説明

フラビウイルス科ウイルス感染の治療のための化合物

本発明は、一般式(I)−(V)のヌクレオシド又はN-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグを使用して、動物、特にヒトを含む宿主におけるフラビウイルス科ウイルス感染、例えばウシウイルス性下痢ウイルス(「BVDV」)、デングウイルス(DENV)、西ナイルウイルス(WNV)及びC型肝炎ウイルス(HCV)、並びに異常細胞増殖を治療するための組成物と方法である。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(関連出願とのクロスリファレンス)
この出願は2003年3月28日に出願した米国仮出願第60/458635号に対して優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、フラビウイルス科ウイルス感染、例えばウシウイルス性下痢ウイルス(「BVDV」)、デングウイルス(DENV)、西ナイルウイルス(WNV)及びC型肝炎ウイルス(HCV)、並びに異常細胞増殖を治療するための組成物と方法を含む。
【0003】
(発明の背景)
フラビウイルス科ウイルス(Flaviviridae)
フラビウイルス科ウイルスは少なくとも3種の相異なる属を含む:ウシ及びブタに疾患を引き起こすペスチウイルス属(pestiviruses);デング熱及び黄熱病のような疾患の主要原因であるフラビウイルス属(flaviviruses);及びHCVが唯一のメンバーであるヘパシウイルス属(hepaciviruses)である。フラビウイルス属には、血清学的関連性を基にしてグループ分けされた68を越えるメンバーが含まれる(Calisher等, J. Gen. Virol, 1993, 70, 37-43)。臨床的徴候は様々であり、発熱、脳炎及び出血熱を含む(Fields Virology, Editors: Fields, B. N. , Knipe, D. M. ,及びHowley, P. M. , Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, PA, 1996, Chapter 31,931-959)。ヒトの疾患に関連している世界的に懸念があるフラビウイルス属には、デング出血熱ウイルス(DHF)、黄熱病ウイルス、ショック症候群及び西ナイルウイルスが含まれる(Halstead, S. B., Rev. Infect.Dis., 1984,6, 251-264; Halstead, S. B., Science, 239: 476-481,1988 ; Monath, T. P., NewEng J. Med., 1988,319, 641-643)。
【0004】
ペスチウイルス属にはウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、ブタコレラウイルス(雄豚コレラウイルスとの呼ばれる)及びヒツジのボーダー病ウイルス(BDV)(Moennig, V.等 Adv. Vir. Res. 1992, 41, 53-98)。家畜(ウシ、ブタ及びヒツジ)のペスチウイルス属ウイルス感染は大きな経済的損失を世界的に引き起こす。BVDVはウシに粘膜疾患を引き起こし、家畜業にとって経済的に重大である(Meyers, G.及びThiel, H.-J., Advances in Virus Research, 1996, 47, 53-118; Moennig V.等, Adv. Vir. Res. 1992, 41, 53-98)。ヒトのペスチウイルスは動物のペスチウイルスとしては大々的には特徴付けされていない。しかし、血清学的調査はヒトにおけるかなりのペスチウイル暴露を示している。
【0005】
ペスチウイルス属及びヘパシウイルス属ウイルスはフラビウイルス科内で密接に関連したウイルス群である。この科における他の密接に関連したウイルスには、GBウイルスA、GBウイルスA様剤、GBウイルス-B及びGBウイルス-C(G型肝炎ウイルス、HGVとも呼ばれる)。ヘパシウイルス属ウイルス群(C型肝炎ウイルス;HCV)はヒトに感染する多くの密接に関連しているが遺伝子型は区別されるウイルスからなる。およそ6のHCV遺伝子型と50を越えるサブタイプが存在する。HCVは世界的に肝炎の主要な原因である。殆どのHCV感染は持続性であり、症例の約75%は慢性の肝疾患に進行する。慢性HCV感染は肝硬変、肝細胞癌及び肝不全の進行に至りうる。ペスチウイルス属とヘパシウイルス属の間の類似性のため、細胞培養でヘパシウイルス属が効率的に増殖する能力に乏しいことに相俟って、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)がしばしばHCVウイルスを研究するための代用として使用される。
【0006】
ペスチウイルス属及びヘパシウイルス属ウイルスの遺伝子的組織は非常に類似している。これらの正方向鎖RNAウイルスはウイルス複製に必要な全てのウイルスタンパク質をコードする単一の大きなオープンリーディングフレーム(ORF)を有している。これらのタンパク質は成熟ウイルスタンパク質を生じるために細胞性及びウイルスコードプロテイナーゼの双方によって翻訳と同時に及び翻訳後にプロセシングを受けるポリタンパク質として発現される。ウイルスゲノムRNAの複製の原因であるウイルスタンパク質はORFのカルボキシ末端のおよそ2/3内に位置しており、非構造(NS)タンパク質と呼ばれる。ペスチウイルス属及びヘパシウイルス属ウイルスの遺伝子的組織及びORFの非構造タンパク質部分のポリタンパク質プロセシングは非常に類似している。ペスチウイルス属及びヘパシウイルス属ウイルスの双方に対して、成熟非構造(NS)タンパク質は、非構造タンパク質コード領域のアミノ末端からORFのカルボキシ末端への逐次的順序で、p7、NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5A、及びNS5Bからなる。
【0007】
ペスチウイルス属及びヘパシウイルス属ウイルスのNSタンパク質は特定のタンパク質機能に特徴的である配列ドメインを共有している。例えば、双方の群のウイルスのNS3タンパク質はセリンプロテイナーゼ及びヘリカーゼに特徴的なアミノ酸配列モチーフを有している(Gorbalenya等(1988) Nature 333: 22; Bazan及びFletterick (1989) Virology 171: 637-639;Gorbalenya等(1989) Nucleic Acid Res. 17.3889-3897)。同様に、ペスチウイルス属及びヘパシウイルス属ウイルスのNS5Bタンパク質はRNA特異的RNAポリメラーゼの特徴であるモチーフを持っている(Koonin, E. V.及びDolja, V. V. (1993) Crit. Rev. Biochem. Molec. Biol. 28: 375-430)。
【0008】
更に、ウイルスの生活環におけるペスチウイルス属及びヘパシウイルス属ウイルスのNSタンパク質の実際の役割と機能は直接的に類似している。双方の場合、NS3セリンプロテイナーゼがORF中のその位置の下流のポリタンパク質前駆体の全てのタンパク質分解プロセシングの原因である(Wiskerchen及びCollett (1991) Virology 184: 341-350; Bartenschlager等 (1993) J. Virol. 67: 3835-3844; Eckart等(1993) Biochem. Biophys. Res. Comm. 192: 399-406; Grakoui等(1993) J. Virol. 67: 2832-2843; Grakoui等(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10583-10587; Hijikata等(1993) J. Virol. 67: 4665-4675; Tome等(1993) J. Virol. 67:4017-4026)。双方の場合、NS4Aタンパク質はNS3セリンプロテアーゼと共にコファクターとして作用する(Bartenschlager等(1994) J. Virol. 68: 5045-5055; Failla等(1994) J. Virol. 68: 3753-3760; Lin等(1994) 68: 8147-8157; Xu等(1997) J. Virol. 71: 5312-5322)。両方のウイルスのNS3タンパク質はまたヘキcアーゼとして機能する(Kim等(1995) Biochem. Biophys. Res. Comm. 215: 160-166; Jin及びPeterson (1995) Arch. Biochem. Biophys. 323: 47-53; Warrener及びCollett (1995) J. Virol. 69: 1720-1726)。最後に、ペスチウイルス属及びヘパシウイルス属ウイルスのNS5Bタンパク質は予想されたRNA-特異的RNAポリメラーゼ活性を有している(Behrens等(1996) EMBO J. 15: 12-22; Lachmannet等(1997) J. Virol. 71: 8416-8428; Yuan等(1997) Biochem. Biophys. Res. Comm. 232: 231-235;Hagedom, 国際公開第97/12033号; Zhong等(1998) J. Virol. 72.9365-9369)。
【0009】
インターフェロン(IFNs)は、ほぼ10年間にわたって慢性肝炎の治療に商業的に利用されている化合物である。IFNsはウイルス感染に応答して免疫細胞によって産生される糖タンパク質である。IFNsは、HCVを含む多くのウイルスのウイルス複製を阻害し、C型肝炎感染の単独治療として使用する場合、IFNが血清HCV-RNAを検出できないレベルまで抑制する。また、IFNは血清アミノトランスフェラーゼレベルを正常化する。不幸にも、IFNの効果は一時的であり、持続性の応答はHCVに慢性的に感染した患者の8%−9%のみで生じる(Gary L. Davis. Gastroenterology 118 :S104-SI 14, 2000)。
【0010】
多くの特許がインターフェロンベースの治療法を使用するHCV治療法を開示している。例えば、Blatt等の米国特許第5980884号は、コンセンサスインターフェロンを使用して、HCVに冒された患者の再治療法を開示している。Bazer等の米国特許第5942223号はヒツジ又はウシインターフェロン-τを使用する抗HCV療法を開示している。Alber等の米国特許第5928636号はHCVを含む感染性疾患の治療のためのインターロイキン-12及びインターフェロンαの併用療法を開示している。Glue等の米国特許第5908621号はHCVの治療のためのポリエチレングリコール変性インターフェロンの使用を開示している。Chretien等の米国特許第5849696号はHCVを治療するための単独又はインターフェロンとの併用でのサイモシンの使用を開示している。Valtuena等の米国特許第5830455号はインターフェロンとフリーラジカルスカベンジャーを用いる併用HCV療法を開示している。Imakawaの米国特許第5738845号はHCVを治療するためのヒトインターフェロンτタンパク質の使用を開示している。HCVの他のインターフェロンベースの治療法はTesta等の米国特許第5676942号、Blatt等の米国特許第5372808号及び米国特許第5849696号に開示されている。
【0011】
リバビリン(l-β-D-リボフラノシル-1-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド)は合成の非インターフェロン誘導性広域スペクトル抗ウイルスヌクレオシド類似体である。これは、商品名ビラゾール(Virazole)TM(The Merck Index,11版,Budavari, S.編, Merck & Co. , Inc. , Rahway, NJ,pi 304, 1989); レベトール(Rebetol)(Schering Plough)及びCo-Pegasus (Roche)で販売されている。米国特許第3798209号及び再発行特許第29835号(ICN Pharmaceuticals)はリバビリンを開示しクレームしている。リバビリンはグアノシンに構造的に類似し、フラビウイルス科を含む幾つかのDNA及びRNAウイルスに対してインビトロ活性を有している(Gary L. Davis.Gastroenterology118 :S104-S114, 2000)。米国特許第4211771号(ICN Pharmaceuticals名義)は抗ウイルス剤としてのリバビリンの使用を開示している。リバビリンは40%の患者において血清アミノトランスフェラーゼレベルを正常値まで低減させるが、HCV-RNAの血清レベルは低下させない(Gary L. Davis. Gastroenterology 118 :S104-S114, 2000)。よって、リバビリン単独ではウイルスRNAレベルを低減するのに効果がない。また、リバビリンはかなりの毒性を持っており、貧血を誘導することが知られている。
【0012】
シェリングプラウはHCVの患者への投与用にレベトール(Rebetol)(登録商標)カプセル(200mg)としてリバビリンを販売している。米国FDAは、シェリングのαインターフェロン-2b製品イントロン(Intron)(登録商標)A及びPEG-イントロンTMとの併用で慢性HCV感染を治療するためのレベトールカプセルを承認した。レベトールカプセルは単一治療法(つまりイントロン(登録商標)A又はPEG-イントロンと独立に投与)には承認されていないが、但しイントロンA及びPEG-イントロンは単一療法(つまり、リバビリンなしの投与)では承認されている。ホフマンラロシュはまたHCVの治療のためにインターフェロンとの併用使用のために欧州と米国でCo-Pegasusの名でリバビリンを販売している。他のαインターフェロン製品には、ロフェロン-A(Roferon-A)(ホフマンラロシュ)、Infergen(登録商標)(Intermune、前のアムジェンの製品)、及びWellferon(登録商標)(ウェルカムファンデーション)がHCV単一治療に対して現在FDAにより承認されている。HCVのために現在開発中のインターフェロン製品には:ロシェのロフェロン-A(Roferon-A)(インターフェロンα-2a)、ロシェのPEGASYS(ペグ化インターフェロンα-2a)、InterMuneのINFERGEN(インターフェロン・アルファコン-1)、ViragenのOMNIFERON(天然インターフェロン)、ヒューマン・ゲノム・サイエンスのALBUFERON、Ares-SeronoのREBIF(インターフェロンβ-1a)、バイオメディスンのオメガインターフェロン、アマリロ(Amarillo)バイオサイエンスの経口インターフェロン・アルファ、及びInterMuneのインターフェロンγ-1bが含まれる。
【0013】
HCV感染の治療のためのIFNとリバビリンの併用はIFN投与を受けたことのない患者の治療には効果的であることが報告されている(Battaglia, A. M.等, Ann. Pharmacother. 34: 487-494,2000)。併用治療は肝炎が進行する前と組織学的疾患が存在している場合の両方で効果的である(Berenguer, M.等 Antivir. Ther. 3(Suppl. 3): 125-136,1998)。現在、HCVの最も効果的な治療法はリバビリンとペグ化インターフェロンの併用療法である(2002 NIH Consensus Development Conference on the Management of Hepatitis C)。しかしながら、併用療法の副作用が顕著なことがあり、溶血、インフルエンザ様徴候、貧血、及び疲労が含まれる(Gary L. Davis. Gastroenterology 118 :S104-S114, 2000)。
【0014】
C型肝炎ウイルスの治療のための現在臨床段階の他の化合物には、シェリングプラウのインターロイキン-10、インターニューロンのIP-501、ヴェルテックスのMerimebodib VX-497、Endo Labs SolvayのAMANTADINE(Symmetrel)、RPIのHEPTAZYME、Idun Pharma.のIDN-6556、XTLのXTL-002、ChironのHCV/MF59、NABIのCIVACIR、ICNのLEVOVIRIN、ICNのVIRAMIDINE、Sci CloneのZADAXIN (サイモシンα-1)、MaximのCEPLENE(ヒスタミン・二塩酸塩)、ヴェルテックス/イーライリリーのVX950/LY570310、Isis Pharmaceutical/ElanのISIS14803、Idun Pharmaceuticals, Inc.のIDN−6556及びAKROS PharmaのJTK003が含まれる。
【0015】
Idenix Pharmaceuticals社は、米国特許公開番号2003/0050229A1及び米国特許公開番号2003/0060400A1で、国際公開番号WO01/90121及びWO01/92282に対応するものにおいて、分枝ヌクレオシドと、HCV及びフラビウイルス及びペスチウイルスの治療でのその使用を開示している。ヒト及び他の宿主動物におけるC型肝炎感染(及びフラビウイルス及びペスチウイルス属)の治療方法は、場合によっては薬学的に許容可能な担体に入れた、単独か又は併用の何れかで投与される有効量の生物学的活性な1',2',3'又は4'-分枝β-D又はβ-Lヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグを投与することを含むIdenix公報に開示されている。またWO03/026589及びWO03/026675を参照のこと。Idenix Pharmaceuticals社はまた薬学的に許容可能な分枝ヌクレオシドプロドラッグ及びプロドラッグでのHCV及びフラビウイルス及びペスチウイルスの治療におけるその使用を開示している。PCT公報番号WO04/002422、WO04/002999、及びWO04/003000を参照のこと。
【0016】
エモリー大学及びジョージア大学リサーチファンデーション社(UGARF)は、米国特許第6348587号においてHCVの治療のための2-フルオロヌクレオシドの使用を開示している。また国際特許公開WO99/43691を参照のこと。
バイオケム・ファーマ社(現在のシャイア・バイオケム社)は、国際公開番号WO01/32153(PCT/CA00/01316;2000年11月3日出願)においてフラビウイルス科ウイルス感染の治療のための様々な1,3-ジオキソランヌクレオシドの使用を開示している。.
バイオケム・ファーマ・インク(現在のシャイア・バイオケム社)は、国際公開番号WO01/60315(PCT/CA01/00197;2001年2月19日出願)フラビウイルス科ウイルス感染の治療のための様々な他の2'-ハロ、2'-ヒドロキシ及び2'-アルコキシヌクレオシドの使用をまた開示している。.
【0017】
ICNファーマシューティカルズ社は、米国特許番号6495677及び6573248において免疫応答を調節するのに有用な様々なヌクレオシド類似体を開示している。またWO98/16184、WO01/68663、及びWO02/03997を参照のこと。
FホフマンラロシュAGによって出願された米国特許出願公開第2003/083307A1及び米国特許出願公開2003/008841A1、及び対応する国際特許公開番号WO02/18404(PCT/EP01/09633;2001年8月21日公開);WO02/100415及びWO02/094289はHCV RNA複製の治療のための様々なヌクレオシド類似体を開示している。
【0018】
ファーマセット社は、WO02/32920、WO01/79246、WO02/48165、WO03/068162、WO03/068164及び2004/013298においてフラビウイルス科を含む様々なウイルス、特にHCVの治療のための様々なヌクレオシド及び代謝拮抗物質を開示している。
メルク社とIsis Pharmaceuticals社は米国特許公開番号2002/0147160及び対応する国際特許公開番号WO02/057425(PCT/US02/01531;2002年1月18日出願)及びWO02/057287(PCT/US02/03086;2002年1月18日出願)において、フラビウイルス科を含む、複製がRNA依存性RNAポリメラーゼに依存するウイルス、特にHCVの治療のための様々なヌクレオシド、特に幾つかのピロロピリミジンヌクレオシドを開示している。またWO2004/003138、WO2004/007512、及びWO2004/009020を参照のこと。
Ribapharmによって出願された米国特許公開第2003/028013A1並びに国際特許公開番号WO03/051899、WO03/061576、WO03/062255、WO03/062256、WO03/062257、及びWO 03/061385はまたC型肝炎ウイルスを治療するためのある種のヌクレオシド類似体の使用に関している。
【0019】
異常細胞増殖
細胞の分化、成長、機能及び死亡は多細胞生物において分子レベルのメカニズムの複合ネットワークによって調節される。健康な動物又はヒトでは、これらのメカニズムによって細胞がその設計された機能を実施し、ついでプログラムされた速度で死亡させることが可能である。
異常細胞増殖、特に過増殖は、遺伝子突然変異、感染、毒素への暴露、自己免疫疾患、及び良性又は悪性腫瘍誘導を含む非常に様々な因子の結果として起こりうる。
【0020】
細胞過増殖を伴う多くの皮膚疾患が存在する。例えば、乾癬は厚い鱗屑に被覆されたプラークを一般的に特徴とするヒトの皮膚の良性疾患である。該疾患は未知の原因の表皮細胞の増殖増加によって引き起こされる。正常な皮膚では、細胞が基底層から上方の顆粒層に移動するのに必要な時間は約5週間である。乾癬では、一部には増殖細胞数の増加と分化している細胞集団の増加のために、この時間は6から9日のみである(G. Grove, Int. J. Dermatol. 18:111, 1979)。米国の人口のおよそ2%が乾癬に罹っており、約3%の白人アメリカ人、約1%のアフリカ系アメリカ人で先住アメリカ人では希である。慢性湿疹にはまた表皮の顕著な過増殖が伴う。皮膚細胞の過増殖によって引き起こされる他の疾患にはアトピー性皮膚炎、扁平苔癬、疣、尋常性天疱瘡、光線性角化症、基底細胞癌及び扁平上皮癌が含まれる。
【0021】
他の過増殖細胞疾患には血管増殖疾患、線維性疾患、自己免疫疾患、移植片対宿主拒絶反応、腫瘍及び癌が含まれる。
血管増殖疾患には、血管形成及び脈管形成疾患が含まれる。血管組織のプラークの発生過程での平滑筋細胞の増殖は例えば再狭窄、網膜症及びアテローム性動脈硬化症を引き起こす。アテローム性動脈硬化症の進行した病巣は動脈壁の内皮細胞及び平滑筋に対する傷への過剰な炎症-増殖から生じる(Ross,R. Nature, 1993,362: 801-809)。細胞遊走と細胞増殖の双方がアテローム性動脈硬化病巣の形成に役割を果たす。
【0022】
線維性疾患は細胞外マトリックスの異常形成によることがしばしばある。線維性疾患の例には肝硬変及びメサンギウム増殖細胞疾患が含まれる。肝硬変は肝臓の傷の形成を生じる細胞外マトリックス成分の増加によって特徴付けられる。肝硬変は肝臓の硬変のような疾患を引き起こしうる。肝臓の傷を生じる細胞外マトリックスの増加は肝炎のようなウイルス感染によってまた引き起こされうる。脂肪細胞は肝硬変において主要な役割を担っていると思われる。
【0023】
メサンギウム疾患はメサンギウム細胞の異常増殖によってもたらされる。メサンギウム過増殖細胞疾患には、様々なヒト腎臓疾患、例えば糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症候群、移植拒絶、及び糸球体症が含まれる。
増殖性要素を持つ他の疾患は関節リウマチである。関節リウマチは一般に自己反応性T細胞に関連していると思われる自己免疫疾患(例えばHarris, E. D. , Jr. , The New England Journal of Medicine, 1990,322 : 1277-1289を参照)で、コラーゲンとIgEに対して産生される自己抗体によって引き起こされると考えられる。
異常細胞増殖要素を含みうる他の疾患には、ベーチェット症候群、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、虚血性心疾患、透析後症候群(post-dialysis syndrome)、白血病、後天性免疫不全症候群、血管炎、脂質組織球増殖症、敗血症ショック及び炎症一般が含まれる。
【0024】
新生物とも呼ばれる腫瘍は、細胞の増殖が制御されないで進行性である新しい組織成長である。良性の腫瘍は、浸潤及び転移の性質を欠くものであり、通常は線維性嚢によって囲まれている。悪性腫瘍(すなわち、癌)は浸潤と転移の双方が可能なものである。悪性腫瘍はまた良性腫瘍よりも大きな度合いの退行形成を示す(つまり、細胞分化、互いに対する、及びその軸方向フレームワークに対するその配向の喪失)。
およそ120万人のアメリカ人が毎年癌であると診断され、そのうち8000人が子供である。また、米国だけで毎年50万人のアメリカ人が癌で死亡する。前立腺及び肺癌が男性の主な死亡原因であり、乳癌と肺癌が女性の主な死亡原因である。癌関連のコストが米国での疾患治療に費やされる全費用の約10%を占める(CNN. Cancer. Facts: http://www.cnn.com/HEALTH/9511/conquer cancer/facts/index. html, page 2 of 2, July 18,1999を参照)。
【0025】
増殖性疾患は、現在、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然物質、酵素、生物学的応答変更因子、種々の薬剤、放射性医薬品(例えばホルモン又は抗体にY-90タグが付けられたもの)、ホルモン及びアンタゴニストを含む様々な部類の化合物によって治療されている。
癌を含む異常増殖細胞に対する治療法に伴う毒性は、部分的には、罹患細胞対正常細胞に対する薬剤の選択性の欠如による。
この制約を克服するために、増殖性疾患の治療のための薬剤の特異性を増大させ、よってその毒性を低減する治療上の方策が探求されている。激しく探求されている一つのそのような方策は薬物ターゲティングである。
癌を含むフラビウイルス科ウイルス感染及び/又は異常に増殖する細胞に関連するこれらの疾患の深刻度と、ヒトを含む動物におけるその広播性に鑑みると、HCVのようなフラビウイルス属、ペスチウイルス属又はヘパシウイルス属を含むフラビウイルス科ウイルスに感染した、動物、特にヒトを含む宿主の治療のための化合物、方法及び組成物を提供する必要性が存在する。
【0026】
フラビウイルス科ウイルスに感染した動物、特にヒトを含む宿主の治療のための化合物、方法及び組成物を提供することが本発明の特定の目的である。
C型肝炎(HCV)に感染した動物、特にヒトを含む宿主の治療のための化合物、方法及び組成物を提供することが本発明の更なる目的である。
異常細胞増殖の動物、特にヒトを含む宿主の治療のための化合物、方法及び組成物を提供することが本発明の他の目的である。
悪性腫瘍の動物、特にヒトを含む宿主の治療のための化合物、方法及び組成物を提供することが本発明の他の目的である。
【0027】
(発明の概要)
本発明は、HCVのように、フラビウイルス、ペスチウイルス又はヘパシウイルスを含むフラビウイルス科ウイルスに感染した宿主の治療のための、式(I)−(V)のβ-D又はβ-Lヌクレオシド又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを提供する。あるいは、β-D又はβ-Lヌクレオシド(I)−(V)又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグは異常細胞増殖の治療に使用することができる。
本発明はまたHCVのように、フラビウイルス、ペスチウイルス又はヘパシウイルスを含むフラビウイルス科ウイルスに感染した宿主の治療のための、抗ウイルス又は抗増殖活性剤、N-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグを提供する。あるいは、PALA又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグは異常細胞増殖の治療に使用することができる。
【0028】
特に、本発明は次のものを治療又は防止する方法を含む:
(a)ヘパシウイルス属(HCV)、ペスチウイル属(BVDV、CSFV、BDV)、又はフラビウイルス属(デングウイルス、日本脳炎ウイルス群(西ナイルウイルスを含む)、及び黄熱病ウイルス)の全てのメンバーを含むフラビウイルス科ウイルス感染;及び/又は
(b)悪性腫瘍を含む異常細胞増殖。
【0029】
本発明の一実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは一般式(I)から(II):

