説明

フェノール化合物とベンゾフェノンを含む安定化製剤

本発明は、主として式(I)の1種以上のフェノール化合物(式(I)中、R1、R2、R3、R4及びR5は相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、R6及びR7は相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、nは0〜20の整数であり、かつR8はメチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)及び式(II)の1種以上の化合物(式(II)中、R9、R10、R11及びR12は相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつR13はメチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)を含むか又は前記化合物から成る化粧製剤及び/又は医薬製剤、並びに式(I)の化合物を安定化するための式(II)の化合物の使用、及び式(I)の化合物の安定化方法に関する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、主として、下記式(I)の1種以上の化合物:
【0002】
【化1】

【0003】
(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
及び
下記式(II)の1種以上の化合物:
【0004】
【化2】

【0005】
(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
を含むか又は前記化合物から成る化粧及び/又は医薬製剤、
並びに式(I)の化合物を安定化するための式(II)の化合物の使用、及び式(I)の化合物を安定化する方法にも関する。
【0006】
化粧品業界の分野では、皮膚及び毛髪を明るくする(lightening)ための組成物及びシミ(age spot)と戦うための組成物にする対する要望が増している。皮膚や毛髪を明るくするため及びシミに効果を奏する化粧品は、大部分、特に暗色皮膚及び暗色毛髪集団のアジア諸国で大きな役割を果たすが、中央ヨーロッパや米国でも同様にこの種の美容処理用組成物がますます重要になってきている。
人の皮膚及び毛髪の色は実質的にメラノサイト数、メラニン濃度及びメラニンの生合成の強度によって決まり、皮膚及び毛髪の色は、一方で個体の遺伝的性質等の内因子によって有意に影響され、他方で特にUV曝露の強度や頻度等の外因子によって影響される。
【0007】
活性な皮膚及び毛髪ライトニング化合物は、典型的にメラニンの代謝及び/又は異化に介入する。通常褐色〜黒色であるメラニン色素は、皮膚のメラノサイト内で形成され、ケラチノサイトに移行し、かつ皮膚又は毛髪の呈色を生じさせる。褐色〜黒色のユーメラニンは、主に哺乳動物でヒドロキシ置換芳香族アミノ酸、例えばL-チロシン及びL-DOPAから形成され、黄色〜赤色のフェオメラニンはさらにイオウ含有分子から形成される(Cosmetics & Toiletries 1996, 111 (5), 43-51)。L-チロシンから出発して、銅含有のキー酵素チロシナーゼがL-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(L-DOPA)を形成し、順次チロシナーゼによってドパクロムに変換される。種々の酵素で触媒される数工程を経てドパクロムがメラニンに酸化される。
【0008】
従って、皮膚及び毛髪ライトニング効果及び/又はシミに対する効果を有する新しい薬剤の検索では、その目標は、きわめて一般的に、非常に低濃度で酵素チロシナーゼを抑制する物質を見つけることであり、留意するべきさらなる因子は、化粧及び/又は医薬製剤で使用する場合、この物質が非常に低濃度で高度に活性でなければならないのみならず、
−毒物学的に問題がなく、
−皮膚に十分に耐えられるものであり、
−温度、pH及び光に安定であり(特に局所用化粧及び/又は医薬製剤)、
−好ましくは無臭であり、かつ
−製造費が安価(すなわち、標準的手順を用いて製造でき、及び/又は標準的前駆物質から製造できる)でなければならないことである。
【0009】
特に、例えばUS 2003/0180234、US 2003/0185773、JP 2000327557、JP 2001010925、US 4,959,393、EP 1 134 207、US 6,132,740、WO 2000/56702又はUS 6,869,598に記載されている式(I)の種々の化合物、及び特にDE 103 24 567、DE 103 24 566、WO 2004/105736及びUS 4,959,393に記載されているレゾルシノール誘導体も上述した製品要求の大部分を理想的方法で満たす。例えばWO 2004/105736及びUS 4,959,393に記載されている化合物の場合、式(I)の物質の皮膚及び毛髪ライトニング活性及びシミ軽減活性は、メラニン形成のキー酵素であるチロシナーゼの抑制から生じる。このことは、真菌チロシナーゼによる酵素アッセイ及びB16マウスメラノーマ細胞に関する細胞生物研究といった対応するin vitro実験によって明白に実証されている。
【0010】
上述した特性の1つ以上を有する適切な(活性)物質を十分な範囲まで検索することは、一方で物質の化学構造と、他方でその生物学的活性及びその安全性との間に明白な依存性がないという事実によって、当業者にとって非常に困難である。さらに、可能性のある活性化合物の皮膚及び毛髪ライトニング効果、毒物学的に問題がないこと、皮膚耐性及び/又は安定性の間の相関関係を予測できない。
【0011】
このような活性物質を実際に使うための1つの特に重要な必須要件は、それ自体の安定性であり、特に、一定の温度又はpH条件の影響下で、また化粧又は医薬製剤で典型的に随伴物質として利用される化学物質によっても(太陽及び/又はUV)光によって有害な影響を受け得る化粧及び/又は医薬製剤中でのその安定性である。従って、一方で、少なからず長期間にわたって活性物質の定量的に一貫した利用能を保証することは困難であり、かつ他方で、通常、局所適用できる製剤である化粧及び/又は医薬製剤の望ましくない変色を防止することは困難だろう。
【0012】
フェノール化合物、特に2個以上のOH基を有するフェノール化合物は、例えば、光の影響下、一定のpH条件下、及び触媒量の、例えば二価金属イオンの存在下で不安定であり、かつ転位反応又は分解反応を受ける傾向があり、そのほとんどが物質の損失を伴い、同様に多くの場合、物質自体又はフェノール化合物を含む化粧及び/又は医薬製剤の黄色若しくは褐色でさえの変色を伴うことは周知である。
【0013】
そこで、本発明の目的は、化粧及び/又は医薬製剤における分解と変色について長期安定性を伴って式(I)のフェノール化合物を処方できることである。この目的は、本発明により請求項1に記載の化粧及び/又は医薬製剤を通じて達成される。
驚くべきことに、以下の成分、
a)チロシナーゼ抑制量の、下記式(I)の1種以上の化合物:
【0014】
【化3】

【0015】
(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
及び
b)下記式(II)の1種以上の化合物:
【0016】
【化4】

【0017】
(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
を含むか又は前記化合物から成る本発明の化粧及び/又は医薬製剤において、
式(II)の化合物が、化粧及び/又は医薬製剤中の式(I)のフェノール化合物の安定性を高度に改善できることが分かった。
【0018】
特に、式(II)の化合物は、日光又は他の光によって引き起こされる式(I)のフェノール化合物の変色を防止又は減速できる。変色の防止と減速は共に特に化粧製剤で重要である。従って、本発明によれば、式(I)のフェノール化合物を安定化するためのUVフィルターとして式(II)の化合物を使用し、本発明の化粧及び/又は医薬製剤中の式(I)のフェノール化合物を安定化するために十分な量で1種以上の式(II)のUVフィルターを利用する。
【0019】
本発明の好ましい製剤の好ましい実施形態及びその使用について後述し、実施例及び特許請求の範囲でも述べる。
式(I)の1種以上の化合物が以下の場合の本発明の当該製剤が好ましい:
R1、R2、R3、R4及びR5が、相互に独立に水素又はOH基であり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7が、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nが0〜20の整数であり、かつ
R8がメチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである。
【0020】
特に式(I)の1種以上の化合物が以下の場合の本発明の当該製剤が好ましい:
R1、R2、R3、R4及びR5が、相互に独立に水素、OH基、ハロゲン、メチル又は2、3若しくは4個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、R1、R2、R3、R4及びR5の2つの基が水素であり、かつ2つの基がOH基であり、
R6が水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
R7がメチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
R8がフェニルであり、かつ
nが0である。
式(I)の好ましい化合物は、
R6が水素又はメチルであり、
R7が水素、メチル又はエチルであり、
nが0〜8の整数であり、かつ
R8がメチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニルである、
当該化合物である。
特に好ましい式(I)のフェノール化合物は、下記式(IB)及び(IC)の当該化合物であり、それぞれR1及びR7は上記好ましい定義を有し、式(IC)中、nは0〜4の整数である。
【0021】
【化5】

【0022】
置換基としてのOH基及びR1は、各場合(線を引いて表したように)芳香環上のいずれの所望位置をも占有し得る。
非常に特に好ましくは式(I)の以下のフェノール化合物:
4-ブチルレゾルシノール(CARN: 18979-61-8)
及び
特に以下にさらに詳述するスチリルレゾルシノール(式(IA)、CARN: 85-27-8; 4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン)が挙げられる。
【0023】
【化6】

【0024】
以下の成分:
(i)式(I)としてスチリルレゾルシノール化合物
及び
(ii)式(II)の化合物として2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン
を5:1の質量で含む本発明の製剤がさらに好ましい。この種の製剤は既にUS Prov. 60/756,205 (Symrise GmbH & Co. KG)に記載されている。
式(II)の好ましい化合物は、
R9、R10、R11及びR12が相互に独立に水素、メチル、メトキシ又はn-オクトキシである当該化合物である。
【0025】
式(II)の特に好ましい化合物は、例えば以下の通りである:
2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、
ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン(INCI: ベンゾフェノン-1; 式(IIA))
【0026】
【化7】

【0027】
2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン(INCI: ベンゾフェノン-2; 式(IIB))
【0028】
【化8】

【0029】
及び
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI: ベンゾフェノン-3; 式(IIC))
【0030】
【化9】

