説明

フォークリフト

【課題】ラジエータに流入する風量を増加させることができるフォークリフトを提供する。
【解決手段】前輪の駆動軸となるフロントアクスル1と、後輪の回転軸となるリヤアクスルと、フロントアクスル1の駆動力を発生するエンジン2と、該エンジン2からの動力をフロントアクスル1に伝達させるためのトランスミッション3と、エンジン2の後方に配置されたラジエータ4と、該ラジエータ4の下方に設けられ油圧管の挿通穴が形成された油圧管挿通プレート5と、ラジエータ4の前方に配置され、ラジエータ4にエアを送り込むためのシュラウド付き送風ファン6と、を備えるフォークリフトであって、油圧管挿通プレート5の前面側に、油圧管との干渉を避けるように配置され、エンジン回転時に車体後方へ流れるエアをシュラウド付き送風ファン6に向けて流す整流部材10が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物運搬用のフォークが配備されたフォークリフトに関し、特にラジエータに向かう冷却風の整流に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物運搬用のフォークが配備されたフォークリフトとして、排暖気の再流入を防止でき、ラジエータの冷却効率が高く、かつ組付け容易なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示すフォークリフトは、図5に示すように、送風ファン100、エンジン冷却水を冷却するためのラジエータ101、ラジエータ101の後方に設けられたカウンターウェイト102、及びラジエータ101とカウンターウェイト102との間に設けられたマフラー103を有している。カウンターウェイト102には、送風ファン100によって送風されラジエータ101を通過することによって暖められた排暖気Sを放出するための通気口102aが形成されている。マフラー103にはラジエータ101の下端部から通気口102aの下端部に至る間に配設された整流板104が固定されている。そして、このフォークリフトでは、排暖気の再流入が防止され、ラジエータ101の冷却効率が向上し、かつ組付けが容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−139171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示のフォークリフトでは、送風ファン100の上流側のエアの流れについては配慮されていないため、ラジエータ101を流れるエアの風量が不足し、ラジエータ101の性能が十分に発揮されない可能性があった。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、ラジエータに流入する風量を増加させることができるフォークリフトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決する手段としてなされたものである。
本発明は、前輪の駆動軸となるフロントアクスルと、後輪の回転軸となるリヤアクスルと、前記フロントアクスルの駆動力を発生するエンジンと、該エンジンからの動力を前記フロントアクスルに伝達させるためのトランスミッションと、前記エンジンの後方に配置されたラジエータと、該ラジエータの下方に設けられ油圧管の挿通穴が形成された油圧管挿通プレートと、前記ラジエータにエアを送り込むための送風ファンと、を備えるフォークリフトであって、前記油圧管挿通プレートの前面側に、前記油圧管との干渉を避けるように配置され、エンジン回転時に車体後方へ流れるエアを送風ファンに向けて流す整流部材が設けられていることを特徴とする。
かかる発明では、エンジンとその後方の油圧管挿通プレートとの間に流入したエアを整流部材により送風ファンに向けて積極的に流すことができるので、ラジエータに流入する風量が増加する。この風量の増加によりラジエータの冷却機能が向上する。したがって、夏場の高温下でもエンジンに吸入されるエアの温度を十分に低下させることが可能である。また、例えば、冬場の低温下においてはラジエータの冷却性能が十分であるので、送風ファンの駆動出力を減少させることができ、省エネルギー化を図ることができる。また、ラジエータに流入する風量が増加してラジエータ機能が向上すると、ラジエータの小型化を図ることができる。
【0007】
そして、前記整流部材は、例えば、油圧管挿通プレートの油圧管用の挿通穴の一部を覆うように配置するとよい。
このとき、整流部材によりファンに流入するエアの流れがスムーズになり、送風ファンに積極的にエアを送ることができるので、ラジエータ機能を向上させるのに好適である。勿論、油圧管挿通プレートの前面側に配置される整流部材は、該油圧管挿通プレートの油圧管用の挿通穴の一部だけを覆うので、油圧管との干渉を避けるスペースを十分に確保することができ、設計の自由度が拡がる。