の炭素環ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグであり、
ここで、
各Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各W及びWは独立してN、CH、CX又はCR1'であり;
各Xは独立してNH、NHR、NR4'、NHOR、NRNR4'4"、OH、OR、SH又はSRであり;
各Xは独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、NH、NHR、NR4'、NHOR、NRNR4'4"、OH、OR、SH又はSRであり;
各ZはCH、CHR、NH、又はNHRであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキニル、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、又はCFであり;
各Rは独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、OH、SH、OCH、SCH、NH、NHCH、CN、又はNであり;
各Rは独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、OH、SH、OCH、SCH、NH、NHCH、CN、又はNであり;
各R、R4'、R4"、R、R5'及びR5"は、独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである。
一実施態様では、炭素環ヌクレオシドはβ-D-エナンチオマーである。
【0030】
他の実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは一般式(IV)から(V):

のヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグであり、
ここで、
各W、W、X、X、Z、R、R4'、R4"、R、R5'及びR5"は、以前の定義と同じであり;
各Dは独立してODであり、ここでDは以前の定義と同じ、OH、SH、NH、又はNHRであり;
各Wは独立してN、CH、CX又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、アルキルアリール、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CF、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHOH、CHOR、アシル、アルキルアシル、アミド、アルキルアミド、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=O)NHR、C(=O)NR5'、C(=S)NH、C(=NH)NH、C(=O)NHOH、C(=O)NHNH、アルキルアミン、ハロアルキルアミン、CHNH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、NHR、NR5'、NHOR、NRNHR5'、NRNR5'5"、OH、OCH、OCHCH、OR、SH、SCH、SCHCH、SR、NO、NO、N、COH、CO、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、置換されていてもよい又は未置換のアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、ハロアルキル、低級ハロアルキル、CH、CF、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、SH、OCH、SCH、NH、NHCH、N、CH=CH、CN、CHNH、CHOH、又はCOHであり;
各R3'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、置換されていてもよい又は未置換のアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、ハロアルキル、低級ハロアルキル、CH、CF、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、SH、OCH、SCH、NH、NHCH、N、CH=CH、CN、CHNH、CHOH、又はCOHであり;
各Zは独立してO、S、Se、CH、CF、C(=O)、C(=CH)、NH、NR、又はC(=Y)であり;
各Zは独立してO、S、Se、C(=O)、C(=CH)、NH、NR、又はC(=Y)であり;
各YはO、S、Se、NH、又はNHRであり;
但し、環ヘテロ原子は3個以下である(つまり、環中のO、S、N、又はSeは3個以下である)。
一実施態様では、ヌクレオシドはβ-D-エナンチオマーである。
【0031】
特定の一実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは式:

のβ-D-ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
他の特定の実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは式:

のβ-D-ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
【0032】
更に他の特定の実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは式:

のβ-D-ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
更に他の特定の実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは式:

のβ-D-ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
他の実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドはN-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグである。
【0033】
(発明の詳細な記述)
本発明は、HCVのように、フラビウイルス、ペスチウイルス又はヘパシウイルスを含むフラビウイルス科ウイルスに感染した宿主の治療のための、式(I)−(V)のヌクレオシドを提供する。あるいは、β-D又はβ-Lヌクレオシド(I)−(V)又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグは異常細胞増殖の治療に使用することができる。
本発明はまたHCVのように、フラビウイルス、ペスチウイルス又はヘパシウイルスを含むフラビウイルス科ウイルスに感染した宿主の治療のための、抗ウイルス又は抗増殖活性剤、N-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグを提供する。あるいは、PALA又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグは異常細胞増殖の治療に使用することができる。
【0034】
一実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性量の本発明の薬剤、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの投与を含む、HCVのように、フラビウイルス、ペスチウイルス又はヘパシウイルスを含むフラビウイルス科ウイルス感染、並びに異常細胞増殖の治療又は予防の方法が提供される。
他の実施態様では、抗ウイルス量の本発明の薬剤、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの投与を含む、フラビウイルス科ウイルス感染の治療又は予防の方法が提供される。
他の実施態様では、抗増殖活性量の本発明の薬剤、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの投与を含む、異常細胞増殖によって特徴付けられる疾患の治療又は予防の方法が提供される。
【0035】
他の実施態様では、本発明は、ここで提供されるウイルス感染又は異常細胞増殖を示す宿主の治療における、ここに記載される化合物の一、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用である。
他の実施態様では、本発明は、ここで提供されるウイルス感染又は異常細胞増殖の治療のための医薬の製造における、ここに記載される化合物の一、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用である。
他の実施態様では、薬学的に許容可能な担体又は希釈剤と共に、抗ウイルス又は抗増殖活性量の本発明の薬剤、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを含む本発明に係る薬学的組成物が提供される。
【0036】
他の実施態様では、一又は複数の他の抗ウイルス又は抗増殖活性剤と共に、本発明の薬剤、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを含む薬学的組成物が提供される。
更なる実施態様では、薬学的に有効量の本発明の薬剤、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを哺乳動物に投与することを含む、ウイルス関連疾患を持つ哺乳動物の治療方法が提供される。
更なる実施態様では、薬学的に有効量の本発明の薬剤、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを哺乳動物に投与することを含む、異常細胞増殖に関連した疾患を持つ哺乳動物の治療方法が提供される。
【0037】
特に、本発明は、次のものを治療又は防止する方法、又はその治療又は予防のための使用、又はその治療又は予防のための医薬の製造における使用における、記載した化合物、及びエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを含む:
(a)ヘパシウイルス属(HCV)、ペスチウイル属(BVDV、CSFV、BDV)、又はフラビウイルス属(デングウイルス、日本脳炎ウイルス群(西ナイルウイルスを含む)、及び黄熱病ウイルス)の全てのメンバーを含むフラビウイルス科ウイルス感染;及び
(b)悪性腫瘍を含む異常細胞増殖。
【0038】
本発明の一側面では、幾つかのヌクレオチド生合成経路の代謝拮抗剤について、その抗レプリコン活性及びバイシストロン性サブゲノムHCVレプリコンを安定に形質移入したHuh7細胞中での分子毒性を評価し、抗HCV活性を持っていることが見出された。この活性はHCV RNAレベルとrRNAレベルの両方を同時に定量し、細胞当たりのHCV RNAコピー数に関連して細胞成長の動態を研究することによって評価した。
HCVレプリコン細胞中の特異的抗ウイルス効果のためのパラメータは次のように定義する:試験化合物は(i)不可避の指数関数的細胞成長と干渉しないか又は最小の干渉をもたらすだけであり、(ii)細胞性宿主RNAレベルを減少させないか又は最小の減少をもたらすだけであり、(iii)コントロール実験及び前もって処理された試料と比較して、細胞当たりのHCV RNAコピー数を減少させなければならない。
【0039】
理論に拘束されるものではないが、ある種の試験した代謝拮抗剤が細胞成長動態に細胞分裂停止効果を引き起こしたが、細胞当たりのHCV RNAコピーの大きな減少が、幾つかの新規リボ-ピリミジン合成阻害剤(例えば、dFdC、CP-C、CPE-C、3DU、PALA及びピラゾフリン)で見られた;ある種の他の代謝拮抗剤、例えばIMPDH阻害剤(例えば、リバビリン、チアゾフリン、ミコフェノール酸、C2-MAD)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、テザシタビン(tezacytabine)、デフェロキサミン)及びチミジル酸合成酵素阻害剤(例えば、2'-デオキシ-5FU)は、抗ウイルス効果を示しうるが、細胞性RNAレベル中での減少について修正すると、特異性は顕著に減少しうる。従って、新規リボ-ピリミジン経路の代謝拮抗剤はコンフルエントなレプリコン細胞中に見られる観測、すなわち細胞当たりのレプリコンコピー数の鋭い減少と組合わさった細胞分裂停止を模倣することができる。
【0040】
本発明の化合物
本発明の一実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは一般式(I)から(II):

