6)の機能はローラー(8)のトリップ上で延伸すべき領域を予備加熱することができる。この実施例においてはローラー(6a)の波頭頂部の“ランド”はローラー(8)の波頭頂部上の“ランド”よりも広い。これはフィルム中における非常に強められた“首折れ”傾向を防止するために、換言すれば“第一の薄くされた領域”の限界をより滑らかにするために選択される。他の場合には、例えば層Aが強められた横配向を有しそしてそれ故に横延伸によって“首折れ”傾向をなくした場合には、フィルムを予備加熱するローラー(6a)の波頭頂部上の“ランド”はローラー(8)の波頭頂部上の“ランド”よりも広くないようにするべきである。
【0150】
ローラー(6a)と(7)との間には、フィルムを延伸することなしにしわを避けるために僅かであるが殆ど0の噛み合いがある。
【0151】
横延伸ローラー(8)を離れた時に、層Aは送りローラー(9)によって取り出される。これを延伸されていない領域において溝を形造ることを助けるために加熱する。この段階において“第一の薄くされた領域”は未だ深く曲げられているが、(A)が溝筋付き積層ローラー(10)上の平らな0.4mmの幅の波頭頂部(ランド)によって取り出された時に、“第一の薄くされた領域”は厚みが徐々に増加するその境界を除いてそれの全幅にわたって殆ど平らにされそして表面が80℃の温度を有するゴム被覆ローラーによってこの平らな部分が横方向に配向した層Bに積層される。
【0152】
実験を行う前に溝筋付きローラーの軸位置を互いに非常に注意深く調整しそして隣の溝筋付きローラー相互の間で噛み合わせる。ローラー(7)と(8)との間の噛み合わせは、完成積層体の断面で顕微鏡で測定した時に溝の深さ0.40mmにするようにセットする。
【0153】
延伸/積層装置を離れた時に、ミニ溝付けし積層物を空気冷却しそして直径250mmのコアに巻き付ける。以下の試験報告においてこの積層体を“サンプルI”と呼ぶ。
【0154】
ラインにある各溝付けローラーのピッチは、ローラーを運転する温度に言及して1,1000mmであり、最後にミニ溝付けされた積層体の溝の波長は横収縮のためにただの1.0mmである。
【0155】
一般的実験としてこのフィルムの試験体、機械方向で30cmの長さおよび横方向で20cmの幅のものは存在せず、これらの試験体を幅出し枠の“逆の”操作をまねる初期の配置によって更に横収縮に付す。2つの30cmの長さの末端を、手で保持される2本の棒に固定し、そして収縮でさえ、115℃に加熱されているローラー表面上で試験体をローラーに接触するフィルムBと一緒に移動させることによって整理する。これによって波長が1.0mmから0.8mmに減少される。
【0156】
比較のために製造したサンプルII:比較的に初期の配置によって、“サンプルI”を造るために使用されたのと同じフィルムからサンプルAの全ての寸法を有する、すなわち以下の様な段ボール材料の試験体を製造する(0.037mmの厚みの同時押出成形され冷間延伸されたHDPE−フィルム):
サンプル 波長(mm) 結合領域(mm) 溝の深さ(mm)
────────────────────────────────────────
I 1.0 0.4 0.4
────────────────────────────────────────
II 5.5 2.2 2.2
────────────────────────────────────────
IIの波長6.0mmは特許文献、すなわち米国特許(A)第41325821号明細書に記載された最小値よりも僅かに小さい。
【0157】
サンプルIおよびIIの両方において、層Aの配向方向は溝と平行しており、Bの配向の方向は溝に直角をないしている。
【0158】
サンプルBは、図13の関係で失明した様な構造の小さな実験室用装置で製造されるが、この場合には“第一の薄くなった領域”および“第二の薄くなった領域”を造るのに必要とされる。溝は機械方向に対して直角になる。サンプルIの製造で使用される溝筋付きの積層用ローラー(10)の様に、この溝筋付き積層用ローロアーは105℃に加熱される。
【0159】
比較のために製造したサンプルIII :
同じフィルム(同時押出成形され配向したHDPE、0.037mmの厚さ)を溝が付けられていないものと交差積層する。
【0160】
サンプルI、IIおよびIII の間の比較:
外観および手触り:
(II) は板材料の用に見えかつ感触があるが、曲げた時にまたは指の間で押した時に不安定である。
【0161】
(I)はむしろ繊維製品の様に見え、その性質を変更することなしに指の間で曲げおよび圧縮される量が実質的に元のままであり、“嵩張った”感触がある。
【0162】
曲げ試験:
(I)および(II)を異なる直径の円筒体上で曲げ、そして溝を非弾性法で崩壊し始める前までにどのくらい小さい直径が可能か、すなわち、試験体が再び取り除かれた後で溝に印が残るかを試験する。
【0163】
(II)を250mmの直径に曲げることに耐えることができるが、(I)は50mmの直径に曲げることに耐えることができる。