【0031】
式(II)の非常に特に好ましい化合物は以下の通りである:
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン(INCI: ベンゾフェノン-1; 式(IIA))、
2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン(INCI: ベンゾフェノン-2; 式(IIB))
及び
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI: ベンゾフェノン-3; 式(IIC))。
これらの好ましい化合物は、特に本発明の式(II)の化合物の使用の助けをかりて、分解することなく、かつ色安定性を伴って、化粧及び医薬製剤で処方され、かつ長期間にわたってでさえ、顕著な皮膚及び毛髪ライトニング効果を示し、かつ顕著なシミ軽減効果をも示す。
【0032】
本発明の1つの好ましい実施形態は、さらなる比較安定性試験を用いて、pHを5.5以下の値、好ましくは4.5以下の値に調整することによっても、式(I)のフェノール化合物の分解及び随伴変色のさらなる保護をもたらし得ることを示すことができる。
製剤によるさらなる比較安定性試験は、金属キレーターを添加することによっても式(I)のフェノール化合物の分解及び随伴変色のさらなる保護をもたらし得ることを示した。
【0033】
これに関連して、特に有利に使用できる金属キレーターは、特に、α-ヒドロキシ脂肪酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α-ヒドロキシ酸及びその塩であり、クエン酸、乳酸及びリンゴ酸、並びにガラクタル酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、リボン酸及びその塩、フミン酸、没食子酸、胆汁抽出液、ビリルビン、ビリベルジン、並びにEDTA、EGTA及びその誘導体が挙げられる。
【0034】
さらなるインハウス比較安定性試験は、本発明の光防護フィルターを添加した製剤が特に好ましいことを示しているが、さらに金属キレーターをも添加し、さらに、そのpHについて最適に調整した製剤が、式(I)のフェノール化合物の、分解及び随伴変色に対して非常に特別な保護を可能にすることを示した。
【0035】
これに関連して、式(I)のフェノール化合物の有意に少ない分解及び脱色の有意な軽減は、特に、以下に示される式(II)の光防護フィルターを化粧又は医薬製剤に適切な混合比で添加した本発明の製剤で達成され、この製剤について、好ましくは本発明のこの方法をさらに、安定性を改良するさらなる方法、例えば、二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸(INCI:二ナトリウムEDTA)若しくは他の金属キレーターの添加及び/又はpHの5.5以下、好ましくは4.5以下の値への調整と併用することができる。
【0036】
式(I)のフェノール化合物をチロシナーゼ抑制のために化粧及び/又は医薬製剤で使用する場合、この化合物を主として化粧品学的理由のために使用するが、例外的な場合には、この化合物が治療的キレーターを有してもよい。
毎日適用するための活性化合物量の濃度は、例えば、対象の生理的条件によって決まり、年齢又は体重などの個体に特有のパラメーターによっても左右される。式(I)の化合物を単独で又はさらなるチロシナーゼ-抑制物質と共に混合物等として本発明の製剤で利用することができる。
【0037】
本発明の安定化方法を用いて、問題なく、すべての考えられる化粧及び/又は医薬製剤中に式(I)の化合物を組み入れることができる。これに関連して、化粧及び/又は医薬製剤中の式(I)の化合物をさらなる活性化合物と、例えば皮膚及び毛髪ライトニング作用を有する他の化合物又はシミに対して活性な化合物と併用することもでき、かつ一定の場合には有利である。本発明の化粧及び/又は皮膚科学的/角質学的製剤は、このような観点から、皮膚科学的若しくは角質学的処理として又は美容上のケア処理としての皮膚及び/又は毛髪の処理のために典型的な組成を有し、かつ前記処理のために役に立ち得る。或いは、前記製剤を装飾用化粧品で利用できる。
【0038】
本発明のさらに有利な製剤は、各場合、製剤の総質量に対して25質量%〜95質量%、好ましくは40質量%〜90質量%の含水率を有する。
さらに、0.05質量%〜12質量%の油相質量分率を有する本発明の製剤が有利である。
この発明の目的のため、本発明の製剤中の油相の質量分率によっては、油相は製剤中エマルション形態又は溶液で存在し得る。
【0039】
本発明の製剤中の油相を当該製剤の成分とすることもできる。本発明の該製剤中の親水性フラクションを当該製剤の親水性成分とすることができる。
次に、油相自体は1つ以上の油成分で構成され得るが、これについてはさらに詳細に後述する(後記参照)。
驚くべきことに、種々の油相含量を有する製剤を用いたインハウス比較ヒトin vivo研究は、特に、高分率の親水性成分及び非常に低分率の油相を有する製剤が、これらの目的を特に良い効果に対してこの目的を果たすので、式(I)のチロシナーゼインヒビター用の輸送系として好ましく利用できることを示した。
【0040】
有意に大きい皮膚及び毛髪ライトニング作用及びシミ軽減作用並びに有意に高いバイオアベイラビリティーは、特に油相分率が該製剤の総質量に対して0.05質量%〜12質量%の範囲である本発明の製剤で見出された。
本発明の製剤は、好ましくはO/Wエマルションの形態で存在し得る。
本発明の製剤は、有利には1種以上のさらなるUVフィルター及び/又は1種以上のさらなるチロシナーゼインヒビターを含む。
本発明の好ましい製剤は、本発明の製剤が2以上、好ましくは5以上の日焼け防止指数を有するような総量のUVフィルター及び/又は無機顔料を含む。
さらに、さらなる活性な皮膚及び/又は毛髪ライトニング化合物を、好ましくは活性な皮膚及び/又は毛髪ライトニング量で含む本発明の製剤が好ましい。
さらに、皮膚冷却効果を達成するのに十分な量の活性冷却化合物を含む本発明の製剤が好ましい。
同様に、(a)皮膚及び/又は(b)毛髪のケア及び/又は洗浄のための1種以上の化合物を含む本発明の製剤が好ましい。
さらに、感覚的に活性な量の1種以上の芳香物質を含む本発明の製剤が好ましい。
【0041】
式(I)の化合物の安定性の有意に最高の改善は、すぐに使える化粧及び/又は医薬製剤中の一般式(II)の光防護フィルター、特に式(IIA)、(IIB)及び(IIC)を有する光防護フィルターのフラクションが該製剤の総質量に対して0.05質量%〜12質量%、特に好ましくは0.5質量%〜8質量%の濃度範囲である本発明の混合物で見出された。
好ましい量的範囲で少なくとも1種の前記光防護フィルターを含む本発明の製剤では、特に、式(II)のフェノール化合物の非常に良い長期安定性及び/又は非常に良い色安定性が実験で見出された。
本明細書において、長期安定性は、少なくとも6ヶ月間、好ましくは少なくとも12ヶ月間(各場合25℃で)、式(I)の化合物の分解率が、本発明の製剤に最初に導入された式(I)の化合物の総質量に対して、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下であることを意味する。
さらに、規定混合比で式(II)の光防護フィルターが添加されている油相(1種以上の油成分、好ましくは以下に指定する当該油成分)に式(I)の化合物を予め溶かすことが特に有利であることが判った。このようにして安定化した、1種以上の式(I)の成分を含む油相(本明細書では以後、この種の混合物を「プレミックス」と称する)を、第2の次の工程で、すぐに使える化粧及び/又は医薬製剤を製造するため、該化粧又は医薬製剤の他の成分と混合することができる。
本発明のさらなる態様は、以下の成分:
a)下記式(I)の1種以上の化合物:
【0042】
【化10】

【0043】
(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2若しくは3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
及び
b)下記式(II)の1種以上の化合物:
【0044】
【化11】

【0045】
(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
及び
c)1種以上の油成分
を含むか又は前記成分から成るプレミックスであって、該プレミックス中の前記油成分の総量が、該プレミックスの総量に対して45質量%以上、好ましくは60質量%以上である、本発明のプレミックスに関する。
【0046】
さらに、プレミックスは、式(I)及び(II)の好ましい化合物を使用することができる。
プレミックスには好ましくは水がない。所望により、プレミックスは、例えば、金属キレーター等のさらなる成分を含んでよい。
1つの好ましい実施形態では、本発明のプレミックスは、全混合物の質量に対して0.1質量%〜10質量%、好ましくは0.5質量%〜2質量%の量的比率で式(IIA)、(IIB)及び(IIC)の化合物の群の1種以上の光防護フィルターを含む。
式(II)の光防護フィルターの総量との関係で好ましく用いられる式(I)のフェノール化合物の総量は該製剤の性質によって決まり、有利には、該プレミックス中の式(I)の1種以上の化合物を安定化するのに十分な量を示す。
プレミックス(上述したような)中、式(II)の光防護フィルターの総量に対する式(I)のフェノール化合物の質量ベース比は5:1より大きく、好ましくは50:1〜6:1の範囲、好ましくは30:1〜8:1の範囲にある。
本発明のすぐに使える化粧又は医薬製剤中、式(II)の光防護フィルターの総量に対する式(I)のフェノール化合物の質量ベース比は5:1未満であり、好ましくは4:1〜1:20の範囲、好ましくは2:1〜1:12の範囲にある。
【0047】
本発明の意味で好適な油相又は好適な油成分は、以下の群の物質を包含する:
(i) 15個以上のC原子、特に18〜45個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和パラフィン(鉱油);
(ii) 6〜30個のC原子を有する直鎖若しくは分岐脂肪酸と、3〜30個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽和のモノオール、ジオール又はトリオールとの12個以上のC原子を有するエステル(これらのエステルはフリーのヒドロキシル基を持たない);
(iii) 安息香酸と、8〜20個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽和のモノアルカノールとのエステル;
(iv) 3〜30個のC原子を有するアルコールと、ナフタレン-モノカルボン酸又はナフタレン-ジカルボン酸とのモノエステル又はジエステル;特にナフタレンモノカルボン酸C6-C18エステル及びナフタレンジカルボン酸ジ-C6-C18エステル;
(v) 直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽和ジ-C6-C18-アルキルエーテル;
(vi) シリコーン油;
(vii) 下記式(III)の2-アルキル-1-アルカノール:
【0048】
【化12】