の炭素環ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグであり、
ここで、
各Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各W及びWは独立してN、CH、CX又はCR1'であり;
各Xは独立してNH、NHR、NR4'、NHOR、NRNR4'4"、OH、OR、SH又はSRであり;
各Xは独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、NH、NHR、NR4'、NHOR、NRNR4'4"、OH、OR、SH又はSRであり;
各ZはCH、CHR、NH、又はNHRであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキニル、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、又はCFであり;
各Rは独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、OH、SH、OCH、SCH、NH、NHCH、CN、又はNであり;
各Rは独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、OH、SH、OCH、SCH、NH、NHCH、CN、又はNであり;
各R、R4'、R4"、R、R5'及びR5"は、独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである。
一実施態様では、炭素環ヌクレオシドはβ-D-エナンチオマーである。
【0041】
他の実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは一般式(IV)から(V):

のヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグであり、
ここで、
各W、W、X、X、Z、R、R4'、R4"、R、R5'及びR5"は、以前の定義と同じであり;
各Dは独立してODであり、ここでDは以前の定義と同じ、OH、SH、NH、又はNHRであり;
各Wは独立してN、CH、CX又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、アルキルアリール、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CF、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHOH、CHOR、アシル、アルキルアシル、アミド、アルキルアミド、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=O)NHR、C(=O)NR5'、C(=S)NH、C(=NH)NH、C(=O)NHOH、C(=O)NHNH、アルキルアミン、ハロアルキルアミン、CHNH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、NHR、NR5'、NHOR、NRNHR5'、NRNR5'5"、OH、OCH、OCHCH、OR、SH、SCH、SCHCH、SR、NO、NO、N、COH、CO、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、置換されていてもよい又は未置換のアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、ハロアルキル、低級ハロアルキル、CH、CF、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、SH、OCH、SCH、NH、NHCH、N、CH=CH、CN、CHNH、CHOH、又はCOHであり;
各R3'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、置換されていてもよい又は未置換のアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、ハロアルキル、低級ハロアルキル、CH、CF、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、SH、OCH、SCH、NH、NHCH、N、CH=CH、CN、CHNH、CHOH、又はCOHであり;
各Zは独立してO、S、Se、CH、CF、C(=O)、C(=CH)、NH、NR、又はC(=Y)であり;
各Zは独立してO、S、Se、C(=O)、C(=CH)、NH、NR、又はC(=Y)であり;
各YはO、S、Se、NH、又はNHRであり;
但し、環ヘテロ原子は3個以下である(つまり、環中のO、S、N、又はSeは3個以下である)。
一実施態様では、ヌクレオシドはβ-D-エナンチオマーである。
特定の実施態様では、ZはOである。他の実施態様では、ZはSである。更に他の実施態様では、ZはCHである。更に他の実施態様では、ZはCFである。
【0042】
一下位実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは一般式(IV-a*):

[上式中、
各Dは独立してODであり、ここで、Dは既に定義したものと同じ、OH、SH、NH、又はNHRであり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Zは独立してO、S、Se、C(=O)、C(=S)、C(=CH)、NH、又はNRであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、C(=NH)NH、C(=O)NHOH、C(=O)NHNH、CHNH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、CN、又はCHR*NHであり;
各R*は水素又はハロゲン(F、Cl、Br、又はI)であり;
各R2'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br、又はI)、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br、又はI)、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり;
各Rは独立して水素、CH(Me)、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、又はC(=S)NHであり;
但し、環ヘテロ原子は3個以下である(つまり、環中のO、S、N、又はSeは3個以下である)]
のβ-D-ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
特定の実施態様では、ZはOである。他の実施態様では、ZはSである。更に他の実施態様では、ZはCHである。更に他の実施態様では、ZはCFである。
【0043】
他の下位実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは、一般式(IV-b*):

[上式中、
各Dは独立してODであり、ここで、Dは既に定義したものと同じ、OH、SH、NH、又はNHRであり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各Wは独立してN、CH、CCH、CF、CCl、CBr、CI、CCOH、CCOCH、CCONH、CC(=S)NH、又はCCNであり;
各R1'は独立して水素、F、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
特定の実施態様では、ZはOである。他の実施態様では、ZはSである。更に他の実施態様では、ZはCHである。更に他の実施態様では、ZはCFである。
【0044】
更に他の下位実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは、一般式(IV-c*):

[上式中、
各Dは独立してODであり、ここで、Dは既に定義したものと同じ、OH、SH、NH、又はNHRであり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W、W、及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり
各R3'は独立して水素、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
特定の実施態様では、ZはOである。他の実施態様では、ZはSである。更に他の実施態様では、ZはCHである。更に他の実施態様では、ZはCFである。
【0045】
更に他の下位実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは、一般式(IV-d*):

[上式中、
各Dは独立してODであり、ここで、Dは既に定義したものと同じ、OH、SH、NH、又はNHRであり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各R1'は独立してCN、COCH、C(=O)NH、C(=S)NH、又はC(=NH)NHであり;
各R1"は独立してOH、SH、NH、又はNHRであり;
各R2'は独立して水素又はハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素又はハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり、
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
特定の実施態様では、ZはOである。他の実施態様では、ZはSである。更に他の実施態様では、ZはCHである。更に他の実施態様では、ZはCFである。
【0046】
特定の一実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは式:

のβ-D-ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
他の特定の実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは式:

のβ-D-ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
【0047】
更に他の特定の実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは式:

のβ-D-ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
更に他の特定の実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドは式:

のβ-D-ヌクレオシド、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグである。
他の実施態様では、抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシドはN-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグである。
【0048】
立体異性と多型性
キラル中心を持つ本発明の化合物は光学的に活性なラセミ体として存在し単離されうる。幾つかの化合物は多型性を示しうる。本発明は、ここに記載した有用な性質を有している本発明の化合物のラセミの、光学的に活性な、多型性、又は立体異性形態、又はその混合体を包含する。光学的に活性な形態は、例えば再結晶法によるラセミ体の分割、光学的に活性な出発材料からの合成、キラル合成、又はキラル固定相を使用するクロマトグラフィー分離あるいは酵素分解によって調製することができる。
【0049】
以下に示されるように、ヌクレオシドは少なくとも2個の重要なキラル炭素原子(*)を含む。一般に、ヌクレオシドのキラル炭素上の置換基[(糖環の中間体の番号付けを用いる場合はCl置換基と呼ばれる)特定のプリン又はピリミジン塩基及び(C4置換基と呼ばれる)CHOH]は糖環系に対してシス(同じ側)かトランス(反対側)の何れかでありうる。シス及びラセミ化合物の双方は一対の光学異性体からなる。従って、各化合物は4種の個々の立体異性体を有している。4種の立体異性体は、(糖部分を-O-部分が後ろにくるように水平面に配置する場合)次の立体配置によって表される:(1)双方の基が「上」を向いたシスで、β-Dと呼ばれる配置;(2)鏡像、つまり双方の基が「下」を向いたシスで、この鏡像はβ-Lと呼ばれる配置;(3)C4置換基が「上」を向き、C1置換基が「下」を向いているトランス(α-Dと呼ばれる);及び(4)C4置換基が「下」を向き、Cl置換基が「上」を向いているトランス(α-Lと呼ばれる)。二つのシスエナンチオマーを併せてβ-エナンチオマーのラセミ混合物と呼び、二つのトランスエナンチオマーをα-エナンチオマーのラセミ混合物と呼ぶ。