【0164】
剛性測定:
10cmの長さの試験体をサンプル(I)、(II)および(III)から切り取る。
【0165】
サンプル(I)からのそれぞれの試験体は20個の溝および末端の接合域を有している。これらの試験体の幅は21mmである。
【0166】
サンプル(II)からのそれぞれの試験体は4つの溝および末端の接合域を有している。これらの試験体の幅は23mmである。
【0167】
サンプル(III)からのそれぞれの試験体の幅は21mmである。試験体を制御して曲げるために、間に50mmの空間を持つ2つの支持体を含む非常に軽量の支持配列物が造られている。この支持配列物をレター・バランス(letter balance)のテーブルに置く。曲げは直径50mmの円筒状物によって行いそして支持されたサンプルの中間で押し始める。円筒状物はスタンドの上に集めそして上下に動かすことのできる。降下の相応する値(mm)および抵抗力(g)を測定しそしてプロットする。ある限界まで、直線的関係があり、そしてその線の傾斜から剛性を1mmの下降当たりの力(g)として計算する。サンプル(III)のための信頼できる読み値を得るためには、10個の試験体を別のものの頂部の1つにある。剛性の値はこれらの群について測定しそして10で割る。
【0168】
結果:
驚くべきことにサンプル(I)および(II)は同じ剛性、すなわち1.6g/mmを示すが、サンプル(III)は0.13g/mmを示す。換言すれば本発明はこの方法によって測定される様に、剛性は一つの方向で約12倍に拡大される。
【0169】
サンプル(III)はサンプル(I)よりも大きな剛性を示すことが予想されるはずである。これがそうであれば、説明は恐らく、たとえ弾性法であるとしても、溝が降下し始めから正常に比較的平らに押される。
【0170】
本発明の製品の性質および本発明の方法において、溝付き層Aの波長または溝筋付き積層ローラー上のピッチを、波付き積層体に板材料よりもむしろ柔軟性のあるフィルムの性質を与えるために、3mmよりも大きくあるべきでない。しかしながら液体またはガスが一つの層の穴から他の層の交換される穴に通りそして途中でフィルターを通るフィルター材料の説明の関係で、それにもかかわらずかゝる目的にとって波長が3mmを超えてもよいことが説明されている。同様に交換される穴も存在するが、通常はフィルターではなくそして重力が通過する空気から雨水を“フィルター”に使用される耐候性の波形になった上述の積層体にも言える。
【0171】
更に“第一の薄くなった領域”および場合によっては“第二の薄くなった領域”の製造は“ミニ溝”を得るための有用な手段として説明して来し、それは縦方向または横方向の溝付き積層体との関係にある。これらの領域は“ヒンジ”として作用する(第13図参照)ので、これらは層Aの所定の厚みについて、より微細な波長および/またはより深い溝を与えることを可能とし、さもなければその時にそれが達成できる。上記において“第一の薄くなった領域”および“第二の薄くなった領域”の他の有用な効果も説明しそして同様な利益が、製品の波長または溝筋付き積層ローラーのピッチが3mmを超える場合にも達成できることが明らかである。
【0172】
それ故に上述に記載した通り設置された“第一の薄くなった領域”および場合によっては“第二の薄くなった領域”の製品およびその製造は波長に無関係である。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】図1は本発明の一つの実施態様を示すものである。
【図2】図2は本発明の一つの実施態様を示すものである。
【図3】図3は本発明の一つの実施態様を示すものである。
【図4】図4は本発明の一つの実施態様を示すものである。
【図5】図5は本発明の一つの実施態様を示すものである。
【図6】図6は本発明の一つの実施態様を示すものである。
【図7】図7は本発明の一つの実施態様を示すものである。
【図8】図8は本発明の方法の一つの実施態様を示すものである。
【図9】図9は本発明の一つの実施態様を示すフローシートを図示している。
【図10】図10は本発明の一つの実施態様を示すものである。
【図11】図11は本発明の一つの実施態様を示すフローシートを図示している。
【図12】図12は本発明の一つの実施態様を示す工程図を示している。
【図13】図13は本発明の一つの実施態様を示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
層(A)を形成する少なくとも1枚のモノフィルムまたはマルチフィルムおよび層(B)を形成する他のモノフィルムまたはマルチフィルムよりなり、これら両者が主として熱可塑性ポリマー材料よりなり、そしてそれにより少なくともAが冷間配向性材料よりなり、そしてAが波うった溝形状を有するがBは波うっておらずそしてBはその片側で接合域においてAの片側の波頭頂部に接着結合されている、積層体において、上記形状の波長(λ)が3mmより大きくなく、接着結合がラミネート層を通してもたらされており、そしてAの厚さが一般に非接合領域においても接合された領域内と同じであるかまたはAが溝の方向に対して平行に延びる第一の中実状態の薄くなった領域を示し、各接合域が主として上記の第一の薄くなった域内に位置しており、そしてそれによって上記の第一の薄くなった各域が、厚みが第一の薄くなった域内のAの最も薄い厚みとそれに隣接する非接合域内のAの最も厚い厚みとの間の平均である位置によって境界を画すると解されることを特徴とする、上記積層体。