【0008】
そして、前記油圧管挿通プレートは、例えば、車体クロス板と一体部材であり、折曲加工されて形成されていることが好ましい。
このようにすると、油圧管挿通プレートの部分が車体クロス板の補強機能を発揮し、車体クロス板の曲げ、捻り、引っ張り及び挫屈などの強度が増加する。また、車体クロス板との一体品であるため、部品点数や組立て工数を低減させることができ、低廉である。
【0009】
そして、前記油圧管挿通プレートは、例えば、断面コ字状の板材の開口側を対向させて構成してもよい。このようにすると、油圧管挿通プレートには、略矩形状の挿通穴が形成される。
略矩形状の挿通穴であれば、例えば、一対の断面コ字状の板材のうちの片方を覆うように整流部材を片側配備することができる。そして、もう一方の片側に油圧管を挿通することができる。また、一対の板材の対向部分を目安として整流部材を配置することができるので、整流部材の設置作業が容易である。
【0010】
そして、前記油圧管挿通プレートは、例えば、車体フレームと一体形成され、水平面に対して立設されていることが好ましい。
このようにすると、車体フレームと油圧管挿通プレートとを一枚の板材から構成することができ、1回の打抜加工と、1連のプレス折曲加工とにより形成することができ、生産性が高く、コスト的にも有利である。
【0011】
又は、前記整流部材は、ブロック状の部材で構成することもできる。
整流部材をブロック状の部材とすると、機械加工を自由に行うことができるので、板金加工と比べて、整流部材の整流面の形状を自在に決定することができる。特に、整流面を曲面とする場合の設計の自由度が高く、より的確に送風ファンにエアを流すことができる。
【0012】
また、前記ブロック状の部材の前面を傾斜して配置し、該前面を整流面として機能させることができる。
ブロック状の部材の前面には、車体後方へ向けて流れるエアが直接衝突するため、該前面を整流面として用いると、整流作用が他の面と比べて大幅に大きい。
【0013】
また、前記ブロック状の部材は、例えば、断面略多角形の柱状とされ、該ブロック状部材の設置後の該ブロック状部材の車両幅方向両端部に、前記ブロック状部材を保持する固定部を設けるようにしてもよい。
柱状のブロック部材は比較的容易に製作することができ、また、横断面が多角形であるため、油圧管との干渉を避けるように自由に頂角を設定することができる。また、ブロック状の部材の向きも自由に設定することができ、該ブロック状の部材の配設後は固定金具などを用いて固定することができる。
また、前記ブロック状の部材は、軽量化の観点から樹脂製にしてもよい。
【0014】
又は、前記整流部材として、エンジンの下方であって車体の下部に設けられた埃避け機能を有する板状のアンダーカバーを適用することができる。
アンダーカバーは、埃避け機能の他、整流機能を有する。さらに、エンジンの騒音を低減する機能を有する。このアンダーカバーの幅は、車両幅方向においてラジエータ設置側のみを覆う幅であってもよいし、車両幅方向を全体的に覆う幅であってもよい。このアンダーカバーは軽量化の観点から樹脂製であることが好ましい。また、アンダーカバーを通気性部材で構成し、埃の進入を防ぐフィルター機能を発揮させてもよい。また、整流部材として、例えば、車体前方から後方へ向けて上方に傾く小流路が多数形成されたハニカムを用いれば、車体内の後方へ流れるエアはハニカムを通過しない一方、外部の空気はハニカムを通過して車体内に流入する。これにより送風ファンに流入する風量が増加する。
【0015】
また、このアンダーカバーとエンジンの上面側を覆うエンジンカバーとにより風洞を構成するようにしてもよい。
後方へ流れるエアの流れがスムーズになり、送風ファンに、より強い風が吹き込むようになる。
【0016】
また、油圧管挿通プレートの前面側の整流部材とアンダーカバーとは一体成形品であってもよい。例えば、樹脂による射出成形により作製することができる。樹脂製にすると、軽量化や部品点数の低減化を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のフォークリフトでは、ラジエータに流入する風量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明のフォークリフトの第1実施形態を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明の要部である整流部材の周囲構造を示す説明図である。
【図3】図3は、図2の詳細な構造を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明のフォークリフトの第2実施形態を示す説明図である。