【0049】
(式中、
Q1は、6〜24個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル基であり、かつ
Q2は、4〜16個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル基である)。
【0050】
本発明のより狭い(かつ好ましい)意味、すなわち発明で限定される物質又はより少ないフラクションでのみ存在する物質の油相又は油成分は、以下の群の物質を包含する:
(i) 20〜32個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和パラフィン;
(ii) 8〜24個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和脂肪酸と、3〜24個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和若しくは不飽和モノオール、ジオール又はトリオールとの少なくとも14個のC原子を有するエステル(これらのエステルはフリーなヒドロキシル基を含有しない);
(iii) 安息香酸と、10〜18個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和モノアルカノールとのエステル;
(iv) 2,6-ナフタレンジカルボン酸ジ-C6-C12エステル;
(v) 直鎖若しくは分岐の飽和ジ-C6-C18-アルキルエステル、特に(直鎖)ジ-C6-C12-アルキルエステル;
(vi) 以下の群のシリコーン油:シクロトリシロキサン、シクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン及びその混成形;
(vii) 12〜32個のC原子を有する前記式(III)の2-アルキル-1-アルカノール
(式中、
Q1は、6〜18個のC原子を有する(好ましくは直鎖)アルキル基であり、かつ
Q2は、4〜16個のC原子を有する(好ましくは直鎖)アルキル基である)。
【0051】
本発明の最も狭い(かつ最も好ましい)意味の油相は、以下の群の物質を包含する:
(i) 20〜32個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和パラフィン、例えばイソエイコサン又はスクアラン;
(ii) 8〜18個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和脂肪酸と、3〜18個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和モノオール、ジオール又はトリオールとの少なくとも16個のC原子を有するエステル(これらのエステルはフリーなヒドロキシル基を含有しない);
(iii) 安息香酸と、12〜15個のC原子を有する直鎖若しくは分岐の飽和モノアルカノールとのエステル、特にC12-C15-アルキルベンゾエート;
(iv) 2,6-ナフタレンジカルボン酸ジ-C6-C10エステル、特にジエチルヘキシル2,6-ナフタレンジカルボキシレート;
(v) 直鎖ジ-C6-C10-アルキルエーテル;特にジ-n-オクチルエーテル(ジカプリリルエーテル);
(vi) 以下の群のシリコーン油:ウンデカメチルシクロトリシロキサン、シクロメチコン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン及びジフェニルポリロキサン;
(vii) 12〜32個のC原子を有する前記式(III)の2-アルキル-1-アルカノール
(式中、
Q1は、6〜18個のC原子を有する(好ましくは直鎖)アルキル基であり、かつ
Q2は、4〜16個のC原子を有する(好ましくは直鎖)アルキル基である)。
【0052】
油相中のタイプ(i)の特に好ましい成分は以下の通りである:ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、イソステアリン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソトリデシル、ヤシ脂肪酸2-エチルヘキシル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、並びに該エステルの合成、半合成及び天然混合物、例えばホホバ油。
脂肪酸トリグリセリド(油相中のタイプ(i)の油成分)は、合成、半合成及び/又は天然油の形態、或いは合成、半合成及び/又は天然油の構成成分の形態でよく、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、ピーナツ油、ナタネ油、アーモンド油、パーム油、ココナツ油、パームナッツ油及びその混合物が挙げられる。
油相中のタイプ(vii)の特に好ましい油成分は以下の通りである:2-ブチル-1-オクタノール、2-ヘキシル-1-デカノール、2-オクチル-1-ドデカノール、2-デシルテトラデカノール、2-ドデシル-1-ヘキサデカノール及び2-テトラデシル-1-オクタデカノール。
油相中の特に好ましい油成分は、安息香酸C12-C15-アルキルとイソステアリン酸2-エチルヘキシルを含む混合物、安息香酸C12-C15-アルキルとイソノナン酸イソトリデシルを含む混合物、安息香酸C12-C15-アルキル、イソステアリン酸2-エチルヘキシル及びイソノナン酸イソトリデシルを含む混合物、シクロメチコンとイソノナン酸イソトリデシルを含む混合物、及びシクロメチコンとイソステアリン酸2-エチルヘキシルを含む混合物である。
【0053】
本発明のさらなる態様は、以下の成分:
a)下記式(I)の1種以上の化合物:
【0054】
【化13】

【0055】
(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
及び
b)下記式(II)の1種以上の化合物:
【0056】
【化14】

【0057】
(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
及び
c)所望により、1種以上の油成分
を含むか又は前記成分から成る混合物を調製することによって、
前記式(I)の化合物を安定化する本発明の方法に関する。
【0058】
本発明のこの方法では、式(I)及び(II)の好ましい化合物を同様に使用できる。
式(I)の化合物の安定化を決定できる手段の1つは、式(I)の化合物の長期安定性及び/又は色安定性の改善によってである。
1つの好ましい実施形態では、この種の本発明の方法は、結果として生じる混合物として本発明の製剤又は本発明のプレミックスを有する。
結果として生じる混合物が本発明の製剤である、本発明の1つの好ましい方法では、本方法は、以下の工程を含むか又は以下の工程から成る:
a) 式(I)の1種以上の化合物を準備する工程、
b) 式(II)の1種以上の化合物と1種以上の油成分を含む混合物を準備する工程(前記油成分の総量は、前記混合物に対して45質量%以上である)、
c) 工程a)の式(I)の1種以上の化合物を工程b)の混合物に溶かす工程、
及び引き続き
d) 工程c)の結果のプレミックスを化粧及び/又は医薬製剤のさらなる成分と混合する工程。
【0059】
本発明のさらなる態様は、皮膚及び/又は毛髪を明るくする方法及び/又はシミを軽減する方法に関し、該方法は以下の工程を含むか又は以下の工程から成る:
−本発明の製剤を皮膚及び/又は毛髪に適用する工程。
本発明のさらなる態様は、下記式(II)の1種以上の化合物の、
【0060】
【化15】

【0061】
(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
前記式(II)の1種以上の化合物と、下記式(I)の1種以上の化合物
【0062】
【化16】

【0063】
(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
とを含むか又は前記化合物から成る混合物を調製するための使用に関する。
本発明のこの方法では、式(I)及び(II)の好ましい化合物を同様に使用できる。
本発明のさらなる態様は、下記式(II)の1種以上の化合物の、
【0064】
【化17】

【0065】
(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
下記式(I)の1種以上の化合物
【0066】
【化18】