【請求項2】
層Aが、ポリマー材料の選択によってまたは混入される充填物によってまたは配向によって非接合域内で溝方向に平行に、500%/分の延伸速度で、30Nmm-2より小さくなく、好ましくは50Nmm-2より小さくなくそして更に好ましくは75Nmm-2より小さくない平均降伏張力を示す、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
隣接する一つの接合域を含めた各溝の波長が溝内のAの最大の厚みの50倍より長くなく、好ましくは40倍より長くなく、更に好ましくは30倍より長くない、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
各接合域の幅が波長の15%より少なくなく、好ましくは20%より少なくなく、更に好ましくは30%より少なくない、請求項1〜3のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項5】
2つの隣接接合域の間で測定しそしてそのカーブした面に沿って測定した時のAの非接合域の幅が相応する直線距離よりも10%より少なくなく、好ましくは20%より少なくない、請求項1〜4のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項6】
Aが非接合域の内および第一の薄くなった域の外で,これらの域が存在する場合に、収縮試験によって測定した時に主として溝の方向に平行した方向にまたは溝の方向に近い方向に分子配向している、請求項1〜5のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項7】
Bも分子配向しておりそして溝の方向に対して直角をなす方向の各非接合域内のBの配向が非接合域内の同じ方向でのAの平均配向よりも大きく、上記の2つの配向が収縮試験によって測定される、請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
溝と平行する方向でのA内の降伏張力および溝に対して直角をなす方向でのB内の降伏張力(これら両方はそれぞれの層の横断面を言いそして500%/分の延伸速度で狭い細片の非接合域で測定した)が30Nmm-2より小さくなく、好ましくは50Nmm-2より小さくなく、更に好ましくは75Nmm-2より小さくなく、請求項6または7に記載の積層体。
【請求項9】
BはAよりも低い弾性係数を有し、その際にこれら両方の弾性係数は溝の方向に対して直角をなす方向で測定した時の値である、請求項1〜8のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項10】
Bの選択および溝の深さの選択は、波が姿を消す所まで溝の方向に対して垂直に積層体を引っ張ることによってBが未だ如何なる顕著な可塑変形も起こさない程度であり、好ましくはBが熱可塑性エラストマーとして選択される、請求項7に記載の積層体。
【請求項11】
少なくとも2枚のフィルムがそれぞれ主要な配向方向を有し、そして上記の二つの方向が互いに交差するように積層されている各フィルムを含む、請求項1〜10のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項12】
上記の薄くなった第一の領域がA中に存在している請求項1〜11のいずれか一つに記載の積層体において、Aのかゝる薄くなった各領域が、接合部の相応する領域を超えてAの非接合域に延びている場合に、該薄くなった各領域が薄くなった第一の領域に属していない様な非接合域の幅の半分以上、好ましくは70%より少なくない幅に限定されており、その際にこの幅がカーブした面に沿って測定されている、上記方法。
【請求項13】
各対の隣接する薄くなった第一の域の間の第二の中実状態の薄くなった領域(以下、第二の薄くなった域と言う)、即ち第二の薄くなった域が第一の薄くなった域よりも狭くそしてAの波頭頂部に位置している、請求項12に記載の積層体。
【請求項14】
Aの波長が2.5mmより大きくなく、好ましくは2mmより大きくなく、更に好ましくは1.5mmより大きくない、請求項1〜13のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項15】
熱可塑性ポリマー材料の層Cを形成する、波うっていない別のモノフィルムまたはマルチフィルムを含み、その際に該層Cがラミネート層を通してAのもう一方の側でAの波頭頂部と接合されている、請求項1〜14のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項16】