【0050】
本発明の化合物の4種の可能な立体異性体を以下に示す。

【0051】
定義
ここで使用される場合の「アルキル」という用語は、別段の定義をしない限り、飽和した直鎖状、分枝状、又は環状の一級、二級、又は三級炭化水素を意味し、限定するものではないが、C〜C10のものを含み、特に低級アルキル、例えばメチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、及び2,3-ジメチルブチルを含む。アルキル基は場合によってはアルキル、ハロ(例えばCHF又はCF)、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、アジド、チオール、イミン、スルホン酸、サルフェート、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモニル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスフェート、ホスホネート、又はこの化合物の薬理学的活性を阻害しない任意の他の実施可能な官能基で、未保護か、例えば出典明示によりここに取り込まれるGreene等 Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示され、当業者に知られているように、必要に応じて保護したものからなる群から選択される一又は複数の部分で置換することができる。
【0052】
ここで使用される場合の「低級アルキル」という用語は、別段の定義をしない限り、C〜Cの飽和した直鎖状、分枝状、又は適切な場合には環状(例えばシクロプロピル)のアルキル基で、置換形態と未置換形態の双方を含むものを意味する。非限定的な例には、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、及びt-ブチルが含まれる。
「アルキレン」又は「アルケニル」という用語は、限定されるものではないが2〜10の炭素原子を持つものを含む直鎖状又は分枝状の構造の飽和ヒドロカルビルジイル(hydrocarbyldiyl)基を意味する。この用語の範囲に含まれるのは、メチレン、1,2-エタン-ジイル、1,3-プロパン-ジイル、1,2-プロパン-ジイル、1,3-ブタン-ジイル、1,4-ブタン-ジイル等々である。ここに開示されるアルキレン基又は他の二価部分は場合によってはアルキル、チオ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、アジド、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモニル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、又はこの化合物の薬理学的活性を阻害しない任意の他の実施可能な官能基で、未保護か、例えば出典明示によりここに取り込まれるGreene等 Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示され、当業者に知られているように、必要に応じて保護したものからなる群から選択される一又は複数の部分で置換することができる。
【0053】
ここで使用される場合の「アルキニル」という用語は、別段の定義をしない限り、少なくとも2個の炭素原子を有し少なくとも一の炭素-炭素三重結合を含む直鎖状又は分枝状の非環式炭化水素を含む。アルキニルの例には、限定されるものではないが、アセチレニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-メチル-1-ブチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘシニル、5-ヘキシニル、1-ヘプチニル、2-ヘプチニル、6-ヘプチニル、1-オクチニル、2-オクチニル、7-オクチニル、1-ノニニル、2-ノニニル、8-ノニニル、1-デシニル、2-デシニル、及び9-デシニル部分が含まれる。
ここで使用される場合の「アリール」という用語は、別段の定義をしない限り、フェニル、ビフェニル、又はナフチル、好ましくはフェニルを意味する。該用語には置換形態と未置換形態の双方が含まれる。アリール基は、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、ヒドロキシル、アジド、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、ホスホン酸、ホスフェート、又はホスホネートで、未保護か、例えばGreene等 Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示され、当業者に知られているように、必要に応じて保護したものからなる群から選択される一又は複数の部分で置換することができる、
【0054】
ここで使用される場合の「アラルキル」という用語は、別段の定義をしない限り、上で定義されたアルキル基によって分子に結合された上で定義したアリール基を意味する。ここで使用される場合の「アルカリール」又は「アルキルアリール」という用語は、別段の定義をしない限り、上で定義されたアリール基によって分子に結合された上で定義したアルキル基を意味する。これらの基のそれぞれにおいて、アルキル基は場合によっては上述のように置換することができ、アリール基は場合によってはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、アジド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモニル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスフェート、又はこの化合物の薬理学的活性を阻害しない任意の他の実施可能な官能基で、未保護か、例えば出典明示によりここに取り込まれるGreene等 Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示され、当業者に知られているように、必要に応じて保護したものからなる群から選択される一又は複数の部分で置換することができる。アリールという用語の範囲に特に含まれるものはフェニル;ナフチル、フェニルメチル;フェニルエチル;3,4,5-トリヒドロキシフェニル;3,4,5-トリメトキシフェニル;3,4,5-トリエトキシ-フェニル;4-クロロフェニル;4-メチルフェニル;3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル;4-フルオロフェニル;4-クロロ-1-ナフチル;2-メチル-1-ナフチルメチル;2-ナフチルメチル;4-クロロッフェニルメチル;4-t-ブチルフェニル;4-t-ブチルフェニルメチル等々である。
【0055】
「アルキルアミノ」又は「アリールアミノ」という用語はそれぞれ一又は二のアルキル又はアリール置換基を有するアミノ基を意味する。
ここで使用されるところの「ハロゲン」という用語はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。
「鏡像異性的に富んだ」という用語は明細書を通してそのヌクレオシドの単一のエナンチオマーの少なくとも約95%、好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも97%、更により好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも約99%又はそれ以上を含むヌクレオシドを記述する。特定の立体配置(D又はL)のヌクレオシドが本明細書において意味される場合、別段の説明をしない限り、そのヌクレオシドは鏡像異性的に富んだヌクレオシドである。
【0056】
ウイルス感染に対して、ここで使用される「宿主」という用語は、細胞株及び動物、好ましくはヒトを含む、ウイルスが複製可能な単細胞又は多細胞生物を意味する。あるいは、宿主は、複製又は機能が本発明の化合物によって改変され得るウイルスゲノムの一部を担持しうる。宿主という用語は、特に感染した細胞、ウイルスゲノムの全て又は一部が形質移入された細胞及び動物、特に(チンパンジーを含む)霊長類及びヒトを意味する。
異常細胞増殖に対して、「宿主」という用語は、異常細胞増殖が模倣され得る単細胞又は多細胞生物を意味する。宿主という用語は特に天然又は非天然の原因(例えばそれぞれ遺伝子突然変異又は遺伝子工学から)の何れかによって異常に増殖する細胞、及び動物、特に(チンパンジーを含む)霊長類及びヒトを意味する。本発明の殆どの動物への応用の場合、宿主はヒト患者である。しかしながら、ある種の効能では、獣医用途が本発明によって明らかに見込まれる(例えばウシのウシウイルス性下痢ウイルス、ブタのブタコレラウイルス及びヒツジのボーダー病ウイルス)。
【0057】
「薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグ」という用語は、患者に投与されると活性化合物をもたらす化合物の任意の薬学的に許容可能な形態(例えば、エステル、リン酸エステル、エステル塩又は関連した群)を記述するために明細書を通して使用される。薬学的に許容可能な塩には、薬学的に許容可能な無機又は有機塩基及び酸から誘導されたものが含まれる。好適な塩には、製薬分野でよく知られた多くの他の酸のなかで、カリウム及びナトリウムのようなアルカリ金属、カルシウム及びマグネシウムのようなアルカリ土類金属から誘導されたものが含まれる。薬学的に許容可能なプロドラッグは宿主中で代謝、例えば加水分解又は酸化されて本発明の化合物を形成する化合物を意味する。プロドラッグの典型的な例には活性な化合物の官能部分に生物学的に不安定な保護基を持つ化合物が含まれる。プロドラッグには、酸化、還元、アミン化、脱アミン化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化されて活性化合物を生成できる化合物が含まれる。
【0058】
薬学的に許容可能な塩及びプロドラッグ
化合物が安定な非毒性の酸又は塩基塩を形成するのに十分な塩基性又は酸性である場合、薬学的に許容可能な塩として化合物を投与するのが適切な場合がある。薬学的に許容可能な塩には、薬学的に許容可能な無機又は有機塩基及び酸から誘導されたものが含まれる。好適な塩には、製薬分野でよく知られた多くの他の酸のなかで、カリウム及びナトリウムのようなアルカリ金属、カルシウム及びマグネシウムのようなアルカリ土類金属から誘導されたものが含まれる。特に、薬学的に許容可能な塩の例は酸と形成される有機酸付加塩であり、これは生理学的に許容可能なアニオン、例えばトシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、及びα-グリセロリン酸塩を形成する。硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、及び炭酸塩を含む好適な無機塩がまた形成されうる。
薬学的に許容可能な塩は当該分野でよく知られた標準的な手順を使用して、例えば生理学的に許容可能なアニオンを生じる好適な酸とアミンのような十分に塩基性の化合物を反応させることによって、得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム又はリチウム)又はアルカリ土類金属(例えばカルシウム)塩をまた形成することができる。
【0059】
ここに記載されたヌクレオシドの何れもヌクレオシドの活性、生物学的利用能、安定性を増大させ又は性質を改変する等のためにヌクレオチドプロドラッグとして投与することができる。多くのヌクレオチドプロドラッグリガンドが知られている。一般に、ヌクレオシドのモノ、ジ又はトリホスフェートのアルキル化、アシル化又は他の親油性修飾はヌクレオシドの安定性を増加させる。ホスフェート塩部分へ一又は複数の水素を置換することができる置換基の例はアルキル、アリール、ステロイド、炭水化物で、糖、1,2-ジアシルグリセロール及びアルコールを含む。多くのものがR. Jones及びN. Bischofberger, Antiviral Research, 27 (1995) 1-17に記載されている。これらの何れも所望の効果を達成するために開示されたヌクレオシドと併用して使用することができる。
【0060】
活性なヌクレオシドは、また、出典明示によりここに取り込まれる次の文献に開示されたように、5'-ホスホエーテル脂質又は5'-エーテル脂質として提供することができる:Kucera, L. S. , N. Iyer, E. Leake, A. Raben, Modest E. K. , D. L. W. , 及びC. Piantadosi. 1990. "Novel membrane-interactive ether lipid analogs that inhibit infectious HIV-1 production and induce defective virus formation." AIDS Res. Hum. Retro Viruses. 6: 491-501;Piantadosi, C. , J. Marasco C. J. , S. L. Morris-Natschke, K. L. Meyer, F. Gumus, J. R. Surles, K. S. Ishaq, L. S. Kucera, N. lyer, C.A. Wallen, S. Piantadosi, 及び E. J. Modest. 1991. "Synthesis and evaluation of novel ether lipid nucleoside conjugates for anti-HIV activity." J. Med. Chem. 34: 1408.1414 ; Hosteller, K. Y. , D. D. Richman, D. A. Carson, L. M. Stuhmiller, G. M. T. van Wijk, 及び H. van den Bosch. 1992. "Greatly enhanced inhibition of human immunodeficiency virus type 1 replication in CEM and HT4-6C cells by 3'-deoxythymidine diphosphate dimyristoylglycerol, a lipid prodrug of 3,-deoxythymidine."Antimicrob. Agents Chemother. 36 : 2025. 2029;Hosetler, K. Y. , L. M.Stuhmiller, H. B. Lenting, H. van den Bosch, 及び D. D. Richman, 1990. "Synthesis and antiretroviral activity of phospholipid analogs of azidothymidine and other antiviralnucleosides."J.Biol. Chem. 265: 61127。
【0061】
一実施態様では、活性なヌクレオシドはSATEプロドラッグとして提供される。
ヌクレオシド中、好ましくはヌクレオシドの5'-OH位に共有的に導入することができる好適な親油性置換基又は親油性調製物を開示する米国特許の非限定的な例には、米国特許第5149794号(1992年9月22日、Yatvin等);第5194654号(1993年3月16日、Hostetler等)、第5223263号(1993年6月29日、Hostetler等);第5256641号(1993年10月26日、Yatvin等);第5411947号(1995年5月2日、Hostetler等);第5463092号(1995年10月31日、Hostetler等);第5543389号(1996年8月6日、Yatvin等);第5543390号(1996年8月6日、Yatvin等);第5543391号(1996年8月6日、Yatvin等);及び第5554728号(1996年9月10日、Basava等)が含まれ、その全てが出典明示によりここに取り込まれる。本発明のヌクレオシドに結合させることができる親油性置換基又は親油性調製物を開示する外国特許出願には、WO89/02733、WO90/00555、WO91/16920、WO91/18914、WO93/00910、WO94/26273、WO96/15132、EP0350287、EP93917054.4及びWO91/19721が含まれる。
【0062】
薬学的組成物
式(I)−(V)のβ-D又はβ-L化合物又はPALA、又はエステルを含むその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグに基づく薬学的組成物は、場合によっては薬学的に許容可能な添加剤、担体又は賦形剤と組み合わせて、フラビウイルス科ウイルス感染又は異常細胞増殖を含むここに記載された効能の何れかに対して治療的有効量で調製することができる。治療的に有効な量は治療されるべき感染又は症状、その重症度、用いられる治療計画、使用される薬剤の薬物動態学、並びに治療される患者によって変化しうる。
【0063】
本発明に係る一側面では、本発明に係る化合物は、好ましくは薬学的に許容可能な担体と混合されて製剤化される。一般に、薬学的組成物を経口投与可能な形態で投与することが望ましいが、製剤を非経口、静脈内、筋肉内、経皮的、口腔内、皮下、座薬又は他の経路によって投与することもできる。静脈内及び筋肉内投与製剤は好ましくは滅菌生理食塩水で投与される。当業者であれば明細書の教唆で製剤に変更を加えて、本発明の組成物を不安定にしたりその治療活性について妥協することなく特定の投与経路の多くの製剤を提供することができるであろう。特に、例えば水又は他のビヒクルにそれをより可溶であるように所望の化合物を修飾することは常套的な修飾(塩形成、エステル化等々)によって容易に達成することができる。
【0064】
ある種の医薬投薬形態では、本発明の化合物の特にアシル化(アセチル化等)及びエーテル誘導体、リン酸エステル及び様々な塩形態を含む化合物のプロドラッグ形態が好ましい。当業者には、宿主生物又は患者内の標的部位への活性化合物の送達を容易にするために本発明の化合物をプロドラッグ形態に直ぐに修飾する方法は分かるであろう。また当業者は、宿主生物又は患者内の標的部位に所望の化合物を送達させて、フラビウイルス科ウイルス(HCVを含む)感染又は異常細胞増殖に関連した症状の治療における化合物の意図された効果を最大にする際に、必要な場合には、プロドラッグ形態の好ましい薬物動態学的パラメータを利用するであろう。
【0065】
本発明に係る治療的に活性な製剤中に含まれる化合物の量は、好適な実施態様では、フラビウイルス科ウイルス(HCVを含む)感染又は異常細胞増殖に関連した症状の治療に有効な量である。一般に、薬学的投薬形態中の本化合物の治療的有効量は通常使用される化合物、治療される症状又は感染及び投与経路に応じて、約0.1mg/kgから約100mg/kg又はそれ以上の範囲である。本発明の目的において、本発明に係る組成物の予防的又は防止的有効量は治療的有効量について上述したものと同じ範囲に入り、通常は治療的有効量と同じである。
活性化合物の投与は連続的(静脈内点滴)から一日数回の経口投与(例えばQ.I.D、B.I.D.等)であり、他の投与経路のなかでも、経口、局所的、非経口、筋肉内、静脈内、皮下内、経皮的(浸透促進剤を含みうる)、口腔内及び座薬投与を含みうる。腸溶性経口錠剤をまた用いて経口投与経路からの化合物の生物学的利用能と安定性を向上させることができる。最も効果的な投薬形態は選択される特定の薬剤の薬物動態学、並びに患者における疾患の重症度に依存する。投与が容易で好ましい患者の服薬が見込まれるため経口投薬形態が特に好ましい。
【0066】
本発明に係る薬学的組成物を調製するには、本発明に係る化合物の一又は複数の治療的有効量を、投薬量をつくる常套的な製薬配合技術に従って薬学的に許容可能な担体と好ましくは混合する。担体は例えば経口又は非経口のような投与に望まれる製剤の形態に依存して様々な形態を取りうる。経口投薬形態の薬学的組成物を調製するには、通常の薬学的媒体の任意のものを使用することができる。従って、懸濁液、エリキシル及び溶液のような経口投薬形態で薬学的組成物を調製する際は、水、グリコール、油、アルコール、香料添加剤、保存料、着色剤等々を含む適切な担体及び添加剤を使用することができる。粉末、錠剤、カプセルのような固形経口調製物及び座薬のような固形調製物に対しては、デンプン、糖担体、例えばデキストロース、マンニトール、ラクトース、及び関連した担体、希釈剤、顆粒化剤、滑剤、バインダー、崩壊剤等を使用することができる。所望ならば、錠剤又はカプセルは標準的な技術によって徐放のために腸溶性とすることができる。これらの投薬形態の使用は患者における化合物の生物学的利用能に有意な影響を及ぼしうる。
【0067】
非経口製剤に対しては、担体は通常滅菌水又は塩化ナトリウム水溶液を含むが、分散を補助するものを含む他の成分をまた含めてもよい。滅菌水が使用され、無菌に維持される場合、組成物と担体はまた滅菌されなければならない。注射可能な懸濁液もまた調製することができ、その場合、適切な液体担体、懸濁剤等々を用いることができる。
(ウイルス抗原を標的とするリポソームを含む)リポソーム懸濁液をまた常法により調製して薬学的に許容可能な担体を製造することができる。これは、本発明に係る遊離のヌクレオシド、アシルヌクレオシド又はヌクレオシド化合物のリン酸エステルプロドラッグ形態の送達に適しているであろう。
【0068】
本発明に係る特に好適な実施態様では、化合物及び組成物はフラビウイルス科ウイルス(HCVを含む)感染又は異常細胞増殖に関連した症状を治療し、防止し又は発症を遅延させるのに使用される。好ましくは、感染又は症状を治療し、防止し又は発症を遅延させるためには、組成物は約250マイクログラムから約1グラム又はそれ以上の範囲の量での経口投薬形態で一日に少なくとも一回、好ましくは一日に4回まで、投与される。本化合物は好ましくは経口的に投与されるが、非経口的、局所的又は座薬として投与されてもよい。
【0069】
本発明に係る化合物は、ある場合には宿主細胞に対するその低毒性のために、有利には、フラビウイルス科ウイルス(HCVを含む)感染又は異常細胞増殖に関連した症状を防止するため、又はウイルス感染又は症状に伴う臨床徴候の発症を防止するために予防的に用いることができる。よって、本発明はまたウイルス感染、特にフラビウイルス科ウイルス(HCVを含む)感染又は異常細胞増殖に関連した症状を予防的に治療するための方法をも包含する。この側面では、本発明によれば、本組成物はフラビウイルス科ウイルス(HCVを含む)感染又は異常細胞増殖に関連した症状を防止し又はその発症を遅延させるために使用される。この予防方法は、そのような治療を必要とするか、又はウイルス又は症状の進行の危険性がある患者へ、ウイルス感染又は症状を軽減し又はその発症を遅延させるのに有効な本発明の化合物の量を投与することを含む。本発明に係る予防的治療方法では、使用される抗ウイルス又は抗増殖化合物は低毒性であることが好適で、好ましくは患者に非毒性でなければならない。本発明のこの側面では、特に好ましくは、使用される化合物はウイルス又は症状に対して最大の効果がなければならず、患者に対して最少の毒性を示すものでなければならない。フラビウイルス科ウイルス(HCVを含む)感染又は異常細胞増殖に関連した症状の場合、これらの疾患状態を治療するために使用されうる本発明に係る化合物は、治癒的治療に対するのと同じ用量範囲(つまり経口投薬形態では約250マイクログラムから約1グラム又はそれ以上を一日一回から4回)を、フラビウイルス科ウイルス(HCVを含む)感染の増殖又は異常細胞増殖に関連した症状を防止し、又は、臨床的徴候にそれ自体が顕れるフラビウイルス科ウイルス(HCVを含む)感染又は異常細胞増殖に関連した症状の発症を延ばす予防薬として投与することができる。
【0070】
また、本発明に係る化合物は、本発明の他の化合物を含む、一又は複数の抗ウイルス、抗HBV、抗HCV又は抗疱疹剤又はインターフェロン、抗癌又は抗菌剤と併用して又は交互に投与することができる。本発明に係るある種の化合物は、他の化合物の代謝、異化又は不活化を減じることによって本発明に係るある種の薬剤の生物学的活性を向上させるのに効果的であり得、よってこの意図される効果のために同時投与される。
【0071】
フラビウイルス科ウイルス感染の治療のための併用及び/又は交互療法
抗ウイルス剤での長い治療後にはウイルスの薬剤耐性変異体が出現しうることが認められる。薬剤耐性は最も典型的にはウイルス複製周期に用いられる酵素で、HCVの場合、最も典型的にはRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする遺伝子の突然変異によって生じる。ウイルス感染に対する薬剤の効果は、主要な薬剤によって引き起こされるものとは異なる変異を誘導する第二、またおそらくは第三の抗ウイルス化合物と併用又は交互使用して化合物を投与することによって長くし、増強し又は回復させることができることが実証されている。あるいは、薬剤の薬物動態学、体内分布又は他のパラメータをそのような併用又は交互療法によって改変することができる。一般に、併用療法は、典型的には、ウイルスに対して多重の同時のストレスを誘導するので交互療法よりも好ましい。
【0072】
C型肝炎ウイルスに対して活性であることが同定され、よって一般式(I)−(V)の一又は複数のヌクレオシド又はPALAと併用して又は交互に使用できる薬剤の例には、次のものが含まれる:
(1)インターフェロン