【0067】
(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
の長期安定化及び/又は色安定化のための使用に関する。
本発明のこの方法では、式(I)及び(II)の好ましい化合物を同様に使用できる。
【0068】
本発明の方法を用いて安定化され、かつ式(I)の1種以上の化合物及び式(II)の1種以上の化合物を含む製剤は、好ましくは以下の製剤の一部であるか又は以下の形態の1つで存在する:
「水中油」(O/W)型のエマルション、PITエマルション、ピカリング(Pickering)エマルション、マイクロエマルション、ペンシル、スティック、スプレー、フォーム、含浸溶液、例えば化粧拭いのため、洗浄組成物、例えば、セッケン、合成洗剤、液体洗浄剤、シャワー用及び入浴用製品;スキンケア組成物、クリーム、ローション、乳液、エマルションフォーム、マイクロエマルション、ナノエマルション、ペースト、ゲル(例えばヒドロゲル又は水系分散ゲル)、バルサム、セラム、ロールオン、ポンプスプレー、エアロゾル(起泡性、非起泡性又は後起泡性)、フットケア組成物(角質溶解剤、脱臭剤を含む)、殺虫剤、日焼け止め、日焼け後製品、シェービング組成物、脱毛剤、ヘアケア組成物、例えば、シャンプー、2-イン-1シャンープー、フケ防止シャンプー、ベビーシャンプー、乾燥頭皮用シャンプー、シャンプー濃縮物、コンディショナー、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアリンス、スタイリングクリーム、パーマネントウェービング及びセテッィング組成物、ヘアスムージング組成物(まっすぐに整える組成物、縮毛矯正剤)、ヘアセッティグ組成物(スプレー)、スタイリング助剤(例えば、ゲル)、漂白-金髪に染める組成物、ヘアライトナー(hair lightener)、ヘアコンディショナー、ヘアムース、毛染め剤、脱臭剤及び/又は制汗剤;うがい薬及び口スプレー、髭剃り後バルム、髭剃り前後のローション、アイケア、メーキャップ、メーキャップリムーバー、ベビー用品、入浴用品(例えばカプセル)、又はマスク。例えば、リポソーム又はセルロースカプセルのような被包形態で式(I)の化合物を提供することはさらに有利である。
【0069】
本発明の方法を用いて安定化される、化粧及び/又は医薬(治療)製剤、特に局所製剤、特に皮膚ライトニング及び毛髪ライトニング組成物は、この種の製剤で典型的に使用されるような化粧用及び/又は医薬用の補助剤及び添加剤を含んでよく、例えば、日焼け止め剤、保存剤、殺細菌剤、殺真菌剤、殺ウイルス剤、活性冷却化合物、殺虫剤(例えば、DEET、IR 3225、Dragorepel)、植物エキス、活性抗炎症化合物、創傷治癒を促す物質(例えば、キチン又はキトサン及びその誘導体)、皮膜形成物質(例えばポリビニルピロリドン又はキトサン若しくはその誘導体)、普通の抗酸化剤、ビタミン(例えばビタミンCと誘導体、トコフェロールと誘導体、ビタミンAと誘導体)、2-ヒドロキシカルボン酸(例えばクエン酸、リンゴ酸、L-、D-又はdl-乳酸)、スキンケア剤(例えばコレステロール、セラミド、擬似セラミド)、軟化、保湿及び/又は湿潤物質(特にグリセロール、尿素又は1,2-アルカンジオール、例えば1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール及び/又は1,2-オクタンジオール)、飽和脂肪酸、モノ-若しくはポリ飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸又はその誘導体(例えばリノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸又はアラキドン酸及びそれらのそれぞれの天然又は合成エステル)、ワックス又は化粧用若しくは皮膚用製剤の他の典型的な成分、例えばアルコール、ポリオール、ポリマー、泡安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、活性フケ防止化合物(例えばクライムアゾール(climbazole)、ケトコナゾール、ピロクトンオレアミン(piroctone oleamine)、ジンクピリチオン)、ヘアケア剤、香料、泡保存剤、染料、着色作用を有する顔料、シックナー、表面活性物質、界面活性剤、乳化剤、植物部分及び植物エキス(例えばアルニカ、アロエ、サルオガセ(beard lichen)、ツタ、イラクサ、ニンジン、ヘナ、カミツレ、マリーゴールド、ローズマリー、セージ、ブラックベリー、トクサ又はタイム)、ローヤルゼリー、プロポリス、タンパク質、タンパク質加水分解物、酵母エキス、ホップエキス及びコムギエキス、ペプチド又は胸腺抽出物が挙げられる。
【0070】
利用すべき化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学用の補助剤及び添加剤、並びに1種以上の脱臭剤(香料)の各量は、それぞれの製品の性質に従い、当業者の簡単な試行によって容易に決定される。
式(I)のフェノール化合物を含む本発明の製剤は、皮膚ライトニング効果のある活性化合物をさらに含んでもよい。この観点から、本発明において、化粧及び/又は医薬、特に皮膚科学用途で慣習的又は適切なすべての活性な皮膚ライトニング化合物を使用できる。
この関係で有利な活性皮膚ライトニング化合物は、コウジ酸(5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-4-ピラノン)、例えばジパルミチン酸コジック(kojic dipalmitate)等のコウジ酸誘導体、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、例えばグルタチオン又はシステイン等のイオウ含有分子、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)及びそれらの誘導体、N-アセチルチロシンと誘導体、ウンデセノイルフェニルアラニン、グルコン酸、アロエシン等のクロモン誘導体、フラボノイド、チモール誘導体、1-アミノエチルホスフィン酸、チオ尿素誘導体、エラグ酸、ニコチンアミド、例えば塩化亜鉛又はグルコン酸亜鉛など亜鉛塩、ツジャプリシン(thujaplicin)と誘導体、マスリン酸等のトリテルペン、エルゴステロール等のステロール、センキュノリド等ベンゾフラノン、ビニル-及びエチルグアヤコール、オクトデセンジオン酸(dionic acid)及びアゼライン酸などのジオン酸、L-ニトロアルギニンとその誘導体などの酸化窒素合成インヒビター、2,7-ジニトロインダゾール又はチオシトルリン、金属キレーター(例えばα-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、フミン酸、没食子酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン)、レチノイド、豆乳、大豆エキス、セリンプロテアーゼインヒビター若しくはリポ酸又は皮膚及び毛髪ライトニングのための他の合成若しくは天然活性化合物であり、これらの化合物は植物からの抽出物の形態、例えば、クマコケモモエキス、米エキス、パパイヤエキス、甘草根エキス又はこれら由来の成分の濃縮物、例えば、グラブリジン(glabridin)又はリコカルコン(licochalcone)A、パンノキ(Artocarpus)エキス、ルメックス(Rumex)及びラウムルス(Ramulus)種由来エキス、マツ種(Pinus)由来エキス並びにビティス(Vitis)種由来エキス又はこれらから濃縮したスチルベン誘導体、ユキノシタ、クワ、スクテレリア(Scutelleria)及び/又はブドウのエキスの形態でも用いられる。
【0071】
化粧及び/又は医薬用途では、本発明の特に皮膚科学的に活性な製剤を化粧品及び皮膚用製品で典型的な方法で皮膚及び/又は毛髪に十分な量で適用した。これに関連して、特に有利には、主に分解及び変色についての安定化のために使用される化粧用及び皮膚用製剤が、式(II)の光防護フィルターのみならず、1種以上のさらなる日焼け止めフィルター(UV吸収剤、UVフィルター)を含む当該製剤は、結果として、一方で該製剤に含まれる式(I)のフェノール化合物が分解及び変色についてさらに効率的に保護され、かつ他方で製剤が毛髪又は皮膚ライトニング製品として同様に作用し、及び/又は日焼け止めとしても作用する。
1つの好ましい実施形態では、本発明の化粧及び/又は医薬製剤は、1種以上のさらなる日焼け止めフィルター(UV吸収剤)を含み、好ましくは、UV吸収剤の総フラクションは、該製剤の総質量に対して、0.1質量%〜30質量%、さらに好ましくは0.2質量%〜20質量%、特に0.5質量%〜15質量%の範囲である。
安定化の目的では、UVフィルターの総量は、該製剤の総質量に対して好ましくは0.01質量%〜10質量%、特に0.05質量%〜5質量%の範囲である。
さらなる好ましい実施形態では、本発明の化粧及び/又は医薬製剤、特に皮膚科学用の活性製剤は、本発明の製剤が2以上(好ましくは5以上)の日焼け止め指数を有するような総量のUVフィルター及び/又は無機顔料を含む。これらの日焼け止め剤は皮膚及び毛髪を保護するのに適している。
さらなる好ましい実施形態では、本発明の化粧及び/又は医薬製剤、特に皮膚科学用の活性製剤は、さらに1種以上の日焼け止めフィルター(UV吸収剤)を含み、この日焼け止めフィルターは、例えば、日焼け止め製剤で典型的に使用される種類のいずれの形態でも存在することができる。従って、日焼け止めフィルターは、例えば、水中油(O/W)型のエマルション、ゲル、水分散系、又はエアロゾルの形態でよい。
ここで、式(II)の光防護フィルター、特に好ましくは式(IIA)、(IIB)及び(IIC)の1種以上の光防護フィルターを含む本発明の化粧及び/又は医薬製剤が好ましい。
有利には、該製剤は、式(II)の化合物の群から選択される1種以上の光防護フィルターを含むが、UV-Aフィルター又はUV-Bフィルター
及び/又は少なくとも1種のさらに広帯域のフィルター
及び/又は
少なくとも1種の無機顔料ををも含むことができる。
さらに好適な光防護剤(UV吸収剤)は、例えば、4-アミノ安息香酸と誘導体、サリチル酸誘導体、さらなるベンゾフェノン誘導体、さらなるジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート、3-イミダゾール-4-イルアクリル酸とそのエステル、ベンゾフラン誘導体、ベンジリデンマロン酸誘導体、1つ以上の有機ケイ素基を含有する高分子UV吸収剤、ケイ皮酸誘導体、カンファー誘導体、トリアニリノ-s-トリアジン誘導体、2-ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸誘導体とその塩、アントラニル酸メンチル、ベンゾトリアゾール誘導体、インドール誘導体の分類の有機UV吸収剤である。
【0072】
本発明の目的でさらに使用可能な以下に示すUV吸収剤は好ましいが、当然、これらに限定するものではない。
さらに好ましいUVフィルターは以下の通りである。
例えば、以下のUV-Bフィルター:
・p-アミノ安息香酸
・p-アミノ安息香酸エチル(25モル)(エトキシ化)
・p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル
・p-アミノ安息香酸エチル(2モル)(N-プロポキシル化)
・p-アミノ安息香酸グリセロール
・サリチル酸ホモメンチル(ホモサレート)(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・サリチル酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)OS)
・サリチル酸トリエタノールアミン
・サリチル酸4-イソプロピルベンジル
・アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標)MA)
・ジイソプロピルケイ皮酸エチル
・p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・ジイソプロピルケイ皮酸メチル
・p-メトキシケイ皮酸イソアミル(Neo Heliopan(登録商標)E 1000)
・p-メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン塩
・p-メトキシケイ皮酸イソプロピル
・2-フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸及び塩(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)
・3-(4'-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オン硫酸メチル
・β-イミダゾール-4(5)-アクリル酸(ウロカニン酸)
・3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及び塩
・3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー(Neo Heliopan(登録商標)MBC)
・3-ベンジリデン-d,l-カンファー
・N-[(2及び4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・4,4'-[(6-[4-(1,1-ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸2-エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)
・マロン酸ベンジリデン-ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・エチルヘキサン酸グリセリルケイ皮酸ジメトキシ
・ジプロピレングリコールサリシレート
・4,4',4''-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリ安息香酸トリス(2-エチルヘキシル)(Uvinul(登録商標)T150)。
【0073】
例えば、以下の広帯域フィルターが好ましい:
・2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)303)
・2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリル酸エチル
・2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸
・ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム
・2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシ-5,5'-ジスルホベンゾフェノン二ナトリウム
・フェノール, -(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキシアニル)プロピル)(Mexoryl(登録商標)XL)
・2,2'-メチレンビス(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール)(Tinosorb(登録商標)M)
・2,4-ビス[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{(4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)
・2,4-ビス[{(4-(3-ホスホナト)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン ナトリウム塩
・2,4-ビス[{(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-[4-(2-メトキシエチルカルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル}-6-[4-(2-エチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(1-メチルピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(2''-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン
・2,4-ビス[{4-(1',1',1',3',5',5',5'-ヘプタメチルシロキシ-2''-メチルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン。
【0074】
例えば、以下のUV-Aフィルターが好ましい:
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸及び塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・4-t-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)/(Neo Heliopan(登録商標)357)
・フェニレンビスベンゾイミダジル四スルホン酸二ナトリウム塩(Neo Heliopan(登録商標)AP)
・2,2'-(1,4-フェニレン)ビス(1H-ベンゾイミダゾール-4,6-ジスルホン酸),一ナトリウム塩
・2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(Uvinul(登録商標)A Plus)
・4-イソプロピルジベンゾイルメタン
・DE 100 55 940(=WO 02/38537)に従うインダニリデン化合物。
【0075】
ここで併用に特に好適なUV吸収剤は以下の通りである:
・p-アミノ安息香酸
・3-(4'-トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン-2-オン硫酸メチル
・サリチル酸ホモメンチル(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
・2-フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸及び塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Neo Heliopan(登録商標)357)
・3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン及び塩
・2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)303)
・N-[(2及び4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
・p-アミノ安息香酸エチル(25モル)(エトキシル化)
・p-メトキシケイ皮酸イソアミル(Neo Heliopan(登録商標)E1000)
・2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2'-エチルヘキシル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
・フェノール,2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキシアニル)プロピル)(Mexoryl(登録商標)XL)
・4,4'-[(6-[4-(1,1-ジメチル)アミノカルボニル]フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]-ジイミノ]ビス(安息香酸2-エチルヘキシルエステル)UvasorbHEB)
・3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー(Neo Helipan(登録商標)MBC)
・3-ベンジリデンカンファー
・サリチル酸2-エチルヘキシル(Neo Helipan(登録商標)OS)
・4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル(Padimate O)
・ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びNa塩
・2,2'-メチレンビス(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール)(Tinosorb(登録商標)M)
・フェニレンビスベンゾイミダジル四スルホン酸二ナトリウム塩(Neo Heliopan(登録商標)AP)
・2,4-ビス[{(4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)
・ベンジリデンマロン酸-ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標)MA)
・2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(Uvinul(登録商標)A Plus)
・DE 100 55 940(=WO 02/38537)に従うインダニリデン化合物。
【0076】
さらに、所望により、疎水性にならしめ得る粒状UVフィルター又は無機顔料、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化マンガン(例えばMnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化セリウム(例えばCe2O3)及び/又は混合物を使用できる。
化粧及び/又は医薬製剤の好ましい実施形態、特に皮膚科学的に活性な本発明の製剤は、一般的に、0.01質量%〜10質量%の範囲、好ましくは0.1質量%〜8質量%の範囲の(皮膚及び/又は毛髪)ケア物質のフラクションを含む。1つの好ましい実施形態によれば、組成物は、1種以上の動物及び/又は野菜のケア油脂(従って油相の一部である)、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、精製大豆油、パーム油、ゴマ油、ナタネ油、アーモンド油、ルリジサ油、月見草油、シアバター、ホホバ油、鯨油、牛脂、牛脚油及び豚脂を含む。
【0077】
化粧及び/又は医薬製剤の好ましい実施形態、特に皮膚科学的に活性な本発明の製剤は、所望により、さらに例えば6〜30個のC原子を有する脂肪アルコールのような、ケア特性を有する成分を含む。ここで、脂肪アルコールは飽和又は不飽和でよく、また直鎖又は分岐していてよい。さらに、これらの脂肪アルコールは、油相(III)について述べた定義に相当する場合、油相(III)の一部でもあり得る。利用できるアルコールは、例えば、デカノール、デセノール、オクタノール、オクテノール、ドデカノール、ドデセノール、オクタジエノール、デカジエノール、ドデカジエノール、オレイルアルコール、リシンオレイルアルコール、エルシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール及びベヘニルアルコール、並びにそのゲルベ(Guerbet)アルコール、例えば、2-オクチル-1-ドデカノールであり、所望により、関連する構造化学のさらなるアルコールによって実質的に前記リストを拡張できる。脂肪アルコールは、好ましくは天然の脂肪酸由来であり、該脂肪酸の対応エステルから還元によって慣習的に調製される。天然に存在する油脂、例えば牛脂、ピーナツ油、菜種油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、パームナッツ油、亜麻仁油、トウモロコシ油、ヒマシ油、ナタネ油、ゴマ油、カカオバター及びココナツ脂肪から還元によって生成される脂肪アルコールフラクションをさらに利用できる。
【0078】
本発明の方法を用いて安定化され、かつ式(I)のフェノール化合物を含んでなる化粧用及び/又は皮膚科学的に活性な製剤において特に優れた様式で利用できるケア特性を有する物質として、さらに以下のものが挙げられる。
−セラミド、ここで、セラミドは、角質層の水保持能力を有意に高める、N-アシルスフィンゴシン(スフィンゴシンの脂肪酸アミド)又は該脂質の合成類似体(いわゆる擬似セラミド)を意味するものと解釈する。
−リン脂質、例えば大豆レシチン、卵レシチン及びセファリン
−脂肪酸
−植物ステロール及び植物ステロール含有脂肪又はワックス
−ワセリン、パラフィン油及びシリコーン油;後者として、とりわけジアルキル-及びアルキルアリールシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン及びメチルフェニルポリシロキサン、並びにそのアルコキシル化及び四級化誘導体も挙げられる。
動物及び/又は植物タンパク質加水分解物も本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤の好ましい実施形態に添加することができる。この点で有利な物質は、特に、エラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、大豆タンパク質、オートムギタンパク質、エンドウ豆タンパク質、アーモンドタンパク質及びコムギタンパク質フラクション又は対応するタンパク質加水分解物、並びにその脂肪酸との濃縮生成物、及び四級化タンパク質加水分解物であり、植物タンパク質加水分解物の使用が好ましい。
【0079】
本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤の好ましい実施形態は抗酸化剤も含んでよく、化粧及び/又は皮膚科学用途に適切又は有用なすべての抗酸化剤を使用できる。抗酸化剤は、有利には、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)とその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)とその誘導体、ペプチド、例えばDL-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンとその誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カロテン、リコピン)とその誘導体、リポ酸とその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピル-チオウラシルと他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びそのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)及びその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸とその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドと塩)及びスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン)(非常に低い耐量で)、さらに(金属)キレーター、例えばα-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸とその誘導体(例えばγ-リノレイン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸とその誘導体、ユビキノンとユビキノール及びその誘導体、ビタミンCと誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、Mgアスコルビルホスフェート、酢酸アスコルビル)、トコフェロールと誘導体(例えばビタミンE、ビタミンEアセエート(aceate))、ビタミンAとその誘導体(パルミチン酸ビタミンA)及びベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸(rutic acid)とその誘導体、フェルラ酸とその誘導体、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアヤク脂酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸とその誘導体、マンノースとその誘導体、亜鉛とその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレニウムとその誘導体(例えばセレニウムメチオニン)、スチルベンとその誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)並びに上述したこれらの活性化合物の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド及び脂質)から成る群より有利に選択される。
【0080】
本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤の好ましい実施形態は有利にはビタミン及びビタミン前駆体をも含んでよく、化粧及び/又は皮膚科学用途に適切又は有用なすべてのビタミン及びビタミン前駆体を使用できる。ここであえて述べるならば、特に、トコフェロール、ビタミンA、ナイアシン酸とナイアシンアミド、さらにB複合体のビタミン、特にビオチン、並びにビタミンCとパンテノール及びその誘導体、特にパンテノールのエステルとエーテル、及びカチオン的に誘導体化されたパンテノール、例えばパンテノールトリアセテート、パンテノールモノエチルエーテル及びそのモノアセテート及びカチオン性パンテノール誘導体等のビタミン及びビタミン誘導体である。
【0081】
本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤の好ましい実施形態は活性な抗炎症性及び/又は発赤軽減及び/又は痒み軽減化合物(抗刺激薬)をも含んでよく、化粧及び/又は皮膚科学用途に適切又は有用なすべての活性な抗炎症性及び/又は発赤軽減及び/又は痒み軽減化合物を使用できる。有利に使用できる活性な抗炎症性及び/又は発赤軽減及び/又は痒み軽減化合物は、コルチコステロイド型のステロイド性抗炎症性物質、例えばヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン若しくはコルチゾンであり、リストにさらなるステロイド性抗炎症薬を追加して拡張することができる。非ステロイド性抗炎症薬も利用できる。ここで例として、ピロキシカム又はテノキシカム(tenoxicam);サリチレート、例えばアスピリン、ジサルシド(Disalcid)、ソルプリン(Solprin)又はフェンドサール;酢酸誘導体、例えばジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、又はクリンダナク(clindanac);フェナム酸(fenamate)、例えばメフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸又はニフルミン酸(niflumic);プロピオン酸誘導体、例えばイブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン(benoxaprofen)又はピラゾール、例えばフェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾン(febrazone)又はアザプロパゾンが挙げられる。
【0082】
或いは、天然の抗炎症性又は発赤軽減及び/又は痒み軽減物質を使用できる。植物エキス、特に高度に活性な植物エキスフラクション及び植物エキスから単離された高度に純粋な活性物質を使用できる。カミツレ、アロエベラ、コンミフォラ(Commiphora)種、アカネ(Rubia)種、ヤナギ、シャクナゲヤナギソウ、オートムギ由来のエキス、フラクション及び活性物質、並びに純粋物質、例えば、とりわけ、ビサボロール、アピゲニン7-グルコシド、ボスウェリア酸、植物ステロール、グリシルリジン酸、グラブリジン又はリコカルコンAは特に好ましい。式(I)の化合物を含む製剤は、2種以上の活性な抗炎症性化合物の混合物を含むこともできる。
ビサボロール、ボスウェリア酸、並びにオートムギ及びエキネシア(Echinacea)由来のエキス及び単離された高度に純粋な活性化合物は、本発明において抗炎症性及び発赤軽減及び/又は痒み軽減物質として特に好ましく使用され、α-ビサボロール並びにオートムギ由来のエキス及び単離された高度に純粋な活性化合物は特に好ましい。
製剤中の抗刺激物(1つ以上の化合物)の量は該製剤の総量に対して好ましくは0.0001質量%〜20質量%、特に好ましくは0.0001質量%〜10質量%、特に0.001質量%〜5質量%である。
【0083】
本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤の好ましい実施形態は水分保持調節薬をも含む。例えば以下の物質が水分保持調節薬(保湿薬)として使用される:乳酸ナトリウム、尿素、アルコール、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、5〜10のC数の脂肪族1,2-ジオール、コラーゲン、エラスチン又はヒアルロン酸、アジピン酸ジアシル、ペトロラタム、エクトイン(ectoin)、ウロカニン酸、レシチン、パンテオール、フィタントリオール、リコピン、藻類エキス、セラミド、コレステロール、糖脂質、キトサン、コンドロイチン硫酸、ポリアミノ酸及びポリアミノ糖、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)とその誘導体、糖類(例えばイノシトール)、α-ヒドロキシ脂肪酸、植物ステロール、トリテルペン酸、例えばベツリン酸又はウルソル酸、藻類エキス。
本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤の好ましい実施形態は、有利には単糖類、二糖類及びオリゴ糖類、例えばグルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、レブローズ及びラクトースをも含み得る。
【0084】
本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤の好ましい実施形態は、有利には植物エキスをも含んでよく、植物全体の抽出によってのみならず、個々の場合、排他的に植物の花及び/又は葉、木、樹皮又は根の抽出によって慣習的に調製される。使用可能な植物エキスについては、Leitfaden zur Inhaltsstoffdeklaration kosmetischer Mittel [Manual of Declaration of the Constituents of Cosmetic Compositions](Industrieverband Korperpflegemittel und Waschmittel e.V. (IKW), Frankfurt出版)の第3版の44ページから始まる表に列挙されている。特に有利なエキスは、アロエ、ハマメリス(witch hazel)、藻類、オーク樹皮、シャクナゲヤナギソウ、イラクサ、オドリコソウ、ホップ、カミツレ、ノコギリソウ、アルニカ、カレンデュラ、ゴボウ根、トクサ、サンザシ、リンデン花、アーモンド、松葉、セイヨウトチノキ、ビャクダン、ビャクシン、ココナツ、マンゴー、アプリコット、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、リンゴ、緑茶、グレープフルーツ種、コムギ、オートムギ、オオムギ、セージ、タイム、ワイルドタイム(wild thyme)、ローズマリー、カバノキ、ゼニアオイ(mallow)、ハンタネツケバナ(lady's smock)、ヤナギ樹皮、ハリモクシュク(restharrow)、フキタンポポ(coltsfoot)、ハイビスカス、ニンジン及びショウガの根である。
これに関連して、アロエベラ、カミツレ、藻類、ローズマリー、カレンデュラ、ニンジン、キュウリ、セージ、イラクサ、リンデン花、アルニカ及びハマメリス由来のエキスが特に好ましい。2種以上の植物エキスの混合物も使用できる。言及した植物エキスの調製で使用できる抽出剤は、とりわけ、水、アルコール及びその混合物である。アルコールのうち、低級アルコール、例えばエタノール及びイソプロパノールが好ましいが、多価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングリコールも好ましく、単独抽出剤としても水との混合物でも好ましい。純粋形態でも希釈形態でも植物エキスを利用できる。
【0085】
本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤の好ましい実施形態は、多くの場合有利には以下の保存剤を含むことができる。
好ましく選択される保存剤は、例えば、安息香酸、そのエステルと塩、プロピオン酸とその塩、サリチル酸とその塩、2,4-ヘキサジジエン酸(ソルビン酸)とその塩、ホルムアルデヒドとパラホルムアルデヒド、2-ヒドロキシビフェニルエーテルとその塩、2-ジンクスルフィドピリジンN-オキシド、無機亜硫酸塩と亜硫酸水素塩、ヨウ素酸ナトリウム、クロロブタノルム(chlorobutanolum)、4-エチル水銀(II)-5-アミノ-1,3-ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)、その塩とエステル、無水酢酸、ギ酸、1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサンとその塩、エチル水銀(II)-チオサリチル酸のナトリウム塩、フェニル水銀とその塩、10-ウンデシレン酸とその塩、5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチル-ヘキサヒドロピリミジン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、2,4-ジクロロベンジルアルコール、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)ウレア、4-クロロ-m-クレゾール、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、1,1'-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジオキソイミダゾリジン-5-イル)ウレア)、ポリ(ヘキサメチレンジグアニド)塩酸塩、2-フェノキシエタノール、ヘキサメチレンテトラミン、1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニアアダマンタンクロリド、1-(4-クロロフェノキシ)-1-(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ビス-(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン、ベンジルアルコール、オクトピロックス、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、2,2'-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、5-クロロ-2-メチル-3(2H)-イソチアゾリノン及び2-メチル-3(2H)イソチアゾリノンと塩化マグネシウム及び硝酸マグネシウムの混合物、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2-クロロアセトアミド、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、1-フェノキシプロパン-2-オール、N-アルキル(C12-C22)トリメチルアンモニウムブロミド及びクロリド、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N'-ヒドロキシメチルウレア、1,6-ビス(4-アミジノフェノキシ)-n-ヘキサンとその塩、グルタルアルデヒド、5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、ハイアミン(hyamine)、アルキル-(C8-C18)-ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキル-(C8-C18)-ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、アルキル-(C8-C18)-ジメチルベンジル-アンモニウムサッカリネート、ベンジルヘミホルマール(hemiformal)、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、ナトリウムヒドロキシメチルアミノアセテート又はナトリウムヒドロキシメチルアミノアセテートのようなものである。
【0086】
種々の場合、本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤において、主に動物上又は動物内における望ましくない微生物の成長を抑制するため利用される物質を使用することも有利だろう。この点で、通常の保存剤に加え、通常の抗生物質の大群に加え、さらなる活性成分として、特に、とりわけ、腋臭、足臭又はフケ形成に対して使用される化粧品に関連する製品、例えば、トリクロサン、クライムアゾール、オクトキシグリセロール、オクトピロックス(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリドン、2-アミノエタノール)、キトサン、ファルネソール、グリセロールモノラウレート又は上記物質の組合せが挙げられる。
【0087】
さらに、本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に体臭と戦うための皮膚科学的に活性な製剤では、発汗抑制活性を有する物質(制汗剤)を特に有利に使用することができる。使用される発汗抑制活性化合物は、とりわけ、アルミニウム塩、例えば塩化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム(aluminium chlorohydrate)、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム等である。しかし、さらに、亜鉛、マグネシウム及びジルコニウムの化合物の使用も有利である。化粧及び皮膚科学用の制汗剤の用途では、アルミニウム塩及び、いくらか狭い範囲では、アルミニウム/ジルコニウム塩の組合せが実質的に好適であることが判った。アルミニウムヒドロキシクロリドは部分的に中和しているので、それほど活性でないが、皮膚に良く耐性であり、さらに言及し得る。アルミニウム塩と並んで、さらなる物質も可能であり、例えば、a)汗腺の表面妨害物を生じるタンパク質沈殿物質、例えばとりわけ、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、天然及び合成タンニン及びトリクロロ酢酸、b)末梢神経経路の遮断によって汗腺の交感神経供給を排除する局所麻酔薬(とりわけ、例えばリドカイン、プリロカイン又は該物質の混合物の希釈溶液)、c)発汗の分泌の軽減と並んで、悪臭の吸収剤としても作用するX、A又はY型のゼオライト、及びd)多汗症、発汗の病的に高い分泌の場合にも使用され、その作用は発汗の分泌に関係する伝達物質アセチルコリンの放出の不可逆的な遮断に基づくボツリヌス毒素(細菌Chlostridium botulinumの毒素)が挙げられる。
【0088】
さらに、本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤は、冷却作用を有する物質を含むことができる。本発明において使用するのに好ましい個々の活性冷却化合物を以下に列挙する。当業者は、下記リストを多数のさらなる活性冷却化合物で補充することができ;列挙した活性冷却化合物を相互に併用するすることもできる:l-メントール、d-メントール、ラセミメントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標)MGA)、メンチルラクテート(商標名:Frescolat(登録商標)ML、メンチルラクテートは好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチルl-ラクテート)、置換メンチル-3-カルボン酸アミド(例えばメンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド)、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えばメンチル3-ヒドロキシブチレート)、モノメンチルスクシネート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロ-ヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル3,6-ジ-及び-トリオキサアルカノエート、3-メンチルメトキシアセテート、イチリン(icilin)。
【0089】
好ましい活性冷却化合物は以下の通りである:l-メントール、d-メントール、ラセミメントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標)MGA)、メンチルラクテート(好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチルl-ラクテート、商標名:Frescolat(登録商標)ML)、置換メンチル-3-カルボン酸アミド(例えばメンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド)、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、イソプレゴール。
【0090】
特に好ましい活性冷却化合物は以下の通りである:l-メントール、ラセミメントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標)MGA)、メンチルラクテート(好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチルl-ラクテート、商標名:Frescolat(登録商標)ML)、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート。
非常に特に好ましい活性冷却化合物は以下の通りである:l-メントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標)MGA)、メンチルラクテート(好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチルl-ラクテート、商標名:Frescolat(登録商標)ML)。
利用する活性冷却化合物の使用濃度は該物質によるが、好ましくは完成(すぐに使える)化粧又は医薬製剤の総量に対して、0.01質量%〜20質量%の濃度範囲、さらに好ましくは0.1質量%〜5質量%の濃度範囲である。
【0091】
本発明の化粧用及び/又は医薬用、特に皮膚科学的に活性な製剤は、該製剤中に結晶性又は微結晶性固体、例えば無機ミクロ顔料を組み入れる場合、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び/又は両性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、水中で有機の無極性物質を溶解できる両親媒性物質である。従って、本発明によれば、界面活性剤は油相には属さない。これに関連して、界面活性剤分子の親水性成分は通常極性官能基、例えば-COO-、-OSO32-、-SO3-であり、疎水性部分は原則として無極性炭化水素基である。界面活性剤は、一般的に親水性分子部分の性質と電荷によって分類される。ここで、以下の4つの群に区別することができる:
・アニオン性界面活性剤、
・カチオン性界面活性剤、
・両性界面活性剤及び
・非イオン性界面活性剤。
【0092】
アニオン性界面活性剤は、原則として官能基としてカルボン酸基、硫酸基又はスルホン酸基を含む。水溶液では、酸性又は中性媒体中でそれらが負に荷電した有機イオンを形成する。カチオン性界面活性剤は、ほとんど排他的に四級アンモニウム基の存在によって特徴づけられる。水溶液では、酸性又は中性媒体中でそれらが正に荷電した有機イオンを形成する。両性界面活性剤は、アニオン基とカチオン基の両方を含むので、pHによって、水溶液中でアニオン性又はカチオン性界面活性剤のようにふるまう。強酸性媒体中では、それらが正電荷を有し、アルカリ性媒体中では負電荷を有する。他方、中性のpH範囲ではそれらは双性イオンである。ポリエーテル鎖は非イオン性界面活性剤の典型である。非イオン性界面活性剤は水性媒体中でイオンを形成しない。
【0093】
A. アニオン性界面活性剤
有利に使用されるアニオン性界面活性剤はアシルアミノ酸(及びその塩)、例えば:
−アシルグルタメート、例えばナトリウムアシルグルタメート、ジ-TEA-パルミトイルアスパルテート及びナトリウムカプリル酸/カプリン酸グルタメート、
−アシルペプチド、例えばパルミトイル加水分解乳タンパク質、ナトリウムココイル加水分解大豆タンパク質及びナトリウム/カリウムココイル加水分解コラーゲン、
−サルコシネート、例えばミリストイルサルコシン、TEA-ラウロイルサルコシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネート及びナトリウムココイルサルコシネート、
−タウレート、例えばナトリウムラウロイルタウレート及びナトリウムメチルココイルタウレート、
−アシルラクチレート、ラウロイルラクチレート、カプロイルラクチレート
−アラニネート、
カルボン酸と誘導体、例えば:
−ラウリン酸、ステアリン酸アルミニウム、マグネシウムアルカノレート及びウンデシレン酸亜鉛、
−エステル-カルボン酸、例えばカルシウムステアロイルラクチレート、ラウレス-6シトレート及びナトリウムPEG-4ラウラミド(lauramide)カルボキシレート、
−エーテル-カルボン酸、例えばナトリウムラウレス-13カルボキシレート及びナトリウムPEG-6コカミドカルボキシレート、
リン酸エステルと塩、例えば、DEA-オレス(oleth)-10ホスフェート及びジラウレス-4ホスフェート、
スルホン酸と塩、例えば
−アシルイセチオネート、例えばナトリウム/アンモニウムココイルイセチオネート、
−アルキルアリールスルホネート、
−アルキルスルホネート、例えばナトリウムココ-モノグリセリドスルフェート、ナトリウムC12-14オレフィンスルホネート、ナトリウムラウリルスルホアセテート及びマグネシウムPEG-3コカミドスルフェート、
−スルホスクシネート、例えばジオクチルナトリウムスルホスクシネート、二ナトリウムラウレス-スルホスクシネート、二ナトリウムラウリルスルホスクシネート及び二ナトリウムウンデシレンアミド-MEA-スルホスクシネート
及び
硫酸エステル、例えば:
−アルキルエーテルスルフェート、例えばナトリウム、アンモニウム、マグネシウム、MIPA、TIPAラウレススルフェート、ナトリウムミレス(myreth)スルフェート及びナトリウムC12-13パレス(pareth)スルフェート、
−硫酸アルキル、例えばナトリウム、アンモニウム及びTEAラウリルスルフェート。
【0094】
B. カチオン性界面活性剤
有利に使用されるカチオン性界面活性剤は以下の通りである:
−アルキルアミン、
−アルキルイミダゾール、
−エトキシル化アミン、
−四級界面活性剤、
−RNH2CH2CH2COO-(pH=7で)
−RNHCH2CH2COO- B+(pH=12で)(B+=いずれかの所望カチオン、例えばNa+)及び
−エステル四級物(quats)。
【0095】
四級界面活性剤は、4つのアルキル又はアリール基に共有結合している少なくとも1つのN原子を含む。これがpHと無関係に正電荷をもたらす。アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン及びアルキルアミドプロピルヒドロキシスルファイン(sulphaine)が有利である。使用するカチオン性界面活性剤は、さらに好ましくは、四級アンモニウム化合物、特にベンジルトリアルキルアンモニウムクロリド又はブロミド、例えば、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、及びアルキルトリアルキルアンモニウム塩、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルスルフェート、アルキルピリジニウム塩、例えばラウリル-又はセチルピリジニウムクロリド、イミダゾリン誘導体及びカチオンキレーターを有する化合物、例えばアミンオキシド、例えばアルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミノエチルジメチルアミンオキシドから成る群より選択される。セチルトリメチル-アンモニウム塩が特に有利に使用される。
【0096】
C. 両性界面活性剤
有利に使用できる両性界面活性剤は以下の通りである:
−アシル/ジアルキルエチレンジアミン、例えばナトリウムアシルアンホアセテート、二ナトリウムアシルアンホジプロピオネート、二ナトリウムアルキルアンホジアセテート、ナトリウムアシルアンホヒドロキシプロピルスルホネート、二ナトリウムアシルアンホジアセテート及びナトリウムアシルアンホプロピオネート、
−N-アルキルアミノ酸、例えばアミノプロピルアルキルグルタミド、アルキルアミノプロピオン酸、ナトリウムアルキルイミドジプロピオネート及びラウロアンホカルボキシグリシネート。
【0097】
D. 非イオン性界面活性剤
有利に使用される非イオン性界面活性剤は以下の通りである:
−アルコール、
−アルカノールアミド、例えばコカミドMEA/DEA/MIPA、
−アミンオキシド、例えばココアミドプロピルアミンオキシド、
−カルボン酸とエチレンオキシド、グリセロール、ソルビタン又は他のアルコールのエステル化によって形成されるエステル、
−エーテル、例えばエトキシル化/プロポキシル化アルコール、エトキシル化/プロポキシル化エステル、エトキシル化/プロポキシル化グリセロールエステル、エトキシル化/プロポキシル化コレステロール、エトキシル化/プロポキシル化トリグリセリドエステル、エトキシル化/プロポキシル化ラノリン、エトキシル化/プロポキシル化ポリシロキサン、プロポキシル化POEエーテル及びアルキルポリグリコシド、例えばラウリルグリコシド、デシルグリコシド及びココ-グリコシド、
−スクロースエステル、スクロースエーテル、
−ポリグリセロールエステル、ジグリセロールエステル、モノグリセロールエステル、
−メチルグルコースエステル、ヒドロキシ酸のエステル。
アニオン性及び/又は両性界面活性剤と1種以上の非イオン性界面活性剤を併用するとさらに有利である。
これに関連して、表面-活性物質は、本発明の製剤には、該製剤の総量に対して、0.5質量%〜98質量%の範囲の量で存在し得る。
本発明の好ましい実施形態及びさらなる態様は、添付の特許請求の範囲及び以下の実施例から明らかになる。特に断らない限り、すべてのデータは質量に基づく。
【実施例】
【0098】
化粧及び/又は皮膚科学的に活性な式(I)のフェノール化合物を含む色安定製剤の製造方法の実施例:
以下の実施例は、本発明によって化粧製剤を安定化するために特に有効な方法を説明する。本発明の種々の方法によって、特に、式(II)の光防護フィルターの本発明の添加によってのみならず金属キレーターの添加によって及び/又はpHを5.5以下の値、好ましくは4.5以下の値に調整することによって、また上記方法を併用しても、化粧及び医薬製剤中の式(I)のフェノール化合物の安定性の改善が果たされる。
【0099】
〔実施例1〕
4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を含有する化粧及び医薬製剤中に組み入れるための色安定性油相の調製(式(IA)の化合物は、色安定化の目的のため、さらに2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI: ベンゾフェノン-3, 式(IIC))を含有する油相(2-エチルヘキシルイソノナノエート; INCI エチルヘキシルイソノナノエート)に予め溶かした):
【0100】
4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン溶液(CARN: 85-27-8; 式(IA)の化合物)を用いた安定性試験により、光(光源:Ultra-Vitalux W300)による刺激について、黄変乃至褐変で表される一定の不安定性を該物質が示すことが分かった。式(II)の油溶性光防護フィルターを添加した油相に予め溶かすことによって式(IA)の化合物の安定性がどの程度増加するかを調べるため、刺激実験を行った。この目的のため、表1に列挙される溶液を調製した。用いた油相は2-エチルヘキシルイソノナノエート(INCI:エチルヘキシルイソノナノエート)だった。4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(式(IA)の量は、この場合油相の量に対して、10質量%〜20質量%だった。色安定化のために添加した光防護フィルター、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI: ベンゾフェノン-3, 式(IIC))の量は、各場合1質量%だった。式(II)の光防護フィルターの添加がどの程度有利かを調べるため、全サンプルを24時間光(光源:Ultra-Vitalux W300)で刺激した。起こるいずれの色の変化も測定するため、刺激の前後にすべてのサンプルをクロマメトリー(chromametry)に供してb*値を決定した。この値は、青-黄色軸のシフトの尺度に相当するので、起こる黄変の直接の指標を与える。この方法で決定した値を同様に表1に示す。
【0101】
【表1】