層Dを形成する別のモノフィルムまたはマルチフィルムが熱可塑性の冷間配向性ポリマー材料よりなり、該層Dが波うった溝形状を有し、Dの片側の波頭頂部がラミネート層のBの第二の側に接合されておりそしてDの溝形状の波長が好ましくは3mmより大きくない、請求項1〜15のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項17】
溝の少なくとも幾つかが間隔をおいて平たくなっておりそして好ましくは平たくなった場所の全幅を横切って接合されて、該溝が狭く長く伸びた閉鎖されたポケットの列を形成している、請求項1〜16のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項18】
沢山の互いに隣接する溝のまたは全ての溝の平たくなった場所が溝の縦方向を横切る一連のラインを形成する請求項17に記載の積層体。
【請求項19】
A上の波頭頂部が、同時押出成形法で形成される選択された表面層を通して接合されている、請求項1〜18のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項20】
各層を形成するモノフィルムまたはマルチフィルムが主としてポリオレフィンよりなる、請求項1〜19のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項21】
Aの第一の薄くなった領域が、該領域の最小の厚みが非接合域におけるAの最大厚みの75%より少なく、好ましくは50%より少なくそして好ましくは更に上記最大厚みの30%より少ないように薄くなっている、請求項12に記載の積層体。
【請求項22】
AおよびBの各々が、一軸配向または不均衡に二軸配向することによって主要な配向方向を有しまたは各々それ自身が一軸配向したフィルムまたは不均衡に二軸配向したフィルムの交差積層体であり、かゝる交差積層体が合成的な主要配向方向を示し、そしてそれによってAにおける合成的な主要配向方向が溝の縦方向と一般に平行であり、Bにおける合成的な主要配向方向がAにおける上記方向に対して角度を形成する、請求項1〜21のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項23】
BおよびCの各々が、一軸配向または不均衡に二軸配向することによって主要な配向方向を有しまたは各々それ自身が一軸配向したフィルムまたは不均衡に二軸配向したフィルムの交差積層体であり、かゝる交差積層体が合成的な主要な配向方向を示し、それによってBにおける主要な配向方向がCにおける主要な配向方向と十字交差している、請求項15に記載の積層体。
【請求項24】
非配向状態のAが、非配向状態のBおよびCの両方の弾性係数Eよりも低い弾性係数Eを示し、好ましくは少なくとも1.5倍、更に好ましくは少なくとも2倍である、請求項23に記載の積層体。
【請求項25】
溝が間隔をおいて平らになっておりそして各全幅にわたって接合されており、該溝が狭く閉鎖されたポケットの列を形成している、請求項24に記載の積層体。
【請求項26】
ポリマー材料の選択によってまたは充填物を含むことによってまたは配向によって、非接合域内で溝方向に平行する方向において測定される層Aにおける弾性係数Eは非接合域にわたる平均として、700MPaより小さくなく、好ましくは1000MPaより小さくない、請求項1〜22のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項27】
溝とそれに合わせる波うっていないフィルム材料とで形成される閉じてポケットとなり得る少なくとも幾つかのチャンネルが、粒子、繊維、フィラメントまたは液体状の充填材料を含有している、請求項1〜26のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項28】
上記材料が積層体によって包装するかまたは保護する意図の、物品保存剤、特に酸素捕捉剤またはエチレン捕捉剤、殺生物剤、例えば殺カビ剤または殺菌剤、腐食防止剤または消火剤であり、場合によっては上記の防腐効果を向上させるために溝または波うっていないフィルム材料に設けられる穿孔を有する、請求項27に記載の積層体。
【請求項29】
上記充填材料が補強ヤーンまたは補強フィラメントよりなる、請求項27に記載の積層体。
【請求項30】
上記充填材料がチャンネルまたはポケットを通過する液体から懸濁した粒子を捕捉することによってフィルター材料として作用するように変更されるかまたはかゝる液体中に溶解した成分を吸収または交換することのできる吸収剤またはイオン交換体であり、該充填物が場合によっては繊維に形成されていてもまたはヤーンに形成されており、そして満たされた各溝およびそれに合わさる波うちのないフィルム材料に穿孔の列が設けられており、それによって溝中の穿孔または穿孔群および合される波うちのないフィルム材料の穿孔または穿孔群が、懸濁した粒子を含有する液体を押し込むように相互に交換され、他方、積層体の片側からもう一方の側に通り、溝の縦方向に平行する方向にフィルター材料を通過する、請求項27に記載の積層体。