【図5】図5は、従来のフォークリフトを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは特に記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本発明のフォークリフトの第1実施形態を示している。この第1実施形態のフォークリフトは、前輪の駆動軸となるフロントアクスル1と、後輪の回転軸となるリヤアクスル(不図示)と、フロントアクスル1の駆動力を発生するエンジン2と、を備えている。また、このフォークリフトは、該エンジン2からの動力をフロントアクスル1に伝達させるためのトランスミッション3と、エンジン2の後方に配置されたラジエータ4と、を備えている。さらに、このフォークリフトは、ラジエータ4の下方に設けられ油圧管(不図示)の挿通穴5a(図2記載)が形成された油圧管挿通プレート5と、ラジエータ4の前方に配置されラジエータ4にエアを送り込むためのシュラウド付き送風ファン6と、を備えている。
【0021】
エンジン2の上方には、トランスミッション3の上方からシュラウド付き送風ファン6の上方に渡ってエンジンカバー7が設けられている。このエンジンカバー7の後端部の近傍に配置されているラジエータ4の後方には、マフラー8やカウンターウェイト9などが設けられている。すなわち、本実施形態のフォークリフトは、カウンターバランス式フォークリフトである。カウンターウェイト9を設けているのは、フォークリフト前面側のフォークに荷物を載せるとフォークリフト前部が重くなるからである。すなわち、フォークリフトの前輪と後輪とにバランス良く荷重が加わるようにするためである。このカウンターウェイト9には通気口9aが形成され、この通気口9aを介してラジエータ4から送風されたエアが外部へ流出する。
【0022】
そして、本実施形態のフォークリフトには、油圧管挿通プレート5の前面側に、油圧管との干渉を避けるように板状の整流部材10が設けられている。この整流部材10は、エンジン回転時に車体後方へ流れるエアをシュラウド付き送風ファン6に向けて流す機能を有する。
この整流部材10の存在により、本実施形態では、エンジン2とその後方の油圧管挿通プレート5との間に流入したエアを整流部材10によりシュラウド付き送風ファン6に向けて積極的に流すことができるので、ラジエータ4に流入する風量が増加する。この風量の増加によりラジエータ4の冷却機能が向上する。したがって、夏場の高温下でもエンジンに吸入されるエアの温度を十分に低下させることが可能である。また、例えば、冬場の低温下においてはラジエータ4の冷却性能が十分であるので、シュラウド付き送風ファン6の駆動出力を減少させることができ、省エネルギー化を図ることができる。また、ラジエータ4に流入する風量が増加してラジエータ機能が向上すると、ラジエータ4の小型化を図ることができる。
【0023】
図2は、本実施形態の要部である整流部材10及びその周囲の構造を示している。図に示すように、シュラウド付き送風ファン6のシュラウド6aは略矩形枠形状をしており、この枠内に送風ファンが配置される。
【0024】
そして、シュラウド付き送風ファン6の直下には、ファンに向かって傾斜する面を持った整流部材10が設けられている。整流部材10により、送風ファン6に流入するエアの流れがスムーズになり、送風ファン6に積極的にエアを送ることができるので、ラジエータ機能が向上する。
また、整流部材10は、車体クロス板12上に金具を用いて固定されている。整流部材10はファンに向かって傾斜する面を持った板材であり、その長手方向の両端部の底面側が固定金具及び締結部材を用いて固定されている。例えば、整流部材10の板厚と同程度の段差を有するクランク状の板材と、ボルト・ナットとを用いて整流部材10を固定することができる。
【0025】
本実施形態の油圧管挿通プレート5は、車体クロス板12と一体部材であり、折曲加工されて形成されている。このようにすると、油圧管挿通プレート5の部分が車体クロス板の補強機能を発揮し、車体クロス板12の曲げ、捻り、引っ張り及び挫屈などの強度が増加する。また、車体クロス板12との一体品であるため、部品点数や組立て工数を低減させることができ、低廉である。
油圧管挿通プレート5は、より具体的には、断面コ字状の板材の開口側を対向させて構成されており、その結果、該油圧管挿通プレート5には、略矩形状の挿通穴5aが形成されている。そして、一対の断面コ字状の板材のうちの片方を覆うように整流部材10が片側配備されている。そして、もう一方の片側には不図示の油圧管が挿通されている。一対の板材の対向部分を目安として整流部材10を配置することができるので、整流部材10の設置作業が容易である。
【0026】