【0102】
結果:刺激実験が示すように、例えばベンゾフェノン-3(式(IIC))のような式(II)の光防護フィルターの添加によって、フェノール化合物を含有する溶液の変色を有意に軽減することができる。安定化の目的で各場合1質量%の光防護フィルター2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI: ベンゾフェノン-3, 式(IIC))を添加した、10、15又は20質量%の4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を含有する溶液のb*値は10.3及び15.5及び10.6で、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(INCI: ベンゾフェノン-3, 式(IIC))で安定化しなかった対照試料の値(b*値: 34.0)より有意に低かった。従って、結果は、疑いの余地なく、4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を油相に予め溶かし、かつ式(II)の光防護フィルター、例えばベンゾフェノン-3(式(IIC))を添加するという本発明の助けをかりて、式(I)のフェノール化合物の光誘発分解及び随伴黄変乃至褐変を高度に防止できることを示す。
【0103】
〔実施例2〕
0.5質量%の4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を含有する水性-エタノール溶液の色安定性に及ぼすpHの影響:
化粧及び医薬製剤中の4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))の分解及び随伴黄変乃至褐変が、どの程度製剤のpHによっても影響されるかを調べるため、緩衝液を用いて、種々のpH値(pH 4、5、7及び9、表2)に調整した水性/エタノール溶液に4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を溶かすことによって、一連のpH実験を行った。4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))の量は、各場合0.5質量%だった。全サンプルを暗所で28日間室温にて貯蔵した。起こるいずれの色の変化も測定するため、実験の開始時と28日の貯蔵時間後の両方でクロマメトリー判定に供した。b*値は、青-黄色軸のシフトの尺度に相当するので、起こるいずれもの黄変の直接の指標を与える。この方法で決定した値を表2に示す。
【0104】
【表2】