【請求項31】
請求項1に従う積層体で作られた袋において、該積層体が層AおよびBを形成する2枚のモノ−またはマルチフィルムだけよりなり、該袋の底部および頂部が溝の縦方向に一般に垂直であることを特徴とする上記袋。
【請求項32】
袋または小袋の底部にまちが入れられておりそして袋または小袋の正面および背面がその末端で好ましくはヒートシーリングによって接合されている、請求項1に従う積層体で作られた自立性の袋または小袋において、積層体が層AおよびBを形成する2枚のモノ−またはマルチフィルムだけよりなり、該袋または小袋の底部および頂部が溝の縦方向に一般に平行していることを特徴とする上記自立性の袋または小袋。
【請求項33】
袋または小袋のそれ自身で自立する能力が溝の縦方向に一般に垂直である平らに圧縮されたラインによって向上されている、請求項32に従う自立性の袋または小袋。
【請求項34】
請求項30に従って構成されており、好ましくは配向しそして交差積層されたフィルムよりなる、水を通すが汚れを捕捉することのできるジオテキスタイル代替品。
【請求項35】
充填物が砂である、請求項34に従うジオテキスタイル代替品。
【請求項36】
層(A)を形成するモノフィルムまたはマルチフィルムと層(B)を形成する他のモノフィルムまたはマルチフィルムとよりなり、これら両者が主として熱可塑性ポリマー材料よりなり、その際にAが波うった溝形状を有するがBは波うっておらずそしてBはその片側で接合域においてAの片側の波頭頂部に接着結合されており、更に波うった溝構造が溝筋付きローラーを使用して形成されそしてBとの上記結合が加熱および加圧のもとでおよび溝筋付きローラーの使用下に実施され、そして少なくともAが主として中実状態の配向性材料よりなる様に選択される、積層体の製造方法において、上記波頭頂部上に積層を製造する溝筋付きローラーの区分が最高3mmであることを特徴とする、上記方法。
【請求項37】
接合工程の前にAが狭い域に中実状態で延伸されて第一の薄くなった域を形成し、この域が選択された溝の方向に対して平行しており、該延伸が上記方向に対して一般に直角をなしそして積層加工のための溝筋付きローラーと相違する一セットの溝付きローターの間で実施され、そして積層加工のための溝筋付きローラーが、各接合域が第一の薄くなった域内に主として位置するように、延伸用溝筋付きローラーの上記セットと調和よく組み合わされている、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
第一の薄くなった域を形成する前または後に、溝筋付きローラーの別のセットが、A中の他の一連の中実状態に配向した狭い域である第二の薄くなった域を形成し、この第二の薄くなった域は第一の薄くなった域と平行しておりかつ後者よりも狭く、そしてこの第二の薄くなった域を形成する溝筋付きローラーが第一の薄くなった域を形成する溝筋付きローラーと調和よく組み合わされており、その結果第二の薄くなった域が一般に隣接する2つの第二の薄くなった域の間の一般に真ん中にある、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
積層を波頭頂部に形成する溝筋付きローラーの区分が最高2.5mm、好ましくは2.0mmより多くなく、更に好ましくは1.5mmより多くない、請求項36〜38のいずれか一つに記載の方法。
【請求項40】
波うった溝構造を形成する前に、および請求項37および/または38の方法を使用する場合にはまた薄くなった域を形成する前に、Aを構成するフィルムまたはフィルム群に一方向または両方向に配向を付与し、合成的な主要な配向方向が、溝付けの方向になるように選択される方向にある、請求項36〜39のいずれか一つに記載の方法。
【請求項41】
BをAに結合させるのと同時にまたは続いて、熱可塑性ポリマー材料層Cを形成する別の波うっていないモノフィルムまたはマルチフィルムをAの第二の側でAの波頭頂部に接着結合する、請求項36〜40のいずれか一つに記載の方法。
【請求項42】
Aの形成および適用と同様な方法で好ましくは3mmより大きくない波長を持つ波うった溝形状を持つ層Dを形成する第二のモノフィルムまたはマルチフィルムを製造し、そしてDの一方の側の波頭頂部がBとAとの積層工程と同時にまたは後でBの第二の側に積層する、請求項36〜40のいずれか一つに記載の方法。
【請求項43】
層を形成するモノ−またはマルチフィルムが主としてポリオレフィンよりなり、そして押出成形法を含めた方法によって製造される、請求項36〜42のいずれか一つに記載の方法。
【請求項44】
層を構成するフィルムが同時押出成形によって製造され、その際にフィルムの主要部分を如何なる溶融もさせることなしに積層することを可能とする表面層−同時押出成形する請求項36〜43のいずれか一つに記載の方法。
【請求項45】