前述したように、水平面に対して立設する油圧管挿通プレート5は、車体クロス板12と一体形成されているが、その他の車体フレームと一体形成されていてもよい。車体フレームと油圧管挿通プレート5とを一枚の板材から構成すると、1回の打抜加工と、1連のプレス折曲加工とにより、車体フレームと油圧管挿通プレート5とを一枚の板材により形成することができ、生産性が高く、コスト的にも有利である。
【0027】
なお、上述した第1実施形態では、整流部材10としてファンに向かって傾斜する面を持った板材を用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、図3に示すように、整流部材10は、ブロック状の部材であってもよい。
整流部材10をブロック状の部材とすると、機械加工を自由に行うことができるので、板金加工と比べて、整流部材10の整流面の形状を自在に決定することができる。特に、整流面を3次元曲面とする場合の自由度が高く、より的確にシュラウド付き送風ファン6にエアを流すことができる。また整流部材10の前面が傾斜して配置され、該前面が整流面として機能する。整流部材10の前面には、車体後方へ向けて流れるエアが直接衝突するため、該前面を整流面として用いると、整流作用が他の面と比べて大幅に大きい。
【0028】
また、整流部材10は、断面略5角形の柱状であり、該整流部材10の設置後の整流部材10の車両幅方向両端部に、整流部材10を保持する固定金具13が設けられている。柱状のブロック部材は比較的容易に製作することができ、また、横断面が多角形であるため、油圧管との干渉を避けるように自由に頂角を設定することができる。また、整流部材10の向きも自由に設定することができる。また、軽量化の観点からブロック状の整流部材10を樹脂製とすることが好ましい。なお、図3はガソリン用エンジンを搭載したフォークリフトに好ましく適用される。勿論、整流部材10を中空状に形成したり、一面を開口面として薄板容器状に形成したりしてもよい。こうすれば、さらに軽量化が図られ、材料費も低減される。一面を開口面とする場合は、エアが吹き込まないように開口面が後面側にくるように整流部材10を配置するとよい。
【0029】
(第2実施形態)
図4は、本発明のフォークリフトの第2実施形態を示している。この第2実施形態のフォークリフトは、第1実施形態のフォークリフトと比べて、車体の下面側に板状のアンダーカバー14が設けられている点で異なる。
整流部材であるアンダーカバー14は、整流機能の他、埃避け機能を発揮する。さらに、エンジンの騒音を低減する機能をも発揮する。このアンダーカバー14の幅は、車両幅方向においてラジエータ設置側のみを覆う幅であってもよいし、車両幅方向を全体的に覆う幅であってもよい。ただし、このアンダーカバー14とエンジン2の上面側を覆うエンジンカバー7とにより風洞が形成されるため、車両幅方向を全体的に覆った方が後方へ流れるエアの流れがスムーズになり、シュラウド付き送風ファン6に、より強い風が吹き込むことになる。
【0030】
このアンダーカバー14は金属製にすることができる他、軽量化の観点から樹脂製にしてもよい。また、アンダーカバー14を通気性部材で構成し、埃の進入を防ぐフィルター機能を発揮させてもよい。ただし、通気性があると、風洞の効果は低下する。
また、例えば、整流部材10として車体前方から後方へ向けて上方に傾く小流路が多数形成されたハニカムを用いることができる。車体内の後方へ流れるエアはハニカムを通過しない一方、外部の空気はハニカムを通過して車体内に流入することができる。これにより送風ファンに流入する風量が増加する。ハニカムの筒内にフィルタを挿入すれば、埃避け機能をも発揮させることができる。
【0031】
なお、上述した第2実施形態では、整流部材10と、整流部材としてのアンダーカバー14とを別体とした例について説明したが、一体成形品としてもよい。例えば、樹脂による射出成形により作製することができる。樹脂製にすると、軽量化や部品点数の低減化を図ることができる。一体成型品は、例えば、平板の後端側がカールしたような単純形状であってもよい。このカール部分が整流機能を発揮するからである。
【0032】
以上、本発明を説明してきたが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明のフォークリフトでは、エンジンとその後方の油圧管挿通プレートとの間に流入したエアを整流部材により送風ファンに向けて積極的に流すことができるので、ラジエータへ流入する風量を増加させることができる。本発明は、ラジエータ、油圧管挿通プレート及び送風ファンを備える前輪駆動のフォークリフト全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 フロントアクスル
2 エンジン
3 トランスミッション
4 ラジエータ
5 油圧管挿通プレート