【0105】
結果:一連のpH値実験が示すように、0.5質量%の4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を含有するエタノール/水溶液のpH値を5.5以下の値に調整することによって、特にpH値をpH 4.5以下の値に調整することによって、溶液の変色を有意に軽減できる。特に強い変色は、pH値が9(b*=55.3)とpH 7(b*=19.4)の溶液についてだけ見られ、pH 5(b*=4.6)及びpH 4(b*=2.0)では、より少ないと評価し得るレベルでしか脱色が見られなかった(表2)。従って、結果は、疑いの余地なく、pHを5.5以下の値、好ましくは4.5以下の値に調整するという本発明の方法によって、式(I)のフェノール化合物の分解及び随伴変色を高度に防止できることを示す。
【0106】
〔実施例3〕
0.5質量%の4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を含有するエタノール水溶液の色安定性に及ぼす二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸(INCI:二ナトリウムEDTA)を添加することの効果:
さらに、緩衝液を用いて、9、7、5及び4というpH値に調整した種々のpH値の溶液(実施例2の溶液)に金属キレーターを添加することによって、4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))の安定性がどの程度向上し得るかを調べるため、それぞれ0.15質量%の金属キレーター、二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸(INCI:二ナトリウムEDTA)と混合した。4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))の量は、この場合もやはり各場合0.5質量%だった。サンプルを同様に暗所に室温で28日間貯蔵した。この場合もやはり、起こるいずれの変色も測定するため、全サンプルをb*値のクロマメトリー判定に供した。この値は、青-黄色軸のシフトの尺度に相当するので、起こるいずれもの黄変の直接の指標を与える。この測定を実験の開始と28日の貯蔵期間の終了の両時点で行った。この方法で決定した値を表3に示す。
【0107】
【表3】