上記積層工程の後で溝の少なくとも幾つかが間隔をおいて置かれた位置で、好ましくは積層体中の全てのフィルムが互いに結合するのに十分な加熱および加圧のもとで平たくされており、その結果溝が隣接するフィルム材料と細く長く伸びたポケットを形成する、請求項36〜44のいずれか一つに記載の方法。
【請求項46】
上記の平らにすることを、溝方向を横切りかつ沢山の溝を場合によっては積層体の全幅にわたって配置された縦方向を持つ棒状物または歯車の歯で実施する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
第一の薄くなった域の適当に異なったストライプの形成を少なくとも一部において、ストライプを形成する意図で溝筋付き延伸ローラーで、他の溝筋付き延伸ローラー上の波頭頂部の温度よりも高い温度で波頭頂部を与えることによっておよび/または合わされる溝筋付き延伸ローラー上での波頭頂部の曲率半径よりも小さい曲率半径のストライプを形成する意図で溝筋付き延伸ローラー上で波頭頂部を与えることによって達成する、請求項37〜46のいずれか一つに記載の方法。
【請求項48】
粒子、液体またはスレード/ヤーン形成材料を、Bに積層することによって封じられてチャンネルを形成するA中の溝の少なくとも幾つかに充填し、この充填を上記の積層の前または間に行う、請求項36〜47のいずれか一つに記載の方法。
【請求項49】
充填の後に充填済みチャンネルを加圧および加熱によって間隔をおいて閉じて、充填済みポケットを形成する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
充填段階の前に、充填と同時にまたは後で穿孔を少なくとも一方の側で積層体に形成して、充填材料またはそれの一部を周囲に分散させるのを助けるかまたは空気または液体が充填材料の包装体を通過することを可能とする、請求項48または49に記載の方法。
【請求項51】
充填された各チャンネルのそれぞれの側に一列になった微小穿孔を設け、該各列が積層体を通過する空気または液体をチャンネルまたはポケットに沿って距離をおいて流すことを強制するために相互に移しかえる(displace)、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
積層加工する前のBが溝付けの方向になる方向に対して一般に直角をなす方向で供給しそして積層加工の後でBを溝付けの方向に対して一般に直角をなす方向において収縮処理に付す、請求項36〜51のいずれか一つに記載の方法。
【請求項53】
波うった溝構造を、Aが互いにかみ合って運転される溝筋付きローラーのセットを通過し、ローラーの溝筋が環状または螺旋状でありそしてローラー軸と少なくとも60°の角度を形成することによって一般に横配向工程のもとでAの長手配向において実質的にもたらされる、請求項36〜52のいずれか一つに記載の方法。
【請求項54】
Aが、それの出口からAの波付けを行う溝筋付き延伸ローラーの一つから溝筋付き積層ローラーへ直接的に通過し、これら2個の溝筋付きローラーが互いに直ぐ近くにありそしてそれぞれの運転温度で測定した時に同じピッチを有しそして軸方向で互いに調整される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
Aが、それの出口からAの波付けを行う溝筋付き延伸ローラーの一つから一つまたは一連の加熱された溝筋付き搬送ローラーを経て溝筋付き積層ローラーへ通過し、これらの溝筋付きローラーが溝筋付き延伸ローラーで出発しそして溝付き積層加工ローラーで終わる列においてそれの隣接または隣接群と互いに直ぐ近くにあり、それによってその列中の溝筋付きローラーが、それぞれの運転温度で測定した時に同じピッチを有しそして軸方向で互いに調整される、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
AおよびA〜Bにおいて溝を形成するために使用される各溝筋付きローラーおよび請求項37に従う各第一の薄くなった域を形成する場合に該域を形成するために使用される各溝筋付きローラーおよび請求項38に従う第二の薄くなった域を形成する場合に、該域を形成するために用いる溝付きの各ローラーが、溝がローラー軸と実質的に平行にある溝筋付きローラーであり、そしてAの溝が形成されそして溝が形成される位置からAがBに結合される位置に通過する間にこれら溝が形成されそして接合されるローラー中の溝筋にAの溝を保持する手段を装備し、該保持手段を上記の通過の間にAの摩擦を回避するのに適合させる、請求項36〜52のいずれか一つに記載の方法。
【請求項57】
Aにおける溝を、形成ローラー上の溝筋中にAを導くエアージェットまたはエアージェットの横列を使用する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
第一の薄くなった域が請求項37に従って積層加工で使用される溝筋付きローラーと連携調整して作用する溝筋付きローラーによって形成される場合には、上記の調整がローラーの間の相対速度の自動的微細調整に本質がある請求項56または57に記載の方法。