多くの特許が、インターフェロンベースの治療法を使用する、HCVを含むフラビウイルス科ウイルスの治療法を開示している。例えば、Blatt等の米国特許第5980884号はコンセンサスインターフェロンを使用するHCVに罹った患者の再治療法を開示している。Bazer等の米国特許第5942223号はヒツジ又はウシインターフェロン-τを使用する抗HCV療法を開示している。Alber等の米国特許第5928636号はHCVを含む感染疾患の治療に対するインターロイキン-12とインターフェロンαの併用療法を開示している。Chretien等の米国特許第5849696号はHCVの治療に対して、単独で又はインターフェロンとの併用でサイモシンを使用することを開示している。Valtuena等の米国特許第5830455号はインターフェロンとフリーラジカルスカベンジャーを用いる併用HCV治療法を開示している。イマカワの米国特許第5738845号はHCVの治療にヒトインターフェロンτタンパク質を使用することを開示している。他のインターフェロンベースの治療法はTesta等の米国特許第5676942号、Blatt等の米国特許第5372808号、及び米国特許第5849696号に開示されている。多くの特許がまたインターフェロンのペグ化形態を開示しており、例えばホフマンラロシュの米国特許第5747646号、第5792834号及び第5834594号;EnzonのPCT公開公報第WO99/32139号及び第WO99/32140号;Scheringの第WO95/13090号及び米国特許第5738846号及び第5711944号;及びGlue等の米国特許第5908621号である。
【0073】
インターフェロンα-2a及びインターフェロンα-2bは現在HCVの治療のための単一治療薬として承認されている。ロフェロン(ROFERON)(登録商標)-A(ロシェ)はインターフェロンα-2aの組換え形態である。ペガシス(PEGASYS)(登録商標)(ロシェ)はインターフェロンα-2aのペグ化(つまり、ポリエチレングリコール修飾)形態である。イントロン(INTRON)(登録商標)A(シェリング社)はインターフェロンα-2bの組換え形態であり、PEG-イントロン(登録商標)(シェリング社)はインターフェロンα-2bのペグ化形態である。
インターフェロンαの他の形態、並びにインターフェロンβ、γ、τ及びωは現在HCVの治療に対する臨床開発段階にある。例えばInterMuneのINFERGEN(インターフェロンアルファコン-1(interferon alphacon-1)、ViragenのOMNIFERON(天然インターフェロン)、ヒューマンゲノムサイエンスのALBUFERON、Ares-SeronoのREBIF(インターフェロンβ-1a)、BioMedicineのωインターフェロン、Alpha by Amarillo Biosciencesの経口インターフェロンα、及びInterMuneのインターフェロンγ、インターフェロンτ、及びインターフェロンγ-1bが開発中である。
【0074】
(2)リバビリン(Battaglia, A. M.等, Ann. Pharmacother, 2000,. 34,48 7- 494);Berenguer, M. 等 Antivir. Ther., 1998,3 (Suppl. 3), 125-136)。
リバビリン(1-β-D-リボフラノシル-1-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド)は合成の非インターフェロン誘導の広域スペクトル抗ウイルスヌクレオシドアナログである。それは商品名VirazoleTM (The Merck Index, 11版, 編者:Budavari, S. , Merck & Co. , Inc. , Rahway, NJ, pl304, 1989);Rebetol (シェリングプラウ)及びCo-Pegasus(ロシェ)で販売されている。米国特許第3798209号及び再発行第29835号(ICN Pharmaceuticals)はリバビリンを開示しクレームしている。リバビリンはグアノシンに構造的に類似しており、フラビウイルス科ウイルスを含む幾つかのDNA及びRNAウイルスに対してインビトロ活性を有している(Gary L. Davis.Gastroenterology 118 :S104-S114, 2000)。米国特許第4211771号(ICN Pharmaceuticals)は抗ウイルス剤としてのリバビリンの使用を開示している。リバビリンは40%の患者において血清アミノトランスフェラーゼレベルを正常値まで低減させるが、HCV-RNAの血清レベルは低下させない(Gary L. Davis. Gastroenterology 118:S104-S114, 2000)。よって、リバビリン単独ではウイルスRNAレベルの低減には効果的ではない。また、リバビリンは顕著な毒性を有しており、貧血症を誘導することが知られている。
【0075】
インターフェロンとリバビリンの併用
慢性C型肝炎の現在の標準的ケアはαインターフェロンとリバビリンの併用療法である。HCV感染の治療のためのインターフェロンとリバビリンの併用はインターフェロン未処置の患者の治療(Battaglia, A. M.等, Ann. Pharmacother. 34: 487-494, 2000)、並びに組織学的疾患が存在する患者の治療に(Berenguer, M.等Antivir.Ther. 3 (Suppl. 3): 125-136, 1998)に効果があることが報告されている。研究は、C型肝炎のより多くの患者が未ペグ化インターフェロンαでの併用療法よりもペグ化インターフェロン-α/リバビリン併用療法に応答することを示している。しかし、単剤療法の場合のように、併用療法の間、溶血、インフルエンザ様徴候、貧血、及び疲労を含むかなりの副作用が生じる(Gary L. Davis. Gastroenterology 118:S104-S114, 2000)。
【0076】
PEG-イントロン(登録商標)(ペグインターフェロンα-2b)及びレベトール(REBETOL)(登録商標)(リバビリン、USP)カプセルはシェリング社から入手できる。レベトール(シェリング社)はまたイントロン(登録商標)A(インターフェロンα-2b、組み換体、シェリング社)との併用で承認されている。ロシェのPEGASYS(登録商標)(ペグ化インターフェロンα-2a)とCOPEGUS(リバビリン)はまたHCVの治療に承認されている。
シェリング社のPCT公開番号WO99/59621、WO00/37110、WO01/81359、WO02/32414及びWO03/024461はHCVの治療のためのペグ化インターフェロンαとリバビリンの組み合わせの使用を開示している。ホフマンラロシュ社のPCT公開番号WO99/15194、WO99/64016、及びWO00/24355もまたHCVの治療のためのペグ化インターフェロンαとリバビリンの組み合わせの使用を開示している。
【0077】
(3)アルファケトアミド及びヒドラジノ尿素を含む、基質ベースのNS3プロテアーゼ阻害剤(例えば、Attwood等, Antiviral peptide derivatives, PCT WO 98/22496, 1998;Attwood等, Antiviral Chemistry and Chemotherapy 1999,10, 259-273;Attwood等, Preparation and use of amino acid derivatives as anti-viral agents, German Patent Pub. DE 19914474;Tung等 Inhibitors of serine proteases, particularly hepatitis C virus NS3 protease, PCT WO 98/17679)と、ボロン酸又はホスホネートのような求電子物質で終了する阻害剤(Llinas-Brunet等, Hepatitis C inhibitor peptide analogues, PCT WO 99/07734)。
【0078】
(4)RD3-4082及びRD-3-4078を含む、非基質ベースの阻害剤、例えば2,4,6-トリヒドロキシ-3-ニトロ-ベンズアミド誘導体(Sudo K.等, Biochemical and Biophysical Research Communications, 1997,238, 643-647;Sudo K.等 Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 1998, 9, 186)で、前者はアミドに14炭素鎖が置換され、後者はパラ-フェノキシフェニル基を有する;
(5)NS3/4A融合タンパク質及びNS5A/5B基質と逆相HPLCアッセイにおいて関連した阻害を示すチアゾリジン誘導体(例えばSudo K.等, Antiviral Research, 1996,32,9-18)、特に長鎖アルキル鎖が置換された融合シンナモイル部位を有する化合物RD-1-6250、RD46205及びRD46193;
【0079】
(6)チアゾリジンとベンザニリド(例えば、Kakiuchi N.等 J. EBS Letters 421, 217-220;及びTakeshita N.等 Analytical Biochemistry, 1997, 247, 242- 246);
(7)ストレプトマイセス属sp.の発酵培養ブロスから単離されたSDS-PAGE及びオートラジオグラフィーアッセイでのプロテアーゼに対する活性を有するフェナントレンキノン、例えばSch68631(Chu M.等, Tetrahedron Letters, 1996,3 7, 7229-7232)、及び真菌アオカビ属グリスコフラウム(griscofuluum)から単離されたSch351633で、これはシンチレーション近接アッセイにおける活性を証明する(Chu M.等, Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9, 1949-1952);
(8)選択的NS3阻害剤、例えばヒルから単離された巨大分子エルジン(elgin)cベースのもの(Qasim M. A.等, Biochemistry, 1997,36, 1598-1607);
【0080】
(9)ヘリカーゼ阻害剤(例えばDiana G. D.等, Compounds, compositions and methods for treatment of hepatitis C, 米国特許第5633358号;Diana G. D.等, Piperidine derivatives, pharmaceutical compositions thereof and their use in the treatment of hepatitis C, PCT WO 97/36554);
(10)ポリメラーゼ阻害剤、例えばヌクレオチドアナログ、グリオトキシン(gliotoxin)(Ferrari R.等 Journal of Virology, 1999,73, 1649-1654)、及び天然産物セルレニン(Lohmann V.等, Virology, 1998, 249, 108-118);
(11)ウイルスの5'非コード領域(NCR)中の配列伸展に相補的なアンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド(S-ODN)(Alt M.等, Hepatology, 1995, 22, 707-717)、又はNCRの3'端を含むヌクレオチド326−348及びHCV RNAのコアコード領域に位置するヌクレオチド371−388(Alt M.等, Archives of Virology, 1997, 142, 589-599;Galderisi U.等, Journal of Cellular Physiology, 1999, 181, 251-257)。
【0081】
(12)IRES依存性翻訳の阻害剤(Ikeda N等, Agent for the prevention and treatment of hepatitis C, Japanese Patent Pub. JP-08268890;Kai Y.等 Prevention and treatment of viral diseases, Japanese Patent Pub.JP-10101591)。
(13)ヌクレアーゼ耐性リボザイム(例えばMaccjak, D. J.等, Hepatology 1999,30, abstract 995)。
【0082】
(14)ヌクレオシドアナログ(類似体)がまたフラビウイルス科ウイルス感染の治療に開発されている。
Idenix Pharmaceuticals社は、国際公開番号WO01/90121及びWO01/922282に対応する米国特許公開番号2003/0050229A1及び米国特許公開番号2003/0060400A1おいて分枝ヌクレオシドとHCV及びフラビウイルス属及びペスチウイル属の治療におけるその使用を開示している。場合によっては薬学的に許容可能な担体中に入れて、単独で又は併用して投与される有効量の生物活性な1',2',3'又は4'-分枝β-D又はβ-Lヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグを投与することを含むヒト及び他の宿主動物におけるC型肝炎感染(及びフラビウイルス属及びペスチウイル属)の治療方法はIdenixの公報に開示されている。
【0083】
C型肝炎ウイルスを治療するためのある種のヌクレオシドアナログの使用を開示する他の特許出願には次のものが含まれる:BioChem Pharma, Inc.(今はShire Biochem, Inc.)出願の国際公開番号WO01/32153(PCT/CA00/01316;2000年11月3日出願)及びWO01/60315(PCT/CA01/00197;2001年2月19日出願);メルク社出願の米国特許公開番号2002/0147160及び対応する国際公開番号WO02/057425(PCT/US02/01531;2002年1月18日出願)及びWO02/057287(PCT/US02/03086;2002年1月18日出願);米国特許公開番号2003/083307A1及び米国特許公開番号2003/008841A1、及び対応する国際公開番号WO02/18404(PCT/EP01/09633;2001年8月21日公開);ホフマンラロシュ出願のWO02/100415及びWO02/094289;Ribapharm出願の米国特許公開番号2003/028013A1及び対応する国際公開番号WO03/062255及びWO03/061385;及びファーマセット出願のWO01/79246及びWO02/32920。
【0084】
(15)1-アミノ-アルキルシクロヘキサン(Gold等の米国特許第6034134号)、アルキル脂質(Chojkier等の米国特許第5922757号)、ビタミンE及び他の抗酸化剤(Chojkier等の米国特許第5922757号)、スクアレン、アマンタジン、胆汁酸(Ozeki等の米国特許第5846964号)、N-(ホスホノアセチル)-L-アスパラギン酸(Diana等の米国特許第5830905号)、ベンゼンジカルボキサミド(Diana等の米国特許第5633388号)、ポリアデニル酸誘導体(Wang等の米国特許第5496546号)、2',3'-ジデオキシイノシン(Yarchoan等の米国特許第5026687号)、及びベンズイミダゾール(Colacino等の米国特許第5891874号)を含むその他の化合物。
【0085】
(16)C型肝炎ウイルスの治療のための臨床段階に現在ある他の化合物には次のものを含む:シェリングプラウのインターロイキン-10、インターニューロンのIP-501、ヴェルテックスのMerimebodib VX-497、Endo Labs Solvayのアマンタジン(AMANTADINE)(シンメトレル)、RPIのヘプタジン(HEPTAZYME)、Idun PharmaのIDN-6556、XTLのXTL-002、ChironのHCV/MF59、NABIのCIVACIR、ICNのLEVOVIRIN、ICNのVIRAMIDINE、Sci CloneのZADAXIN(サイモシンα-1)、マキシムのCEPLENE(ヒスタミン二塩酸塩)、ヴェルテックス/イーライリリーのVX950/LY570310、Isis Pharmaceutical/ElanのISIS14803、Idun Pharmaceuticals社のIDN-6556及びAKROS PharmaのJTK003。
【0086】
異常細胞増殖の治療のための併用及び/又は交互療法
異常細胞増殖に対して活性があることが同定され、よって一般式(I)−(V)の一又は複数のヌクレオシド又はPALAとの併用又は交互使用で用いることができる薬剤の例には次のものが含まれる:
アルキル化剤
ナイトロジェンマスタード:限定されないが、メクロレタミン(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫)、シクロホスファミド、イホスアミド(急性及び慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳房、卵巣、肺、ウイルムス腫瘍、頚部、精巣、軟部組織肉腫)、メルファラン(L-サルコリシン)(多発性骨髄腫、乳房、卵巣)、クロランブシル(慢性リンパ球性白血病、原発性マクログロブリン血症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫)を含む。
エチレンイミン及びメチルメラミン:限定されないが、ヘキサメチルメラミン(卵巣)、チオテパ(膀胱、乳房、卵巣)を含む。
【0087】
スルホン酸アルキル:限定されないが、ブスルファン(慢性顆粒性白血病)を含む。
ニトロソ尿素:限定されないが、カルムスチン(BCNU)(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、原発性脳腫瘍、多発性骨髄腫、悪性メラノーマ)、ロムスチン(CCNU)(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、原発性脳腫瘍、小細胞肺)、セムスチン(メチル-CCNU)(原発性脳腫瘍、胃、大腸)、ストレプトゾシン(STR)(悪性膵臓膵島細胞腺腫、悪性カルシノイン(carcinoin))を含む。
トリアゼン:限定されないが、ダカルバジン(DTIC;ジメチルトリアゼノイミダゾール-カルボキサミド)(悪性メラノーマ、ホジキン病、軟部組織肉腫)を含む。
【0088】
代謝拮抗剤
葉酸アナログ:限定されないが、メトトレキセート(アメトプテリン)(急性リンパ球性白血病、絨毛癌、菌状息肉腫、乳房、頭頚部、肺、骨原生肉腫)を含む。
ピリミジンアナログ:限定されないが、ウルオロウラシル(5-フルオロウラシル;5-FU)フロキシウリジン(フルオロデオキシウリジン;FUdR)(乳房、大腸、胃、膵臓、卵巣、頭頚部、膀胱、前癌性皮膚病巣)(局所的)、シタラビン(シトシンアラビノシド)(急性顆粒球性及び急性リンパ球性白血病)を含む。
プリンアナログ及び関連阻害剤:限定されないが、メルカプトプリン(6-メルカプトプリン;6-MP)(急性リンパ球性、急性顆粒球性及び慢性顆粒球性白血病)、チオグアニン(6-チオグアニン:TG)(急性顆粒球性、急性リンパ球性及び慢性顆粒球性白血病)、ペントスタチン(2'-デオキシショオルマイシン(deoxycyoformycin))(有毛細胞白血病、菌状息肉腫、慢性リンパ球性白血病)を含む。
【0089】
ビンカアルカロイド:限定されないが、ビンブラスチン(VLB)(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、乳房、精巣)、ビンクリスチン(急性リンパ球性白血病、神経芽腫、ウイルムス腫瘍、横紋筋肉腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、小細胞肺)を含む。
エピポドフィロトキシン:限定されないが、エトポシド(精巣、小細胞肺及び他の肺、乳房、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性顆粒球性白血病、カポジ肉腫)、テニポシド(精巣、小細胞肺及び他の肺、乳房、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性顆粒球性白血病、カポジ肉腫)を含む。
【0090】
天然生成物
抗生物質:限定されないが、ダクチノマイシン(アクチノンマイシンD)(絨毛癌、ウイルムス腫瘍横紋筋融解症、精巣、カポジ肉腫)、ダウノルビシン(ダウノマイシン;ルビドマイシン)(急性顆粒球性及び急性リンパ球性白血病)、ドキソルビシン(軟部組織、骨原生、及び他の肉腫;ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性白血病、乳房、尿生殖器甲状腺、肺、胃、神経芽細胞腫)、ブレオマイシン(精巣、頭頚部、皮膚及び食道肺、及び尿生殖器管、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫)、プリカマイシン(ミトラマイシン)(精巣、悪性高カルシウム血症)、マイトマイシン(マイトマイシンC)(胃、頚部、大腸、乳房、膵臓、膀胱、頭頚部)を含む。
酵素:限定されないが、L-アスパラギナーゼ(急性リンパ球性白血病)を含む。
生物学的応答モディファイヤー:限定されないが、インターフェロン-α(有毛細胞白血病、カポジ肉腫、メラノーマ、カルチノイド、腎細胞、卵巣、膀胱、非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、多発性骨髄腫、慢性顆粒球性白血病)を含む。
【0091】
補助的薬剤
白金配位錯体:限定されないが、シスプラチン(シス-DDP)カルボプラチン(精巣、卵巣、膀胱、頭頚部、肺、甲状腺、頚部、子宮内膜、神経芽細胞腫、骨原生肉腫)を含む。
アントラセンジオン:限定されないが、ミクストザントロン(Mixtozantrone)(急性顆粒球性白血病、乳房)を含む。
置換尿素:限定されないが、ヒドロキシ尿素(慢性顆粒球性白血病、真性多血症、必須血小板増多症、悪性メラノーマ)を含む。
メチルヒドラジン誘導体:限定されないが、プロカルバジン(N-メチルヒドラジン、MIH)(ホジキン病)を含む。
副腎皮質抑制薬:限定されないが、ミトタン(o,p'-DDD)(副腎皮質)、アミノグルテチミド(乳房)を含む。
アドレノルティコステリオド(Adrenorticosteriods):限定されないが、プレドニソン(急性及び慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、乳房)を含む。
プロゲスチン:限定されないが、ヒドロキシプロゲステロンカプロエート、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロールアセテート(子宮内膜、乳房)を含む。
【0092】
抗血管新生作用剤
限定されないが、アンジオスタチン、エンドスタチンを含む。
ホルモン及びアンタゴニスト
エストロゲン:限定されないが、ジエチルスチベストロールエチニルエストラジオール(乳房、前立腺)を含む。
抗エストロゲン:限定されないがタモキシフェン(乳房)を含む。
アンドロゲン:限定されないが、テストステロンプロピオネートフラクソマイエステロン(Fluxomyesterone)(乳房)を含む。
抗アンドロゲン:限定されないが、フルタミド(前立腺)を含む。
生殖腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ:限定されないが、ロイプロリド(前立腺)を含む。
【0093】
合成プロトコル
これまで天然に見出された炭素環ヌクレオシドはアデニンヌクレオシド、つまりアリステロマイシン及びネプラノシンだけであり、それらは極めて高価か商業的に入手できない。従って、これらのタイプのヌクレオシドは典型的にはスクラッチから化学的に合成される。炭素環誘導体が先ず調製され、ついで複素環アグリコンが糖の上に構築され、炭素環ヌクレオシドが調製され、又は別法として、塩基が炭素環誘導体と直接縮合され、例えばプリン塩基が炭素環誘導体と直接縮合され得る。
【0094】
スキーム1は炭素環シチジン(227、タイプI-a)の合成を示す。炭素環中間体219は当該分野で知られている任意の手段によって合成することができる。D-リボノラクトン217はペンタノン中間体218に転換されることはAli等(Tetrahedron Letters, 1990, 31, 1509)によって開示されている。ついで、ケトン218は任意の既知の還元剤、好ましくはメタノール中水素化ホウ素ナトリウムによって0℃で1時間、還元して、アルコール219を得ることができる。好ましくはトリエチルアミンの存在下、塩化メチレン中塩化メシルを用いて0℃で2時間の219のスルホニル化により220が得られ、ついでこれがDMF中アジ化ナトリウムで140℃にて一晩処理されて221が得られる。アジ化物221は任意の既知の還元剤、例えばPhP(Staudinger法)又は接触水素化分解を用いて、好ましくは炭素担持パラジウム上で直ぐに還元することができる。得られたアミン222に、DMF中β-メトキシアクリロイルイソシアネートを用いてWarrener-Shaw反応を施し、ついで水酸化アンモニウム処理によって線形中間体223を介して保護された炭素環ウリジン224を形成する。保護された炭素環シチジン(225)へのウラシルヌクレオシド224の転換は当該分野で既知の任意の手段によって達成することができる。225の保護基は酸、好ましくは3時間、50℃にてトリフルオロ酢酸/水(2:1 v/v)を用いて除去して、226を得る。
【0095】
トリエチルアミンの存在下塩化メチレン中の塩化トリフリルを用いた219のスルホニル化によってトリフレートが得られ、これが、アデニンのようなプリン塩基、及びアセトニトリル又はDMFのような不活性溶媒中での水素化ナトリウムとの反応で、対応するプリンヌクレオシド(I-bタイプ)を直接生じる。
同じ手順であるが、L-リボノラクトンから出発して、対応するL-ヌクレオシド対応物を得ることができる。
スキーム1