【0108】
結果:実施例3で概要を述べた一連の実験が示すように、pH 5.5以下の値、好ましくはpH 4.5以下のpH値に調整した、0.5質量%の4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を含有するエタノール/水溶液に二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸を添加すると、さらに効率的に溶液の変色を防止できるので、特に少ないと評価できるレベルでのみ変色が見られた(表3)。5のpH(二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸を添加しないとb*=4.6)では、二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸の添加によって、b*値をさらに3.6に下げることができた。4のpH(二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸を添加しないとb*=2.0)では、二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸を添加することによって、 b*値をb*=1.5に下げることができた。逆に、9のpH(b*=40.2)及び7のpH(b*=14.8)を有する溶液に伴う特にひどい脱色は、二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸の添加によっても十分には防止できなかった。しかし、結果は、実施例2に従ってpHを5.5以下の値、特に好ましくは4.5以下の値に調整するという本発明の方法と、実施例3に従って二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸を添加するという方法を併用することによって、実施例2(pH値の調整のみ)に比べてさらに高度に式(I)のフェノール化合物の分解と随伴変色を防止できることを明白に示す。
【0109】
〔実施例4:化粧及び医薬製剤の製造〕
4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を含有し、実施例1に従って製剤の色を安定化する目的のため、油相(2-エチルヘキシルイソノナノエート; INCI エチルヘキシルイソノナノエート)に予め溶かした4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を添加し、さらにpHを5.5以下の値に調整し、かつ二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸を添加することによってさらに安定化した、特に色安定性の化粧及び医薬製剤の作製:
化粧及び医薬製剤中の4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))の安定性が、実施例1〜3の方法の併用によってどの程度向上するかを調べるため、4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を直接添加するか又は油相に予め溶かして添加した製剤を作製した。さらに、緩衝液を用いて皮膚生理的に許容しうる5.4というpH値に製剤を調整した。さらに、製剤に金属キレーター二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸を加えた。この場合もやはり4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))の量は各場合0.5質量%だった。製剤を同様に暗所で室温にて28日間貯蔵した。起こるいずれの変色も測定するため、全サンプルをb*値のクロマメトリー判定に供した。この値は、青-黄色軸のシフトの尺度を構成するので、起こるいずれもの黄変の直接の指標を与える。この測定を実験の開始と28日の貯蔵期間の終了の両時点で行った。製剤の正確な組成並びに開示時と貯蔵期間の終了時に、安定性試験の一部として決定したb*値を表4に示す。
【0110】
【表4】