【請求項59】
第二の薄くなった域が請求項38に従って、第一の薄くなった域を形成するために使用される溝筋付きローラーと連携調整して作用する溝筋付きローラーによって形成される場合には、上記の調整がローラーの間の相対速度の自動的微調整に本質がある請求項58に記載の方法。
【請求項60】
接合がラミネート層によって達成される、請求項36に従う方法。
【請求項61】
2枚だけの単層−または多層フィルムAおよびBよりなりそしてAが無配向状態であり、無配向状態のBによって示される弾性係数Eよりも低い弾性係数Eを示し、好ましくは少なくとも1.5倍、更に好ましくは少なくとも2倍である、請求項22に記載の積層体。
【請求項62】
耐候性(雨および風)および空気透過性とされた請求項1〜26のいずれか一つに記載の積層体において、波うった層Aおよび波うってない層Bおよび/またはCおよび/または波うった層Dのいずれかで形成された少なくとも幾つかのチャンネルが穿孔によって積層体の両側で環境に連絡されており、積層体を通過する空気または水をチャンネルを通って間隔をおいて流すために穿孔をチャンネルの両側で相互に移しかえる(displace)、請求項1〜26のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項63】
非接合域のAおよび/またはBに印刷があり、該接合域には一般にかゝる印刷がない、請求項1〜30および61〜62のいずれか一つに記載の積層体。
【請求項64】
Aおよび/またはBは積層体の内側になる表面に印刷があり、非接合域に一般に印刷を制限するために、その印刷方法が溝形成および積層工程と一緒に記録状態(register) にある、請求項36〜60いずれか一つに記載の方法。
【請求項65】
供給から積層状態までの熱可塑性材料で形成された層Bの連続ウエブを供給するための供給手段;熱可塑性材料の層上の波うった溝構造を押し付けるための溝筋付きの溝付けローラー;供給から溝筋付きの溝付けローラーまでの供給手段およびその層Bと向かい合った関係での積層状態まで、熱可塑性材料で形成された層Aの連続ウエッブを供給する手段;層Aと層Bとの接触面を接合するために層Aの溝の波頭頂部と層Bとの間の接合域に熱および圧力を供給して積層体製品を形成し得る溝筋付き積層加工用ローラーを含む積層場所を含む、積層体形成装置において、積層ローラーの波頭頂部相互間の区分が3mmより多くないことを特徴とする、上記装置。
【請求項66】
下記の直角方向で互いに分離された第一の薄くなったラインを形成するために、積層用ローラーの上流の溝に対して実質的に直角をなす方向に層Aを中実状態に延伸するための一対の噛み合わせ溝付け延伸ローラを含み、延伸ローラーの溝が積層用ローラーの溝と適合しそして一直線に合わさって相互の接合域が第一の薄くなった域内に主として位置する、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
装置が第一の薄くなった域を形成するために延伸用に前もって決められた別個の域において層Aを加熱するための加熱手段を有し、該手段が好ましくは、対の溝筋付き延伸ローラーの上流の層Aと溝の加熱された先端が延伸ローラーの溝筋と一直線で接触することができるように位置した加熱された溝筋付きローラーを含む、請求項66に記載の装置。
【請求項68】
少なくとも1つの延伸ローラーの溝筋の先端の曲率半径、全ての加熱手段、層Aの送り速度およびローラーの噛み合わせの程度が、元の厚さの75%より少なく、好ましくは元の厚さの50%より少なく、更に好ましくは元の厚さの30%より少ない厚さに、薄くなった域の層Aの厚さを薄くするために適応されている請求項66または67に記載の装置。
【請求項69】
少なくとも1つの延伸ローラーの溝の先端の曲率半径、全ての加熱手段、層Aの運搬速度およびローラーの噛み合わせの程度が、隣接する接合域相互間の線形幅のx%より多くない接合した域を超える程度である薄くなった域を提供するために適応されている、請求項66〜68のいずれか一つに記載の装置。(この請求項は請求項12に相応する内容である。)
【請求項70】
下記直角方向で互いに分離された第二の薄くなった域を形成するために、積層用ローラーの上流の溝に対して実質的に直角をなす方向に層Aを中実状態で延伸するための対の第二の噛み合わせ溝付き延伸ローラーを含み、第二の延伸ローラーの溝が積層ローラーの溝筋に相対的に適応されそして一直線に合わされており、その結果第二の薄くなった域が第一の薄くなった域相互の間に位置しており、それによって第二の薄くなった域が各隣接する対の第一の薄くなった域の間に位置する、請求項66〜69のいずれか一つに記載の装置。
【請求項71】
対の第二の延伸ローラーが対の第一の延伸ローラーから分離されている請求項70に記載の装置。
【請求項72】
溝付けローラーが各溝筋付き延伸ローラー対を含む、請求項66〜71のいずれか一つに記載の装置。
【請求項73】