【0096】
別法として、商業的に入手可能な(1R)-(−)-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(228、スキーム2)を四酸化オスミウム酸化によって2,3-ジヒドロキシ-ラクタム229に転換する。メタノール性塩化水素での229のメタノール分解後に、生成物230をアセトン中2,2-ジメトキシプロパン又はシクロヘキサノール中1,1-ジメトキシシクロヘキサンで処理してケタール、例えば231を得て、これを水素化ホウ素ナトリウムで232に還元する。アミノアルコール232を、β-メトキシアクリロイルイソシアネートとの反応と続くアンモニア処理によって2',3'-O-シクロヘキシリデン-カルボサイクリックウリジンに転換する。好ましくはメタノール中トリフルオロ酢酸での、酸処理によりカルボサイクリックウリジン(233)が得られる。カルボサイクリック-5-フルオロシチジン(227)は233から当該分野で周知の手段によって即座に得ることができる。
スキーム2

他の光学異性体(1R)-(+)-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オンから出発する同様の反応経路で、対応するL-ヌクレオシドアナログを得ることができる。
【0097】
スキーム3はタイプIIの3,4-不飽和炭素環ヌクレオシドの合成を示す。Wolfe等(J. Org. Chem., 1990,55, 4712)はD-リボノラクトンから261を調製した。塩化スルフィニルを用いた(261、スキーム3)へのt-ブトキシメチル基のマイケル付加を反応停止させた後、炭酸カルシウムと共に生成物を加熱してシクロペンテノン262を得る。DIBAHでの262の還元後にスルホニル化して263を得る。先に記載したようにNaHを用いてプリン塩基と263(好ましくはR=CF)を縮合させて、プリンヌクレオシドII-b、例えばネプラノシンA(264)を得る。NaNでの263(好ましくはR=Me)の処理により265が得られ、これはスキーム1で既に記載した手順によって266を含む様々なピリミジンヌクレオシド(II-a)に直ぐに転換することができる。
L-リボノラクトンから出発して、対応するL-ヌクレオシド対応物を即座に調製することができる。
スキーム3