【0111】
結果:
安定性研究が示すように、種々の方法、例えば以下の方法:
−さらに本発明の式(II)の光防護フィルターを含む油相に、式(I)のフェノール化合物を本発明により予め溶かすこと
及び
−さらにpHを5.5以下、好ましくは4.5以下の値に調整すること
及び
−金属キレーター、例えば二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸(INCI:二ナトリウムEDTA)の添加
の併用によって特に首尾よいやり方で化粧及び医薬製剤の脱色を軽減することができる。
ここで、2.5という最も低いb*値、ひいては最も低レベルの変色は、ベンゾフェノン-3を含有する油相中の予溶解形態で4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を製剤に添加し、さらに、二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸を添加し、そのpH値を5.4以下に調整した製剤で達成された(表4:列C:b*=2.5)。有意に高いb*値に基づいて実験的に検証できたように、ベンゾフェノン-3(式(IIC))を含有せず、ベンゾフェノン-3を含有する油相に予め溶かした状態で1-フェニルエチル-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))を添加せず、かつさらに二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸を添加しない製剤は、28日後に相当強い脱色を示した(表4:列A;b*=12.6参照)。従って、結果は、疑いなく、実施例1〜3の方法の併用によって、式(I)のフェノール化合物の分解及び随伴変色をほとんど完全に防止できることを実証する。
【0112】
〔実施例5:色安定性製剤の作製〕
一般式(I)のフェノール化合物を安定化する本発明の方法によって作製した色安定性製剤のさらなる実施例を以下に示す。
表5は、例えば、4-(1-フェニルエチル)-1,3-ジヒドロキシベンゼン(CARN: 85-27-8; 式(IA))又は、例えば、4-ブチルレゾルシノール(CARN: 18979-61-8)のようなジフェノールを含有するさらなる色安定性製剤を例示する。安定性、特に色安定性の向上は、式(II)の光防護フィルターの添加によって、特に、本発明の式(II)の光防護フィルターをさらに含有する油相に予め溶かした状態で一般式(I)のフェノール化合物を添加することによって達成され、さらに、金属キレーターの添加及びpHを5.5以下、好ましくは4.5以下の値に調整することによっても分解及び随伴変色をさらに防止することができる。
【0113】
表5:
例1:UVA/B広帯域防護を有する「水中油」エマルション
例2:UVA/B広帯域防護を有する「水中油」エマルション
例3:UVA/B広帯域防護を有する低油含量のサンスプレー
例4:UVA/UVB防護を有する皮膚ライトニングバルム
例5:UVB/UVA防護を有する皮膚ライトニングエアロゾルフォーム
例6:皮膚ライトニング非エアロゾルフォーム
例7:UVB/UVA防護を有する皮膚ライトニングヘアコンディショナー
例8:皮膚ライトニング保湿クリームO/W
例9:皮膚ライトニングフェイスクリームO/W
【0114】
【表5】
















【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)下記式(I)の1種以上の化合物:
【化1】

(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
及び
b)下記式(II)の1種以上の化合物:
【化2】

(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
を含むか又は前記化合物から成る化粧及び/又は医薬製剤。
【請求項2】
前記式(I)の1種以上の化合物において、
R1、R2、R3、R4及びR5が、相互に独立に水素又はOH基であり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7が、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nが0〜20の整数であり、かつ
R8がメチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記式(I)の1種以上の化合物において、
R1、R2、R3、R4及びR5が、相互に独立に水素、OH基、ハロゲン、メチル又は2、3若しくは4個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、R1、R2、R3、R4及びR5の2つの基が水素であり、かつ2つの基がOH基であり、
R6が水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
R7がメチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
R8がフェニルであり、かつ
nが0である、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
式(I)の化合物として又は式(I)の化合物の1つとして、スチリルレゾルシノール及び/又は4-ブチルレゾルシノールを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項5】
(i)式(I)の化合物としてスチリルレゾルシノール
及び
(ii)式(II)の化合物として2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンを、
5:1の比で含むか又は前記化合物から成る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項6】
前記製剤が、5.5以下、好ましくは4.5以下のpHを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項7】
1種以上の金属キレーターを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項9】
各場合前記製剤の総質量に対して、25質量%〜95質量%、好ましくは40質量%〜90質量%の範囲の水を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項10】
前記製剤の総量に対して、0.05質量%〜12質量%の量の油相を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項11】
O/Wエマルションの形態の、請求項10に記載の製剤。
【請求項12】
1種以上のさらなるUVフィルター及び/又は1種以上のさらなるチロシナーゼインヒビターを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項13】
前記製剤が2以上、好ましくは5以上の日焼け防止指数を有するような総量のUVフィルター及び/又は無機顔料を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項14】
さらなる活性な皮膚ライトニング及び/又は毛髪ライトニング化合物を、好ましくは活性な皮膚ライトニング及び/又は毛髪ライトニング量で含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項15】
皮膚冷却効果を達成するのに十分な量の活性冷却化合物をさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項16】
(a)皮膚及び/又は(b)毛髪のケア及び/又は洗浄のための1種以上の化合物をさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項17】
感覚的に活性な量の1種以上の脱臭物質を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項18】
以下の成分:
a)下記式(I)の1種以上の化合物:
【化3】

(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
及び
b)下記式(II)の1種以上の化合物:
【化4】

(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
及び
c)1種以上の油成分
を含むか又は前記成分から成るプレミックスであって、前記プレミックス中の前記油相の総量が、前記プレミックスの総量に対して、45質量%以上、好ましくは60質量%以上である、前記プレミックス。
【請求項19】
以下の成分:
a)下記式(I)の1種以上の化合物:
【化5】

(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
及び
b)下記式(II)の1種以上の化合物:
【化6】

(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
及び
c)所望により1種以上の油成分
を含むか又は前記成分から成る混合物を調製することによって、前記式(I)の化合物を安定化する方法。
【請求項20】
結果として生じる混合物が、請求項1〜17のいずれか1項に記載の製剤又は請求項18に記載のプレミックスである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
以下の工程:
a) 式(I)の1種以上の化合物を準備する工程、
b) 式(II)の1種以上の化合物と1種以上の油成分を含む混合物を準備する工程(前記油成分の総量は、前記混合物に対して45質量%以上である)、
c) 工程a)の式(I)の1種以上の化合物を工程b)の混合物に溶かす工程、
及び引き続き
d) 工程c)の結果のプレミックスを化粧及び/又は医薬製剤のさらなる成分と混合する工程
を含むか又は前記工程から成る、結果として生じる混合物が請求項1〜17のいずれか1項に記載の製剤である、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
以下の工程:
−請求項1〜17のいずれか1項に記載の製剤を皮膚及び/又は毛髪に適用する工程
を含むか又は前記工程から成る、皮膚及び/又は毛髪を明るくする及び/又はシミを軽減する方法。
【請求項23】
下記式(II)の1種以上の化合物の、
【化7】

(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
前記式(II)の1種以上の化合物と、下記式(I)の1種以上の化合物
【化8】

(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
とを含む混合物を調製するための使用。
【請求項24】
下記式(II)の1種以上の化合物の、
【化9】

(式(II)中、
R9、R10、R11及びR12は、相互に独立に水素、メチル、OH基又は基-O-R13であり、かつ
R13は、メチル又は2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルである)
下記式(I)の1種以上の化合物
【化10】

(式(I)中、
R1、R2、R3、R4及びR5は、相互に独立に水素、ハロゲン、OH基、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、基R1、R2、R3、R4及びR5の1、2又は3つの異なる基が同時にOH基を表し、
R6及びR7は、相互に独立に水素、メチル又は2、3、4若しくは5個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキルであり、
nは0〜20の整数であり、かつ
R8は、メチル又は2若しくは3個のC原子を有する直鎖若しくは分岐アルキル、3、4、5、6若しくは7個のC原子を有するシクロアルキル又はフェニルである)
の長期安定化及び/又は色安定化のための使用。

【公表番号】特表2009−522336(P2009−522336A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549017(P2008−549017)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/050123
【国際公開番号】WO2007/077258
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】