積層用ローラーの波頭頂部相互間の区分λが2.5mmより多くなく、好ましくは2.0mmより多くなく、更に好ましくは1.5mmより多くない、請求項65〜72のいずれか一つに記載の装置。
【請求項74】
積層用ローラーの溝筋が(0.15〜0.9)λ、好ましくは(0.2〜0.8)λ、更に好ましくは(0.3〜0.75)λの範囲内の幅を有する実質的に平らな波頭頂部を有する、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
溝付き積層ローラーが平らな対向ローラー、好もしくはゴム様表面に対して層A/Bに熱および圧力を付与する、請求項65〜74のいずれか一つに記載の装置。
【請求項76】
溝付けローラーと積層用ローラーとの間に溝筋付き送りローラを含み、それによって層Aを上流の溝付けローラーから積層位置へ少なくとも1つの溝筋付きローラーの表面と接触したままにする、請求項65〜75のいずれか一つに記載の装置。
【請求項77】
各溝筋付きローラーの溝筋が環状である、請求項65〜76のいずれか一つに記載の装置。
【請求項78】
各溝筋付きローラーの溝筋がローラー軸に平行である、請求項65〜76のいずれか一つに記載の装置。
【請求項79】
積層位置から下流のC層積層位置にA/B積層体を供給する手段;A/B積層体と向かい合った関係にありそしてAと接触させるために、熱可塑性材料で形成された実質的に滑らかな層Cの連続ウエブを供給位置から第二の積層位置に供給する手段を有すし、その際にAとCを接合するために、第二の積層位置が層CとA/B−積層体との間に圧力を付与するためのローラーを含む、請求項65〜78のいずれか一つに記載の装置。
【請求項80】
A/B−積層体のAの表面、および/またはC層積層位置で圧力を付与する前にまたは付与するのと同時にA/B−積層体と接触させたCの表面を加熱する手段を含む請求項79に記載の装置。
【請求項81】
波うった溝構造を熱可塑性材料の層Dに押し付けるための溝付き層D溝付けローラー;熱可塑性材料で形成された層Dの連続ウエブを供給位置から溝付き層D溝付けローラーに供給しそしてその後に層Dの積層位置に供給する供給手段;層Aと面と向かって接触する位置と反対の層Bの側で層Bと層Dが面と向かって接触するために、層Dの積層位置に層Bを供給する手段を含み、その際に層D結合域において接触表面を結合させるために、層D積層位置が熱および圧力を層Dと層D結合域の層Dの波頭頂部との間に供給するための溝付き層D溝筋付きローラーを含む請求項65〜80のいずれか一つに記載の装置。
【請求項82】
層D積層ローラーの溝相互の間の区分λD がλと同じでありそして層D接合域がAおよびBの接合域と正に反対側にある、請求項81に記載の装置。
【請求項83】
層Aおよび/または層Bの表面に、好ましくは溝付け用および積層用ローラーで記録した状態で、好ましくは積層体製品の内部表面にある予定された層の表面にインクをプリントするためのプリント場所を有する、請求項65〜82のいずれか一つに記載の装置。
【請求項84】
好ましくは層間の接触面が互いに接着されて閉じたポケットを形成する積層体の全幅にわたって溝の方向を横切る連続して平らにされた域を提供するために、少なくとも1つの溝に沿ったきれぎれの位置でAおよびBの積層体の上に圧力を負荷するための溝の平らにする場所を有する、請求項65〜83のいずれか一つに記載の装置。
【請求項85】
配列された積層体に面に向かって両側および/または底部および/または頂部を加熱シーリングすることによって積層体生成物から袋または小袋を形成するための袋形成場所を有する、請求項65〜84のいずれか一つに記載の装置。
【請求項86】
まちを付けた底部および加熱シーリングした側部を有するまちを付けた袋を形成する袋形成場所を有しそして底部が溝と平行している、請求項85に記載の装置。
【請求項87】
上記積層場所の下流の積層体の層Aおよび/または層Bに穿孔を付す穿孔形成手段、積層ローラーと一列にある穿孔形成手段を含み、それによって各層に接合域相互の間で穿孔を形成する、請求項65〜84のいずれか一つに記載の装置。
【請求項88】
溝付けローラーと積層用ローラーとの間に、層Aと層Bとの間の溝に充填物を導入するために充填物の場所を含む、請求項65〜87のいずれか一つに記載の装置。
【請求項89】
充填材料が粒子、繊維状またはヤーン状である、請求項88に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−35002(P2009−35002A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211126(P2008−211126)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【分割の表示】特願2003−505157(P2003−505157)の分割
【原出願日】平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願人】(501445553)
【Fターム(参考)】