【0098】
この発明を次のセクションで更に例証する。そこに含まれる実験詳細セクション及び実施例は本発明の理解を助ける目的で記載される。このセクションは以下に続く特許請求の範囲に記載された発明を如何なる形でも限定することを意図するものではないし、限定するものと解釈してはならない。
次の実施例は本発明の方法の更なる理解をもたらす。これらの実施例は例証の目的のものであり、本発明の範囲を限定するものではない。方法の一般的範囲から逸脱しないで、記載された特定の溶媒、試薬又は反応条件を、均等、類似又は好適な溶媒、試薬又は反応条件に置き換えることができる。
【実施例】
【0099】
融点はデジタル融点装置を用いて開放キャピラリー管中で測定し、未修正である。UV吸収スペクトルはエタノール中でUvikon931(KONTRON)分光光度計に記録した。H-NMRは、Varian Unity Plus 400分光計を用いて室温で実施した。化学シフトは参照としての内部テトラメチルシランから低磁場ppmで与える。重水素交換、脱結合実験又は2D-COSYを、プロトン割り当てを確認するために実施した。シグナルの多重度はs(一重項)、d(二重項)、dd(二重二重項)、t(三重項)、q(四重項)、br(ブロード)、m(多重項)で表す。全てのJ値はHzである。FAB質量スペクトルはJEOL DX300質量分析計でポジティブ-(FAB>0)又はネガティブ-(FAB<0)イオンモードで記録した。基質は3-ニトロベンジルアルコール(NBA)又はグリセロールとチオグリセロール(GT)の混合物(50:50、v/v)であった。特異的回転をパーキン-エルマー241分光旋光計(路長1cm)で測定し、10−1deg・cm−1の単位で与えた。元素分析はAtlantic Microlab Inc. (Norcross, GA)が実施した。元素又は官能基の記号によって示された分析値は理論値の±0.4%以内であった。薄層クロマトグラフィーをWhatmanPK5Fシリカゲルプレートで実施し、生成物の可視化をUV吸収の後に10%のエタノール性硫酸でチャーリング及び加熱によって達成した。カラムクロマトグラフィーを大気圧下でシリカゲル(Fisher, S733-1)で実施した。
【0100】
化学薬品及び試薬。 次の化合物はファーマセットの研究室で合成した:チアゾフリン、C2-MAD、グアナゾール、テザシタビン、3-デアザウリン(3DU)、6-アザ-ウリジン、2'-デオキシ-5-フルオロウリジン、ジフルオロデオキシシチジン(dFdC、ゲムシタビン)、2'-C-メチル-シチジン(2'-C-CH-C)、及び2'-C-メチル-アデノシン(2'-C-CH-A)。PALA(NSC-224131)、ピラゾフリン(NSC-143095)、及びブレキナール(NSC-368390)は国立癌インスティテュート(Bethesda, MD)の癌治療部門のDrug Biosynthesis & Chemistry Branch, Developmental Therapeutics Programから提供された。シクロペンチル-シトシン(CP-C)及びシクロペンテニル-シトシン(CPE-C)はC.K.Chu博士(University of Georgia, Athens, GA)によって合成された(図1)。ミゾリビン、メトトレキセート、2-チオ-6-アザウリジン、及びデフェロキサミンメシレートはシグマ(Milwaukee, WI)から購入し、ミコフェノール酸(MPA)はツジ・タカシ博士(味の素、日本)から好意で提供され、ヒドロキシ尿素はRaymond F. Schinazi博士(Emory University, Atlanta, GA)から得た。リバビリン(1-β-D-リボブラノシル-1, 2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド;シェリングプラウ, Raritan, NJ)及び組換えインターフェロンα-2a(IFN-α-2a;ロフェロン-A、ホフマンラロシュ, NJ)はレプリコン実験でコントロールとなった。
【0101】
実施例1
HCVレプリコン組織培養
HCV-レプリコンRNAを含むHuh7細胞(クローンA細胞;Apath, LLC, St. Louis, MO)を、10%仔ウシ血清、1x非必須アミノ酸(100単位/ml)、ペニシリン-ストレプトマイシン(100μg/ml)、グルタミン(0.292mg/ml)、及びG418(1000μg/ml)を含むDMEM培地(高グルコース、ピルビン酸不含有)中で指数関数的成長状態に維持した。抗ウイルスアッセイをG418がない同じ培地で実施した。抗ウイルス試験中にG418がないとHCV-RNAのレベルに対して効果がないことが示された(Stuyver等 "A ribonucleoside analogue that blocks the replication of bovine viral diarrhea and hepatitis C viruses in culture" Antimicrob. Agents Chemother., Jan. 2003, 47 (1), 244-254)。細胞を、ウェル当たり10細胞で6ウェルプレートに播種した。候補の抗ウイルス化合物を記載されたようにして試験した(Stuyver等 "A ribonucleoside analogue that blocks the replication of bovine viral diarrhea and hepatitis C viruses in culture" Antimicrob. Agents Chemother., Jan. 2003,47 (1), 244-254)。インキュベーション時間は実験の種類で異なったものとした。インキュベーション工程の終わりに、トリパン-ブルー排除法を使用して細胞を計数し、全細胞性RNAを単離した(Rneasy 96 kit, Qiagen, CA)。レプリコンRNA及び内部コントロール(TaqMan Ribosomal RNA Control Reagents, Applied Biosystems, CA)を、製造者が推奨し記載されているようにして(Stuyver等 "A ribonucleoside analogue that blocks the replication of bovine viral diarrhea and hepatitis C viruses in culture" Antimicrob. Agents Chemother., Jan. 2003, 47(1), 244-254)、単一工程マルチプレックスRT-PCRプロトコルで増幅させた。
【0102】
実施例2
レプリコン細胞の成長とHCV RNAレベルの観測
レプリコン系中での候補抗HCV化合物の評価は、対数的成長条件の細胞だけを使用することができるという事実によって妨害される。コンフルエンシーに達する細胞−よってG/G細胞分裂周期停止に入る細胞は、rRNAではなくHCV RNAの定常的な減少によって証明されるように、細胞当たりのレプリコンRNAレベルの安定量を維持することができない(図2)(Stuyver等 "A ribonucleoside analogue that blocks the replication of bovine viral diarrhea and hepatitis C viruses inculture" Antimicrob. Agents Chemother., Jan. 2003, 47(1), 244-254)。これは、レプリコンRNA複製及び/又は翻訳に必要とされる細胞性因子は多くが変化し、休止細胞に限られるようになることを示唆している。これらの因子の一つはレプリコン合成を支援するのに十分なレベルのNTPsが利用可能であることであるかも知れない。
【0103】
レプリコン細胞中でのHCV RNA量のかなりのインキュベーション時間依存性変動が過去に観察されている(Pietschmann等 "Characterization of cell lines carrying self-replicating hepatitis C virusRNAs" J Virol., 2001, 75, 1252-1264)。これらの事象を更に詳細に研究するために、時間過程実験を企画し、Huh7細胞における細胞成長とHCV RNA動態を14日の期間にわたってモニターした(Stuyver等 "A ribonucleoside analogue that blocks the replication of bovine viral diarrhea and hepatitis C viruses in culture" Antimicrob. Agents Chemother., Jan. 2003, 47(1), 244-254)。最初の7日の間、培養中のHCV RNAの量は、細胞数及び細胞内rRNAレベルと平行に程度の差はあれ経時的に増加した(図2)。これは、細胞当たりのHCV RNAコピー数の僅かな減少又は定常状態を示している。8日から進んで、細胞はコンフルエントな単層に達し、rRNAレベルは8日から14日までは有意には変化しなかったが、HCV RNAの量の鋭い減少がついで観察され、細胞当たりのHCV-RNAコピー数の有意な低下を示した。これらの結果は、HCVレプリコンRNAコピー数が宿主細胞の指数関数的に成長する性質に密接に連関していることを示している。
【0104】
実施例3
コントロール実験:HCVレプリコン系における過去に確立された化合物の抗HCV効果。
現在、IFN-α及びリバビリンはHCV感染の患者の治療に対して唯一の承認された薬剤である。これらの承認分子の他に、幾つかの他のものが特異的抗ウイルス活性を示すと主張されている(Carroll等 "lnhibition of hepatitis C virus RNA replication by 2'-modified nucleoside analogs" J Biol Chem. 2003, 27, 27;Sommadossi, J. P.,及びP.Lacolla "Methods and compositions for treating hepatitis C virus" 国際特許出願WO01/190121, Idenix Pharmaceuticals;Walker, M. P.,及びZ. Hong "HCV RNA-dependent RNA polymerase as a target for antiviral development" Curr Opin Pharmacol, 2002,2, 534-40)。
一連のコントロール実験では、IFN-α-2a、リバビリン、2'-C-CH-C及び2'-C-CH-Aを、化合物暴露4日後に指数関数的に成長するレプリコン細胞中で用量依存的な形でHCV RNAレベルを低減するその能力に対して、ある範囲の濃度に対して試験した。100IU/mlで試験された場合、IFN-α-2aはrRNAレベルに対して最小の効果のみを有しており(0.21±0.21log10rRNA降下)、観察されたrRNA減少に対してHCV RNAのlog10降下を修正後(1.57±0.26log10)、HCV RNAの1.36±0.37log10降下の特異的抗ウイルス効果が観察された(表1)。過去に刊行されたように、IFN-α-2aは96時間のインキュベーション後に4.5IU/mlの修正EC90値を示した(Stuyver等 "A ribonucleoside analogue that blocks the replication of bovine viral diarrhea and hepatitis C viruses in culture" Antimicrob. Agents Chemother., Jan. 2003, 47 (1), 244-254)。同様の計算を3種の他の化合物に対して実施した(表1)。2'-C-CH-C(図3a)、リバビリン(図3b)、及び2'-C-CH-Aに対するEC90値はそれぞれ10.4μM、〜100μM、及び<1μMであることが分かった(表1;図3)。
【0105】
しかしながら、4日でのEC90値は単一の静的観測点であり、対数細胞成長のための絶対要件に対する細胞成長動態又は変化についての情報を提供しない。従って、実験を7日の期間にわたって実施して、HCV RNAレベル及び細胞成長の動態をモニターした。IFN-α-2aに対して6回の実験の平均に基づいて、処理した細胞は、未処理のコントロール(0日から1.31±0.08log10の増加;p=0.003)より有意にゆっくりと成長した(7日:0日から1.07±0.06log10の増加)(図4a)。4日に細胞成長に僅かな差が観察されたが、それらは有意であることが分かった(コントロール:0.81±0.06;IFN-α-2a:0.67±0.06;p=0.01)。また、7日の期間にわたって維持されたHCV RNAレベルに有意な低下があった(コントロール:1.79±0.4;IFN-α-2a:−0.53±0.4;p=0.0005)。顕著なことに、4日以降からウイルスRNAのリバウンドがある。2'-C-CH-C(図4C)及び2'-C-CH-A(図4d)は、HCV RNAレベルの低減に非常に強力であり、それぞれ細胞増殖への効果なし(100μM)及び顕著に異なっているが最小の効果(20μM)あることが分かった(表1)。リバビリンは100μMで試験され、細胞増殖に完全な停止を引き起こすことが見出された(0日と比較して7日に0.22±0.1log10の降下;又は7日に未処理のコントロールと比較して1.53log10の降下)(図4b)。処理のないコントロールと比較して7日に2.08log10の有意な降下があったが、処理した細胞当たりのHCV RNAコピー数対未処理コントロールの比はかろうじて僅かに変化した。
【0106】
コントロール化合物2'-C-CH-Cは、試験された濃度にわたって細胞の指数関数的成長を阻害せす(図4c)、rRNAレベル、例えばrRNAに影響しないが(図3a)、レプリコンHCV RNAレベルを有意に減少させる(4日の修正EC90=10.4μM、表1)典型的な化合物である。よって、HCV RNAレプリコンに対する特異的抗ウイルス効果は、次の条件の全ての組み合わせでないならば、少なくとも幾つかに依存する:(i)指数関数的な細胞成長に対する影響なし、(ii)細胞性宿主RNAレベルの減少なしか又は制限された減少;及び(iii)コントロールと比較した場合のHCV RNAコピー数の減少。
【0107】
実施例4
本発明の代謝拮抗剤を選択する抗ウイルス効果
ヌクレオチド生合成経路の代謝拮抗剤はNTPs又はdNTPsの新規合成を防止することが知られており、細胞分化の遅延又は停止か又は細胞死の何れかを生じる。IMPDH、RNR、CTPS、OOMPDC、ATC、及びチミジル酸シンターゼ(TS)酵素の阻害剤を含む、代謝拮抗剤の幾つかの部類をこの研究で評価した。これらの部類の阻害剤は、(上流経路の妨害のためにアップレギュレートされ;下流経路の妨害のためにダウンレギュレートされた)ヌクレオチドの細胞内プールを直接変化させることが知られている。
レプリコン細胞を96時間の間、これらの代謝拮抗剤の不存在下又は存在下でインキュベートし、その後に細胞内rRNA及びHCV RNAレベルを定量した(表1)。
これらの代謝拮抗剤の幾つかはHCV RNAレベルを有意に低下させるが、殆ど同様な阻害効果がrRNAのレベルに見られた(表1)。細胞毒性についての修正後、これらの代謝拮抗剤の大部分は抗HCV剤として特異的な潜在性(修正EC90値>100μM)を有していなかった。
【0108】
しかしながら、UTP及びCTPの新規合成の原因である酵素(アスパルテートトランスカルバモイラーゼ(ATC),E.C.2.1.3.2);ジヒドロ-オロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH,E.C.3.5.2.3);オロチジン-5'-モノホスフェートデカルボキシラーゼ(OMPDC,E.C.4.1.1.23);CTP合成酵素(CTPS,E.C.6.3.4.2)に対する既知の阻害効果を持つ化合物は幾らかの抗ウイルス効果を示した。これらの阻害剤は96時間のインキュベーション後に用量応答アッセイで試験し、rRNA減少について修正された次のEC90値を生じた:CP-C=25μM(図3C);3-DU=〜100μM(図3D);CPE-C=2.5μM(図3E);ピラゾフリン=3.8μM;PALA=7.6μM;及びdFdC=0.17μM(図3F)。dFdCはこれまでリボヌクレオチドレダクターゼ(RNR)及びCTPSの阻害を含む幾つかの代謝拮抗活性を示した(Heinemann等 "Gemcitabine : a modulator of intracellular nucleotide and deoxynucleotide metabolism" Semin Oncol. 1995,22, 11-8;Plunkett等"Gemcitabine: metabolism, mechanisms of action, and self-potentiation" Semin Oncol., 1995, 22, 3-10)。
【0109】
実施例5
リボ-ピリミジンの新規合成の阻害剤の抗ウイルス効果
選択された阻害剤を7日の期間にわたって特異的抗HCV活性を評価した(図5)。CTPS阻害剤は、そのEC90値を試験した場合、HCVレプリコンを含むHuh7細胞株に対して細胞分裂停止効果を生じた。細胞分裂停止の同様のレベルはまたリバビリンの実験で観察されたが(図4b)、CTP及びUTP新規合成経路の阻害剤はHCV RNAレベルの低減により特異的であるようであった。細胞当りのHCV RNAコピーの減少はより顕著であった。
PALA及びピラゾフリンはHCV RNA複製の非常に強力な阻害を示し、薬剤のないコントロールと比較して7日のアッセイにわたって細胞成長効果が最小であった(図6)。後者のアッセイでは、ウイルスRNA減少についておよそのEC90値で化合物を試験した。
【0110】
TS阻害剤はdUMPのTMPへの転換を阻害し、それによってTTPの利用可能なプールを減少させる。このタイプの阻害剤をDNAウイルス、例えばヘルペス及びサイトメガロウイルスに関して研究したが(Wachsman等 "Anticytomegaloviral activity of methotrexate associated with preferential accumulation of drug by cytomegalovirus-infected cells"Antimicrob Agents Chemother., 1996, 40, 433-6)、これらTS阻害剤がRNAウイルスを阻害することの証拠は現在では殆ど入手できない。TTPはRNAポリメラーゼ(HCVのRdRPを含む)に対する基質ではないので、この部類の化合物は適用される方法のネガティブコントロールと見ることができる。これらの研究では試験されていないが、TS阻害剤は細胞毒性又は細胞分裂停止の結果を誘導し得る。
【0111】
OMPDCは、オロチジン-5-ホスフェートのUMPへの転換(これはUTPの生合成の重要な工程である)を触媒する酵素である。この酵素のある種の阻害剤(例えば6-アザウリジン;2-チオ-6-アザウリジン)での処理は細胞質HCV RNA代謝に対して殆ど効果がないと思われた。これまで、6-アザウリジンは、異なったフラビウイルスに対して活性があることが見出されており(Crance等 "Inhibition of sandfly fever Sicilian virus (Phlebovirus) replication in vitro by antiviral compounds" Res Virol. 1997, 148, 353-65; Morrey等 "Identification of active antiviral compounds against a New York isolate of West Nile virus" Antiviral Res. 2002, 55, 107-16;Neyts等 "Use of the yellow fever virus vaccine strain 17D for the study of strategies for the treatment of yellow fever virus infections "Antiviral Res. 1996, 30, 125-32)、HCV RNAレプリコン系に如何なる抗ウイルス効果もないことの理由は説明されないままである。培養培地からのウラシル又はウリジンの取り込みと組み合わせた何れかのサルベージピリミジン経路が阻害を補償することは排除できない。6-アザウリジンに対して、培地中の透析仔ウシ血清を使用してレプリコン実験を繰り返したが、本質的に同じ結果が得られた。
【0112】
しかしながら、ピラゾフリンは抗ウイルス活性を示したが、その分子は過去にある種のウイルスに対して有していることが示されている(Neyts等 "Use of the yellow fever virus vaccine strain 17D for the study of strategies for the treatment of yellow fever virus infections"Antiviral Res. 1996,30, 125-32;De Clercq等 "Broad-spectrum antiviral and cytocidal activity of cyclopentenylcytosine, a carbocyclic nucleoside targeted at CTP synthetase "Biochem Pharmacol., 1991, 41, 1821-9)。ピラゾフリンは、OMPDCの阻害に加えて、DHODHを阻害することも報告されている(Balzarini等 "Effect of antimetabolite drugs of nucleotide metabolism on the anti-human immunodeficiency virus activity of nucleoside reverse transcriptase inhibitors" Pharmacol Ther. 2000,87, 175-87)。OMPDCの阻害は他の細胞サルベージ経路によって補償され、よってこのレベルでの阻害は如何なる特異的な抗ウイルス効果も生じないが、本質的に同じ阻害剤によるDHODHの阻害は補償され得ず、従って観察された抗ウイルス効果を生じる。ピラゾフリン及び6-アザウリジンの生物学的活性はモノホスフェートのレベルにある(Suttle, D. P.,及びG. R. Stark "Coordinate overproduction of orotate phosphoribosyltransferase and orotidine-5'-phosphate decarboxylase in hamster cells resistant to pyrazofurin and 6-azauridine" J Biol Chem. 1979, 254, 4602-7)。
【0113】
ある種のIMPDH阻害剤はプリンヌクレオチドの生合成における重要な酵素工程を阻害する。この部類に属する幾つかの化合物は活性なウイルス産生における強力な阻害剤であることが過去に示されていたが(Markland等 2000. Broad-spectrum antiviral activity of the IMP dehydrogenase inhibitor VX-497: a comparison with ribavirin and demonstration of antiviral additivity with alpha interferon. Antimicrob Agents Chemother. 44: 859-866; Stuyver等 "Inhibitors of the IMPDH enzyme as potential anti-bovine viral diarrhea virus agents" Antiviral Chem Chemother. 2003,13, 49-56)、HCVレプリコンで評価された場合には殆ど特異性は観察されない。
【0114】
ある種のCTPS阻害剤はHCVレプリコンに対して有望性を有していることが示され、CPE-Cが最も強力である。これらの化合物は抗ウイルス効果と、ヒト膠肉腫及び星細胞腫株のパネルを含む広範なヒト及びマウス腫瘍株に対して抗増殖効果を示した(Agbaria等 1997. Antiproliferative effects of cyclopentenyl cytosine (NSC 375575) in human glioblastoma cells Oncol Res. 9: 111-8;De Clercq等 1991. Broad-spectrum antiviral and cytocidal activity of cyclopentenylcytosine, a carbocyclic nucleoside targeted at CTP synthetase Biochem Pharmacol. 41: 1821-9;Politi等 1995. Phase I clinical trial of continuous infusion cyclopentenyl cytosine. Cancer Chemother Pharmacol. 36: 513-23)。この効果は5'-トリホスフェート代謝産物(例えばCPEC-TP)によって主につくり出される。CPEC-TPの用量依存的蓄積にはCTPプールの同時の減少が伴い、後者の50%枯渇が約0.1μMのCPE-Cレベルで達成される。
【0115】
dFdCは元々はその抗ウイルス効果について研究されたが(Bianchi等, 1994. Inhibition of ribonucleotide reductase by 2'-substituted deoxycytidine analogs: possible application in AIDS treatment Proc Natl Acad Sci U S A. 91: 8403-7)、それ以来、抗腫瘍剤として開発されてきた。dFdCはDNA合成(S期)を受ける細胞を主に標的とする細胞分裂周期特異的薬剤である。dFdCの作用は次のように総括される:(i)dFdC-DPはRNRを阻害し、dCTP濃度の減少を生じる;(ii)dCTPレベルの低減はDNA中へのdFdC-TPの好ましい導入を生じ、DNA鎖の破壊と細胞死をもたらす;(iii)細胞性dCTPレベルの減少はデオキシシチジンキナーゼの活性増加を生じ、dFdCの自己増強を引き起こす;(iv)dFdC-TPはdCMPデアミナーゼを阻害する;及び最後に(v)高濃度のdFdC-TPはCTPSを阻害する(Heinemann等 1995. Gemcitabine: a modulator of intracellular nucleotide and deoxynucleotide metabolism Semin Oncol. 22: 11-8;Plunkett等 1995. Gemcitabine: metabolism, mechanisms of action, and self-potentiation Semin Oncol. 22: 3-10)。試験した他のRNR阻害剤(Hu、テザシタビン、デフェロキサミン、グアナゾール)は何れもレプリコンの如何なる特異的阻害も示さなかったので、dFdCの抗ウイルス効果はCTPS阻害に帰する可能性がある。これは、任意のタイプの阻害剤(PALA、ピラゾフリン、CP-C、CPE-C、及びdFdC)によるUTP及び/又はCTPのレベルの低減が抗ウイルス効果を生じさせるという仮説に符合する。
【0116】
試験した殆ど全ての化合物が細胞分裂停止を誘導したが、必ずしも全ての代謝拮抗剤が細胞当たりのHCV RNAレプリコンコピー数を減少させる能力を有していなかった。典型的には、IMPDH阻害剤は最小の低減を示しただけであるが、CTPS阻害剤はより強力であった。従って、細胞内ヌクレオチドプールはHCV RNAコピー数の定常状態レベルを維持するのに重要な役割を果たす。細胞が薬剤誘導細胞分裂停止に入る場合、CTPレベル(又はより一般にはピリミジン類)の減少がHCV RNA代謝回転に対してGTP(又はより一般にはプリン類)のレベルよりも大きなインパクトを持っているように思われる。
【0117】
レプリコンRNA代謝回転はRdRPを経ての活性な生産対HCVレプリコンRNA半減期の間の平衡である。指数関数的に成長する細胞は主として新規NTP合成に依存する一方、コンフルエントな細胞はより頻繁にサルベージ経路を使用してそのNTPの必要性を支援する。これは、ある種の代謝拮抗剤(新規ピリミジンヌクレオシド阻害剤)がコンフルエントな細胞に見られる観察、すなわち細胞分裂停止状態下でのレプリコンRNAプールの迅速な劣化を模倣する能力を有していることを示唆する。ピリミジンの新規合成は重要であり、合成工程の何れかの阻害はウイルスRNAの測定可能な減少を生じうる。合成経路と既知の阻害剤の概要は図7に示す。
細胞内CTPの限られた利用性がコンフルエントな未処理細胞におけるレプリコンRNA定常状態の破壊(図2に示される)の原因であるならば、CTPS阻害剤で見られた観察は非特異的な抗ウイルス効果と解釈することができる。
【0118】
表1。

【0119】
実施例6
逆の研究。
ついで、一連の実験を実施して観察された抗ウイルス及び細胞分裂停止効果を防止する可能性を研究した。細胞を、試験化合物と、同時に天然のリボ-又は2'-デオキシヌクレオシド(アデノシン、グアノシン(G)、シチジン(C)、ウリジン(U)、2'-デオキシシチジン(dC)、2'-デオキシウリジン、チミジン、2'-デオキシグアノシン(dG)、及び2'-デオキシアデノシン)と共にインキュベートした(表2)。
既知の抗ウイルス化合物IFN-α-2a及び2'-C-CH3-Aの抗ウイルス効果は天然ヌクレオシドの何れによっても防止できなかった。IMPDH阻害剤について予想されたように、細胞成長及びHCVレプリコンRNA複製に対するリバビリンの効果はdG及びGによって防止された。dFdCの場合には、観察された毒性及び抗ウイルス効果はdCによって防止された。CTPS阻害剤に対する予想に沿って、培養培地へのシチジンの添加は阻害効果を補った。驚いたことに、CPE-Cを低濃度(1μM)で試験した場合、代謝拮抗効果は培地中の50μMのウリジンによって部分的に防止できた(表2)。ATC、DHODH、及びOMPDC酵素の阻害剤の効果は培養培地へのウリジンの添加によって防止できた。
【0120】
本発明は様々な特定の好適な実施態様及び方法を参照しながら記載した。しかしながら、本発明の上記詳細な説明から、本発明の精神及び範囲内において、多くの変更及び変形が当業者には明らかであることが理解されなければならない。
【0121】