5a 挿通穴
6 シュラウド付き送風ファン
6a シュラウド
7 エンジンカバー
8 マフラー
9 カウンターウェイト
9a 通気口
10 整流部材
12 車体クロス板
13 固定金具
14 アンダーカバー
100 送風ファン
101 ラジエータ
102 カウンターウェイト
102a 通気口
103 マフラー
104 整流板
S 排暖気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪の駆動軸となるフロントアクスルと、
後輪の回転軸となるリヤアクスルと、
前記フロントアクスルの駆動力を発生するエンジンと、
該エンジンからの動力を前記フロントアクスルに伝達させるためのトランスミッションと、
前記エンジンの後方に配置されたラジエータと、
該ラジエータの下方に設けられ油圧管の挿通穴が形成された油圧管挿通プレートと、
前記ラジエータの前方に配置され、前記ラジエータにエアを送り込むための送風ファンと、
を備えるフォークリフトであって、
前記油圧管挿通プレートの前面側に、前記油圧管との干渉を避けるように配置され、エンジン回転時に車体後方へ流れるエアを送風ファンに向けて流す整流部材が設けられていることを特徴とするフォークリフト。
【請求項2】
前記整流部材は前記油圧管挿通プレートの前記油圧管用の挿通穴の一部を覆うことを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項3】
前記油圧管挿通プレートは、車体クロス板と一体部材であり、折曲加工されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項4】
前記油圧管挿通プレートは、断面コ字状の板材の開口側を対向させて構成され、該油圧管挿通プレートには、略矩形状の前記挿通穴が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項5】
前記整流部材は、一対の断面コ字状の板材のうちの片方を覆うように片側配備されていることを特徴とする請求項4に記載のフォークリフト。
【請求項6】
前記油圧管挿通プレートは、車体フレームと一体形成され、水平面に対して立設されていることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項7】
前記整流部材は、ブロック状の部材であることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項8】
前記ブロック状の部材の前面が傾斜して配置され、該前面が整流面として機能することを特徴とする請求項7に記載のフォークリフト。
【請求項9】
前記ブロック状の部材は、断面略多角形の柱状であり、該ブロック状の部材の設置後の該ブロック状の部材の車両幅方向両端部に、前記ブロック状の部材を保持する固定部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載のフォークリフト。
【請求項10】
前記整流部材は、前記エンジンの下方であって車体の下部に設けられた埃避け機能を有する板状のアンダーカバーであることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項11】
前記アンダーカバーの幅は、車両幅方向においてラジエータ設置側のみを覆う幅であることを特徴とする請求項10に記載のフォークリフト。
【請求項12】
前記アンダーカバーの幅は、車両幅方向を全体的に覆う幅であることを特徴とする請求項10に記載のフォークリフト。
【請求項13】
前記アンダーカバーは、通気性部材で構成され、埃の進入を防ぐフィルター機能を有していることを特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれかに記載のフォークリフト。
【請求項14】
前記アンダーカバーと、前記エンジンの上面側を覆うエンジンカバーとにより風洞が形成されていることを特徴とする請求項10ないし請求項13のいずれかに記載のフォークリフト。
【請求項15】
請求項1、請求項2、請求項7又は請求項8に記載の整流部材と、請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の整流部材とが一体形成されていることを特徴とするフォークリフト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−221938(P2010−221938A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73786(P2009−73786)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】