【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の抗ウイルス又は抗増殖活性剤、並びに既知の抗ウイルス又は抗増殖活性ヌクレオシド、リバビリン、2'-C-メチル-リボフラニルシトシン(2C-CH-C)、及び2'-C-メチル-リボフラニルアデノシン(2C-CH-A)で本明細書で比較例として使用されるものの構造を示す。
【図2】Huh7細胞成長を含むHCVレプリコンの動態を示す折れ線グラフである。HCVレプリコン細胞は6ウェルプレートにウェル当たりおよそ10細胞で播種した。14日の期間にわたって、毎日細胞を収集してカウントし、rRNA及びHCV RNAをQ-RT-PCRによって定量した。塗り潰した四角形記号:rRNA;白抜き逆三角形記号:HCV RNA;塗り潰した円形記号:細胞数。示した曲線は少なくとも3回の異なった実験の平均値である。
【図3】投与した用量の関数としてHCV RNA及びrRNAの減少を示す折れ線グラフである。HCVレプリコン細胞は96ウェルプレートにウェル当たりおよそ10細胞で試験化合物の存在下で播種し、96時間インキュベートした。rRNA及びHCV RNAをQ-RT-PCRによって定量した。塗り潰した円形記号:HCV RNAレベル;白抜き円形記号:rRNAレベル;塗り潰し逆三角形記号:細胞毒性に対しての修正(rRNAの減算)後のHCV RNAレベル。A:2'-C-CH-C;B:リバビリン;C:CP-C;D:3DU;E:CPE-C;F:dFdC。示されたプロットは少なくとも3回の独立した実験の平均した結果である。表1に与えたEC90値は細胞毒性に対して修正したHCV曲線から読み取られている。
【図4】抗HCV化合物への暴露後の細胞成長及びHCV RNAレベルの動態を示す折れ線グラフである。HCVレプリコン細胞は24ウェルプレートにウェル当たりおよそ10細胞で播種した。7日の期間にわたって、毎日細胞を収集してカウントし、rRNA及びHCV RNAをQ-RT-PCRによって定量した。A:100IU/mlのIFN-α-2a;B:100μMのリバビリン;C:100μMの2'-C-CH-C;D:20μMの2'-C-CH-A。塗り潰した円形記号:化合物がない場合の細胞増殖;白抜き円形記号:化合物がない場合の細胞増殖;塗り潰した逆三角形記号:未処理細胞中のHCV RNAレベル;白抜きの逆三角形記号:化合物の存在下でのHCV RNAレベル。示された曲線は少なくとも3回の異なった実験の平均値である。
【図5】選択された代謝拮抗剤への暴露後の細胞成長及びHCV RNAレベルの動態を示す折れ線グラフである。実験設定は図4のものと同じであった。A:1μMのdFdC;B:100μMの3-DU;C:25μMのCP-C;D:2.5μMのCPE-C;塗り潰した円形記号:化合物がない場合の細胞増殖;白抜き円形記号:化合物がない場合の細胞増殖;塗り潰した逆三角形記号:未処理細胞中のHCV RNAレベル;白抜きの逆三角形記号:化合物の存在下でのHCV RNAレベル。示された曲線は少なくとも3回の異なった実験の平均値である。
【図6】PALA及びピラゾフリンへの暴露後の用量応答及び動態を示す折れ線グラフである。実験設定は図4のものと同じであった。
【図7】新規ピリミジン合成の生化学的経路を示す概略図である。異なった酵素の触媒工程は矢印で示されている。例えば、アスパルテートカルバモイルトランスフェラーゼ:EC2.1.3.2;ジヒドロオロターゼ:EC3.5.2.3;オロテートレダクターゼ:EC1.3.1.14;ジヒドロオロテートオキシダーゼ:EC1.3.3.1;ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ;EC1.3.99.11;オロテートホスホリボシルトランスフェラーゼ:EC2.4.2.10;オロチジン-5'-モノホスフェートデカルボキシラーゼ:EC4.1.1.23;CTP合成酵素:E.C.6.3.4.2。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療を必要とする宿主における異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-a*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Zは独立してO、S、Se、C(=O)、C(=S)、C(=CH)、NH、又はNRであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、C(=NH)NH、C(=O)NHOH、C(=O)NHNH、CHNH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、CN、又はCHR*NHであり;
各R*は水素、F、Cl、Br、又はIであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり;
各Rは独立して水素、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、又はC(=S)NHであり;
但し、環ヘテロ原子は3個以下である]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項2】
がOである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
がSである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
がCHである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
がCFである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
治療を必要とする宿主における異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-b*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各Wは独立してN、CH、CCH、CF、CCl、CBr、CI、CCOH、CCOCH、CCONH、CC(=S)NH、又はCCNであり;
各R1'は独立して水素、F、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項7】
がOである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
がSである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
がCHである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
がCFである、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
治療を必要とする宿主における異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-c*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W、W、及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項12】
がOである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
がSである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
がCHである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
がCFである、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
治療を必要とする宿主における異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-d*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各R1'は独立してCN、COCH、C(=O)NH、C(=S)NH、又はC(=NH)NHであり;
各R1"は独立してOH、SH、NH、又はNHRであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり、
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項17】
がOである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
がSである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
がCHである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
がCFである、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
治療を必要とする宿主における異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項22】
治療を必要とする宿主における異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項23】
治療を必要とする宿主における異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項24】
治療を必要とする宿主における異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項25】
治療を必要とする宿主における異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量のN-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項26】
薬学的に許容可能な担体が経口的デリバリーに適したものである、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
薬学的に許容可能な担体が静脈内デリバリーに適したものである、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
薬学的に許容可能な担体が非経口的デリバリーに適したものである、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
薬学的に許容可能な担体が皮内デリバリーに適したものである、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
薬学的に許容可能な担体が皮下デリバリーに適したものである、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
薬学的に許容可能な担体が局所的デリバリーに適したものである、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
有効化合物が投薬単位の形態であって、該投薬単位が10〜1500mgの化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
有効化合物が錠剤又はカプセルである投薬単位の形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
宿主がヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
フラビウイルス科ウイルス感染がHCV感染である、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
宿主がヒトである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
治療を必要とする宿主におけるHCV感染の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-a*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Zは独立してO、S、Se、C(=O)、C(=S)、C(=CH)、NH、又はNRであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、C(=NH)NH、C(=O)NHOH、C(=O)NHNH、CHNH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、CN、又はCHR*NHであり;
各R*は水素、F、Cl、Br、又はIであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり;
各Rは独立して水素、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、又はC(=S)NHであり;
但し、環ヘテロ原子は3個以下である]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項38】
がOである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
がSである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
がCHである、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
がCFである、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
治療を必要とする宿主におけるHCV感染の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-b*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各Wは独立してN、CH、CCH、CF、CCl、CBr、CI、CCOH、CCOCH、CCONH、CC(=S)NH、又はCCNであり;
各R1'は独立して水素、F、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項43】
がOである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
がSである、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
がCHである、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
がCFである、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
治療を必要とする宿主におけるHCV感染の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-c*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W、W、及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項48】
がOである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
がSである、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
がCHである、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
がCFである、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
治療を必要とする宿主におけるHCV感染の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-d*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各R1'は独立してCN、COCH、C(=O)NH、C(=S)NH、又はC(=NH)NHであり;
各R1"は独立してOH、SH、NH、又はNHRであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり、
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項53】
がOである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
がSである、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
がCHである、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
がCFである、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
治療を必要とする宿主におけるHCV感染の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項58】
治療を必要とする宿主におけるHCV感染の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項59】
治療を必要とする宿主におけるHCV感染の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項60】
治療を必要とする宿主におけるHCV感染の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項61】
治療を必要とする宿主におけるHCV感染の治療及び/又は予防方法において、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量のN-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグを上記宿主に投与することを含んでなる方法。
【請求項62】
薬学的に許容可能な担体が経口的デリバリーに適したものである、請求項37に記載の方法。
【請求項63】
薬学的に許容可能な担体が静脈内デリバリーに適したものである、請求項37に記載の方法。
【請求項64】
薬学的に許容可能な担体が非経口的デリバリーに適したものである、請求項37に記載の方法。
【請求項65】
薬学的に許容可能な担体が皮内デリバリーに適したものである、請求項37に記載の方法。
【請求項66】
薬学的に許容可能な担体が皮下デリバリーに適したものである、請求項37に記載の方法。
【請求項67】
薬学的に許容可能な担体が局所的デリバリーに適したものである、請求項37に記載の方法。
【請求項68】
有効化合物が投薬単位の形態であって、該投薬単位が10〜1500mgの化合物を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項69】
有効化合物が錠剤又はカプセルである投薬単位の形態である、請求項37に記載の方法。
【請求項70】
宿主がヒトである、請求項37に記載の方法。
【請求項71】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-a*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Zは独立してO、S、Se、C(=O)、C(=S)、C(=CH)、NH、又はNRであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、C(=NH)NH、C(=O)NHOH、C(=O)NHNH、CHNH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、CN、又はCHR*NHであり;
各R*は水素、F、Cl、Br、又はIであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり;
各Rは独立して水素、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、又はC(=S)NHであり;
但し、環ヘテロ原子は3個以下である]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項72】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-b*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各Wは独立してN、CH、CCH、CF、CCl、CBr、CI、CCOH、CCOCH、CCONH、CC(=S)NH、又はCCNであり;
各R1'は独立して水素、F、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項73】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-c*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W、W、及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項74】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-d*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各R1'は独立してCN、COCH、C(=O)NH、C(=S)NH、又はC(=NH)NHであり;
各R1"は独立してOH、SH、NH、又はNHRであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり、
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項75】
がOである、請求項71ないし74の何れか一項に記載の使用。
【請求項76】
がSである、請求項71ないし74の何れか一項に記載の使用。
【請求項77】
がCHである、請求項71ないし74の何れか一項に記載の使用。
【請求項78】
がCFである、請求項71ないし74の何れか一項に記載の使用。
【請求項79】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項80】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項81】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項82】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項83】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量のN-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項84】
フラビウイルス科ウイルス感染がHCV感染である、請求項71ないし83の何れか一項に記載の使用。
【請求項85】
HCV感染の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-a*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Zは独立してO、S、Se、C(=O)、C(=S)、C(=CH)、NH、又はNRであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、C(=NH)NH、C(=O)NHOH、C(=O)NHNH、CHNH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、CN、又はCHR*NHであり;
各R*は水素、F、Cl、Br、又はIであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり;
各Rは独立して水素、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、又はC(=S)NHであり;
但し、環ヘテロ原子は3個以下である]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項86】
HCV感染の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-b*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各Wは独立してN、CH、CCH、CF、CCl、CBr、CI、CCOH、CCOCH、CCONH、CC(=S)NH、又はCCNであり;
各R1'は独立して水素、F、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項87】
HCV感染の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-c*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W、W、及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項88】
HCV感染の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-d*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各R1'は独立してCN、COCH、C(=O)NH、C(=S)NH、又はC(=NH)NHであり;
各R1"は独立してOH、SH、NH、又はNHRであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり、
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項89】
がOである、請求項85ないし88の何れか一項に記載の使用。
【請求項90】
がSである、請求項85ないし88の何れか一項に記載の使用。
【請求項91】
がCHである、請求項85ないし88の何れか一項に記載の使用。
【請求項92】
がCFである、請求項85ないし88の何れか一項に記載の使用。
【請求項93】
HCV感染の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項94】
HCV感染の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項95】
HCV感染の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項96】
HCV感染の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項97】
HCV感染の治療及び/又は予防のための、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量のN-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項98】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-a*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Zは独立してO、S、Se、C(=O)、C(=S)、C(=CH)、NH、又はNRであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、C(=NH)NH、C(=O)NHOH、C(=O)NHNH、CHNH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、CN、又はCHR*NHであり;
各R*は水素、F、Cl、Br、又はIであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり;
各Rは独立して水素、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、又はC(=S)NHであり;
但し、環ヘテロ原子は3個以下である]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項99】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-b*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各Wは独立してN、CH、CCH、CF、CCl、CBr、CI、CCOH、CCOCH、CCONH、CC(=S)NH、又はCCNであり;
各R1'は独立して水素、F、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項100】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-c*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W、W、及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項101】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-d*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各R1'は独立してCN、COCH、C(=O)NH、C(=S)NH、又はC(=NH)NHであり;
各R1"は独立してOH、SH、NH、又はNHRであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり、
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項102】
がOである、請求項98ないし101の何れか一項に記載の使用。
【請求項103】
がSである、請求項98ないし101の何れか一項に記載の使用。
【請求項104】
がCHである、請求項98ないし101の何れか一項に記載の使用。
【請求項105】
がCFである、請求項98ないし101の何れか一項に記載の使用。
【請求項106】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項107】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項108】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項109】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項110】
異常細胞増殖を伴うフラビウイルス科ウイルス感染又は疾患の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量のN-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項111】
フラビウイルス科ウイルス感染がHCV感染である、請求項98ないし110の何れか一項に記載の使用。
【請求項112】
HCV感染の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-a*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Zは独立してO、S、Se、C(=O)、C(=S)、C(=CH)、NH、又はNRであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、C(=NH)NH、C(=O)NHOH、C(=O)NHNH、CHNH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、CN、又はCHR*NHであり;
各R*は水素、F、Cl、Br、又はIであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり;
各Rは独立して水素、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、又はC(=S)NHであり;
但し、環ヘテロ原子は3個以下である]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項113】
HCV感染の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-b*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W及びWは独立してN又はCR1'であり;
各Wは独立してN、CH、CCH、CF、CCl、CBr、CI、CCOH、CCOCH、CCONH、CC(=S)NH、又はCCNであり;
各R1'は独立して水素、F、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、CH(Me)、CHCH(Et)、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項114】
HCV感染の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-c*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各Yは独立してO、S、Se、又はNHであり;
各W、W、及びWは独立してN又はCR1'であり;
各R1'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Bu、CHCN、CHCOCH、CHC(=O)NH、CHC(=S)NH、C(=O)NH、C(=S)NH、NH、NHCH、N(CH)、NHCHCH、OH、OCH、OCHCH、SH、SCH、SCHCH、COH、又はCNであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項115】
HCV感染の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の一般式(IV-d*):

[上式中、
各Dは独立してOH、SH、NH、NHR、又はODであり、ここで、Dは水素、アルキル、アシル、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、リン脂質又はアミノ酸であり;
各Zは独立してO、S、CH、CF、C(=O)、又はC(=CH)であり;
各R1'は独立してCN、COCH、C(=O)NH、C(=S)NH、又はC(=NH)NHであり;
各R1"は独立してOH、SH、NH、又はNHRであり;
各R2'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各R3'は独立して水素、F、Cl、Br、I、CH、CHOH、CHF、CHSH、CHSCH、CH、CHNH、OH、OCH、又はNHであり;
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、低級ハロアルキル、置換されていてもよい又は未置換の低級アルケニル、低級ハロアルケニル、置換されていてもよい又は未置換のアリール、未置換又は置換フェニル又はベンジル等のアリールアルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルであり、
各Rは独立して水素、置換されていてもよい又は未置換の低級アルキル、又は置換されていてもよい又は未置換のアシルである]
のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項116】
がOである、請求項112ないし115の何れか一項に記載の使用。
【請求項117】
がSである、請求項112ないし115の何れか一項に記載の使用。
【請求項118】
がCHである、請求項112ないし115の何れか一項に記載の使用。
【請求項119】
がCFである、請求項112ないし115の何れか一項に記載の使用。
【請求項120】
HCV感染の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項121】
HCV感染の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項122】
HCV感染の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項123】
HCV感染の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量の式:

のβ-D-ヌクレオシド又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項124】
HCV感染の治療及び/又は予防のための医薬の製造における、場合によっては薬学的に許容可能な担体又は希釈剤中に入れた、治療的有効量のN-(ホスホノアセチル)-L-アスパルテート(PALA)又はその薬学的に許容可能な塩及び/又はプロドラッグの使用。
【請求項125】
薬学的に許容可能な担体が経口的デリバリーに適したものである、請求項71ないし124の何れか一項に記載の方法。
【請求項126】
薬学的に許容可能な担体が静脈内デリバリーに適したものである、請求項71ないし124の何れか一項に記載の方法。
【請求項127】
薬学的に許容可能な担体が非経口的デリバリーに適したものである、請求項71ないし124の何れか一項に記載の方法。
【請求項128】
薬学的に許容可能な担体が皮内デリバリーに適したものである、請求項71ないし124の何れか一項に記載の方法。
【請求項129】
薬学的に許容可能な担体が皮下デリバリーに適したものである、請求項71ないし124の何れか一項に記載の方法。
【請求項130】
薬学的に許容可能な担体が局所的デリバリーに適したものである、請求項71ないし124の何れか一項に記載の方法。
【請求項131】
有効化合物が投薬単位の形態であって、該投薬単位が10〜1500mgの化合物を含む、請求項71ないし130の何れか一項に記載の方法。
【請求項132】
有効化合物が錠剤又はカプセルである投薬単位の形態である、請求項71ないし131の何れか一項に記載の方法。
【請求項133】
宿主がヒトである、請求項71ないし132の何れか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−524227(P2006−524227A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506588(P2006−506588)
【出願日】平成16年3月29日(2004.3.29)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001429
【国際公開番号】WO2004/084796
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505442842)ファーマセット,インク. (20)
【Fターム(参考)】